糸止め部材と商品管理方法
【課題】 商品にFRIDタグを随伴させる場合に、ブランドタグと呼ばれる現在使用している表示札2の仕様を変更することなく、商品の表示札の近傍に、RFIDタグを配置することができる糸止め部材を提供する。
【解決手段】 商品に取り付ける表示札2を吊り下げる糸状体3の中間に配置する糸止め部材4において、ICチップを基板に設けた貫通穴に嵌め込むと共に、アンテナとなる導電性線材を前記基板の外周側端面に巻き付けて形成し、その大きさを25mmφ以下の円内に納めて形成したRFIDタグを埋め込んで構成される。
【解決手段】 商品に取り付ける表示札2を吊り下げる糸状体3の中間に配置する糸止め部材4において、ICチップを基板に設けた貫通穴に嵌め込むと共に、アンテナとなる導電性線材を前記基板の外周側端面に巻き付けて形成し、その大きさを25mmφ以下の円内に納めて形成したRFIDタグを埋め込んで構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品に表示札を吊り下げる糸状体の中間に配置する糸止め部材等に関し、より詳細には、RFIDタグを埋め込んで、商品に関する情報を有し、表示札とは別に、非接触でデータ通信ができる糸止め部材と商品管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification) タグの小型化及び低価格化が進み、非接触でデータ通信を行い、物流におけるデータ管理を効率化する試みがなされている。このRFIDタグは、無線ICタグとも呼ばれ、IC(集積回路)チップとアンテナからなり、用途や設置場所によって、「ラベル型」「カード型」「箱型」「ステック型(棒状型)」「円筒型」「円板型」などさまざまな形状に形成されている。
【0003】
そして、バーコードとは異なり、電波の届く範囲であれば、向きがどの方向を向いていても、非接触でデータの入出力が可能なため、読み取り作業の手間が省けるという利点や、大容量のデータの記憶が可能であるため、バーコードとは比較にならない程多くの情報量を保持でき、価格のみならず、履歴やその他の情報を記録できるという利点がある。
【0004】
このRFIDタグは,ICチップ自体は3mm角以下であるが、導電性線材をコイル状に形成したアンテナ部分が必要であり、マッチ棒サイズから名刺サイズまで多様な形状が考えられている。
【0005】
そして、小売店などでは商品に値段情報などを記録したRFIDタグを装着することで、レジ清算時に買い物かごの中のRFIDタグを読み取ることによりレジ作業の効率を図ろうとしている。特に、マルチアクセスタイプのRFIDタグを使用する時は略同時に一括して読み取ることができるので、著しくスピードアップを図れる。また、在庫の棚卸しの自動化にもおおいに役立つ。
【0006】
そのため、商品管理において、図10に示すように、商品の名称、サイズ、価格等を表示する表示札2に、ICチップを貼り付けることが提案されている。この表示札2は、係合雄部3aと係合雌部3bの係合によりフィラメント(あるいは糸や紐)3cのループを形成する糸状体3によって商品に吊り下げられる。
【0007】
この一つに、矩形状のラベル基材の角部にアンテナパターンを印刷し、このアンテナパターン端子に装着して非接触ICタグ(RFIDタグ)を貼着すると共に、非接触ICタグのメモリーに記録された情報と同一情報の全部または一部を文字やバーコードなどを使用してラベル本体基材表面の可視的表示部に表示したラベルが提案されている。このラベルでは、この構成によりリーダライターが無い時でも情報を認識でき、読み取りの不便や情報の不一致を解消している(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、ICを内蔵した値札において、IC内部の商品情報を書き換え可能にして、小売現場における価格情報や店舗情報を入力可能にした値札が提案されている。この値札は、再利用性を考慮してICチップ部分を値札表示部と分離可能に構成することが好ましいとされ、主に接着により商品に取り付けるものとしている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
更に、商品の価格を表示して商品に付ける値札において、RFIDタグを外部から視覚によって認識できないように内部に設けた値札が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0010】
しかしながら、アパレル(衣料品製造業)業界では、この表示札は、顧客が手にすることが多く、しかも、手にする時は、購買心が生じた場合であることが多い。そのため、高級商品に取り付ける表示札は、デザインタグと呼ばれるほど、そのデザインに関しては非常に注意深く作成されるのが通常であり、視覚的な印象に停まらず、手触りの良さ等の触覚的な印象も重要視される。従って、形状、大きさ、厚さのみならず、紙質等に対してまで非常に細かい神経を使って作成されている。
【0011】
従って、この表示札の形状や質感などを変更することに対しては、著しい抵抗感を持っている。そのため、表示札の裏側などに一部にICチップを貼り付けることは、見栄えの点から嫌われる。また、次善の策として表示札の裏側全面に貼り付けると厚さが増す上に、ICチップ部分やコイル部分に厚みの変化があるため、手触り感が悪くなるという問題が生ずる。
【0012】
また、一方で、表示札は販売用の手段でもあり、各社によっても、商品の種類によっも、その形状や大きさが異なり、それに合わせて、RFIDタグの大きさを合わせるのは、非常に多様な形状のRFIDタグを揃える必要が生じ、製造のみならず、在庫管理が複雑となるという問題がある。
【0013】
そのため、表示札はそのままにして、図11に示すように、細長い短冊状をしたRFIDタグを内蔵した短冊5を、従来の表示札2と共に吊り下げることも考えられている。このRFIDタグ内蔵短冊5は、IC,電子部品からなる回路基板であるICチップを樹脂ケースで覆い、短冊状の板に形成している。そして、アンテナ部となるコイルをこの短冊状の辺に沿わせて巻いて形成している。
【0014】
しかしながら、商品展示の観点からは、従来は用いられていないRFIDタグ内蔵短冊を付けることは、表示札のデザインとのマッチングが乱れ、見栄えが悪化するという問題や、取り付けの手間の問題が生じる。
【0015】
一方、アパレル(衣装製造業)の業界等では、スーツ、ジャケット、コート等の重衣料等の比較的高級な商品において、表示札を吊り下げる際に、吊り下げる糸や紐の体裁を見栄え良くするためと、糸や紐の長さを調整するために、図6及び図7に示すように、ブランドを表示した円形や長方形等のさまざまなデザインの糸止め部材4を表示札2を吊り下げる糸や紐等の糸状体3の中間に配設することが行われている。
【0016】
この糸止め部材は、アパレル業界などで「メタル」と言う総称表現で呼ばれているものである。この糸止め部材は、ブランドイメージを高めるためのアクセサリーであり、商品にブランドタグ(表示札)を取り付ける糸や紐等の高級感を演出するためのブランド表示部材もというべき商材である。
【0017】
以前は、押し型で作られた金属製のフレームのものが主流で内側にブランドマークが表現されていたものが多かったが、最近ではプラスチックの材質のものが圧倒的に多くなっている。なお、プラスチックの場合には、金属製の「メタル」と区別するために「プラスチックメタル」と呼称する場合もある。
【0018】
そして、ブランドマークに関しては、ブランドマーク自体もデザインされた型抜きの成型で形成する場合もあるが、型代等が高価であるため、最近では、ブランドマークが印刷されたシール等を貼り付ける紙張りのものが増えている。
【0019】
この糸止め部材は、表示札に比べて著しく小さく、通常は外径が25mmφ程度の円内に納まるものが多い。そのため、表示札に比べて著しく外形が小さく、また、安価な商品に対しては、この糸止め部材は用いられてないことも多いので、従来は、FRIDタグの配置対象から除外されていた。
【0020】
しかしながら、この糸止め部材の厚みは通常は6mm〜3mm程度であり、表示札に比べれば相当厚く、その上、通常は、合成樹脂で形成されることが多く、FRIDタグを埋め込むための凹部も形成し易いので、FRIDタグを小さく、また、ブランド表示部材のデザイン性を損なわない程度の厚みに形成できれば、FRIDタグの配置対象となると考えられる。
【特許文献1】特開平2002−123805号公報
【特許文献2】特開平2003−84669号公報
【特許文献3】特開平2002−133518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上記の知見を得て、前記した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、商品にFRIDタグを随伴させる場合に、ブランドタグと呼ばれる現在使用している表示札の仕様を変更することなく、商品の表示札の近傍に、RFIDタグを配置することができる糸止め部材を提供することにある。
【0022】
また、もう一つの目的は、商品の見栄えを悪くすることなく、RFIDタグの出入力によるデータ管理を行うことができる商品管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記のような目的を達成するための糸止め部材は、商品に取り付ける表示札を吊り下げる糸状体の中間に配置する糸止め部材において、大きさを25mmφ以下の円内に納めて形成したRFIDタグを埋め込んで構成される。
【0024】
この糸止め部材は、ブランドイメージを高めるためのアクセサリーであり、アパレル業界などで「メタル」や「プラスチックメタル」と言う総称表現で呼ばれているものである。この糸止め部材は、表示札を吊り下げる際に、吊り下げる糸や紐の体裁を見栄え良くするためと、糸や紐の長さを調整するために使用され、商品にブランドタグ(表示札)を取り付ける糸や紐等の高級感を演出するためのもので、ブランド表示部材もというべき商材である。そして、ブランドを表示した円形や長方形等のさまざまなデザインで形成され、表示札を吊り下げる糸や紐等の糸状体の中間に配設される。なお、本発明では、必ずしも、ブランドを表示するものに限定せず、表示札と商品を結ぶ吊り下げ用の糸状体の、表示札と商品の間に配置され、糸状体が形成するループの始点となるように2本の糸状体を近接して固定する部材であればよい。
【0025】
この糸止め部材は外形が小さく通常は、RFIDタグの大きさから、RFIDタグを配置することがためらわれるが、本発明では、RFIDタグの大きさをアンテナ部分を小さくすることにより、25mmφ以下、好ましくは18mmφ以下にして配置する。また、好ましくは、厚さを2mm以下に形成する。
【0026】
そして、糸止め部材自体は共通の型を使用して製造し、このブランド表示部材の凹部にRFIDタグを埋め込み、その上に各社毎にブランドデザインされた紙(シール)を張って、RFIDタグを内蔵した糸止め部材とする。
【0027】
そして、上記の糸止め部材において、前記RFIDタグを、ICチップを基板に設けた貫通穴に嵌め込むと共に、アンテナとなる導電性線材を前記基板の外周側端面に巻き付けて形成すると、このRFIDタグの厚みを薄くできる。即ち、従来技術のように、基板の上に、ICチップやアンテナ部を配置しないので、RFIDタグの厚みをICチップの厚みかあるいはアンテナとなる導電性線材の太さにすることができる。
【0028】
なお、通常は、この両面に合成樹脂で形成されたラミネートフィルムを貼り付けて、ICチップ、アンテナ部、基板を固定すると共に保護する。
【0029】
また、上記のような目的を達成するための商品管理方法は、大きさを25mmφ以下の円内に納めて形成したRFIDタグを埋め込んだ糸止め部材を、商品に取り付ける表示札を吊り下げる糸状体の中間に配置し、前記RIFDタグと前記表示札の内容を連動させてそのデータの出入力により、該糸止め部材を取り付けた商品の管理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る糸止め部材によれば、従来からその厚みが2mm以上のものが多いので、RFIDタグを内蔵しても厚みの増加を抑制でき、また、厚みの増加が表示札等と比べて気になり難い部材ではあるので、見栄えが悪化するという問題が生じない。
【0031】
また、RFIDタグの厚みが多少厚くても、また、糸止め部材の形状と多少異なっても、従来の糸止め部材は比較的大きく、25mmφ(好ましくは18mmφ)以下のRFIDタグを内蔵できるものが多い。そのため、多様な形状や大きさのRFIDタグを用意する必要が無くなり、RFIDタグの製造管理や在庫管理等を単純化することができる。
【0032】
そして、RFIDタグを、ICチップを基板に設けた貫通穴に嵌め込むと共に、アンテナとなる導電性線材を基板の外周側端面に巻き付けてアンテナ部を形成すると、このRFIDタグの厚みを薄くでき、凹凸も殆ど無くすことができる。その上、ICチップやアンテナ部を基板に接着する必要がなくなるので手間が省ける。また、押圧されても基板で押圧力に対抗できるので破損し難い。
【0033】
また、本発明係わる商品管理方法によれば、RFIDタグは糸などに取り付ける部分に設けられてるため、デザインタグと呼ばれるような現在使用している表示札の仕様を変更することなく、商品にRFIDタグを随伴させることができ、RFIDタグのデータの出入力を利用した商品管理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明に係る実施の形態のブランド表示部材について、図面を参照しながら説明する。
【0035】
図6及び図7に示すように、この糸止め部材4は、商品に取り付ける表示札2を吊り下げる糸や紐などの糸状体3の中間に配置するブランドを表示する部材であり、図1に示すように、この糸止め部材4は、基部4aにFRICタグ4bを埋め込み、その上からブランドを表示したシール4cを貼り付けて構成される。図6は糸状体3をループ状に形成しているが、図7では2本の糸状体3の先端に係合雄部3aと係合雌部3bがそれぞれ設けられており、これらの係合により、ループを形成する。
【0036】
そして、図2〜図5に示すように、このFRICタグ4bは、基板41とICチップ42と、アンテナ部となるコイル銅線(導電性線材)43と保護シール44を有して形成される。その大きさは25mmφ以下、好ましくは18mmφ以下、例えば、16mmφの円内に納まるように形成される。
【0037】
この基板41は、25mmφ〜10mmφ程度、厚み2mm〜1mm程度で、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、塩化ビニール等の合成樹脂や紙類などで一定の平面状態を保つ厚さで形成され、略中央部に、貫通穴が設けられ、ICチップ42が嵌め込まれる。
【0038】
ICチップ42は、3mm角以下、厚み1mm以下で、商品番号等物品の管理や物流に必要な事項等を記憶する記憶回路やアンテナ部からエネルギーを受ける回路や送受信回路等を有して構成され、各種データの出入力と記憶とを行う。
【0039】
また、コイル銅線43は、基板41の外周側端面に巻き付けて形成され、アンテナ部となる。このアンテナ部のコイルの大きさにより、データ通信可能な範囲が決まるが、外径が20mmφ程度であると、データ通信可能な範囲は10〜20cm程度まで拡がる。この範囲であれば、レジなどで商品情報を得たり、商品展示の際に商品情報を非接触で得るのに支障を来さない。
【0040】
そして、保護シール44は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニール等の合成樹脂製のラミネートフィルム等で形成され、図5に示すように、基板41とICチップ42と、アンテナ部となるコイル銅線43からなる円盤の両面に貼り付けて、これらを固定すると共に保護する。
【0041】
このFRICタグ4bの構成により、厚みをICチップ42の厚みかあるいはアンテナとなるコイル銅線43の太さにすることができる。その上、ICチップ42やアンテナ部43を基板41に接着する必要がなくなるので手間が省ける。
【0042】
また、基板41の厚さをICチップ42の厚さにし、コイル銅線43で形成したアンテナ部の厚みも基板41の厚さ以下にすることにより、凹凸が殆ど無くなるので、視覚的に平面性が保たれるだけでなく、手触り感でも凹凸を感じなくなる。特に、ICチップ42とアンテナとを連結する電導線43aを基板41に設けた凹部41aに配置することにより、より平面性を向上できる。
【0043】
その上、この構成によれば、ICチップ42やアンテナ部43を基板1に接着する必要がなくなるので手間が省ける。
【0044】
また、基板41の形状及びFRIDタグ4bの形状は、平面視では、通常は円形に形成して、これをさまざまなな形状の糸止め部材4に適用する。これにより、多様な形状や大きさのRFIDタグを用意する必要が無くなり、RFIDタグの製造管理や在庫管理等を単純化することができる。
【0045】
しかし、必ずしも、基板41の形状及びFRIDタグ4bの形状は、円形に限定するものではなく、楕円形、正方形、長方形、多角形、その他の形状にすることができ、必要に応じて、糸止め部材4の形状に合わせて形成することもできる。
【0046】
なお、上記のFRICタグ4bの構成とは別の構成としては、アルミ等の金属箔をフォトエッチングやレジスト印刷後のエッチングにより形成したアンテナパターンを用いた構成がある。また、導電性インクを使用してオフセット、グラビア、シルクスクリーン印刷などによって印刷して構成してもよい。この場合にはコイル銅線43を巻き付ける手間を省略できるが、アンテナパターンが円盤の表面に形成されるので、押圧で断線等のおそれが生じる。
【0047】
この糸止め部材4は、図1、図6、図7に示すような円形のみならず、図8や図9に示すように、長方形形状や八角形形状に形成することもでき、その他の、楕円形、正方形、多角形等様々な形状に形成することができる。そして、大きいもので、25mmφ程度、厚み5mm程度に形成される。
【0048】
そして、この糸止め部材4の表示札2を吊り下げる糸状体3への固定は、糸状体3を固定した状態で型成型されたり、成型後の糸止め部材4を開いて、内部の糸止め部に糸状体3を掛けてから糸止め部材4を閉じて糸状体3を固定したりする。
【0049】
そして、商品がレジにおいてレジ作業の対象となると、レジに備えたデータ読取機から所定の周波数の電波が、糸止め部材4のRFIDタグ4bのアンテナ部43に照射されるとICチップ42内の共振回路がこの電波に共振してそのエネルギーを吸収し、動力用の電気を発生させる。一方、電波から得た情報を基にICチップ42は記憶部とのデータの出入力を行う。データ読取機からICチップ42に入力されたデータは記憶部に入り記憶され、電波からの情報で要求されたデータは記憶部から発信部に入り、外部に発信される。この発信されたデータはデータ読取機に受信され、RFIDタグ4b側のデータがレジ側に入力される。また、必要に応じて、レジ側のデータ書込機からデータが送信され、レジ作業を経たことを示すデータ等がRFIDタグ4b側に入力される。
【0050】
また、棚卸し等の在庫管理においては、棚卸し作業時に、この糸止め部材4の近傍にデータ読取機を近づけると、レジ作業と同様に、データ読取機にRFIDタグ4b側のデータが入力され、また、必要に応じて、データ書込機からデータが送信され、棚卸し作業を経たことを示すデータ等がRFIDタグ4b側に入力される。
【0051】
従って、上記の商品管理方法により、デザインタグと呼ばれるような現在使用している表示札2の仕様を変更することなく、商品にRFIDタグ4bを随伴させることができ、RFIDタグ4bと表示札3の内容を連動させてそのデータの出入力を利用した商品管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態の糸止め部材の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態のRFIDタグの構成を示す平面図である。
【図3】図2のRFIDタグの構成を示す横断面図である。
【図4】図3のRFIDタグの部分拡大断図である。
【図5】両面に保護シールを張り付けた状態を示す部分拡大断図である。
【図6】糸止め部材と表示札と糸状体の状態を示す図である。
【図7】糸止め部材と表示札と糸状体の状態を示す他の図である。
【図8】長方形形状の糸止め部材を示す図である。
【図9】八角形形状の糸止め部材を示す図である。
【図10】従来技術の糸状体と表示札を示す図である。
【図11】従来技術の他の糸状体と表示札を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
2 表示札
3 糸状体
4 糸止め部材
4a 基部
4b FRICタグ
4c シール
3a 係合雄部
3b 係合雌部
41 基板
42 ICチップ
43 コイル銅線
44 保護シール
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品に表示札を吊り下げる糸状体の中間に配置する糸止め部材等に関し、より詳細には、RFIDタグを埋め込んで、商品に関する情報を有し、表示札とは別に、非接触でデータ通信ができる糸止め部材と商品管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification) タグの小型化及び低価格化が進み、非接触でデータ通信を行い、物流におけるデータ管理を効率化する試みがなされている。このRFIDタグは、無線ICタグとも呼ばれ、IC(集積回路)チップとアンテナからなり、用途や設置場所によって、「ラベル型」「カード型」「箱型」「ステック型(棒状型)」「円筒型」「円板型」などさまざまな形状に形成されている。
【0003】
そして、バーコードとは異なり、電波の届く範囲であれば、向きがどの方向を向いていても、非接触でデータの入出力が可能なため、読み取り作業の手間が省けるという利点や、大容量のデータの記憶が可能であるため、バーコードとは比較にならない程多くの情報量を保持でき、価格のみならず、履歴やその他の情報を記録できるという利点がある。
【0004】
このRFIDタグは,ICチップ自体は3mm角以下であるが、導電性線材をコイル状に形成したアンテナ部分が必要であり、マッチ棒サイズから名刺サイズまで多様な形状が考えられている。
【0005】
そして、小売店などでは商品に値段情報などを記録したRFIDタグを装着することで、レジ清算時に買い物かごの中のRFIDタグを読み取ることによりレジ作業の効率を図ろうとしている。特に、マルチアクセスタイプのRFIDタグを使用する時は略同時に一括して読み取ることができるので、著しくスピードアップを図れる。また、在庫の棚卸しの自動化にもおおいに役立つ。
【0006】
そのため、商品管理において、図10に示すように、商品の名称、サイズ、価格等を表示する表示札2に、ICチップを貼り付けることが提案されている。この表示札2は、係合雄部3aと係合雌部3bの係合によりフィラメント(あるいは糸や紐)3cのループを形成する糸状体3によって商品に吊り下げられる。
【0007】
この一つに、矩形状のラベル基材の角部にアンテナパターンを印刷し、このアンテナパターン端子に装着して非接触ICタグ(RFIDタグ)を貼着すると共に、非接触ICタグのメモリーに記録された情報と同一情報の全部または一部を文字やバーコードなどを使用してラベル本体基材表面の可視的表示部に表示したラベルが提案されている。このラベルでは、この構成によりリーダライターが無い時でも情報を認識でき、読み取りの不便や情報の不一致を解消している(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、ICを内蔵した値札において、IC内部の商品情報を書き換え可能にして、小売現場における価格情報や店舗情報を入力可能にした値札が提案されている。この値札は、再利用性を考慮してICチップ部分を値札表示部と分離可能に構成することが好ましいとされ、主に接着により商品に取り付けるものとしている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
更に、商品の価格を表示して商品に付ける値札において、RFIDタグを外部から視覚によって認識できないように内部に設けた値札が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0010】
しかしながら、アパレル(衣料品製造業)業界では、この表示札は、顧客が手にすることが多く、しかも、手にする時は、購買心が生じた場合であることが多い。そのため、高級商品に取り付ける表示札は、デザインタグと呼ばれるほど、そのデザインに関しては非常に注意深く作成されるのが通常であり、視覚的な印象に停まらず、手触りの良さ等の触覚的な印象も重要視される。従って、形状、大きさ、厚さのみならず、紙質等に対してまで非常に細かい神経を使って作成されている。
【0011】
従って、この表示札の形状や質感などを変更することに対しては、著しい抵抗感を持っている。そのため、表示札の裏側などに一部にICチップを貼り付けることは、見栄えの点から嫌われる。また、次善の策として表示札の裏側全面に貼り付けると厚さが増す上に、ICチップ部分やコイル部分に厚みの変化があるため、手触り感が悪くなるという問題が生ずる。
【0012】
また、一方で、表示札は販売用の手段でもあり、各社によっても、商品の種類によっも、その形状や大きさが異なり、それに合わせて、RFIDタグの大きさを合わせるのは、非常に多様な形状のRFIDタグを揃える必要が生じ、製造のみならず、在庫管理が複雑となるという問題がある。
【0013】
そのため、表示札はそのままにして、図11に示すように、細長い短冊状をしたRFIDタグを内蔵した短冊5を、従来の表示札2と共に吊り下げることも考えられている。このRFIDタグ内蔵短冊5は、IC,電子部品からなる回路基板であるICチップを樹脂ケースで覆い、短冊状の板に形成している。そして、アンテナ部となるコイルをこの短冊状の辺に沿わせて巻いて形成している。
【0014】
しかしながら、商品展示の観点からは、従来は用いられていないRFIDタグ内蔵短冊を付けることは、表示札のデザインとのマッチングが乱れ、見栄えが悪化するという問題や、取り付けの手間の問題が生じる。
【0015】
一方、アパレル(衣装製造業)の業界等では、スーツ、ジャケット、コート等の重衣料等の比較的高級な商品において、表示札を吊り下げる際に、吊り下げる糸や紐の体裁を見栄え良くするためと、糸や紐の長さを調整するために、図6及び図7に示すように、ブランドを表示した円形や長方形等のさまざまなデザインの糸止め部材4を表示札2を吊り下げる糸や紐等の糸状体3の中間に配設することが行われている。
【0016】
この糸止め部材は、アパレル業界などで「メタル」と言う総称表現で呼ばれているものである。この糸止め部材は、ブランドイメージを高めるためのアクセサリーであり、商品にブランドタグ(表示札)を取り付ける糸や紐等の高級感を演出するためのブランド表示部材もというべき商材である。
【0017】
以前は、押し型で作られた金属製のフレームのものが主流で内側にブランドマークが表現されていたものが多かったが、最近ではプラスチックの材質のものが圧倒的に多くなっている。なお、プラスチックの場合には、金属製の「メタル」と区別するために「プラスチックメタル」と呼称する場合もある。
【0018】
そして、ブランドマークに関しては、ブランドマーク自体もデザインされた型抜きの成型で形成する場合もあるが、型代等が高価であるため、最近では、ブランドマークが印刷されたシール等を貼り付ける紙張りのものが増えている。
【0019】
この糸止め部材は、表示札に比べて著しく小さく、通常は外径が25mmφ程度の円内に納まるものが多い。そのため、表示札に比べて著しく外形が小さく、また、安価な商品に対しては、この糸止め部材は用いられてないことも多いので、従来は、FRIDタグの配置対象から除外されていた。
【0020】
しかしながら、この糸止め部材の厚みは通常は6mm〜3mm程度であり、表示札に比べれば相当厚く、その上、通常は、合成樹脂で形成されることが多く、FRIDタグを埋め込むための凹部も形成し易いので、FRIDタグを小さく、また、ブランド表示部材のデザイン性を損なわない程度の厚みに形成できれば、FRIDタグの配置対象となると考えられる。
【特許文献1】特開平2002−123805号公報
【特許文献2】特開平2003−84669号公報
【特許文献3】特開平2002−133518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上記の知見を得て、前記した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、商品にFRIDタグを随伴させる場合に、ブランドタグと呼ばれる現在使用している表示札の仕様を変更することなく、商品の表示札の近傍に、RFIDタグを配置することができる糸止め部材を提供することにある。
【0022】
また、もう一つの目的は、商品の見栄えを悪くすることなく、RFIDタグの出入力によるデータ管理を行うことができる商品管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記のような目的を達成するための糸止め部材は、商品に取り付ける表示札を吊り下げる糸状体の中間に配置する糸止め部材において、大きさを25mmφ以下の円内に納めて形成したRFIDタグを埋め込んで構成される。
【0024】
この糸止め部材は、ブランドイメージを高めるためのアクセサリーであり、アパレル業界などで「メタル」や「プラスチックメタル」と言う総称表現で呼ばれているものである。この糸止め部材は、表示札を吊り下げる際に、吊り下げる糸や紐の体裁を見栄え良くするためと、糸や紐の長さを調整するために使用され、商品にブランドタグ(表示札)を取り付ける糸や紐等の高級感を演出するためのもので、ブランド表示部材もというべき商材である。そして、ブランドを表示した円形や長方形等のさまざまなデザインで形成され、表示札を吊り下げる糸や紐等の糸状体の中間に配設される。なお、本発明では、必ずしも、ブランドを表示するものに限定せず、表示札と商品を結ぶ吊り下げ用の糸状体の、表示札と商品の間に配置され、糸状体が形成するループの始点となるように2本の糸状体を近接して固定する部材であればよい。
【0025】
この糸止め部材は外形が小さく通常は、RFIDタグの大きさから、RFIDタグを配置することがためらわれるが、本発明では、RFIDタグの大きさをアンテナ部分を小さくすることにより、25mmφ以下、好ましくは18mmφ以下にして配置する。また、好ましくは、厚さを2mm以下に形成する。
【0026】
そして、糸止め部材自体は共通の型を使用して製造し、このブランド表示部材の凹部にRFIDタグを埋め込み、その上に各社毎にブランドデザインされた紙(シール)を張って、RFIDタグを内蔵した糸止め部材とする。
【0027】
そして、上記の糸止め部材において、前記RFIDタグを、ICチップを基板に設けた貫通穴に嵌め込むと共に、アンテナとなる導電性線材を前記基板の外周側端面に巻き付けて形成すると、このRFIDタグの厚みを薄くできる。即ち、従来技術のように、基板の上に、ICチップやアンテナ部を配置しないので、RFIDタグの厚みをICチップの厚みかあるいはアンテナとなる導電性線材の太さにすることができる。
【0028】
なお、通常は、この両面に合成樹脂で形成されたラミネートフィルムを貼り付けて、ICチップ、アンテナ部、基板を固定すると共に保護する。
【0029】
また、上記のような目的を達成するための商品管理方法は、大きさを25mmφ以下の円内に納めて形成したRFIDタグを埋め込んだ糸止め部材を、商品に取り付ける表示札を吊り下げる糸状体の中間に配置し、前記RIFDタグと前記表示札の内容を連動させてそのデータの出入力により、該糸止め部材を取り付けた商品の管理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る糸止め部材によれば、従来からその厚みが2mm以上のものが多いので、RFIDタグを内蔵しても厚みの増加を抑制でき、また、厚みの増加が表示札等と比べて気になり難い部材ではあるので、見栄えが悪化するという問題が生じない。
【0031】
また、RFIDタグの厚みが多少厚くても、また、糸止め部材の形状と多少異なっても、従来の糸止め部材は比較的大きく、25mmφ(好ましくは18mmφ)以下のRFIDタグを内蔵できるものが多い。そのため、多様な形状や大きさのRFIDタグを用意する必要が無くなり、RFIDタグの製造管理や在庫管理等を単純化することができる。
【0032】
そして、RFIDタグを、ICチップを基板に設けた貫通穴に嵌め込むと共に、アンテナとなる導電性線材を基板の外周側端面に巻き付けてアンテナ部を形成すると、このRFIDタグの厚みを薄くでき、凹凸も殆ど無くすことができる。その上、ICチップやアンテナ部を基板に接着する必要がなくなるので手間が省ける。また、押圧されても基板で押圧力に対抗できるので破損し難い。
【0033】
また、本発明係わる商品管理方法によれば、RFIDタグは糸などに取り付ける部分に設けられてるため、デザインタグと呼ばれるような現在使用している表示札の仕様を変更することなく、商品にRFIDタグを随伴させることができ、RFIDタグのデータの出入力を利用した商品管理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明に係る実施の形態のブランド表示部材について、図面を参照しながら説明する。
【0035】
図6及び図7に示すように、この糸止め部材4は、商品に取り付ける表示札2を吊り下げる糸や紐などの糸状体3の中間に配置するブランドを表示する部材であり、図1に示すように、この糸止め部材4は、基部4aにFRICタグ4bを埋め込み、その上からブランドを表示したシール4cを貼り付けて構成される。図6は糸状体3をループ状に形成しているが、図7では2本の糸状体3の先端に係合雄部3aと係合雌部3bがそれぞれ設けられており、これらの係合により、ループを形成する。
【0036】
そして、図2〜図5に示すように、このFRICタグ4bは、基板41とICチップ42と、アンテナ部となるコイル銅線(導電性線材)43と保護シール44を有して形成される。その大きさは25mmφ以下、好ましくは18mmφ以下、例えば、16mmφの円内に納まるように形成される。
【0037】
この基板41は、25mmφ〜10mmφ程度、厚み2mm〜1mm程度で、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、塩化ビニール等の合成樹脂や紙類などで一定の平面状態を保つ厚さで形成され、略中央部に、貫通穴が設けられ、ICチップ42が嵌め込まれる。
【0038】
ICチップ42は、3mm角以下、厚み1mm以下で、商品番号等物品の管理や物流に必要な事項等を記憶する記憶回路やアンテナ部からエネルギーを受ける回路や送受信回路等を有して構成され、各種データの出入力と記憶とを行う。
【0039】
また、コイル銅線43は、基板41の外周側端面に巻き付けて形成され、アンテナ部となる。このアンテナ部のコイルの大きさにより、データ通信可能な範囲が決まるが、外径が20mmφ程度であると、データ通信可能な範囲は10〜20cm程度まで拡がる。この範囲であれば、レジなどで商品情報を得たり、商品展示の際に商品情報を非接触で得るのに支障を来さない。
【0040】
そして、保護シール44は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニール等の合成樹脂製のラミネートフィルム等で形成され、図5に示すように、基板41とICチップ42と、アンテナ部となるコイル銅線43からなる円盤の両面に貼り付けて、これらを固定すると共に保護する。
【0041】
このFRICタグ4bの構成により、厚みをICチップ42の厚みかあるいはアンテナとなるコイル銅線43の太さにすることができる。その上、ICチップ42やアンテナ部43を基板41に接着する必要がなくなるので手間が省ける。
【0042】
また、基板41の厚さをICチップ42の厚さにし、コイル銅線43で形成したアンテナ部の厚みも基板41の厚さ以下にすることにより、凹凸が殆ど無くなるので、視覚的に平面性が保たれるだけでなく、手触り感でも凹凸を感じなくなる。特に、ICチップ42とアンテナとを連結する電導線43aを基板41に設けた凹部41aに配置することにより、より平面性を向上できる。
【0043】
その上、この構成によれば、ICチップ42やアンテナ部43を基板1に接着する必要がなくなるので手間が省ける。
【0044】
また、基板41の形状及びFRIDタグ4bの形状は、平面視では、通常は円形に形成して、これをさまざまなな形状の糸止め部材4に適用する。これにより、多様な形状や大きさのRFIDタグを用意する必要が無くなり、RFIDタグの製造管理や在庫管理等を単純化することができる。
【0045】
しかし、必ずしも、基板41の形状及びFRIDタグ4bの形状は、円形に限定するものではなく、楕円形、正方形、長方形、多角形、その他の形状にすることができ、必要に応じて、糸止め部材4の形状に合わせて形成することもできる。
【0046】
なお、上記のFRICタグ4bの構成とは別の構成としては、アルミ等の金属箔をフォトエッチングやレジスト印刷後のエッチングにより形成したアンテナパターンを用いた構成がある。また、導電性インクを使用してオフセット、グラビア、シルクスクリーン印刷などによって印刷して構成してもよい。この場合にはコイル銅線43を巻き付ける手間を省略できるが、アンテナパターンが円盤の表面に形成されるので、押圧で断線等のおそれが生じる。
【0047】
この糸止め部材4は、図1、図6、図7に示すような円形のみならず、図8や図9に示すように、長方形形状や八角形形状に形成することもでき、その他の、楕円形、正方形、多角形等様々な形状に形成することができる。そして、大きいもので、25mmφ程度、厚み5mm程度に形成される。
【0048】
そして、この糸止め部材4の表示札2を吊り下げる糸状体3への固定は、糸状体3を固定した状態で型成型されたり、成型後の糸止め部材4を開いて、内部の糸止め部に糸状体3を掛けてから糸止め部材4を閉じて糸状体3を固定したりする。
【0049】
そして、商品がレジにおいてレジ作業の対象となると、レジに備えたデータ読取機から所定の周波数の電波が、糸止め部材4のRFIDタグ4bのアンテナ部43に照射されるとICチップ42内の共振回路がこの電波に共振してそのエネルギーを吸収し、動力用の電気を発生させる。一方、電波から得た情報を基にICチップ42は記憶部とのデータの出入力を行う。データ読取機からICチップ42に入力されたデータは記憶部に入り記憶され、電波からの情報で要求されたデータは記憶部から発信部に入り、外部に発信される。この発信されたデータはデータ読取機に受信され、RFIDタグ4b側のデータがレジ側に入力される。また、必要に応じて、レジ側のデータ書込機からデータが送信され、レジ作業を経たことを示すデータ等がRFIDタグ4b側に入力される。
【0050】
また、棚卸し等の在庫管理においては、棚卸し作業時に、この糸止め部材4の近傍にデータ読取機を近づけると、レジ作業と同様に、データ読取機にRFIDタグ4b側のデータが入力され、また、必要に応じて、データ書込機からデータが送信され、棚卸し作業を経たことを示すデータ等がRFIDタグ4b側に入力される。
【0051】
従って、上記の商品管理方法により、デザインタグと呼ばれるような現在使用している表示札2の仕様を変更することなく、商品にRFIDタグ4bを随伴させることができ、RFIDタグ4bと表示札3の内容を連動させてそのデータの出入力を利用した商品管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態の糸止め部材の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態のRFIDタグの構成を示す平面図である。
【図3】図2のRFIDタグの構成を示す横断面図である。
【図4】図3のRFIDタグの部分拡大断図である。
【図5】両面に保護シールを張り付けた状態を示す部分拡大断図である。
【図6】糸止め部材と表示札と糸状体の状態を示す図である。
【図7】糸止め部材と表示札と糸状体の状態を示す他の図である。
【図8】長方形形状の糸止め部材を示す図である。
【図9】八角形形状の糸止め部材を示す図である。
【図10】従来技術の糸状体と表示札を示す図である。
【図11】従来技術の他の糸状体と表示札を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
2 表示札
3 糸状体
4 糸止め部材
4a 基部
4b FRICタグ
4c シール
3a 係合雄部
3b 係合雌部
41 基板
42 ICチップ
43 コイル銅線
44 保護シール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に取り付ける表示札を吊り下げる糸状体の中間に配置する糸止め部材において、大きさを25mmφ以下の円内に納めて形成したRFIDタグを埋め込んだことを特徴とする糸止め部材。
【請求項2】
前記RFIDタグを、ICチップを基板に設けた貫通穴に嵌め込むと共に、アンテナとなる導電性線材を前記基板の外周側端面に巻き付けて形成したことを特徴とする請求項1記載の糸止め部材。
【請求項3】
大きさを25mmφ以下の円内に納めて形成したRFIDタグを埋め込んだ糸止め部材を、商品に取り付ける表示札を吊り下げる糸状体の中間に配置し、前記RIFDタグと前記表示札の内容を連動させてそのデータの出入力により、該糸止め部材を取り付けた商品の管理を行う商品管理方法。
【請求項1】
商品に取り付ける表示札を吊り下げる糸状体の中間に配置する糸止め部材において、大きさを25mmφ以下の円内に納めて形成したRFIDタグを埋め込んだことを特徴とする糸止め部材。
【請求項2】
前記RFIDタグを、ICチップを基板に設けた貫通穴に嵌め込むと共に、アンテナとなる導電性線材を前記基板の外周側端面に巻き付けて形成したことを特徴とする請求項1記載の糸止め部材。
【請求項3】
大きさを25mmφ以下の円内に納めて形成したRFIDタグを埋め込んだ糸止め部材を、商品に取り付ける表示札を吊り下げる糸状体の中間に配置し、前記RIFDタグと前記表示札の内容を連動させてそのデータの出入力により、該糸止め部材を取り付けた商品の管理を行う商品管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−78980(P2006−78980A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−265653(P2004−265653)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(594068974)テンタック株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(594068974)テンタック株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]