説明

粒状多孔質担体の保管方法及び検査方法

【課題】生物膜濾過槽への充填に適した状態で粒状多孔質担体を保管することが可能な粒状多孔質担体の保管方法を提供する。
【解決手段】浄化槽100の生物膜濾過槽101に充填される粒状多孔質担体1の保管方法であって、含浸装置10、20により粒状多孔質担体に水を含浸させる含浸工程S200と、水を含浸させた粒状多孔質担体1を保管容器に収容し、その後保管容器を密閉する担体収容工程S300と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄化槽の生物膜濾過槽に充填される粒状多孔質担体の保管方法及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物膜濾過層を有する浄化槽が知られている(特許文献1、2参照)。このような生物膜濾過槽では、濾過槽内に充填された担体に微生物を保持させ、この微生物によって汚水を処理している。そのため、微生物を高濃度に保持できるように担体は多孔質であることが要求される。また、生物膜濾過槽に充填される担体は、比重が1より僅かに重いことが要求される。このような比重としては、例えば1.35〜1.45程度の比重が要求される。生物膜濾過槽には、汚水処理時に担体間に蓄積された汚泥及び懸濁物などを濾過槽内から排出させるべく汚水処理時とは逆方向から水を流す、いわゆる逆洗が周期的に行われる。また、この逆洗時には、生物膜濾過槽内に逆洗時の水の流れと同じ方向に空気を流す、いわゆる散気も行われる。担体の比重が1より僅かに重い場合、逆洗時には生物膜濾過槽からの担体自身の流出を防止しつつ担体間に蓄積された汚泥及び懸濁物などの排出が促進されるように担体が流動化し、一方、水処理時には担体が濾過槽内にて安定に沈降状態を保持する。このような担体として多孔質に構成したセラミックス担体が知られている(特許文献3参照)。また、担体の形状は一般に粒状であるため、以降、担体を粒状多孔質担体と記述することもある。
【0003】
【特許文献1】実開平3−83695号公報
【特許文献2】特開平3−232587号公報
【特許文献3】特開2005−74390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生物膜濾過槽に充填する担体は、例えばセラミックスなどの微粉末を濃縮してケーキ化した後、高温で焼成して製造する。焼成後の担体は乾燥状態であり水に浮くため、比重を1より僅かに重い状態に調整するべく焼成後の担体に水分を含ませる、いわゆる含浸を行う。この含浸には、含浸用の設備が必要であり、また担体が含浸水を含浸するための時間が必要である。そのため、浄化槽の設置場所において生物膜濾過槽に速やかに担体を充填するためには、担体の比重が1より僅かに重い状態に調整される適正量の含浸水を予め担体に含浸させ、その含浸状態を維持したまま担体を保管する必要がある。また、生物膜濾過槽に適正量の含浸水が含浸されている担体を充填するため、保管していた担体を充填前に検査する必要がある。
【0005】
なお、本発明における粒状多孔質担体の比重とは、担体の質量と、焼成後の形状の担体の体積と同じ体積で、かつ標準気圧、4°Cにおける純粋な水の質量との比を指す。また、この場合の担体の質量とは、含浸を行った場合は含浸水を含んだ状態の担体の質量を指す。
【0006】
そこで、本発明は、生物膜濾過槽への充填に適した状態で粒状多孔質担体を保管することが可能な粒状多孔質担体の保管方法、及びこの保管方法によって保管された粒状多孔質担体が生物膜濾過槽への充填に適した状態か否か検査する粒状多孔質担体の検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の粒状多孔質担体の保管方法は、浄化槽(100)の生物膜濾過槽(101)に充填される粒状多孔質担体(1)の保管方法であって、含浸手段(10、20)により前記粒状多孔質担体に含浸水を含浸させる含浸工程(S200)と、含浸水を含浸させた粒状多孔質担体を保管容器に収容し、その後前記保管容器を密閉する担体収容工程(S300)と、を備えたことにより、上述した課題を解決する。
【0008】
本発明の保管方法によれば、含浸水を含浸させた粒状多孔質担体を保管容器に収容し、その後この保管容器を密閉するので、粒状多孔質担体から蒸発した含浸水の外部への漏れ出しを防止できる。また、保管容器を密閉することにより、粒状多孔質担体からの含浸水の蒸発を抑制することができる。そのため、含浸工程において含浸させた含浸水の殆どを保持させた状態で粒状多孔質担体を保管することができる。
【0009】
なお、本発明における含浸水とは、粒状多孔質担体に含浸させる水のことを指し、水、水以外の物質を混合させた水などが含まれる。
【0010】
本発明の保管方法の一形態は、密閉された保管容器を保護部材で覆う容器保護工程(S400)を備えていてもよい。保管容器が破損した場合、この破損した部分から内部の含浸水が蒸発し、粒状多孔質担体が乾燥するおそれがある。そこで、このように保護部材によって保管容器を覆い、例えば輸送時などにおける保管容器の破損を防止し、粒状多孔質担体の乾燥を防止する。
【0011】
本発明の保管方法の一形態において、前記担体収容工程では、前記保管容器を密閉する前に前記保管容器内に前記含浸水を入れてもよい。この場合、保管容器内における粒状多孔質担体からの含浸水の蒸発をさらに抑制できる。そのため、粒状多孔質担体を含浸状態のままより確実に保管することができる。
【0012】
本発明の保管方法の一形態において、前記含浸手段は、前記含浸水を貯留するタンク(11)と、前記タンクに投入される粒状多孔質担体の温度を取得する担体温度取得手段(14)と、前記タンクに貯留されている含浸水の温度を取得する含浸水温度取得手段(16)と、前記タンクに貯留されている含浸水の温度を調整する含浸水温度調整手段(17)と、を備え、前記含浸工程は、焼成した前記粒状多孔質担体の温度をこの粒状多孔質担体の吸水率が予め設定した適正範囲内に調整されるように設定された含浸適正温度範囲内に調整する担体温度調整工程(S201)と、前記担体温度取得手段により取得された温度と前記含浸水温度取得手段により取得された温度とに基づいて前記タンクに投入される粒状多孔質担体の温度と前記タンクに貯留されている含浸水の温度との温度差が前記粒状多孔質担体への含浸水の含浸が促進される含浸促進温度範囲内に維持されるように前記含浸水温度調整手段によって前記タンクに貯留されている含浸水の温度を調整する含浸水温度調整工程(S202)と、前記担体温度調整工程にて温度が前記含浸適正温度範囲内に調整された粒状多孔質担体を前記含浸水温度調整工程により温度が調整された含浸水が貯留されている前記タンクに投入する担体投入工程(S203)と、を備えていてもよい。焼成後の粒状多孔質担体を含浸水に浸けることにより、粒状多孔質担体を冷却して粒状多孔質担体の孔内の気体を収縮させることができるので、含浸水を粒状多孔質担体に吸わせる、すなわち含浸水を粒状多孔質担体に含浸させることができる。含浸時における気体の収縮の度合いは粒状多孔質担体の温度、及び粒状多孔質担体の温度と含浸水の温度との温度差に影響されるため、粒状多孔質担体に含浸される含浸水の量もこれらのパラメータに影響される。この形態によれば、粒状多孔質担体の温度を含浸適正温度範囲内に調整し、かつ粒状多孔質担体の温度と含浸水の温度との温度差を含浸促進温度範囲内に調整するので、粒状多孔質担体に適正量の含浸水を含浸させ、この粒状多孔質担体の吸水率を予め設定した適正範囲内に調整することができる。
【0013】
このように粒状多孔質担体に含浸水を含浸させる場合、粒状多孔質担体の温度が高いほど含浸水に浸したときに気体の収縮の度合いが大きいので、より多くの含浸水を含浸させることができる。一方、粒状多孔質担体の温度と含浸水の温度との温度差が小さいと粒状多孔質担体が殆ど冷却されないので、含浸水が含浸され難い。そこで、前記含浸適正温度範囲の下限温度として140°Cが設定され、前記含浸促進温度範囲の下限温度として100°Cが設定されていてもよい。
【0014】
粒状多孔質担体には、生物膜濾過槽内にて割れなどの破損が生じないような強度が要求される。粒状多孔質担体の強度は、粒状多孔質担体の吸水率が大きいほど、すなわち粒状多孔質担体に含浸された含浸水の量が多くなるほど低下する。一方、粒状多孔質担体の温度と含浸水の温度との温度差が大きいほど、含浸水に浸けたときに粒状多孔質担体が急冷されて粒状多孔質担体が割れ易くなる。そこで、前記含浸適正温度範囲の上限温度として200°Cが設定され、前記含浸促進温度範囲の上限温度として180°Cが設定されていてもよい。
【0015】
本発明の保管方法の一形態において、前記含浸手段は、密閉状態に切り替えて内部を減圧可能な減圧タンク(21)と、前記減圧タンクを減圧する減圧手段(22)と、前記減圧タンク内の圧力を大気圧に戻す圧力調整手段(23)と、を備え、前記含浸工程は、前記粒状多孔質担体及び前記含浸水を前記減圧タンクに投入し、その後前記減圧タンクを密閉状態に切り替える投入工程(S211、S212)と、前記投入工程にて密閉状態に切り替えられた前記減圧タンクの内部を前記減圧手段により減圧する減圧工程(S213)と、前記減圧工程にて減圧された前記減圧タンクを減圧状態のまま保持する減圧保持工程(S214)と、前記減圧保持工程にて減圧状態に保持されている前記減圧タンクの圧力を前記圧力調整手段により大気圧に戻す圧力調整工程(S215)と、を備えていてもよい。このように粒状多孔質担体及び含浸水が投入された減圧タンクを減圧することにより、粒状多孔質担体の孔内の気体を脱気することができるので、粒状多孔質担体に含浸水を含浸させることができる。
【0016】
この形態の保管方法において、前記含浸工程では、前記減圧工程、前記圧力保持工程、及び圧力調整工程が複数回繰り返し行われてもよい。このように減圧工程、減圧保持工程、及び圧力調整工程を繰り返し行うことで、粒状多孔質担体に含浸水をより確実に含浸させることができる。
【0017】
本発明の保管方法の一形態において、前記含浸工程では、含浸水を含浸した粒状多孔質担体の嵩比重が0.79g/cm〜0.85g/cmの範囲内に、及び/又は含浸水を含浸した粒状多孔質担体の吸水率が30%〜40%の範囲内に調整されるように前記粒状多孔質担体に含浸水を含浸させてもよい。粒状多孔質担体の嵩比重及び吸水率は粒状多孔質担体の比重とそれぞれ相関関係を有している。生物膜濾過槽に一般に使用される粒状多孔質担体は、嵩比重及び吸水率のうちのいずれか一方をこのような範囲内に調整することで、比重を1より僅かに重い状態に調整することができる。本発明の吸水率は、JIS A 1109により定義され、以下に示す式によって算出される値のことを指す。なお、式中のW1は、含浸水を含浸した後の粒状多孔質担体の質量を示し、W2は含浸水を含浸する前の粒状多孔質担体の質量、すなわち乾燥状態の粒状多孔質担体の質量を示している。
【0018】
吸水率=(W1−W2)/W2×100
【0019】
本発明の粒状多孔質担体の検査方法は、上述した粒状多孔質担体の保管方法によって保管された粒状多孔質担体の検査方法であって、前記保管容器から取り出した粒状多孔質担体の嵩比重を検査する嵩比重検査工程(S501)、及び前記保管容器から取り出した粒状多孔質担体の吸水率を検査する吸水率検査工程(S502)のうちの少なくともいずれか一方の検査工程を備えていることにより、上述した課題を解決する。
【0020】
本発明の検査方法によれば、粒状多孔質担体の嵩比重及び吸水率のうちの少なくともいずれか一方が検査されるので、粒状多孔質担体の比重が生物膜濾過槽への充填に適した値か否か検査できる。そのため、生物膜濾過槽への不良品の充填を確実に防止することができる。
【0021】
本発明の検査方法の一形態において、前記嵩比重検査工程では、前記保管容器から取り出した粒状多孔質担体の嵩比重が0.79g/cm〜0.85g/cmの範囲内か否か検査し、前記吸水率検査工程では、前記保管容器から取り出した粒状多孔質担体の吸水率が30%〜40%の範囲内か否か検査してもよい。このように粒状多孔質担体の嵩比重及び吸水率のうちの少なくともいずれか一方がこれらの範囲内か否か検査することで、粒状多孔質担体の比重が1より僅かに重いか否か検査することができる。
【0022】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0023】
以上に説明したように、本発明の保管方法によれば、含浸工程にて含浸させた含浸水の殆どを保持させた状態で粒状多孔質担体を保管することができる。そのため、生物膜濾過槽への充填に適した状態、すなわち含浸水を含浸し、比重が1より僅かに重い状態で粒状多孔質担体を保管できる。また、本発明の検査方法によれば、生物膜濾過槽への充填に適した状態で粒状多孔質担体が保管されていたか否か検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、汚水などを浄化する浄化槽に設けられる生物膜濾過槽の一例を示している。本発明の保管方法が適用される粒状多孔質担体1は、この生物膜濾過槽101に充填される。図1に示した浄化槽100は、生物膜濾過槽101の他に嫌気処理槽第1室108、嫌気処理槽第2室102及び処理水槽103を備えており、汚水を嫌気処理槽第1室108、嫌気処理槽第2室102、生物膜濾過槽101、処理水槽103の順に移動させて浄化する。なお、浄化槽100、生物膜濾過槽101、嫌気処理槽第1室108、嫌気処理槽第2室102及び処理水槽103は周知のものと同様でよいため、詳細な説明は省略する。
【0025】
周知のように生物膜濾過槽101では、内部に充填された粒状多孔質担体1に微生物を保持させ、嫌気処理槽第2室102から間欠定量ポンプ104によって送られてくる汚水をこの微生物によって浄化処理している。図1に示した矢印Aは、この汚水処理時の水の流れを示している。また、周知のように生物膜濾過槽101の汚水浄化性能を高い状態に維持するために処理水槽103から生物膜濾過槽101に逆洗ポンプ105によって水を流して粒状多孔質担体1間に蓄積された汚泥、懸濁物、及び増殖した余剰微生物を逆洗排水パイプ106を介して嫌気処理槽第1室108に送る、いわゆる逆洗が生物膜濾過槽101に対して周期的に実施される。図1の矢印Bは、この逆洗時の水の流れを示している。すなわち、逆洗時の生物濾過槽101内における水の流れは、汚水処理時に対して逆向きとなる。さらに、この逆洗時には、生物膜濾過槽101に設けられた散気管107から空気を生物膜濾過槽101に送り、内部の粒状多孔質担体1同士の間隔を広げることにより、汚泥、懸濁物、及び余剰微生物の排出を促進させる散気が同時に実施される。これら逆洗及び散気は、生物膜濾過槽101に対して例えば1日に少なくとも1回程度、浄化槽100に流入する汚水が少ない時間帯に実施される。
【0026】
この生物膜濾過槽101に充填する粒状多孔質担体1には、種々の性質が要求される。例えば、汚水処理時には生物膜濾過槽101内にて安定に沈降していることが要求される。一方、逆洗時には、生物膜濾過槽101内にて流動化し、かつ生物膜濾過槽101から流出しないことが要求される。これらの要求は、粒状多孔質担体1の比重が1より僅かに重い場合に満たされる。さらに、粒状多孔質担体1には、生物膜濾過槽101内にて割れなどの破損が生じないような強度が要求される。
【0027】
図2は、このような性質を有する粒状多孔質担体1を製造するための製造工程の一例を示している。なお、図2では、製造工程のうち焼成工程S100よりも下流側の工程のみを示す。焼成工程S100までの工程は、周知の粒状多孔質担体1の製造工程と同様でよいため、ここでの詳細な説明を省略する。この製造工程によって製造される粒状多孔質担体1の原料には、例えば頁岩などが使用される。この原料の頁岩は、図2の焼成工程よりも前の工程において凝縮、ケーキ化され、その後直径が6〜11mm程度の粒状に成形される。粒状に成形された頁岩ケーキは、乾燥工程を経て焼成工程S100に送られる。
【0028】
図2の焼成工程S100では、粒状の頁岩ケーキが例えば1200°C程度の高温で焼成される。この焼成により頁岩ケーキに多数の孔が形成され、粒状多孔質担体1が製造される。次の含浸工程S200では、この粒状多孔質担体1に含浸水として水を含浸させる。焼成後の粒状多孔質担体1は乾燥状態であり水に浮くため、粒状多孔質担体1に水を含浸させてその比重を1より僅かに重い状態に調整する。
【0029】
図3及び図4を参照して含浸工程S200を説明する。図3は、含浸工程S200において実施される各工程を示し、図4は粒状多孔質担体1に水を含浸させる含浸手段としての含浸装置10を示している。含浸装置10は、水を貯留するタンク11と、焼成後の粒状多孔質担体1をタンク11に搬送する搬送コンベア12と、搬送コンベア12にて搬送されている粒状多孔質担体1を冷却する冷却ファン13と、タンク11内に投入する粒状多孔質担体1の表面温度を取得し、その取得した表面温度に対応した信号を出力する担体温度取得手段としての担体温度センサ14と、担体温度センサ14の出力信号に基づいて冷却ファン13の動作を制御する制御装置15と、タンク11内の水の温度を取得し、その取得した水の温度に対応した信号を出力する含浸水温度取得手段としての水温センサ16と、タンク11内の水の温度を調整する含浸水温度調整手段としての水温調整装置17とを備えている。
【0030】
含浸工程では、まず担体温度調整工程S201において焼成後の粒状多孔質担体1の温度が調整される。含浸装置10では、焼成した粒状多孔質担体1が搬送コンベア12によってタンク11に搬送される。この搬送中の粒状多孔質担体1は冷却ファン13によって冷却され、その温度が予め設定された含浸適正温度範囲に調整される。なお、含浸適正温度範囲については後述する。制御装置15は、粒状多孔質担体1の温度が含浸適正温度範囲内に調整されるように冷却ファン13の動作を制御する。なお、この担体温度調整工程S201では、冷却ファン13を使用する冷却方法の他に、外気によって粒状多孔質担体1を自然に冷却する冷却方法を用いてよい。
【0031】
次の水温調整工程S202では、タンク11に貯留されている水の温度が調整される。含浸装置10においてタンク11に貯留されている水の温度は、水温調整装置17により粒状多孔質担体1の表面温度とタンク11に貯留されている水の温度との差(以降、含浸時温度差と記述する。)が予め設定した含浸促進温度範囲内に調整されるように担体温度センサ14の出力信号及び水温センサ16の出力信号に基づいて調整される。なお、含浸促進温度範囲については後述する。続く担体投入工程S203において、含浸適正温度範囲内に温度が調整された粒状多孔質担体1は、水温が調整された水が貯留されているタンク11に投入される。このように含浸装置10では、含浸適正温度範囲内に温度を調整した粒状多孔質担体1を水に浸け、粒状多孔質担体1の孔内の気体を収縮させることで粒状多孔質担体1に水を含浸させる。
【0032】
上述したように、粒状多孔質担体1には比重が1より僅かに重いことが要求される。頁岩を材料にし、粒径が6〜11mm程度に形成された粒状多孔質担体1では、水を含浸した粒状多孔質担体1の嵩比重を0.79〜0.85g/cmの範囲内に調整することで、比重を1より僅かに重い状態に調整できる。そのため、含浸工程では、水を含浸させた粒状多孔質担体1の嵩比重をこの範囲内に調整する。このような嵩比重の調整は、粒状多孔質担体1に含浸させる水の量を調整することで行う。上述した材料及び製造工程で製造される粒状多孔質担体1では、粒状多孔質担体1の吸水率を30%以上に調整することにより、粒状多孔質担体1の比重を1より僅かに重い状態に調整できる。そのため、含浸工程では、粒状多孔質担体の吸水率を30%以上に調整する。
【0033】
また、粒状多孔質担体1には生物膜濾過槽101内にて破損しない強度を有していることが要求される。そのため、例えば粒状多孔質担体1の圧縮破壊強度を40kg/cm以上に設定して、上述したような強度を粒状多孔質担体1に持たせる。粒状多孔質担体1の強度は含浸した水の量に応じて変化し、含浸した水の量が多いほど、すなわち吸水率が大きいほど、強度が低下する。図5は、粒状多孔質担体1の吸水率と粒状多孔質担体1の圧縮破壊強度との関係の一例を示している。図5に示したように、粒状多孔質担体1の圧縮破壊強度は吸水率が大きくなるほど低下し、吸水率が40%を越えると圧縮破壊強度が40kg/cm以下に低下する。そこで、含浸工程では粒状多孔質担体1の吸水率を40%以下に調整する。
【0034】
図6は、水に浸ける前の粒状多孔質担体1の温度と粒状多孔質担体の吸水率との関係、及び含浸時温度差と粒状多孔質担体の吸水率との関係の一例を示している。なお、図6中の実線が粒状多孔質担体1の温度と吸水率との関係を示し、点線が含浸時温度差と吸水率との関係を示している。上述したように含浸工程では、粒状多孔質担体1の吸水率を30〜40%の範囲内に調整する。図6に示したように粒状多孔質担体1の吸水率が30〜40%の範囲内に調整される粒状多孔質担体1の温度範囲は、140°C以上、200°C以下であり、含浸時温度差の温度範囲は100°C以上、180°C以下である。そこで、含浸適正温度範囲として140°C以上、200°C以下の温度範囲が設定され、含浸促進温度範囲として100°C以上、180°C以下の温度範囲が設定される。
【0035】
なお、水を含浸した粒状多孔質担体1の吸水率と嵩比重とは相関関係を有しているので、含浸工程S200では、水を含浸した粒状多孔質担体1の吸水率を30%〜40%の範囲内に調整する代わりに、水を含浸した粒状多孔質担体1の嵩比重が0.79〜0.85g/cmの範囲内に調整されるように粒状多孔質担体1に水を含浸させて粒状多孔質担体1の比重を1より僅かに重い状態に調整してもよい。また、含浸工程S200では、水を含浸した粒状多孔質担体1の吸水率が30%〜40%の範囲内に調整され、かつ水を含浸した粒状多孔質担体1の嵩比重が0.79〜0.85g/cmの範囲内に調整されるように粒状多孔質担体1に水を含浸させてもよい。
【0036】
図2の製造工程の説明に戻る。含浸工程S200にて水を含浸させた粒状多孔質担体1は、その後担体収容工程S300に送られる。担体収容工程S300では、含浸状態の複数の粒状多孔質担体1及び水が保管容器に収容され、その後この保管容器が密閉される。保管容器としては、浸透性のない容器が使用され、例えばポリエチレン製の袋などが使用される。保管容器内に入れる水の量は、保管容器内において粒状多孔質担体1からの水の蒸発を抑えることが出来る程度の量が設定される。なお、上述したポリエチレン製の袋に粒状多孔質担体1を収容する場合、収容後に袋の開口部をヒートシールなどで密閉シールして容器を密閉する。
【0037】
次の容器保護工程S400では、密閉された保管容器を保護部材で覆う。保護部材としては、クッション性を有する部材が使用され、例えばポリプロピレン製の袋などが使用される。その後、保管容器は、所定の保管場所にて保管される。この保管時においては、粒状多孔質担体1からの水分の蒸発が抑制されるようにシート等により保管容器を遮光してもよい。
【0038】
以上に説明した製造工程によれば、水を含浸させた粒状多孔質担体1を水と共に保管容器に収容し、その後この保管容器を密閉するので、吸水率を殆ど変化させることなく含浸状態の粒状多孔質担体1を保管することができる。また、保管容器を保護部材で覆うので、輸送時などにおける保管容器の破損を防止できる。そのため、粒状多孔質担体1をより確実に含浸状態で保管することができる。
【0039】
図7は、粒状多孔質担体1の製造工程で実施される含浸工程S200の他の例を示している。この含浸工程S200は、図8に示した含浸手段としての含浸装置20を使用して行われる。含浸装置20は、密閉状態に切り替え可能な減圧タンク21と、減圧手段としての真空ポンプ22と、エア注入弁23と、減圧タンク21内の圧力を示す真空ゲージ24とを備えている。
【0040】
この含浸工程S200では、まず投入工程S211にて減圧タンク21に焼成した粒状多孔質担体1を投入する。なお、粒状多孔質担体1は、減圧タンク21に投入される前までに外気温程度まで冷却されている。続く水注入工程S212では、減圧タンク21に水を注入する。この際、水は、真空ゲージ24の取付位置及び真空ポンプ22の取付位置よりも下の位置、例えば図7に線Aで示した位置まで注入される。
【0041】
次の減圧工程S213では、減圧タンク21の蓋21aを閉めるとともにエア注入弁23を閉じ、真空ポンプ22によって減圧タンク21を所定圧まで減圧する。所定圧としては、例えば700mmHgが設定される。続く減圧保持工程S214では、この減圧タンク21の減圧状態を所定時間保持させる。所定時間としては例えば5分間が設定される。所定時間経過後は圧力調整工程S215に進み、エア注入弁23を開いて減圧タンク21内の圧力を大気圧に戻す。このように減圧タンク21の圧力を大気圧に戻すことで、エア注入弁23は本発明の圧力調整手段として機能する。その後、水注入工程S212から圧力調整工程S215までの各工程を再度繰り返し行う。
【0042】
2回目の圧力調整工程S215が終了した後は担体取り出し工程S216に進み、減圧タンク21の蓋21aを開けて粒状多孔質担体1を取り出す。この際、水中に沈んでいる粒状多孔質担体1のみを良品として取り出し、水に浮かんでいた粒状多孔質担体1は不良品として廃棄する。良品として取り出された粒状多孔質担体1は担体収容工程S300に送られ、以降は上述した製造工程と同様の工程が実施される。
【0043】
このように粒状多孔質担体1と水とを減圧タンク21に投入し、その後減圧タンク21を減圧することにより、粒状多孔質担体1に水を含浸させてもよい。なお、図7の含浸工程S200においても、水を含浸した粒状多孔質担体1の吸水率が30〜40%の範囲内に調整されるように粒状多孔質担体1に水を含浸させてもよいし、水を含浸した粒状多孔質担体1の嵩比重が0.79〜0.85g/cmの範囲内に調整されるように粒状多孔質担体1に水を含浸させてもよい。また、吸水率が30〜40%の範囲内に調整され、かつ嵩比重が0.79〜0.85g/cmの範囲内に調整されるように粒状多孔質担体1に水を含浸させてもよい。水注入工程S212から圧力調整工程S215までの各工程を実施する回数は2回に限定されない。実施する回数が2回では、粒状多孔質担体1の比重を1より僅かに重い状態に調整できない場合は3回以上実施してもよい。これらの各工程を1回実施することで粒状多孔質担体1の比重を1より僅かに重い状態に調整できる場合は、実施回数は1回でもよい。
【0044】
次に、図9を参照して本発明の粒状多孔質担体1の検査方法について説明する。この検査方法は、上述した製造工程で製造、保管された粒状多孔質担体1に適用される。この検査方法では、まず嵩比重検査工程S501において粒状多孔質担体1を保管容器から取り出し、それを表面乾燥含浸状態にして嵩比重を測定し、この測定した嵩比重が0.79〜0.85g/cmの範囲内か否か判定する。なお、表面乾燥含浸状態とは、含浸状態の試料(粒状多孔質担体等)を表面乾燥状態にしたものを指す。嵩比重は、例えばJIS A 1104で定義されるジッギング法にて測定する。測定した嵩比重がこの範囲内の場合、粒状多孔質担体1は良品と判断される。一方、測定した嵩比重がこの範囲外、すなわち嵩比重が0.79g/cm未満又は嵩比重が0.85g/cmより大きい場合、粒状多孔質担体1は不良品と判断される。
【0045】
次の吸水率検査工程S502では、保管容器から取り出して表面乾燥含浸状態にした粒状多孔質担体1の吸水率を求め、この吸水率が30%〜40%の範囲内か否か判定する。吸水率は、水を含浸している表面乾燥含浸状態の粒状多孔質担体1の質量及び水を含浸していない乾燥状態の粒状多孔質担体1の質量に基づいて算出される。そこで、この検査工程では、まず検査用に水を含浸させずに保存しておいた乾燥状態の粒状多孔質担体1の嵩比重を測定する。なお、この嵩比重も上述したジッギング法にて測定する。次に、この測定した乾燥状態の粒状多孔質担体1の嵩比重、及び嵩比重検査工程S501にて測定した表面乾燥含浸状態の粒状多孔質担体の嵩比重を用いて吸水率を算出する。算出した吸水率が30%〜40%の範囲内の場合、粒状多孔質担体1は良品と判断される。一方、算出した吸水率が30%〜40%の範囲外、すなわち30%未満又は40%よりも大きい場合、粒状多孔質担体1は不良品と判断される。続く選別工程S503では、嵩比重検査工程S501又は吸水率検査工程S502において不良品と判断された粒状多孔質担体1が取り除かれる。一方、嵩比重検査工程S501及び吸水率検査工程S502において良品と判断された粒状多孔質担体1は生物膜濾過槽101に充填される。
【0046】
この検査方法によれば、粒状多孔質担体1の比重と相関を有する嵩比重及び吸水率を検査するので、粒状多孔質担体1の比重が生物膜濾過槽への充填に適した値か否か検査できる。また、この検査で不良品と判断された粒状多孔質担体1は取り除かれるので、生物膜濾過槽101への不良品の充填を確実に防止することができる。なお、嵩比重と吸水率とは相関関係を有しているので、嵩比重検査工程S501及び吸水率検査工程S502のうちのいずれか一方の検査工程を省略してもよい。なお、好ましくは吸水率検査工程S502を省略してもよい。このように一方の検査工程を省略することで、検査時間を短縮できる。また、本検査方法における検査項目は、嵩比重及び吸水率に限定されない。これらの検査項目に加えて例えば粒状多孔質担体1の粒度分布及び減圧含浸率を計測し、これら計測値が所定の許容範囲内か否か検査してもよい。これらの検査を実施することで、生物膜濾過槽101への不良品の充填をより確実に防止できる。なお、粒度分布及び減圧含浸率の計測方法は周知の方法でよいため、ここでの説明は省略する。
【0047】
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態にて実施してよい。例えば、粒状多孔質担体の材料は頁岩に限らず、ゼオライト、鉱滓、無煙炭、抗火石、天然鉱物、粒状泡ガラス、CB濾材、アクチノライトなどを材料としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】浄化槽に設けられる生物膜濾過槽の一例を示す図。
【図2】本発明の保管方法が適用される粒状多孔質担体の製造工程の一例を示す図。
【図3】含浸工程の一例を示す図。
【図4】含浸装置の一例を示す図。
【図5】粒状多孔質担体の吸水率と圧縮破壊強度との関係の一例を示す図。
【図6】水に浸ける前の粒状多孔質担体の温度と粒状多孔質担体の吸水率との関係、及び含浸時温度差と粒状多孔質担体の吸水率との関係の一例を示す図。
【図7】含浸工程の他の例を示す図。
【図8】含浸装置の他の例を示す図。
【図9】本発明の検査方法の一形態を示す図。
【符号の説明】
【0049】
1 粒状多孔質担体
10 含浸装置(含浸手段)
11 タンク
14 担体温度センサ(担体温度取得手段)
16 水温センサ(含浸水温度取得手段)
17 水温調整装置(含浸水温度調整手段)
20 含浸装置(含浸手段)
21 減圧タンク
22 真空ポンプ(減圧手段)
23 エア注入弁(圧力調整手段)
100 浄化槽
101 生物膜濾過槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浄化槽の生物膜濾過槽に充填される粒状多孔質担体の保管方法であって、
含浸手段により前記粒状多孔質担体に含浸水を含浸させる含浸工程と、含浸水を含浸させた粒状多孔質担体を保管容器に収容し、その後前記保管容器を密閉する担体収容工程と、を備えたことを特徴とする粒状多孔質担体の保管方法。
【請求項2】
密閉された保管容器を保護部材で覆う容器保護工程を備えていることを特徴とする請求項1に記載の粒状多孔質担体の保管方法。
【請求項3】
前記担体収容工程では、前記保管容器を密閉する前に前記保管容器内に前記含浸水を入れることを特徴とする請求項1又は2に記載の粒状多孔質担体の保管方法。
【請求項4】
前記含浸手段は、前記含浸水を貯留するタンクと、前記タンクに投入される粒状多孔質担体の温度を取得する担体温度取得手段と、前記タンクに貯留されている含浸水の温度を取得する含浸水温度取得手段と、前記タンクに貯留されている含浸水の温度を調整する含浸水温度調整手段と、を備え、
前記含浸工程は、焼成した前記粒状多孔質担体の温度をこの粒状多孔質担体の吸水率が予め設定した適正範囲内に調整されるように設定された含浸適正温度範囲内に調整する担体温度調整工程と、前記担体温度取得手段により取得された温度と前記含浸水温度取得手段により取得された温度とに基づいて前記タンクに投入される粒状多孔質担体の温度と前記タンクに貯留されている含浸水の温度との温度差が前記粒状多孔質担体への含浸水の含浸が促進される含浸促進温度範囲内に維持されるように前記含浸水温度調整手段によって前記タンクに貯留されている含浸水の温度を調整する含浸水温度調整工程と、前記担体温度調整工程にて温度が前記含浸適正温度範囲内に調整された粒状多孔質担体を前記含浸水温度調整工程により温度が調整された含浸水が貯留されている前記タンクに投入する担体投入工程と、を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒状多孔質担体の保管方法。
【請求項5】
前記含浸適正温度範囲の下限温度として140°Cが設定され、前記含浸促進温度範囲の下限温度として100°Cが設定されていることを特徴とする請求項4に記載の粒状多孔質担体の保管方法。
【請求項6】
前記含浸適正温度範囲の上限温度として200°Cが設定され、前記含浸促進温度範囲の上限温度として180°Cが設定されていることを特徴とする請求項5に記載の粒状多孔質担体の保管方法。
【請求項7】
前記含浸手段は、密閉状態に切り替えて内部を減圧可能な減圧タンクと、前記減圧タンクを減圧する減圧手段と、前記減圧タンク内の圧力を大気圧に戻す圧力調整手段と、を備え、
前記含浸工程は、前記粒状多孔質担体及び前記含浸水を前記減圧タンクに投入し、その後前記減圧タンクを密閉状態に切り替える投入工程と、前記投入工程にて密閉状態に切り替えられた前記減圧タンクの内部を前記減圧手段により減圧する減圧工程と、前記減圧工程にて減圧された前記減圧タンクを減圧状態のまま保持する減圧保持工程と、前記減圧保持工程にて減圧状態に保持されている前記減圧タンクの圧力を前記圧力調整手段により大気圧に戻す圧力調整工程と、を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒状多孔質担体の保管方法。
【請求項8】
前記含浸工程では、前記減圧工程、前記圧力保持工程、及び圧力調整工程が複数回繰り返し行われることを特徴とする請求項7に記載の粒状多孔質担体の保管方法。
【請求項9】
前記含浸工程では、含浸水を含浸した粒状多孔質担体の嵩比重が0.79g/cm〜0.85g/cmの範囲内に、及び/又は含浸水を含浸した粒状多孔質担体の吸水率が30%〜40%の範囲内に調整されるように前記粒状多孔質担体に含浸水を含浸させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の粒状多孔質担体の保管方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の粒状多孔質担体の保管方法によって保管された粒状多孔質担体の検査方法であって、
前記保管容器から取り出した粒状多孔質担体の嵩比重を検査する嵩比重検査工程、及び前記保管容器から取り出した粒状多孔質担体の吸水率を検査する吸水率検査工程のうちの少なくともいずれか一方の検査工程を備えていることを特徴とする粒状多孔質担体の検査方法。
【請求項11】
前記嵩比重検査工程では、前記保管容器から取り出した粒状多孔質担体の嵩比重が0.79g/cm〜0.85g/cmの範囲内か否か検査し、前記吸水率検査工程では、前記保管容器から取り出した粒状多孔質担体の吸水率が30%〜40%の範囲内か否か検査することを特徴とする請求項10に記載の粒状多孔質担体の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−105584(P2007−105584A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−297349(P2005−297349)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【出願人】(392032100)キリンエンジニアリング株式会社 (54)
【Fターム(参考)】