説明

糞便の質を改善するための方法および組成物

約1〜約20%のゼオライトを含む組成物を動物に投与することにより糞便の質を改善する方法。好ましくは、ゼオライトは動物が摂取するのに適切な少なくとも1種類の成分を含む食物組成物の一部として動物に与えられる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の引照
[0001] 本出願は、米国仮特許出願No. 60/733,905(2005年11月4日出願)に基づく優先権を主張し、その開示内容を本明細書に援用する。
【0002】
発明の背景
発明の分野
[0002] 本発明は、一般に糞便の質を改善する方法、特に糞便の質を改善するためにゼオライトを使用する方法に関する。
【0003】
先行技術の記述
[0003] 糞便の質は一般に5つの要因により決まる:食物成分の消化性、繊維レベル、健康状態、活動レベル、および摂水量。これらの要因のバランスがとれている場合、糞便は一般に有形で硬く、濃色であり、臭気の発生が比較的少ない。これらの特性を示す糞便は良質の糞便とみなされる。これらの要因のバランスがとれていない場合、糞便は一般に軟質でゆるく、水様で、淡色であり、比較的強い臭気を発生する。これらの特性を示す糞便、特にゆるい水様の糞便は質の劣る糞便とみなされる。
【0004】
[0004] 質の劣る糞便は多様な要因で生じる可能性がある:たとえば異常な腸運動性、腸透過性の亢進、腸内に非吸収性の浸透圧活性物質が存在すること、または下痢を引き起こす薬剤。ある動物飼料、特に当技術分野でチャンク・アンド・グレービー(chunk and gravy)動物飼料として知られているものも、質の劣る糞便の原因となる可能性がある。そのような飼料を摂取している動物はしばしば、不規則な望ましくない排便を伴う。そのような排便は一般にゆるい水様糞便を特徴とする。場合によってはこの排便を下痢と分類することができる。
【0005】
[0005] 質の劣る糞便を管理するための方法は、下痢に対処する薬物の使用、および糞便の質に影響を与える組成物に注目している。たとえばUS 6280779には、正常な腸の健康状態を維持し、許容できる質の糞便の生成を促進するのに有用な、化学修飾したデンプンおよびガムを含有する食物が開示されている;WO 05063271 A1には、薬草組成物を用いて胃腸障害を治療し、糞便の質に影響を与えることが開示されている;US 5919760には、オクトレオチド(octreotide)を用いて下痢を治療することが開示されている;WO 9625940 A1には、下痢を治療するためにニンジン、コメ、バナナおよびグルコースを含む組成物を用いることが開示されている。これらの方法は有用ではあるが、糞便の質を改善するための新規な方法および組成物がなお求められている。
【0006】
発明の概要
[0006] したがって本発明の目的は、糞便の質を改善するための方法を提供することである。
【0007】
[0007] 本発明の他の目的は、糞便の質を改善するのに有用な組成物を提供することである。
[0008] 本発明の他の目的は、糞便の質を改善するのに有用な組成物の組合わせを収容したキットの形の製品を提供することである。
【0008】
[0009] これらおよび他の目的は、糞便の質を改善する量のゼオライトを含む組成物を動物に投与することを含む、糞便の質を改善するための新規方法を用いて達成される。一般にこの組成物は、少なくとも約1%、最も好ましくは約1〜約20%の量のゼオライト、ならびにタンパク質、脂肪、炭水化物、繊維、およびその組合わせよりなる群から選択される少なくとも1種類の成分を含む、食物組成物である。動物摂取用組成物およびゼオライトを含むキットも提供される。ゼオライトを含有する動物摂取用組成物は、糞便の質を改善するのに予想外に有効である。
【0009】
[0010] 本発明のさらに他の目的、特色および利点は当業者に容易に認識されるであろう。
発明の詳細な記述
定義
[0011] 用語”ゼオライト”は、単一ゼオライトまたは2種類以上のゼオライトの混合物を意味する。
【0010】
[0012] 用語”動物”は、質の劣る糞便状態に罹患しやすい動物または罹患しているいずれかの動物を意味する。動物がある状態または疾患を発現する可能性があることの指標となる症状を示す場合、その動物はその疾患または状態”に罹患しやすい(susceptible to)”。動物がある状態または疾患を発現していることの指標となる症状を示す場合、その動物はその疾患または状態”に罹患している(suffering from)”。
【0011】
[0013] 用語”併せて(in conjunction)”は、本発明の1以上の組成物または配合物(たとえば下痢止め薬または組成物成分)を、(1)食物組成物中で一緒に、または(2)別個に、同一もしくは異なる頻度で、同一もしくは異なる投与経路を用いて、ほぼ同時もしくは周期的に、動物に投与することを意味する。”周期的に”は、組成物、食物組成物および配合物を、特定の組成物、食物組成物および配合物について許容できる投与計画で投与すること、および特定の動物に食物組成物をその動物に適合させてルーティンに投与または供給することを意味する。”ほぼ同時に”は、一般に組成物、組成物成分、下痢止め薬および食物組成物を同時に、または互いに約72時間以内に投与することを意味する。併せては、具体的には下痢止め薬を処方期間投与し、本発明組成物を不定期に投与する投与計画を含む。
【0012】
[0014] 用語”下痢止め薬”は、下痢を予防または治療するのに有用ないずれかの配合物、組成物または薬物を意味する。
[0015] 用語”単一パッケージ”は、キットの構成要素が1以上の容器内に、または容器により、物理的にまとめられており、製造、流通、販売または使用のための単位とみなされることを意味する。容器にはバッグ、ボックス、ボトル、収縮ラップパッケージ、ホチキス留めその他の形で固定された構成要素、またはその組合わせが含まれるが、これらに限定されない。単一パッケージは、個々の食物組成物の容器が製造、流通、販売または使用のための単位とみなされる状態で物理的にまとめられたものであってもよい。
【0013】
[0016] 用語”仮想パッケージ”は、キットの構成要素が、1以上の物理的または仮想のキット構成要素に関して他の構成要素を入手する方法を利用者に指令する指示によりまとめられていることを意味する;たとえば下記のものを収容したバッグ:1つの構成要素、およびキットの使用方法に関する指令を得るために、ウェブサイトを訪れる、記録されたメッセージに接触する、ビジュアルメッセージを見る、または医療関係者もしくはインストラクターと連絡をとるように利用者に指令する指示。
【0014】
[0017] 本明細書に記載する特定の方法、プロトコルおよび試薬は変更することができるので、本発明はそれらに限定されない。さらに、本明細書中で用いた用語は特定の態様を記述するためのものにすぎず、本発明の範囲を限定するためものではない。本明細書および特許請求の範囲で用いる単数形には、そうではないことが状況から明示されない限り、複数表示が含まれる。たとえば”ゼオライト”という表現には、複数のそのようなゼオライトが含まれる。
【0015】
[0018] 別途定義しない限り、本明細書中で用いるすべての技術用語および科学用語および頭字語は、本発明の分野の当業者が一般に理解しているものと同じ意味をもつ。本明細書に記載したものと類似または均等な方法および材料をいずれも本発明の実施に使用できるが、好ましい方法、器具および材料を本明細書に記載する。
【0016】
[0019] 本明細書中に報告した本発明により使用できる配合物および方法を記載および開示するために、本明細書中で述べたすべての特許、特許出願および刊行物を、法律が許す範囲で本明細書に援用する。ただし、本明細書中のいずれも、本発明が先の発明によるそのような開示に先行する資格がないと認めるものと解釈すべきでない。
【0017】
本発明
[0020] 1観点において、本発明は糞便の質を改善するための方法を提供する。この方法は、糞便の質を改善する量のゼオライトを含む組成物を動物に投与することを含む。好ましい態様において、組成物は、動物が摂取するのに適切な1種類以上の成分、および少なくとも約1重量%の量、好ましくは約1〜約20重量%の量、最も好ましくは約1〜約10重量%の量のゼオライトを含む。本発明は、動物が摂取した場合にゼオライトが糞便の質を改善するであろうという新規な知見に基づく。
【0018】
[0021] 本発明組成物を、経口投与に適切ないずれかの形態、たとえば錠剤、丸剤、懸濁液剤、液剤(場合により飲料水と混合して)、乳剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、および美味な食物組成物(ヒトのための菓子、または動物用のおやつ(褒美、treat)もしくはフレーバー付きおやつ)により、動物に経口投与する。好ましい態様においては、本発明組成物を調製するために用いる製造プロセス中に、ゼオライトと他の成分を混合する。
【0019】
[0022] 1態様において本発明方法は、本発明組成物をプロバイオティックおよびプレバイオティックよりなる群から選択される1種類以上の胃腸の健康を改善する物質と併せて投与することを含む。他の態様において本発明方法は、本発明組成物を1種類以上の下痢止め薬と併せて投与することを含む。
【0020】
[0023] 他の観点において、本発明は糞便の質を改善する動物摂取用組成物を提供する。この組成物は、糞便の質を改善する量のゼオライト、および動物が摂取するのに適切な少なくとも1種類の成分を含む。好ましくは、組成物は少なくとも約1重量%のゼオライトを含み、成分はタンパク質、脂肪、炭水化物および繊維よりなる群から選択される。好ましくは、組成物はゼオライトを約1〜約20%の量、最も好ましくは約1〜約10%の量、または約2〜約6%の量で含む。ゼオライトは、毒性を有さないかあるいは動物の健康に有害ではない濃度で存在すべきである。たとえば、ゼオライトは消化に対する望ましくない影響、特に消化に対する長期の望ましくない影響、たとえば数日間以上持続する望ましくない影響を及ぼさない濃度で存在すべきである。消化に対する望ましくない影響には、便秘または下痢を含めることができる。
【0021】
[0024] 製剤の加工中に、たとえば組成物の他の成分を混合する途中および/または混合した後に、ゼオライトを組成物に取り込ませることができる。組成物中へのこれらの成分の分散は常法により達成できる。別途明示しない限り、本発明組成物に関する重量および濃度はすべて、構成要素および成分をすべて混合した後の組成物の乾燥重量を基準とする。
【0022】
[0025] ゼオライトは、四面体枠組み内にアルミニウム、ケイ素および酸素を含む明確な構造(well-defined structure)を備えた三次元微孔質結晶性固体である。ゼオライトはそれらの構造中に、構造内外へのイオンおよび分子の移動を可能にするチャネルを形成する広い開放空間またはケージをもつ。Alの陰電荷は、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムおよび鉄のカチオンの存在により平衡を保たれる。
【0023】
[0026] ゼオライトファミリー(family)のほぼ50の天然由来のメンバーが発見され、150を超えるゼオライト構造タイプが合成されている。そうではないことが状況から要求される場合以外、用語”ゼオライト”は任意の鉱物を本明細書中で下記のものを含めて包括的に用いられるが、これらに限定されない:下記を含む方沸石ファミリー(Analcime Family):方沸石(アナルサイム、analcime)(水和ケイ酸アルミニウムナトリウム)、ポルクス石(ポルックス石、ポルサイト、pollucite)(水和ケイ酸アルミニウムナトリウムセシウム)、ワイラケ沸石(ワイラカイト、wairakite)(水和ケイ酸アルミニウムナトリウムカルシウム)、ベルバーガイト(bellbergite)(水和ケイ酸アルミニウムナトリウムストロンチウムバリウムカリウム)、ビキアタイト(bikitaite)(水和ケイ酸アルミニウムリチウム)、ボグザイト(ボッグサイト、boggsite)(水和ケイ酸アルミニウムナトリウムカルシウム)およびブリュースター沸石(ブリューステライト、brewsterite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムナトリウムバリウムストロンチウム);下記を含む菱沸石ファミリー(Chabazite Family):菱沸石(斜方沸石、チャバツァイト、カバサイト、chabazite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウム)、ウィルヘンダーソナイト(willhendersonite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムカリウム)、コウルス沸石(cowlesite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウム)、ダキアルディ沸石(ダキアルダイト、dachiardite)(水和ケイ酸アルミニウムカリウムナトリウムカルシウム)、エディントン沸石(エジングトナイト、edingtonite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムバリウム)、剥沸石(準輝沸石、エピスチルバイト、epistilbite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウム)、エリオン沸石(毛沸石、erionite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムカリウムナトリウム)、フォージャサイト(faujasite)(水和ケイ酸アルミニウムマグネシウムカルシウムナトリウム)およびフェリエ沸石(フェリエライト、苦土沸石、ferrierite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムマグネシウムカリウムナトリウム);下記を含むギスモンド沸石ファミリー(Gismondine Family):アミカイト(amicite)(水和ケイ酸アルミニウムナトリウムカリウム)、ガロン沸石(ガロナイト、garronite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウム)、ギスモンド沸石(水灰長石、ギスモンダイト、gismondine)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムバリウム)、ゴビンス沸石(gobbinsite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムカリウムナトリウム)、グメリン沸石(gmelinite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムナトリウム)、ゴナルド沸石(ゴンナルド沸石、ゴンナルダイト、gonnardite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムナトリウム)およびグースクリーク石(グースクリーカイト、goosecreekite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウム);下記を含む重土十字沸石ファミリー(Harmotome Family):重土十字沸石(重十字沸石、harmotome)(水和ケイ酸アルミニウムカリウムバリウム)、十字沸石(灰十字沸石、灰十字石、phillipsite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムナトリウムカリウム)および灰重十字沸石(ウェルス沸石、ウェルサイト、ウェルザイト、wellsite)(水和ケイ酸アルミニウムカリウムカルシウムバリウム);下記を含む輝沸石ファミリー(Heulandite Family):斜プチロル沸石(シャプチロ沸石、clinoptilolite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムカリウムナトリウム)、輝沸石(heulandite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムナトリウム)、濁沸石(ローモンタイト、laumontite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウム)、レビ沸石(レービン沸石、levyne)(水和ケイ酸アルミニウムカリウムナトリウムカルシウム)、マッチー沸石(マジット、mazzite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムマグネシウムナトリウムカリウム)、メルリーノ沸石(merlinoite)(水和ケイ酸アルミニウムバリウムカルシウムナトリウムカリウム)、モンテソマイト(montesommaite)(水和ケイ酸アルミニウムナトリウムカリウム)およびモルデン沸石(mordenite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムカリウムナトリウム);下記を含むソーダ沸石ファミリー(Natrolite Family):中沸石(mesolite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムナトリウム)、ソーダ沸石(natrolite)(水和ケイ酸アルミニウムナトリウム)、スコレス沸石(灰沸石、スコレサイト、scolecite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウム)、オフレタイト(offretite)(水和ケイ酸アルミニウムマグネシウムカリウムカルシウム)、パラナトロライト(paranatrolite)(水和ケイ酸アルミニウムナトリウム)、ポーリング沸石(ポーリンガ沸石、ポーリンジャイト、paulingite)(水和ケイ酸アルミニウムバリウムナトリウムカルシウムカリウム)およびペルリアライト(パーリアライト、perlialite)(水和ケイ酸 アルミニウムストロンチウムカルシウムナトリウムカリウム);ならびに下記を含む束沸石ファミリー(Stilbite Family):バレル沸石(バラー沸石、barrerite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムカリウムナトリウム)、束沸石(スチルバイト、stilbite)(水和ケイ酸 アルミニウムカルシウムナトリウム)、ステラ沸石(ステーラーライト、stellerite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウム)、トムソン沸石(thomsonite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウムナトリウム)、チェルニカイト(tschernichite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウム)および湯河原沸石(yugawaralite)(水和ケイ酸アルミニウムカルシウム)。用語ゼオライトは、本明細書中で天然ゼオライト、ゼオライト様の構造をもつ合成物質、ケイ酸塩系鉱物およびリン酸塩系鉱物を含めたいずれかの鉱物を包含するために包括的にも用いられる。合成ゼオライトには、ゼオライトA、非繊維状ゼオライト、ゼオライト4A、ゼオライトMS4AおよびゼオライトMS5Aが含まれる。ゼオライト-ケイ酸塩系鉱物には、シアングアライト(hsianghualite)、ロブダライト(lovdarite)、ヴィセ沸石(ヴィゼ沸石、viseite)、パルテ沸石(パーシアイト、partheite)、ブドウ石(prehnite)、ロッジアン石(ロージアナイト、ロジアナイト、roggianite)、魚眼石(apophyllite)、ジャイロライト(gyrolite)、マリコパ石(maricopaite)、オーケン石(オーケナイト、オケナイト、okenite)、タカラン石(タカラナイト、tacharanite)およびトベルモリー石(トベルモライト、tobermorite)が含まれる。ゼオライト-リン酸塩系鉱物には、ケホアイト(kehoeite)、パファサペイト(pahasapaite)およびチップトップ石(tiptopite)が含まれる。
【0024】
[0027] 動物摂取用組成物中に使用するために許容できるいかなるタイプまたは形態のゼオライトも本発明に使用できる。本発明に使用するのに適切なゼオライトの具体例は、斜プチロル沸石である。斜プチロル沸石は、SAFETYSORBとしてSafetysorb Zeolite, Inc.(ネバダ州ラスベガス)から市販されているが、いかなる供給源から入手してもよい。
【0025】
[0028] 本発明は、ゼオライトを含有する多様な組成物、たとえば食物、栄養食、サプリメント、おやつ、ならびに玩具、たとえば咀しゃく玩具および摂取できる(食べられる)玩具を提供する。
【0026】
[0029] ある態様において、組成物は食物である。液体食物および固体食物の両方が提供される。食物が液体である場合、ゼオライトをその食物と混合することができる。食物が固体である場合、ゼオライトを食物上にコーティングし、食物中に取り込ませることができ、または両方であってもよい。食物には乾燥食物と湿潤食物の両方が含まれる。ゼオライト以外の食物成分、およびそれらの一般的な特性は当業者に既知であり、一般に炭水化物、タンパク質、脂肪、繊維、および/または栄養成分、たとえばビタミン、無機質などが含まれる。
【0027】
[0030] 組成物中の各成分の具体的な適量は、その組成物を摂取する動物の種;組成物に含有される特定の成分;動物の年齢、体重、全般的健康状態、性別および食事;動物の摂取率など、多様な要因に依存するであろう。
【0028】
[0031] タンパク質性の食物成分は、植物、動物またはその両方など、多様な供給源から得られる。動物性タンパク質には、食肉、食肉副産物、乳製品および卵が含まれる。食肉には、家禽、魚類、および動物、たとえばウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギなどから得られる肉が含まれる。食肉副産物には、肺、腎臓、脳、肝臓、胃および腸が含まれる。タンパク質性の食物成分は、遊離アミノ酸および/またはペプチドであってもよい。好ましくは、タンパク質性の食物成分は食肉、食肉副産物、乳製品または卵を含む。脂肪性および炭水化物性の食物成分は、動物脂肪、魚油、植物油、食肉、食肉副産物、穀粒、他の動物源または植物源、およびその混合物など、多様な供給源から得られる。穀粒には、コムギ、トウモロコシ、オオムギおよびコメが含まれる。繊維性の食物成分は、植物繊維源、たとえばセルロース、ビートパルプ、ラッカセイ殻およびダイズ繊維など、多様な供給源から得られる。
【0029】
[0032] 本発明に有用なサプリメントには、たとえば全体的な栄養バランスまたは性能を改善するために他の食料と共に用いられる食料が含まれる。サプリメントには、他の食料に対する補助食物として希釈せずに供給される組成物、別個に入手される動物用規定食の他の部分と共に自由選択して与えられる組成物、または動物の通常の食料で希釈および混合して完成した食料を調製する組成物が含まれる。たとえばAAFCOは、サプリメントに関する考察をAmerican Feed Control Officials, Inc. Official Publication, p.220 (2003)に示している。サプリメントは、たとえば散剤、液剤、シロップ剤、丸剤、カプセル化組成物などを含めた多様な形態であってよい。
【0030】
[0033] おやつには、たとえば動物に与えて食事時間以外に食べるように動物を仕向ける組成物、たとえばイヌ類についてはイヌ用の骨が含まれる。おやつは栄養性のものであってもよく、その場合、本発明組成物は1種類以上の栄養素を含み、たとえば前記に食物について記載した組成をもつことができる。非栄養性のおやつには、無毒性である他のいずれかのおやつが含まれる。ゼオライトをおやつ上にコーティングするか、おやつ中に取り込ませるか、または両方である。
【0031】
[0034] 玩具には、咀しゃく玩具、たとえば人造の骨が含まれる。ゼオライトは玩具の表面もしくは玩具構成部品の表面のコーティングを形成するか、玩具の一部もしくは全体に取り込まれるか、または両方であってもよい。1態様においては、意図する使用者がゼオライトを経口摂取できる。広範な適切な玩具が現在市販されている;たとえばUSP No. 5,339,771、USP No. 5,419,283、およびそれらに開示された参考文献。本発明は、部分的に摂取できる玩具、たとえばプラスチック構成要素を含む玩具、および完全に摂取できる玩具、たとえば生皮および種々の人造の骨を、共に提供する。さらに本発明は、ヒトが使用するための玩具、ならびにヒト以外、特に愛玩動物、農場動物および動物園の動物、特にイヌ、ネコまたは鳥類が使用するための玩具を、共に提供する。
【0032】
[0035] 本発明組成物は、追加成分、たとえば当業者に既知のビタミン、無機質、充填剤、嗜好性増強剤、結合剤、矯味矯臭剤、安定剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、緩衝剤、塩類、コーティングなどを含有することができる。安定剤には、本発明組成物の貯蔵寿命を延長するのに役立つ物質、たとえば保存剤、協力剤および金属イオン封鎖剤、パッケージングガス、安定剤、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、ならびに保湿剤が含まれる。乳化剤および/または増粘剤の例には、ゼラチン、セルロースエーテル、デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、および修飾デンプンが含まれる。組成物構成要素、食物成分および他の成分それぞれの具体的な量は、組成物に含有される特定の構成要素および成分;動物の種;動物の年齢、体重、全般的健康状態、性別および食事;動物の摂取率;治療される疾患(あるとすれば)のタイプなど、多様な要因に依存するであろう。したがって、成分の量は広範に変更でき、本明細書に記載する好ましい割合から逸脱してもよい。組成物中の前記添加物の量は一般に最高で約5重量%である。
【0033】
[0036] 特に本発明組成物が動物用食物である場合、好ましくはビタミンおよび無機質を、欠乏の回避および健康の維持に必要な量で含有させる。全米研究評議会(National Research Council、NRC)は、農場動物についてそのような成分の推奨量を提示している。たとえば、Nutrient Requirements of Swine (改訂第10版, Nat'l Academy Press, ワシントン D.C., 1998)、Nutrient Requirements of Poultry (改訂第9版, Nat'l Academy Press, ワシントン D.C., 1994)、Nutrient Requirements of Horses (改訂第5版, Nat'l Academy Press, ワシントン D.C., 1989)などを参照。アメリカ飼料検査官協会(AAFCO)は、イヌおよびネコについてそのような成分の推奨量を提示している。American Feed Control Officials, Inc., Official publication, p.126-140 (2003)を参照。食品添加物として一般に有用なビタミンには、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンH (ビオチン)、ビタミンK、葉酸、イノシトール、ナイアシンおよびパントテン酸が含まれる。食品添加物として一般に有用な無機質および微量成分には、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、銅、亜鉛、コリンおよび鉄が含まれる。本発明組成物は、動物の健康を維持または改善するための追加成分、たとえば医薬、薬草、全体観的(holistic)な薬物および組成物などを含有することができる。
【0034】
[0037] 本発明組成物、特に食物は、常法により乾燥形態で製造できる。1態様においては、動物タンパク質源、植物タンパク質源、穀粒などを含めた乾燥成分を粉砕し、混和する。次いで、脂肪、油、動物タンパク質源、水などを含めた水分または液体成分をこの乾燥ミックスに添加し、混和する。次いでこの混合物をキブル(kibble)またはこれに類する乾燥片に加工する。キブルは、しばしば押出法により成形される。この方法では、乾燥成分と湿潤成分の混合物を高圧および高温で機械的作業により処理し、小さな開口を通して押出し、回転ナイフで切断してキブルにする。次いでこの湿ったキブルを乾燥させ、場合により1種類以上の表面コーティング剤でコーティングする。これは、たとえば矯味矯臭剤、脂肪、油、粉末などを含有することができる。キブルは、ドー(dough)から押出法ではなくベーキング法で形成することもでき、この場合、乾熱処理の前にドーを型に入れる。
【0035】
[0038] ゼオライトは食物組成物の普通の製造操作、たとえば混合、押出し、ベーキングなどに際して食物組成物に添加することができ、あるいは好ましくは押出し後の調製の後に、たとえば食物表面への吹付けまたはコーティングにより添加することができる。これは特に乾燥食物について望ましく、その際、押出ストランドを切断してキブルにする前に吹付けまたはコーティングによりストランドをゼオライト(またはゼオライトを含む溶液)と接触させるか、あるいはキブル自体の吹付け、コーティングまたは浸漬によりキブルをゼオライト(またはゼオライトを含む溶液)と接触させる。
【0036】
[0039] 食物への局所適用(topical application)については、食物組成物の表面への適用を容易にするために、ゼオライトをキャリヤー組成物と混合する。たとえば液体、スラリー、低粘度ゲル、または水性固体をすべて、本発明組成物の配合物(1以上)のキャリヤーとして使用できる。標準的な吹付けまたは浸漬装置を用いて配合物(1以上)を食物組成物の表面に適用する。そのようなキャリヤーの例は、細断されたプロテアーゼ処理した動物副産物をアミノ酸、還元糖(1以上)およびチアミンと併せたものである。次いでキャリヤーをゼオライトと混合し、キブルにコーティングすると、これによりきわめて美味な満足すべき乾燥食物が製造される。特定の好ましい態様においては、ゼオライトを市販の液状の旨み増強剤(palatant enhancer)または他の矯味矯臭組成物と単純に混合して、新規な矯味矯臭旨み剤を調製し、次いでこれを組成物に局所適用することができる。本発明においてゼオライトと共に使用するのに適切な市販の液状旨み増強剤には、当業者に知られているペットフード用旨み増強剤または他の矯味矯臭剤の供給業者から販売されている、既知もしくは市販の液状旨み増強剤がいずれも含まれる。
【0037】
[0040] 本発明組成物、特に食物は、一般的なペットフード加工法を用いて缶詰形態または湿潤形態で製造できる。1態様においては、粉砕した動物(たとえば哺乳類、家禽、魚類および/または水産食物)タンパク質組織を他の成分と混合する。他の成分には、魚油、穀粒、栄養バランスをとるための他の成分、特殊な目的の添加物(たとえばビタミンおよび無機質の混合物、無機塩類、セルロースおよびビートパルプ、増量剤など)が含まれる。加工に十分な量の水も添加することができる。一般に、これらの成分をブレンドしながら、加熱に適した容器内で湿潤形態の成分を混合する。混合物の加熱はいずれか適切な様式で、たとえば直接蒸気注入により、または熱交換器を備えた容器を用いて実施できる。最終成分の添加後、混合物を約50°F(10℃)〜約212°F(100℃)の温度範囲に加熱する。この範囲外の温度も一般に許容できるが、他の加工助剤を用いなければ商業的に実施できない場合がある。適切な温度に加熱すると、材料は一般に濃厚な液体の形態になるであろう。この濃厚な液体を缶に充填する。蓋をして容器を密封する。密封した缶を、次いで内容物の殺菌のために設計された一般的な装置に装入する。これは、通常は約230°F(110℃)より高い温度に適切な時間加熱することにより達成される。時間は使用温度および組成物に依存する。
【0038】
[0041] 湿潤食物については、ゼオライトをキャリヤー、たとえばアルコール組成物(すなわちプロピレングリコールまたはジプロピレングリコール)、シクロデキストリン、マルトデキストリンまたはデンプンと共に湿潤食物組成物に取り込ませることができる。あるいは、湿潤食物組成物を調製する前の乾燥材料にゼオライトを混入することができる。
【0039】
[0042] 本発明のおやつは、たとえば乾燥食物について上記に述べたものと同様な押出法またはベーキング法により製造できる。他の方法を用いて、前記の矯味矯臭組成物を既存の形態のおやつの外側にコーティングするか、あるいは既存の形態のおやつに注入することもできる。本発明の動物用玩具は一般に、ゼオライトを混入した矯味矯臭組成物で既存のいずれかの玩具をコーティングすることにより調製される。
【0040】
[0043] 1態様において、組成物はさらに、プロバイオティックおよびプレバイオティックよりなる群から選択される1種類以上の胃腸管を改善する物質を含む。他の態様において、組成物はさらに1種類以上の下痢止め薬を含む。
【0041】
[0044] 本発明の組成物および方法はヒトおよびヒト以外の多様な動物に有用であり、これには鳥類、ウシ類、イヌ類、ウマ類、ネコ類、ヤギ類、ネズミ類、ヒツジ類、およびブタ類などの動物が含まれる。好ましくは、動物はイヌ類またはネコ類である。
【0042】
[0045] 他の観点において本発明は、動物が摂取するための組成物を投与するのに適切なキットであって、糞便の質を改善する量のゼオライトおよび動物が摂取するのに適切な少なくとも1種類の成分を含むキットを提供する。これらのキットは、キット構成要素に適合させて単一パッケージ内の別個の容器中または仮想パッケージ内の別個の容器中に、糞便の質を改善する量のゼオライト、ならびに下記のうち少なくとも1つを含む:(1)動物が摂取するのに適切な1種類以上の成分、(2)ゼオライトと該成分を組み合わせて糞便の質を改善する動物摂取用組成物を調製する方法に関する指示、(3)特に動物に有益となるように糞便の質を改善するために本発明組成物を使用する方法に関する指示、(4)プロバイオティックおよびプレバイオティックよりなる群から選択される1種類以上の胃腸管を改善する物質、ならびに(5)1種類以上の下痢止め薬。キットが仮想パッケージを含む場合、キットは1以上の物理的キット構成要素と組み合わせた仮想環境における指示に限定される。
【0043】
[0046] キットは、糞便の質を改善するのに十分な量のゼオライトおよび他の成分を含む。一般にキットは、少なくとも約1%、最も好ましくは約1〜約20%の量のゼオライトを含む組成物を調製するのに十分な量のゼオライト、ならびにタンパク質、脂肪、炭水化物、繊維およびその組合わせよりなる群から選択される少なくとも1種類の成分を含む。一般にゼオライトと上記の成分を動物が摂取する直前に混合する。1態様においてキットは、ゼオライトの包み(packet)、および動物が摂取するための食物の容器を含む。キットは追加品目、たとえばゼオライトと成分を混合する器具またはその混合物を収容する器具、たとえば食物ボウルを含むことができる。他の態様においては、ゼオライトを、動物の良好な健康を増進する追加の栄養サプリメント、たとえばビタミンおよび無機質と混合する。
【0044】
[0047] 他の観点において、本発明は下記のうち1以上に関する情報または指示を伝達するための手段を提供する:(1)ゼオライトを糞便の質の改善のために使用すること、(2)ゼオライトを本発明の他の成分と混合すること、(3)ゼオライトを単独で、または本発明の他の要素と組み合わせて、動物に投与すること、および(4)本発明のキットを糞便の質の改善のために使用すること。これらの伝達手段は、これらの情報または指示を収容した文書、ディジタル記憶媒体、光学記憶媒体、オーディオプレゼンテーションまたはビジュアルディスプレーを含む。好ましくは、伝達はそのような情報または指示を収容した表示されたウェブサイト、またはパンフレット、製品ラベル、パッケージ挿入物、広告またはビジュアルディスプレーである。有用な情報には、(1)ゼオライトと成分を混和および投与するための方法および手法、ならびに(2)消費者が本発明およびそれの使用に関する質問がある場合に利用するための連絡情報のうち1以上が含まれる。有用な指示には、混合量ならびに投与の量および頻度が含まれる。伝達手段は、本発明を使用することの有益性を指摘し、本発明を動物に投与するための承認された方法を伝達するのに有用である。
【0045】
[0048] 他の観点において本発明は、糞便の質を改善し、胃腸管に対して有益な効果をもつ、動物摂取用組成物を提供する。これらの組成物は、糞便の質を改善する量のゼオライト、動物が摂取するのに適切な少なくとも1種類の成分、ならびにプロバイオティックおよびプレバイオティックよりなる群から選択される1種類以上の胃腸管を改善する物質を含む。プロバイオティックは、摂取した場合に特定の病的状態の予防および治療に有益な効果をもつ生存微生物である。プロバイオティックは、定着抵抗性(colonization resistance)として知られる現象により生物学的作用を及ぼすと考えられている。プロバイオティックは、嫌気性常在細菌叢が潜在的に有害な(大部分は好気性)細菌の消化管内濃度を制限するプロセスを促進する。他の作用様式、たとえば胃腸管内での酵素の供給または酵素活性への影響も、プロバイオティックに起因するとされている他の機能のうちあるものを説明することができる。プレバイオティックは、結腸内の細菌の増殖および/または活性を選択的に刺激することによりホストの健康に有益な効果を与える非消化性食物成分である。プレバイオティックであるフルクトオリゴ糖(FOS)は、コムギ、タマネギ、バナナ、蜂蜜、ガーリックおよびリーキ(セイヨウニラネギ、leek)など多数の食物中に天然にみられる。FOSはチコリ(キクニガナ、chicory)根から単離することもでき、あるいはショ糖から酵素合成することもできる。FOSが結腸内で発酵すると、結腸内のビフィズス菌数の増加、カルシウム吸収の増大、糞便重量の増加、胃腸内通過時間の短縮、およびおそらく血中脂質濃度の低下を含めた、多数の生理的効果が得られる。ビフィズス菌の増加は、潜在病原体を阻害する化合物の産生、血中アンモニア濃度の低下、ならびにビタミンおよび消化酵素の産生により、ヒトの健康に有益であると推定されている。プロバイオティック細菌、たとえば乳酸杆菌属(Lactobacilli)またはビフィドバクテリウム属(ビフィズス菌、Bifidobacteria)の菌は、腸管微生物バランスを改善して抗体産生および白血球の食細胞(食いつくす、または殺す)活性を高めることにより、免疫反応にプラスの影響を与えると考えられている。ビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)は、高齢者において細胞性免疫のある面を増強するのに有効なプロバイオティック食事サプリメントとなる可能性がある。プロバイオティックは全身の細胞性免疫反応を増強し、他の点では健康な成体の自然免疫を追加免疫する食事サプリメントとして使用できる。プロバイオティックには多数のタイプの細菌が含まれるが、一般に4つの細菌属から選択される:アシドフィルス菌(好酸性乳酸杆菌、Lactobacilllus acidophilus)、ビフィドバクテリウム属、ラクトコッカス属(Lactococcus)およびペディオコッカス属(Pediococcus)。動物に投与するプロバイオティックおよびプレバイオティックの量は、プロバイオティックおよびプレバイオティックのタイプおよび性質、ならびに動物のタイプおよび性質、たとえば年齢、体重、全般的健康状態、性別、微生物枯渇の程度、有害細菌の存在、ならびに動物の食事に基づいて、当業者により決定される。一般にプロバイオティックは、腸管微生物叢を健全に維持するために一日当たり約10〜約200億コロニー形成単位(CFU)の量、好ましくは一日当たり約50〜約100億個の生菌数で動物に投与される。一般にプレバイオティックは、健全な腸管微生物叢にプラスの刺激を与えてこれらの”善玉”細菌を増殖させるのに十分な量で投与される。一般的な量は、1回当たり約1〜約10g、または動物について推奨される一日の食事性繊維の約5〜約40%である。プロバイオティックおよびプレバイオティックをいずれか適切な手段で本発明組成物の一部にすることができる。一般にこれらの物質を本発明組成物と混合し、または本発明組成物の表面に、たとえば散布により適用する。これらの物質がキットの一部である場合、これらの物質は他の材料と混合されていてもよく、またはそれら自身のパッケージ中にあってもよい。
【0046】
[0049] 他の観点において、本発明は糞便の質を改善する動物摂取用組成物の製造方法を提供する。この方法は、糞便の質を改善する量のゼオライトと動物が摂取するのに適切な少なくとも1種類の成分を混合することを含む。ゼオライトは、少なくとも約1重量%、好ましくは約1〜約20重量%、最も好ましくは約1〜約10重量%のゼオライト量で組成物に添加される。
【0047】
[0050] 本発明の組成物、方法およびキットは、糞便の質を改善するのに有用である。
実施例
[0051] 以下の実施例により本発明をさらに説明することができるが、これらの例は説明のために含まれるにすぎず、別途明示しない限り、本発明の範囲を限定するためのものではないことは理解されるであろう。
【0048】
実施例1
[0052] 糞便の質に関する4種類の試験を2グループのイヌ(グループ1および2)について、ゼオライトを含有する飼料または含有しない飼料を用いて実施した。各試験は、イヌにこれら2種類のうち1つの飼料を与えた際にイヌが排出した糞便の質を判定するために設計された。各試験は、食物を7日間与えた10匹のイヌからなっていた。すべての食物を維持レベルで与えた。グループ1に与えた飼料の成分および栄養素の組成を、表1および2に挙げる。グループ2に与えた飼料を、表5および6に挙げる。結果を表3および4と表7および8に示す。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
【表4】

【0053】
【表5】

【0054】
【表6】

【0055】
【表7】

【0056】
【表8】

【0057】
[0053] これらの結果を参照すると、データはゼオライトが糞便の質を改善するのに有効であること、すなわち、ゼオライトを含有する飼料組成物を摂取している動物の方がゼオライトを含有しない飼料組成物を摂取している動物より望ましい糞便を有することを示す。
【0058】
[0054] 本明細書には、本発明の代表的な好ましい態様を開示し、特定の用語を用いたが、それらは一般的に説明の意味で用いたにすぎず、限定のためのものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲に述べられている。明らかに、以上の教示からみて本発明の多数の改変および変更が可能である。したがって、特許請求の範囲の記載の範囲内で、具体的に記載した以外の形で本発明を実施できることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糞便の質を改善する量のゼオライトを含む組成物を動物に投与することを含む、糞便の質を改善する方法。
【請求項2】
ゼオライトが少なくとも組成物の約1重量%を構成する、請求項1の方法。
【請求項3】
ゼオライトが組成物の約1〜約20重量%を構成する、請求項1の方法。
【請求項4】
ゼオライトが、四面体枠組み内にアルミニウム、ケイ素および酸素を含む明確な構造を備えた三次元微孔質結晶性固体を構成する、請求項1の方法。
【請求項5】
ゼオライトが、方沸石、ポルクス石、ワイラケ沸石、ベルバーガイト、ビキアタイト、ボグザイト、ブリュースター沸石、菱沸石、ウィルヘンダーソナイト、コウルス沸石、ダキアルディ沸石、エディントン沸石、剥沸石、エリオン沸石、フォージャサイト、フェリエ沸石、アミカイト、ガロン沸石、ギスモンド沸石、ゴビンス沸石、グメリン沸石、ゴナルド沸石、グースクリーク石、重土十字沸石、十字沸石、灰重十字沸石、斜プチロル沸石、輝沸石、濁沸石、レビ沸石、マッチー沸石、メルリーノ沸石、モンテソマイト、モルデン沸石、中沸石、ソーダ沸石、スコレス沸石、オフレタイト、パラナトロライト、ポーリング沸石、ペルリアライト、バレル沸石、束沸石、ステラ沸石、トムソン沸石、チェルニカイト、湯河原沸石、およびその混合物よりなる群から選択される、請求項1の方法。
【請求項6】
組成物が食物である、請求項1の方法。
【請求項7】
組成物が栄養食、サプリメント、おやつまたは玩具である、請求項1の方法。
【請求項8】
動物がイヌ類またはネコ類である、請求項1の方法。
【請求項9】
さらに、ゼオライトをプロバイオティックおよびプレバイオティックよりなる群から選択される1種類以上の胃腸管を改善する物質と併せて投与することを含む、請求項1の方法。
【請求項10】
さらに、ゼオライトを1種類以上の下痢止め薬と併せて投与することを含む、請求項1の方法。
【請求項11】
糞便の質を改善する量のゼオライトおよび動物が摂取するのに適切な少なくとも1種類の成分を含む組成物。
【請求項12】
ゼオライトが少なくとも組成物の約1重量%を構成する、請求項11の組成物。
【請求項13】
ゼオライトが組成物の約1〜約20重量%を構成する、請求項11の組成物。
【請求項14】
ゼオライトが、四面体枠組み内にアルミニウム、ケイ素および酸素を含む明確な構造を備えた三次元微孔質結晶性固体を構成する、請求項11の組成物。
【請求項15】
ゼオライトが、方沸石、ポルクス石、ワイラケ沸石、ベルバーガイト、ビキアタイト、ボグザイト、ブリュースター沸石、菱沸石、ウィルヘンダーソナイト、コウルス沸石、ダキアルディ沸石、エディントン沸石、剥沸石、エリオン沸石、フォージャサイト、フェリエ沸石、アミカイト、ガロン沸石、ギスモンド沸石、ゴビンス沸石、グメリン沸石、ゴナルド沸石、グースクリーク石、重土十字沸石、十字沸石、灰重十字沸石、斜プチロル沸石、輝沸石、濁沸石、レビ沸石、マッチー沸石、メルリーノ沸石、モンテソマイト、モルデン沸石、中沸石、ソーダ沸石、スコレス沸石、オフレタイト、パラナトロライト、ポーリング沸石、ペルリアライト、バレル沸石、束沸石、ステラ沸石、トムソン沸石、チェルニカイト、湯河原沸石、およびその混合物よりなる群から選択される、請求項11の組成物。
【請求項16】
成分がタンパク質、脂肪、炭水化物、繊維、およびその組合わせよりなる群から選択される、請求項11の組成物。
【請求項17】
組成物が食物、栄養食、サプリメント、動物用おやつ、または玩具である、請求項11の組成物。
【請求項18】
動物がイヌ類またはネコ類である、請求項11の組成物。
【請求項19】
さらに、プロバイオティックおよびプレバイオティックよりなる群から選択される1種類以上の胃腸管を改善する物質を含む、請求項11の組成物。
【請求項20】
さらに、1種類以上の下痢止め薬を含む、請求項11の組成物。
【請求項21】
キット構成要素に適合させて単一パッケージ内の別個の容器中または仮想パッケージ内の別個の容器中に、糞便の質を改善する量のゼオライト、ならびに(1)動物が摂取するのに適切な1種類以上の成分、(2)ゼオライトと該成分を組み合わせて糞便の質を改善する動物摂取用組成物を調製する方法に関する指示、(3)糞便の質を改善するために本発明組成物を使用する方法に関する指示、(4)プロバイオティックおよびプレバイオティックよりなる群から選択される1種類以上の胃腸管を改善する物質、ならびに(5)1種類以上の下痢止め薬のうち少なくとも1つを含むキット。
【請求項22】
ゼオライトを成分と混合した際に組成物の約1〜約20重量%を構成するのに十分な量のゼオライトを含む、請求項21のキット。
【請求項23】
(1)ゼオライトを糞便の質の改善のために使用すること、(2)ゼオライトを本発明の他の成分と混合すること、(3)ゼオライトを、単独で、または本発明の他の要素と組み合わせて、動物に投与すること、および(4)本発明のキットを糞便の質の改善のために使用することのうち1以上に関する情報または指示を伝達するための手段であって、これらの情報または指示を収容した文書、ディジタル記憶媒体、光学記憶媒体、オーディオプレゼンテーションまたはビジュアルディスプレーを含む手段。
【請求項24】
表示されたウェブサイト、パンフレット、製品ラベル、パッケージ挿入物、広告、またはビジュアルディスプレーよりなる群から選択される、請求項23の手段。
【請求項25】
糞便の質を改善する量のゼオライトおよび動物が摂取するのに適切な少なくとも1種類の成分を混合することを含む、動物摂取用組成物の製造方法。

【公表番号】特表2009−514554(P2009−514554A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540305(P2008−540305)
【出願日】平成18年11月3日(2006.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/060520
【国際公開番号】WO2007/056686
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(502329223)ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】