説明

粉体の乾式洗浄方法及び装置

【課題】2種類の洗浄媒体、すなわち、トナーを遊離させる性質を有する洗浄媒体、トナーを吸着する性質を有する洗浄媒体を用いて、洗浄媒体の回収容易性と細部への洗浄能力を向上させるとともに、洗浄作用を持続させて高い洗浄度を実現する粉体の乾式洗浄方法及びこの方法を実施する装置を提供する。
【解決手段】洗浄対象物1と洗浄媒体14、15との相対移動により前記洗浄対象物表面に付着した粉体16を除去する粉体の乾式洗浄方法において、非帯電性の第1の洗浄媒体14と前記粉体16を吸着可能な第2の洗浄媒体15を同時に用いて前記洗浄対象物1を洗浄する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真装置において使用される容器の内外面や部品表面等の物品に付着したトナー等の粉体である付着物を洗浄媒体(洗浄メディア)の使用により除去して洗浄する粉体の乾式洗浄方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ・ファクシミリなどを製造する事務機器メーカーでは、資源の有効利用、省廃棄物の観点から使用済みの電子写真装置に関連するユニットや部品を再利用したり、材料別に分類してマテリアルリサイクルを行っている。その際、取り出した部品やユニットからトナーを除去する洗浄工程が必要不可欠である。
部品やユニットの外側の洗浄工程では、人手による拭き取りや超音波洗浄装置などが使われている。しかし、人手による拭き取り作業は重労働でありかつ人件費が掛かってしまう。超音波洗浄などの湿式洗浄方法では、洗浄液の廃水処理、洗浄後の乾燥のために大量のエネルギを必要とする。このため、かかる湿式洗浄方法は環境負荷の側面において望ましいものではない。
また、トナー容器やユニットなどの内部を洗浄する時は、開口部からのエア噴射とエア吸引を組み合わせるか、開口部からエア噴射ノズルや吸引ノズルを内部に突出させて噴射・吸引を行うことで内部のトナーを除去する方法が一般的である。
しかし、これらの方法では、気流で容器表面から吹き飛ばされたトナーが静電気により再付着し易く洗浄効率が低くなってしまう。さらに、固着したトナーやオーバーハング部の陰にあるトナーを除去することが難しいといった問題もあり、これらの問題を解決する手段として、粒子状の洗浄媒体による乾式洗浄方法が提案されている(例えば、特許文献1乃至6参照)。
【0003】
特許文献1及び2には、洗浄媒体にキャリアを使用し、磁力によりキャリアを移動させてトナーを付着させ、又は被洗浄容器の姿勢を制御してキャリアを移動させてトナーを付着させ、被洗浄容器外部へ排出する電子写真ユニットの洗浄方法が開示されている。
また、特許文献3には、洗浄メディアにキャリアを使用し、キャリアとトナーを撹拌・摩擦帯電させてそれらを静電吸着させ外部へ排出し、排出された洗浄媒体と吸着トナーが分離かつ分別され、洗浄メディアが再び使用される洗浄メディアに現像剤を用いた静電吸着洗浄システムが開示されている。
特許文献1乃至3の技術では、洗浄媒体であるキャリアと洗浄対象物とを相互移動させ、洗浄対象物に付着しているトナーを壁面から除去するとともに静電気力により洗浄媒体に吸着させるようにしている。そして磁力による制御やエア吸引等によりキャリアを容器外部に排出する。
これらの方法では、キャリアを洗浄媒体としているので、大きさが数10〜100ミクロン径で1粒あたりは軽量であるために、容器との帯電などにより静電気的に付着し、洗浄対象物表面から洗浄媒体を回収するのに手間が掛かってしまう。
洗浄媒体と同じキャリアを使用している機種においては僅かに残存していても使用時の帯電特性や画像には影響を及ぼさないが、1種類の洗浄媒体によって洗浄できる機種が限られてしまう。
また、洗浄媒体の回収が容易なように粒径の大きな洗浄媒体を用いると洗浄対象物の細部まで到達することができず、細部への洗浄能力を上げることができない。このように、洗浄媒体の粒径に関して、洗浄媒体の回収性と洗浄能力とはトレードオフ(相殺)の関係になる。
【0004】
洗浄ではないがこれに類似した技術にバレル研磨技術がある。これは研磨槽中でマス(被研磨物および媒体の混合体)を流動させて媒体と被研磨物とを作用させ、バリ取りやスケール取り等の表面処理を行うものである。バレル研磨方法に関して、研磨液を使用しない方法として以下の方法が提案されている(特許文献4乃至6)。
特許文献4には、研磨を行う金属媒体と吸着を行う樹脂媒体よりなる混合媒体を使用し、表面処理を行うバレル研磨方法及びそれを用いた電子部品の製造方法が開示されている。特許文献5には、研磨媒体と吸着媒体とを混合して研磨するバレル研磨方法において、被研磨物と研磨媒体、吸着媒体の比重の関係を規定している乾式バレル研磨装置用媒体が開示されている。
特許文献6には、研磨媒体と吸着媒体とを混合して研磨するバレル研磨方法において、連続的あるいは断続的にイオン化エアシャワーを通気させつつ研磨する研磨粉の付着の少ない乾式バレル研磨方法が開示されている。
バレル研磨技術に関連して挙げた例は、被研磨物表面の研磨を行う研磨媒体と研磨粉を吸着する吸着媒体とを混合してなる混合媒体によりバレル研磨する方法である。これらの技術によれば、吸着媒体が研磨粉を吸着するため、研磨屑が被研磨物や研磨媒体に付着することがないから、研磨効率がよく被研磨物の仕上げ面粗さや光沢度を向上できる。
さらに、装置に集塵機を内蔵(特許文献5)、あるいはマス中にイオン化エアシャワーを通気(特許文献6)させて、発生した研磨屑を除去している。しかし、この方法をトナー洗浄に適用しようとする場合、1種類の洗浄媒体を用いる方法よりも吸着媒体が少なくなるため、短時間で吸着媒体がトナーで覆われてしまうという結果になる。
また、研究中の技術には、洗浄媒体(メディア)として、容器または構成部材と同一の材料または相溶性のある樹脂材料を用いて洗浄する粉体除去方法及びこれに用いる洗浄媒体、並びにこの方法を実行するための粉体収容容器洗浄装置並びにこの方法で粉体を除去した粉体収容容器がある。
【特許文献1】特開2002−268383公報
【特許文献2】特開2003−057995公報
【特許文献3】特開2003−122123公報
【特許文献4】特開2002−66903公報
【特許文献5】特開平9−109016号公報
【特許文献6】特開平11−300598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、トナーは、小粒径で帯電特性が高いために、イオン化エアシャワーを通気しても洗浄中に吸着媒体とトナーとの静電気力による吸着力を断ち切り、かつ除去されたトナーを気流に乗せて効率良く集塵することは難しい。
このため、吸着媒体の吸着力が著しく低下しまい、それ以上洗浄処理を続けても洗浄度を上げることができない。それに加えて、トナーで覆われた吸着媒体が洗浄対象物と擦れることで、洗浄対象物へのトナーの固着が発生してしまう恐れがある。
そこで、本発明の目的は、2種類の洗浄媒体、すなわち、トナーを遊離させる性質を有する洗浄媒体、トナーを吸着する性質を有する洗浄媒体を用いて、洗浄媒体の回収容易性と細部への洗浄能力を向上させるとともに、洗浄作用を持続させて高い洗浄度を実現する粉体の乾式洗浄方法及びこの方法を実施する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、洗浄対象物と洗浄媒体との相対移動により前記洗浄対象物表面に付着した粉体を除去する粉体の乾式洗浄方法において、非帯電性の第1の洗浄媒体と前記粉体を吸着可能な第2の洗浄媒体を同時に用いて前記洗浄対象物を洗浄する粉体の乾式洗浄方法を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、洗浄処理中に前記粉体を吸着した第2の洗浄媒体を回収し、前記粉体の付着していない前記第2の洗浄媒体を投入する請求項1記載の粉体の乾式洗浄方法を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記第1の洗浄媒体が、前記洗浄対象物の凹部の曲率に比べて小さい粒子または、部分的に小さい形状を有する粒子である請求項1又は2記載の粉体の乾式洗浄方法を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記第1の洗浄媒体が、洗浄動作時に前記洗浄対象物との接触により変形し得る柔軟な材料で構成される請求項1乃至3のいずれか1項記載の粉体の乾式洗浄方法を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記第2の洗浄媒体が、前記粉体と逆に帯電し易い材料で構成される請求項1記載の粉体の乾式洗浄方法を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記第2の洗浄媒体が、前記洗浄対象物の凹部の寸法よりも大きな粒子である請求項1又は5記載の粉体の乾式洗浄方法を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記第2の洗浄媒体が、流動性の高い形状である請求項1又は5又は6記載の粉体の乾式洗浄方法を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記第1の洗浄媒体を、前記第2の洗浄媒体よりも比重が重い材料により構成し、かつ前記第2の洗浄媒体を気流の利用によって移動させて洗浄中に回収する請求項2記載の粉体の乾式洗浄方法を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記第1の洗浄媒体を、前記第2の洗浄媒体よりも小さな粒径であるように構成し、所定の粒径以下の粒子を通過させるメッシュを利用して洗浄処理中に前記第2の洗浄媒体を回収する請求項2記載の粉体の乾式洗浄方法を特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、前記第1の洗浄媒体のみを磁性を有する構成とし、洗浄処理中の前記第2の洗浄媒体回収時に磁力を利用して前記第1の洗浄媒体を回収方向と略反対の方向に付勢する請求項8又は9記載の粉体の乾式洗浄方法を特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10記載の粉体の乾式洗浄方法を実施する粉体の乾式洗浄装置において、洗浄対象物と洗浄媒体を相対移動させる相対移動手段と、洗浄中に一方の洗浄媒体を入れ換える媒体交換手段を有する粉体の乾式洗浄装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、非帯電性を有する第1の洗浄媒体と粉体の吸着性を有する第2の洗浄媒体の、少なくとも2種類の洗浄媒体を同時に用いることによって、第1の洗浄媒体は洗浄対象物への静電力による付着の影響が少ないので回収が容易であり、洗浄対象物に接触し易い形状にすることができる。また、第2の洗浄媒体は洗浄対象物の細部へ接触させる必要がないので、寸法が大きくてもよく、さらに、洗浄対象物との接触面積が小さい形状でもよいから、吸着性を有するものであっても容易に回収することができる。
これにより、第1の洗浄媒体の寸法や形状を工夫することで洗浄対象物の細部に接触して摩擦力や衝撃力で洗浄対象物から粉体を遊離させて、遊離した粉体を第2の洗浄媒体で吸着することによって洗浄対象物の細部まで洗浄することができる。また、第1の洗浄媒体が非帯電性であるから、第1の洗浄媒体と第2の洗浄媒体の付着も防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明による粉体の乾式洗浄装置の第1の実施の形態を示す概略図である。図2(a)は洗浄媒体投入から洗浄媒体排出の洗浄手順のうちの洗浄媒体投入を説明する模式図である。図2(b)は洗浄媒体投入から洗浄媒体排出の洗浄手順のうちのステージ振動を説明する模式図である。図2(c)は洗浄媒体投入から洗浄媒体排出の洗浄手順のうちのトナー吸着した洗浄媒体排出を説明する模式図である。図2(d)は洗浄媒体投入から洗浄媒体排出の洗浄手順のうちの再生した洗浄媒体投入を説明する模式図である。図2(e)は洗浄媒体投入から洗浄媒体排出の洗浄手順のうちのステージ振動を説明する模式図である。図2(f)は洗浄媒体投入から洗浄媒体排出の洗浄手順のうちの両方の洗浄媒体排出を説明する模式図である。
本発明を略述すると、粉体の除去を行う洗浄は、洗浄媒体と洗浄対象物の相対移動により洗浄対象物表面に付着している粉体を洗浄媒体に吸着させて行なわれる。この洗浄は洗浄媒体投入→ステージ振動→粉体を吸着した洗浄媒体排出→粉体吸着用の洗浄媒体投入→ステージ振動→洗浄媒体排出の手順で行われる。
本発明による乾式洗浄装置Aの第1の実施の形態を図1に基づき説明する。ここで洗浄対象物として用いるのは、電子写真装置で未使用のトナーを収納するトナー容器1である。このトナー容器1は樹脂製であり、内部にリブ(後述する図2乃至図7参照)を備え、このリブの根元の隅部は図からは見にくいが曲率(アール)はR2mmとなっているものとする。
トナー容器1はその端面に開口部(後述する図2(a)乃至図2(f)参照)を2箇有している。洗浄対象とするトナー容器1に開口部が複数箇所ある場合、洗浄時には1箇所を除いて、トナーを通さないようなスポンジシールなどのフィルタを開口部に取り付けておく。
このトナー容器1はステージ2上に配置され、固定金具3によってステージ2上に固定されている。トナー容器1は洗浄媒体再生装置4、貯蔵容器5等に接続パイプ6を介して接続されている。接続パイプ6の、トナー容器1に近接する部分には容器開閉バルブ7が設けられている。
洗浄媒体再生装置4の下には吸引ブロワ8が配置され、この吸引ブロワ8と接続パイプ6は可撓性パイプ9によって接続され、この接続部には回収バルブ10が配置されている。
洗浄媒体再生装置4と貯蔵容器5はコンベヤ11で連結され、貯蔵容器5の下には投入バルブ12が配置されている。貯蔵容器5は可撓性パイプ9によって接続パイプ6と接続され、この接続パイプ6の終端にはブロワ13が配置されている。
【0009】
図1の乾式洗浄装置Aでは、洗浄前の洗浄媒体の投入(図2(a))と洗浄後の洗浄媒体の回収(図2(c))はそれぞれ専用の装置により行う。上述したように、洗浄媒体14、15を内部に投入されたトナー容器1は固定金具3によりトナー容器搭載部であるステージ2上に固定される。
トナー容器1の洗浄には、図2(a)に示すように、2種類の洗浄媒体が使用される。非帯電性の第1の洗浄媒体としてはステンレス製洗浄媒体(Φ1.2mm×5mm程度の円筒形)14を選択している。第1の洗浄媒体14は洗浄対象物との接触による摩擦力や衝撃力により洗浄対象物から粉体を遊離する。
従って、第1の洗浄媒体14の粒径を小さくしたり、形状を工夫(大きな曲率を有する凸部を付加)することによって、洗浄対象物の細部(小さな溝、穴、角)まで接触でき、そこに付着している粉体を掻き出すことができる。
吸着性の第2の洗浄媒体としてはナイロン(ポリアミド)製洗浄媒体(直径7mm程度の球形)15を選択している。上述したように、第1の洗浄媒体14が洗浄対象物から遊離し、掻き出した粉体を第2の洗浄媒体15に吸着して洗浄する。
ここで、洗浄媒体としては機械的強度があり(脆くなく)、トナー容器1に傷を付けないものが望ましい。本発明における非帯電性とは、導電性の高い性質のことをいう。第1の洗浄媒体14の材料は、鉄、ステンレスなどの金属、非帯電性ゴム、非帯電性樹脂を用いることができる。第2の洗浄媒体15は吸着力としてファンデルワールス力、液架橋力、静電気力などを用いる。
【0010】
第1の洗浄媒体14は、洗浄対象物(ここではトナー容器)1の凹部の曲率に比べて小さい粒子または、部分的に小さい形状を有する粒子であるので、この第1の洗浄媒体14を洗浄対象物1の細部まで到達させることができる。
第2の洗浄媒体であるナイロン製媒体15は流動性を高くするため球形状とし、トナー容器1内での流動による粉体(トナー)16の帯電特性を実験で予め確認し、トナーと逆に帯電する材料としてポリアミドを選択している。
第2の洗浄媒体15としては、粉体16とは逆に帯電し易い材料で構成する。これによりトナーと流動させての静電力により粉体16を吸着させることができる。また、洗浄後に除電して吸着している粉体16を遊離し再使用することも可能である。
対象とする粉体が正負どちらに帯電し易いかを実験などで予め調べておき、それと逆に帯電する材料を選ぶ。具体的には、正に帯電し易い媒体材料としては、ガラス、ポリアミド等があり、負に帯電し易い媒体材料としては、ポリエチレン、塩化ビニル等がある。これ以外にもポリカーボネートやアクリル等が使用可能である。
また、第2の洗浄媒体15は、洗浄対象物の凹部の寸法よりも大きな粒子であることによって、洗浄対象物の凹部へ入り込むことがないから、洗浄中に被対象物との相対運動が少ないエネルギで効率良く行われる。また、洗浄後の回収が容易になる。
ここで、第1の洗浄媒体14は第2の洗浄媒体15よりも比重が重くなるような材料から作ることができる。これにより、後述するように、気流を利用して軽い方の第2の洗浄媒体15を移動させ、洗浄中に第2の洗浄媒体15を回収するので、簡単な構成で第2の洗浄媒体15だけを回収することができる。
また、気流の速度を適当に選ぶことで第1の洗浄媒体14の動きへの影響を小さくすることができる。好ましくは、第1の洗浄媒体14の比重が第2の洗浄媒体15の比重より4〜6倍程度大きい場合に効率的に第2の洗浄媒体15のみを制御し易い。
【0011】
ステージ2は、図示しない回転機構により水平な姿勢を保ったまま円運動(回転運動)を行い、トナー容器1と第1及び第2の洗浄媒体14、15との間に相対運動を生じさせる。こうすることでトナー容器1と第1及び第2の洗浄媒体14、15の相対運動が行われるとともに、第1及び第2の洗浄媒体14、15のトナー容器1内での攪拌を生じさせることができるので、ナイロン製媒体である第2の洗浄媒体15にトナー容器1内壁から遊離したトナーを均一に吸着させることができる。
吸着媒体循環部では、吸着性の第2の洗浄媒体(ナイロン製媒体)15のトナー容器1からの回収→再生→投入を一連の動作として行う。上述したように、トナー容器1は開口部のうち1箇所1aと容器開閉バルブ7が連結され、洗浄媒体再生装置4および貯蔵容器5に繋がる接続パイプ6と連結される。容器開閉バルブ7は洗浄中では第2の洗浄媒体15の回収と投入の時のみ開き、それ以外は閉じている。
トナーを吸着した第2の洗浄媒体15の回収のために、回収バルブ10により分岐された接続パイプ6は可撓性パイプ9を介して吸引ブロワ8と洗浄媒体再生装置4に連結されている。
回収バルブ10を開き、吸引ブロワ8で吸引することによって第1の洗浄媒体(ステンレス製媒体)14と比較して比重の小さい第2の洗浄媒体(ナイロン製媒体)15だけをトナー容器1から洗浄媒体再生装置4に回収する。重量計(図示せず)で回収した第2の洗浄媒体15の回収量を検知する。
【0012】
洗浄媒体再生装置4では、高速気流により第2の洗浄媒体15からトナーを除去し、第2の洗浄媒体15を再生する。洗浄媒体再生装置4でトナーを除去された第2の洗浄媒体15はコンベヤ11によりホッパー型の貯蔵容器5に搬送される。
貯蔵容器5は投入バルブ12、可撓性パイプ9を介して下方に位置する接続パイプ6に連結される。また、接続パイプ6のトナー容器1と対向する位置にブロワ13が備えられている。
投入バルブ12を開き、再生されかつ貯蔵容器5内に蓄えられている第2の洗浄媒体15を重力により落下させ、ブロワ13の気流によりトナー容器1内に投入する。投入バルブ12の制御によって、トナー容器1から回収した第2の洗浄媒体15と同量の第2の洗浄媒体15を新たに投入する。
第1の実施の形態である乾式洗浄装置Aは、洗浄対象物(トナー容器)1と第1および第2の洗浄媒体14、15を相対移動させる相対移動手段(ステージ)2と、洗浄中に第2の洗浄媒体15を入れ換える洗浄媒体交換手段(貯蔵容器5、投入バルブ12、ブロワ13)を有することで、安定した洗浄能力を発揮し、短時間での洗浄を可能とすることができる。
【0013】
図1乃至図2(f)を参照して洗浄の様子を説明する。上述したように、洗浄は第1及び第2の洗浄媒体14、15の投入→ステージ2の振動→粉体を吸着した洗浄媒体(第2の洗浄媒体)15の排出→新たな第2の洗浄媒体15の投入→ステージ2の振動→第1及び第2の洗浄媒体14、15の排出の手順で行われる。
先ず、図2(a)において、ステンレス製媒体である第1の浄媒媒体14とナイロン製媒体である第2の洗浄媒体15を同時に投入する。図2(a)乃至図2(f)には、第1の浄媒媒体14、第2の洗浄媒体15、粉体であるトナー16、固定金具3、ステージ2、洗浄対象物であるトナー容器1、このトナー容器1端面の開口部1a、及びこのトナー容器1の内部のリブ1bを示している。なお、図2(a)及び図2(f)ではステージ2を省略してある。
図2(b)では、ステージ2の振動(ステージの移動)により第1及び第2の洗浄媒体14、15が攪拌されながらトナー容器1中を流動する。第1の浄媒媒体14はトナー容器1表面との接触による衝撃力やせん断力でトナー容器1表面に付着しているトナーを掻き落とす。
第1の浄媒媒体14はトナー容器1のリブ1bの根元の曲率2Rに比べて小さいので、リブ1bの根元に付着しているトナー16も掻き落とすことができる。第2の浄媒媒体15は流動によりトナー16と逆に帯電するので、掻き落とされたトナー16を吸着する。
【0014】
図2(c)では、気流によりトナー容器1の開口部1aからトナー16を吸着した第2の浄媒媒体15を回収する。適当な吸引圧力にすることで比重の小さい第2の浄媒媒体15だけを回収することができる。
例えば、1回の排出でトナー容器1内の約3分の1ずつ第2の浄媒媒体15を回収することによって洗浄能力を大幅に落とすことなく第2の浄媒媒体15の入れ換えを行うことができる。
図2(d)では、回収され、洗浄媒体再生装置4で再生され、かつ貯蔵容器5に貯蔵された第2の洗浄媒体15を新たな吸着用洗浄媒体として、気流によりトナー容器1に投入する。この場合、回収された第2の浄媒媒体15と同じ質量の第2の浄媒媒体15を投入する。
図2(c)及び図2(d)に示すように、洗浄処理中に粉体(トナー)16を吸着した第2の洗浄媒体(ナイロン製媒体)15を回収し、トナー16の付着していない第2の洗浄媒体15と入れ換えることで、洗浄中に常に第2の洗浄媒体15が粉体16を吸着する力を維持できるから洗浄作用を保つことができる。
また、洗浄対象物(ここではトナー容器)1から遊離したトナー16を洗浄対象物1から隔離することができる。これにより、洗浄対象物1に大量の粉体16が付着している場合でも洗浄を中断する必要がなく、短時間で洗浄することができる。
【0015】
図2(e)では、図2(b)におけると同様に、ステージ2の振動(ステージ2の移動)により第1及び第2の洗浄媒体14、15が攪拌されながらトナー容器1の中を流動する。上述のごとく、第2の洗浄媒体15は流動によりトナー16と逆に帯電するので、掻き落とされたトナー16を吸着する。
図2(f)では、トナー(粉体)16を吸着した第2の洗浄媒体15と、第1の洗浄媒体14を同時に排出する。ステンレス製媒体である第1の洗浄媒体14は小粒径であるが、静電気によるトナー容器1への付着がなくかつ比重が大きいため、トナー16を容易に排出することができる。
また、第2の洗浄媒体15には静電的な付着力が作用するが、容積が大きいために質量が大きく、また、流動性が高いので容易に排出することができる。この技術は、トナー洗浄だけでなく、機械加工部品からのバリや埃の除去、粉体加工装置の洗浄にも応用できる。
【0016】
図3は本発明による粉体の乾式洗浄装置の第2の実施の形態を示す概略図である。図3では電子写真装置の部品を乾式洗浄の洗浄対象物としている。この洗浄対象物は、例えば、電子写真装置の画像形成部を構成する樹脂部品である。この樹脂部品は溝部を有し、図示してないが幅3mm、隅部R0.5mmとして設計されている。
この洗浄の場合にも、洗浄媒体は2種類で構成され、非帯電性媒体としてステンレス製媒体(直径1mmの球形)である第1の洗浄媒体14、吸着性媒体としてナイロン(ポリアミド)製媒体(直径6mmの球形)である第2の洗浄媒体15を選択している。
第2の洗浄媒体15は流動性を高くするため球形状とし、トナーの帯電特性を実験で予め確認してトナーと逆に帯電する材料としてポリアミドを選択している。部品の溝部の幅に比べて第2の洗浄媒体15を大きくとることで、洗浄中および排出時に吸着性を有する第2の洗浄媒体15が図示してない洗浄対象物の溝に挟まることがない。
図3の粉体の乾式洗浄装置の第2の実施の形態では、洗浄前の第1及び第2の洗浄媒体14、15と被洗浄物である部品の投入と、洗浄後の第1及び第2の洗浄媒体14、15、及び部品の回収はそれぞれ人手および専用の装置により行う。
図3において、図1と同一部分には同一符号を付して、第2の実施の形態でとくに必要な場合を除いて詳細な説明は省略する。この実施の形態における洗浄対象物である部品19は洗浄槽17内に先端が半球形状をなす複数の支持具18によりこれらの支持具18との接触面積が小さくなるように固定される。洗浄槽17は洗浄槽搭載部であるステージ2上に配置される。
【0017】
部品19はこの部品19の形状により、洗浄度にムラができてしまう場合には洗浄中に部品19の姿勢を変えるようにしてもよい。また、部品19を洗浄槽17中で固定せず、部品19の損傷を防ぐために洗浄槽17の内壁を緩衝部材(図示せず)で覆う構成としてもよい。
洗浄槽17内に複数組の支持具を設けることで1回の稼動で複数個の部品を同時に洗浄することができる。第1の実施の形態と同様に、ステージ2が円運動を行い、部品19と第1及び第2の洗浄媒体14、15との間に相対運動を生じさせる。
吸着洗浄媒体である第2の洗浄媒体15の洗浄槽17からの回収→再生→投入を一連の循環動作として行う。洗浄槽17は上部に回収口20を設け、可撓性パイプ9を介して吸引ブロワ8、洗浄媒体再生装置4に連結されている。
吸引ブロワ8で吸引することによって第1の洗浄媒体14と比較して比重の小さい、トナーを吸着した媒体である第2の洗浄媒体15だけを洗浄媒体再生装置4に回収することができる。重量計(図示せず)で、トナーを吸着した第2の洗浄媒体15の回収量を検知する。
洗浄媒体再生装置4では、高速気流により第2の洗浄媒体15からトナーを除去し、再使用可能な第2の洗浄媒体15として再生する。洗浄媒体再生装置4でトナーを除去された第2の洗浄媒体15はコンベヤ11によりホッパー型の貯蔵容器5に搬送される。
貯蔵容器5は、投入バルブ12、可撓性パイプ9を介して下方に位置し、かつ洗浄槽17上部で回収口20と対角をなす位置に設けられている投入口21で洗浄槽17と連結される。
第2の洗浄媒体15の投入は投入バルブ12を開き、貯蔵容器5内の第2の洗浄媒体15を重力により落下させ、投入口21から洗浄槽17に投入する。投入バルブ12を適宜制御することによって洗浄槽17から回収した第2の洗浄媒体15と同じ量の第2の洗浄媒体15を新たに投入する。
洗浄の様子は、第1の実施の形態で説明したと同様に、両方の洗浄媒体14、15投入→ステージ2振動→トナーを吸着した第2の洗浄媒体排出→再生された吸着用の第2の洗浄媒体投入→ステージ2振動の繰り返し→両方の洗浄媒体14、15排出の手順で洗浄が行われる。
【0018】
図4は本発明による粉体の乾式洗浄装置の第3の実施の形態を示す概略図である。図5は図4の回収カゴ部分を拡大して示す概略図である。図4及び図5では、トナーを吸着した第2の洗浄媒体15用の装置を示している。
この第3の実施の形態では、洗浄槽17には、その内部に配置される回収カゴ22を通すための回収カゴ通過口17aが上部に設けられている。洗浄中に回収カゴ22は図示しない昇降装置により回収カゴ通過口17aを通って洗浄槽17の内部と外部を往復運動する。
回収カゴ22は洗浄槽17内でトナーを吸着したナイロン製媒体である第2の洗浄媒体15を回収し、上述の図示してない昇降装置により上昇し、かつその上昇の最上点で90度回転し、その内部の回収された第2の洗浄媒体15をスロープ23によって洗浄媒体再生装置4内に送る。
シャッタ24は、図示してない移動機構によって、回収カゴ22が回収カゴ通過口17aを通過する際には図の位置に後退するが、それ以外の時は回収カゴ22と干渉しないように回収カゴ通過口17aを塞いでいる。
【0019】
図5の回収カゴ部分の拡大図で示すように、洗浄槽17内に配置されている回収カゴ22は周辺部と下部とをメッシュ22aで構成している。メッシュ22aは目開き(網目)が3mmで第2の洗浄媒体15は通過させず、ステンレス製媒体である第1の洗浄媒体14だけを通す。
回収カゴ22が降りて洗浄槽17内にある時、ステージ2の回転運動により第1及び第2の洗浄媒体14、15が流動し、第1の洗浄媒体14も第2の洗浄媒体15も回収カゴ22の中に入る。しかし、第1の洗浄媒体14はメッシュ22aを通過するので回収カゴ22には第2の洗浄媒体15だけが残る。
この実施の形態における粉体の乾式洗浄装置において、2つの洗浄媒体は、非帯電性媒体としてステンレス製媒体(Φ0.5mm×4の円筒形)である第1の洗浄媒体14、及び吸着性媒体としてナイロン(ポリアミド)製媒体(直径6mmの球形)である第2の洗浄媒体15を選択している。
第1の洗浄媒体14が第2の洗浄媒体15よりも小さな粒径であるように構成し、所定の粒径以下の粒子を通過させるメッシュ22aを利用して洗浄処理中に第2の洗浄媒体15を回収するので、簡単な構成で第2の洗浄媒体15だけを回収することができる。
この場合に、第1の洗浄媒体14がメッシュ22aに詰まるのを防止するためにメッシュ22aの上下左右へ揺動させる揺動機構を設けてもよい。これは洗浄対象物を開口部が1箇所しかない容器とする時のように、気流を利用しにくい場合には極めて有利である。
【0020】
図6は本発明による粉体の乾式洗浄装置の第4の実施の形態を示す概略図である。図6では電子写真装置のトナー容器を洗浄する粉体の乾式洗浄装置における粉体を吸着した第2の洗浄媒体の排出状態を示している。
この第4の実施の形態では、第1の実施の形態に電磁石25を付加した構成であり、この場合に、第1の洗浄媒体の材質を磁性体としている。電磁石25以外の構成は第1の実施の形態と同様であるので、同一部分に同一符号を付して、第4の実施の形態にとくに必要な説明を除いて詳細な説明は省略する。
本実施の形態でも洗浄媒体は2種類で構成され、非帯電性の洗浄媒体として磁性ステンレス製媒体(φ0.5mm×4の円筒形)である第1の洗浄媒体14、吸着性の洗浄媒体としてナイロン(ポリアミド)製媒体(直径6mmの球形)である第2の洗浄媒体15を選択している。
本実施の形態では、吸着性の洗浄媒体である第2の洗浄媒体15の回収が第1の実施の形態と異なる。図6において、洗浄対象物であるトナー容器1を挟んで容器開閉バルブ7と対向する位置に電磁石25が固定されている。第1の実施の形態と同様に吸引ブロワ8が発生する気流によりトナー容器開口部1aから第2の洗浄媒体15を回収する。
第1の洗浄媒体14のみを鉄、磁性ステンレスなどの磁性体あるいは磁性体を含む構成とする。この時、電磁石25に通電すると、発生する磁界により磁性ステンレス製の洗浄媒体である第1の洗浄媒体14に電磁石25に向う方向の磁力が作用する。
これにより、電磁石25がない場合よりも大きな吸引圧力にしても第2の洗浄媒体15だけを回収することができる。従って、第2の洗浄媒体15の回収速度を上げることができる。
さらに、洗浄中の第2の洗浄媒体15の回収時に、回収位置の対向する場所に配置される電磁石25への通電や、回収位置の対向する場所に永久磁石を近接させることにより、第1の洗浄媒体14が磁化して磁石の方向に付勢される。
これにより、第1の洗浄媒体14が第2の洗浄媒体15の回収方向に移動しにくくなり、第2の洗浄媒体15だけをより確実に回収することができる。電磁石25にはナイロン性の第2の洗浄媒体15の回収時のみ通電するのでそれ以外の時には第1及び第2の洗浄媒体14、15の動きに影響を与えない。
【0021】
図7は第1の洗浄媒体である非帯電性洗浄媒体の例を示す概略図である。図7では、第1の洗浄媒体である非帯電性の洗浄媒体の他の実施の形態を示している。この実施の形態では、第1の洗浄媒体として前述した非帯電性の媒体と低帯電NBR(アクリルニトリルブタジエン)からなるゴム媒体を用いている。これは曲率の小さい部分の粉体を除去するためであり、弾性率の低いゴムで構成する。
この実施の形態において、非帯電性の媒体とゴム媒体とからなる第1の洗浄媒体14’は直径4mmの球形状である。しかし、洗浄時には部品19との接触により変形して、小さな曲率、例えば、2Rを有する部品19の根元にも接触可能である。軟らかい材料を用いることにより、大きな非帯電性の洗浄媒体14’で細部まで洗浄できるので、洗浄後の排出が容易になる。
第1の洗浄媒体14’が、洗浄動作時に洗浄対象物(部品)19との接触により変形可能でかつ柔軟な材料で構成されることによって、洗浄対象物19と第1の洗浄媒体14’が接触した際に洗浄対象物19の形状に倣って第1の洗浄媒体14’が変形するので洗浄対象物19の細部に付着した粉体を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による粉体の乾式洗浄装置の第1の実施の形態を示す概略図である。
【図2】洗浄媒体投入から洗浄媒体排出の洗浄手順のうちの洗浄媒体投入から洗浄媒体排出の洗浄手順のうちの両方の洗浄媒体排出を説明する模式図である。
【図3】本発明による粉体の乾式洗浄装置の第2の実施の形態を示す概略図である。
【図4】本発明による粉体の乾式洗浄装置の第3の実施の形態を示す概略図である。
【図5】図4の回収カゴ部分を拡大して示す概略図である。
【図6】本発明による粉体の乾式洗浄装置の第4の実施の形態を示す概略図である。
【図7】第1の洗浄媒体である非帯電性洗浄媒体の例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0023】
A 粉体の乾式洗浄装置
1 洗浄対象物(トナー容器)
2 相対移動手段(ステージ)
5 洗浄媒体交換手段(貯蔵容器)
12 洗浄媒体交換手段(投入バルブ)
13 洗浄媒体交換手段(ブロワ)
14 第1の洗浄媒体(非帯電性のステンレス製洗浄媒体)
14’ 第1の洗浄媒体(ゴム製洗浄媒体)
15 第2の洗浄媒体(吸着性のナイロン製洗浄媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄対象物と洗浄媒体との相対移動により前記洗浄対象物表面に付着した粉体を除去する粉体の乾式洗浄方法において、前記洗浄媒体として、非帯電性の第1の洗浄媒体と、前記粉体を吸着可能な第2の洗浄媒体とを同時に用いて前記洗浄対象物を洗浄することを特徴とする粉体の乾式洗浄方法。
【請求項2】
洗浄処理中に前記粉体を吸着した前記第2の洗浄媒体を回収し、前記粉体の付着していない前記第2の洗浄媒体を投入することを特徴とする請求項1記載の粉体の乾式洗浄方法。
【請求項3】
前記第1の洗浄媒体は、前記洗浄対象物の凹部の曲率に比べて小さい粒子または、部分的に小さい形状を有する粒子であることを特徴とする請求項1又は2記載の粉体の乾式洗浄方法。
【請求項4】
前記第1の洗浄媒体は、洗浄動作時に前記洗浄対象物との接触により変形し得る柔軟な材料で構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の粉体の乾式洗浄方法。
【請求項5】
前記第2の洗浄媒体は、前記粉体と逆に帯電し易い材料で構成されることを特徴とする請求項1記載の粉体の乾式洗浄方法。
【請求項6】
前記第2の洗浄媒体は、前記洗浄対象物の凹部の寸法よりも大きな粒子であることを特徴とする請求項1又は5記載の粉体の乾式洗浄方法。
【請求項7】
前記第2の洗浄媒体は、流動性の高い形状であることを特徴とする請求項1又は5又は6記載の粉体の乾式洗浄方法。
【請求項8】
前記第1の洗浄媒体を、前記第2の洗浄媒体よりも比重が重い材料により構成し、かつ前記第2の洗浄媒体を気流の利用によって移動させて洗浄中に回収することを特徴とする請求項2記載の粉体の乾式洗浄方法。
【請求項9】
前記第1の洗浄媒体を、前記第2の洗浄媒体よりも小さな粒径であるように構成し、所定の粒径以下の粒子を通過させるメッシュを利用して洗浄処理中に前記第2の洗浄媒体を回収することを特徴とする請求項2記載の粉体の乾式洗浄方法。
【請求項10】
前記第1の洗浄媒体のみを磁性を有する構成とし、洗浄処理中の前記第2の洗浄媒体回収時に磁力を利用して前記第1の洗浄媒体を回収方向と略反対の方向に付勢することを特徴とする請求項8又は9記載の粉体の乾式洗浄方法。
【請求項11】
請求項1乃至10記載の粉体の乾式洗浄方法を実施する粉体の乾式洗浄装置であって、前記洗浄対象物と前記洗浄媒体を相対移動させる相対移動手段と、洗浄中に一方の洗浄媒体を入れ換える媒体交換手段を有することを特徴とする粉体の乾式洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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