説明

粘着テープ、並びにその製造及び使用方法

【課題】 長期間の使用にも耐えるような耐侯性や透明性などの物性に優れ、使用時までは汚染から保護され、また、伸縮性があって、被着体表面が曲面などの多種多様な形状に対しても貼着でき、さらに、短い工程で低コストで製造できる粘着テープを提供する。
【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂からなり、かつ剥離層を兼ねる支持層13、熱可塑性アクリルエラストマーからなる柔軟性基材層11、印刷層21、及び粘着層19からなることを特徴とし、柔軟性基材層11の100%モジュラスが15MPa以下であることも特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープに関し、さらに詳しくは、曲面や絞り加工に用いる保護用、医療用、車両用などの伸び及び意匠性に優れる粘着テープ、並びにその製造及び使用方法に関するものである。
【0002】
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「PP」は「ポリプロピレン」、「LDPE」は「低密度ポリエチレン」、「MDPE」は「中密度ポリエチレン」、「HDPE」は「高密度ポリエチレン」、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)従来、表面の保護や、表面の装飾の目的でテープ状の粘着部材(粘着テープ)を被着体へ貼着することが多かったが、その被着体は平面ばかりではなく、被着体には、意匠性などが付与された場合や、表面に凹凸がある場合や、また汚れ防止加工処理が施されている場合や、曲面などの多種多様な形状に対して行われてきた。絞り加工時の保護テープ、医療用テープ、車両などの曲面への貼り合せにおいては、支持層の伸縮が重要な物性として位置づけられ、貼り合せ後にシワの発生や浮きなどが無いようにテープの構成を調整する必要があった。しかしながら、安いイメージの通常の粘着テープと比較すると、材料コスト及び製造コストが大きく影響し、高価な粘着テープというイメージが高く、汎用性が低いという課題があった。
従って、粘着テープは、長期間の使用にも耐えるような耐侯性や透明性などの物性が維持され、使用時までは汚染から保護され、また、伸縮性があって、被着体表面が曲面などの多種多様な形状に対しても貼着できる粘着テープが求められ、さらに、短い工程で低コストで製造できる粘着テープの製造及び使用方法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−245805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(従来技術)従来、PET、PP、セロハン等を支持層とし、ポリウレタンやポリアミド等の熱可塑性エラストマからなる粘着層を用いた粘着テープでは、伸びが乏しかった。そこで、曲面用には軟質塩化ビニルを用いた粘着テープ使用されてきた。しかしながら、軟質塩化ビニルには、可塑剤のブリードによる硬質化等の物性低下問題や粘着層の変質問題などの種々の問題点があった。また、粘着テープとして、柔軟なアクリルポリマーベースの粘着テープが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、セパレーター支持層上へ反応性アクリルポリマー(柔軟層)とアクリル粘着剤を塗布する手法においては、セパレーターの値段が高く、また、柔軟層と粘着層の2回の形成工程を必要とするために、製造での工程の多さ、材料面でも高コストであるという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明は上記のような問題点を解消するために、本発明者らは鋭意研究を進め、本発明の完成に至ったものである。その目的は、長期間の使用にも耐えるような耐侯性や透明性などの物性が維持され、使用時までは汚染から保護され、また、伸縮性があって、被着体表面が曲面などの多種多様な形状に対しても貼着でき、さらに、短い工程で低コストで製造できる粘着テープを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1の発明に係わる粘着テープは、ポリオレフィン系樹脂からなる支持層、熱可塑性アクリルエラストマーからなる柔軟性基材層、印刷層、及び粘着層からなる粘着テープであって、前記支持層が剥離層を兼ねているように、したものである。
請求項2の発明に係わる粘着テープは、上記柔軟性基材層の熱可塑性アクリルエラストマーが式A−B−A(式中、A及びBはそれぞれ異なる重合体ブロックを表し、重合体Aはメタクリル酸アルキルエステル単位からなり、重合体Bはアクリル酸アルキルエステル単位からなる)で表されるトリブロック共重合体を含むものであるように、したものである。
請求項3の発明に係わる粘着テープは、上記重合体ブロックA及びBが炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単位及びアクリル酸アルキルエステル単位から主としてなるように、したものである。
請求項4の発明に係わる粘着テープは、上記重合体ブロックAがメタクリル酸メチル重合体ブロックであり,上記重合体ブロックBがアクリル酸ブチル重合体ブロックであるように、したものである。
請求項5の発明に係わる粘着テープは、上記熱可塑性アクリルエラストマーの100%モジュラスが15MPa以下であるように、したものである。
請求項6の発明に係わる粘着テープの製造及び使用方法は、(1)支持層と柔軟性基材層の共押出工程、(2)柔軟性基材層面への印刷工程、(3)印刷層への粘着層の形成工程、(4)支持層を剥離し、被着体へ貼着する工程、からなるように、したものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の本発明によれば、粘着テープは、長期間の使用にも耐えるような耐侯性や透明性などの物性が維持され、使用時までは汚染から保護され、また、伸縮性があって、被着体表面が曲面などの多種多様な形状に対しても貼着できる効果を奏する。
請求項2〜5の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、より伸びに優れて、被着体表面が曲面などの多種多様な形状に対しても貼着できる効果を奏する。
請求項6の本発明によれば、短い工程で低コストで製造でき、使用時までは汚染から保護され、使用時には容易に貼着できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本願発明の1実施例を示す粘着テープの断面図である。
【図2】本願発明の粘着テープを被着体へ貼着した状態を表す断面図である。
【図3】本願発明の粘着テープの製造及び使用方法を説明する工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0011】
本願発明の粘着テープ10は、図1に示すように、支持層13、柔軟性基材層11、印刷層21、及び粘着層19からなり、支持層13/柔軟性基材層11/印刷層21/粘着層19から構成されている。支持層13はポリオレフィン系樹脂からなり、柔軟性基材層11は熱可塑性アクリルエラストマーからなる。また、印刷層21は柔軟性基材層11と粘着層19とに挟まれ保護されているので、色落ちや損傷もなく、偽造変造も行えないので、セキュリティ性も高い。
【0012】
本願発明の粘着テープ10の製造及び使用方法は、(1)支持層13と柔軟性基材層11の共押出工程、(2)柔軟性基材層11面への印刷工程、(3)印刷層21への粘着層19の形成工程、で製造され、(4)支持層13を剥離し、被着体101へ貼着する工程、で使用する。このように、柔軟性基材層11と支持層13を共押出法で一度に製膜し、その後、柔軟性基材層11面への任意の印刷を行って印刷層21とし、更にその上面への粘着剤加工を行うこと粘着層19を設けて、柔軟性を有する粘着テープ10を従来よりも短い工程および低コストに製造することができる。共押法で製膜された支持層13は、印刷時やび粘着剤塗工時の熱や機械テンションによって、柔軟性基材層11が伸びるのを防ぐ。また、支持層13は柔軟性基材層11の汚染防止の役目を果たしクリーン性を保て、さらに、粘着テープ10として使用する際には剥離層として機能し、容易に剥離し除去した後に、被着体101へ貼着すればよい。
【0013】
(支持層)本発明における支持層13はポリオレフィン系樹脂であり、LDPE、LLDPE、MDPE、HDPE、PPなどの単体、或いはPPとLDPEの複合体(ブレンド物)、PPとHDPEの複合体(ブレンド物)などが挙げられる。
【0014】
支持層13の厚みは、30μm〜300μmで、30μm以下では支持層としての強度が足りず、印刷層や粘着層などの後加工での熱や引っ張り(機械的テンション)などに耐え切れず、伸びて正常な印刷や塗布ができない。また、300μm以上ではオーバースペックとなってしまい、コスト、環境にも悪いためである。
【0015】
(柔軟性基材層)柔軟性基材層11としては熱可塑性アクリルエラストマーを用いる。支持層13として使用するポリオレフィン系樹脂は基本的に極性が低く、柔軟性基材層11の極性の高いアクリル系樹脂の1種である熱可塑性アクリルエラストマーとは十分に接着しないで密着状態となる。この特性を活かして印刷層や粘着層を形成後に剥離し、柔軟性基材層11/印刷層21/粘着層19からなる柔軟性の粘着フィルムとして使用することができる。
【0016】
柔軟性基材層11の熱可塑性アクリルエラストマーとしては、式A−B−A(式中、AおよびBはそれぞれ異なる重合体ブロックを表し、Aはメタクリル酸アルキルエステル単位からなり、Bはアクリル酸アルキルエステル単位からなる)で表されるトリブロック共重合体を含むものが使用できる。好ましくは上記重合体ブロックAおよびBが炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単位およびアクリル酸アルキルエステル単位から主としてなるアクリル系樹脂が好ましい。
【0017】
これらの特に好ましいアクリル系トリブロック共重合体の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸n−ブチル−b−ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸n−ブチル−b−ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸n−ブチル−b−ポリアクリル酸エチルなどの式A−B−AまたはA−B−Cの構造で示されるトリブロック共重合体を挙げることができる。
【0018】
また更には,上記重合体ブロックAがメタクリル酸メチル重合体ブロックであり,上記重合体ブロックBがアクリル酸ブチル重合体ブロックであるアクリル系樹脂が好ましい。
【0019】
トリブロック共重合体中の重合体ブロックA、重合体ブロックBの重量平均分子量は、必ずしも限定されないが、一般的にはそれぞれ3,000〜500,000の範囲であることが好ましく、3,000〜300,000の範囲であることが好ましい。またトリブロック共重合体全体の重量平均分子量は、必ずしも限定されないが、一般的には10,000〜1,000,000の範囲であることが好ましく、30,000〜500,000の範囲であることがより好ましく、70000〜100000の範囲であることがさらに好ましい。
【0020】
上記重合体ブロックAの質量と重合体ブロックBの質量との割合がA/Bの質量比において好ましくは15/85〜60/40,好ましくは25/75〜40/60の範囲内であることが好ましい。重合体ブロックAとしてのメタクリル酸メチル重合体が多くなれば柔軟性は低下し、重合体ブロックBとしてのアクリル酸ブチル重合体が多くなれば柔軟性が高くなる傾向で好ましい。
【0021】
熱可塑性アクリルエラストマー層を構成する樹脂の100%モジュラスで15MPa以下の柔軟性で、好ましくは12MPa以下であることが、柔軟性、伸縮性の点で好ましい。
【0022】
柔軟性基材層11の厚みは30μm〜500μmとし、30μm以下では強度が足りず、ハンドリング性も悪い。また500μm以上ではオーバースペックとなってしまい、コスト、環境にも悪いのと、柔軟性テープとしての実用性も損なわれるためである。
【0023】
(印刷層)印刷層21は、公知のグラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷など全ての印刷手法を採用できるが、好ましくは、グラビア印刷、フレキソ印刷が好ましい。印刷インキは溶剤型や水性型など特に限定されるものではなく、適宜選択すればよい。印刷層21の絵柄も特に限定されるものではない。
【0024】
(粘着層)粘着層19は粘着剤は、アクリル樹脂系、イソプレンなどのゴム系、ウレタン樹脂系、シリコン系などを採用できるが、柔軟性基材層11がアクリル系樹脂であることから、密着性の点でアクリル樹脂系の粘着剤が好ましい。粘着層19の厚みは1μm〜30μm程度とし、1μm以下では粘着剤としての機能が発揮できず、更には均一な塗工も困難である。また、30μm以上ではオーバースペックとなってしまい、コスト、環境にも悪いためである。粘着層19の形成は、粘着剤をコンマコーター、ダイコーター、クローズドダイコーター、グラビアコーターなど公知の塗工法で塗工すればよい。
【0025】
(製造及び使用方法)本願発明の粘着テープ10の製造及び使用方法は、(1)支持層13と柔軟性基材層11の共押出工程、(2)柔軟性基材層11面への印刷工程、(3)印刷層21への粘着層19の形成工程、で製造する。(1)支持層13と柔軟性基材層11の共押出工程で、共押しフィルム製膜はインフレーション製膜法、およびTダイキャスト製膜法共に実施可能である。主に使用するのはTダイキャスト製膜法である。次に、(2)柔軟性基材層11面への印刷工程で、任意が絵柄で任意な印刷方法で印刷し、印刷層21とする。さらに、(3)印刷層21への粘着層19を形成して、粘着テープ10が製造される。粘着テープ10の使用時には、(4)支持層を剥離し、被着体へ貼着すればよい。
【実施例】
【0026】
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、Tダイキャスト製膜機としては、最大3種3層を製膜できる小型製膜機を使用し、ダイス幅=250mm、スクリュー径:A層25mmφ/B層32mmφ/C層25mmφを用いた。また、インフレーション製膜機としては、最大3種3層を製膜できる小型製膜機を使用。ダイス径=75mmφ、スクリュー径:A層25mmφ/B層32mmφ/C層25mmφを用いた。
100%モジュラスはJISK6251に準拠して測定した。ステンレス曲面はR100mmとした。
【0027】
(実施例1)(1)支持層13としてLDPE(日本ポリエチレン社ノバテックLF5
47:密度=0.924g/cm3、MFR=3.5g/10分、融点=114℃)を100重量部調整した。柔軟性基材層11としてアクリルエラストマー(株式会社クラレ製、商品名;LAポリマーLA2250、メルトフローレイト、MFR=25g/10分(190℃)100重量部からなる樹脂組成物を調製した。(100%モジュラス=3.7MPa)
2層のインフレーション共押出製膜機を用いて2層からなり、支持層13を50μm、柔軟性基材層11を80μmとした総厚130μmの支持層13/柔軟性基材層11からなる共押出フィルムを製造した。
(2)この柔軟性基材層11面に、黒色インキを用いて格子状の印刷絵柄をグラビア印刷して印刷層21とした。
(3)さらに、この印刷層21面へ、一液型アクリル系粘着剤である東洋インキ製造社
製オリバインBPS3233Dを固形分20%とし、8μm厚みになるようにコンマコーターで塗工し粘着層19とし、支持層13/柔軟性基材層11/印刷層21/粘着層19からなる実施例1の粘着テープ10を得た。
なお、実施例1においては支持層13の柔軟性基材層11と反対面に長鎖アルキル系背面処理剤をコンマコーターで塗工し、テープ状に巻き取っている。
(4)該粘着テープ10の支持層13は柔軟性基材層11から容易に分離し剥離することができ、柔軟性基材層11/印刷層21/粘着層19からなる粘着フィルムをステンレス曲面へ貼り付けたところ強固に密着し、シワ、浮きなどを発生せずに綺麗に貼り合せ状態を保持した。
【0028】
(実施例2)(1)支持層13として、HDPE(プライムポリマー社ハイゼックス3300F:密度=0.950g/cm3、MFR=1.1g/10分、融点=131℃)を100重量部調整した。柔軟性基材層11としてアクリルエラストマー(株式会社クラレ製、商品名;LAポリマーLA2250、メルトフローレイト、MFR=25g/10分(190℃)100重量部からなる樹脂組成物を調製した。(100%モジュラス=3.7MPa)
2層のインフレーション共押出製膜機を用いて2層からなり、支持層13を40μm、柔軟性基材層11を80μmとした総厚120μmの支持層13/柔軟性基材層11からなる共押出フィルムを製造した。
(2)印刷層21及び(3)着層19の形成は実施例1のと同様にして実施例2の粘着テープ10を得た。
(4)該粘着テープ10の支持層13は柔軟性基材層11から容易に分離し剥離することができ、柔軟性基材層11/印刷層21/粘着層19からなる粘着フィルムをステンレス曲面へ貼り付けたところ強固に密着し、シワ、浮きなどを発生せずに綺麗に貼り合せ状態を保持した。
【0029】
(実施例3)(1)支持層13として、HDPE(プライムポリマー社ハイゼックス3300F:密度=0.950g/cm3、MFR=1.1g/10分、融点=131℃)を100重量部調整した。柔軟性基材層11としてアクリルエラストマー(株式会社クラレ製、商品名;LAポリマーLA2250、メルトフローレイト、MFR=25g/10分(190℃)100重量部からなる樹脂組成物(100%モジュラス=3.7MPa)を調製した。
2層のTダイキャスト共押出製膜機を用いて、2層からなり、支持層13を40μm、柔軟性基材層11を80μmとした総厚120μmの支持層13/柔軟性基材層11からなる共押出フィルムを製造した。
(2)印刷層21及び(3)着層19の形成は実施例1のと同様にして実施例3の粘着テープ10を得た。
(4)該粘着テープ10の支持層13は柔軟性基材層11から容易に分離し剥離することができ、柔軟性基材層11/印刷層21/粘着層19からなる粘着フィルムをステンレス曲面へ貼り付けたところ強固に密着し、シワ、浮きなどを発生せずに綺麗に貼り合せ状態を保持した。
【0030】
(実施例4)(1)支持層13として、PP(プライムポリマー社プライムポリプロF
−300SP:密度=0.900g/cm3、MFR=3.0g/10分、融点=161℃)を100重量部調整した。柔軟性基材層11としてアクリルエラストマー(株式会社クラレ製、商品名;LAポリマーLA2250、メルトフローレイト、MFR=25g/10分(190℃)50重量部と、同種アクリルエラストマー(株式会社クラレ製、商品名:LAポリマーLA4285、メルトフローレイトMFR=1.5g/10分(190℃))50重量部とからなる樹脂組成物(100%モジュラス=9.1MPa)を調製した。
2層のTダイキャスト共押出製膜機を用いて2層からなり、支持層13を40μm、柔軟性基材層11を80μmとした総厚120μmの支持層13/柔軟性基材層11からなる共押出フィルムを製造した。
(2)印刷層21及び(3)着層19の形成は実施例1のと同様にして実施例4の粘着テープ10を得た。
(4)該粘着テープ10の支持層13は柔軟性基材層11から容易に分離し剥離することができ、柔軟性基材層11/印刷層21/粘着層19からなる粘着フィルムをステンレス曲面へ貼り付けたところ強固に密着し、シワ、浮きなどを発生せずに綺麗に貼り合せ状態を保持した。
【0031】
(評価結果)実施例1〜4の粘着テープ10はいずれも、短い工程で低コストで製造できた。ステンレス曲面へも伸縮性があるので、強固に密着し貼着でき、シワ、浮きなどの発生になく、また、使用時までは汚染から保護されているので、埃やゴミの混入もなく、綺麗に貼り合せられていた。耐侯性や透明性もよかった。
【産業上の利用可能性】
【0032】
(産業上の利用可能性)本発明の粘着テープの主なる用途としては、伸びに優れており、医療用、表面保護用、曲げ加工用、マーキング用やシール用などの種々の粘着テープに好適である。しかしながら、曲面や立体などの平面でない面へ貼着を必要とする用途であれば、特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0033】
10:粘着テープ
11:柔軟性基材層
13:支持層
19:粘着層
21:印刷層
101:被着体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン系樹脂からなる支持層、熱可塑性アクリルエラストマーからなる柔軟性基材層、印刷層、及び粘着層からなる粘着テープであって、前記支持層が剥離層を兼ねていることを特徴とする粘着テープ。
【請求項2】
上記柔軟性支持層層の熱可塑性アクリルエラストマーが式A−B−A(式中、A及びBはそれぞれ異なる重合体ブロックを表し、重合体Aはメタクリル酸アルキルエステル単位からなり、重合体Bはアクリル酸アルキルエステル単位からなる)で表されるトリブロック共重合体を含むものであることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
【請求項3】
上記重合体ブロックA及びBが炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単位及びアクリル酸アルキルエステル単位から主としてなることを特徴とする請求項2記載の粘着テープ。
【請求項4】
上記重合体ブロックAがメタクリル酸メチル重合体ブロックであり,上記重合体ブロックBがアクリル酸ブチル重合体ブロックであることを特徴とする請求項3記載の粘着テープ。
【請求項5】
上記熱可塑性アクリルエラストマーの100%モジュラスが15MPa以下であることを特徴とする請求項1〜4記載の粘着テープ。
【請求項6】
請求項1〜5記載の粘着テープの製造及び使用方法であって、
(1)支持層と柔軟性基材層の共押出工程、(2)柔軟性基材層面への印刷工程、(3)印刷層への粘着層の形成工程、(4)支持層を剥離し、被着体へ貼着する工程、からなることを特徴とする粘着テープの製造及び使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−6525(P2011−6525A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149282(P2009−149282)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】