説明

純水分析装置及びその採水流路の洗浄方法

【課題】前回の測定の状況から、採水流路の汚染状態を自動判断し、これにより流路洗浄の内容や回数を切り替えて、全体としての測定時間短縮と洗浄水の消費量低減を可能にする洗浄方法を提供する。
【解決手段】TOC測定と導電率測定とを流路切換手段9を用いて切り替えて測定する純水分析装置の、流路切換手段9を経由する複数の流路p5〜p9、及び試料水を採取するサンプリングシリンジ11を含む採水流路の洗浄方法であって、(a)純水分析装置が備える制御装置100が有する前回測定判定手段が、制御装置100のデータ記憶手段から前回実施した測定の内容を読み出し、純水分析装置が前回実施した測定がTOC測定であるか導電率測定であるかを自動的に判定するステップと、(b)判定結果に従い、制御装置100が有する切替制御手段と洗浄回数判定手段が、採水流路の洗浄内容及び洗浄回数を自動的に変更するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として純水や超純水と呼ばれる高純度の試料水に含まれる不純物量を評価する純水分析装置及びその採水流路の洗浄方法に係り、特に1台でTOC測定と導電率測定を行うことができる純水分析装置(TOC/導電率測定装置)の試料水の採水流路を洗浄する洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
8ポートバルブ等の流路切換手段により流路を切り替えて、1台でTOC測定と導電率測定を行う純水分析装置において、試料水を採取するサンプリングシリンジにガス通気機構を接続すれば、試料水中の無機体炭素(IC)をCOとして試料水から排出する通気処理と試料水の採取を同じサンプリングシリンジで行うことができる(特許文献1参照)。
【0003】
純水分析装置において、導電率は、サンプリングシリンジから試料水を一対の白金電極を備えたフロー型導電率セルに注入して測定することができる。一方、TOCは、同じサンプリングシリンジに試料水と塩酸を吸入して通気処理を実施し、試料水中のICをCOとして試料水から排出した後、試料水をTC燃焼管に導いて、発生するCOを測定すれば、直接TOC量を算定することができる。
【0004】
純水の導電率は、僅かな電解質の混入によって大きく上昇するので、純水分析装置のように、採水流路で通気処理が実施される場合は、通気処理に用いる酸(=電解質)の残留が次に行う導電率測定に大きく影響する。これを避けるため、十分な洗浄回数と洗浄水量を用いて採水流路の洗浄を行う必要がある。
【0005】
したがって、従来の純水分析装置において、純水の導電率測定においては、サンプリングシリンジ及び流路切換手段を経由する流路等を含む採水流路を十分清浄にしなければ測定誤差を生じる。採水流路の洗浄は、洗浄水(純水)を採水流路に流すことによって行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007‐93209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術では、測定条件に関係なく常にこの採水流路の洗浄動作を行うため、結果として、全体としての純水分析装置の測定時間が長くなり、採水流路の洗浄に用いる洗浄水の消費量も大きかった。
【0008】
上記問題点を鑑み、本発明は、1台でTOC測定と導電率測定を行うことができる純水分析装置において、毎回の試料水の分析を行う前に、前回の測定の状況から、採水流路の汚染状態を自動判断し、これにより流路洗浄の内容や回数を切り替えて、全体としての測定時間短縮と洗浄水の消費量低減を可能にする純水分析装置及びその採水流路の洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、TOC測定と導電率測定とを流路切換手段を用いて切り替えて測定する純水分析装置の、流路切換手段を経由する複数の流路及び試料水を採取するサンプリングシリンジを含む採水流路の洗浄方法に関する。即ち、本発明の第1の態様に係る採水流路の洗浄方法は、(a)純水分析装置が備える制御装置が有する前回測定判定手段が、制御装置のデータ記憶手段から前回実施した測定の内容を読み出し、純水分析装置が前回実施した測定がTOC測定であるか導電率測定であるかを自動的に判定するステップと、(b)判定結果に従い、制御装置が有する切替制御手段と洗浄回数判定手段が、採水流路の洗浄内容及び洗浄回数を自動的に変更するステップとを含むことを要旨とする。
【0010】
本発明の第2の態様は、試料水のTOCを測定するTOC測定部と、試料水の導電率を測定する導電率測定部と、TOC測定部と導電率測定部に至たる流路を切り替える流路切換手段と、試料水をTOC測定部に導入する前に、試料水を採取して、試料水中の無機体炭素をCOとして試料水から排出する通気処理を実施するサンプリングシリンジと、TOC測定部、導電率測定部、流路切換手段、サンプリングシリンジの動作を制御する制御装置とを備える純水分析装置に関する。即ち、本発明の第2の態様に係る純水分析装置の制御装置が、(a)純水分析装置が前回実施した測定の内容を記録するデータ記憶手段と、(b)データ記憶手段から前回の測定の内容を読み出して、前回の測定がTOC測定であるか導電率測定であるかを判定する前回測定判定手段と、(c)判定結果に従い、流路切換手段を経由する複数の流路及びサンプリングシリンジを含む採水流路の洗浄内容を変更する切替制御手段と、(d)判定結果に従い、採水流路の洗浄回数を変更する洗浄回数判定手段を有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、1台でTOC測定と導電率測定を行うことができる純水分析装置において、毎回の試料水の分析を行う前に、前回の測定の状況から、採水流路の汚染状態を自動判断し、これにより流路洗浄の内容や回数を切り替えて、全体としての測定時間短縮と洗浄水の消費量低減を可能にする純水分析装置及びその採水流路の洗浄方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る純水分析装置(TOC/導電率測定装置)をオートサンプラ1とともに示す外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る純水分析装置を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る純水分析装置を構成する制御装置を示す模式図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る採水流路の洗浄方法の全体を説明する、概略的なフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る採水流路の洗浄方法のうち、ステップS31の手順の詳細を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る採水流路の洗浄方法のうち、ステップS32の手順の詳細を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係る採水流路の洗浄方法のうち、ステップS41の手順の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面は模式的なものであり、同一の部分には同一の符号を付してある。以下に示す本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに限定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0014】
(純水分析装置)
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る純水分析装置(TOC/導電率測定装置)の概観は、TOC計に導電率測定機能を付加した純水分析装置2と、オートサンプラ1と、純水分析装置2とオートサンプラ1とを接続するサンプリングニードル1aを備え、1台でTOC測定と導電率測定を行う。
【0015】
図2に示すように、純水分析装置2の詳細は、第1〜第8のポートを有した流路切換手段(マルチポートバルブ)9と、流路切換手段9の1つのポート(第7のポート)に接続されたTOC測定部3と、流路切換手段9の共通ポートに共通流路p9を介して接続されたサンプリングシリンジ11及びTOC測定部3にそれぞれ供給端部を接続したキャリアガス供給部5と、流路切換手段9の1つのポートに接続された導電率測定部7と、流路切換手段9、TOC測定部3、キャリアガス供給部5、導電率測定部7それぞれに接続された制御装置100とから構成され、TOC測定と導電率測定とを流路切換手段9を用いて切り替えて測定する。流路切換手段9の第1のポートには第1の流路p1を介してオフライン試料水13、第2のポートには第2の流路p2を介して試料水のオートサンプラ1(第2の流路p2は、図1のサンプリングニードル1aに対応する。)、第3のポートには第3の流路p3を介して試料水から無機体炭素成分を除去する際に使用される希塩酸15、第4のポートには第4の流路p4を介して洗浄水17、第5のポートには第5の流路p5を介して導電率測定部7、第6のポートには第6の流路p6を介してIC反応器19、第7のポートには第7の流路p7を介してTOC測定部3の試料水注入部43、第8のポートには第8の流路p8を介して排出用ドレイン21がそれぞれ接続されている。容量5mLのサンプリングシリンジ11は、プランジャ駆動モータ80によって駆動されるプランジャ18を内蔵する。
【0016】
キャリアガス供給部5は、上流側から順にキャリアガス入口23、電磁弁25、圧力を調節する調圧弁27、その圧力を計量する圧力計29、流量を調節するマスフローコントローラ31、流量計33、及び加湿器35と接続された構成となっており、TOC測定部3の逆止弁45を介してTC燃焼管41aの上部に設けられた試料水注入部43に接続されている。又、キャリアガス供給部5は、圧力計29とマスフローコントローラ31の間で分岐され、サンプリングシリンジ11のバレル下部に備えられた通気ガス入口に電磁弁37を介して接続されている。
【0017】
TOC測定部3は、流路切換手段9の第7のポートに第7の流路p7を介して接続された試料水注入部43を有し、試料水を加熱してCOを発生させるTC燃焼管41aと、TC燃焼管41aを加熱するTC燃焼炉41と、TC燃焼管41aの下部に1方の端部を接続した冷却管47と、冷却管47の他方の端部に1方の端部を接続した逆流防止トラップ49と、逆流防止トラップ49の他方の端部に下部を接続し、内部にIC反応液19aを満たしたIC反応器19と、IC反応器19の上部に入口を接続した除湿用電子クーラ51と、除湿用電子クーラ51の出口に1方の端部を接続したハロゲンスクラバ61と、ハロゲンスクラバ61の他方の端部に接続したメンブレンフィルタ63と、メンブレンフィルタ63の他方の端部に入口を接続し、両端部に光源67と検出器69を対向して設けた非分散形赤外分析方式(NDIR)の光学系タンデム型セル65と、光学系タンデム型セル65の出口に接続されたCOアブソーバ71とを備える。ここで、IC反応器19の上部は、流路切換手段9の第6のポートにも第6の流路p6を介して接続されており、ICを分離して測定する場合には、流路切換手段9の第6のポートから試料水が直接IC反応器19に注入される。IC反応器19の側壁の1箇所にはポンプ55が接続され、IC反応液リザーバ53からIC反応液19aが供給される。TC燃焼管41aは、試料水注入部43の下部に設けられているが、試料水注入部43へのキャリアガス入口には逆止弁45が設けられている。TC燃焼管41aの下部の出口は、冷却管47と逆流防止トラップ49を介してIC反応器19の下部に設けられたキャリアガス導入口に接続されている。IC反応器19にはドレイン用電磁弁57が設けられ、除湿用電子クーラ51の底部にはドレインポット59が設けられている。
【0018】
導電率測定部7は、試料水を注入する内径2mmφの石英製円筒チャンバーからなる導電率測定セル72と、導電率測定セル72の内部に設けられた一対の白金電極73a、73bを備えたフロー型セルである。白金電極73a、73bには、白金電極73a、73bの間に交流電流を通電したときの電圧を測定するための電圧計74が接続されている。導電率測定は、サンプリングシリンジ11に採取した試料を第5の流路p5を介して導電率測定セル72に注入することで行われる。
【0019】
TOC測定においては、先ず、サンプリングシリンジ11に採取した試料水2mLに対して1規定の希塩酸100μLを流路切換手段9を介して添加し、更にプランジャ駆動モータ80を駆動してサンプリングシリンジ11に内蔵されたプランジャ18を通気位置まで下げて、キャリアガス供給部5から電磁弁37を介してサンプリングシリンジ11内に通気ガスを100mL/minで導入することで試料水に90秒間通気を行う。こうして、ICを除去した試料水を流路切換手段9を介してTC燃焼管41aに1000μL注入することで試料水中のTOCをCOに変換し、これをキャリアガス供給部5から逆止弁45を介して導入したキャリアガスによって光学系タンデム型セル65に導き、その濃度を測定する。あらかじめ、濃度既知の標準試料測定によってTOC濃度と炭酸ガス濃度の関係を求めておくことで、TOC濃度を得ることができる。
【0020】
図3に示すように、図2に示した制御装置100は、サンプリングシリンジ11、流路切換手段9、キャリアガス供給部5、TOC測定部3、導電率測定部7の動作を制御し、TOC及び導電率の測定データの処理を行う演算を実施する演算装置110と、演算装置110に接続され、前回の測定がTOC測定であったのか、導電率測定であったのかの測定の種類、前回の測定の終了時間、導電率測定部7の電圧計74で測定された電圧の信号及びTOC測定部3の検出器69で測定されたCO濃度を示すデータ等を記憶するデータ記憶手段101と、サンプリングシリンジ11を動作させるシリンジ操作プログラム、流路切換手段9のポートの位置の切り替えを実行させる切換操作プログラム、キャリアガス供給部5を動作させるガス供給プログラム、測定前に採水流路を洗浄するプログラム、導電率測定部7を動作させるプログラム、TOC測定部3を動作させるプログラム、導電率を算定するプログラム、TOC値を算定するプログラム等を記憶したプログラム記憶手段102と、入力装置200と、出力装置300を備える。
【0021】
演算装置110は、測定データを入力するデータ入力手段111と、マルチバルブ駆動モータ駆動回路133を介してマルチバルブ駆動モータ90を駆動し、流路切換手段9のいずれかのポートを選択する切替制御手段115と、プランジャ駆動回路131を介してプランジャ駆動モータ80を駆動してサンプリングシリンジ11のプランジャ18の動作を制御するサンプリングシリンジ制御手段116と、キャリアガス供給装置駆動回路136を介してキャリアガス供給部5を駆動するキャリアガス供給制御手段117と、導電率測定装置駆動回路132を介して導電率測定部7の導電率測定動作を制御する導電率測定制御手段118と、データ入力手段111を介して入力された導電率測定データを基に、導電率を演算する導電率演算手段119と、TOC測定装置駆動回路135を介してTOC測定部3のTOC測定動作を制御するTOC測定制御手段120と、TOC値を演算するTOC値演算手段121を備える。演算装置110は、実行した制御動作データをデータ記憶手段101に蓄積しておき、蓄積したTOC測定操作及び導電率測定操作の記録は、次回測定前に実施する採水流路の洗浄条件を選択するための判断の根拠とする。
【0022】
インタフェース(I/F)130は、制御装置100と、流路切換手段9、キャリアガス供給部5、導電率測定部7、及びTOC測定部3とを仲介する装置である。したがって、インタフェース(I/F)130には、サンプリングシリンジ11のプランジャ18を動作させるプランジャ駆動モータ80を駆動するための信号を生成するプランジャ駆動回路131と、サンプリングシリンジ11を、流路切換手段9の第1〜第8のポートのいずれかに接続するための信号を生成するマルチバルブ駆動モータ駆動回路133と、電磁弁25、調圧弁27、マスフローコントローラ31の動作を制御し、サンプリングシリンジ11又はTC燃焼管41aにキャリアガスを送り込むための信号を生成するキャリアガス供給装置駆動回路136と、電磁弁37の動作を制御し、サンプリングシリンジ11にキャリアガスを送り込むための信号を生成する電磁弁駆動回路134と、TOC測定部3において、TC燃焼炉41を制御するための信号、IC反応器19のポンプ55とドレイン用電磁弁57を制御するための信号、冷却管47と除湿用電子クーラ51とハロゲンスクラバ61とメンブレンフィルタ63の動作を制御するための信号、光源67と光学系タンデム型セル65と検出器69の動作を制御するための信号、検出器69による測定データを出力するための信号を生成するTOC測定装置駆動回路135と、導電率測定部7において、白金電極73a、73b間に交流電流を通電するための信号、白金電極73a、73b間の電圧を電圧計74で測定するための信号、電圧計74で測定した電圧を出力するための信号を生成する導電率測定装置駆動回路132が接続されている。
【0023】
導電率測定部7及びTOC測定部3から出力された測定データはデータ記憶手段101によって記憶され、導電率演算手段119、TOC値演算手段121によって、それぞれ、導電率、TOC値が算定される。演算装置110には、キーボード、マウス等の入力装置200、プリンタ及びディスプレイ等の出力装置300が接続されており、図3に示した純水分析装置のハードウエア構成は、データ記憶手段101、プログラム記憶手段102、演算装置110、入力装置200、出力装置300を備えるノイマン型コンピュータのハードウエア構成である。データ記憶手段101、プログラム記憶手段102としては、ノイマン型コンピュータの主記憶装置の揮発性のDRAMや、補助記憶装置のハードディスク(HD)等の磁気ディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、RAMディスク、USBフラッシュメモリ等が使用できる。なお、図3では、データ入力手段111、切替制御手段115、サンプリングシリンジ制御手段116、キャリアガス供給制御手段117、導電率測定制御手段118、導電率演算手段119、TOC測定制御手段120、TOC値演算手段121を、同一の演算装置110の内部に実現するように示したが、論理構成としての例示であり、別の演算装置(CPU)やコンピュータシステムによるハードウエア構成の一部として実現することもできる。
【0024】
(TOC測定)
本発明の実施の形態に係る採水流路の洗浄方法を説明する前に、図2を参照して、流路切換手段9を用いてTOC測定と導電率測定とを切り替えて測定する分析装置において、容量5mLのサンプリングシリンジ11に希塩酸15を注入し通気処理をし、ICを除去した後、TOC測定部3で直接TOCを測定するプロセスについて説明する。
【0025】
(a)先ず、制御装置100の切替制御手段115が、マルチバルブ駆動モータ90を駆動して流路切換手段9をオートサンプラ1の第2のポートの位置に合わせ、サンプリングシリンジ制御手段119が、プランジャ駆動モータ80を駆動して試料水2mLをオートサンプラ1からサンプリングニードル1aを通して、サンプリングシリンジ11の吸引力によってサンプリングシリンジ11に採取する。
【0026】
(b)次いで、切替制御手段115が、流路切換手段9を、サンプリングシリンジ11に希塩酸15を供給する第3のポートの位置に切り替えて、試料水2mLに対して1規定に相当する100μLの希塩酸15をサンプリングシリンジ11に吸引する。次いで、サンプリングシリンジ制御手段116が、サンプリングシリンジ11のプランジャ18をバレル下部の通気位置まで下げ、切替制御手段115が、流路切換手段9を排出用ドレイン21用の第8のポートに接続し、電磁弁37を開き、高純度空気を通気ガスとしてサンプリングシリンジ11内に100mL/minの流量で導入し、サンプリングシリンジ11内の試料水を90秒間通気処理する。このとき、試料水に溶解していたICはCOとして通気ガスとともに試料水から排出される。
【0027】
(c)次いで、切替制御手段115が流路切換手段9をサンプリングシリンジ11がTC燃焼管41aに接続される第7のポートの位置に切り替え、サンプリングシリンジ制御手段116がサンプリングシリンジ11のプランジャ18を上昇させて1000μLの試料水を試料水注入部43に送り、同時に、キャリアガス供給制御手段117が高純度空気をキャリアガスとしてキャリアガス供給部5から逆止弁45を介して試料水注入部43に送る。キャリアガスは、装置稼働中は常に一定流量(例えば150mL/min)でTOC測定部3に流しておく。これによってNDIR出力のベースラインが得られ、試料が注入されると試料から発生するCOによる信号がピーク状に観察される。試料水と空気の混合物をTC燃焼管41aに導入する。ここで、TOC測定制御手段120がTC燃焼炉41によってTC燃焼管41aをあらかじめ680℃に加熱しておき、TC燃焼管41aに導入された試料水の炭素成分を酸化させてTC燃焼触媒41bでCOに変換する。
【0028】
(d)次いで、キャリアガス供給制御手段117がTC燃焼管41aに導入された試料水をTC燃焼管41aの下部から排出する。TC燃焼管41aで発生したガス(COと水蒸気)は、冷却管47で冷却され、逆流防止トラップ49を経由してIC反応器19を通過し、除湿用電子クーラ51で更に水分が除去され、ハロゲンスクラバ61でハロゲン成分が除かれ、メンブレンフィルタ63により濾過され、光学系タンデム型セル65に導入される。
【0029】
(e)そして、TOC測定制御手段120が、光源67からの赤外光を光学系タンデム型セル65中に照射し、光学系タンデム型セル65に導入されたガス中のCOの濃度に比例した信号を検出器69から得て、試料水のTCを得る。
【0030】
(採水流路の洗浄方法)
上記のように、流路切換手段9を用いて、1台でTOC測定と導電率測定を行うことができる純水分析装置においては、TOC測定において、サンプリングシリンジ11に希塩酸15を注入してサンプリングシリンジ11内であらかじめ試料水からICを除去した後TOC測定部3で直接TOCを測定する場合、ICを除去した試料水を試料水注入部43に送り込んだ後もサンプリングシリンジ11の内部には希塩酸15が残留している。
【0031】
このため、本発明の実施の形態に係る採水流路の洗浄方法では、TOC測定又は導電率測定に先立って、図2及び図3に示した制御装置100が前回の測定が導電率測定であったか否かを自動的に判定し、この判定結果に基づいて、採水流路の洗浄、即ち、洗浄水による洗浄及び試料水による共洗いの手順を自動的に決定して、採水流路の洗浄を実行するものである。ここで、「採水流路」は、流路切換手段9を経由する複数の流路及び試料水を採取するサンプリングシリンジ11を含む。具体的には、「採水流路」とは、サンプリングシリンジ11の内部、サンプリングシリンジ11と流路切換手段9の共通ポートを接続する共通流路p9、流路切換手段9の内部、流路切換手段9の第5のポートと導電率測定セル72を接続する第5の流路p5、導電率測定セル72の内部、及び導電率測定セル72から試料水を排出する経路等を指す。
【0032】
図4〜図7のフローチャートを用いて、本発明の実施の形態に係る採水流路の洗浄方法を説明する。なお、以下に述べる採水流路の洗浄方法は、一例であり、特許請求の範囲に記載した趣旨の範囲内であれば、この変形例を含めて、これ以外の種々の採水流路の洗浄方法により、実現可能であることは勿論である:
(a)先ず、図4のステップS1で、図2及び図3に示した制御装置100の前回測定判定手段112が、データ記憶手段101に記憶されたデータを読み出し、前回測定が導電率測定であったか否かを判定する。ステップS1で前回測定が導電率測定であったと判定された場合は、ステップS2へ進む。
【0033】
(b)ステップS2で、経過時間判定手段113が、データ記憶手段101に記憶されたデータを読み出し、前回導電率測定終了日時からの経過時間を算定し、経過時間が所定の閾値を経過していないか否かを判定する。ステップS2で経過時間が閾値以内と判定された場合は、図4のステップS31へ進む。
【0034】
(c)ステップS31の詳細は図5に示すように、導電率測定において試料水によって採水流路をn回洗浄するステップである(nは2以上の整数であるが、通常n=3程度の値が採用可能である。)。図5のステップS311で、図3に示した切替制御手段115が、プログラム記憶手段102に記憶された切換操作プログラムに従い、マルチバルブ駆動モータ駆動回路133を駆動して、マルチバルブ駆動モータ90を駆動し、流路切換手段9をオートサンプラ1の第2のポートの位置に合わせ、ステップS312へ進む。ステップS312では、サンプリングシリンジ制御手段116が、プログラム記憶手段102に記憶されたシリンジ操作プログラムに従い、プランジャ駆動回路131を介して、プランジャ駆動モータ80を駆動し、サンプリングシリンジ11内にオートサンプラ1の試料水を吸入して、ステップS313へ進む。ステップS313では、サンプリングシリンジ制御手段116が、シリンジ操作プログラムに従い、サンプリングシリンジ11内のプランジャ18を通気位置まで下げて、ステップS314へ進む。ステップS314では、切替制御手段115が、切換操作プログラムに従い、マルチバルブ駆動モータ駆動回路133を介して、マルチバルブ駆動モータ90を駆動し、流路切換手段9を排出用ドレイン21の第8のポートの位置に合わせて、ステップS315へ進む。ステップS315では、流路切換手段9を第8のポートに向けた状態で、プランジャをシリンジ上端まで移動させることによって、サンプリングシリンジ11内の試料水を排出用ドレイン21に排出する。ステップS316で洗浄回数判定手段114がステップS311〜S315の洗浄動作をn回実施しているか否かを判定する。n回目でなければ、ステップS311に戻る。n回目であれば、ステップS31を終了し、図4のステップS5の導電率測定へ進む。
【0035】
(d)図4のステップS2で経過時間が閾値を超えると判定された場合、図4のステップS32へ進む。ステップS32の詳細は図6に示す。ステップS32は、導電率測定において試料水によって採水流路をm回洗浄するステップである(mはnより大きな整数であり、例えばm=2n等に設定することも可能である。)。ステップS32のステップS321〜S325の手順は、図5のステップS311〜S315の手順と同様であるので、重複する説明を省略する。ステップS326で洗浄回数判定手段114がステップS321〜S325の洗浄動作をm回実施しているか否かを判定する。m回目でなければ、ステップS321に戻る。m回目であれば、ステップS32を終了し、図4のステップS5の導電率測定へ進む。
【0036】
(e)図5のステップS1で、前回実施の測定が導電率測定ではなかったと判定された場合は、図4のステップS41へ進み、TOC測定において用いた採水流路を洗浄する。ステップS41の詳細は図7に示すが、図7のステップS411〜S414は、図5のステップS311〜S315とほぼ同様であるが、ステップS313のサンプリングシリンジ11内のプランジャ18を通気位置まで下げる動作は行わない。ステップS415では洗浄回数判定手段114がステップS411〜S414の洗浄動作をa回実施しているか否かを判定する(aは2以上の整数であるが、例えば、a=4程度の値が採用可能である。)。a回目でなければ、ステップS411に戻る。a回実施していれば、洗浄水による洗浄を終了し、洗浄水による通気洗浄を実施するためにステップ421へ進む。
【0037】
(f)ステップS421〜S423の手順は、図5のステップS311〜S313の手順と同様である。ステップS424では、キャリアガス供給制御手段117が、プログラム記憶手段102に記憶されたガス供給プログラムに従い、キャリアガス供給装置駆動回路136を駆動して、サンプリングシリンジ11内の洗浄水に数秒間通気して、ステップS425へ進む。ステップS425では、切替制御手段115が、切換操作プログラムに従い、マルチバルブ駆動モータ駆動回路133を介して、マルチバルブ駆動モータ90を駆動し、流路切換手段9を排出用ドレイン21の第8のポートの位置に合わせ、ステップS426へ進む。ステップS426では、流路切換手段9を第8のポートに向けた状態でプランジャをシリンジ上端まで移動させることによって、サンプリングシリンジ11内の試料水を排出用ドレイン21に排出する。ステップS427では洗浄回数判定手段114がステップS421〜S426の洗浄動作をb回実施しているか否かを判定する(bは2以上の整数であるが、例えば、b=3程度の値が採用可能である。)。b回目でなければ、ステップS421に戻る。b回実施していれば、洗浄水による通気洗浄を終了し、試料水による洗浄を実施するためにステップS431へ進む。
【0038】
(g)ステップS431〜S435の手順は、図5のステップS311〜S315の手順と同様であるので、重複する説明を省略する。ステップS436では洗浄回数判定手段114がステップS431〜S435の洗浄動作をc回実施しているか否かを判定する(cは2以上の整数であるが、例えば、c=3程度の値が採用可能である。)。c回目でなければ、ステップS431に戻る。c回実施していれば、ステップS41のプロセスはすべて終了し、図4のステップS5の導電率測定へ進み、導電率を測定する。
【0039】
既に説明したとおり、前回の測定がTOC測定の場合、サンプリングシリンジ11の内部には希塩酸15が残留している。このため、本発明の実施の形態に係る採水流路の洗浄方法によれば、TOC測定が完了したら、制御装置100が前回の測定がTOC測定であったことを自動的に判定し、(次回の測定がTOC測定であるか導電率測定であるかによらず)次回測定の前に洗浄水による洗浄と洗浄水による通気洗浄を含む入念な採水流路の洗浄プロセスを実施して、残留希塩酸を採水流路から完全に除去できる。一方、前回測定が導電率測定であった場合には、制御装置100が前回の測定が導電率測定であったことを自動的に判定し、導電率測定の場合は、サンプリングシリンジ11に酸等の薬品は使用していないので、洗浄水を使用せずに試料水のみによる簡便な採水流路の洗浄プロセスを適用することができるので、全体としての測定時間が短縮され、更に、洗浄水の消費量低減が可能となる。
【0040】
なお、プログラムを簡単にするため、図4に示したフローチャートにおいて、ステップS2の前回導電率測定終了日時からの経過時間が所定の閾値を経過していないか否かの判定の手順を省略しても構わない。即ち、図4のステップS1で、図2及び図3に示した制御装置100の前回測定判定手段112が、データ記憶手段101に記憶されたデータを読み出し、前回測定が導電率測定であったか否かを判定する。ステップS1で前回測定が導電率測定であったと判定された場合は、ステップS31へ直接進み、試料水によって採水流路をn回洗浄するようにしても構わない。
【0041】
以下、純水からなる洗浄水17が容量2Lのポリタンクに満たされて、流路切換手段9の第4のポートに接続されている場合について、本発明の実施の形態に係る採水流路の洗浄方法の実施例について述べる(以下の実施例は、図4に示したフローチャートのステップS2の判定の手順を省略した場合である。)。
【0042】
(実施例1)
前回実施の測定が導電率測定であった場合に、図5のステップS312のシリンジ内に吸入する試料水を1mL,ステップ316のnを3として、導電率測定を実施した。
【0043】
(実施例2)
前回実施の測定がTOC測定であった場合に、図7のステップS412のシリンジ内に吸入する洗浄水を1mL,ステップS415のa=4、ステップ422のシリンジ内に吸入する洗浄水を4mL,ステップ424の通気時間を1秒、ステップS427のb=3、ステップS432のシリンジ内に吸入する洗浄水を1mL,ステップS436のc=3として、導電率測定を実施した。
【0044】
実施例1の場合は、実施例2に比べて測定時間を約4分短縮し、かつ洗浄水の消費量を16mL削減することができた。
【0045】
(その他の実施の形態)
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものではない。この開示から、当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明がここで記載していない様々な実施の形態や実施例等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、製薬用純水、半導体製造用純水等の純水分析装置の分野で利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1…オートサンプラ
1a…サンプリングニードル
2…純水分析装置
3…測定部
3…TOC測定部
5…キャリアガス供給部
7…導電率測定部
9…流路切換手段
11…サンプリングシリンジ
13…オフライン試料水
15…希塩酸
17…洗浄水
18…プランジャ
19…反応器
19…IC反応器
19a…IC反応液
21…排出用ドレイン
23…キャリアガス入口
25,37…電磁弁
27…調圧弁
29…圧力計
31…マスフローコントローラ
33…流量計
35…加湿器
41…TC燃焼炉
41a…TC燃焼管
41b…TC燃焼触媒
43…試料水注入部
45…逆止弁
47…冷却管
49…逆流防止トラップ
51…除湿用電子クーラ
53…IC反応液リザーバ
55…ポンプ
57…ドレイン用電磁弁
59…ドレインポット
61…ハロゲンスクラバ
63…メンブレンフィルタ
65…光学系タンデム型セル
67…光源
69…検出器
71…COアブソーバ
72…導電率測定セル
73a,73b…白金電極
74…電圧計
80…プランジャ駆動モータ
90…マルチバルブ駆動モータ
100…制御装置
101…データ記憶手段
102…プログラム記憶手段
110…演算装置
111…データ入力手段
112…前回測定判定手段
113…経過時間判定手段
114…洗浄回数判定手段
115…切替制御手段
116…サンプリングシリンジ制御手段
117…キャリアガス供給制御手段
118…導電率測定制御手段
119…サンプリングシリンジ制御手段
119…導電率演算手段
120…TOC測定制御手段
121…TOC値演算手段
130…インタフェース(I/F)
131…プランジャ駆動回路
132…導電率測定装置駆動回路
133…マルチバルブ駆動モータ駆動回路
134…電磁弁駆動回路
135…TOC測定装置駆動回路
136…キャリアガス供給装置駆動回路
200…入力装置
300…出力装置
1…第1の流路
2…第2の流路
3…第3の流路
4…第4の流路
5…第5の流路
6…第6の流路
7…第7の流路
8…第8の流路
9…共通流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
TOC測定と導電率測定とを流路切換手段を用いて切り替えて測定する純水分析装置の、前記流路切換手段を経由する複数の流路及び試料水を採取するサンプリングシリンジを含む採水流路の洗浄方法であって、
前記純水分析装置が備える制御装置が有する前回測定判定手段が、前記制御装置のデータ記憶手段から前回実施した測定の内容を読み出し、前記純水分析装置が前回実施した測定がTOC測定であるか導電率測定であるかを自動的に判定するステップと、
前記判定結果に従い、前記制御装置が有する切替制御手段と洗浄回数判定手段が、前記採水流路の洗浄内容及び洗浄回数を自動的に変更するステップと、
を含むことを特徴とする洗浄方法。
【請求項2】
前記前回測定が導電率測定であると判定された場合に、前記制御装置の経過時間判定手段が、データ記憶手段から前回の導電率測定の終了日時を読み出し、前記終了日時からの現在までの経過時間を算出するステップと、
前記経過時間判定手段が、前記経過時間が閾値以内であるか否かを判定するステップと、
前記経過時間が前記閾値を超える場合に、前記洗浄回数判定手段が、前記洗浄回数を、前記経過時間が前記閾値以内である場合に比して増加させるステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の洗浄方法。
【請求項3】
前記前回測定がTOC測定と判定された場合に、前記切替制御手段と前記洗浄回数判定手段が、前記採水流路の洗浄を、洗浄水による洗浄を複数回、前記洗浄水による通気洗浄を複数回、前記試料水による洗浄を複数回、順に実施させることを特徴とする請求項1に記載の洗浄方法。
【請求項4】
試料水のTOCを測定するTOC測定部と、前記試料水の導電率を測定する導電率測定部と、前記TOC測定部と前記導電率測定部に至たる流路を切り替える流路切換手段と、前記試料水を前記TOC測定部に導入する前に、前記試料水を採取して、前記試料水中の無機体炭素をCOとして前記試料水から排出する通気処理を実施するサンプリングシリンジと、前記TOC測定部、前記導電率測定部、前記流路切換手段、前記サンプリングシリンジの動作を制御する制御装置とを備える純水分析装置であって、前記制御装置が、
前記純水分析装置が前回実施した測定の内容を記録するデータ記憶手段と、
前記データ記憶手段から前回の測定の内容を読み出して、前回の測定がTOC測定であるか導電率測定であるかを判定する前回測定判定手段と、
前記判定結果に従い、前記流路切換手段を経由する複数の流路及び前記サンプリングシリンジを含む採水流路の洗浄内容を変更する切替制御手段と、
前記判定結果に従い、前記採水流路の洗浄回数を変更する洗浄回数判定手段
を有することを特徴とする純水分析装置。
【請求項5】
前記制御装置が、データ記憶手段から前回の導電率測定の終了日時を読み出し、前記終了日時からの現在までの経過時間を算出し、前記経過時間が閾値以内であるか否かを判定する経過時間判定手段を更に有し、
前記経過時間が前記閾値を超える場合に、前記洗浄回数判定手段が、前記洗浄回数を、前記経過時間が前記閾値以内である場合に比して増加させることを特徴とする請求項4に記載の純水分析装置。
【請求項6】
前記前回測定がTOC測定と判定された場合に、前記切替制御手段と前記洗浄回数判定手段が、前記採水流路の洗浄を、洗浄水による洗浄を複数回、前記洗浄水による通気洗浄を複数回、前記試料水による洗浄を複数回、順に実施させることを特徴とする請求項4に記載の純水分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−249612(P2010−249612A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98320(P2009−98320)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】