説明

粉体塗装装置

【課題】粉体塗料の回収効率を向上させるとともに、塗装ブースから粉体塗料が漏洩することや、外部から塗装ブース内に塵等が進入することを回避する。
【解決手段】底壁34と側壁36、38の間と、上流側壁42及び下流側壁44の各々に形成された導入口46、導出口48の近傍とには、フード部50、52、68、70がそれぞれ設けられる。そして、フード部50、52に形成されたダクトホース接続部54、56、フード部68、70を構成する中空フランジ部72a〜72c、74a〜74dに形成されたダクトホース接続部76a〜76d、78a〜78dから、塗装ブース14内外の大気と、塗装ガン16a〜16eから吐出されてワークWに塗着されなかった未塗着の粉体塗料とが吸引されて粉体塗料回収機構に回収される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体塗料を被塗装物に塗着させることで前記被塗装物に対して塗装を施す粉体塗装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被塗装物に対して塗装を施す一手法として、アース接続された被塗装物を塗装ブース内に搬入し、次に、この塗装ブース内に、帯電された粉体塗料を吐出する、いわゆる粉体塗装が挙げられる。この場合、粉体塗料は、搬送用エアに同伴されて吐出された後、被塗装物と粉体塗料との間の静電作用によって被塗装物に引き寄せられ、最終的に、該被塗装物に塗着される。
【0003】
この種の粉体塗装においては、粉体塗料が塗装ブースの外部に漏洩することを防止するべく、例えば、塗装ブースにエア噴出口を設けてエアカーテンを形成することがある。すなわち、この場合、粉体塗料の流れをエアカーテンによって堰止し、これにより粉体塗料が塗装ブース内に留められる。
【0004】
エアカーテンは、塗装ブースを複数個の作業ブースに仕切るためにも用いられる。この技術に関連し、特許文献1においては、任意の作業ブースに吐出された粉体塗料が隣接する作業ブースに進入することを回避するべく、エアカーテンの近傍にエア吸引口を設け、エア噴出口から噴出されたエアをエア吸引口から吸引する仕切装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−349960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
粉体塗装においては、被塗装物に塗着しなかった粉体塗料を回収し、塗装ブースに戻した上で被塗装物に向けて再吐出することが一般的である。このため、粉体塗料の回収効率を可及的に向上させることが望まれる。
【0007】
ところで、前記特許文献1記載の従来技術は、上記したように前記仕切装置によって塗装ブース内を複数個の作業ブースに区画するようにしており、この場合、粉体塗料は、仕切装置によって形成されたエアカーテンで堰止され、その後、エアとともにエア吸引口に吸引されることになる。しかしながら、特許文献1には、エア吸引口に吸引された後の粉体塗料の回収・再吐出経路について、何ら記載されていない。
【0008】
すなわち、特許文献1記載の従来技術を参照しても、粉体塗料の回収効率を向上させることについての知見を得ることは容易ではない。
【0009】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、簡便な構成で粉体塗料の回収効率を向上させ、しかも、塗装ブースから粉体塗料が漏洩することや、外部から塗装ブース内に塵等が進入することを回避し得る粉体塗装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するために、本発明は、アース接続されて搬送された被塗装物を搬入するとともに、前記塗装物が導入される導入口、及び導出される導出口が形成された塗装ブースと、
前記塗装ブースに設置され、帯電させた粉体塗料を前記被塗装物に対して吐出するための塗装ツールと、
前記塗装ツールから吐出されて前記被塗装物に塗着されなかった未塗着の粉体塗料を吸引するための吸引機構を含む粉体塗料回収機構と、
を備え、
前記導入口及び前記導出口の近傍に、複数個のダクトホース接続部がそれぞれ形成され、
前記未塗着の粉体塗料を、前記塗装ブースの内外の大気とともに前記ダクトホース接続部に接続されたダクトホースから吸引して前記粉体塗料回収機構に回収することを特徴とする。
【0011】
このように、本発明においては、導入口及び導出口の各近傍から塗装ブースの内外の大気を吸引するようにしている。このため、塗装ブースの内方又は外方のいずれか一方の圧力が残余の他方に比して低くなり、いわゆる負圧状態となって塗装ブースから外方への、又はその逆方向の流れが生じたとしても、ダクトホースから塵や未塗着の粉体塗料を回収することが可能となる。従って、塗装ブースの内部と外部の圧力を均衡させることなく、該塗装ブース内から粉体塗料が漏洩することと、外部から塗装ブース内に塵等が混入することの双方を同時に回避することができる。
【0012】
しかも、大気とともに吸引された未塗着の粉体塗料は、粉体塗料回収機構に回収される。その後、適切な再生処理が施された後、前記塗装ツールから再吐出される。従って、粉体塗料の回収効率及び使用効率が大幅に上昇する。
【0013】
前記複数個のダクトホース接続部は、例えば、その中の少なくとも4個を四角形の隅角部に対応する部位に配置するようにすればよい。この場合、塗装ブース内の大気が効率よく前記ダクトホース接続部に向かう。すなわち、いわゆる整流効果が容易に得られる。
【0014】
前記複数個のダクトホース接続部を、前記導入口及び前記導出口近傍のそれぞれに装着されたフードに形成するようにしてもよい。この場合、前記フードを、X字状部位を含めて構成し、該X字状部位の各先端にダクトホース接続部を形成するようにすればよい。
【0015】
さらに、前記塗装ブース中、前記複数個のダクトホース接続部が設けられた端面とは別の端面の底部に、前記ダクトホース接続部とは別のダクトホース接続部を形成し、この別のダクトホース接続部に接続されたダクトホースからも、未塗着の粉体塗料を吸引することが好ましい。このように、複数箇所から粉体塗料を吸引することにより、塗装ブース内に残留する粉体塗料量を著しく低減することができる。このため、粉体塗料の回収効率が一層向上する。
【0016】
いずれの場合においても、前記塗装ツールを2個以上設け、且つその中の少なくとも2個を、互いの吐出口が対向するように前記塗装ブースの側壁に設置することが好ましい。この場合、互いに対向する塗装ツールの一方の吐出口から吐出された粉体塗料に対し、他方の塗装ツールの吐出口から粉体塗料とともに吐出された搬送用エアが干渉する。このため、例えば、塗装ブース内において上方に拡散しようとする粉体塗料が、対向する吐出口から吐出されて上方に拡散しようとする搬送用エアとぶつかり、その結果、粉体塗料は、吐出の際に搬送エアから付与された運動エネルギが相殺された状態となり、被塗装物の周辺に分散浮遊するようになる。
【0017】
下方に拡散しようとする粉体塗料についても同様に、対向する吐出口から吐出されて下方に拡散しようとする搬送用エアとぶつかる。これにより、この粉体塗料も被塗装物の周辺に分散浮遊するようになる。
【0018】
このようにして被塗装物の周辺に分散浮遊するようになった粉体塗料は、静電作用によって被塗装物に引き寄せられる。このため、粉体塗料が該被塗装物に対して効率よく塗着する。すなわち、塗装効率が向上する。
【0019】
しかも、この場合、未塗着の粉体塗料量が低減するので、粉体塗料の回収量及び再生処理量が低減する。このため、再生処理に要するコストを低減することもできる。
【0020】
又は、前記塗装ツールを3個以上設け、且つその中の少なくとも2個を、互いの吐出口が対向するようにして前記塗装ブースにおける前記被塗装物の進行方向に対して略平行方向に延在する両側壁に設置するとともに、前記両側壁に橋架され且つ前記被塗装物の進行方向に対して略平行方向に延在する壁に少なくとも1個の前記塗装ツールを設置するようにしてもよい。
【0021】
この場合、上記した流れの他、塗装ブースの上方から下方に向かう流れ、又はその逆方向の流れが生じる。前記少なくとも1個の前記塗装ツールから吐出された粉体塗料が、前記少なくとも2個の前記塗装ツールから吐出された粉体塗料に衝突するからである。
【0022】
すなわち、例えば、塗装ツールが天井壁に設置されている場合、互いに対向する塗装ツールから吐出されて上方に拡散しようとする粉体塗料が、天井壁に設置された塗装ツールから吐出された搬送用エアによって下方に流される。逆に、塗装ツールが底壁に設置されている場合、互いに対向する塗装ツールから吐出されて下方に拡散しようとする粉体塗料は、底壁に設置された塗装ツールから吐出された搬送用エアによって上方に流される。従って、被塗装物に向かう粉体塗料量が一層増加する一方、再生処理量が一層低減するので、塗装効率が向上するとともに、再生処理に要するコストがさらに低減する。
【0023】
上記した構成においては、塗装ブースを絶縁体で構成することが好ましい。又は、塗装ブースの内壁に絶縁体からなる保護材を設けるようにしてもよい。
【0024】
上述の通り、粉体塗料は静電作用を介して被塗装物に引き寄せられる。これに対し、絶縁体からなる塗装ブース、又は絶縁体からなる保護材では、粉体塗料との間に静電作用が惹起されることが防止される。従って、塗装ツールから吐出された粉体塗料や、被塗装物に付着せずに浮遊した未塗着の粉体塗料等が塗装ブースに引き寄せられることが回避される。このため、被塗装物に付着する粉体塗料の割合が上昇するとともに、未塗着の粉体塗料の回収効率が向上する。
【0025】
しかも、この場合、塗装ブースないしは保護材に粉体塗料が付着し難いので、塗装ブースの内部を清掃することが著しく容易となる。このため、塗装色を変更する際の清掃時間が短縮されるので、サイクルタイムも短縮される。
【0026】
絶縁体の好適な例としては、発泡ポリエステルを挙げることができる。発泡ポリエステルには気泡が多く含まれるので、高い絶縁性を示すからである。すなわち、この場合、粉体塗料が塗装ブースに引き寄せられることを一層回避し得るようになる。
【0027】
いずれの場合においても、塗装ブースの上部の壁を、被塗装物から離間するに従って互いに接近する方向に屈曲又は湾曲形成することが好ましい。塗装ツールから吐出された粉体塗料は、このように屈曲又は湾曲された壁に対して付着し難いからである。従って、例えば、塗装色を変更する際の塗装ブースないし保護材の清掃時間が一層短縮され、その結果、サイクルタイムがさらに短縮される。
【0028】
また、塗装ブースの内部に向かって圧縮気体を吐出する吐出口が形成することが好ましい。これにより、例えば、塗装色を変更する際、該吐出口から圧縮気体を吐出することで、塗装ブースないし保護材に付着した粉体塗料を容易に除去することができるようになる。又は、塗装ツールから粉体塗料を吐出して塗装作業を行っている最中に該吐出口から圧縮気体を塗装ブースの内壁に向かって吐出し、いわゆるエアブローを行うことで清掃を同時に行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、導入口及び導出口の各近傍から塗装ブースの内外の大気を吸引するようにしているので、該塗装ブース内から粉体塗料が漏洩すること、及び外部から塗装ブース内に塵等が混入することを同時に回避することができる。しかも、この場合、塗装ブースの内部と外部の圧力を均衡させる必要は特になく、このため、制御が容易である。
【0030】
また、大気とともに吸引された未塗着の粉体塗料を粉体塗料回収機構に回収し、塗装ツールから再吐出可能な構成としている。従って、粉体塗料の回収効率及び使用効率が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施の形態に係る粉体塗装装置の全体概略斜視図である。
【図2】図1の粉体塗装装置の概略正面縦断面図である。
【図3】図1の粉体塗装装置の概略正面図である。
【図4】図1の粉体装置を構成する塗装ガンの全体概略側面図である。
【図5】別の実施の形態に係る粉体塗装装置の概略正面縦断面図である。
【図6】また別の実施の形態に係る粉体塗装装置の概略正面縦断面図である。
【図7】さらに別の実施の形態に係る粉体塗装装置の概略正面縦断面図である。
【図8】さらにまた別の実施の形態に係る粉体塗装装置の概略正面縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る粉体塗装装置につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図1は、本実施の形態に係る粉体塗装装置10の全体概略斜視図である。この粉体塗装装置10は、被塗装物であるワークWを搬送するための搬送機構12と、前記ワークWが搬入される塗装ブース14と、該塗装ブース14に設置された塗装ガン16a〜16e(塗装ツール)とを備える。
【0034】
搬送機構12は、略逆T字状の支持部材18に支持された搬送用案内レール20と、該搬送用案内レール20に変位自在に支持されたワーク固定台22とを有する。この中、搬送用案内レール20の一側面には凸部24が突出形成され、該凸部24は、前記ワーク固定台22を構成するベース部材26の一側面に形成された係合溝28に係合されている。
【0035】
ベース部材26の他側面には、円柱状部材30が連結されている。さらに、この円柱状部材30の先端部には図示しない載置固定台が設けられ、ワークWはこの載置固定台上に固定されている。
【0036】
ベース部材26は、図示しない駆動機構の作用下に前記搬送用案内レール20に沿って変位する。この変位に伴い、未塗装のワークWが塗装ブース14に対して接近して搬入される一方、塗装済のワークWが塗装ブース14から露呈して離間する。なお、本実施の形態では、ベース部材26は常時変位しており、このため、ワークWは、塗装ブース14内への搬入から搬出に至るまで継続的に移動する。
【0037】
フレーム部材32a〜32dによって支持された塗装ブース14は、図1及び図2に示すように、底壁34と、前記底壁34から略垂直方向に立ち上げられ且つワークWの進行方向に対して略平行に配置された側壁36、38と、これら側壁36、38同士に橋架された天井壁40と、ワークWの進行方向上流側及び下流側をそれぞれ閉塞する上流側壁42及び下流側壁44とを有する。勿論、上流側壁42には、ワークWを塗装ブース14に搬入するための導入口46が形成されており、同様に、下流側壁44には、ワークWを塗装ブース14から露呈するための導出口48が形成されている。
【0038】
図2に示すように、底壁34と側壁36、38の各々との間には若干のクリアランスが形成されており、各クリアランスを閉塞するようにしてフード部50、52がそれぞれ設けられる。これらフード部50、52からは、略円筒形状のダクトホース接続部54、56が若干上向きに傾斜して突出形成されている。これらダクトホース接続部54、56には、図示しないダクトホースがそれぞれ接続される。勿論、前記それぞれのダクトホースは、図示しない粉体塗料回収機構にわたって橋架される。
【0039】
また、底壁34には、略水平方向に延在する水平部58、60と、該水平部58、60から屈曲して天井壁40に向かうように傾斜した2箇所の傾斜部62、64が形成されている。傾斜部62、64同士の間は互いに離間してクリアランス66を形成しており、このクリアランス66に前記円柱状部材30が通される。
【0040】
図1から諒解されるように、この場合、上流側壁42及び下流側壁44の高さ方向寸法及び幅方向寸法は、該上流側壁42及び下流側壁44が側壁36、38及び天井壁40から突出するように設定されている。また、上流側壁42及び下流側壁44の底部端面は前記底壁34と面一に設定され、さらに、上流側壁42及び下流側壁44には、前記傾斜部62、64の端面に当接するととともに前記導入口46及び導出口48の各々を囲繞する中空略四角柱形状のフード部68、70がそれぞれ形成されている。
【0041】
これらフード部68、70の各頂点からは、対角線に沿って延在するようにして中空フランジ部72a〜72d、74a〜74dが互いに略同寸法で突出形成されている。すなわち、これら中空フランジ部72a〜72d、74a〜74dは、フード部68、70において、X字状をなすように設けられている。
【0042】
そして、中空フランジ部72a〜72d、74a〜74dの各先端部には、搬送用案内レール20の延在方向、換言すれば、ワークWの進行方向に沿って、略円筒形状のダクトホース接続部76a〜76d、78a〜78dが形成されている。中空フランジ部72a〜72d、74a〜74dがX字状をなすため、ダクトホース接続部76a〜76d、又はダクトホース接続部78a〜78dの各々を通る仮想線を引いた場合、該仮想線の軌跡によって正方形ないし長方形が形成される。すなわち、ダクトホース接続部76a〜76d、78a〜78dは、仮想的な四角形の頂点に対応する部位に配置されている。
【0043】
これらダクトホース接続部76a〜76d、78a〜78dの各々には、前記ダクトホースとは別のダクトホース(図示せず)がそれぞれ接続され、これらダクトホースの各々も、前記粉体塗料回収機構にわたって橋架されている。
【0044】
中空フランジ部72a〜72d、74a〜74dの内部は、フード部68、70の内部に各々連通する。すなわち、フード部68、70を経て導出された粉体塗料は、中空フランジ部72a〜72d、74a〜74d及びダクトホース接続部76a〜76d、78a〜78dを通過し、さらに、前記ダクトホースを経由して前記粉体塗料回収機構に回収される。
【0045】
以上のように構成された塗装ブース14の内壁には、図2に示すように、保護材79が接合されている。保護材79の材質は、絶縁体であれば特に限定されるものではないが、気泡を含み、このために絶縁性が高い発泡ポリエステルを好適な例として挙げることができる。
【0046】
この場合、側壁36には2個の塗装ガン16a、16bが設置され、側壁38には、前記塗装ガン16a、16bの位置に対応する位置に、塗装ガン16c、16dが設置されている。さらに、天井壁40には1個の塗装ガン16eが設置されている。なお、塗装ガン16a〜16eは全て同一構成であるが、説明の便宜上、互いに別の参照符号を付している。
【0047】
ここで、側壁38に設置された塗装ガン16cの全体概略側面図を図4に示す。この場合、塗装ガン16cは、ガン本体80と、該ガン本体80から放射状に分岐して延在する11本のノズルチューブ82とを有する。ガン本体80及びノズルチューブ82の材質は、これらガン本体80及びノズルチューブ82の内部を摩擦しながら通過する粉体塗料に対して摩擦帯電を生じさせるようなものが選定され、好適な例としては、テトラフルオロエチレンが挙げられる。
【0048】
11本のノズルチューブ82は、1本のチューブ支持部材84によって直列に整列するようにして集束されている。さらに、チューブ支持部材84は側壁38に当接ないし接着されており、且つチューブ支持部材84から突出したノズルチューブ82の各終端は、側壁38に形成された連通孔86に挿入されている。なお、この場合、各終端の先端面は側壁38の内壁に到達しておらず、連通孔86の途中に位置している。
【0049】
後述するように、粉体塗料は、ノズルチューブ82の終端に形成された開口から連通孔86を経て吐出される。すなわち、連通孔86は、吐出口として機能する。
【0050】
勿論、残余の塗装ガン16a、16b、16d、16eも同様に構成されている。従って、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0051】
塗装ガン16a、16b、16d、16eを構成する各々のノズルチューブ82の終端もまた、側壁36又は天井壁40に設けられた連通孔86に挿入されている。塗装ガン16cのノズルチューブ82の終端と同様に、各終端の先端面は側壁36又は天井壁40の内壁に到達しておらず、連通孔86の途中に位置している。
【0052】
そして、図1に示すように、塗装ガン16a、16bと塗装ガン16c、16dは、各々のガン本体80、80同士が略対向するようにして側壁36、38に設置されている。
【0053】
以上の構成において、前記粉体塗料回収機構は吸引機構を有し、従って、前記粉体塗料回収機構が付勢されたときには、塗装ブース14内の大気が前記ダクトホース接続部54、56、76a〜76d、78a〜78dの各々に接続されたダクトホースを介して吸引される。
【0054】
本実施の形態に係る粉体塗装装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その動作並びに作用効果について説明する。
【0055】
はじめに、ワーク固定台22を構成する前記載置固定台の各々にワークWが載置され、その後、該ワークWないしワーク固定台22がアースに対して電気的に接続される。さらに、前記搬送機構12が付勢され、この付勢に伴い、ベース部材26、ひいてはワークWが搬送用案内レール20に沿って塗装ブース14に指向して移動する。
【0056】
同時に、前記粉体塗料回収機構が付勢され、これにより、ダクトホース接続部54、56、76a〜76d、78a〜78dの各々に接続されたダクトホースを介して塗装ブース14内の大気が前記吸引機構の作用下に吸引される。フード部50、52、68、70における吸引速度は、例えば、風速が1〜3m/秒となる程度とすればよい。
【0057】
ワークW及び円柱状部材30は、塗装ブース14の上流側壁42の導入口46、及び傾斜部62、64同士の間のクリアランス66をそれぞれ通過し、塗装ブース14内を所定速度で緩やかに移動する。
【0058】
塗装ブース14内では、この移動に先立ち、塗装ガン16a〜16eに予め供給されていた粉体塗料が搬送用エアに同伴されて吐出されている。なお、粉体塗料は、塗装ガン16a〜16eの各ガン本体80から各ノズルチューブ82の終端の開口に至るまでの間に、これらガン本体80及びノズルチューブ82に対して摺接し、この際の摩擦によって帯電する。すなわち、粉体塗料は、帯電した状態で前記開口を通過した後に連通孔86(吐出口)から吐出され、塗装ブース14内に噴霧される。
【0059】
上記したように、ワークWは、直接、又はワーク固定台22を介して間接的にアース接続されている。このため、帯電した状態で吐出された粉体塗料は、静電作用によってワークWに引き寄せられ、その結果、該ワークWに塗着される。
【0060】
その一方で、塗装ブース14内に噴霧された粉体塗料の一部は、搬送用エアが塗装ブース14内に拡散することに伴って拡散する。通常の粉体塗装装置では、例えば、天井壁40に向かって拡散した粉体塗料に付与された搬送用エアによる運動エネルギが、前記静電作用によってワークWに向かおうとする運動エネルギに比して大きく、このため、この拡散した粉体塗料を塗着させることは容易ではない。
【0061】
しかしながら、本実施の形態においては、塗装ガン16aに対して塗装ガン16cを略対向する位置に配設している。このため、図3に示すように、塗装ガン16aから吐出・噴霧された粉体塗料及び搬送用エアの流れが、塗装ガン16cから吐出・噴霧された粉体塗料及び搬送用エアの流れにぶつかる。換言すれば、塗装ガン16a、16cからの吐出パターン同士が干渉する。勿論、塗装ガン16b、16dにおける吐出パターン同士についても同様である。
【0062】
このため、塗装ブース14内では、天井壁40に向かって拡散した粉体塗料及び搬送用エア同士がぶつかり合い、その結果、粉体塗料が、吐出の際に搬送エアから付与された運動エネルギが相殺された状態となる。このため、粉体塗料は、ワークWの周辺で分散浮遊する。
【0063】
しかも、本実施の形態においては、天井壁40に塗装ガン16eが設置されている。この塗装ガン16eにおける吐出パターンは、塗装ガン16a〜16dから吐出されて上方に拡散しようとする粉体塗料及び搬送用エアに干渉し、該粉体塗料及び搬送用エアの天井壁40に向かうそれ以上の拡散を抑制する。この干渉によって、分散浮遊した粉体塗料がワークW側に向かって流される。
【0064】
その一方で、底壁34に向かって拡散した粉体塗料及び搬送用エア同士もぶつかり合い、これにより、粉体塗料がワークWの周辺で分散浮遊した状態となる。
【0065】
また、傾斜部62、64が、底壁34に向かって拡散する粉体塗料及び搬送用エアの流れに対していわゆる邪魔板として機能し、これによって上方のワークW側に向かう流れが生じる。
【0066】
以上のように、本実施の形態によれば、側壁36、38の連通孔86、86同士、すなわち、塗装ガン16a〜16dの吐出口同士を互いに略対向する位置に形成し、これにより該連通孔86、86を介して吐出・噴霧される吐出パターン同士が干渉するようにするとともに、天井壁40にも、その吐出パターンが塗装ガン16a〜16dの吐出パターンに干渉する塗装ガン16eを設置するようにしている。このため、粉体塗料の運動エネルギを喪失させ、静電作用によってワークW側に引き寄せられ易い状態とすることができる。
【0067】
加えて、本実施の形態においては、塗装ブース14の内壁に、発泡ポリエステル等の絶縁体からなる保護材79が設けられている。保護材79が絶縁体であるため、粉体塗料との間に静電作用が機能することが防止される。このため、粉体塗料がワークW側に一層引き寄せられ易くなる。
【0068】
すなわち、この場合、塗装ブース14内に吐出・噴霧された粉体塗料の大部分をワークWに指向して移動させることができる。従って、ワークWに対する塗装効率が向上するので、通常の塗装ブースで粉体塗装を行う場合に比して、未塗着の粉体塗料量が低減する。
【0069】
しかも、上記したように、粉体塗料が分散浮遊した後に静電作用を介して被塗装物に付着するので、被塗装物の形状に関わらず、該被塗装物の全体にわたって塗膜の厚みが略一定となる。すなわち、厚みが略均一な塗膜を得ることも容易である。
【0070】
また、例えば、塗装ツールを保持したロボット等を用いて静電塗装を行う場合に塗膜の厚みを略一定にするためには、それに応じた軌跡を作成するべく、ロボットに対して厳密なティーチングを行う必要がある。しかしながら、本実施の形態によれば、そのような厳密なティーチングを行うことなく、塗膜の厚みを略一定とすることができる。すなわち、煩雑な作業が不要となり、被塗装物への静電塗装を容易に実施することが可能となる。
【0071】
このようにして粉体塗装が行われている間、上記したように塗装ブース14内の大気が吸引されている。このため、塗装ブース14内に吐出された粉体塗料がフード部68、70を介して漏洩することが防止される。また、導入口46及び導出口48を介して塗装ブース14に進入しようとする大気は、フード部68、70に形成されたダクトホース接続部76a〜76d、78a〜78dに接続された前記ダクトホースを介して吸引される。従って、外部から塗装ブース14内に塵等が混入することが回避される。
【0072】
このように、フード部68、70にダクトホース接続部76a〜76d、78a〜78d、換言すれば、吸引口を設けるようにしたことによって、塗装ブース14の内部と外部の圧力を均衡させることなく、塗装ブース14内から粉体塗料が漏洩すること、及び外部から塗装ブース14内に塵等が混入することの双方を回避することが可能となる。
【0073】
また、上記したように、ダクトホース接続部76a〜76d、78a〜78dは、四角形の頂点に対応する部位に位置する。このため、塗装ブース14内外の大気は、ダクトホース接続部76a〜76d、78a〜78dに効率よく吸い寄せられる。すなわち、四角形の頂点に対応する部位にダクトホース接続部76a〜76d、78a〜78dを設けたことにより、いわゆる整流効果が得られる。
【0074】
未塗着の粉体塗料の大部分は、ダクトホース接続部54、56に接続された別のダクトホースを介して吸引されるが、一部は、前記ダクトホース接続部76a〜76d、78a〜78dに接続された前記ダクトホースを介して吸引される。以上のようにしてダクトホース接続部54、56、76a〜76d、78a〜78dを介して吸引された粉体塗料は、最終的に、前記粉体塗料回収機構に回収される。
【0075】
すなわち、本実施の形態では、塗装ブース14の底部両側方と、導入口46及び導出口48の各近傍から粉体塗料を吸引・回収するようにしている。このように、塗装ブース14の複数箇所から粉体塗料を回収する構成としたことにより、塗装ブース14内に残留する粉体塗料量が少なくなる。換言すれば、回収効率が向上する。
【0076】
勿論、回収された粉体塗料は、適切な再生処理を経た後、吐出機構に戻されて塗装ガン16a〜16eのいずれかから再吐出される。このため、回収効率の向上と相俟って、粉体塗料の使用効率が向上する。
【0077】
この場合、上記したように未塗着の粉体塗料量が少ないので、回収すべき粉体塗料の量も少ない。このため、該粉体塗料を再使用するための再生処理量が少なくなるのでコスト的に有利である。
【0078】
ここで、ワークWに付着することなく浮遊した未塗着の粉体塗料についても上記と同様に、保護材79との間に静電作用が機能することが防止される。このため、未塗着の粉体塗料が保護材79に付着することも回避され、ダクトホース接続部54、56及び前記ダクトホースを介して前記回収機構に効率よく回収される。すなわち、未塗着の粉体塗料の回収率が向上する。
【0079】
しかも、本実施の形態においては、塗装ガン16a〜16eを構成するガン本体80やノズルチューブ82が塗装ブース14内に露呈していない。このため、粉体塗料が塗装ガン16a〜16eに塗着することがないので、塗装ガン16a〜16eのメンテナンス頻度が著しく低減する。結局、塗装ガン16a〜16eに対してメンテナンスを行うべく塗装作業を中断する頻度が低減するので、ワークWに対する塗装作業効率も向上する。
【0080】
このようにしてワークWに対する塗装がなされた後、前記ベース部材26の継続的な変位に伴い、塗装済のワークWが下流側壁44の導出口48を通過して塗装ブース14から露呈する(搬出される)に至る。
【0081】
ワークWに対する塗装色を変更する場合には、それに応じた粉体塗料を選定すればよい。この際、一般的な塗装ブースでは、残留した粉体塗料が新たな粉体塗料に混入して色濁りが生じることを回避するべく、新たな粉体塗料を吐出する前に清掃を行う必要がある。これに対し、本実施の形態によれば、上記したように保護材79に対して粉体塗料が付着することが回避されるので、保護材79、ひいては塗装ブース14の内部の汚れは僅かである。従って、簡素な清掃を行うのみでよく、このため、清掃作業に要する時間も短縮される。これに伴い、サイクルタイムも短縮する。
【0082】
この際には、天井壁40に設置された塗装ガン16eからエアのみを供給し、これにより、塗装ブース14の内壁を構成する保護材79に付着した粉体塗料を除去することもできる。
【0083】
又は、塗装ブース14及び保護材79を貫通する吐出口を形成し、この吐出口から、圧縮エアや圧縮窒素等の圧縮気体を吐出して保護材79(塗装ブース14の内壁)に付着した粉体塗料を除去するようにしてもよい。なお、吐出口を設ける場合、上記した塗装作業を行うと同時に、吐出口から吐出された圧縮気体によって保護材79(塗装ブース14の内壁)に対するエアブローを行うこともできる。
【0084】
なお、上記した実施の形態においては、導入口46及び導出口48の近傍に各々4個のダクトホース接続部76a〜76d、78a〜78d(排気口)を設けるようにしているが、排気口の個数は特にこれに限定されるものではなく、例えば、6個であってもよいし8個であってもよい。勿論、それ以外の個数であってもよい。
【0085】
また、フード部68、70を設けることは必須ではなく、上流側壁42及び下流側壁44における導入口46及び導出口48の近傍に排気口を直接形成するようにしてもよい。
【0086】
さらに、底壁34にクリアランス66を設け、このクリアランス66に通された円柱状部材30にワークWを支持することに代替し、天井壁40にクリアランスを設けるとともに、このクリアランスに通された懸吊部材にワークWを支持して塗装ガン16eを底壁34に設けるようにしてもよい。この場合は、ワークWに対する塗装色を変更する際に清掃を行うとき、該塗装ガン16eから吸引を行うことも可能である。
【0087】
いずれの場合においても、天井壁40又は底壁34に塗装ガン16eを設けることは必須ではない。すなわち、塗装ガン16eを割愛して粉体塗装装置を構成するようにしてもよい。また、塗装ガン16a、16bのガン本体80に対して塗装ガン16c、16dのガン本体80をそれぞれ略対向させる必要も特にない。
【0088】
さらにまた、上記の摩擦帯電に代替し、コロナ帯電によって粉体塗料を帯電させるようにしてもよい。
【0089】
そして、塗装ブース14の内壁に保護材79を設けることに代替し、図5に示すように、絶縁体からなる塗装ブース90を含むようにして粉体塗装装置10を構成するようにしてもよい。この場合においても、塗装ブース14の内壁に保護材79を設ける場合と同様の効果が得られる。勿論、絶縁体の好適な例としては発泡ポリエステル等を挙げることができる。
【0090】
なお、本発明は、塗装ブース14の内壁に保護材79を設ける場合や、絶縁体からなる塗装ブース90を設ける場合に限定されるものではない。すなわち、例えば、図6に示すように、導電体からなる塗装ブース14のみを設ける場合も本発明に含まれる。
【0091】
この場合においても、上記したように、塗装ガン16a、16bに対して塗装ガン16c、16dを略対向する位置に配設していることから、粉体塗料の運動エネルギが喪失し、その結果、該粉体塗料が静電作用によってワークW側に引き寄せられ易い状態となる。このため、塗装ブース14の内壁に粉体塗料が付着することを十分に回避することができる。
【0092】
さらにまた、塗装ブースは、図7に示すように、上部の壁が被塗装物であるワークWから離間するに従って互いに接近する方向に屈曲形成された塗装ブース92であってもよいし、図8に示すように、湾曲形成された塗装ブース94であってもよい。このような形状とした場合、該壁に対し、塗装ガン16a〜16eから吐出された粉体塗料が付着することが困難となる。従って、例えば、塗装色を変更する際の塗装ブース92、94の内壁、保護材79を設けた場合には該保護材79に対する清掃が一層容易となる。換言すれば、清掃時間が一層短縮され、その結果、サイクルタイムがさらに短縮される。
【0093】
図7及び図8においては、塗装ブース92、94を導電体で構成した場合を例示して示しているが、図1と同様に、各内壁に保護材79を設置するようにしてもよいし、図5と同様に、塗装ブース92、94を絶縁体で構成するようにしてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0094】
10…粉体塗装装置 12…搬送機構
14、90、92、94…塗装ブース 16a〜16e…塗装ガン
34…底壁 36、38…側壁
40…天井壁 50、52、68、70…フード部
54、56、76a〜76d、78a〜78d…ダクトホース接続部
66…クリアランス
72a〜72d、74a〜74d…中空フランジ部
79…保護材 80…ガン本体
82…ノズルチューブ 84…チューブ支持部材
86…連通孔 W…ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アース接続されて搬送された被塗装物を搬入するとともに、前記塗装物が導入される導入口、及び導出される導出口が形成された塗装ブースと、
前記塗装ブースに設置され、帯電させた粉体塗料を前記被塗装物に対して吐出するための塗装ツールと、
前記塗装ツールから吐出されて前記被塗装物に塗着されなかった未塗着の粉体塗料を吸引するための吸引機構を含む粉体塗料回収機構と、
を備え、
前記導入口及び前記導出口の近傍に、複数個のダクトホース接続部がそれぞれ形成され、
前記未塗着の粉体塗料を、前記塗装ブースの内外の大気とともに前記ダクトホース接続部に接続されたダクトホースから吸引して前記粉体塗料回収機構に回収することを特徴とする粉体塗装装置。
【請求項2】
請求項1記載の粉体塗装装置において、前記複数個のダクトホース接続部中の少なくとも4個が、四角形の隅角部に対応する部位に配置されていることを特徴とする粉体塗装装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の粉体塗装装置において、前記複数個のダクトホース接続部は、前記導入口及び前記導出口近傍のそれぞれに装着されたフードに形成されていることを特徴とする粉体塗装装置。
【請求項4】
請求項3記載の粉体塗装装置において、前記フードにX字状部位が含まれ、前記複数個のダクトホース接続部が前記X字状部位の各先端に形成されていることを特徴とする粉体塗装装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉体塗装装置において、前記塗装ブース中の前記複数個のダクトホース接続部が設けられた端面とは別の端面の底部に、前記ダクトホース接続部とは別のダクトホース接続部がさらに形成され、前記未塗着の粉体塗料を前記別のダクトホース接続部に接続されたダクトホースからも吸引して前記粉体塗料回収機構に回収することを特徴とする粉体塗装装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉体塗装装置において、前記塗装ツールを2個以上有し、且つその中の少なくとも2個が、互いの吐出口が対向するように前記塗装ブースの側壁に設置されることを特徴とする粉体塗装装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉体塗装装置において、前記塗装ツールを3個以上有し、且つその中の少なくとも2個が、互いの吐出口が対向するようにして前記塗装ブースにおける前記被塗装物の進行方向に対して略平行方向に延在する両側壁に設置されるとともに、前記両側壁に橋架され且つ前記被塗装物の進行方向に対して略平行方向に延在する壁に少なくとも1個の前記塗装ツールが設置され、前記少なくとも1個の前記塗装ツールから吐出された粉体塗料が、前記少なくとも2個の前記塗装ツールから吐出された粉体塗料に衝突することを特徴とする粉体塗装装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の粉体塗装装置において、前記塗装ブースが絶縁体から構成されたものであることを特徴とする粉体塗装装置。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の粉体塗装装置において、前記塗装ブースの内壁に絶縁体からなる保護材が設けられたことを特徴とする粉体塗装装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の粉体塗装装置において、前記塗装ブースの上部の壁が前記被塗装物から離間するに従って互いに接近する方向に屈曲又は湾曲形成されたことを特徴とする粉体塗装装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の粉体塗装装置において、前記塗装ブースの内部に向かって圧縮気体を吐出する吐出口が形成されたことを特徴とする粉体塗装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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