説明

粉粒体の送出装置、粉粒体の散布装置、粉粒体の定量散布装置、おにぎり製造装置およびおにぎり製造方法

【課題】散布対象物の変更や散布すべき面積の変化に機動的に対応することのできる粉粒体の送出装置を提供する。
【解決手段】粉粒体を貯留する筐体と、筐体の一側壁に穿設され、粉粒体を排出する円筒形の排出孔と、排出孔の延長線上に配置され、筐体に貯留されている粉粒体を回転運動により排出孔に対して送り出す螺旋状の送出部材と、送出部材を回転させる駆動手段と、予め設定される粉粒体の送出量に合わせて送出部材の回転量を制御する制御手段とを備え、且つ、少なくとも排出孔および送出部材は、それぞれの中心線の角度が水平面に対して所定の仰角を有するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体の送出装置、粉粒体の散布装置、粉粒体の定量散布装置、おにぎり製造装置およびおにぎり製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、おにぎり等の食品を自動的あるいは半自動的に製造する場合に、食塩や振りかけ等を米飯に自動的に散布する装置が種々提案されている。
【0003】
例えば、実開昭63−119382号公報「粉粒体均一分散装置」、特開平4−20253号公報「おにぎりへの振りかけ装置」、特許第3889751号公報「おにぎり用塩振り器」などが挙げられる。
【0004】
これらの装置によれば、食塩等の散布を効率的に行うことができ、おにぎり等を製造する作業者の負担を軽減することができるという利点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63−119382号公報
【特許文献2】特開平4−20253号公報
【特許文献3】特許第3889751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術においては、散布対象としての食材の種類や、散布すべき面積が変わった場合に、散布する食塩や各種調味料等の粉粒体の量を適宜変更することができないという難点があった。
【0007】
即ち、食塩や各種調味料等を自動的に散布したい対象は、成形済みのおにぎりや、シート状に成形された米飯に限らず、例えば餅の生地やピザの生地などに所定の具材や調味料からなる粉粒体を散布する場合も考えられる。
【0008】
また、例えば、おにぎりの大きさ、あるいはピザの大きさ等に応じて、シート状の米飯やピザ生地の面積が変わるが、その面積に合わせて散布される調味料等の散布量や散布範囲を変更する必要がある。
【0009】
そのような場合に、前記従来の技術では、散布対象としての食材の種類の変更や、散布すべき面積の変化に機動的に対応することができず、仕様の変更に時間やコストがかかるという不都合があった。
【0010】
また、手握り感がある「おにぎり」とは、シート状の飯を使い、具材を包餡し、ふっくらと握る以外に塩のつけ方にあって、人の手に塩を載せて、適度ににぎり、ふっくら感のあるおにぎりことである。
【0011】
従来のおにぎり製造機では、シート状の飯を使い、具材を包餡し、ふっくらと握ることは出来ても、成形後に塩を裏表に散布する方法をとっているため、散布する箇所に偏りがあり、塩味の偏り感を避けることは難しかった。
【0012】
一方、食塩水で炊飯するなどの方法により、どこを食しても満遍なく塩味を感じるおにぎりを作り出すことはできたが、ごはんをふっくらと炊飯することができないという難点があった。
【0013】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に鑑みなされたもので、散布対象物の変更や、散布すべき面積の変化に機動的に対応することのできる粉粒体の送出装置、粉粒体の散布装置、粉粒体の定量散布装置およびふっくらとした手握りおにぎりと同様の食感を作り出すことのできるおにぎり製造装置およびおにぎり製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る粉粒体の送出装置は、粉粒体を貯留する筐体と、当該筐体の一側壁に穿設され、粉粒体が排出される円筒形の排出孔と、該排出孔の延長線上に配置され、前記筐体に貯留されている粉粒体を回転運動により該排出孔に対して送り出す螺旋状の送出部材と、該送出部材を回転させる駆動手段と、予め設定される粉粒体の送出量に合わせて前記送出部材の回転量を制御する制御手段とを備え、少なくとも前記排出孔および前記送出部材は、それぞれの中心線の角度が水平面に対して所定の仰角を有するように構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明に係る粉粒体の送出装置は、請求項1に記載の発明について、前記送出部材は、線材を螺旋状に巻いて形成されるバネ状部材で構成されることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明に係る粉粒体の送出装置は、請求項2に記載の発明について、前記バネ状部材の先端側は前記排出孔内に回転自在に挿入され、且つ、該バネ状部材の先端部は前記排出孔の外側の端部まで達するように構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明に係る粉粒体の送出装置は、請求項1から請求項3の何れかに記載の発明について、前記所定の仰角は、約20度であることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明に係る粉粒体の送出装置は、請求項1から請求項4の何れかに記載の発明について、前記送出部材の上方には、前記筐体に貯留されている粉粒体を解す羽根を有する解しローラが設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明に係る粉粒体の送出装置は、請求項5に記載の発明について、前記解しローラの上方には、粉粒体の湿化を防止するヒータが設けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明に係る粉粒体の送出装置は、請求項1から請求項6の何れかに記載の発明について、前記排出孔の外側の端部には、前記バネ状部材の先端側が当接して当該バネ状部材の突出を規制する規制手段が設けられていることを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明に係る粉粒体の送出装置は、請求項1から請求項7の何れかに記載の発明について、前記排出孔の外側の端部には、前記排出孔から排出された粉粒体を下方側に案内する案内溝が設けられていることを特徴とする。
【0022】
請求項9に記載の発明に係る粉粒体の散布装置は、複数の散布孔を有する有底の筒状に形成され、粉粒体が投入されるノズル部材と、該ノズル部材の少なくとも下部が挿入され、所定の隙間を介して該ノズル部材を囲繞する筒形状を有するガイド部材と、前記ノズル部材に投入された粉粒体を散布する際に当該ノズル部材に振動を加える加振手段とを少なくとも備えることを特徴とする。
【0023】
請求項10に記載の発明に係る粉粒体の散布装置は、請求項9に記載の発明について、前記ノズル部材の前記散布孔は、前記ノズル部材の底部付近の側壁に、所定の間隔を空けて環状に開口されることを特徴とする。
【0024】
請求項11に記載の発明に係る粉粒体の散布装置は、請求項9または請求項10の何れかに記載の発明について、前記ガイド部材は、無底の枡形状とされ、当該ガイド部材の下端内側の辺の長さは、粉粒体を散布する対象物の幅に合わせて設定されることを特徴とする。
【0025】
請求項12に記載の発明に係る粉粒体の散布装置は、請求項9から請求項11の何れかに記載の発明について、前記加振手段は、振動を発生させる振動発生装置と、該振動発生装置で発生された振動を前記ノズル部材にのみ伝達する板状の振動伝達部材とから構成され、前記振動発生装置は、電動モータと、該電動モータの回転軸に接続される偏心錘と、前記電動モータの回転速度を調整する調整手段とを備えることを特徴とする。
【0026】
請求項13に記載の発明に係る粉粒体の散布装置は、請求項9から請求項12の何れかに記載の発明について、前記振動伝達部材は、バネで板状部材の一部を挟んで制振させる制振部を備えることを特徴とする。
【0027】
請求項14に記載の発明に係る粉粒体の散布装置は、請求項12または請求項13の何れかに記載の発明について、前記ガイド部材は、散布される粉粒体の有無を検知する粉粒体検知センサを備え、該粉粒体検知センサは、検知信号を前記調整手段に対して出力することを特徴とする。
【0028】
請求項15に記載の発明に係る粉粒体の定量散布装置は、請求項1から請求項8の何れかに記載の粉粒体の送出装置と、請求項9から請求項14の何れかに記載の粉粒体の散布装置と、粉粒体を散布する対象物を前記散布装置による粉粒体の散布領域に搬送する搬送装置と、を少なくとも備えることを特徴とする。
【0029】
請求項16に記載の発明に係る粉粒体の定量散布装置は、請求項15に記載の発明について、前記粉粒体の散布装置の前記ノズル部材の上方の開口部は、前記粉粒体の送出装置の排出孔から排出される粉粒体が落下して投入される位置となるように構成されることを特徴とする。
【0030】
請求項17に記載の発明に係る粉粒体の定量散布装置は、請求項15または請求項16の何れかに記載の発明について、前記搬送装置を構成する搬送コンベアは、複数の丸ベルトを巻き掛けたコンベアであることを特徴とする。
【0031】
請求項18に記載の発明に係る粉粒体の定量散布装置は、請求項15から請求項17の何れかに記載の発明について、複数の前記粉粒体の送出装置を備え、各送出装置から送出された複数種類の粉粒体を前記粉粒体の散布装置の前記ノズル部材内で混合して散布することを特徴とする。
【0032】
請求項19に記載の発明に係る粉粒体の定量散布装置は、請求項15から請求項18の何れかに記載の発明について、前記粉粒体として食塩を含み、前記対象物としてシート状に成形された米飯を含むことを特徴とする。
【0033】
請求項20に記載の発明に係るおにぎり製造装置は、請求項15から請求項19の何れかに記載の粉粒体の定量散布装置と、該粉粒体の定量散布装置の前記対象物の搬送方向上流側に配置され、前記粉粒体の定量散布装置が備える前記搬送装置に対して前記対象物としてのシート状に成形された米飯を供給する供給手段と、前記搬送装置の前記搬送方向下流側に配置され、前記粉粒体の散布装置によって前記粉粒体が散布された前記シート状に成形された米飯の表裏を反転させる反転手段と、該反転手段の前記搬送方向下流側に配置され、前記反転手段によって表裏が反転された前記シート状に成形された米飯の上に、所定の具材を載置する具材載置手段と、該具材載置手段によって所定の具材が載置された前記シート状に成形された米飯を前記所定の具材が内部に位置し、粉粒体が散布された面が外側となるおにぎり形状に成形する成形手段と、を備えることを特徴とする。
【0034】
請求項21に記載の発明に係るおにぎり製造方法は、請求項15から請求項19の何れかに記載の粉粒体の定量散布装置に対してシート状に成形された米飯を供給する供給工程と、前記粉粒体の定量散布装置によって前記シート状に成形された米飯に前記粉粒体の散布装置によって粉粒体を散布する散布工程と、粉粒体が散布された前記シート状に成形された米飯の表裏を反転させる反転工程と、表裏を反転されたシート状に成形された米飯の上に、所定の具材を載置する具材載置工程と、所定の具材が載置された前記シート状に成形された米飯を前記所定の具材が内部に位置し、粉粒体が散布された面が外側となるおにぎり形状に成形する成形工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
請求項1記載の発明によれば、少なくとも排出孔および送出部材は、それぞれの中心線の角度が水平面に対して所定の仰角を有しているので、排出孔から粉粒体が余計に落下する事態を未然に防止して、予め設定した量の粉粒体を的確に計量して送り出すことができるという効果がある。
【0036】
請求項2記載の発明によれば、送出部材は、線材を螺旋状に巻いて形成されるバネ状部材で構成されているので、排出孔と送出部材との間に粉粒体が噛み込むことを簡易な構成で抑制することができる。
【0037】
請求項3記載の発明によれば、バネ状部材の先端側は排出孔内に回転自在に挿入され、且つ、該バネ状部材の先端部は排出孔の外側の端部まで達するように構成されているので、排出孔から粉粒体が余計に落下する事態を未然に防止して、粉粒体をより正確に計量して送り出すことができる。
【0038】
請求項4記載の発明によれば、排出孔から粉粒体が余計に落下する事態を有効に防止して、粉粒体をより正確に計量して送り出すことができる。
【0039】
請求項5記載の発明によれば、粉粒体を解して、より正確に計量して送り出すことができる。
【0040】
請求項6記載の発明によれば、粉粒体の湿化を防止して、より正確に計量して送り出すことができる。
【0041】
請求項7記載の発明によれば、排出孔の外側の端部に、バネ状部材の先端側が当接して当該バネ状部材の突出を規制する規制手段が設けられているので、バネ状部材の抜け出しを防止して、粉粒体の安定した送り出しを行うことができる。
【0042】
請求項8記載の発明によれば、排出孔の外側の端部に、排出孔から排出された粉粒体を下方側に案内する案内溝が設けられているので、排出孔から排出された粉粒体の円滑な落下を図ることができる。
【0043】
請求項9記載の発明によれば、簡易な構成により、散布対象の変更や、散布すべき面積の変化に機動的に対応することができるという効果がある。
【0044】
請求項10記載の発明によれば、粉粒体を均等に散布することができる。
【0045】
請求項11記載の発明によれば、ガイド部材の下端内側の辺の長さを変更することにより、散布対象の変更や、散布すべき面積の変化に機動的に対応することができる。
【0046】
請求項12記載の発明によれば、電動モータの回転速度を調整して、散布対象の変更や、散布すべき面積の変化に機動的に対応することができる。
【0047】
請求項13記載の発明によれば、ノズル部材の無用な振動を抑えることができる。
【0048】
請求項14記載の発明によれば、散布される粉粒体の有無に応じてノズル部材の振動を止めるなどの制御を行うことができる。
【0049】
請求項15記載の発明によれば、簡易な構成により、散布対象の変更や、散布すべき面積の変化に機動的に対応することができる粉粒体の定量散布装置を提供することができる。
【0050】
請求項16記載の発明によれば、送出装置の排出孔から排出される計量済みの粉粒体を確実に散布することができる。
【0051】
請求項17記載の発明によれば、搬送コンベアに余計な粉粒体が残留せず、散布対象物を確実に搬送することができる。
【0052】
請求項18記載の発明によれば、複数種類の粉粒体を混合して散布することができ、種々の要求に対応することができる。
【0053】
請求項19記載の発明によれば、おにぎりの製造に適した散布を行うことができる。
【0054】
請求項20記載の発明によれば、おにぎりを成形する前に、飯シート状の表面全体に塩を満遍なく散布し、その後で成形する方法をとることにより、手に塩を載せてご飯をにぎり、ふっくらとした手握りおにぎりと同様の食感を作り出すことが可能となるおにぎり製造装置を提供することができる。
【0055】
請求項21記載の発明によれば、おにぎりを成形する前に、飯シート状の表面全体に塩を満遍なく散布し、その後で成形する方法をとることにより、手に塩を載せてご飯をにぎり、ふっくらとした手握りおにぎりと同様の食感を作り出すことが可能となるおにぎり製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態に係る粉粒体の定量散布装置の構成例を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る粉粒体の定量散布装置の構成例を示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る粉粒体の定量散布装置の要部の構成を示す一部断面図である。
【図4】排出孔と送出部を水平状態とした場合の例を示す説明図である。
【図5】排出孔と送出部を20度傾斜させた場合の例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るノズル部材の構成例を示す斜視図(a)、透視図(b)である。
【図7】本発明の実施の形態に係るノズル部材の構成例を示す上面図(c)、側面図(d)である。
【図8】本発明の実施の形態に係るガイド部材の構成例を示す斜視図(a)、一部透視図(b)である。
【図9】本発明の実施の形態に係るガイド部材の構成例を示す上面図(c)、側面図(d)である。
【図10】本発明の実施の形態に係る搬送装置の構成例を示す正面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る搬送装置の構成例を示す上面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係るおにぎり製造装置の構成例を示す概略構成図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る粉粒体の送出装置の筐体の構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0058】
図1の正面図、図2の側面図および図3の一部断面図に示すように、本実施の形態に係る粉粒体の定量散布装置Mは、粉粒体の送出装置M1と、粉粒体の散布装置M2と、粉粒体を散布する対象物を前記散布装置による粉粒体の散布領域に搬送する搬送装置M3とから構成されている。
【0059】
粉粒体の送出装置M1は、食塩等の粉粒体を補給するホッパー10と、ホッパー10の下方に配置され粉粒体を貯留する筐体11と、この筐体11の一側壁(フロントカバー)11aに穿設され、粉粒体を排出する円筒形の排出孔12と、この排出孔12の延長線上に配置され、筐体11に貯留されている粉粒体を回転運動により該排出孔12に対して送り出す螺旋状の送出部材13と、この送出部材13を回転させるギア列および電動モータからなる駆動手段(図示省略)と、予め設定される粉粒体の送出量に合わせて送出部材13の回転量を制御するマイクロコンピュータ等の制御手段(図示省略)とを備える。
【0060】
なお、本願において、粉粒体とは、微粒子等の粉体と、粒状を呈する粒体の両方を含む意で用いるものとする。つまり、粉粒体とは、粉体であっても、あるいは粒体であっても、さらには粉体と粒体とが混合されたものであってもよい。
【0061】
また、本実施の形態における粉粒体としては、食塩、ゴマ、ごま塩、砂糖、粉チーズ、振りかけ、乾燥野菜、小麦粉等の調味料や各種食品が含まれる。特に、散布対象がシート状の米飯であり、最終的におにぎりに成形する場合には、一般的におにぎりを手作りする際におにぎりの表面にまぶすように付着させる粉粒体状の食品全般を含むものとする。
【0062】
また、排出孔12および送出部材13は、それぞれの中心線の角度が水平面に対して所定の仰角を有するように構成されている。
【0063】
なお、本発明者の実験の結果、前記所定の仰角を20度とした場合に、粉粒体の計量を精度良く行うことができることが確認されている。詳細については後述する。
【0064】
尤も、前記所定の仰角は、20度に限定されるものではなく、5度〜45度程度であってもよい。
【0065】
また、前記ギア列および電動モータおよび制御手段等は、金属製のケース20内に格納されている。
【0066】
また、本実施の形態においては、粉粒体の送出装置M1はケース20の傾斜面20aに、軸受を兼ねる取付具30、31を介して取り付けられている。
【0067】
本実施の形態において送出部材13は、例えばステンレス製の線材を螺旋状に巻いて形成されるバネ状部材で構成されている。
【0068】
これにより、排出孔12の内壁と送出部材(バネ状部材)13との間に食塩等の粉粒体が噛み込むことを簡易な構成で抑制することができる。
【0069】
また、前記バネ状部材13の先端側は排出孔12内に回転自在に挿入され、且つ、該バネ状部材13の先端部13aは排出孔12の外側の端部まで達するように構成されている。
【0070】
これにより、排出孔から粉粒体が余計に落下する事態を未然に防止して、粉粒体をより正確に計量して送り出すことができる。
【0071】
ここで、図4および図5を参照して、送出部材としてのバネ状部材および排出孔を水平状態で設けた場合と、20度傾斜させて設けた場合の粉粒体の送り出し状態について比較する。
【0072】
まず、図4の(ア)に示すように、排出孔12および送出部材(バネ状部材)13が水平状態とした場合には、(イ)に示すように送出部材13の回転によって粉粒体のAの部分が定量供給されていく。
【0073】
ところが、(ウ)に示すように、粉粒体のAの部分が排出された場合に、Aの上方のBの部分の粉粒体が外側に崩れて排出されてしまう場合があり、結果的に供給される粉粒体の量が増減してしまうという不具合があった。
【0074】
一方、図5の(ア)に示すように、排出孔12および送出部材(バネ状部材)13が水平面に対して20度の仰角を有する場合には、(イ)に示すように送出部材13の回転によって粉粒体のAの部分が定量供給されていく。
【0075】
この場合には、(ウ)に示すように、粉粒体のAの部分の上方部Bには粉粒体は無い(自重により排出孔12内に落下する)ので、粉粒体のAの部分のみが排出され、均一な量の粉粒体を供給することができる。
【0076】
このように、排出孔12および送出部材(バネ状部材)13が水平面に対して20度の仰角を持たせることによって、粉粒体をより正確に計量して送り出すことができる。
【0077】
また、本実施の形態に係る粉粒体の送出装置M1においては、送出部材13の上方には、筐体11に貯留されている粉粒体を解す羽根14aを有する解しローラ14が設けられている。
【0078】
さらに、解しローラ14の上方には、粉粒体の湿化を防止するヒータ15が設けられている。
【0079】
次に、図1〜図3および図6〜図9に基づいて、粉粒体の散布装置M2について説明する。
【0080】
粉粒体の散布装置M2は、図6および図7に示すような複数の散布孔51を有する有底の筒状に形成されるノズル部材50を有する。
【0081】
また、ノズル部材50の少なくとも下部が挿入され、所定の隙間を介してノズル部材50を囲繞する筒形状を有するガイド部材60を有する。
【0082】
さらに、ノズル部材50に振動を加える加振手段70を備える。詳細な構成については後述する。
【0083】
本実施の形態において、ノズル部材50の散布孔51は、図6および図7に示すように、例えばプラスチック等で成形される筒状のノズル部材50の底部付近の側壁に、所定の間隔を空けて環状に計8個の開口部が形成されている。
【0084】
なお、この散布孔51の個数や大きさ等は、特には限定されず、散布しようとする粉粒体の種類や粒径等に応じて適宜変更可能である。
【0085】
また、本実施の形態において、ガイド部材60は、図8および図9に示すような無底の枡形状とされ、図9の(c)に示すようにガイド部材60の下端内側の辺の長さLは、粉粒体を散布する対象物の幅に合わせて設定されている。
【0086】
即ち、例えば散布対象物がおにぎりの原材料となるシート状の米飯である場合に、その米飯の搬送方向と直交する幅に合わせてガイド部材60の下端内側の辺の長さLが設定される。
【0087】
これにより、シート状の米飯の全体に満遍なく粉粒体を散布することができる。
【0088】
また、辺の長さLを変えた複数種のガイド部材60を用意し、散布対象物に対応させて当該ガイド部材60を付け替えることにより、複数種の散布対象物に合わせた粉粒体の散布を行うことができる。
【0089】
即ち、振動されるノズル部材50の散布孔51を介して外部に排出された粉粒体は、ガイド部材60の内壁63(図8、図9参照)に衝突し、当該内壁63の形状に沿って下方に散布される。したがって、ガイド部材60の辺の長さLを変えることにより、散布範囲を変更することができる。
【0090】
また、本実施の形態では、ガイド部材60を無底の枡形状とする場合を示したが、これに限定されず、円筒形や断面形状が多角形となる形状とすることも考えられる。
【0091】
なお、図8、図9に示すように、ガイド部材60の側部には、ガイド部材60自身を固定具に固定するための溝61が形成されている。
【0092】
また、ガイド部材60の下部には空間62が形成され、散布される粉粒体の有無を検知する光センサ等で構成される粉粒体検知センサ65が設けられている(図3参照)。
【0093】
この粉粒体検知センサ65は、検知信号を後述する調整手段に対して出力することにより散布される粉粒体の有無に応じてノズル部材50の振動を止めるなどの制御を行うことができる。
【0094】
また、粉粒体の散布装置M2のノズル部材50の上方の開口部52は、粉粒体の送出装置M1の排出孔12から排出される粉粒体が落下して投入される位置となるように構成されている。
【0095】
本実施の形態において、加振手段70は、図3に示すように、振動を発生させる振動発生装置71と、振動発生装置71で発生された振動をノズル部材50にのみ伝達する板状の振動伝達部材72とから構成されている。
【0096】
板状の振動伝達部材72は、特には限定されないが、例えば所定の厚さの金属板等で構成される。
【0097】
振動発生装置71は、電動モータ80と、電動モータ80の回転軸81に接続される偏心錘82と、電動モータ80の回転速度を調整するマイクロコンピュータ等で構成される調整手段(図示せず)とを備える。
【0098】
なお、ケース20には、調整手段を介して電動モータ80の回転速度を調整して振動をノズル部材50の振動の強さ等を変更する調整ダイアル21と、前述の送出部材(バネ状部材)13の回転速度を変更する調整ダイアル22とが設けられている。
【0099】
また、ケース20には、ヒータ15のオン・オフを行うスイッチ23も設けられている。
【0100】
本実施の形態に係る振動発生装置71では、振動伝達部材72は、バネ90で板状部材の一部を挟んで制振させる制振部91を備えている。
【0101】
これにより、ノズル部材50の無用な振動を抑えることができる。
【0102】
なお、本実施の形態においては、振動発生装置71および制振部91は、台座100の天板101の裏側に取り付けられている。
【0103】
次に、図1〜図3および図10、図11を参照して、粉粒体を散布する対象物を前記散布装置による粉粒体の散布領域に搬送する搬送装置M3の構成例について説明する。
【0104】
本実施の形態において、搬送装置M3を構成する搬送コンベア200は、複数の丸ベルト201を巻き掛けたコンベアとなっている。
【0105】
即ち、搬送コンベア200は、図10および図11に示すように、ローラ203、204、205に複数本の丸ベルト201が所定の間隔を空けて掛け回されて構成されている。
【0106】
これにより、シート状の米飯R等の散布対象物から外れた食塩等の粉粒体は、丸ベルト201の曲面状の表面から落下し易いので、搬送コンベア200に余計な粉粒体が残留せず、散布対象物が丸ベルト201の表面で滑ることが防止され、確実に搬送することができる。
【0107】
なお、搬送コンベア200の下方には、丸ベルト201等から落下した粉粒体を回収するための傾斜板215が設けられている。
【0108】
また、本実施の形態においては、搬送コンベア200の搬送方向の下方に、当該搬送コンベア200で搬送され、粉粒体を散布した対象物をさらに移送するベルトコンベア202が設けられている。
【0109】
なお、ベルトコンベア202の下方には、搬送ベルトの表面に付着した対象物等を除去するスクレーパ216が設けられている。
【0110】
また、搬送される対象物がシート状の米飯等である場合には、搬送コンベア200からベルトコンベア202に落下して移る際に、シート状の米飯等の表裏が反転された状態となるように構成してもよい。
【0111】
また、本実施の形態に係る粉粒体の定量散布装置Mは、例えば金属製の台座300の上に載置される。
【0112】
また、図1および図2に示すように、搬送装置M3の下方に、対象物から外れて落下した粉粒体を回収する回収トレー301が設けられている。
【0113】
次に、本実施の形態に係る粉粒体の定量散布装置Mの動作について説明する。
【0114】
まず、散布する粉粒体の種類や予め設定される散布量に応じて、ノズル部材50の振動の強さ等を変更する調整ダイアル21と、送出部材(バネ状部材)13の回転速度を変更する調整ダイアル22とを操作して調節する。
【0115】
次いで、粉粒体の定量散布装置Mの電源を投入して稼働させると、搬送装置M3により散布対象物としての例えばシート状の米飯等が搬送されて来る。
【0116】
そして、予め設定される散布領域にシート状の米飯等が到来するタイミングで、粉粒体の送出装置M1および粉粒体の散布装置M2が稼働を開始する。
【0117】
即ち、粉粒体の送出装置M1において、解しローラ14および送出部材(バネ状部材)13の回転が開始される。
【0118】
なお、粉粒体としての例えば食塩などの湿気状態を作業者が確認し、必要に応じて湿化を防止するヒータ15のスイッチ23をオン・オフさせる。
【0119】
また、作業者は、粉粒体の供給状態を監視して、必要に応じてホッパー10に粉粒体を補給する。
【0120】
そして、送出部材(バネ状部材)13の所定期間の回転により、予め設定された量(例えば、散布対象物がおにぎり用のシート状の米飯である場合には、粉粒体としての食塩の量は例えば1.5g等に設定される)の粉粒体が排出孔12から排出されて、粉粒体の散布装置M2のノズル部材50の開口部52に投入される。
【0121】
一方、粉粒体の送出装置M1の稼働と同時に、粉粒体の散布装置M2の振動発生装置71が動作を開始する。
【0122】
即ち、電動モータ80が回転を開始し、偏心錘82の回転により振動が発生する。発生した振動は、板状の振動伝達部材72を介してノズル部材50に伝達される。
【0123】
これにより、ノズル部材50は例えば縦方向に細かく振動され、粉粒体の送出装置M1からノズル部材50内に投入された粉粒体が、複数の散布孔51から外側に排出される。
【0124】
そして、ノズル部材50の散布孔51から外側に排出された粉粒体は、ガイド部材60の内壁63に衝突し、当該内壁63の形状に沿って対象物の表面に散布される。
【0125】
なお、対象物については、その用途等に応じて、搬送装置M3を動作させて搬送しながら粉粒体の散布を行うようにしてもよいし、あるいは散布時に搬送装置M3を一旦停止させるようにしてもよい。
【0126】
また、例えば、シート状の米飯の長さを変え、散布する食塩の量を変えない場合には、調整ダイアル21を操作して、ノズル部材50の振動の強さ等を変更して散布速度を調整することができる。
【0127】
即ち、例えば、シート状の米飯の長さを標準よりも短くした場合には、所定量の食塩を散布し終えるまでの時間を短くする必要があるためノズル部材50の振動の強さを強くするように調節する。
【0128】
逆に、例えば、シート状の米飯の長さを標準よりも長くした場合には、所定量の食塩を散布し終えるまでの時間を長くする必要があるためノズル部材50の振動の強さを弱くするように調節する。
【0129】
このように、本実施の形態に係る粉粒体の定量散布装置Mによれば、散布対象物の変更や、散布すべき面積の変化等に機動的に対応することが可能となる。
【0130】
また、上記実施の形態では、一台の粉粒体の送出装置M1を備える場合を示したが、これに限定されず、複数の粉粒体の送出装置M1を備えるように構成してもよい。
【0131】
この場合には、各送出装置M1から送出された複数種類の粉粒体を粉粒体の散布装置M2のノズル部材50内で混合して散布することが可能となる。
【0132】
なお、粉粒体としては、食塩、ゴマ、砂糖、粉チーズ、振りかけ、乾燥野菜、小麦粉等の調味料や各種食品が挙げられる。
【0133】
また、散布対象物としては、シート状の米飯、ピザ生地、餅の生地、成形済みのおにぎり等の各種食品が挙げられる。
【0134】
さらに、粉粒体としては、上述の食品類に限らず、例えばセメント、石膏、樹脂粉等を用いることも考えられる。
【0135】
また、散布対象物としても、上述の食品類に限らず、前記粉粒体を散布し得る各種工業製品等が考えられる。
【0136】
次に、図12を参照して、上述の粉粒体の定量散布装置Mを用いたおにぎり製造装置M10の実施の形態について説明する。
【0137】
図12に示す構成例では、おにぎり製造装置M10は、上述の粉粒体の定量散布装置Mと、この粉粒体の定量散布装置Mの対象物(例えば、シート状の米飯R)の搬送方向上流側(図上は右側)に配置され、粉粒体の定量散布装置Mが備える搬送コンベア200に対して所定の長さに切断されたシート状の米飯Rを所定の時間間隔で供給するシート状米飯の供給装置(供給手段701の一例)と、前記搬送コンベア200とベルトコンベア202で構成され、粉粒体の一種としての食塩が散布されたシート状の米飯Rの表裏を反転させる反転手段702と、反転手段702の前記搬送方向下流側(図上は左側)に配置され、反転手段702によって表裏が反転されたシート状の米飯Rの上に、梅干、解した焼き鮭、たら子、佃煮などの所定の具材を載置する具材載置装置703(具材載置手段の一例)と、具材載置装置703によって所定の具材が載置されたシート状の米飯Rを前記具材が内部に位置し、粉粒体としての食塩が散布された面が外側となるおにぎり形状に成形するおにぎり成形装置704(成形手段の一例)とから構成されている。
【0138】
本実施の形態に係るおにぎり製造装置M10によれば、シート状米飯の供給装置701から所定の時間間隔で供給される所定の長さに切断されたシート状の米飯Rに対して、おにぎり形状に成形する前段階で食塩を散布(「前振り」とも呼ぶ)することができる。
【0139】
これにより、従来のようにおにぎり形状に成形した後に食塩を散布する(「後振り」とも呼ぶ)場合に比して、おにぎりを成形する前に、飯シート状の表面全体に塩を満遍なく散布し、その後で成形する方法をとることにより、手に塩を載せてご飯をにぎり、ふっくらとした手握りおにぎりと同様の食感を作り出すことが可能となるという効果がある。
【0140】
また、本実施の形態に係るおにぎり製造装置M10によれば、食塩を散布した後に、シート状の米飯Rの表裏を反転させているので、具材載置装置703による作業を効率的に行うことができるという効果もある。
【0141】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0142】
例えば、図13に示すように、粉粒体の送出装置M1が備える筐体11において、排出孔12の外側の端部に、バネ状部材13の先端側13aが当接して当該バネ状部材13の突出を規制するキャップ状の規制部材500(規制手段の一例)を設けるようにしてもよい。
【0143】
これにより、バネ状部材13の抜け出しを防止すると共に当該バネ状部材13の先端側13aが排出孔12の端部に位置決めされるので、粉粒体の安定した送り出しを行うことができる。
【0144】
また、図13に示す構成例では、キャップ状の規制部材500には、排出孔12から排出された粉粒体を下方側に案内するU字状の案内溝501が形成されている。これにより、排出孔12から排出された粉粒体の円滑な落下を図ることができる。
【0145】
なお、案内溝501の形状はU字状に限らず、粉粒体を下方側に案内できる形状であれば如何なる形状であってもよい。
【0146】
また、筐体11のフロントカバー11aとリアカバー11bとの間には、筐体11内を貫通する筒状体602が設けられ、当該筒状体602の両端部が筐体11のフロントカバー11aおよびリアカバー11bに形成された挿通孔601に臨むように構成されている。
【0147】
そして、ケース20(図3参照)の傾斜面20aに設けられる2本の支柱(図示せず)が、各挿通孔601を介して筒状体602に差し込まれて、筐体11自体がケース20に固定されるようになっている。
【0148】
なお、筐体11のフロントカバー11aとリアカバー11bには、解しローラ14の軸受孔600が形成されている。
【0149】
また、図13に示す例では、バネ状部材13の突出を規制する規制機能と、排出孔12から排出された粉粒体を下方側に案内する案内機能とを一つのキャップ状の規制部材500で兼ねる場合を示したが、これに限定されるものではない。
【0150】
例えば、排出孔12の上半分に嵌め込まれる半円形等の規制部材と、排出孔12の下半分に嵌め込まれる案内溝を有する案内部材とに分けるようにしてもよい。
【0151】
また、規制部材および案内部材は、別部材として排出孔12の外側に取り付ける場合に限らず、排出孔12の外側に一体的に形成するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明に係る粉粒体の送出装置、粉粒体の散布装置、粉粒体の定量散布装置、おにぎり製造装置およびおにぎり製造方法は、例えば、おにぎり、ピザ等の各種食品の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0153】
M 粉粒体の定量散布装置
M1 粉粒体の送出装置
M2 粉粒体の散布装置
M3 搬送装置
M10 おにぎり製造装置
10 ホッパー
11 筐体
11a フロントカバー
11b リアカバー
12 排出孔
13 送出部材(バネ状部材)
13a 先端部
14 解しローラ
14a 解し羽根
15 ヒータ
20 ケース
20a 傾斜面
21 調整ダイアル
22 調整ダイアル
23 スイッチ
50 ノズル部材
51 散布孔
52 開口部
60 ガイド部材
63 内壁
65 粉粒体検知センサ
70 加振手段
71 振動発生装置
72 振動伝達部材
80 電動モータ
81 回転軸
82 偏心錘
90 バネ
91 制振部
100 台座
101 天板
200 搬送コンベア
201 丸ベルト
202 ベルトコンベア
203 ローラ
215 傾斜板
216 スクレーパ
300 台座
301 回収トレー
500 キャップ状の規制部材
501 案内溝
600 軸受孔
601 挿通孔
602 筒状体
701 シート状米飯の供給装置
702 反転手段
703 具材載置装置
704 おにぎり成形装置
R シート状の米飯(散布対象物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を貯留する筐体と、
当該筐体の一側壁に穿設され、粉粒体が排出される円筒形の排出孔と、
該排出孔の延長線上に配置され、前記筐体に貯留されている粉粒体を回転運動により該排出孔に対して送り出す螺旋状の送出部材と、
該送出部材を回転させる駆動手段と、
予め設定される粉粒体の送出量に合わせて前記送出部材の回転量を制御する制御手段と、
を備え、
少なくとも前記排出孔および前記送出部材は、それぞれの中心線の角度が水平面に対して所定の仰角を有するように構成されていることを特徴とする粉粒体の送出装置。
【請求項2】
前記送出部材は、線材を螺旋状に巻いて形成されるバネ状部材で構成されることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体の送出装置。
【請求項3】
前記バネ状部材の先端側は前記排出孔内に回転自在に挿入され、且つ、該バネ状部材の先端部は前記排出孔の外側の端部まで達するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の粉粒体の送出装置。
【請求項4】
前記所定の仰角は、約20度であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の粉粒体の送出装置。
【請求項5】
前記送出部材の上方には、前記筐体に貯留されている粉粒体を解す羽根を有する解しローラが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の粉粒体の送出装置。
【請求項6】
前記解しローラの上方には、粉粒体の湿化を防止するヒータが設けられていることを特徴とする請求項5に記載の粉粒体の送出装置。
【請求項7】
前記排出孔の外側の端部には、前記バネ状部材の先端側が当接して当該バネ状部材の突出を規制する規制手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の粉粒体の送出装置。
【請求項8】
前記排出孔の外側の端部には、前記排出孔から排出された粉粒体を下方側に案内する案内溝が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の粉粒体の送出装置。
【請求項9】
複数の散布孔を有する有底の筒状に形成され、粉粒体が投入されるノズル部材と、
該ノズル部材の少なくとも下部が挿入され、所定の隙間を介して該ノズル部材を囲繞する筒形状を有するガイド部材と、
前記ノズル部材に投入された粉粒体を散布する際に当該ノズル部材に振動を加える加振手段と、
を少なくとも備えることを特徴とする粉粒体の散布装置。
【請求項10】
前記ノズル部材の前記散布孔は、
前記ノズル部材の底部付近の側壁に、所定の間隔を空けて環状に開口されることを特徴とする請求項9に記載の粉粒体の散布装置。
【請求項11】
前記ガイド部材は、無底の枡形状とされ、
当該ガイド部材の下端内側の辺の長さは、粉粒体を散布する対象物の幅に合わせて設定されることを特徴とする請求項9または請求項10の何れかに記載の粉粒体の散布装置。
【請求項12】
前記加振手段は、
振動を発生させる振動発生装置と、
該振動発生装置で発生された振動を前記ノズル部材にのみ伝達する板状の振動伝達部材とから構成され、
前記振動発生装置は、
電動モータと、
該電動モータの回転軸に接続される偏心錘と、
前記電動モータの回転速度を調整する調整手段と、
を備えることを特徴とする請求項9から請求項11の何れかに記載の粉粒体の散布装置。
【請求項13】
前記振動伝達部材は、
バネで板状部材の一部を挟んで制振させる制振部を備えることを特徴とする請求項9から請求項12の何れかに記載の粉粒体の散布装置。
【請求項14】
前記ガイド部材は、
散布される粉粒体の有無を検知する粉粒体検知センサを備え、
該粉粒体検知センサは、検知信号を前記調整手段に対して出力することを特徴とする請求項12または請求項13の何れかに記載の粉粒体の散布装置。
【請求項15】
請求項1から請求項8の何れかに記載の粉粒体の送出装置と、
請求項9から請求項14の何れかに記載の粉粒体の散布装置と、
粉粒体を散布する対象物を前記散布装置による粉粒体の散布領域に搬送する搬送装置と、
を少なくとも備えることを特徴とする粉粒体の定量散布装置。
【請求項16】
前記粉粒体の散布装置の前記ノズル部材の上方の開口部は、前記粉粒体の送出装置の排出孔から排出される粉粒体が落下して投入される位置となるように構成されることを特徴とする請求項15に記載の粉粒体の定量散布装置。
【請求項17】
前記搬送装置を構成する搬送コンベアは、複数の丸ベルトを巻き掛けたコンベアであることを特徴とする請求項15または請求項16の何れかに記載の粉粒体の定量散布装置。
【請求項18】
複数の前記粉粒体の送出装置を備え、
各送出装置から送出された複数種類の粉粒体を前記粉粒体の散布装置の前記ノズル部材内で混合して散布することを特徴とする請求項15から請求項17の何れかに記載の粉粒体の定量散布装置。
【請求項19】
前記粉粒体として食塩を含み、前記対象物としてシート状に成形された米飯を含むことを特徴とする請求項15から請求項18の何れかに記載の粉粒体の定量散布装置。
【請求項20】
請求項15から請求項19の何れかに記載の粉粒体の定量散布装置と、
該粉粒体の定量散布装置の前記対象物の搬送方向上流側に配置され、前記粉粒体の定量散布装置が備える前記搬送装置に対して前記対象物としてのシート状に成形された米飯を供給する供給手段と、
前記搬送装置の前記搬送方向下流側に配置され、前記粉粒体の散布装置によって前記粉粒体が散布された前記シート状に成形された米飯の表裏を反転させる反転手段と、
該反転手段の前記搬送方向下流側に配置され、前記反転手段によって表裏が反転された前記シート状に成形された米飯の上に、所定の具材を載置する具材載置手段と、
該具材載置手段によって所定の具材が載置された前記シート状に成形された米飯を前記所定の具材が内部に位置し、粉粒体が散布された面が外側となるおにぎり形状に成形する成形手段と、
を備えることを特徴とするおにぎり製造装置。
【請求項21】
請求項15から請求項19の何れかに記載の粉粒体の定量散布装置に対してシート状に成形された米飯を供給する供給工程と、
前記粉粒体の定量散布装置によって前記シート状に成形された米飯に前記粉粒体の散布装置によって粉粒体を散布する散布工程と、
粉粒体が散布された前記シート状に成形された米飯の表裏を反転させる反転工程と、
表裏を反転されたシート状に成形された米飯の上に、所定の具材を載置する具材載置工程と、
所定の具材が載置された前記シート状に成形された米飯を前記所定の具材が内部に位置し、粉粒体が散布された面が外側となるおにぎり形状に成形する成形工程と、
を有することを特徴とするおにぎり製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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