粉体の圧縮及びエンローブの改良
装置及び手法は、フィルム1でコーティングされた圧縮粉体のスラグ7を形成することを含んでいる。圧縮粉体のスラグ7を生産するために、望ましくは機械的に粉体6を圧縮して、真空又は圧力差によってある物質、好ましくはハイドロキシプロピルメチルセルロースのフィルム1を形成し、例えば薬剤のような粉体6が圧縮されエンローブされることにより、粉体の表面近傍は圧縮される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、粉体(例えば、薬剤、ビタミン、ダイエットサプリメントなどを含んでいる粉体)の圧縮に関する。そのような圧縮粉体は、例えば人間の服用のための剤形に適した圧縮粉体のカプセル体を製造するために、ノンゼラチンフィルム(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))のような生分解性の及び/又は水溶性のフィルムによってエンローブされる(enrobed)。本願発明は、錠剤を含んでいるすべての関連する剤形に適用可能であるが、下記においては、簡潔のため、そのような剤形のすべてがカプセルとして言及される。
【背景技術】
【0002】
錠剤は剤形の一般的な形であり、その特性を改善するための様々な手段が試されている。錠剤(例えば医薬品の錠剤)をコーティングする現在の方法は、アセラコーター(acelacoaters)又はパンコーター(pan coaters)の利用を含み、前記方法は、表面層を形成するために、低モル重量であるHPMCグレード(HPMC grades)を錠剤の表面へ拡散させる。前記表面層は単一で滑らかであるが、不透明で光沢性が低い。錠剤は、該錠剤上に型押しされた文字を備えていることができる。しかしながら、前記錠剤のコーティング方法は時間を要するものであり、満足いく結果を出すには高度の専門的知識を必要とする。2つの錠剤がスプレーコーティングの作業中に互いに結合する錠剤の双晶化のような製品が一般的である。これらの問題に加えて、前記コーティングプロセスの間に前記2つの錠剤が分離しないように、相対的に高い圧力の下で錠剤を圧縮することが必要である。前記高圧下の圧縮のために、カプセル内に含まれる有効成分の粉状化及び溶解の速度に対して悪影響を及ぼし、例えば、患者に対する薬の効果の発生が遅れる一方で、錠剤は患者の胃の中でゆっくりと溶解する。
【0003】
スプレーコーティング又はパンコーティングの代替的な方法は、ツーピースハードカプセル(two piece hard capsule)を用いる方法である。一般的には、該ハードカプセルはHPMC溶液(HPMC solution)が用いられ、互いにかみ合うことによって閉じたカプセルを作り出す半殻(half shell)を作る浸漬プロセス(dipping process)により製造される。これらのカプセルは、一般的には不透明であるが光沢がある。そして、互いに重ねてかみ合わせるプロセスの障害となるため、いかなる形状の型押しもすることができない。前記カプセルの性質として、粉体で満たされたレベルの上方に空間が常に存在することを示している。さらに、前記錠剤の中に粉体を圧縮することができず、このことはカプセル化し得る粉体の量を制限する。その結果として、例えば、この圧縮不足が薬剤の量を効果的に減らすことができる。前記カプセル内の空隙の存在と前記カプセル内に含まれる粉体の圧縮不足とにより、前記カプセルが必然的に必要以上に大きくなる。
【0004】
2つの前記カプセルを2等分にし、その中身を改ざん(tamper)して、ユーザーに前記カプセルに変更点があることを知らせるような前記カプセルの外観にはっきりとした変更を加えずに、前記2等分されたカプセルを取り替えられるので、ツーピースハードカプセルの製造及び/又は販売の後、前記カプセルが容易且つ不法に妨害され得ることもわかる。このことはその中身が改ざんされたカプセルを発見することが困難であることを意味する。HPMC及び特定の他のノンゼラチン物質は人間による消化に適しており、ゼラチン壁を有しているデリバリーカプセル(delivery capsules)は、例えば、正確に計測された医薬品及びダイエットサプリンメントの投与量の移送(delivery)のように消化可能なカプセルとして、すなわち、交換可能なゼラチン系のカプセルとして潜在的に利用可能であることがわかる。特許文献1を参照すると、従来の錠剤はすでにエンローブされていることがわかる。
【特許文献1】国際公開第02/098394号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明の特徴は、ポケット部に真空成形されたフィルムを受容する前記ポケット部を有しているプラテン(platen)と、前記ポケット部内で前記粉体を圧縮する圧縮ピストンであり、凹部の前面を有し、前記前面の外縁に直角縁が形成された前記圧縮ピストンを備えた機械的手段とを備えていることを特徴として、フィルムで被覆されており、圧縮粉体のスラグを形成する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一の実施例において、前記ポケット部は下部ピストンにより形成されるベースを有しており、前記下部ピストンは、凹部を有している前面及び該前面の外縁に直角縁を備えている。前記下部ピストンの前面は、前記フィルムを真空成形するためにポケット部内に真空部分を発生させる少なくとも2つの開口部をさらに備えている。前記プラテンは、前記プラテンと前記フィルムとの間に真空部分を発生させる開口部をさらに備えている。一連の開口部が、前記プラテン内、且つ、前記ポケット部の外縁に形成されている。前記プラテンは、前記ポケット部の外縁を形成する突起した縁部を規定する凹面をさらに備えている。前記圧縮ピストンと前記ポケット部との間の径方向の隙間は、前記フィルムの厚みに対して僅かであり、35μm以下である。前記下部ピストンと前記ポケット部との間の径方向の隙間は、前記フィルムの厚みに対して僅かであり、25μm以下である。前記プラテンは、一連のポケット部をさらに備えている。また、前記装置では、加熱プレート(heated plate)と前記フィルムとの間に真空部分を発生させるための一連の開口部を有している表面が形成された前記加熱プレートを備えており、一時的に保持し加熱するために前記フィルムを事前調整する手段を提供することができる。前記装置は、前記圧縮粉体のスラグを受容し保持して、前記圧縮粉体のスラグを所望の位置に移送し解放するためのガスケットをさらに備えている。前記ガスケットは、前記圧縮粉体のスラグを受容するための受容側面と出口側面とを有している開口部を備えており、前記受容側面の直径は前記出口側面の直径より大きい。
【0007】
本願発明のもう一つの特徴は、加熱プレートと前記フィルムとの間に真空部分を発生させるための一連の開口部を備えている表面を有している前記加熱プレートを備えており、一時的に前記フィルムを保持して加熱するためのフィルム事前調整部(film preconditioner)と、真空状態において前記事前調整されたフィルム及び前記粉体をポケット部内に受容するための前記ポケット部を備えているプラテンと、前記ポケット部内で前記粉体を圧縮するための機械的手段とを備えていることを特徴とするフィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成する装置を提供することにある。
【0008】
本願発明のもう一つの特徴は、前記ポケット部内で真空成形されたフィルムを受容し、その後に前記粉体を受容するための一連の前記ポケット部と、前記プラテンと前記フィルムとの間に真空部分を発生させる前記ポケット部に近接した少なくとも一つの開口部とを備えている前記プラテンと、前記ポケット部内で前記粉体を圧縮するための機械的手段とを備えていることを特徴とするフィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成するための装置を提供することにある。本願発明の実施例において、一連の開口部が、前記プラテン内、且つ、前記ポケット部の外縁に形成されている。
【0009】
本願発明の一つの特徴は、前記粉体を受容する前記ポケット部内に真空成形されたフィルムを受容するための一連の前記ポケット部、複数の突起した縁部の側面の間に凹面を備えているプラテンであって、該プラテンの各々がポケット部の外縁を形成している前記プラテンと、前記ポケット部内で前記粉体を圧縮するための機械的手段と、その上に支持されたフィルムを切断するために前記突起した縁部の側面と干渉するように移動可能な切断スリーブとを備えていることを特徴とするフィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成するための装置を提供することにある。
【0010】
実施例において、前記装置は、プロセス中前記プラテンを保持し移送するためのターンテーブルをさらに備えている。前記ターンテーブルは4つのプラテンを備えている。前記プラテンをクリーニングするための真空部分を備えている。
【0011】
本願発明のもう一つの特徴は、ドセイター(dosator)と、粉体の入った前記ポケット部を供与するための供与ユニット(dosing unit)とをさらに備えていることを特徴とする装置を提供することにある。そして、前記ドセイターは、前記粉体を保持するための粉体用ホッパーと、前記粉体用ホッパーから粉体を保持し、前記ポケット部へ移送するための供与用チューブ(dosing tube)を有している供与用ヘッド(dosing head)とを備えている。前記供与用ヘッドは、前記供与用チューブ内で粉体を事前に圧縮し、前記チューブから前記ポケット部内へ前記粉体を移送するために、前記チューブ内に突き固め用のピン(tamping pin)を有している。実施例において、前記装置は、圧縮するための機械的手段を有している供与ユニットと、補給位置から供与位置へ移動可能であり、前記供与用ヘッドの前記供与用チューブから前記粉体を受容し、前記粉体の入った前記ポケット部を供与するための供与スレッジ(dosing sledge)とを備えている。
【0012】
本願発明のもう一つの特徴は、第1の真空成形されたフィルムをポケット部へ受容し、その後に粉体を受容するための前記ポケット部を有しているプラテンと、粉体の入った第1の真空成形されたフィルムを有している前記ポケット部内の前記粉体の圧縮に適した位置に前記粉体を置くための供与ユニットと、前記粉体を圧縮するための機械的に圧縮する手段と、処理中、位置のステーションから他のステーションへ前記プラテンを保持し、回転可能なように移送するためのターンテーブルを備えており、一のステーションは、前記プラテンのポケット部内に前記フィルムを貼り付け前記粉体を圧縮して、圧縮粉体を部分的にエンローブするためのものであり、他のステーションは、前記圧縮され部分的にエンローブされた粉体の上に第2の真空成形されたフィルムを貼り付け、前記スラグをフィルムで完全に被覆するためのものであることを特徴とする圧縮されフィルムでカプセル化された粉体のスラグを形成するための装置を提供することにある。
【0013】
実施例において、前記供与手段は、粉体の入った第1の真空成形されたフィルムを有しているポケット部内の前記粉体の圧縮に適した位置で前記ポケット部近傍に前記粉体を配置する。前記供与手段は、前記粉体の入った第1の真空成形されたフィルムを有している前記ポケット部を供与することができる。
【0014】
実施例において、前記装置は、前記プラテンをクリーニングするための真空部分と、前記プラテンをクリーニングする他のステーションとを備えている。前記ターンテーブル内のプラテンの数は、装置内のステーションの数に対応する。前記ターンテーブルは、他の実施例のプロセス処理のために4つのプラテンを備えている。圧縮処理中の前記装置は、前記ターンテーブル組立体から働く圧縮圧力を絶縁するための手段を備えている。
【0015】
本願発明のもう一つの特徴は、ポケット部内で真空成形されたフィルムを受容し、その後に粉体を受容するためのポケット部を有しているプラテンと、前記ポケット部内で前記粉体を圧縮するための機械的手段と、前記圧縮粉体のスラグを受容し保持して、所望の位置に移送し解放するためのガスケットとを備えており、圧縮されフィルムでカプセル化された粉体のスラグを形成するための装置を提供することにある。前記ガスケットは前記圧縮粉体のスラグを受容するための受容側面と出口側面とを有している開口部を備えており、前記受容側面の直径は前記出口側面の直径より大きい。そして、前記ガスケットは、一以上の圧縮粉体のスラグを受容するための一連の開口部を備えている。
【0016】
本願発明の特徴の一つは、優れた特性を有しているカプセルを製造するために、粉体を圧縮しエンローブする新しい方法に関する。
【0017】
ノンゼラチンフィルム層は、熱及び/又は真空部分及び/又は圧力の影響を受けて、錠剤状のポケット部に熱成形される。粉体の所定重量がポケット部を形成するフィルム内で供与されて、例えば一以上のピストンの補助により錠剤状に圧縮される。部分的にエンローブされた“柔らかい”錠剤がこのプロセスから作られ、圧縮粉体の残りに第2のフィルムによりエンローブをし、プラテンの上方に前記錠剤を挙げることを必要とするイベントの第2のシーケンスにより完全にエンローブされる。適合する錠剤状のポケット部が、例えばシリンダー内部を摺動可能な一組のピストンを用いることにより製造される。そのようなピストンの利点は、前記プラテンとシリンダーの頂部との間のピンチポイントが形成され得ることであり、(部分的に)エンローブされた錠剤から不要な余分のフィルムを切り飛ばすために有効である。
【発明の効果】
【0018】
本願発明の目的の一つは、改竄されたことが明白になるカプセルを製造することである。
【0019】
本願発明のもう一つの目的は、物質が“膜を密接させた包装”を形成することができようとできないと、粉体が前記物質でエンローブされており、前記粉体で満たされたカプセルを製造することである。
【0020】
本願発明のもう一つの目的は、例えば、薬の錠剤を特定するために基礎的な型押しの適用が可能であり、光沢性の高い表面を有しているカプセルを製造することである。
【0021】
本願発明のもう一つの目的は、ほとんど認識できないフランジを有しているカプセルを製造することである。
【0022】
本願発明のもう一つの目的は、多様な形状及び大きさの剤形の製造を可能とすることである。前記形状及び大きさは、プロセスが包含する性質と製造された製品の特性のために、以前から製造することも実際に使用することも不可能であった剤形の形状と大きさを含んでいる。
【0023】
本願発明のもう一つの目的は、好ましい特性を有しており、圧縮及び/又は構成が好ましい状態にある粉体又は他の流動性を有している固形物質及び/又は薬剤グレード(pharmaceutical grade)の物質を可塑化した薬剤グレードのフィルムを(コントロールして)早く溶解する又は溶解可能なカプセルの材料を含んでいるカプセルを製造することである。
【0024】
本願発明のもう一つの目的は、それ自身の性質により容易に飲み込み、理想的、且つ、有効成分が最も効果的に解放される場所にさらに容易に移送され得るカプセルを製造することである。
【0025】
本願発明のもう一つの特徴は、粉体を圧縮したスラグを製造するための粉体の圧縮方法であり、例えば、前記スラグが従来の錠剤より優れた分解特性及び溶解特性を有しているカプセルを製造するためにエンローブされ得る前記方法である。
【0026】
本願発明のもう一つの特徴は、少なくとも従来の被覆された錠剤と同一の機能を果たすが、前記従来の錠剤における圧縮及び被覆の段階が、単一の粉体をエンローブするプロセスに置き換えられるカプセルを製造する方法にある。
【0027】
本願発明のもう一つの特徴は、粉体のエンローブによるカプセルの製造方法であり、製造されたカプセルの性質のために、従来の錠剤の製造において必要とされる特定の副成分を省くことができる前記方法である。例えば、前記主成分が、比較的緩く圧縮され、前記粉体/成分を確実に包むことにより結合性を付与し独立した効果的な剤形を形成するようなフィルムでカプセル化された剤形内にあるため、構造的結合性を付与するために付加される錠剤の成分を省くことができる。前述により、錠剤内に分散配置され、デリバリーする場所(site of delivery)に到達した場合に錠剤を分解するように規定されており、前記錠剤内に含まれている構成要素が省略され得る。本願発明によるカプセル内の主成分は、圧縮されていない又は従来の錠剤と比較して最小限度の圧縮しかなされていない形態であるので、カプセルのフィルムが、例えば意図されたデリバリーする場所で溶解されると、前記圧縮状態により容易な開放性及び分散性がもたらされる。
【0028】
本願発明のもう一つの特徴は、粉体を圧縮するポケット部内でフィルムを真空成形する機能、ポケット部内に部分的にエンローブされた粉体のスラグを生成する機能を備えている圧縮粉体をエンローブする方法を提供することにある。前記粉体のスラグ上で第2フィルムを真空成形して、完全に粉体のスラグをエンローブすることにより、剤形としての使用に適しており、独立した圧縮粉体で満たされたカプセルを形成する。
【0029】
本願発明のさらにもう一つの特徴は、圧縮粉体で満たされたカプセルを形成するために1枚以上のフィルムを用いて圧縮粉体をエンローブする方法であって、圧縮粉体で満たされ用いられるカプセルの壁を形成する1枚以上のフィルムが互いに重なり合うことを特徴とする前記方法を提供することにある。
【0030】
本願発明のさらなる特徴は、圧縮されたスラグを形成及び/又はエンローブする方法であって、前記圧縮粉体の圧縮レベルが、工業的基準が錠剤として表現される圧縮粉体の独立したスラグに到達するために必要とされるレベルには及ばないことを特徴とする前記方法を提供することにある。
【0031】
本願発明の方法を実行すると、前記フィルムが、粉体のスラグの周りに巻かれることにより、前記ポケット部及び圧縮粉体のスラグの外面に適応するように変形し、効果的に安定したカプセルを形成する。フィルム及び粉体が適切な形状のサポート内に設けられ、真空状態(実質的には減圧状態)にある真空チャンバー又は真空ベッド装置は、当該目的のために改良されて利用され得る。そのような装置は、適切に改善された商業的に利用可能な真空チャンバー又は真空ベッド装置に基づくものである。真空成形技術により、圧縮粉体を含み、従来の錠剤のような現在利用可能な剤形よりも優れ制御可能な特性を有しているカプセルをもたらし、フィルム内に完全に包まれて圧縮されカプセル化された粉体が出来上がる。
【0032】
圧縮粉体は、一般的に5〜15メガパスカルの圧力の影響を受けやすい(特にこの範囲に限定される訳ではない)。圧縮されエンローブされた粉体の例として、パラセタモール、イブプロフェン、ソルビタン及び総合ビタミン剤(multivitamin)が挙げられる。他の充填される粉体として考えられるものは、酸中和剤、消炎剤、抗ヒスタミン剤、抗生物質及び抗コレステロールの薬剤である。
【0033】
前記フィルムは、人間の消化に適し、真空成形可能な程度に十分な可撓性と可塑性を有している物質である。幾つかのフィルム素材は、その本来の状態において適した特性を有しているが、一般的には、真空成形可能であるようにフィルム素材を事前にテストすることが必要である。例えば、特定のグレードのポリビニルアルコール(PVA)は、少量の水をその表面に適用した後に、又は、多湿環境におかれた場合に真空成形されるので、前記フィルム素材をソルベント溶剤に曝す必要がある。さらなる一般的に好ましい可能性は、真空状態におくことにより真空成形される前に、熱により軟化する状態にあるフィルムと共に熱可塑性素材のフィルム(すなわち、熱変形可能な素材)を利用することである。適切な熱可塑素材として、改良されたセルロース素材、特にヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ペクチン、アルギン酸、デンプン及び改良されたデンプン及び大豆や乳漿タンパク質フィルムのようなタンパク質フィルムも挙げられる。現在好ましいフィルム素材はHPMCである。これらの適切なフィルム素材は現在利用可能である。
【0034】
熱可塑性のフィルムを使用する場合には、前記フィルムが熱で軟化して変形可能な状態であるため、前記フィルムはポケット部又は圧縮粉体のスラグに適用する前に加熱されるのが一般的である。このことは、例えば、赤外線ヒーター、赤外線ランプ、加熱プレート、熱風供給機などのような熱源に前記フィルムを曝すことにより達成される。上述のプロセスにおいて、異なる厚さのフィルムが第1フィルム及び第2フィルムとして利用されるので、フィルムの厚さに応じた温度範囲が用いられる。例として示すにすぎないが、第1フィルムを成形するには約150℃、第2フィルムを成形するには約70〜80℃の温度範囲が利用される。
【0035】
エンローブプロセスの間、フィルムは好ましくは最小値1.5〜2mmで重なり合っている。圧縮粉体のスラグは好ましくは3mmの側面高さを有し、フィルムは前記側面領域上で略完全に重なり合っている。
【0036】
前記フィルム素材は、オプションとして着色剤(例えばFD及びCイエローナンバー5のような食用色素の形態で)及び/又はオプションとして調味料(例えば甘味料のような)及び/又は表面組織をよく知られた方法で含んでいることができる。
【0037】
前記フィルム素材は、一般的には、既知の方法で理想的な可撓特性を前記フィルムに付与する可塑剤を含んでいる。可塑剤として用いられる物質として、乳酸としてのα−オキシ酸、塩、マレイン酸、ベンジルアルコール、特定のラクトン、ジアセチン、トリアセチン、プロピレングリコール、グリセリン又はこれらの混合物が挙げられる。一般的な熱可塑フィルムの配合は、重量についてHPMCが77%、可塑剤が23%である。
【0038】
前記フィルムは、従来は50〜100マイクロメートル(例えば80マイクロメートル)であったが、前記錠剤の大きさ及び形状を含んでいる要因に依存する適切なフィルム厚さを有している20〜200マイクロメートルの範囲の厚さを適切に有している。異なる厚さのフィルムが使用され得る。例えば、エンローブするプロセスの第1ステージでより厚いフィルム(125マイクロメートル)が使用され得る。また、前記エンローブするプロセスの第2ステージでは、より薄いフィルム(80マイクロメートル)が使用され得る。
【0039】
本願発明におけるフィルム形成プロセスの性質により、例えば、圧縮粉体が圧縮中にフィルムを貫通する能力を有している粒子が含まれるという特定の条件下で、(前記圧縮粉体のエンローブの第2段階及び最終段階において)圧縮粉体のスラグの残りを覆うためのフィルムの厚さよりも厚い前記ポケット部で形成されたフィルムの厚さを有していることは利点である。そのような異なる厚さが、結果として生じたカプセルの特定の優位な構造的特徴の原因となる。前記カプセルは一般的にはより頑強であり、より安全に保存して取り扱うことができる(一般的には前記カプセル上のより薄いフィルム)が、任意の付与されたソルベント溶剤に浸された場合には、より速く溶解するより薄いフィルム壁によって、より速い解放特性(release characteristics)の原因となる弱く薄いフィルムの小さな領域(ウインドウ)を処理する。異なる厚さの壁を有しているカプセルを形成するのに優位な異なるフィルムの厚さが、頑強であるが素早くその中身をより薄いウインドウを通じて解放するカプセルを製造するような、例えば、厚さ70/90マイクロメートルのフィルムの配合(coordination)であり得る。
【0040】
従って、異なる厚さのフィルムが前記エンローブプロセスで使用され得る。さらなる実施例を付与すると、より厚いフィルムがエンローブプロセスの第1ステージにおいて、最大200マイクロメートルと最小70マイクロメートルとの間で、好ましくは厚さ約125マイクロメートルで使用され得る。より薄いフィルムがエンローブプロセスの第2ステージにおいて、最大125マイクロメートルと最小50マイクロメートルとの間で、好ましくは80マイクロメートルで使用され得る。
【0041】
複数のエンローブされた圧縮スラグを製造する場合には、前記圧縮粉体のスラグの空間が重要である。圧縮粉体のスラグが互いに近づきすぎた位置にあると、前記フィルムはそれらの間で十分な熱成形をすることができない。例えば、前記圧縮粉体のスラグの前記側壁から離れるように曲がり始める前に、前記フィルムは、2mmの距離で前記圧縮粉体のスラグの垂直側壁を完全に適応可能であるので、4mmの隣接する圧縮粉体のスラグとの間の空間が良い結果をもたらすことが判明した。
【0042】
本願発明の1つの特徴によると、前記方法は、前記圧縮粉体のスラグの上で効果的に2つの独立した重なり合う半分のフィルムのコーティングを形成することを含んでいる。好ましくは、前記方法は、ポケット部におけるフィルムの第1の成形をして、そのときにフィルムを裏打ちしたポケット部(the film lined pocket)内で粉体のスラグを圧縮することにより、部分的なカプセルで形成されたフィルムの内部で粉体のスラグの実質的な部分を効果的にコーティング/カプセル化をして、余ったフィルム素材を取り除いて、例えば、そのとき、前記スラグのための封止された完全な容器を提供するために共にシールされた2つのコーティングの重なり合う部分でコーティングする半分の圧縮粉体のスラグを切断することによって、圧縮粉体のスラグをコーティングせず、そして、再び前記スラグを覆っていない余った余分なフィルム素材を取り除くことを含んでいる。重なり合うフィルムのコーティングの間で、例えば、フィルム層の表面に付着する素材をそれらの間での効果的な封止の配合を確保して、合成したカプセルの改竄が明らかになるように適応させることが必要である。付着する素材は、好都合なことに前記フィルムと同一の構成を有しているが、より低粘度の材料を提供するために可塑剤の割合が非常に多く、例えば、重量%で93〜98%である。前記付着した素材は、例えば、ローラーやスプレーなどにより適用され得る。一般的な付着物の構成は、重量%で表わした割合ではHPMC4%、乳酸77%及び水19%となる。
【0043】
圧縮粉体のスラグ及びカプセルは、従来略円筒状の側壁部分であって、該側面上で重なり合う2つの半分のコーティングを有している前記側壁部分を含んでいる。略円筒状側壁を有している円対称形状の錠剤が非常に一般的であるが、例えば、略円筒状側壁も含んでいる略楕円形状及び略オーバル形状のような他の形状もまた、よく知られている。
【0044】
前記フィルムの第2の部分の固着を促進するために、例えば上述のような接着剤をコーティングの最終段階の前に圧縮粉体のスラグの表面に付けることもまた、利点であり、又は、理想的である。このことは、例えばローラー、スプレー等により再び達成される。
【0045】
適切な大きさを有しているフィルム素材のシートを用いることにより、一連に並んだ複数の錠剤が同時に被覆される点は利点である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
図面は、粉体の圧縮/エンローブするプロセスにおける様々なステージを示す。
【0047】
図1は、ステップa−1を介して、粉体の圧縮及びエンローブにおける基本的なステップの仕組みを示す。
【0048】
a.第1フィルム(1)は、プラテン(platen)(2)上に載置される。円筒部(4)内で滑動可能な下部ピストン(3)は、真空ポート(5)と協働する。
b.フィルム(1)は、真空ポート(5)により作られた真空部によって完全に円筒部(4)内に引き下げられて、さらに下部ピストン(3)の冠部上に載置されてポケット形状を形成する。
c.大量の粉体(6)がフィルムのポケット部に導入されて、上部ピストン(9)が、大量の粉体(6)を含んだ下部ピストン(3)に向かって下方へ移動する。
d.ステップcが完了すると、圧縮粉体のスラグ(7)を得ることができる。
e.独立して半エンローブされた圧縮粉体のスラグを形成するために、切断機(10)を導入することによりフィルムを切断する。
f.下部ピストン(3)が上方に動き始めることにより、圧縮粉体のスラグ(7)もまた、上方へ押し上げられる。
g.下部ピストン(3)は、圧縮粉体のスラグ(7)をプラテン(2)と同じ高さのところに位置決めして停止する。
h.プラテン(2)上に第2フィルム(8)を導入して、さらに圧縮粉体のスラグ(7)上で緩く伸ばす。
i.第2の真空部が、圧縮粉体のスラグ(7)の上部と共同して、その周囲及び近傍で第2フィルムを引き出すために適用されることにより、圧縮粉体のスラグ(7)の上部の周りを覆う。
j.切断機(12)は降下して、粉体のスラグ(7)から覆われていない余分なフィルムを化粧断ちする。
k.完全にエンローブされた粉体のスラグは、さらなる下部ピストン(3)の動作によって円筒部(4)から射出されて、フィルムの緩んだ端部を伸ばしアイロン(13)により密封される。
l.伸ばされた継ぎ目を有している完全にエンローブされた錠剤を示す。
【0049】
図2は、図1により表わされた基本的な仕組みのバリエーションを示す。
【0050】
ステップa1及びb1は、図1に示すように、ポケット部(14)を形成する第2の真空部によって形成されて、プラテン上、且つ、部分的にエンローブされた粉体のスラグの直上に下げられており、事前に形成された第2フィルムのポケット部を示す。対向するフィルムポケット部は、下部ピストン(3)が上方に動くことにより圧縮され部分的にエンローブされた粉体のスラグをも上方及び事前に形成された第2のフィルムポケット部の空洞部内へ押し出し、フィルムの2つのポケット部によりエンローブされる。そのとき、カプセルが取り外されて、前述の通り、アイロンにより伸ばされる。
【0051】
図3は、図1により表わされる基本的な仕組みのさらなるバリエーションを示す。
【0052】
ステップ2aは、図1のステップfにおいて粉体のスラグを表わす。図2のように事前に形成された第2のフィルムポケット部が導かれるが、このとき前記ポケット部は、前記粉体のスラグの頂部のみ被覆され、前記粉体のスラグの略円筒部の正に縁端部の外縁で密封剤を形成するような第2の浅い真空成形するポケット部(15)により形成された浅いポケット部である。ステップa2〜d2は、この修正されたプロセスを示す。該プロセスは、カプセルの異なる特性の原因となる異なるタイプのシールを有しているカプセルの原因となる。
【0053】
図4は、図1により表わされるプロセスのもう一つのバリエーションを示す。
【0054】
しかしながら、基本的な仕組みは、本質的に2つの異なる半分の服用量の粉体を含んでいるカプセルを形成するために繰り返される。前記基本的なプロセスは、図1で説明された通りに、上下2つについて(in duplicate)ステップfまで実行される。該ステップfは基本的に図4におけるステップa3〜c3である。図4の前記ポイントにおける差違は、圧縮粉体(16,17)で満たされた2つの対向するポケット部の深さは半分であり、粉体のスラグの頂部は本質的にはラウンド形状というよりはむしろ平坦であることである。ステップc3は、半分の大きさのスラグの表面上に敷き詰められた中間フィルムを含めることができる。ステップd3〜f3は、2つの半分の大きさのスラグを接合して、2つの部位を備えた単一のカプセルを形成することを表わしている。ステップg3は、区画化されたカプセルを示す。おそらく異なる圧力等の条件の下で圧縮された少なくとも2つの独立した主成分の服用が1つのカプセルにより同時に可能となることが利点である。このことは、新しい剤形の生産に関するさらなる柔軟性及びオプションを付与する原因となる。
【0055】
前述のプロセスは、用いられる粉体の量と関連して、さらには圧縮プロセスの間において協働するピストンを綿密に位置決めすることを伴って、様々な圧縮レベルを有している粉体のスラグの形状を容易ならしめる。前述の通り、前記様々な圧縮レベルにより粉体のスラグを圧縮することができて、このことは、有用且つ安定した剤形として機能し得るために、スラグに必要な一体性を提供する前記フィルムのエンローブである。前記プロセス及び装置は、特性を変化させるカプセル剤を生産するために改善することが可能であり、このことは、当該技術分野で既に知られている錠剤及び従来のカプセル剤を上回る利点を有している。例えば、本願発明の実施例における低く圧縮粉体を含んでいるカプセル剤は、極めて好ましい急速な溶解特性(例えば、即効性の鎮痛剤に適した)を生み出す。前記フィルムは、前記カプセル剤が消化管を通じて薬を運搬したいと意図した位置に速く比較的無痛状態で移動することができるように、共に滑らか/柔軟であるように規定され得る。また、薬を運搬したいと意図した位置又はその近傍で溶解するように規定されている。カプセル剤中の低レベルの圧縮粉体は、消化管内でカプセル剤が滑らかに移動することを目的とするものであり、前記カプセル剤の中身は、圧縮性と可搬性とを有しているように規定されている。従って、体内を移動するにつれて、通過がより制限された部分の形状に適合し得るように、前記カプセル剤が曲げられて、及び/又は、圧縮される。このような剤形は自ら特に有用であることを証明することができて、痛んだ又は制限された消化管を有している患者はそれを飲み込むことが困難であることがわかる。さもなければ、剤形が、さらなる可搬性及び人体内部への攻撃性を小さくすることを要求される他の幾つかの理由がある。
【0056】
次の方法が実施例により付与される。そして、いかなる方法においても、本願発明を限定することを意図しない。
【0057】
[実施例1]消費可能なアイテム。
1%のデンプン及び0.25%のソルビトールモノステアレートで酸を処理する15%の乳酸及び5%のトリアセチンで可塑化されたHPMCである厚さ125マイクロメートルのフィルム1。
【0058】
フィルム1と同様であるが、厚さが80マイクロメートルであるフィルム2。
【0059】
ベンジルアルコール45%、トリアセトン50%及びHPMC E15プレミアム(ダウケミカル製)5%からなる第1フィルムの領域と重なり合うように適用される接着剤。
【0060】
[プロセスに関する説明]
フィルム1は熱成形されて、プラテン内において単一又は複数の錠剤/キャプレット(R)状のポケット部となる。各ポケット部は、標準的な大きさの錠剤及びキャプレットに適合させるために、必要な時に上下動可能な下部ピストンを含んでいる。錠剤状のポケット部もまた、前記ポケット部の頂部周辺の周りに突出した縁端断面を有している。この縁端断面は、前記プラテン表面上に1mm突出しており、幅0.35mmのランド部を有している。前記ポケット部の垂直側壁の深さは、一般的には3mmである。
【0061】
熱成形作業は、別々に制御される真空容器を2等分に分割する膜として作用するフィルムを含んでいる。前記フィルム上の前記チャンバーは、約150℃の温度で加熱された平坦なプラテンを含んでいる。1〜5秒間、望ましくは3秒の間、加熱された板に抗して保持されるので、真空容器が前記フィルム上に引き出される。下部チャンバーも真空とされる一方で、上部チャンバー内の真空が維持される。このステージでは、前記フィルムは加熱されたプラテンの近くに残っている。下部チャンバー内の真空レベルが少なくとも−0.65bar(−65kPa)に到達すると、上部チャンバー内の真空部が大気に開放されるか、又は、正圧に戻される。このことが、前記フィルムに前記加熱されたプラテンから離れるように下方へ、そして、錠剤形のポケット状の型押し上を下方へ押し付ける。このようにして、前記フィルムは、下部型押し内に錠剤が他のポケット形状に適応する。
【0062】
[粉体の供与及びフィルム1の切断]
そのとき、供与組立体(dosing assembly)はポケット部を形成するフィルム上に載置される。これは、プラテン内の位置決め用ダボ上に載置する位置決め用マスク及びポケット部を形成するフィルムの直上にあり、突出した縁端断面上に載置する供与スリーブを含んでいる。該供与スリーブは、ポケット部を形成する前記フィルムの大きさと正確に適合する。服用する粉体は、前記供与スリーブに処理されて、フィルムポケット部に落ちる。圧縮は、前記フィルムを切断しないが、その代わりに、前記フィルムに直接隣接するように、供与スリーブを通じて前進して、残留する粉体をフィルムポケット部へ下向きに掃き出して、固定されたストッパまで圧縮する圧縮ピストンを介して達成される。圧縮レベルは供与スリーブに処理される粉体の重量によって制御される。突出した縁端断面の内側と干渉した場合に、圧縮粉体の錠剤の下にあるピストンは、そのとき下げられて、前記圧縮ピストンのいずれか一方が前記フィルムを通じて押し抜きを生じる量と略同一量によって前進される。切断ピストンと突出した縁端断面の内部寸法との間のはめあい交差は、径方向の隙間が35マイクロメートル未満である。
【0063】
前記装置は、一般的にはステンレス鋼からなり、ピストンの冠部は焼き入れ鋼からなる。装置は機械加工されており、英国バーミンガムのミッドランドツールズアンドデザイン(Midland Tool and Design, Birmingham, UK)により供給される。
【0064】
このようにして、前記錠剤は切断ピストンにより前記ポケット部の境界へ押し下げられて、下部ピストン上に載置される。そのとき、前記位置決め用マスクと供与スリーブとよけいなフィルム膜は取り除かれる。
【0065】
[第2フィルムの適用、切断及びアイロン掛け]
そのとき、形成された錠剤における半分の側壁は、突出した縁端断面であるように、部分的にエンローブされたコアは、型押し内部で上方へ上げられる。第2フィルムは、グラビアローラーを介してその表面に適合された接着剤の15の一般化順序機械(gsm)を有しており、このことは錠剤を上回る利点である。そのとき、前記フィルムがスペーサープレートによって前記錠剤の上に保持される場合を除いて、前記フィルムの位置は、前記錠剤の前記頂部表面を傷つけないように、前記フィルムは第1フィルムに関して説明したものと同じ方法で熱成形される。第2の熱成形のために、温度50〜150℃で加熱された下部を用いることができる。前記フィルムはより薄く、接着剤の適用により軟化される。このことは、粉体表面の熱露出部を制限することを助ける。位置決め用マスクは、そのとき前記錠剤を上に配置されて、第2切断ピストンは下げられる。第2切断ピストンは、径方向のはめあい交差は25マイクロメートル未満である下部型押しの突出した外縁端断面上に押し抜き機を形成するように規定される。位置決め用マスク、第2切断ピストン及び余分なフィルム膜は、そのとき取り除かれて、完全にエンローブされたコアが、きつく嵌合する錠剤状の加熱された円筒部(40℃)を通じて押されて、シールの重なり合う部分が形成されたことを確信させる。
【0066】
[実施例2]
実施例1と同一の条件であるが、次のステップが“粉体の供与及び”フィルム1の切断に関するステージを置き換えている。
【0067】
[粉体の供与とフィルム1の切断]
供与組立体は、そのときポケット部を形成されたフィルム上に載置される。これは、前記プラテン内の位置決め用ダボ上に載置される位置決め用マスク及びポケット部が形成されたフィルムの直上にある供与スリーブを含んでいる。供与スリーブは、フィルムの大きさに正確に適合する。粉体の供与は、供与スリーブに処理されて、フィルムポケット部に落ちる。供与スリーブを通じて前進して、フィルムポケット部へ残った粉体は掃き落とす切断ピストンを介して切断が達成される。切断ピストンが前記フィルムを通じて切断する。突出した縁端断面の内側と干渉する場合には、圧縮レベルは、供与スリーブで処理される粉体の重量により制御される。切断ピストンは、さらに1mmに亘り前記突出した縁端断面と係合し続ける。そして、そのようにすることが前記粉体を圧縮してさらにフィルム上の殻とする。前記切断ピストンと突出した縁端断面の寸法とのはめあい交差は、径方向の隙間が25マイクロメートル未満である。
【0068】
前記装置は、一般的にはステンレス鋼からなり、前記ピストンの冠部は焼き入れ鋼からなる。装置は機械加工されており、英国バーミンガムのミッドランドツールズアンドデザイン(Midland Tool and Design, Birmingham, UK)により供給される。
【0069】
従って、錠剤は切断ピストンにより前記ポケット部の境界へ押し下げられて、下部ピストン上にある。そのとき、位置決め用マスク、供与スリーブ及び余分なフィルム膜は取り除かれる。
【0070】
[実施例3]
実施例1と同じであるが、第1切断ピストンのはめあい交差は、第2切断ピストンのそれ、すなわち、25マイクロメートルである。
【0071】
[実施例4]
実施例2と同じであるが、第1切断ピストンのはめあい交差は、第2切断ピストンのそれ、すなわち、25マイクロメートルである。
【0072】
正確に供与して圧縮する粉体のために利用される装置とプロセスのさらなる説明が提供される。上記プロセスで利用される前記装置は、A.錠剤が形成される空洞部を含んでいるプラテン、B.熱成形されたユニット、C.粉体を供与して圧縮するユニットを含んでいる。
【0073】
[プラテンの説明]
プラテン22は、一連の空洞部48を含んでいる表面を有しているステンレス鋼板を含んでいる。図8A〜B及び9A〜Bを参照すると、前記空洞部は垂直側壁及び形成される錠剤と同一の横断面形状を有している。図8B及び9Bに示す部分を有している各空洞部48の周辺には突出した縁端部44がある。前記フィルムを切断するプロセスの特徴は、プロセスの第2の部分内の錠剤を越えて形成されるフィルムを切断することにある。また、前記突出した縁端部を保護して、第1熱成形作業以前に前記縁端部上において前記フィルムを支持する凹面42に留意すべきである。
【0074】
各空洞部のベースがピストン24の表面32により形成される。各ピストンは、それぞれの空洞部内で近接した嵌合い(径方向の最大隙間は25マイクロメートル)であり、前記ピストンのステム周りに係合された圧縮バネ29によってしっかりと前記空洞部の底部に下向きに固定される。バネ力が、前記ピストンの垂直方向位置、それ故に空洞部の深さを制御するために用いられるカムの表面上へ前記ステムの端部を押す。前記ピストンの形状の詳細を図7A〜Fに示す。図7Fに示すピストン24の前面32内の凹面となる凹所及び凹面周りの直角縁端部34に留意すべきである。
【0075】
ピストン及びプラテンの両方が、小さな穴36,46(直径0.5mm)を自身に有しており、前記プロセスの一部を形成する2つの熱成形プロセスの間に錠剤形の空洞部の中及び周辺に真空状態を形成することができる。前記プラテンの真空ホール46は図8Bに示されており、前記ピストン内の真空ホール36は図7A,B,C,D及びFに示されている。
【0076】
プラテン及びピストンの組立体20の全体図が図5A〜B及び図6A〜Bに示されている。
【0077】
[熱成形ユニットの説明]
熱成形ユニット100は、加熱プレートの表面のみが露出されるチャンバー内に設けられた平坦な前記加熱プレート109を含んでいる。前記熱成形ユニットもまた、ヒーターカバー103、ヒーター105、頂部ブロック及び加熱プレート109を有している。一連の小さな穴108(直径0.5mm)によって、前記チャンバーは真空源と接続されて、前記真空源は前記加熱プレートと接続される。これらの穴には、2つの熱成形するプロセスに関する前記プロセスの一部を形成するという特徴がある。それらにより、気泡が前記フィルムと前記プレートとの間に閉じ込められることを防止する。前記加熱プレート内の穴の図を含んでいる熱成形ユニットの詳細は、図17A〜Bに示される。
【0078】
[粉体の供与及び圧縮ユニットの説明]
前記粉体の供与及び圧縮ユニットは、プラテン22上方に設けられて、原薬粉末供給機に接続される部品の複雑な組立体であり、3つの機能、すなわち、a.各空洞部に載置される粉体の量を正確に制御する機能、b.前記空洞部内部で前記粉体を圧縮する機能、c.前記空洞部内部で形成されることにより、‘余分な’フィルムから分離するフィルムを切断する機能を有している。
【0079】
粉体の量がスライダー機構50により制御される。前記スライダー機構は、錠剤と同じ幅であるが、長さは調節可能である空洞部54を生み出すために、図10に示すように共に係合する2枚の指状プレート52,53を含んでいる。2枚のプレートの係合の深さが、空洞部の長さを制御する。図11によると、空洞部が粉体で満たされる位置‘A’と粉体が圧縮されて錠剤形状となる位置‘B’との間においてベースプレート62内で水平方向に滑動可能とするために、これら2枚のプレートの組立体が設けられる。従って、前記2枚のプレートにおける係合の深さが、このように移送される粉体の体積を制御する。
【0080】
前記指状プレート内の空洞部が粉体で完全に満たされることを確認するために、上部ハウジング内部の領域(fill area)上方に設けられた攪拌機72が存在する。これは、図13A〜Bに示す形状の‘ベーン’を有している軸を含んでいる。これはスパイラルスクリューではないことに留意することが重要である。軸が回転された場合には、前記ベーンが前記粉体を圧縮することなく穏やかに攪拌するので、一貫して統一された粉体の流れを促進する。図12は、該図面上で‘供与ピストンホルダー’70内に設けられた攪拌機を表わしている。
【0081】
前記粉体の圧縮が、位置‘B’上方の‘供与ピストンホルダー’70内に設けられた一連のピストン82によって達成される。図15A〜Cは圧縮ピストンを表わす。図15Cに示すように前記ピストンの前面内の凹面となる凹所及び前記前面の外縁辺における直角縁端部に留意すべきである。図14A〜Bに示すように、前記ピストンは指状プレート52,53及びベースプレート62によって形成されるボアを貫通する。従って、供与・圧縮ユニット70がプラテン22の頂部に設けられている場合には、粉体は前記ボアを通じて掃き出されて、プラテン側の空洞部48内へ押し込まれる。図16Aは供与ユニット70,50及びプラテン20の組立体を示し、図16Bは完全組立体を通じての断面図を示す。
【0082】
完成した錠剤の確定した大きさを確認するために、圧縮ピストン82のストロークが固定される。前記ピストンは前記ストロークの最後の0.5mmでプラテン側の空洞部48の端部に入る。このことにより、前記空洞部の縁端部内部周辺で前記フィルムの剪断による切断が可能となる。
【0083】
熱成形プロセスの説明。
前記プロセスは、プラテン22上のフィルムを熱成形することにより始まる。
【0084】
1枚のフィルムがプラテン22の上に載置されて、熱成形ユニット100はその上に位置している。そのとき、前記熱成形ユニットは、前記フィルム及び前記プラテンの上へ押される。このことが、前記フィルムが前記上部チャンバー(熱成形ユニット)及び前記下部チャンバー(プラテン)を分割する半透膜として機能するような分割された真空容器を作る。
【0085】
前記熱成形プロセスは、真空部分を前記上部チャンバーに接続することにより開始される。このことが、制御された温度(一般的には180℃)である前記加熱プレート上へ前記フィルムを引張る。前記加熱プレート、前記フィルムの加熱時間及び下部チャンバーの真空レベルとして引用した値は一般的であるが、独占排他的ではない。これらの値の最適値は用いられるフィルムの物理的特性に依存しているので、フィルムの配合にも依存する。一般的には、異なる操作パラメータが、異なるフィルムに対して要求される。数秒の調整可能な期間の後、真空容器もまた、前記株チャンバーに接続されて前記プラテン内の空洞部に真空部分を生じさせる。そのとき、前記下部チャンバー内の真空レベルが所定のレベル(一般的には−0.6barg(−60kPa)〜−0.8barg(−80kPa))に到達し、前記フィルム加熱時間が経過した場合には、前記上部チャンバーは大気へ向かって排出する。前記フィルムを境界とする最終的な圧力差が、前記プラテン内の前記空洞部の内部にそれを形成する。そのとき、前記熱成形ユニットは、前記熱成形プロセスを完了するために前記プラテンを開放する。
【0086】
粉体供与プロセスの説明。
前記フィルムが熱成形された後、供与ユニット50,70はプラテン22上に設けられる。
【0087】
指状プレート52,53内の空洞部48は回転攪拌機72の下へスライドされて、数秒間保持される。バルク補給からの粉体が、重力及び前記回転攪拌機の作用により落下する。そのとき、前記指状プレートは、前記空洞部(現在粉体で満たされている)が前記プラテン内の空洞部の直上にあるため、位置‘B’にスライドされる。従って、指状プレート‘B’は、前記指状プレート内の空洞部の長さが前記プラテン内の空洞部の長さに等しいため、指状プレート‘A’に対して移動される。このことが、前記指状プレートの空洞部内のすべての粉体が前記圧縮ピストンによって掃き出されることを確実にする。
【0088】
[粉体圧縮プロセスの説明]
前記圧縮ピストンは、前記粉体を前記プラテンの空洞部内へ押すために、前記指状プレート及びベースプレートを通じて押される。さらなる力を作用させることにより、前記粉体は圧縮され、前記プラテンの空洞部内部に形成されている前記フィルム殻内に堅い錠剤を形成する。
【0089】
ストロークの長さが固定されて、前記粉体を圧縮するために付与される力が全ストロークを達成するために必要な力を上回るので、完成された錠剤の大きさが固定されて、移送された粉体の量とは独立している。
【0090】
[フィルム切断プロセスの説明]
前記圧縮ピストンの最後の0.5mmの移動により、前記圧縮ピストンは前記プラテンの空洞部へ入る。このことにより前記フィルムは切断されるので、前記錠剤が形成されたフィルムシートから錠剤を取り出すことができる。
【0091】
前記プラテン内の空洞部に入る前記圧縮ピストンの動作は、前記切断プロセスの重要な特徴である。該特徴が、別々の圧縮及び切断プロセスを利用する代替となる手法と比較して、非常に良く規定された端部及び楕円形状を有している錠剤を生み出す。
【0092】
第2フィルム(前記プロセスの第2の部分で前記錠剤の頂部先端上に形成された)の切断は、切断ツールが剪断による切断を達成するために前記プラテン上の突出した断面の外端部と係合する窪んだ錠剤状のツールである場合を除いて、これに類する方法で達成される。
【0093】
[プロセスに関するドラフトタイミング図の説明]
図18は、熱成形、供与、圧縮及び切断のプロセスに関するイベントのシーケンスを明らかにする手助けとなる全てのプロセスに関するドラフトタイミング図110を表わす。
【0094】
もう一つの実施例では、図19A〜C及び図20A〜Cに示すように、粉体の供与・圧縮ユニットはもう一つの構成(manner)で構成されることができる。図19Aは、ドセイター(dosator)粉体ボウル122及びドセイター用供与ヘッド124を備えているドセイター120を表わしている。前記ドセイター用粉体ボウルは、図19Bにさらに詳細に示されており、目詰まり防止装置126及び粉体高さ調節装置又は調節器125を備えている。図19Cにさらに詳細に示すように、前記ドセイター用粉体ボウル(dosator powder bowl)は時計回りの一定速度で回転して、前記ドセイター用供与ヘッド(dosator dosing head)へ供給するホッパーである。前記ドセイター用供与ヘッドは、前記ドセイター用供与ヘッドを回転させるために、供与用チューブ128及び回転ヘッド127を有している。前記供与用チューブは、前記供与用チューブ内の前記粉体を事前に圧縮し前記チューブから前記ポケット部内へ前記粉体を移送するために、内部の(図示しない)タンピングピン(tamping pins)と共に構成され得る。使用時には、前記ドセイター用粉体ボウルは時計回りの一定速度で回転して、ホッパーシステムを通じて粉体を供給される。前記粉体はドセイターブレード(dosator blade)により特定の高さにセットされて、前記ドセイターヘッドは前記供与ボウル上を回転する。前記ドセイターチューブは、前記チューブを前記ドセイター用粉体ボウルの内部において既知の高さまで下げることにより、装填される。余分な粉体が出ることを避け前記プロセス後の操作を容易にするために内部でタンピングすることによって、粉体は事前に軽く圧縮されてスラグになる。全粉体は事前に圧縮した効果によって前記チューブ内に保持される。しかし、必要であれば、すなわち、非常に良く充填された粉体のために真空保持設備を利用することができる。深さを変更することにより、前記チューブが前記ドセイター用粉体ボウル内部に下げられるため、充填体積も変化する。そのとき、前記ドセイターヘットは、180°に亘り回転しつつ、図20A〜Cに表わす供与ユニット130上方の位置へ上昇する。より詳細に下記において説明する。前記ドセイターヘッドは前記供与ユニットの空洞部の頂部まで下げられて、事前に軽く圧縮されたスラグは、内部のタンピングピンを利用して、前記ドセイターチューブから前記供与ユニットの代わりの空洞部内へ移送される。本実施例において、前記プラテンは12個の11.5mmピッチの空洞部を有している。前記ドセイターはこのピッチを達成することができないため、前記ドセイター用供与ヘッドは6本のチューブを有している。この結果として、前記供与ユニットは前記ドセイターの2周期で充填される。前記供与ユニットから放出した後、前記ドセイターヘッドは、次の周期の準備をした粉体供与ボウル(dosing powder bowl)を越えて回転しつつ上昇する。
【0095】
供与ユニット130は、図20A〜Cに表わしており、図20aに示すようにロータヘッド組立体131上に設けられた2つの供与ユニット130a,130bと共に、当該実施例において構成される。前記ローダヘッドはサーボモータによって駆動される。図20Bは、より詳細に供与ユニットを表わしている。各供与ユニットは、前記ドセイター用供与ヘッドの前記供与用チューブから排出される前記粉体を保持するために、供与用空洞部(dosing cavities)134を備えている供与スレッジ(dosing sledge)を有している。前記供与ユニットもまた、それぞれ圧縮ピストン82を収納する。空気圧シリンダー136は、充填位置から供与位置まで、又は、その逆方向で前記スレッジをスライドさせることができる。供与する最終的な位置は、空気圧シリンダーにより作動する精密位置ピン(precision location pin)によって到達され得る。図20Cは、供与位置で供与ユニット130aを充填するドセイター用供与ヘッド及びプラテン22のポケット部48を供与する準備をする供与ユニット130bを表わしている。前記ドセイターの粉体チューブ128は、粉体を前記スレッジの空洞部の中へ充填する。ロータヘッド131は、供与ユニット130a,130bを回転させる。供与ユニット130aは、前記供与位置を仮定して、フィルムを形成する真空部分を有しているポケット部を供与する。圧縮ピストンが係合され前記ポケット部内の粉体を圧縮して、前記フィルムを切断した後は、前述の通りである。
【0096】
このことが起きている間、その他の供与ユニット130bは、次の機械サイクルの準備をする前記ドセイターにより充填されている。いつでも一方の供与ユニットが粉体を充填する位置にあり、その一方で他方の供与ユニットは前記プロセスの位置にある。
【0097】
もう一つの実施例においては、接着剤が、部分的にエンローブされたスラグ、すなわち、第1フィルムと粉体のスラグの上の第2フィルムに適用する前に適用される。図21は、部分的にエンローブされたスラグ上のパターン又はロゴとして前記接着剤を吹き付けるために利用され得るインクジェット組立体140を表わす。図面は、部分的にエンローブされたスラグを露出されて、プラテン22を保護するために利用され得る。
【0098】
もう一つの実施例では、図22に示すように、真空ノズルユニット150は、プラテンの空洞部内の任意の余分な粉体を排除するために、前記プラテンに適用される。前記真空ノズルユニットが前記空洞部近傍に向いており、プラテンフード152がクリーニングプロセスを実行可能とするために前記プラテンと共にシールを形成する場合には、空気は前記ノズルを通じて前記プラテンの空洞部内へ押し込まれる。
【0099】
もう一つの実施例においては、前記装置は、処理中に前記プラテンを保持して一方のステーションから次のステーションへ移送するために、ターンテーブル組立体160を有している。インデキシングドライブシステム162は、各プロセス周期に合わせて前記プラテンを90°に亘り回転させることができる。前記プラテンは、前記ターンテーブルを固定され得る密封保持リングを備えている組立体164を保持する下部プラテンによって、前記ターンテーブル内に保持され得る。前記プラテンが、ロッド172がターンテーブルの外へプラテンを持ち上げる図24に示すカムユニット170により前記ターンテーブルから上昇されて、従動節(follower)174はプラテン内の下部ピストンの底面と接続して容易に移動ならしめる。空気圧シリンダー178は下部ピストンを上下動させて、空気圧シリンダー176はプラテンを上下動させる。前記プラテンは、前記ターンテーブルがプロセス中に圧縮圧力を受けていないことを確認するために、前記ターンテーブルから上昇させる。この構成を以て、4つのステーションの4つのプラテンは同時に処理され得る。例えば、第1のステーションでは供与、圧縮及び部分的なエンローブをしており、第2のステーションでは部分的にエンローブされたスラグの剤形の側面に対する接着剤のインクジェットによる適用をしており、第3のステーションでは部分的にエンローブされたスラグの剤形の対向する側面に対する第2フィルムのエンローブ及びアイロン掛けを適用しており、第4のステーションは処理中に発生した塵を取り除き吸い込んで前記プラテンをクリーニングするために空気ジェット及び真空部を用いてプラテンの真空クリーニングのステーションであり得る。
【0100】
この構成を以て、供与、圧縮及び部分的なエンローブというステーション1の処理手順はフィルムインデキシング(film indexing)から始まり、充填された供与ユニット130aは180°に亘りプロセス位置に至るまで回転して、ターンテーブル160は90°に亘りプロセス位置に至るまで角度の割り出しを行う。プラテン22は、例えばTOXユニット(TOXは、ドイツのトックスプレッソテクニクGmbH&Co.KG(Tox Pressotechnik GmbH & Co. KG of Germany)によって、幾つかの国で商標登録されています)を用いたステーション1のカムユニット170により、ターンテーブルの外へ持ち上げられて、下部ピストン24は、偏心カム及びフィルムリフター組立体を利用して、適切な操作高さをより低く設定する。前記フィルムは角度の割り出しを行って、熱成型器100はプロセス位置まで90°に亘り回転する。圧縮組立体は、前記供与ユニット、熱成形ユニットのフィルム及びプラテンを一緒に締め付けて、フィルムはプラテンの空洞部の形状に熱成形される。圧縮組立体が開放されて、前記供与ユニットが空気バネである空気圧シリンダーを利用して持ち上がる。熱成形器が基準位置に戻り、圧縮組立体は前記供与ユニットを前記プラテンに締め付ける。供与ユニット上のテーパーピン及びプラテン組立体上のバネが取り付けられたテーパーブッシュを用いることにより、精密位置決めが可能となる。供与ユニットのスレッジ132が前記供与位置に移動されて、空洞部134を充填する。圧縮ピストンが、一動作で錠剤を形成し、続いて前記フィルムを切断するために、前記空洞部内の粉体を圧縮する。前記供与ユニットは、例えば空気バネである空気圧シリンダーを利用して持ち上がる。ステーション1のカムユニットが下がって、角度の割り出しを行うターンテーブルの準備が整った場合には、フィルムリフター組立体はプラテンから余分なフィルムを取り除いて持ち上がり、前記プラテンは抜き取り効果(stripping effect)を高めつつターンテーブルに下がって戻って、下部ピストンは基準位置に後退する。このことが起こっている間、プラテンの空洞部の近接する空間によって2通り(6つの代替となる空洞部が供与されて、それを記録する)に実行される次のマシン周期の準備が整ったドセイターによって、他の供与ユニット130bは充填されている。
【0101】
インクジェット140の当該構成を以て、接着剤を剤形の側面に適用することは、プロセス位置に至るまで90°に亘り角度の割り出しを行うターンテーブル160から始まる。空気圧シリンダー136に近接するステーション2のカムユニットによって、プラテン22はターンテーブルの外側へ持ち上げられる。前記インクジェット本体の下面に設けられたテーパーピン及びプラテン組立体上のバネが取り付けられたテーパーブッシュを用いることにより、精密位置決めが可能となる。下部ピストン24は、偏心カムを用いて適切な操作高さに設定される。その結果として、錠剤は、接着剤を塗布するための正しいレベルまで前記空洞部を上方に移動される。プリントヘッド140が内向きのスタート位置に向かって高速に外方への変位がストロークを処理する。前記プリントヘッドの構成を用いることにより、内向きに一定の速度が錠剤に適用される接着パターン(ロゴ)に往復運動させる。前記ステーション2のカムが下げられた場合には、前記プラテンは前記ターンテーブルに後退して、下部ピストンは基準位置に戻る。インデックス±cの準備が完了する。
【0102】
当該実施例において、ターンテーブル160はプロセス位置まで90°に亘り角度の割り出しを行い、移送アームはアイロンツールまで90°に亘り回転する。例えば、TOXユニットを利用した場合には、プラテンはステーション3のカムユニットによってターンテーブルの外へ持ち上げられる。偏心カムを利用した場合には、下部ピストンは適切な操作高さに設定される。熱成形ユニット100のフィルムリフターが下がって、第2フィルムに適用される。移送アーム組立体は、空気バネである空気圧シリンダー及びフィルムインデックスを利用して、アイロンユニットと係合するためにc−アームを持ち上げる。前記熱成形ユニットはプロセス位置まで90°に亘り回転して、錠剤を押すための指状押出機組立体が、錠剤をアイロンツールに押し込む。(錠剤は、例えば、ちょうど6機械サイクルである45秒間、アイロンツール内にある期間残存することができる。)頂部締付組立体が前記熱成形ユニットをしっかり締めて、移送アーム組立体がc−アームを下げて、空気バネである空気圧シリンダーを利用して、アイロンツールと共にクリーニングして、基準位置まで90°回転する。フィルムは半分成形された錠剤の上で熱成形されて、アイロンユニットは、前記頂部締付組立体が開放する次の位置まで回転させられて、前記熱成形ユニットは前記基準位置まで戻る。そして、指状押出機組立体は、アイロンツールからの最終的なテーブルを排除して、一連の空洞部を空にして、新規のアイロン掛けするためのテーブルを準備する。前記移送アームは前記プラテン上の切断位置まで90°にわたり回転させられて、ピックオフヘッドはピックアンドプレイスの操作を実行し、製品を前記装置から取り出す。頂部組立体は、前記c−アームを締付けて、バネが取り付けられた前記下部プラテン組立体のテーバーブッシュと係合する。最後に切断が前記頂部締付組立体の行程の縁端部(the very end)で行われる。頂部締付体は、c−アーム、抜き取り板188の組立体及びプラテンをしっかりと締付ける。熱成形ユニットが、部分的にエンローブされたスラグ上に第2フィルムを熱成形する前に前記第2フィルムを保持し加熱する(すなわち、事前に調整する)間、圧縮されたスラグに損傷を与えないことを保証するために、抜き取り板188は、前記熱成形ユニット及び部分的にエンローブされたスラグの間に隙間を提供するものである。下部ピストンは、前記下部プラテンから前記c−アーム内に含まれるシリコンガスケット内部に前記テーブルを引く又は押す/持ち上げるために、偏心カムを利用する最大高さに再設定される。シリコンガスケット180は、図25A〜Eに示される。該ガスケットは、圧縮粉体のスラグ又は錠剤を受容するための一連の開口部182を有している。図25Bに示す通り、前記開口部は、装填されるか、又は、先細にされている。(すなわち、錠剤が入る側の開口部184の直径は、例えば、7.6mmである。一方では、開口部の他の上側183の直径は、6.9mmである。)前記ガスケットのこの構成により、前記錠剤上のアイロン掛け動作も提供する。前記ガスケットの材質は、前記錠剤を受容し保持する可撓性を有している材質である。前記ガスケットは前記錠剤と接触しているため、前記材質も食料/薬品クラス(例えば、FDAが望ましい)のものである。下部プラテン組立体20の下部ピストンを利用して、切断テーブルがプラテン20からc−アーム内に含まれるシリコンタブレットガスケット180へ移送される間、頂部締付組立体は移送アームの前記c−アームを保持する。4mmの側壁187aを有している錠剤と3mmの側壁187bを有しているテーブルとが図25Cのタブレットガスケット180に示される。錠剤、部分的にエンローブされた圧縮されたスラグ又はそれに類するものが、作業中に前記ガスケットにより移送され得る。図25Dは、移送アームが下がって、第2切断ツール186が第2フィルムの外側で錠剤を切断することを表わしている。図25Eは、下部ピストンが移送アームのタブレットガスケット内へ錠剤を押し込むことを表わしている。頂部締付組立体は、フィルムリフターが抜き取り板188及びプラテンから余分なフィルムを取り除くように緩んで、移送アームは、前記空気バネである空気圧シリンダーを利用して、前記フィルムと前記フィルムリフターをクリーニングするためにc−アームを持ち上げる。ステーション3のカムユニットが下げられた場合には、プラテンは抜き取り効果を高めるためにターンテーブル内へ戻り、下部ピストンは基準位置に戻る。前記移送アームは90°回転して基準位置に戻り、戻ったc−アームは中間位置にある。
【0103】
その実施例は、空気ジェット及び吸入口を利用し、NROBE塵(NROBE dust)を個々に取り除き吸引するプラテンの真空ノズル150のクリーニングステーションである。ターンテーブル160は開始するためにプロセス位置まで90°に亘り回転する。そのとき、プラテン22は、空気圧シリンダー近傍のステーション4のカムユニット170によりターンテーブルの外に持ち上げられる。初期に下部ピストン24は基準位置にあり、真空ヘッド152はプラテンと結合するために下げられる。真空プロセスが開始されて、前記真空プロセスが終了するまで、下部ピストンが空気圧シリンダーを利用する上部操作高さに設定される。ステーション4のカムユニットが下げられ前記真空ヘッドが持ち上げられる場合には、前記プラテンは前記ターンテーブル内に後退し、下部ピストンが基準位置に戻る。
【0104】
前記プロセス及び装置が上述の通り優位点を提供することを理解されるだろう。本願発明の特定の実施例が説明されたが、特許請求の範囲に規定される本願発明の技術的範囲から逸脱しない範囲において、様々な改良発明が可能である点に留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0105】
本願発明の実施例は、図面を参照して実施例によってのみさらに詳細に説明される。
【図1】ステップa−1での本願発明の実施例における基本的な圧縮及びエンローブをする装置及びプロセスを表わす。
【図2】本願発明の実施例におけるステップa−1及びb−1を備えている図1に示す前記方法のバリエーションを表わす。
【図3】本願発明の実施例におけるステップa−2からd−2を備えている図1に示す前記方法のバリエーションを表わす。
【図4】本願発明の実施例におけるステップa−3からd−3を備えている図1に示す前記方法のバリエーションを表わす。
【図5A】本願発明の実施例におけるプラテン組立体の上面図(フィルム側)を表わす。
【図5B】本願発明の実施例におけるプラテン組立体の底面図を表わす。
【図6A】本願発明の実施例における図5Aに示す矢印に沿った図5Aの前記プラテン組立体の横断面図を表わす。
【図6B】図6Aにおいて破線で描かれた円により指示された部分をより詳細に表わす。
【図7A】本願発明の実施例における下部ピストンの斜視図を表わす。
【図7B】本願発明の実施例における下部ピストンの斜視図を表わす。
【図7C】前記下部ピストンの前面の平面図を表わす。
【図7D】図7Cに示す断面Y−Yに沿った前記ピストンの横断面図を表わす。
【図7E】図7Cに示す断面X−Xに沿った前記ピストンの横断面図を表わす。
【図7F】図7Bにおいて破線で描かれた円により指示された部分、すなわち、ピストンの前面の凹面形状及び直角縁端部をより詳細に表わす。
【図8A】本願発明の実施例における下部プラテンの斜視図を表わす。
【図8B】図8Aにおいて破線で描かれた円により指示された部分、すなわち、空洞部周辺の凹面、空洞部周辺の突出した縁端部及び空洞部周辺の真空ホールをより詳細に表わす。
【図9A】本願発明の実施例における図8Aの下部プラテンの横断面図を表わす。
【図9B】前記突出した縁端部の図9Aの破線で描かれた円により指示された部分を表わす。
【図10】本願発明の実施例における供与ユニットの斜視図を表わす。
【図11】本願発明の実施例におけるベースプレートと滑動可能なように係合された図10の供与ユニットの斜視図を表わす。
【図12】本願発明の実施例における図11の供与ユニットと係合されたドセイターの正面斜視図を表わす。
【図13A】本願発明の実施例における図12のドセイターのベーンを備えている軸の斜視図を表わす。
【図13B】図13Aのベーンを備えている軸の横断面図を表わす。
【図14A】本願発明の実施例における圧縮ピストンを備えている図12のドセイターの供与ユニット及び圧縮ユニットの背面斜視図を表わす。
【図14B】図14Aの前記ドセイター、供与ユニット及び圧縮ユニットの図14Aの断面X−Xに沿った横断面図を表わす。
【図15A】本願発明の実施例における圧縮ピストンの斜視図を表わす。
【図15B】本願発明の実施例における圧縮ピストンの斜視図を表わす。
【図15C】図15Aにおいて破線で描かれた円により指示された部分を表わす。
【図16A】本願発明の実施例におけるピストンが圧縮された状態の図14Aの供与ユニット及び圧縮ユニットの斜視図を表わす。
【図16B】図16Aの断面X−Xに沿った図16Aの前記ドセイター、供与ユニット及び圧縮ユニットの横断面図を表わす。
【図17A】本願発明の実施例における熱成形ユニットの斜視図を表わす。
【図17B】図17Aの熱成形の組み立てられたユニットの下面斜視図を表わす。
【図18A】本願発明の実施例におけるシステムのタイミングダイグラム(a timing diagram)を表わす。
【図18B】本願発明の実施例におけるシステムのタイミングダイグラム(a timing diagram)を表わす。
【図18C】本願発明の実施例におけるシステムのタイミングダイグラム(a timing diagram)を表わす。
【図18D】本願発明の実施例におけるシステムのタイミングダイグラム(a timing diagram)を表わす。
【図19A】本願発明の実施例におけるドセイターの斜視図を表わす。
【図19B】図19Aのドセイターの粉体ボウルをより詳細に表わす。
【図19C】図19Aのドセイターヘッドをより詳細に表わす。
【図20A】本願発明の実施例における供与ユニット及びロータヘッド組立体の斜視図を表わす。
【図20B】図20Aの供与ユニットをより詳細に表わす。
【図20C】図20Bに示す供与ユニットを充填する図19Cに示すドセイターヘッドを表わす。
【図21】本願発明の実施例におけるインクジェット組立体の斜視図を表わす。
【図22】本願発明の実施例における前記プラテン及びポケット部をクリーニングするための真空部の斜視図を表わす。
【図23】本願発明の実施例における一の処理をするステーションから他の処理をするステーションへ前記プラテンを保持し移送するためのターンテーブルの斜視図を表わす。
【図24】本願発明の実施例における前記ターンテーブルから前記プラテンを上下させるためのカムユニットの斜視図を表わす。
【図25A】本願発明の実施例におけるタブレットガスケットを表わす。
【図25B】図25Aの前記ガスケットの断面A−Aに沿った横断面図を表す。
【図25C】錠剤を有している移送アーム内に位置している前記ガスケットの横断面図を表わす。
【図25D】前記プラテン組立体及び前記ガスケットの横断面図を表わす。
【図25E】前記プラテン組立体及び前記ガスケットの横断面図を表わす。
【符号の説明】
【0106】
22 プラテン
24 ピストン
50 スライダー機構
52 指状プレート
53 指状プレート
62 ベースプレート
72 攪拌機
100 熱成形ユニット
120 ドセイター
130 供与ユニット
136 空気シリンダー
【技術分野】
【0001】
本願発明は、粉体(例えば、薬剤、ビタミン、ダイエットサプリメントなどを含んでいる粉体)の圧縮に関する。そのような圧縮粉体は、例えば人間の服用のための剤形に適した圧縮粉体のカプセル体を製造するために、ノンゼラチンフィルム(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))のような生分解性の及び/又は水溶性のフィルムによってエンローブされる(enrobed)。本願発明は、錠剤を含んでいるすべての関連する剤形に適用可能であるが、下記においては、簡潔のため、そのような剤形のすべてがカプセルとして言及される。
【背景技術】
【0002】
錠剤は剤形の一般的な形であり、その特性を改善するための様々な手段が試されている。錠剤(例えば医薬品の錠剤)をコーティングする現在の方法は、アセラコーター(acelacoaters)又はパンコーター(pan coaters)の利用を含み、前記方法は、表面層を形成するために、低モル重量であるHPMCグレード(HPMC grades)を錠剤の表面へ拡散させる。前記表面層は単一で滑らかであるが、不透明で光沢性が低い。錠剤は、該錠剤上に型押しされた文字を備えていることができる。しかしながら、前記錠剤のコーティング方法は時間を要するものであり、満足いく結果を出すには高度の専門的知識を必要とする。2つの錠剤がスプレーコーティングの作業中に互いに結合する錠剤の双晶化のような製品が一般的である。これらの問題に加えて、前記コーティングプロセスの間に前記2つの錠剤が分離しないように、相対的に高い圧力の下で錠剤を圧縮することが必要である。前記高圧下の圧縮のために、カプセル内に含まれる有効成分の粉状化及び溶解の速度に対して悪影響を及ぼし、例えば、患者に対する薬の効果の発生が遅れる一方で、錠剤は患者の胃の中でゆっくりと溶解する。
【0003】
スプレーコーティング又はパンコーティングの代替的な方法は、ツーピースハードカプセル(two piece hard capsule)を用いる方法である。一般的には、該ハードカプセルはHPMC溶液(HPMC solution)が用いられ、互いにかみ合うことによって閉じたカプセルを作り出す半殻(half shell)を作る浸漬プロセス(dipping process)により製造される。これらのカプセルは、一般的には不透明であるが光沢がある。そして、互いに重ねてかみ合わせるプロセスの障害となるため、いかなる形状の型押しもすることができない。前記カプセルの性質として、粉体で満たされたレベルの上方に空間が常に存在することを示している。さらに、前記錠剤の中に粉体を圧縮することができず、このことはカプセル化し得る粉体の量を制限する。その結果として、例えば、この圧縮不足が薬剤の量を効果的に減らすことができる。前記カプセル内の空隙の存在と前記カプセル内に含まれる粉体の圧縮不足とにより、前記カプセルが必然的に必要以上に大きくなる。
【0004】
2つの前記カプセルを2等分にし、その中身を改ざん(tamper)して、ユーザーに前記カプセルに変更点があることを知らせるような前記カプセルの外観にはっきりとした変更を加えずに、前記2等分されたカプセルを取り替えられるので、ツーピースハードカプセルの製造及び/又は販売の後、前記カプセルが容易且つ不法に妨害され得ることもわかる。このことはその中身が改ざんされたカプセルを発見することが困難であることを意味する。HPMC及び特定の他のノンゼラチン物質は人間による消化に適しており、ゼラチン壁を有しているデリバリーカプセル(delivery capsules)は、例えば、正確に計測された医薬品及びダイエットサプリンメントの投与量の移送(delivery)のように消化可能なカプセルとして、すなわち、交換可能なゼラチン系のカプセルとして潜在的に利用可能であることがわかる。特許文献1を参照すると、従来の錠剤はすでにエンローブされていることがわかる。
【特許文献1】国際公開第02/098394号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明の特徴は、ポケット部に真空成形されたフィルムを受容する前記ポケット部を有しているプラテン(platen)と、前記ポケット部内で前記粉体を圧縮する圧縮ピストンであり、凹部の前面を有し、前記前面の外縁に直角縁が形成された前記圧縮ピストンを備えた機械的手段とを備えていることを特徴として、フィルムで被覆されており、圧縮粉体のスラグを形成する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一の実施例において、前記ポケット部は下部ピストンにより形成されるベースを有しており、前記下部ピストンは、凹部を有している前面及び該前面の外縁に直角縁を備えている。前記下部ピストンの前面は、前記フィルムを真空成形するためにポケット部内に真空部分を発生させる少なくとも2つの開口部をさらに備えている。前記プラテンは、前記プラテンと前記フィルムとの間に真空部分を発生させる開口部をさらに備えている。一連の開口部が、前記プラテン内、且つ、前記ポケット部の外縁に形成されている。前記プラテンは、前記ポケット部の外縁を形成する突起した縁部を規定する凹面をさらに備えている。前記圧縮ピストンと前記ポケット部との間の径方向の隙間は、前記フィルムの厚みに対して僅かであり、35μm以下である。前記下部ピストンと前記ポケット部との間の径方向の隙間は、前記フィルムの厚みに対して僅かであり、25μm以下である。前記プラテンは、一連のポケット部をさらに備えている。また、前記装置では、加熱プレート(heated plate)と前記フィルムとの間に真空部分を発生させるための一連の開口部を有している表面が形成された前記加熱プレートを備えており、一時的に保持し加熱するために前記フィルムを事前調整する手段を提供することができる。前記装置は、前記圧縮粉体のスラグを受容し保持して、前記圧縮粉体のスラグを所望の位置に移送し解放するためのガスケットをさらに備えている。前記ガスケットは、前記圧縮粉体のスラグを受容するための受容側面と出口側面とを有している開口部を備えており、前記受容側面の直径は前記出口側面の直径より大きい。
【0007】
本願発明のもう一つの特徴は、加熱プレートと前記フィルムとの間に真空部分を発生させるための一連の開口部を備えている表面を有している前記加熱プレートを備えており、一時的に前記フィルムを保持して加熱するためのフィルム事前調整部(film preconditioner)と、真空状態において前記事前調整されたフィルム及び前記粉体をポケット部内に受容するための前記ポケット部を備えているプラテンと、前記ポケット部内で前記粉体を圧縮するための機械的手段とを備えていることを特徴とするフィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成する装置を提供することにある。
【0008】
本願発明のもう一つの特徴は、前記ポケット部内で真空成形されたフィルムを受容し、その後に前記粉体を受容するための一連の前記ポケット部と、前記プラテンと前記フィルムとの間に真空部分を発生させる前記ポケット部に近接した少なくとも一つの開口部とを備えている前記プラテンと、前記ポケット部内で前記粉体を圧縮するための機械的手段とを備えていることを特徴とするフィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成するための装置を提供することにある。本願発明の実施例において、一連の開口部が、前記プラテン内、且つ、前記ポケット部の外縁に形成されている。
【0009】
本願発明の一つの特徴は、前記粉体を受容する前記ポケット部内に真空成形されたフィルムを受容するための一連の前記ポケット部、複数の突起した縁部の側面の間に凹面を備えているプラテンであって、該プラテンの各々がポケット部の外縁を形成している前記プラテンと、前記ポケット部内で前記粉体を圧縮するための機械的手段と、その上に支持されたフィルムを切断するために前記突起した縁部の側面と干渉するように移動可能な切断スリーブとを備えていることを特徴とするフィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成するための装置を提供することにある。
【0010】
実施例において、前記装置は、プロセス中前記プラテンを保持し移送するためのターンテーブルをさらに備えている。前記ターンテーブルは4つのプラテンを備えている。前記プラテンをクリーニングするための真空部分を備えている。
【0011】
本願発明のもう一つの特徴は、ドセイター(dosator)と、粉体の入った前記ポケット部を供与するための供与ユニット(dosing unit)とをさらに備えていることを特徴とする装置を提供することにある。そして、前記ドセイターは、前記粉体を保持するための粉体用ホッパーと、前記粉体用ホッパーから粉体を保持し、前記ポケット部へ移送するための供与用チューブ(dosing tube)を有している供与用ヘッド(dosing head)とを備えている。前記供与用ヘッドは、前記供与用チューブ内で粉体を事前に圧縮し、前記チューブから前記ポケット部内へ前記粉体を移送するために、前記チューブ内に突き固め用のピン(tamping pin)を有している。実施例において、前記装置は、圧縮するための機械的手段を有している供与ユニットと、補給位置から供与位置へ移動可能であり、前記供与用ヘッドの前記供与用チューブから前記粉体を受容し、前記粉体の入った前記ポケット部を供与するための供与スレッジ(dosing sledge)とを備えている。
【0012】
本願発明のもう一つの特徴は、第1の真空成形されたフィルムをポケット部へ受容し、その後に粉体を受容するための前記ポケット部を有しているプラテンと、粉体の入った第1の真空成形されたフィルムを有している前記ポケット部内の前記粉体の圧縮に適した位置に前記粉体を置くための供与ユニットと、前記粉体を圧縮するための機械的に圧縮する手段と、処理中、位置のステーションから他のステーションへ前記プラテンを保持し、回転可能なように移送するためのターンテーブルを備えており、一のステーションは、前記プラテンのポケット部内に前記フィルムを貼り付け前記粉体を圧縮して、圧縮粉体を部分的にエンローブするためのものであり、他のステーションは、前記圧縮され部分的にエンローブされた粉体の上に第2の真空成形されたフィルムを貼り付け、前記スラグをフィルムで完全に被覆するためのものであることを特徴とする圧縮されフィルムでカプセル化された粉体のスラグを形成するための装置を提供することにある。
【0013】
実施例において、前記供与手段は、粉体の入った第1の真空成形されたフィルムを有しているポケット部内の前記粉体の圧縮に適した位置で前記ポケット部近傍に前記粉体を配置する。前記供与手段は、前記粉体の入った第1の真空成形されたフィルムを有している前記ポケット部を供与することができる。
【0014】
実施例において、前記装置は、前記プラテンをクリーニングするための真空部分と、前記プラテンをクリーニングする他のステーションとを備えている。前記ターンテーブル内のプラテンの数は、装置内のステーションの数に対応する。前記ターンテーブルは、他の実施例のプロセス処理のために4つのプラテンを備えている。圧縮処理中の前記装置は、前記ターンテーブル組立体から働く圧縮圧力を絶縁するための手段を備えている。
【0015】
本願発明のもう一つの特徴は、ポケット部内で真空成形されたフィルムを受容し、その後に粉体を受容するためのポケット部を有しているプラテンと、前記ポケット部内で前記粉体を圧縮するための機械的手段と、前記圧縮粉体のスラグを受容し保持して、所望の位置に移送し解放するためのガスケットとを備えており、圧縮されフィルムでカプセル化された粉体のスラグを形成するための装置を提供することにある。前記ガスケットは前記圧縮粉体のスラグを受容するための受容側面と出口側面とを有している開口部を備えており、前記受容側面の直径は前記出口側面の直径より大きい。そして、前記ガスケットは、一以上の圧縮粉体のスラグを受容するための一連の開口部を備えている。
【0016】
本願発明の特徴の一つは、優れた特性を有しているカプセルを製造するために、粉体を圧縮しエンローブする新しい方法に関する。
【0017】
ノンゼラチンフィルム層は、熱及び/又は真空部分及び/又は圧力の影響を受けて、錠剤状のポケット部に熱成形される。粉体の所定重量がポケット部を形成するフィルム内で供与されて、例えば一以上のピストンの補助により錠剤状に圧縮される。部分的にエンローブされた“柔らかい”錠剤がこのプロセスから作られ、圧縮粉体の残りに第2のフィルムによりエンローブをし、プラテンの上方に前記錠剤を挙げることを必要とするイベントの第2のシーケンスにより完全にエンローブされる。適合する錠剤状のポケット部が、例えばシリンダー内部を摺動可能な一組のピストンを用いることにより製造される。そのようなピストンの利点は、前記プラテンとシリンダーの頂部との間のピンチポイントが形成され得ることであり、(部分的に)エンローブされた錠剤から不要な余分のフィルムを切り飛ばすために有効である。
【発明の効果】
【0018】
本願発明の目的の一つは、改竄されたことが明白になるカプセルを製造することである。
【0019】
本願発明のもう一つの目的は、物質が“膜を密接させた包装”を形成することができようとできないと、粉体が前記物質でエンローブされており、前記粉体で満たされたカプセルを製造することである。
【0020】
本願発明のもう一つの目的は、例えば、薬の錠剤を特定するために基礎的な型押しの適用が可能であり、光沢性の高い表面を有しているカプセルを製造することである。
【0021】
本願発明のもう一つの目的は、ほとんど認識できないフランジを有しているカプセルを製造することである。
【0022】
本願発明のもう一つの目的は、多様な形状及び大きさの剤形の製造を可能とすることである。前記形状及び大きさは、プロセスが包含する性質と製造された製品の特性のために、以前から製造することも実際に使用することも不可能であった剤形の形状と大きさを含んでいる。
【0023】
本願発明のもう一つの目的は、好ましい特性を有しており、圧縮及び/又は構成が好ましい状態にある粉体又は他の流動性を有している固形物質及び/又は薬剤グレード(pharmaceutical grade)の物質を可塑化した薬剤グレードのフィルムを(コントロールして)早く溶解する又は溶解可能なカプセルの材料を含んでいるカプセルを製造することである。
【0024】
本願発明のもう一つの目的は、それ自身の性質により容易に飲み込み、理想的、且つ、有効成分が最も効果的に解放される場所にさらに容易に移送され得るカプセルを製造することである。
【0025】
本願発明のもう一つの特徴は、粉体を圧縮したスラグを製造するための粉体の圧縮方法であり、例えば、前記スラグが従来の錠剤より優れた分解特性及び溶解特性を有しているカプセルを製造するためにエンローブされ得る前記方法である。
【0026】
本願発明のもう一つの特徴は、少なくとも従来の被覆された錠剤と同一の機能を果たすが、前記従来の錠剤における圧縮及び被覆の段階が、単一の粉体をエンローブするプロセスに置き換えられるカプセルを製造する方法にある。
【0027】
本願発明のもう一つの特徴は、粉体のエンローブによるカプセルの製造方法であり、製造されたカプセルの性質のために、従来の錠剤の製造において必要とされる特定の副成分を省くことができる前記方法である。例えば、前記主成分が、比較的緩く圧縮され、前記粉体/成分を確実に包むことにより結合性を付与し独立した効果的な剤形を形成するようなフィルムでカプセル化された剤形内にあるため、構造的結合性を付与するために付加される錠剤の成分を省くことができる。前述により、錠剤内に分散配置され、デリバリーする場所(site of delivery)に到達した場合に錠剤を分解するように規定されており、前記錠剤内に含まれている構成要素が省略され得る。本願発明によるカプセル内の主成分は、圧縮されていない又は従来の錠剤と比較して最小限度の圧縮しかなされていない形態であるので、カプセルのフィルムが、例えば意図されたデリバリーする場所で溶解されると、前記圧縮状態により容易な開放性及び分散性がもたらされる。
【0028】
本願発明のもう一つの特徴は、粉体を圧縮するポケット部内でフィルムを真空成形する機能、ポケット部内に部分的にエンローブされた粉体のスラグを生成する機能を備えている圧縮粉体をエンローブする方法を提供することにある。前記粉体のスラグ上で第2フィルムを真空成形して、完全に粉体のスラグをエンローブすることにより、剤形としての使用に適しており、独立した圧縮粉体で満たされたカプセルを形成する。
【0029】
本願発明のさらにもう一つの特徴は、圧縮粉体で満たされたカプセルを形成するために1枚以上のフィルムを用いて圧縮粉体をエンローブする方法であって、圧縮粉体で満たされ用いられるカプセルの壁を形成する1枚以上のフィルムが互いに重なり合うことを特徴とする前記方法を提供することにある。
【0030】
本願発明のさらなる特徴は、圧縮されたスラグを形成及び/又はエンローブする方法であって、前記圧縮粉体の圧縮レベルが、工業的基準が錠剤として表現される圧縮粉体の独立したスラグに到達するために必要とされるレベルには及ばないことを特徴とする前記方法を提供することにある。
【0031】
本願発明の方法を実行すると、前記フィルムが、粉体のスラグの周りに巻かれることにより、前記ポケット部及び圧縮粉体のスラグの外面に適応するように変形し、効果的に安定したカプセルを形成する。フィルム及び粉体が適切な形状のサポート内に設けられ、真空状態(実質的には減圧状態)にある真空チャンバー又は真空ベッド装置は、当該目的のために改良されて利用され得る。そのような装置は、適切に改善された商業的に利用可能な真空チャンバー又は真空ベッド装置に基づくものである。真空成形技術により、圧縮粉体を含み、従来の錠剤のような現在利用可能な剤形よりも優れ制御可能な特性を有しているカプセルをもたらし、フィルム内に完全に包まれて圧縮されカプセル化された粉体が出来上がる。
【0032】
圧縮粉体は、一般的に5〜15メガパスカルの圧力の影響を受けやすい(特にこの範囲に限定される訳ではない)。圧縮されエンローブされた粉体の例として、パラセタモール、イブプロフェン、ソルビタン及び総合ビタミン剤(multivitamin)が挙げられる。他の充填される粉体として考えられるものは、酸中和剤、消炎剤、抗ヒスタミン剤、抗生物質及び抗コレステロールの薬剤である。
【0033】
前記フィルムは、人間の消化に適し、真空成形可能な程度に十分な可撓性と可塑性を有している物質である。幾つかのフィルム素材は、その本来の状態において適した特性を有しているが、一般的には、真空成形可能であるようにフィルム素材を事前にテストすることが必要である。例えば、特定のグレードのポリビニルアルコール(PVA)は、少量の水をその表面に適用した後に、又は、多湿環境におかれた場合に真空成形されるので、前記フィルム素材をソルベント溶剤に曝す必要がある。さらなる一般的に好ましい可能性は、真空状態におくことにより真空成形される前に、熱により軟化する状態にあるフィルムと共に熱可塑性素材のフィルム(すなわち、熱変形可能な素材)を利用することである。適切な熱可塑素材として、改良されたセルロース素材、特にヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ペクチン、アルギン酸、デンプン及び改良されたデンプン及び大豆や乳漿タンパク質フィルムのようなタンパク質フィルムも挙げられる。現在好ましいフィルム素材はHPMCである。これらの適切なフィルム素材は現在利用可能である。
【0034】
熱可塑性のフィルムを使用する場合には、前記フィルムが熱で軟化して変形可能な状態であるため、前記フィルムはポケット部又は圧縮粉体のスラグに適用する前に加熱されるのが一般的である。このことは、例えば、赤外線ヒーター、赤外線ランプ、加熱プレート、熱風供給機などのような熱源に前記フィルムを曝すことにより達成される。上述のプロセスにおいて、異なる厚さのフィルムが第1フィルム及び第2フィルムとして利用されるので、フィルムの厚さに応じた温度範囲が用いられる。例として示すにすぎないが、第1フィルムを成形するには約150℃、第2フィルムを成形するには約70〜80℃の温度範囲が利用される。
【0035】
エンローブプロセスの間、フィルムは好ましくは最小値1.5〜2mmで重なり合っている。圧縮粉体のスラグは好ましくは3mmの側面高さを有し、フィルムは前記側面領域上で略完全に重なり合っている。
【0036】
前記フィルム素材は、オプションとして着色剤(例えばFD及びCイエローナンバー5のような食用色素の形態で)及び/又はオプションとして調味料(例えば甘味料のような)及び/又は表面組織をよく知られた方法で含んでいることができる。
【0037】
前記フィルム素材は、一般的には、既知の方法で理想的な可撓特性を前記フィルムに付与する可塑剤を含んでいる。可塑剤として用いられる物質として、乳酸としてのα−オキシ酸、塩、マレイン酸、ベンジルアルコール、特定のラクトン、ジアセチン、トリアセチン、プロピレングリコール、グリセリン又はこれらの混合物が挙げられる。一般的な熱可塑フィルムの配合は、重量についてHPMCが77%、可塑剤が23%である。
【0038】
前記フィルムは、従来は50〜100マイクロメートル(例えば80マイクロメートル)であったが、前記錠剤の大きさ及び形状を含んでいる要因に依存する適切なフィルム厚さを有している20〜200マイクロメートルの範囲の厚さを適切に有している。異なる厚さのフィルムが使用され得る。例えば、エンローブするプロセスの第1ステージでより厚いフィルム(125マイクロメートル)が使用され得る。また、前記エンローブするプロセスの第2ステージでは、より薄いフィルム(80マイクロメートル)が使用され得る。
【0039】
本願発明におけるフィルム形成プロセスの性質により、例えば、圧縮粉体が圧縮中にフィルムを貫通する能力を有している粒子が含まれるという特定の条件下で、(前記圧縮粉体のエンローブの第2段階及び最終段階において)圧縮粉体のスラグの残りを覆うためのフィルムの厚さよりも厚い前記ポケット部で形成されたフィルムの厚さを有していることは利点である。そのような異なる厚さが、結果として生じたカプセルの特定の優位な構造的特徴の原因となる。前記カプセルは一般的にはより頑強であり、より安全に保存して取り扱うことができる(一般的には前記カプセル上のより薄いフィルム)が、任意の付与されたソルベント溶剤に浸された場合には、より速く溶解するより薄いフィルム壁によって、より速い解放特性(release characteristics)の原因となる弱く薄いフィルムの小さな領域(ウインドウ)を処理する。異なる厚さの壁を有しているカプセルを形成するのに優位な異なるフィルムの厚さが、頑強であるが素早くその中身をより薄いウインドウを通じて解放するカプセルを製造するような、例えば、厚さ70/90マイクロメートルのフィルムの配合(coordination)であり得る。
【0040】
従って、異なる厚さのフィルムが前記エンローブプロセスで使用され得る。さらなる実施例を付与すると、より厚いフィルムがエンローブプロセスの第1ステージにおいて、最大200マイクロメートルと最小70マイクロメートルとの間で、好ましくは厚さ約125マイクロメートルで使用され得る。より薄いフィルムがエンローブプロセスの第2ステージにおいて、最大125マイクロメートルと最小50マイクロメートルとの間で、好ましくは80マイクロメートルで使用され得る。
【0041】
複数のエンローブされた圧縮スラグを製造する場合には、前記圧縮粉体のスラグの空間が重要である。圧縮粉体のスラグが互いに近づきすぎた位置にあると、前記フィルムはそれらの間で十分な熱成形をすることができない。例えば、前記圧縮粉体のスラグの前記側壁から離れるように曲がり始める前に、前記フィルムは、2mmの距離で前記圧縮粉体のスラグの垂直側壁を完全に適応可能であるので、4mmの隣接する圧縮粉体のスラグとの間の空間が良い結果をもたらすことが判明した。
【0042】
本願発明の1つの特徴によると、前記方法は、前記圧縮粉体のスラグの上で効果的に2つの独立した重なり合う半分のフィルムのコーティングを形成することを含んでいる。好ましくは、前記方法は、ポケット部におけるフィルムの第1の成形をして、そのときにフィルムを裏打ちしたポケット部(the film lined pocket)内で粉体のスラグを圧縮することにより、部分的なカプセルで形成されたフィルムの内部で粉体のスラグの実質的な部分を効果的にコーティング/カプセル化をして、余ったフィルム素材を取り除いて、例えば、そのとき、前記スラグのための封止された完全な容器を提供するために共にシールされた2つのコーティングの重なり合う部分でコーティングする半分の圧縮粉体のスラグを切断することによって、圧縮粉体のスラグをコーティングせず、そして、再び前記スラグを覆っていない余った余分なフィルム素材を取り除くことを含んでいる。重なり合うフィルムのコーティングの間で、例えば、フィルム層の表面に付着する素材をそれらの間での効果的な封止の配合を確保して、合成したカプセルの改竄が明らかになるように適応させることが必要である。付着する素材は、好都合なことに前記フィルムと同一の構成を有しているが、より低粘度の材料を提供するために可塑剤の割合が非常に多く、例えば、重量%で93〜98%である。前記付着した素材は、例えば、ローラーやスプレーなどにより適用され得る。一般的な付着物の構成は、重量%で表わした割合ではHPMC4%、乳酸77%及び水19%となる。
【0043】
圧縮粉体のスラグ及びカプセルは、従来略円筒状の側壁部分であって、該側面上で重なり合う2つの半分のコーティングを有している前記側壁部分を含んでいる。略円筒状側壁を有している円対称形状の錠剤が非常に一般的であるが、例えば、略円筒状側壁も含んでいる略楕円形状及び略オーバル形状のような他の形状もまた、よく知られている。
【0044】
前記フィルムの第2の部分の固着を促進するために、例えば上述のような接着剤をコーティングの最終段階の前に圧縮粉体のスラグの表面に付けることもまた、利点であり、又は、理想的である。このことは、例えばローラー、スプレー等により再び達成される。
【0045】
適切な大きさを有しているフィルム素材のシートを用いることにより、一連に並んだ複数の錠剤が同時に被覆される点は利点である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
図面は、粉体の圧縮/エンローブするプロセスにおける様々なステージを示す。
【0047】
図1は、ステップa−1を介して、粉体の圧縮及びエンローブにおける基本的なステップの仕組みを示す。
【0048】
a.第1フィルム(1)は、プラテン(platen)(2)上に載置される。円筒部(4)内で滑動可能な下部ピストン(3)は、真空ポート(5)と協働する。
b.フィルム(1)は、真空ポート(5)により作られた真空部によって完全に円筒部(4)内に引き下げられて、さらに下部ピストン(3)の冠部上に載置されてポケット形状を形成する。
c.大量の粉体(6)がフィルムのポケット部に導入されて、上部ピストン(9)が、大量の粉体(6)を含んだ下部ピストン(3)に向かって下方へ移動する。
d.ステップcが完了すると、圧縮粉体のスラグ(7)を得ることができる。
e.独立して半エンローブされた圧縮粉体のスラグを形成するために、切断機(10)を導入することによりフィルムを切断する。
f.下部ピストン(3)が上方に動き始めることにより、圧縮粉体のスラグ(7)もまた、上方へ押し上げられる。
g.下部ピストン(3)は、圧縮粉体のスラグ(7)をプラテン(2)と同じ高さのところに位置決めして停止する。
h.プラテン(2)上に第2フィルム(8)を導入して、さらに圧縮粉体のスラグ(7)上で緩く伸ばす。
i.第2の真空部が、圧縮粉体のスラグ(7)の上部と共同して、その周囲及び近傍で第2フィルムを引き出すために適用されることにより、圧縮粉体のスラグ(7)の上部の周りを覆う。
j.切断機(12)は降下して、粉体のスラグ(7)から覆われていない余分なフィルムを化粧断ちする。
k.完全にエンローブされた粉体のスラグは、さらなる下部ピストン(3)の動作によって円筒部(4)から射出されて、フィルムの緩んだ端部を伸ばしアイロン(13)により密封される。
l.伸ばされた継ぎ目を有している完全にエンローブされた錠剤を示す。
【0049】
図2は、図1により表わされた基本的な仕組みのバリエーションを示す。
【0050】
ステップa1及びb1は、図1に示すように、ポケット部(14)を形成する第2の真空部によって形成されて、プラテン上、且つ、部分的にエンローブされた粉体のスラグの直上に下げられており、事前に形成された第2フィルムのポケット部を示す。対向するフィルムポケット部は、下部ピストン(3)が上方に動くことにより圧縮され部分的にエンローブされた粉体のスラグをも上方及び事前に形成された第2のフィルムポケット部の空洞部内へ押し出し、フィルムの2つのポケット部によりエンローブされる。そのとき、カプセルが取り外されて、前述の通り、アイロンにより伸ばされる。
【0051】
図3は、図1により表わされる基本的な仕組みのさらなるバリエーションを示す。
【0052】
ステップ2aは、図1のステップfにおいて粉体のスラグを表わす。図2のように事前に形成された第2のフィルムポケット部が導かれるが、このとき前記ポケット部は、前記粉体のスラグの頂部のみ被覆され、前記粉体のスラグの略円筒部の正に縁端部の外縁で密封剤を形成するような第2の浅い真空成形するポケット部(15)により形成された浅いポケット部である。ステップa2〜d2は、この修正されたプロセスを示す。該プロセスは、カプセルの異なる特性の原因となる異なるタイプのシールを有しているカプセルの原因となる。
【0053】
図4は、図1により表わされるプロセスのもう一つのバリエーションを示す。
【0054】
しかしながら、基本的な仕組みは、本質的に2つの異なる半分の服用量の粉体を含んでいるカプセルを形成するために繰り返される。前記基本的なプロセスは、図1で説明された通りに、上下2つについて(in duplicate)ステップfまで実行される。該ステップfは基本的に図4におけるステップa3〜c3である。図4の前記ポイントにおける差違は、圧縮粉体(16,17)で満たされた2つの対向するポケット部の深さは半分であり、粉体のスラグの頂部は本質的にはラウンド形状というよりはむしろ平坦であることである。ステップc3は、半分の大きさのスラグの表面上に敷き詰められた中間フィルムを含めることができる。ステップd3〜f3は、2つの半分の大きさのスラグを接合して、2つの部位を備えた単一のカプセルを形成することを表わしている。ステップg3は、区画化されたカプセルを示す。おそらく異なる圧力等の条件の下で圧縮された少なくとも2つの独立した主成分の服用が1つのカプセルにより同時に可能となることが利点である。このことは、新しい剤形の生産に関するさらなる柔軟性及びオプションを付与する原因となる。
【0055】
前述のプロセスは、用いられる粉体の量と関連して、さらには圧縮プロセスの間において協働するピストンを綿密に位置決めすることを伴って、様々な圧縮レベルを有している粉体のスラグの形状を容易ならしめる。前述の通り、前記様々な圧縮レベルにより粉体のスラグを圧縮することができて、このことは、有用且つ安定した剤形として機能し得るために、スラグに必要な一体性を提供する前記フィルムのエンローブである。前記プロセス及び装置は、特性を変化させるカプセル剤を生産するために改善することが可能であり、このことは、当該技術分野で既に知られている錠剤及び従来のカプセル剤を上回る利点を有している。例えば、本願発明の実施例における低く圧縮粉体を含んでいるカプセル剤は、極めて好ましい急速な溶解特性(例えば、即効性の鎮痛剤に適した)を生み出す。前記フィルムは、前記カプセル剤が消化管を通じて薬を運搬したいと意図した位置に速く比較的無痛状態で移動することができるように、共に滑らか/柔軟であるように規定され得る。また、薬を運搬したいと意図した位置又はその近傍で溶解するように規定されている。カプセル剤中の低レベルの圧縮粉体は、消化管内でカプセル剤が滑らかに移動することを目的とするものであり、前記カプセル剤の中身は、圧縮性と可搬性とを有しているように規定されている。従って、体内を移動するにつれて、通過がより制限された部分の形状に適合し得るように、前記カプセル剤が曲げられて、及び/又は、圧縮される。このような剤形は自ら特に有用であることを証明することができて、痛んだ又は制限された消化管を有している患者はそれを飲み込むことが困難であることがわかる。さもなければ、剤形が、さらなる可搬性及び人体内部への攻撃性を小さくすることを要求される他の幾つかの理由がある。
【0056】
次の方法が実施例により付与される。そして、いかなる方法においても、本願発明を限定することを意図しない。
【0057】
[実施例1]消費可能なアイテム。
1%のデンプン及び0.25%のソルビトールモノステアレートで酸を処理する15%の乳酸及び5%のトリアセチンで可塑化されたHPMCである厚さ125マイクロメートルのフィルム1。
【0058】
フィルム1と同様であるが、厚さが80マイクロメートルであるフィルム2。
【0059】
ベンジルアルコール45%、トリアセトン50%及びHPMC E15プレミアム(ダウケミカル製)5%からなる第1フィルムの領域と重なり合うように適用される接着剤。
【0060】
[プロセスに関する説明]
フィルム1は熱成形されて、プラテン内において単一又は複数の錠剤/キャプレット(R)状のポケット部となる。各ポケット部は、標準的な大きさの錠剤及びキャプレットに適合させるために、必要な時に上下動可能な下部ピストンを含んでいる。錠剤状のポケット部もまた、前記ポケット部の頂部周辺の周りに突出した縁端断面を有している。この縁端断面は、前記プラテン表面上に1mm突出しており、幅0.35mmのランド部を有している。前記ポケット部の垂直側壁の深さは、一般的には3mmである。
【0061】
熱成形作業は、別々に制御される真空容器を2等分に分割する膜として作用するフィルムを含んでいる。前記フィルム上の前記チャンバーは、約150℃の温度で加熱された平坦なプラテンを含んでいる。1〜5秒間、望ましくは3秒の間、加熱された板に抗して保持されるので、真空容器が前記フィルム上に引き出される。下部チャンバーも真空とされる一方で、上部チャンバー内の真空が維持される。このステージでは、前記フィルムは加熱されたプラテンの近くに残っている。下部チャンバー内の真空レベルが少なくとも−0.65bar(−65kPa)に到達すると、上部チャンバー内の真空部が大気に開放されるか、又は、正圧に戻される。このことが、前記フィルムに前記加熱されたプラテンから離れるように下方へ、そして、錠剤形のポケット状の型押し上を下方へ押し付ける。このようにして、前記フィルムは、下部型押し内に錠剤が他のポケット形状に適応する。
【0062】
[粉体の供与及びフィルム1の切断]
そのとき、供与組立体(dosing assembly)はポケット部を形成するフィルム上に載置される。これは、プラテン内の位置決め用ダボ上に載置する位置決め用マスク及びポケット部を形成するフィルムの直上にあり、突出した縁端断面上に載置する供与スリーブを含んでいる。該供与スリーブは、ポケット部を形成する前記フィルムの大きさと正確に適合する。服用する粉体は、前記供与スリーブに処理されて、フィルムポケット部に落ちる。圧縮は、前記フィルムを切断しないが、その代わりに、前記フィルムに直接隣接するように、供与スリーブを通じて前進して、残留する粉体をフィルムポケット部へ下向きに掃き出して、固定されたストッパまで圧縮する圧縮ピストンを介して達成される。圧縮レベルは供与スリーブに処理される粉体の重量によって制御される。突出した縁端断面の内側と干渉した場合に、圧縮粉体の錠剤の下にあるピストンは、そのとき下げられて、前記圧縮ピストンのいずれか一方が前記フィルムを通じて押し抜きを生じる量と略同一量によって前進される。切断ピストンと突出した縁端断面の内部寸法との間のはめあい交差は、径方向の隙間が35マイクロメートル未満である。
【0063】
前記装置は、一般的にはステンレス鋼からなり、ピストンの冠部は焼き入れ鋼からなる。装置は機械加工されており、英国バーミンガムのミッドランドツールズアンドデザイン(Midland Tool and Design, Birmingham, UK)により供給される。
【0064】
このようにして、前記錠剤は切断ピストンにより前記ポケット部の境界へ押し下げられて、下部ピストン上に載置される。そのとき、前記位置決め用マスクと供与スリーブとよけいなフィルム膜は取り除かれる。
【0065】
[第2フィルムの適用、切断及びアイロン掛け]
そのとき、形成された錠剤における半分の側壁は、突出した縁端断面であるように、部分的にエンローブされたコアは、型押し内部で上方へ上げられる。第2フィルムは、グラビアローラーを介してその表面に適合された接着剤の15の一般化順序機械(gsm)を有しており、このことは錠剤を上回る利点である。そのとき、前記フィルムがスペーサープレートによって前記錠剤の上に保持される場合を除いて、前記フィルムの位置は、前記錠剤の前記頂部表面を傷つけないように、前記フィルムは第1フィルムに関して説明したものと同じ方法で熱成形される。第2の熱成形のために、温度50〜150℃で加熱された下部を用いることができる。前記フィルムはより薄く、接着剤の適用により軟化される。このことは、粉体表面の熱露出部を制限することを助ける。位置決め用マスクは、そのとき前記錠剤を上に配置されて、第2切断ピストンは下げられる。第2切断ピストンは、径方向のはめあい交差は25マイクロメートル未満である下部型押しの突出した外縁端断面上に押し抜き機を形成するように規定される。位置決め用マスク、第2切断ピストン及び余分なフィルム膜は、そのとき取り除かれて、完全にエンローブされたコアが、きつく嵌合する錠剤状の加熱された円筒部(40℃)を通じて押されて、シールの重なり合う部分が形成されたことを確信させる。
【0066】
[実施例2]
実施例1と同一の条件であるが、次のステップが“粉体の供与及び”フィルム1の切断に関するステージを置き換えている。
【0067】
[粉体の供与とフィルム1の切断]
供与組立体は、そのときポケット部を形成されたフィルム上に載置される。これは、前記プラテン内の位置決め用ダボ上に載置される位置決め用マスク及びポケット部が形成されたフィルムの直上にある供与スリーブを含んでいる。供与スリーブは、フィルムの大きさに正確に適合する。粉体の供与は、供与スリーブに処理されて、フィルムポケット部に落ちる。供与スリーブを通じて前進して、フィルムポケット部へ残った粉体は掃き落とす切断ピストンを介して切断が達成される。切断ピストンが前記フィルムを通じて切断する。突出した縁端断面の内側と干渉する場合には、圧縮レベルは、供与スリーブで処理される粉体の重量により制御される。切断ピストンは、さらに1mmに亘り前記突出した縁端断面と係合し続ける。そして、そのようにすることが前記粉体を圧縮してさらにフィルム上の殻とする。前記切断ピストンと突出した縁端断面の寸法とのはめあい交差は、径方向の隙間が25マイクロメートル未満である。
【0068】
前記装置は、一般的にはステンレス鋼からなり、前記ピストンの冠部は焼き入れ鋼からなる。装置は機械加工されており、英国バーミンガムのミッドランドツールズアンドデザイン(Midland Tool and Design, Birmingham, UK)により供給される。
【0069】
従って、錠剤は切断ピストンにより前記ポケット部の境界へ押し下げられて、下部ピストン上にある。そのとき、位置決め用マスク、供与スリーブ及び余分なフィルム膜は取り除かれる。
【0070】
[実施例3]
実施例1と同じであるが、第1切断ピストンのはめあい交差は、第2切断ピストンのそれ、すなわち、25マイクロメートルである。
【0071】
[実施例4]
実施例2と同じであるが、第1切断ピストンのはめあい交差は、第2切断ピストンのそれ、すなわち、25マイクロメートルである。
【0072】
正確に供与して圧縮する粉体のために利用される装置とプロセスのさらなる説明が提供される。上記プロセスで利用される前記装置は、A.錠剤が形成される空洞部を含んでいるプラテン、B.熱成形されたユニット、C.粉体を供与して圧縮するユニットを含んでいる。
【0073】
[プラテンの説明]
プラテン22は、一連の空洞部48を含んでいる表面を有しているステンレス鋼板を含んでいる。図8A〜B及び9A〜Bを参照すると、前記空洞部は垂直側壁及び形成される錠剤と同一の横断面形状を有している。図8B及び9Bに示す部分を有している各空洞部48の周辺には突出した縁端部44がある。前記フィルムを切断するプロセスの特徴は、プロセスの第2の部分内の錠剤を越えて形成されるフィルムを切断することにある。また、前記突出した縁端部を保護して、第1熱成形作業以前に前記縁端部上において前記フィルムを支持する凹面42に留意すべきである。
【0074】
各空洞部のベースがピストン24の表面32により形成される。各ピストンは、それぞれの空洞部内で近接した嵌合い(径方向の最大隙間は25マイクロメートル)であり、前記ピストンのステム周りに係合された圧縮バネ29によってしっかりと前記空洞部の底部に下向きに固定される。バネ力が、前記ピストンの垂直方向位置、それ故に空洞部の深さを制御するために用いられるカムの表面上へ前記ステムの端部を押す。前記ピストンの形状の詳細を図7A〜Fに示す。図7Fに示すピストン24の前面32内の凹面となる凹所及び凹面周りの直角縁端部34に留意すべきである。
【0075】
ピストン及びプラテンの両方が、小さな穴36,46(直径0.5mm)を自身に有しており、前記プロセスの一部を形成する2つの熱成形プロセスの間に錠剤形の空洞部の中及び周辺に真空状態を形成することができる。前記プラテンの真空ホール46は図8Bに示されており、前記ピストン内の真空ホール36は図7A,B,C,D及びFに示されている。
【0076】
プラテン及びピストンの組立体20の全体図が図5A〜B及び図6A〜Bに示されている。
【0077】
[熱成形ユニットの説明]
熱成形ユニット100は、加熱プレートの表面のみが露出されるチャンバー内に設けられた平坦な前記加熱プレート109を含んでいる。前記熱成形ユニットもまた、ヒーターカバー103、ヒーター105、頂部ブロック及び加熱プレート109を有している。一連の小さな穴108(直径0.5mm)によって、前記チャンバーは真空源と接続されて、前記真空源は前記加熱プレートと接続される。これらの穴には、2つの熱成形するプロセスに関する前記プロセスの一部を形成するという特徴がある。それらにより、気泡が前記フィルムと前記プレートとの間に閉じ込められることを防止する。前記加熱プレート内の穴の図を含んでいる熱成形ユニットの詳細は、図17A〜Bに示される。
【0078】
[粉体の供与及び圧縮ユニットの説明]
前記粉体の供与及び圧縮ユニットは、プラテン22上方に設けられて、原薬粉末供給機に接続される部品の複雑な組立体であり、3つの機能、すなわち、a.各空洞部に載置される粉体の量を正確に制御する機能、b.前記空洞部内部で前記粉体を圧縮する機能、c.前記空洞部内部で形成されることにより、‘余分な’フィルムから分離するフィルムを切断する機能を有している。
【0079】
粉体の量がスライダー機構50により制御される。前記スライダー機構は、錠剤と同じ幅であるが、長さは調節可能である空洞部54を生み出すために、図10に示すように共に係合する2枚の指状プレート52,53を含んでいる。2枚のプレートの係合の深さが、空洞部の長さを制御する。図11によると、空洞部が粉体で満たされる位置‘A’と粉体が圧縮されて錠剤形状となる位置‘B’との間においてベースプレート62内で水平方向に滑動可能とするために、これら2枚のプレートの組立体が設けられる。従って、前記2枚のプレートにおける係合の深さが、このように移送される粉体の体積を制御する。
【0080】
前記指状プレート内の空洞部が粉体で完全に満たされることを確認するために、上部ハウジング内部の領域(fill area)上方に設けられた攪拌機72が存在する。これは、図13A〜Bに示す形状の‘ベーン’を有している軸を含んでいる。これはスパイラルスクリューではないことに留意することが重要である。軸が回転された場合には、前記ベーンが前記粉体を圧縮することなく穏やかに攪拌するので、一貫して統一された粉体の流れを促進する。図12は、該図面上で‘供与ピストンホルダー’70内に設けられた攪拌機を表わしている。
【0081】
前記粉体の圧縮が、位置‘B’上方の‘供与ピストンホルダー’70内に設けられた一連のピストン82によって達成される。図15A〜Cは圧縮ピストンを表わす。図15Cに示すように前記ピストンの前面内の凹面となる凹所及び前記前面の外縁辺における直角縁端部に留意すべきである。図14A〜Bに示すように、前記ピストンは指状プレート52,53及びベースプレート62によって形成されるボアを貫通する。従って、供与・圧縮ユニット70がプラテン22の頂部に設けられている場合には、粉体は前記ボアを通じて掃き出されて、プラテン側の空洞部48内へ押し込まれる。図16Aは供与ユニット70,50及びプラテン20の組立体を示し、図16Bは完全組立体を通じての断面図を示す。
【0082】
完成した錠剤の確定した大きさを確認するために、圧縮ピストン82のストロークが固定される。前記ピストンは前記ストロークの最後の0.5mmでプラテン側の空洞部48の端部に入る。このことにより、前記空洞部の縁端部内部周辺で前記フィルムの剪断による切断が可能となる。
【0083】
熱成形プロセスの説明。
前記プロセスは、プラテン22上のフィルムを熱成形することにより始まる。
【0084】
1枚のフィルムがプラテン22の上に載置されて、熱成形ユニット100はその上に位置している。そのとき、前記熱成形ユニットは、前記フィルム及び前記プラテンの上へ押される。このことが、前記フィルムが前記上部チャンバー(熱成形ユニット)及び前記下部チャンバー(プラテン)を分割する半透膜として機能するような分割された真空容器を作る。
【0085】
前記熱成形プロセスは、真空部分を前記上部チャンバーに接続することにより開始される。このことが、制御された温度(一般的には180℃)である前記加熱プレート上へ前記フィルムを引張る。前記加熱プレート、前記フィルムの加熱時間及び下部チャンバーの真空レベルとして引用した値は一般的であるが、独占排他的ではない。これらの値の最適値は用いられるフィルムの物理的特性に依存しているので、フィルムの配合にも依存する。一般的には、異なる操作パラメータが、異なるフィルムに対して要求される。数秒の調整可能な期間の後、真空容器もまた、前記株チャンバーに接続されて前記プラテン内の空洞部に真空部分を生じさせる。そのとき、前記下部チャンバー内の真空レベルが所定のレベル(一般的には−0.6barg(−60kPa)〜−0.8barg(−80kPa))に到達し、前記フィルム加熱時間が経過した場合には、前記上部チャンバーは大気へ向かって排出する。前記フィルムを境界とする最終的な圧力差が、前記プラテン内の前記空洞部の内部にそれを形成する。そのとき、前記熱成形ユニットは、前記熱成形プロセスを完了するために前記プラテンを開放する。
【0086】
粉体供与プロセスの説明。
前記フィルムが熱成形された後、供与ユニット50,70はプラテン22上に設けられる。
【0087】
指状プレート52,53内の空洞部48は回転攪拌機72の下へスライドされて、数秒間保持される。バルク補給からの粉体が、重力及び前記回転攪拌機の作用により落下する。そのとき、前記指状プレートは、前記空洞部(現在粉体で満たされている)が前記プラテン内の空洞部の直上にあるため、位置‘B’にスライドされる。従って、指状プレート‘B’は、前記指状プレート内の空洞部の長さが前記プラテン内の空洞部の長さに等しいため、指状プレート‘A’に対して移動される。このことが、前記指状プレートの空洞部内のすべての粉体が前記圧縮ピストンによって掃き出されることを確実にする。
【0088】
[粉体圧縮プロセスの説明]
前記圧縮ピストンは、前記粉体を前記プラテンの空洞部内へ押すために、前記指状プレート及びベースプレートを通じて押される。さらなる力を作用させることにより、前記粉体は圧縮され、前記プラテンの空洞部内部に形成されている前記フィルム殻内に堅い錠剤を形成する。
【0089】
ストロークの長さが固定されて、前記粉体を圧縮するために付与される力が全ストロークを達成するために必要な力を上回るので、完成された錠剤の大きさが固定されて、移送された粉体の量とは独立している。
【0090】
[フィルム切断プロセスの説明]
前記圧縮ピストンの最後の0.5mmの移動により、前記圧縮ピストンは前記プラテンの空洞部へ入る。このことにより前記フィルムは切断されるので、前記錠剤が形成されたフィルムシートから錠剤を取り出すことができる。
【0091】
前記プラテン内の空洞部に入る前記圧縮ピストンの動作は、前記切断プロセスの重要な特徴である。該特徴が、別々の圧縮及び切断プロセスを利用する代替となる手法と比較して、非常に良く規定された端部及び楕円形状を有している錠剤を生み出す。
【0092】
第2フィルム(前記プロセスの第2の部分で前記錠剤の頂部先端上に形成された)の切断は、切断ツールが剪断による切断を達成するために前記プラテン上の突出した断面の外端部と係合する窪んだ錠剤状のツールである場合を除いて、これに類する方法で達成される。
【0093】
[プロセスに関するドラフトタイミング図の説明]
図18は、熱成形、供与、圧縮及び切断のプロセスに関するイベントのシーケンスを明らかにする手助けとなる全てのプロセスに関するドラフトタイミング図110を表わす。
【0094】
もう一つの実施例では、図19A〜C及び図20A〜Cに示すように、粉体の供与・圧縮ユニットはもう一つの構成(manner)で構成されることができる。図19Aは、ドセイター(dosator)粉体ボウル122及びドセイター用供与ヘッド124を備えているドセイター120を表わしている。前記ドセイター用粉体ボウルは、図19Bにさらに詳細に示されており、目詰まり防止装置126及び粉体高さ調節装置又は調節器125を備えている。図19Cにさらに詳細に示すように、前記ドセイター用粉体ボウル(dosator powder bowl)は時計回りの一定速度で回転して、前記ドセイター用供与ヘッド(dosator dosing head)へ供給するホッパーである。前記ドセイター用供与ヘッドは、前記ドセイター用供与ヘッドを回転させるために、供与用チューブ128及び回転ヘッド127を有している。前記供与用チューブは、前記供与用チューブ内の前記粉体を事前に圧縮し前記チューブから前記ポケット部内へ前記粉体を移送するために、内部の(図示しない)タンピングピン(tamping pins)と共に構成され得る。使用時には、前記ドセイター用粉体ボウルは時計回りの一定速度で回転して、ホッパーシステムを通じて粉体を供給される。前記粉体はドセイターブレード(dosator blade)により特定の高さにセットされて、前記ドセイターヘッドは前記供与ボウル上を回転する。前記ドセイターチューブは、前記チューブを前記ドセイター用粉体ボウルの内部において既知の高さまで下げることにより、装填される。余分な粉体が出ることを避け前記プロセス後の操作を容易にするために内部でタンピングすることによって、粉体は事前に軽く圧縮されてスラグになる。全粉体は事前に圧縮した効果によって前記チューブ内に保持される。しかし、必要であれば、すなわち、非常に良く充填された粉体のために真空保持設備を利用することができる。深さを変更することにより、前記チューブが前記ドセイター用粉体ボウル内部に下げられるため、充填体積も変化する。そのとき、前記ドセイターヘットは、180°に亘り回転しつつ、図20A〜Cに表わす供与ユニット130上方の位置へ上昇する。より詳細に下記において説明する。前記ドセイターヘッドは前記供与ユニットの空洞部の頂部まで下げられて、事前に軽く圧縮されたスラグは、内部のタンピングピンを利用して、前記ドセイターチューブから前記供与ユニットの代わりの空洞部内へ移送される。本実施例において、前記プラテンは12個の11.5mmピッチの空洞部を有している。前記ドセイターはこのピッチを達成することができないため、前記ドセイター用供与ヘッドは6本のチューブを有している。この結果として、前記供与ユニットは前記ドセイターの2周期で充填される。前記供与ユニットから放出した後、前記ドセイターヘッドは、次の周期の準備をした粉体供与ボウル(dosing powder bowl)を越えて回転しつつ上昇する。
【0095】
供与ユニット130は、図20A〜Cに表わしており、図20aに示すようにロータヘッド組立体131上に設けられた2つの供与ユニット130a,130bと共に、当該実施例において構成される。前記ローダヘッドはサーボモータによって駆動される。図20Bは、より詳細に供与ユニットを表わしている。各供与ユニットは、前記ドセイター用供与ヘッドの前記供与用チューブから排出される前記粉体を保持するために、供与用空洞部(dosing cavities)134を備えている供与スレッジ(dosing sledge)を有している。前記供与ユニットもまた、それぞれ圧縮ピストン82を収納する。空気圧シリンダー136は、充填位置から供与位置まで、又は、その逆方向で前記スレッジをスライドさせることができる。供与する最終的な位置は、空気圧シリンダーにより作動する精密位置ピン(precision location pin)によって到達され得る。図20Cは、供与位置で供与ユニット130aを充填するドセイター用供与ヘッド及びプラテン22のポケット部48を供与する準備をする供与ユニット130bを表わしている。前記ドセイターの粉体チューブ128は、粉体を前記スレッジの空洞部の中へ充填する。ロータヘッド131は、供与ユニット130a,130bを回転させる。供与ユニット130aは、前記供与位置を仮定して、フィルムを形成する真空部分を有しているポケット部を供与する。圧縮ピストンが係合され前記ポケット部内の粉体を圧縮して、前記フィルムを切断した後は、前述の通りである。
【0096】
このことが起きている間、その他の供与ユニット130bは、次の機械サイクルの準備をする前記ドセイターにより充填されている。いつでも一方の供与ユニットが粉体を充填する位置にあり、その一方で他方の供与ユニットは前記プロセスの位置にある。
【0097】
もう一つの実施例においては、接着剤が、部分的にエンローブされたスラグ、すなわち、第1フィルムと粉体のスラグの上の第2フィルムに適用する前に適用される。図21は、部分的にエンローブされたスラグ上のパターン又はロゴとして前記接着剤を吹き付けるために利用され得るインクジェット組立体140を表わす。図面は、部分的にエンローブされたスラグを露出されて、プラテン22を保護するために利用され得る。
【0098】
もう一つの実施例では、図22に示すように、真空ノズルユニット150は、プラテンの空洞部内の任意の余分な粉体を排除するために、前記プラテンに適用される。前記真空ノズルユニットが前記空洞部近傍に向いており、プラテンフード152がクリーニングプロセスを実行可能とするために前記プラテンと共にシールを形成する場合には、空気は前記ノズルを通じて前記プラテンの空洞部内へ押し込まれる。
【0099】
もう一つの実施例においては、前記装置は、処理中に前記プラテンを保持して一方のステーションから次のステーションへ移送するために、ターンテーブル組立体160を有している。インデキシングドライブシステム162は、各プロセス周期に合わせて前記プラテンを90°に亘り回転させることができる。前記プラテンは、前記ターンテーブルを固定され得る密封保持リングを備えている組立体164を保持する下部プラテンによって、前記ターンテーブル内に保持され得る。前記プラテンが、ロッド172がターンテーブルの外へプラテンを持ち上げる図24に示すカムユニット170により前記ターンテーブルから上昇されて、従動節(follower)174はプラテン内の下部ピストンの底面と接続して容易に移動ならしめる。空気圧シリンダー178は下部ピストンを上下動させて、空気圧シリンダー176はプラテンを上下動させる。前記プラテンは、前記ターンテーブルがプロセス中に圧縮圧力を受けていないことを確認するために、前記ターンテーブルから上昇させる。この構成を以て、4つのステーションの4つのプラテンは同時に処理され得る。例えば、第1のステーションでは供与、圧縮及び部分的なエンローブをしており、第2のステーションでは部分的にエンローブされたスラグの剤形の側面に対する接着剤のインクジェットによる適用をしており、第3のステーションでは部分的にエンローブされたスラグの剤形の対向する側面に対する第2フィルムのエンローブ及びアイロン掛けを適用しており、第4のステーションは処理中に発生した塵を取り除き吸い込んで前記プラテンをクリーニングするために空気ジェット及び真空部を用いてプラテンの真空クリーニングのステーションであり得る。
【0100】
この構成を以て、供与、圧縮及び部分的なエンローブというステーション1の処理手順はフィルムインデキシング(film indexing)から始まり、充填された供与ユニット130aは180°に亘りプロセス位置に至るまで回転して、ターンテーブル160は90°に亘りプロセス位置に至るまで角度の割り出しを行う。プラテン22は、例えばTOXユニット(TOXは、ドイツのトックスプレッソテクニクGmbH&Co.KG(Tox Pressotechnik GmbH & Co. KG of Germany)によって、幾つかの国で商標登録されています)を用いたステーション1のカムユニット170により、ターンテーブルの外へ持ち上げられて、下部ピストン24は、偏心カム及びフィルムリフター組立体を利用して、適切な操作高さをより低く設定する。前記フィルムは角度の割り出しを行って、熱成型器100はプロセス位置まで90°に亘り回転する。圧縮組立体は、前記供与ユニット、熱成形ユニットのフィルム及びプラテンを一緒に締め付けて、フィルムはプラテンの空洞部の形状に熱成形される。圧縮組立体が開放されて、前記供与ユニットが空気バネである空気圧シリンダーを利用して持ち上がる。熱成形器が基準位置に戻り、圧縮組立体は前記供与ユニットを前記プラテンに締め付ける。供与ユニット上のテーパーピン及びプラテン組立体上のバネが取り付けられたテーパーブッシュを用いることにより、精密位置決めが可能となる。供与ユニットのスレッジ132が前記供与位置に移動されて、空洞部134を充填する。圧縮ピストンが、一動作で錠剤を形成し、続いて前記フィルムを切断するために、前記空洞部内の粉体を圧縮する。前記供与ユニットは、例えば空気バネである空気圧シリンダーを利用して持ち上がる。ステーション1のカムユニットが下がって、角度の割り出しを行うターンテーブルの準備が整った場合には、フィルムリフター組立体はプラテンから余分なフィルムを取り除いて持ち上がり、前記プラテンは抜き取り効果(stripping effect)を高めつつターンテーブルに下がって戻って、下部ピストンは基準位置に後退する。このことが起こっている間、プラテンの空洞部の近接する空間によって2通り(6つの代替となる空洞部が供与されて、それを記録する)に実行される次のマシン周期の準備が整ったドセイターによって、他の供与ユニット130bは充填されている。
【0101】
インクジェット140の当該構成を以て、接着剤を剤形の側面に適用することは、プロセス位置に至るまで90°に亘り角度の割り出しを行うターンテーブル160から始まる。空気圧シリンダー136に近接するステーション2のカムユニットによって、プラテン22はターンテーブルの外側へ持ち上げられる。前記インクジェット本体の下面に設けられたテーパーピン及びプラテン組立体上のバネが取り付けられたテーパーブッシュを用いることにより、精密位置決めが可能となる。下部ピストン24は、偏心カムを用いて適切な操作高さに設定される。その結果として、錠剤は、接着剤を塗布するための正しいレベルまで前記空洞部を上方に移動される。プリントヘッド140が内向きのスタート位置に向かって高速に外方への変位がストロークを処理する。前記プリントヘッドの構成を用いることにより、内向きに一定の速度が錠剤に適用される接着パターン(ロゴ)に往復運動させる。前記ステーション2のカムが下げられた場合には、前記プラテンは前記ターンテーブルに後退して、下部ピストンは基準位置に戻る。インデックス±cの準備が完了する。
【0102】
当該実施例において、ターンテーブル160はプロセス位置まで90°に亘り角度の割り出しを行い、移送アームはアイロンツールまで90°に亘り回転する。例えば、TOXユニットを利用した場合には、プラテンはステーション3のカムユニットによってターンテーブルの外へ持ち上げられる。偏心カムを利用した場合には、下部ピストンは適切な操作高さに設定される。熱成形ユニット100のフィルムリフターが下がって、第2フィルムに適用される。移送アーム組立体は、空気バネである空気圧シリンダー及びフィルムインデックスを利用して、アイロンユニットと係合するためにc−アームを持ち上げる。前記熱成形ユニットはプロセス位置まで90°に亘り回転して、錠剤を押すための指状押出機組立体が、錠剤をアイロンツールに押し込む。(錠剤は、例えば、ちょうど6機械サイクルである45秒間、アイロンツール内にある期間残存することができる。)頂部締付組立体が前記熱成形ユニットをしっかり締めて、移送アーム組立体がc−アームを下げて、空気バネである空気圧シリンダーを利用して、アイロンツールと共にクリーニングして、基準位置まで90°回転する。フィルムは半分成形された錠剤の上で熱成形されて、アイロンユニットは、前記頂部締付組立体が開放する次の位置まで回転させられて、前記熱成形ユニットは前記基準位置まで戻る。そして、指状押出機組立体は、アイロンツールからの最終的なテーブルを排除して、一連の空洞部を空にして、新規のアイロン掛けするためのテーブルを準備する。前記移送アームは前記プラテン上の切断位置まで90°にわたり回転させられて、ピックオフヘッドはピックアンドプレイスの操作を実行し、製品を前記装置から取り出す。頂部組立体は、前記c−アームを締付けて、バネが取り付けられた前記下部プラテン組立体のテーバーブッシュと係合する。最後に切断が前記頂部締付組立体の行程の縁端部(the very end)で行われる。頂部締付体は、c−アーム、抜き取り板188の組立体及びプラテンをしっかりと締付ける。熱成形ユニットが、部分的にエンローブされたスラグ上に第2フィルムを熱成形する前に前記第2フィルムを保持し加熱する(すなわち、事前に調整する)間、圧縮されたスラグに損傷を与えないことを保証するために、抜き取り板188は、前記熱成形ユニット及び部分的にエンローブされたスラグの間に隙間を提供するものである。下部ピストンは、前記下部プラテンから前記c−アーム内に含まれるシリコンガスケット内部に前記テーブルを引く又は押す/持ち上げるために、偏心カムを利用する最大高さに再設定される。シリコンガスケット180は、図25A〜Eに示される。該ガスケットは、圧縮粉体のスラグ又は錠剤を受容するための一連の開口部182を有している。図25Bに示す通り、前記開口部は、装填されるか、又は、先細にされている。(すなわち、錠剤が入る側の開口部184の直径は、例えば、7.6mmである。一方では、開口部の他の上側183の直径は、6.9mmである。)前記ガスケットのこの構成により、前記錠剤上のアイロン掛け動作も提供する。前記ガスケットの材質は、前記錠剤を受容し保持する可撓性を有している材質である。前記ガスケットは前記錠剤と接触しているため、前記材質も食料/薬品クラス(例えば、FDAが望ましい)のものである。下部プラテン組立体20の下部ピストンを利用して、切断テーブルがプラテン20からc−アーム内に含まれるシリコンタブレットガスケット180へ移送される間、頂部締付組立体は移送アームの前記c−アームを保持する。4mmの側壁187aを有している錠剤と3mmの側壁187bを有しているテーブルとが図25Cのタブレットガスケット180に示される。錠剤、部分的にエンローブされた圧縮されたスラグ又はそれに類するものが、作業中に前記ガスケットにより移送され得る。図25Dは、移送アームが下がって、第2切断ツール186が第2フィルムの外側で錠剤を切断することを表わしている。図25Eは、下部ピストンが移送アームのタブレットガスケット内へ錠剤を押し込むことを表わしている。頂部締付組立体は、フィルムリフターが抜き取り板188及びプラテンから余分なフィルムを取り除くように緩んで、移送アームは、前記空気バネである空気圧シリンダーを利用して、前記フィルムと前記フィルムリフターをクリーニングするためにc−アームを持ち上げる。ステーション3のカムユニットが下げられた場合には、プラテンは抜き取り効果を高めるためにターンテーブル内へ戻り、下部ピストンは基準位置に戻る。前記移送アームは90°回転して基準位置に戻り、戻ったc−アームは中間位置にある。
【0103】
その実施例は、空気ジェット及び吸入口を利用し、NROBE塵(NROBE dust)を個々に取り除き吸引するプラテンの真空ノズル150のクリーニングステーションである。ターンテーブル160は開始するためにプロセス位置まで90°に亘り回転する。そのとき、プラテン22は、空気圧シリンダー近傍のステーション4のカムユニット170によりターンテーブルの外に持ち上げられる。初期に下部ピストン24は基準位置にあり、真空ヘッド152はプラテンと結合するために下げられる。真空プロセスが開始されて、前記真空プロセスが終了するまで、下部ピストンが空気圧シリンダーを利用する上部操作高さに設定される。ステーション4のカムユニットが下げられ前記真空ヘッドが持ち上げられる場合には、前記プラテンは前記ターンテーブル内に後退し、下部ピストンが基準位置に戻る。
【0104】
前記プロセス及び装置が上述の通り優位点を提供することを理解されるだろう。本願発明の特定の実施例が説明されたが、特許請求の範囲に規定される本願発明の技術的範囲から逸脱しない範囲において、様々な改良発明が可能である点に留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0105】
本願発明の実施例は、図面を参照して実施例によってのみさらに詳細に説明される。
【図1】ステップa−1での本願発明の実施例における基本的な圧縮及びエンローブをする装置及びプロセスを表わす。
【図2】本願発明の実施例におけるステップa−1及びb−1を備えている図1に示す前記方法のバリエーションを表わす。
【図3】本願発明の実施例におけるステップa−2からd−2を備えている図1に示す前記方法のバリエーションを表わす。
【図4】本願発明の実施例におけるステップa−3からd−3を備えている図1に示す前記方法のバリエーションを表わす。
【図5A】本願発明の実施例におけるプラテン組立体の上面図(フィルム側)を表わす。
【図5B】本願発明の実施例におけるプラテン組立体の底面図を表わす。
【図6A】本願発明の実施例における図5Aに示す矢印に沿った図5Aの前記プラテン組立体の横断面図を表わす。
【図6B】図6Aにおいて破線で描かれた円により指示された部分をより詳細に表わす。
【図7A】本願発明の実施例における下部ピストンの斜視図を表わす。
【図7B】本願発明の実施例における下部ピストンの斜視図を表わす。
【図7C】前記下部ピストンの前面の平面図を表わす。
【図7D】図7Cに示す断面Y−Yに沿った前記ピストンの横断面図を表わす。
【図7E】図7Cに示す断面X−Xに沿った前記ピストンの横断面図を表わす。
【図7F】図7Bにおいて破線で描かれた円により指示された部分、すなわち、ピストンの前面の凹面形状及び直角縁端部をより詳細に表わす。
【図8A】本願発明の実施例における下部プラテンの斜視図を表わす。
【図8B】図8Aにおいて破線で描かれた円により指示された部分、すなわち、空洞部周辺の凹面、空洞部周辺の突出した縁端部及び空洞部周辺の真空ホールをより詳細に表わす。
【図9A】本願発明の実施例における図8Aの下部プラテンの横断面図を表わす。
【図9B】前記突出した縁端部の図9Aの破線で描かれた円により指示された部分を表わす。
【図10】本願発明の実施例における供与ユニットの斜視図を表わす。
【図11】本願発明の実施例におけるベースプレートと滑動可能なように係合された図10の供与ユニットの斜視図を表わす。
【図12】本願発明の実施例における図11の供与ユニットと係合されたドセイターの正面斜視図を表わす。
【図13A】本願発明の実施例における図12のドセイターのベーンを備えている軸の斜視図を表わす。
【図13B】図13Aのベーンを備えている軸の横断面図を表わす。
【図14A】本願発明の実施例における圧縮ピストンを備えている図12のドセイターの供与ユニット及び圧縮ユニットの背面斜視図を表わす。
【図14B】図14Aの前記ドセイター、供与ユニット及び圧縮ユニットの図14Aの断面X−Xに沿った横断面図を表わす。
【図15A】本願発明の実施例における圧縮ピストンの斜視図を表わす。
【図15B】本願発明の実施例における圧縮ピストンの斜視図を表わす。
【図15C】図15Aにおいて破線で描かれた円により指示された部分を表わす。
【図16A】本願発明の実施例におけるピストンが圧縮された状態の図14Aの供与ユニット及び圧縮ユニットの斜視図を表わす。
【図16B】図16Aの断面X−Xに沿った図16Aの前記ドセイター、供与ユニット及び圧縮ユニットの横断面図を表わす。
【図17A】本願発明の実施例における熱成形ユニットの斜視図を表わす。
【図17B】図17Aの熱成形の組み立てられたユニットの下面斜視図を表わす。
【図18A】本願発明の実施例におけるシステムのタイミングダイグラム(a timing diagram)を表わす。
【図18B】本願発明の実施例におけるシステムのタイミングダイグラム(a timing diagram)を表わす。
【図18C】本願発明の実施例におけるシステムのタイミングダイグラム(a timing diagram)を表わす。
【図18D】本願発明の実施例におけるシステムのタイミングダイグラム(a timing diagram)を表わす。
【図19A】本願発明の実施例におけるドセイターの斜視図を表わす。
【図19B】図19Aのドセイターの粉体ボウルをより詳細に表わす。
【図19C】図19Aのドセイターヘッドをより詳細に表わす。
【図20A】本願発明の実施例における供与ユニット及びロータヘッド組立体の斜視図を表わす。
【図20B】図20Aの供与ユニットをより詳細に表わす。
【図20C】図20Bに示す供与ユニットを充填する図19Cに示すドセイターヘッドを表わす。
【図21】本願発明の実施例におけるインクジェット組立体の斜視図を表わす。
【図22】本願発明の実施例における前記プラテン及びポケット部をクリーニングするための真空部の斜視図を表わす。
【図23】本願発明の実施例における一の処理をするステーションから他の処理をするステーションへ前記プラテンを保持し移送するためのターンテーブルの斜視図を表わす。
【図24】本願発明の実施例における前記ターンテーブルから前記プラテンを上下させるためのカムユニットの斜視図を表わす。
【図25A】本願発明の実施例におけるタブレットガスケットを表わす。
【図25B】図25Aの前記ガスケットの断面A−Aに沿った横断面図を表す。
【図25C】錠剤を有している移送アーム内に位置している前記ガスケットの横断面図を表わす。
【図25D】前記プラテン組立体及び前記ガスケットの横断面図を表わす。
【図25E】前記プラテン組立体及び前記ガスケットの横断面図を表わす。
【符号の説明】
【0106】
22 プラテン
24 ピストン
50 スライダー機構
52 指状プレート
53 指状プレート
62 ベースプレート
72 攪拌機
100 熱成形ユニット
120 ドセイター
130 供与ユニット
136 空気シリンダー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成する装置であって、
内部に真空成形されたフィルムを受容すると共に、粉体を受容するためのポケット部を有しているプラテンと、
前記ポケット部内で前記粉体を圧縮するための圧縮ピストンであって、凹所を有している前面及び前記前面外縁周りに四角縁端部を有している圧縮ピストンを備えている機械的手段と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ポケット部が、下部ピストンによって形成されたベースを備えており、前記下部ピストンは、凹所を有している前面及び前記前面外縁周りに四角縁端部を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記下部ピストンの前記前面が、前記フィルムを真空成形するために、前記ポケット部内に真空部分の形成を可能としている少なくとも2つの開口部をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記プラテンが、前記プラテンと前記フィルムとの間に、真空部分の形成を可能としている開口部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
一連の開口部が前記ポケット部の外縁周りの前記プラテン内に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記プラテンが、前記ポケット部の外縁を形成する突出した縁端部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記プラテンが、前記ポケット部の外縁を形成する突出した縁端部を規定する凹面をさらに備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記圧縮ピストンと前記ポケット部との間にある径方向の隙間が前記フィルムの厚さに対して僅かであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記圧縮ピストンと前記ポケット部との間にある径方向の隙間が35マイクロメートル以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記下部ピストンと前記ポケット部との間にある径方向の隙間が前記フィルムの厚さに対して僅かであることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項11】
前記下部ピストンと前記ポケット部との間にある径方向の隙間が25マイクロメートル以下であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記プラテンが一連の開口部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
一時的に保持し加熱するために前記フィルムを事前調整するための手段をさらに備え、該手段が、前記加熱プレートと前記フィルムとの間に真空部分を形成するための一連の開口部を備えた表面を有している前記加熱プレートを備えていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記圧縮粉体のスラグを受容し保持し、所望の位置に前記圧縮粉体のスラグを移送して解放するためのガスケットをさらに備えていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記ガスケットが、前記圧縮粉体のスラグを受容するための受容側面及び出口側面を有している開口部を備え、前記受容側面が前記出口側面よりも大きな直径を有していることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
フィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成する装置であって、
前記フィルムを一時的に保持し加熱するためのフィルム事前調整部であって、
前記フィルムとの間に真空部分を形成するための一連の開口部を備えた表面を有している加熱プレートを備えているフィルム事前調整部と、
真空状態で内部に前記事前調整されたフィルム及び前記粉体を受容するためのポケット部を有しているプラテンと、
前記粉体を前記ポケット部で圧縮する機械的手段と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項17】
フィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成する装置であって、
内部に真空成形されたフィルムを受容すると共に、前記粉体を受容するための一連のポケット部を備え、前記プラテンと前記フィルムとの間に、真空部分の形成を可能としている前記ポケット部に近接する少なくとも1つの開口部を備えているプラテンと、
前記ポケット部内で前記粉体を圧縮する機械的手段と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項18】
一連の開口部が前記ポケット部の外縁周辺で前記プラテン内に形成されていることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
フィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成する装置であって、
内部に真空成形されたフィルムを受容すると共に、前記粉体を受容するための一連のポケット部を備え、各々がポケット部の外縁を形成している複数の突出した縁端部断面の間に凹面を有しているプラテンと、
前記ポケット部内で前記粉体を圧縮するための機械的手段と、
前記突出した縁端部断面上に支持されたフィルムを切断するために、前記断面と干渉するように移動可能な切断スリーブと、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項20】
処理中に前記プラテンを保持し移送するためのターンテーブルをさらに備えていることを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記ターンテーブルが4つのプラテンを備えていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記プラテンをクリーニングするために真空部分をさらに備えていることを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
ドセイター及び粉体を前記ポケット部に供与するための供与ユニットをさらに備え、前記ドセイターが前記粉体を保持するための粉体用ホッパーを有し、供与用ヘッドは、前記粉体用ホッパーからの前記粉体を保持すると共に、前記ポケット部へ前記粉体を移送するための供与用チューブを有していることを特徴とする請求項1から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記供与用ヘッドの前記供与用チューブが、前記粉体を前記供与用チューブ内で事前に圧縮し、前記チューブから前記ポケット部内へ前記粉体を移送するためのタンピングピンを前記チューブ内に備えていることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
圧縮するための機械的手段を有している供与ユニットと、
前記供与用ヘッドの前記供与用チューブから前記粉体を受容すると共に、前記粉体を前記ポケット部に供与するための供与スレッジと、
をさらに備えており、
前記スレッジが、充填位置から供与位置まで移動可能とされていることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項26】
フィルムでカプセル化された圧縮粉体のスラグを形成する装置であって、
内部に第1の真空成形されたフィルムを受容すると共に、粉体を受容するためのポケット部を有しているプラテンと、
第1の粉体で真空成形されたフィルムを有している前記ポケット部内で前記粉体を圧縮するのに適した位置に前記粉体を配置するための供与手段と、
前記粉体を圧縮するための機械的な圧縮手段と、
処理中に前記プラテンを保持し、一のステーションから他のステーションへ前記プラテンを回転可能なように移送するためのターンテーブルと、
一のステーションは、前記フィルムを前記プラテンの前記ポケット部内に適用すると共に、前記粉体を圧縮して部分的にエンローブするためのものであり、他のステーションは、前記部分的にエンローブされた粉体上に第2の真空成形されたフィルムを適用して前記スラグをフィルムで完全に被覆するためのものであることを特徴とする装置。
【請求項27】
前記供与手段は、粉体で形成された第1の真空成形されたフィルムを有している前記ポケット部内で、前記粉体を圧縮するのに適した位置で前記ポケット部近傍に前記粉体を配置することを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記供与手段が、第1の真空成形されたフィルムを有している前記ポケット部に、前記粉体を供与することを特徴とする請求項26又は27に記載の装置。
【請求項29】
前記プラテンをクリーニングするためのもう一つのステーションを形成する前記プラテンをクリーニングするための真空部分をさらに備えていることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項30】
前記ターンテーブル内のプラテンの数が装置内のステーションの数に一致することを特徴とする請求項26〜29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
前記ターンテーブルが処理するための4つのプラテンを備えていることを特徴とする請求項26〜30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記圧縮プロセスの際に、前記ターンテーブル組立体からの前記圧縮圧力を絶縁するための手段を備えていることを特徴とする請求項26〜31に記載の装置。
【請求項33】
フィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成する装置であって、
内部に真空成形されたフィルムを受容すると共に、前記粉体を受容するためのポケット部を有しているプラテンと、
前記ポケット部で前記粉体を圧縮するための機械的手段と、
前記圧縮粉体のスラグを受容し保持し、所望の位置に前記圧縮粉体のスラグを移送して解放するためのガスケットと、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項34】
前記ガスケットが、前記圧縮粉体のスラグを受容するための受容側面及び出口側面を有している開口部を備え、前記受容側面が前記出口側面よりも大きな直径を有していることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記ガスケットが1以上の圧縮粉体のスラグを受容するための一連の開口部を備えていることを特徴とする請求項32又は33に記載の装置。
【請求項1】
フィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成する装置であって、
内部に真空成形されたフィルムを受容すると共に、粉体を受容するためのポケット部を有しているプラテンと、
前記ポケット部内で前記粉体を圧縮するための圧縮ピストンであって、凹所を有している前面及び前記前面外縁周りに四角縁端部を有している圧縮ピストンを備えている機械的手段と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ポケット部が、下部ピストンによって形成されたベースを備えており、前記下部ピストンは、凹所を有している前面及び前記前面外縁周りに四角縁端部を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記下部ピストンの前記前面が、前記フィルムを真空成形するために、前記ポケット部内に真空部分の形成を可能としている少なくとも2つの開口部をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記プラテンが、前記プラテンと前記フィルムとの間に、真空部分の形成を可能としている開口部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
一連の開口部が前記ポケット部の外縁周りの前記プラテン内に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記プラテンが、前記ポケット部の外縁を形成する突出した縁端部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記プラテンが、前記ポケット部の外縁を形成する突出した縁端部を規定する凹面をさらに備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記圧縮ピストンと前記ポケット部との間にある径方向の隙間が前記フィルムの厚さに対して僅かであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記圧縮ピストンと前記ポケット部との間にある径方向の隙間が35マイクロメートル以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記下部ピストンと前記ポケット部との間にある径方向の隙間が前記フィルムの厚さに対して僅かであることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項11】
前記下部ピストンと前記ポケット部との間にある径方向の隙間が25マイクロメートル以下であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記プラテンが一連の開口部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
一時的に保持し加熱するために前記フィルムを事前調整するための手段をさらに備え、該手段が、前記加熱プレートと前記フィルムとの間に真空部分を形成するための一連の開口部を備えた表面を有している前記加熱プレートを備えていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記圧縮粉体のスラグを受容し保持し、所望の位置に前記圧縮粉体のスラグを移送して解放するためのガスケットをさらに備えていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記ガスケットが、前記圧縮粉体のスラグを受容するための受容側面及び出口側面を有している開口部を備え、前記受容側面が前記出口側面よりも大きな直径を有していることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
フィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成する装置であって、
前記フィルムを一時的に保持し加熱するためのフィルム事前調整部であって、
前記フィルムとの間に真空部分を形成するための一連の開口部を備えた表面を有している加熱プレートを備えているフィルム事前調整部と、
真空状態で内部に前記事前調整されたフィルム及び前記粉体を受容するためのポケット部を有しているプラテンと、
前記粉体を前記ポケット部で圧縮する機械的手段と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項17】
フィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成する装置であって、
内部に真空成形されたフィルムを受容すると共に、前記粉体を受容するための一連のポケット部を備え、前記プラテンと前記フィルムとの間に、真空部分の形成を可能としている前記ポケット部に近接する少なくとも1つの開口部を備えているプラテンと、
前記ポケット部内で前記粉体を圧縮する機械的手段と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項18】
一連の開口部が前記ポケット部の外縁周辺で前記プラテン内に形成されていることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
フィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成する装置であって、
内部に真空成形されたフィルムを受容すると共に、前記粉体を受容するための一連のポケット部を備え、各々がポケット部の外縁を形成している複数の突出した縁端部断面の間に凹面を有しているプラテンと、
前記ポケット部内で前記粉体を圧縮するための機械的手段と、
前記突出した縁端部断面上に支持されたフィルムを切断するために、前記断面と干渉するように移動可能な切断スリーブと、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項20】
処理中に前記プラテンを保持し移送するためのターンテーブルをさらに備えていることを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記ターンテーブルが4つのプラテンを備えていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記プラテンをクリーニングするために真空部分をさらに備えていることを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
ドセイター及び粉体を前記ポケット部に供与するための供与ユニットをさらに備え、前記ドセイターが前記粉体を保持するための粉体用ホッパーを有し、供与用ヘッドは、前記粉体用ホッパーからの前記粉体を保持すると共に、前記ポケット部へ前記粉体を移送するための供与用チューブを有していることを特徴とする請求項1から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記供与用ヘッドの前記供与用チューブが、前記粉体を前記供与用チューブ内で事前に圧縮し、前記チューブから前記ポケット部内へ前記粉体を移送するためのタンピングピンを前記チューブ内に備えていることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
圧縮するための機械的手段を有している供与ユニットと、
前記供与用ヘッドの前記供与用チューブから前記粉体を受容すると共に、前記粉体を前記ポケット部に供与するための供与スレッジと、
をさらに備えており、
前記スレッジが、充填位置から供与位置まで移動可能とされていることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項26】
フィルムでカプセル化された圧縮粉体のスラグを形成する装置であって、
内部に第1の真空成形されたフィルムを受容すると共に、粉体を受容するためのポケット部を有しているプラテンと、
第1の粉体で真空成形されたフィルムを有している前記ポケット部内で前記粉体を圧縮するのに適した位置に前記粉体を配置するための供与手段と、
前記粉体を圧縮するための機械的な圧縮手段と、
処理中に前記プラテンを保持し、一のステーションから他のステーションへ前記プラテンを回転可能なように移送するためのターンテーブルと、
一のステーションは、前記フィルムを前記プラテンの前記ポケット部内に適用すると共に、前記粉体を圧縮して部分的にエンローブするためのものであり、他のステーションは、前記部分的にエンローブされた粉体上に第2の真空成形されたフィルムを適用して前記スラグをフィルムで完全に被覆するためのものであることを特徴とする装置。
【請求項27】
前記供与手段は、粉体で形成された第1の真空成形されたフィルムを有している前記ポケット部内で、前記粉体を圧縮するのに適した位置で前記ポケット部近傍に前記粉体を配置することを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記供与手段が、第1の真空成形されたフィルムを有している前記ポケット部に、前記粉体を供与することを特徴とする請求項26又は27に記載の装置。
【請求項29】
前記プラテンをクリーニングするためのもう一つのステーションを形成する前記プラテンをクリーニングするための真空部分をさらに備えていることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項30】
前記ターンテーブル内のプラテンの数が装置内のステーションの数に一致することを特徴とする請求項26〜29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
前記ターンテーブルが処理するための4つのプラテンを備えていることを特徴とする請求項26〜30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記圧縮プロセスの際に、前記ターンテーブル組立体からの前記圧縮圧力を絶縁するための手段を備えていることを特徴とする請求項26〜31に記載の装置。
【請求項33】
フィルムで被覆された圧縮粉体のスラグを形成する装置であって、
内部に真空成形されたフィルムを受容すると共に、前記粉体を受容するためのポケット部を有しているプラテンと、
前記ポケット部で前記粉体を圧縮するための機械的手段と、
前記圧縮粉体のスラグを受容し保持し、所望の位置に前記圧縮粉体のスラグを移送して解放するためのガスケットと、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項34】
前記ガスケットが、前記圧縮粉体のスラグを受容するための受容側面及び出口側面を有している開口部を備え、前記受容側面が前記出口側面よりも大きな直径を有していることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記ガスケットが1以上の圧縮粉体のスラグを受容するための一連の開口部を備えていることを特徴とする請求項32又は33に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図25C】
【図25D】
【図25E】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図25C】
【図25D】
【図25E】
【公表番号】特表2007−506500(P2007−506500A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527482(P2006−527482)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【国際出願番号】PCT/GB2004/004097
【国際公開番号】WO2005/030116
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(506098077)バイオプログレス・テクノロジー・リミテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【国際出願番号】PCT/GB2004/004097
【国際公開番号】WO2005/030116
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(506098077)バイオプログレス・テクノロジー・リミテッド (7)
【Fターム(参考)】
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