紙容器の開封再栓装置
【課題】コストが安く簡単な構造で紙容器の開封及び再栓ができる紙容器の開封再栓装置の技術を提供する。
【解決手段】
紙容器本体1aの頂面2に円形の開口予定部5が形成され、この開口予定部5を覆って開封再栓装置6を取付ける。開封再栓装置6の本体部7に開口予定部5と同芯で円筒状の注出口10が天面8と底面9を貫通して形成される。さらに、開口予定部5を開封及び再栓するための差込プラグ11を本体部7に形成された保持部12に水平状態で着脱自在に保持する。差込プラグ11は開封のための挿入部11aと挿入部11aを指で回転及び押込むための把持部11bから成り、挿入部11aの先端部11cに開封容易とするためα=略45度の傾斜を備える。差込プラグ11を注出口10に挿入した状態で差込プラグ11が注出口10に安定固着するように、差込プラグ11と注出口10に嵌合用の凸部11dと凹部10aを備える。
【解決手段】
紙容器本体1aの頂面2に円形の開口予定部5が形成され、この開口予定部5を覆って開封再栓装置6を取付ける。開封再栓装置6の本体部7に開口予定部5と同芯で円筒状の注出口10が天面8と底面9を貫通して形成される。さらに、開口予定部5を開封及び再栓するための差込プラグ11を本体部7に形成された保持部12に水平状態で着脱自在に保持する。差込プラグ11は開封のための挿入部11aと挿入部11aを指で回転及び押込むための把持部11bから成り、挿入部11aの先端部11cに開封容易とするためα=略45度の傾斜を備える。差込プラグ11を注出口10に挿入した状態で差込プラグ11が注出口10に安定固着するように、差込プラグ11と注出口10に嵌合用の凸部11dと凹部10aを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体食品を充填した紙容器に取付ける開封再栓装置に関し、詳しくは紙容器を開封して液体食品を注出し且つ再封できるコストの安い開封再栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内容液が略1リットルを超えるような大型の紙容器は、一度開封すると使い切るか別の容器に内容液を移す必要があった。これを解決する紙容器の開封再栓装置に関する従来技術として特許文献1に掲載の内容が知られている。図11に示すように、開封再栓装置21は、封止用フィルム24で閉塞された紙容器の頂面22の開口部22Aの周縁部に沿ってベース部25が接着され、このベース部25にリテーナ26が内螺合され、リテーナ26の上部にスクリューキャップ27が外螺合される。
【0003】
リテーナ26の下端には封止用フィルム24を突き破るための尖端部26Cが形成され、リテーナ26とスクリューキャップ27は溶着部28にてスポット溶接される。スクリューキャップ27を取り外す方向Eに回転すると、キャップ27とリテーナ26が一体となりベース部25内を下降して封止用フィルム24を破り、さらに溶着部28を破断してキャップ27が容易に外れる。紙容器はキャップ27で再栓できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−349024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、この開封再栓装置は螺合構造が複雑でコストが高いという問題があった。そこで、本発明はかかる従来技術の問題に鑑みなされたものであって、簡単な構造で開封及び再栓が容易にできてコストが安い紙容器の開封再栓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、紙基材を折り曲げて頂面と底面と複数の側面を形成して成る紙容器本体に備える紙容器の開封再栓装置であって、前記開封再栓装置は前記頂面に形成された内容液注出用の開口予定部を覆って前記頂面に固着される本体部と、前記開口予定部を開封及び再栓する差込プラグとから成る。そして、前記本体部の外縁部に前記差込プラグを着脱自在に保持する保持部を備える一方、前記本体部に前記開口予定部と同芯で内容液の注出口が前記差込プラグの差込口を兼ねて形成されることを特徴としている。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の紙容器の開封再栓装置であって、前記本体部に前記注出口を覆うカバーを備えることを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の紙容器の開封再栓装置であって、前記差込プラグを前記注出口に挿入し前記開口予定部を開封した状態で、前記注出口と前記差込プラグは互いに係合する環状の凹部と凸部をそれぞれ備えることを特徴としている。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の紙容器の開封再栓装置であって、前記注出口と前記差込プラグは互いに螺合することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、前記開封再栓装置は前記頂面に形成された内容液注出用の開口予定部を覆って前記頂面に固着される本体部と、前記開口予定部を開封及び再栓する差込プラグとから成る。ここで、前記本体部の外縁部に前記差込プラグを着脱自在に保持する保持部を備える一方、前記本体部に前記開口予定部と同芯で内容液の注出口が前記差込プラグの差込口を兼ねて形成される。このように、前記開封再栓装置は簡単な構造で容易に製作できるため前記開封再栓装置の製作コストが安くできる。
【0011】
差込プラグは本体部の外縁部の保持部に収納されるので紙容器の搬送時の外力によるダメージが防止できる。そして、前記本体部に前記開口予定部と同芯で円筒状の注出口が前記差込プラグの差込口を兼ねて形成されるので、差込プラグを注出口に挿入するだけで前記開口予定部を確実簡単に開口できて注出口から内容液をスムーズに注出できる。
【0012】
請求項2の発明によれば、前記本体部に前記注出口を覆うカバーを備えるので、前記開封再栓装置の未使用期間中に注出口内にゴミ等が付着しないので内容液への混入を防止できるため衛生性が保持できる。
【0013】
請求項3の発明によれば、前記差込プラグを前記注出口に挿入し前記開口予定部を開封した状態で前記注出口と前記差込プラグが互いに係合するための凹部と凸部は簡単な環状構造なので製作コストが安い。そして、再栓時には挿入した状態の前記差込プラグを凹部と凸部によって前記注出口に安定保持して確実に簡易密封ができるので再栓効果が向上する。
【0014】
請求項4の発明によれば、前記注出口と前記差込プラグは互いに螺合する構造なので、前記差込プラグを安定して回転挿入しながら確実且つ容易に前記開口予定部が開封できる。さらに、螺合構造なので簡易密封の精度が向上するので再栓効果が確実で前記開封再栓装置の品質性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一の実施形態における、外観が直方体形状の紙容器本体1aの開口予定部5を覆って開封再栓装置6を取付けた状態を示す紙容器1の斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施形態における、図1のA−A断面図で、開封再栓装置6の断面形状を示す図である。
【図3】本発明の第一の実施形態における、図2のB−B矢視図で、開封再栓装置6の平面一部透視図である。
【図4】本発明の第一の実施形態における、紙容器本体1aを形成する帯状包材15の展開平面図である。
【図5】本発明の第一の実施形態における、図4のC−C断面図で、開口予定部5の状態を示す図である。
【図6】本発明の第一の実施形態における、紙容器1を開封するため開封再栓装置6の保持部12から差込プラグ11を取外して、カバー13を除いた状態の注出口10に差込プラグ11を挿入する状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第一の実施形態における、差込プラグ11の把持部11bを押込んで開口予定部5を開封した状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第一の実施形態における、開口予定部5を開封した後に差込プラグ11を保持部12に収納し、紙容器1を傾けて内容液Kを注出口10より注出する状態を示す断面図である。
【図9】本発明の第二の実施形態における、紙容器を開封するために差込プラグ14を注出口10に螺合して挿入しようとする状態を示す断面図である。
【図10】本発明の第二の実施形態における、差込プラグ14で開口予定部5を開封した状態を示す断面図である。
【図11】従来例における、封止用フィルム24で閉塞された開口予定部22Aに沿ってベース部25が固着され、このベース部25に内螺合されたリテーナ26の上部にスクリューキャップ27を外螺合して成る開封再栓装置21の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<本発明の第一の実施形態>
以下に、本発明の第一の実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。
<紙容器の開封再栓装置の構成>
【0017】
図1、図2、図3に示すように、紙容器1は紙基材を折り曲げて矩形の頂面2と底面3と四側面4(正面4a、裏面4b、側面4c、側面4d)で外観が直方体の紙容器本体1aか形成される。頂面2にはジュース等の内容液を注出するための円形の開口予定部5が形成され、この開口予定部5を覆って樹脂製の開封再栓装置6を取付ける。
【0018】
開封再栓装置6は平面視略矩形状で本体部7の天面8が幅W、長さSで四隅を弧状に形成される。底面9は天面8と平行で、天面8と底面9間の厚さTである。本体部7に開口予定部5と同芯で前記差込プラグの差込口を兼ねる円筒状の注出口10が頂面8から底面9を貫通して形成される。
【0019】
開口予定部5を開封及び再栓するための差込プラグ11を着脱自在に水平に保持する保持部12を本体部7に備える。より詳しくは、この保持部12は本体部7の一端部7aを天面8側に薄肉部8aを残して底面9まで略弧状に抉って形成される。さらに、薄肉部8aの先端部は差込プラグ11を保持部12内に安定して保持するため突起部8bが形成される。一方、本体部7の他端部7bは天面8から底面9に亘って注出口10に向かって傾斜部7cが形成される。
【0020】
差込プラグ11は開封のための挿入部11aと、挿入部11aを押込むための把持部11bとから成る。挿入部11aは断面円形状でその直径Dは開口予定部5の直径D1と同じで、先端部11cは開封容易とするためα=略45度の傾斜を備える。
【0021】
把持部11bは矩形板状で幅D2は直径Dより大きく、注出口10の内径D3は挿入部11aを挿入容易とするため直径Dより僅かに大きい。挿入した差込プラグ11を注出口10に安定して嵌合保持するため、差込プラグ11に環状の凸部11dと注出口10に環状の凹部10aがそれぞれ一組形成される。
【0022】
本体部7の一端部7aから他端部bに至って天面8にカバー13を備え、このカバー13は他端部7bを覆うように折曲げ部13bが形成される。このため、内容液を注ぐ側である他端部7bを使用時まで埃等を避けて保護できるので衛生性が向上する。
【0023】
図4に示すように、帯状の包材15には紙容器本体1aを成型容易とするための複数の折り目18が形成される。より詳しくは、紙容器一個分に該当する領域Cにおいて、縦方向の折り目16a、16b、16c、16d、横方向の折り目17a、17b、17c、17d、斜め方向の8本の折り目18が形成される。上記、紙容器本体1aの正面4a側の頂面2に該当する領域に内容液を注ぐための円形の開口予定部5が形成される。
【0024】
図5に示すように、包材15の構成は、外側から内側にかけて順に、外側層15a、紙基材15b、接着層15c、バリヤー層15d、二層の内側層15eから成り、紙基材15bの外側面にデザイン等15fが予め印刷される。外側層15a、内側層15eは低密度ポリエチレン樹脂、接着層15cはポリエチレン或いはエチレン共重合体等の樹脂、バリヤー層15dはアルミ箔等で形成される。開口予定部5は開口容易とするために紙基材15bが円形状に切り抜かれる。
【0025】
「開封再栓装置付き紙容器の製造工程の説明」
図示しない充填機において、帯状包材15を下方に搬送しながら両端部を重ねて筒状に縦線シールして、内容液を充填した後に、横線シールして紙容器一個分に該当する領域Eを切離して原型容器を形成する。そして、縦方向の折り目16a、16b、16c、16d、横方向の折り目17a、17b、17d、17e、及び斜め方向の複数の折り目18を折り曲げて、矩形の頂面2と底面3と四側面4から成る外観直方体形状の紙容器本体1aが連続形成される。
【0026】
開封再栓装置6を紙容器本体1aの頂面2に取付ける方法は、図示しない装置で底面9をマイクロフレーム等で溶融し、頂面2の開口予定部5に芯合わせして固着する。
【0027】
<紙容器の開封再栓装置の作用>
上記、差込プラグ11は開封のための挿入部11aと、挿入部11aを押込むための把持部11bとから成り、挿入部11aは断面円形状でその直径Dは開口予定部5の直径D1と同じで、その先端部11cは開封容易とするためα=略45度の傾斜を備える。
【0028】
このため、図6.図7に示すように、差込プラグ11を注出口10に押込むと容易に開口予定部5を突刺して開口部5aを形成することができる。さらに差込プラグ11を押込みむと、差込プラグ11の凸部11dと注出口10の凹部10aが嵌合して差込プラグ11が注出口10内で安定して保持される。
【0029】
図8に示すように、内容液を注出口10から注出するときには差込プラグ11を注出口10から引抜いて本体部6の保持部12に収納できるので使用勝手に優れ便利である。そして、紙容器1を傾斜すると、内容液は矢印Kに示すように注出口10から容易に注出することができる。このとき、上記、本体部7の他端部7bは天面8から底面9に亘って注出口10に向かって傾斜部7cが形成されるので内容液は本体部7に沿って液垂れすることなく流出するので衛生性が向上する。
【0030】
所望の内容液を注出した後に再栓する場合には、差込プラグ11を再び注出口10に押込んで図7の状態に戻すと、差込プラグ11の凸部11dと注出口10の凹部10aが嵌合することに加えて、挿入部11aの直径Dは紙容器1の開口部5の直径D1と同じなので、差込プラグ11によって開封された開口部5を確実に簡易密封することができる。このため、利便性に優れ、内容液の注出口10からの漏れを確実に防止できる。
【0031】
<本発明の第二の実施形態>
本発明の第二の実施形態を図9、図10に基づいて説明するが、図2、図3、図6、図7と同様の構成に関しては同符号を用いて重複する説明を省く。
【0032】
図9、図10に示すように、差込プラグ14と注出口10にそれぞれ雄螺子Pと雌螺子Qが形成されるので、差込プラグ14をS方向に回転すると差込プラグ14は注出口10と螺合して容易に下降する。
【0033】
差込プラグ14が下降すると、開封突起11cは略45度の傾斜を備えるので開口予定部5を回転しながら突刺して容易に開封部5aを形成することができる。この状態で、差込プラグ14と注出口10は雄螺子Pと雌螺子Qが嵌合して確実に簡易密閉できる。そして、差込プラグ14を外して注出口10から内容液を注出できる。
【0034】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0035】
たとえば、開封再栓装置6の平面視形状は、他端部7bが注出口10を囲むように円形状にして一端部7aと連結すると平面視略三角形状に成り、開封再栓装置6の形状の種類を増やすことができる。カバー13の領域は注出口10だけを覆うように範囲限定することもできる。開封突起11aの先端部11cは円錐状に形成しても良い。差込プラグ11の環状の凸部11cと注出口10の凹部10aは複数組形成しても良い。差込プラグ14の回転方向Sは右回転で下降する構成でも構わない。開封再栓装置6は、頂面が屋根状の紙容器や、底面と複数の側面で形成された各原型容器に内容液を充填した後で頂面を密封形成する方法の紙容器に対しても適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
この発明は、流動性食品を包装充填する包装容器の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1a 紙容器本体
2 頂面
5 開口予定部
6 開封再栓装置
7 本体部
8 天面
9 底面
10 注出口
10a 凹部
11 差込プラグ
11a 挿入部
11b 把持部
11c 先端部
11d 凸部
12 保持部
【技術分野】
【0001】
本発明は液体食品を充填した紙容器に取付ける開封再栓装置に関し、詳しくは紙容器を開封して液体食品を注出し且つ再封できるコストの安い開封再栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内容液が略1リットルを超えるような大型の紙容器は、一度開封すると使い切るか別の容器に内容液を移す必要があった。これを解決する紙容器の開封再栓装置に関する従来技術として特許文献1に掲載の内容が知られている。図11に示すように、開封再栓装置21は、封止用フィルム24で閉塞された紙容器の頂面22の開口部22Aの周縁部に沿ってベース部25が接着され、このベース部25にリテーナ26が内螺合され、リテーナ26の上部にスクリューキャップ27が外螺合される。
【0003】
リテーナ26の下端には封止用フィルム24を突き破るための尖端部26Cが形成され、リテーナ26とスクリューキャップ27は溶着部28にてスポット溶接される。スクリューキャップ27を取り外す方向Eに回転すると、キャップ27とリテーナ26が一体となりベース部25内を下降して封止用フィルム24を破り、さらに溶着部28を破断してキャップ27が容易に外れる。紙容器はキャップ27で再栓できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−349024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、この開封再栓装置は螺合構造が複雑でコストが高いという問題があった。そこで、本発明はかかる従来技術の問題に鑑みなされたものであって、簡単な構造で開封及び再栓が容易にできてコストが安い紙容器の開封再栓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、紙基材を折り曲げて頂面と底面と複数の側面を形成して成る紙容器本体に備える紙容器の開封再栓装置であって、前記開封再栓装置は前記頂面に形成された内容液注出用の開口予定部を覆って前記頂面に固着される本体部と、前記開口予定部を開封及び再栓する差込プラグとから成る。そして、前記本体部の外縁部に前記差込プラグを着脱自在に保持する保持部を備える一方、前記本体部に前記開口予定部と同芯で内容液の注出口が前記差込プラグの差込口を兼ねて形成されることを特徴としている。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の紙容器の開封再栓装置であって、前記本体部に前記注出口を覆うカバーを備えることを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の紙容器の開封再栓装置であって、前記差込プラグを前記注出口に挿入し前記開口予定部を開封した状態で、前記注出口と前記差込プラグは互いに係合する環状の凹部と凸部をそれぞれ備えることを特徴としている。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の紙容器の開封再栓装置であって、前記注出口と前記差込プラグは互いに螺合することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、前記開封再栓装置は前記頂面に形成された内容液注出用の開口予定部を覆って前記頂面に固着される本体部と、前記開口予定部を開封及び再栓する差込プラグとから成る。ここで、前記本体部の外縁部に前記差込プラグを着脱自在に保持する保持部を備える一方、前記本体部に前記開口予定部と同芯で内容液の注出口が前記差込プラグの差込口を兼ねて形成される。このように、前記開封再栓装置は簡単な構造で容易に製作できるため前記開封再栓装置の製作コストが安くできる。
【0011】
差込プラグは本体部の外縁部の保持部に収納されるので紙容器の搬送時の外力によるダメージが防止できる。そして、前記本体部に前記開口予定部と同芯で円筒状の注出口が前記差込プラグの差込口を兼ねて形成されるので、差込プラグを注出口に挿入するだけで前記開口予定部を確実簡単に開口できて注出口から内容液をスムーズに注出できる。
【0012】
請求項2の発明によれば、前記本体部に前記注出口を覆うカバーを備えるので、前記開封再栓装置の未使用期間中に注出口内にゴミ等が付着しないので内容液への混入を防止できるため衛生性が保持できる。
【0013】
請求項3の発明によれば、前記差込プラグを前記注出口に挿入し前記開口予定部を開封した状態で前記注出口と前記差込プラグが互いに係合するための凹部と凸部は簡単な環状構造なので製作コストが安い。そして、再栓時には挿入した状態の前記差込プラグを凹部と凸部によって前記注出口に安定保持して確実に簡易密封ができるので再栓効果が向上する。
【0014】
請求項4の発明によれば、前記注出口と前記差込プラグは互いに螺合する構造なので、前記差込プラグを安定して回転挿入しながら確実且つ容易に前記開口予定部が開封できる。さらに、螺合構造なので簡易密封の精度が向上するので再栓効果が確実で前記開封再栓装置の品質性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一の実施形態における、外観が直方体形状の紙容器本体1aの開口予定部5を覆って開封再栓装置6を取付けた状態を示す紙容器1の斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施形態における、図1のA−A断面図で、開封再栓装置6の断面形状を示す図である。
【図3】本発明の第一の実施形態における、図2のB−B矢視図で、開封再栓装置6の平面一部透視図である。
【図4】本発明の第一の実施形態における、紙容器本体1aを形成する帯状包材15の展開平面図である。
【図5】本発明の第一の実施形態における、図4のC−C断面図で、開口予定部5の状態を示す図である。
【図6】本発明の第一の実施形態における、紙容器1を開封するため開封再栓装置6の保持部12から差込プラグ11を取外して、カバー13を除いた状態の注出口10に差込プラグ11を挿入する状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第一の実施形態における、差込プラグ11の把持部11bを押込んで開口予定部5を開封した状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第一の実施形態における、開口予定部5を開封した後に差込プラグ11を保持部12に収納し、紙容器1を傾けて内容液Kを注出口10より注出する状態を示す断面図である。
【図9】本発明の第二の実施形態における、紙容器を開封するために差込プラグ14を注出口10に螺合して挿入しようとする状態を示す断面図である。
【図10】本発明の第二の実施形態における、差込プラグ14で開口予定部5を開封した状態を示す断面図である。
【図11】従来例における、封止用フィルム24で閉塞された開口予定部22Aに沿ってベース部25が固着され、このベース部25に内螺合されたリテーナ26の上部にスクリューキャップ27を外螺合して成る開封再栓装置21の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<本発明の第一の実施形態>
以下に、本発明の第一の実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。
<紙容器の開封再栓装置の構成>
【0017】
図1、図2、図3に示すように、紙容器1は紙基材を折り曲げて矩形の頂面2と底面3と四側面4(正面4a、裏面4b、側面4c、側面4d)で外観が直方体の紙容器本体1aか形成される。頂面2にはジュース等の内容液を注出するための円形の開口予定部5が形成され、この開口予定部5を覆って樹脂製の開封再栓装置6を取付ける。
【0018】
開封再栓装置6は平面視略矩形状で本体部7の天面8が幅W、長さSで四隅を弧状に形成される。底面9は天面8と平行で、天面8と底面9間の厚さTである。本体部7に開口予定部5と同芯で前記差込プラグの差込口を兼ねる円筒状の注出口10が頂面8から底面9を貫通して形成される。
【0019】
開口予定部5を開封及び再栓するための差込プラグ11を着脱自在に水平に保持する保持部12を本体部7に備える。より詳しくは、この保持部12は本体部7の一端部7aを天面8側に薄肉部8aを残して底面9まで略弧状に抉って形成される。さらに、薄肉部8aの先端部は差込プラグ11を保持部12内に安定して保持するため突起部8bが形成される。一方、本体部7の他端部7bは天面8から底面9に亘って注出口10に向かって傾斜部7cが形成される。
【0020】
差込プラグ11は開封のための挿入部11aと、挿入部11aを押込むための把持部11bとから成る。挿入部11aは断面円形状でその直径Dは開口予定部5の直径D1と同じで、先端部11cは開封容易とするためα=略45度の傾斜を備える。
【0021】
把持部11bは矩形板状で幅D2は直径Dより大きく、注出口10の内径D3は挿入部11aを挿入容易とするため直径Dより僅かに大きい。挿入した差込プラグ11を注出口10に安定して嵌合保持するため、差込プラグ11に環状の凸部11dと注出口10に環状の凹部10aがそれぞれ一組形成される。
【0022】
本体部7の一端部7aから他端部bに至って天面8にカバー13を備え、このカバー13は他端部7bを覆うように折曲げ部13bが形成される。このため、内容液を注ぐ側である他端部7bを使用時まで埃等を避けて保護できるので衛生性が向上する。
【0023】
図4に示すように、帯状の包材15には紙容器本体1aを成型容易とするための複数の折り目18が形成される。より詳しくは、紙容器一個分に該当する領域Cにおいて、縦方向の折り目16a、16b、16c、16d、横方向の折り目17a、17b、17c、17d、斜め方向の8本の折り目18が形成される。上記、紙容器本体1aの正面4a側の頂面2に該当する領域に内容液を注ぐための円形の開口予定部5が形成される。
【0024】
図5に示すように、包材15の構成は、外側から内側にかけて順に、外側層15a、紙基材15b、接着層15c、バリヤー層15d、二層の内側層15eから成り、紙基材15bの外側面にデザイン等15fが予め印刷される。外側層15a、内側層15eは低密度ポリエチレン樹脂、接着層15cはポリエチレン或いはエチレン共重合体等の樹脂、バリヤー層15dはアルミ箔等で形成される。開口予定部5は開口容易とするために紙基材15bが円形状に切り抜かれる。
【0025】
「開封再栓装置付き紙容器の製造工程の説明」
図示しない充填機において、帯状包材15を下方に搬送しながら両端部を重ねて筒状に縦線シールして、内容液を充填した後に、横線シールして紙容器一個分に該当する領域Eを切離して原型容器を形成する。そして、縦方向の折り目16a、16b、16c、16d、横方向の折り目17a、17b、17d、17e、及び斜め方向の複数の折り目18を折り曲げて、矩形の頂面2と底面3と四側面4から成る外観直方体形状の紙容器本体1aが連続形成される。
【0026】
開封再栓装置6を紙容器本体1aの頂面2に取付ける方法は、図示しない装置で底面9をマイクロフレーム等で溶融し、頂面2の開口予定部5に芯合わせして固着する。
【0027】
<紙容器の開封再栓装置の作用>
上記、差込プラグ11は開封のための挿入部11aと、挿入部11aを押込むための把持部11bとから成り、挿入部11aは断面円形状でその直径Dは開口予定部5の直径D1と同じで、その先端部11cは開封容易とするためα=略45度の傾斜を備える。
【0028】
このため、図6.図7に示すように、差込プラグ11を注出口10に押込むと容易に開口予定部5を突刺して開口部5aを形成することができる。さらに差込プラグ11を押込みむと、差込プラグ11の凸部11dと注出口10の凹部10aが嵌合して差込プラグ11が注出口10内で安定して保持される。
【0029】
図8に示すように、内容液を注出口10から注出するときには差込プラグ11を注出口10から引抜いて本体部6の保持部12に収納できるので使用勝手に優れ便利である。そして、紙容器1を傾斜すると、内容液は矢印Kに示すように注出口10から容易に注出することができる。このとき、上記、本体部7の他端部7bは天面8から底面9に亘って注出口10に向かって傾斜部7cが形成されるので内容液は本体部7に沿って液垂れすることなく流出するので衛生性が向上する。
【0030】
所望の内容液を注出した後に再栓する場合には、差込プラグ11を再び注出口10に押込んで図7の状態に戻すと、差込プラグ11の凸部11dと注出口10の凹部10aが嵌合することに加えて、挿入部11aの直径Dは紙容器1の開口部5の直径D1と同じなので、差込プラグ11によって開封された開口部5を確実に簡易密封することができる。このため、利便性に優れ、内容液の注出口10からの漏れを確実に防止できる。
【0031】
<本発明の第二の実施形態>
本発明の第二の実施形態を図9、図10に基づいて説明するが、図2、図3、図6、図7と同様の構成に関しては同符号を用いて重複する説明を省く。
【0032】
図9、図10に示すように、差込プラグ14と注出口10にそれぞれ雄螺子Pと雌螺子Qが形成されるので、差込プラグ14をS方向に回転すると差込プラグ14は注出口10と螺合して容易に下降する。
【0033】
差込プラグ14が下降すると、開封突起11cは略45度の傾斜を備えるので開口予定部5を回転しながら突刺して容易に開封部5aを形成することができる。この状態で、差込プラグ14と注出口10は雄螺子Pと雌螺子Qが嵌合して確実に簡易密閉できる。そして、差込プラグ14を外して注出口10から内容液を注出できる。
【0034】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0035】
たとえば、開封再栓装置6の平面視形状は、他端部7bが注出口10を囲むように円形状にして一端部7aと連結すると平面視略三角形状に成り、開封再栓装置6の形状の種類を増やすことができる。カバー13の領域は注出口10だけを覆うように範囲限定することもできる。開封突起11aの先端部11cは円錐状に形成しても良い。差込プラグ11の環状の凸部11cと注出口10の凹部10aは複数組形成しても良い。差込プラグ14の回転方向Sは右回転で下降する構成でも構わない。開封再栓装置6は、頂面が屋根状の紙容器や、底面と複数の側面で形成された各原型容器に内容液を充填した後で頂面を密封形成する方法の紙容器に対しても適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
この発明は、流動性食品を包装充填する包装容器の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1a 紙容器本体
2 頂面
5 開口予定部
6 開封再栓装置
7 本体部
8 天面
9 底面
10 注出口
10a 凹部
11 差込プラグ
11a 挿入部
11b 把持部
11c 先端部
11d 凸部
12 保持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙基材を折り曲げて頂面と底面と複数の側面を形成して成る紙容器本体に備える紙容器の開封再栓装置であって、
前記開封再栓装置は前記頂面に形成された内容液注出用の開口予定部を覆って前記頂面に固着される本体部と、前記開口予定部を開封及び再栓する差込プラグとから成り、前記本体部の外縁部に前記差込プラグを着脱自在に保持する保持部を備える一方、前記本体部に前記開口予定部と同芯で内容液の注出口が前記差込プラグの差込口を兼ねて形成されることを特徴とする紙容器の開封再栓装置。
【請求項2】
請求項1に記載の紙容器の開封再栓装置であって、前記本体部に前記注出口を覆うカバーを備えることを特徴とする紙容器の開封再栓装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の紙容器の開封再栓装置であって、前記差込プラグを前記注出口に挿入し前記開口予定部を開封した状態で前記注出口と前記差込プラグは互いに係合する環状の凹部と凸部をそれぞれ備えることを特徴とする紙容器の開封再栓装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の紙容器の開封再栓装置であって、前記注出口と前記差込プラグは互いに螺合することを特徴とする紙容器の開封再栓装置。
【請求項1】
紙基材を折り曲げて頂面と底面と複数の側面を形成して成る紙容器本体に備える紙容器の開封再栓装置であって、
前記開封再栓装置は前記頂面に形成された内容液注出用の開口予定部を覆って前記頂面に固着される本体部と、前記開口予定部を開封及び再栓する差込プラグとから成り、前記本体部の外縁部に前記差込プラグを着脱自在に保持する保持部を備える一方、前記本体部に前記開口予定部と同芯で内容液の注出口が前記差込プラグの差込口を兼ねて形成されることを特徴とする紙容器の開封再栓装置。
【請求項2】
請求項1に記載の紙容器の開封再栓装置であって、前記本体部に前記注出口を覆うカバーを備えることを特徴とする紙容器の開封再栓装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の紙容器の開封再栓装置であって、前記差込プラグを前記注出口に挿入し前記開口予定部を開封した状態で前記注出口と前記差込プラグは互いに係合する環状の凹部と凸部をそれぞれ備えることを特徴とする紙容器の開封再栓装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の紙容器の開封再栓装置であって、前記注出口と前記差込プラグは互いに螺合することを特徴とする紙容器の開封再栓装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−20773(P2012−20773A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161024(P2010−161024)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]