説明

粒子測定器及び粒子測定方法

本発明は、クリーンルームなどの清浄空間内に存在する低濃度の粒子の個数と大きさ別の分布などを迅速且つ容易に測定することが可能な粒子測定器及び粒子測定方法を開示する。本発明に係る粒子測定器及び粒子測定方法は、粒子を単極性に荷電させ、電極に電圧を印加して一定の大きさ以下の荷電粒子を付着させて捕集させ、一定の大きさ以上の荷電粒子を粒子分離ダクトによって粒子の大きさ別に分離して粒子の個数を測定する。本発明に係る粒子測定器は、1回の測定により空気中の粒子の大きさ分布を求めることができ、空気中に含まれた粒子の個数が少なくても、粒子の大きさ別の分布を迅速且つ容易に求めることができるという効果がある。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子測定器及び粒子測定方法に係り、より詳しくは、クリーンルームなどの清浄空間内に存在する低濃度の粒子の個数と大きさ別の分布などを迅速且つ容易に測定することが可能な粒子測定器及び粒子測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の如く、クリーンルームなどの清浄空間内に存在する粒子の測定は、半導体生産工程で非常に重要な要素である。従来の技術として、粒子の大きさを測定するために、レーザを用いて粒子の大きさを分析する光学粒子計数器(OPC)、またはブラウン拡散を用いた拡散バッテリなどが用いられている。
【0003】
半導体技術の発達によって半導体の線幅が減少するにつれて、粒径10nm程度の大きさを持つ粒子は必須的に測定されなければならない。ところが、上述した従来の光学粒子計数器の場合、レーザの散乱により直径0.1μm以下の粒子を測定することができない。また、拡散バッテリで粒子を測定する場合には、測定結果が正確でないという問題点がある。
【0004】
現在、直径10nm程度の粒子を測定するために、粒子測定器(Differential Mobility Particle Counter)が開発された。この粒子測定器は、粒子分離装置(Differential Mobility Analyzer、DMA)と粒子計数装置(Condensation Particle Counter)の組み合わせから構成されている。粒子分離装置は、粒子の直径、粒子の流動、静電気力を用いて所望の直径の粒子を選別し、粒子計数装置は、粒子分離装置によって選別された粒子の個数をコンピュータを用いて測定する。
【0005】
図1は従来の技術の粒子測定器を示す図である。図1を参照すると、従来の粒子測定器は、粒子流入装置10、粒子分離装置20及び粒子計数装置30から構成されている。
【0006】
粒子流入装置10は、粒子分離装置20の上流に位置する。粒子流入装置10は、粒子供給装置12と、供給される粒子を荷電させる粒子荷電装置としてのニュートラライザー14と、清浄空気供給装置16とから構成されている。ニュートラライザー14は、放射能を用いて粒子を陽極性に荷電し、電気的に中和させる装置である。このようなニュートラライザーは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にはよく知られている装備なので、ここで関連した構成と作用に関する説明は省略する。
【0007】
粒子分離装置20は、円筒型の外部ガイドダクト21と、内部ガイドダクト22と、内部ガイドダクト22の内部に設置される電極23と、電極23の下端から延長された一つの粒子分離ダクト24とから構成されている。電極23は電源供給部25と連結されており、外部ガイドダクト21は接地されている。粒子分離ダクト24には外周面に沿って多数の粒子進入孔24aが設けられている。粒子進入孔24aは、同一の高さに位置し、直径1mm程度の大きさを持つ。
【0008】
次に、このような構成を持つ従来の粒子測定器の動作について説明する。粒子供給装置12によって粒子が供給されると、粒子は、ニュートラライザー14によって陽極性に荷電される。荷電された粒子は、外部ガイドダクト21と内部ガイドダクト22との間に流入される。一方、内部ガイドダクト22としては、荷電された粒子を円滑に移送するために清浄空気が流入される。電極23と反対の極性に荷電された粒子は電極側へ移動する。これにより、小さい荷電粒子は電極23の上端部に付着され、大きい荷電粒子は電極23の下部に移動する。下方に移動する荷電粒子は電極23の下部に付着され、電極23に付着されない非常に大きい荷電粒子はガイドダクト21の外部に流出される。この際、粒子分離ダクト24を介して強制に若干の空気を吸入すると、電極23の下部に到達した一定サイズの粒子は、上述した空気吸入作用によって粒子進入孔24aを介して粒子分離ダクト24の内部に進入して外部に流出される。このように粒子分離ダクト24によって流出される荷電粒子は、一定の範囲の大きさを持つ。選別された荷電粒子は、粒子分離装置20の下流に位置する粒子計数装置30に流入されて粒子の個数が測定される。
【0009】
したがって、電極23に印加される電圧を調節すると、荷電粒子は大きさ別に選別できる。電極23に印加される電圧の大きさを調節して上述の過程を繰り返し行うと、大きさ別に粒子の個数を測定することができるようになって、全体粒子の大きさ別の分布を知ることができる。
【0010】
ところが、従来の粒子測定器は、1回の測定では特定の範囲内の大きさをもった荷電粒子のみの個数を測定することができる。したがって、全体粒子の個数と大きさ別の分布などを知るためには、電極に供給される電圧を調節して繰り返し行わなければならないという欠点がある。しかも、クリーンルームの清浄空間内に存在する空気中の粒子を測定する場合、清浄空間内の粒子の個数は基本的に少ない。したがって、実際には電圧を異にして大きさ別に荷電粒子を選別して測定することは殆ど不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、上述した従来の技術のいろいろの問題点を解決するためのもので、その目的は、1回の測定により空気中の粒子の個数と大きさ別の分布を迅速に求めることが可能な粒子測定器及び粒子測定方法を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、空気中に含まれた粒子の個数が少なくても、粒子の個数と大きさ別の分布を容易に求めることが可能な粒子測定器及び粒子測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明の第1特徴によれば、粒子を単極性に荷電させる粒子荷電手段と、清浄空気が導入される内部ガイドダクトと、高電圧が印加され、前記内部ガイドダクト内に前記内部ガイドダクトの長さ方向に設置された電極と、前記電極に電源を供給する電源供給手段と、前記内部ガイドダクトの外側に位置し、前記内部ガイドダクトの長さより長く、前記内部ガイドダクトとの間に、前記粒子荷電手段によって荷電された粒子が流入される外部ガイドダクトと、外部ガイドダクトの下側内部に上端が位置し、荷電粒子を大きさ別に分離する粒子分離手段と、前記粒子分離手段と連結されており、前記粒子分離手段によって大きさ別に分離された粒子の個数を測定する粒子計数手段とを含んでなる、粒子測定器を提供する。
【0014】
本発明の第2特徴によれば、粒子を荷電させる粒子荷電手段と、清浄空気が導入される内部ガイドダクトと、前記内部ガイドダクト内に前記内部ガイドダクトの長さ方向に設置された電極と、前記内部ガイドダクトの外側に位置し、前記内部ガイドダクトの長さより長く、前記内部ガイドダクトとの間に、前記粒子荷電手段によって荷電された粒子が流入され、下流には粒子収去部を有する外部ガイドダクトを備える多数の粒子分離装置と、前記多数の粒子分離装置のそれぞれの電極に電圧差が形成されるように互いに異なる電源を供給する電源供給手段と、前記粒子分離装置によって収去された粒子の個数を測定する多数の粒子計数手段とを含んでなる、粒子測定器を提供する。
【0015】
本発明の第3特徴によれば、測定しようとする粒子を単極性に荷電させる段階と、前記荷電された粒子と清浄空気をガイドダクトの内部に流入させる段階と、前記ガイドダクトの内部に設置される電極に電圧を印加する段階と、一定の大きさ以下の荷電粒子を電極に付着させる段階と、前記電極に付着されない荷電粒子を大きさ別に分離する段階と、前記分離された荷電粒子の大きさ別の個数を測定する段階とを含んでなる、粒子測定方法を提供する。
【0016】
本発明の第4特徴によれば、ガイドダクトと、前記ガイドダクト内に設けられる電極をそれぞれ備える多数の粒子分離装置を準備する段階と、測定しようとする粒子を単極性に荷電させる段階と、荷電された粒子と清浄空気を前記ガイドダクトの内部に流入させる段階と、前記電極に互いに異なる電圧を印加する段階と、前記粒子分離装置によって分離された荷電粒子の個数を測定する段階と、前記測定され結果から粒子が大きさ別の分布を計算する段階とを含んでなる粒子測定方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る粒子測定器の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図2は本発明に係る粒子測定器の第1実施例を示す図である。図2に示すように、本実施例に係る粒子測定器は、粒子流入装置50と粒子分離装置60と粒子計数装置70とから構成されている。
【0019】
粒子流入装置50は、粒子分離装置60の上流に位置する。粒子流入装置50は、粒子供給装置52、供給される粒子を荷電させる粒子荷電装置54、及び清浄空気供給装置56を備えている。図1に示した上述の粒子荷電装置であるニュートラライザー14が粒子を陽極性に荷電させることに対し、本発明の特徴として、本発明の粒子荷電装置54は流入される粒子を単極性に荷電させる。このように、粒子荷電装置54はコロナ放電、放射能、X−RAY、紫外線などを用いて粒子を荷電させる。単極性に粒子を荷電させる粒子荷電装置は、当業者にはよく知られているものなので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0020】
粒子荷電装置54によって単極性に荷電された粒子は、粒子分離装置60に流入される。粒子分離装置60は、供給される粒子を大きさ別に分離する。粒子分離装置60は、円筒型の外部ガイドダクト61と、内部ガイドダクト62と、内部ガイドダクト62の内部に設置される電極63と、外部ガイドダクト61の内部下側に外部ガイドダクト61と同心に設置され、粒子を大きさ別に分離するための多数の粒子分離ダクト64(64a、64b)とから構成されている。本実施例によって、粒子が大きさ別に選別されて分離される。電極63は電源供給部65と連結されており、外部ガイドダクト61は接地されている。電極63は、荷電粒子が大きさ別に分離されて流出されるように、粒子分離ダクト64a、64bの上端部と所定の距離だけ、例えば1cm〜5cm程度離隔している。以上の如く、本実施例に係る粒子分離装置60は、図1の従来の粒子分離装置20とは、粒子分離ダクト(64、24)の形状及び個数が異なり、電極(63、23)と粒子分離ダクト(64、24)間の間隔も異なる。
【0021】
粒子計数装置70a、70b、70cは、粒子分離装置60の下流に位置する。粒子計数装置は、測定しようとする粒子の大きさ別に設置される。粒子計数装置は、慣用技術なので、関連した詳細な説明は省略する。
【0022】
次に、上述の構成を有する本発明に係る粒子測定器の第1実施例の作用について説明する。
【0023】
図3を参照すると、粒子供給装置52を介して供給される粒子は、粒子荷電装置54によって単極性に荷電され、荷電された粒子は、粒子分離装置60に流入される。荷電粒子Pは、外部ガイドダクト61と内部ガイドダクト62との間に流入され、流入される荷電粒子Pは、粒子の大きさによって異なる軌跡に沿って移動しながら下降する。電極63に荷電粒子Pの極性と反対の極性を有する高電圧を印加すると、荷電粒子Pは、静電気力によって電極63側に移動する。したがって、粒子の荷電量が粒子の大きさに関係なく一定であると仮定すると(100nm以下の粒子の場合、一般に1個の電荷を帯びる)、粒子の大きさと印加圧の関数によって粒子の移動速度を予測することができる。
【0024】
図3を参照すると、一定の電圧が電極63に印加されると、小さい粒子は電極63に付着されて捕集され、大きい粒子は電極63に捕集されずに粒子分離装置60の外部に流出される。電極63に捕集されていない荷電粒子Pのうち、最も大きいサイズの粒子は電極63の中心線から最も遠い外部ガイドダクト61と粒子分離ダクト64bとの間に移動して分離され、中間サイズの粒子は粒子分離ダクト64aと粒子分離ダクト64bとの間に移動して分離され、最も小さいサイズの粒子は電極63の中心線に最も近い粒子分離ダクト64aに移動して分離される。
【0025】
これにより、外部ガイドダクト61の下流に位置する多数の粒子計数装置70a、70b、70cは、大きさ別に分離された荷電粒子Pの個数をそれぞれ測定する。粒子計数装置70a、70b、70cによって測定された荷電粒子Pの個数が測定されることにより、清浄空間内に存在する空気粒子の大きさ別の分布を知ることができる。
【0026】
次に、本発明に係る粒子測定器の第2実施例について説明する。
【0027】
図4は本発明の第2実施例を示す図である。本実施例に係る粒子測定器は、粒子荷電装置50と、多数の粒子分離装置60a〜60eと、粒子分離装置60a〜60eのそれぞれの電極に電圧を印加する電源供給部65a〜65eと、粒子分離装置60a〜60eのそれぞれに対応して連結、設置された多数の粒子計数装置70a〜70eとから構成されている。
【0028】
粒子分離装置60a〜60eは、図2の粒子分離装置60と基本的な構成は同様である。但し、本実施例の粒子分離装置60a〜60eは、図2の粒子分離装置60と同様に、別途に多数の粒子分離ダクト64a、64bがなく、外部ガイドダクト61自体が粒子分離ダクトの役割を行う。外部ガイドダクトの下部は、漸次入り口が狭くなる略漏斗状を有し、粒子は、外部ガイドダクトと連通されている粒子計数装置に直ちに流出される。
【0029】
電源供給部65a〜65eは、一つの高電圧電源65aと、高電圧電源65aに連続して連結された多数の抵抗65b〜65eとからなっている。多数の抵抗65b〜65eによって、粒子分離装置60a〜60eそれぞれの電極には抵抗65b〜65eによって降下された電圧がそれぞれ印加され、最後の粒子分離装置60eの電極には0の電圧が印加される。
【0030】
本実施例によって、粒子分離装置60a〜60eと粒子計数装置70a〜70eが平行に設置される。粒子分離装置60a〜60eのそれぞれの電極に互いに異なる電圧が印加されることにより、第1粒子分離装置60aによっては最も大きいサイズの粒子のみが分離されて流出され、第2粒子分離装置60bによってはその次に大きいサイズ以上の粒子が分離されて流出される。また、次の第3粒子分離装置60cと第4粒子分離装置60dによってさらに小さいサイズ以上の粒子が分離されて流出される。最終に、第5粒子分離装置60eには0の電圧が印加されるので、第5粒子分離装置60eを介しては全てのサイズの全体粒子が流出される。このように各粒子分離装置60a〜60eと各粒子計数装置70a〜70eによって、各装置別に特定の大きさ以上の粒子の個数を測定することができる。したがって、本実施例の粒子測定器にコンピュータを連結し、収集された資料を分析すると、清浄空間内に存在する粒子の大きさ別の分布を測定することができる。
【0031】
次に、図5を参照して本発明に係る粒子測定方法の第1実施例について説明する。
【0032】
粒子の個数を測定するために、まず測定しようとする粒子を単極性に荷電させる(S10)。粒子を単極性に荷電させる方法は、前述した粒子荷電装置によって行われる。その後、荷電された粒子と清浄空気をガイドダクトに流入させる(S20)。ガイドダクトは、内部ガイドダクトと、内部ガイドダクトの外側に位置し、内部ガイドダクトの長さより長い外部ガイドダクトとから構成されている。荷電された粒子は外部ガイドダクトと内部ガイドダクトとの間に流入され、清浄空気は内部ガイドダクト内に流入される。
【0033】
その後、内部ガイドダクト内に設置された電極に電圧を印加する(S30)。電極は、ガイドダクトの長さ方向に設置されており、内部ガイドダクトより長く外部ガイドナクトよりは短い。電極に印加された電圧によって、ガイドダクトに流入された荷電粒子のうち、一定の大きさ以下の荷電粒子は電極に付着される(S40)。付着される荷電粒子の大きさは、電極に加えられる電圧を制御することにより調節することができる。
【0034】
次に、電極に付着されない一定の大きさ以上の荷電粒子を大きさ別に分離する(S50)。粒子を分離するために、上述した粒子測定器の第1実施例と同様に、外部ガイドダクトの下端に多数の粒子分離ダクトを設置する。粒子分離ダクトは、同心に設置されている。荷電粒子は、その大きさによってガイドダクト内で互いに異なる軌跡を描きながら下降するので、ガイドダクトの下端に設置された粒子分離ダクトへ移動して分離される。粒子分離ダクトによって分離された粒子は、その大きさ別に区分されており、各粒子分離ダクトによって分離された粒子の個数を測定すると(S60)、粒子の大きさ別の分布を求めることができる。
【0035】
次に、図6を参照して本発明に係る粒子測定方法の第2実施例について説明する。
【0036】
粒子測定方法の第2実施例では、まず、ガイドダクトと、ガイドダクトの長さ方向に設置された電極をそれぞれ備える多数の粒子分離装置を準備する(S10)。ガイドダクトは、内部ガイドダクトと、内部ガイドダクトの外側に位置し、内部ガイドダクトの長さより長い外部ガイドダクトとから構成されている。次に、測定しようとする粒子を単極性に荷電させる(S20)。荷電された粒子を内部ガイドダクトと外部ガイドダクトとの間に流入させ、清浄空気を内部ガイドダクトの内部に流入させる(S30)。
【0037】
次に、粒子分離装置の電極に相互異なる電圧を印加する(S40)。電極のいずれか一つには0Vの電圧を印加し、残りの各電極には高電圧から順次低い電圧を印加する。粒子分離装置のそれぞれの電極に互いに異なる電圧が印加されることにより、高電圧が印加された電極の粒子分離装置によっては大きさが最も大きい粒子のみが分離されて流出され、順次低い電圧が印加された粒子分離装置によってはそれぞれ順次小さい大きさ以上の粒子が分離されて流出される。0の電圧が印加された粒子分離装置によっては、全ての大きさを有する全体の粒子が流出される。
【0038】
各粒子分離装置によって流出された荷電粒子は、分離された荷電粒子の個数を測定する段階(S50)によって、各粒子分離装置別に特定の大きさ以上の粒子個数を測定することができる。最後に、前記測定された結果から粒子の大きさ別の分布を計算する(S60)。この段階(S60)でコンピュータを用いて各粒子分離装置から測定された資料を分析すると、清浄空間内に存在する粒子の大きさ別の分布を測定することができる。すなわち、一つの高電圧が印加された粒子分離装置によって分離された粒子の個数から、高電圧より小さい低電圧が印加された粒子分離装置によって分離された粒子の個数を差し引くと、特定の大きさを有する領域の粒子の個数を計算することができる。したがって、本発明に係る粒子測定方法によって粒子の大きさ別の分布を迅速に測定することができる。
【0039】
以上説明した実施例は、本発明に係る粒子測定器及び粒子測定方法の例示に過ぎず、本発明の権利範囲はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想と特許請求の範囲内において、この分野の当業者によって種々変更、変形または置換を加え得るのは勿論であり、それらについても本発明の範囲に属するものと理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上述べたように、本発明に係る粒子測定器及び粒子測定方法は、1回の測定によって空気中の粒子の大きさ別の分布を求めることができる。また、本発明に係る粒子測定器及び粒子測定方法は、空気中に含まれた粒子の個数が少なくても、粒子の大きさ別の分布を容易に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】従来の技術に係る粒子測定器を示す構成図である。
【図2】本発明に係る粒子測定器の第1実施例を示す構成図である。
【図3】図2による粒子分離装置内における荷電粒子の運動を説明する拡大断面図である。
【図4】本発明に係る粒子測定器の第2実施例を示す構成図である。
【図5】本発明に係る粒子測定方法の第1実施例を示す流れ図である。
【図6】本発明に係る粒子測定方法の第2実施例を示す流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子を単極性に荷電させる粒子荷電手段と、
清浄空気が導入される内部ガイドダクトと、
高電圧が印加され、前記内部ガイドダクト内に前記内部ガイドダクトの長さ方向に設置された電極と、
前記電極に電源を供給する電源供給手段と、
前記内部ガイドダクトの外側に位置し、前記内部ガイドダクトの長さより長く、前記内部ガイドダクトとの間に、前記粒子荷電手段によって荷電された粒子が流入される外部ガイドダクトと、
外部ガイドダクトの下側内部に上端が位置し、荷電粒子が大きさ別に分離させる粒子分離手段と、
前記粒子分離手段と連結されており、前記粒子分離手段によって大きさ別に分離された粒子の個数を測定する粒子計数手段とを含んでなることを特徴とする粒子測定器。
【請求項2】
前記粒子分離手段は、前記電極の下端と距離を置いている多数の粒子分離ダクトを備え、前記粒子計数手段は、前記粒子分離ダクトのそれぞれに連結されている多数の粒子計数器を備えていることを特徴とする請求項1に記載の粒子測定器。
【請求項3】
前記粒子分離ダクトが同心に設置されたことを特徴とする請求項2に記載の粒子測定器。
【請求項4】
粒子を荷電させる粒子荷電手段と;
清浄空気が導入される内部ガイドダクトと、前記内部ガイドダクト内に前記内部ガイドダクトの長さ方向に設置された電極と、前記内部ガイドダクトの外側に位置し、前記内部ガイドダクトの長さより長く、前記内部ガイドダクトとの間に、前記粒子荷電手段によって荷電された粒子が流入され、下流には粒子収去部を有する外部ガイドダクトとを備える多数の粒子分離装置と;
前記多数の粒子分離装置のそれぞれの電極に電圧差が形成されるように互いに異なる電源を供給する電源供給手段と;
前記粒子分離装置によって収去された粒子の個数を測定する多数の粒子計数手段とを含んでなることを特徴とする粒子測定器。
【請求項5】
前記電源供給手段が、一つの電源と多数の抵抗からなることを特徴とする請求項4に記載の粒子測定器。
【請求項6】
測定しようとする粒子を単極性に荷電させる段階と、
前記荷電された粒子と清浄空気をガイドダクトの内部に流入させる段階と、
前記ガイドダクトの内部に設置される電極に電圧を印加する段階と、
一定の大きさ以下の荷電粒子を電極に付着させる段階と、
前記電極に付着されない荷電粒子を大きさ別に分離する段階と、
前記分離された荷電粒子の大きさ別の個数を測定する段階とを含んでなることを特徴とする粒子測定方法。
【請求項7】
前記電極に印加される電圧を変化させ、電極に付着される荷電粒子の大きさを制御することを特徴とする請求項6に記載の粒子測定方法。
【請求項8】
ガイドダクトと、前記ガイドダクト内に設けられる電極をそれぞれ備える多数の粒子分離装置を準備する段階と、
測定しようとする粒子を単極性に荷電させる段階と、
荷電された粒子と清浄空気を前記ガイドダクトの内部に流入させる段階と、
前記電極に互いに異なる電圧を印加する段階と、
前記粒子分離装置によって分離された荷電粒子の個数を測定する段階と、
前記測定され結果から粒子が大きさ別の分布を計算する段階とを含んでなることを特徴とする粒子測定方法。
【請求項9】
前記電圧を印加する段階において、電極のいずれか一つには電圧を印加しないことを特徴とする請求項8に記載の粒子測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−525666(P2007−525666A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553059(P2006−553059)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【国際出願番号】PCT/KR2005/000401
【国際公開番号】WO2005/078409
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(506275210)ヒュンダイ カリブレーション アンド サーティフィケーション テクノロジーズ カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】