説明

系統安定化制御方式

【課題】コンデンサとSVCとによって系統安定化制御を行う系統安定化制御方式においてはSVC容量が大きくならないようにする必要がある。
【解決手段】遮断器4を介してコンデンサ7が母線1に接続される電力系統の電圧変動に応じて無効電力補償装置11により無効電力を制御する系統安定化方式において、上記母線電圧が低下したときは上記遮断器4を介してコンデンサ7を投入して上記無効電力補償装置11による進みの補償無効電力量を抑制し、上記母線電圧が上昇したときには上記遮断器4を介してコンデンサ7を解列することで上記無効電力補償装置11による遅れの補償無効電力量を抑制する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力系統事故時に遮断器を介してコンデンサ(以下、「MSC」と記す)を投入し、事故回復時には無効電力補償装置(以下、「SVC」と記す)の作動と、MSCの解列とによって、電力系統の安定化を図る系統安定化制御方式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、変動する負荷と並列に電力系統に接続されたSVCおよび調相コンデンサ(以下、「SC」と記す)において、負荷変動時に負荷が消費する無効電力を補償する制御をしているが、電力系統事故から事故回復段階における過渡時に対応する制御になっていない。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】特開昭62−269213号公報(図1及びその説明)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のSVCと複数台のSCを用いた電力系統に事故が発生した場合、上記SVCは上記SCの単位バンク当たりの容量よりも広い範囲を制御するような構成であり、電力系統事故時には上記SVCが瞬時的に多くの無効電力を出力し、その後、各単位バンク当たりのSCが順次に投入され、事故回復時には余剰の無効電力を上記SVCが瞬時的に吸収し、その後、上記の各単位当たりのSCを解列する制御になるため、上記SVC容量が大きくなる。
従って、コンデンサとSVCとによって系統安定化制御を行う系統安定化制御方式においてはSVC容量が大きくならないようにする必要がある。
【0005】
この発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、従来方式と比べ比較的小さなSVC容量で系統安定化制御を行えるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る系統安定化制御方式は、遮断器を介してコンデンサが母線に接続される電力系統の電圧変動に応じて無効電力補償装置により無効電力を制御する系統安定化方式において、上記母線電圧が低下したときは上記遮断器を介してコンデンサを投入して上記無効電力補償装置による進みの補償無効電力量を抑制し、上記母線電圧が上昇したときには上記遮断器を介してコンデンサを解列することで上記無効電力補償装置による遅れの補償無効電力量を抑制するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、遮断器を介してコンデンサが母線に接続される電力系統の電圧変動に応じて無効電力補償装置により無効電力を制御する系統安定化方式において、上記母線電圧が低下したときは上記遮断器を介してコンデンサを投入して上記無効電力補償装置による進みの補償無効電力量を抑制し、上記母線電圧が上昇したときには上記遮断器を介してコンデンサを解列することで上記無効電力補償装置による遅れの補償無効電力量を抑制するので、遮断器を介してコンデンサが母線に接続される電力系統の電圧変動に応じて無効電力補償装置により無効電力を制御する系統安定化方式において、従来方式と比べ比較的小さなSVC容量で系統安定化制御を行える効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1を図1により説明する。図1はSVCとMSCを電力系統に設置した電力系統の構成例を示すものである。
【0009】
図1において、図1において、母線1は遮断器2を介して上位系統と接続され、遮断器6を介して下位系統と接続され、遮断器3および遮断器4を介して上記SVC11およびMSC7が接続されている。
上記SVC11には上記母線1に接続されているPTによって測定された母線電圧とCTによって測定された上記SVC11に流れる電流をSVC制御部12に取込み、常時の上記母線1の電圧変動を抑制するように上記SVC制御部12からサイリスタ13A、13Bにゲートパルスが送られて制御される。
また、上記PTで測定された上記母線1の電圧を電圧検出器(以下、「VS」と記す)101で実効値に変換しその大きさを比較器102、103で判断した信号をフリップフロップ107に送り、上記フリップフロップ107より上記MSC7の投入・解列指令を投入・解列指令出力部108に送り、上記投入・解列指令を投入・解列指令出力部108から投入・解列指令信号109を上記遮断器4に送って上記MSC7の投入・解列制御を行う。
【0010】
このような構成において、電力系統で事故等により上記母線1に大きな電圧変動が発生した場合、上記VS101の出力信号(以下、「VSS」と記す)を上記比較器102で低圧側の電圧しきい値VL1と比較し、上記VS101の出力信号を上記比較器103で上昇側の電圧しきい値VH1と比較する。
上記比較器102,103での比較の結果、上記VSSが上記VL1以下の場合は、上記MSC−1投入・解列指令出力部108より投入指令を、上記遮断器4に送り、上記MSC7は投入される。
上記比較器102,103での比較の結果、上記VSSが上記VH1以上の場合は、上記MSC−1投入・解列指令出力部108より解列指令を、上記遮断器4に送り、上記MSC7は解列される。
この場合、上記母線電圧が低下したときには上記MSC7が投入されることで上記SVC11による進みの補償無効電力量は抑制され、また、上記母線電圧が上昇したときには上記MSC7を解列することで上記SVC11による遅れの補償無効電力量は抑制される。
【0011】
このように、この発明の実施の形態1では、電力系統の電圧変動時に電圧変動の大きさに応じてMSCを投入・解列することにより、少ないSVC容量で済むという効果がある。
【0012】
実施の形態2.
図2は、図1の形態のMSCを分割して複数台接続したときの構成図を示すものである。なお、図2において、図1と同一の部分には、同一の符号を付け、説明を省略する。
【0013】
図2において、MSC8は遮断器5を介して母線1に接続されている。MSC制御部100内には、PTで測定された上記母線1の電圧をVS101で実効値に変換しその大きさを電圧しきい値に差を持った比較器110、111で判断した信号をフリップフロップ115に送り上記フリップフロップ115より上記MSC8の投入・解列指令を投入・解列指令出力部116に送り上記投入・解列指令を投入・解列指令出力部116から投入・解列指令信号117を上記遮断器5に送って上記MSC8の投入・解列制御を行う。
【0014】
このような構成において、電力系統で事故等により上記母線1に大きな電圧変動が発生し、上記電圧変動が降下の場合に上記VSと上記比較器102の低圧側の電圧しきい値VL1および上記比較器110の低圧側の電圧しきい値VL2との間で、VL2<VSS<VL1の関係となっている場合は、上記遮断器4が投入されて上記母線1に上記MSC7が接続され、VSS<VL2<VL1の関係となっている場合は上記遮断器4と5が投入されて上記母線1には上記MSC7と上記MSC8が上記母線1に接続される。
【0015】
一方、上記電圧変動が上昇の場合には上記VSと上記比較器111の上昇側の電圧しきい値VH2および上記比較器103の上昇側の電圧しきい値VH1との間で、VH2?VSS<VH1の関係となっている場合は、上記遮断器5が解列されて上記母線1に接続されていた上記MSC8が上記母線1から除かれ、VSS<VL2<VL1の関係となっている場合は、上記遮断器4と5が解列されて上記母線1に接続されていた上記MSC7と上記MSC8が上記母線1から除かれる。この場合、上記母線電圧が低下したときには低下度合いにより上記MSC7と上記MSC8が選択投入されることで上記SVC11による進みの補償無効電力量は電圧低下度合いに応じた抑制がなされ、また、上記母線電圧が上昇したときには上昇度合いにより上記MSC7と上記MSC8が選択解列されることで上記SVC11による遅れの補償無効電力量は電圧上昇度合いに応じた抑制がなされる。
【0016】
なお、この実施例ではMSCを2台設置されているものとしたが、台数によらないことは言うまでもない。
【0017】
このように、実施の形態2によるこの発明では、SVCとMSCが協調して電力系統事故等による電圧変動抑制を行う際に、電圧変動の度合いに応じたきめ細かいMSCの投入・解列制御を実施することにより、SVC容量をより少なくする効果がある。
【0018】
実施の形態3.
図3は、図1の比較器102に関し、母線電圧低下時におけるSVCの電圧−無効電力特性にMSC投入による電圧回復の関係を示した説明図である。図1の説明は省略する。
【0019】
図3において、SVC特性はSVC11の電圧−無効電力特性、電力系統特性1は健全時の電力系統の電圧−無効電力特性、電力系統特性2は電力系統事故等により電力系統構成が電圧低下側の構成に変わった後の電力系統の電圧−無効電力特性、電力系統特性3は上記電力系統特性2にMSC7の投入により上昇する電圧変化値を加えた特性である。また、VHは上昇側の電圧しきい値、VLは低下側の電圧しきい値である。
【0020】
このような関係において、電力系統の事故等によって電力系統構成が変わり上記電力系統特性1から上記電力系統特性2に変化すると、上記SVC11が母線1に接続されていている場合は、上記母線1は上記SVC特性と上記電力系統特性2の交点Aの電圧であり低圧側の上記電圧しきい値VL以下になる。上記MSC7を上記母線1に投入すると上記電力系統特性2の上記交点AからBに上昇し、電力系統特性は上記電力系統特性2から上記電力系統特性3に電圧上昇側にスライドし、上記SVC11の制御により上記電力系統特性3と上記SVC特性の交点Cが上記母線1の電圧になり、上記電圧しきい値VL以上の電圧に制御される。
【0021】
このように、実施の形態3によるこの発明では、電力系統の電圧低下時にSVCの電圧−無効電力特性と電圧しきい値とを協調させてMSC投入・解列することにより、少ないSVC容量で母線電圧を低圧側の電圧しきい値以上に制御できるという効果がある。
【0022】
実施の形態4.
図4は、図1の比較器103に関し、母線電圧上昇時におけるSVCの電圧−無効電力特性にMSC解列による電圧回復の関係を示した説明図である。図1の説明は省略する。
【0023】
図4において、SVC特性はSVC11の電圧−無効電力特性、電力系統特性1は健全時の電力系統の電圧−無効電力特性、電力系統特性4は電力系統事故等により電力系統構成が電圧上昇側の構成に変わった後の電力系統の電圧−無効電力特性、電力系統特性5は上記電力系統特性4にMSC7の解列により低下する電圧変化値を減じた特性である。また、VHは上昇側の電圧しきい値、VLは低下側の電圧しきい値である。
【0024】
このような関係において、電力系統の事故等によって電力系統構成が変わり上記電力系統特性1から上記電力系統特性4に変化すると、上記SVC11が母線1に接続されていている場合は、上記母線1は上記SVC特性と上記電力系統特性4の交点Dの電圧であり上昇側の上記電圧しきい値VH以上になる。
上記MSC7を上記母線1から解列すると上記電力系統特性4の上記交点DからEに低下し、電力系統特性は上記電力系統特性4から上記電力系統特性5に電圧低下側にスライドし、上記SVC11の制御により上記電力系統特性5と上記SVC特性の交点Fが上記母線1の電圧になり、上記電圧しきい値VH以下の電圧に制御される。
【0025】
このように、実施の形態4によるこの発明では、電力系統の電圧上昇時にSVCの電圧−無効電力特性と電圧しきい値とを協調させてMSC投入・解列することにより、少ないSVC容量で母線電圧を上昇側の電圧しきい値以下に制御できるという効果がある。
【0026】
実施の形態5.
図5は、図2の比較器102,103,110,110における電力系統の電圧低下時および電圧上昇時における電圧しきい値とMSC投入・解列をデータ格納テーブルで示したものである。図2の説明は省略する。
【0027】
図5に示す表形式のデータ格納テーブルにおいて、VL1、VL2は低圧側の電圧しきい値であり、VH1、VH2は上昇側の電圧しきい値である。母線1の電圧VsがVL2<Vs<VL1に低下した場合は上記データ格納テーブルにより投入・解列指令出力部108から遮断器4に投入指令が送られ上記遮断器4が投入される。上記母線1の電圧VsがVs<VL2に低下した場合は上記データ格納テーブルにより上記投入・解列指令出力部108から上記遮断器4および遮断器5に投入指令が送られ上記遮断器4および上記遮断器5が投入される。
一方、上記母線1の電圧が上昇側に回復する場合、Vs<VH2では上記遮断器4および上記遮断器5は投入状態にあり、VH2?Vs<VH1では上記遮断器5を解列する指令、VH1<Vsでは上記遮断器4を解列する指令が上記上記データ格納テーブルにより上記投入・解列指令出力部108より上記各遮断器に送られ上記各遮断器が解列する。
【0028】
このように、実施の形態5によるこの発明では、電力系統の電圧低下時および電圧上昇時における電圧しきい値とMSC投入・解列をデータ格納テーブル形式で持っているので、複数のMSCの投入・解列を高速に制御できる効果がある。
【0029】
実施の形態6.
図6は、この発明の実施の形態6である母線に遮断器を介して電源系(図示せず)に連係されている上位系統あるいは負荷(図示せず)が接続されている下位系統における事故発生時のMSC制御方法の構成図を示すものである。なお、図6において、図1と同一の部分には同一の符号をつけ、説明を省略する。
【0030】
図6において、電圧低下検出信号119は母線1の電圧がVL1以下のときフリップフロップ107からレベル“1”である信号、電圧上昇検出信号120は上記母線1の電圧がVH1以上のとき上記フリップフロップ107からレベル“1”である信号、系統遮断器情報127は遮断器2の投入状態あるいは解列状態の情報、系統遮断器情報128は遮断器6の投入状態あるいは解列状態の情報である。そして、系統遮断器情報処理部121は上記遮断器情報127から上記遮断器2が解列状態である情報を受けたときレベル“1”を出力し、系統遮断器情報処理部122は上記遮断器情報128から上記遮断器6が投入状態である情報を受けたときレベル“1”を出力し、NOT回路123は上記系統遮断器情報処理部121の出力信号を受けて上記遮断器2が投入状態のときレベル“1”を出力し、NOT回路124は上記系統遮断器情報処理部122の出力信号を受けて上記遮断器6が解列状態のときレベル“1”を出力し、OR回路130は上記NOT回路123と上記電圧上昇検出信号120のどちらかの出力信号がレベル“1”のときレベル“1”を出力する。AND回路125は上記電圧低下検出信号119および上記系統遮断器情報処理部121と上記系統遮断器情報処理部122の出力信号がレベル“1”のときMSC7の投入指令を投入・解列指令出力部108に送り、AND回路126は上記OR回路130および上記NOT回路124の出力信号がレベル“1”のとき上記MSC7の解列指令を上記投入・解列指令出力部108に送る。遮断器4は上記投入・解列指令出力部108からの投入・解列指令信号109を受けて上記母線1に上記MSC7を投入あるいは解列する。
【0031】
このような構成において、上記上位系統の事故点1で事故が発生した場合には上記電圧低下検出信号119はレベル“1”となり、上記遮断器2が解列して上記事故点1を上記母線1から切り離した時点で上記AND回路125からの上記MSC7の投入指令が上記投入・解列指令出力部108から上記遮断器4に送られ上記MSC7を上記母線1に投入され、上記事故点1の事故が上記母線1から切り離されて、負荷系統である上記下位系統が上記母線1に接続された状態における上記母線1の電圧低下を防ぐ。一方、上記下位系統の事故点2で事故が発生した場合は上記遮断器6が解列して上記事故点2を上記母線1から切り離した時点で上記NOT回路124の出力信号はレベル“1”となり、また上記遮断器2は投入状態にあることから上記NOT回路123の出力信号がレベル“1”により上記AND回路126からの上記MSC7の解列指令が上記投入・解列指令出力部108から上記遮断器4に送られて上記MSC7を上記母線1から解列し、負荷系統である上記下位系統が上記母線1から切り離されることによる電圧上昇を防ぐ。
【0032】
このように、実施の形態6によるこの発明では、母線至近端事故系統の遮断器情報からMSCの投入・解列制御をすることにより母線至近端事故解除後の母線電圧の低下を防止でき、母線至近端事故に対する電圧制御におけるSVC容量を少なくする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、系統安定化方式の一事例を示す構成図であって、MSCによる制御方法における概略協調制御ブロック図と電力系統の構成図である。
【図2】この発明の実施の形態2を示す図で、系統安定化方式の一事例を示す構成図であって、複数のMSCによる制御方法における概略協調制御ブロック図と電力系統の構成図である。
【図3】この発明の実施の形態3を示す図で、電力系統の電圧低下時におけるSVCの無効電力−電圧特性を用いた概略説明図である。
【図4】この発明の実施の形態4を示す図で、電力系統の電圧上昇時におけるSVCの無効電力−電圧特性を用いた概略説明図である。
【図5】この発明の実施の形態5を示す図で、電力系統の電圧低下とMSC投入・解列の関係およびデータ格納テーブルの事例を表形式で図示する図である。
【図6】この発明の実施の形態6を示す図で、系統安定化方式の一事例を示す構成図であって、電力系統事故発生時の系統遮断器情報をもとにしたMSC投入・解列制御方法における概略制御ブロック図と電力系統の構成図である。制御ブロック図と電力系統の構成図である。
【符号の説明】
【0034】
1 母線、
2,3,4,5,6 遮断器、
7,8 コンデンサ(MSC)、
9 CTで測定される電流信号、
10 PTで測定される電圧信号、
11 静止形無効電力補償装置(SVC)、
12 SVC制御部、
13A,13B サイリスタ、
100 MSC制御部、
101 電圧検出器、
102,103,110,111 比較器、
107,115 フリップフロップ、
108,116 投入・解列指令出力部、
109,117 投入・解列指令信号、
119 電圧低下検出信号、
120 電圧上昇検出信号、
121,122 系統遮断器情報処理部、
123,124 NOT回路、
125,126 AND回路、
127,128 系統遮断器情報、
130 OR回路、
Vss 母線電圧、
VH,VH1,VH2 高電圧しきい値、
VL,VL1,VL2 低電圧しきい値、
A 電圧低下時のSVC動作点、
B MSC投入による電圧上昇点、
C MSC投入後のSVC動作点、
D 電圧上昇時のSVC動作点、
E MSC解列による電圧下降点、
F MSC解列後のSVC動作点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮断器を介してコンデンサが母線に接続される電力系統の電圧変動に応じて無効電力補償装置により無効電力を制御する系統安定化方式において、上記母線電圧が低下したときは上記遮断器を介してコンデンサを投入して上記無効電力補償装置による進みの補償無効電力量を抑制し、上記母線電圧が上昇したときには上記遮断器を介してコンデンサを解列することで上記無効電力補償装置による遅れの補償無効電力量を抑制することを特徴とする系統安定化制御方式。
【請求項2】
複数台のコンデンサがそれぞれ遮断器を介して母線に接続される電力系統の電圧変動に応じて無効電力補償装置により無効電力を制御する系統安定化方式において、上記母線電圧が低下したときは当該母線電圧の低下状態に応じて上記複数台のコンデンサを遮断器を介して選択的に投入して上記無効電力補償装置による進みの補償無効電力量を抑制し、上記母線電圧が上昇したときには当該母線電圧の上昇状態に応じて上記複数台のコンデンサを上記遮断器を介して選択的に解列することで上記無効電力補償装置による遅れの補償無効電力量を抑制することを特徴とする系統安定化制御方式。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の系統安定化制御方式において、記無効電力補償装置の電圧−無効電力特性と、上記電圧低下時に上記コンデンサを投入するための電圧しきい値VLとを協調させて、上記母線電圧が上記電圧しきい値VL以下に低下して上記コンデンサが上記遮断器によって投入されると当該コンデンサの投入により上記母線電圧が上記電圧しきい値VLより高くなることを特徴とする系統安定化制御方式。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の系統安定化制御方式において、記無効電力補償装置の電圧−無効電力特性と、上記電圧上昇時に上記コンデンサを解列するための電圧しきい値VHとを協調させて、上記母線電圧が上記電圧しきい値VH以上に上昇して上記コンデンサが上記遮断器によって解列されると当該コンデンサの解列により上記母線電圧が上記電圧しきい値VHより低くなることを特徴とする系統安定化制御方式。
【請求項5】
請求項2に記載の系統安定化制御方式において、上記複数のコンデンサの選択的な投入・解列が、母線電圧検出値の大きさに対応した上記投入・解列の判別基準となるデータ格納テーブルによって判定されることを特徴とする系統安定化制御方式。
【請求項6】
遮断器を介してコンデンサが母線に接続される電力系統の電圧変動に応じて無効電力補償装置により無効電力を制御する系統安定化方式において、事故発生時に解列する母線遮断器の解列情報から上記コンデンサの投入・解列して上記無効電力補償装置による補償無効電力量を抑制することを特徴とする系統安定化制御方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−325349(P2007−325349A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150055(P2006−150055)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】