説明

粘着テープ貼付け方法および粘着テープ貼付け装置

【課題】所定長さの粘着テープを繋ぎ合わせた長尺の粘着テープを被着体に貼付ける過程で、その繋ぎ目を除去して被着体の貼付け部位に貼付ける粘着テープ貼付け方法および粘着テープ貼付け装置を提供する。
【解決手段】テープ供給部1から供給される粘着テープTの繋ぎ目を繋ぎ目検出器3により検出し、この検出結果に基づいて演算処理部31が繋ぎ目を除去するのに最適な切断位置を算出する。制御部30は、この演算処理部31の算出結果を満たすように各機構を作動制御し、繋ぎ目部分を含む粘着テープTを切断除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支柱や補強部材などの長尺物、大型パネルなどを含む建材に粘着テープを貼付ける粘着テープ貼付け方法および粘着テープ貼付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パネルへの補強部材の貼付けや建材同士の貼合わせにおいて、従来の有機剤を含む粘着剤に代えて粘着テープが利用される傾向にある。また、建材であるパネルなどの表面保護用にも粘着テープが利用されている。
【0003】
これら建材などは、組み立て効率の向上を図るために大型化する傾向にある。したがって、多数の長尺または大型の建材を扱うのに伴って粘着テープの貼付け効率の向上を図るために、所定長さの粘着テープを繋ぎ合わせた長尺のものを利用している。つまり、粘着テープの交換による貼付け装置の停止時間を減らすようにしている。(非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】粘着テープハンドブック、第3版、日本粘着テープ工業会(P527−533)、2005年10月1日発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、所定長さに繋ぎ合わせた粘着テープを利用する場合、次のような問題がある。
【0006】
すなわち、建材同士の貼合わせ部分に繋ぎ目が含まれると、この繋ぎ目の厚みの変化により接合部に浮き上りが生じる接合不良を招くといった問題がある。
【0007】
また、粘着テープをパネルの保護に用いたにも関わらず、パネルを積み重ねて保管あるいは取り扱ったときに繋ぎ目に不要な押圧がかかり、パネルを凹入変形させたり、あるいはクラックを発生させたりするといった問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、繋ぎ目を有する長尺の粘着テープのうち、繋ぎ目を回避して均一な厚みの部分の粘着テープを被着体に貼付けることのできる粘着テープ貼付け方法および粘着テープ貼付け装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0010】
すなわち、第1の発明は、被着体に粘着テープを貼付ける粘着テープ貼付け方法であって、
所定長さの前記粘着テープを繋ぎ合わせた長尺の粘着テープを被着体に向けて供給する過程で繋ぎ目を検出する検出過程と、
前記検出過程の検出結果に基づいて、繋ぎ目を除去する除去過程と、
繋ぎ目を除去した前記粘着テープを被着体に貼付ける貼付け過程と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
(作用・効果) この方法によれば、供給される繋ぎ目を有する粘着テープから繋ぎ目を検出し、その検出結果に基づいて繋ぎ目が除去される。
【0012】
したがって、繋ぎ目を含む粘着テープが被着体に貼付けられないので、繋ぎ目により発生する被着体同士の接合不良や、被着体への損傷を回避することができる。
【0013】
なお、この方法において、検出過程は、繋ぎ目の長さを検出し、当該繋ぎ目の長さ、検出部位から粘着テープの貼付け位置までの予め決った搬送経路長さ、および被着体に貼付ける粘着テープの単位長さとに基づいて、貼付け部位から繋ぎ目までの粘着テープにおける貼付け可能な許容長さを求めるとともに、当該許容長さ以後の繋ぎ目を含む除去長さを求め、
前記貼付け過程は、前記検出過程で求めた結果に基づいて、繋ぎ目を含む粘着テープの除去部位を回避して粘着テープを被着体に貼付けることが好ましい(請求項2)。
【0014】
この方法によれば、上記第1の発明を好適に実施することができる。
【0015】
また、貼付け過程では、例えば、貼付け位置から除去部位の粘着テープを引き出して切断除去した後に、粘着テープを被着体に貼付けてもよいし(請求項3)、あるいは、貼付け位置から除去対象の粘着テープを引き出して巻取り回収した後に、粘着テープを被着体に貼付けてもよい(請求項4)。
【0016】
この方法によれば、繋ぎ目を含む粘着テープの除去部位を確実に除去することができる。
【0017】
第5の発明は、被着体に粘着テープを貼付ける粘着テープ貼付け装置であって、
前記被着体を保持する保持機構と、
所定長さの前記粘着テープを繋ぎ合わせてなる長尺の粘着テープを被着体の貼付け部位に供給するテープ供給機構と、
供給される前記粘着テープの繋ぎ目を検出する検出器と、
前記被着体に粘着テープを貼付けるテープ貼付け機構と、
前記粘着テープを切断するテープ切断機構と、
前記検出器の検出結果から繋ぎ目の長さを求め、当該繋ぎ目長さ、検出部位から粘着テープの貼付け位置までの予め決った搬送経路長さ、および被着体に貼付ける粘着テープの単位長さとに基づいて、貼付け部位から繋ぎ目までの粘着テープにおける貼付け可能な許容長さを求めるとともに、当該許容長さ以後の繋ぎ目を含む除去長さを求める演算手段と、
前記演算手段により求められた繋ぎ目を含む粘着テープの除去部分の先端を保持し、引き出すテープ引出機構と、
前記演算手段の演算結果に基づいて、繋ぎ目を含む粘着テープの除去部分をテープ引出機構により貼付け部位から引き出させるとともに、テープ切断機構により当該除去部位を切断させた後に、テープ貼付け機構により許容部位の粘着テープを被着体に貼付けさせる制御手段と、
切断後の繋ぎ目を含む前記粘着テープの除去部分を回収するテープ回収部と、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
(作用・効果) この構成によれば、第1の発明を好適に実現することができる。
【0019】
なお、テープ引出機構は、例えば、開放状態にある一対の把持面の少なくとも一方で粘着テープ先端側の非粘着面を吸着し、両把持面を付き合わせることにより粘着テープの粘着剤面を内側にして折り返して接着させ、当該粘着テープの先端を把持する把持部を備えるとともに、当該把持部を揺動可能に構成してもよいし(請求項6)、あるいは、粘着テープの先端を貼付けて巻き取る巻取り機構で構成してもよい(請求項7)。
【0020】
テープ引出機構を巻取り機構で構成した場合、除去部分を巻取り回収することが可能となるので、第5の発明のテープ回収部としても機能することになる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の粘着テープ貼付け方法および粘着テープ貼付け装置によれば、所定長さの粘着テープを繋ぎ合わせた長尺の粘着テープから当該繋ぎ目部分を回避させ、均一な厚みの粘着テープのみを被着体に貼付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1の粘着テープ貼付け装置の正面図である。
【図2】実施例1の基本的な粘着テープ貼付け動作を示す図である。
【図3】実施例1の基本的な粘着テープ貼付け動作を示す図である。
【図4】実施例1の基本的な粘着テープ貼付け動作を示す図である。
【図5】実施例1の基本的な粘着テープ貼付け動作を示す図である。
【図6】実施例1の基本的な粘着テープ貼付け動作を示す図である。
【図7】実施例1の基本的な粘着テープ貼付け動作を示す図である。
【図8】実施例1の基本的な粘着テープ貼付け動作を示す図である。
【図9】実施例1の基本的な粘着テープ貼付け動作を示す図である。
【図10】実施例1の基本的な粘着テープ貼付け動作を示す図である。
【図11】実施例1の繋ぎ目を除去する動作を示す図である。
【図12】実施例1の繋ぎ目を除去する動作を示す図である。
【図13】実施例1の繋ぎ目を除去する動作を示す図である。
【図14】実施例1の繋ぎ目を除去する動作を示す図である。
【図15】実施例1の繋ぎ目を除去する動作を示す図である。
【図16】実施例2の粘着テープ貼付け装置の正面図である。
【図17】実施例2の繋ぎ目を除去する動作を示す図である。
【図18】実施例2の繋ぎ目を除去する動作を示す図である。
【図19】粘着テープの繋ぎ目を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
【0024】
この実施例では、大型かつ薄い建築用パネルに両端にタブを形成しつつ粘着テープを貼付ける方法および粘着テープ貼付け装置について説明する。ただし、この方法および装置は、この実施形態に限定されるものではない。例えば、建築用パネル以外の支柱や補強部材などの建材など種々の大型または長尺の被着体への粘着テープの貼付けにも適用することもできるし、あるいはタブを形成することなしに粘着テープを貼付ける形態にも適用ができる。
【0025】
なお、この実施例に利用される粘着テープTは、例えば、図19に示すように、基材40の片面に粘着剤層41とセパレータSを有する100〜200mの粘着テープTの端部TE同士を、粘着テープTと同じあるいは異種の接合部材で繋ぎ合わせ、繋ぎ目Pを有する長尺のものである。
【0026】
[実施例1]
【0027】
図1は、粘着テープ貼付け装置の正面図である。
【0028】
この粘着テープ貼付け装置は、被着体である建築用パネルWを載置して搬送するパネル搬送機構1、搬送経路上の建築用パネルWに向けて粘着テープTを供給するテープ供給機構2、供給される粘着テープTから繋ぎ目Pを検出する繋ぎ目検出器3、粘着テープTの送り出し長さを検出する検出器4、搬送経路上で建築用パネルWに粘着テープTを貼付けるテープ貼付け機構5、セパレータS付きの粘着テープTからセパレータSを剥離回収するセパレータ回収部6、粘着テープTを所定長さに切断するテープ切断機構7、繋ぎ目P部分を含む所定長さの粘着テープTを引き出すテープ引出機構8、切断処理した後の繋ぎ目Pを含む粘着テープTを回収するテープ回収部9などが備えられている。なお、テープ供給機構2、繋ぎ目検出器3、検出器4、テープ引出機構8、および、後述するターンローラ13は、この装置奥の縦壁10に縦置きに配置されている。また、テープ貼付け機構5、およびセパレータ回収部6は、縦壁10と連結する連結部材に軸支しされ、軸心X1周りに枢動可能なブラケット11に縦置きに配置されている。上記各構造部および機構についての具体的な構成を以下に説明する。
【0029】
パネル搬送機構1は、建築用パネルWを裏面から吸着して搬送するローラコンベアにより構成されている。
【0030】
テープ供給部2は、供給ボビン12から繰り出されたセパレータS付きの粘着テープTをターンローラ13に巻回案内し、テープ貼付け機構5に導くよう構成されている。
【0031】
供給ボビン12は、適度の回転抵抗を与えられており、過剰なテープ繰り出しが行われないように構成されている。
【0032】
ターンローラ13は、建築用パネルWなどの被着体のテープ貼付け部位の単位長さに応じて、粘着テープTの繰り出し長さを調整する。例えば、繋ぎ目検出器3から貼付け開始位置までの粘着テープTの長さが、貼付け部位の単位長さの整数倍になるように設定される。なお、ターンローラ13の直径は、被着体などテープ貼付け条件に応じて適宜に変更される。
【0033】
繋ぎ目検出器3は、粘着テープTの繋ぎ目Pを検出可能なものであればよく、例えば接触式のマイクロスイッチ、あるいは非接触式の反射型センサあるいは光学カメラなどのいずれであってもよい。なお、この実施例では、反射型センサを例に採って説明する。
【0034】
検出器4は、繋ぎ目検出器3により繋ぎ目Pが検出されると同時に、検出位置から貼付け開始位置までの粘着テープTの送り出し長さを検出する。なお、この検出器4は、接触式あるいは非接触式のいずれであってもよく、この実施例ではロータリーエンコーダを利用している。
【0035】
テープ貼付け機構5は、ブラケット11に軸支され、軸心X2周りに枢動可能なブラケット14の先端に遊転自在に軸支された第1貼付けローラ15、この第1貼付けローラ15の上流側に配置されセパレータSを折り返して反転させ、把持ローラを介してセパレータ回収部6に導くエッジ部材17、このエッジ部材17とで粘着テープTを把持する押えローラ18、およびブラケット11の下部先端で遊転自在に軸支された第2貼付けローラ19とから構成されている。
【0036】
押えローラ18は、シリンダなどのアクチュエータにより昇降可能に構成されている。
【0037】
セパレータ回収部6は、粘着テープTから剥離されたセパレータSを巻き取る回収ボビン20が巻取り方向に回転駆動されるようになっている。
【0038】
テープ切断機構7は、図8に示すように、刃先を上向きにしたカッタ刃21が装着されたカッタホルダを備えている。このカッタ刃21は、テープ切断機構7により装置奥側の待機位置と粘着テープTを切断する作用位置とにわたって前後移動するとともに、作用位置で昇降するように構成されている。また、カッタ刃21は、粘着テープTの切断時に、この粘着テープTに対して垂直になるよう角度調整される。例えば、この角度調整は、後述するテープ引出機構8の揺動により引き出される粘着テープの引き出し角度を、テープ引出機構8の揺動角度から求め、その結果を利用してカッタホルダと連動するパルスモータの回転角を調整して行う。
【0039】
テープ引出機構8は、ブラケット23を介して縦壁10に軸支され、軸心X3周りに枢動可能なシリンダ24の先端に把持部25を備えている。
【0040】
把持部25は、図3に示すように、基端部で軸支された一対の把持ブロック26a、26bで構成されている。この把持ブロック26a、26bの把持面27には吸着孔28が形成されている。吸着孔28は、吸引装置と連通接続されている。つまり、エッジ部材17から送り出されてくる粘着テープTの非粘着面を把持面27で吸着し、下流側の把持ブロック26bを軸周りに枢動させることにより、両把持ブロック26a、26bの把持面27が付き合わされる。つまり、図5に示すように、粘着テープTが内側に折り返されて粘着剤層同士が接着されたタブTBが形成される。このタブTBを把持部25が把持して粘着テープTを引き出すことになる。
【0041】
テープ回収部9は、テープ貼付け部位前方の開放されたテープ搬送機構1の開口部の下部に回収ボックスとして配備されている。
【0042】
制御部30は、各構成を総括的に作動制御するとともに、内部に備わった演算処理部31により繋ぎ目検出器3、検出器4の検出結果を利用させて、粘着テープTの繋ぎ目Pを切断除去可能な条件を求め、この求めた条件を満たすよう各機構を作動制御する。具体的な制御については、動作説明にて後述する。なお、制御部30は、本発明の制御手段に、演算処理部31は、演算手段に相当する。
【0043】
次に、上記粘着テープ貼付け装置により建築用パネルWに粘着テープTを貼付ける基本動作について、図2から図8を参照しながら説明する。
【0044】
テープ搬送機構1によって搬送される建築用パネルWがセンサなどで検出され、図2に示すように、貼付け位置で一旦停止される。
【0045】
建築用パネルWの停止に伴って、テープ引出機構8が作動され、第1貼付けローラ15と第2貼付けローラ19の間に把持部25を下降し、把持ブロック26a、26bを開放させる。このとき、把持面27が略平坦になるように開放させる。
【0046】
粘着テープTの先端部分は、エッジ部材17でセパレータSを剥離されながら180度に開放して把持面27が下方に向いた両把持ブロック26a、26bの下方まで送り出される。このとき、図3に示すように、吸引装置を作動させて粘着テープTの先端部分を把持面27で吸着保持する。
【0047】
テープ先端の吸着保持が完了すると、図4に示すように、把持ブロック26bを軸心周りに枢動させて把持ブロック26a、26bの把持面27同士を付き合わせる。このとき、粘着テープTの先端が把持ブロック26bにより内側に折り返され粘着剤層同士が接着され、図5に示すように、タブTBが形成される。
【0048】
タブ形成完了後に把持ブロック26a、26bを開放してタブTBの把持を解除し、ブラケット14を揺動下降される。このとき、エッジ部材17によりセパレータSの剥離された粘着テープTの先端が第1貼付けローラ15の下端に位置しているので、貼付けローラ15の下降により建築用パネルWの貼付け部位に粘着テープTが押圧される。
【0049】
テープ先端の押圧が完了すると、図6に示すように、テープ搬送機構1が作動し、建築用パネルWが搬送方向に送り出されてゆく。この動作に伴って第1貼付けローラ15が粘着テープTに適度な押圧を付与しながら転動してゆく。
【0050】
第1貼付けローラ15が貼付け部位の終端位置に到達すると建築用パネルWの搬送を停止しさせる。この停止に伴って、図7に示すように、ブラケット14を揺動上昇させて所定の高さまで第1貼付ローラ15による粘着テープTの押圧を解除するとともに、ブラケット11を揺動下降させ、第2貼付けローラ19で粘着テープTの貼付け部位を押圧する。
【0051】
また、ブラケット14の上昇に伴って押えローラ18を下降させ、エッジ部材17の先端とにより粘着テープTを把持する。この状態で建築用パネルWを下流側に僅かに移動させ、粘着テープTにテンションを付与する。
【0052】
図8に示すように、エッジ部材17の先端側と第2貼付けローラ19の間でテンションの付与された粘着テープTの位置に把持部25を下降させ、開放された両把持ブロック26a、26bの把持面27で粘着テープTを吸着保持する。
【0053】
この状態で、粘着テープT下側の切断作用位置にカッタ刃21が移動される。切断作用位置にカッタ刃21が到達すると上昇させて粘着テープTに突き刺して切断する。切断処理が完了すると、カッタ刃21は下降し、元の待機位置に戻る。
【0054】
粘着テープTの後端部を吸着保持する把持ブロック26aを、図9に示すように、軸心周りに枢動させて把持ブロック26a、26bの把持面27同士を付き合わせる。このとき、粘着テープTの後端が把持ブロック26aにより内側に折り返され粘着剤層同士が接着され、図10に示すように、タブTBが形成される。
【0055】
タブ形成完了後に把持ブロック26a、26bを開放してタブTBの把持を解除するのに伴って、図2に示すように、第2貼付けローラ19を揺動上昇させて待機位置に戻すとともに、建築用パネルWのみが下流側へと搬送されてゆく。
【0056】
以上で建築用パネルWへのタブTB付きの粘着テープ貼付けの基本動作が完了し、以後同じ処理が繰り返される。
【0057】
次に、繋ぎ目検出器3により、粘着テープTの繋ぎ目Pが検出された場合の動作について説明する。
【0058】
上述の粘着テープ貼付けの基本動作が繰り返されている過程で、繋ぎ目検出器3により、繋ぎ目Pが検出されると、繋ぎ面検出器3は、繋ぎ目Pの検出開始時点から検出終了時点までの検出信号を制御部30に送信する。
【0059】
制御部30は、検出器4に粘着テープTの送り出し長さの検出を開始させるとともに、演算処理部31に次に演算処理をさせる。
【0060】
演算処理部31は、繋ぎ目検出器3から貼付け部位までの予め決った搬送経路長さから、予め決った建築用パネルWの貼り付け部位に貼付ける粘着テープTの単位長さとに基づいて、貼付け部位から繋ぎ目Pまでの間で粘着テープTの貼付け可能な許容長さを求める。また、求めた許容長さの終端位置から繋ぎ目Pの終端位置の数ミリ後方の切断可能位置までの除去長さを求める。
【0061】
演算処理部31により許容長さおよび除去長さが求めると、制御部30は、検出器4により許容長さ分に相当する粘着テープTの送り出し長さが検出されるまで、基本の粘着テープTの貼付け処理を行わせる。
【0062】
許容長さ分の送り出し量が検出されると、制御部30は、テープ搬送機構1を停止させるとともに、シリンダ24を作動させて把持部25を所定の高さまで下降させる。粘着テープTの先端部分は、エッジ部材17でセパレータSを剥離されながら180度に開放して把持面27が下方に向いた両把持ブロック26a、26bの下方まで送り出される。
【0063】
制御部30は、把持部25の下方の所定位置に粘着テープTの先端が到達するとテープの送り出しを停止し、図3に示すように、把持部25を作動させてテープ先端の非粘着面を把持面27に吸着保持させる。
【0064】
テープ先端の吸着保持が完了すると、図4に示すように、把持ブロック26bを軸心周りに枢動させて把持ブロック26a、26bの把持面を付き合わせる。このとき、粘着テープTの先端が把持ブロック26bにより内側に折り返され粘着剤層同士が接着され、タブTBが形成される。
【0065】
把持部25は、図11に示すように、さらにタブTBを把持した状態でテープ送り出し方向に揺動および上昇制御され、繋ぎ目Pを含む除去長さ分だけ粘着テープTを引き出す。このとき、把持部25は、揺動軌道上から第2貼付けローラ19が外れるとともに、切断後の粘着テープTが垂れ下がって第2貼付けローラ19などの他の構成部材および建築用パネルWなどに接触しないよう揺動距離および高さが制御される。
【0066】
除去長さ分の粘着テープTの引き出しが完了すると、図12に示すように、押えローラ18を下降させ、エッジ部材17の先端により粘着テープTを把持する。
【0067】
エッジ部材17の先端と把持部25により粘着テープTにテンションの付与されると、粘着テープTの下側の切断作用位置にカッタ刃21が移動される。切断作用位置に刃21が到達すると、図13に示すように、粘着テープTに対してカッタ刃21が直角になるよう角度調整された後に上昇させて粘着テープTを切断する。切断処理が完了すると、カッタ刃21は待機位置に戻る。
【0068】
また、粘着テープTの切断と同時に、図14に示すように、把持部25の揺動および高さ調整されテープ搬送機構1の開口部の上方で把持が解除され下方のテープ回収部9に除去対象の粘着テープTを回収させる。つまり、切断後の粘着テープTが周りの第2貼付けローラ19などの構成部材と接触しない軌道を通って粘着テープTを廃棄するようになっている。粘着テープTの廃棄後は、全ての機構は、初期位置に踊り、次の粘着テープTの貼付けを継続して行う。
【0069】
以上で、粘着テープTの繋ぎ目P部分の除去および除去処理後の建築用パネルWへの粘着テープTの貼付けが完了する。この処理以降は、基本の貼付け処理が繰り返し行われる。
【0070】
上記粘着テープ貼付け装置によれば、粘着テープTの繋ぎ目P部分を被着体である建築用パネルWへの貼付けを回避することができる。また、粘着テープTの貼付け部位の単位長さを確保しつつ、繋ぎ目P部分を含む除去長さを最小限に抑えることができるので、粘着テープTの廃棄量を低減することもできる。
【0071】
[実施例2]
【0072】
この実施例では、実施例1の粘着テープ貼付け装置におけるテープ引出機構8およびテープ回収部9の構成が相違する。つまり、この粘着テープ貼付け装置は、テープの引き出し機能とテープ回収機能を1つの機構によって構成している。したがって、実施例1と同じ構成については同一符号を付すに留め、異なる構成について詳述する。
【0073】
この粘着テープ貼付け装置は、図15に示すように、テープ貼付け部位の前方で開放されたテープ搬送機構1の開口部のテープ回収位置と下方の退避位置とにわたって昇降するテープ巻取り機構35を備えている。つまり、テープ巻取り機構35は、アクチュエータ36により巻取りドラム37を昇降可能に構成されている。
【0074】
次に、この粘着テープ貼付け装置により繋ぎ目P部分を含む粘着テープTを除去する動作について、図16から図18を参照しながら説明する。
【0075】
演算処理部31により許容長さおよび除去長さが求めると、制御部30は、検出器4により許容長さ分に相当する粘着テープTの送り出し長さが検出されるまで、基本の粘着テープTの貼付け処理を行わせる。
【0076】
許容長さ分の送り出し量が検出されると、制御部30は、テープ搬送機構1を停止させるとともに、図16に示すように、アクチュエータ36を作動させて巻取りドラム37を巻取り位置まで上昇させる。
【0077】
巻取りドラム37が巻取り位置に到達すると、制御部30は、エッジ部材17でセパレータSを剥離させながら、粘着テープTの先端分を巻取り位置まで送り出させる。
【0078】
テープ先端が巻取り位置に到達すると、第2貼付けローラ19を下降させて粘着テープTの先端を巻取りドラム37に押圧して貼付ける。その後、繋ぎ目Pを含む除去長さ分だけ粘着テープTを巻取りながらエッジ部材17から引き出す。このとき、制御部30は、テープ巻取り機構35による粘着テープTの巻取り長さと、テープ供給機構2からの粘着テープTの供給長さとの同調をとっている。
【0079】
除去長さ分の粘着テープTの引き出しが完了すると巻取りドラム37の回転を停止し、図17に示すように、押えローラ18を下降させ、エッジ部材17の先端とより粘着テープTを把持するとともに、シリンダ24を作動させて把持部25を所定高さまで下降させ、把持面27で粘着テープTを吸着保持する。つまり、切断部位の両端を把持しつつ粘着テープTにテンションを付与している。
【0080】
切断部位へのテンションの付与が完了すると、図18に示すように、粘着テープTの下側の切断作用位置にカッタ刃21が移動される。切断作用位置にカッタ刃21が到達すると、上昇させて粘着テープTを切断する。切断処理が完了すると、カッタ刃21は下降し、元の待機位置に戻る。
【0081】
粘着テープTの切断が完了すると、巻取りドラム37を回転させ、第2貼付けローラ19で切断後の粘着テープTを押圧しながら巻取り回収させる。
【0082】
切断後の粘着テープTの回収が完了すると、第2貼付けローラ19を揺動上昇させるとともに、巻取りドラム37を退避させる。
【0083】
以上で、粘着テープTの繋ぎ目P部分の除去が完了する。この処理以降は、基本の貼付け処理が繰り返し行われる。
【0084】
この粘着テープ貼付け装置によれば、実施例1の装置に比べ、粘着テープTを回収する機構の調整および制御が容易になる。
【0085】
本発明は上述した実施例のものに限らず、次のように変形実施することもできる。
【0086】
(1)上記各実施例は、建築用パネルWを移動させながら粘着テープTを貼付けていたが、粘着テープ貼付け装置を移動させながら粘着テープTを被着体に粘着テープTを貼付ける構成であってもよい。
【0087】
(2)上記各実施例は、タブTBを粘着テープTの両端に形成していたが、タブを形成せずに、粘着テープTを建築用パネルWに貼付けてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 … パネル搬送機構
2 … テープ供給機構
3 … 繋ぎ目検出器
4 … 検出器
5 … テープ貼付け機構
6 … セパレータ回収部
7 … テープ切断機構
8 … テープ引出機構
9 … テープ回収部
30 … 制御部
31 … 演算処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体に粘着テープを貼付ける粘着テープ貼付け方法であって、
所定長さの前記粘着テープを繋ぎ合わせた長尺の粘着テープを被着体に向けて供給する過程で繋ぎ目を検出する検出過程と、
前記検出過程の検出結果に基づいて、繋ぎ目を除去する除去過程と、
繋ぎ目を除去した前記粘着テープを被着体に貼付ける貼付け過程と、
を備えたことを特徴とする粘着テープ貼付け方法。
【請求項2】
請求項1に記載の粘着テープ貼付け方法において、
前記検出過程は、繋ぎ目の長さを検出し、当該繋ぎ目の長さ、検出部位から粘着テープの貼付け位置までの予め決った搬送経路長さ、および被着体に貼付ける粘着テープの単位長さとに基づいて、貼付け部位から繋ぎ目までの粘着テープにおける貼付け可能な許容長さを求めるとともに、当該許容長さ以後の繋ぎ目を含む除去長さを求め、
前記貼付け過程は、前記検出過程で求めた結果に基づいて、繋ぎ目を含む粘着テープの除去部位を回避して粘着テープを被着体に貼付ける
ことを特徴とする粘着テープ貼付け方法。
【請求項3】
請求項1に記載の粘着テープ貼付け方法において、
前記貼付け過程は、貼付け位置から除去部位の粘着テープを引き出して切断除去した後に、粘着テープを被着体に貼付ける
ことを特徴とする粘着テープ貼付け方法。
【請求項4】
請求項1に記載の粘着テープ貼付け方法において、
前記貼付け過程は、貼付け位置から除去対象の粘着テープを引き出して巻取り回収した後に、粘着テープを被着体に貼付ける
ことを特徴とする粘着テープ貼付け方法。
【請求項5】
被着体に粘着テープを貼付ける粘着テープ貼付け装置であって、
前記被着体を保持する保持機構と、
所定長さの前記粘着テープを繋ぎ合わせてなる長尺の粘着テープを被着体の貼付け部位に供給するテープ供給機構と、
供給される前記粘着テープの繋ぎ目を検出する検出器と、
前記被着体に粘着テープを貼付けるテープ貼付け機構と、
前記粘着テープを切断するテープ切断機構と、
前記検出器の検出結果から繋ぎ目の長さを求め、当該繋ぎ目長さ、検出部位から粘着テープの貼付け位置までの予め決った搬送経路長さ、および被着体に貼付ける粘着テープの単位長さとに基づいて、貼付け部位から繋ぎ目までの粘着テープにおける貼付け可能な許容長さを求めるとともに、当該許容長さ以後の繋ぎ目を含む除去長さを求める演算手段と、
前記演算手段により求められた繋ぎ目を含む粘着テープの除去部分の先端を保持し、引き出すテープ引出機構と、
前記演算手段の演算結果に基づいて、繋ぎ目を含む粘着テープの除去部分をテープ引出機構により貼付け部位から引き出させるとともに、テープ切断機構により当該除去部分を切断させた後に、テープ貼付け機構により許容部位の粘着テープを被着体に貼付けさせる制御手段と、
切断後の繋ぎ目を含む前記粘着テープの除去部分を回収するテープ回収部と、
を備えたことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
【請求項6】
請求項5に記載の粘着テープ貼付け装置おいて、
前記テープ引出機構は、開放状態にある一対の把持面の少なくとも一方で粘着テープ先端側の非粘着面を吸着し、両把持面を付き合わせることにより粘着テープの粘着剤面を内側にして折り返して接着させ、当該粘着テープの先端を把持する把持部を備えるとともに、当該把持部を揺動可能に構成した
ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
【請求項7】
請求項7に記載の粘着テープ貼付け装置において、
前記テープ引出機構は、粘着テープの先端を貼付けて巻き取る巻取り機構である
ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−52061(P2011−52061A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200315(P2009−200315)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【出願人】(394016601)日東精機株式会社 (79)
【Fターム(参考)】