説明

箱型容器

【課題】側壁部に形成された開口部から物品を取出し易くすることのできる箱型容器を提供する。
【解決手段】箱型容器1は、略矩形板状の底壁部11と、底壁部11の相対する一対の長辺部からそれぞれ上方に延出する一対の長辺側側壁部12と、一対の長辺側側壁部12の各側辺部間を連結する短辺側側壁部13aとを備えるとともに、一方の短辺側側壁部13aには、下縁部が底壁部11の上面によって画定される掃出し開口部3が形成されている。また、掃出し開口部3の下縁部に沿って回動可能に軸支され、掃出し開口部3を開閉可能な扉部材4が設けられている。さらに、扉部材4は、掃出し開口部3を閉鎖した状態から外側に所定角度開くことで、当該扉部材4の内面と、底壁部11の上面とがほぼ連続した平坦面となるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬等に使用される箱型容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、物品の運搬等に使用される箱型容器は、略矩形状の底壁部と、底壁部の4つの側辺部から上方に延出する側壁部とを備えており、上方から物品を出し入れする構成となっている。また、側壁部に開口部が形成されることで、箱型容器の側方からも物品の出し入れが行えるように構成されたものがある(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−322642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の箱型容器は、側壁部に形成された開口部の下縁部が底壁部の上面よりも上方に位置しており、開口部の下方において側壁部が残存している。このため、開口部を介して、箱型容器に収容されている物品を取出す場合には、開口部の下方に残る側壁部を跨がせるべく、物品を斜めに持ち上げる必要があり、作業性の低下等を招くおそれがある。その一方で、開口部の下方の側壁部を省略した場合には、開口部の周縁部の強度が低下し、運搬時等において箱型容器が変形し易くなる等の不具合を招くおそれがある。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、側壁部に形成された開口部から物品を取出し易くすることのできる箱型容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0007】
手段1.略矩形板状の底壁部と、
前記底壁部の相対する一対の側辺部からそれぞれ上方に延出する一対の第1側壁部と、
前記一対の第1側壁部の各側辺部間を連結する第2側壁部とを具備する箱型容器であって、
前記一対の第2側壁部のうち少なくとも一方において、下縁部が前記底壁部の上面によって画定される側面開口部が形成され、
前記側面開口部の下縁部に沿って回動可能に軸支され、前記側面開口部を開閉可能な扉部材を備え、
前記側面開口部が前記扉部材で閉鎖された状態から、前記扉部材を外側へ所定量開いた開状態とした場合に、前記扉部材の内面と、前記底壁部の上面とがほぼ連続した平坦面となるよう構成されていることを特徴とする箱型容器。
【0008】
手段1によれば、側壁部において、下縁部が底壁部の上面によって画定される側面開口部が形成されている。さらに、当該側面開口部を開閉する扉部材が設けられており、当該扉部材を外側へ所定量開くことで、扉部材の内面と底壁部の上面とがほぼ連続した平坦面となるように構成されている。このため、箱型容器に収容された(底壁部の上面に設置されている)物品を側面開口部から取出す場合において、物品を持ち上げることなく底壁部の上面から扉部材の内面にかけて滑らせて、比較的スムースに箱型容器の外部にまで至らせることができる。このように、物品を開いた状態の扉部材の内面の上にまで至らせたならば、作業者は物品の真上に位置するようにして物品を持ち上げることができる。このため、例えば、側面開口部の下縁部が底壁部の上面よりも上方に位置して両者間に段差がある、又は、扉部材を開いたとしても扉部材の内面が底壁部の上面よりも上方に位置して両者間に段差がある、或いは、扉部材が設けられていないような場合のように、側面開口部を介して箱型容器から物品を直接取上げるべく、比較的無理な体勢で物品を斜め上方に持ち上げなければならないといった事態を回避することができる。従って、側面開口部を介して箱型容器から物品を取出す際の作業者の負担を軽くするとともに、作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
【0009】
また、開状態における扉部材の内面と、底壁部の上面とが連続面となることで、底壁部の上面と扉部材の内面との境目における物品の移行も比較的スムースに行うことができ、物品のガタツキ等に起因する各種不具合を抑制することができる。さらには、開状態にある扉部材の内面に物品を載せた上で、該物品を底壁部の上面に向けて滑らせるようにして箱型容器に収容することもできる。加えて、扉部材が設けられていることで、物品を側面開口部から取出す際に、物品が接地面に接触してしまうといった事態を抑制することができ、物品を衛生的に運搬することができる。
【0010】
また、扉部材で側面開口部を閉鎖した状態とすれば、当該扉部材によって、側面開口部の周縁部の変形等を抑制することができる。従って、本手段のように側面開口部を比較的大きく形成した場合でも、扉部材を閉状態とすることで箱型容器の強度を高めることができ、運搬時や保管時等の形状の安定化を図ることができる。
【0011】
尚、扉部材の内面と、底壁部の上面とがほぼ平坦になった状態からさらに扉部材を大きく開いた場合に、扉部材が底壁部の上面から突出したり、底壁部が扉部材の内面から突出したりすることなく、前記扉部材の内面と、前記底壁部の上面とがほぼ連続した屈曲面となることとしてもよい。この場合、例えば、扉部材の内面上に物品を載せれば当該物品を扉部材の内面に沿わせて自然落下させることができる程度に扉部材を開いた状態でも、底壁部の上面から扉部材の内面にかけて物品を比較的スムースに滑り出させることができる。さらに、箱型容器が台に載せられて扉部材が底壁部から垂下するまで開かれた状態でも、扉部材が底壁部の上面よりも上方に突出しないことから、扉部材に阻害されることなく物品を底壁部の上面を滑らせるようにして側面開口部から取り出すことができる。従って、利便性の向上を図ることができる。
【0012】
手段2.前記扉部材の内面には、当該扉部材の回転軸線方向に対して直交する方向(扉部材の高さ方向)に沿って延びる複数のリブ又は溝部が形成されていることを特徴とする手段1に記載の箱型容器。
【0013】
手段2によれば、扉部材の内面にリブ又は溝部が形成されているため、開放された扉部材の内面上に物品を滑らせた場合の摩擦抵抗を低減させるとともに、物品が扉部材の内面に吸着する等の事態を抑止することができる。さらに、リブ(溝部)は、側面開口部を介して物品を取出す際に物品を底壁部から扉部材に滑り出させる方向(扉部材の回転軸線方向に対して直交する方向)に沿って延びているため、当該取出し作業に際して物品を扉部材の内面上に滑らせても、物品ががたついたり、リブ(溝部)に引っ掛かったりする等の事態を抑制することができる。従って、側面開口部を介して箱型容器から物品を取出す際の作業性をより一層向上させることができる。
【0014】
尚、底壁部の上面にも、側面開口部側に向けて延びる複数のリブ又は溝部が形成されていることとしてもよい。この場合、底壁部上を滑る物品の摩擦抵抗を低減させる等の作用効果が奏され、側面開口部を介して箱型容器から物品を取出す際の作業性をより一層向上させることができる。さらに、箱型容器の内側を清掃する場合に、扉部材を開き、リブ(溝部)に入った埃等を側面開口部から掃き出すようにして比較的容易に除去することができる。
【0015】
手段3.前記一対の第2側壁部のうち一方の第2側壁部にのみ前記側面開口部が形成されるとともに、
同じ向きで上下に重ねることでスタッキングが行え、交互に180度回転させて上下に重ねることでネスティングが行える箱型容器であって、
前記各第1側壁部には、前記第1側壁部の外方に突出し、箱型容器をスタッキングした場合に下側の箱型容器の前記第1側壁部に当接して支持される複数の支脚部と、箱型容器をネスティングした場合に上側の箱型容器の前記各支脚部を収容する複数の収容凹部とが設けられ、
前記支脚部及び前記収容凹部のうち、前記支脚部の方が前記収容凹部よりも前記側面開口部の形成された前記第2側壁部に近い位置に設けられていることを特徴とする手段1又は2に記載の箱型容器。
【0016】
手段3によれば、補強用のリブ等を別途設けなくとも、スタッキング用の支脚部を活用して、側面開口部の周縁部の強度を向上させることができる。
【0017】
手段4.相対する一対の前記第1側壁部の内面は、前記側面開口部の形成された前記第2側壁部側の部位が、当該第2側壁部側に向けて、相対する前記第1側壁部間の距離を短くするようにして斜めに屈曲形成されるとともに、前記側面開口部の側縁部に連接していることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の箱型容器。
【0018】
手段4によれば、一対の第1側壁部の内面が第2側壁部において形成された側面開口部の側縁部に連接している。すなわち、側面開口部は、一方の第1側壁部の内面から他方の第1側壁部の内面にかけて形成されている。このため、例えば、側面開口部の両側方において第1側壁部の内面に対して直交して連接する第2側壁部を残した場合のように、側面開口部を介して箱型容器に収容されている物品を取出す際に、物品が側面開口部の両側方に位置する第2側壁部の内面に引っ掛かってしまうといった事態を回避することができる。さらに、側面開口部が極力大きく構成されることで、側面開口部を介して箱型容器の奥の方まで手が届き易くなる。従って、側面開口部を介して箱型容器から物品を取出す際の作業性をより一層向上させることができる。
【0019】
また、第1側壁部は、側面開口部の形成された第2側壁部側の部位の内面が屈曲している。これにより、側面開口部の周縁部(特に両側縁部)の強度を向上させることができる。さらに、第1側壁部の内面のうち側面開口部の側縁部と連接する部位は、側面開口部に向けて内側に傾斜して延びるテーパ面となっていることから、側面開口部を介して箱型容器に収容されている物品を取出す際に、物品が第1側壁部のテーパ面に当接しても、当該テーパ面によって物品の移動が阻害されることなく、むしろ、物品が比較的スムースに側面開口部側へと案内される。従って、側面開口部を介しての物品の取出し作業性の低下を抑制しつつ、側面開口部周縁の強度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】扉部材が閉状態にある箱型容器を上方から見た斜視図である。
【図2】扉部材が開状態にある箱型容器を上方から見た斜視図である。
【図3】扉部材が閉状態にある箱型容器を下方から見た斜視図である。
【図4】扉部材が閉状態にある箱型容器を上方から見た斜視図である。
【図5】図2のJ部を示す部分斜視図である。
【図6】扉部材が開状態にある箱型容器の斜視図である。
【図7】扉部材が閉状態にある箱型容器を図1のA−A線で切断した場合の断面図である。
【図8】扉部材が開状態にある箱型容器の断面図である。
【図9】本体部を上方から見た斜視図である。
【図10】本体部を下方から見た斜視図である。
【図11】扉部材の外面側の斜視図である。
【図12】扉部材の内面側の斜視図である。
【図13】スタッキングされた箱型容器を示す斜視図である。
【図14】ネスティングされた箱型容器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1〜図4等に示すように、箱型容器1は、上方に開口した箱型に構成されるとともに、内側に収容された物品を側方から出し入れするための掃出し開口部3(図2参照)が形成された本体部2と、掃出し開口部3を開閉可能な扉部材4とを備えている。本実施形態の箱型容器1はポリプロピレンにより構成されている。
【0022】
まずは、本体部2について説明する。図9、図10等に示すように、本体部2は、略矩形板状の底壁部11と、底壁部11の相対する長辺部からそれぞれ上方に延出する一対の第1側壁部としての長辺側側壁部12と、底壁部11の短辺部に沿って、一対の長辺側側壁部12の側辺部間を連結する第2側壁部としての短辺側側壁部13とを備え、これらが型成形により一体的に形成されている。尚、各長辺側側壁部12及び短辺側側壁部13の内側面は、型抜きの都合上、上方に向けて外側に若干傾斜して延びている。
【0023】
また、掃出し開口部3は、一対の短辺側側壁部13のうち一方に形成され、その下縁部は底壁部11の上面によって画定されている。以下、一対の短辺側側壁部13のうち、掃出し開口部3が形成されている方を開口側壁部13aと称し、掃出し開口部3の形成されていない方を閉鎖側壁部13bと称する。さらに、掃出し開口部3は、相対する一対の長辺側側壁部12の一方の内面から他方の内面にかけて形成されている。このため、開口側壁部13aは、一対の長辺側側壁部12の側辺部間の上部のみを連結したような格好をなしている。
【0024】
図4に示すように、閉鎖側壁部13bは、底壁部11の短辺部に沿って当該短辺部から上方に延出形成されている。また、閉鎖側壁部13bの上部には、閉鎖側壁部13bの上辺部を下方に凹ませるようにしてピッキング開口部15が形成されている。当該ピッキング開口部15を介して、箱型容器1の側方からでも収容されている物品を視認することができるため、収容された物品を確認しながら箱型容器1単位で仕分ける作業や、箱型容器1に収容されている物品のみを集めて回る作業を行い易くすることができる。加えて、ピッキング開口部15の両側方には、閉鎖側壁部13bの長辺側側壁部12と略直交するようにして連接する部位が残されている。
【0025】
また、本実施形態の各側壁部12、13は、上下方向に延びる縦壁部21と、縦壁部21の上縁部から外側に突出する上部フランジ22と、上部フランジ22と並行するようにして延在する下部フランジ23と、上部フランジ22と下部フランジ23との間を連結する補強リブ24とを備えている。尚、長辺側側壁部12及び閉鎖側壁部13bに関しては、下部フランジ23が各長辺側側壁部12及び閉鎖側壁部13b(縦壁部21)のほぼ半分の高さとなる部位に設けられているが、開口側壁部13aに関しては、縦壁部21が長辺側側壁部12の半分の高さ位置よりも上方に存在するだけなので、下部フランジ23が縦壁部21の下縁部に沿って設けられている。また、閉鎖側壁部13bに関しては、上部フランジ22がピッキング開口部15の縁に沿って設けられている。
【0026】
各長辺側側壁部12は、下部フランジ23の下方において縦壁部21から外側に突出する支脚部31を備えている。そして、図13に示すように、箱型容器1を同じ向きで上下に重ねた場合、上側の箱型容器1の支脚部31の下面が、下側の箱型容器1の上部フランジ22の上面に当接して支持される。これにより、箱型容器1の内側空間を極力狭めることなく、箱型容器1を上下に段積みする(スタッキングする)ことができ、箱型容器1に物品を収容した状態でも段積みして運搬・保管等を行うことができる。
【0027】
また、各長辺側側壁部12には、箱型容器1を交互に180度回転させて上下に重ねた場合に、上側に積まれる箱型容器1の前記支脚部31を収容する収容凹部32が設けられている。このため、図14に示すように、箱型容器1を交互に180度回転させて上下に重ねることで、上側の箱型容器1の支脚部31と、下側の箱型容器1の上部フランジ22との干渉を回避させることができ、上側の箱型容器1の下部フランジ23の下面と、下側の箱型容器1の上部フランジ22の上面とが当接するまで、上側の箱型容器1の下半分を下側の箱型容器1の内側に収めることができる。これにより、箱型容器1を極力嵩張らないように上下に段積みする(ネスティングする)ことができ、空の箱型容器1の運搬・保管効率を高めることができる。
【0028】
本実施形態では、支脚部31及び収容凹部32は、各長辺側側壁部12においてそれぞれ2つずつ設けられている。より具体的に説明すると、図9等に示すように、長辺側側壁部12のうち開口側壁部13aとの境界部近傍部位に第1支脚部31aが設けられている。これに対し、長辺側側壁部12のうち閉鎖側壁部13bとの境界部近傍部位、すなわち、長辺側側壁部12の長手方向中央部を中心として、第1支脚部31aの対称位置に第1収容凹部32aが設けられている。また、長辺側側壁部12の長手方向において、第1支脚部31aの閉鎖側壁部13b側に隣接する位置に第2収容凹部32bが形成されるとともに、第1収容凹部32aの開口側壁部13a側に隣接する位置、すなわち、長辺側側壁部12の長手方向中央部を中心として、第2収容凹部32bの対称位置に第2支脚部31bが設けられている。そして、図14に示すように、箱型容器1をネスティングすると、上側の箱型容器1の第1支脚部31aが下側の箱型容器1の第1収容凹部32aに収容され、上側の箱型容器1の第2支脚部31bが下側の箱型容器1の第2収容凹部32bに収容されることとなる。
【0029】
また、図9等に示すように、縦壁部21は基本的に平板状をなしており、このため、各長辺側側壁部12の内面についても基本的に平坦面となっているが、本実施形態では、各長辺側側壁部12の内面のうち開口側壁部13a側の部位が、相対する長辺側側壁部12間の距離を短くするようにして斜めに屈曲形成されている。さらに、上記のように、掃出し開口部3は、一対の長辺側側壁部12の一方の内面と他方の内面との間にかけて形成されている。すなわち、各長辺側側壁部12の内側面の開口側壁部13a側の部位には、開口側壁部13a側に向けて、本体部2の内側に傾斜して延び、掃出し開口部3の側縁部に連接するテーパ面17が形成されている。本実施形態では、長辺側側壁部12の内面において、当該テーパ面17とその他の一般部とのなす角度は、135度以上、170度以下となっている。
【0030】
また、図5等に示すように、底壁部11の上面側には、長辺側側壁部12の長手方向に沿って延びる底壁側ガイドリブ35が短辺側側壁部13の長手方向において等間隔で設けられている。換言すれば、長辺側側壁部12の長手方向に沿って延在する溝部を短辺側側壁部13の長手方向において所定間隔毎に形成することで、結果的に、底壁側ガイドリブ35が形成されている。各底壁側ガイドリブ35は、底壁部11の相対する一対の短辺部のうち閉鎖側壁部13b側の短辺部から他方の開口側壁部13a側の短辺部近傍にかけて切れ目なく連続的に形成されている。本実施形態では、隣接する底壁側ガイドリブ35間の部位が溝部に相当する。また、底壁側ガイドリブ35の掃出し開口部3側の端部は次第に突出長が小さくなるように緩やかに傾斜している。加えて、隣接する底壁側ガイドリブ35間の溝部の底面には、上下に貫通する水抜き孔36が形成されている。尚、底壁部11の上面において底壁側ガイドリブ35に交差するようなリブは形成されていない。
【0031】
さらに、図10等に示すように、底壁部11の下面側には、格子状に突出する底リブ37が設けられている。さらに、図7等に示すように、底リブ37の突出長は、開口側壁部13a側から閉鎖側壁部13b側に向けて次第に短くなっており、これに伴って、底リブ37を含む底壁部11の厚みが、開口側壁部13a側から閉鎖側壁部13b側に向けて次第に薄くなっている。従って、箱型容器1を水平な設置面に設置した場合、底壁部11の上面が、開口側壁部13a側から閉鎖側壁部13b側に向けて下方傾斜するように構成されている。
【0032】
次に、扉部材4について説明する。図11、図12等に示すように、扉部材4は、略板状のベース部41と、ベース部41の外周縁に沿ってベース部41の外面(掃出し開口部3を閉鎖した状態において外側を向く面)から外側に延出する枠リブ42とを備え、掃出し開口部3の下縁部に沿って本体部2に軸支されている。
【0033】
ベース部41の内面側には、扉部材4の高さ方向に沿って延在する扉側ガイドリブ45が、扉部材4の横幅方向において等間隔で設けられている。換言すれば、扉部材4の高さ方向に沿って延在する溝部を扉部材4の横幅方向において所定間隔毎に形成することで、結果的に、扉側ガイドリブ45が形成されている。各扉側ガイドリブ45は、上辺部近傍から下辺部近傍にかけて切れ目なく連続的に形成されている。本実施形態では、隣接する扉側ガイドリブ45間の部位が溝部に相当する。また、扉側ガイドリブ45の両端部は次第に突出長が小さくなるように緩やかに傾斜している。加えて、隣接する扉側ガイドリブ45間の溝部の底面には、扉部材4の厚み方向に貫通する水抜き孔46が形成されている。尚、扉部材4の内面において扉側ガイドリブ45に交差するようなリブは形成されていない。
【0034】
また、扉部材4には、枠リブ42のうち扉部材4の側辺部を構成する部位から側方に突出する左右一対の傾倒規制部48が設けられている(図12参照)。これに対し、図2等に示すように、本体部2の掃出し開口部3の周縁部には、扉部材4によって掃出し開口部3を閉鎖した場合に、扉部材4の厚み方向(扉部材4の回動方向)において、傾倒規制部48と対向して当接又は近接する支持壁部49が設けられている。傾倒規制部48が支持壁部49に当接して支持されることで、掃出し開口部3を閉鎖した扉部材4の内側への傾倒変位が防止される。
【0035】
さらに、図11等に示すように、扉部材4の外面側上部には、扉部材4とは別体として構成された施錠パーツ61が左右方向にスライド可能に設けられている。本実施形態では、施錠パーツ61は左右一対で設けられ、同形状の施錠パーツ61が左右対称形状をなすようにして配置されている。施錠パーツ61は、傾倒規制部48からさらに側方に突出する係止突部62を備えている。これに対して、図2等に示すように、本体部2には、扉部材4で掃出し開口部3を閉鎖した場合に、係止突部62の先端部と合致する位置において、係止突部62がスライドする方向に沿って貫通する係止孔64が形成されている。そして、扉部材4で掃出し開口部3を閉鎖し、各施錠パーツ61を外側にスライドさせることで、係止突部62が係止孔64に挿入される。これにより、掃出し開口部3を閉鎖した扉部材4の外側への傾倒変位が防止される。
【0036】
尚、図9等に示すように、開口側壁部13aは、掃出し開口部3の両側方においても、掃出し開口部3の側縁部を画定する部位が、長辺側側壁部12のテーパ面17と連続するようにして存在している。さらに、開口側壁部13aは、扉部材4の厚み以上の厚み(長辺側側壁部12の長手方向における幅)を有し、掃出し開口部3を閉鎖した扉部材4は、その外面が開口側壁部13aの外面と面一、又は、開口側壁部13aの外面よりも本体部2の内側に位置している。このため、閉鎖位置にある扉部材4が本体部2よりも外側に突出する場合のように、扉部材4が擦れたり、押圧されたりする等して、扉部材4が損傷し易くなってしまうといった事態が抑制される。また、閉鎖位置にある扉部材4は、掃出し開口部3の外周縁を画定する開口側壁部13a及び底壁部11の内周側に位置し、当該掃出し開口部3の周縁部を構成する開口側壁部13a及び底壁部11に対して、扉部材4の外周面が当接又は略当接した状態とされる。このため、掃出し開口部3の周縁部が歪むような変形を起こそうとした場合でも、掃出し開口部3の周縁部が扉部材4によって支持され、歪み変形が防止される。
【0037】
さて、図11、図12等に示すように、扉部材4には、枠リブ42のうち扉部材4の下辺部を構成する部位から下方に突出する扉側連結部51が設けられている。扉側連結部51は、扉部材4の下辺部の両端部近傍部位に設けられる左右一対の扉側軸受部52と、扉部材4の下辺部の中央部位に設けられる補助軸受部53とを備えている。
【0038】
扉側軸受部52は、扉部材4の厚みと同じ(又は若干小さい)直径を有し、中央に軸孔52aの形成された円筒体を扉部材4の下辺部に沿わせて近接配置するとともに、両者間の隙間を埋めるようにして連結したような形状をなしている。補助軸受部53は、扉側軸受部52とほぼ同様の断面形状を有するが、中央の軸孔53aが下方に開口している。また、扉部材4の内面側において、ベース部41(本例では扉側ガイドリブ45の先端縁ではなく扉側ガイドリブ45間の溝部)と扉側軸受部52及び補助軸受部53との間に段差はなく、面一とされている。
【0039】
これに対し、図9、図10等に示すように、本体部2の底壁部11には、掃出し開口部3の下縁部を構成する部位において、扉部材4と連結される本体側連結部55が形成されている。本体側連結部55においては、底壁部11の開口側壁部13a側の端縁を一部切り欠くことで、扉側軸受部52を挿入可能な第1軸受収容部56と、補助軸受部53を挿入可能な第2軸受収容部57とが形成されている。さらに、第1軸受収容部56に挿入された扉側軸受部52の軸孔52aに対して、長辺側側壁部12の外面側から円柱状の軸ピン(図示略)を挿入可能にするとともに、当該軸ピンを支持する軸孔58aの形成された本体側軸受部58が設けられている。また、第2軸受収容部57には、補助軸受部53の軸孔53aに挿入される円柱状の補助軸部59が設けられている。
【0040】
そして、補助軸受部53の軸孔53aに第2軸受収容部57の補助軸部59を相対的に挿入し、補助軸部59によって補助軸受部53を軸支させるとともに、第1軸受収容部56に挿入された扉側軸受部52の軸孔52aと、これを挟む本体側軸受部58の軸孔58aとにかけて軸ピンを挿入し、軸ピンによって扉側軸受部52を軸支することで、掃出し開口部3の下縁部に沿って、扉部材4が本体部2に対して回動可能に連結されている(図2参照)。
【0041】
また、本体側軸受部58は、扉側軸受部52と同様の断面形状をなしている。すなわち、扉部材4の厚みと同じ(又は若干小さい)直径を有し、中央に軸孔58aの形成された円筒体を底壁部11の側辺部に近接配置するとともに、両者間の隙間を埋めるようにして連結したような形状をなしている。さらに、底壁部11の上面側において、底壁側ガイドリブ35間の溝部と本体側軸受部58との間に段差はなく、面一とされている。加えて、図8に示すように、本実施形態では、扉部材4の厚みは、基本的に、底壁部11の開口側壁部13a側の部位(第1軸受収容部56や第2軸受収容部57の形成された部位)の厚みと同じとなっている。
【0042】
さらに、扉側軸受部52及び補助軸受部53の突出長は、扉部材4の厚みよりも若干長い程度である。このため、扉部材4の下辺部と底壁部11(本体側軸受部58)との間に極力隙間が形成されないようになっている(図5参照)。加えて、本体側軸受部58の突出長(第1軸受収容部56及び第2軸受収容部57が形成されることで相対的に底壁部11から突出して見える部位の突出長)についても、底壁部11の厚みよりも若干長い程度である。このため、扉側軸受部52及び補助軸受部53と、第1軸受収容部56及び第2軸受収容部57との間に極力隙間が形成されないようになっている。
【0043】
以上のような構成により、扉部材4は、掃出し開口部3を閉鎖した状態から外側に向けて90度以上開くことができる上、例えば、扉部材4を、その内面の角度が、底壁部11の上面の角度と同じになるまで回動させることで、底壁部11の上面と扉部材4の内面とをほぼ連続した平坦面とすることができる。さらに、扉部材4を90度以上開いたとしても、扉側軸受部52及び補助軸受部53が底壁部11の上面から突出したり、本体側軸受部58が扉部材4の内面から突出したりすることはなく、底壁部11の上面と扉部材4の内面とをほぼ連続した面とすることができる。例えば、図6に示すように、底壁部11を水平面に設置し、開いた扉部材4を傾斜面に設置した場合には、底壁部11の上面と扉部材4の内面とをほぼ連続した屈曲面とすることができる。尚、扉部材4の厚みは、底壁部11の開口側壁部13a側の部位の厚みと同じであるため、水平な設置面に箱型容器1を設置して扉部材4を開くと、図8等に示すように、扉部材4の内面が略水平に延在した回動位置で扉部材4の外面が全体的に設置面に接地することとなる。
【0044】
以上詳述したように、本実施形態によれば、一方の短辺側側壁部13(開口側壁部13a)において、下縁部が底壁部11の上面によって画定される掃出し開口部3が形成されている。さらに、当該掃出し開口部3を開閉する扉部材4が設けられており、当該扉部材4を外側に所定角度開くことで、扉部材4の内面と底壁部11の上面とがほぼ連続した平坦面となるように構成されている。その上、扉部材4の内面と、底壁部11の上面とが平坦となった状態からさらに扉部材4を大きく開いた場合にも、扉部材4(扉側連結部51)が底壁部11の上面から突出したり、底壁部11(本体側連結部55)が扉部材4の内面から突出したりすることなく、扉部材4の内面と、底壁部11の上面とをほぼ連続した屈曲面とすることができる。このため、箱型容器1に収容されている物品を掃出し開口部3から取出す場合において、物品を持ち上げることなく底壁部11の上面から扉部材4の内面にかけて滑らせて、比較的スムースに箱型容器1の外部にまで至らせることができる。このように、物品を開いた状態の扉部材4の内面の上にまで至らせたならば、作業者は物品の真上に位置するようにして物品を持ち上げることができる。このため、例えば、掃出し開口部3の下縁部が底壁部11の上面よりも上方に位置して両者間に段差がある、又は、扉部材4を開いたとしても扉部材4の内面が底壁部11の上面よりも上方に位置して両者間に段差がある、或いは扉部材4が設けられていないような場合のように、掃出し開口部3を介して箱型容器1から物品を直接取上げるべく、比較的無理な体勢で物品を斜め上方に持ち上げなければならないといった事態を回避することができる。従って、掃出し開口部3を介して箱型容器1から物品を取出す際の作業者の負担を軽くするとともに、作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
【0045】
また、開いた状態における扉部材4の内面と、底壁部11の上面とが連続面となることで、底壁部11の上面と扉部材4の内面との境目における物品の移行も比較的スムースに行うことができ、物品のガタツキ等に起因する各種不具合を抑制することができる。さらには、開状態にある扉部材4の内面に物品を載せた上で、該物品を底壁部11の上面に向けて滑らせるようにして箱型容器1に収容することもできる。加えて、扉部材4が設けられていることで、物品を掃出し開口部3から取出す際に、物品が接地面に接触してしまうといった事態を抑制することができ、物品を衛生的に運搬することができる。
【0046】
また、扉部材4で掃出し開口部3を閉鎖した状態とすれば、当該扉部材4によって、掃出し開口部3の周縁部の変形等を抑制することができる。従って、本実施形態のように掃出し開口部3を比較的大きく形成した場合でも、扉部材4を閉状態とすることで箱型容器1の強度を高めることができ、運搬時や保管時等の形状の安定化を図ることができる。
【0047】
尚、本実施形態では、扉部材4の厚みは、底壁部11の開口側壁部13a側の部位の厚みと同じであることから、扉部材4を開くことで、底壁部11の下面と、扉部材4の外面とをほぼ連続した平坦面とすることができる。このため、開かれた扉部材4の接地面積を増やすことができ、扉部材4の内面の上に物品を載せたり滑らせたりしたときに、扉側連結部51や本体側連結部55に加わる負担を抑制することができる。従って、箱型容器1の耐久性を向上させることができる。
【0048】
また、本実施形態では、掃出し開口部3は、相対する一対の長辺側側壁部12のうち一方の長辺側側壁部12の内面から他方の長辺側側壁部12の内面にかけて形成されている。このため、例えば、掃出し開口部3の両側方において、長辺側側壁部12の内面に対して直交して連接する短辺側側壁部13(開口側壁部13a)を残した場合のように、掃出し開口部3を介して箱型容器1に収容されている物品を取出す際に、物品が掃出し開口部3の両側方に位置する短辺側側壁部13の内面に引っ掛かってしまうといった事態を回避することができる。さらに、掃出し開口部3が極力大きく構成されることで、掃出し開口部3を介して箱型容器1の奥の方まで手が届き易くなる。従って、掃出し開口部3を介して箱型容器1から物品を取出す際の作業性をより一層向上させることができる。
【0049】
また、長辺側側壁部12は、掃出し開口部3の形成された開口側壁部13a側の部位の内面が屈曲している。これにより、掃出し開口部3の周縁部(特に両側縁部)の強度を向上させることができる。さらに、長辺側側壁部12の内面のうち掃出し開口部3の側縁部と連接する部位は、掃出し開口部3に向けて内側に傾斜して延びるテーパ面17となっていることから、掃出し開口部3を介して箱型容器1に収容されている物品を取出す際に、物品が長辺側側壁部12のテーパ面17に当接しても、当該テーパ面17によって物品の移動が阻害されることなく、むしろ、物品が比較的スムースに掃出し開口部3側へと案内される。従って、掃出し開口部3を介しての物品の取出し作業性の低下を抑制しつつ、掃出し開口部3周縁の強度の向上を図ることができる。
【0050】
また、扉部材4の内面には、扉部材4の高さ方向に沿って延びる複数の扉側ガイドリブ45が形成されている。このため、開放された扉部材4の内面上に物品を滑らせた場合の摩擦抵抗を低減させるとともに、物品が扉部材4の内面に吸着する等の事態を抑止することができる。さらに、扉側ガイドリブ45は、掃出し開口部3を介して物品を取出す際に物品を底壁部11から扉部材4に滑り出させる方向に沿って延びているため、当該取出し作業に際して物品を扉部材4の内面上に滑らせても、物品ががたついたり、扉側ガイドリブ45に引っ掛かったりする等の事態を抑制することができる。従って、掃出し開口部3を介して箱型容器1から物品を取出す際の作業性をより一層向上させることができる。
【0051】
加えて、底壁部11の上面にも、掃出し開口部3側に向けて延びる複数の底壁側ガイドリブ35が形成されている。このため、底壁部11上を滑る物品の摩擦抵抗を低減させる等の作用効果が奏され、掃出し開口部3を介して箱型容器1から物品を取出す際の作業性をより一層向上させることができる。また、箱型容器1の内側を清掃する場合に、扉部材4を開き、隣接する底壁側ガイドリブ35間の溝部に入った埃等を掃出し開口部3から掃き出すようにして比較的容易に除去することができる。
【0052】
さらに、本実施形態では、底壁部11や扉部材4に水抜き孔36、46が形成されているが、底壁側ガイドリブ35や扉側ガイドリブ45を形成することで、掃出し開口部3から物品を取出す場合に物品が滑ることとなるガイドリブ35、45の先端縁と、水抜き孔36、46の開口周縁部とを離間させることができる。従って、底壁部11の上面や扉部材4の内面上を滑る物品が水抜き孔36、46の開口周縁部に引っ掛かってしまうといった事態を抑制することができる。
【0053】
また、スタッキング用の支脚部31、及び、ネスティング時に支脚部31を収容するための収容凹部32のうち、支脚部31の方が収容凹部32よりも掃出し開口部3の形成された開口側壁部13aに近い位置に設けられている。このため、補強用のリブ等を別途設けなくとも、支脚部31を活用して、掃出し開口部3の周縁部の強度を向上させることができる。
【0054】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0055】
(a)上記実施形態では、一対の短辺側側壁部13のうち一方に対応して掃出し開口部3が形成されているが、掃出し開口部3が形成される側壁部12、13は特に限定されるものではなく、例えば、長辺側側壁部12に形成されることとしてもよいし、一対の短辺側側壁部13の両方にそれぞれ掃出し開口部3が形成されることとしてもよい。但し、箱型容器1の強度を確保するべく、掃出し開口部3の形成された側壁部の両側方には、底壁部11から一体的に延出する固定の側壁部(掃出し開口部3が形成されていない側壁部)が存在するように構成することとする。
【0056】
(b)上記実施形態において、本体部2に対して扉部材4を回動可能に連結する構成については特に限定されるものではなく、扉部材4を開いて底壁部11の上面と扉部材4の内面とをほぼ連続した平坦面(面一)とすることができるように構成されていればよい。但し、扉側軸受部52及び補助軸受部53は、扉部材4の内面よりも内側に突出することなく(望ましくは扉部材4の内面と面一となるように延出形成され)、かつ、その厚みは扉部材4の厚み以下であることとする。さらに、本体側軸受部58は、底壁部11の上面よりも上方に突出することなく(望ましくは底壁部11の上面と面一となるように延出形成され)、かつ、その厚みは、底壁部11の掃出し開口部3に隣接する部位の厚み以下であることとする。
【0057】
また、補助軸受部53を省略することも可能であるが、補助軸受部53を設けることで、軸支される面積を増やすことができる上、軸ピンを使用し難い扉部材4の横幅方向中央部においても比較的簡単に軸支を行うことができるため、構成の複雑化等を抑制しつつ、耐久性の向上や扉部材4の開閉の安定感の向上等を図ることができる。また、補助軸受部53の軸孔52aは下方に開口しているため、例えば、箱型容器1に収容された物品によって扉部材4の下部が外側に押された場合に、当該扉部材4の下部を扉側軸受部52と協働で支持することができる。従って、扉側軸受部52や軸ピンの損傷を抑制することができる。さらには、例えば、補助軸受部53の軸孔52aが扉部材4の外面側に開口している場合に比べ、扉部材4を本体部2に取付ける際の作業性の向上を図ることができる。
【0058】
さらに、扉部材4の横幅方向における扉側軸受部52及び補助軸受部53の幅や数は特に限定されるものではなく、例えば、補助軸受部53が2カ所に形成されもよい。
【0059】
(c)上記実施形態では、長辺側側壁部12の内側面の開口側壁部13a側の部位にテーパ面17が形成されているが、当該内側面にてテーパ面17を形成することなく真っ直ぐに延ばしてもよい。但し、掃出し開口部3の周縁部の強度の向上を図るべく、長辺側側壁部12においてテーパ面17が形成されるように構成することが望ましい。また、上記実施形態では、掃出し開口部3が相対する一対の長辺側側壁部12の内側面間にかけて形成されているが、掃出し開口部3の両側方においても長辺側側壁部12の内側面に対して略直交して連接する開口側壁部13aが存在するように構成してもよい。但し、長辺側側壁部12の内面と掃出し開口部3の側辺部とが(比較的緩やかな角度で)連接するような構成とすることで、掃出し開口部3を介して物品を取出す作業性の向上を図ることができる。
【0060】
(d)上記実施形態では、底壁部11の上面及び扉部材4の内面において底壁側ガイドリブ35及び扉側ガイドリブ45が等間隔で形成されているが、特に規則的な間隔で設けられていなくてもよい。また、底壁側ガイドリブ35や扉側ガイドリブ45が形成されているとは認識されないような大きなピッチで、底壁部11の上面及び扉部材4の内面において、扉部材4の回転軸線に対して直交する方向に延びる溝部を複数形成してもよい。加えて、底壁側ガイドリブ35及び扉側ガイドリブ45を省略することも可能である。
【0061】
(e)上記実施形態では、底壁部11の厚みが開口側壁部13aから閉鎖側壁部13bに向けて次第に薄くなるよう構成されているが、箱型容器1を水平な設置面に設置しても底壁部11の上面が水平に延在するように構成してもよい。但し、底壁部11の上面が、開口側壁部13a側から閉鎖側壁部13b側に向けて下方傾斜する場合には、箱型容器1に収容された物品が扉部材4に寄りかかるといった事態を抑制することができ、運搬時等に物品の重さが扉部材4に付加されることに起因する扉部材4の耐久性の低下を抑制したり、扉部材4を開けた際に物品が雪崩るように出てきてしまうといった事態を抑制したりすることができる。また、上記実施形態では、扉部材4の厚みと、底壁部11の開口側壁部13a側の部位の厚みとが同じであったが、扉部材4を開いて扉部材4の内面と、底壁部11の上面とをほぼ連続した面とすることができる構成であれば、扉部材4の厚みを、底壁部11の開口側壁部13a側の部位の厚みよりも小さく形成してもよい。
【0062】
(f)上記実施形態では、ネスティング状態において、上側の箱型容器1の下部フランジ23と、下側の箱型容器1の上部フランジ22とが上下に当接して支持される構成となっているが、上側の箱型容器1の支脚部31の下面と、下側の箱型容器1の収容凹部32の底面とが上下に当接して支持されるように構成してもよい。
【0063】
また、上記実施形態において、扉部材4を閉鎖位置にて保持しておくための構成(施錠パーツ61等)は特に限定されるものではなく、例えば、施錠パーツ61が施錠位置側に付勢されるよう構成してもよい。加えて、底壁部11や扉部材4等に形成される水抜き孔36、46を省略してもよい。
【0064】
(g)上記実施形態では、箱型容器1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…箱型容器、2…本体部、3…掃出し開口部、4…扉部材、11…底壁部、12…長辺側側壁部、13…短辺側側壁部、13a…開口側壁部、17…テーパ面、31…支脚部、32…収容凹部、35…底壁側ガイドリブ、45…扉側ガイドリブ、51…扉側連結部、55…本体側連結部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形板状の底壁部と、
前記底壁部の相対する一対の側辺部からそれぞれ上方に延出する一対の第1側壁部と、
前記一対の第1側壁部の各側辺部間を連結する第2側壁部とを具備する箱型容器であって、
前記一対の第2側壁部のうち少なくとも一方において、下縁部が前記底壁部の上面によって画定される側面開口部が形成され、
前記側面開口部の下縁部に沿って回動可能に軸支され、前記側面開口部を開閉可能な扉部材を備え、
前記側面開口部が前記扉部材で閉鎖された状態から、前記扉部材を外側へ所定量開いた開状態とした場合に、前記扉部材の内面と、前記底壁部の上面とがほぼ連続した平坦面となるよう構成されていることを特徴とする箱型容器。
【請求項2】
前記扉部材の内面には、当該扉部材の回転軸線方向に対して直交する方向に沿って延びる複数のリブ又は溝部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の箱型容器。
【請求項3】
前記一対の第2側壁部のうち一方の第2側壁部にのみ前記側面開口部が形成されるとともに、
同じ向きで上下に重ねることでスタッキングが行え、交互に180度回転させて上下に重ねることでネスティングが行える箱型容器であって、
前記各第1側壁部には、前記第1側壁部の外方に突出し、箱型容器をスタッキングした場合に下側の箱型容器の前記第1側壁部に当接して支持される複数の支脚部と、箱型容器をネスティングした場合に上側の箱型容器の前記各支脚部を収容する複数の収容凹部とが設けられ、
前記支脚部及び前記収容凹部のうち、前記支脚部の方が前記収容凹部よりも前記側面開口部の形成された前記第2側壁部に近い位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の箱型容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−250725(P2012−250725A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123015(P2011−123015)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】