説明

粉砕装置

【課題】粉砕装置内の温度上昇を抑制し、粉砕品をより高い製品能力で得ることができる粉砕装置を提供する。
【解決手段】内部に冷媒流路21を備えケーシング2の軸心周りで回転駆動されるロータ20は、外周にピンハンマ20Gaを備えた第一粉砕部と、外周に凹凸部20Gbを備えた第二粉砕部とからなり、第二粉砕部の凹凸部20Gbは切り欠き部24によって分割されていることにより、気流や被処理物がロータ20と接触する面積が増加し、効果的に冷却される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱物、食品、樹脂などを温度上昇を抑えながら効率よく粉砕できる粉砕装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一つのケーシング内に粗粉砕部と微粉砕部とを備えた粉砕機として、例えば特許文献1の粉砕機がある。
【0003】
特許文献1では、同軸上に配列した、一次粉砕用の複数の回転打撃子(ハンマー)と粉流を制御する邪魔板を介して、二次粉砕用の少なくとも中心回転軸に取り付けられた凹凸を有する回転体からなる回転子と、該回転子表面と一定間隔を保持して回転子の周囲に配置されている凹凸を有する固定子とを具備する2つ以上の粉砕ゾーンを有した粗粉砕機が記載されている。さらに本粗粉砕機は、二次粉砕ゾーン以降の固定子および回転子の内部に冷媒流路を設け、粉砕時に発生する粉砕熱をコントロールしている。
本粗粉砕機により、シャープな粒度分布を有する微粒子トナーを効率的に低エネルギーで製造することができたとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4599297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような粉砕機は、塊状といったある程度の大きさの被処理物の粗粉砕と微粉砕とを一つの粉砕機で行うことができるため、粉砕工程を簡略化することができ、生産性が向上するという利点を有している。一方、製品能力を向上させようと粉砕機への被処理物の供給速度を上昇させると、粉砕機内の温度が上昇するという問題がある。また、細かい粒径の粉砕品を得るためにロータの回転速度を上昇させたり、あるいはロータの回転速度はそのままでロータとライナとの隙間を小さくしたりすると、粉砕機内の温度が上昇する。粉砕機内の温度上昇は、とりわけ熱の影響を受け易い被処理物、例えば食品や樹脂などにおいて問題となる。そのため、単にロータ外周をロータ内部を循環する冷媒で冷却する構成だけでは不十分であり、改良が求められていた。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、温度上昇を抑え、かつ粉砕品をより高い製品能力で得ることができる粉砕装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る発明は、円筒状の内面を備えたケーシングと、前記ケーシングの軸心周りで回転駆動されるロータと、前記ケーシングの軸心方向の一端に設けた供給口から他端に設けた排出口に向かう粉体搬送用の気流を形成する気流形成手段とを備え、前記ロータは、前記供給口側に面し外周に複数のハンマが取り付けられた第一粉砕部と、前記排出口側に面し外周に凹凸部が形成された第二粉砕部とを有し、少なくとも前記第二粉砕部のロータ内部には冷媒流路が形成されており、かつ前記第二粉砕部の凹凸部は前記ロータの周方向に沿って延出された環状の切り欠き部によって軸心方向に分割されている点にある。
【0008】
本発明の粉砕装置では、被処理物は第一粉砕部において粗粉砕された後、ケーシング内を流れる気流によって第二粉砕部へ運ばれさらに粉砕される。このとき、第二粉砕部のロータの凹凸部が周方向に沿って延出された環状の切り欠き部によって軸心方向に分割されていることで、ケーシング内を流れる気流および被処理物が第二粉砕部のロータと接触する面積が増加し、気流および被処理物がロータ内部を流れる冷媒によって効果的に冷却される。
従って、粉砕装置内の温度上昇を抑制するとともに、粉砕品をより高い製品能力で得ることが可能となった。
【0009】
本発明の請求項2に係る発明は、前記第一粉砕部のロータの直径を前記第二粉砕部のロータの直径よりも小さくし、前記第一粉砕部のロータと前記第二粉砕部のロータとの間に段差を形成させる点にある。
【0010】
本構成であれば、ケーシング内を流れる気流および被処理物が第二粉砕部のロータと接触する面積が増加し、気流および被処理物がロータ内部を流れる冷媒によってさらに効果的に冷却される。
【0011】
また、本構成であれば、第一粉砕部から第二粉砕部への被処理物の過度の流出が抑制される。さらに、第一粉砕部で粗粉砕された被処理物のうち粒径の大きな被処理物は、第一粉砕部のロータと第二粉砕部のロータとの段差に衝突して第一粉砕部へ戻され、再度第一粉砕部で粉砕される。
従って、第一粉砕部で十分粉砕されず粒径が大きいままの被処理物が第二粉砕部に容易に移動することを防止できるため、粒径が大きいままの被処理物が粉砕品中に混入することを防止できる。さらに、第一粉砕部で十分粉砕された被処理物が第二粉砕部へ移動することになるため、第二粉砕部におけるロータの負荷動力を軽減することができ、製品能力を向上させることができる。
【0012】
本発明の請求項3に係る発明は、前記ケーシングの内部には、第二の冷媒流路が形成されている点にある。
【0013】
本構成であれば、ケーシング内面もケーシング内部の冷却用流路を流れる冷媒によって冷却されるので、さらに高い冷却効果を得ることができる。
【0014】
本発明の請求項4に係る発明は、少なくとも前記第二粉砕部のロータと対向する前記ケーシングの内面には凹凸部が形成されている点にある。
【0015】
本構成であれば、被処理物が第二粉砕部のロータに対向するケーシング内面の凹凸部に衝突することで、さらに効率的に粉砕され製品能力を向上させることができる。
【0016】
本発明の請求項5に係る発明は、前記ハンマは、ピン状のハンマで構成されている点にある。
【0017】
本構成であれば、ハンマの回転に伴って発生する空気摩擦による発熱を抑えることができる。
【0018】
本発明の請求項6に係る発明は、前記ケーシングには、前記ケーシングの内部に気体を導入するための気体供給口が設けられている点にある。
【0019】
本構成であれば、ケーシング外周からケーシングの内部に冷却気体を吹き込むことができるため、さらに高い冷却効果を得ることができる。
【0020】
本発明の請求項7に係る発明は、少なくとも前記ケーシング内面の前記第一粉砕部と前記第二粉砕部との間の位置に堰が設けられている点にある。
【0021】
本構成であれば、第一粉砕部から第二粉砕部への被処理物の過度の流出が抑制される。さらに、第一粉砕部で十分粉砕されずに粒径の大きいままの被処理物が堰に衝突し、第一粉砕部へ戻され再粉砕される。
従って、第一粉砕部で十分粉砕されず粒径が大きいままの被処理物が第二粉砕部に容易に移動することを防止できるため、粒径が大きいままの被処理物が粉砕品中に混入することを防止できる。さらに、第一粉砕部で十分粉砕された被処理物が第二粉砕部へ移動することになるため、第二粉砕部におけるロータの負荷動力を軽減することができ、製品能力を向上させることができる。
【0022】
本発明の請求項8に係る発明は、前記第一粉砕部のロータの前記供給口側の側面にもハンマが形成されている点にある。
【0023】
本構成であれば、第一粉砕部のロータの供給口側の側面でも被処理物を粉砕することが可能になるため、効率的な粉砕が可能となり、製品能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による粉砕装置を示す一部破断斜視図である。
【図2】本発明による粉砕装置の構成を示す断面図である。
【図3】ライナとケーシングのユニットを示す斜視図である。
【図4】ケーシングの別実施形態を示す斜視図である。
【図5】ロータとライナの凹凸部の形状を示す説明図である。
【図6】別の実施形態の粉砕装置を示す一部破断斜視図である。
【図7】別の実施形態の粉砕装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の粉砕装置を図1および図2に沿って説明する。
粉砕装置1は概して円筒状の内面を備えたケーシング2を有する。ケーシング2は、複数の脚部2Sに支持された外筒部2aと、外筒部2aの内側に同心状に配置されたライナ2bと、ライナ2bによって囲まれた空間を両端で閉じる一対の側壁部2c、2dとを有する。外筒部2aとライナ2bの間は後述する冷媒や気体を流すための空間を構成している。
【0026】
ライナ2bの内側には、一つのロータ20が回転自在に支持されている。ライナ2bの内面には被処理物を粉砕するための凹凸部2Gが設けられている。ロータ20はモータMによって高速で矢印A方向に回転駆動される。
【0027】
ケーシング2の軸心X方向の一端には、原料と気体をともに受け入れる供給口3が設けられ、他端には粉砕された粉砕品を気体と共に排出するための排出口4が設けられている。供給口3は平面視において軸心Xから側方に変位した位置に設けられており、排出口4は平面視において軸心Xから供給口3とは反対側の側方に変位した位置に設けられている。供給口3及び排出口4は特にロータ20の外周面に対する接線寄りに設けられている。
【0028】
排出口4にはブロワ30が接続されており、ブロワ30と排出口4の間には粉砕された粉砕品を粒径範囲毎に回収するための分級機31が介装されている。分級機31とブロワ30との間には微細な粉砕品を回収するための集塵機32が介装されている。集塵機32としては、一般にバグフィルタとよばれるものやサイクロンなどが好適に使用できる。
【0029】
ブロワ30によって形成された気流は、供給口3からライナ2bの内周面とロータ20の外周面との間隙を経て、排出口4から排出され、集塵機32を通過することで、被処理物をケーシング2内で供給口3から排出口4に向かって搬送し、最終的に集塵機32に到達させる。なお、分級機31は必要に応じて用いるものとし、分級機31を用いることなく直接集塵機32で粉砕品を全量回収するようにしてもよい。また、排出口4から排出された粉砕品を更なる微粉砕装置に供給して粉砕し、さらに細かい粉砕品を得ることもできる。
分級機31で回収された分級粗粉砕品を粉砕装置1に戻して再粉砕し、集塵機32で回収されたものを製品とすることも可能であり、あるいは、集塵機32で回収された粉砕品をさらに別の分級機によって微細な粉砕品を除去したものを製品とすることもできる。
【0030】
また、粉砕品のうち粒径の粗い粗粉と粒径の細かい微粉とを除去したものを製品とすることもできる。この場合、分級機31として、例えば1台で粗粉と微粉とを除去できる分級機を用いて分級することが考えられる。また、別の方法としては、2台以上の分級機を用い、前段の分級機では粉砕品のうち粒径の粗い粗粉を取り除き、後段の分級機では前段の分級機から排出された粉砕品のうち粒径の細かい微粉を取り除くようにすることもできる。
【0031】
分級機31としては、例えば羽根車型分級機であるミクロンセパレータ、ターボプレックス、TSPセパレータ、TTSPセパレータ(以上、ホソカワミクロン株式会社製)、エルボジェット(日鉄鉱業株式会社製)、サイクロン式セパレータ、振動篩などが好適に使用でき、これらは目的とする粉砕品の粒径によって適宜選択される。
【0032】
なお、粉砕装置1内に導入される気体は、空気、二酸化炭素、窒素、アルゴンもしくはヘリウムまたはそれらの混合気体などが好適に使用できる。また、それらの気体は除湿機や加湿機などにより調湿したものを用いることもできる。
【0033】
供給口3および排出口4には、それぞれ供給口3から導入される気体および排出口4から排出される気体の温度を測定するための温度センサ12(12a、12b)が取り付けられている。供給口3および排出口4に温度センサ12を設けることで、ケーシング2内の温度を維持管理することができる。温度センサ12は供給口3および排出口4だけでなく、軸心Xに沿ったケーシング2の複数箇所に設け、ライナ2bの凹凸部2Gと後述するロータ20の粉砕刃との間に形成される粉砕ゾーンを直接測定するようにしてもよい。このようにすることで、より正確な温度管理が可能となる。
【0034】
ケーシング2内の温度を維持管理する方法としては、例えば、排出口4に設けられた温度センサ12bに上限温度を設定しておき、その上限温度を超えた場合には、供給口3から導入される冷却気体やライナ2bを冷却するための冷媒あるいはロータ20を冷却するための冷媒の流量を増やしたり、冷媒の温度を下げて排出気体の温度が上限温度以下になるように制御する。また、別の制御方法としては、排出気体の温度が上限温度以上にならないように供給口3から導入される原料の供給速度を制御することも可能である。
なお、温度センサ12としては公知のものを使用することができる。
【0035】
(ロータの構成)
ロータ20は、モータMによって回転駆動されるシャフト20Sと、シャフト20Sに外嵌された複数の環状のロータピースとを有する。この実施形態では、ロータピースとしては、最も供給口3寄りに設けられ、後述するロータピース20Pbおよび20Pcよりもロータの直径が小さく、かつ軸心Xと交差する両端面が概して単純な平面で構成されたロータピース20Paと、軸心Xと交差する一方の面から外径の小さな小径円柱部23が排出口4側に突出形成された1つのロータピース20Pbと、最も排出口4寄りに設けられ、軸心Xと交差する両端面が概して単純な平面で構成されたロータピース20Pcとから構成されている。なお、この実施形態では、ロータ20を各ロータピースに分割して構成しているが、各ロータピースに分割せず一体物で構成してもよい。
【0036】
ロータピース20Paの外周には粉砕刃として複数の円柱状のピンハンマ20Gaが形成され、小径円柱部23を除くロータピース20Pbの外周とロータピース20Pcの外周には粉砕刃として凹凸部20Gbが形成されている。すなわち、ロータ20には、ロータピース20Paによる第一粉砕部と、ロータピース20Pb、20Pcによる第二粉砕部が構成される。また、ロータピース20Pbとロータピース20Pcによって構成される第二粉砕部の凹凸部20Gbは、1つの環状の切り欠き部24によって分割されていることになる。
【0037】
上述したように、ロータピース20Paのロータの直径はロータピース20Pbのロータの直径よりも小さいため、ロータピース20Paとロータピース20Pbとの間には段差が形成されることになる。この段差は堰の役割をし、第一粉砕部で粉砕された被処理物のうち粒径の大きな粉体が容易に第二粉砕部へ移動しないようにしている。
【0038】
ロータ20のシャフト20Sは、側壁部2c、2dの中心に配置された一対のベアリング22a、22bを介して回転自在に支持されている。
【0039】
ロータ20の内部には、冷媒流路21が密閉状に形成されている。冷媒流路21は、第1ベアリング22aに支持されたシャフト20Sの第1端部20Saから、ロータピース20Pa、20Pb、20Pcの内部に形成された環状の冷媒流路21を経て、第2ベアリング22bに支持されたシャフト20Sの第2端部20Sbまで延出されている。
【0040】
冷媒流路21は、それぞれのロータピース20Pa、20Pb、20Pcの内部では円周状に延びる環状流路21Rを形成しており、互いに隣接するロータピース20Paとロータピース20Pb、ロータピース20Pbとロータピース20Pcの環状流路21R同士はシャフト20Sよりも僅かに径方向外側の位置で軸心Xと平行に延出された1本の冷媒流路21によって接続されている。
【0041】
第1端部20Saから冷媒流路21に冷水などの冷媒を送り込み、第2端部20Sbから排出される暖められた冷媒を熱交換器33で冷却して再び第1端部20Saに向けて送り出すポンプPが設けられている。
【0042】
なお、第一粉砕部のロータピース20Paの内部には必ずしも冷媒流路21および環状流路21Rを形成しなくともよく、第1端部20Saから冷媒流路21を通して直接第二粉砕部のロータピース20Pbに冷媒を送り込むようにしてもよい。
【0043】
ライナ2b側の凹凸部2Gは、概してロータ20の粉砕刃が位置する領域に設けられており、ライナ2bの最も供給口3寄りの位置と、ライナ2bの最も排出口4寄りの位置には、ロータ20の粉砕刃もライナ2bの凹凸部2Gも存在しないバッファ空間V1、V2が設けられている。
【0044】
(ライナの構成)
外筒部2aとライナ2bの間の空間は、ライナ2bを冷水などの冷媒によって冷却するための第2の冷媒流路8を形成している。冷媒流路8は水平に延出された隔壁によって、周方向に並ぶ3領域に分割されている。冷媒流路8には、冷媒流路21と共通のポンプPおよび熱交換器33を含む冷媒回路34によって冷媒が循環される。
【0045】
この実施形態では、ロータ20内の冷媒流路21とケーシング2内の冷媒流路8のいずれについても、冷媒が供給口3から排出口4に近づく向きに流されるようにポンプPの向きおよび冷媒回路34の配置を設定しているが、被処理物の特性や気体導入手段などの使用方法に応じて、冷媒が逆向きの流れとなる形態で実施してもよい。
【0046】
ケーシング2とライナ2bは軸心Xに沿って並置された複数のブロックに区分することができ、さらにその1つのブロックを、図3に例示されるように、周方向にも複数の小ブロックに区分することができる。
図3の例では個々のブロックは周方向に沿って隣接並置される4つの小ブロックに区分することができ、個々の小ブロックは、函状のケーシング片9と、ケーシング片9の径方向内側に設けられた開口部9Aを閉鎖するライナ片10とで構成されている。
【0047】
ケーシング片9の開口部9Aは湾曲した短形状を呈し、開口部9Aを構成する縁部の径方向内側を向いた端面に形成されたシール溝9Bには、環状の弾性シール11が係入されている。
ライナ片10は、ライナ片10の4つのコーナーを含む6箇所に形成された貫通孔10H、及び、ケーシング片9の貫通孔9Hを介して、ボルトとナットなどでケーシング片9に固定される。固定に際して、ボルトとナットを締め付けていくと、弾性シール11がライナ片10の滑らかな外周面に押し付けられることで、ケーシング片9の内部空間が密閉される。
【0048】
個々のケーシング片9には、第2の冷媒流路8を構成する入力ポート2Paと出力ポート2Pbとが周方向に離間して配置されており、ライナ片10の内周面には凹凸部2Gが一体的に加工形成されている。
第2の冷媒流路8はケーシング片9とライナ片10とで囲まれた空間Sによって構成されているため、冷媒はライナ片10の外周面と直に接触することで、ライナ2bの凹凸部2Gの付近に対しても高い冷却効果が得られる。
【0049】
ケーシング片9とライナ片10とで囲まれた空間Sの中で、冷媒が入力ポート2Paから出力ポート2Pbへと最短距離でショートカットする現象を防止する手段として、図4に例示するように、ケーシング片9の内周面に複数のフィン状の邪魔板9Sを設けてもよい。
【0050】
図4に示す例では、ケーシング片9の内周面の周方向の内寸よりも短い2枚の邪魔板9Sが、円周方向に沿って延出し、かつ、軸心方向に互いに離間するように、かつ、一方の邪魔板9Sは周方向の一方側のみで流路を開放し、他方の邪魔板9Sは周方向の他方側のみで流路を開放するように配置されている。
【0051】
このようにして邪魔板9Sによって長さの増大した流路の一端と他端に入力ポート2Paと出力ポート2Pbとが各々配置されている。以上の構成により、入力ポート2Paから空間S内に流れ込んだ冷媒は空間S内の全体を隅々まで通過しながら出力ポート2Pbから排出されるため、ライナ片10の全面が冷媒によって均等に冷却され易くなる。
【0052】
なお、ケーシング2やライナ2bは必ずしも分割構造とする必要はないが、上記のように分割構造とすることで、メンテナンスが容易となる。
【0053】
(ロータ20の粉砕刃およびライナ2bの凹凸部2Gの構成)
図1および図2には、ロータピース20Paのピンハンマ20Gaを例示している。軸心Xに沿って互いに間隔をあけて並置されたピンハンマ20Gaが、ロータピース20Pa全周にわたって形成されている状態を示している。また、円周方向に隣接するピンハンマ20Ga同士は、軸心X方向に位置をずらして形成されている。このように、円周方向に隣接するピンハンマ20Ga同士を軸心X方向に位置をずらして形成することで、供給口3から供給された被処理物がピンハンマ20Gaに衝突する確率が高くなるため、粉砕されないままピンハンマ20Ga間をすり抜けて第二粉砕部へ移動することを防止できる。
【0054】
ピンハンマ20Gaのロータピース20Paへの取り付けは、ロータピース20Paの内側からピンハンマ20Gaを嵌め込んで固定する方法や、溶接またはねじ込みによって固定する方法などが挙げられる。
【0055】
ライナ2bの凹凸部2Gの凸部と、ロータピース20Paのピンハンマ20Gaの先端との半径方向での間隙Daの平均値は、例えば約1.5mmに設定すればよく、ピンハンマ20Gaの直径、数、長さは適宜変更可能である。また、ピンハンマの形状は円柱状に限らず、四角形や六角形などの角形状であってもよい。ピンハンマは、回転時の気体摩擦による発熱を小さくできるため、気流の温度上昇を小さくできる点で有効である。なお、被処理物が無機物や熱硬化性樹脂などの熱の影響を受けにくい物質の場合や、第一粉砕部において被処理物の冷却が十分できる場合、ハンマはピンハンマに限らずブロック状のハンマを用いることもできる。ハンマの材質は被処理物に合わせて適宜選定すればよい。
【0056】
次に、凹凸部2G、20Gbについて述べる。
図5(a)(b)は凹凸部2G、20Gbの断面形状を例示している。凹凸部2G、20Gbは、軸心Xに沿って平行に設けられている。図5(a)(b)から理解されるように、ライナ2b側の凹凸部2Gの凸部とロータ20側の凹凸部20Gbの凸部とは、いずれも左右非対称の形状を備え、ロータ20の回転方向(矢印A)について、基本的に傾斜の緩やかな側が相対移動方向の前方となるように構成されている。
【0057】
図5(a)に示されるライナ2bの凹凸部2Gの寸法の具体例は、Lh1:1.5mm、Lc1:0.3mm、Lc2:1.55mm、Lc3:0.45mmである。また、ロータ20の凹凸部20Gbの寸法の具体例は、Rh1:2.5mm、Rc1:0.3mm、Rc2:2.5mm、Rc3:0.6mmである。
【0058】
図5(b)に示すライナ2b側の凹凸部2Gでは、冷却効率を高めるなどの目的で、従来の凹凸部2Gのパターンを示す図5(a)に比べて、凹凸部2Gの数を半分に減らすことで、凹凸部2Gの凸部と、20Gbの凸部との間の間隙Dbを変更することなく、両凹凸部2G、20Gb間の空間体積を効果的に増大させている。
この場合の寸法の具体例は、Lh2:3.0mm、Lc4:2.6mmである。
上記の特徴的な凹凸部2Gの構成を、ライナ2b側の凹凸部2Gではなく、ロータ20側の凹凸部20Gbに対して適用することも可能である。
【0059】
上記の数値は一つの好適例に過ぎず、被処理物の物性や目標とする粉砕後の粒径などに応じて適宜変更される。さらに、凹部の断面形状を図5に示す短形ではなく内側に開いた円弧状など実質的にコーナー部のない湾曲状としてもよい。
【0060】
ライナ2bの凹凸部2Gの凸部と、ロータピース20Pb、20Pcの凹凸部20Gbの凸部との半径方向での間隙Dbの軸心X方向の全長における平均値は、約0.8mm〜約5.0mmの範囲で設定でき、通常は約1mm〜約2mm前後に設定される。間隙Dbは、供給口3側から排出口4側に向けて次第に小さくなるようにすることも可能である。
【0061】
一般的には、間隙Da、Dbを狭くすれば得られる粉砕品の粒径は小さくなり、間隙Da、Dbを広く設定すれば得られる粉砕品の粒径は大きくなる傾向にある。なお、上記数値範囲はあくまでも目安であり、被処理物の特性や目的の粒径などに応じて様々に変更して実施することができる。
【0062】
また、ロータピース20Paのピンハンマ20Gaと対向するライナ2b内面には、凹凸部2Gを形成しないことも可能である。
ライナ2bの凹凸部2Gの凸部と、ロータピース20Paのピンハンマ20Ga先端との半径方向での間隙Da、ロータピース20Pb、20Pcの凹凸部20Gbの凸部との半径方向での間隙Dbの他、凹凸部の数、形状、凹部の深さなどをロータピース毎に変えることも可能である。
【0063】
ライナ2bの内面の凹凸部2G、ロータピース20Paのピンハンマ20Ga、ロータピース20Pb、20Pcの外周面の凹凸部20Gbは、磨耗性のある原料に対しても適応可能なように、ハードクロムメッキによって耐磨耗処理されている。ハードクロムメッキの他に耐磨耗処理の好適な例としては、炭化タングステン溶射、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたは窒化珪素などのセラミックス溶射、その他カナック処理などが挙げられる。
また、ライナ2bやピンハンマ20Ga自体を、炭化タングステンなどの超硬合金や、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたは窒化珪素などのセラミックスで作製することも可能である。
【0064】
ロータ20の表面およびライナ2bの表面を、例えばバフ研磨や電解研磨することもできる。これら表面研磨をすることで、ロータ20の表面あるいはライナ2bの表面が平滑になるため、原料の付着が軽減され、洗浄しやすくなる。
なお、ロータ20あるいはライナ2bの表面粗さの好適な一例として、算術平均粗さRa=0.2μm〜6.3μm、より好ましくはRa=0.2μm〜1.5μmとするのがよい。
【0065】
(気体導入手段の構成)
粉砕装置1は、図6および図7に示すように、供給口3とは別の、軸心Xに沿った中間位置においてライナ2bの内部に気体を導入する気体導入手段を備えていてもよい。その場合、気体導入手段は、ロータピース20Paとロータピース20Pbとの境界に相当する位置と、軸心Xに沿った切り欠き部24に相当する位置において、外筒部2aとライナ2bの間の空間を円周状に仕切ることで形成した2つの環状の気体流路5a、5bと、この気体流路5a、5bと連通するように外筒部2aの上下に設けた4つの気体供給函6(6a、6b、6c、6d)とを有し、気体流路5a、5bは、ライナ2bの一部を円周状に切り欠いた環状スリット7によってライナ2bの内部と連通するように設けられる。
供給口3寄りに位置する上下の2つの気体供給函6a、6bは共通の一方の気体流路5aに連通し、同様に、排出口4寄りに位置する上下の2つの気体供給函6c、6dは他方の気体流路5bに連通するように設けられる。
【0066】
軸心Xを含む平面によってライナ2bを切った断面視において、環状スリット7は軸心Xの径方向に対して排出口4側に向けて傾斜して延びている。環状スリット7の傾斜角度は例えば15°〜20°とすればよい。
【0067】
なお、環状スリット7は傾斜せずロータ20径方向に向かって延びていてもよいし、あるいは逆方向に傾斜していてもよいが、被処理物が排出口4に向かって移動しながら進行する粉砕過程であることを考えると、排出口4側に向けて傾斜しているほうが望ましい。
【0068】
前述のブロワ30によって、供給口3以外に、4個の気体供給函6を介して環状スリット7からもライナ2bの内部に冷却気体が導入される。排出口4から排出される気体の量は、供給口3および4個の気体供給函6からライナ2bの内部に導入される気体の総量と一致する。4個の気体供給函6の各外端部には外気と連通する開口面積を調節可能な調整弁(図示省略)が設けられており、この調整弁の開度を調節することで、各気体供給函6から導入される気体の量を変更できる。また、調整弁の開度を調節することで、供給口3から導入される気体の量と、4個の気体供給函6から導入される気体の総量との比率も変更できる。
【0069】
ただし、一般的な運転方法では、ライナ2bの内部に導入される気体の総量の約1/3が供給口3から導入され、同じく約1/3が供給口3寄りの気体供給函6a、6bから導入され、残りの約1/3が排出口4寄りの気体供給函6c、6dから導入される。
【0070】
このように、ケーシング2の途中からライナ2b内部に気体を導入して凹凸部2Gと、ピンハンマ20Gaおよび凹凸部20Gbとの間に気体を通流させることで、凹凸部2Gとピンハンマ20Gaおよび凹凸部20Gb付近を積極的に冷却することができ、軸心Xに沿って排出口4側に向かって温度が高くなることをさらに抑えることができる。
【0071】
図6および図7では、第二粉砕部側での冷却気体の導入を切り欠き部24に対向する箇所に設けているが、冷却気体の導入は必ずしも切り欠き部24に対向する箇所からでなくてもケーシング2内の冷却効果を得ることはできる。しかし、ロータ20の切り欠き部24に対向する箇所から冷却気体を導入するほうが、切り欠き部24付近の被処理物を積極的に冷却でき、さらに切り欠き部24内で気流と被処理物を攪拌させることで、切り欠き部24内の被処理物が切り欠き部24に位置するロータ20の端面を介してロータ20内部の冷媒によって効果的に冷却されるため、望ましい実施形態である。
【0072】
図7に示すように、ロータピース20Paの供給口3側の側面にピンハンマ20Gaを設ける構成としてもよい。このような構成とすることで、ロータピース20Paの供給口3側の側面でも被処理物を粉砕することができ、生産性が向上する。
【0073】
その他、ライナ2b内面からシャフト20Sの軸中心方向に向けて延びる環状の堰13を、ロータピース20Paとロータピース20Pbとの間の位置および/または切り欠き部24に対向する位置に設けてもよい。堰13の高さ(ケーシング2内面からの突出寸法)は、被処理物の性質や運転条件に応じて適宜設定可能である。また、必要により堰13の一部を切り欠いたり、あるいは複数の開孔を設けてもよい。そして、堰13の断面形状については、短形状、三角形状または先端が排出口4側に向けて傾斜する形状に形成することができる。
なお、ライナ2bに環状スリット7が設けられている場合には、環状スリット7の位置から軸心X方向前後にずらして堰13を設ければよい。
【0074】
ロータピース20Paとロータピース20Pbとの間の位置に堰13aを設けた場合には、被処理物が過度に第二粉砕部へ流出することを防止できる。さらに、切り欠き部24に対向する位置に堰13bを設けた場合には、被処理物が過度にロータピース20Pcへ流出することを防止できるだけでなく、気流や被処理物が堰13bによって切り欠き部24へ導かれ、ロータピース20Pb、20Pcの側面に接触し効果的に冷却されるという効果も得られる。
【0075】
本発明による粉砕装置は、鉱物、食品、樹脂などの粉砕に好適に使用でき、特に熱によって変質し易い原料の粉砕に効果的である。そのような熱によって変質し易い原料の一つとして、トナー(コピー機やレーザプリンタで紙の着色に使われる微細な粉末状のインク)が挙げられる。以下に、トナーの製造工程について説明する。
【0076】
トナーは原料である結着樹脂、着色剤、荷電制御剤を混合し、例えばエクストルーダのような混練機で溶融混練した後、冷却固化させ、これを粉砕および分級して所望の粒径範囲になったものを製品とする。以上が基本的なトナーの製造工程であるが、微粉砕から分級を経て製品化される間に更なる処理工程が入ることが多い。すなわち、粉砕後の微粉または分級後の微粉は、そのまま或いは球形化および/または表面改質された後で外添され製品となる。なお、粗粉砕と微粉砕との間の他、球形化、表面改質、および外添の前後に分級工程(粗粉分級または微粉分級)を入れることもある。
【0077】
次に、粉砕工程と分級工程について説明する。粗粉砕したトナーは、微粉砕した後、分級機で粗粉と微粉とに分級する。ここで、微粉を製品とする場合は、粗粉は微粉砕機に戻して再度粉砕する。微粉砕機によっても、微粉が所定の粒径に達しない場合は、更なる微粉砕が可能な超微粉砕機により粉砕する。所定の粒径範囲の微粉を得るために、適切な分級機を使用して分級が行われる。分級後の微粉から所定の粒径範囲のものを得る場合は、さらに別の分級機で分級した後、所定粒径以下の微粉を除去し、残った微粉(中粉)を製品とする場合もある。
【0078】
また、粉砕または分級によって得られたトナーに対して、さらに以下の表面処理工程を行なうこともある。すなわち、トナー粒子を球形化したり、粒子表面に他の微粒子を外添または埋め込んで表面改質させる。他の微粒子(外添剤)としては、シリカ、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。通常、外添剤は最終製品化の手前の段階で行われるものであるが、場合によっては外添を分級や球形化の前後に入れることもある。例えば、球形化や表面処理の後に分級工程(粗粉分級または微粉分級)を入れることにも対応可能である。上記トナー製造工程における一通りの粉砕・分級工程以降については、各工程の順序の入れ替え、工程の追加あるいは省略なども、製品の目的や処理条件などに応じて適宜変更可能である。
【0079】
以上のように、トナーを製造するための最も基本的なフローは、(原料)→(混合)→(冷却固化)→(粉砕/分級)→(製品)と表現できるが、(粉砕/分級)のより具体的な工程としての粗粉砕、微粉砕、超微粉砕、分級、表面処理、外添の各処理工程に使用可能な装置として、下記のようなものがある。
【0080】
粗粉砕に用いられる装置として、ハンマミル、ピンミルなどがあり、その具体的な商品名の例として、パルペライザ(ホソカワミクロン株式会社製)、ACMパルペライザ(ホソカワミクロン株式会社製)、本発明の粉砕装置などが挙げられる。
【0081】
微粉砕に用いられる装置として、ジェットミル(気流式粉砕機)、機械式粉砕機などがあり、具体的な商品名として、ACMパルペライザ(ホソカワミクロン株式会社製)、イノマイザ(ホソカワミクロン株式会社製)、グラシス(ホソカワミクロン株式会社製)、ターボミル(フロイント・ターボ株式会社製)、本発明の粉砕装置などが挙げられる。
【0082】
超微粉砕に用いられる装置として、ジェットミル(気流式粉砕機)、機械式粉砕機などがあり、具体的な商品名の例として、ジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)、グラシス(ホソカワミクロン株式会社製)、ターボミル(フロイント・ターボ株式会社製)などが挙げられる。
【0083】
分級に用いられる装置として、慣性気流式分級機、回転羽式分級機などがあり、具体的な商品名として、ターボプレックス(ホソカワミクロン株式会社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン株式会社製)、TTSPセパレータ(ホソカワミクロン株式会社製)、ターボクラシファイア(日清エンジニアリング株式会社製)、エルボジェット(日鉄鉱業株式会社製)などが挙げられる。
【0084】
表面処理に用いられる装置として、球形化/表面改質装置、球形化装置、表面改質装置などがあり、具体的な商品名として、メカノフュージョン(ホソカワミクロン株式会社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)、サイクロミックス(ホソカワミクロン株式会社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン株式会社製)、ヘンシェルミキサ(日本コークス工業株式会社製)、コンポジ(日本コークス工業株式会社製)、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、熱球形化装置などが挙げられる。また、本発明の粉砕装置も粉砕刃の形状を適宜選択することによって、表面処理装置として使用することもできる。
【0085】
外添に用いられる装置として外添剤混合機があり、具体的な商品名として、メカノフュージョン(ホソカワミクロン株式会社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)、サイクロミックス(ホソカワミクロン株式会社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン株式会社製)、ヘンシェルミキサ(日本コークス工業株式会社製)、コンポジ(日本コークス工業株式会社製)、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、などが挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、鉱物、食品、樹脂の粗粉砕、中粉砕または微粉砕に好適に使用でき、その中でも特に熱の影響を受けやすい被処理物の粉砕に効果的である。
【符号の説明】
【0087】
1 粉砕装置
2 ケーシング
2a 外筒部
2b ライナ
2c 側壁部
2d 側壁部
2G 凹凸部
2Pa 入力ポート
2Pb 出力ポート
2S 脚部
3 供給口
4 排出口
5 気体流路(気体導入手段、5a、5b)
6 気体供給函(6a、6b、6c、6d)
7 環状スリット
8 冷媒流路
9 ケーシング片
9A 開口部
9B シール溝
9H 貫通孔
9S 邪魔板
10 ライナ片
10H 貫通孔
11 弾性シール
12 温度センサ(供給口3側温度センサ12a、排出口4側温度センサ12b)
13 堰(13a、13b)
20 ロータ
20Ga ピンハンマ
20Gb 凹凸部
20Pa ロータピース
20Pb ロータピース
20Pc ロータピース
20S シャフト
20Sa 第1端部
20Sb 第2端部
21 冷媒流路
21R 環状流路
22a 第一ベアリング
22b 第二ベアリング
23 小径円柱部
24 切り欠き部
30 ブロワ
31 分級機
32 集塵機
33 熱交換器
34 冷媒回路
A ロータ回転方向
Da 間隙
Db 間隙
M モータ
P ポンプ
X 軸心
V1 バッファ空間
V2 バッファ空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の内面を備えたケーシングと、
前記ケーシングの軸心周りで回転駆動されるロータと、
前記ケーシングの軸心方向の一端に設けた供給口から他端に設けた排出口に向かう粉体搬送用の気流を形成する気流形成手段とを備え、
前記ロータは、前記供給口側に面し外周に複数のハンマが取り付けられた第一粉砕部と、前記排出口側に面し外周に凹凸部が形成された第二粉砕部とを有し、少なくとも前記第二粉砕部のロータ内部には冷媒流路が形成されており、かつ前記第二粉砕部の凹凸部は前記ロータの周方向に沿って延出された環状の切り欠き部によって軸心方向に分割されていることを特徴とする粉砕装置。
【請求項2】
前記第一粉砕部のロータの直径を前記第二粉砕部のロータの直径よりも小さくし、前記第一粉砕部のロータと前記第二粉砕部のロータとの間に段差を形成させる請求項1に記載の粉砕装置。
【請求項3】
前記ケーシングの内部には、第二の冷媒流路が形成されている請求項1または請求項2に記載の粉砕装置。
【請求項4】
少なくとも前記第二粉砕部のロータと対向する前記ケーシングの内面には凹凸部が形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の粉砕装置。
【請求項5】
前記ハンマは、ピン状のハンマで構成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の粉砕装置。
【請求項6】
前記ケーシングには、前記ケーシングの内部に気体を導入するための気体供給口が設けられている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の粉砕装置。
【請求項7】
少なくとも前記ケーシング内面の前記第一粉砕部と前記第二粉砕部との間の位置に堰が設けられている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の粉砕装置。
【請求項8】
前記第一粉砕部のロータの前記供給口側の側面にもハンマが形成されている請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の粉砕装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−86023(P2013−86023A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228818(P2011−228818)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000113355)ホソカワミクロン株式会社 (43)
【Fターム(参考)】