説明

粉体分離機能を有する連続粉砕装置

【課題】粉体分離機能を有する連続粉砕装置を提供する。
【解決手段】上部開口が蓋体61によって閉鎖可能な底付き短円筒状の公転ハウジング60内にこれと同軸に粉砕ポットを取り付け、粉砕ポットの周壁には、粉砕ポット内で粉砕された一定粒度以下の粉体を通過させるスクリーンが取り付けられた粉体通過口を形成し、当該粉体通過口を通過した粉体が、粉砕ポットの外周面と公転ハウジングの内周面の間に形成された粉体捕集ダクトを通じて粉体取出部9へ導かれるよう構成すると共に、上記公転ハウジング60の中心軸及びこれに平行な前記公転中心軸5が、基台3の鉛直軸に対して5度ないし25度傾斜するよう公転ハウジング60及びその駆動機構を基台3に取り付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部にローターを収容した粉砕ポットを公転運動させることにより、ローターを粉砕ポット内でその内壁面に沿って転動させ、ローターの自重と遠心力によって粉砕ポット内の被粉砕物を粉砕する回転粉砕装置(サイクルロータリーミル)において、一定粒度まで粉砕された粉体を粉砕ポットから自動的に取り出す機能を有する連続粉砕装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1においては、内部にローターを移動自在に収容した短円筒状の粉砕ポット内に被粉砕物を投入し、当該粉砕ポットを公転運動させることにより、ローターに遠心力を与えてこれを粉砕ポット内でその内壁面に沿って転動させ、ローターの自重と遠心力により、粉砕ポット内の被粉砕物を粉砕する回転粉砕機(サイクルロータリーミル)が開示されている。
しかし、この特許文献1に記載の回転粉砕機において、粉砕ポットは、その公転運動を可能とさせるためにスプリングによって支持されるものであったため、粉砕作業時の振動及び騒音が多く、また、スプリングの疲労破壊が避けられず、長期に亘って運転を行えないという問題があった。
【0003】
そのような問題を解決するため、下記特許文献2においては、粉砕ポットの支持にスプリングを使用せず、粉砕ポットの外周面にクランク状の腕を取り付け、その先端の往復移動を案内レールによりガイドすることにより、粉砕ポットが振り回されず、円滑に公転するように構成した回転粉砕機が開示されている。
【0004】
然しながら、この特許文献2に記載の回転粉砕機においては、粉砕された粉体物を粉砕ポットから取り出すためには、粉砕機の作動を停止し、粉砕ポットの蓋を明けて手作業で取り出す必要がある。
そのため、当該取出作業を行うまでは、既に充分に粉砕され粉体化したものと、未だ粉砕が不充分で更に粉砕作業を必要とするものとが混在した状態で、粉砕作業が続けられることになる。
そのように粒度の異なる粉体が混在した状態では、粒度の大きな粉体の粉砕効率が低下する。
そのため、粉砕ポットに投入された被粉砕物のすべてが充分に粉砕されるまで粉砕作業を続行すると、一部には必要以上に細かく粉砕されたものが生じ、均一な粒度の粉体が得られなくなる。また、長時間の粉砕による過熱のため変質したりするという問題もある。
従って、一定の粒度まで粉砕された粉体については、なるべく早期に粉砕ポットから取り出すことが望ましい。
【0005】
【特許文献1】実公昭57−60840号公報
【特許文献2】特開平9−313967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、所定の粒度まで粉砕された粉体は粉砕ポットから自動的に取り出され、粉砕が不充分な被粉砕物だけが粉砕ポット内に残された状態で粉砕作業が続行される連続粉砕装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、
上部開口が蓋体によって閉鎖可能な底付き短円筒状の粉砕ポットと、粉砕ポットの内部に移動自在に収容される円盤状のローターと、粉砕ポットを回動自在に支持し、かつ、その中心軸に平行に設けた公転中心軸を中心として公転運動させる駆動機構と、を具備し、粉砕ポットの公転運動により、ローターに遠心力を与えてこれを粉砕ポットの内壁面に沿って転動させ、ローターの自重と遠心力によって粉砕ポット内の被粉砕物を粉砕する連続粉砕装置において、
上記粉砕ポットが、底付き短円筒状の公転ハウジング内に公転ハウジングと同軸に固定され、公転ハウジングを上記駆動機構により上記公転中心軸を中心として公転運動させることにより、粉砕ポットにも同様の公転運動が付与され、更に、公転ハウジングの内径は粉砕ポットの外径よりも大きく、公転ハウジングの周壁の高さは粉砕ポットの周壁の高さと略等しく形成され、これにより、公転ハウジングの蓋体を閉じることによって公転ハウジング及び粉砕ポットの上部開口が同時に閉鎖されるよう構成され、粉砕ポットの外周面と公転ハウジングの内周面の間には粉体捕集ダクトが形成されるよう構成されると共に、
公転ハウジングは、当該公転ハウジングの外周面から突出し、先端部に公転ハウジングの中心軸に平行なガイドピンを有するアームと、当該ガイドピンを滑動自在に案内する案内レールと、から成る公転ガイド機構によって、前記公転中心軸を中心として公転可能なように保持され、
粉砕ポットの周壁には、粉砕ポット内で粉砕された一定粒度以下の粉体を通過させるスクリーンが取り付けられた粉体通過口が形成され、当該粉体通過口を通過した粉体は、粉砕ポットの外周面と公転ハウジングの内周面の間に形成された前記粉体捕集ダクトを通じて粉体取出部へ導かれるよう構成され、
更に、上記公転ハウジングの中心軸及びこれに平行な前記公転中心軸が、基台の鉛直軸に対して5度ないし25度傾斜するよう公転ハウジング及びその駆動機構を基台に取り付けることにより、傾斜した粉体捕集ダクト内の粉体が低い箇所へ向けて集められ、上記粉体取出部から取り出されるよう構成されたこと、
を特徴とする粉体分離機能を有する連続粉砕装置によって達成される。
上記鉛直軸に対する傾斜角度は、更に望ましくは10度ないし20度の範囲内に設定される。
【発明の効果】
【0008】
上記の如き構成であると、粉砕過程において所定の粒度まで粉砕された粉体は、粉砕ポットの周壁の粉体通過口に取り付けたスクリーンを通じて粉砕ポット内から取り出され、粉体捕集ダクトを通じて下流側の粉体取出部へ自動的に導かれるので、所定の粒度まで粉砕された粉体が、それ以上粉砕されたり、粉砕作業時に発生する熱によって変質したりするのを防止し得るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の詳細を説明する。
図1は本発明に係る連続粉砕装置の一実施例を示す縦断面図、
図2は図1に示した連続粉砕装置のケースの上半部を取り除いた状態における上面図、
図3は図1に示した連続粉砕装置の公転ハウジング及び粉砕ポットの縦断面図、
図4は図3に示した公転ハウジング及び粉砕ポットの上面図、
図5は図1に示した連続粉砕装置の公転ガイド機構の上面図、
図6は図5に示した公転ガイド機構の作動を示す説明図、
図7は従来の粉砕ポットの公転ガイド機構の作動を示す説明図である。
【0010】
まず、図1及び図2について説明する。
図1及び図2中、1は本発明に係る連続粉砕装置、2はケース、20はケース開閉蓋、3は基台、4はモーター、40はVプーリー、5は公転中心軸、50及び51は軸受、52はVプーリー、53はVベルト、54はバランスウェイト、6は粉砕ポット、60は公転ハウジング、61は蓋体、62はスプリングキャッチ、64は粉体捕集ダクト、65は誘導ダクト、7はローターストーン、8は公転ガイド機構、80はアーム、81はガイドピン、82は案内レール、9は粉体取出部、91は密閉取出室、92は取出扉、93は自在ホース、94は粉体受皿、95は受皿載置棚である。
【0011】
ケース2は、図1において、左側上部に開閉自在な開閉蓋20を有し、公転ハウジング60内に設けられた粉砕ポット6内に被粉砕物を投入するとき、このケース開閉蓋20を明け、次いで公転ハウジング60の蓋体61を、これに取り付けられたスプリングキャッチ62を操作して開き、公転ハウジング60内の粉砕ポット6に被粉砕物を入れるものである。
ケース2の内部には、基台3が設けられ、この基台3に、公転ハウジング60を公転させるための偏心回転カム55(図3参照)が上端に固着された公転中心軸5と、その駆動モーター4とが取り付けられる。
本発明においては、公転ハウジング60を傾斜させるために、図1に示すように、その公転中心軸5が基台3の鉛直軸に対して角度αをなすにように傾けて取り付けられる。これに合わせて、モーター4の回転軸も角度αだけ傾けるようにする。
ここで、角度αは5〜25度、より望ましくは10〜20度の範囲内に設定される。
【0012】
モーター4の駆動軸の上端には、Vプーリー40が取り付けられる。
公転中心軸5は、基台3に設けられる軸受50及び51によって回転自在に支持される。
公転中心軸5には、Vプーリー52が取り付けられ、モーター4のVプーリー40との間にVベルト53が掛け渡され、また、公転中心軸5の上端近くには、半月状のバランスウェイト54が取り付けられ、更に、公転中心軸5の上端には、偏心回転カム55が取り付けられ、この偏心回転カム55の外周面にはボールベアリング56が設けられている。
従って、モーター4を駆動すると公転中心軸5が回転し、偏心回転カム55を偏心回転させるようになっている。
【0013】
内部に粉砕ポット6を取り付けた公転ハウジング60は、図3に示す如く、底付き短円筒状で、その底面中央にボールベアリング56を嵌め入れる円筒状の取付部60aが設けられ、この取付部60a内にボールベアリング56を嵌め入れた後、取付部60aの開口部を公転ハウジング60が偏心回転カム55から脱落しないように塞ぐことにより、公転ハウジング60が偏心回転カム55に回転自在に取り付けられる。
また、この公転ハウジング60の上面は、開閉可能な蓋体61によって閉じられ、この蓋体61を閉じると、粉砕ポット6の上部開口も同時に閉じられるようになっている。蓋体61は、スプリングキャッチ62によって、運転中はその閉鎖状態が維持されるようになっている。
【0014】
公転ハウジング60の公転ガイド機構8は、図5に示したように、アーム80と、ガイドピン81と、案内レール82と、ボールベアリング83とから構成される。
アーム80は、公転ハウジング60の外周面から突出するよう設けられ、その先端に公転ハウジング60の中心軸に平行なガイドピン81が取り付けられている。
ガイドピン81の案内レール82は、基台3に取り付けられている。
ガイドピン81にはボールベアリング83が取り付けられ、ボールベアリング83のアウターケースは、ガイドピン81の中心軸を中心に回転自在であって、案内レール82に沿って滑動するよう構成され、これにより、ガイドピン81は、案内レール82に沿って進退自在に保持される。
【0015】
ここで、公転ハウジング60と公転ガイド機構8の動きについて、図6を併せて参照しつつ説明する。
この連続粉砕装置1を用いて被粉砕物を粉砕する場合、まず、ケース2の開閉蓋20を開け、更に公転ハウジング60の蓋体61を開けて、公転ハウジング60内に設けられた粉砕ポット6の内部に被粉砕物を投入した後、上記蓋体61及びケース2の蓋20を閉じる。以上の準備が完了したら、図示しない制御盤のスイッチを入れる。
スイッチの投入によりモーター4が回転し、これに伴ってVプーリー40及び52の間に掛けられたVベルト53を介して公転中心軸5が回転すると、その軸端に取り付けられた前記偏心回転カム55が、公転ハウジング60の底面の前記円筒状の取付部60a内で偏心状態で高速回転する。
【0016】
このとき、公転ハウジング60に取り付けたアーム80のガイドピン81が案内レール82に沿って往復スライドすることにより、公転ハウジング60を揺動自在に保持しているので、公転ハウジング60が偏心回転カム55の周りで回転するのを防止する。
そのため、運転中、公転中心軸5に固定された偏心回転カム55が偏心回転すると、公転ハウジング60は、図6(A)〜(D)に示す如く公転中心軸5を中心にその周囲を高速で公転運動することになる(図6参照)。
このような公転ガイド機構8の作用により、図7に示す従来装置の如く、粉砕ポット6を、その公転運動に伴って伸縮する2本のコイルスプリングA及びBによって保持するのに比べて、振動や騒音の発生を大幅に低減でき、耐久性も向上するものである。
【0017】
次に、粉砕ポット6、公転ハウジング60、粉体捕集ダクト64、粉体取出部9等の構成について説明する。
図3に示すように、底付き短円筒状の粉砕ポット6は、同様に底付き短円筒状の公転ハウジング60の内部に公転ハウジングと同軸に固定されている。
従って、公転ハウジング60を前記の如く公転中心軸5を中心として公転運動させると、粉砕ポット6にも同様の公転運動が付与される。粉砕ポット6がそのように高速で公転すると、粉砕ポット6の内部に移動自在に収容された円盤状のローター7が遠心力により粉砕ポット6の内壁面に沿って転動し、ローター7の自重と遠心力によって粉砕ポット6内の被粉砕物が粉砕されるものである。
【0018】
公転ハウジングの周壁の高さは粉砕ポット6の周壁の高さと略等しく形成されており、そのため、公転ハウジング60の蓋体61を閉じることによって公転ハウジング及び粉砕ポットの上部開口が同時に閉鎖されるようになっている。
また、公転ハウジング60の内径は粉砕ポットの外径よりも大きく、これにより、粉砕ポット6の外周面と公転ハウジングの内周面の間には粉体捕集ダクト64が形成されるようになっている。
そして、粉砕ポット6の周壁には、図4に示す如く、粉砕ポット内で粉砕された一定粒度以下の粉体を通過させるスクリーン63が取り付けられた粉体通過口6aが形成されている。
この粉体通過口6aのスクリーン63を通過した粉体は、粉砕ポット6の外周面と公転ハウジングの内周面の間に形成された前記粉体捕集ダクト64に集められ、誘導ダクト65を通じて粉体取出部9へ導かれるようになっている。
【0019】
粉体取出部(9)は、誘導ダクト65から自在ホース93を通じて取り出される粉体が、密閉取出室91内へ導かれるようになっている。
密閉取出室91には取出扉92が取り付けられ、図示した実施例においては、この取出扉92の内壁面に受皿載置棚95が取り付けられ、この上に載せた粉体受皿94に、自在ホース93を通じて排出される粉体が受容されるようになっている。
【0020】
而して、本発明においては、粉砕ポット6の外周面と公転ハウジング60の内周面との間に形成される粉体捕集ダクト64に排出された粉体が、誘導ダクト65へ向けて自動的に移動し、密閉取出室91内へ排出されるようにするため、図1に示すように、公転ハウジング60の中心軸及びこれに平行な前記公転中心軸5が、基台3の鉛直軸に対して角度αだけ傾斜するように取り付けられている。
そのため、公転ハウジング60及び粉砕ポット6の底面は、水平面に対して角度αだけ傾斜することになる。
この場合の最適な角度αは、粉体の種類や粒度、公転ハウジングの公転速度等々によって異なるが、一般的には、5〜25度、より望ましくは10〜20度の範囲内の所定角度に設定される。図1に示した実施例においてはα=16度に設定されている。
角度αが5度未満であると、粉体捕集ダクト64から誘導ダクト65へ向けての粉体の移動が円滑に行われず、また、25度を超えると粉砕ポット内でのローターの回動時に振動や騒音が発生し易くなる。
【0021】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、例えば、ガイドピンの外周にはボールベアリングを設けず、ガイドピンを直接案内レールでガイドするようにしてもよく、また、モーターから公転中心軸への動力伝達機構、粉砕ポットの形状や案内レールの形状等は本発明の目的の範囲内で自由に設計変更し得るものであり、本発明はその目的の範囲内において上記の説明から当業者が容易に想到し得る総ての変更実施例を包摂するものである。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明に係る連続粉砕装置は上記の如く構成されるので、本発明によるときは、粉砕過程において所定の粒度まで粉砕された粉体は、粉砕ポットの周壁の粉体通過口に取り付けたスクリーンを通じて粉砕ポット内から取り出され、粉体捕集ダクトを通じて下流側の粉体取出部へ自動的に導かれるので、所定の粒度まで粉砕された粉体が、それ以上粉砕されたり、粉砕作業時に発生する熱によって変質したりするのを防止でき、産業上多大の利用可能性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る連続粉砕装置の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1に示した連続粉砕装置のケースの上半部を取り除いた状態における上面図である。
【図3】図1に示した連続粉砕装置の公転ハウジング及び粉砕ポットの縦断面図である。
【図4】図3に示した公転ハウジング及び粉砕ポットの上面図である。
【図5】図1に示した連続粉砕装置の公転ガイド機構の上面図である。
【図6】図5に示した公転ガイド機構の作動を示す説明図である。
【図7】従来の粉砕ポットの公転ガイド機構の作動を示す説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1 連続粉砕装置
2 ケース
20 ケース開閉蓋
3 基台
4 モーター
40 Vプーリー
5 公転中心軸
50 軸受
51 軸受
52 Vプーリー
53 Vベルト
54 バランスウェイト
55 偏心回転カム
56 ボールベアリング
6 粉砕ポット
6a 粉体通過口
60 公転ハウジング
61 蓋体
62 スプリングキャッチ
63 スクリーン
64 粉体捕集ダクト
65 誘導ダクト
7 ローターストーン
8 公転ガイド機構
80 アーム
81 ガイドピン
82 案内レール
83 ボールベアリング
9 粉体取出部
91 密閉取出室
92 取出扉
93 自在ホース
94 粉体受皿
95 受皿載置棚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口が蓋体によって閉鎖可能な底付き短円筒状の粉砕ポット(6)と、粉砕ポット(6)の内部に移動自在に収容される円盤状のローター(7)と、粉砕ポット(6)を回動自在に支持し、かつ、その中心軸に平行に設けた公転中心軸(5)を中心として公転運動させる駆動機構(4,5,50〜55)と、を具備し、粉砕ポット(6)の公転運動により、ローター(7)に遠心力を与えてこれを粉砕ポット(6)の内壁面に沿って転動させ、ローター(7)の自重と遠心力によって粉砕ポット(6)内の被粉砕物を粉砕する連続粉砕装置において、
上記粉砕ポット(6)が、底付き短円筒状の公転ハウジング(60)内に公転ハウジングと同軸に固定され、公転ハウジング(60)を上記駆動機構(4,5,50〜55)により上記公転中心軸(5)を中心として公転運動させることにより、粉砕ポット(6)にも同様の公転運動が付与され、更に、公転ハウジング(60)の内径は粉砕ポットの外径よりも大きく、公転ハウジングの周壁の高さは粉砕ポット(6)の周壁の高さと略等しく形成され、これにより、公転ハウジング(60)の蓋体(61)を閉じることによって公転ハウジング及び粉砕ポットの上部開口が同時に閉鎖されるよう構成され、粉砕ポット(6)の外周面と公転ハウジングの内周面の間には粉体捕集ダクト(64)が形成されるよう構成されると共に、
公転ハウジング(60)は、当該公転ハウジングの外周面から突出し、先端部に公転ハウジング(60)の中心軸に平行なガイドピン(81)を有するアーム(80)と、当該ガイドピン(81)を滑動自在に案内する案内レール(82)と、から成る公転ガイド機構(8)によって、前記公転中心軸(5)を中心として公転可能なように保持され、
粉砕ポット(6)の周壁には、粉砕ポット内で粉砕された一定粒度以下の粉体を通過させるスクリーン(63)が取り付けられた粉体通過口(6a)が形成され、当該粉体通過口(6a)を通過した粉体は、粉砕ポット(6)の外周面と公転ハウジングの内周面の間に形成された前記粉体捕集ダクト(64)を通じて粉体取出部(9)へ導かれるよう構成され、
更に、上記公転ハウジング(60)の中心軸及びこれに平行な前記公転中心軸(5)が、基台(3)の鉛直軸に対して5度ないし25度傾斜するよう公転ハウジング(60)及びその駆動機構を基台(3)に取り付けることにより、傾斜した粉体捕集ダクト内の粉体が低い箇所へ向けて集められ、上記粉体取出部(9)から取り出されるよう構成されたこと、
を特徴とする粉体分離機能を有する連続粉砕装置。
【請求項2】
上記鉛直軸に対する傾斜角度が10度ないし20度である請求項1に記載の連続粉砕装置。
【請求項3】
ガイドピン(81)が、ボールベアリング(83)を介して案内レール(82)に沿って滑動する請求項1に記載の連続粉砕装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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