説明

粒子分類装置

【課題】 測定対象粒子の蛍光についての分析を適正かつ能率的に達成することができる粒子分類装置を提供する。
【解決手段】 フローセル14における細胞、染色体およびこれらに含まれる生体高分子等の測定対象粒子15を含む水溶液の流れに対し、レーザー光源10aからレーザー光を照射することにより、前記測定対象粒子の発生する散乱光および蛍光を検出して、これらの検出された信号に基づいて測定対象粒子の分析を行う粒子分類装置において、前記測定対象粒子15に対する蛍光励起用光源として、青色領域の光を励起光として発光することができる発光ダイオード(LED)30を設け、前記測定対象粒子に前記各光源を照射して励起された散乱光および蛍光の光ビームに対し、散乱光波長を除去するためのフィルタ32を介して、それぞれ所要の蛍光信号を得るための蛍光検出器26を設けて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞、染色体およびこれらに含まれる生体高分子を含む水溶液の流れに対して、レーザー光を照射し、細胞等から放射される蛍光と散乱光等を検出し、細胞等の分類および計数を行う粒子分類装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粒子分類装置は、(1) DNA、RNA、酵素、蛋白質等の細胞内相対量を計測する手段として、(2) 細胞の活性、抗体の産生性、酵素活性等の機能を調べる手段として、および(3) 細胞、染色体、リンパ球等のタイプを自動分類する手段として、広く使用されている。
【0003】
従来、この種の粒子分類装置として、例えば血液試料に希釈、染色処理を施して試料液とし、この試料液をフローセル中央部に細流にして流し、光源からの細く絞った光を前記細流部分に照射することにより検出部を形成し、血球がこの検出部を1個ずつ通過する度に発生する散乱光や蛍光の変化を光検出器で検出し、この検出された信号から散乱光強度と蛍光強度を2軸とした2次元分布図を作成して、この2次元分布図に分画線を設定することにより、各粒子の分類や計数を行うように構成したものが知られている。
【0004】
本出願人は、先に、白血球細胞から散乱した前方散乱光、側方散乱光および後方散乱光を検出して小さな顆粒または粒子を含む白血球細胞の分類を行うことができる粒子分類装置の開発研究を行った結果、比較的含有率の少ない細胞を精度良く分類することができる装置開発に成功し、特許を得た(特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1における粒子分類装置は、(1) 粒子に光を照射し、該粒子による散乱光を検出して該粒子の分類を行う粒子分類装置において、(2) 前方小角散乱光を検出する前方小角散乱光検出手段と、(3) 上記前方小角散乱光検出手段と側方散乱光検出手段との間に配置され前方大角散乱光を検出する前方大角散乱光検出手段と、(4a)上記前方小角、前方大角および側方散乱光検出手段から出力される、前方小角散乱光、側方散乱光および前方大角散乱光に対応する検出信号を入力して夫々の散乱光強度データを算定して記憶する記憶手段と、(4b)上記前方小角、前方大角および側方散乱光強度データから前方小角散乱光強度と前方大角散乱光強度の2次元分布データ並びに前方小角散乱光強度と側方散乱光強度の2次元分布データを算定する手段と、(4c)上記前方小角散乱光強度と前方大角散乱光強度の2次元分布データから特定の白血球細胞の領域を決定する手段とを備える分析手段と、(5) 上記算定された前方小角散乱光強度と前方大角散乱光強度の2次元分布データ、前方小角散乱光強度と側方散乱光強度の2次元分布データ並びに上記特定された白血球細胞のデータを上記前方小角散乱光強度と側方散乱光強度の2次元座標上に表示する表示手段とから構成されるものである。
【0006】
また、従来の粒子分類装置においては、測定対象粒子に対する蛍光励起用の光源として、アルゴンレーザーが用いられている。これは、測定対象粒子に蛍光を発生させるためには、比較的短波長の、青色領域の光を励起光として用いる必要があるからである。しかし、アルゴンレーザーは高価であり、またレーザー本体自体の占有容積が大きいだけでなく、レーザーを駆動するための所要電源等レーザーに付随する周辺装置も大きいものとなっている。さらに、全体的に電力消費量も大きいという問題もある。
【0007】
このような観点から、従来において、照射光源としてレーザー光源とランプ光源とを併用した光学式粒子分析装置が提案されている(特許文献2参照)。この光学式粒子分析装置は、試料粒子の蛍光励起用としてランプ光を用い、散乱光用として半導体レーザーを用い、これら小型化し低コストの光源からのレーザー光とランプ光とがフローセルの粒子細流領域で交差して照射されるように構成することにより、1つの粒子の散乱光と蛍光を同一場所、同一タイミングで検出することができるものである。また、レーザー光は細く絞られ単一ピークを有するので、散乱光信号もピーク信号になり、この散乱光信号をタイミング信号として用いて、蛍光信号の値を検出することにより、ランプ光の強度分布にむらがあっても、粒子から発せられる蛍光量と相関のとれた蛍光信号を検出することができるものである。
【0008】
さらに、従来の光学式粒子分析装置においては、レーザー光源を、散乱角度の小さい前方小角散乱光の強度を検出する検出器および散乱角度の大きい前方大小角散乱光の強度を検出する検出器に対して、それぞれ受光させるための光学系として、コリメータレンズ、孔部付きミラー並びに集光レンズを必要とすることから、部品点数が多くなると共に、光学系の調整が高度で煩雑となり、しかもこれらの占有面積も大きくなって、装置全体の小型化を困難とする問題があった。
【0009】
このような問題を解消するため、本出願人等は、簡単な構成で異なる散乱角度の光を分離することができ、光学系の調整も容易に行え、光の利用率も高く、しかも分割する領域数が増えても、光を分離する光学系の部品点数も増えることなく、それらの占有面積も大型化を招かずに前記検出器の増加に伴うスペースの増大のみに止めることができ、測定精度の高い粒子分析装置を得ることができる、前記検出器への受光を行うための光学系を構成する複合レンズを開発に成功し、特許出願を行った(特許文献3参照)。
【0010】
すなわち、前記特許文献3に記載の粒子分析装置は、(1) 粒子に光を照射することにより発生する散乱光のうち、異なる散乱角度のものを分離して検出することにより前記粒子の分類を行うようにした粒子分析装置において、(2) 前記散乱光の光路を遮るようにして配置された、焦点位置の異なる複数のリング状のレンズ要素を同心円上に位置させた状態で一体化された複合レンズと、(3) 前記複数のレンズ要素の焦点位置に応じた前記散乱光の結像位置にそれぞれ配置された各散乱角度検出用の検出器と、(4) 前記複数の検出器の検出出力に基づいて、前記粒子の分類を行う分析手段とを、備えたことを特徴とするものである。
【0011】
【特許文献1】特許第3350775号公報
【特許文献2】特開平3−233344号公報
【特許文献3】特開平11−23447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかるに、従来において、散乱光と蛍光とを検出して、試料粒子の分析を行うことができる粒子分類装置として、図3に示す構成からなるものが知られている。すなわち、図3において、参照符号10bはレーザー光源(散乱光励起用光源ないし蛍光励起用光源)を示し、このレーザー光源10bより発光されるレーザー光は、光ビーム整形レンズ12を介してフローセル14内の測定対象粒子15に対して照射される。このようにして、測定対象粒子15に照射されたレーザー光は、前方散乱光と、側方散乱光および蛍光とをそれぞれ励起させる。なお、フローセル14に対し照射されたレーザー光は、その前方に入射される直射光ビームが光ビーム遮断器16により遮断されるように構成される。
【0013】
このようにして、測定対象粒子15について励起された前方散乱光は、散乱光集光レンズ18aにより集光され、前方散乱光検出器20aに入力されて電気信号に変換される。また、測定対象粒子15について励起された側方散乱光および蛍光は、散乱光および蛍光集光レンズ19aにより集光されて、直列に配置された光ビーム分割器22a、22b、22c、22dに順次入射される。
【0014】
光ビーム分割器22aにおいて、側方散乱光が反射され、この反射光ビームは、散乱光集光レンズ18bにより集光され、側方散乱光検出器20bに入力されて電気信号に変換される。これに対し、光ビーム分割器22aを透過した光ビームは、散乱光波長除去フィルタ33を介し、前記散乱光励起用光源による散乱光波長除去ないし蛍光励起用光源からの乱光波長除去を行って、光ビーム分割器22b、22c、22dに順次入射される。そして、前記光ビーム分割器22bにおいて、予め設定された第1の蛍光が反射され、この反射光ビームは、波長選択フィルタ24aを介し蛍光集光レンズ19bにより集光され、蛍光検出器26aに入力されて電気信号に変換される。同様にして、光ビーム分割器22cにおいて、予め設定された第2の蛍光が反射され、この反射光ビームは、波長選択フィルタ24bを介し蛍光集光レンズ19cにより集光され、蛍光検出器26bに入力されて電気信号に変換される。また、光ビーム分割器22dにおいて、予め設定された第3の蛍光が反射され、この反射光ビームは、波長選択フィルタ24cを介し蛍光集光レンズ19dにより集光され、蛍光検出器26cに入力されて電気信号に変換される。一方、前記光ビーム分割器22dを透過した第4の蛍光からなる透過光ビームは、波長選択フィルタ24dを介し蛍光集光レンズ19eにより集光され、蛍光検出器26dに入力されて電気信号に変換される。
【0015】
このように構成された粒子分類装置によれば、測定対象粒子を前述したようにそれぞれ蛍光の種類に分類して計測することによって、前述したような各種測定対象粒子の特異性についての分析を行うことができる。
【0016】
しかしながら、前記構成からなる粒子分類装置において、測定対象粒子が異なる場合には、分析対象となる蛍光の種類が相違するために、例えば波長選択フィルタの設定を変更し、各検出器の感度や閾値設定を最適なものにする必要がある。このような変更を行う作業は、極めて煩雑となるため、多種類の測定対象粒子を分析するためには、予め測定対象粒子を特定して、それぞれ波長選択フィルタ毎の検出器の感度や閾値を最適化した複数の粒子分類装置を設置すれば簡便である。しかし、粒子分類装置は、光源およびその周辺装置が高価であることから、測定対象粒子の種類毎に粒子分類装置を設置することは、多大な設備費用と設置スペースとを必要とし、経済的に不利となる難点がある。
【0017】
そこで、本発明者は、前記構成からなる粒子分類装置において、測定対象粒子に対する蛍光励起用の光源として、アルゴンレーザーを使用することは、比較的短波長の青色領域の光を励起光として用いる必要からであることから、蛍光励起用の光源として比較的短波長の青色領域の光を励起光として発光することができる発光ダイオード(LED)からなる光源を、従来のレーザー光源に対して新たに設定することにより、従来のレーザー光源を測定対象粒子に対する散乱光励起用の光源として、比較的低コストの装置構成とすることができることを見出した。しかも、この場合、測定対象粒子の散乱光と蛍光の分析をより適正かつ能率的に達成することができることを見出した。
【0018】
前記構成からなる粒子分類装置においては、蛍光は散乱光に比較して、極めて弱い光のため、感度とS/N比を上げることが重要になる場合がある。すなわち、蛍光励起用の光源および散乱光励起用の光源からの直接光は、各種の光学素子やフローセルで反射・屈折・散乱を生じる。このような光は、検出しようとしている蛍光と比較して、極めて大きな強度となっている(これを迷光という)。そして、このような迷光は、意図した光路以外から検出器へ入ってくる。そこで、このような迷光を除去して、蛍光検出のS/N比と感度を上げるために、ピンホールを使用して迷光除去を行う方法が一般に採用されている。
【0019】
さらに、所要の選択された波長の蛍光を得るために設けられる波長選択フィルタは、光ビームが垂直入射する場合が最良の状態であるため、斜め入射を回避するように設定することが重要である。この場合、コリメータにより、平行した光を波長選択フィルタに入射することで、前記波長選択フィルタは波長選択性能を最良の状態にして使用することができる。
【0020】
そして、本発明者は、前述した特許文献3に記載されるように、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同心円または同一円として結合位置させた状態で一体化してなる複合レンズと、前記複数のレンズ要素の焦点位置に応じた前記散乱光および蛍光の結像位置にそれぞれ配置された複数の検出器との組合せを使用して、前述した蛍光検出を行うように構成することにより、蛍光検出の感度とS/N比の向上を容易に達成できる粒子分類装置が得られることを突き止めた。
【0021】
従って、本発明の目的は、散乱光励起用の光源と蛍光励起用の光源とを個別に設けると共に、測定対象粒子に前記各光源を照射して励起された散乱光および蛍光の光ビームに対し、散乱光波長を除去するためのフィルタを設けて、それぞれ所要の蛍光信号を得るための蛍光検出器に入射するように構成して、特に測定対象粒子の蛍光についての分析をより適正かつ能率的に達成することができる粒子分類装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記の目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の粒子分類装置は、フローセルにおける細胞、染色体およびこれらに含まれる生体高分子等の測定対象粒子を含む水溶液の流れに対し、レーザー光源からレーザー光を照射することにより、前記測定対象粒子の発生する散乱光および蛍光を検出して、これらの検出された信号に基づいて測定対象粒子の分析を行う粒子分類装置において、
前記測定対象粒子に対する蛍光励起用光源として、青色領域の光を励起光として発光することができる発光ダイオード(LED)を設け、
前記測定対象粒子に前記各光源を照射して励起された散乱光および蛍光の光ビームに対し、散乱光波長を除去するためのフィルタを介して、それぞれ所要の蛍光信号を得るための蛍光検出器を設けたことを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項2に記載の粒子分類装置は、前記レーザー光源より発光されるレーザー光を光ビーム整形レンズを介してフローセル内の測定対象粒子に対して照射して、前方散乱光と側方散乱光をそれぞれ励起させると同時に、前記蛍光励起用光源より発光される光をフローセル内の測定対象粒子に対して照射して、蛍光を励起させるように構成し、
前記前方散乱光を、散乱光集光レンズにより集光し前方散乱光検出器に入力して電気信号に変換するように構成し、
前記側方散乱光および蛍光を、散乱光および蛍光集光レンズにより集光し、光ビーム分割器を介して反射し、さらに散乱光集光レンズにより集光し側方散乱光検出器に入力して電気信号に変換すると共に、前記光ビーム分割器を透過して得られた蛍光を、それぞれ複数の光ビーム分割器と波長選択フィルタの組合せにより所要の選択された波長の光を蛍光集光レンズにより集光し、蛍光検出器に入力して電気信号に変換するように構成したことを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項3に記載の粒子分類装置は、前記光ビーム分割器を透過して得られた蛍光を、電気信号に変換する蛍光検出器に対し、前記複数の光ビーム分割器と波長選択フィルタの組合せの最前段に、散乱光励起用光源による散乱光波長を除去するためのフィルタを設けることを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項4に記載の粒子分類装置は、前記前方散乱光を電気信号に変換する前方散乱光検出器に対し、前記散乱光集光レンズと前方散乱光検出器との間に、蛍光励起用光源からの散乱光波長を除去するためのフィルタを設けることを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項5に記載の粒子分類装置は、フローセルにおける細胞、染色体およびこれらに含まれる生体高分子等の測定対象粒子を含む水溶液の流れに対し、レーザー光源からレーザー光を照射することにより、前記測定対象粒子の発生する散乱光および蛍光を検出して、これらの検出された信号に基づいて測定対象粒子の分析を行う粒子分類装置において、
前記レーザー光源より発光されるレーザー光を光ビーム整形レンズを介してフローセル内の測定対象粒子に対して照射して、前方散乱光と側方散乱光をそれぞれ励起させると同時に、前記蛍光励起用光源より発光される光をフローセル内の測定対象粒子に対して照射して、蛍光を励起させるように構成し、
前記前方散乱光を、散乱光集光レンズにより集光し前方散乱光検出器に入力して電気信号に変換するように構成し、
前記側方散乱光および蛍光を、散乱光および蛍光集光レンズにより集光し、光ビーム分割器を介して反射し、さらに散乱光集光レンズにより集光し側方散乱光検出器に入力して電気信号に変換すると共に、前記光ビーム分割器を透過して得られた蛍光を、それぞれ複数の光ビーム分割器と波長選択フィルタの組合せにより所要の選択された波長の光を蛍光集光レンズにより集光し、蛍光検出器に入力して電気信号に変換するように構成してなり、
前記前方散乱光、側方散乱光および蛍光をそれぞれ集光して電気信号に変換する前記各集光レンズと検出器との組合せを、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同心円または同一円として結合位置させた状態で一体化してなる複合レンズと、前記複数のレンズ要素の焦点位置に応じた前記散乱光および蛍光の結像位置にそれぞれ配置された複数の検出器との組合せから構成してなることを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項6に記載の粒子分類装置は、前記測定対象粒子に対する蛍光励起用光源として、青色領域の光を励起光として発光することができる発光ダイオード(LED)を設け、
前記測定対象粒子に前記各光源を照射して励起された散乱光および蛍光の光ビームに対し、散乱光波長を除去するためのフィルタを介して、それぞれ所要の蛍光信号を得るための蛍光検出器を設けたことを特徴とする。
【0028】
本発明の請求項7に記載の粒子分類装置は、前記側方散乱光および蛍光を集光する複合レンズは、焦点位置の異なる円とリングとからなる複数のレンズ要素を、同心円として結合位置させた状態で一体化した構成からなることを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項8に記載の粒子分類装置は、前記前方散乱光を集光する複合レンズは、焦点位置の異なる左右または上下半円からなる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化した構成からなることを特徴とする。
【0030】
本発明の請求項9に記載の粒子分類装置は、前記前方散乱光を集光する複合レンズは、散乱光励起用光源より発光される光を測定対象粒子に照射するためのフローセルに対し、前記照射光ビームの両側方において対称位置にそれぞれ配置した構成
または散乱光励起用光源より発光される光を測定対象粒子に照射するためのフローセルに対し、前記照射光ビームの一側方に配置した構成からなることを特徴とする。
【0031】
本発明の請求項10に記載の粒子分類装置は、前記側方散乱光および蛍光を集光する複合レンズは、焦点位置の異なる左右または上下半円からなる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化した構成からなることを特徴とする。
【0032】
本発明の請求項11に記載の粒子分類装置は、前記側方散乱光および蛍光を集光する複合レンズは、焦点位置の異なる円とリングとからなる複数のレンズ要素を、同心円として結合位置させた状態で一体化した構成からなることを特徴とする。
【0033】
本発明の請求項12に記載の粒子分類装置は、前記側方散乱光および蛍光を集光する複合レンズは、散乱光励起用光源ないし蛍光励起用光源より発光される光を測定対象粒子に照射するためのフローセルに対し、前記照射光ビームの両側方において対称位置にそれぞれ配置
または散乱光励起用光源ないし蛍光励起用光源より発光される光を測定対象粒子に照射するためのフローセルに対し、前記照射光ビームの一側方に配置したことを特徴とする。
【0034】
本発明の請求項13に記載の粒子分類装置は、前記複合レンズは、中心部に迷光除去用ピンホールを設けてなることを特徴とする。
【0035】
本発明の請求項14に記載の粒子分類装置は、前記複合レンズに対し、コリメータと、集光レンズおよび迷光除去用ピンホールとを、組合せ配置してなることを特徴とする。
【0036】
本発明の請求項15に記載の粒子分類装置は、吸光度を測定する吸光度測定部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
本発明の請求項1に記載の粒子分類装置によれば、蛍光励起用光源として比較的短波長の青色領域の光を励起光として発光することができる発光ダイオード(LED)からなる光源を、従来のレーザー光源に対して新たに設定することにより、従来のレーザー光源を測定対象粒子に対する散乱光励起用光源として機能させて、低コストの装置構成とすることができ、しかも測定対象粒子の散乱光と蛍光の分析を容易かつ簡便に達成することができると共に、特に測定対象粒子の蛍光の分析をより適正かつ能率的に達成することができる。
【0038】
本発明の請求項2に記載の粒子分類装置によれば、レーザー光源を測定対象粒子に対する散乱光励起用光源とし、青色領域の光を励起光として発光することができる発光ダイオードを測定対象粒子に対する蛍光励起用光源として、それぞれ測定対象粒子の前方散乱光、側方散乱光および蛍光に関する信号を、同時にかつ確実に検出して、それらの分析を適正かつ能率的に達成することができる。
【0039】
本発明の請求項3に記載の粒子分類装置によれば、蛍光に関する波長を検出するに際して、散乱光励起用光源からの散乱光に関する波長を除去して、より適正な蛍光に関する信号を検出することができる。
【0040】
本発明の請求項4に記載の粒子分類装置によれば、前方散乱光に関する波長を検出するに際して、蛍光励起用光源からの散乱光に関する波長を除去して、より適正な前方散乱光に関する信号を検出することができる。
【0041】
本発明の請求項5に記載の粒子分類装置によれば、前記請求項1に記載の粒子分類装置と同様に、測定対象粒子の散乱光と蛍光とについての分析を容易かつ簡便に達成することができると共に、測定対象粒子の蛍光についての分析をより適正かつ能率的に達成することができる。
【0042】
本発明の請求項6ないし12に記載の粒子分類装置によれば、焦点位置の異なる複数のリング状のレンズ要素を備えた複合レンズと、前記複数の焦点位置に応じた散乱光および蛍光の結像位置にそれぞれ配置された複数の検出器との組合せを使用して、測定対象粒子の蛍光検出による分析を行うことにより、蛍光検出の感度とS/N比の向上を容易に達成することができる。
【0043】
本発明の請求項13および14に記載の粒子分類装置によれば、複合レンズによる迷光除去を有効に達成して、測定対象粒子に対する蛍光検出の感度とS/N比をより一層向上させることができる。
【0044】
本発明の請求項15に記載の粒子分類装置によれば、粒子の分類および計数を行えることに加えて、吸光度の測定も可能なことにより細胞(粒子)内の吸光物質の量も測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
次に、本発明に係る粒子分類装置の実施の形態につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、説明の便宜上、前述した図3に示す粒子分類装置と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して説明する。
【実施例1】
【0046】
図1は、本発明に係る粒子分類装置の一実施例の概略システム構成を示すものである。図1において、参照符号10aはレーザー光源を示し、このレーザー光源10aは散乱光励起用光源として、発光されるレーザー光を、光ビーム整形レンズ12を介してフローセル14内の測定対象粒子15に対して照射する。このようにして、測定対象粒子15に照射されたレーザー光は、前方散乱光と、側方散乱光をそれぞれ励起させる。なお、フローセル14に対し照射されたレーザー光は、その前方に入射される直射光ビームが光ビーム遮断器16により遮断されるように構成される。
【0047】
本実施例の粒子分類装置においては、前記測定対象粒子に対する蛍光励起用光源として、比較的短波長の青色領域の光を励起光として発光することができる発光ダイオード(LED)30を設ける。この発光ダイオード30より発光される光ビームは、フローセル14内の測定対象粒子15に対して照射され、蛍光を励起させる。
【0048】
このようにして、測定対象粒子15について励起された前方散乱光は、散乱光集光レンズ18aにより集光し、次いで前記発光ダイオード30からなる蛍光励起用光源からの散乱光波長を除去するためのフィルタ34を介して、前方散乱光検出器20aに入力されて電気信号に変換される。また、測定対象粒子15について励起された側方散乱光および蛍光は、散乱光および蛍光集光レンズ19aにより集光されて直列に配置された光ビーム分割器22a、22b、22c、22dに順次入射される。
【0049】
そこで、まず光ビーム分割器22aにおいて、側方散乱光が反射され、この反射光ビームは、蛍光励起用光源からの散乱光波長を除去するためのフィルタ34を介して、散乱光集光レンズ18bにより集光され、側方散乱光検出器20bに入力されて電気信号に変換される。これに対し、前記光ビーム分割器22aを透過した蛍光は、散乱光励起用光源による散乱光波長を除去するためのフィルタ32および蛍光励起用光源からの散乱光波長を除去するためのフィルタ34を介して、光ビーム分割器22bにより予め設定された第1の蛍光が反射され、この反射光ビームは、波長選択フィルタ24aを介し蛍光集光レンズ19bにより集光され、蛍光検出器26aに入力されて電気信号に変換される。
【0050】
前記光ビーム分割器22bを透過した蛍光は、光ビーム分割器22cにより予め設定された第2の蛍光が反射され、この反射光ビームは、波長選択フィルタ24bを介し蛍光集光レンズ19cにより集光され、蛍光検出器26bに入力されて電気信号に変換される。
【0051】
同様にして、前記光ビーム分割器22cを透過した蛍光は、光ビーム分割器22dにより予め設定された第3の蛍光が反射され、この反射光ビームは、波長選択フィルタ24cを介し蛍光集光レンズ19dにより集光され、蛍光検出器26cに入力されて電気信号に変換される。
【0052】
そして、前記光ビーム分割器22dを透過した第4の蛍光からなる透過光ビームは、波長選択フィルタ24dを介し蛍光集光レンズ19eにより集光され、蛍光検出器26dに入力されて電気信号に変換される。
【0053】
前述した構成により、本実施例の粒子分類装置によれば、測定対象粒子15に対し、散乱光励起用光源(10)と蛍光励起用光源(30)とを個別に設け、これらの光源によって励起される前方散乱光、側方散乱光および蛍光を、適正かつ確実に選択して検出することができ、装置構成も全体的に簡便な構成とし、製造コストも低減することができ、各種の測定対象粒子の分析に対して汎用的に適用することができる利点を得ることができる。
【実施例2】
【0054】
図2は、図1に示す実施例1の粒子分類装置の変形例を示すものである。すなわち、図2に示す粒子分類装置においては、測定対象粒子15について励起された前方散乱光を、電気信号に変換する際に、前方散乱光検出器20aと散乱光集光レンズ18aとの間、光ビーム分割器22aと側方散乱光検出器20bの散乱光集光レンズ18bとの間および光ビーム分割器22aと散乱光励起用光源による散乱光波長を除去するためのフィルタ32との間に、それぞれ設けた蛍光励起用光源からの散乱光波長を除去するためのフィルタ34(図1参照)を省略したものである。その他の構成は、前記図1に示す実施例の粒子分類装置の構成と全く同様である。
【0055】
従って、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。このように構成した本実施例2の粒子分類装置によっても、前記実施例1の粒子分類装置と同様の機能を保持することができる。
【0056】
次に、図4ないし図9は、前述した図1ないし図3に示す粒子分類装置において、前記前方散乱光、側方散乱光および蛍光をそれぞれ集光して電気信号に変換する前記各集光レンズ18a、18b、19a〜19c、ビーム分割器22a〜22cおよび検出器22a、22b、26a、26bの組合せを、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同心円または同一円として結合位置させた状態で一体化してなる複合レンズ40、42、42′、44、44′と、前記複数のレンズ要素の焦点位置に応じた前記散乱光および蛍光の結像位置にそれぞれ配置された複数の検出器20a、20b、26a〜26cとの組合せから構成して、測定対象粒子の蛍光検出による分析を行うことにより、蛍光検出の感度とS/N比の向上させた粒子分類装置のそれぞれ実施例を示す。
【実施例3】
【0057】
図4は、前述した図2に示す粒子分類装置において、前方散乱光検出器20a、側方散乱光検出器20bおよび蛍光検出器26a〜26cに対して、前記複合レンズ40、42a、42′を適用した実施例を示すものである。本実施例においては、前方散乱光に対する散乱光集光レンズ18aとして、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同心円として結合位置させた状態で一体化してなる複合レンズ40〔図10(a)〜(c)参照〕を使用し、この複合レンズ40に蛍光励起用光源からの散乱光波長を除去するためのフィルタ34を介して各焦点位置に前方散乱光検出器20a、20aを設けた構成からなる。
【0058】
また、本実施例においては、側方散乱光および蛍光に対する集光レンズ19a、ビーム分割器22aおよび側方散乱光集光レンズ18bとして、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化してなる複合レンズ42〔図11(a)〜(c)参照〕と、蛍光集光レンズ19b、19cおよびビーム分割器22b、22cとして、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化してなるピンホール付き複合レンズ42′を使用する。そして、前記複合レンズ42とピンホール付き複合レンズ42′とを、散乱光励起用光源10aないし蛍光励起用光源30より発光される光を測定対象粒子15に照射するためのフローセル14に対し、前記照射光ビームの両側方において左右対称位置にそれぞれ設けた構成からなる。
【0059】
この場合、前記複合レンズ42に対しては、蛍光励起用光源からの散乱光波長を除去するためのフィルタ34を介して光ビームを集光し、この複合レンズ42の一方の焦点位置に対して、側方散乱光検出器20bを配置すると共に、他方の焦点位置に対して、散乱光励起用光源による散乱光波長を除去するためのフィルタ32および波長選択フィルタ24cを介して蛍光検出器26cを配置する。また、前記ピンホール付き複合レンズ42′に対しては、蛍光励起用光源からの散乱光波長を除去するためのフィルタ34および散乱光励起用光源による散乱光波長を除去するためのフィルタ32を介して光ビームを集光し、このピンホール付き複合レンズ42′の各焦点位置に対して、それぞれ波長選択フィルタ24a、24bを介して蛍光検出器26a、26bを配置する。なお、実際の測定中に直接光を光ビーム遮断器16で遮断することなく、フローセルと前記複合レンズ40間の適当な位置に集光レンズまたは前記複合レンズ40の代わりに、複合レンズと集合レンズを一体化したレンズを配置し、直接光検出器を配置してその出力を検出するならば、フローセル内を流れている粒子の吸光度が測定可能となる。
【0060】
このように構成した本実施例3の粒子分類装置によれば、測定対象粒子の蛍光検出による分析に際して、蛍光検出の感度とS/N比の向上を図ることができる。また、本実施例においては、前記複合レンズ42〔図11(a)〜(c)参照〕およびそのピンホール付き複合レンズ42′に代えて、複合レンズ44〔図12(a)〜(c)参照〕またはそのピンホール付き複合レンズ44′〔図13(a)〜(c)参照〕を適用することができる。
【実施例4】
【0061】
図5は、前述した図3に示す粒子分類装置において、前方散乱光検出器20a、側方散乱光検出器20bおよび蛍光検出器26a〜26cに対して、前記複合レンズ40、42、42′を適用した別の実施例を示すものである。すなわち、本実施例においては、前方散乱光に対する散乱光集光レンズ18aとして、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同心円として結合位置させた状態で一体化してなる複合レンズ40〔図10(a)〜(c)参照〕を使用し、この複合レンズ40の各焦点位置に前方散乱光検出器20a、20aを設けた構成からなる。
【0062】
また、本実施例においては、前記実施例3と同様に、側方散乱光および蛍光に対する集光レンズ19a、ビーム分割器22aおよび側方散乱光集光レンズ18bとして、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化してなる複合レンズ42〔図11(a)〜(c)参照〕と、蛍光集光レンズ19b、19cおよびビーム分割器22b、22cとして、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化してなるピンホール付き複合レンズ42′を使用する。そして、前記複合レンズ42とピンホール付き複合レンズ42′とを、散乱光励起用光源10aないし蛍光励起用光源30より発光される光を測定対象粒子15に照射するためのフローセル14に対し、前記照射光ビームの両側方において左右対称位置にそれぞれ設けた構成からなる。
【0063】
この場合、前記複合レンズ42の一方の焦点位置に対しては、側方散乱光検出器20bを配置すると共に、他方の焦点位置に対しては、散乱光励起用光源による散乱光波長を除去するためのフィルタ32および波長選択フィルタ24cを介して蛍光検出器26cを配置する。また、前記ピンホール付き複合レンズ42′に対しては、散乱光励起用光源による散乱光波長を除去するためのフィルタ32を介して光ビームを集光し、このピンホール付き複合レンズ42′の各焦点位置に対して、それぞれ波長選択フィルタ24a、24bを介して蛍光検出器26a、26bを配置する。なお、実際の測定中に直接光を光ビーム遮断器16で遮断することなく、フローセルと前記複合レンズ40間の適当な位置に集光レンズまたは前記複合レンズ40の代わりに、複合レンズと集合レンズを一体化したレンズを配置し、直接光検出器を配置してその出力を検出するならば、フローセル内を流れている粒子の吸光度が測定可能となる。
【0064】
このように構成した本実施例4の粒子分類装置によれば、測定対象粒子の蛍光検出による分析に際して、蛍光検出の感度とS/N比の向上を図ることができる。また、本実施例においては、前記複合レンズ42〔図11(a)〜(c)参照〕およびピンホール付き複合レンズ42′に代えて、複合レンズ44〔図12(a)〜(c)参照〕またはそのピンホール付き複合レンズ44′〔図13(a)〜(c)参照〕を適用することができる。
【実施例5】
【0065】
図6および図7(a)、(b)は、前述した図3に示す粒子分類装置において、前方散乱光検出器20a、側方散乱光検出器20bおよび蛍光検出器26a〜26cに対して、前記複合レンズ40、44′を適用した実施例を示すものである。すなわち、本実施例においては、前方散乱光に対する散乱光集光レンズ18aとして、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同心円として結合位置させた状態で一体化してなる複合レンズ40〔図10(a)〜(c)参照〕を使用し、この複合レンズ40の各焦点位置に前方散乱光検出器20a、20aを設けた構成からなる。
【0066】
また、本実施例においては、側方散乱光および蛍光に対する集光レンズ19a、ビーム分割器22aおよび側方散乱光集光レンズ18bとして、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化してなるピンホール付き複合レンズ44′〔図13(a)〜(c)参照〕を使用し、前記ピンホール付き複合レンズ44′を、散乱光励起用光源10aないし蛍光励起用光源30より発光される光を測定対象粒子15に照射するためのフローセル14に対し、前記照射光ビームの一側方に配置した構成からなる(図6参照)。
【0067】
この場合、前記ピンホール付き複合レンズ44′の一方の焦点位置に対しては、側方散乱光検出器20bを配置すると共に、他方の焦点位置に対しては、散乱光励起用光源による散乱光波長を除去するためのフィルタ32を介して蛍光検出器26cを配置する〔図7(a)参照〕。なお、実際の測定中に直接光を光ビーム遮断器16で遮断することなく、フローセルと前記複合レンズ40間の適当な位置に集光レンズまたは前記複合レンズ40の代わりに、複合レンズと集合レンズを一体化したレンズを配置し、直接光検出器を配置してその出力を検出するならば、フローセル内を流れている粒子の吸光度が測定可能となる。
【0068】
このように構成した本実施例5の粒子分類装置によれば、図7(b)に示すように、1枚の基板46上に蛍光励起用光源30と、側方散乱光検出器20bおよび蛍光検出器26cを配置することができ、装置全体の小型化および低コスト化を容易に達成することができる。また、測定対象粒子の蛍光検出による分析に際して、蛍光検出の感度とS/N比の向上を図ることができる。
【実施例6】
【0069】
図8は、前述した図1に示す粒子分類装置において、前方散乱光検出器20a、側方散乱光検出器20bおよび蛍光検出器26a〜26cに対して、前記複合レンズ40、42を適用した実施例を示すものである。すなわち、本実施例においては、前方散乱光に対する散乱光集光レンズ18aとして、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同心円として結合位置させた状態で一体化してなる複合レンズ40〔図10(a)〜(c)参照〕を使用し、この複合レンズ40の各焦点位置に前方散乱光検出器20a、20aを設けた構成からなる。
【0070】
また、本実施例においては、側方散乱光および蛍光に対する集光レンズ19a、ビーム分割器22aおよび側方散乱光集光レンズ18bとして、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化してなる第1の複合レンズ42〔図11(a)〜(c)参照〕と、蛍光集光レンズ19b、19cおよびビーム分割器22b、22cとして、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化してなる第2の複合レンズ42を使用する。そして、前記第1の複合レンズ42と第2の複合レンズ42を、散乱光励起用光源10aないし蛍光励起用光源30より発光される光を測定対象粒子15に照射するためのフローセル14に対し、前記照射光ビームの両側方において左右対称位置にそれぞれ設けた構成からなる。
【0071】
この場合、前記第1の複合レンズ42の一方の焦点位置に対しては、側方散乱光検出器20bを配置すると共に、他方の焦点位置に対しては、散乱光励起用光源による散乱光波長を除去するためのフィルタ32および波長選択フィルタ24cを介して蛍光検出器26cを配置する。また、前記第2の複合レンズ42に対しては、散乱光励起用光源による散乱光波長を除去するためのフィルタ32を介して光ビームを集光し、この複合レンズ42の各焦点位置に対して、それぞれ波長選択フィルタ24a、24bを介して蛍光検出器26a、26bを配置する。なお、実際の測定中に直接光を光ビーム遮断器16で遮断することなく、フローセルと前記複合レンズ40間の適当な位置に集光レンズまたは前記複合レンズ40の代わりに、複合レンズと集合レンズを一体化したレンズを配置し、直接光検出器を配置してその出力を検出するならば、フローセル内を流れている粒子の吸光度が測定可能となる。
【0072】
このように構成した本実施例6の粒子分類装置によれば、測定対象粒子の蛍光検出による分析に際して、蛍光検出の感度とS/N比の向上を図ることができる。また、本実施例においては、前記複合レンズ42〔図11(a)〜(c)参照〕に代えて、そのピンホール付き複合レンズ42′、あるいは複合レンズ44〔図12(a)〜(c)参照〕またはそのピンホール付き複合レンズ44′〔図13(a)〜(c)参照〕を適用することができる。
【実施例7】
【0073】
図9は、前述した図1に示す粒子分類装置において、前方散乱光検出器20a、側方散乱光検出器20bおよび蛍光検出器26a〜26cに対して、前記複合レンズ40、42を適用した実施例を示すものである。すなわち、本実施例においては、前方散乱光に対する散乱光集光レンズ18aとして、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同心円として結合位置させた状態で一体化してなる複合レンズ40〔図10(a)〜(c)参照〕を使用し、この複合レンズ40の各焦点位置に前方散乱光検出器20a、20aを設けた構成からなる。
【0074】
また、本実施例においては、側方散乱光および蛍光に対する集光レンズ19a、ビーム分割器22aおよび側方散乱光集光レンズ18bとして、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化してなる第1の複合レンズ42〔図11(a)〜(c)参照〕と、蛍光集光レンズ19b、19cおよびビーム分割器22b、22cとして、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化してなる第2の複合レンズ42を使用する。そして、前記第1の複合レンズ42と第2の複合レンズ42を、散乱光励起用光源10aないし蛍光励起用光源30より発光される光を測定対象粒子15に照射するためのフローセル14に対し、前記照射光ビームの両側方において左右対称位置にそれぞれ設けた構成からなる。
【0075】
この場合、前記第1の複合レンズ42の一方の焦点位置に対しては、側方散乱光検出器20bを配置すると共に、他方の焦点位置に対しては、散乱光励起用光源による散乱光波長を除去するためのフィルタ32および波長選択フィルタ24cを介して蛍光検出器26cを配置する。また、前記第2の複合レンズ42に対しては、コリメータ50a、集光レンズ52、ピンホールプレート54、コリメータ50bからなる組合せと、散乱光励起用光源による散乱光波長を除去するためのフィルタ32と、波長選択フィルタ24a、24bとを介して光ビームを集光し、この複合レンズ42の各焦点位置に対して、それぞれ蛍光検出器26a、26bを配置する。なお、実際の測定中に直接光を光ビーム遮断器16で遮断することなく、フローセルと前記複合レンズ40間の適当な位置に集光レンズまたは前記複合レンズ40の代わりに、複合レンズと集合レンズを一体化したレンズを配置し、直接光検出器を配置してその出力を検出するならば、フローセル内を流れている粒子の吸光度が測定可能となる。
【0076】
このように構成した本実施例7の粒子分類装置によれば、測定対象粒子の蛍光検出による分析に際して、蛍光検出の感度とS/N比の向上を図ることができる。また、本実施例においては、前記複合レンズ42〔図11(a)〜(c)参照〕に代えて、ピンホール付き複合レンズ42′、あるいは複合レンズ44〔図12(a)〜(c)参照〕およびピンホール付き複合レンズ44′〔図13(a)〜(c)参照〕を適用することができる。
【0077】
次に、前述した実施例3ないし実施例7の粒子分類装置において使用する複合レンズ40、42、44、44′について、それぞれ特性とその製造方法につき説明する。
【0078】
図10(a)〜(c)は、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同心円または同一円として結合位置させた状態で一体化してなる複合レンズ40の特性とその製造方法を示すものである。
【0079】
すなわち、図10(a)〜(c)に示す複合レンズ40は、フレネルレンズAを成型できるモールドA(moldA)から円形に切断またはくり抜いて第1のレンズ要素としてのモールドA′(moldA′)を成型する〔図10(a)参照〕。また、前記モールドA′を組み入れることができる程度の孔が設けられたリング状の第2のレンズ要素としてのモールドB′(moldB′)を、これを成型できるモールドB(moldB)から切断またはくり抜いて成型する〔図10(b)参照〕。このようにして得られた、第1のレンズ要素としてのモールドA′を、第2のレンズ要素としてのモールドB′に組み入れることにより、同心円としてのモールド表面からなる複合レンズ40を成型することができる〔図10(c)参照〕。この場合、モールドA(moldA)とモールドB(moldB)は、同一のものであってもよいし、異なる焦点距離または異なる主軸を有するフレネルレンズを成型するためのモールドであってもよい。また、このように成型された複合レンズ40は、図示のように、前記各レンズ要素に応じた焦点位置を得るように設定することができる。
【0080】
図11(a)〜(c)は、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化してなる複合レンズ42の特性とその製造方法を示すものである。
【0081】
すなわち、図11(a)〜(c)に示す複合レンズ42は、フレネルレンズAを成型できるモールドA(moldA)から円形より左半円形にくり抜きないし切断して第1のレンズ要素としてのモールドA′(moldA′)を成型する〔図11(a)参照〕。また、前記モールドB(moldB)から円形より右半円形にくり抜きないし切断して第2のレンズ要素としてのモールドB′(moldB′)を成型する〔図11(b)参照〕。このようにして得られた、第1のレンズ要素としてのモールドA′を、第2のレンズ要素としてのモールドB′と相互に結合することにより、同一円としてのモールド表面からなる複合レンズ42を成型することができる〔図11(c)参照〕。この場合、モールドA(moldA)とモールドB(moldB)は、同一のものであってもよいし、異なる焦点距離または異なる主軸を有するフレネルレンズを成型するためのモールドであってもよい。また、このように成型された複合レンズ42は、図示のように、前記各レンズ要素に応じた焦点位置を得るように設定することができる。
【0082】
図12(a)〜(c)は、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化してなる別の複合レンズ44の特性とその製造方法を示すものである。
【0083】
すなわち、図12(a)〜(c)に示す複合レンズ44は、フレネルレンズAを成型できるモールドA(moldA)から円形より上半円形にくり抜きないし切断して第1のレンズ要素としてのモールドA′(moldA′)を成型する〔図12(a)参照〕。また、前記モールドB(moldB)から円形より下半円形にくり抜きないし切断して第2のレンズ要素としてのモールドB′(moldB′)を成型する〔図12(b)参照〕。このようにして得られた、第1のレンズ要素としてのモールドA′を、第2のレンズ要素としてのモールドB′と相互に結合することにより、同一円としてのモールド表面からなる複合レンズ44を成型することができる〔図12(c)参照〕。この場合、モールドA(moldA)とモールドB(moldB)は、同一のものであってもよいし、異なる焦点距離または異なる主軸を有するフレネルレンズを成型するためのモールドであってもよい。また、このように成型された複合レンズ44は、図示のように、前記各レンズ要素に応じた焦点位置を得るように設定することができる。
【0084】
図13(a)〜(c)は、図12(a)〜(c)に示す複合レンズ44において、ピンホールpを設けた複合レンズ44′の特性とその製造方法を示すものである。
【0085】
すなわち、図13(a)〜(c)に示す複合レンズ44′は、前記図12(a)〜(c)に示す複合レンズ44の製造方法と基本的に同じであり、第1のレンズ要素としてのモールドA′を、第2のレンズ要素としてのモールドB′と相互に結合する際に、その結合中心部にピンホールpを設けた構成からなる。
従って、図示しないが、前述した図11(a)〜(c)に示す複合レンズ42についても、前記と同様に、第1のレンズ要素としてのモールドA′を、第2のレンズ要素としてのモールドB′と相互に結合する際に、その結合中心部にピンホールpを設けた複合レンズ42′を成型することができる。
【0086】
以上、本発明の好適な実施例についてそれぞれ説明したが、本発明は前述した実施例に限定されることなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係る粒子分類装置の第1実施例を示す概略システム構成図である。
【図2】本発明に係る粒子分類装置の第2実施例を示す概略システム構成図である。
【図3】従来の粒子分類装置の構成例を示す概略システム構成図である。
【図4】図2に示す粒子分類装置に複合レンズと複数の検出器の組合せを適用した本発明に係る粒子分類装置の第3実施例を示す概略システム構成図である。
【図5】図3に示す粒子分類装置に複合レンズと複数の検出器の組合せを適用した本発明に係る粒子分類装置の第4実施例を示す概略システム構成図である。
【図6】図3に示す粒子分類装置に複合レンズと複数の検出器の組合せを適用した本発明に係る粒子分類装置の第5実施例を示す概略システム構成図である。
【図7】(a)および(b)は図6に示す本発明に係る粒子分類装置の第5実施例における蛍光検出器のそれぞれ構成配置例を示す概略システム構成図である。
【図8】図1に示す粒子分類装置に複合レンズと複数の検出器の組合せを適用した本発明に係る粒子分類装置の第6実施例を示す概略システム構成図である。
【図9】図1に示す粒子分類装置に複合レンズと複数の検出器の組合せを適用した本発明に係る粒子分類装置の第7実施例を示す概略システム構成図である。
【図10】(a)、(b)および(c)は本発明に係る粒子分類装置に適用する複合レンズ[40]の特性とその製造工程をそれぞれ示す説明図である。
【図11】(a)、(b)および(c)は本発明に係る粒子分類装置に適用する別の複合レンズ[42a〜c]の特性とその製造工程をそれぞれ示す説明図である。
【図12】(a)、(b)および(c)は本発明に係る粒子分類装置に適用するまた別の複合レンズ[44a〜c]の特性とその製造工程をそれぞれ示す説明図である。
【図13】(a)、(b)および(c)は本発明の粒子分類装置に適用するさらに別の複合レンズ[44a′〜c′]の特性とその製造工程をそれぞれ示す説明図である。
【符号の説明】
【0088】
10a 本発明のレーザー光源(散乱光励起用)
10b 従来のレーザー光源(散乱光検出および蛍光励起用)
12 光ビーム整形レンズ
14 フローセル
15 測定対象粒子
16 光ビーム遮断器
18a、18b 散乱光集光レンズ
19a 散乱光および蛍光集光レンズ
19b〜19e 蛍光集光レンズ
20a 前方散乱光検出器
20b 側方散乱光検出器
22a〜22d 光ビーム分割器
24a〜24d 波長選択フィルタ
26a〜26d 蛍光検出器
30 発光ダイオード(蛍光励起用光源)
32 フィルタ(散乱光励起用光源による散乱光波長除去)
33 フィルタ(散乱光励起用光源による散乱光波長除去ないし蛍光励起用光源からの散乱光波長除去)
34 フィルタ(蛍光励起用光源からの散乱光波長除去)
40 複合レンズ(同心型フレネルレンズ)
42 複合レンズ(横分割型フレネルレンズ)
42′ ピンホール付き複合レンズ(横分割型フレネルレンズ)
44 複合レンズ(縦分割型フレネルレンズ)
44′ ピンホール付き複合レンズ(縦分割型フレネルレンズ)
46 基板
50a、50b コリメータ
52 集光レンズ
54 ピンホールプレート
p ピンホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローセルにおける細胞、染色体およびこれらに含まれる生体高分子等の測定対象粒子を含む水溶液の流れに対し、レーザー光源からレーザー光を照射することにより、前記測定対象粒子の発生する散乱光および蛍光を検出して、これらの検出された信号に基づいて測定対象粒子の分析を行う粒子分類装置において、
前記測定対象粒子に対する蛍光励起用光源として、青色領域の光を励起光として発光することができる発光ダイオード(LED)を設け、
前記測定対象粒子に前記各光源を照射して励起された散乱光および蛍光の光ビームに対し、散乱光波長を除去するためのフィルタを介して、それぞれ所要の蛍光信号を得るための蛍光検出器を設けたことを特徴とする粒子分類装置。
【請求項2】
前記レーザー光源より発光されるレーザー光を光ビーム整形レンズを介してフローセル内の測定対象粒子に対して照射して、前方散乱光と側方散乱光をそれぞれ励起させると同時に、前記蛍光励起用光源より発光される光をフローセル内の測定対象粒子に対して照射して、蛍光を励起させるように構成し、
前記前方散乱光を、散乱光集光レンズにより集光し前方散乱光検出器に入力して電気信号に変換するように構成し、
前記側方散乱光および蛍光を、散乱光および蛍光集光レンズにより集光し、光ビーム分割器を介して反射し、さらに散乱光集光レンズにより集光し側方散乱光検出器に入力して電気信号に変換すると共に、前記光ビーム分割器を透過して得られた蛍光を、それぞれ複数の光ビーム分割器と波長選択フィルタの組合せにより所要の選択された波長の光を蛍光集光レンズにより集光し、蛍光検出器に入力して電気信号に変換するように構成したことを特徴とする請求項1記載の粒子分類装置。
【請求項3】
前記光ビーム分割器を透過して得られた蛍光を、電気信号に変換する蛍光検出器に対し、前記複数の光ビーム分割器と波長選択フィルタの組合せの最前段に、散乱光励起用光源による散乱光波長を除去するためのフィルタを設けることを特徴とする請求項2記載の粒子分類装置。
【請求項4】
前記前方散乱光を電気信号に変換する前方散乱光検出器に対し、前記散乱光集光レンズと前方散乱光検出器との間に、蛍光励起用光源からの散乱光波長を除去するためのフィルタを設けることを特徴とする請求項3記載の粒子分類装置。
【請求項5】
フローセルにおける細胞、染色体およびこれらに含まれる生体高分子等の測定対象粒子を含む水溶液の流れに対し、レーザー光源からレーザー光を照射することにより、前記測定対象粒子の発生する散乱光および蛍光を検出して、これらの検出された信号に基づいて測定対象粒子の分析を行う粒子分類装置において、
前記レーザー光源より発光されるレーザー光を光ビーム整形レンズを介してフローセル内の測定対象粒子に対して照射して、前方散乱光と側方散乱光をそれぞれ励起させると同時に、前記蛍光励起用光源より発光される光をフローセル内の測定対象粒子に対して照射して、蛍光を励起させるように構成し、
前記前方散乱光を、散乱光集光レンズにより集光し前方散乱光検出器に入力して電気信号に変換するように構成し、
前記側方散乱光および蛍光を、散乱光および蛍光集光レンズにより集光し、光ビーム分割器を介して反射し、さらに散乱光集光レンズにより集光し側方散乱光検出器に入力して電気信号に変換すると共に、前記光ビーム分割器を透過して得られた蛍光を、それぞれ複数の光ビーム分割器と波長選択フィルタの組合せにより所要の選択された波長の光を蛍光集光レンズにより集光し、蛍光検出器に入力して電気信号に変換するように構成してなり、
前記前方散乱光、側方散乱光および蛍光をそれぞれ集光して電気信号に変換する前記各集光レンズと検出器との組合せを、散乱光の光路を遮るようにして配置され、焦点位置の異なる複数のレンズ要素を、同心円または同一円として結合位置させた状態で一体化してなる複合レンズと、前記複数のレンズ要素の焦点位置に応じた前記散乱光および蛍光の結像位置にそれぞれ配置された複数の検出器との組合せから構成してなることを特徴とする粒子分類装置。
【請求項6】
前記測定対象粒子に対する蛍光励起用光源として、青色領域の光を励起光として発光することができる発光ダイオード(LED)を設け、
前記測定対象粒子に前記各光源を照射して励起された散乱光および蛍光の光ビームに対し、散乱光波長を除去するためのフィルタを介して、それぞれ所要の蛍光信号を得るための蛍光検出器を設けたことを特徴とする請求項5記載の粒子分類装置。
【請求項7】
前記前方散乱光を集光する複合レンズは、焦点位置の異なる円とリングとからなる複数のレンズ要素を、同心円として結合位置させた状態で一体化した構成からなることを特徴とする請求項5または6記載の粒子分類装置。
【請求項8】
前記前方散乱光を集光する複合レンズは、焦点位置の異なる左右または上下半円からなる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化した構成からなることを特徴とする請求項5または6記載の粒子分類装置。
【請求項9】
前記前方散乱光を集光する複合レンズは、散乱光励起用光源より発光される光を測定対象粒子に照射するためのフローセルに対し、前記照射光ビームの両側方において対称位置にそれぞれ配置した構成
または散乱光励起用光源より発光される光を測定対象粒子に照射するためのフローセルに対し、前記照射光ビームの一側方に配置した構成からなることを特徴とする請求項7または8記載の粒子分類装置。
【請求項10】
前記側方散乱光および蛍光を集光する複合レンズは、焦点位置の異なる左右または上下半円からなる複数のレンズ要素を、同一円として結合位置させた状態で一体化した構成からなることを特徴とする請求項5または6記載の粒子分類装置。
【請求項11】
前記側方散乱光および蛍光を集光する複合レンズは、焦点位置の異なる円とリングとからなる複数のレンズ要素を、同心円として結合位置させた状態で一体化した構成からなることを特徴とする請求項5または6記載の粒子分類装置。
【請求項12】
前記側方散乱光および蛍光を集光する複合レンズは、散乱光励起用光源ないし蛍光励起用光源より発光される光を測定対象粒子に照射するためのフローセルに対し、前記照射光ビームの両側方において対称位置にそれぞれ配置
または散乱光励起用光源ないし蛍光励起用光源より発光される光を測定対象粒子に照射するためのフローセルに対し、前記照射光ビームの一側方に配置したことを特徴とする請求項10または11記載の粒子分類装置。
【請求項13】
前記複合レンズは、中心部に迷光除去用ピンホールを設けてなることを特徴とする請求項7ないし12のいずれかに記載の粒子分類装置。
【請求項14】
前記複合レンズに対し、コリメータと、集光レンズおよび迷光除去用ピンホールとを、組合せ配置してなることを特徴とする請求項9ないし13のいずれかに記載の粒子分類装置。
【請求項15】
前記前方散乱光に基づいて、吸光度を測定する吸光度測定部を有することを特徴とする請求項5または6記載の粒子分類装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−258776(P2006−258776A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−112464(P2005−112464)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【出願人】(000230962)日本光電工業株式会社 (179)
【Fターム(参考)】