説明

粒子状物質検出装置

【課題】測定精度が高く、測定電極の耐食性に優れた粒子状物質検出装置を提供する。
【解決手段】一の面が誘電体で被覆をされた板状を呈する第一の電極1、及びその第一の電極1の一の面の側に粒子状物質を含む気体が流れる空間を介して配設をされ第一の電極1との間に印加をされる電圧によって電界の形成及び放電の何れか又は両方を行う第二の電極2と、誘電体の表面に、対向して配設をされた一対の測定電極5,15と、一対の測定電極5,15の表面に配設された体積抵抗率が10Ωcm〜1012Ωcmの保護膜21とを備え、一対の測定電極5,15の間における電気的特性の変化量を測定することにより、集塵をされた粒子状物質の量を求めることができる粒子状物質検出装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンの排気ガス等に含まれる粒子状物質を検出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンの排気ガス等には、粒子状物質(Particulate Matter(PM)、有機溶媒可溶成分とスートとサルフェートの3成分として検出されるもの)が含まれており、これが大気汚染の原因になっている。特に、ディーゼルエンジン等の粒子状物質発生源に不具合が生じれば、大気へ放出される排気ガス中の粒子状物質が増加し、環境に大きな悪影響を与えることになる。これを防ぐためには、排気ガス中の粒子状物質を検出し、ディーゼルエンジン等の不具合を認識することが肝要である。
【0003】
又、近時、公害を防止し環境の改善を図るために、排気ガスの処理に、ディーゼルパティキュレートフィルタ(Diesel Particulate Filter(DPF))が排気系等に組み込まれて使用されるようになってきている。このDPFは、一般にセラミック製であり、高い信頼性で長期間の使用が可能なものである。但し、熱劣化等によりクラック等の欠陥が発生する可能性は皆無とはいえず、仮にそうなれば微量ではあるが粒子状物質が漏れてしまう。これを防止するためには、DPFで処理された排気ガス中の粒子状物質を検出し、欠陥の発生を即座に検知することが重要である。
【0004】
尚、先行文献として、例えば、特許文献1を挙げることが出来る。特許文献1では、コロナ放電によって粒子状物質を帯電させ、そのイオン電流を測定することにより、粒子状物質の量を測定する粒子状物質検出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60−123761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、粒子状物質に帯電するイオン電流が微弱であることから、その微弱なイオン電流を検出するための大掛かりな検出回路が必要となり、装置が高価になってしまう。加えて、排気ガスの流量が多い場合には、粒子状物質を効果的に帯電させることが出来ず、測定値は、実際に排気ガスに含有されている粒子状物質の量より小さくなり、精度の点で改善すべき余地がある。また、排ガス中の酸、アルカリにより電極等が腐食されるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、粒子状物質の検出を簡易に行えて低廉であり、測定精度が高く、測定電極の耐食性に優れた粒子状物質検出装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明は、以下の粒子状物質検出装置を提供するものである。
【0009】
[1] 一の面が誘電体で被覆をされた板状を呈する第一の電極、及びその第一の電極の一の面の側に粒子状物質を含む気体が流れる空間を介して配設をされ第一の電極との間に印加をされる電圧によって電界の形成及び放電の何れか又は両方を行う第二の電極と、前記誘電体の表面に、対向して配設をされた一対の測定電極と、前記一対の測定電極の表面に配設された体積抵抗率が10Ωcm〜1012Ωcmの保護膜とを備え、前記一対の測定電極の間における電気的特性の変化量を測定することにより、集塵をされた粒子状物質の量を求めることができる粒子状物質検出装置。
【0010】
[2] 前記保護膜が、金属ドープされたものである[1]に記載の粒子状物質検出装置。
【0011】
[3] 前記保護膜が、前記測定電極の表面に配設された絶縁保護膜と、前記絶縁保護膜の表面に配設された体積抵抗率が10−5Ωcm〜10Ωcmの低抵抗膜との2層から形成されるものである[1]に記載の粒子状物質検出装置。
【0012】
[4] 前記保護膜が、前記測定電極の表面に配設された、表面に複数の微細な金属片が散在する絶縁保護膜である[1]に記載の粒子状物質検出装置。
【0013】
[5] 前記保護膜が、前記測定電極の表面に形成された酸化膜である[1]に記載の粒子状物質検出装置。
【0014】
[6] 前記電気的特性が、抵抗、インダクタンス、静電容量、及びインピーダンスからなる電気的特性群から選ばれる一以上の電気的特性である[1]〜[5]の何れかに記載の粒子状物質検出装置。
【0015】
[7] 前記一対の測定電極が、線状を呈し、前記粒子状物質を含む気体が流れる方向に対し垂直方向に長く対向して、前記誘電体の表面に配設をされる[1]〜[6]の何れかに記載の粒子状物質検出装置。
【0016】
[8] 前記線状を呈する一対の測定電極は、一対をなすそれぞれが複数に分岐をして、複数の対向部分を有する[7]に記載の粒子状物質検出装置。
【0017】
[9] 前記複数の対向部分を有する一対の測定電極が、前記誘電体の表面の全面にわたって配設をされる[8]に記載の粒子状物質検出装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明の粒子状物質検出装置は、粒子状物質を含む気体(排気ガス)が通過する流路に設置して、気体に含まれる粒子状物質を検出する装置である。本発明に係る粒子状物質検出装置では、第一の電極と第二の電極との間に電圧を印加して、第二の電極に放電をさせて、第一の電極と第二の電極との間の空間を流れる気体に含まれる粒子状物質を荷電させるか、予め荷電された粒子状物質を第一の電極を覆う保護膜の表面、又は保護膜と第一の電極が配設される電極間誘電体の両方の表面に集塵させる。そうすると、第一の電極を覆う保護膜の表面、又は保護膜と第一の電極が配設される電極間誘電体の両方の表面に粒子状物質が堆積され、電極間誘電体の表面に配設された一対の測定電極の間における電気的特性が、堆積した粒子状物質の量との間に一定の関係を持ちつつ、変化する。そこで、本発明に係る粒子状物質検出装置では、電気的特性の変化量を知って、保護膜の表面、又は保護膜と電極間誘電体の両方の表面に集塵をされた粒子状物質の量を求めている。定量化することが出来るのであるから、当然に、空間を流れる気体における粒子状物質の有無(量が0(零)か否か)を判断することは可能である。そのため、本発明に係る粒子状物質検出装置は、検出装置と称している。本発明に係る粒子状物質検出装置では、粒子状物質の量を基に補正して空間を流れる気体に含まれる粒子状物質の量を求め、空間を流れる気体の流量との関係から、その気体における粒子状物質の濃度を算出することが可能である。更に、本発明の粒子状物質検出装置は、一対の測定電極の表面に体積抵抗率が10Ωcm〜1012Ωcmの保護膜が配設されているため、測定電極が排ガス中の酸成分やアルカリ成分によって腐食されるのを防止することができる。そして、保護膜の体積抵抗率が10Ωcm〜1012Ωcmであるため、保護膜上に堆積した低抵抗の粒子状物質を電気的に認識できるという利点がある。
【0019】
電気的特性として、例えばインピーダンスの変化量の検出をするためには、測定周波数や測定電圧の大きさによって異なるが、10nA(ナノアンペア)レベルの電流の変化の測定を行えればよい。従って、本発明に係る粒子状物質検出装置は、高価にはならず、粒子状物質の検出、あるいは量の測定、更には濃度の測定を、簡易に行うことが出来、且つ、測定誤差は小さい。加えて、粒子状物質の検出、量の測定、濃度の測定によって、ディーゼルエンジン等の不具合や、DPFの欠陥の発生を即座に検知することが可能になるので、これらを通じて、本発明に係る粒子状物質検出装置は、粒子状物質の排出量低減に寄与し、大気汚染の防止に貢献する。
【0020】
本発明に係る粒子状物質検出装置では、電気的特性を測定するための測定電極が、同じ誘電体の表面に存在するため、測定電極間の距離の設定自由度が高く、高感度化が容易であるとともに、用途に応じ、任意の感度を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】本発明の粒子状物質検出装置の一の実施形態を示し、気体の流れる方向に平行且つ一の電極に直交する断面を示す模式図である。
【図1B】本発明の粒子状物質検出装置の一の実施形態を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明について、適宜、図面を参酌しながら、実施形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではない。本発明に係る要旨を損なわない範囲で、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良、置換を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明に係る実施形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は、以下に記述される手段である。
【0023】
[粒子状物質検出装置]先ず、本発明に係る粒子状物質検出装置について、構成、機能、作用等を中心に説明する。
【0024】
図1Aは、本発明の粒子状物質検出装置の一の実施形態を示し、気体の流れる方向に平行且つ一の電極に直交する断面を示す模式図である。図1Bは、本発明の粒子状物質検出装置の一の実施形態を模式的に示す平面図である。尚、図1Bにおいては、二の電極2は省略してある。また、図1Aの粒子状物質検出装置は、図1BにおけるA−A’断面図である。
【0025】
図1A及び図1Bに示すように、本実施形態の粒子状物質検出装置は、一の面が誘電体(電極間誘電体)4で被覆をされた板状を呈する第一の電極1、及びその第一の電極1の一の面の側に粒子状物質を含む気体が流れる空間を介して配設をされ第一の電極1との間に印加をされる電圧によって電界の形成及び放電の何れか又は両方を行う第二の電極2と、誘電体(電極間誘電体)4の表面に、対向して配設をされた一対の測定電極5,15と、一対の測定電極5,15の表面に配設された体積抵抗率が10Ωcm〜1012Ωcmの保護膜21とを備えるものである。そして、一対の測定電極5,15の間における電気的特性の変化量を測定することにより集塵をされた粒子状物質の量を求めることができるものである。ここで、「集塵をされた粒子状物質」とは、保護膜21の表面、又は保護膜21と誘電体(電極間誘電体)4の両方の表面に集塵された粒子状物質のことを意味する。つまり、本実施形態の粒子状物質検出装置のように、測定電極5,15及び電極間誘電体4の表面全体が保護膜21で覆われる場合には、保護膜21の表面に集塵された粒子状物質のことであり、電極間誘電体4の表面の少なくとも一部が保護膜21で覆われずに空間に露出している場合には、保護膜21と電極間誘電体4の両方の表面に集塵された粒子状物質のことである。尚、耐久性の観点より、測定電極5,15及び電極間誘電体4の表面全体が保護膜21で覆われることが好ましい。本実施形態の粒子状物質検出装置100は、一対の測定電極の表面に体積抵抗率が10Ωcm〜1012Ωcmの保護膜が配設されているため、測定電極が排ガス中の酸成分やアルカリ成分によって腐食されるのを防止することができる。
【0026】
本実施形態の粒子状物質検出装置100は、一対の測定電極5,15の表面に配設された保護膜21の体積抵抗率が、10Ωcm〜1012Ωcmであり、10Ωcm〜1012Ωcmが好ましく、1010Ωcm〜1012Ωcmが更に好ましい。保護膜21の体積抵抗率がこのような範囲であるため、保護膜上に堆積した低抵抗の粒子状物質を電気的に精度よく認識できるという利点がある。保護膜21の体積抵抗率が10Ωcmより小さいと、保護膜上に堆積した低抵抗の粒子状物質を電気的に精度よく認識できないことがある。保護膜21の体積抵抗率が1012Ωcmより大きいと、体積抵抗率の安定した保護膜が製造できず、体積抵抗率のばらつきによる測定精度が大きくなることがある。
【0027】
保護膜21の測定電極5,15の表面における厚さは、10〜500μmが好ましく、10〜100μmが更に好ましい。保護膜21の測定電極5,15の表面における厚さがこのような範囲であることにより、高感度を維持しながら測定電極5,15を保護することが可能となる。保護膜21の測定電極5,15の表面における厚さが、10μmより薄いと保護膜21の強度が低下することがあり、500μmより厚いと感度が低下することがある。また、保護膜21が電極間誘電体4の表面にも配設されている場合、電極間誘電体4の表面における保護膜21の厚さは、10〜500μmが好ましく、10〜100μmが更に好ましい。保護膜21の電極間誘電体4の表面における厚さがこのような範囲であることにより、保護膜21の強度を維持しながら高感度な粒子状物質検出装置100とすることができる。保護膜21の電極間誘電体4の表面における厚さが、10μmより薄いと保護膜21の強度が低下することがあり、500μmより厚いと感度が低下することがある。保護膜21の材質としては、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)等の金属酸化物が好ましい。
【0028】
保護膜21は、金属ドープされたものであることが好ましい。ここで、「金属ドープされた」とは、体積抵抗をコントロールする目的で保護膜内におおむね均一に導電性の高い金属元素が配設された状態もしくは、表面から保護膜の厚さ方向にこの金属元素が濃度傾斜(表面が高濃度)がある状態をいう。保護膜21に金属ドープすることにより、容易に体積抵抗率を制御することが可能となる。保護膜21に含有される金属としては、アルミ、シリコン、チタン、金、ニッケル、白金等が好ましい。保護膜21に含有される金属の量は、0.01〜10モル%が好ましく、0.1〜5モル%が更に好ましい。0.01モル%より少ないと、体積抵抗率が大きくなることがあり、10モル%より多いとドープ金属の偏在等により体積抵抗率が小さくなることがある。
【0029】
保護膜21は、測定電極5,15の表面に配設された絶縁保護膜と、絶縁保護膜の表面に配設された体積抵抗率が10−5Ωcm〜10Ωcmの低抵抗膜との2層から形成されるものであることが好ましい。このように、保護膜21を、絶縁保護膜と低抵抗膜との2層によって形成することにより、粒子状物質の濃度(電極保護膜上への堆積)が少ない場合でも感度よく測定できるという利点がある。絶縁保護膜の材質は、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)等の金属酸化物が好ましい。絶縁保護膜の厚さは10〜500μmが好ましく、10〜100μmが更に好ましい。10μmより薄いと低抵抗膜と絶縁保護膜の下の測定電極が短絡する可能性がある。500μmより厚いと感度が低下することがある。表面に露出する低抵抗膜の材質は、チタン、ニッケル、アルミニウム、ケイ素、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)が好ましい。また、低抵抗膜が、ITO膜(透明導電膜(インジウム酸化物とすず酸化物との混合物により形成された膜))であってもよい。低抵抗膜の厚さは0.005〜0.1μmが好ましく、0.005〜0.05μmが更に好ましい。0.005μmより薄いと強度が低下したり、低抵抗膜が不連続膜となり感度の改善効果が得られないことがある。0.1μmより厚いと感度が低下することがある。
【0030】
保護膜21は、測定電極5,15の表面に配設された、表面に複数の微細な金属片が散在する絶縁保護膜であることが好ましい。保護膜21をこのように、絶縁保護膜の表面に複数の微細な金属片が散在した構造とすることにより、粒子状物質の濃度(電極保護膜上への堆積)が少ない場合でも、散在した金属片によるブリッジ効果で感度よく測定できるという利点がある。複数の微細な金属片は、表面に露出する状態で、絶縁保護膜の表面に配設されている。金属片の材質としては、チタン、ニッケル、アルミニウム、ケイ素、クロム、金、白金、銀、タングステン、タングステンにニッケルめっきを施したもの、モリブデンにニッケルめっきを施したもの等の金属が好ましい。微細な金属片の大きさは、10〜4000μmが好ましく、100〜500μmが更に好ましい。10μmより小さいと、散在した金属片によるブリッジ効果が現れず感度よく測定できないことがある。4000μmより大きいと、散在した金属片によるブリッジ効果で感度よく測定できるものの、粒子状物質の堆積量の測定のダイナミックレンジが取れないことがある。金属片が配設される総面積としては、保護膜21の表面全体に対して1〜80%(面積基準)が好ましく、30〜60%が更に好ましい。金属片の厚さは、1〜100μmが好ましく、5〜50μmが更に好ましい。絶縁保護膜の材質としては、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)等の金属酸化物が好ましい。絶縁保護膜の厚さは、10〜500μmが好ましく、10〜100μmが更に好ましい。10μmより薄いと強度が低下することがある。500μmより厚いと感度が低下することがある。
【0031】
保護膜21は、測定電極5,15の表面に形成された酸化膜であることが好ましい。保護膜21を酸化膜とすることにより、電極の耐久性が向上するという利点がある。酸化膜としては、測定電極5,15が酸化して形成される膜であることが好ましい。酸化膜の厚さは、0.1〜5μmが好ましく、0.1〜1μmが更に好ましい。0.1μmより薄いと強度が低下することがある。5μmより厚いと感度が低下することがある。
【0032】
図1A、図1Bに示すように、本実施形体の粒子状物質検出装置100は、第一の電極1の、図1Aにおける下面(他の面)を被覆する電極外誘電体6、電極外誘電体6の表面(図1における下面)に配設されたヒータ7、ヒータ7を覆って保護し、周りと隔離して保温するシート状の断熱材8を更に備えることが好ましい。また、第一の電極1と第二の電極2の間に電圧の印加をする集塵用電源、ヒータ7に電気を供給するヒータ用電源、一対の測定電極に接続されて一対の測定電極の間における電気的特性を測定する特性測定装置(手段)、粒子状物質の量を算出する粒子状物質量算出装置(手段)、粒子状物質の濃度を算出する粒子状物質濃度算出装置(手段)、第一の電極1と第二の電極2との間の空間に流れる排ガス等の気体の流量を測定する流量計、及び上記各装置を制御するための制御装置を備えるものであることが好ましい。制御装置は、例えば電気信号入出力機能を備えたシーケンサ等で構成され、粒子状物質濃度算出装置の他に、流量計で測定された流量の電気信号を入力する機能を備えるとともに、ヒータ用電源や集塵用電源の制御や、測定モードの切換等を含め、装置全体の制御を行う。
【0033】
本実施形体の粒子状物質検出装置100は、粒子状物質を含む排気ガスが、図1Aにおいて、矢印で示されるように、紙面上、左から右へ、板状を呈する第一の電極1を被覆する電極間誘電体4と、板状を呈する第二の電極2との間の空間を流れる。この排気ガスの流量は、上記流量計によって測定される。この状態で、集塵用電源により、第二の電極2に、例えば直流高電圧の印加をすると、放電が生じ、第二の電極2の周囲の排気ガス(分子)はプラスイオンとマイナスイオンに分離し、プラスの直流高電圧の印加された第一の電極1に向かって、マイナスイオンが移動する。このとき、排気ガスに含まれる粒子状物質は、このマイナスイオンと衝突してマイナスに荷電する。そして、荷電された粒子状物質は、プラスの第一の電極1を被覆する保護膜21の表面、又は保護膜21の表面及び電極間誘電体4の表面に、静電気力によって集塵され堆積する。そうすると、その粒子状物質の堆積の程度によって、一対の測定電極5,15の間における電気的特性は変化するから、その電気的特性の変化量を知れば、集塵された粒子状物質(PM)の量が求まる。そして、そのPM堆積量から排気ガスのPM濃度が求まる。
【0034】
測定電極5,15により測定する電気的特性としては、抵抗、インダクタンス、静電容量、及びインピーダンスからなる電気的特性群から選ばれる一以上の電気的特性であることが好ましい。例えば、測定電極5,15間の電気的特性として、インピーダンスを求める場合には、交流電源を用い、抵抗、静電容量、インダクタンスをそれぞれ測定することが出来る。また、定電流源を使い、測定電極5,15の間の電圧の変化を測定することによって、インピーダンスの変化を測定してもよく、定電圧源を使って、測定電極5,15の間に流れる電流の変化や、測定電極5,15の間に蓄積される電荷の変化を測定することによって、測定電極5,15の間のインピーダンスの変化を測定してもよい。特性測定装置は、このような電気的特性及びその変化の求め方によって、適切な構成とすることが可能である。特性測定装置としては、例えば、測定電極5,15に電圧を印加する交流電源と測定器とで構成することが出来る。好ましい測定器としては、LCRメータを挙げることが出来る。
【0035】
排気ガスが流れる空間を形成する保護膜21と第二の電極2との間の好ましい距離は、0.5〜50mmであり、より好ましい距離は、0.6〜40mmである。このような間隔にすることにより、より効率的に放電させ、粒子状物質を集塵することが出来る。保護膜21と第二の電極2との間の距離が0.5mmより短いと、集塵率が低下することにより測定精度が低下することがあり、50mmより長いと、より高い電圧が必要になり無駄なエネルギーを要することがある。
【0036】
本実施形体の粒子状物質検出装置100において、第一の電極1は、第二の電極2の対向電極として放電を行うとともに、荷電された粒子状物質を吸引し集塵する部材としての役割を果たす。粒子状物質検出装置100における板状の第一の電極1は、概ね長方形であることが好ましいが、五角形等の多角形、円形、楕円形、トラック形状等の形状や、外周に凹凸が形成される形状、あるいは、1又は複数のスリットが形成された形状等を採ることが出来る。板状の第二の電極2は、第一の電極1と同様に、概ね長方形であることが好ましいが、第一の電極1と同様に、五角形等の多角形、円形、楕円形、トラック形状や、外周に凹凸が形成される形状、あるいは、1又は複数のスリットが形成される形状を採ることも出来る。
【0037】
ここで、集塵用電源は、第一の電極1と第二の電極2との間に放電を発生させ得る安定した直流電圧又は交流電圧を供給するものである。集塵用電源として、例えば、フライバック方式による電源回路等を用いた電源を採用することが出来る。これは、入力側の電源からトランスにエネルギーを蓄積し、蓄積されたエネルギーを出力側に放出することによって高圧の直流電圧を供給することが出来るものである。フライバック方式による電源回路においては、トランスへのエネルギーの蓄積と放出は、トランジスタ等により制御され、出力側の電流はダイオードにより整流される。
【0038】
本実施形体の粒子状物質検出装置100において、測定電極5,15は、互いに対向して配設をされ、測定電極5,15間の電気的特性の変化を測定する。測定電極5と測定電極15の間の距離は、一の電極1が粒子状物質を集塵することによって生じた、測定電極5,15間の電気的特性の変化を、明確に測定することが出来る範囲に設定される。例えば、0.2〜10mm程度である。
【0039】
一対の測定電極5,15は、それぞれ線状を呈し、一対をなすそれぞれが複数に分岐をして、複数の対向部分を有して、誘電体の表面に配設されるものであることが好ましい。つまり、一対の測定電極5,15は、測定電極5と測定電極15とが、それぞれ櫛歯状に複数に分岐し、測定電極5と測定電極15のそれぞれの櫛歯を構成する複数の歯に相当する部分が、交互並ぶように配置されている。つまり、櫛歯状の測定電極5の歯と歯の間に、櫛歯状の測定電極15の歯が挟まれて、測定電極5と測定電極15のそれぞれの櫛歯を構成する複数の歯が、互いにかみ合うようにして、測定電極5と測定電極15とが電極間誘電体4の表面に配設されている。本実施形態の粒子状物質検出装置は、このように、櫛歯状の測定電極5と測定電極15とが、互いの櫛歯がかみ合うように配設されているため、電気的特性の測定感度を向上させることが出来るとともに、電極間誘電体の上に堆積した粒子状物質を逃さず検出することが可能であり、粒子状物質の量及び濃度の測定精度に優れるものである。また、一対の測定電極5,15は、線状を呈し、粒子状物質を含む気体が流れる方向に対し垂直方向に長く対向して、誘電体の表面に配設されるものであってもよい。また、測定電極5と測定電極15が分岐して対向する複数の部分が、電極間誘電体4の表面の全面にわたって配設をされている。本発明に係る粒子状物質検出装置では、電気的特性の測定感度及び測定精度を向上させる観点から、一対の対向する測定電極の間の距離が長いことは好ましくなく、一方、一対の対向する測定電極が、排気ガスが流れる空間全てに対応する位置に配設されることが好ましい。測定電極5,15の厚さは、10〜500μmが好ましく、10〜100μmが更に好ましい。10μmより薄いと密着性が低下することがある。500μmより厚いと膜の応力で電極と下地界面にマイクロクラックが発生したり、膜の応力で素子そのものにそりが発生することがある。
【0040】
測定電極5,15が上記のように櫛歯状である場合、櫛歯の歯に相当する複数に分岐した部分の幅は、10〜500μmが好ましく、50〜200μmが更に好ましい。10μmより細いと断線することがある。200μmより広いと良好な素子の感度を得るためには素子の面積(測定電極面積)が大きくなりすぎることがある。また、櫛歯の歯に相当する部分の長さは、2〜50mmが好ましく、5〜10mmが更に好ましい。2mmより短いと感度が低下することがある。50mmより長いと粒子状物質検出装置が大きくなりすぎることがある。
【0041】
本実施形体の粒子状物質検出装置100において、ヒータ7の形状、大きさは、電極間誘電体4の表面に集塵された粒子状物質の全部を燃焼することが可能なように決定すればよい。
【0042】
ヒータ7は、粒子状物質を酸化して除去するときだけでなく、測定電極5,15の間の電気的特性の変化を測定する場合に、結露等の水分の影響を受けないようにするために使用される。例えば、インピーダンス変化の検出や放電の際に、適度に加熱することによって、測定電極5,15への水分の付着を防止することが出来る。このときの好ましい加熱温度は、200〜300℃である。
【0043】
ヒータ用電源としては、効率的な温度制御を可能とする観点から、降圧チョッパ方式の電源が好ましい。特に好ましいものは、自己消弧型の半導体スイッチを使用した降圧チョッパ方式のスイッチング電源である。この場合、好ましいスイッチング周波数は、可聴周波数以上の20kHz以上である。燃費に直接影響するため、ヒータ用電源の電流、電力は、より小さくすることが望ましい。また、好ましいヒータ用電源は、電圧と電流からヒータ7の温度を算出して温度制御機能を有するものである。
【0044】
本実施形体の粒子状物質検出装置100において、断熱材8は、ヒータ7で発生する熱の放熱を抑制して、ヒータ7の熱を効率的に粒子状物質の燃焼に使用することを可能とする。断熱材8の好ましい厚さは、放熱を抑制することが出来る厚さとして、例えば、100〜1000μm程度である。
【0045】
[粒子状物質検出装置の材料]次に、本発明に係る粒子状物質検出装置の各構成要素を形成する材料について、粒子状物質検出装置100の場合を例にして、説明する。
【0046】
第一の電極1、第二の電極2、及び測定電極5,15、並びにこれらの接続に用いる配線を形成する好ましい材料として、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、チタン、マンガン、モリブデン及びタングステンからなる群から選択される少なくとも一種を含有するものが挙げられる。これらの成分の好ましい含有率は、20体積%以上、より好ましい含有率は60体積%以上である。また、第一の電極1、第二の電極2、及び測定電極5,15、並びにこれらの接続に用いる配線を形成する材料として、ステンレススチールを採用することが出来る。
【0047】
電極間誘電体4、電極外誘電体6、及び断熱材8を形成する好ましい材料として、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、ジルコニア、コーディエライト、ムライト、スピネル、アルミニウム−チタン系酸化物、マグネシウム−カルシウム−チタン系酸化物、バリウム−チタン−亜鉛系酸化物、及びバリウム−チタン系酸化物からなる群から選択される少なくとも一種を含むセラミックを挙げることが出来る。上記セラミックスにガラス成分を混合した低温焼成可能なセラミック−ガラス複合材料も使用することが出来る。このようなセラミック製の電極間誘電体4及び電極外誘電体6は、温度変動が発生しても破壊され難く、耐熱衝撃性に優れる。断熱材8の場合は、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、ジルコニア、コーディエライト、ムライト、スピネル、アルミニウム−チタン系酸化物、マグネシウム−カルシウム−チタン系酸化物、バリウム−チタン−亜鉛系酸化物、及びバリウム−チタン系酸化物からなる群から選択される少なくとも一種を含むセラミックを挙げることが出来る。上記セラミックスにガラス成分を混合した低温焼成可能なセラミック−ガラス複合材料も使用することが出来る。又、これらを多孔質やファイバ状とすることも可能である。
【0048】
ヒータ7を形成する好ましい材料は、白金、銅、ニッケル、チタン、マンガン、タングステン、モリブデン、タングステンカーバイド等である。特に、白金は、抵抗値と温度との関係において高い精度を示すので、これをヒータ7の材料として使用することにより、精度の高い温度制御が可能となる。
【0049】
[粒子状物質検出装置の製造方法]次に、本発明に係る粒子状物質検出装置を製造する方法について、粒子状物質検出装置100を作製する場合を例にして、説明する。
【0050】
先ず、電極間誘電体4、電極外誘電体6、及び断熱材8として好ましいセラミック原料に、必要に応じて、バインダ、可塑剤、分散剤、水や有機溶剤等の溶媒を混合して、スラリー状の成形用原料を調製する。混合に際しては、アルミナ製ポット及びアルミナ玉石、又は、モノボール(ボールミル)を使用することが出来る。電極間誘電体4、電極外誘電体6、及び断熱材8の原料は、同じ組成としてもよいし、異なる組成としてもよい。断熱材8の成形用原料には、発泡剤を入れることが好ましい。
【0051】
バインダは、水系バインダとして、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド等を好適に使用することが出来、非水系バインダとして、ポリビニルブチラール、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等を好適に使用することが可能である。アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等を挙げることが出来る。のちのグリーンシートの成形、乾燥、焼成のときにおいて、クラックの発生を抑制するという観点から、バインダの好ましい添加量は、セラミック原料100質量部に対して、3〜20質量部であり、特に好ましい添加量は、6〜17質量部である。
【0052】
好ましい可塑剤は、グリセリン、ポリエチレングリコール、ジブチルフタレート、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル等である。可塑剤の好ましい添加量は、バインダ100質量部に対して、30〜70質量部であり、特に好ましい添加量は、45〜55質量部である。70質量部より多いと、グリーンシートが柔らかくなりすぎ、シートを加工する工程において変形し易くなることがあり、30質量部より少ないと、グリーンシートが硬くなりすぎ、曲げただけでクラックが入る等、ハンドリング性が悪くなることがある。
【0053】
好ましい分散剤は、水系ではアニオン系界面活性剤、ワックスエマルジョン、ピリジン等であり、非水系では脂肪酸、リン酸エステル、合成界面活性剤等である。分散剤の好ましい添加量は、セラミック原料100質量部に対して、0.5〜3質量部であり、特に好ましい添加量は、1〜2質量部である。0.5質量部より少ないと、セラミック原料の分散性が低下することがあり、グリーンシートにクラック等が生じることがある。3質量部より多いと、セラミック原料の分散性は変わらずに焼成時の不純物を増やすことになる。
【0054】
好ましい有機溶剤(溶媒)は、キシレン、ブタノール等である。有機溶剤は、一種単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。好ましい溶媒の添加量は、セラミック原料100質量部に対して、50〜200質量部であり、特に好ましい添加量は、75〜150質量部である。
【0055】
そして、スラリー状の成形用原料を、減圧下で撹拌して脱泡し、更に所定の粘度となるように調製する。シート状に成形し易くなるという観点から、好ましい粘度は、B型粘度計で測定した値として、2.0〜6.0Pa・sであり、より好ましい粘度は、3.0〜5.0Pa・sであり、特に好ましい粘度は、3.5〜4.5Pa・sである。
【0056】
次に、得られた成形原料を、シート状に成形して、のちに電極間誘電体4、電極外誘電体6、及び断熱材8となるグリーンシートを形成する。好ましい成形方法は、ドクターブレード法、プレス成形法、圧延法、カレンダーロール法等である。好ましいグリーンシートの厚さは、50〜800μmである。
【0057】
そして、得られたグリーンシートの表面に、のちに一の電極1、一対の測定電極5,15、ヒータ7、及び必要な配線となる導体ペーストを配設するとともに、グリーンシートを積層してグリーン積層体を得る。導体ペーストは、既述の一の電極1、一対の測定電極5,15、ヒータ7、及び必要な配線に好適な材料からなる粉末に、バインダ及びテルピネオール等の溶剤を加え、トリロールミル等を用いて十分に混錬して調製することが出来る。導体ペーストの好適な配設手段は、スクリーン印刷法である。導体ペーストの配設は、具体的には、電極外誘電体6となるグリーンシートの一の面には、一の電極1及び必要な配線となる導体ペーストを印刷し、更に電極間誘電体4となるグリーンシートを積層し、その電極間誘電体4となるグリーンシートの表面に、測定電極5,15及び必要な配線を、所望のパターンで印刷することで行う。他方、電極外誘電体6となるグリーンシートの他の面には、ヒータ7及び必要な配線となる導体ペーストを印刷し、更に断熱材8となるグリーンシートを積層する(図1を参照)。グリーンシートの積層は加圧しながら行うことが好ましい。
【0058】
次に、得られたグリーン積層体を、60〜150℃で乾燥し、有機バインダを含有する場合には400〜800℃で脱脂し、その後、1200〜1600℃で焼成する。このようにして、粒子状物質検出装置100を構成する、第一の電極1、電極間誘電体4、測定電極5,15、電極外誘電体6、ヒータ7、及び断熱材8を含む焼成積層体が得られる。
【0059】
保護膜21は、上記グリーン積層体の、測定電極5,15を印刷した部分の表面に、保護膜をスクリーン印刷し、その後にグリーン積層体を乾燥、脱脂、焼成することにより形成することが好ましい。また、焼成積層体を形成した後に、CVD(化学気相反応成膜法)により保護膜を形成してもよい。また、絶縁保護膜と低抵抗膜との2層からなる保護膜を形成する場合は、グリーン積層体の、測定電極5,15を印刷した部分の表面に、スクリーン印刷により絶縁保護膜を形成し、その後にグリーン積層体を乾燥、脱脂、焼成し、その後に、CVDにより絶縁保護膜の表面に低抵抗膜を形成する方法が好ましい。また、表面に複数の微細な金属片が散在する絶縁保護膜からなる保護膜21を形成する場合には、グリーン積層体の、測定電極5,15を印刷した部分の表面に、絶縁保護膜をスクリーン印刷し、その後に、絶縁保護膜の表面に複数の微細な金属片をスクリーン印刷により形成し、その後に、グリーン積層体を乾燥、脱脂、焼成する方法が好ましい。
【0060】
第二の電極2は、既述の好適な材料からなる市販の薄板を購入して用い上記焼成積層体に支持部材を介して一体化させる。第二の電極として、セラミックスと導体ペーストを積層したものを用いてもよい。この支持部材としては、既述の電極間誘電体4、電極外誘電体6、及び断熱材8に好適な材料からなる焼結体を使用することが出来る。
【0061】
また、粒子状物質を含む排気ガスが流れる空洞(空間)が形成されるように、上記焼成積層体と第二の電極2の支持部材とを、一体化させた積層構造としてもよい。この場合、上記焼成積層体を得る前に、上記のグリーン積層体の電極間誘電体4(測定電極5,15)の側に、空洞を形成するグリーンシートと、天板となるグリーンシートと、を更に積層し、その天板となるグリーンシートの内面(空洞に対向する面)に、後に第二の電極2及び必要な配線となる導体ペーストを配設し、これら全体からなるグリーン積層体を得て、乾燥、必要な脱脂、焼成を行えばよい。
【0062】
集塵用電源、特性測定装置及びヒータ用電源は、既述の好ましい仕様に合致した市販品を購入する。流量計も市販品を採用することが出来る。集塵用電源は、第一の電極1と第二の電極2に接続し、特性測定装置は、測定電極5,15に接続し、ヒータ用電源はヒータ7に接続する。粒子状物質量算出装置及び粒子状物質濃度算出装置は、シーケンサ等のコンピュータにおいてソフトウエアで構築することが出来る。制御装置は、既述又は後述する粒子状物質検出装置100の動作を実現するように、シーケンサ等のコンピュータにおけるソフトウエア及び制御回路(ハードウエア)で構築することが出来る。以上によって、粒子状物質検出装置100を作製することが出来る。
【0063】
[粒子状物質検出装置の使用方法]次に、本発明に係る粒子状物質検出装置を使用する方法について、粒子状物質検出装置100を使用する場合を例にして、説明する。
【0064】
(集塵工程)先ず、粒子状物質検出装置100のセンサ部を、例えばディーゼルエンジンの排気系(排気ガス管)に設置し、電源供給、制御線接続等を行い、使用可能な状態とする。そして、集塵用電源によって第二の電極2と第一の電極1との間に、例えば直流の高電圧を印加し、粒子状物質を荷電させ、保護膜21の表面に堆積させる。
【0065】
高電圧を印加する好ましい時間は、0.5〜120秒であり、より好ましくは2〜10秒である。0.5秒より短いと、粒子状物質の集塵量が少なくなるため、粒子状物質量の測定精度が低下することがあり、120秒より長いと、粒子状物質の集塵量が多くなるため、インピーダンスの変化量の検出から粒子状物質の量を正確に把握し難くなることがある。
【0066】
第一の電極1及び第二の電極2に供給するための好ましい電圧は、電極間の距離によって異なるが、印加する電圧を高くすることで電界が強まり集塵力が向上する。その一方で、絶縁及び絶縁距離等が問題となり装置が大型化するため、実際上は、上記電圧は10kV以下が望ましい。
【0067】
第一の電極1と第二の電極2との間を流れる放電による好ましい電流は、1mA以下であり、更に好ましい電流は、1〜100μAである。1μAより小さいと、集塵率が低下することがある。
【0068】
使用電力は、燃費に直接影響を与えるので小さい方が望ましい。又、発生する電磁ノイズの低減や、放電を発生させる回路の大きさから考えても、好ましい使用電力は10W以下であり、より好ましい使用電力は1W以下である。
【0069】
(測定工程)粒子状物質の堆積を終えたら、第二の電極2と第一の電極1との間における高電圧の印加を停止し、特性測定装置を稼動させ、好ましくは1〜60秒程度の時間で、測定電極5,15間のインピーダンスの変化量を測定する。このインピーダンスの変化量によって、粒子状物質の量及び濃度が求まる。尚、既述のように、保護膜21の表面に堆積させつつ(高電圧を印加させつつ)、測定電極5,15間のインピーダンスの変化量を測定することも出来る。但し、これらは別の測定モードとして取り扱うようにする。
【0070】
特性測定装置を測定電極5,15に電圧を印加する交流電源と測定器とで構成する場合に、交流電源から印加される好ましい電圧の値は、1〜60Vであり、より好ましい電圧の値は2〜30Vである。1Vより小さいと検出信号が小さくなってノイズの影響を受け易くなり、60Vより大きいと汎用ICの使用が出来なくなることがある。好ましい測定周波数は、300kHz以下である。
【0071】
(除去工程)測定電極5,15間におけるインピーダンスの変化量の測定を終えたら、ヒータ用電源によってヒータ7を稼動させ、保護膜21の表面に堆積した粒子状物質を酸化して除去する。
【0072】
ヒータ用電源が降圧チョッパ方式のスイッチング電源である場合に、ヒータ7に流される好ましい電流は0.8〜4A程度であり、好ましい使用電力は、48W以下である。
【0073】
ヒータ7によって、粒子状物質を酸化除去するときの好ましい時間は、1〜600秒であり、特に好ましい時間は、3〜120秒である。1秒より短いと粒子状物質の酸化除去が不十分になることがあり、600秒より長いと無駄にエネルギーを消費することがある。
【0074】
ヒータ7によって、保護膜21の表面に集塵された粒子状物質を酸化除去するときの好ましい温度は、500〜900℃であり、特に好ましい温度は、550〜700℃である。500℃より低いと粒子状物質が酸化除去され難くなることがあり、900℃より高いと素子の寿命が短くなることがある。
【0075】
以上のように、集塵工程、測定工程、除去工程を繰り返すことによって、安定して、長期にわたり、粒子状物質の検出を続けることが可能である。尚、ディーゼルエンジンの排気ガスを粒子状物質検出対象とする場合には、ディーゼルエンジンの回転数、トルク、排気ガスの流量、温度等の条件が、特定の状態となったときに放電を行うことが好ましい。これらは、ディーゼルエンジンの情報を信号として制御装置へ入力するとともに、排気ガス管に温度計を設け、その情報を信号として制御装置へ入力することによって、制御装置(シーケンサ等)で判断をさせることが可能である。
【実施例】
【0076】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0077】
(実施例1)
(成形原料の調製)
アルミナをセラミック原料として使用し、バインダーとしてポリビニルブチラール、可塑剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、分散剤としてソルビタントリオレエートを使用し、分散媒として有機溶剤(キシレン:ブタノール=6:4(質量比))を使用し、これらをアルミナ製ポットに入れて混合し、グリーンシート製作用のスラリー状の成形原料を作製した。各原料の使用量は、アルミナ100質量部に対して、バインダー7質量部、可塑剤3.5質量部、分散剤1.5質量部、有機溶剤100質量部とした。
【0078】
次に、得られたグリーンシート製作用のスラリー状の成形原料を、減圧下で撹拌して脱泡し、粘度4Pa・sとなるように調製した。スラリーの粘度は、B型粘度計で測定した。
【0079】
(成形加工)
次に、上記方法により得られたスラリー状の成形原料をドクターブレード法を用いてシート状に成形加工した。このとき、グリーンシートを積層したときに貫通孔(第一の電極と第二の電極との間に形成される空間)が形成されるように、切断部形成グリーンシートも作製した。グリーンシートの厚さは、250μmとした。
【0080】
得られたグリーンシートの表面に、図1A、図1Bに示すような、各電極、ヒータ、配線を形成した。配設する各電極、ヒータ、配線を形成するための導体ペーストは、白金粉末に、溶剤として2−エチルヘキサノール、バインダーとしてポリビニルブチラール、可塑剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、分散剤としてソルビタントリオレエート、グリーンシートの共生地としてアルミナ、焼結助剤としてガラスフリットを加え、らいかい機及びトリロールミルを用いて十分に混錬して調製した(質量比で、白金:アルミナ:ガラスフリット:2−エチルヘキサノール:ポリビニルブチラール:フタル酸ジ−2−エチルヘキシル:ソルビタントリオレエート=80:15:5:50:7:3.5:1)。また、ヒータを形成するための導体ペーストは、白金粉末に、溶剤として2−エチルヘキサノール、バインダーとしてポリビニルブチラール、可塑剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、分散剤としてソルビタントリオレエート、グリーンシートの共生地としてアルミナ、焼結助剤としてガラスフリットを加え、らいかい機及びトリロールミルを用いて十分に混錬して調製した(質量比で、白金:アルミナ:ガラスフリット:2−エチルヘキサノール:ポリビニルブチラール:フタル酸ジ−2−エチルヘキシル:ソルビタントリオレエート=80:15:5:50:7:3.5:1)。このようにして形成した導体ペーストを、グリーンシートの表面にスクリーン印刷を用いて印刷して、所定の形状の電極等を形成した。
【0081】
グリーンシートの積層は、グリーンシートを加熱可能な一軸プレス機を用いて加圧積層し、グリーンシートの積層体からなる粒子状物質検出装置の未焼成体(グリーン積層体)を得た。尚、図1Aでは、第二の電極は、空間に露出した状態であるが、本実施例では、第二の電極を、2枚のグリーンシートに挟まれるように形成し、第二の電極が誘電体の内部に埋設されるものとした。
【0082】
その後、グリーン積層体の測定電極になる部分の表面に、スクリーン印刷により保護膜になる部分を形成した。スクリーン印刷は、セリテック社製、商品名TSU4060を用いて行った。保護膜の材質は、シリカとした。また、保護膜の厚さは、触針段差計を用いて測定した結果、50μmであった。
【0083】
(焼成)
得られた、グリーン積層体(粒子状物質検出装置の未焼成体)を120℃で乾燥し、1500℃で焼成して粒子状物質検出装置を作製した。得られた粒子状物質検出装置は、0.7cm×0.2cm×12cmの直方体であった。貫通孔は、排ガスの流通方向に垂直な断面形状が10cm×0.5cmの長方形であった。また、保護膜の体積抵抗率は、1011Ωcmであった。体積抵抗率は、三菱化学アナリテック社製のMCP−T610とMCP−HT450を用いて測定する。体積抵抗率が10−3以上、10Ωcm未満の膜に関しては前者の装置を用いて測定し、10から1013Ωcmの膜に関しては後者の装置を用いて測定する。体積抵抗率が未知の場合は、両方の装置を用いる。体積抵抗率測定のために同一工程を経たテストピースを用いる。このテストピースには基材となるグリーンシートと、測定用電極と同一の材質の円形電極と、その上に保護膜を有した構造になっている。体積抵抗率が10Ωcm未満の場合は、四端子四深針法を用いて保護膜に接触させて抵抗値を測定し、テストピースの断面SEM写真より保護膜厚を測定して保護膜の体積抵抗率を算出する。保護膜上に低抵抗膜がある場合は、四端子四深針法を用いて保護膜上の低抵抗膜に接触させて、テストピースの断面SEM写真より低抵抗膜厚を測定して低抵抗膜の体積抵抗率を算出する。保護膜の体積抵抗率が10Ωcm以上の場合は、保護膜上にAuスパッタリングにより二重の測定電極とガード電極を形成して、保護膜の体積抵抗率を測定する。上記の測定された保護膜の体積抵抗率はこの方法で測定した値である。
【0084】
放電用の電源としては、パルス電源とDC電源を用いた。電極間のインピーダンスを測定するための特性測定装置としては、アジレントテクノロジー社製のインピーダンスアナライザを用いた。得られた粒子状物質検出装置について、以下に示す方法で、粒子状物質検出装置の感度の測定(感度測定)及び測定電極の腐食試験を行った。結果を表1に示す。尚、表1においては、初期の静電容量と1分間集塵後の静電容量を示し、これら初期の静電容量と1分間集塵後の静電容量との差が感度を表している。
【0085】
(感度測定)
得られた粒子状物質検出装置を、ディーゼルエンジンの排気管に設置した。ディーゼルエンジンとしては、排気量2000ccの直噴−ディーゼルエンジンを使用し、回転数1500rpm、トルク24N・m、EGR(exhaust gas recirculation)開度50%、排ガス温度200℃、吸入空気1.3m(室温換算)/分の運転条件下で排ガスを発生させた。スモークメータ(AVL社製、商品名:型式4158)による排ガス中の粒子状物質量は、2.0mg/mであった。粒子状物質の検出は、以下のように行った。ディーゼルエンジンから排ガスを発生させながら、粒子状物質を荷電集塵する前に、一対の電極間の初期の静電容量(pF)を、1分間に亘って6回測定し、その後、粒子状物質を1分間に亘って荷電集塵し、その後、荷電集塵操作を停止して、再度、静電容量(一対の電極間の1分間集塵後の静電容量)(pF)を、1分間に亘って6回測定した。初期の静電容量及び1分間集塵後の静電容量は、いずれも6回の測定の平均値を求めた。そして、初期の静電容量と1分間集塵後の静電容量との差が、粒子状物質検出装置の感度の指標となる。つまり、1分間集塵後の静電容量から初期の静電容量を差し引いた値が大きいほど、感度が良好であることになる。尚、本測定においては、ヒータによる粒子状物質の燃焼は行わないこととした。粒子状物質を荷電集塵する際には、高電圧電源による印加電圧をDC2.0kVとし、電極間の静電容量測定時には、測定部から印加電圧をAC2V、周波数を10kHzとした。
【0086】
(腐食試験)
測定電極(素子)の腐食試験を以下の方法で行った。先ず0.013モル/Lの硝酸中に、350℃に素子を加熱した状態で当該素子を60分間浸漬し、続いて0.0059モル/Lの硫酸中に、350℃に素子を加熱した状態で当該素子を60分間浸漬し、さらに0.0049モル/Lのアンモニア水中に、350℃に素子を加熱した状態で当該素子を60分間浸漬した後に、流水洗浄と乾燥を行い、測定電極の静電容量変化率を測定した。腐食試験のサンプル数は、各実施例、比較例ともn=5本で実施した。静電容量変化率は、腐食試験前の測定電極の静電容量と腐食試験後の測定電極の静電容量との差を、腐食試験前の測定電極の静電容量で除算することにより求めた。
【0087】
【表1】

【0088】
(実施例2)
保護膜を金属ドープされたものとした以外は、実施例1と同様にして粒子状物質検出装置を作製した。金属ドープされた保護膜の作製は以下のように行った。保護膜の作製方法は実施例1と同様であるが、保護膜の原料をシリカとチタニアとし、ベースのシリカ(SiO)に対してチタニア(TiO)のTi原子換算の配合比率を5モル%となるようにした。保護膜の体積抵抗率は、10Ωcmであった。実施例1の場合と同様に、感度測定及び腐食試験を行った。結果を表1に示す。
【0089】
(実施例3)
保護膜を、絶縁保護膜と低抵抗膜との2層からなるものとした以外は、実施例1と同様にして粒子状物質検出装置を作製した。絶縁保護膜と低抵抗膜との2層からなる保護膜の作製は以下のように行った。グリーン積層体の、測定電極5,15を印刷した部分の表面に、スクリーン印刷により絶縁保護膜を形成し、その後にグリーン積層体を実施例1の場合と同様に乾燥、焼成し、その後に、CVDにより絶縁保護膜の表面に低抵抗膜を形成した。スクリーン印刷は、セリテック社製、商品名TSU4060を用いて行った。また、CVDは、ユーテック社製、商品名Super7を用いて行った。絶縁保護膜の材質は、シリカとし、低抵抗膜の材質は、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)とした。また、絶縁保護膜の厚さは、60μmとし、低抵抗膜の厚さは、0.2μmとした。保護膜の体積抵抗率は、0.3Ωcmであった。実施例1の場合と同様に、感度測定及び腐食試験を行った。結果を表1に示す。
【0090】
(実施例4)
保護膜を、表面に複数の微細な金属片が散在する絶縁保護膜からなるものとした以外は、実施例1と同様にして粒子状物質検出装置を作製した。表面に複数の微細な金属片が散在する絶縁保護膜からなる保護膜の作製は以下のように行った。グリーン積層体の、測定電極5,15を印刷した部分の表面に、絶縁保護膜をスクリーン印刷し、その後に、絶縁保護膜の表面に複数の微細な金属片をスクリーン印刷により形成し、その後に、グリーン積層体を実施例1の場合と同様に乾燥、焼成した。スクリーン印刷は、セリテック社製、商品名「TSU4060」を用いて行った。絶縁保護膜の材質は、シリカとし、金属片の材質は、タングステンとし、乾燥、焼成後にニッケルめっきを施した。また、絶縁保護膜の厚さは、45μmとした。各金属片の大きさは、100〜200μm程度とした。また、金属片が配設された面積は、絶縁保護膜の面積の10%とした。保護膜の体積抵抗率は、1012Ωcmであった。実施例1の場合と同様に、感度測定及び腐食試験を行った。結果を表1に示す。
【0091】
(実施例5)
保護膜を、測定電極の表面に形成された酸化膜とした以外は、実施例1と同様にして粒子状物質検出装置を作製した。測定電極の表面に酸化膜を形成する方法は、以下の通りである。素子を乾燥酸素雰囲気の雰囲気炉内にて600℃−3時間の加熱を加えて酸化処理を行った。酸化膜の厚さは、3μmとした。保護膜の体積抵抗率は、10Ωcmであった。実施例1の場合と同様に、感度測定及び腐食試験を行った。結果を表1に示す。
【0092】
(比較例1)
保護膜を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして粒子状物質検出装置を作製した。実施例1の場合と同様に、感度測定及び腐食試験を行った。結果を表1に示す。
【0093】
表1より、実施例1〜5の粒子状物質検出装置は、良好な感度を維持している。また腐食試験後の測定電極の静電容量変化が1%以下であり、測定誤差範囲内に収まっているので、耐食性に優れていることがわかる。比較例1の粒子状物質検出装置は、感度は良好であるが、実施例1〜5の粒子状物質検出装置と比較して耐食性に劣ることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明に係る粒子状物質検出装置は、ディーゼルエンジンや煙道等の排気ガス等に含まれる粒子状物質を検出する手段として、好適に利用することが出来る。
【符号の説明】
【0095】
1:第一の電極、2:第二の電極、4:電極間誘電体、5,15:測定電極、6:電極外誘電体、7:ヒータ、8:断熱材、21:保護膜、100:粒子状物質検出装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の面が誘電体で被覆をされた板状を呈する第一の電極、及びその第一の電極の一の面の側に粒子状物質を含む気体が流れる空間を介して配設をされ第一の電極との間に印加をされる電圧によって電界の形成及び放電の何れか又は両方を行う第二の電極と、
前記誘電体の表面に、対向して配設をされた一対の測定電極と、
前記一対の測定電極の表面に配設された体積抵抗率が10Ωcm〜1012Ωcmの保護膜とを備え、
前記一対の測定電極の間における電気的特性の変化量を測定することにより、集塵をされた粒子状物質の量を求めることができる粒子状物質検出装置。
【請求項2】
前記保護膜が、金属ドープされたものである請求項1に記載の粒子状物質検出装置。
【請求項3】
前記保護膜が、前記測定電極の表面に配設された絶縁保護膜と、前記絶縁保護膜の表面に配設された体積抵抗率が10−5Ωcm〜10Ωcmの低抵抗膜との2層から形成されるものである請求項1に記載の粒子状物質検出装置。
【請求項4】
前記保護膜が、前記測定電極の表面に配設された、表面に複数の微細な金属片が散在する絶縁保護膜である請求項1に記載の粒子状物質検出装置。
【請求項5】
前記保護膜が、前記測定電極の表面に形成された酸化膜である請求項1に記載の粒子状物質検出装置。
【請求項6】
前記電気的特性が、抵抗、インダクタンス、静電容量、及びインピーダンスからなる電気的特性群から選ばれる一以上の電気的特性である請求項1〜5の何れかに記載の粒子状物質検出装置。
【請求項7】
前記一対の測定電極が、線状を呈し、前記粒子状物質を含む気体が流れる方向に対し垂直方向に長く対向して、前記誘電体の表面に配設をされる請求項1〜6の何れかに記載の粒子状物質検出装置。
【請求項8】
前記線状を呈する一対の測定電極は、一対をなすそれぞれが複数に分岐をして、複数の対向部分を有する請求項7に記載の粒子状物質検出装置。
【請求項9】
前記複数の対向部分を有する一対の測定電極が、前記誘電体の表面の全面にわたって配設をされる請求項8に記載の粒子状物質検出装置。

【図1A】
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【図1B】
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