説明

粘稠性繊維と粘度低下性タンパク質とを含む組成物

【課題】多量の高粘稠性可溶性繊維を含む栄養組成物の提供。
【解決手段】粘稠性可溶性繊維であるゴム、ペクチン、β−グルカン、粘液、及びカラギーナンの少なくとも1種類を含む組成物の粘度調整のためのタンパク質の使用であって、前記タンパク質が、コムギタンパク質、卵タンパク質、コラーゲン、ホエータンパク質、カゼイン、ダイズタンパク質、エンドウタンパク質、筋肉タンパク質、グルテン、繊維状タンパク質、絹タンパク質、及びそれらの加水分解生成物の少なくとも1種類である。この多量の高粘稠性可溶性繊維を含む栄養組成物は代謝症候群、糖尿病等の予防又は治療、血中コレステロールレベルを低下させる等に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘稠性可溶性繊維組成物に関する。本発明は、粘稠性可溶性繊維組成物の粘度を調整する方法、ならびに哺乳動物の糖尿病、高コレステロール血症、肥満、および/または代謝症候群を予防または治療する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
高脂血症、冠状動脈性心疾患、動脈硬化、大腸憩室、大腸癌、心疾患、高コレステロール血症、肥満、高血圧、糖尿病、または代謝症候群などの疾患の予防および/または治療における有効性が認識されていることから、毎日の食事における食物繊維の重要性が、最近の数年間にわたって強調されている。代謝症候群は、以下の異常:腹部肥満、高脂血症、高コレステロール血症、高血圧、および高血糖値の少なくとも1つを特徴とすることができる。最近の研究により、米国成人人口の20%を越える人口が代謝症候群であることが分かった。
【0003】
可溶性繊維は、腸の運動を促進する働きをする。このような繊維が塊状物を形成する性質は、胃を満たす機能も果たし、このため飽食作用を有する。可溶性繊維は、胃が空になるのを遅らせ、さらに、上部消化管中の糜粥の移動を遅らせ、それによって吸収速度が遅くなり、吸収された栄養分に対するホルモン応答が変化する。コンニャクゴムまたはオートムギβ−グルカンなどの粘稠性可溶性繊維によって、インスリンの必要性の低下、血糖症の改善、血清(LDL)コレステロールの減少、血中のグルコースの出現の遅延、および回腸における胆汁酸吸収の阻害が実現されると提案されている。
【0004】
組成物中への粘稠性可溶性繊維の採用において可能性のある問題は粘度であり、これは、糖尿病または代謝症候群などのある種の疾患の治療において治療効果があると見なされる量と一般に関連する。特に、高粘度は、経口および経腸投与用の組成物の調製において、特に管を介する供給が必要な患者の場合に、問題となりうる。したがって、非粘稠性、すなわち経腸および/または経口投与するため十分に低粘度である粘稠性可溶性繊維組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、驚くべきことに、コムギタンパク質、卵タンパク質、コラーゲンタンパク質、ホエータンパク質、カゼインタンパク質、グルテン、エンドウタンパク質、および/またはそれらの加水分解生成物などのタンパク質が、コンニャクゴム、および/またはキサンタンガム、および/またはグアーガム、および/またはβ−グルカン、および/またはペクチンの組成物などの粘稠性可溶性繊維組成物の粘度を低下させる能力を有することを発見した。本発明によると、多量の高粘稠性可溶性繊維を含む栄養組成物を処方することができ、これは投与に好都合であり、さらにこのような組成物の糖値を増加させる必要がない。摂取後、本発明による組成物中に含まれる可溶性繊維の粘度は、粘度低下性タンパク質の消化および引き続く加水分解のために再度増加することがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面においては、1種類以上の粘稠性可溶性繊維と1種類以上の粘度低下性タンパク質とを含む組成物が提供され、以降これを本発明の組成物と呼ぶ。
【0007】
本発明の別の側面においては、医薬品として使用するための本発明の組成物が提供される。
【0008】
本発明のさらなる側面においては、哺乳動物に食物繊維を摂取させる場合に使用される本発明の組成物が提供される。
【0009】
本発明のさらに別の側面においては、代謝症候群および/または糖尿病の予防または治療のため、および/または血中コレステロールレベルを低下させるための医薬品または栄養組成物の製造における本発明の組成物の使用が提供される。
【0010】
本発明の別の側面においては、治療の必要な哺乳動物の、糖尿病および/または代謝症候群を治療および/または予防する方法、および/または血中コレステロールレベルを低下させる方法であって、前記哺乳動物に有効量の本発明の組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。
【0011】
本発明のさらなる側面においては、粘稠性可溶性繊維を、そのような繊維を必要とする哺乳動物に提供する方法であって、前記哺乳動物に本発明の組成物を投与するステップを含む、方法が提供される。
【0012】
本発明の別の側面においては、1種類以上の粘稠性可溶性繊維を含む組成物の粘度を調整するためのタンパク質の使用であって、前記タンパク質が、コムギタンパク質、卵タンパク質、コラーゲン、ホエータンパク質、カゼイン、ダイズタンパク質、エンドウタンパク質、筋肉タンパク質、グルテン、繊維状タンパク質、絹タンパク質、ならびにそれらの加水分解生成物および混合物からなる群より選択される、使用が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で使用される場合、用語「可溶性繊維」とは、公認分析化学者協会(Association of Official Analytical Chemists)(プロスキー(Prosky)ら,1988;J,Assoc.Off.Anal.Chem,70,5,1017)の公定方法を使用して可溶性であると特徴づけられる非デンプン多糖類を意味し、たとえば室温で水溶性である水溶性繊維などである。
【0014】
本明細書で使用される場合、用語「粘稠性繊維」とは、胃および小腸の内容物の粘度を増加させ、胃内容排出速度を低下させることができる繊維を意味する。典型的には、そのような粘稠性繊維を1重量%含む組成物は、室温、たとえば20℃から25℃の温度において、約500mPa・s(500センチポアズ)を超える粘度、たとえば約1000mPa・sを超える粘度、または約1500mPa・sを超える粘度を有する。本発明の一側面においては、このような粘稠性繊維は、約20,000から約5百万Daの間の分子量、たとえば約100,000から約2百万Daの間の分子量を有する。
【0015】
本明細書で使用される場合、用語「食物繊維」とは、ヒトの消化酵素によって加水分解されない、または部分的にのみ加水分解される非デンプン多糖類を意味する。これらの多糖類は、β−1,4結合またはβ−1,6結合を含むことができる。
【0016】
本発明において、用語「本発明の組成物」は、経口または経腸投与用などの、粘稠性可溶性繊維、たとえば粘稠性可溶性食物繊維と、粘度低下性タンパク質とを含む組成物を含む。このような組成物は、非粘稠性となることができ、たとえば、粘度低下性タンパク質が存在しない場合、および/または加水分解された場合、たとえば中程度または高度に加水分解された場合の同じ組成物よりも低粘度となることができる。本発明の別の側面においては、本発明による組成物、たとえば本発明の非粘稠性組成物は、約500mPa・s未満、たとえば約250未満、または約150mPa・s未満、たとえば約100mPa・s未満、または約60mPa・s未満の粘度によって定義することができる。本発明の組成物の一側面においては、室温において約60から約500mPa・sの間の粘度を有することができる。このような粘度は、室温、たとえば20℃から25℃の温度において、製品の濃さに一致したスピンドルおよび剪断速度を使用して、ブルックフィールド(Brookfield)LVDV II粘度計で測定されることを理解されたい。たとえば、60mPa・s未満の粘度は、スピンドル1を有するLVDV II粘度計を使用し、100回転/分(rpm)において測定される。
【0017】
本発明の組成物は、粘度を調整できる、たとえば逆転させる、遅延させる、または再増加させることができるという、好都合な特徴を有する。本明細書で使用される場合、「調整された粘度」とは、調整された、すなわち低下させられた、あるいはたとえば粘度低下性タンパク質を中程度または高度に加水分解することによって完全にまたは部分的に再増加させられた、可溶性粘稠性繊維組成物の粘度を意味する。本明細書で使用される場合、「遅延された粘度」とは、たとえば、粘度低下性タンパク質を中程度または高度に加水分解することによって、または粘度低下性タンパク質を変性させることによって、再増加させられた、本発明の組成物の粘度を意味する。本明細書で使用される場合、「中程度に加水分解されたタンパク質」とは、約1から約20kDaの間、たとえば約5から約15kDaの間の分子量を有するタンパク質を意味する。本明細書で使用される場合、「高度に加水分解されたタンパク質」とは、約0.5kDa未満、たとえば0.2kDa未満または約0.1kDa未満の分子量を有するタンパク質を意味する。本明細書で使用される場合、「変性されたタンパク質」とは、そのタンパク質が加えられた組成物中、またはそのタンパク質が存在する組成物中で、もはや粘度低下活性を有さないタンパク質を意味する。粘度低下性タンパク質の加水分解または変性は、インビボで起こる場合があり、すなわち本発明の組成物、たとえば非粘稠性組成物の摂取後、本発明の組成物が低粘稠性または非粘稠性から高粘稠性の組成物に変化し、たとえば、グルコース吸収の遅延、および/または炭水化物負荷に対するグルコースおよびインスリン応答の低下または遅延が起こる場合がある。本発明の一側面においては、タンパク質の粘度低下作用、たとえば組成物の粘度が可逆的である、粘稠性可溶性繊維と粘度低下性タンパク質とを含む組成物が提供される。
【0018】
本発明の一実施態様においては、本発明の組成物は、排他的または実質的に、粘稠性可溶性繊維、たとえば粘稠性可溶性食物繊維と、粘度低下性タンパク質とからなることができる。あるいは、本発明の組成物は、粘稠性可溶性繊維および粘度低下性タンパク質以外に、その他の栄養成分および/または医薬成分を含むことができる。
【0019】
本発明による好適な粘稠性可溶性繊維の例としては、寒天、アルギン酸塩、カルビン(carubin)、ペクチン、オートムギβ−グルカンなどのβ−グルカン、カラギーナン、ファーセララン、イヌリン、アラビノガラクタン、ペクチンおよびその誘導体、セルロースおよびその誘導体、スクレログルカン、サイリウムシードハスクなどのサイリウム、粘液、およびゴムが挙げられる。本発明の文脈において、用語「ペクチン」とは、好ましくは果実および野菜のペクチンを意味し、より好ましくは柑橘類果実およびリンゴのペクチンを意味する。本明細書で使用される場合、用語「カラギーナン」は、特にκ−、λ−、およびι−カラギーナンを含む。本発明によると、ゴムおよび粘液は、好ましくは植物滲出物である。特に、本明細書で使用される場合、用語「ゴム」とは、一般に入手できる植物性ゴムを意味し、特に、コンニャクゴム、キサンタンガム、グアランガムなどのグアーガム、イナゴマメゴム、タラマメゴム、トラガカントゴム、アラビアゴム、カラヤゴム、ガッティガム、ジェランガム、およびその他の関連するカラヤゴム、アルファルファ、クローバー、コロハ、タマリンドの粉を意味する。天然、および改質、たとえば加水分解、特に中程度に加水分解した、可溶性粘稠性繊維、特にアラビアゴムを、本発明により使用することができる。本発明によると、好ましい粘稠性繊維は、キサンタンガム、ペクチン、グアーガム、β−グルカン、コンニャクゴム、およびそれらのあらゆる混合物である。
【0020】
本発明の一実施態様によると、本発明の組成物は、加水分解した、たとえば高度に加水分解した可溶性粘稠性繊維を含まない。本明細書で使用される場合、「加水分解した、たとえば高度に加水分解した可溶性粘稠性繊維」とは、たとえば約300から約20,000Daの間、たとえば約500から約10,000Daの間の分子量を有する非粘稠性可溶性繊維を意味する。本発明の別の側面においては、本発明の組成物は、天然のグアーガム、キサンタンガム、β−グルカン、および/またはコンニャクゴムを含むことができる。場合によっては、本発明による組成物は、中程度に加水分解した可溶性粘稠性繊維、たとえば中程度に加水分解したキサンタンガム、β−グルカン、コンニャクゴム、グアーガム、またはそれらのあらゆる組み合わせを含むことができる。本明細書で使用される場合、「中程度に加水分解した粘稠性繊維」とは、約20,000から約5百万Daの間、たとえば約100,000から約2百万Daの間の分子量を有する繊維を意味する。
【0021】
本発明の組成物の繊維は実質的または排他的に、場合によっては天然の粘稠性可溶性繊維の形態、または中程度に加水分解した粘稠性可溶性繊維の形態、またはそれらの混合物である粘稠性可溶性繊維、たとえば粘稠性可溶性食物繊維からなることができる。本発明のさらなる実施態様においては、本発明の組成物は非粘稠性可溶性繊維を含まない。本発のさらに別の実施態様においては、本発明の組成物はイヌリンを含まない。
【0022】
本発明の組成物は、1種類の粘稠性可溶性繊維、好ましくはコンニャクゴム、キサンタンガム、グアーガム、β−グルカン、またはペクチン、さらにより好ましくはグアーガムを含むことができる。本発明の別の実施態様においては、本発明による組成物は、粘稠性可溶性繊維の混合物、好ましくは、グアーガムと、ペクチン、β−グルカン、キサンタンガム、アラビアゴム、カラギーナン、およびコンニャクゴムからなる群より選択される1種類以上の粘稠性可溶性繊維との混合物、より好ましくは、グアーガムと、キサンタンガムおよびコンニャクゴムからなる群より選択される1種類以上の粘稠性可溶性繊維との混合物、さらにより好ましくは、グアーガムとキサンタンガムとの混合物を含むことができる。
【0023】
Xanthomonas campestrisおよびいくつかの関連する微生物からの細胞外多糖であるキサンタンガムは、グルコース、窒素源、および無機物を含む栄養培地上で生成される。これは食品産業において、安定剤または増粘剤として使用されている。グアーガムなどの他のヒドロコロイドと相乗的に相互作用することも知られている。キサンタンガムは、フランスのデグサ・テクスチュラント・システム(Degussa Texturant System)よりサティアキサン(Satiaxane)CX2QDが市販されている。
【0024】
コンニャクグルコマンナンは、コンニャクマンナンまたはコンニャクゴムとも呼ばれ、公知のあらゆる食物繊維の中で最も高い粘度を有する。コンニャクゴムは、高い吸水能力を有し、元の体積の約200倍まで膨潤することができる。食品産業においては、コンニャクゴムがデンプンに加えられることが多いが、その理由は、これらが相互作用することで、粘度が非常に増加して、ゲルを形成し、これを調理中にも維持できるからである。コンニャクゴムは、κ−カラギーナン、キサンタンガム、またはイナゴマメゴムなどのヒドロコロイドと相乗的に相互作用して、熱安定性のゲルを形成することも知られている。コンニャクゴムは、アルカリを加えた後に加熱すると、単独でゲル化することができる。本発明によると、コンニャクゴムは、Amorphopallus種から抽出することができ、特にA.riviera(A.konjacと呼ばれることも多い)、A.oncophyllus、A.variais、A.bulbifera、およびA.blumeli、より好ましくはA.riviera、さらにより好ましくはA.riviera C.Kochから抽出することができる。特に、コンニャクゴムは、植物のAmorphopallusの根から製造され、より好ましくはその塊茎から製造される。コンニャク粉末は、植物を乾燥し、粉砕し、そしてあおぎ分けることによって製造することができる。コンニャクグルコマンナンをコンニャク粉末から分離するための数種類の技術が当技術分野で公知である。本明細書で使用される場合、用語「コンニャクゴム」は、コンニャクグルコマンナンおよびコンニャク粉末を含んでいる。コンニャクゴムは、日本の清水(Shimizu)よりプロポールRS(Propol RS)が市販されている。
【0025】
グアーガムはマメ科植物のCyamopsis tetragonolobus(Linne)Taub.の種子の内乳から得られ、主として、グリコシド結合を介して結合したガラクトース単位およびマンノース単位で構成される高分子量のヒドロコロイド状多糖からなる。グアーガムは、食品産業において安定剤または増粘剤として使用されている。キサンタンガムなどの他のヒドロコロイドと相乗的に相互作用することも知られている。グアーガムは、スイスのポリガルAG(Polygal AG)よりポリガム(Polygum)75(高分子量タイプ)が、およびフランスのデグサ・テクスチュラント・システムズ(Degussa Texturant Systems)よりライゴム(Lygomme)3(低分子量タイプ)が市販されている。本明細書で使用される場合、用語「グアーガム」は、高分子量タイプおよび低分子量タイプを含んでいる。
【0026】
混成結合(1→3)(1→4)−β−D−グルカン(β−グルカン)は、オートムギおよびオオムギの主要な内乳細胞壁多糖であるが、より少ない量でライムギおよびコムギにも存在する。外皮を取ったオートムギのサブアリューロン層および胚芽下層にはβ−グルカンが特に多いが、内部のデンプン質内乳では濃度が低い。したがって、β−グルカンはふすま分画に3から4倍多く存在しうる。β−グルカンは、アイルランドのメガザイム・インターナショナル(Megazyme International)より市販されている。
【0027】
ペクチンは、柑橘類果実の皮の内部の希酸抽出により得られる、またはリンゴの絞りかすから得られる炭水化物生成物を精製したものである。これは主として部分メトキシル化ポリガラクツロン酸からなる。これは、ドイツのリーデル・デ・ハーンAG(Riedel de Haen AG)より市販されている。
【0028】
本発明の組成物の有効成分の詳細は、関連する製造元から入手することができ、その内容を本明細書に組み入れる。
【0029】
本発明の組成物の有効成分の相対的比率は、当然ながら、たとえば、液体または固体のいずれの形態であるか、または栄養学的形態で提供されるのどうかなど、関与する個々の組成物の種類に大きく依存して変動する。したがって、以下に記載されるすべての比率および相対的重量範囲は、好ましいまたは個別の本発明の教示を示しているのみと理解すべきであり、最も広い態様における本発明を限定するものとして理解すべきではない。
【0030】
本発明によると、用語「可溶性粘稠性繊維」は、繊維濃縮物または精製していない繊維源と呼ばれる。繊維濃縮物は、ペクチンおよびゴムであってよく、より好ましくはアラビアゴム、イナゴマメゴム、グアーガム、サイリウムシードハスクであってよい。本発明の繊維濃縮物は、全乾燥重量を基準にして、90重量%を超える繊維を含むことができ、好ましくは95重量%を超えることができる。精製していない繊維源は、80重量%を超える繊維を含むことができる。
【0031】
さらに、本発明の組成物は、不溶性繊維、たとえばセルロース、マメ科植物および穀類の外皮繊維、たとえばエンドウマメの外皮繊維、オートムギの外皮繊維、オオムギの外皮繊維、ダイズの外皮繊維を含むことができる。本発明の一実施態様においては、可溶性粘稠性繊維の不溶性繊維に対する比率が、0.1から10、好ましくは0.2から5となることができる。
【0032】
本明細書で使用される場合、用語「粘度低下性タンパク質」とは、粘稠性可溶性繊維組成物に加えられた場合に、その組成物の粘度を低下させることができるタンパク質またはペプチドを意味する。本発明によると、これらのタンパク質は、約35kDa未満、より好ましくは約30kDa未満、さらにより好ましくは約0.2から約30kDa、さらにより好ましくは約1から約25kDaの分子量を有することができる。これらの値は、所与の範囲より上または下の値を含むおおよその分子量範囲を表している。本発明の粘度低下性タンパク質は、天然のタンパク質の形態、または加水分解物の形態であってよい。
【0033】
本発明による「粘度低下性タンパク質」の例としては、コムギタンパク質、ダイズタンパク質、エンドウタンパク質、卵タンパク質、コラーゲン、ホエータンパク質、カゼイン、グルテン、魚類および動物の筋肉タンパク質、繊維状タンパク質、絹タンパク質、たとえばケラチン、セリシン、またはフィブロイン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。したがって、一側面において、本発明は、コムギタンパク質、卵タンパク質、コラーゲン、ホエータンパク質、カゼイン、ダイズタンパク質、エンドウタンパク質、繊維状タンパク質、絹タンパク質、たとえばケラチン、セリシン、またはフィブロイン、それらの加水分解生成物、あるいはそれらの混合物、好ましくはコムギタンパク質、卵タンパク質、コラーゲン、繊維状タンパク質、絹タンパク質、たとえばケラチン、セリシン、またはフィブロイン、それらの加水分解生成物、あるいはそれらの混合物を含む組成物を提供する。別の側面によると、本発明は、ホエータンパク質、カゼイン、ダイズタンパク質、エンドウタンパク質、および/またはそれらの加水分解物を含む本発明の組成物を提供し、但し前記組成物はイヌリンを含まない。
【0034】
本発明の別の側面によると、組成物がフィトエストロゲンおよびキサンチン誘導体を含まない本発明の組成物が提供される。本発明の一実施態様においては、ダイズタンパク質および/またはその加水分解物を含む本発明の組成物が提供され、但し前記組成物は、フィトエストロゲンおよびキサンチン誘導体を含まない。
【0035】
本発明のさらに別の側面においては、キサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、ペクチン、β−グルカン、およびそれらの混合物からなる群より選択される粘稠性可溶性繊維を含む本発明の組成物が提供され、但し前記組成物はイヌリンを含まない。
【0036】
本発明のさらなる実施態様においては、本発明の組成物は、ゴム、粘液、カラギーナン、およびそれらの混合物からなる群より選択される粘稠性可溶性繊維、好ましくはコンニャクゴム、イナゴマメゴム、タラマメゴム、トラガカントゴム、カラヤゴム、およびそれらの混合物からなる群より選択される粘稠性可溶性繊維を含むことができる。
【0037】
本発明のさらに別の実施態様においては、本発明の組成物は、グアーガム、キサンタンガム、コンニャクゴム、ペクチン、および/またはβ−グルカンとともに、コムギタンパク質、卵タンパク質、コラーゲン、エンドウタンパク質、繊維状タンパク質、絹タンパク質、たとえばケラチン、セリシン、またはフィブロイン、それらの加水分解生成物、およびそれらの混合物からなる群より選択される粘度低下性タンパク質を含むことができる。
【0038】
本発明の別の実施態様においては、本発明の組成物は、実質的または排他的に、グアーガムおよびコラーゲン加水分解物からなる。
【0039】
本発明の別の側面においては、加水分解された、たとえば中程度または高度に加水分解された粘度低下性タンパク質、たとえばさらなる粘度低下活性を有さない、たとえば実質的に有さないタンパク質を含む本発明の組成物が提供される。本発明によると、1種類または混合物の粘度低下性タンパク質を使用できることを理解されたい。
【0040】
本発明の組成物中に加えられる粘稠性可溶性繊維の量は、粘稠性繊維の性質および/または分子量、粘度低下性タンパク質の性質および量、本発明の組成物の形態、たとえば粉末またはすぐに消費できる組成物、たとえばすぐに飲める形態の組成物またはインスタント飲料、あるいは到達すべき最終粘度、たとえば組成物が加えられる製品の種類に依存しうる。典型的には、粘稠性可溶性繊維がより粘稠であるほど、組成物中のその量は少なくなる。
【0041】
したがって、本発明によるすぐに消費できる形態の組成物中に含まれる粘稠性可溶性繊維の好適な量は、すぐに消費できる形態の組成物の全重量を基準にして、最大約40重量%、たとえば最大約20重量%、または最大約15重量%の範囲であり、たとえば約0.05から約10重量%の範囲、たとえば約0.5%または1%から約2.5%、5%または10%の範囲、たとえば約1重量%である。
【0042】
粉末形態の本発明の組成物は、粘稠性可溶性繊維を、粉末組成物の全重量を基準にして、約0.5から約60重量%の量、より好ましくは約4から約40重量%、より好ましくは約10から約30重量%の量、さらにより好ましくは約8から約20重量%の量で含むことができる。
【0043】
本発明の好ましい一実施態様においては、本発明による組成物における、キサンタンガムのコンニャクゴムに対する重量比が、約0.5から約10であり、より好ましくは約1から約5であり、さらにより好ましくは約2から約4である。本発明の別の実施態様においては、本発明の組成物の、グアーガムのキサンタンガムに対する重量比が、約0.01から約100であり、より好ましくは約0.05から約10であり、さらにより好ましくは約0.1から約5である。
【0044】
本発明の組成物中に加えられる粘度低下性タンパク質の好適な量は、タンパク質の分子量および/または性質、たとえばその三次元構造、たとえば球状、微小繊維、変性構造、その電荷、またはそのpHiに依存しうる。
【0045】
本発明のすぐに消費できる形態の組成物中に加えられる粘度低下性タンパク質の量は、組成物の全重量を基準にして、約1から約60重量%、好ましくは約2から約20重量%、より好ましくは約3から約10重量%、さらにより好ましくは約4から約8重量%を変動させることができる。
【0046】
本発明の一実施態様においては、粉末形態の本発明の組成物は、組成物の全重量を基準にして、組成物の約0.05から90重量%、好ましくは約0.5から約80重量%、より好ましくは約20から約60重量%の量の粘度低下性タンパク質を含む。
【0047】
本発明のさらなる側面においては、本発明の組成物は、経口または経腸投与用などの非粘稠性組成物、たとえば500mPa・s未満の粘度を有する組成物を得るために十分な量の粘度低下性タンパク質を含むことができる。
【0048】
本発明の別の実施態様においては、粉末またはすぐに消費できる形態の本発明の組成物中の粘稠性可溶性繊維:粘度低下性タンパク質の重量比を、約0.01:1から約20:1、好ましくは約0.05:1から約10:1、より好ましくは約0.1:1から約1:1、最も好ましくは約0.1:1から約0.4:1にすることができる。
【0049】
本発明の一側面においては、粉末またはすぐに消費できる形態の本発明の組成物中の粘稠性可溶性繊維および粘度低下性タンパク質の全量を、組成物の全重量を基準にして、約1から約65重量%、より好ましくは約1から約30重量%、さらにより好ましくは2から15重量%、最も好ましくは約5から約15重量%にすることができる。
【0050】
本発明の一実施態様においては、本発明の組成物は、他のタンパク質材料を粘度低下性タンパク質以外に含むことができる。本明細書で使用される場合、「タンパク質材料」とは、あらゆる形態のタンパク質、ペプチド、遊離アミノ酸、アミノ酸混合物、およびそれらの組み合わせを意味する。
【0051】
本発明のさらなる実施態様においては、本発明の組成物は、可溶性粘稠性繊維および粘度低下性タンパク質以外に、脂肪、炭水化物、無機物、およびビタミン、たとえば特に、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、リン、ビタミンD、および/またはビタミンKなどの他の栄養成分を含むことができる。
【0052】
本発明の別の実施態様においては、粘稠性可溶性繊維を含めた本発明による組成物の炭水化物含有量は、組成物の全カロリー含有量を基準にして、約60en%未満、好ましくは約55en%未満、より好ましくは約30en%未満、最も好ましくは約20en%未満とすることができる。
【0053】
本発明のさらに別の実施態様においては、本発明による組成物は、マルトデキストリン、加工デンプン、アミロースデンプン、トピオカ(topioca)デンプン、コーンスターチ、またはそれらの混合物などのデンプン由来の炭水化物を含まない場合がある。
【0054】
本発明の別の実施態様においては、本発明による組成物は、サッカロースを含まない場合がある。
【0055】
本発明のさらなる実施態様において、本発明による組成物は、フルクトースおよび/またはガラクトースを含むことができる。
【0056】
本発明による組成物のさらなる成分としては、健康上の利益が得られることが知られているあらゆる生物活性化合物または抽出物を挙げることができ、特に、哺乳動物の血中コレステロールレベルを低下させるための、スタチン、胆汁酸金属イオン封鎖剤、ニコチン酸、またはフィブリン酸など、および/または糖尿病を治療するための、スルホニル尿素、ビグアナイド、α−グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジンジオン類、メグリチニド、またはD−フェニルアラニンなどを挙げることができる。たとえば、本発明の組成物は、血糖および/または血中コレステロールレベルを低下させるためのこのような薬物とともに、別個に、連続して、または同時に投与するためのキットの形態で提供することができる。これらの薬物は、たとえばコンニャクゴム、キサンタンガム、β−グルカン、またはグアーガムなどの粘稠性可溶性繊維、および粘度低下性タンパク質と合わせて、標準的な医薬品剤形で処方すると好都合である。
【0057】
本発明の一側面においては、本発明による組成物は、医薬または栄養配合物、典型的には栄養補給食品、栄養補助食品、機能性食品、および飲料製品中に容易に混入することができる。
【0058】
本発明のさらなる側面においては、本発明の組成物を医薬品として使用することができる。したがって、本発明の組成物を、医薬形態で投与したり、栄養補助食品として投与することができ、好ましくは少なくとも1種類の薬学的または栄養学的に許容される担体と併用される。
【0059】
本発明のさらに別の側面においては、本発明の組成物を含む薬物製剤、栄養製剤、または医薬製剤、たとえば栄養補助食品が提供される。本発明の薬物製剤、栄養製剤、または医薬製剤は、場合により、医薬適合性の担体を含むことができる。さらに、本発明によると、可溶性粘稠性繊維と、粘度低下性タンパク質と、血糖を低下させるための1種類以上の薬物および/または血中コレステロールレベルを低下させるための1種類以上の薬物とを含む、糖尿病を治療または予防するための同時、別個、または順次使用するための複合医薬品が提供される。
【0060】
医薬組成物および栄養補助食品は、好都合な剤形のソフトゲル、サッシェ、粉末、シロップ、液体懸濁液、乳液、および溶液の形態で提供することができる。ソフトカプセルでは、有効成分を、好適な液体、たとえば脂肪油、パラフィン油、または液体ポリエチレングリコール中に溶解または懸濁させることが好ましい。場合によっては、安定剤を加えることができる。
【0061】
経口医薬品または栄養補助食品の形態は、医薬技術分野で公知の従来の調剤手順、すなわち、食用で医薬適合性の固体または液体の担体、および/または賦形剤、たとえば増量剤、たとえばセルロース、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、およびリン酸カルシウム、ならびにバインダー、たとえばデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)を、有効物質とともに混合することによって製造することができる。任意選択の添加剤としては、潤滑剤および流動調整剤、たとえばケイ酸、二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム/カルシウム、ポリエチレングリコール(PEG)希釈剤、崩壊剤、たとえばデンプン、カルボキシメチルデンプン、架橋PVP、寒天、アルギン酸およびアルギン酸塩、着色剤、着香剤、ならびに融解剤が挙げられる。たとえば識別の目的で、または異なる用量の有効成分を示すために、染料または顔料を錠剤または糖衣に加えることができる。
【0062】
場合によっては、本発明による組成物は、栄養的に完全であってよく、すなわちビタミン、ミネラル、微量元素および窒素、炭水化物、ならびに、脂肪酸源を含むことができ、それによって、一日に必要な量のビタミン、無機物、炭水化物、脂肪酸、タンパク質などを実質的にすべて供給する唯一の栄養源として使用することができる。したがって、本発明の組成物は、たとえば経口または管による供給に適した、栄養的にバランスのとれた完全食の形態で提供することができる。
【0063】
あるいは、本発明の組成物は、食事の一部、すなわち栄養補給剤として、たとえば飲料、たとえば健康飲料の形態で提供することもできる。
【0064】
本発明の別の側面においては、食物繊維を哺乳動物に摂取させる方法であって、それを必要とする哺乳動物に本発明の組成物を投与するステップを含む方法が提供される。
【0065】
低カロリー食事代替品または他の栄養製品の形態で可溶性粘稠性繊維を提供することが望ましい場合がある。この場合、食事代替品または他の栄養製品は、好ましくは、低脂肪、すなわち、組成物の全カロリー含有量を基準にして、脂肪の寄与量が約10en%未満、または実質的に無脂肪、すなわち約2.5en%未満、たとえば脂肪約2en%である。好適には、1回分の低カロリー食事代替品が、約1000kcal未満、好ましくは約200kcalから約500kcalの間のカロリー値を有する。好適な低カロリー栄養製品としては、ソフトドリンク、たとえばジュース、スムージー、または大豆系飲料、あるいはあらゆる種類の食品中に分散させたもの、たとえば、棒状乳製品、スープ、朝食用シリアル、ミューズリー、キャンディー、タブ、クッキー、ビスケット、ライスクラッカーなどのクラッカー、ならびにミルクセーキ、ヨーグルト飲料などの乳製品を挙げることができる。
【0066】
本発明の組成物は、場合によっては、従来の食品添加物を含み、たとえば、あらゆる乳化剤、安定剤、甘味料、香味料、着色料、保存料、キレート剤、浸透物質、緩衝剤またはpH調整物質、酸味料、増粘剤、テクスチュライザーなどを含む。
【0067】
本発明のさらなる側面においては、食品添加物としての本発明の組成物の使用が提供される。
【0068】
本発明の組成物の粘度を調整する、すなわち増加または低下させる方法は、食品および飲料の製造において好都合となる場合がある。たとえば、本発明の組成物、たとえば低粘稠性組成物を、高粘稠性栄養製品を製造するために使用することができる。本発明の組成物は、食品および飲料製品、たとえばアイスクリーム、キャンディ、チョコレート、ミューズリー、クッキー、ビスケット、クラッカー、チューインガム、乳製品、デザート、ミルクセーキ、ヨーグルト飲料、スープなどの、粘度の調整、安定化、および/またはきめの付与に使用することもできる。場合によっては、本発明の組成物は、種々の減脂肪、低脂肪、および無脂肪の食品および飲料中、たとえば、ケーキ、プリンタイプのデザート、バター、ピーナツバター、チーズ、サラダドレッシング、ソース、マーガリン、クリームチーズおよびその他のスプレッド、スナックディップ、マヨネーズ、サワークリーム、ヨーグルト、アイスクリーム、冷菓、ファッジおよびその他の糖菓、ならびにスキムミルク中の脂肪代替品として使用することができる。本発明の組成物は、たとえば、焼いた食品、たとえばケーキ、パイ、ブラウニー、クッキー、パン、ヌードル、スナック商品、たとえば、クラッカー、グラハムクラッカー、およびプレッツェル、ならびに類似の製品中のショートニングとしても有用である。
【0069】
本発明による好適な製品形式としては、溶液、すぐに消費できる形態の組成物、たとえばすぐに飲める形態の組成物、インスタント飲料、液体食品、たとえばソフトドリンク、ジュース、スポーツ飲料、乳飲料、ミルクセーキ、ヨーグルト飲料、またはスープが挙げられる。本発明のさらなる実施態様においては、本発明の組成物は、濃縮物、粉末、または顆粒、たとえば発泡顆粒の形態で製造し販売することができ、これらを水あるいはミルクまたは果汁などの他の液体で希釈すると、消費できる形態の組成物、たとえばすぐに飲める形態の組成物またはインスタント飲料が得られる。
【0070】
本発明の組成物の経腸投与、および好ましくは経口投与は、本発明に含まれる。
【0071】
投与すべき本発明の組成物の量および投与計画は、投与目的、個々の被験者の年齢、性別、および体重、ならびに被験者の症状の重篤度などの種々の関連する要因を考慮して決定される。
【0072】
本発明による組成物が食品または飲料の形態で供給される場合、組成物の好適な1回分の量は、約20から約500g、好ましくは約30から約300gとすることができる。医薬形態で提供される場合、本発明の組成物の好適な1日量は、最大約250g、好ましくは150gであり、約10から約100gの範囲が最適である。体重で言えば、適切な1日量の範囲は、1kg当たり本発明の組成物が約2から約15gである。1日量は、1単位用量に一致してもよいし、複数の単位用量として提供することもできる。本発明による組成物の厳密な量は、広い範囲内で変動させることができるし、従来方法によって容易に決定することができる。
【0073】
本発明の組成物、たとえば本発明の組成物を含む医薬または栄養製剤は、低下した粘度という好都合な特性を有し、そのため有効量の粘稠性可溶性繊維を送給することができる。本発明による粘稠性可溶性繊維の好適な1日量は、約2mgから約50gの範囲、好ましくは約25mgから約40gの範囲、より好ましくは約50mgから約30gの範囲、最も好ましくは約2gから約20gの範囲である。
【0074】
本発明の組成物は、専門医の管理下で投与することができ、または自己投与することができる。
【0075】
本発明の組成物は、たとえば、糖尿病または高血中コレステロールレベルに罹患した患者の血糖または血中コレステロールレベルを定期的に制御するために、毎日、週1回、または月1回投与することができるし、あるいは年1回またはさらに長期間間隔をあけて投与することができる。好適な1日の投与計画は、1日に1回または複数回の投与を含むことができる。最適には、本発明の組成物が、規則的に、食事前、すなわち食前、または食後、または食事中に、少なくとも1日1回摂取される。好ましくは、本発明の組成物を食事前に摂取することができる。本発明の一実施態様においては、本発明の組成物は、たとえば、食後2時間後に血糖値が180mg/dL以下に戻るまで、または血中コレステロールレベルが200mg/dL以下となるまで、および/または血中LDLコレステロールレベルが160mg/dL未満、または130mg/dL未満に戻るまで、摂取することができる。これらの製剤は安全に摂取できるので、糖尿病、代謝症候群、および/または高コレステロール血症の被験者は、必要である限り、好ましくは食事の2時間後に正常血糖値および/またはコレステロールレベルに回復するまで、本発明による組成物の摂取を続けることができる。
【0076】
本発明による組成物を含む医薬品、食品、または飲料は、だれでも安全に摂取することができ、高コレステロール血症、糖尿病または代謝症候群の危険性が認められるすべての人、たとえば、高齢者、喫煙者、および/または体重超過、肥満、心疾患、または高血圧に苦しむすべての人に特に推奨される。本発明の組成物は、代謝症候群、血糖疾患、動脈硬化、高血圧、高コレステロール血症、高脂血症、糖尿病、腸または消化の不具合、クローン病、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、腸憩室、結腸癌に罹患する被験者に特に好適となる場合がある。血糖値を低下させることによって、本発明の組成物は、心疾患、高血圧、発作、失明、血管疾患、腎機能障害、切断、および神経障害の後遺症を抑制する効果も有する。本明細書で使用される場合、「高血圧」とは、持続的に140/90mmHg(最高血圧/最低血圧)を超える血圧を意味する。血中コレステロールレベルを低下させることによって、本発明の組成物は心疾患、たとえば心臓発作を予防することもできる。
【0077】
本発明の一実施態様においては、本発明は、治療を必要とするヒトを含む哺乳動物の代謝症候群および/または糖尿病および/または高コレステロール血症を治療および/または予防する方法であって、前記哺乳動物に有効量の本発明による組成物を投与するステップを含む方法に関する。本明細書で使用される場合、用語「有効量」とは、所望の治療効果を得るため、たとえば、糖尿病および/または代謝症候群および/または高コレステロール血症の治療および/または予防を行うために有効な量を意味する。
【0078】
本発明の別の側面においては、治療を必要とするヒトを含む哺乳動物の血中コレステロールレベルおよび/または血糖を低下させる方法であって、前記哺乳動物に有効量の本発明による組成物を投与するステップを含む方法が提供される。以降、用語「血糖の低下」とは、食事の2時間後に血糖を180mg/dL以下までのレベルに低下させることを意味する。本明細書で使用される場合、「血中コレステロールレベルの低下」とは、血中コレステロールを240mg/dL未満、より好ましくは200mg/dL未満のレベルに低下させること、または血中LDLコレステロールを190mg/dL未満、より好ましくは160mg/dL未満、さらにより好ましくは130mg/dL未満に低下させることを意味する。
【0079】
本発明の別の実施態様においては、本発明による組成物を、ヒトを含む哺乳動物の代謝症候群および/または糖尿病および/または高コレステロール血症の予防または治療のための医薬または栄養製剤の製造に使用することができる。
【0080】
本発明のさらなる実施態様においては、本発明による組成物を、哺乳動物の血糖および/または血中コレステロールレベルを低下させるための医薬または栄養製剤の製造に使用することができる。
【0081】
本発明によると、本発明の組成物を、哺乳動物に食物繊維を摂取させるために使用することができる。
【0082】
本発明の一側面においては、本明細書に記載される治療方法は、糖尿病薬、たとえば、スルホニル尿素、ビグアナイド、α−グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジンジオン、メグリチニド、またはD−フェニルアラニン、および/または血中コレステロール低下薬、たとえば、スタチン、胆汁酸金属イオン封鎖剤、ニコチン酸、およびフィブリン酸との複合投与を含むことができる。
【0083】
本発明によると、粘稠性可溶性繊維を含む低粘稠性組成物は、そのような粘稠性可溶性繊維と、コムギタンパク質、卵タンパク質、コラーゲン、ホエータンパク質、カゼイン、ダイズタンパク質、エンドウタンパク質、筋肉タンパク質、繊維状タンパク質、絹タンパク質、たとえばケラチン、セリシン、またはフィブロイン、グルテン、およびそれらの混合物からなる群より選択され、より好ましくはコムギタンパク質、卵タンパク質、コラーゲン、ホエータンパク質、カゼイン、およびそれらの混合物からなる群より選択される粘度低下性タンパク質とを、水性媒体中、非粘稠性組成物、たとえば、粘度低下性タンパク質が存在しない同じ組成物の粘度よりも低い粘度を有する組成物を得るために十分な条件下で、混合することによって製造することができる。水性媒体の好適な例としては、水、ミルク、水を主成分とする飲料、ミルクを主成分とする飲料、炭酸飲料、非炭酸飲料、ビール、ワイン、豆乳、およびオレンジジュースなどの果実系飲料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このような水性媒体は、リン酸緩衝液などの特定の緩衝液も含むことができる。
【0084】
本発明によると、成分を同時または順次に加えることができ、すなわち粘度低下性タンパク質を加えた後、または加える前に粘稠性可溶性繊維を、前述の水性媒体に加えることができる。
【0085】
本発明の一実施態様においては、本発明の組成物の成分を、乾燥形態、すなわち粘稠性可溶性繊維および粘度低下性タンパク質の乾燥混合物として加えることができる。このような乾燥混合物は、好ましくは低温、高温、または沸騰した水性媒体を使用して、より好ましくは約5℃から約35℃の温度の水性媒体を使用して、撹拌または混合することによって水性媒体中に分散させることができる。本発明の一側面においては、飲料の形態の本発明の組成物は、粘稠性可溶性繊維および粘度低下性タンパク質の混合物、たとえば乾燥混合物を、冷水中、たとえば約5から約35℃の間の温度の水中に分散させることによって得ることができる。
【0086】
本発明の別の実施態様においては、本発明の組成物の乾燥させた成分を、混合する前に、別々に水和させることができ、すなわち可溶性粘稠性繊維の分散体、および/または粘度低下性タンパク質の分散体を別々に調製した後、混合することができる。粘稠性可溶性繊維を水和させて、そのような分散体を得るための好適な技術は、当技術分野で公知である。粘稠性可溶性繊維を水和させるための温度または撹拌時間などの選択される条件は、特に、繊維の性質および濃度に依存する。このような条件は、当技術分野で公知である。水和した可溶性粘稠性繊維分散体を得るために、可溶性粘稠性繊維を、低温、高温、または沸騰した水性媒体、より好ましくは約70℃から約80℃の温度の水性媒体に加えて、1から数時間、たとえば1時間撹拌することができる。好ましくは、分散体中の可溶性粘稠性繊維の濃度は、分散体の全重量を基準にして、約0.05から約15重量%、より好ましくは約0.5から約5重量%で変動する。本発明の一実施態様においては、可溶性粘稠性繊維分散体は、たとえばpHが約6.7から約7.2のリン酸緩衝液中で調製することができる。より低いpH値も使用することができ、たとえば約3.8から約5.7のpHを使用することができる。たとえば、コンニャクゴム分散体は、分散体の全重量を基準にして約0.5から約5重量%の量のコンニャク粉末を、室温で約6.7から約7.2のpHを有するリン酸緩衝溶液に加え、約5分間撹拌することによって調製することができる。水和した粘度低下性タンパク質分散体は、乾燥した粘度低下性タンパク質を室温の水性媒体中で水和させることによって調製することができる。分散体中の粘度低下性タンパク質の濃度は、分散体の全重量を基準にして、約0.1から約60重量%、好ましくは約0.5から約35%、より好ましくは約1から約10重量%で変動させることができる。たとえば、コラーゲン加水分解物分散体は、低温の水性媒体中で5分未満撹拌することによって調製することができる。
【0087】
本発明のさらなる実施態様においては、乾燥した可溶性粘稠性繊維を、粘度低下性タンパク質分散体、たとえば水和したタンパク質に加えることができるし、または乾燥した粘度低下性タンパク質を、可溶性粘稠性繊維分散体に加えることもできる。いずれの場合も、乾燥成分は、低温、室温、または高温で分散体に加えられ、たとえば約5℃から約60℃、より好ましくは約15℃から約25℃で加えられる。
【0088】
本発明によると、可溶性粘稠性繊維の濃度は、組成物の全重量を基準にして、約0.05から約30重量%、好ましくは約0.1から約10重量%、より好ましくは約0.5から約5重量%、さらにより好ましくは約0.75%から約2重量%で変動させることができる。粘度低下性タンパク質の濃度は、組成物の全重量を基準にして、約1から約60重量%、好ましくは約2から約20重量%、より好ましくは約3から約10重量%、さらにより好ましくは約4から約8重量%とすることができる。さらなるステップにおいては、本発明の組成物を脱水して粉末を得ることができる。
【0089】
好適な分散方法は、本発明の組成物の所望の性質および/または用途に基づいて選択されることを理解されたい。
【0090】
本発明によると、本発明の組成物の粘度を調整することができ、たとえば再増加させることができる。本発明の一実施態様においては、粘度低下性タンパク質の分解状態を調整および/または遅延させることによって、本発明の非粘稠性組成物の粘度を調整および/または遅延、好ましくは再増加させる方法が提供される。粘度低下性タンパク質の分解、たとえば変性または加水分解が多くなるほど、その粘度低下効果が少なくなり、粘度の再増加が増える。タンパク質を変性または加水分解する好適な方法は、当技術分野で公知である。たとえば、本発明の組成物の粘度低下性タンパク質は、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、エキソペプチダーゼ、またはエンドペプチダーゼなどのプロテアーゼを、約20℃から約60℃の温度、好ましくは約37℃で使用することによって変性または加水分解することができる。場合によっては、本発明の組成物、たとえば非粘稠性または低粘稠性組成物の粘度は、加熱と、アルカリ処理、たとえばpH約12でのアルカリ処理、との同時使用、またはより好ましくは酸性処理、たとえばpH約4.5、より好ましくはpH2未満での酸性処理、との同時使用によって、再増加させることができる。本発明の組成物の粘度の種々の程度の調整は、変性または加水分解の程度を変化させることによって、たとえば、温度、インキュベーション時間、酵素の性質、および/またはpHなどの加水分解条件を変化させることによって実施することができる。2種類以上の変性または加水分解方法の組み合わせ、たとえば酵素的加水分解および酸加水分解の組み合わせを使用することもできる。本発明の一実施態様においては、本発明の組成物は、さらなる粘度低下活性を有さない、たとえば粘稠性可溶性繊維の粘度をもはや低下させることがない程度にまで、粘度低下性タンパク質を変性または加水分解するために十分な条件および時間において、プロテアーゼの存在下でインキュベートすることができる。
【0091】
本発明のさらなる側面においては、粘度低下性タンパク質を変性または加水分解して、本発明の組成物の粘度を再増加または逆転させる方法であって、粘度低下性タンパク質の分解、たとえば変性または加水分解を誘導するのに十分な量の、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、エキソペプチダーゼ、またはエンドペプチダーゼなどのプロテアーゼなどの手段と、本発明の組成物のpHをそれぞれ低下または増加させるのに十分な量の酸性または塩基性溶液とを、本発明の組成物に加えるステップを含む方法が提供される。
【0092】
さらに別の側面においては、粘度低下性タンパク質を変性または加水分解させて、本発明の組成物の粘度を再増加または逆転させるための、上記手段の使用を提供する。
【0093】
本発明のすべての組成物の有用性は、約2mg、25mg、50mg、または2gから約20、30、40、または50gの範囲の1日量の粘稠性可溶性繊維と、哺乳動物、たとえば成体の哺乳動物、および標準的な動物モデル用の本発明の非粘稠性組成物を得るために十分な用量の粘度低下性タンパク質とを使用して、たとえば前述のような微候における標準的臨床試験において観察することができる。血糖低下効果、または血中コレステロール低下効果は、標準的動物試験および臨床試験において観察することができる。
【0094】
ヒトの臨床試験の1つは以下のように実施することができる:90名の被験者による単盲検、プラセボ対照、並行試験を、たとえば約2mg、25mg、50mg、または2gから約20、30、40、または50gの粘稠性可溶性繊維と、本発明の非粘稠性組成物を得るために十分な用量の粘度低下性タンパク質とを含む本発明の組成物を使用して行って、代謝症候群の特徴に対する影響を調べることができる。ベースラインおよび処置から3か月後において以下のパラメータを評価することができる:体重、体重再増加および体重再増加の構成、摂食に対する態度、食欲の特徴、経口耐糖能(OGT)、グルコース、インスリン、C−ペプチド、トリグリセリド(TG)、グリセロール、遊離脂肪酸(FFA)、および飽満(すべての被験者)。
【0095】
本発明によると、代謝症候群、糖尿病、または高血中コレステロールレベルに関連する兆候および症状を、重篤な副作用を全く示さない天然化合物を使用して、効率的に改善することができる。さらに、本発明の方法は、許容範囲が広く、使用が簡単である。
【0096】
以下の実施例を参照しながら、本発明をさらに説明する。
(実施例)
【0097】
コンニャクゴムは、日本の清水のプロポールRSである。
【0098】
コラーゲン加水分解物は、ドイツのドイツ・ゼラチン・ファブリゲン・シュテス(Deutsche Gelatine−Fabriken Stoess & Co GmbH)のコラゲルA(Collagel A)である。
【0099】
高MWグアータイプは、スイスのポリガルAGのポリガム75である。
【0100】
低MWグアータイプは、フランスのデグサ・テクスチュラント・システムズのライゴム3である。
【0101】
キサンタンガムは、フランスのデグサ・テクスチュラント・システムズのサティアキサンCX2QDである。
【0102】
アスパルテームは、米国のサール(Searle)製(ニュートラスイート(Nutrasweet)(商標))である。
【0103】
アセスルファム(Acesulfam)Kは、ドイツのニュートリノバ(Nutrinova)製(サネット(Sunett)(商標))である。
【実施例1】
【0104】
粘度低下性タンパク質の1%コンニャクゴム組成物に対する影響
コンニャクゴムおよび粘度低下性タンパク質を互いに混合し、約25℃の温度の水中に分散させる。分散装置として磁気的撹拌を使用し、2分間混合を続ける。1時間静置した後、粘度を測定する。
【0105】
【表1】

【実施例2】
【0106】
コラーゲン濃度の、1%コンニャクゴム組成物の粘度に対する影響
異なる濃度でコンニャクゴムおよびコラーゲン加水分解物を含む組成物を、実施例1に記載されるように調製し、それらの粘度を、LVDV第4番スピンドルおよび剪断速度60rpmを使用して、ブルックフィールド粘度計により25℃において測定した。
【0107】
【表2】

【実施例3】
【0108】
コラーゲンの、コンニャクゴムおよび/またはキサンタンガム組成物の粘度に対する影響
実施例1に記載されるように粘稠性可溶性繊維組成物を調製し、それらの粘度を測定した。
【0109】
【表3】

【実施例4】
【0110】
グアーガム組成物の粘度
実施例1に記載されるように組成物を調製した。LVスピンドルを使用しブルックフィールド粘度計で20℃において粘度を測定した。
A.グアーガムの分子量および濃度の粘度に対する影響
【0111】
【表4】

【0112】
B.コラーゲンのグアーガム組成物に対する粘度低下効果
【0113】
【表5】

【0114】
C.異なるコラーゲン濃度の、1.5重量%グアーガム組成物(高MWタイプ)の粘度に対する粘度低下効果。
【0115】
【表6】

【実施例5】
【0116】
キサンタンガム組成物の粘度
実施例1に記載されるように粘稠性可溶性繊維組成物を調製し、ブルックフィールド、LVDVスピンドルを使用して20℃においてそれらの粘度を測定した。
A.コラーゲン濃度の、1重量%キサンタンガム組成物の粘度に対する影響。
【0117】
【表7】

【0118】
B.コラーゲンの、キサンタンガム組成物の粘度に対する影響。
【0119】
【表8】

【0120】
C.酸性度の、0.5重量%キサンタンガム組成物の粘度に対する影響。
【0121】
【表9】

【実施例6】
【0122】
グアーガムとキサンタンガムとの間の相互作用
実施例1のように組成物を調製した。ブルックフィールド粘度計(スピンドルLV)を使用して20℃で粘度を測定した。
A.粘度に対する影響
【0123】
【表10】

【0124】
B.コラーゲン5重量%の粘度に対する影響
【0125】
【表11】

【0126】
C.酸性度およびコラーゲン5重量%の粘度に対する影響
【0127】
【表12】

【0128】
D.酸性度およびコラーゲン2.5重量%の粘度に対する影響
【0129】
【表13】

【実施例7】
【0130】
グアーガムおよびコラーゲンを含有するレモンインスタント飲料の調製
異なる成分を互いに混合して、温度約25℃の水264.4gとシェーカー中で約10秒間混合した。
グアーガム(1)(g) 3.75
コラーゲン(g) 17.3
フルクトース(g) 12.3
ピロリン酸NaH(g) 0.9
クエン酸(g) 0.5
レモン香料(g) 0.7
アスパルテーム(2)(g) 0.015
アセスルファムK(3)(g) 0.015
モノおよびジグリセリド 0.08
の酢酸エステル(g)
(1)グアーガムは高分子量タイプである。
【0131】
最終組成物は、pH4.35を有し、約25から約30mPa・sの間の粘度を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種類以上の粘稠性可溶性繊維を含む組成物の粘度調整のためのタンパク質の使用であって、前記タンパク質が、コムギタンパク質、卵タンパク質、コラーゲン、ホエータンパク質、カゼイン、ダイズタンパク質、エンドウタンパク質、筋肉タンパク質、グルテン、繊維状タンパク質、絹タンパク質、およびそれらの加水分解生成物の少なくとも1種類である、使用。
【請求項2】
前記粘稠性可溶性繊維が、ゴム、ペクチン、β−グルカン、粘液、およびカラギーナンの少なくとも1種類である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記ゴムが、コンニャクゴム、イナゴマメゴム、タラマメゴム、トラガカントゴム、カラヤゴム、キサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、およびジェランガムの少なくとも1種類である、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
1種類以上の粘稠性可溶性繊維と1種類以上の粘度低下性タンパク質とを含む、経口または経腸投与用組成物。
【請求項5】
1種類以上の粘稠性可溶性繊維と1種類以上の粘度低下性タンパク質とを含む、経口または経腸投与用非粘稠性組成物。
【請求項6】
室温における粘度が約500mPa・s未満である、請求項4または5に記載の組成物。
【請求項7】
前記繊維:前記タンパク質の比が、約0.01:1から約20:1である、請求項4から6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物の全重量を基準にして約1重量%から約10重量%の粘稠性可溶性繊維を含む、請求項4から7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記タンパク質が、コムギタンパク質、卵タンパク質、コラーゲン、ホエータンパク質、カゼイン、ダイズタンパク質、エンドウタンパク質、筋肉タンパク質、グルテン、繊維状タンパク質、絹タンパク質、およびそれらの加水分解生成物の少なくとも1種類である、請求項4から8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記繊維が、ゴム、粘液、カラギーナン、ペクチン、およびβ−グルカンの少なくとも1種類である、請求項4から9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記ゴムが、コンニャクゴム、イナゴマメゴム、タラマメゴム、トラガカントゴム、カラヤゴム、キサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、およびジェランガムの少なくとも1種類である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
1種類以上の粘稠性可溶性繊維と1種類以上の粘度低下性タンパク質とを含み、前記粘稠性可溶性繊維が、ゴム、粘液、カラギーナン、ペクチン、およびβ−グルカンの少なくとも1種類であり、前記粘度低下性タンパク質が、ホエータンパク質、ダイズタンパク質、およびそれらの加水分解生成物の少なくとも1種類である組成物。
【請求項13】
1種類以上の粘稠性可溶性繊維と1種類以上の粘度低下性タンパク質とを含み、前記粘度低下性タンパク質が、コムギタンパク質、卵タンパク質、コラーゲン、筋肉タンパク質、グルテン、繊維状タンパク質、絹タンパク質、およびそれらの加水分解生成物の少なくとも1種類である組成物。
【請求項14】
1種類以上の粘稠性可溶性繊維と1種類以上の粘度低下性タンパク質とを含む組成物であって、前記粘度低下性タンパク質が、ホエータンパク質、ダイズタンパク質、エンドウタンパク質、およびそれらの加水分解生成物の少なくとも1種類であり、但し、イヌリンは含まない、組成物。
【請求項15】
前記組成物が飲料の形態である、請求項4から14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
代謝症候群および/または糖尿病の予防または治療のため、および/または血中コレステロールレベルを低下させるための医薬品または栄養組成物を製造するための、請求項4から15のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項17】
治療の必要な哺乳動物の代謝症候群および/または糖尿病を治療および/または予防する方法、および/または血中コレステロールレベルを低下させる方法であって、請求項4から15のいずれか1項に記載の組成物の有効量を前記哺乳動物に投与するステップを含む、方法。
【請求項18】
粘稠性可溶性繊維を、そのような繊維を必要とする哺乳動物に提供する方法であって、前記哺乳動物に請求項4から15のいずれか1項に記載の組成物を投与するステップを含む、方法。

【公開番号】特開2010−254702(P2010−254702A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−131743(P2010−131743)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【分割の表示】特願2004−512783(P2004−512783)の分割
【原出願日】平成15年6月12日(2003.6.12)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】