説明

粘着シート

【課題】高温高湿環境下での耐白濁性及び耐発泡剥がれ性に優れ、さらに耐腐食性に優れる粘着シートを提供する。
【解決手段】本発明の粘着シートは、粘着剤層を備えた粘着シートであり、上記粘着剤層がアクリル系ポリマー(A)を含有し、アクリル系ポリマー(A)がメタクリル酸メチル及び水酸基含有モノマーを必須のモノマー成分として構成され、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中の上記水酸基含有モノマーの含有量が10〜40重量%であり、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを実質的に含まず、上記粘着剤層のゲル分率が70〜100重量%であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な分野で、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置や、このような表示装置と組み合わせて用いられるタッチパネルなどの入力装置が広く用いられるようになってきた。これらの表示装置や入力装置等においては、光学部材を貼り合わせる用途に、粘着テープ又はシートが使用されている。例えば、タッチパネルと各種表示部材や光学部材の貼り合わせには、透明な粘着シートが使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−238915号公報
【特許文献2】特開2003−342542号公報
【特許文献3】特開2004−231723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記表示装置や入力装置の使用態様の拡大に伴い、これらの装置に使用される粘着シートには、多様な環境下においても、高い透明性を有すること及び発泡や剥がれを生じないことが求められるようになってきている。具体的には、高温高湿環境下で白化(白濁化)せず、粘着シートを貼付した光学部材や光学製品などの外観や、表示部(画像表示部)等の視認性に悪影響を及ぼさないことや、高温高湿環境下で粘着シートと被着体の界面で発泡や剥がれを生じにくいことが求められている。
【0005】
さらに、上記の粘着シートには、被着体(特に、金属酸化物薄膜などの金属薄膜)に貼付した際の耐腐食性能も求められている。
【0006】
従って、本発明の目的は、高温高湿環境下での耐白濁性(水分による粘着シートの白化(白濁化)が生じにくい特性)及び耐発泡剥がれ性(粘着シートと被着体の界面に発泡や剥がれを生じにくい特性)に優れ、さらに耐腐食性(被着体等の腐食を生じさせない特性)に優れる粘着シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、粘着シートの粘着剤層を、メタクリル酸メチル及び水酸基含有モノマーを必須のモノマー成分として構成され、構成するモノマー成分全量(100重量%)中の水酸基含有モノマーの含有量が一定の範囲内であり、構成するモノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを実質的に含まないアクリル系ポリマーを含有し、かつ、ゲル分率が一定の範囲である粘着剤層とすると、高温高湿環境下の耐白濁性に優れ、高温高湿環境下の耐発泡剥がれ性に優れ、さらには耐腐食性に優れる粘着シートが得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、粘着剤層を備えた粘着シートであり、上記粘着剤層がアクリル系ポリマー(A)を含有し、アクリル系ポリマー(A)がメタクリル酸メチル及び水酸基含有モノマーを必須のモノマー成分として構成され、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中の上記水酸基含有モノマーの含有量が10〜40重量%であり、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを実質的に含まず、上記粘着剤層のゲル分率が70〜100重量%であることを特徴とする粘着シートを提供する。
【0009】
アクリル系ポリマー(A)は、重量平均分子量が40万〜90万であるアクリル系ポリマー(B)を架橋して得られたものであることが好ましい。
【0010】
アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中のメタクリル酸メチルの含有量は、0重量%を超え30重量%以下であることが好ましい。
【0011】
上記粘着シートは、光学用粘着シートであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の粘着シートは、上記構成を有するので、高温高湿環境下での耐白濁性及び耐発泡剥がれ性に優れ、さらに耐腐食性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、耐白濁性の評価に用いた、試験片を示す概略断面図である。
【図2】図2は、耐発泡剥がれ性の評価に用いた、試験片を示す概略断面図である。
【図3】図3は、耐腐食性の評価に用いた、抵抗値測定サンプルを示す概略図(平面図)である。
【図4】図4は、耐腐食性の評価に用いた、抵抗値測定サンプルを示す概略図(図3におけるA−A’線断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の粘着シートは、粘着剤層(本発明の粘着剤層)を少なくとも1層備えた粘着シートである。上記粘着剤層は、「アクリル系ポリマー(A)を含有し、アクリル系ポリマー(A)がメタクリル酸メチル及び水酸基含有モノマーを必須のモノマー成分として構成され、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中の水酸基含有モノマーの含有量が10〜40重量%であり、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを実質的に含まず、さらに、ゲル分率が70〜100重量%である粘着剤層」である。なお、本明細書では、上記の粘着剤層を、「本発明の粘着剤層」と称する場合がある。
【0015】
なお、本明細書において、「粘着シート」という場合には、テープ状のもの、すなわち、「粘着テープ」も含まれるものとする。また、粘着シートにおける粘着剤層表面を、「粘着面」と称する場合がある。
【0016】
[本発明の粘着剤層]
本発明の粘着剤層は、アクリル系ポリマー(A)を少なくとも含有する。アクリル系ポリマー(A)は、「メタクリル酸メチル及び水酸基含有モノマーを必須のモノマー成分として構成され、構成するモノマー成分全量(100重量%)中の水酸基含有モノマーの含有量が10〜40重量%であり、構成するモノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを実質的に含まないアクリル系ポリマー」である。
【0017】
本発明の粘着剤層は、アクリル系ポリマー(A)を少なくとも含有するアクリル系粘着剤層である。本発明の粘着剤層におけるアクリル系ポリマー(A)の含有量は、特に限定されないが、粘着剤層全量(100重量%)に対して、70重量%以上(例えば70〜100重量%)が好ましく、より好ましくは85重量%以上(例えば85〜100重量%)である。
【0018】
本発明の粘着剤層は、粘着剤組成物により形成されることが好ましい。上記「粘着剤組成物」には「粘着剤を形成するための組成物」という意味も含むものとする。
【0019】
なお、アクリル系ポリマー(A)において、メタクリル酸メチル及び水酸基含有モノマーを必須のモノマー成分として構成されるとは、メタクリル酸メチルに由来する構成単位及び水酸基含有モノマーに由来する構成単位を必須の構成単位として含むことをいう。
【0020】
アクリル系ポリマー(A)は、耐発泡特性、ポリマーの白濁性の観点より、メタクリル酸メチル以外の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸メチル及び水酸基含有モノマーを必須のモノマー成分として構成されることが好ましい。なお、上記の「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」(「アクリル」及び「メタクリル」のうちいずれか一方又は両方)を表し、他も同様である。
【0021】
すなわち、アクリル系ポリマー(A)は、メタクリル酸メチルに由来する構成単位、水酸基含有モノマーに由来する構成単位、メタクリル酸メチル以外の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を必須の構成単位として含むことが好ましい。
【0022】
アクリル系ポリマー(A)は、メタクリル酸メチルを必須のモノマー成分として構成される。本発明の粘着シートは、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分としてメタクリル酸メチルを含有することにより、高温高湿環境下で優れた耐発泡剥がれ性を得ることができる。なお、本明細書において、高温高湿環境下とは、例えば、温度40〜85℃、湿度85〜95%RHの環境下のことをいう。
【0023】
アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中のメタクリル酸メチルの含有量は、特に限定されないが、0重量%を超え30重量%以下の範囲が好ましく、より好ましくは7〜25重量%、さらに好ましくは8〜20重量%、さらにより好ましくは9〜17重量%である。アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分としてメタクリル酸メチルが含まれていると、高温高湿環境下での耐発泡剥がれ性や、高温高湿環境下での被着体(特にアクリル系樹脂製の被着体やポリカーボネート製の被着体)に対する密着性が向上しやすく、好ましい。さらに、水分によるポリマーの白化(白濁化)を効果的に抑制でき、好ましい。また、上記メタクリル酸メチルの含有量が30重量%以下であると、適度な柔らかさを得ることができ、粘着性や段差吸収性が向上しやすく、好ましい。
【0024】
また、上記のメタクリル酸メチル以外の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(本明細書では、単に「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」と称する場合がある)としては、例えば、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどのアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。中でも、生産性や粘着特性の点より、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、より好ましくはアクリル酸n−ブチル(BA)、アクリル酸エチル(EA)、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)である。なお、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0025】
アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中の上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、特に限定されないが、良好な粘着特性を得る点より、40〜75重量%が好ましく、より好ましくは45〜70重量%、さらに好ましくは50〜65重量%である。
【0026】
アクリル系ポリマー(A)は、水酸基含有モノマーを必須のモノマー成分として構成される。上記水酸基含有モノマーは、分子内(1分子内)に水酸基(ヒドロキシル基)を少なくとも1つ有するモノマーである。水酸基含有モノマーは、アクリル系ポリマー(A)を必須のモノマー成分として構成することにより、粘着シート中での水分の凝集を抑制すると推定される。このため、一般的な粘着シートは、水分を吸収すると、水分に起因する白濁を生じることがあるが、本発明の粘着シートは、高温高湿環境下で白濁を生じることはない。なお、水酸基含有モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0027】
上記水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)などの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;ビニルアルコール;アリルアルコールなどが挙げられる。中でも、上記水酸基含有モノマーとしては、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、より好ましくはアクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(4HBA)である。
【0028】
アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中の上記水酸基含有モノマーの含有量は、10〜40重量%であり、好ましくは12〜35重量%、さらに好ましくは13〜30重量%である。上記水酸基含有モノマーの含有量が10重量%以上であるので、高温高湿環境下での粘着シートの白化を抑制できる。一方、上記水酸基含有モノマーの含有量が40重量%以下であるので、ポリマーを構成するモノマー成分を重合させやすくなり、粘着シート中に外観欠点が生じにくい。なお、該外観欠点は、ゲル化したものが粘着剤中に含まれることにより、粘着シートにした時にゲル欠点となるためである。
【0029】
さらに、アクリル系ポリマー(A)は、ポリマーを構成するモノマー成分中にカルボキシル基含有モノマーを実質的に含まない。なお、本明細書において「実質的に含まない」とは、不可避的に混入する場合を除いて能動的には配合しないことを指す。具体的には、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中のカルボキシル基含有モノマーの含有量は、1重量%未満であり、好ましくは0.1重量%未満である。カルボキシル基含有モノマーの含有量を1重量%未満とすることにより、アクリル系ポリマー(A)中の未反応モノマー(残留モノマー)としてのカルボキシル基含有モノマーが少なくなり、被着体等の腐食が抑制され、優れた耐腐食性を発揮する。カルボキシル基含有モノマーの含有量が多いと(例えば、1重量%以上であると)、粘着剤層から腐食性のカルボキシル基含有モノマーが染み出し、被着体等を腐食しやすく、製品の性能劣化を引き起こす。上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などが挙げられる。また、これらカルボキシル基含有モノマーの酸無水物(例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物含有モノマー)も、カルボキシル基含有モノマーとして含まれるものとする。
【0030】
アクリル系ポリマー(A)は、さらに、被着体への接着性を向上させる点、粘着剤層の凝集力を向上させる点より、上記水酸基含有モノマー及び上記カルボキシル基含有モノマーを除く極性基含有モノマー(本明細書では、単に「極性基含有モノマー」と称する場合がある)、多官能性モノマー、その他のモノマー(メタクリル酸メチル、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル、上記水酸基含有モノマー、上記極性基含有モノマー、上記多官能性モノマー以外のモノマー)などの共重合性モノマー成分を構成するモノマー成分として含んでいてもよい。なお、共重合性モノマー成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0031】
上記極性基含有モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのグリシジル基含有モノマー;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマーなどが挙げられる。中でも、上記極性基含有モノマーとしては、複素環含有ビニル系モノマーが好ましく、より好ましくはN−ビニル−2−ピロリドンである。なお、上記極性基含有モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0032】
アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中の上記極性基含有モノマーの含有量(特にN−ビニル−2−ピロリドンなどの複素環含有ビニル系モノマーの含有量)は、特に限定されないが、10〜20重量%が好ましく、より好ましくは13〜17重量%である。
【0033】
また、上記多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。なお、上記多官能性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0034】
アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中の上記多官能性モノマーの含有量は、特に限定されないが、0〜0.5重量%が好ましく、より好ましくは0〜0.3重量%である。上記多官能性モノマーの含有量が0.5重量%以下であると、凝集力が高くなりすぎず、粘着性が向上しやすいので、好ましい。なお、架橋剤を用いる場合には上記多官能性モノマーを用いなくてもよいが、架橋剤を用いない場合には、上記多官能性モノマーの含有量は0.001〜0.5重量%が好ましく、より好ましくは0.002〜0.1重量%である。
【0035】
さらに、上記その他のモノマーとしては、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;フェニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレンなどのオレフィン又はジエン類;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニルなどが挙げられる。
【0036】
アクリル系ポリマー(A)は、上記のモノマー成分を公知慣用の重合方法により重合して得ることができる。上記重合方法としては、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法や活性エネルギー線照射による重合方法(活性エネルギー線重合方法)などが挙げられる。なお、重合に際しては、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤や溶剤など、それぞれの重合方法に応じた適宜な成分が、公知乃至慣用のものの中から適宜選択して使用されてもよい。
【0037】
中でも、上記重合方法としては、溶液重合方法や乳化重合方法が好ましい。溶液重合は生産性やコスト面で優れ、乳化重合は環境の面から優れるためである。
【0038】
溶液重合により重合する場合、重合開始剤として熱重合開始剤が用いられることが好ましい。上記熱重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス系重合開始剤などを挙げられる。上記アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなどが挙げられる。また、上記過酸化物系重合開始剤としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ジクミルパーオキサイドなどが挙げられる。なお、上記熱重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0039】
上記熱開始剤の使用量としては、特に限定されないが、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、0.05〜0.5重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜0.3重量部である。
【0040】
上記溶液重合に際しては、各種の一般的な溶剤が用いられてもよい。溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの有機溶剤が挙げられる。なお、溶剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0041】
また、乳化重合により重合する場合、公知乃至慣用の乳化重合方法が用いられてもよい。例えば、一般的な一括仕込み方法(一括重合方法)、モノマーエマルション滴下方法などが用いられてもよい。モノマーエマルションなどを滴下する場合は、連続的に滴下してもよく、分割して滴下してもよい。なお、重合温度は、重合開始剤の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、5〜100℃の範囲である。
【0042】
乳化重合の際に必要に応じて用いられる乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤などが挙げられる。また、これら(ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤などの乳化剤)にプロペニル基やアリルエーテル基等のラジカル重合性官能基(ラジカル反応性基)が導入された形態を有する(又は該形態に相当する)ラジカル重合性の乳化剤も挙げられる。なお、乳化剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0043】
上記乳化剤の使用量は、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、0.1〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.4〜3重量部である。
【0044】
また、乳化重合の際に必要に応じて用いられる重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アゾ系重合開始剤、過硫酸塩系重合開始剤、過硫酸物系重合開始剤、レドックス系重合開始剤などが挙げられる。上記アゾ系重合開始剤としては、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなどが挙げられる。上記過硫酸塩系重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。上記過硫酸物系重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素などが挙げられる。上記レドックス系重合開始剤としては、例えば、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせ等の過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤が挙げられる。なお、このような重合開始剤は、水溶性の開始剤であってもよく、油溶性の開始剤であってもよい。また、このような重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0045】
上記重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、0.02〜0.5重量部が好ましく、より好ましくは0.08〜0.3重量部である。
【0046】
なお、ポリマーの分子量を調整のため、上記の溶液重合や乳化重合の際には、連鎖移動剤が使用されていてもよい。連鎖移動剤としては、特に限定されないが、例えば、1−ドデカンチオール、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールなどが挙げられる。また、連鎖移動剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。なお、上記連鎖移動剤の使用量は、特に限定されないが、例えば、ポリマーを構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、0.001〜0.5重量部が好ましい。
【0047】
上記アクリル系ポリマー(A)は、高温高湿環境下での粘着シートの白濁を効果的に抑制する点、高温高湿環境下での粘着シートの凝集力を強め発泡しにくくする点、粘着力の観点、及び、粘着剤組成物の塗工性や流動性の点より、架橋されたものであることが好ましく、より好ましくは重量平均分子量が40万〜90万であるアクリル系ポリマーが架橋されたものであることが好ましい。なお、本明細書においては、架橋前のアクリル系ポリマーを、「アクリル系ポリマー(B)」と称する場合がある。つまり、アクリル系ポリマー(A)が架橋されたものである場合、アクリル系ポリマー(B)を架橋することによってアクリル系ポリマー(A)は得られる。
【0048】
アクリル系ポリマー(B)は、架橋剤(特に後述の架橋剤)により、架橋されることが好ましい。
【0049】
アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分の組成とアクリル系ポリマー(B)を構成するモノマー成分の組成は、共通する。アクリル系ポリマー(B)は、メタクリル酸メチル及び水酸基含有モノマーを必須のモノマー成分として構成され、構成するモノマー成分全量(100重量%)中の水酸基含有モノマーの含有量が10〜40重量%であり、構成するモノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを実質的に含まず、重量平均分子量が40万〜90万であるアクリル系ポリマーであることが好ましい。また、アクリル系ポリマー(B)は、メタクリル酸メチル及び水酸基含有モノマーを必須のモノマー成分として構成され、構成するモノマー成分全量(100重量%)中の水酸基含有モノマーの含有量が10〜40重量%であり、構成するモノマー成分全量(100重量%)中のメタクリル酸メチルの含有量が0重量%を超え30重量%以下であり、構成するモノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを実質的に含まず、重量平均分子量が40万〜90万であるアクリル系ポリマーであることがより好ましい。
【0050】
また、アクリル系ポリマー(B)は、アクリル系ポリマー(A)と同様の重合方法により得ることができる。
【0051】
アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量は、特に限定されないが、40万〜90万であることが好ましく、より好ましくは45万〜85万、さらに好ましくは50万〜80万であり、特に好ましくは55万〜75万である。
【0052】
上記アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量は、重合開始剤の種類やその使用量、重合の際の温度や時間の他、モノマー濃度、モノマー滴下速度、連鎖移動剤の使用やその使用量などによりコントロールすることができる。
【0053】
上記の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により測定することができる。具体的には、例えば、下記の測定装置及び測定条件により、ポリスチレン換算値として測定することができる。
[測定サンプルの調製]
アクリル系ポリマーを10mM−LiBr+10mM−リン酸/DMF溶液(溶離液)に溶解させ、前記アクリル系ポリマーの濃度が2.0g/Lの溶液を調製し、一晩放置した後、前記溶液を0.45μmメンブレンフィルターでろ過し、ろ液を測定サンプルとして用いる。
[測定装置及び測定条件]
測定装置:商品名「HLC−8120GPC」(東ソー株式会社製)
カラム:商品名「TSKgel,SuperAWM−H+superAW4000+superAW2500」(東ソー株式会社製)
カラムサイズ:各6.0mmI.D.×150mm
溶離液:10mM−LiBr+10mM−リン酸/DMF
流量:0.4mL/min
検出器:示差屈折計(RI)
カラム温度(測定温度):40℃
注入量:20μL
【0054】
本発明の粘着剤層を構成する粘着剤は、いずれの形態を有している粘着剤であってもよい。例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型(溶液型)粘着剤、活性エネルギー線硬化型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などであってもよい。中でも、本発明の粘着剤層を構成する粘着剤は、生産性の点より、溶剤型粘着剤、エマルジョン型粘着剤であることが好ましい。
【0055】
(粘着剤組成物)
上述のように、本発明の粘着剤層は、粘着剤組成物により形成されることが好ましい。上記粘着剤組成物としては、特に限定されないが、例えば、上記アクリル系ポリマー(アクリル系ポリマー(A)及び/又はアクリル系ポリマー(B))を必須成分とするアクリル系粘着剤組成物、アクリル系ポリマー(A)を構成する単量体(モノマー)の混合物(「モノマー混合物」と称する場合がある)又はその部分重合物を必須成分とするアクリル系粘着剤組成物などが挙げられる。なお、前者としては、例えば、いわゆる溶剤型の粘着剤組成物、エマルジョン型の粘着剤組成物などが挙げられる。また、後者としては、例えば、いわゆる活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物などが挙げられる。なお、上記粘着剤組成物には、さらに必要に応じて、添加剤が含まれていてもよい。
【0056】
上記「モノマー混合物」とは、ポリマーを構成するモノマー成分のみからなる混合物を意味する。また、上記「部分重合物」とは、上記モノマー混合物の構成成分のうち1又は2以上の成分が部分的に重合している組成物を意味する。
【0057】
なお、上記の溶剤型の粘着剤組成物は、溶液重合方法により得られたアクリル系ポリマー及び有機溶剤を含む溶剤型の粘着剤組成物であってもよいし、溶液重合以外の重合方法により得られたアクリル系ポリマーを有機溶剤に溶解させることにより得られた溶剤型の粘着剤組成物であってもよい。また、上記のエマルジョン型の粘着剤組成物は、乳化重合方法により得られたアクリル系ポリマー及び水を含む水分散型の粘着剤組成物であってもよいし、乳化重合方法以外の重合方法により得られたアクリル系ポリマーを水に分散させることにより得られる水分散型の粘着剤組成物であってもよい。
【0058】
上記粘着剤組成物は、特に限定されないが、例えば、上記アクリル系ポリマー(アクリル系ポリマー(A)及び/又はアクリル系ポリマー(B))、さらに必要に応じて、水や有機溶剤などの溶媒、添加剤等を混合することにより、得ることができる。
【0059】
上記粘着剤組成物(又は本発明の粘着剤層)は、本発明の粘着剤層の凝集力を一層大きくするためや、粘着剤層のゲル分率をコントロールするために、架橋剤を含有することが好ましい。
【0060】
特に、本発明の粘着剤層は、上記に加えて、高温高湿環境下での粘着シートの白濁を効果的に抑制する点、高温高湿環境下での粘着シートの凝集力を強め発泡しにくくする点、粘着力の点、及び、粘着剤組成物の塗工性や流動性の点より、重量平均分子量40万〜90万(より好ましくは45万〜85万、さらに好ましくは50万〜80万、特に好ましくは55万〜75万)のアクリル系ポリマー(アクリル系ポリマー(B))と架橋剤とを少なくとも含む粘着剤組成物により形成されることがより好ましい。
【0061】
上記架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。なお、上記架橋剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0062】
中でも、上記架橋剤としては、高温高湿環境下での耐発泡剥がれ性を向上させる点、また、光学特性の観点から、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましく、より好ましくはイソシアネート系架橋剤である。
【0063】
上記イソシアネート系架橋剤(多官能イソシアネート化合物)としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類などが挙げられる。また、上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物[日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートL」]、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート付加物[日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートHL」]、トリメチロールプロパン/キシリレンジイソシアネート付加物[三井化学株式会社製、商品名「タケネートD−110N」]、商品名「デュラネート」(旭化成ケミカルズ株式会社製、ヘキサメチレンジイソシアネート系のイソシアネート化合物)などの市販品も挙げられる。
【0064】
上記エポキシ系架橋剤(多官能エポキシ化合物)としては、例えば、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテル、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。また、上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、三菱ガス化学株式会社製、商品名「テトラッドC」などの市販品も挙げられる。
【0065】
上記粘着剤組成物(又は本発明の粘着剤層)における上記架橋剤の含有量は、特に限定されないが、アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.001〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜5重量部である。例えば、本発明の粘着剤層がアクリル系ポリマー(B)及び上記架橋剤を少なくとも含む粘着剤組成物により形成される場合、この粘着剤組成物における上記架橋剤の含有量は、特に限定されないが、アクリル系ポリマー(B)100重量部に対して、0.001〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜5重量部である。上記架橋剤の含有量が0.001重量部以上であると、高温高湿環境下での耐発泡剥がれ性が向上しやすく、好ましい。一方、架橋剤の含有量が10重量部以下であると、粘着剤層が適度な柔軟性を有し、粘着力が向上しやすく、好ましい。
【0066】
上記粘着剤組成物(又は本発明の粘着剤層)には、さらに、ガラスに対する接着性(特に、高温高湿環境下でのガラスに対する接着信頼性)向上を目的として、シランカップリング剤が含まれていてもよい。上記シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。中でも、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。上記シランカップリング剤としては、例えば、商品名「KBM−403」(信越化学工業株式会社製)などの市販品も挙げられる。なお、上記シランカップリング剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0067】
上記粘着剤組成物(又は本発明の粘着剤層)における上記シランカップリング剤の含有量は、高温高湿環境下でのガラスに対する接着信頼性向上の点から、アクリル系ポリマーに対して、0.01〜1重量部が好ましく、より好ましくは0.03〜0.5重量部である。
【0068】
なお、上記粘着剤組成物(又は本発明の粘着剤層)には、必要に応じて、架橋促進剤、粘着付与樹脂(ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノールなど)、老化防止剤、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤などの公知の添加剤が、本発明の特性を損なわない範囲で含まれていてもよい。また、上記粘着剤組成物には、各種の一般的な溶剤(例えば、上記の溶液重合に際して使用される溶剤など)や水が含まれていてもよい。
【0069】
本発明の粘着剤層は、特に限定されないが、例えば、上記粘着剤組成物を基材又は剥離ライナー上に塗布(塗工)し、必要に応じて、乾燥及び/又は硬化させることによって形成することができる。上記粘着剤組成物の塗布(塗工)には、公知のコーティング法が利用されてもよい。例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、コンマコーター、ダイレクトコーターなどの慣用のコーターが用いられてもよい。
【0070】
本発明の粘着剤層のゲル分率(溶剤不溶成分の割合)は、70〜100%(重量%)であり、好ましくは75〜95%、より好ましくは80〜95%である。上記ゲル分率は、酢酸エチル不溶分として求めることができ、具体的には、粘着剤層を酢酸エチル中に23℃で7日間浸漬した後の不溶成分の、浸漬前の試料に対する重量分率(単位:重量%)として求められる。ゲル分率が70%以上であるので、粘着剤層の凝集力が向上し、高温高湿環境下での発泡が抑制することができ、さらに、被着体に対する接着性を向上でき、高温高湿環境下での剥がれが抑制できる。さらにまた、ヘイズを小さくして、高い透明性を得ることができる。
【0071】
上記ゲル分率(溶剤不溶成分の割合)は、具体的には、例えば、以下の「ゲル分率の測定方法」により算出される値である。
(ゲル分率の測定方法)
粘着シートから粘着剤層:約0.1gを採取し、平均孔径0.2μmの多孔質テトラフルオロエチレンシート(商品名「NTF1122」、日東電工株式会社製)に包んだ後、凧糸で縛り、その際の重量を測定し、該重量を浸漬前重量とする。なお、該浸漬前重量は、粘着剤層(上記で採取した粘着剤層)と、テトラフルオロエチレンシートと、凧糸との総重量である。また、テトラフルオロエチレンシートと凧糸との合計重量も測定しておき、該重量を包袋重量とする。
次に、粘着剤層をテトラフルオロエチレンシートで包み凧糸で縛ったもの(「サンプル」と称する)を、酢酸エチルで満たした50ml容器に入れ、23℃にて7日間静置する。その後、容器からサンプル(酢酸エチル処理後)を取り出して、アルミニウム製カップに移し、130℃で2時間、乾燥機中で乾燥して酢酸エチルを除去した後、重量を測定し、該重量を浸漬後重量とする。
そして、下記の式からゲル分率を算出する。
ゲル分率(重量%)=(X−Y)/(Z−Y)×100
(上記式において、Xは浸漬後重量であり、Yは包袋重量であり、Zは浸漬前重量である。)
【0072】
なお、上記ゲル分率は、例えば、ポリマーのモノマー組成、重量平均分子量、架橋剤の使用量(添加量)等により制御することができる。
【0073】
本発明の粘着剤層の全光線透過率(JIS K 7361−1に準じる)は、特に限定されないが、85%以上が好ましく、より好ましくは90%以上である。上記全光線透過率は、例えば、ヘイズメーターを用い、JIS K 7361−1に準じて測定することができる。
【0074】
本発明の粘着剤層のヘイズ(JIS K7136に準じる)は、特に限定されないが、5.0%以下が好ましく、より好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは2.0%以下、特に好ましくは1.5%以下である。上記ヘイズは、例えば、ヘイズメーターを用い、JIS K 7136に準じて測定することができる。
【0075】
本発明の粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、10〜500μmが好ましく、より好ましくは10〜250μm、さらに好ましくは10〜100μmである。上記厚みが10μm以上であると、貼り付け時に発生する応力が分散されやすく、剥がれが生じにくくなり、好ましい。一方、上記厚みが100μm以下であると、粘着シートを巻き取る際にシワが生じにくくなり、また側面への粘着剤のはみだしを抑制でき、好ましい。
【0076】
[他の粘着剤層]
本発明の粘着シートは、他の粘着剤層(本発明の粘着剤層以外の粘着剤層)を有していてもよい。上記他の粘着剤層としては、特に限定されないが、例えば、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の粘着剤から形成された公知乃至慣用の粘着剤層が挙げられる。なお、上記粘着剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0077】
[基材]
本発明の粘着シートは、後述のように、基材を有する粘着シート(基材付き粘着シート)であってもよい。上記基材としては、特に限定されないが、例えば、プラスチックフィルム、反射防止(AR)フィルム、偏光板、位相差板などの各種光学フィルムが挙げられる。上記プラスチックフィルムなどの素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、商品名「アートン(環状オレフィン系ポリマー;JSR製)」、商品名「ゼオノア(環状オレフィン系ポリマー;日本ゼオン製)」等の環状オレフィン系ポリマーなどのプラスチック材料が挙げられる。なお、これらのプラスチック材料は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。また、上記の「基材」とは、粘着シートを被着体(光学部材等)に貼付する際には、粘着剤層とともに被着体に貼付される部分である。粘着シートの使用時(貼付時)に剥離されるセパレータ(剥離ライナー)は「基材」には含まない。
【0078】
上記基材は、透明であることが好ましい。上記基材の可視光波長領域における全光線透過率(JIS K7361−1に準じる)は、特に限定されないが、85%以上が好ましく、より好ましくは90%以上である。また、上記基材のヘイズ(JIS K7136に準じる)は、特に限定されないが、2.0%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下である。このような透明な基材としては、例えば、PETフィルムや、商品名「アートン」、商品名「ゼオノア」などの無配向フィルムなどが挙げられる。
【0079】
上記基材の厚みは、特に限定されないが、例えば、12〜75μmが好ましい。なお、上記基材は単層および複層のいずれの形態を有していてもよい。また、上記基材の表面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理等の物理的処理、下塗り処理等の化学的処理などの公知慣用の表面処理が適宜施されていてもよい。
【0080】
[本発明の粘着シート]
本発明の粘着シートは、本発明の粘着剤層を少なくとも1層有していればよく、特に限定されないが、両面が粘着面となっている両面粘着シートであってもよいし、片面のみが粘着面となっている片面粘着シートであってもよい。中でも、本発明の粘着シートは、2つの部材同士を貼り合わせる観点からは、両面粘着シートであることが好ましい。
【0081】
また、本発明の粘着シートは、基材(基材層)を有しない、いわゆる基材レス粘着シートであってもよいし、基材を有する粘着シート(基材付き粘着シート)であってもよい。
【0082】
本発明の粘着シートが基材レス粘着シートである場合、その具体的な構成としては、例えば、本発明の粘着剤層のみからなる両面粘着シート、本発明の粘着剤層及びその他の粘着剤層(本発明の粘着剤層以外の粘着剤層)からなる両面粘着シートなどが挙げられる。また、本発明の粘着シートが基材付き粘着シートである場合、その具体的な構成としては、例えば、基材の片面側に本発明の粘着剤層を有する片面粘着シート、基材の両面側に本発明の粘着剤層を有する両面粘着シート、基材の一方の面側に本発明の粘着剤層を有し、基材の他方の面側にその他の粘着剤層を有する両面粘着シートなどが挙げられる。
【0083】
中でも、本発明の粘着シートは、被着体や部材等の種類を限定せず、多様な被着体や部材等と貼り合わせに用いることができるため、基材レス粘着シートが好ましく、本発明の粘着剤層のみからなる両面粘着シートがより好ましい。
【0084】
なお、本発明の粘着シートは、本発明の粘着剤層、他の粘着剤層、基材以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。
【0085】
本発明の粘着シートは、使用時までは粘着面にセパレータ(剥離ライナー)が設けられていてもよい。なお、本発明の粘着シートが両面粘着シートである場合、各粘着面は、2枚のセパレータによりそれぞれ保護されていてもよいし、両面が剥離面となっているセパレータ1枚により、ロール状に巻回される形態で保護されていてもよい。セパレータは粘着剤層の保護材として用いられ、被着体に貼付する際に剥がされる。また、本発明の粘着シートが基材レス粘着シートの場合、セパレータは粘着剤層の支持体としての役割も担う。なお、セパレータは必ずしも設けられなくてもよい。上記セパレータとしては、慣用の剥離紙などを使用でき、特に限定されないが、例えば、剥離処理層を有する基材、フッ素ポリマーからなる低接着性基材や無極性ポリマーからなる低接着性基材などを用いることができる。上記剥離処理層を有する基材としては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離処理剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙等が挙げられる。上記フッ素ポリマーからなる低接着性基材におけるフッ素系ポリマーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体等が挙げられる。また、上記無極性ポリマーとしては、例えば、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)等が挙げられる。なお、セパレータは公知乃至慣用の方法により形成することができる。また、セパレータの厚さ等も特に限定されない。
【0086】
本発明の粘着シートの厚み(総厚み)は、特に限定されないが、10〜500μmが好ましく、より好ましくは10〜250μmである。厚みが10μm以上であると、厚みにムラのない粘着シートが生産しやすく、また、粘着力、耐発泡特性等のテープ特性の発揮しやすさの点で有利となり、好ましい。一方、厚みが500μm以下であると、加工性や生産性の点で有利となり、好ましい。なお、本発明の粘着シートの厚みには、セパレータの厚みは含めないものとする。
【0087】
本発明の粘着シートの全光線透過率(可視光波長領域における全光線透過率、JIS K7361−1に準じる)は、特に限定されないが、85%以上が好ましく、より好ましくは90%以上である。粘着シートの全光線透過率が85%以上であると、粘着シートを貼付した光学部材や光学製品の透明性や外観を向上させることができ、好ましい。上記全光線透過率は、例えば、ヘイズメーターを用い、JIS K 7361−1に準じて測定することができる。
【0088】
本発明の粘着シートのヘイズ(JIS K7136に準じる)は、特に限定されないが、5.0%以下が好ましく、より好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは2.0%以下、特に好ましくは1.5%以下である。粘着シートのヘイズが2.0%以下であると、粘着シートを貼付した光学部材や光学製品の透明性や外観を向上させることができ、好ましい。上記ヘイズは、例えば、ヘイズメーターを用い、JIS K 7136に準じて測定することができる。
【0089】
本発明の粘着シートは、特に限定されないが、公知乃至慣用の粘着シートの製造方法に従って製造されてもよい。例えば、本発明の粘着シートが基材レス粘着シートである場合には、セパレータ上に上述の方法により本発明の粘着剤層を形成することにより製造されてもよい。本発明の粘着シートが基材付き粘着シートである場合には、本発明の粘着剤層を基材の表面に直接形成することにより製造されてもよいし(直写法)、いったんセパレータ上に本発明の粘着剤層を形成した後、基材に転写する(貼り合わせる)ことにより製造されてもよい(転写法)。
【0090】
本発明の粘着シートは、本発明の粘着剤層を有するので、高温高湿環境下での耐白濁性、高温高湿環境下での耐発泡剥がれ性、さらに耐腐食性に優れる。このため、本発明の粘着シートを用いて光学部材を貼り合わせた場合には、高温高湿環境下において発泡や剥がれを生じにくく、さらに高温高湿環境下でも白化(白濁化)しにくいため、光学部材や該部材を用いて製造された製品(光学製品)が高温高湿環境下に置かれた場合であっても、外観や表示部等の視認性に悪影響を与えない。また、本発明の粘着シートは、被着体の腐食を生じさせにくいため、本発明の粘着シートを用いて光学部材を貼り合わせた場合であっても、外観や表示部等の視認性に悪影響を与えない。
【0091】
このため、本発明の粘着シートは、光学用途に好適に用いることができる。つまり、本発明の粘着シートは、光学用途に用いられる光学用粘着シートであってもよい。より具体的には、本発明の粘着シートは、光学部材を貼り合わせる用途(光学部材貼り合わせ用)や上記光学部材が用いられた製品(光学製品)の製造用途などに用いられる光学用粘着シートであってもよい。
【0092】
上記光学部材とは、光学的特性(例えば、偏光性、光屈折性、光散乱性、光反射性、光透過性、光吸収性、光回折性、旋光性、視認性など)を有する部材をいう。上記光学部材としては、光学的特性を有する部材であれば特に限定されないが、例えば、表示装置(画像表示装置)、入力装置等の機器(光学機器)を構成する部材又はこれらの機器に用いられる部材が挙げられ、例えば、偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、導光板、反射フィルム、反射防止フィルム、透明導電フィルム(ITOフィルム)、意匠フィルム、装飾フィルム、表面保護板、プリズム、レンズ、カラーフィルター、透明基板や、さらにはこれらが積層されている部材(これらを総称して「機能性フィルム」と称する場合がある)などが挙げられる。なお、上記の「板」及び「フィルム」は、それぞれ板状、フィルム状、シート状等の形態を含むものとし、例えば、「偏光フィルム」は、「偏光板」、「偏光シート」を含むものとする。
【0093】
上記表示装置としては、例えば、液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)、電子ペーパーなどが挙げられる。また、上記入力装置としては、タッチパネルなどが挙げられる。
【0094】
上記光学部材としては、特に限定されないが、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、金属薄膜などからなる部材(例えば、シート状やフィルム状、板状の部材など)などが挙げられる。なお、本発明における「光学部材」には、上記の通り、被着体である表示装置や入力装置の視認性を保ちながら加飾や保護の役割を担う部材(意匠フィルム、装飾フィルムや表面保護フィルム等)も含むものとする。
【0095】
本発明の粘着シートによる光学部材の貼り合わせの態様としては、特に限定されないが、例えば、(1)本発明の粘着シートを介して光学部材同士を貼り合わせる態様、(2)本発明の粘着シートを介して光学部材を光学部材以外の部材に貼り合わせる態様であってもよいし、(3)光学部材を含む本発明の粘着シートを、光学部材又は光学部材以外の部材に貼り合わせる態様であってもよい。なお、上記(3)の態様においては、本発明の粘着シートは、基材が光学部材(例えば、光学フィルムなど)である両面粘着シートであることが好ましい。
【0096】
本発明の粘着シートが基材付き粘着シートであって、上記基材として上記機能性フィルムを用いた場合には、本発明の粘着シートを、機能性フィルムの少なくとも片面側に本発明の粘着剤層を有する「粘着型機能性フィルム」として使用することもできる。
【実施例】
【0097】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0098】
実施例1
モノマー成分として、アクリル酸ブチル(BA):42重量部、アクリル酸エチル(EA):13重量部、メタクリル酸メチル(MMA):15重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(4HBA):30重量部、及び重合溶媒として酢酸エチル:175重量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部を加え、65℃に昇温して5時間反応させた。その後、70℃に昇温し、2時間反応させた。その後、酢酸エチルを加え、固形分濃度30重量%のアクリル系ポリマー溶液を得た。なお、上記アクリル系ポリマー溶液におけるアクリル系ポリマーの重量平均分子量は、70万であった。
【0099】
次に、上記アクリル系ポリマー溶液に、上記アクリル系ポリマー:100重量部に対して、架橋剤(イソシアネート系架橋剤、商品名「タケネート D110N」、三井化学株式会社製):0.3重量部を加えて混合し、アクリル系粘着剤組成物を得た。
【0100】
次に、上記アクリル系粘着剤組成物を、表面が剥離処理されたポリエチレンテレフタレートセパレータ(PETセパレータ)(商品名「MRF75」、三菱樹脂株式会社製)の剥離処理面上に、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、135℃で2分間の加熱乾燥を行い、さらに、23℃で120時間エージングを行って、粘着シート(アクリル系粘着剤層/剥離フィルムの構成を有する基材レス粘着シート)を得た。
【0101】
実施例2
架橋剤の量を0.5重量部とし、実施例1と同様にして、粘着シート(アクリル系粘着剤層/剥離フィルムの構成を有する基材レス粘着シート)を得た。
【0102】
実施例3
架橋剤の量を0.8重量部とし、実施例1と同様にして、粘着シート(アクリル系粘着剤層/剥離フィルムの構成を有する基材レス粘着シート)を得た。
【0103】
実施例4
モノマー成分として、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA):63重量部、N−ビニルピロリドン(NVP):15重量部、メタクリル酸メチル(MMA):9重量部、アクリル酸ヒドロキシエチル(HEA):13重量部、及び重合溶媒として酢酸エチル:175重量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部を加え、65℃に昇温して5時間反応させた。その後、70℃に昇温し、2時間反応させた。その後、酢酸エチルを加え、固形分濃度30重量%のアクリル系ポリマー溶液を得た。なお、上記アクリル系ポリマー溶液におけるアクリル系ポリマーの重量平均分子量は、75万であった。
【0104】
次に、上記アクリル系ポリマー溶液に、上記アクリル系ポリマー:100重量部に対して、架橋剤(イソシアネート系架橋剤、商品名「デュラネート 21S−75E」、旭化成ケミカルズ株式会社製):0.5重量部を加えて混合し、アクリル系粘着剤組成物を得た。
【0105】
上記アクリル系粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様にして、粘着シート(アクリル系粘着剤層/剥離フィルムの構成を有する基材レス粘着シート)を得た。
【0106】
実施例5
架橋剤を、架橋剤(イソシアネート系架橋剤、商品名「デュラネート T4330−75B」、旭化成ケミカルズ株式会社製):0.3重量部とし、実施例4と同様にして、粘着シート(アクリル系粘着剤層/剥離フィルムの構成を有する基材レス粘着シート)を得た。
【0107】
実施例6
架橋剤の量を、0.5重量部とし、実施例5と同様にして、粘着シート(アクリル系粘着剤層/剥離フィルムの構成を有する基材レス粘着シート)を得た。
【0108】
実施例7
モノマー成分として、アクリル酸ブチル(BA):55重量部、アクリル酸エチル(EA):10重量部、メタクリル酸メチル(MMA):15重量部、アクリル酸ヒドロキシエチル(HEA):20重量部、及び重合溶媒として酢酸エチル:175重量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部を加え、65℃に昇温して5時間反応させた。その後、70℃に昇温し、2時間反応させた。その後、酢酸エチルを加え、固形分濃度30重量%のアクリル系ポリマー溶液を得た。なお、上記アクリル系ポリマー溶液におけるアクリル系ポリマーの重量平均分子量は、76万であった。
【0109】
次に、上記アクリル系ポリマー溶液に、上記アクリル系ポリマー:100重量部に対して、架橋剤(イソシアネート系架橋剤、商品名「タケネート D110N」、三井化学株式会社製):0.3重量部を加えて混合し、アクリル系粘着剤組成物を得た。
【0110】
上記アクリル系粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様にして、粘着シート(アクリル系粘着剤層/剥離フィルムの構成を有する基材レス粘着シート)を得た。
【0111】
実施例8
架橋剤の量を0.5重量部とし、実施例7と同様にして、粘着シート(アクリル系粘着剤層/剥離フィルムの構成を有する基材レス粘着シート)を得た。
【0112】
比較例1
モノマー成分として、アクリル酸ブチル(BA):93重量部、アクリル酸(AA):7重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(4HBA):0.05重量部、及び重合溶媒として酢酸エチル:175重量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部を加え、63℃に昇温して10時間反応させた。その後、酢酸エチルを加え、固形分濃度30重量%のアクリル系ポリマー溶液を得た。なお、上記アクリル系ポリマー溶液におけるアクリル系ポリマーの重量平均分子量は、80万であった。
【0113】
次に、上記アクリル系ポリマー溶液に、上記アクリル系ポリマー:100重量部に対して、架橋剤(エポキシ系架橋剤、商品名「TETRAD−C」、三菱ガス化学株式会社製):0.10重量部を加えて混合し、アクリル系粘着剤組成物を得た。
【0114】
上記アクリル系粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様にして、粘着シート(アクリル系粘着剤層/剥離フィルムの構成を有する基材レス粘着シート)を得た。
【0115】
比較例2
架橋剤の量を0.15重量部とし、比較例1と同様にして、粘着シート(アクリル系粘着剤層/剥離フィルムの構成を有する基材レス粘着シート)を得た。
【0116】
比較例3
架橋剤の量を0.1重量部とし、実施例7と同様にして、粘着シート(アクリル系粘着剤層/剥離フィルムの構成を有する基材レス粘着シート)を得た。
【0117】
比較例4
モノマー成分として、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA):85重量部、アクリル酸(AA):15重量部、及び重合溶媒として酢酸エチル:175重量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部を加え、63℃に昇温して10時間反応させた。その後、酢酸エチルを加え、固形分濃度30重量%のアクリル系ポリマー溶液を得た。なお、上記アクリル系ポリマー溶液におけるアクリル系ポリマーの重量平均分子量は、90万であった。
【0118】
次に、上記アクリル系ポリマー溶液に、上記アクリル系ポリマー:100重量部に対して、架橋剤(イソシアネート系架橋剤、商品名「タケネート D110N」、三井化学株式会社製):0.13重量部を加えて混合し、アクリル系粘着剤組成物を得た。
【0119】
上記アクリル系粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様にして、粘着シート(アクリル系粘着剤層/剥離フィルムの構成を有する基材レス粘着シート)を得た。
【0120】
(評価)
実施例及び比較例で得た両面粘着シートについて、以下の測定又は評価を行った。
【0121】
(1)ゲル分率
粘着シートの粘着剤層のゲル分率(重量%)は、上述の(ゲル分率の測定方法)により、求めた。
【0122】
(2)全光線透過率
粘着シートの粘着剤層表面を、スライドガラス(商品名「MICRO SLIDE GLASS」、品番「S」、松浪硝子株式会社製、厚さ1.3mm、全光線透過率91.8%、ヘイズ0.1%、水縁磨)に貼り付け、温度23℃、湿度50%RHの環境下で30分間放置して、放置後剥離フィルムを取り除き、試験片とした。
上記試験片の各波長の光の透過率を、23℃、50%RHの環境下において、ヘイズメーター(商品名「HM−150」、株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。
光の透過率の測定は、JIS K 7361−1に準じて行った。
【0123】
(3)ヘイズ
粘着シートの粘着剤層表面を、スライドガラス(商品名「MICRO SLIDE GLASS」、品番「S」、松浪硝子株式会社製、厚さ1.3mm、全光線透過率91.8%、ヘイズ0.1%、水縁磨)に貼り付け、温度23℃、湿度50%RHの環境下で30分間放置して、放置後剥離フィルムを取り除き、試験片とした。
上記試験片のヘイズを、23℃、50%RHの環境下において、ヘイズメーター(商品名「HM−150」、株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。
ヘイズの測定は、JIS K 7136に準じて行った。
【0124】
(4)耐白濁性
粘着シートの一方の粘着面に、透明導電性フィルム(HC(クリアハードコート層)/PET層(PET基材層)/ITO層の層構成を有するフィルム)をHC面(クリアハードコート面)が接するように貼り合わせた。そして、得られた積層構造体(「粘着シート(粘着剤層)/透明導電性フィルム」の層構成を有する)を140℃の温度環境下に90分放置してITOを結晶化させた。次いで、上記積層構造体の他方の粘着面とガラス(商品名「MICRO SLIDE GLASS」、品番「S−1111」、松浪硝子株式会社製)とを貼り合わせて、試験片とした。なお、該試験片の概略断面図を図1に示した。
上記試験片のヘイズを、23℃、50%RHの環境下において、ヘイズメーター(商品名「HM−150」、株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。そして、ヘイズ(初期ヘイズ)が2.0%以下であることを確認した。
次いで、上記試験片を60℃、95%RHの環境下(湿熱環境下)に500時間保存した後、23℃、50%RHの環境下に取り出し、取り出し直後の試験片のヘイズを、上記と同様に測定した。
そして、下記基準で評価した。
取り出し直後の試験片のヘイズが2.0%未満:◎(耐白濁性極めて良好)
取り出し直後の試験片のヘイズが2.0%以上5.0%未満:○(耐白濁性良好)
取り出し直後の試験片のヘイズが5.0%以上:×(耐白濁性不良)
【0125】
(5)耐発泡剥がれ性(耐発泡性及び耐剥がれ性)
粘着シートの一方の粘着面に、HC面が接するように、ITO付きポリカーボネート(厚さが0.15mmであり、一方の表面にITO層有し、他方の表面がクリアハードコート面(HC面)であるポリカーボネートフィルム)を貼り合わせた。また、粘着シートの他方の粘着面にも同様に、HC面が接するように、上記ITO付きポリカーボネートを貼り合わせた。そして、得られた積層構造体(「ITO付きポリカーボネート/粘着シート(粘着剤層)/ITO付きポリカーボネート」の層構成を有する)を50℃の温度環境下に1日間放置して十分になじませ、試験片とした。なお、該試験片の概略断面図を図2に示した。
次に、上記試験片を60℃、95%RHの環境下(湿熱環境下)に500時間保存した後、粘着剤層とポリカーボネート板との接着界面及び粘着剤層と透明導電性フィルムとの接着界面を目視で観察し、発泡及び剥がれの有無を確認した。
発泡(耐発泡性)については、発泡が生じなかった場合又は発生した泡の平均径が1mm未満であった場合を○(耐発泡性良好)とし、発生した泡の平均径が1mm以上であった場合を×(耐発泡性不良)と評価した。
また、剥がれ(耐剥がれ性)については、剥がれが発生しなかった場合を○(耐剥がれ性良好)とし、剥がれが発生した場合を×(耐剥がれ性不良)と評価した。
結果を表1の「耐発泡性」の欄及び「耐剥がれ性」の欄にそれぞれ示した。
【0126】
(6)耐腐食性(信頼性)
粘着シートの一方の粘着面に、PETフィルム(商品名「ルミラー S−10 #25」、東レ株式会社製、厚さ25μm)を貼り合わせ、幅20mm×長さ50mmのサイズに切り出し、試験片(試験片31)とした。
図3及び図4に示すように、導電性PETフィルム32(商品名「エレクリスタ V−270 TFMP」、日東電工株式会社製)(サイズ:長さ70mm×幅25mm)のITO膜形成面32aの両端部に15mm幅で銀ペースト33を塗布し、そのITO膜形成面32a側に上記試験片31の粘着面を貼り合わせて、積層体(試験片31と導電性PETフィルム32との積層体)(抵抗値測定サンプル)を得た。上記積層体を23℃の環境下で24時間放置した後、抵抗値を測定し、これを「貼付直後の抵抗値」とした。次いで、上記積層体を60℃、95%RHの環境下(湿熱環境下)の環境下で500時間放置した後、抵抗値を測定し、これを「湿熱後の抵抗値」とした。
なお、上記の抵抗値は、日置電気株式会社製「3540 ミリオームハイテスタ」を用いて、上記積層体の両端の銀ペースト33の表面に電極をつけて測定した。
上述のように測定した「貼付直後の抵抗値」および「湿熱後の抵抗値」を用いて、次式にて抵抗値変化率を算出した。
「抵抗値変化率」(%)=100×(「湿熱後の抵抗値」−「貼付直後の抵抗値」)/「貼付直後の抵抗値」
上記抵抗値変化率が、110%未満の場合を○(抵抗値の上昇幅が小さい、耐腐食性(信頼性)良好)、110%以上の場合を×(抵抗値の上昇幅が大きい、耐腐食性(信頼性)不良)と判定した。
なお、結果は表1の「耐腐食性」の欄に示した。
【0127】
【表1】

【0128】
表1中の略語は以下の通りである。
BA:アクリル酸n−ブチル
EA:アクリル酸エチル
MMA:メタクリル酸メチル
4HBA:アクリル酸4−ヒドロキシブチル
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
NVP:N−ビニルピロリドン
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル
AA:アクリル酸
タケネート D110N:イソシアネート系架橋剤(商品名「タケネート D110N」、三井化学株式会社製)
デュラネート 21S−75E:イソシアネート系架橋剤(商品名「デュラネート 21S−75E」、旭化成ケミカルズ株式会社製)
デュラネート T4330−75B:イソシアネート系架橋剤(商品名「デュラネート T4330−75B」、旭化成ケミカルズ株式会社製)
テトラッドC:エポキシ系架橋剤(商品名「TETRAD−C」、三菱ガス化学株式会社製)
【符号の説明】
【0129】
1 試験片
11 透明導電性フィルム
111 ITO層
12 粘着シート
13 ガラス
2 試験片
21 ITO付きポリカーボネート
211 ITO層
22 粘着シート
32 粘着シート
31 試験片
31a PETフィルム
31b 絶縁テープ
32 導電性PETフィルム
32a ITO膜形成面
33 銀ペースト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤層を備えた粘着シートであり、
前記粘着剤層がアクリル系ポリマー(A)を含有し、
アクリル系ポリマー(A)がメタクリル酸メチル及び水酸基含有モノマーを必須のモノマー成分として構成され、
アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中の前記水酸基含有モノマーの含有量が10〜40重量%であり、
アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分としてカルボキシル基含有モノマーを実質的に含まず、
前記粘着剤層のゲル分率が70〜100重量%であることを特徴とする粘着シート。
【請求項2】
アクリル系ポリマー(A)が、重量平均分子量が40万〜90万であるアクリル系ポリマー(B)を架橋して得られたものである請求項1記載の粘着シート。
【請求項3】
アクリル系ポリマー(A)を構成するモノマー成分全量(100重量%)中のメタクリル酸メチルの含有量が、0重量%を超え30重量%以下である請求項1又は2記載の粘着シート。
【請求項4】
光学用粘着シートである請求項1〜3の何れか1項に記載の粘着シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−104006(P2013−104006A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249461(P2011−249461)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】