説明

粒子数計測システム

【課題】粒子数計測システムの構成を簡単化及びコンパクト化するとともに、そのコストを削減する。
【解決手段】メイン流路ML及び希釈ガス流路DLとの接続点に設けた希釈器PND2と、希釈器PND2に導入される希釈ガス流量を制御する希釈ガス流量制御部MFC3と、希釈された排出ガス中の固体粒子数を計測する粒子数計測装置2と、メイン流路MLにおける希釈器PND2及び粒子数計測装置2間から分岐し、定流量器CFO3が設けられたバイパス流路BL3と、メイン流路ML及びバイパス流路BL3の合流点下流に接続された吸引ポンプPと、希釈ガス流量制御部MFC3により制御される希釈ガス流量Qと、粒子数計測装置2の装置流量Q及び定流量器CFO3の設定流量Qの合計流量とから排出ガスの希釈率を算出する情報処理装置4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの排出ガスに含まれるPM等の固体粒子数を計測する粒子数計測システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンからの排出物質の1つである粒子状物質(PM:Particulate Matters)の測定方法としては、フィルタを用いてPMを捕集し、そのPM質量を図るフィルタ質量法が周知である。ところで、PM排出量が微量となり、フィルタ重量法では精度面で厳しい状況となってきている。そのような状況のもと、フィルタ重量法の代替法として開発されたものが、排出ガス中のPMの数を計測する手法である。その具体的なシステム構成としては、例えば粒子数計測装置の前段に、エンジンの排出ガスをエア等で希釈する希釈ユニットを設け、その希釈した排出ガスの一部を当該粒子数計測装置に導いて、その中に含まれる粒子数をカウントするようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
従来、このようなシステムにおいて、希釈ユニットは、特許文献2に示すように、排ガスが流れるメイン流路と希釈ガスが流れる希釈ガス流路との接続点又はその下流近傍に設けた希釈器と、その希釈器に導入される排出ガスの質量流量を測定するための流量測定機構と、希釈器に同じく導入される希釈ガスの質量流量を制御する希釈ガス流量制御部と、排出ガスの質量流量を可変させる排出ガス流量制御部と、を備えている。そして、この希釈ユニットに流れ込んでくる排出ガスの流量を、前記流量測定機構で測定するとともに排出ガス流量制御部で制御して、所望の希釈比を実現するように構成されている。
【0004】
そして、流量制御機構は、流体抵抗となるオリフィス部と、そのオリフィス部の差圧を測定する圧力センサと、上流側の絶対圧を測定する圧力センサとを備えており、オリフィス部の上下流の圧力情報等に基づいて、別に設けた情報処理装置が、希釈器に導入される排出ガスの質量流量を算出できるように構成されている。
【0005】
しかしながら、希釈ユニットの上流側にオリフィス部、差圧測定用の圧力センサ、絶対圧測定用の圧力センサ及び温調器を設けることによって、粒子数計測システムが大きくなってしまうという問題があるとともに、部品点数が増えることによってコスト増大の問題もある。
【0006】
また、この粒子数計測システムにおいては、希釈ユニットと粒子数計測装置との間にバイパス流路を設け、そのバイパス流路にマスフローコントローラにより流量制御されたエアを供給することによって希釈ユニットから粒子数計測装置に導かれる排出ガスの流量を調整するようにしている。
【0007】
しかしながら、マスフローコントローラを用いているので、粒子数計測システムとして大きくなってしまうだけでなく、コスト増大の問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−194726号公報
【特許文献2】特開2008−164446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、粒子数計測システムの構成を簡単化及びコンパクト化するとともに、そのコストを削減することをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明に係る粒子数計測システムは、エンジンの排出ガスを導入するための排出ガス導入ポートと、希釈ガスを導入するための希釈ガス導入ポートと、前記排出ガス導入ポートに一端が接続されたメイン流路と、前記希釈ガス導入ポートに一端が接続され、他端が前記メイン流路に接続された希釈ガス流路と、前記メイン流路及び前記希釈ガス流路との接続点又はその下流近傍に設けた希釈器と、前記希釈ガス流路に設けられ、前記希釈器に導入される希釈ガスの流量を制御する希釈ガス流量制御部と、前記希釈器の下流にバルブを介して設けられ、希釈された排出ガス中の固体粒子数を計測するものであって、定流量機能を有する粒子数計測装置と、前記メイン流路における前記希釈器及び前記粒子数計測装置の間から分岐して設けられ、定流量器及びバルブが設けられたバイパス流路と、前記メイン流路及び前記バイパス流路の合流点下流に接続され、前記メイン流路及び前記バイパス流路に排出ガスを導入するための吸引ポンプと、前記希釈ガス流量制御部により制御される希釈ガス流量と、前記粒子数計測装置を流れる流量である装置流量及び前記バイパス流路上の定流量器の設定流量の合計流量と、から排出ガスの希釈率を算出する情報処理装置と、を備えることを特徴とする。
【0011】
このようなものであれば、希釈ガス流量制御部により制御される希釈ガス流量と、粒子数計測装置の装置流量及びバイパス流路上の定流量器の設定流量の合計流量と、から排出ガスの希釈率を算出するようにしているので、従来希釈ユニットに流入する排出ガスの流量を測定していた流量測定機構を不要とすることができ、システム構成を簡単化及びコンパクト化することができるとともに、コストダウンを可能にすることができる。また、従来、粒子数計測装置が設けられた流路及びバイパス流路毎に設けていた吸引ポンプを共通化させているので、これによってもシステム構成を簡単化及びコンパクト化することができ、システムのコストダウンを可能にすることができる。
【0012】
バイパス流路上の定流量器がシステムに組み込んだ状態(初期)の設定流量と異なることがあり、これによる希釈比率の変動を防止するためには、前記情報処理装置が、前記粒子数計測装置の上流に設けたバルブを閉じ、前記バイパス流路に設けたバルブを開けて、前記希釈ガス流量制御部により制御された流量を前記バイパス流路上に流すことによって前記バイパス流路上の定流量器の設定流量を校正することが望ましい。
【0013】
同様に、前記情報処理装置が、前記バイパス流路に設けたバルブを閉じ、前記粒子数計測装置の上流に設けたバルブを開けて、前記希釈ガス流量制御部により制御された流量を前記メイン流路に流すことによって前記粒子数計測装置の装置流量を校正することが望ましい。
【0014】
上記のように定流量器の設定流量を校正したとしても、校正時における流路内の温度及び圧力と粒子測定時における流路内の温度及び圧力が異なることから、定流量器を流れる流量が変動してしまう。この問題を解決するためには、前記情報処理装置が、前記バイパス流路上の定流量器の校正時におけるその定流量器上流近傍の温度及び圧力と、粒子数測定時における前記バイパス流路上の定流量器上流近傍の温度及び圧力とをパラメータとして、前記バイパス流路上の定流量器の設定流量を補正することが望ましい。
【0015】
同様にして、前記情報処理装置が、前記粒子数計測装置の装置流量の校正時におけるその粒子数計測装置上流近傍の温度及び圧力と、粒子数測定時における前記粒子数計測装置上流近傍の温度及び圧力とをパラメータとして、前記粒子数計測装置の装置流量を補正することが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
このように構成した本発明によれば、粒子数計測システムの構成を簡単化及びコンパクト化するとともに、そのコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る粒子数計測システムの全体構成図である。
【図2】同実施形態における情報の流れを示す情報伝達図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明に係る粒子数計測システムの一実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
本実施形態に係る粒子数計測システム100は、排出ガス導入ポートPT1から内部に設けたメイン流路MLにエンジンの排出ガスを導いて、それに希釈や気化等を施した後、メイン流路MLに設けた粒子数計測装置2で前記排出ガス中の固体粒子であるPMを測定するものである。
【0020】
前記排出ガス導入ポートPT1は、図示しないエンジンからの排気ラインに接続されており、この排出ガス導入ポートPT1に、例えばエンジンからの直接の排出ガスもしくは全流希釈トンネルや分流希釈トンネルで希釈された排出ガスが導かれるように構成している。なお、以下で排出ガスというときは、上述したような希釈された排出ガスも含む意味で用いることとする。
【0021】
この排出ガス導入ポートPT1から開閉バルブV1を介して内部に導入された排出ガスは、一部は第1バイパス路BL1から排出され、その残りが、直列に設けた複数段(本実施形態では2段)の希釈器PND1、PND2に導かれて希釈ガスであるエアによって希釈される。
【0022】
なお、エアは、希釈ガス導入ポートPT2からレギュレータREGを介して複数の希釈ガス流路DL1〜DL3を経て、メイン流路MLの各所又は第2バイパス流路BL2に供給される。
【0023】
また、第1バイパス流路BL1は、後述する粒子数計測装置2の下流においてメイン流路MLと合流しており、開閉バルブV2、及びバイパス流路BL1を流れる流量を一定に保つ、クリティカルオリフィス等の定流量器CFO1がこの順で設けられている。さらに、メイン流路ML及びバイパス流路(第1バイパス流路BL1の他、後述するその他のバイパス流路BL2、BL3も含む。)の合流点下流には、メイン流路ML及びバイパス流路BL1〜BL3を負圧にして排出ガスを導入するための吸引ポンプPが接続されている。また、吸引ポンプPの上流側近傍には、吸引ポンプPの吸引力の変動を平滑化するためのバッファチャンバBCが設けられている。
【0024】
第1希釈器PND1は、メイン流路MLと希釈ガス流路DLとの接続点又はその下流近傍に設けられており、第1希釈器PND1に導入された排出ガスを加熱するとともにその排出ガスを希釈するものである。
【0025】
この第1希釈器PND1に導入される被希釈ガスである排出ガスは、その質量流量が第1希釈器PND1の上流、より具体的には接続点上流に設けられた流量測定機構3により測定されている。
【0026】
この流量測定機構3は、流体抵抗となるオリフィス部31と、そのオリフィス部31の差圧を測定する圧力センサ32と、上流側の絶対圧を測定する圧力センサ33と、流体の温度を調整する温調器34とを備えており、オリフィス部31の上下流の圧力情報及び温調器34からの温度情報に基づいて、別に設けた情報処理装置4(特に図2参照)が、第1希釈器PND1に導入される排出ガスの質量流量を算出できるように構成されている。情報処理装置4は、CPU、メモリ、入力手段、ディスプレイ等を備え、メモリに格納した所定プログラムにしたがってCPUや周辺機器が協働して動作する汎用乃至専用のいわゆるコンピュータである。
【0027】
また、第1希釈器PND1に導入される希釈ガスは、希釈ガス流路DL1上に設けられた希釈ガス流量制御部MFC1によりその質量流量が制御されている。この希釈ガス流量制御部MFC1は、前記情報処理装置4から目標流量データを与えられると、内部に設けた流量センサ(図示しない)で測定される実流量が、目標流量データの値(以下、目標流量とも言う)となるように、内部のバルブ(図示しない)を調整してローカルで流量制御するものである。この目標流量は、前記情報処理装置4によって、希釈比率から算出される。
【0028】
また、第1希釈器PND1の下流には、揮発性粒子を気化させるための蒸発器EUが設けられるとともに、第1希釈器PND1及び蒸発器EUの間から分岐して、粒子数計測装置2の下流においてメイン流路MLに合流する第2バイパス流路BL2が設けられている。なお、蒸発器EUは、300〜400度に加熱されている。
【0029】
第2バイパス流路BL2には、希釈ガス流量制御部MFC2が設けられた希釈ガス流路DL2が接続されている。またバイパス流路BL2には、開閉バルブV3、及び第2バイパス流路BL2を流れる流量を一定に保つ、クリティカルオリフィス等の定流量器CFO2が設けられている。このような構成により、希釈ガス流量制御部MFC2が情報処理装置4によって制御されることにより、第2バイパス流路BL2に流入する希釈ガスが調整され、その結果、メイン流路MLから第2バイパス流路BL2に流入する排出ガスの質量流量を調節する。
【0030】
第2希釈器PND2は、メイン流路MLと希釈ガス流路DL3との接続点又はその下流近傍に設けられており、第2希釈器PND2に導入される排出ガスを冷却するとともにその排出ガスを希釈するものである。
【0031】
第2希釈器PND2に導入される希釈ガスは、希釈ガス流路DL3に設けられた希釈ガス流量制御部MFC3によりその質量流量が制御されている。この希釈ガス流量制御部MFC3は、前記希釈ガス流量制御部MFC1と同様に、前記情報処理装置4から目標流量データを与えられると、内部に設けた流量センサ(図示しない)で測定される実流量が、目標流量データの値(以下、目標流量とも言う)となるように、内部のバルブ(図示しない)を調整してローカルで流量制御するものである。この目標流量は、前記情報処理装置4によって、希釈比率から算出される。
【0032】
このような構成において、第1希釈器PND1及びその近傍から第2希釈器PND2に至る配管を図示しないヒータ等の加熱手段を有する温度調節器により、例えば150度以上に加熱されている。これにより、配管内壁へのPMの付着や凝集等を防止して、計数誤差を抑制している。
【0033】
また、第2希釈器PND2の下流には、第1希釈器PND1及び第2希釈器PND2により希釈された排出ガス中の固体粒子数を計測する粒子数計測装置2が開閉バルブV5を介して設けられるとともに、第2希釈器PND2及び粒子数計測装置2の間、具体的には開閉バルブV5上流から分岐して、粒子数計測装置2の下流においてメイン流路MLと合流する第3バイパス流路BL3が設けられている。
【0034】
このバイパス流路BL3には、バイパス流路BL3を流れる流量を一定に保つ、クリティカルオリフィス等の定流量器CFO3、及び開閉バルブV4がこの順で設けられている。なお、開閉バルブV5及び粒子数計測装置3の間には、開閉バルブV6及びフィルタをこの順で設けた大気開放通路ALが形成されており、吸引ポンプPの停止時などに開閉バルブV5が閉じられる際に、開閉バルブV6を開けて粒子数計測装置2内を大気開放させる。
【0035】
粒子数計測装置2は、アルコールやブタノールなどの有機ガスを過飽和状態で混入させて排出ガス中のPMに付着させることにより、このPMを大きな径に成長させ、成長したPMをスリットから排出して、出てきた粒子にレーザ光にて計数するものである。この粒子数計測装置2は、成長したPMをスリットから排出するように構成していることから、そのスリットが定流量器としての機能を有し、粒子測定装置2には一定流量の排出ガスが流れることになる。
【0036】
このような構成により、2段の希釈器PND1、PND2で希釈された排出ガスの一部が粒子数計測装置2に導かれ、その排出ガスに含まれる固体粒子数が計数される。そして、粒子数計測装置2で測定された計数データは、前記情報処理装置4に出力されて適宜処理される。
【0037】
しかして、本実施形態の情報処理装置4は、希釈ガス流量制御部MFC3により制御される希釈ガス流量Qと、粒子数計測装置2を流れる流量である装置流量Q及び第3バイパス流路BL3上の定流量器CFO3の設定流量Qの合計流量Q+Qと、から排出ガスの希釈比率を算出する。具体的に情報処理装置4は、希釈比率を(Q+Q)/(Q+Q−Q)により算出する。このように構成することによって、第2希釈器PND2に導入される排出ガスの質量流量を測定する流量測定機構を不要としている。
【0038】
また本実施形態の情報処理装置4は、粒子数計測装置2の上流に設けた開閉バルブV5を閉じ、第3バイパス流路BL3に設けた開閉バルブV4を開けて、希釈ガス流量制御部MFC3により制御された流量Qを第3バイパス流路BL3上に流すことによって第3バイパス流路BL3上の定流量器CFO3の設定流量を校正する。なお、この校正の際の定流量器CFO3の上流近傍の圧力及び温度を圧力センサP1及び温度センサT1により測定し、情報処理装置4が、その測定データを校正データと関連付けて記憶する。
【0039】
一方、情報処理装置4は、第3バイパス流路BL3に設けた開閉バルブV4を閉じ、粒子数計測装置2の上流に設けた開閉バルブV5を開けて、希釈ガス流量制御部MFC3により制御された流量Qをメイン流路MLに流すことによって粒子数計測装置2の装置流量を校正する。なお、この校正の際の粒子数計測装置2の上流近傍の圧力及び温度を圧力センサP2及び温度センサT2により測定し、情報処理装置4が、その測定データを校正データと関連付けて記憶する。
【0040】
さらに本実施形態の情報処理装置4は、第3バイパス流路BL3上の定流量器CFO3の校正時におけるその定流量器CFO3上流近傍の温度及び圧力と、粒子数測定時における第3バイパス流路BL3上の定流量器CFO3上流近傍の温度及び圧力とをパラメータとして、バイパス流路上の定流量器の設定流量を補正する(補正後の設定流量Q’)。さらに、情報処理装置4は、粒子数計測装置2の装置流量の校正時におけるその粒子数計測装置2上流近傍の温度及び圧力と、粒子数測定時における粒子数計測装置2上流近傍の温度及び圧力とをパラメータとして、粒子数計測装置2の装置流量を補正する(補正後の設定流量Q’)。そして、情報処理装置4は、この補正の結果得られた装置流量Q’及び設定流量Q’を用いて希釈比率を算出し、第2希釈器PND2での希釈比率が一定となるように希釈ガス流量制御部MFC3に目標流量データを与える。
【0041】
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係る粒子数計測システム100によれば、希釈ガス流量制御部MFC3により制御される希釈ガス流量Qと、粒子数計測装置2の装置流量Q及びバイパス流路BL3上の定流量器CFO3の設定流量Qの合計流量Q+Qと、から排出ガスの希釈率を算出するようにしているので、従来第2希釈器PND2に流入する排出ガスの流量を測定していた流量測定機構を不要とすることができ、システム構成を簡単化及びコンパクト化することができるとともに、コストダウンを可能にすることができる。また、従来、粒子数計測装置2が設けられた流路ML及びバイパス流路BL毎に設けていた吸引ポンプを共通化させているので、これによってもシステム構成を簡単化及びコンパクト化することができ、システムのコストダウンを可能にすることができる。
【0042】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0043】
例えば、前記実施形態では、粒子数計測装置2の内部に設けられた定流量器(CFO)が温調されていない場合を想定しており、粒子数計測装置2の装置流量を、この粒子数計測装置2の上流近傍の圧力及び温度を用いて校正している。一方、粒子数計数装置2内部に設けられた定流量器(CFO)が温調されている場合には、粒子数計測装置2の装置流量は、粒子数計測装置2の上流近傍の圧力を用いて校正すれば良く、その上流近傍の温度を用いて校正する必要はない。
【0044】
また、前記実施形態では、第3バイパス流路BL3上の定流量器CFO3の上流近傍に圧力センサP1及び温度センサT1を設け、メイン流路MLの粒子数計測装置の上流近傍に圧力センサP1及び温度センサT1を設けているが、それら圧力センサ及び温度センサを共通としても良い。具体的には、メイン流路MLと第3バイパス流路BL3との分岐点上流近傍に共通の圧力センサ及び温度センサを設けても良い。
【0045】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0046】
100 ・・・粒子数計測システム
PT1 ・・・排出ガス導入ポート
PT2 ・・・希釈ガス導入ポート
ML ・・・メイン流路
DL ・・・希釈ガス流路
PND ・・・希釈器
MFC ・・・希釈ガス流量制御部
V5 ・・・バルブ
2 ・・・粒子数計測装置
CFO3・・・定流量器
V4 ・・・バルブ
BL ・・・バイパス流路
P ・・・吸引ポンプ
4 ・・・情報処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排出ガスを導入するための排出ガス導入ポートと、
希釈ガスを導入するための希釈ガス導入ポートと、
前記排出ガス導入ポートに一端が接続されたメイン流路と、
前記希釈ガス導入ポートに一端が接続され、他端が前記メイン流路に接続された希釈ガス流路と、
前記メイン流路及び前記希釈ガス流路との接続点又はその下流近傍に設けた希釈器と、
前記希釈ガス流路に設けられ、前記希釈器に導入される希釈ガスの流量を制御する希釈ガス流量制御部と、
前記希釈器の下流にバルブを介して設けられ、希釈された排出ガス中の固体粒子数を計測するものであって、定流量機能を有する粒子数計測装置と、
前記メイン流路における前記希釈器及び前記粒子数計測装置の間から分岐して設けられ、定流量器及びバルブが設けられたバイパス流路と、
前記メイン流路及び前記バイパス流路の合流点下流に接続され、前記メイン流路及び前記バイパス流路に排出ガスを導入するための吸引ポンプと、
前記希釈ガス流量制御部により制御される希釈ガス流量と、前記粒子数計測装置を流れる流量である装置流量及び前記バイパス流路上の定流量器の設定流量の合計流量と、から排出ガスの希釈率を算出する情報処理装置と、を備える粒子数計測システム。
【請求項2】
前記情報処理装置が、前記粒子数計測装置の上流に設けたバルブを閉じ、前記バイパス流路に設けたバルブを開けて、前記希釈ガス流量制御部により制御された流量を前記バイパス流路上に流すことによって前記バイパス流路上の定流量器の設定流量を校正する請求項1記載の粒子数計測システム。
【請求項3】
前記情報処理装置が、前記バイパス流路に設けたバルブを閉じ、前記粒子数計測装置の上流に設けたバルブを開けて、前記希釈ガス流量制御部により制御された流量を前記メイン流路に流すことによって前記粒子数計測装置の装置流量を校正する請求項1又は2記載の粒子数計測システム。
【請求項4】
前記情報処理装置が、前記バイパス流路上の定流量器の校正時におけるその定流量器上流近傍の温度及び圧力と、粒子数測定時における前記バイパス流路上の定流量器上流近傍の温度及び圧力とをパラメータとして、前記バイパス流路上の定流量器の設定流量を補正する請求項2又は3記載の粒子数計測システム。
【請求項5】
前記情報処理装置が、前記粒子数計測装置の装置流量の校正時におけるその粒子数計測装置上流近傍の温度及び圧力と、粒子数測定時における前記粒子数計測装置上流近傍の温度及び圧力とをパラメータとして、前記粒子数計測装置の装置流量を補正する請求項2、3又は4記載の粒子数計測システム。

【図1】
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【図2】
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