説明

簡単かつ安全な内部清掃が可能なコンクリートおよび同様の混合物用のミキサー

本発明は、1つまたは複数の混合シャフト(3)を内部に備えた直方体タンク(2)で構成されるタイプであり、混合シャフト(3)のそれぞれが、タンク(2)に対して外側位置の対応するモータユニット(UM)によって回転させられ、モータユニット(UM)が、必要な接続部と共に、電気モータ(4)、歯車モータ(6)および前記対応する混合シャフト(3)の端部に連結された中間歯車および減速歯車の段階的接続を備えるコンクリートおよび同様の混合物用のミキサーであって、前記タンク(2)の内部清掃作業中、前記メインモータ(4)に結合された混合シャフトを極めてゆっくりと回転させるように作動するように設計された、メインモータ(4)に接続された低出力補助モータ(10)を備えることによって特徴付けられるミキサーに関する。
【図1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、簡単かつ安全な内部清掃を特徴とする、コンクリート、粉体、乾燥および半乾燥状態の粒状物用のミキサーに関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、多くの異なる分野で使用される従来のミキサーは、特に建築分野を参照すると、円筒形またはオメガ形状の壁を備えた大型の直方体タンクで構成され、タンク内に積み込まれた混合物を混合するために1つまたは複数の回転式シャフトが水平方向に作動する。
【0003】
該シャフトは、混合すべき混合物と有効にぶつかるように設計された半径方向のブレードを備える。
【0004】
タンクの横方向境界面は、好適な軸受と密封ガスケットを間に介在して混合シャフトを挿入するのに使用される筐体を備える。
【0005】
各混合シャフトを回転させるように設計されたモータユニットが、1つまたは両方の横方向境界面上の外側の位置に設置される。
【0006】
モータユニットは、直接または伝動ベルトを利用するかのいずれかで歯車モータを作動させる電気モータで構成され、この歯車モータは、一連の中間歯車および減速歯車を介在して混合シャフトに回転運動を伝達する。
【0007】
一般に該電気モータは、およそ1400rpmの速度であり、この速度は、歯車モータでは1/2に減速された速度、混合シャフトではおよそ25rpmの速度に匹敵する。
【0008】
該ミキサーを実際に使用する際、様々な物質を混合するのに使用したタンクを、好ましくは毎日、いずれにせよ残留モルタルが凝固する前に清掃が必要とされる場合が多い。
【0009】
より正確には、混合物の固体堆積物をタンクの内部表面(混合シャフトおよびそのブレードを含めた)から除去する必要があり、この作業は通常、より有効な清掃を確実にするためにタンクの外側または内側に配置され得る作業者によって行われる。
【0010】
特に、タンク内に収容された混合シャフトの清掃作業は、極めて困難である。
【0011】
各シャフトを、その外側で、およびその全長に沿ったブレードの交差地点で清掃しなければならないという事実を考慮すると、この場合、タンク内の作業者にとって清掃作業をしやすくするために、シャフトを角度を成してわずかに走行させる(一度に数角度だけ)のが通常の手順である。
【0012】
この方法では、清掃すべきシャフトの表面部分は、常に上を向き、つまり作業者にとってより快適な位置となる。
【0013】
詳細には、モータユニット内で使用される電気モータに加えられる短い電気インパルスによって、各混合シャフトが角度を成してわずかに走行することになる。
【0014】
特に、混合シャフトが上記に記載したわずかな走行を受ける際にタンク内の作業者にとって危険であるという理由から、このような作業原理は、完全に満足できるものとは見なされない。
【0015】
装置の誤作動の可能性、および該短いインパルスをモータユニットに与えることを課された作業者の不注意により、通常の動作速度で混合シャフトの制御されない回転が生じ、清掃を担当する作業者を死に至らしめる結果となる恐れがある。
【0016】
シャフトは、通常の回転速度で作業者の体に接触した場合、極めて深刻な傷害を引き起こす恐れがある重量のある混合ブレードを半径方向に担持することに留意されたい。
【発明の概要】
【0017】
本発明の特定の目的は、タンク内で作業者が清掃作業を行う間コンクリートミキサーの安全性を向上させることである。
【0018】
この目的のために、モータユニットのわずかな「連続するステップ」によって実現される混合シャフトの上述の断続的な前方への走行を基本とする論理原理は、完全に放棄される。
【0019】
代替として、混合シャフトのモータユニットは、ミキサーの通常の作動に使用される他に、有利にはミキサーの内部清掃作業の際に使用される小型の歯車モータに連結される。
【0020】
このような場合、小型歯車モータは、従来のモータユニットを介在して、対応する混合シャフトを極めて低速の回転速度(1rpm)で回転させるのに使用される。
【0021】
ゆっくりと回転する混合シャフトは、タンク内の清掃作業者にとって危険なものにならないことは明らかに思われる。
【0022】
実際のところ、作業者は、混合タンク内で、極めてゆっくりと回転する重量のある半径方向のブレードを避けることが可能である。
【0023】
明確にする目的で、添付の図面を参照して本発明の記載を続けるが、これは、単に例示の目的であって限定することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0024】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の混合シャフト(3)を内部に備えた直方体タンク(2)で構成されるタイプであり、前記混合シャフト(3)のそれぞれが、前記タンク(2)に対して外側位置の対応するモータユニット(UM)によって回転させられ、前記モータユニット(UM)が、必要な接続部によって、電気モータ(4)、歯車モータ(6)および前記対応する混合シャフト(3)の端部に連結された中間歯車および減速歯車の段階的接続を備えるコンクリートおよび同様の混合物用のミキサーであって、要素(7)によって前記モータユニット(UM)の前記メインモータ(4)に接続された低出力の補助モータ(10)を備え、前記要素(7)が、前記メインモータ(4)が通常作動し、前記補助モータ(10)が同時期に機能停止する際、同一のメインモータ(4)によって後者が回転するのを防ぎ、前記メインモータ(4)が機能停止し、前記補助モータ(10)が同時期に作動する際、後者が前記メインモータ(4)を回転させることを可能にすることを特徴とするミキサー。
【請求項2】
前記メインモータ(4)と前記補助モータ(10)の間に設けられた前記接続手段が、前記メインモータ(4)のシャフト上に装着され、ベルト(8)を利用して、前記補助モータ(10)のシャフト上にスプライン結合された滑車(9)に接続されたフリーホイール(7)から成ることを特徴とする、請求項1に記載のミキサー。
【請求項3】
前記メインモータ(4)と前記補助モータ(10)の間に設けられた前記接続手段(7)が、同一のモータのシャフト同士の間に設置されたクラッチから成ることを特徴とする、請求項1に記載のミキサー。
【請求項4】
前記補助モータ(10)が、1CV出力であることを特徴とする、前記請求項の1つまたは複数に記載されるミキサー。

【図1】本発明のミキサーの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
該図面を参照すると、ミキサー(1)は従来式に直方体タンク(2)で構成され、タンク(2)は、中に収容した混合物を混合する目的で横方向境界面の間に水平方向に支持された1つまたは複数の回転式シャフト(3)を備える。
【0026】
各シャフト(3)は、ベルト(5)を利用して歯車モータ(6)に接続された電気モータ(4)で構成された対応するモータユニット(UM)によって作動され、この歯車モータ(6)は、中間歯車および減速歯車の段階的接続によって対応する混合シャフト(3)に接続される。
【0027】
モータ(4)は、かなり強力であり、その理由としては、歯車モータ(6)および歯車の段階的接続を介在して、タンク(2)の中に収容された高濃度の重量のある混合物を確実に完全に混合するのに十分速い速度で対応する混合シャフト(3)を駆動させるためである。
【0028】
該従来の構成で、フリーホイール(7)が、メイン電気モータ(4)のシャフトに付加され、電気モータ(4)の通常の回転に関与しない位置に装着される。
【0029】
フリーホイール(7)は、ベルト(8)を利用して、低出力の、好ましくは1CVの電気モータ(10)のシャフトにスプライン結合された滑車(9)に接続され、この電気モータ(10)は、メイン電気モータ(4)に隣接する位置に設置され、それを作動することができる。
【0030】
清掃作業の前に、メインモータ(4)は、切断され、低出力の補助モータ(10)に電力が供給される。
【0031】
伝動ベルト(9)が介在することにより、補助モータ(10)が作動することで、フリーホイール(7)が回転し、フリーホイール(7)がスプライン結合されたメインモータ(4)が回転することになる。
【0032】
メインモータ(4)のシャフトに与えられる回転は、歯車モータ(6)と、中間歯車および減速歯車の段階的接続と、混合シャフト(3)とで構成された連鎖全体を同一方向に回転させるように設計される。
【0033】
補助モータ(10)の出力が、かなり制限され、これに接続されたモータユニット(UM)が、同一の補助モータ(10)のシャフトの回転速度の減速を確実にするという事実を考慮すると、混合シャフト(3)は、極めて遅い回転で走行し、これは、ほとんど感知できないほどであり、したがって、タンク内の作業者が、全く安全にかつ最大の効率でタンクの表面に接触し、個体堆積物を除去することが可能になることは明らかであるように思われる。
【0034】
好ましくは、補助モータ(10)の回転速度は、60−70rpmであり、これは、回転シャフト(3)では、1rpmの回転速度に匹敵する。
【0035】
最後に、本発明の概念の範囲から逸脱することなく、補助モータ(10)とモータユニット(UM)のメインモータ(4)との「選択的」接続の異なる実現モードを提示することができることに留意されたい。
【0036】
限定する目的ではなく、単に例示の目的で、メインモータ(4)と補助モータ(10)の軸同士の間にクラッチを設けることができ、この場合、2つのモータは、同一方向に回転することは明らかである。
【0037】
単一の混合シャフトと単一のモータユニットを備えたミキサーの場合、単一の補助モータ(10)が、モータユニットに結合される。
【0038】
しかしながら、2つ以上の混合シャフトを備えるミキサーの場合にも、単一の補助モータを使用することができ、その理由としては、このような場合、混合シャフトは、等速ジョイントを利用して結合されるためである。
【0039】
補助モータ(10)は、それと結合した特定のユニットモータのみを回転させるが、後者によって直接作動される混合シャフトの回転は、隣接する混合シャフトまたは複数のシャフトの同時期の回転を伴う(等速ジョイントによって形成された接続部によって)。
【図1】
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【公表番号】特表2010−524722(P2010−524722A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503431(P2010−503431)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【国際出願番号】PCT/EP2008/050132
【国際公開番号】WO2008/128794
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(509265025)オフィシン メッカニチ ガレッティ オー.エム.ジー.エスアールエル (2)
【Fターム(参考)】