説明

箱詰め装置における箱搬送装置

【課題】製品の箱内投入位置に搬送される段ボール箱のようなフラップ付きの箱について、その上部フラップを簡単な機構で且つ確実に開くことができる箱搬送装置を提供する。
【解決手段】段ボール箱搬送部において、角筒状に組み立てられた段ボール箱Bは方向変換部102から直角に方向変換して製品が投入される投入部103に搬送される。フラップ折曲げ機構130が段ボール箱Bの上部フラップを開いて、直上方の製品投入部からの製品の投入に備える。一方のフラップ開き機構130が箱の角を挟んで隣接する二つのフラップを開く動作をし、また、他方のフラップ開き機構130が隣接する残る二つのフラップを開くので、四つのフラップを二つのフラップ開き機構130で開くことが可能となり、機構が簡素化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、袋包装体のような製品を段ボール箱のような箱に投入する際に、当該箱を箱詰め位置に搬送する、箱詰め装置における箱搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品を段ボール箱へ投入・包装する箱詰め装置は、例えば、個々の製品を搬送する搬送コンベヤ部、搬送コンベヤ部で搬送される製品の方向変換や振分け等の事前の処理を行う前処理部、製品のグループ化を行う集積部、集積された製品を段ボール箱内に投入する製品投入部、段ボール箱シートから製品が投入される段ボール箱を製函して製品投入位置まで搬送する段ボール函搬送部、及び段ボール箱に投入された製品や製品が投入された段ボール箱についての整形等の後処理を行う後処理部を備えている。
【0003】
本出願人は、折り畳んだ段ボールシートが横に集積されたスタックから一枚ずつ分離して落下供給し、落下供給した段ボールシートを角筒状に開函して搬出することから成り、段ボールシートのサイズチェンジにも対応した段ボール箱の製函方法・装置を提案している(特許文献1参照)。この段ボール箱の製函方法・装置によれば、落下供給された段ボールシートは、バキュームパッドにて吸引後退することで角筒状に開函され、上下が開放した角筒状の段ボール函について下部の後側蓋片を底折りして底が半開きの状態でバキュームパッドが前進することで前送り搬送し、搬送の過程で下部の前側蓋片を底折りしてから下部両側蓋片を底折りし、かつホットメルトによる接着又は粘着テープによる目貼りが行われる。
【0004】
また、本出願人は、間隔をおいて一個ずつ供給される袋詰品を四個が二列に離れて前後がずれ重なるように並べ変えてバキュームパッドで吸引保持し二列四個の袋詰品を左右に並ぶ袋詰品同士がずれ重なるようにして段ボール箱に箱詰めする袋詰品の箱詰め方法を提案している(特許文献2参照)。この箱詰め方法によれば、製函された段ボール箱は、左右二個ずつの袋詰め品が集積される集積コンベヤの下流端において、集積コンベヤの搬送方向に対して直交する方向に供給される。
【0005】
包装済み商品を段ボール箱等の容器に順次整列させて箱詰めするとともに、段ボール箱自体も箱詰め処理に合わせて自動的に製函するものとして、特許文献3に開示されている製函・箱詰め装置が提案されている。箱詰め装置に製函装置を併設する場合には、箱詰め装置の機枠面に沿って段ボールシートを落とし込んで組み立てるようにした方が製函装置の設置において機構的に簡単になる点で有利であること、そして、組み立て後の段ボールの搬送も、商品の搬送経路に合わせた搬送経路を形成できる点で有利になることから、包装済み商品の搬送経路に直交する方向から段ボールシートを下段の製箱位置に落とし込んで組み立てるようにされている。この製函・箱詰め装置においては、箱詰め装置の設置方向と直交する方向に収容部がはみ出すことによる装置全体の設置スペースの広がりに対する改善要請や、メンテナンススペースも考慮した上での省スペース化の要請に応じるため、複数設置によって複数形成される各商品搬送経路の箱詰め待機位置に段ボール箱搬送経路の箱詰め位置が上下に対応するように、段ボール箱搬送手段によって形成される段ボール箱搬送経路を複数の各商品搬送経路の下方にそれぞれ対応させて分路し、当該分路の分岐部に段ボール箱の各分路への搬送を仕分ける仕分け手段が設けられている。また、製函装置部の段ボールシート収容部が、箱詰め装置部の搬送手段によって形成される商品搬送経路に沿った方向に一体的に設置されている。段ボールシートを箱状に展開して組み立てられた段ボール箱が、段ボール箱搬送手段によって仕分け・分路されて、各商品搬送経路の下方において箱詰め位置へ搬送されることにより、箱詰め処理ラインを複数列にする、また、段ボールシートの収容枚数を増加するため収容部の占有スペースを広くしても装置全体の占有スペースをコンパクトにして省スペース化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−58735号公報
【特許文献2】特開平10−218109号公報
【特許文献3】特許第3586796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の段ボール箱への箱詰め装置は、段ボール箱の供給方向が一方向であることや機種間において詰め方の兼用性に乏しく、また、段ボール箱の製函機構が複雑で且つ装置規模が箱自体の大きさに比べて大型であることなどから、なお一層の設置スペースを小さくすることが望まれている。また、製品の段ボール箱内への投入に際して、段ボール箱の上部フラップは、投入される製品との干渉とを避けるために、開いている必要がある。しかしながら、上部フラップは左右前後の四片存在するために、これらをすべて開くための機構が複雑になっている。
【0008】
そこで、箱詰め装置に付設される箱搬送装置において、組み立てられた段ボール箱の上部フラップを簡単な機構で且つ確実に開くことを可能にする点で解決すべき課題がある。 この発明の目的は、上記課題を解決することであり、製品の箱内投入位置に搬送される段ボール箱のようなフラップ付きの箱について、その上部フラップを簡単な機構で且つ確実に開くことができる箱搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するため、この発明による箱詰め装置における箱搬送装置は、角筒状に組み立てられた箱を当該箱に製品を投入する製品投入部に搬送する箱搬送部、及び前記製品投入部に対応して配設されており前記角筒状の箱の上部フラップを開くフラップ開き部を備えており、前記フラップ開き部は、前記箱の角を挟んで隣接する二つの前記フラップを開く一方のフラップ開き機構と、隣接する残る二つの前記フラップを開く他方のフラップ開き機構とを備えていることを特徴としている。
【0010】
この箱詰め装置における箱搬送装置によれば、角筒状に組み立てられた箱が箱搬送部において製品投入部に搬送される際に、フラップ開き部が角筒状の箱の上部フラップを開いて、製品投入部における製品の投入に備える。フラップ開き部では、一方のフラップ開き機構が箱の角を挟んで隣接する二つのフラップを開く動作をし、また、他方のフラップ開き機構が隣接する残る二つのフラップを開くので、四つのフラップを二つのフラップ開き機構で開くことが可能となる。
【0011】
この箱詰め装置における箱搬送装置において、各フラップ折曲げ機構は、前記一方のフラップに沿って配設されたねじ軸と、前記ねじ軸に螺合する折曲げ板とを備えており、前記折曲げ板は、前記ねじ軸回りで回動することによって、前記一方のフラップを箱内側から折り曲げるとともに前記ねじ軸方向に移動して他方の前記フラップに箱内側から当接して当該他方のフラップを折り曲げることができる。即ち、各フラップ折曲げ機構においては、折曲げ板をねじ軸回りで回動することによって一方のフラップに対して箱内側から当接し、当該一方のフラップは折曲げ板によって折り曲げられて開かれる。折曲げ板は、同時に、ねじ軸のねじ送り作用によってねじ軸の軸線方向に移動するので、折曲げ板の端部が他方のフラップに対して箱内側から当接して押し、他方のフラップを折り曲げて開くことになる。
【0012】
ねじ軸と折曲げ板とを備えた箱詰め装置における箱搬送装置において、前記各フラップ折曲げ機構は前記折曲げ板を前記ねじ軸の回りに回動させるため出力端が前記折曲げ板に連結されたアクチュエータを備えており、前記アクチュエータを固定のベース部に取り付けられた保持枠に対して前記ねじ軸と平行な方向に移動可能にガイドさせることができる。即ち、アクチュエータはエアシリンダのような作動機構としてよいが、アクチュエータの作用によって折曲げ板をねじ軸の回りに回動させると、折曲げ板はねじ軸のねじ作用によってねじ軸の軸線方向に移動する。このとき、アクチュエータも折曲げ板とともに移動するように構成するので、アクチュエータは固定のベース部に取り付けられた保持枠に対してねじ軸と平行な方向に移動可能にガイドされる。
【0013】
また、ねじ軸と折曲げ板とを備えた箱詰め装置における箱搬送装置において、前記各フラップ折曲げ機構では、前記ねじ軸を前記箱の搬送方向に平行な方向に延びる態様で配置することができる。ねじ軸のこうした配置により、各フラップ折曲げ機構と箱の搬送との干渉を少なくすることができる。更に、こうした配置によって、前記ベース部は、前記箱搬送部において前記箱の搬送方向両サイドを案内する案内板を兼用することができる。
【0014】
更にまた、この箱詰め装置における箱搬送装置において、前記箱搬送部は前記製品が搬送される製品搬送部の下方に且つ当該製品搬送部による製品搬送方向に沿って配設されており、前記製品投入部は前記製品搬送部において集合された前記製品をその直下に搬送されてきており且つ前記フラップ開き部によって前記フラップが開かれた状態の前記箱に投入することができる。箱搬送部は製品が搬送される製品搬送部の下方に且つ製品搬送方向に沿って配設されているので、箱詰め装置においての箱搬送装置のレイアウトを省スペースに構成することができる。また、製品投入部は、製品搬送部において集合された製品が、その直下に搬送されてきており且つフラップ開き部によってフラップが開かれた状態の箱に投入される構成であるので、製品投入部についても省スペースに構成することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明による箱詰め装置における箱搬送装置は、上記のように構成されているので、角筒状に組み立てられた段ボール箱のようなフラップ付きの箱が箱搬送部において製品投入部に搬送される際に、フラップ開き部によって角筒状の箱の上部フラップが開かれて、製品投入部における製品の投入に備えることができる箱搬送装置が提供される。フラップ開き部では、一方のフラップ開き機構が箱の角を挟んで隣接する二つのフラップを開く動作をし、また、他方のフラップ開き機構が隣接する残る二つのフラップを開くので、四つのフラップを開くことが二つのフラップ開き機構で可能となり、フラップを開く機構が簡単で且つ確実に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明による箱詰め装置における箱搬送装置が適用される箱詰めシステムの要部を示す側面図である。
【図2】図2は、図1に示す箱詰めシステムの要部の上面図である。
【図3】図3は、図2に示す箱搬送部を示す上面図である。
【図4】図4は、図3に示す箱搬送部の全体の詳細を示す斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す箱搬送部において段ボール箱が搬入部から方向変換部に向かって搬送される状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、段ボール箱が方向変換部に到来した状態を示す斜視図である。
【図7】図7は、段ボール箱が方向変換部から製品投入部へ向かって搬送される状態を示す斜視図である。
【図8】図8は、段ボール箱が製品投入部に到来した状態を示す斜視図である。
【図9】図9は、本発明による箱詰め装置における箱搬送装置の一実施例を非折曲げ作動状態で示す図である。
【図10】図10は、図9に示す箱詰め装置における箱搬送装置を折曲げ作動状態で示す図である。
【図11】図11は、本発明による箱詰め装置における箱搬送装置を非折曲げ作動状態で示す図である。
【図12】図12は、本発明による箱詰め装置における箱搬送装置を折曲げ作動状態で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明による箱詰め装置における箱搬送装置の実施例を説明する。図1は箱詰めシステムの要部を示す側面図であり、図2は図1に示す箱詰めシステムの要部の上面図図、図3は、図2に示す段ボール箱搬送部を示す上面図である。図4〜図8は、図3に示した段ボール箱搬送部100の詳細を示す斜視図であり、図4はその全体の斜視図、図5〜図8はそれぞれ、段ボール箱搬送部100において段ボール箱が搬送される状態を順を追って示す斜視図である。
【0018】
図1及び図2は箱詰めシステム200の要部を示す図であり、図の左側に示す製品振分け装置201は、製品を一列にして搬送する第1搬送装置としての供給コンベヤ202と、供給コンベヤ202から供給されてきた製品Aを、二列に振り分けて搬出する第2搬送装置としての整列コンベヤ203と、供給コンベヤ202と整列コンベヤ203との間に配置されており、製品Aを二列(複数列;ここでは二列)に振り分ける振分け装置としての振分けコンベヤ204とを備えている。各コンベヤは、モータによって駆動されるベルトコンベヤであり、整列コンベヤ203に向かって、緩やかに上昇するコンベヤ列に構成されている。
【0019】
供給コンベヤ202は、製品Aを一列で且つ互いに間隔を置いて順次、搬送する。振分けコンベヤ204は、サーボモータ205の出力がクランク機構206を介して搬送方向に対して直交する横方向の運動に変換されることで、スライド軸207,207に沿って往復動される。振分けコンベヤ204は、その両振分け移載位置間での往復動によって、供給コンベヤ202から一列に搬送されてくる製品Aを自ら搬送しながら、製品Aの搬送方向と横方向に交差(好ましくは、製品Aの搬送方向に直交)する振分け移載位置に向かって移動し、搬送した製品Aを振分け移載位置において整列コンベヤ203に移載する。即ち、製品Aは、振分けコンベヤ204において、横方向に最も移動したときの死点位置であるところの二つの振分け移載位置において、それぞれ2列の整列コンベヤ203a,203bに振り分けられる。第2搬送装置である整列コンベヤ203は、二列の整列コンベヤ203a及び203bから構成されている。整列コンベヤ203aは連続駆動されるベルトコンベヤであり、整列コンベヤ203bは間欠駆動されるベルトコンベヤである。
【0020】
供給コンベヤ202の上方には、製品の方向を変換する製品方向変換装置210が配設されている。製品方向変換装置210は、第1搬送装置としての供給コンベヤ202の上方に配設されているフレーム211に設けられた変換装置用の駆動機構212と、製品を吸着する吸着ユニット213,213と、駆動機構212からの駆動力によって供給コンベヤ202の搬送とタイミングを合わせて吸着ユニット213,213を移動させて、吸着した製品を搬送しつつ方向変換を行う移動・変換機構214とを備えている。
【0021】
製品方向変換装置210の駆動機構212は、フレーム211に取り付けられたサーボモータの出力がベルト伝動機構を介して移動・変換機構214に伝達される。移動・変換機構214は、前後の二つのチェーン伝動機構215,215によって、チェーンに取り付けられた吸着ユニット213,213をその巻き掛けの経路に沿った平行動作をさせる。一方のチェーン伝動機構215には、カム機構216が組み合わされているので、吸着ユニット213,213は、その平行動作とともに各ユニットの軸線の回りに回動して、吸着した製品Aを回動させて、製品Aの向きを変更する。
【0022】
整列コンベヤ203の後流には、製品Aの集合装置220が設けられている。集合装置220は、側面図である図1では重なって一つに見えるが、上面図である図2に示すように、チェーン223,224とそれに取り付けたスノコ状の集合テーブル225,226とを備えた二組のテーブルコンベヤ221,222に基づいて構成されている。スノコ状の集合テーブル225,226は、細長板をチェーンに隣り合わせて掛け渡して取り付けることにより構成されている。細長板には仕切り板を立設して製品を立てた状態に集合させることもできる。各テーブルコンベヤ221,222は、両端のチェーンスプロケットがそれぞれ同軸に配置されており、それぞれ別々のサーボモータ227,228で互いに干渉しないように駆動される。集合テーブル225,226は、チェーンスプロケットの回りを隣り合う細長板同士が折れ曲がることで通過可能である。テーブルコンベヤ221,222は、集合テーブル225,226上に製品Aを載置させることができる。即ち、整列コンベヤ203から搬出される製品Aは、集合テーブル225,226を小刻みに移動させることで、集合テーブル225,226上でサシミ状に重ねられた又は平置き状に集合された集合状態となる。
【0023】
テーブルコンベヤ221,222において、集合装置220の後流には、製品投入装置230が配設されている。製品投入装置230は、吸着カップから成る把持具231を備えた把持装置を兼ねる構造であり、集合テーブル225,226上でサシミ状又は平置き状に集合された製品群を吸着・把持して、昇降可能である。集合テーブル225又は226上の製品群を吸着・把持すると、テーブルコンベヤ221,222が駆動され、集合テーブル225又は226が製品投入位置から離れる。製品投入装置230の下方には、集合テーブル225,226がいずれも存在しない状態となり、サーボモータを用いた適宜の駆動機構232の作動によって製品投入装置230がテーブルコンベヤ221,222の空所を通って降下され、真下に搬送されてきている段ボール箱内に投入される。製品投入装置230の降下量(速度及び位置)は、段ボール箱内への製品の投入量(投入積み量)に応じて制御することができる。
【0024】
製品群の投入が終了した段ボール箱は、加振機構240で箱の底部や側部を軽く叩く又は振動を与えること、或いは段ボール箱内の一番上の製品をプレス機構250のプレス板251で押えることにより、箱内における製品の集積度をより密にすることができる。投入位置において上部に開いた状態にあったフラップを折り畳み、更にフラップをテープ又は接着剤で封鎖することで、製品の箱詰めが終了する。
【0025】
図3及び図4に示すように、段ボール箱搬送部100は全体として平面L字状の構造を有しており、一部が図1、図2に示す箱詰めシステム200を構成する主システムラインの製品集合部及び製品投入部の下側にもぐり込む態様で配置されている。詳細には、段ボール箱搬送部100は、段ボール箱が開函装置(図示せず)によって折畳み状態から直方体状に開函され、その開函状態で搬入される搬入部101と、搬入部101に接続しており搬入部101から送られた段ボール箱の搬送方向を変換する方向変換部102と、方向変換部102に接続されており上方から箱詰めすべき製品が投入される投入部103とを備えている。
【0026】
搬入部101では、段ボール箱が図の左方、直進、右方、上方のいずれか或いは組み合わせられた方向から搬入される。左側からの搬入によれば、主システムラインに隣接して且つ流れ方向上流に配設されている段ボール箱供給部(図示せず)から主システムラインに沿って、段ボール箱が搬入される。直進による搬入によれば、主システムラインと直交する方向から段ボール箱が搬入される。右側からの搬入によれば、主システムラインに隣接して且つ流れ方向下流に配設されている段ボール箱供給部(図示せず)から主システムラインの流に対して遡る方向から段ボール箱が搬入される。そして、上方からの搬入は、搬入部101の上方に配設された段ボール箱供給部(図示せず)から段ボール箱が降下されて搬入される。これらの方向のどの方向から段ボール箱を搬入するかは、箱詰めシステム1が設置される周囲の状況や、システム側の製品搬送及び箱詰め処理速度に応じて、適宜設定される。
【0027】
搬入部101には、図3に示すように、段ボール箱搬入用のローラコンベヤ105が備わっている。ローラコンベヤ105は、主システムラインと直交する方向に延びる軸線回りに回動可能に置かれているローラから成る。ローラコンベヤ105は、段ボール箱の搬入に合わせて、後に記載するロープコンベヤ106との間で切換え可能にするため、若干上下動可能に構成されている。
【0028】
搬入部101と方向変換部102との間を接続するロープコンベヤ106は、主システムラインと直交する方向に延びる複数本(この例では4本)の無端ロープ109がプーリに巻回されて構成されている。開函状態で搬入部101に搬入された段ボール箱Bは、図5に示すように、ロープコンベヤ106によって方向変換部102に搬送される。方向変換部102と、方向変換部102に隣接する投入部103とは、主システムラインの直下に位置している。
【0029】
方向変換部102にはローラコンベヤ107が備わっている。ローラコンベヤ107は、搬入部101におけるローラコンベヤ105と同様に、主システムラインと直交する方向に延びる軸線回りに回動可能に置かれている複数のローラ115から成るとともに、ロープコンベヤ106との間で切換え可能にするために若干上下方向に傾動可能に構成されている。詳細には、ローラコンベヤ107は、図4〜図8に示すように、方向変換部102とそれに隣接する投入部103との間に配置された回動支軸110において枢動自在に支持された回動フレーム111と、回動フレーム111に間隔を置いて回動自在に配置された複数のローラ115とを備えている。
【0030】
回動フレーム111は、回動支軸110において一端部が連結された概略縦に延びる短い縦フレーム112と、縦フレーム112の他端部に連結されて複数のローラ115の配置範囲に渡って概略横方向に延びる横フレーム113と、横フレーム113において各ローラ115を個別に支持するために縦フレーム112と平行に縦方向に延びる複数の支持フレーム114とを有している。各支持フレーム114の先端部にローラ115が回転可能に支持されている。各ローラ115は、モータの回転出力を適宜の伝動手段を介して伝達することにより、回転駆動される。
【0031】
回動フレーム111は、図4〜図6及び図8に示すように、やや先下がりの状態にあるとき、ローラ115の搬送面はロープコンベヤ106の搬送面よりも少し下がった位置を占め、ロープコンベヤ106の作動を妨げることはない。したがって、図5に示されるように、段ボール箱Bはローラコンベヤ107に妨げられることなくロープコンベヤ106によって搬送され、方向変換部102にまで搬送される。方向変換部102にまで搬送された状態が図6に示されている。
【0032】
回動フレーム111とは別に、ロープコンベヤ106の搬送端部には櫛の歯状のストッパ116が配設されている。ストッパ116は、中央三つのローラ115の端部に対応して櫛の歯状に構成されており、適宜のアクチュエータによって出没可能に駆動される。図6に示すように、ストッパ116がロープコンベヤ106の搬送面よりも上方に上昇した状態では、ストッパ116はロープコンベヤ106によって搬送されてきた段ボール箱Bの搬送を停止させて方向変換部102における位置決めを行う。ロープコンベヤ106で搬送されてきた段ボール箱Bが不適切なものか或いは損傷しているものである等の場合、ストッパ116はロープコンベヤ106の搬送面よりも下に下降させて(図5、図8)、段ボール箱搬送部100の外に排出することもできる。
【0033】
ストッパ116の昇降動作とローラコンベヤ107の回動支軸110回りの回動動作とはタイミング的に互いに連動されている。図7に示す状態では、ストッパ116は上昇状態にあるが、ローラコンベヤ107は図6に示されていた状態から、回動支軸110の回りに時計方向に僅かに回動されて、横フレーム113が実質的に水平位置を占める。この状態では、ローラ115の搬送面はロープコンベヤ106の搬送面よりも上に出て、段ボール箱Bに対して、投入部103に向かって緩い下り傾斜搬送面を与える。
【0034】
図8に示すように、ローラコンベヤ107によって搬送された段ボール箱Bは、投入部103に送り込まれる。図8に示す状態では、段ボール箱Bを送り出した方向変換部102においては、ローラコンベヤ107は回動支軸110の回りに反時計方向に回動し、ストッパ116は下降動作をし、次の段ボール箱Bの搬入に備える。投入部103は、ローラコンベヤ107に続くローラコンベヤ108を備えており、方向変換部102から受け取った段ボール箱Bを所定の投入位置にまで搬送する。ローラコンベヤ108は、ローラコンベヤ107の場合と同様、複数のローラ117を有しており、図示されない適宜の駆動モータにより駆動される。ローラコンベヤ108は、製品の投入が完了した段ボール箱をシステムから搬出する働きをする。
【0035】
図4に示すように、投入部103には、更に、段ボール箱の搬送・搬出方向に対して左右の側にそれぞれ段ボール箱の移動をガイドする一対の案内板119,119が配設されている。案内板119,119は、本装置の運転中には不動であるが、段ボール箱のサイズやその移載・投入位置における位置決め・搬出等に合わせて、装置停止中に図示しないハンドル等の調節手段を操作することによって、若干量だけ開閉可能に構成されている。また、製品の投入に合わせて振動を加えてもよい。投入部103の搬出側には、搬送されてきた段ボール箱Bを停止させて位置決めするストッパ118が適宜のアクチュエータによって昇降可能に配設されている。ストッパ118は、図7に示す状態で既に上昇位置を占めており、段ボール箱Bの搬送に備えている。
案内板119,119は、ベース140とともにアングル材を構成しており、各ベース140が、ガイド・フラップ開き装置の支柱141,141によって支持されている。各ベース140は、支柱141、141の伸縮によって箱サイズに応じて上下動可能に構成されている。
【0036】
投入部103には、段ボール箱Bの下面を叩いて軽い衝撃や振動を与える叩き部120が備わっており、製品が投入されている段ボール箱Bの底部を叩くことで、段ボール箱B内における製品の充填効率を高めることができる。叩き部120は、ローラコンベヤ108の各ローラ117の端部外方に空いたスペースを昇降可能な足部121を有しており、足部121が段ボール箱Bの下面を叩く。
【0037】
図1、図2に示すように、段ボール箱搬送部100の搬出口となる投入部103の排出側には、プレス板251を備えたプレス部250が配設されている。段ボール箱Bは、天地が逆の状態で製品が投入されるが、内部に投入された製品が箱内に完全に収まり切れない場合がある。そうした場合には、底フラップが押し戻されて完全に閉じることができない。プレス部250は、段ボール箱搬送部100において段ボール箱B内に投入された製品を上からプレスし、箱内に製品を押し込むと同時に平坦化を図るための装置である。プレスされた製品入りの段ボール箱Bは、上部に開いたままの底フラップを図示しないフラップ折り曲げ装置で折り曲げた後、更に封緘装置によってフラップがテープや接着剤で封緘されて、一連の箱詰め作業が完了する。
【0038】
図9及び図10には、本発明による箱フラップ折曲げ装置の実施例が示されている。図9は箱フラップ折曲げ装置の一実施例を示す図であって、折曲げ板が振り上げられた状態を示しており、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。図10は、図9に示す状態から折曲げ板が振り下げられた状態を示しており、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。図11及び図12は、箱フラップ折曲げ装置が段ボール箱に適用されている状態を概念的に示す斜視図であって、図11は折曲げ板が振り上げられた状態を示し、図12は折曲げ板が振り下げられた状態を示している。
【0039】
フラップ折曲げ機構130,130は、それぞれ、図4に示すように、投入部103において段ボール箱Bの一対の横フラップF1,F1に沿って、且つ端部寄り、即ち、もう一対の縦フラップF2,F2に寄って配置されている。各フラップ折曲げ機構130は、横フラップF1の上方において横フラップF1と平行に延びるねじ軸131と、当該ねじ軸131にねじ係合する雌ねじが形成されている送り駒132と、ねじ送り駒132に金具134によって取り付けられている折曲げ板135とを備えている。ねじ軸131には、送り駒132に並んで送り駒132と同様の送り駒駒133,133がねじ係合しており、送り駒133,133には、折曲げ板135を作動させるためのエア作動のピストン−シリンダのようなアクチュエータ137を保持する保持枠136が取り付けられている。アクチュエータ137の出力部は、折曲げ板135に取り付けられた金具138に回動可能に連結されている。金具138は、ねじ軸131の回りに回動可能に設けられている。各ねじ軸131は、各ベース140の両端部において立設された支柱142,42によって支持されている。各フラップ折曲げ機構130の保持枠136は、ベース140等の固定部に対して、スライダとスライドレールとを有する直動軸受(図示せず)を介して、ねじ軸131の軸線方向と平行な方向にスライド可能に支持されている。また、各フラップ折曲げ機構130のアクチュエータ137の基部は、保持枠136に取り付けられている。各フラップ折曲げ機構130は、特に図示はしないが、ハンドル−ねじ機構等の調節手段によって、段ボール箱のサイズに応じて箱の幅や高さについて設置位置を変更可能であるのみならず、箱長さ方向にも位置調整可能である。
【0040】
フラップ折曲げ機構130,130は、フラップF1,F1のそれぞれに対して、一つ配設されている。ねじ軸131,131は横フラップF1,F1の近傍で且つその端縁に沿って延びている。図9、図11に示すように、折曲げ板135,135は水平状態にある。各フラップ折曲げ機構130において、図9、図11に示される状態から、アクチュエータ137が作動して出力部を押し出すと、金具138はねじ軸131の回り(図10において時計方向)に回動し、金具138に取り付けられている折曲げ板135が同じ方向に回動する。折曲げ板135は、段ボール箱BのフラップF1を広げるように作用する。同時に、送り駒132及び送り駒133もねじ軸131に対して回動し、そのねじ作用によって折曲げ板135がアクチュエータ137共々、図10、図12に示すようにねじ軸131の軸線方向に移動する。折曲げ板135は、それらの移動によって、折曲げ板135の角部が隣接する他方の対の縦フラップF2に押し当って、縦フラップF2を押し開く。二つのフラップ折曲げ機構130,130によるこうした折曲げ板135,135の回動と軸方向移動とによって、段ボール箱Bの全てのフラップF1,F1及びF2,F2が開かれる。
【0041】
図示した実施例では、フラップ折曲げ機構は、130,130で示すように、2箇所に設けられたものから成っているが、これに代えて、段ボール箱Bの四隅にそれぞれ対応してフラップ折曲げ機構を配設してもよい。この場合、各フラップF1,F1,F2,F2は、それぞれ二つのフラップ折曲げ機構130によって、2箇所で生じる折り曲げ作用によって確実に開かれる。また、ねじ軸131,131は、フラップF1,F1に沿ってのみ配置されているが、フラップF2,F2に沿ってのみ配置されてもよいことは明らかであろう。更に、折曲げ板135,135は、回ってフラップF1,F1を折り広げた状態のときに、段ボール箱の内部をそのまま上方に延長したスペースの少し外側にあって、投入を妨げることはない。更に、フラップ折曲げ機構130,130は、箱長さ方向にも位置調節可能に構成されている。
【符号の説明】
【0042】
100 段ボール箱搬送部
101 搬入部 102 方向変換部
103 投入部 105 ローラコンベヤ
106 ロープコンベヤ 107 ローラコンベヤ
108 ローラコンベヤ 109 無端ロープ
110 回動支点 111 回動フレーム
112 縦フレーム 113 横フレーム
114 支持フレーム 115 ローラ
116 ストッパ 117 ローラ
118 ストッパ 119 案内板
120 叩き部120 121 足部
130 フラップ折曲げ機構 131 ねじ軸
132 送り駒 133 送り駒
134 金具 135 折曲げ板
136 保持枠 137 アクチュエータ
138 金具
140 ベース 142 支柱
200 箱詰めシステム 201 製品振分け装置
202 供給コンベヤ 203,203a,203b 整列コンベヤ
204 振分けコンベヤ 205 サーボモータ
206 クランク機構 207 スライド軸
210 製品方向変換装置 211 フレーム
212 駆動機構 213 吸着ユニット
214 移動・変換機構 215 チェーン伝動機構
216 カム機構
220 集合装置 221,222 テーブルコンベヤ
223,224 チェーン 225,226 集合テーブル
227,228 サーボモータ
230 製品投入装置 231 把持具
232 駆動機構 240 加振機構
250 プレス機構 251 プレス板
A 製品 B 段ボール箱
F1,F2 フラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角筒状に組み立てられた箱を当該箱に製品を投入する製品投入部に搬送する箱搬送部、及び前記製品投入部に対応して配設されており前記角筒状の箱の上部フラップを開くフラップ開き部を備えており、
前記フラップ開き部は、前記箱の角を挟んで隣接する二つの前記フラップを開く一方のフラップ折曲げ機構と、隣接する残る二つの前記フラップを開く他方のフラップ折曲げ機構とを備えていることを特徴とする箱詰め装置における箱搬送装置。
【請求項2】
前記各フラップ折曲げ機構は、前記一方のフラップに沿って配設されたねじ軸と、前記ねじ軸に螺合する折曲げ板とを備えており、前記折曲げ板は、前記ねじ軸回りで回動することによって、前記一方のフラップを箱内側から折り曲げるとともに前記ねじ軸方向に移動して他方の前記フラップに箱内側から当接して当該他方のフラップを折り曲げることを特徴とする請求項1に記載の箱詰め装置における箱搬送装置。
【請求項3】
前記各フラップ折曲げ機構は前記折曲げ板を前記ねじ軸の回りに回動させるため出力端が前記折曲げ板に連結されたアクチュエータを備えており、前記アクチュエータは固定のベース部に取り付けられた保持枠に対して前記ねじ軸と平行な方向に移動可能にガイドされていることを特徴とする請求項2に記載の箱詰め装置における箱搬送装置。
【請求項4】
前記各フラップ折曲げ機構において、前記ねじ軸は前記箱の搬送方向に平行な方向に延びる態様で配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の箱詰め装置における箱搬送装置。
【請求項5】
前記ベース部は、前記箱搬送部において、前記箱の搬送方向両サイドを案内する案内板を兼用していることを特徴とする請求項4に記載の箱詰め装置における箱搬送装置。
【請求項6】
前記箱搬送部は前記製品が搬送される製品搬送部の下方に且つ当該製品搬送部による製品搬送方向に沿って配設されており、前記製品投入部は前記製品搬送部において集合された前記製品をその直下に搬送されてきており且つ前記フラップ開き部によって前記フラップが開かれた状態の前記箱に投入することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の箱詰め装置における箱搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−225245(P2011−225245A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96533(P2010−96533)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 博覧会名:2009日本国際包装機械展(ジャパンパック2009) 主催者名:社団法人 日本包装機械工業会 開催日:平成21年10月20日(火)〜23日(金)
【出願人】(000148162)株式会社川島製作所 (90)
【Fターム(参考)】