説明

粉末油脂組成物

【課題】ポークエキスを原材料として用い、乳化安定性に優れた粉末油脂を提供する。
【解決手段】油脂、ポークエキス、グリセリン有機酸脂肪酸エステル及び賦形剤を含有することを特徴とする粉末油脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粉末油脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末油脂組成物は、一般的に油脂を乳化剤やカゼインナトリウム、ゼラチンなどの蛋白質あるいは澱粉分解物などとを水に乳化させて水中油型乳化物とし、これを噴霧乾燥し粉末化して得られ、例えば、主として油溶性成分と水溶性成分とからなる組成物を均質乳化し次いで粉末乾燥することによって粉末油脂を製造するにあたり、油溶性成分50〜92重量%、水溶性成分としてのたんぱく質1〜15重量%、炭水化物1〜49重量%、繊維質0〜5重量%の割合で配合することを特徴とする粉末油脂の製法(特許文献1)が開示されている。しかし、従来カゼインナトリウムやゼラチンを使用した粉末油脂組成物は風味の面で好ましくないという欠点が指摘されている。
【0003】
一方、蛋白質を含有するものとして風味に優れたポークエキスが知られており、カゼインナトリウムやゼラチンに替えてポークエキスを用いた風味に優れた粉末油脂組成物が期待されている。しかし、ポークエキスを用いた粉末油脂組成物は乳化安定性が十分でなくその解決が望まれている。
【0004】
【特許文献1】特開昭50−110403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ポークエキスを原材料として、乳化安定性に優れた粉末油脂を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、ポークエキスを原材料として粉末油脂組成物を製造する際、乳化剤としてグリセリン有機酸脂肪酸エステルを用いることにより、乳化安定性に優れた粉末油脂組成物が得られることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、油脂、ポークエキス、グリセリン有機酸脂肪酸エステル及び賦形剤を含有することを特徴とする粉末油脂組成物、からなっている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の粉末油脂組成物は、乳化安定性が良好で且つ保管時の粉質も優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の粉末油脂組成物は、ポークエキス、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、賦形剤などを含む水溶液に油脂を加えて乳化し、水中油型乳化物とした後に乾燥し粉末状として得られるものである。
【0009】
本発明に用いられる油脂としては、食用に適した油脂が用いられ、例えば、牛脂、豚脂、鶏脂、魚油などの動物性油脂、およびこれらの硬化油;大豆油、ごま油、落花生油、とうもろこし油、なたね油、こめ油、やし油、パーム油などの植物性油、およびこれらの硬化油などが挙げられる。これらは1種類又は2種類以上の混合物として使用することができる。
【0010】
本発明の粉末油脂組成物100質量%中に含まれる油脂は、約50〜85質量%、好ましくは約50〜80質量%、より好ましくは約50〜75質量%含まれるのが良い。油脂が約50質量%より少なくなると油脂由来のコク味が弱くなり、約85質量%より多いと乳化安定性が悪くなり好ましくない。
尚、本発明でいう油脂の含有量は、固形分換算した粉末油脂組成物100質量%中に含まれる量をいう。
【0011】
本発明で用いられるポークエキスは、豚肉および/または豚骨を含有する原料から水などの溶媒で加熱、抽出して得られるものをいう。また、市販されているポークエキスを用いることもできる。豚肉および/または豚骨を含有する原料としては、豚を屠殺した後の屠体を鋸などで分割した骨付き肉(以下枝肉という)、精製肉、および枝肉から精製肉を製造する際に副産物として生じる肉片が付着した骨(以下「ガラ」という)などが挙げられ、これらを混合して用いることができる。
精製肉の部位は特に限定されないが、例えば、肩、肩ロース、ロース、ヒレ、バラ、モモ、外モモなどがあげられる。ガラとしては、足の部分の骨を含むゲンコツ、アバラ骨や背骨や頭部の骨を含むガラがあげられる。
【0012】
ポークエキスを抽出する際に用いられる抽出媒体は、水性媒体であれば特に制限はなく水が好ましく用いられ、エタノールなどを含有する水溶液を使用してもよい。
抽出媒体と豚肉および/または豚骨を含有する原料の量は、原料、抽出方法などに応じて適宜選択すればよいが、例えば原料100質量部に対して抽出媒体約50〜1000質量部、好ましくは約100〜300質量部である。
【0013】
ポークエキスの抽出装置は、原料からエキス分を抽出できるものであればいずれの装置を用いてもよい。例えば常圧釜、加圧釜、ホットニーダーなどの加熱装置があげられる。ポークエキスの抽出温度は、良好な風味の発現の点から約98〜150℃、好ましくは約98〜135℃、より好ましくは約105〜130℃である。抽出温度が約98℃よりも低いと、ポークエキスの風味に生臭さが強くなり、それを使用した粉末油脂組成物の風味が劣り、約150℃よりも高いとポークエキスが焦げ臭いものとなり、それを使用した粉末油脂組成物の風味が劣るため、好ましくない。
抽出時間は、原料からポークエキスを抽出できる時間であればいずれでもよいが、約1〜48時間、好ましくは約1.5〜24時間、より好ましく約2〜12時間である。
【0014】
豚肉および/または豚骨を含有する原料を抽出媒体でエキス分を抽出した後、不溶性の固形分を除去して抽出液を得る。固形分の除去方法は、静置もしくは遠心操作による沈降分離、またはケーク濾過、清澄濾過もしくは遠心濾過などの一般的な固液分離方法により抽出液を得ることができる。上記抽出液には、抽出時に生じる脂分が混入していてもよいが、固液分離時に3層分離機などで脂分を分離・除去しておくことが好ましい。
【0015】
得られた抽出液を濃縮する場合、加熱濃縮、逆浸透濃縮、減圧濃縮、凍結濃縮などのいずれの方法でもよいが、品質とコストを考慮した場合、減圧濃縮が好ましく用いられる。濃縮率は特に制限されないが、濃縮率が上がると粘度が上昇し作業性が悪くなることから、濃縮液中の固形分含量を約50質量%以下とすることが好ましい。
【0016】
上記抽出液や抽出液を濃縮して得られたポークエキスには、水溶性アミノ酸、ペプチドなどが含まれており、精製されたゼラチンとは異なるものである。
【0017】
本発明の粉末油脂組成物100質量%中に含まれるポークエキス(固形分として)は、約5〜48.5質量%、好ましくは約5〜45質量%、より好ましくは約10〜40質量%含まれるのがよい。ポークエキス由来の固形分が約3質量%よりも少ないと乳化安定性が悪くなり、約48.5質量%よりも多いと粉末油脂組成物中の油脂含量が下がり油脂由来のコク味が弱くなると同時にコストがかかり経済的に好ましくない。
尚、本発明でいうポークエキス(固形分として)の含有量は、固形分換算した粉末油脂組成物100質量%中に含まれる量をいう。
【0018】
本発明に用いられるグリセリン有機酸脂肪酸エステルは、通常グリセリンモノ脂肪酸エステルと有機酸若しくは有機酸の酸無水物との反応、またはグリセリンと有機酸と脂肪酸との反応により得ることができる。反応に用いられる有機酸としては、酢酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、ジアセチル酒石酸などが挙げられる。構成脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖状の飽和または不飽和脂肪酸が挙げられ、好ましくは炭素数16〜18の直鎖状の飽和または不飽和脂肪酸である。
グリセリン有機酸脂肪酸エステルは、具体的には例えば、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらグリセリン有機酸脂肪酸エステルは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができ、好ましくはグリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルである。
【0019】
グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルの製法の概略を例示すると以下の通りである。即ち、グリセリンモノ脂肪酸エステルを溶融し、これにジアセチル酒石酸の酸無水物を加え、温度120℃前後で約90分間反応する。グリセリンモノ脂肪酸エステルとジアセチル酒石酸の酸無水物との比率はモル比で1/1〜1/2が好ましい。さらに、反応中は生成物の着色、臭気を防止するために、反応器内を不活性ガスで置換する方が好ましい。得られたグリセリンモノ脂肪酸エステルとジアセチル酒石酸の酸無水物との反応物は、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルの他に、ジアセチル酒石酸、未反応のグリセリンモノ脂肪酸エステル、その他を含む混合物である。
【0020】
本発明の粉末油脂組成物100質量%中に含まれるグリセリン有機酸脂肪酸エステルは、約0.05〜1質量%、好ましくは約0.1〜0.5質量%含まれるのが良い。グリセリン有機酸脂肪酸エステルが約0.05質量%よりも少ないと乳化安定性が悪くなり、約1質量%よりも多いと同様に乳化安定性が悪くなり好ましくない。
尚、本発明でいうグリセリン有機酸脂肪酸エステルの含有量は、固形分換算した粉末油脂組成物100質量%中に含まれる量をいう。
【0021】
本発明で用いられる賦形剤としては、糖類、澱粉類、増粘多糖類・ガム質などが挙げられる。糖類としては例えば、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、ショ糖、デキストリン、コーンシロップなどが挙げられる。澱粉類としては例えば、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉などや加工澱粉(エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉、酸化処理澱粉、酸処理澱粉、湿熱処理澱粉など)などが挙げられる。増粘多糖類・ガム質としては例えば、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、アラビアガム、ペクチンなどが挙げられる。これらは、1種類又は2種類以上の混合物として使用することができ、好ましくはデキストリンが挙げられる。
【0022】
本発明の粉末油脂組成物100質量%中に含まれる賦形剤は、約0.1〜44質量%、好ましくは約1〜35質量%、より好ましくは約1〜25%含まれるのが良い。賦形剤が約50質量%より多いと、粉末油脂組成物中の油脂含量が下がり油脂由来のコク味が弱くなる場合があり好ましくない。
尚、本発明でいう賦形剤の含有量は、固形分換算した粉末油脂組成物100質量%中に含まれる量をいう。
【0023】
本発明の粉末油脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で他の任意の成分を含んでも良い。例えば、酸化防止剤、調味料、香辛料、乳化剤などが挙げられる。乳化剤としては、例えばモノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0024】
本発明の粉末油脂組成物の製造方法としては、特に制限されず、自体公知の方法を用いることができる。以下に、好ましい粉末油脂の製造方法を例示する。例えば、ポークエキス、グリセリン有機酸脂肪酸エステル及び賦形剤を水に加え、約50〜80℃、好ましくは60〜70℃に加熱して分散または溶解し水相とする。該水相を撹拌しながら、この中に約50〜80℃、好ましくは約60〜70℃に加熱した油脂を加え乳化することにより水中油型乳化物を作製する。該水中油型乳化物は所望により更に均質化工程や殺菌処理工程を行うことができる。
【0025】
上記油脂と水相とを乳化するための装置としては特に限定されず、例えば、攪拌機、加熱用のジャケット及び邪魔板などを備えた通常の攪拌・混合槽を用いることができる。装備すれ攪拌機攪拌機としては、例えばTKホモミクサー(プライミクス社製)またはクレアミックス(エムテクニック社製)などの高速回転式ホモジナイザーが好ましく用いられる。該ホモジナイザーによる乳化条件としては、例えば実験室用の小型機では、回転数約6000〜20000rpm、撹拌時間約10〜60分間が例示できる。
【0026】
次に、上記装置で乳化した液を均質化するため、高圧式均質化処理機として、例えばAPVゴーリンホモジナイザー(APV社製)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)またはナノマイザー(大和製罐社製)などを好ましく使用することができる。該均質化処理機による乳化条件(圧力)としては、装置の仕様により異なり一様ではないが、例えば約5〜30MPaを例示できる。均質化処理により、液中の脂質は微細化し、平均粒子径が約1μm程度となり均一に分散した状態になる。更に、上記均質化処理機に代えて、例えば超音波乳化機などの均質化処理機を用いてもよい。
【0027】
上記殺菌処理する方法としては特に限定されず、例えば、高温短時間殺菌法および超高温殺菌法などが挙げられる。高温短時間殺菌法による殺菌条件としては、72℃で15秒間、または80〜85℃で10〜15秒間などが例示される。また、超高温殺菌法による殺菌条件としては、120〜130℃で2秒間、または150℃で1秒間などが例示される。殺菌処理する装置としては、通常伝熱性の優れたプレート式熱交換器(例えば、岩井機械工業社製など)が好ましく用いられる。殺菌処理済み液は、所望により再度均質化処理機を通すこともできる。
【0028】
作製された水中油型乳化物を乾燥することにより粉末油脂組成物を得ることができる。得られた粉末油脂組成物の水分含量は、品質保持の観点から5%以下が好ましい。ここで水分含量は、常圧加熱乾燥法(対象物3gを105℃で2時間乾燥した際の減量分を測定する方法)による測定である。
上記水中油型乳化物を乾燥するための装置としては特に制限されず、例えば噴霧乾燥機、ドラム乾燥機、真空乾燥機などを用いることができるが、噴霧乾燥機が好ましく用いられる。噴霧乾燥機の乾燥条件としては、例えば実験用小型機では、送風温度約160〜180℃、排風温度約80〜100℃が例示できる。
【0029】
本発明の粉末油脂組成物は、粉末スープ、粉末ソース、スナックシーズニング、調味料、ハムやソーセージなどの畜肉加工品などに用いられ。製品や目的によっても異なるが、例えば製品中に1〜90質量%配合することができる。
【実施例】
【0030】
以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
【0031】
[ポークエキスの製造]
加圧釜(型式:RCS−180/20S型;日阪製作所社製)に水200kgと豚ガラ100kgを入れ、115℃で4時間熱水抽出した後、遠心濾過機(型式:MP−5PY−1型;巴工業社製)で抽出液と油脂層を分離した。抽出液の固形分含量は4質量%であった。抽出液の一部(約50kg)をエバポレータ(型式:N−1000;東京理化器械社製)で55℃・約2時間で濃縮し、ポークエキス(試作品1)約5kgを得た。得られポークエキスの固形分含量は約35質量%であった。
【0032】
[粉末油脂組成物の製造]
(1)原材料
油脂(商品名:純正ラード;ミヨシ油脂社製)
ポークエキス1(試作品1 固形分含量約35%)
ポークエキス2(商品名:ポークエキスG;理研ビタミン社製 固形分含量約56%)
乳化剤1:グリセリンコハク酸脂肪酸エステル(商品名:ポエムB−20;理研ビタミン社製)
乳化剤2:グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル(商品名:パノダンAMV/B;ダニスコ社製)
乳化剤3:モノグリセリン脂肪酸エステル(商品名:エマルジーP−100;理研ビタミン社製)
乳化剤4:ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムDS−100A;理研ビタミン社製)
乳化剤5:レシチン(商品名:日清レシチンDX;日清オイリオ社製)
賦形剤:デキストリン(商品名:パインデックス#3;松谷化学社製)
<ポークエキスの固形分含量の測定方法>
固形分含量の測定方法は、ポークエキス質量から水分含量を除くことで求めることができる。対象物3gを105℃で3時間乾燥した後の質量を測定する方法にて計算した。乾燥前の対象物質量(3g)と乾燥後の対象物の質量とから以下の式にて対象物の水分量を算出する。
固形分含量(質量%)=(乾燥後質量/乾燥前質量)×100(2)水中油型乳化物、粉末油脂組成物の配合
水中油型乳化物を作製した後に、噴霧乾燥して粉末油脂組成物を得た。
上記原材料を用いて作製した水中油型乳化物の配合組成を表1に示した。
【0033】
【表1】

【0034】
(3)水中油型乳化物の作製
表1に示した配合に基づいて水中油型乳化物を作成した。
表1の水相部に記載の各原材料を加え混合し、液温を70℃とした後にT.K.ホモミキサー(型式:MARK II型 f−model;プライミクス社製)7000rpmで3分撹拌して均一な水相を調製した。次に70℃に加温した精製ラードを添加しながら7000rpmで撹拌し、精製ラード添加後に10000rpmで20分撹拌し、水中油型乳化物を得た。
(4)粉末油脂組成物の作製
得られた水中油型乳化物をスプレードライヤ(型式:L−8i;大川原化工機社製)を使用して、噴霧乾燥(送風温度170℃、排風出口温度90℃)し粉末油脂組成物(実施例品1〜5、比較例品1〜4)を得た。
粉末油脂組成物の仕込み量の比率(ポークエキスは固形分換算)を表2に示した。また、粉末油脂組成物の水分含量(質量%)を表3に示す。
【0035】
【表2】

【0036】
【表3】

【0037】
[粉末油脂組成物の評価1:乳化安定性]
300mlビーカーに約85℃の湯100mlをとり、マグネチックスターラー(型式:SR−350;アドバンテック東洋社製)と6cmの撹拌子を用いて約60rpmで撹拌しながら、得られた粉末油脂組成物(実施例品1〜5及び比較例品1〜4)10gを加えた。約30秒間撹拌して粉末油脂組成物を分散し、乳化安定性を表4の評価基準で目視にて確認した。評価結果を表6に示す。
【0038】
【表4】

【0039】
[粉末油脂組成物の評価2:粉質]
得られた粉末油脂組成物50gをポリ袋(12cm×17cm)に入れ密封し、恒温器(40℃)に2週間保存した後の粉質を表5の評価基準で評価した。評価結果を表6に示す。
【0040】
【表5】

【0041】
【表6】

実施例品1〜5は、乳化安定性、風味、粉質の評価が非常に良好、または良好であった。比較例品1〜4は風味の評価は良好であるが、乳化安定性、粉質の評価の両方又はいずれかは不良、または非常に不良であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油脂、ポークエキス、グリセリン有機酸脂肪酸エステル及び賦形剤を含有することを特徴とする粉末油脂組成物。

【公開番号】特開2010−51183(P2010−51183A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−216755(P2008−216755)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(390010674)理研ビタミン株式会社 (236)
【Fターム(参考)】