説明

粗製サンプルから核酸を直接増幅する方法

本教示は、核酸を増幅するための改善された方法、キット、および反応混合物に関する。いくつかの実施形態では、最低限のサンプル精製で粗製サンプル中の核酸の直接的な増幅を可能にする新規なダイレクトバッファー配合物を提供している。本教示は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行う方法を提供し、その方法は、デオキシリボ核酸を含む粗製サンプルを提供するステップと、粗製サンプルをダイレクトバッファーと共にインキュベートするステップと、インキュベートしたダイレクトバッファーから、粗製サンプル由来のデオキシリボ核酸を含む溶出液を取り出すステップと、デオキシリボ核酸に対してPCRを行うステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、一般に、粗製サンプルから核酸を直接増幅する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DNAプロフィールの迅速および正確な検出は、法医学のケースワークサンプル分析の重要な側面である。血液および頬スワブなどの粗製サンプルは、PCRに基づく短鎖縦列反復配列(STR)型判別に使用するポリメラーゼの活性を阻害し得る物質を含有する。歴史的に、阻害剤を除去し、DNAを精製してからPCR増幅など下流の酵素的操作を行うことが必要である。種々のDNA単離および精製法ならびにキットが市販されている。しかし、それらの使用により、時間および費用が増える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本教示は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行う方法を提供し、その方法は、デオキシリボ核酸を含む粗製サンプルを提供するステップと、粗製サンプルをダイレクトバッファーと共にインキュベートするステップと、インキュベートしたダイレクトバッファーから、粗製サンプル由来のデオキシリボ核酸を含む溶出液を取り出すステップと、デオキシリボ核酸に対してPCRを行うステップとを含み、ダイレクトバッファーは、少なくとも5対のPCRプライマーペア、10〜16mMのトリス−HCl、25〜75mMのKCl、各200〜400uMのdNTP、160〜960ug/mlのBSA、2U〜8UのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.25〜2.2mMのMgCl2、および少なくとも20ng/ulのssb(一本鎖結合タンパク質)を含む。
【0004】
いくつかの実施形態では、ダイレクトバッファーは、10mM pH8.3のトリス−HCl、50mMのKCl、各200uMのdNTP、800ug/mlのBSA、0.16単位/ulのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.6mMのMgCl2、60ng/ulのssbを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、ダイレクトバッファーは、0.2パーセントのアジ化ナトリウムをさらに含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、ssbは、バクテリオファージT4由来のT4遺伝子32タンパク質である。
【0007】
いくつかの実施形態では、本教示は、ヒトの同一性を決定する方法を提供し、その方法は、ヒト由来のデオキシリボ核酸を含む粗製サンプルを提供するステップと、粗製サンプルを、それぞれが短鎖縦列反復配列(STR)を含有するゲノム座位に隣接する複数のプライマーペアを含むダイレクトバッファーと共にインキュベートするステップと、インキュベートしたダイレクトバッファーから、粗製サンプル由来のデオキシリボ核酸を含む溶出液を取り出すステップと、粗製サンプル由来のデオキシリボ核酸に対してPCRを行って、それぞれが確認可能なサイズである複数のPCR単位複製配列を形成するステップと、PCR単位複製配列のサイズを参照することによってヒトを同定するステップとを含み、ダイレクトバッファーは、10〜16mMのトリス−HCl、25〜75mMのKCl、各200〜400uMのdNTP、160〜960ug/mlのBSA、2U〜8UのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.25〜2.2mMのMgCl2、および少なくとも20ng/ulのssbをさらに含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、本教示は、下流の酵素的操作用に核酸を調製する方法を提供し、その方法は、デオキシリボ核酸を含む粗製サンプルを提供するステップと、粗製サンプルをダイレクトバッファーと共にインキュベートして、溶出液を形成するステップと、インキュベートしたダイレクトバッファーから、粗製サンプル由来のデオキシリボ核酸を含む溶出液を取り出すステップと、溶出液に対して下流の酵素的操作を行うステップとを含み、ダイレクトバッファーは、10〜16mMのトリス−HCl、25〜75mMのKCl、各200〜400uMのdNTP、160〜960ug/mlのBSA、2U〜8UのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.25〜2.2mMのMgCl2、および少なくとも20ng/ulのssbを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、下流の酵素的操作はPCRである。
【0010】
いくつかの実施形態では、本教示は、それぞれが短鎖縦列反復配列(STR)を含有するゲノム座位に隣接する複数のプライマーペアと、10〜16mMのトリス−HCl、25〜75mMのKCl、各200〜400uMのdNTP、160〜960ug/mlのBSA、2U〜8UのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.25〜2.2mMのMgCl2、および少なくとも20ng/ulのssbを含むダイレクトバッファーとを含むキットを提供する。
【0011】
いくつかの実施形態では、本教示は、ダイレクトバッファーおよび複数のプライマーペアを含む反応混合物を提供し、各プライマーペアは、短鎖縦列反復配列(STR)を含有するゲノム座位に隣接し、ダイレクトバッファーは、10〜16mMのトリス−HCl、25〜75mMのKCl、各200〜400uMのdNTP、160〜960ug/mlのBSA、2U〜8UのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.25〜2.2mMのMgCl2、および20〜60ng/ulのssbを含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な実施形態の説明
本出願では、特に明確に指定のない限り、単数形の使用には複数形が含まれる。本出願では、特に明確に指定のない限り、「1つの(a)」または「1つの(an)」という単語は、「少なくとも1つ」を表す。本出願では、特に指定のない限り、「または」の使用は、「および/または」を表す。さらに、「含んでいる(including)」ならびに他の形態、例えば「含む(includes)」および「含んだ(included)」という用語の使用は、限定的ではない。
【0013】
本明細書で使用されている節の表題は、単に構成上の目的のためであり、記載されている主題を限定しているとみなすべきではない。それだけには限らないが、特許、特許出願、論文、本、および学術論文を含めた本出願で引用されているすべての文献、または一部の文献は、目的に応じてその全体を参照によりここに明確に組み込まれている。組み込まれている文献のうち1つまたは複数のものが、本出願中のその用語の定義と矛盾する用語を定義する場合には、本出願が支配する。
いくつかの定義
本明細書では、「粗製サンプル」という用語は、それらの核酸を単離するための重要な手順を経ていない、核酸を含有していると思われる生物学的起源の試験片を意味する。例えば、血液のサンプルは、粗製サンプルである。さらに、Whatmanから市販されているFTAペーパーなど、紙の上に染み付けた血液のサンプルは、粗製サンプルである。頬細胞の頬スワブは、粗製サンプルのもう1つの例である。血液、紙の上の血液、および頬スワブは、例示的な粗製サンプルである。当業者は、その分析が本教示によって容易になるであろう膨大な種類の他の粗製サンプルに気付くはずである。
【0014】
本明細書では、「ダイレクトバッファー」という用語は、その中に粗製サンプルを置くことができるバッファーを意味する。ダイレクトバッファーは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの下流の酵素的操作を行うためのプライマーと酵素を含有する。ダイレクトバッファーは、核酸の遊離と、その他の精製を必要とせずに溶出液からそれらの増幅を可能にする。PCRのための例示的なサイクル時間および温度は、Sambrookら、Molecular Cloning、第3版に見出すことができる。本教示は、PCRのためのダイレクトバッファーの使用に注目しているが、当業者には、本教示のダイレクトバッファーを他のタイプの下流の酵素的操作、例えば逆転写酵素を用いる逆転写、またはリガーゼを用いるオリゴヌクレオチド連結アッセイのための下準備の手順として容易に使用できることが理解されよう。
【0015】
本明細書では、「溶出液」という用語は、ダイレクトバッファーを粗製サンプルと共にインキュベーションした結果として生じる核酸含有溶液を意味する。
詳細な説明
トリス−HCl、KCl、dNTP、BSA、AmpliTaq Goldポリメラーゼ、MgCl2、および一本鎖結合タンパク質(SSB)を含めた所望のダイレクトバッファーの各成分のそれぞれの濃度を変えて多数の実験を行った。これらの実験は、例えば、フミン酸を、生物学的物質の分析困難なサンプル中に通常存在する阻害剤の模倣物として使用し、したがって粗製サンプルの生成容易な代用となった。これらの実験の結果から、以下の配合物を得た。
【0016】
いくつかの実施形態では、本教示は、10〜16mMのトリス−HCl、25〜75mMのKCl、各200〜400uMのdNTP、160〜960ug/mlのBSA、2U〜8UのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.25〜2.2mMのMgCl2、20ng/ul以上のssbを含むダイレクトバッファーを提供する。
【0017】
いくつかの実施形態では、ダイレクトバッファーは、10mM pH8.3のトリス−HCl、50mMのKCl、各200uMのdNTP、800ug/mlのBSA、0.16単位/ulのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.6mMのMgCl2、および60ng/ulのssbを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、ダイレクトバッファーは、例えば0.2パーセントのアジ化ナトリウムをさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、ssbは、例えば、Ambion、カタログ#2424から市販されているバクテリオファージT4由来のT4遺伝子32タンパク質である。一般に、ssbの所望の濃度は、20〜60ng/ulである。より高い濃度がもちろん可能であるが、約60ng/ulで上限が現れる。いくつかの実施形態では、ssbは、60ng/ulで存在する。
【0020】
ダイレクトバッファーに使用する試薬は、商業供給者から容易に入手可能である。例えば、AmpliTaq Goldは、Applied Biosystemsから市販されている。BSAは、種々の供給源、例えばRocheからカタログ番号10711454001で市販されている。FTAペーパーは、Whatmanから市販されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、ダイレクトバッファーは、複数のPCRプライマーペアを含む。例えば、いくつかの実施形態では、ダイレクトバッファーは、5対のプライマーペアを含む。いくつかの実施形態では、ダイレクトバッファーは、10対のプライマーペアを含む。いくつかの実施形態では、ダイレクトバッファーは、10対超のプライマーペアを含む。いくつかの実施形態では、ダイレクトバッファーは、PCRプライマーペアを含まないが、むしろ粗製サンプル中の核酸をダイレクトバッファーで遊離させた後にPCRプライマーペアを溶出液に加える。
【実施例】
【0022】
第1の実施例では、血液をFTAペーパー(Whatman)に塗布し、風乾させた。FTAペーパーの1.2mmディスクパンチを作製し、市販されているIdentifiler Human Identity Kit(Applied Biosystems)からのPCRプライマーを含有しているダイレクトバッファー中に入れた。このディスクパンチを、ダイレクトバッファー中で時々穏やかにボルテックス混合しながら室温で10分間インキュベートし、次いで溶出液を新しいチューブ中に移した。(溶出液の追加の希釈は、必要に応じてPCRマスターミックスを用いて行うことができる。)次いでPCRを行った。
【0023】
第2の実施例では、TEバッファー(pH8.0の10mMトリス−Clおよび0.1mM EDTA)を用いて血液の100倍希釈溶液を作製した。希釈した血液1ulを使用して、ダイレクトバッファー中のPCRを準備した。
【0024】
第3の実施例では、頬スワブサンプルを収集し、TEバッファー500ul中に入れた。得られた懸濁液を97℃で5分間加熱した。得られた懸濁液10ulを使用して、ダイレクトバッファー中のPCRを準備した。
本教示のいくつかの実施形態に基づく例示的なキット
いくつかの実施形態では、本教示は、特定の方法の実施を促進するために設計されたキットも提供する。いくつかの実施形態では、キットは、方法を実施する際に使用する2つ以上の構成要素を組み合わせることによって対象の方法の性能を促進する働きをする。いくつかの実施形態では、キットは、エンドユーザーによる測定の必要性を最小限にするために、あらかじめ測定した単位量の構成要素を含有していてよい。いくつかの実施形態では、キットは、本教示の1つまたは複数の方法を実施するために使用説明書を含んでいてよい。特定の実施形態では、相互に関連して動作させるためにキット構成要素を最適化する。
【0025】
これらの例示的な実施形態および実験データに関して本教示を記載してきたが、これらの例示的な実施形態の多くの変形形態および変更形態が、過度に実験することなく可能であることが当業者には容易に理解されよう。すべてのこのような変形形態および変更形態は、現在の教示の範囲内に含まれる。
【0026】
したがって、いくつかの実施形態では、本教示は、それぞれが短鎖縦列反復配列(STR)を含有するゲノム座位に隣接する複数のプライマーペアと、10〜16mMのトリス−HCl、25〜75mMのKCl、各200〜400uMのdNTP、160〜960ug/mlのBSA、2U〜8UのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.25〜2.2mMのMgCl2、および少なくとも20ng/ulのssbを含むダイレクトバッファーとを含むキットを提供する。このようなキットは、例えばキャピラリー電気泳動法を用いて、分析した多形マイクロサテライトの回収によって、例えば、ヒトなどの生物の同定に使用することができる。こうしたヒトの同定を行うための例示的な手順は、例えばApplied Biosystemsから市販されているIdentifiler HIDキット、ならびに米国特許6221598、6479235、5843660、および7008771に見出すことができる。いくつかの実施形態では、本教示によって提供されたキット、および方法および反応混合物は、例えばDimsoskiおよびWooによるWO05054515に見られるように、分解したサンプルのマルチプレックスPCRのための手順で使用することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、キット中のダイレクトバッファーは、10mM pH8.3のトリス−HCl、50mMのKCl、各200uMのdNTP、800ug/mlのBSA、0.16単位/ulのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.6mMのMgCl2、および60ng/ulのssbを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、キット中のダイレクトバッファーは、0.2パーセントのアジ化ナトリウムをさらに含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、キット中のssbは、バクテリオファージT4由来のT4遺伝子32タンパク質である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行う方法であって、
デオキシリボ核酸を含む粗製サンプルを提供するステップと、
前記粗製サンプルをダイレクトバッファーと共にインキュベートするステップと、
前記インキュベートしたダイレクトバッファーから、前記粗製サンプル由来の前記デオキシリボ核酸を含む溶出液を取り出すステップと、
前記デオキシリボ核酸に対してPCRを行うステップと
を含み、前記ダイレクトバッファーが、少なくとも5対のPCRプライマーペア、10〜16mMのトリス−HCl、25〜75mMのKCl、各200〜400uMのdNTP、160〜960ug/mlのBSA、2U〜8UのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.25〜2.2mMのMgCl2、および少なくとも20ng/ulのssbを含む方法。
【請求項2】
前記ダイレクトバッファーが、10mM pH8.3のトリス−HCl、50mMのKCl、各200uMのdNTP、800ug/mlのBSA、0.16単位/ulのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.6mMのMgCl2、60ng/ulのssbを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ダイレクトバッファーが、0.2パーセントのアジ化ナトリウムをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ssbが、バクテリオファージT4由来のT4遺伝子32タンパク質である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
ヒトの同一性を決定する方法であって、
前記ヒト由来のデオキシリボ核酸を含む粗製サンプルを提供するステップと、
前記粗製サンプルを、それぞれが短鎖縦列反復配列(STR)を含有するゲノム座位に隣接する複数のプライマーペアを含むダイレクトバッファーと共にインキュベートするステップと、
前記インキュベートしたダイレクトバッファーから、前記粗製サンプル由来の前記デオキシリボ核酸を含む前記溶出液を取り出すステップと、
前記粗製サンプル由来の前記デオキシリボ核酸に対してPCRを行って、それぞれが確認可能なサイズである複数のPCR単位複製配列を形成するステップと、
前記PCR単位複製配列のサイズを参照することによって前記ヒトを同定するステップと
を含み、前記ダイレクトバッファーが、10〜16mMのトリス−HCl、25〜75mMのKCl、各200〜400uMのdNTP、160〜960ug/mlのBSA、2U〜8UのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.25〜2.2mMのMgCl2、および少なくとも20ng/ulのssbをさらに含む方法。
【請求項6】
前記ダイレクトバッファーが、10mM pH8.3のトリス−HCl、50mMのKCl、各200uMのdNTP、800ug/mlのBSA、0.16単位/ulのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.6mMのMgCl2、および60ng/ulのssbを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ダイレクトバッファーが、0.2パーセントのアジ化ナトリウムをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ssbが、バクテリオファージT4由来のT4遺伝子32タンパク質である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
下流の酵素的操作のために核酸を調製する方法であって、
デオキシリボ核酸を含む粗製サンプルを提供するステップと、
前記粗製サンプルをダイレクトバッファーと共にインキュベートして、溶出液を形成するステップと、
前記インキュベートしたダイレクトバッファーから、前記粗製サンプル由来の前記デオキシリボ核酸を含む前記溶出液を取り出すステップと、
前記溶出液に対して下流の酵素的操作を行うステップと
を含み、前記ダイレクトバッファーが、10〜16mMのトリス−HCl、25〜75mMのKCl、各200〜400uMのdNTP、160〜960ug/mlのBSA、2U〜8UのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.25〜2.2mMのMgCl2、および少なくとも20ng/ulのssbを含む方法。
【請求項10】
前記下流の酵素的操作がPCRである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ダイレクトバッファーが、10mM pH8.3のトリス−HCl、50mMのKCl、各200uMのdNTP、800ug/mlのBSA、0.16単位/ulのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.6mMのMgCl2、および60ng/ulのssbを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ダイレクトバッファーが、0.2パーセントのアジ化ナトリウムをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ssbが、バクテリオファージT4由来のT4遺伝子32タンパク質である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
それぞれが短鎖縦列反復配列(STR)を含有するゲノム座位に隣接する複数のプライマーペアと、
10〜16mMのトリス−HCl、25〜75mMのKCl、各200〜400uMのdNTP、160〜960ug/mlのBSA、2U〜8UのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.25〜2.2mMのMgCl2、および少なくとも20ng/ulのssbを含むダイレクトバッファーと
を含むキット。
【請求項15】
前記ダイレクトバッファーが、10mM pH8.3のトリス−HCl、50mMのKCl、各200uMのdNTP、800ug/mlのBSA、0.16単位/ulのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.6mMのMgCl2、および60ng/ulのssbを含む、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
前記ダイレクトバッファーが、0.2パーセントのアジ化ナトリウムをさらに含む、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
前記ssbが、バクテリオファージT4由来のT4遺伝子32タンパク質である、請求項15に記載のキット。
【請求項18】
ダイレクトバッファーおよび複数のプライマーペアを含む反応混合物であって、各プライマーペアが、短鎖縦列反復配列(STR)を含有するゲノム座位に隣接し、前記ダイレクトバッファーが、10〜16mMのトリス−HCl、25〜75mMのKCl、各200〜400uMのdNTP、160〜960ug/mlのBSA、2U〜8UのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.25〜2.2mMのMgCl2、および少なくとも20ng/ulのssbを含む、反応混合物。
【請求項19】
前記ダイレクトバッファーが、10mM pH8.3のトリス−HCl、50mMのKCl、各200uMのdNTP、800ug/mlのBSA、0.16単位/ulのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、1.6mMのMgCl2、および60ng/ulのssbを含む、請求項18に記載の反応混合物。
【請求項20】
前記ダイレクトバッファーが、0.2パーセントのアジ化ナトリウムをさらに含む、請求項19に記載の反応。
【請求項21】
前記ssbが、バクテリオファージT4由来のT4遺伝子32タンパク質である、請求項19に記載の反応混合物。

【公表番号】特表2010−527245(P2010−527245A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508615(P2010−508615)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/063967
【国際公開番号】WO2008/144556
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(509130413)アプライド バイオシステムズ, エルエルシー (48)
【Fターム(参考)】