説明

糖エステル化合物

【課題】界面活性能が優れる糖エステル化合物を提供することを目的とする。
【解決手段】糖の水酸基と、1分子内に2つ以上のカルボキシル基を有する炭素数7〜18の多塩基酸がエステル結合し、1分子内に1つ以上のカルボキシル基を有することを特徴とする糖エステル化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両親媒性である糖エステル化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
一つの分子内に、親水基と疎水基を併せ持つ両親媒性化合物には、液体の表面張力を減少する性質を有し、このような性質を有する化合物を界面活性剤という。界面活性剤の基礎的性質には、湿潤、浸透、濡れ、分散、乳化、可溶化、起泡、洗浄等があり、これらの性質を応用して、多くの産業で利用されている。特に、両親媒化合物のなかで糖エステル型の界面活性剤は、生分解性が良好で、環境に影響を与え難く、人体にも安全であることから、今後の界面活性剤として有用である。
特許文献1には、化学構造の一部に糖を含む高分子型分散剤として、カルボキシル含有フルクタンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第99/64143号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のエステル化合物では、界面活性能は充分ではなかった。
本発明は、界面活性能が改良された糖エステル化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、特定の化学構造を有する化合物が、界面活性能を有することを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
(1)糖の水酸基と、1分子内に2つ以上のカルボキシル基を有する炭素数7〜18の多塩基酸がエステル結合し、1分子内に1つ以上のカルボキシル基を有することを特徴とする糖エステル化合物。
(2)前記糖が、グルコース、フラクトース、ガラクトース、またはマンノースから選ばれるヘキソースまたはその異性体もしくは誘導体、キシロース、アラビノースから選ばれるペントースまたはその異性体あるいは誘導体、及びエリトロース、トレオースから選ばれるテトロースまたはその異性体あるいは誘導体等から選ばれる少なくとも1種を構成糖とする単糖またはオリゴ糖であり、前記多塩基酸が、炭素数7〜18の飽和又は不飽和の二塩基酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)に記載の糖エステル化合物。
(3)前記糖がグルコースであることを特徴とする(1)または(2)に記載の糖エステル化合物。
(4)前記糖がグルコースであり、該グルコースのC6位に結合した水酸基と、炭素数が7〜12の飽和二塩基酸とがモノエステル化していることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載の糖エステル化合物。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、界面活性能が優れた糖エステル化合物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】グルコース−ドデカン二酸エステルのH-NMRスペクトルを示す図である。
【図2】グルコース−ドデカン二酸エステルの13C−NMRスペクトルを示す図である。
【図3】実施例1における各エステル化合物濃度と表面張力の関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明について、特にその好ましい態様を中心に、以下具体的に説明する。
本実施の形態は、糖の水酸基と、1分子内に2つ以上のカルボキシル基を有する炭素数7〜18の多塩基酸がエステル結合し、1分子内に1つ以上のカルボキシル基を有する必要がある。
上述の糖とは、グルコース、フラクトース、ガラクトース、マンノースから選ばれるヘキソースまたはその異性体もしくは誘導体、キシロース、アラビノースから選ばれるペントースまたはその異性体あるいは誘導体、エリトロース、トレオースから選ばれるテトロースまたはその異性体あるいは誘導体等が挙げられる。また、これらの糖はD体であっても、L体であってもよい。この中でも、ヘキソースが親水性の点で優れており、ヘキソースの中でも、グルコースが親水基としては優れており、さらにD体がより優れている。
【0009】
グルコース(閉環状態)は、水酸基の数は5つであり、最大5つのエステル結合を行うことが可能である。水溶性の点で、3つ以下の水酸基と多塩基酸がエステル結合することが好ましく、1つの水酸基と多塩基酸がエステル結合することがより好ましい。
グルコース(閉環状態)は、化学構造中の6個の炭素を有するが、多塩基酸とエステル化する水酸基としては、C6位の水酸基が好ましい。C6位のみが、1級の水酸基であるため、この部分がエステル化することで、結合した多塩基酸のコンホメーションが多様になるため好ましい。
糖は、上述の構成糖が単独で存在する単糖類であっても、2個以上がエーテル結合した多糖類であってもよい。これらの中でも、構成糖が1個の単糖または構成糖が2〜10個エーテル結合したオリゴ糖類は、水溶性が高く、粘度が低い点で優れている。糖における構成糖の数は、1〜5個が好ましく、1〜3がさらに好ましく、1〜2が特に好ましい。
【0010】
二糖類としては、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ショ糖、ラミナリビオース、キシロビオース、キトビオース、ソホロース、ゲンチオビオース、トレハロース等が好適に使用できる。三糖類としては、マルトトリオース、イソマルトトリオースセロトリオース、ラフィノース、キシロトリオース等が好適に使用できる。
多塩基酸は、1分子内に2つ以上のカルボキシル基を有することが必要である。
多塩基酸が、1分子内に2つ以上のカルボキシル基を有することで、1つのカルボン酸がエステル結合しても、化合物が1つ以上のカルボキシル基を有することにより、優れた界面活性能が達成される。
【0011】
多塩基酸の炭素数は、7〜18である。7未満だと界面活性能が不十分であり、18より多いと、水溶性が低下するため好ましくない。水溶性と、界面活性能とのバランスにおいて、より好ましい範囲としては7〜12であり、より好ましくは、8〜10である。
多塩基酸の例としては、ジカルボン酸(二塩基酸)、トリカルボン酸等が挙げられる。
ジカルボン酸は、2つのカルボキシル基をもつ有機化合物のことである。ジカルボン酸の分子式はHOOC−R−COOHと書くことができる(Rはアルカン、アルケン、アルキンなどから誘導される2価の置換基)。ジカルボン酸としては、例えば、直鎖飽和ジカルボン酸として、シュウ酸(炭素数2)、マロン酸(炭素数3)、コハク酸(炭素数4)、イタコン酸(炭素数4)、グルタル酸(炭素数5)、アジピン酸(炭素数6)、ピメリン酸(炭素数7)、スベリン酸(炭素数8)、アゼライン酸(炭素数9)、セバシン酸(炭素数10)、ドデカン二酸(炭素数12)、テトラデカン二酸(炭素数14)、ヘキサデカン二酸(炭素数16)、オクタデカン二酸(炭素数18)、ダイマー酸(炭素数36)等が挙げられ、飽和/不飽和環式ジカルボン酸として、フタル酸(炭素数8)、イソフタル酸(炭素数8)、テレフタル酸(炭素数8)、シクロヘキサンジカルボン酸(炭素数8)等が挙げられる。
【0012】
次に、トリカルボン酸は、3つのカルボキシル基をもつ有機化合物のことである。トリカルボン酸としては、例えば、クエン酸(2-ヒドロキシプロパントリカルボン酸(炭素数6))、アコニット酸(2-カルボキシプロパ-1-エントリカルボン酸(炭素数6))、イソクエン酸(1-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸(炭素数6))、オキサロコハク酸(1-オキソプロパン-1,2,3-トリカルボン酸(炭素数6))、1,3,6−ヘキサメチレントリカルボン酸、トリメシン酸(ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸(炭素数9))等が挙げられる。
多塩基酸の炭素鎖の構造に関しては、特に制限はなく、飽和していても不飽和でもよいが、飽和二塩基酸を用いることが好ましい。飽和二塩基酸は、分子鎖のコンホメーションが多様であるため、界面活性能が優れる。
【0013】
本実施の形態は、糖中の水酸基と、多塩基酸のカルボン酸がエステル結合した両親媒性化合物である。エステル結合は、環境中に排出された後に、微生物により生分解される過程でリパーゼによる分解を受けやすく、生分解性に優れるものである。
本実施の形態は、グルコースのC6位の水酸基と、二塩基酸の末端カルボン酸が脱水し、モノエステル化したものが最も好ましい。グルコースのC6位の水酸基は、この糖のなかで、一級の水酸基であるため、当該化合物が環境中で、生分解されやすいため好ましい。
本実施の形態における界面活性能は、Wilhelmy法による表面張力から算出される臨界ミセル濃度(cmc、単位はmM)で表すことができる。cmcは低いほど、界面活性が高く、7mM以下が好ましく、6mM以下がより好ましく、5mM以下が特に好ましい。下限は特に設定されないが、0.01mM以上が好ましい。
【0014】
cmcの測定方法は、まず、糖エステル化合物の1質量%濃度の水溶液を作成し、次に、水溶液を25℃に恒温し、表面張力計(協和界面科学製 CPVP−Z型)に仕込み、表面張力を測定する。次に、上記各水溶液をイオン交換水で異なる所定濃度に希釈し、同様の操作で表面張力を測定する。得られた各濃度における表面張力の結果を、グラフにプロットし、変曲点における糖エステル化合物の濃度を臨界ミセル濃度と定義する。
本実施の形態は、原料として、糖と、多塩基酸を用い、各種方法で、エステル化することができる。エステル化の方法としては、リパーゼ、プロテアーゼ等の酵素を用いて脱水縮合する方法、酸触媒又はアルカリ触媒を用いて脱水縮合する方法、多塩基酸のカルボン酸を一旦、メチルエステル化し、エステル交換反応で糖とエステル化する方法等が挙げられる。
【0015】
上述の方法の中でも、特にリパーゼ、またはプロテアーゼを用いて、酵素的にエステル化する反応において、脱水縮合する方法が、モノエステルが選択的に得られるため好ましい。
リパーゼとは、脂質を構成するエステル結合を加水分解する酵素のことであり、プロテアーゼとは、蛋白質を構成するペプチド結合を加水分解する酵素のことである。酵素が脂質又は蛋白質の分解活性を有していれば、リパーゼまたはプロテアーゼと定義する。上述の加水分解の逆反応を利用して、脱水縮合を行うことが好ましい。リパーゼ、またはプロテアーゼとしては、酵素産生生菌体そのもの、産生菌が分泌する酵素を精製したもの、精酵素を賦形剤、安定化剤等の添加剤ともに製剤化したもの等が挙げられる。酵素製剤品の場合、それに添加される添加剤にも特に制限はなく、その剤形は、粉末、顆粒、液体等いずれでもよい。
【0016】
リパーゼの起源については、特に制限はないが、例えば、公知のリパーゼを生産する微生物としては、Rhizopus niveus、Rhizopus arrhizus、Candida antarctica、Candida sp.、Penicillium camembertii、Humicola lanuginosa、Pseudomonas fluorescens、Candida lipolytica、Candida rugosa、Rhizomucor miehei、Mucor miehei等が生産するリパーゼを挙げることができる。脂質を分解する酵素であれば、上記公知の菌由来の酵素に限らず、新規の菌由来の酵素も、リパーゼに含まれる。
【0017】
酵素によるエステル化方法は、公知の方法を使用すればよく、特に制限されるものではないが、一例としては、糖を、多塩基酸を溶解させた有機溶剤に懸濁させ、リパーゼを添加し、攪拌または振とうしながら、加温して反応を行う方法等が挙げられる。
上記方法において、懸濁方法、攪拌方法、基質の添加方法・添加順序、それらの濃度等の反応条件は、化合物がより高収率で得られるよう適宜調整されるものである。その際の、反応液の温度は、酵素が失活しない範囲内であればよく、一般的には、常圧で反応を行う場合、温度は5〜95℃の範囲でよい。また、この圧力、温度等についても、上記同様、化合物がより高収率で得られるよう適宜調整されるものである。
【0018】
また、脱水方法としては、減圧で還流を掛けながら系外に水を取り除く方法、モレキュラーシーブ等に水を吸着させる方法、P10などの脱水剤を添加して化学反応により脱水する方法等が挙げられる。
上述の反応により得られた化合物溶液は、必要に応じて、脱色、脱塩、酵素除去等の精製処理を施すことができる。精製方法は、公知の方法であれば特に制限されないが、例えば、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、クロマトグラフィー処理、精密ろ過、限外ろ過、逆浸透ろ過等の濾過処理、晶析処理等を使用してもよく、これらを単独で使用しても、2種以上を組み合わせてもよい。
本実施の形態は、両親媒性のエステル化合物であるため、界面活性剤として有用である。
本発明を以下の実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0019】
[実施例1]
糖としてグルコースを使用し、二塩基酸としてドデカン二酸(炭素数12)を用いた糖エステル化合物の製造方法を記す。
グルコースと、ドデカン二酸(いずれも和光純薬製 特級)を、それぞれ0.2mMずつ、150mLの脱水したアセトンに分散し、酵素として、リパーゼ(ノボザイム製 SP435)を6g添加し、ついでモレキュラーシーブ3Aを30g添加し、50℃の水浴中で、攪拌しながら、48時間反応させた。(モノエステルの選択率は95%。グルコースの変換率は70%)
得られた反応物を、ジメトキシエタン2Lに溶解し、PTFE製のメンブラン(目開き0.2μm)を通して、清澄液を得た。これを、90torrで減圧濃縮し、粗糖エステル化合物を得た。この粗糖エステル化合物を、120℃で、n−酢酸プロピルに溶解し、冷却晶析することで、糖エステル化合物を得た。
【0020】
得られた糖エステル化合物を、5質量%の濃度で、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、高分解能NMR(BRUKER製 ADVANCE400 400MHz)を用いて、一次元NMR(H-NMR及び13C−NMR)を測定し、化学構造を同定した。また、それぞれのスペクトルの帰属は、CH−COSYによる二次元NMRを用いて行った。
図1に、グルコース−ドデカン二酸エステルのH-NMRスペクトルを、図2に13C−NMRスペクトルを示す。
図2のスペクトル中のC6シグナル(ケミカルシフト64.30ppm)が、原料グルコースのC6シグナル(ケミカルシフト61.68ppm)に対し、低磁場側にシフトしている。
【0021】
また、原料ドデカン二酸の13C−NMRスペクトルには、両末端カルボキシル基に起因するシグナル(ケミカルシフト174.9ppm)のみ検出される。それに対し、図2のスペクトルには。片末端カルボキシル基に起因するシグナル(ケミカルシフト175.0ppm)に加え、エステル結合C7シグナル(ケミカルシフト173.4ppm)が検出されている。
上記の結果から、本化合物が、グルコースのC6位に結合した水酸基が、ドデカン二酸の片末端のカルボキシル基と、エステル結合を形成したものであることが確認された。
次に、図1のスペクトルにおいて、グルコース残基のプロトンに起因するシグナルの面積と、ドデカン二酸残基に起因するシグナルの面積との面積比は、約1:2となり、この結果から、本化合物が、グルコース1モルと、ドデカン二酸1モルが、エステル化した化合物であることが確認された。
【0022】
[実施例2]
実施例1の方法において、二塩基酸をオクタン二酸(炭素数8)に変更する以外は、同様の操作で、糖エステル化合物を調製した。(酵素反応時のモノエステルの選択率は95%。グルコースの変換率は70%)。
また、実施例1と同様の操作で、化学構造を同定した結果、得られた糖エステル化合物は、グルコース−オクタン二酸エステルであることを確認した。
【0023】
[実施例3]
実施例1の方法において、二塩基酸をデカン二酸(炭素数10)に変更する以外は、同様の操作で、糖エステル化合物を調製した。(酵素反応時のモノエステルの選択率は95%。グルコースの変換率は70%)。
また、実施例1と同様の操作で、化学構造を同定した結果、得られた糖エステル化合物は、グルコース−デカン二酸エステルであることを確認した。
【0024】
[実施例4]
実施例1の方法において、二塩基酸をテトラデカン二酸(炭素数14)に変更する以外は、同様の操作で、糖エステル化合物を調製した。(酵素反応時のモノエステルの選択率は95%。グルコースの変換率は70%)。
また、実施例1と同様の操作で、化学構造を同定した結果、得られた糖エステル化合物は、グルコース−テトラデカン二酸エステルであることを確認した。
【0025】
[実施例5]
実施例1の方法において、二塩基酸をオクタデカン二酸(炭素数18)に変更する以外は、同様の操作で、糖エステル化合物を調製した。(酵素反応時のモノエステルの選択率は95%。グルコースの変換率は70%)。
また、実施例1と同様の操作で、化学構造を同定した結果、得られた糖エステル化合物は、グルコース−オクタデカン二酸エステルであることを確認した。
【0026】
[比較例1]
実施例1の方法において、二塩基酸をアジピン酸(炭素数6)に変更する以外は、同様の操作で、糖エステル化合物を調製した。(酵素反応時のモノエステルの選択率は95%。グルコースの変換率は70%)。
また、実施例1と同様の操作で、化学構造を同定した結果、得られた糖エステル化合物は、グルコース−アジピン酸エステルであることを確認した。
【0027】
<界面活性能の評価>
実施例1〜5、比較例1の糖エステル化合物について、界面活性を評価するため、Wilhelmy法による表面張力を測定した。界面活性能は、臨界ミセル濃度(cmc、単位はmM)が低いほど、界面活性が高いことを意味する。
実施例1〜5、比較例1の各エステル化合物と、イオン交換水を用いて、1質量%濃度の水溶液を作成した。次に、各水溶液を25℃に恒温し、表面張力計(協和界面科学製 CPVP−Z型)に仕込み、表面張力を測定した。最後に、上記各水溶液をイオン交換水で異なる所定濃度に希釈し、同様の操作で表面張力を測定した。
得られた各濃度における表面張力の結果を、グラフにプロットし、変曲点における濃度を臨界ミセル濃度とした。図3に、実施例1において得られたグラフを示す。また、表1に各実施例、比較例において算出されたcmcの値を示す。
【0028】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、界面活性能に優れるの糖エステル化合物を提供でき、湿潤、浸透、濡れ、分散、乳化、可溶化、起泡、洗浄等において好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖の水酸基と、1分子内に2つ以上のカルボキシル基を有する炭素数7〜18の多塩基酸がエステル結合し、1分子内に1つ以上のカルボキシル基を有することを特徴とする糖エステル化合物。
【請求項2】
前記糖が、グルコース、フラクトース、ガラクトース、またはマンノースから選ばれるヘキソースまたはその異性体もしくは誘導体、キシロース、アラビノースから選ばれるペントースまたはその異性体あるいは誘導体、及びエリトロース、トレオースから選ばれるテトロースまたはその異性体あるいは誘導体等から選ばれる少なくとも1種を構成糖とする単糖またはオリゴ糖であり、前記多塩基酸が、炭素数7〜18の飽和又は不飽和の二塩基酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の糖エステル化合物。
【請求項3】
前記糖がグルコースであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の糖エステル化合物。
【請求項4】
前記糖がグルコースであり、該グルコースのC6位に結合した水酸基と、炭素数が7〜12の飽和二塩基酸とがモノエステル化していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の糖エステル化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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