説明

紙のサイジング

本発明は、酸無水物、アニオン性ポリ電解質、及び180未満の分子量を有する、及び/又は1以上のヒドロキシル基を有するアミン又はその4級アンモニウムである窒素含有有機化合物を含む、セルロース反応性サイジング剤の水性分散物に関する。本発明は、アニオン性ポリ電解質、及び180未満の分子量を有し、及び/又は1以上のヒドロキシル基を有するアミン又はその4級アンモニウムである窒素含有有機化合物の存在下、水性相中に酸無水物を分散させることを含む、セルロース反応性サイジング剤の水性分散物の製造方法にもまた関する。本発明は、セルロース反応性サイジング剤をストックサイジング剤又は表面サイジング剤として紙の製造において使用する方法にもまた関する。本発明はさらに、セルロース反応性サイジング剤の水性分散物をセルロース水性懸濁物に添加することを含む紙の製造方法にもまた関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙のサイジング、より具体的にはセルロース反応性サイジング剤の水性分散物及びその製造及び使用に関する。
【背景技術】
【0002】
紙および板紙に、水性液体による湿潤化及び浸透に対するある程度の耐性を与えるために、中性又は少しアルカリ性のストックpHにおける製紙において、セルロース反応性サイジング剤、例えばアルケニルコハク酸無水物(ASA)に基づくものが広く用いられている。セルロース反応性サイジング剤に基づく紙のサイズは、水性相及びその中に分散されたサイジング剤の細かく分割された粒子又は滴を含む分散物の形で与えられる。分散物は、通常、高分子量の両性又はカチオン性ポリマー、例えばカチオン性澱粉、ポリアミン、ポリアミドアミン又はビニル付加ポリマーと組み合わせたアニオン性化合物、例えばリグノスルホン酸ナトリウム(sodium lignosulfonate)からなる分散剤系を用いて製造される。
【0003】
国際公開第96/17127号は、セルロース反応性サイジング剤及びコロイド状アニオン性アルミニウム変性シリカ粒子を含む水性分散物を開示している。
【0004】
国際公開第97/31152号は、反応性サイズ及びアニオン性ミクロ粒子物質を含む水性分散物を開示している。分散物は、反応性サイズの重量に基づいて2重量%以下の界面活性剤をもまた含み得る。界面活性剤は非イオン性又はアニオン性であることができる。
【0005】
国際公開第98/33979号はセルロース反応性サイジング剤の水性分散物及びカチオン性有機化合物及びアニオン性安定化剤を含む分散剤系を開示している。
【0006】
アルケニルコハク酸無水物の水性分散物の製造、性質、及び性能においてかなりの改良が達成されたにもかかわらず、そのような分散物の使用に関してまだ技術的な問題がある。通常、アルケニルコハク酸無水物の分散物は安定性が乏しく、そのことは該分散物を取り扱うこと、例えば保存及び使用において困難性を明らかにもたらす。一つのさらなる欠点は、アルケニルコハク酸無水物は簡単に加水分解し、それによりサイジング剤としての効果がなくなるために、該水性分散物は長時間保存できないことである。
【0007】
従って、アルケニルコハク酸は通常液体として紙粉砕機(paper mill)に送られ、その後、サイジング剤としてのその使用の前に分散され、不十分な安定性の問題及びサイジング効果の喪失を避けるために得られた分散物は通常2時間内に使用される。該分散物を製造するために使用される装置は、表面をフリーにし、十分な粒子サイズを有する分散物を生成すること可能にできるために高い剪断力を付与する。そのような装置はしばしば複雑かつ高価であり、高い剪断力のために通常かなりの量のエネルギーを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
低い剪断力及び低いエネルギー消費を使用して容易に製造されることのできるセルロース反応性サイジング剤の水性分散物を提供することが本発明の目的である。改良された安定性及びサイジング効率を示すセルロース反応性サイジング剤の水性分散物を提供することはこの発明のさらなる目的である。さらなる目的は以下に記載する。
【0009】
本発明は、酸無水物、アニオン性ポリ電解質、及び180未満の分子量を有し、及び/又は1以上のヒドロキシル基を有するアミン又はその4級アンモニウムである窒素含有有機化合物を含むセルロース反応性サイジング剤の水性分散物に関する。
【0010】
本発明は、アニオン性ポリ電解質、及び180未満の分子量を有し、及び/又は1以上のヒドロキシル基を有するアミン又はその4級アンモニウムである窒素含有有機化合物の存在下、水性相中に酸無水物を分散させることを含むセルロース反応性サイジングの水性分散物の製造のための方法にさらに関する。
【0011】
本発明は、紙の生産においてセルロース反応性サイジング剤の水性分散物をストックサイジング剤又は表面サイジング剤として使用する方法にもまた関する。本発明はさらに、セルロース反応性サイジング剤の水性分散物を水性セルロースの懸濁物に添加し、得られた懸濁物をワイヤ上で脱水することを含む紙の製造方法、ならびにセルロース反応性サイジング剤の水性分散物をセルロースのウェブに施与することを含む、紙の製造方法にもまた関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に従うと、セルロース反応性サイジング剤の水性分散物を使用することにより、紙の改良されたサイジングが達成されることができることが見出された。本分散物は慣用の分散物に対してよりよい安定性を示すこともまた見出された。さらに、慣用のセルロース反応性サイジング剤の水性分散物を製造するときに比較してより低い剪断力が使用されて本願の水性分散物を製造することができることが見出された。従って、本発明は、低い剪断力を作りだす、簡単で、かつエネルギー及び投資を節約する装置、例えばスタティックミキサーを使用することを可能にする。すなわち、本発明は実質的に経済的、かつ技術上の利益をもたらす。
【0013】
本発明に従うセルロース反応性サイジング剤は、先行技術において公知である任意の酸無水物に基づくサイジング剤から選択されることができる。適切には、該サイジング剤は疎水性の酸無水物である。適切な疎水性酸無水物は下記の一般式(I)を特徴とすることができる。ここでR1及びR2は、8〜30の炭素原子を適切に含む飽和又は不飽和の炭化水素基から選択されることができるか、又はR1及びR2は−C−O−C−部分と一緒になって5又は6員環を形成することができ、該環は30までの炭素原子を含む炭化水素基で任意的にさらに置換されていてもよい。
【0014】
【化1】

【0015】
適切な酸無水物の例はアルキル及びアルケニルコハク酸無水物、例えばイソオクタデセニルコハク酸無水物、イソオクタデシルコハク酸無水物、n-ヘキサデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、デセニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、トリイソブテニルコハク酸無水物、1−オクチル−2−デセニル−コハク酸無水物、及び1−ヘキシル−2−オクテニル−コハク酸無水物を含む。適切な酸無水物の例は、米国特許第3102064号、3821069号、3968005号、4040900号、4522686号、レユニオン29960号において開示されている化合物をさらに含む。上記公報は参照することにより本明細書に取り込まれる。
【0016】
本発明に従うセルロース反応性サイジング剤は、1以上の酸無水物、例えば1以上のアルキル及び/又はアルケニルコハク酸無水物を含み得る。通常、本発明の酸無水物は室温において液状である。
【0017】
本発明に従う分散物は、アニオン性ポリ電界質及び窒素含有有機化合物を含む分散剤又は分散剤系を含む。アニオン性ポリ電解質及び窒素含有有機化合物は単独で使用されるときには分散剤として効果的ではないが、これらの化合物が組み合わされて使用されるとき、これらの化合物は酸無水物サイジング剤のための分散剤として有効である。好ましくは、分散物はアニオン性である、即ち、分散剤又は分散剤系が全体としてアニオン電荷を有する。
【0018】
本発明に従うアニオン性ポリ電解質は、有機化合物又は無機化合物から選択され得、天然又は合成の源から誘導されることができる。アニオン性ポリ電解質は、同じタイプ又は異なるタイプであることができる2以上のアニオン基を有する。適切なアニオン基、即ちアニオン性であるか又は水性相においてアニオン性にされる基の例は、シラノール、アルミノシリケート、ホスフェート、ホスホネート、サルフェート、スルホネート、スルホン酸基及びカルボン酸基及びそれらの塩、通常アンモニウム塩又はアルカリ金属塩(一般的にナトリウム塩)を含む。アニオン性ポリ電解質は、水溶性であり得、該直鎖又は分岐状のアニオン性ポリ電解質であり得、又は水に分散可能であり得、例えば架橋された及び/又は粒状のアニオン性ポリ電解質であり得る。好ましくは、水に分散可能かつ粒状のアニオン性ポリ電解質はコロイド状であり、即ちコロイドの範囲の粒子サイズである。コロイド状粒子は適切に1nm〜100nm、好ましくは2〜70nm、最も好ましくは2〜40nmの粒子サイズを有する。水に分散可能かつ粒子のアニオン性ポリ電解質は、集合した、又は非集合の粒子を含み得る。
【0019】
適切な有機アニオン性ポリ電解質の例は、アニオン性多糖類、例えば澱粉、グアーガム、セルロース、キチン、キトサン、グリカン、ガラクタン、グルカン、キサンタンガム、マンナン、及びデキストリンを含む。適する有機アニオン性ポリ電解質のさらなる例は、合成アニオン性ポリマー、例えば縮合ポリマー、例えばポリウレタン及びナフタレンをベースとするポリマー及びメラミンをベースとするポリマー、例えば縮合されたホルムアルデヒドナフタレンスルホネート、及びメラミン−スルホン酸に基づくポリマー、及びアニオン性又は潜在的にアニオン性モノマーを含むエチレン性不飽和モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、ビニルスルホン酸、スルホン化スチレン及びヒドロキシアルキルアクリレート及びメタクリレートのホスフェートから製造されたビニル付加ポリマーであって、任意的に非イオン性のエチレン性不飽和モノマー、例えばアクリルアミド、アルキルアクリレート、スチレン、及びアクリロニトリル、ならびにそのようなモノマーの誘導体、ビニルエステルなどと共重合されていてもよいものを含む。
【0020】
さらなる適切な有機アニオン性ポリ電解質の例は、1以上のポリ官能性の架橋剤の存在下、1以上のエチレン性不飽和アニオン性又は潜在的にアニオン性モノマーを含み、任意的に1以上の他のエチレン性不飽和モノマーを含んでいてもよいモノマー混合物の重合により得られた水溶性の分岐状ポリマー及び水に分散可能な架橋されたポリマーを含む。モノマー混合物中におけるポリ官能性架橋剤の存在は、水に分散可能な、分岐状ポリマー、少し架橋されたポリマー、および高度に架橋されたポリマーの製造を可能にする。適切なポリ官能性架橋剤の例は、少なくとも2つのエチレン不飽和結合を有する化合物、例えばN,N−メチレン−ビス−(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N-ビニル(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼン、トリアリルアンモニウム塩及びN-メチルアリル(メタ)アクリルアミド;エチレン不飽和結合及び反応性基を有する化合物、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、アクロレイン及びメチロール(メタ)アクリルアミド;及び少なくとも2つの反応性基を有する化合物、例えばジアルデヒド例えばグリオキサール、ジエポキシ化合物、及びエピクロルヒドリンを含む。
【0021】
有機アニオン性ポリ電解質は、通常0.01〜1.4、適切には0.1〜1.2、好ましくは0.2〜1.0のアニオン置換度(DSA)を有する。アニオン性ポリ電解質は全体としてアニオン性の電荷を有する限り1以上のカチオン性基を含んでいてもよい。アニオン性ポリ電解質の分子量は広い範囲で変動することができる;通常、分子量は200超、適切には500超であるが、上限は通常1000万、好ましくは200万である。
【0022】
適切な無機アニオン性ポリ電解質の例は、アニオン性の珪質物質(siliceous material)、例えばケイ酸から製造されるアニオン性のシリカをベースとする物質及びスメクタイトタイプの粘土を含む。通常、これらのアニオン性ポリ電解質は負のシラノール、アルミノシリケート又はヒドロキシル基を有する。適する無機のアニオン性ポリ電解質の例は、ポリケイ酸、ポリシリケート、ポリアルミニウムシリケート、コロイド状のシリカをベースとする粒子、例えばシリカの粒子、アルミネート化された(アルミニウム変性された)シリカ及びアルミニウムシリケート、ポリシリケートミクロゲル、ポリアルミニウムシリケートミクロゲル、シリカゲル及び沈殿されたシリカ、スメクタイト粘土、例えばモンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイトを含む。好ましいアニオン性ポリ電解質はシリカをベースとする物質、例えばコロイド状シリカをベースとする粒子を含む。
【0023】
本発明に従う窒素含有有機化合物は、アミン又はその4級アンモニウム塩である。適する窒素含有有機化合物は一級、二級、及び三級アミン及びその四級アンモニウム塩を含む。適する窒素含有有機化合物はさらにモノアミン、ジアミン、及びポリアミン及びその四級アンモニウムを含む。適する四級アンモニウムは上記タイプのプロトン化、アルキル化、アリール化、及びアルカリール化されたアミンを含み、それらはアミンを、例えば酸、例えば塩酸、塩化メチル、硫酸ジメチル、及び塩化ベンジルと反応させることにより生成されることができる。本発明の好ましい実施態様において、窒素含有有機化合物は、1以上のヒドロキシル基を有するアミン又はその四級アンモニウムを含む。好ましくは1以上のヒドロキシル基は、窒素含有化合物の1以上の置換基の末端の位置に存在し、すなわちヒドロキシで末端停止されたアミン又はその四級アンモニウムである。
【0024】
適する窒素含有有機化合物の例は、以下のアミン及びその四級アンモニウムを含む:ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−イソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、ピロリジン、グアニジン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−メトキシエチルアミン、アミノエチルエタノールアミン、アラニン、及びリジン。適する窒素含有有機化合物のさらなる例は、水酸化コリン、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウムを含む。好ましい窒素含有有機化合物はトリエタノールアミン及びその四級アンモニウムを含む。
【0025】
窒素含有化合物の分子量は広い範囲内で変動することができる。本発明の好ましい実施態様において、アミン又はその四級アンモニウムの分子量は、180未満、適切に170以下、及び好ましくは160以下である。分子量は通常30以上である。本明細書において記載されるように、アミンの四級アンモニウムの分子量は、該四級アンモニウム化合物のカチオン部分の分子量を意味し、すなわち該四級アンモニウム化合物のアニオン部分は上記の分子量に含まれないことを意味する。1以上のヒドロキシル基を有するアミン及びその四級アンモニウムから選択された窒素含有有機号物の場合、分子量はが500未満、通常は300未満であり得るが、上記の分子量はそのような化合物の場合にもまた適切である。
【0026】
本願の水性分散物、又はエマルジョンにおいて、酸無水物は、水性分散物の重量に基づいて、約0.1〜約50重量%、適切に0.1〜約30重量%、好ましくは約1〜約20重量%の量で存在し得る。アニオン性ポリ電解質は酸無水物の重量に基づいて0.1〜15重量%、適切には0.5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%の量で通常存在する。窒素含有有機化合物は、酸無水物の重量に基づいて、20重量%以下、通常は0.1〜15重量%、適切には0.5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%の量で存在することができる。酸無水物、アニオン性ポリ電解質及び窒素含有有機化合物に加えて、任意的な追加の化合物が分散物に存在し得る。そのような化合物の例はモノ−、ジ−、及びポリ−アニオン性及び非イオン性界面活性剤、及び分散剤、安定化剤、増量剤(extender)、及び保存剤、例えば加水分解された酸無水物、例えば加水分解された上記のアルキル及びアルケニル酸無水物、好ましくは加水分解されたアルケニルコハク酸無水物、例えば、カルボン酸及び/又はカルボン酸エステル誘導体の形の加水分解された酸無水物、アニオン性界面活性剤、例えば燐酸エステル、例えばエトキシレート化された燐酸エステル、アルキルサルフェート、スルホネート、及びホスフェート、アルキルアリールサルフェート、スルホネート及びホスフェート、例えばラウリルスルホン酸ナトリウム、及びエトキシレート化、ホスフェート化イソトリデシルアルコールを含む。もし存在するならば、そのような追加化合物の分散物中の含有量は酸無水物の量に基づいて0.1〜15重量%、適切には1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%である。水もまた分散物中に存在し、100重量%になるまで分散物の残りを構成し得る。
【0027】
本発明に従う分散物は、上記の、酸無水物、アニオン性ポリ電解質、及び上記の窒素含有有機化合物を含む混合物を形成し、水の存在下、該混合物を分散させることにより製造されることができる。分散物の成分は、任意の順序で混合され得るが、好ましくはアニオン性ポリ電解質及び窒素含有有機化合物が混合されて、水で適切な濃度に希釈され、次に酸無水物がその中に分散される。混合物は、十分な程度の分散を与える適切な分散装置、例えば相対的に低い剪断力を与えるスタティックミキサーを使用することにより分散され得る。得られた分散物は通常直径が01〜10μmの滴サイズを有する酸無水物の滴を含む。
【0028】
本発明に従う水性サイジング分散物は、任意のタイプのセルロース繊維を使用する紙の製造において慣用の方法で使用されることができ、表面サイジング及び内部サイジングの両方に使用されることができる。用語「紙」は、本願明細書において使用されるように、紙だけでなく、例えばボール紙(board)及び板紙(paperboard)を含む、シート及びウェブの形におけるセルロース製品のすべてのタイプを含むことを意味する。セルロース懸濁物及び完成した紙は鉱物のフィラーをもまた含むことができ、通常セルロース繊維の含有量は、乾燥したセルロース懸濁物又は完成した紙に基づいて少なくとも50重量%である。慣用のタイプの鉱物フィラーの例は、カオリン、チャイナクレー、二酸化チタン、石膏、タルク、及び天然及び合成の炭酸カルシウム例えばチョーク、粉砕された大理石および沈降された炭酸カルシウムを含む。本発明は、本願の水性サイジング分散物がセルロース水性懸濁物に添加されるか、又はセルロースのシート又はウェブに施与されるところの紙の製造のための方法にもまた関する。適切には、紙を生成するためにワイヤ上で水きりされるべきセルロースの懸濁物に添加されるセルロース反応性サイジング剤の量、又はセルロースのシート又はウェブの表面に表面サイズとして施与されるセルロース反応性サイジング剤の量は、乾燥セルロース懸濁物及び任意のフィラーに基づいて0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%であり、投与量は主にサイズされるところのパルプ又は紙の質及び所望されるサイジングのレベルに依存する。
【0029】
本発明に従う水性サイジング分散物は高い伝導率を有するセルロース水性懸濁物からの紙の製造において特に有用である。ワイヤ上で脱水された懸濁物の伝導率は0.3mS/cm〜10 mS/cmの範囲であることができる。本発明に従って、伝導率が少なくとも2.0 mS/cm、特に少なくとも3.5mS/cm、特に少なくとも5.0 mS/cm、少なくとも7.5 mS/cmでさえあるとき、良好な結果が達成されることができる。伝導率は、標準的な装置、例えばクリスチャンバーナー(Christian Berner)により供給されるWTW LF 330により測定されることができる。上述された値は、ペーパーマシンのヘッドボックスにフィードされた又は存在するセルロース懸濁物の伝導率を測定することにより、又は該懸濁物を脱水することにより得られた白水の伝導率を測定することにより適切に決定されることができる。高い伝導率のレベルはストックを形成するために使用される物質、ストックに導入された種々の添加剤、プロセスに供給された新鮮な水等から誘導されることのできる塩(電解質)の高い含有量を意味する。さらに、塩の含有量は、通常、白水が広く再循環されるプロセスにおいてより高く、そのことは該プロセスにおいて循環する水における塩のかなりの蓄積をもたらし得る。
【0030】
製紙においてセルロース懸濁物に慣用的に添加される化学物質、例えば保持助剤(retention aid)、アルミニウム化合物、染料、湿潤力増強樹脂(wet-strength resin)、蛍光増白剤は、もちろん本分散物と一緒に使用されることができる。アルミニウム化合物の例は、明礬、アルミネート化合物及びポリアルミニウム化合物、例えばポリアルミニウム塩化物及びサルフェートを含む。適する保持助剤の例は、カチオン性ポリマー、有機ポリマーと組み合わせたアニオン性無機物質、例えばカチオン性ポリマーと組み合わせたベントナイト、カチオン性ポリマーと組み合わせたシリカをベースとするゾル又はカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーを含む。本発明の分散物をカチオン性ポリマーを含む保持助剤と組み合わせて使用するとき、特に良好なサイジングが得られることができる。適するカチオン性ポリマーは、カチオン性澱粉、アクリレートをベースとするポリマー及びアクリルアミドをベースとするポリマー、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリアミドアミン、及びポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)及びそれらの組合せを含む。好ましい保持助剤は、カチオン性澱粉及びカチオン性アクリルアミドをベースとするポリマーを含む。本発明の好ましい実施態様において、分散物は、少なくとも1のカチオン性ポリマー及びアニオン性珪質物質、例えばシリカをベースとする粒子又はベントナイトを含む保持系と組み合わせて使用される。本分散物の1以上の成分を保持助剤、例えばアニオン性珪質物質とプレ混合し、そのようにして得られる混合物をセルロース懸濁物に導入することが可能である。従って、本水性サイジング分散物は、上記水性サイジング分散物をセルロース懸濁物に導入する直前に、酸無水物及び窒素含有有機化合物をアニオン性ポリ電解質、例えば水性珪質物質、例えばシリカをベースとするゾル又はベントナイトスラリーと接触に至らせることにより、製造されることができる。
【0031】
本発明は、以下の実施例においてさらに説明されるが、本発明を制限することは意図されていない。部、及び%は、他に明記されない限り、重量部、及び重量%を意味する。
【実施例】
【0032】
実施例1
イソヘキサデセニル及びイソオクタデセニルコハク酸無水物を含むオレフィンフラクションに基づくアルケニルコハク酸無水物(ASA)を、ハッシュ(Hash)パイプスタティックミキサー中でアニオン性ポリ電解質及びアミンの混合物の存在下、分散させることにより本発明に従う水性分散物が製造された。
【0033】
この実施例及びさらなる実施例における比較のために使用される水性分散物が、アミン、コロイド状シリカ、高分子量アミンが使用されないこと、及び/又はヒドロキシル基を有しないアミンが使用されたことを除いて、同じ方法で製造された。
【0034】
この実施例及びで使用されアニオン性ポリ電解質は、8.1重量%のSiO2含有量を有し、アルミニウムで変性された850m2/gの比表面積を有するシリカ粒子を含む、水性ゾルの形のコロイド状シリカ(Eka NP 590)であった。この実施例で使用されたアミンは149の分子量を有するトリエタノールアミン(TEA)であった。
【0035】
アニオン性ポリ電解質及びアミンは水の存在下、混合されて、混合物を形成し、該混合物はパイプの一の端に3.17L/分のフローでポンプ移入され、濃縮されたASAがパイプの片側から0.167L/分のフローでポンプ移入された。混合ユニット(mixing unit)に対する圧力のドロップは3.4バールであった。得られた分散物は5重量%のASA含有量、ASAに基づいて5.0重量%のアニオン性ポリ電解質含有量(この実施例ではSiO2の含有量)、及びASAに基づいて0〜2.0重量%の範囲のアミン含有量を有していた。
【0036】
分散物1〜4が表1に示されるように製造された。表1において与えられたSiO2含有量及びアミン含有量はASAに基づく。
【0037】

【0038】
ASA滴の粒子サイズは、分散物を水で0.5重量%のASA含有量まで希釈した後、マルヴェルンマスターサイザーマイクロプラス(Malvern Mastersizer Microplus)で測定された。結果は表2に示される。D(v0.1)、D(v0.5)及びD(v0.9)は粒子のそれぞれ、10、50、及び90%が、与えられたサイズより小さい直径を有していたことを意味する。
【0039】

【0040】
表2から見られ得るとおり、本発明に従う分散物(分散物No.2〜4)は、比較のために使用された分散物(分散物No.1)より小さい粒子サイズをもたらした。
【0041】
サイジングの有効性は標準方法SCAN-C26:76に従ってハンドシートを製造することにより評価された。そしてサイジングは標準方法Tappi T441に従ってCobb-60値として測定された。
【0042】
ペーパーシートは、分散物が、繊維濃度0.5g/L、伝導率0.7mS/cm、及び約7.0のpHを有するリサイクルされたパルプを含むセルロース水性懸濁物に添加される方法に従って製造された。分散物は乾燥セルロース分散物の重量に基づいてASAとして計算されて0.5、1.0、および1.5kg/tの量で添加された。保持系は、乾燥セルロース懸濁物上の乾燥物質として計算されて6kg/tのカチオン性馬鈴薯澱粉(Perlbond 970)及び0.5kg/tのシリカゾル(Eka NP 442)を含むものが使用された。
【0043】
Cobb-60値が測定され、結果が表3に示される。より低いCobb値は、より低量の水が吸収され、従ってよりよいサイジングが達成されたことを意味する。
【0044】

【0045】
表3から見られ得るとおり、本発明に従う分散物(分散物No.2〜4)は、比較のために使用された分散物(分散物No.1)より、より改善されたサイジング有効性をもたらした。
【0046】
実施例2
変動するシリカの含有量が使用され、アミン含有量が一定であることを除き、実施例1の一般的方法に従って分散物が製造され、該分散物のサイジング有効性が測定された。分散物は、分散物の重量に基づいて5重量%のASA含有量を有していた。表4が結果を示す。
【0047】

【0048】
表4から見られ得るとおり、本発明に従う分散物(分散物No.6〜9)は、比較のために使用された分散物(分散物No.5)より、より改善されたサイジング有効性をもたらした。
【0049】
実施例3
実施例1の一般方法に従って分散物が製造され、評価された。分散物の比較は、塩化カルシウムの添加により増加された伝導率を有するセルロース水性懸濁物においてなされた。懸濁物の伝導率はクリスチャンベルナー(Christian Berner)製のWTW LF 330を使用して測定された。結果は表5に示される。
【0050】

【0051】
表5から見られる得るとおり、懸濁物の伝導率が増加されたときは、本発明に従う分散物、(分散物No11)は、比較のために使用された分散物(分散物No.10)より、かなり良好なサイジング有効性を示した。
【0052】
実施例4
異なるアミンが使用された以外は実施例1の一般方法に従って分散物が製造され評価された。得られた分散物は、5重量%のASA含有量、ASAに基づいて5.0重量%のSiO2含有量、及びASAに基づいて2.0重量%のアミン含有量を有していた。
【0053】
使用されたアミンは、149の分子量を有するトリエタノールアミン(TEA)、103の分子量を有するジエチレントリアミン(DETA)、約200の分子量を有する分留されたヤシ油アミン(FCA)、及び約530の分子量を有する獣脂ジメチルアンモニウムクロライド(DTDMAC)であった。
【0054】
粒子サイズは表6に示される。
【0055】

【0056】
サイジング有効性を評価した結果は表7に示される。
【0057】

【0058】
表6及び7から見られ得るとおり、180未満の分子量を有するアミン(分散物No.14及び15)、及びヒドロキシル基を有するアミン(分散物No.15)を含む本発明に従う分散物(分散物No.14及び15)は、比較のために使用された分散物(分散物No.12及び13)より、より小さい粒子サイズ及びかなり改善されたサイジング有効性をもたらした。これもまた、本発明に従って表面をフリーにするのにより少ないエネルギーが必要とされることを意味する。
【0059】
実施例5
異なるアニオン性ポリ電解質が使用された以外は実施例1の一般方法に従って分散物が製造され評価された。得られた分散物は、5重量%のASA含有量、ASAに基づいて5.0重量%のSiO2含有量、及びASAに基づいて0重量%又は2.0重量%のトリエタノールアミン含有量を有していた。使用されたアニオン性ポリ電解質は表8に示される。
【0060】

【0061】
ベントナイトは水にスラリー化され(5重量%ベントナイト)、十分な膨準と脱アルミ化を達成するために5日間貯蔵された。
【0062】
粒子サイズが測定され、安定性が評価された。安定性は製造から2時間後に測定された。24時間後にもまだ安定であるならば、粒子サイズが再び測定された。用語「sep.」は、分離を意味する。結果が表9に示される。
【0063】

【0064】
サイジング有効性を評価した結果は表10に示されている。
【0065】

【0066】
表9及び10から見られ得るとおり、アニオン性ポリ電解質及び窒素含有有機化合物の両方を含む本発明に従う分散物(分散物No.17、19、21、23、及び25)は、窒素含有有機化合物を含まない、比較のために使用された分散物(分散物No.16、18、20、22)より、よりよいサイジング有効性、よりよい安定性を示し、より小さい粒子サイズをもたらした。
【0067】
実施例6
異なる界面活性剤及び該界面活性剤の変動する含有量が使用された以外は実施例1の一般方法に従って分散物が製造され、該分散物の粒子サイズ及びサイジング有効性が評価された。使用されたアニオン性ポリ電解質は、7.5重量%のSiO2含有量を有し、約900m2/gの比表面積を有し、アルミニウム変性されているシリカ粒子を含む水性ゾルの形のコロイド状シリカ(Eka NP 780)であった。使用されたアミンはトリエタノールアミン(TEA)であった。得られた分散物は5重量%のASA含有量、ASAに基づいて5.0重量%のSiO2含有量、及びASAに基づいて2.0重量%のアミン含有量を有していた。
【0068】
分散物No.26に界面活性剤は取り込まれなかった。加水分解されたASAは界面活性剤として分散物No,27及び28に取り込まれた。分散物No.29において使用された界面活性剤は燐酸エステル(ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)アルファ−イソトリデシル−オメガ−ヒドロキシホスフェート)であった。分散物における界面活性剤含有量は、ASAに基づく。粒子サイズ測定の結果は表11に示される。
【0069】

【0070】
分散物のサイジングの有効性が評価され、分散物の比較は、70%のパルプ(80/20のカバノキ/マツのクラフト)及び30%のフィラー(CaCO3)を含むセルロース水性懸濁物においてなされた。
【0071】

【0072】
表11及び12に示された結果から見られ得るように、界面活性剤を含む分散物27、28、及び29は、界面活性剤を含まない分散物より、より小さい粒子サイズ及びよりよいサイジング有効性をもたらした。
【0073】
実施例7
変動する伝導率を有する漂白されていないクラフトパルプを含む水性セルロース分散物を使用するときのサイジングの有効性に関して、実施例6の分散物が評価された。結果は表13において示されている。
【0074】

【0075】
表13から見られ得るように、界面活性剤を含む分散物(分散物No.27、28、及び29)は、界面活性剤を含まない分散物(分散物No.26)より、よりよいサイジング有効性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸無水物、アニオン性ポリ電解質、及び180未満の分子量を有するアミン又はその4級アンモニウムである窒素含有有機化合物を含む、セルロース反応性サイジング剤の水性分散物。
【請求項2】
酸無水物、アニオン性ポリ電解質、及び1以上のヒドロキシル基を有するアミン又はその4級アンモニウムである窒素含有有機化合物を含む、セルロース反応性サイジング剤の水性分散物。
【請求項3】
アニオン性ポリ電解質、及び180未満の分子量を有するアミン又はその4級アンモニウムである窒素含有有機化合物の存在下、水性相中に酸無水物を分散させることを含む、セルロース反応性サイジング剤の水性分散物の製造方法。
【請求項4】
アニオン性ポリ電解質、及び1以上のヒドロキシル基を有するアミン又はその4級アンモニウムである窒素含有有機化合物の存在下、水性相中に酸無水物を分散させることを含むセルロース反応性サイジング剤の水性分散物の製造方法。
【請求項5】
窒素含有化合物が170以下の分子量を有する、請求項1及び2のいずれか1項に記載の水性分散物、又は請求項3又は4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
窒素含有化合物が160以下の分子量を有する、請求項1、2,及び5のいずれか1項に記載の水性分散物、又は請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
窒素含有化合物が1以上のヒドロキシル基を有する、請求項1、2、5及び6のいずれか1項に記載の水性分散物、又は請求項3〜6いずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
1以上のヒドロキシル基が窒素含有化合物の1以上の置換基の末端の位置に存在する、請求項7に記載の水性分散物、又は請求項7に記載の方法。
【請求項9】
窒素含有化合物がアミンである、請求項1、2、及び5〜8のいずれか1項に記載の水性分散物、又は請求項3〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
窒素含有化合物が4級アンモニウムである、請求項1、2、及び5〜8のいずれか1項に記載の水性分散物、又は請求項3〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
窒素含有有機化合物が、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−イソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、ピロリジン、グアニジン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−メトキシエチルアミン、アミノエチルエタノールアミン、アラニン、リジン、水酸化コリン、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウムである、請求項1、2、及び5〜10のいずれか1項に記載の水性分散物、又は請求項3〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
アニオン性ポリ電解質が無機物質である、請求項1、2、及び5〜11のいずれか1項に記載の水性分散物、又は請求項3〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
アニオン性ポリ電解質が珪質物質である、請求項12に記載の水性分散物、又は請求項12に記載の方法。
【請求項14】
アニオン性ポリ電解質がベントナイトである、請求項13に記載の水性分散物、又は請求項13に記載の方法。
【請求項15】
アニオン性ポリ電解質がシリカをベースとする粒子を含む、請求項13に記載の水性分散物、又は請求項13に記載の方法。
【請求項16】
酸無水物がイソオクタデセニルコハク酸無水物、イソオクタデシルコハク酸無水物、n-ヘキサデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、デセニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、トリイソブテニルコハク酸無水物、1−オクチル−2−デセニル−コハク酸無水物、又は1−ヘキシル−2−オクテニルコハク酸無水物である、請求項1、2、及び5〜15のいずれか1項に記載の水性分散物、又は請求項3〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
酸無水物が、水性分散物の重量に基づいて0.1〜30重量%の量で存在する、請求項1、2、及び5〜16のいずれか1項に記載の水性分散物、又は請求項3〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
アニオン性ポリ電解質が、酸無水物の重量に基づいて0.5〜10重量%の量で存在する、請求項1、2、及び5〜17のいずれか1項に記載の水性分散物、又は請求項3〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
窒素含有有機化合物が、酸無水物の重量に基づいて0.5〜10重量%の量で存在する、請求項1、2、及び5〜18のいずれか1項に記載の水性分散物、又は請求項3〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
分散剤が、アニオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1、2、及び5〜19のいずれか1項に記載の水性分散物、又は請求項3〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
アニオン性界面活性剤が加水分解された酸無水物である、請求項20に記載の水性分散物、又は請求項20に記載の方法。
【請求項22】
紙の製造において、内部サイジング又は表面サイジングのために請求項1〜21のいずれか1項に記載のセルロース反応性サイジング剤の水性分散物を使用する方法。
【請求項23】
セルロース水性懸濁物にセルロース反応性サイジング剤の水性分散物を添加し、得られた懸濁物をワイヤ上で脱水することを含む紙の製造方法、又はセルロース反応性サイジング剤の水性分散物をセルロースのシート又はウェブの表面に施与することによる紙の製造方法において、該分散物が請求項1〜21のいずれか1項に記載のセルロース反応性サイジング剤の水性分散物である製造方法。
【請求項24】
セルロース水性懸濁物が少なくとも2.0mS/cmの伝導率を有する、請求項22に記載の方法。

【公表番号】特表2009−521610(P2009−521610A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547179(P2008−547179)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際出願番号】PCT/SE2006/050506
【国際公開番号】WO2007/073321
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(390009612)アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ (132)
【氏名又は名称原語表記】Akzo Nobel N.V.
【Fターム(参考)】