説明

粉粒物用容器

【課題】煩雑な操作を伴わず、内容物への計量スプーンの埋没と、内容物による計量スプーンの持ち手の汚染とを防止し、かつ、容器の流通・保管時の省スペース化が図れる粉粒物用容器を提供する。
【解決手段】内容物収納部20、及び内容物収納部20に並設された計量具収納部10を備えた容器本体2と、開口部6を塞ぐ蓋体4とを備え、計量具収納部10は、その開口部周縁の一部が、内容物収納部20の開口部周縁の一部と連結部30により連結されると共に、計量具収納部10の第二の側壁部14a、14bと、これに対向する内容物収納部の第一の側壁部24a、24bとは、底部7から開口部6に向かって漸次近づくものとされ、容器本体2の内面形状は、容器本体2の外面形状を嵌入可能とされ、蓋体4を閉じた際に、その内面と連結部30とが当接することよりなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒物用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
衣料用洗濯洗剤や自動食器洗浄機用洗剤等の粉粒物を収納する粉粒物用容器としては、計量スプーンを付属させた箱状の容器が知られている。
箱状の容器の使用方法は、まず蓋を開け、付属の計量スプーンで粉粒物を掬い取って計量し、計量した粉粒物を洗濯機や自動食器洗浄機等に投入するものである。箱型の容器では、計量スプーンを容器内に入れて保管するため、内容物に埋没したり、繰り返し使用しているうちに計量スプーンの持ち手部分に内容物が付着し、この付着した内容物により手指が汚染されるという問題がある。
【0003】
従来、こうした問題に対し、スプーン入れを洗剤収納箱の側面で上縁に吊り下げた粉末洗剤用スプーンの収納具が提案されている(例えば、特許文献1)。この発明によれば、スプーンは、内容物を収納する空間から隔離して収納されるため、内容物に埋没したり、持ち手に内容物が付着しにくくなる。
また、例えば、容器内にスプーンを装着する構造を備えた容器が提案されている。
特許文献2には、スプーンの柄を係止するための係止部を設けた計量スプーン付き容器が提案されている。
特許文献3には、容器蓋裏にスプーンを着脱可能に装着した調味料収納容器が提案されている。
特許文献4には、容器の相対する側壁部の上部にスプーン載置部を設け、スプーンを橋渡しするようにして収納したスプーン付き容器が提案されている。
特許文献5には、容器本体の開口部に対向する両側壁にわたってすり切り部が架設され、すり切り部とすり切り部から空間を置いて対向するフランジ部とにスプーンを掛け渡してスプーンを収納する調味料収納容器が提案されている。
特許文献2〜5の発明によれば、計量スプーンの持ち手が内容物に埋没し、持ち手に内容物が付着することの防止が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3016931号公報
【特許文献2】特開2006−335378号公報
【特許文献3】特開2007−137510号公報
【特許文献4】特許第3756508号公報
【特許文献5】特許第4226727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発明では、スプーン収納具が洗剤収納箱と別体で構成されているため、容器に対する振動や落下等の外部からの衝撃によりスプーン収納具が洗剤収納箱から脱落するおそれがある。加えて、スプーン収納具を洗剤収納箱に組み込む必要があり、生産効率が悪い。
特許文献2〜5の発明では、持ち手が内容物に埋没することは防止できるものの、計量スプーン等の計量具が内容物の収納空間で収納されるため、振動又は落下等により容器内で内容物が舞い上がったりした場合等には、内容物により計量具の持ち手が汚染されるという問題がある。加えて、これらの容器への計量具の収納方法は、使用者にとって操作自体に神経を使わせるため煩雑であるという問題がある。さらに、特許文献2、5の発明では、容器自体を重ね合わせることができず、流通過程や製造工程において、空容器を収納するための広い保管スペースが必要となる。
そこで、本発明は、煩雑な操作を伴わず、内容物への計量具の埋没と、内容物による計量具の持ち手の汚染とを防止し、かつ、容器の流通・保管時の省スペース化が図れる粉粒物用容器を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の粉粒物用容器は、粉粒物を収納する有底筒状の内容物収納部、及び該内容物収納部に並設され計量具を収納する有底筒状の計量具収納部を備えた容器本体と、該容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えた粉粒物用容器において、前記計量具収納部は、その開口部周縁の一部が、前記内容物収納部の開口部周縁の一部と連結部により連結されると共に、その側壁部が、前記内容物収納部の側壁部と離間しており、前記計量具収納部の側壁部と、前記計量具収納部の側壁部に対向する前記内容物収納部の側壁部とは、前記容器本体の底部から開口部に向かって漸次近づくものとされ、前記容器本体の内面形状は、前記容器本体の外面形状を嵌入可能とされ、前記蓋体を閉じた際に、前記蓋体の内面と前記連結部とが当接することを特徴とする。
前記蓋体には、前記蓋体を閉じた際に、前記連結部に対応する位置に、前記連結部に当接又は嵌合する閉止部が設けられていることが好ましく、前記計量具収納部の側壁部の外面及び前記計量具収納部の側壁部に対向する前記内容物収納部の側壁部の外面の双方又はいずれか一方には、凸状の嵌合防止部が設けられていることが好ましく、前記計量具収納部の側壁部の内面及び前記計量具収納部の側壁部に対向する前記内容物収納部の側壁部の内面の双方又はいずれか一方には、凸状の嵌合防止部が設けられていることが好ましい。
前記計量具収納部の底壁部には、排出口が形成されると共に、該排出口を塞ぐ開閉可能な底部蓋体が設けられていることが好ましく、前記計量具収納部は、その内部に有底筒状の内容器を備え、該内容器は、前記計量具収納部に着脱自在とされていてもよく、前記計量具収納部は、その上部に対しその下部が着脱自在とされていてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の粉粒物用容器によれば、内容物収納部及び該内容物収納部に並設された計量具収納部を備えた容器本体と、該容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備え、前記容器本体の内面形状は、前記容器本体の外面形状を嵌入可能とされ、前記蓋体を閉じた際に、前記蓋体の内面と前記連結部とが当接するため、煩雑な操作を伴わず、内容物への計量具の埋没と、内容物による計量具の持ち手の汚染とを防止し、かつ、容器本体の流通・保管時の省スペース化が図れる。
本発明の粉粒物用容器によれば、蓋体には、前記蓋体を閉じた際に、前記連結部に対応する位置に、前記連結部に当接又は嵌合する閉止部が設けられているため、内容物による計量具の汚染防止の向上が図れる。
本発明の粉粒物用容器によれば、前記計量具収納部の側壁部の外面及び前記計量具収納部の側壁部に対向する前記内容物収納部の側壁部の外面の双方又はいずれか一方には、凸状の嵌合防止部が設けられているため、容器本体同士を重ね合わせた際に、容器本体同士が強く嵌合するのを防止できる。
本発明の粉粒物用容器によれば、前記計量具収納部の側壁部の内面及び前記計量具収納部の側壁部に対向する前記内容物収納部の側壁部の内面の双方又はいずれか一方には、凸状の嵌合防止部が設けられているため、容器本体同士を重ね合わせた際に、容器本体同士が強く嵌合するのを防止できる。
本発明の粉粒物用容器によれば、前記計量具収納部の底壁部には、排出口が形成されると共に、該排出口を塞ぐ開閉可能な底部蓋体が設けられているため、計量具収納部内に侵入した内容物を容易に容器外へ排出できる。
本発明の粉粒物用容器によれば、前記計量具収納部は、その内部に有底筒状の内容器を備え、該内容器は、前記計量具収納部に着脱自在とされているため、計量具収納部内に侵入した内容物を容易に容器外へ排出できる。
本発明の粉粒物用容器によれば、前記計量具収納部は、その上部に対しその下部が着脱自在とされているため、計量具収納部内に侵入した内容物を容易に容器外へ排出できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の斜視図である。
【図2】(a)本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の平面図である。(b)本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の左側面図である。(c)本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の正面図である。(d)本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の右側面図である。(e)本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の底面図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の容器本体の斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の容器本体の断面図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の部分断面図である。
【図7】図6の比較物である粉粒物用容器の部分断面図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の容器本体の断面図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の容器本体の断面図である。
【図10】本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の容器本体の下方斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の容器本体の断面図である。
【図14】本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態にかかる粒状物用容器について、以下に図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる粉粒物用容器1の蓋体を開いた状態の斜視図である。図2(a)は、粉粒物用容器1の平面図、(b)は、粉粒物用容器1の左側面図、(c)は、粉粒物用容器1の正面図、(d)は、粉粒物用容器1の右側面図、(e)は、粉粒物用容器1の底面図である。図3は、図1の粉粒物用容器1の蓋体を閉じた状態の斜視図である。なお、図中、符号7は、容器本体の底部を示すものである。
図1〜3に示すように、粉粒物用容器1は、容器本体2と、容器本体2の開口部6を塞ぐ蓋体4とを備えたものであり、蓋体4は、ヒンジ5により開閉可能に容器本体2と蝶着されている。
【0010】
容器本体2は、計量具収納部10が内容物収納部20に対し水平方向に並設されたものであり、全体として平面視略長方形とされている。
内容物収納部20は、平面視略L字状の第一の底壁部22と、この第一の底壁部22の周縁に立設された第一の側壁部24とからなり、第一の底壁部22と第一の側壁部24とで囲われた空間が、粉粒状の内容物を収納する内容物収納室21とされたものである。内容物収納部20は、平面視略L字状の有底筒状のものであり、対向する第一の側壁部24同士が、第一の底壁部22から開口部6に向かって暫時離れる形状とされたものである。
【0011】
計量具収納部10は、第一の底壁部22のL字に囲まれた領域に位置する平面視略長方形の第二の底壁部12と、この第二の底壁部12の周縁に立設された第二の側壁部14とからなり、第二の底壁部12と第二の側壁部14とで囲われた空間が、計量スプーン等の計量具を収納する計量具収納室11とされたものである。計量具収納部10は、平面視長方形の有底筒状のものであり、対向する第二の側壁部14同士が、第二の底壁部12から開口部6に向かって暫時離れる形状とされている。
計量具収納部10の開口部周縁の一部と、内容物収納部20の開口部周縁の一部とは、連結部30により連結されており、連結部30は、平面視略L字状とされている。
【0012】
図2〜3に示すように、第一の側壁部24の内、連結部30のL字の長手側に接続された第一の側壁部24aと、第二の側壁部14の内、第一の側壁部24aと対向する第二の側壁部14aとは、離間し、かつ容器本体2の底部7から開口部6に向かって漸次近づくものとされている。
第一の側壁部24aと第二の側壁部14aとのなす角度θ(図2(b))は、容器本体2同士を重ね合わせた際に、任意の容器本体2の隔壁31を、他の任意の容器本体2の第一の側壁部24aと第二の側壁部14aとの間に嵌挿できるものであればよく、例えば5〜10°とされる。
【0013】
第一の側壁部24の内、連結部30のL字の短手側に接続された第一の側壁部24bと、第二の側壁部14の内、第一の側壁部24bと対向する第二の側壁部14bとは、離間し、かつ容器本体2の底部7から開口部6に向かって漸次近づくものとされている。本実施形態において、内容物収納室21と計量具収納室11とは、第一の側壁部24a、24b、第二の側壁部14a、14b及び連結部30とからなる隔壁31により仕切られている。
第一の側壁部24bと第二の側壁部14bとのなす角度は、第一の側壁部24aと第二の側壁部14aとのなす角度θと同様である。
【0014】
また、容器本体2は、開口部6の大きさが、底部7の大きさより大きいものとされている。
以上の構成により、容器本体2の内面形状は、容器本体2の外面形状を嵌入可能とされている。
【0015】
本実施形態において、容器本体2は、計量具収納部10と内容物収納部20とが、一体成形されたものである。
容器本体2の材質は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックが挙げられる。
【0016】
蓋体4は、略長方形の主壁部42と、主壁部42の周縁に設けられたフランジ44とを備え、蓋体4の内面、即ち、容器本体2の開口部6と対向する主壁部42の面には、連結部30の形状に対応した略L字状の凸条である閉止部46が設けられている。閉止部46は、蓋体4で開口部6を塞いだ際に、連結部30に当接するものとされている。
蓋体4の材質は、容器本体2の材質と同様である。
【0017】
次に、粉粒物用容器1の使用態様について、図1、3〜7を用いて説明する。図4は、容器本体2を積み重ねた状態を示す斜視図であり、図5は、図4のY−Y断面図である。図6は、図3のX−X断面における部分断面図であり、図7は、図6の比較物の粉粒物用容器900の部分断面図である。
【0018】
まず、粉粒物用容器1を流通・保管する際には、蓋体4と容器本体2とを個別に流通・保管する。容器本体2の流通・保管に当たっては、図4に示すように、容器本体2の底部7を、他の容器本体2の開口部6内に挿入して重ね合わせる。このように、容器本体2の流通・保管に当たり、保管場所の省スペース化が図れる。
【0019】
次いで、内容物収納部20の内容物収納室21内に内容物を収納する。内容物としては、粉粒物であれば特に限定されず、衣料用洗濯洗剤、自動食器洗浄用洗剤等の粉粒状洗剤、粉粒状の調味料等が挙げられる。次いで、計量スプーン等の計量具を計量具収納部10の計量具収納室11内に収納した後、蓋体4を容器本体2に取り付け、蓋体4を閉じる。蓋体4を閉じると、図6のように、蓋体4の内面に設けられた閉止部46が連結部30に当接し、計量具収納室11は、隔壁31と閉止部46とにより内容物収納室21から隔離される。なお、蓋体4を閉じた状態を、以下「常態」という。
【0020】
このように、計量具収納室11が内容物収納室21から隔離されることで、粉粒物用容器1は、落下したり、外部からの振動を受けた際に、内容物収納室21の内容物が計量具収納室11に浸入するのを防止できる。例えば、図7に示す粉粒物用容器900のように、蓋体904に閉止部が形成されておらず、かつ蓋体904を閉じた際に蓋体904の内面が連結部30の上端に当接していないと、矢印Aのように内容部収納室21から計量具収納室11に内容物が侵入する。計量具収納室11に内容物が侵入すると、計量具収納室11に収納した計量具の持ち手に内容物が付着することとなる。本実施形態の粉粒物用容器1は、蓋体4を閉じることにより、計量具収納室11を内容物収納室21から隔離できるため、内容物が計量具収納室11に侵入し、計量具の持ち手に付着するのを防止できる。
【0021】
内容物を使用する際には、図1のように蓋体4を開け、計量具収納部10から計量具を取り出す。次いで、取り出した計量具により、内容物収納部20内の内容物を掬い取って計量する。この際、計量具の持ち手には、内容物が付着していないため、使用者は、手指を汚すことがない。
内容物を計量した後、計量具を計量具収納部10に収納し、蓋体4を閉じることで常態とし、内容物と計量具とが収納された粉粒物用容器1を保管できる。
【0022】
上述の実施形態によれば、計量具収納部が有底筒状とされているため、使用後の計量具を容易に収納することができる。加えて、計量具収納部の側壁部とこれに対向する内容物収納部の側壁部とが、容器本体の底部から開口部に向かって漸次近づくものとされ、かつ容器本体の内面形状が、容器本体の外面形状を嵌入可能とされているため、容器本体同士を重ね合わせて保管でき、保管場所の省スペース化が図れる。さらに、計量具収納室が、隔壁と閉止部により、内容物収納室から隔離されるため、計量具が内容物に埋没することがなく、かつ内容物が計量具収納室に侵入し計量具の持ち手に付着するのを防止できる。
【0023】
本実施形態によれば、内容物収納部と計量具収納部とを一体成形できるため、容易かつ安価に容器本体を製造できる。
加えて、計量具収納部の側壁部と内容物収納部の側壁部とが離間しているため、容器本体を把持する際に、計量具収納部と内容物収納部との間に手指を挿入し、容器本体を安定して把持できる。
【0024】
本発明の粉粒物用容器は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、図8に示す容器本体100のように、隔壁31を構成する第一の側壁部24aの内容物収納室21側(内面)、及び第二の側壁部14aの計量具収納室11側(内面)に凸状の嵌合防止部110が設けられていてもよい。このような嵌合防止部110が設けられていることで、容器本体100同士を重ね合わせた際に、嵌入させた容器本体100の外面と、受入側の容器本体100の内面との間に適度な隙間が形成され、容器本体100同士が強く嵌合するのを防止できる。
なお、嵌合防止部110は、第一の側壁部24a又は第二の側壁部14aのいずれか一方にのみ設けられていてもよい。また、嵌合防止部110は、図1における第一の側壁部24b、第二の側壁部14bに設けられていてもよい。
【0025】
あるいは、図9に示す容器本体150ように、隔壁31を構成する第一の側壁部24aの外面、及び第二の側壁部14aの外面に凸状の嵌合防止部160が設けられていてもよい。このような嵌合防止部160が設けられていることで、容器本体150同士を重ね合わせた際に、嵌入させた容器本体150の外面と、受入側の容器本体150の内面との間に適度な隙間が形成され、容器本体150同士が強く嵌合するのを防止できる。
なお、嵌合防止部110は、第一の側壁部24a又は第二の側壁部14aのいずれか一方にのみ設けられていてもよい。また、嵌合防止部110は、図1における第一の側壁部24b、第二の側壁部14bに設けられていてもよい。
【0026】
また、例えば、図10に示す容器本体200のように、計量具収納部210の第二の底壁部212に、排出口220が形成され、この排出口220を塞ぐ開閉可能な底部蓋体222が設けられていてもよい。容器本体200は、排出口220が形成されていることで、計量具に付着して計量具収納部210内に持ち込まれた内容物を適宜排出できる。このため、計量具収納部210内に内容物が堆積するのを防止できる。
【0027】
また、例えば、図11に示す粉粒物用容器250のように、計量具収納部10に着脱自在な内容器260を備えていてもよい。内容器260は、有底筒状され、その外面の形状が計量具収納部10の内面の形状に対応するものである。
内容器260は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック製容器、コートボール紙等の紙製容器等が挙げられ、中でも薄肉化が図れ、かつ繰り返し使用できるプラスチック製が好ましい。
内容器260の厚みは、薄いほど、内容器260内の空間を大きく確保できる一方、薄すぎると容易に破損する傾向にある。従って、内容器260の厚みは、その材質等を勘案して決定でき、例えば、0.1〜1mmとされる。
計量具を計量具収納部10に収納する際、計量具に付着した内容物は、内容器260内に持ち込まれる。内容器260は、計量具収納部10に着脱自在とされているため、内容器260に持ち込まれた内容物を適宜排出でき、内容器260内に内容物が堆積するのを防止できる。
【0028】
上述の実施形態では、容器本体2は、一体成形物とされているが、例えば、図12に示す粉粒物用容器300のように、計量具収納部310が上部収納部312と下部収納部314とで構成された容器本体302を備えるものであってもよい。容器本体302は、下部収納部314が上部収納部312に着脱自在とされた計量具収納部310を備えるものである。
図12、図13に示すように、上部収納部312には、その下端開口部311側に略長方形の嵌合孔313が形成され、下部収納部314には、その開口部316の周縁部が下端開口部311に挿入された際に、嵌合孔313と嵌合する嵌合片315が形成されている。ここで、図13は、図12の容器本体302のZ−Z断面図である。
【0029】
粉粒物用容器300の使用態様について、図13を用いて説明する。図13(a)は、上部収納部312の下端開口部311に、下部収納部314の開口部316の周縁部が挿入され、嵌合孔313に嵌合片315が嵌合し、下部収納部314が上部収納部312に装着された状態を示す容器本体302の断面図である。容器本体302は、その流通・保管時、又は内容物を収納した状態での保管時、内容物の計量時に、図13(a)の状態とされている。下部収納部314内の内容物を排出する際には、図13(b)に示すように、下部収納部314の開口部316の周縁部を内側に押圧し、嵌合片315を嵌合孔313から外す。次いで、図13(c)に示すように、下部収納部314を上部収納部312から離れる方向に移動させることで、上部収納部312から下部収納部314を取り外すことができる。こうして取り外した下部収納部314内の内容物を排出した後、下部収納部314を上部収納部312に装着する。
本実施形態によれば、下部収納部314のみを取り外せるため、計量具収納部310内の内容物を容易に排出し、計量具収納部310内に内容物が堆積するのを防止できる。
【0030】
上述の実施形態では、内容物収納部の底壁部が平面視略L字状とされているが、本発明はこれに限定されず、例えば、矩形、三角形等の多角形とされていてもよいし、欠円形とされていてもよい。
上述の実施形態では、計量具収納部の底壁部が平面視略長方形とされているが、本発明はこれに限定されず、例えば、正方形、五角形等の長方形以外の多角形とされていてもよいし、欠円形とされていてもよい。
【0031】
上述の実施形態では、容器本体の開口部が、平面視略長方形とされているが、本発明はこれに限定されず、例えは、三角形、正方形、五角形等の長方形以外の多角形とされていてもよいし、真円、楕円等の円形とされていてもよい。
【0032】
上述の実施形態では、閉止部が設けられているが、本発明は、蓋体を閉じた際に、蓋体の内面と連結部の上端とが当接するものであればよく、例えば、蓋体の内面に閉止部が設けられていなくてもよい。
あるいは、閉止部は、連結部と嵌合する凸条又は凹条とされていてもよい。
連結部と嵌合する閉止部を設けた粉粒物用容器について、図14を用いて説明する。図14は、図6の粉粒物用容器1と同様の方向から見た粉粒物用容器350の部分断面図である。図14に示すように、粉粒物用容器350は、連結部30を受け入れる凹条148が形成され、連結部30と嵌合する閉止部146が設けられた蓋体140を備えている。このように、連結部30と閉止部146とが嵌合することで、内容物収納部20から計量具収納部10への内容物の浸入をより確実に防止できる。
【0033】
上述の実施形態では、蓋体がヒンジを介して容器本体に蝶着されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、ヒンジを介さずに着脱自在な蓋体が設けられていてもよい。
【0034】
上述の実施形態では、内容物収納部と計量具収納部とを一体成形して容器本体を製造しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、内容物収納部と計量具収納部とを個別に成形した後、計量具収納部を内容物収納部に接合して容器本体を製造してもよい。ただし、容易かつ安価に製造する観点から、内容物収納部と計量具収納部とを一体成形して容器本体を製造することが好ましい。
【符号の説明】
【0035】
1、250、300、350 粉粒物用容器
2、100、150、200、302 容器本体
4、140 蓋体
6 開口部
7 底部
10、210 計量具収納部
12、212 第二の底壁部
14、14a、14b 第二の側壁部
20 内容物収納部
22 第一の底壁部
24、24a、24b 第一の側壁部
30 連結部
46、146 閉止部
110、160 嵌合防止部
220 排出口
222 底部蓋体
260 内容器
312 上部収納部
314 下部収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒物を収納する有底筒状の内容物収納部、及び該内容物収納部に並設され計量具を収納する有底筒状の計量具収納部を備えた容器本体と、該容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えた粉粒物用容器において、
前記計量具収納部は、その開口部周縁の一部が、前記内容物収納部の開口部周縁の一部と連結部により連結されると共に、その側壁部が、前記内容物収納部の側壁部と離間しており、
前記計量具収納部の側壁部と、前記計量具収納部の側壁部に対向する前記内容物収納部の側壁部とは、前記容器本体の底部から開口部に向かって漸次近づくものとされ、
前記容器本体の内面形状は、前記容器本体の外面形状を嵌入可能とされ、
前記蓋体を閉じた際に、前記蓋体の内面と前記連結部とが当接することを特徴とする粉粒物用容器。
【請求項2】
前記蓋体には、前記蓋体を閉じた際に、前記連結部に対応する位置に、前記連結部に当接又は嵌合する閉止部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の粉粒物用容器。
【請求項3】
前記計量具収納部の側壁部の外面及び前記計量具収納部の側壁部に対向する前記内容物収納部の側壁部の外面の双方又はいずれか一方には、凸状の嵌合防止部が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の粉粒物用容器。
【請求項4】
前記計量具収納部の側壁部の内面及び前記計量具収納部の側壁部に対向する前記内容物収納部の側壁部の内面の双方又はいずれか一方には、凸状の嵌合防止部が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の粉粒物用容器。
【請求項5】
前記計量具収納部の底壁部には、排出口が形成されると共に、該排出口を塞ぐ開閉可能な底部蓋体が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉粒物用容器。
【請求項6】
前記計量具収納部は、その内部に有底筒状の内容器を備え、該内容器は、前記計量具収納部に着脱自在であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉粒物用容器。
【請求項7】
前記計量具収納部は、その上部に対しその下部が着脱自在であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉粒物用容器。




【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−240951(P2011−240951A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113542(P2010−113542)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】