説明

粉粒体分配装置および粉粒体分配方法

【課題】高精度な分配能力を有する粉粒体の分配装置および分配方法を提供すること。
【解決手段】主管内を、粉粒体を1次気体によって輸送しながら主管に対して2次気体吹き込みノズルから2次気体を吹き込み、2次気体吹き込みノズルの下流に設けた複数の分配管に粉粒体を含む気体を分配する粉粒体分配装置において、2次気体の流量を変動させる気体流量変動手段を2次気体吹き込みノズルの上流側に設ける構成を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体分配装置および粉粒体分配方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粉粒体を分配する装置は、例えば高炉の燃料吹込み設備に用いられており、その管路系は微粉炭、コークス粉等が粉流体輸送管から各分岐管を介して高炉羽口へ所定量吹込まれる配管構造となっている。このような管路系に用いられている従来の分配装置としては、輸送管の途中にY字形あるいはT字形の配管を分岐したい本数だけカスケード状に設置し、これら分岐配管に粉流体を衝突させて分配供給する方式、あるいは輸送管より大径の管体の側面に管軸線に対し直角方向に複数の分岐管を突設した分散室を輸送管に接続し、分散室の内壁に粉粒体を衝突させることにより該分散室内で粉粒体の均一分散を行わせて各分岐管に等配する方式が採用されている。
【0003】
しかし、前記装置では、輸送されてきた粉粒体が分岐管内面に衝突することで、分岐管内面の磨耗が著しい上、粉粒体のエネルギー(圧力)損失も大きく、また分配精度も低い欠点があった。
【0004】
それらの欠点を解決するために、特許文献1には、分散室より上流側に2次気体を接線方向に吹込むノズルを設け、粉粒体に旋回流を与え均一分散効果をより増し、分配精度の向上を図った技術が開示されている。
【0005】
しかし、例えば航空機材料に適用されるレベルのCFRPを製造する場合の炭素繊維シート製造工程において、CFRPの層間破壊防止の目的で層間強化粒子を撒布する必要がある。この行程での撒布精度がCFRP成形後の強度と大きく関係してくるため均一な撒布が求められる。均一な撒布を行う手段の1つとして撒布ノズルを多数設けることが考えられる。当然、撒布ノズル毎に等分配された層間強化粒子の供給が要求されるのだが、本発明者らの知見によれば、特許文献1に記載の分配装置で分配した場合、旋回流によって均一分散効果は向上するが、旋回流の到達地点は常に同じ場所になることが多く、偏った分配が行われ、要求の分配精度を達成することが困難である場合があった。
【特許文献1】実願昭56−73928号(実開昭57−184739号のマイクロフィルム)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、高精度な分配能力を有する粉粒体の分配装置および分配方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明によれば、主管内を、粉粒体を1次気体によって輸送しながら前記主管に対して2次気体吹き込みノズルから2次気体を吹き込み、前記2次気体吹き込みノズルの下流に設けた複数の分配管に前記粉粒体を含む気体を分配する粉粒体分配装置において、前記2次気体の流量を変動させる気体流量変動手段を前記2次気体吹き込みノズルの上流側に設けた粉粒体分配装置が提供される。
【0008】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記主管の軸方向に垂直な面内における前記2次気体吹込みノズルの吹き込み方向が、前記主管と軸心を同一とする直径が前記主管の直径の半分である円の領域の外側を向いている粉粒体分配装置が提供される。
【0009】
また、本発明の別の形態によれば、主管内を、粉粒体を1次気体によって輸送しながら前記主管に対して2次気体吹き込みノズルから2次気体を吹き込み、前記2次気体吹き込みノズルの下流に設けた複数の分配管に前記粉粒体を含む気体を分配する粉粒体分配方法において、前記2次気体吹き込みノズルの上流側で前記2次気体の流量を変動させる粉粒体分配方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記2次気体の流量を周期的に変動させる粉粒体分配方法が提供される。
【0010】
本発明において「粉粒体」とは、樹脂・金属・金属酸化物・石炭・木炭等を原料とする体積平均粒径0.01〜1000μmの粒子をいう。
【0011】
また、本発明において「1次気体」および「2次気体」は、同じ気体であってもよいし、異なる気体であってもよい。気体としては、例えば、空気などが挙げられる。粉粒体が酸素や水蒸気を嫌う場合には、窒素・アルゴン等でもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、2次気体の流量を変動させる変動手段を設けたことによって、分配精度の高い粉粒体分配装置および粉粒体分配方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0014】
図4は本発明の一実施形態である粉粒体分配装置の全体構成を示した概略図である。粉粒体分配装置の全体構成は、主に、1次気体・2次気体が充填されているタンク60、粉粒体62が蓄えられているホッパー63、1次気体に粉粒体を混合させるエジェクタ65、その下流に位置して1次気体と2次気体を混合させる粉粒体分配装置68、2次気体の流量を変動させる電磁弁70からなる。粉粒体分配装置68には搬送用配管67と2次気体吹込み配管69がつながっている。粉粒体分配装置68より下流側には分配搬送管71が接続されており、撒布ノズル72につながっている。撒布ノズル72は固定ブロック76によって等間隔に固定されている。
【0015】
次に1次気体・2次気体の流れについて図4を用いて説明する。
【0016】
まず1次気体の流れについて説明する。1次気体は、タンク60とエジェクタ65の間の1次気体配管61に設けられた流量調節バルブ74によって搬送に適した流量に調節され、エジェクタ65に流される。エジェクタ65では、ホッパー63に蓄えられた粉粒体62がフィーダー64から定量供給され、1次気体と混合され、搬送用配管67を通過する。粉粒体62は搬送用配管67内で慣性力の影響を受けるため、管内断面で均一とならないまま粉粒体分配装置68に流れる。
【0017】
次に2次気体の流れについて説明する。2次気体は、タンク60と電磁弁70の間の2次気体配管66に設けられた流量調節バルブ75によって粉粒体分配装置68内で適度な旋回流を起こす流量に調節され、2次気体配管66を通過し、粉粒体分配装置68へ流れ込む。粉粒体分配装置68へ流れ込む前に、2次気体配管66には、電磁弁70が設けられており、電磁弁70と粉粒体分配装置68の間には、2次気体吹き込み配管69が設けられている。電磁弁70の動作は、シーケンサー73によって制御できるようになっている。シーケンサー73によって、電磁弁70を開閉させることにより、流量変動をもった2次気体を2次気体吹込み配管69を通して粉粒体分配装置68に吹き込むことができるようになる。2次気体の流量変動は、特に周期性が必要なものではなく、ランダムな周期で実施しても良いが、流量変動を機械装置にて実施するには一定の周期をもたせる方が装置構成上簡便であり実施しやすい。そして、流量変動を一定周期で実施する場合は、変動周期:T1を後述する計量時間:T2で割り返した値を変動率:αとし(T1/T2=α)、変動率αを、
1/1500≦α≦1/60
の範囲とすると、高い分配精度向上の効果が期待でき、更に望ましくは、
1/1500≦α≦1/300
の範囲とするのが良い。
【0018】
計量時間T2は、粉粒体分配装置により分配した粉粒体を捕集容器やシート材等で捕集する時間のことで、例えば、図5のように、サイクロン150の下部に設置した捕集容器151にて粉粒体を捕集する場合は、粉粒体62が所望の重量に達するまで粉粒体62を供給するわけであり、その供給時間が計量時間T2となる。またその他に、図6に示すように連続したシート材141を矢印方向に搬送し、シート材搬送方向に直行する方向に配置した複数の散布ノズル72により粉粒体62をシート材141上に撒布する場合、シート材141の流れる速度をA(m/秒)、撒布ノズル72の撒布範囲142における搬送方向の長さをL(m)とすると、シート材141の各箇所が粉粒体を捕集する時間が計量時間であり、計量時間T2はL/A(秒)となる。
【0019】
変動率αを前述の範囲とすることで分配精度が向上する理由については後述のメカニズムの解説の中で説明することとする。
【0020】
気体流量変動手段としては電磁弁に限定する必要はないが、容易に用いることができるので電磁弁を使用することが好ましい。
【0021】
なお、2次気体に流量変動を与える手段として、電磁弁以外の好ましい手段を以下に説明する。この気体流量変動手段には大きく分けて4つの方法に種別する。以下4種類について図を使って説明する。
(1)一つ目は、流路完全遮断型の手段である。これは本実施形態で示した電磁弁にもあてはまる。図7に示すようなボールバルブ100のボール101をモーターで回転させておこなう方法も考えられる。
(2)二つ目は、流路不完全遮断型の手段である。図8に示すようにウレタンホース110もしくは弾力があり、再度もとの形状に戻りやすい材質のホースの外側をアクチュエーター111に固定されたブロック112で潰し、流路を不完全に遮断させる方法が考えられる。
(3)三つ目は、流路開放型の手段である。図9に示すように枝管121を接続し、分岐先に電磁弁120を接続し、シーケンサー122によって電磁弁120を開閉させ、電磁弁120を開とした時は流量を減らし、閉とした時は元の流量に戻るという方法も考えられる。
(4)四つ目は、流量追加型の手段である。図10に示すように枝管121を接続し、分岐先に電磁弁120を接続し、シーケンサー122によって電磁弁120を開閉させ、電磁弁120を開とした時は、圧空が配管内に流れ込み流量が増加し、閉とした時は元の流量に戻るという方法も考えられる。
【0022】
以上のように、1次気体と2次気体が搬送用配管67、2次気体配管66内を流れていくが、これらの気体が粉粒体分配装置68内で、どのような流れになるかを以下に説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態の粉粒体分配装置68の概略縦断面図である。まず主管3は図中の太線で示す部分である。1次気体が通る搬送用配管67は配管接続継手1に接続されている。2次気体が通る2次気体吹込み配管69は2次気体吹込み配管接続継手6に接続されおり、主管3の中央付近に設けてある2次気体吹込みノズル5につながっている。A−A断面の2次気体吹込みノズル5付近を図2に示す。
【0024】
2次気体吹込みノズル5付近の主管3は内径Dの円管であり、前記2次気体吹込みノズル5は、2次気体吹込みノズル5の軸心が、主管3と軸心を同一とする直径D/2の円の領域の外側、すなわち図2中の斜線領域7以外を通る位置に4カ所、周方向に等配に設けてある。このように、2次気体吹込みノズル5の軸心を主管3の中央部からずらすことで、2次気体は主管軸心を回転中心とした理想的な旋回流を生む。
【0025】
本実施形態では2次気体吹込みノズル5を4個設けた例を示したが、特に4個に限定されることはなく5個や3個、場合によっては1個でもよいが、偏りのない高精度な旋回流を形成するためには複数個を周方向に等配で設けることが望ましい。
【0026】
前述の通り、管内断面で均一とならないまま配管接続継手1を通って流れてきた粉粒体は2次気体吹込みノズル5を通り過ぎた時点から、2次気体吹込み配管接続継手6から流れてきた気体流量変動をもった2次気体の旋回流の作用によって主管内を旋回しながら流れ、分配管4に到達する。図3は、図1の粉粒体分配装置のB−B断面図である。図3に示すように、分配管4は2次気体吹込みノズルと同様に軸心を主管の中央部からずらした上、3方向に等配に配置しているため、旋回流に乗った粉粒体はスムーズに分配管4に導入される。
【0027】
ここで、気体流量変動手段を設けたことによる分配精度向上のメカニズムを図11を使って説明する。図11aは、粉粒体分配装置68内の気体の流れを示した概念図である。図11bは、2次気体の流量を図11aの場合より低下させたときの粉粒体分配装置68内の気体の流れを示した概念図である。図11aに示すように、粉粒体62は主管3の左端で濃度が高い、偏った状態で粉粒体分配装置68に流れてきたとする。主管3の上流側から流れてきた1次気体流量をF、2次気体吹込みノズル5から流れてきた、旋回を伴う2次気体流量をGとすると、2次気体吹込みノズル5より下流側の流れは、角度Iを持った螺旋状の流れHとなる。2次気体流量が変化しない場合、角度Iは不変であり、高濃度部分が左端に偏った粉粒体62は螺旋状の流れHに沿って、常に左下方向の分配管4bに偏って分配されることが推測できる。図11bは、1次気体流量Fは図11aの場合と同じで、2次気体流量KをGより小さくした場合を示しており、そうすると角度Mは図11aの角度Iと比べて大きくなり、前述の流れHに比べピッチの長い螺旋状の流れLが形成される。この場合、高濃度部分は上方向の分配管4aに偏って分配されることが推測できる。つまり、2次気体流量を変動させることによって螺旋状流れのピッチが変化し、高濃度部分の到達地点が変わり、偏りを均等に分散する効果が得られることで分配精度が向上するのである。
【0028】
前述した、変動率αを1/1500≦α≦1/60、更に好ましくは1/1500≦α≦1/300とする理由であるが、まず変動率αが1/60より大きくなる場合、計量時間T2の間に高濃度部分の到達点変化がたかだか60回以下しか行われず、偏りの分散効果が十分に得られないため、分配精度の向上があまり望めないのである。一方、変動率αが1/300まで小さくなると、計量時間T2の間に300回以上の到達点変化が起こり、偏りの分散効果が十分に引き出されるようになる。また、変動率αを1/1500以上とする理由は、装置的限界の問題からであり、変動率をこれ以上小さくすると変動の回数が膨大となり、装置の寿命低下を招き、計量時間T2が短い場合などは、装置の応答能力が速すぎる変動に追従できず、狙い通りの流量変動を発生できないという問題が発生する。変動率は1500以上でも十分に偏りの分散効果は発揮できるため、あえてこれ以上低い変動率とする必要性は少ない。
【0029】
以上に最良の実施形態を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、2次気体吹込みノズル5は、軸心を主管3の軸心中央部からずれた位置に配置することで旋回流を発生させたが、2次気体は必ずしも旋回流を起こす必要はなく、単に1つの2次気体吹込みノズルを主管の軸心に向かって配置する場合でも、2次気体に流量変動を与えることで、主管内の流れに変化が生じ、偏りを分散する効果が得られ、分配精度の向上効果が期待できる。また、上記のように2次気体に理想的な旋回流を発生させることを期待しない場合は、主管は円管である必然性はなく、四角形や多角形、楕円形等でもかまわない。
【実施例】
【0030】
本発明の分配精度向上効果を以下の実施例によって評価した。評価に用いた装置は、図1に示す粉粒体分配装置である。装置の全体構成としては、図4に示す粉粒体分配装置の全体構成であり、分配搬送管71の先端に設けられた3つの撒布ノズル72a、72b、72cにフィルタ77a、77b、77cを設置し、粉粒体62をフィルタ77に捕集させ、捕集前と捕集後のフィルタ77の重量を計量し差分を粉粒体の捕集量とした。1次気体、および2次気体には最大圧力露点を10℃以下とした通常の空気を用い、粉粒体には体積平均粒径が100μmのポリエーテルスルホーン粒子を用いた。電磁弁70には高速動作可能な電磁弁(クロダニューマティクス株式会社製;直動形電磁弁:VA05PSC24-1PRE-01)を用い、これをシーケンサー73によって所定の周期T1で開閉動作を実施することで、2次気体の流量に周期T1の変動を付与した。なお、開:閉時間の比は2:1とした。また場合によっては、電磁弁を開・閉それぞれのみの条件でも運転を実施した。その他、1次気体流量を110L/分、2次気体流量を電磁弁が開の状態で55L/分、粉粒体供給量を13g/分、運転時間を1分間(すなわち前述の計量時間T2=1分)とした。そしてこの1分間の運転を1バッチとし、計3バッチのテストを実施することで、合計9点の捕集量のデータを得た。この粉粒体の捕集量のデータから「分配率」、およびその分配率データから分配精度を代表する「CV値」を求め、各実施例、および比較例の結果を対比することで評価を行った。「分配率」、および「CV値」の計算式は以下の通りである。
【0031】
分配率=個別のフィルタの捕集量(g)/3つのフィルタの捕集量の総和(g)
CV値(%)=9つの分配率データの標準偏差(%)/0.3333(%)×100
(0.3333は1バッチ3点の分配率の平均値である。当然3点の平均値は1/3=0.3333・・・となる。)
[実施例1]
上記の評価方法に従い、変動周期T1を0.1秒、すなわち前述の変動率αを0.1/60=1/600に設定した。分配率の結果を図12に示す。縦軸は分配率、横軸はテスト回数であり、77a、77b、77cの各フィルタを毎に線をつないでいる。
[比較例1]
実施例1同様の条件で、ただし電磁弁を常に開の状態で運転を実施した。分配率の結果を図12に示す。グラフの表示は実施例1と同様である。
【0032】
[まとめ1]
以上の結果である図12、図13を対比すると、2次気体の流量に変動を与えなかった比較例1では、3回のテストに対し、フィルタa、フィルタcが常に高い値、フィルタbが常に低い値を示しており、分配に明らかな偏りがあるのに対し、変動を与えた実施例1では分配率が理想値である1/3(=0.3333)近くに集まっており、分配精度が向上していることがわかった。
[実施例2]
実施例1同様の条件で、変動周期T1を0.04秒、すなわち前述の変動率αを0.04/60=1/1500とした。
[実施例3]
実施例1同様の条件で、変動周期T1を0.2秒、すなわち前述の変動率αを0.2/60=1/300に設定した。
[実施例4]
実施例1同様の条件で、変動周期T1を0.25秒、すなわち前述の変動率αを0.25/60=1/240に設定した。
[実施例5]
実施例1同様の条件で、変動周期T1を0.3秒、すなわち前述の変動率αを0.3/60=1/200に設定した。
[実施例6]
実施例1同様の条件で、変動周期T1を0.5秒、すなわち前述の変動率αを0.5/60=1/120に設定した。
[実施例7]
実施例1同様の条件で、変動周期T1を1秒、すなわち前述の変動率αを1/60に設定した。
[実施例8]
実施例1同様の条件で、変動周期T1を3秒、すなわち前述の変動率αを3/60=1/20に設定した。
[比較例2]
実施例1同様の条件で、ただし電磁弁を常に閉の状態で運転を実施した。
【0033】
[まとめ2]
以上の実施例1〜8、および比確例1、2のCV値の結果を図14に示す。横軸は変動周期T1が右に向かって増加するよう、各実施例を配置しており、右端には比較例で、変動がある場合と変動がない場合を配置している。縦軸はCV値である。変動率αが1/60以下となったところから、比較例1と対比してCV値が低下し、分配精度向上効果が現れていることがわかる。更に変動率が1/300以下となったところで、CV値は低めで安定しており、分配精度向上効果が高いレベルで飽和していることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の粉粒体分配装置は、CFRPの層間剥離防止の目的で層間強化粒子を均一に撒布するために利用できるが、その応用範囲はこれらに限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態の粉粒体分配装置の概略縦断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】本発明の一実施形態である粉粒体分配装置の全体構成を示した概略図である。
【図5】シート材を用いた計量時間の説明図である。
【図6】サイクロンと捕集容器を用いた計量時間の説明図である。
【図7】流路完全遮断型の気体流量変動手段の説明図である。
【図8】流路不完全遮断型の気体流量変動手段の説明図である。
【図9】流路解放型の気体流量変動手段の説明図である。
【図10】流量追加型の気体流量変動手段の説明図である。
【図11a】粉粒体分配装置68内の気体の流れを示した概念図である。
【図11b】気体の流量を変動させたときの粉粒体分配装置68内の気体の流れを示した概念図である。
【図12】実施例の評価結果を示した図である。
【図13】比較例の評価結果を示した図である。
【図14】実施例1〜8、比較例1〜2の評価結果を示した図である。
【符号の説明】
【0036】
1 配管接続継手
2 吸入管
3 2次気体吹込みノズル付近の主管
4 分配管(4a、4b、4cも同様)
5 2次気体吹込みノズル
6 2次気体吹込み配管接続継手
7 斜線領域
60 タンク
61 1次気体配管
62 粉粒体
63 ホッパー
64 フィーダー
65 エジェクタ
66 2次気体配管
67 搬送用配管
68 粉粒体分配装置
69 2次気体吹込み配管
70 電磁弁
71 分配搬送管
72 撒布ノズル(72a、72b、72cも同様)
73 シーケンサー
74 流量調節バルブ
75 流量調節バルブ
76 固定ブロック
77 フィルタ(77a、77b、77cも同様)
100 ボールバルブ
101 ボール
110 ウレタンホース
111 アクチュエーター
112 ブロック
120 電磁弁
121 枝管
122 シーケンサー
132 主管
140 撒布ノズル
141 撒布ライン
142 撒布範囲
150 サイクロン
151 捕集容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主管内を、粉粒体を1次気体によって輸送しながら前記主管に対して2次気体吹き込みノズルから2次気体を吹き込み、前記2次気体吹き込みノズルの下流に設けた複数の分配管に前記粉粒体を含む気体を分配する粉粒体分配装置において、前記2次気体の流量を変動させる気体流量変動手段を前記2次気体吹き込みノズルの上流側に設けたことを特徴とする粉粒体分配装置。
【請求項2】
前記主管の軸方向に垂直な面内における前記2次気体吹込みノズルの吹き込み方向が、前記主管と軸心を同一とする直径が前記主管の直径の半分である円の領域の外側を向いていることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体分配装置。
【請求項3】
主管内を、粉粒体を1次気体によって輸送しながら前記主管に対して2次気体吹き込みノズルから2次気体を吹き込み、前記2次気体吹き込みノズルの下流に設けた複数の分配管に前記粉粒体を含む気体を分配する粉粒体分配方法において、前記2次気体吹き込みノズルの上流側で前記2次気体の流量を変動させることを特徴とする粉粒体分配方法。
【請求項4】
前記2次気体の流量を周期的に変動させることを特徴とする請求項3に記載の粉粒体分配方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−83967(P2009−83967A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253725(P2007−253725)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】