説明

精算システム

【課題】飲食店におけるレジカウンターの混雑を緩和させる精算システムを提供する。
【解決手段】精算システムは、支払い金額を出力する出力部と、支払い金額に基づいて客が支払い処理を行う支払い処理部と、客が支払い処理を完了させたことを出力する証明部とを有し、客が食事を行う領域近傍に配置される精算端末C1〜C12を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精算システムに関し、特に客が食事を行う領域近傍に配置された精算用端末を有する精算システムに関する。
【背景技術】
【0002】
客が食事を行う領域近傍に配置された注文データ管理システムが提案されている。
【0003】
特許文献1は、客が食事を行う領域近傍に配置されたテーブル端末を使って、飲食物の注文が可能な飲食店用接客管理装置を開示する。
【特許文献1】特開2001−134673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の装置は、支払い金額が出力されるだけで、支払い自体は、飲食店の出入り口付近に設けられたレジカウンターなどで行う必要がある。昼休み等、支払い処理が集中する時間帯におけるレジカウンターの混雑を緩和させることはできない。
【0005】
したがって本発明の目的は、飲食店におけるレジカウンターの混雑を緩和させる精算システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る飲食店における精算システムは、支払い金額を出力する出力部と、支払い金額に基づいて客が支払い処理を行う支払い処理部と、客が支払い処理を完了させたことを出力する証明部とを有し、客が食事を行う領域近傍に配置される精算端末を、複数備えることを特徴とする飲食店における精算システム。
【0007】
好ましくは、支払い金額は、店員が入力した客の注文内容に関する情報に基づいて算出される。
【0008】
さらに好ましくは、複数の精算端末とネットワークを介して信号の送受信が可能であり、店員が、客の注文内容を入力するために使用する接客用端末を更に備える。
【0009】
また、好ましくは、支払い金額を出力する総合精算用出力部と、支払い金額に基づいて客が支払い処理を行う総合精算用支払い処理部とを有し、客が精算端末を使って支払い処理を完了させておらず支払い処理を行うために使用される総合精算用端末を更に備える。
【0010】
さらに好ましくは、複数の精算端末と、総合精算用端末とは、ネットワークを介して信号の送受信が可能であり、総合精算用端末は、客が精算端末を使って支払い処理を完了させたことの証明を確認するために使用される。
【0011】
さらに好ましくは、証明部は、客が支払い処理を完了させたことを証明する証明書を出力し、精算端末は、支払い処理が完了したことに関する情報を送信し、証明書と、支払い処理が完了したことに関する情報とに基づいて、総合精算用端末は、客が精算端末を使って支払い処理を完了させたことの証明を確認するために使用される。
【0012】
また、好ましくは、証明部は、客が支払い処理を完了させたことを証明する証明書を出力する。
【0013】
また、好ましくは、証明部は、客が支払い処理を完了させたことを店員が確認出来る出力装置を有する。
【0014】
また、好ましくは、客は複数の精算者から構成され、精算端末は、支払い金額に対応した精算品目のうち、精算者ごとの個別精算品目を特定する入力部を更に有し、出力部は、支払い金額のうち、特定された個別精算品目に対応した個別支払い金額を出力し、支払い処理部において、個別支払い金額に基づいて精算者ごとに支払い処理が行われる。
【0015】
さらに好ましくは、出力部は、支払い金額に対応した精算品目のうち、入力部によって特定された個別精算品目が識別できる表示を行う。
【0016】
客は複数の精算者から構成され、精算端末は、複数の精算者の人数を入力する入力部を更に有し、出力部は、支払い金額を、複数の精算者の人数で割り算して求められた割り勘金額を個別支払い金額として出力し、支払い処理部において、個別支払い金額に基づいて精算者ごとに支払い処理が行われる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明によれば、飲食店におけるレジカウンターの混雑を緩和させる精算システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。本実施形態における精算システムは、サーバA、第1〜第N接客用端末B1〜BN、第1〜第M精算端末C1〜CM、及び総合精算用端末Dを備える(図1参照)。これらの端末、及びサーバは、インターネット、PHS等、ネットワークを介して信号の送受信が可能である。
【0019】
サーバAは、制御部14A、及び記録部19Aを有するネットワーク接続が可能な装置である。
【0020】
第n接客用端末Bnは、店員など接客を行う者(接客用店員)が使用する端末で、第n接客用入力部21Bn、第n接客用出力部22Bn、第n接客用制御部24Bnを有するネットワーク接続が可能な装置である。nは1以上N以下の整数である。Nは1以上の整数であり、本実施形態では、接客用端末を持つ店員が3名(第1〜第3接客用店員w1〜w3)、すなわちNが3であるとして説明する。
【0021】
第m精算端末Cmは、客が使用する端末で、第m精算用入力部31Cm、第m精算用出力部32Cm、第m精算用制御部34Cm、第m支払い処理部35Cm、及び第m証明書発行部36Cmを有するネットワーク接続が可能な装置である。第1〜第M精算端末C1〜CMは、客が食事を行う領域近傍(テーブル席のテーブル上、カウンター席のカウンターテーブル上など)に配置され、特に客が着席した状態で操作出来る位置関係に配置されるのが望ましい。mは1以上M以下の整数である。Mは1以上の整数であり、本実施形態では、精算端末が12、すなわちMが12であるとして説明する。
【0022】
総合精算用端末Dは、店員など総合精算用エリアa4で精算及び支払い済み確認を行う者(総合精算用店員wr)が使用する端末で、総合精算用入力部41D、総合精算用出力部42D、総合精算用制御部44D、総合精算用支払い処理部45D、及び総合精算用証明書発行部46Dを有するネットワーク接続が可能な装置である。
【0023】
本実施形態における精算システムは、飲食店における精算の効率化の為に使用される。本実施形態における飲食店は、テーブル席エリアa1、カウンター席エリアa2、厨房エリアa3、及び総合精算用エリアa4を有する(図2参照)。
【0024】
テーブル席エリアa1は、客の着席用であって、それぞれ6席のイスが配置された第1〜第4テーブルt1〜t4を有する。第1〜第4テーブルt1〜t4上には、第1〜第4精算端末C1〜C4が設置される。
【0025】
カウンター席エリアa2は、客の着席用であって、8席のイス(第1〜第8イスch1〜ch8)を有する。カウンター席エリアa2の第1〜第8イスch1〜ch8のそれぞれに対応する領域として、カウンターテーブル上には、第5〜第12精算端末C5〜C12が設置される。
【0026】
但し、イスの数、及びテーブルの数が限定されるものではない。
【0027】
厨房エリアa3は、客の注文に基づいて料理を行う領域である。本実施形態では、サーバAは厨房エリアa3に設置されるが、別の場所に設置されてもよい。
【0028】
総合精算用エリアa4は、飲食店の出入り口付近に位置し、総合精算用端末Dが設置される。総合精算用端末Dは、第1〜第12精算端末C1〜C12で支払い処理を行わなかった客の支払い処理、及び第1〜第12精算端末C1〜C12のいずれかで支払い処理を行った客の確認を行うために使用される。総合精算用端末Dは、総合精算用店員wrによって使用される。
【0029】
第1〜第3接客用端末B1〜B3は、第1〜第3接客用店員w1〜w3が携帯する。
【0030】
第n接客用店員wnは、客の注文内容を第n接客用端末Bnに入力する。具体的には、客の注文内容は、CPUなどの第n接客用制御部24Bnの制御の下、キーボードやタッチパネルなどの第n接客用入力部21Bnを介して入力され、モニターなどの第n接客用出力部22Bnに表示される。入力された客の注文内容に関する情報は、ネットワークを介してサーバAに送信される。客の注文内容に関する情報は、注文内容の他、着席場所に関する情報を有する。着席場所に関する情報は、どのテーブルの席に着席したか、またはどのカウンター席に着席したかを特定するもので、例えば、第1テーブルt1の席に着席した、若しくは第3、第4イスch3、ch4に着席した等である。
【0031】
客の注文内容に関する情報は、サーバAにおいて、CPUなどの制御部14Aの制御の下、記録部19Aに記録される。記録された情報は、支払い処理時に第m精算端末Cmに送信される。但し、支払い処理時ではなく、新たに客の注文内容に関する情報が更新されるたびに第m精算端末Cmに送信されてもよい。
【0032】
第m精算端末Cmを使って支払い処理を行う場合、第m精算端末Cmにおいて、第m精算用制御部34Cmの制御の下、キーボードやタッチパネルなどの第m精算用入力部31Cmを介して演算指示が行われ、演算指示に基づいて、サーバAの記録部19Aに記録された情報から客の注文内容に関する情報が送信される。本実施形態は、第m精算用入力部31Cmは、第m精算用出力部32Cmの表示画面上を使ったタッチパネルであるとして説明する。同じ客が、複数回注文を行った場合には、複数回分の客の注文内容に関する情報が送信される。第m精算用制御部34Cmは、客の注文内容に関する情報に基づいて支払い金額を算出する。但し、支払い金額の算出は、サーバAの制御部14Aにおいて行っても良い。支払い金額は、モニターなどの第m精算用出力部32Cmに出力される。客は、第m支払い処理部35Cmを介して、支払い金額に相当する金額の支払いを行う。
【0033】
第m精算用出力部32Cmは、精算手続きを誘導する表示画面として、支払い金額表示画面disp1(図5参照)、disp2(図6参照)、伝票発行中画面disp3(図7参照)、支払い処理確認画面disp4(図8参照)、支払い金額確認画面disp5(図9参照)、精算品目特定画面disp6(図10参照)、精算金額表示画面disp7(図11参照)、割り勘人数特定画面disp8(図12参照)、割り勘精算金額表示画面disp9(図13参照)、及び割り勘人数確認画面disp10(図14参照)を表示する。
【0034】
第m精算用制御部34Cmにおける演算処理では、客が複数の精算者で構成される場合の精算者ごとの精算(個別精算)に対応するため、特定された精算品目に対応した支払い金額(個別精算金額)の算出、割り勘金額の算出が行われる。精算品目の特定は精算者のいずれかが第m精算用入力部31Cmを操作することにより行われる。割り勘金額の算出の際、合計金額が割り勘人数で割り切れず余りが生じる場合は、最初の精算者など特定の精算者の支払い金額に余り金額を含める演算を行う。
【0035】
第m支払い処理部35Cmを介する支払い処理手段は、現金の他、クレジットカード、デビットカード、プリペイド型電子マネーが挙げられる。但し、第1〜第12精算端末C1〜C12においては、釣り銭補充の手間がかからず、暗証番号やサインの入力作業が不要のプリペイド型電子マネーによる支払い処理手段が望ましい。支払い手段がクレジットカード、デビットカードの場合は、本実施形態における精算システムのいずれかから認証を行うための外部ネットワークとの接続が行われる(不図示)。
【0036】
第m支払い処理部35Cmを介した客による支払い処理後、第m証明書発行部36Cmは、支払い済みであることの証明書を発行(出力)する。支払い済み証明書は、退店時の総合精算用エリアa4における支払い済み確認の為に使用されるが、支払い済み確認後に客が持ち帰り領収書として使用してもよい。第m精算用入力部31Cmは、領収書などの支払い済み証明書の発行の際の宛先入力に使用されてもよい。第m支払い処理部35Cmを介した客による支払い処理が完了したことに関する情報は、ネットワークを介してサーバAに送信される。
【0037】
客が、レジ(総合精算用端末D)での支払い処理を選択した場合、第m証明書発行部36Cmは、支払い済みであることの証明書に代えて支払い金額を含む伝票を発行する。これにより伝票を見れば支払い金額を確認することができるので、レジ(総合精算用端末D)での支払い処理において、支払い金額を算出する手間を省くことが可能になる。
【0038】
支払い処理が完了したことに関する情報は、サーバAの記録部19Aに記録される。支払い処理が完了したことに関する情報は、支払い金額、支払い日時の他、着席場所に関する情報を有する。支払い処理が完了したことに関する情報は、対応する客が総合精算エリアa4を通って退店する際に、総合精算用店員wrの指示により、サーバAから総合精算用端末Dに送信される。総合精算用店員wrの指示は、客の着席位置(テーブル番号や、カウンター席の番号)をCPUなどの総合精算用制御部44Dの制御の下、キーボードやタッチパネルなどの総合精算用入力部41Dを操作して、客の着席した位置(テーブルやカウンター席)に対応する支払い処理が完了したことに関する情報を、呼び出すことにより行われる。支払い処理が完了したことに関する情報は、モニターなどの総合精算用出力部42Dに出力される。総合精算用店員wrは、総合精算用出力部42Dに出力された内容と、客が有する証明書の内容(例えば支払い金額と日時)とが一致するか否かを確認し、一致している場合は、支払い済みであることを確認したとして退店を許可する。一致していない場合、該当する着席位置で支払い処理が行われていない場合、及び証明書を有しない場合は、未だ支払い処理が完了していないものとして、総合精算用端末Dを介して精算(支払い処理)を行う。
【0039】
第m精算端末Cmを使って支払い処理を行い、総合精算用端末Dにおいて支払い処理完了が確認された後、支払い処理完了の確認に関する情報が、総合精算用端末DからサーバAに送信され、記録部19Aに記録される。支払い処理完了確認に関する情報は、支払い金額、支払い日時、着席場所、及び支払い確認済みであることに関する情報を有する。
【0040】
総合精算用端末Dを使って支払い処理を行う場合、総合精算用端末Dにおいて、総合精算用制御部44Dの制御の下、キーボードやタッチパネルなどの総合精算用入力部41Dを介して演算指示が行われ、演算指示に基づいて、サーバAの記録部19Aに記録された情報から客の注文内容に関する情報が送信される。総合精算用制御部44Dは、客の注文内容に関する情報に基づいて支払い金額を算出する。但し、支払い金額の算出は、サーバAの制御部14Aにおいて行っても良い。支払い金額は、モニターなどの総合精算用出力部42Dに出力される。客は、総合精算用支払い処理部45Dを介して、支払い金額に相当する金額の支払いを行う。
【0041】
総合精算用支払い処理部45Dを介する支払い処理手段は、現金の他、クレジットカード、デビットカード、プリペイド型電子マネーが挙げられる。支払い手段がクレジットカード、デビットカードの場合は、本実施形態における精算システムのいずれかから認証を行うための外部ネットワークとの接続が行われる(不図示)。
【0042】
総合精算用支払い処理部45Dを介した客による支払い処理後、総合精算用証明書発行部46Dは支払い済みであることの証明書を発行(出力)する。総合精算用入力部41Dは、領収書などの支払い済み証明書の発行の際の宛先入力に使用されてもよい。総合精算用支払い処理部45Dを介した客による支払い処理が完了したことに関する情報、及び支払い処理完了確認に関する情報とが、ネットワークを介してサーバAに送信され、記録部19Aに記録される。
【0043】
総合精算用端末Dを使った支払い処理は、総合精算用店員wrの操作によって行われるため、従来から飲食店などにおけるレジカウンターで行われる支払い処理と同じである。従って、第1〜第12精算端末C1〜C12の操作を行うことが出来ない客は総合精算用端末Dを使った支払い処理を介して精算を行うことが可能である。
【0044】
本実施形態では、客が食事を行う領域近傍に設置された第1〜第12精算端末C1〜C12を使って支払い処理が可能である。そのため、昼休みなど支払い処理が集中する時間帯であっても、レジカウンター(総合精算用エリアa4)においては、第1〜第12精算端末C1〜C12を介した支払い済みか否かを確認するだけで済むので、混雑を緩和させることが可能になる。第1〜第12精算端末C1〜C12を操作できない客は、総合精算用エリアa4において支払い処理を行う必要が生じるが、第1〜第12精算端末C1〜C12を介した支払い処理が可能な客の分だけ、レジカウンター(総合精算用エリアa4)における混雑は解消される。
【0045】
また、支払い済みか否かを確認する作業を、証明書の有無だけで行う形態であってもよい。この場合、総合精算用端末Dは、サーバAから第1〜第12精算端末C1〜C12のいずれかにおいて支払い処理が完了したことに関する情報の送信を受ける必要が無いため、レジカウンター(総合精算用エリアa4)における手順をさらに簡素化することが可能になる。
【0046】
サーバAの記録部19Aに記録された支払い処理が完了したことに関する情報、及び支払い処理完了確認に関する情報とは、総合精算用端末Dの総合精算用出力部42Dまたは別の端末で出力されてもよい。支払い処理が完了したことに関する情報に基づいて、支払い処理が完了したテーブルなどを特定することが可能になる。支払い処理完了確認に関する情報に基づいて、支払い処理が完了し且つ支払い処理完了の確認が出来たテーブルなどを特定することが可能になる。
【0047】
本実施形態における飲食店の精算手順(支払い手順)について図3、図4のフローチャートを使って説明する。ステップS51で、手順が開始されると、ステップS52で、客の注文に応じて、注文内容が第1〜第3接客用入力部31B1〜31B3のいずれかを介して入力される。ステップS53で、入力された注文内容に関する情報がサーバAに送信され、サーバAに記録される。ステップS52、ステップS53の処理は、客からの注文がある度に行われる。
【0048】
ステップS54で、第1〜第12精算端末C1〜C12のいずれかにおいて、演算指示が行われたか否かが判断される。具体的には、客が着席した位置に対応する第m精算用入力部31Cmを操作するによる演算指示が行われたか否かが判断される。指示された場合には、ステップS55で、サーバAから第m精算端末Cmに注文内容に関する情報が送信され、これに基づいて支払い金額が算出される。算出された支払い金額は、第m精算用出力部32Cmに出力される。第1〜第12精算端末C1〜C12を使って精算を行わない等、演算指示が行われない場合はステップS70に進められる。
【0049】
図5は、プリペイド型電子マネーが第m精算端末Cmにセットされていない場合に、第m精算用出力部32Cmに出力される支払い金額表示画面disp1を示す。図6は、プリペイド型電子マネーが第m精算端末Cmにセットされた場合に、第m精算用出力部32Cmに出力される支払い金額表示画面disp2を示す。プリペイド型電子マネーがセットされた場合には、支払い金額に加えて、支払い金額を支払った後のプリペイド型電子マネーの残高が表示される。支払い金額表示画面disp1、disp2は、レジ会計選択キーk11、一斉会計選択キーk12、及び個別会計選択キーk13を有する。
【0050】
ステップS56、S58で、支払い場所が選択される。具体的には、ステップS56、S58で、レジ(総合精算用端末D)で支払い処理が行われるか否かが判断される。第m精算用出力部32Cmに出力された支払い金額表示画面disp1(又はdisp2)上のレジ会計選択キーk11をタッチすることにより、客がレジでの支払い処理を選択したことが判断されると、ステップS57で、第m証明書発行部36Cmにより支払い金額を含む伝票が発行され、ステップS70に進められる。
【0051】
伝票発行の際、第m精算用出力部32Cmにおいて、伝票発行中画面disp3の表示が行われる(図7参照)。なお、ステップS57の前段階で、レジ(総合精算用端末D)での支払い処理確認画面disp4の表示が、第m精算用出力部32Cmにおいて行われても良い(図8参照)。
【0052】
第m精算用出力部32Cmに出力された支払い金額表示画面disp1(又はdisp2)上の一斉会計選択キーk12をタッチすることにより、第m精算端末Cmで客全員の会計を一斉に行うことを選択したことが判断されると、ステップS56、ステップS58、ステップS64の順に進められる。ステップS64で、客により一斉支払い処理がおこなわれる。支払い処理後、ステップS65に進められる。
【0053】
ステップS64における一斉支払い処理の際、第m精算用出力部32Cmにおいて、一斉会計が選択されたこと、及び支払い金額を確認する支払い金額確認画面disp5が表示される(図9参照)。図9は、プリペイド型電子マネーが第m精算端末Cmにセットされた場合に、第m精算用出力部32Cmに出力される支払い金額(合計金額)表示とその確認表示例を示す。プリペイド型電子マネーがセットされた場合には、支払い金額に加えて、支払い金額を支払った後のプリペイド型電子マネーの残高(カード残高)が表示される。
【0054】
第m精算用出力部32Cmに出力された支払い金額表示画面disp1(又はdisp2)上の個別会計選択キーk13をタッチすることにより、第m精算端末Cmで精算者ごとの会計を個別に行うことを選択したことが判断されると、ステップS56、ステップS58、ステップS59の順に進められる。ステップS59で、第m精算用出力部32Cmにおいて、精算品目特定画面disp6が表示される(図10参照)。精算品目特定画面disp6は、品目特定領域area1、選択終了キーk61、取消キーk62、及び割り勘選択キーk63を有する。ステップS59で、精算品目特定画面disp6上の精算品目が表示された品目特定領域area1をタッチすることにより、個別に精算品目が特定されるか、割り勘選択キーk63をタッチすることにより各精算者が支払い金額を平均に割り当てて支払うかが判断される。精算品目特定画面disp6では、品目特定領域area1の内、選択された品目については選択されていない品目と区別できる色表示が行われる。図10では、栗米湯と、棒々鶏とが選択された品目として、麻婆豆腐定食が選択されていない品目である例を示す。
【0055】
ステップS59において、品目特定領域area1の精算品目が表示された部分がタッチされると、個別に精算品目が特定されたと判断され、ステップS60に進められる。ステップS60で、第m精算用出力部32Cmに出力された精算品目特定画面disp6上の選択終了キーk61をタッチすることにより、精算者の個別の精算品目が特定され、これに基づいて精算金額が求められ、ステップS61で、第m精算用出力部32Cmに精算金額表示画面disp7が出力される(図11参照)。図11は、プリペイド型電子マネーが第m精算端末Cmにセットされた場合に、第m精算用出力部32Cmに出力される精算金額表示画面例を示す。プリペイド型電子マネーがセットされた場合には、支払い金額(合計金額)に加えて、支払い金額を支払った後のプリペイド型電子マネーの残高(カード残高)が表示される。精算金額表示画面disp7は、選択した内容の精算金額での支払い処理でよいかどうかの確認キーk71、k72を有する。
【0056】
ステップS62で、精算者により個別に支払い処理が行われる。支払い処理後、ステップS63で、全品目に対応して支払い処理が完了したかが判断される。未だ支払い処理が完了していない場合は、ステップS60に戻されて、別の精算者の個別支払い処理が行われる。全品目に対応して支払い処理が完了した場合は、ステップS65で、第m証明書発行部36Cmにより支払い済みであることの証明書が発行(出力)される。また、第m支払い処理部35Cmを介した客による支払い処理が完了したことに関する情報が、ネットワークを介してサーバAに送信される。ステップS65の手順の後、ステップS70に進められる。
【0057】
ステップS59において、割り勘キーk63がタッチされると、各精算者が支払い金額を平均に割り当てて支払う選択が行われたと判断されて、ステップS66に進められる。ステップS66で、精算者のいずれかが第m精算用出力部32Cmに出力された割り勘人数特定画面disp8上の人数選択キーk82〜k85をタッチすることにより、支払い金額を平均に割り当てを行う人数(割り勘人数)が入力される(図12)。割り勘人数特定画面disp8は、取消キーk81、人数選択キーk82〜k85、及び決定キーk86を有する。本実施形態では、割り勘の人数を5名までに限定しているが、6名以上でも可能にしてもよい。
【0058】
ステップS66において、割り勘人数が入力され、決定キーk86がタッチされると、ステップS67で、第m精算用出力部32Cmに割り勘精算金額表示画面disp9が出力される(図13参照)。なお、割り勘の計算において、割り切れず余りが生ずる場合は、最初の精算者などの精算金額に余り金額を含めその旨を表示させる(不図示)。割り勘精算金額表示画面disp9は、選択した内容の精算金額での支払い処理でよいかどうかの確認キーk91、k92を有する。図13は、割り勘人数が3名であると入力されてこれを確認する画面である。
【0059】
確認キーk91がタッチされることにより、ステップS68で、第m精算用出力部32Cmに精算者ごとの割り勘支払い処理確認画面disp10が出力され(図14参照)、精算者により個別に支払い処理が行われる。図14は、一人目の精算者の支払い処理を確認する画面である。割り勘支払い処理確認画面disp10は、支払い処理の確認キーk101、k102を有する。支払い処理後、ステップS69で、精算者全員の支払い処理が完了したかが判断される。未だ支払い処理が完了していない場合は、ステップS68に戻されて、別の割り勘支払いを行う精算者の個別支払い処理が行われる。精算者全員の支払い処理が完了した場合は、ステップS65に進められる。
【0060】
本実施形態では、割り勘人数が3名であるので、ステップS68で一人目の個別支払い処理が行われた後、ステップS69で未だ全員の支払い処理が完了していないと判断され、ステップS68で二人目の個別支払い処理が行われる。ステップS68で二人目の個別支払い処理が行われた後、ステップS69で未だ全員の支払い処理が完了していないと判断され、ステップS68で三人目の個別支払い処理が行われる。ステップS68で三人目の個別支払い処理が行われた後、ステップS69で精算者全員の支払い処理が完了したと判断されてステップS65に進められる。
【0061】
ステップS58〜S65の処理は、客の意思により退店するまでの任意のタイミングで行われる。
【0062】
ステップS70で、客がレジ(総合精算用エリアa4)に移動する。ステップS71で、支払い済みであることの証明書を客が有するか否かが、総合精算用店員wrなどにより判断される。証明書を有する場合は、ステップS72で、総合精算用店員wrが総合精算用入力部41Dを操作して、サーバAからの客の着席位置に対応する支払い処理が完了したことに関する情報の送信を指示する。証明書を有しない場合は、支払いが未だ完了していないものとしてステップS76に進められる。
【0063】
ステップS73で、サーバAから送信された支払い処理が完了したことに関する情報が、総合精算用出力部42Dに出力(表示)される。総合精算用店員wrは、ステップS74で、出力された内容と、証明書の内容とを確認し、情報が一致するか否かを判断する。一致する場合は、支払いが既に完了しているものとして、ステップS75に進められる。一致しない場合は、支払いが未だ完了していないものとして、ステップS77に進められる。
【0064】
ステップS75で、支払い処理完了の確認に関する情報が、ネットワークを介してサーバAに送信され、ステップS80に進められる。
【0065】
ステップS76で、ステップS57において第m証明書発行部36Cmにより発行された支払い金額を含む伝票を有するか否かが判断される。有する場合は、ステップS77を飛ばして、ステップS78に進められる。有しない場合は、ステップS77に進められる。
【0066】
ステップS77で、サーバAから総合精算用端末Dに注文内容に関する情報が送信され、これに基づいて支払い金額が算出される。算出された支払い金額は、総合精算用出力部42Dに出力される。
【0067】
ステップS78で、客により支払い処理が行われる。支払い処理後、ステップS79で、総合精算用証明書発行部46Dにより支払い済みであることの証明書が発行(出力)される。また、総合精算用支払い処理部45Dを介した客による支払い処理が完了したことに関する情報、及び支払い処理の完了の確認に関する情報が、ネットワークを介してサーバAに送信される。ステップS80で、支払い処理が完了したものとして、支払い手続きが終了し、客の退店が許可される。
【0068】
なお、ステップS72〜S75の手順は省略してもよい。証明書の存在の確認により支払い処理が行われたと判断することにより、サーバAと総合精算用端末Dとの間の情報送受信を省略して、レジ(総合精算用エリアa4)での処理を少なくすることが可能になる。また、この場合、第m精算端末Cmと、総合精算用端末Dとの間のネットワーク接続が不要になり、システムを簡素化することが可能になる。
【0069】
また、本実施形態では、ネットワークを介して送受信が精算システムの形態を説明したが、これに限られない。例えば、客が食事を行う領域近傍に第1〜第M精算端末C1〜CMを複数設置することによっても、飲食店におけるレジカウンターの混雑を緩和させることは可能である。この場合、店員は、第1〜第M精算端末C1〜CMに注文内容または支払い金額を入力する。
【0070】
また、第m証明書発行部36Cmが、証明書を発行することにより支払い済みであること証明する形態を説明したが、これに限られない。例えば、レジカウンター(総合精算用エリアa4)に居る店員が見えるような形態で、支払い済みであることを示す照明装置などの出力装置をテーブル毎、カウンター席毎に行う。この場合、総合精算用端末Dは、ネットワークを介して第1〜第M精算端末C1〜CMと信号の送受信は行う必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本実施形態における精算システムの構成図である。
【図2】精算システムを備える飲食店の構成図である。
【図3】飲食店の精算手順(支払い手順)を示すフローチャートの前半部分である。
【図4】飲食店の精算手順(支払い手順)を示すフローチャートの後半部分である。
【図5】プリペイドカードをセットしていない場合の支払い金額表示画面を示す図である。
【図6】プリペイドカードをセットしている場合の支払い金額表示画面を示す図である。
【図7】伝票発行中画面を示す図である。
【図8】支払い処理確認画面を示す図である。
【図9】支払い金額確認画面を示す図である。
【図10】精算品目特定画面を示す図である。
【図11】精算金額表示画面を示す図である。
【図12】割り勘人数特定画面を示す図である。
【図13】割り勘人数確認画面を示す図である。
【図14】割り勘支払い処理確認画面を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
14A 制御部
19A 記録部
21Bn 第n接客用入力部
22Bn 第n接客用出力部
24Bn 第n接客用制御部
31Cm 第m精算用入力部
32Cm 第m精算用出力部
34Cm 第m精算用制御部
35Cm 第m支払い処理部
36Cm 第m証明書発行部
41D 総合精算用入力部
42D 総合精算用出力部
44D 総合精算用制御部
45D 総合精算用支払い処理部
46D 総合精算用証明書発行部
a1 テーブル席エリア
a2 カウンター席エリア
a3 厨房エリア
a4 総合精算用エリア
area1 品目特定領域
A サーバ
1〜BN 第1〜第N接客用端末
1〜CM 第1〜第M精算端末
ch1〜ch8 第1〜第8イス
D 総合精算用端末
k11 レジ会計選択キー
k12 一斉会計選択キー
k13 個別会計選択キー
k61 選択終了キー
k62、k81 取消キー
k63 割り勘選択キー
k71、k72、k91、k92、k101、k102 確認キー
k82〜k85 人数選択キー
k86 決定キー
t1〜t4 第1〜第4テーブル
1〜w3 第1〜第3接客用店員
wr 総合精算用店員


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支払い金額を出力する出力部と、前記支払い金額に基づいて客が支払い処理を行う支払い処理部と、前記客が支払い処理を完了させたことを出力する証明部とを有し、前記客が食事を行う領域近傍に配置される精算端末を、複数備えることを特徴とする飲食店における精算システム。
【請求項2】
前記支払い金額は、店員が入力した前記客の注文内容に関する情報に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の精算システム。
【請求項3】
前記複数の精算端末とネットワークを介して信号の送受信が可能であり、前記店員が、前記客の注文内容を入力するために使用する接客用端末を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の精算システム。
【請求項4】
前記支払い金額を出力する総合精算用出力部と、前記支払い金額に基づいて客が支払い処理を行う総合精算用支払い処理部とを有し、前記客が前記精算端末を使って支払い処理を完了させておらず支払い処理を行うために使用される総合精算用端末を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の精算システム。
【請求項5】
前記複数の精算端末と、前記総合精算用端末とは、ネットワークを介して信号の送受信が可能であり、前記総合精算用端末は、前記客が前記精算端末を使って支払い処理を完了させたことの証明を確認するために使用されることを特徴とする請求項4に記載の精算システム。
【請求項6】
前記証明部は、前記客が支払い処理を完了させたことを証明する証明書を出力し、前記精算端末は、支払い処理が完了したことに関する情報を送信し、前記証明書と、前記支払い処理が完了したことに関する情報とに基づいて、前記総合精算用端末は、前記客が前記精算端末を使って支払い処理を完了させたことの証明を確認するために使用されることを特徴とする請求項5に記載の精算システムである。
【請求項7】
前記証明部は、前記客が支払い処理を完了させたことを証明する証明書を出力することを特徴とする請求項1に記載の精算システム。
【請求項8】
前記証明部は、前記客が支払い処理を完了させたことを店員が確認出来る出力装置を有することを特徴とする請求項1に記載の精算システム。
【請求項9】
前記客は複数の精算者から構成され、
前記精算端末は、前記支払い金額に対応した精算品目のうち、前記精算者ごとの個別精算品目を特定する入力部を更に有し、
前記出力部は、前記支払い金額のうち、前記特定された個別精算品目に対応した個別支払い金額を出力し、前記支払い処理部において、前記個別支払い金額に基づいて精算者ごとに支払い処理が行われることを特徴とする請求項1に記載の精算システム。
【請求項10】
前記出力部は、前記支払い金額に対応した精算品目のうち、前記入力部によって特定された個別精算品目が識別できる表示を行うことを特徴とする請求項9に記載の精算システム。
【請求項11】
前記客は複数の精算者から構成され、
前記精算端末は、前記複数の精算者の人数を入力する入力部を更に有し、
前記出力部は、前記支払い金額を、前記複数の精算者の人数で割り算して求められた割り勘金額を個別支払い金額として出力し、前記支払い処理部において、前記個別支払い金額に基づいて精算者ごとに支払い処理が行われることを特徴とする請求項1に記載の精算システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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