紙容器用ブランクと紙容器
【課題】側面板の側辺の折り部の容器本体上面位置の部分と第二側面板の側辺の折り部の容器本体上面位置の部分とを対応させるに際して、ブランクでの折り込み接合板と第二折り込み接合板との間で適切に折り曲げて、第一集合点で微細な透孔が生じるのを防ぎ、その透孔から融けた内容物が容器外に漏れ出ないようにする。
【解決手段】二枚の折り込み接合板121、141の間で山折りする折り位置に、ブランクの容器内面側となる片面で凸としてなる片罫線19を設けて、二枚の折り込み接合板121、141の間の折り部18を片罫線19で折り曲げてなるものとした。
【解決手段】二枚の折り込み接合板121、141の間で山折りする折り位置に、ブランクの容器内面側となる片面で凸としてなる片罫線19を設けて、二枚の折り込み接合板121、141の間の折り部18を片罫線19で折り曲げてなるものとした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍食品、粉末物等の包装に使用される紙容器を得るためのブランクとそのブランクを組み起こした上面開放の紙容器、そして蓋板で閉じた紙容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に開示されているような形状をした一枚のブランクから上面開口としたトレー状のフランジ付き紙容器があり、これに紙製の蓋板を被せてその蓋板周辺とフランジとをヒートシールすることで、冷凍食品等の包装用として使用されている。
【0003】
図6に示すようにフランジ付きの紙容器1を組み上げることのできるブランクは、方形の底面板11の相対向する二側辺にそれぞれ山折り線を介して側面板12が連接され、前記側面板12の底面板11とは反対側となる外辺には、谷折り線を介して縁片13が連接され、その縁片13の左右端(縁片の長さ方向に対向する端部)にはそれぞれ横方向(縁片の長さ方向)に延びる舌片131が設けられている。前記側面板12の左右側辺(側面板の幅方向に対向する辺)には、それぞれ山折り線を介して逆三角形状の折り込み接合板121が連接され、前記折り込み接合板121の底面板11とは反対側となる外辺には、谷折り線を介して接合縁片122が連接されていて、この接合縁片122は切り込みを介した状態で舌片131と同一平面を形成している(図7)。
【0004】
上記山折り線及び谷折り線は折り位置を示しているものであって、図面において一点鎖線として表わしている。山折り線は紙容器を組み上げるときに容器外方向に向けて折り角が立つように凸に折曲される部分である。また、谷折り線は前記山折り線の位置の折り方向とは逆方向に折り曲げる部分であり、ブランクでの容器内面側となる片面が折り角として立って凸となる折り曲げが行なわれる。山折り線と谷折り線との位置には、押罫(刃状の板材)を配した抜型で原紙からブランクを抜く際に前記押罫を当てて罫線(折り罫)17を設けている。この罫線は、従来から知られているように、前記抜型に配された押罫がブランクの容器外面側となる片面に当たって雌型の対応位置に受け溝に押し込むようにすることで形成されるもので、罫線の断面は略円弧状となっている。
【0005】
図では山折り線及び谷折り線の位置の前記罫線を幅有りの線状に記載しているが、手持ちできる程度の大きさの紙容器を得るための本ブランクでは、山折り線と谷折り線との位置に設けられる罫線は、共にブランクの容器内面側となる片面に凸となる略円弧状の断面形状であり、押罫を当てて容器外面側となる片面で凹溝状となっている部分は0.1mm〜0.7mm程度の幅を有している。なお、図にあっては、一点鎖線表示された山折り線及び谷折り線に対して、実際には細幅である罫線17がより明確に把握できるようにすべく太幅として表わされ、前記山折り線及び谷折り線に重なる位置関係にして図示されている。
【0006】
接合縁片122と舌片131とを分ける切り込みの切り込み端は、側面板12の側辺の山折り線と側面板12の外辺の谷折り線とが集合してなる第一集合点A(折り込み接合板121の外辺の谷折り線もこの第一集合点Aに集合するようにブランクに対して罫線入れされている)まで達しており、この切り込みによって、舌片131は、後述するように製函時に前記接合縁片122と折り込み接合板121とから分離する。
【0007】
また、底面板11の他の相対向する二側辺には、それぞれ山折り線を介して第二側面板14が連接され、第二側面板14の底面板11とは反対側の外辺には、谷折り線を介して第二縁片15が連接され、その第二縁片15の左右端(第二縁片の長手方向に対向する端部)には、それぞれ横方向(第二縁片の長手方向)に延びる第二舌片151が設けられている。前記第二側面板14の左右側辺(第二側面板の幅方向に対向する辺)には、それぞれ谷折り線を介して逆三角形状の第二折り込み接合板141が連接されている。
【0008】
さらに底面板11の周方向で隣り合う側面板12と第二側面板14との間に位置する前記折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とについては、その折り込み接合板121の側面板12とは反対側の側辺と、第二折り込み接合板141の第二側面板14とは反対側の側辺とが、山折り線を介して連接されている。即ち、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とが並び設けられていて、その間を山折り線としている。折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とは底面板側の角度が同じであり、この二枚の折り込み接合板同士は重ね合わせる部分での形状は山折り線を間にして対称としている。そして、上記第二舌片151での第二折り込み接合板141側の端縁には、第二折り込み接合板141側に突出する小突起152が設けられていて、小突起152と第二折り込み接合板141とは切り込みを介して同一平面を形成するようにしている(図6)。
【0009】
小突起152と第二折り込み接合板141との間の切り込みは、後述するようにこの小突起152が、舌片131側の上記第一集合点A(上記舌片131の切り込み端が位置している個所)に対応してこの第一集合点Aを覆うことができる形状とするために、第二側面板14の側辺の谷折り線と第二側面板14の外辺の谷折り線とが集合してなる第二集合点Bより底面板11側に寄っており、その切り込み端は、第二側面板14の側辺の前記谷折り線で折り曲がる部分まで達している。
【0010】
上記ブランクからフランジ付き紙容器を得るには、底面板11の山折り線の位置を山折りして側面板12と第二側面板14とを折り起こしてトレー状とし、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とはこの折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間の山折り線の位置で山折りして重ね合わせて内面同士を相対させている。また、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とを重ね合わせる過程で、第二折り込み接合板141が第二側面板14の外面に相対するようにしてこの第二側面板14側に折り曲げて重ね合わせ(図8、図9参照)、縁片13、第二縁片15、接合縁片122をそれぞれ谷折りして、前記重ね合わされた折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との第二側面板14への重ね合わせにより前記接合縁片122の上面と前記第二縁片15の下面とが相対するようになり、この接合縁片122の上面と前記第二縁片15の下面とが接着され、また側面板12と第二側面板14とを折り起こして相互の側辺同士を揃えるようにすることにより前記舌片131の上面と第二舌片151の下面とが相対し、この舌片131の上面と第二舌片151の下面とを接着させていて、このようにして上面が開口部とされたトレー状の紙容器が組み上げられている(図8、図9)。図示したブランクを構成する包材はその両面がヒートシール性を備える熱可塑性樹脂層であって、前述した接着は製函時におけるヒートシールを伴なった圧着によるものである。
【0011】
製函された紙容器は、底面板11と四方の側面板12、第二側面板14とで上面を開口部とする上開きのテーパー形状とする収容部が形成され、開口部の周囲には、前記側面板12の外辺と第二側面板14の外辺から谷折りされた縁片13と第二縁片15とが位置して、縁片13の舌片131の上面に第二縁片15が位置して上述のように接着されることで前記縁片13と第二縁片15とが連続してなるフランジ16が形成されている。
【0012】
第二舌片151から突出する形状とした上記小突起152が設けられた目的は以下の理由によるものである。即ち、このブランクからなる紙容器において、第一集合点Aに舌片131の切り込み下端が達していて、紙容器形態での第一集合点Aで微細な透孔が生じ易い構造となっている。そして、ブランクの組み起こしに際して、前記第一集合点Aの部分に第二集合点Bの部分が適切な当接状態で重なるようになれば、第一集合点Aの部分での微細な透孔は確実に潰れて液体の通りが不能となるが、この小突起152を、縁片13と側面板12との間の谷折り線の端部に跨るようにして、収容物を充填して蓋板を取り付けた後に第一集合点Aでの微細な透孔から収容物が外部に漏れ出るのをより一層抑止することであった。
【0013】
なお、ブランクに使用する材料は、一般的に紙箱用として使用されるコートボール、コートマニラ、アイボリーなどの板紙で良いが、収容物が冷凍食品等の水分を多く含むものの場合には、板紙の少なくとも内面にポリエチレン樹脂を溶融押出し法により塗布したポリエチレン加工紙が好ましく使用できる。トレーに組み立てた時、ポリエチレンが接合に有利であることを考慮すると、ブランクの両面にポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂が塗布されている加工紙を使用することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第3687396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、製函機でフランジ付き紙容器が組み立てられる際、底面板11の周辺の側面板12と第二側面板14との折り起こしと、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との重ね合わせと、前記折り込み接合板121と第二折り込み接合板141の第二側面板14の外面側への折り曲げが行なわれる過程で、図10で示すように側面板12の側辺の山折りする折り部18の内面側に、罫線17の凸部が山折りによって更に嵩高となって盛り上がり17aを生じさせながら折り曲げられる。
【0016】
しかしながら、盛り上がり17aの部分は押罫が当たっていたことで変形し易くなっている個所ではあるものの、その盛り上がり17aの頂部には溝状の折り筋が入らないことから、盛り上がり17a自体が180度の折り曲げに際して障害となって、図15(イ)(ロ)に示すように組み上げる紙容器ごとに、盛り上がり17aの位置が、折り部18の内面側で僅かながらもずれるようになり、山折りの位置が明確には定まらない状態で折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とが重ね合わされる場合がある。
【0017】
そして、ブランクが組み起こされる過程で、第二側面板14の側辺の谷折りしてなる折り部18は、側面板12の側辺の山折りしてなる折り部18の内面側に向けて入り込むように移動するが、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間の上記折り部18の折り曲げ位置が適正位置からずれて、側面板12の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分と、第二側面板14の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分とが離れた状態で製函されることがある(図12、図13)。
【0018】
このように側面板12の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分(即ち、第一集合点Aの部分)に対して、第二側面板14の側辺の位置で谷折りしてなる折り部18の容器本体上面位置側の部分(第二集合点Bの部分)の当接が適正に行なわれないと、第一集合点Aの部分で微細な透孔の発生を抑えることが確実とはならない。加えて、上記小突起152が第一集合点Aの部分から浮いて離れた状態となってしまい、この小突起152がその役割を何ら果たさなくなるという不都合が発生していた。
【0019】
そこで本発明は上記事情に鑑み、側面板の側辺の折り部の容器本体上面位置の部分と第二側面板の側辺の折り部の容器本体上面位置の部分とを対応させるに際して、ブランクでの折り込み接合板と第二折り込み接合板との間で適切に折り曲げが行なわれることを課題とし、上記第一集合点で微細な透孔が生じるのを防ぎ、その透孔から融けた内容物が容器外に漏れ出ないようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
(請求項1)
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、方形の底面板の四方の側辺それぞれに側面板が連接され、前記底面板の周方向で隣り合う側面板の間それぞれに逆三角形状にした二枚の折り込み接合板が並び設けられていて、隣り合う前記二枚の折り込み接合板が連接されているとともに、隣り合う側面板と折り込み接合板とが連接され、
前記底面板の側辺を折り位置にした山折りにより前記側面板を折り起こし、隣り合う折り込み接合板の間を折り位置にした山折りにより前記隣り合う折り込み接合板同士を重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の折り込み接合板を、前記隣り合う側面板の内の一方の側面板の容器外面側となる片面に折り曲げて重ね合わせ、折り起こされた前記側面板により四方が囲まれて容器本体上面が開放されてなる紙容器が形成されるように設けられている紙容器用ブランクにおいて、
前記二枚の折り込み接合板の間で山折りする折り位置に、ブランクの容器内面側となる片面で凸としてなる片罫線が設けられていることを特徴とする紙容器用ブランクを提供して、上記課題を解消するものである。
【0021】
(請求項2)
また、もう一つの発明は、方形の底面板の四方の側辺それぞれに側面板が連接され、前記底面板の周方向で隣り合う側面板の間それぞれに逆三角形状にした二枚の折り込み接合板が並び設けられていて、隣り合う前記二枚の折り込み接合板が連接されているとともに、隣り合う側面板と折り込み接合板とが連接された紙容器用ブランクからなり、
前記ブランクの前記底面板の側辺を折り位置にした山折りにより前記側面板を折り起こし、隣り合う折り込み接合板の間を折り位置にした山折りにより前記隣り合う折り込み接合板同士を重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の折り込み接合板を、前記隣り合う側面板の内の一方の側面板の容器外面側となる片面に折り曲げて重ね合わせ、折り起こされた前記側面板により四方が囲まれて容器本体上面が開放されてなる紙容器において、
前記ブランクにおける二枚の折り込み接合板の間で山折りする折り位置に、ブランクの容器内面側となる片面で凸としてなる片罫線が設けられていて、前記二枚の折り込み接合板の間の山折りしてなる折り部は、前記片罫線が折曲されてなるものであることを特徴とする紙容器であり、この紙容器を提供して上記課題を解消するものである。
【0022】
(請求項3)
また、もう一つの発明は、上記紙容器における開放されている容器本体上面を蓋板で覆ったことを特徴とする紙容器であり、この紙容器を提供して上記課題を解消するものである。
【発明の効果】
【0023】
(請求項1の発明の効果)
請求項1の発明によれば、ブランクの折り込み接合板と第二折り込み接合板との間で山折りする個所に片罫線が入れられているので、このブランクを組み起こして前記折り込み接合板と第二折り込み接合板とを重ね合わせる際に片罫線の位置で適正に折り曲げられるようになる。そのため、側面板の側辺の山折りしてなる折り部の内面側に第二側面板の側辺の谷折りしてなる折り部が適正に当接して、側面板の側辺の前記折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺の前記折り部の容器本体上面位置側の部分とが離れずに接した状態の紙容器が得られる。よって、上記第一集合点Aの部分に仮に微細な透孔が生じていたとしても第二集合点Bの部分の重ね合わせでその透孔を塞いだり透孔を潰すなどして、透孔から容器外に液体の漏れ出しが防止できる紙容器が得られる。
【0024】
ここで、罫線と片罫線の違いを説明する。図14は罫線の作成を示していて、原反からブランクを抜く抜き型aにはそのブランクに対して罫線を入れる位置となる部分に押罫bが設けられており、また雌型cには前記押罫bに対応する位置に溝dが形成されている。そして、抜き型aと雌型cとの間に原反を配して抜き形成されるブランクeにはその抜きと同時に押罫bがブランクeを溝dに向けて押し込む。これによって断面略円弧状の罫線fが形成される。図において符号gはムラ取り鉄板、符号hは合板、符号iはカウンタープレート、符号jはプレスボードを示す。
【0025】
また、図15は片罫線の作成を示していて、抜き型aには罫線を入れる位置となる部分に押罫bが設けられており、一方、雌型cにおいては、押罫bが降りる位置の両側にプレスボードjを位置させずに、片側のみにプレスボードjを位置させている。そして、抜き型aと雌型cとの間に原反を配して抜き形成されるブランクeに前記押罫bを押し込み、これによって断面が段付きとなる片罫線kが形成される。
【0026】
そして、罫線fと片罫線kとで折り曲がりが生じる個所はそれぞれ押罫先端と雌型とで挟み込んだ部分lであり、片罫線kの方が山折りする際に前記部分lで溝状の折り筋が生じてその部分lから正確に折り曲げができる特質がある。
【0027】
(請求項2の発明の効果)
請求項2の発明によれば、折り込み接合板と第二折り込み接合板との間を山折りしてなる折り部が片罫線を折り曲げてなるものであるため、折り曲げ位置が正確である。そのため、紙容器において、側面板の側辺の山折りした折り部の内面側に第二側面板の側辺の谷折りした折り部が適正に当接した状態となっており、側面板の側辺の前記折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺の前記折り部の容器本体上面位置側の部分とが離れずに接した紙容器となっている。よって、上記第一集合点Aの部分に仮に微細な透孔が生じていたとしても第二集合点Bの部分の重ね合わせでその透孔を塞いだり透孔を潰すなどして、透孔から容器外に液体の漏れ出しが防止できる紙容器が得られる。
【0028】
(請求項3の発明の効果)
請求項3の発明によれば、同じく折り込み接合板と第二折り込み接合板との間を山折りしてなる折り部が片罫線を折り曲げてなるものであるため、折り曲げ位置が正確である。そのため、紙容器において、側面板の側辺の山折りした折り部の内面側に第二側面板の側辺の谷折りした折り部が適正に当接した状態となっており、側面板の側辺の前記折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺の前記折り部の容器本体上面位置側の部分とが離れずに接した紙容器となっている。よって、上記第一集合点Aの部分に仮に微細な透孔が生じていたとしても第二集合点Bの部分の重ね合わせでその透孔を塞いだり透孔を潰すなどして、透孔から容器外に液体の漏れ出しが防止できる紙容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る紙容器用ブランクの実施の形態を示す説明図である。
【図2】紙容器用ブランクの実施の形態の要部を拡大して示す説明図である。
【図3】ブランクから紙容器を組み起こす状態を示す説明図である。
【図4】ブランクから紙容器を組み起こす状態での折り込み接合板と第二折り込み接合板との山折りを示す説明図である。
【図5】紙容器の実施の形態を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図6】従来の形態をブランクで示す説明図である。
【図7】従来の形態における折り込み接合板と第二折り込み接合板とを拡大して示す説明図である。
【図8】従来の紙容器を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図9】従来の紙容器を斜め下方から見た状態で示す説明図である。
【図10】従来のブランクにおける折り込み接合板と第二折り込み接合板との重ね合わせを示す説明図である。
【図11】従来のブランクにおける折り込み接合板と第二折り込み接合板との間の折り部を断面で示す説明図である。
【図12】従来の紙容器における側面板側辺の折り部と第二側面板側辺の折り部との離れを示す説明図である。
【図13】同じく従来の紙容器における側面板側辺の折り部と第二側面板側辺の折り部との離れを断面で示す説明図である。
【図14】罫線の形成を示す説明図である。
【図15】片罫線の形成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
つぎに本発明を図1から図5に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。なお、図6から図13に示す従来の技術を構成が重複する部分は同符号を付してその説明を省略する。
【0031】
(紙容器用ブランク)
本発明のフランジ付きの紙容器1を得るブランクにおいては、隣り合って連接されている折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間の折り位置周りにおける構成が従来の技術と異なっている。上述したように折り込み接合板121の側面板12とは反対側の側辺と第二折り込み接合板141の第二側面板14とは反対側の側辺とが連続していて、この折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とで共通する前記側辺の位置に片罫線19が設けられていて、この片罫線19から山折りすることで折り込み接合板121と第二接合板141とを重ね合わせることができるように設けられている。
【0032】
上記片罫線19は、他の部位の罫線17と同様にブランクの抜きに際して押罫をブランクの容器外方側となる面から押し当ててそのブランクの容器内方側に向けて凸となるようにしたものであり、前記罫線17が断面略円弧状の断面としているのに対して片罫線19にあっては、上述したように押罫の降り位置の近傍における片側にのみブレスボードを配置して、断面が段付き形状となるようにしたものである。また、このブランクへの罫線入れに際し、雌型での第二折り込み接合板141に対応する部分にブレスボードを配置しないようにしており、図示されているように第二側面板14の谷折りする側辺についても片罫線19が設けられている。
【0033】
なお、本実施の形態であるブランクを表現している図1と図2において、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間の山折りする折り位置と、第二側面板14の側辺の谷折りする折り位置とが一点鎖線で示されている。そして、手持ちサイズ容器のためのブランクに入れる実際の片罫線は細幅であるが、片罫線自体を明確にする表現にて図1と図2に図示されており、上記プレスボードjのエッヂで生じる縁を実線とし、片罫線19の折れが生じる位置を前記折り位置として示した。
【0034】
このようにブランクにおいて折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間に片罫線19が設けられているので、ブランクから紙容器を製函する際の前記折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間を山折りするときに片罫線19の位置で適正に折り曲げられるようになる。そして、側面板12の側辺の山折りした折り部18の内面側に第二側面板14の側辺の谷折りした折り部18が対応して接触し合うようになり、側面板12の側辺の折り部18での容器本体上面位置側の部分と第二側面板14の側辺の折り部18での容器本体上面位置側の部分とが離れないようになる。そのため、上記第一集合点Aの部分に第二集合点Bの部分が適正に重なっていて、前記第一集合点Aにおいて仮に微細な透孔が生じていたとしても第二集合点Bの部分が重なることで、その透孔が塞がれるようになる。また、第二舌片151の端部にある上記小突起152も第一集合点Aの直近の位置で側面板12の外辺側の罫線端部に跨る形で重なることができ、前記透孔からの液体の漏れ出しを抑止する上で効果があるものとなる。
【0035】
(紙容器)
ブランクからフランジ付き紙容器1を得るための組立ては先に従来例のものと同じであってつぎのようにして製函機にて行う。側面板12、第二側面板14を折り曲げてトレー状に組み立てながら、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141の内面同士を接合するように重ね合わせる(図3、図4参照)。折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とは重ね合わせを進めると同時に第二側面板14側に折り曲げられる。
【0036】
これと共に縁片13、第二縁片15、接合縁片122がそれぞれ谷折りされ、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との前記第二側面板14へ折り曲げた重ね合わせにより接合縁片122の上面とこの上に重なっている第二縁片15の下面とが相対し、この相対する接合縁片122と第二縁片15とをヒートシールするとともに、側面板12と第二側面板14との折り曲げにより前記舌片131の上面と第二舌片151の下面とが相対していて、この舌片131と第二舌片151とをヒートシールして、前記縁片13と第二縁片15とが連続してなるフランジ16が形成されて、フランジ付きの形態となる紙容器1が組み上がる(図5参照)。
【0037】
上述のようにして製函されて本体上面が開放されている紙容器1において、重ね合わせた折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間の折り部18は、上述したように片罫線19の位置で山折りしてなるものであるため、罫線17で山折りした場合に比べて折り位置がより正確になり、側面板12の側辺の山折りした折り部18の内面側に第二側面板14の側辺の谷折りした折り部18が入り込んで、側面板12の側辺の折り部18での容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺の折り部18での容器本体上面位置側の部分とが離れない紙容器1となっている。
【0038】
そのため、上述したように第一集合点Aの部分に第二集合点Bの部分が適正に重なっていて、第一集合点Aにおいて仮に微細な透孔が生じていたとしても第二集合点Bの部分が重なることでその透孔が塞がれるようになる。また、第二舌片151の端部にある上記小突起152も第一集合点Aの直近の位置で側面板12の外辺側の罫線端部に跨る形で重なることができ、前記透孔からの液体の漏れ出しを抑止する上で効果があるものとなる。
【0039】
上述の構成の紙容器1に対してアイスクリームなどの氷菓材料を充填し、紙板材からなる蓋板20を被せ付けて蓋板20の周辺と上記フランジ16とをヒートシールにより接着することで、収容部を蓋板で封止した紙容器となる。この紙容器を用いた氷菓の商品は冷凍して流通段階を経て販売されるものとなる。
【0040】
そして、一般消費者がこの商品を購入して運ぶ際に収容物の一部が融けて、さらに紙容器が上下逆さまになっても、重ね合わされた折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間の折り部18について上述の構成となっていることから、融けた液体の漏れ出しを防止できる。
【符号の説明】
【0041】
1…フランジ付き紙容器
11…底面板
12…側面板 121…折り込み接合板
14…第二側面板 141…第二折り込み接合板
152…小突起
16…フランジ
17…罫線
18…折り部
19…片罫線
20…蓋板
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍食品、粉末物等の包装に使用される紙容器を得るためのブランクとそのブランクを組み起こした上面開放の紙容器、そして蓋板で閉じた紙容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に開示されているような形状をした一枚のブランクから上面開口としたトレー状のフランジ付き紙容器があり、これに紙製の蓋板を被せてその蓋板周辺とフランジとをヒートシールすることで、冷凍食品等の包装用として使用されている。
【0003】
図6に示すようにフランジ付きの紙容器1を組み上げることのできるブランクは、方形の底面板11の相対向する二側辺にそれぞれ山折り線を介して側面板12が連接され、前記側面板12の底面板11とは反対側となる外辺には、谷折り線を介して縁片13が連接され、その縁片13の左右端(縁片の長さ方向に対向する端部)にはそれぞれ横方向(縁片の長さ方向)に延びる舌片131が設けられている。前記側面板12の左右側辺(側面板の幅方向に対向する辺)には、それぞれ山折り線を介して逆三角形状の折り込み接合板121が連接され、前記折り込み接合板121の底面板11とは反対側となる外辺には、谷折り線を介して接合縁片122が連接されていて、この接合縁片122は切り込みを介した状態で舌片131と同一平面を形成している(図7)。
【0004】
上記山折り線及び谷折り線は折り位置を示しているものであって、図面において一点鎖線として表わしている。山折り線は紙容器を組み上げるときに容器外方向に向けて折り角が立つように凸に折曲される部分である。また、谷折り線は前記山折り線の位置の折り方向とは逆方向に折り曲げる部分であり、ブランクでの容器内面側となる片面が折り角として立って凸となる折り曲げが行なわれる。山折り線と谷折り線との位置には、押罫(刃状の板材)を配した抜型で原紙からブランクを抜く際に前記押罫を当てて罫線(折り罫)17を設けている。この罫線は、従来から知られているように、前記抜型に配された押罫がブランクの容器外面側となる片面に当たって雌型の対応位置に受け溝に押し込むようにすることで形成されるもので、罫線の断面は略円弧状となっている。
【0005】
図では山折り線及び谷折り線の位置の前記罫線を幅有りの線状に記載しているが、手持ちできる程度の大きさの紙容器を得るための本ブランクでは、山折り線と谷折り線との位置に設けられる罫線は、共にブランクの容器内面側となる片面に凸となる略円弧状の断面形状であり、押罫を当てて容器外面側となる片面で凹溝状となっている部分は0.1mm〜0.7mm程度の幅を有している。なお、図にあっては、一点鎖線表示された山折り線及び谷折り線に対して、実際には細幅である罫線17がより明確に把握できるようにすべく太幅として表わされ、前記山折り線及び谷折り線に重なる位置関係にして図示されている。
【0006】
接合縁片122と舌片131とを分ける切り込みの切り込み端は、側面板12の側辺の山折り線と側面板12の外辺の谷折り線とが集合してなる第一集合点A(折り込み接合板121の外辺の谷折り線もこの第一集合点Aに集合するようにブランクに対して罫線入れされている)まで達しており、この切り込みによって、舌片131は、後述するように製函時に前記接合縁片122と折り込み接合板121とから分離する。
【0007】
また、底面板11の他の相対向する二側辺には、それぞれ山折り線を介して第二側面板14が連接され、第二側面板14の底面板11とは反対側の外辺には、谷折り線を介して第二縁片15が連接され、その第二縁片15の左右端(第二縁片の長手方向に対向する端部)には、それぞれ横方向(第二縁片の長手方向)に延びる第二舌片151が設けられている。前記第二側面板14の左右側辺(第二側面板の幅方向に対向する辺)には、それぞれ谷折り線を介して逆三角形状の第二折り込み接合板141が連接されている。
【0008】
さらに底面板11の周方向で隣り合う側面板12と第二側面板14との間に位置する前記折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とについては、その折り込み接合板121の側面板12とは反対側の側辺と、第二折り込み接合板141の第二側面板14とは反対側の側辺とが、山折り線を介して連接されている。即ち、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とが並び設けられていて、その間を山折り線としている。折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とは底面板側の角度が同じであり、この二枚の折り込み接合板同士は重ね合わせる部分での形状は山折り線を間にして対称としている。そして、上記第二舌片151での第二折り込み接合板141側の端縁には、第二折り込み接合板141側に突出する小突起152が設けられていて、小突起152と第二折り込み接合板141とは切り込みを介して同一平面を形成するようにしている(図6)。
【0009】
小突起152と第二折り込み接合板141との間の切り込みは、後述するようにこの小突起152が、舌片131側の上記第一集合点A(上記舌片131の切り込み端が位置している個所)に対応してこの第一集合点Aを覆うことができる形状とするために、第二側面板14の側辺の谷折り線と第二側面板14の外辺の谷折り線とが集合してなる第二集合点Bより底面板11側に寄っており、その切り込み端は、第二側面板14の側辺の前記谷折り線で折り曲がる部分まで達している。
【0010】
上記ブランクからフランジ付き紙容器を得るには、底面板11の山折り線の位置を山折りして側面板12と第二側面板14とを折り起こしてトレー状とし、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とはこの折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間の山折り線の位置で山折りして重ね合わせて内面同士を相対させている。また、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とを重ね合わせる過程で、第二折り込み接合板141が第二側面板14の外面に相対するようにしてこの第二側面板14側に折り曲げて重ね合わせ(図8、図9参照)、縁片13、第二縁片15、接合縁片122をそれぞれ谷折りして、前記重ね合わされた折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との第二側面板14への重ね合わせにより前記接合縁片122の上面と前記第二縁片15の下面とが相対するようになり、この接合縁片122の上面と前記第二縁片15の下面とが接着され、また側面板12と第二側面板14とを折り起こして相互の側辺同士を揃えるようにすることにより前記舌片131の上面と第二舌片151の下面とが相対し、この舌片131の上面と第二舌片151の下面とを接着させていて、このようにして上面が開口部とされたトレー状の紙容器が組み上げられている(図8、図9)。図示したブランクを構成する包材はその両面がヒートシール性を備える熱可塑性樹脂層であって、前述した接着は製函時におけるヒートシールを伴なった圧着によるものである。
【0011】
製函された紙容器は、底面板11と四方の側面板12、第二側面板14とで上面を開口部とする上開きのテーパー形状とする収容部が形成され、開口部の周囲には、前記側面板12の外辺と第二側面板14の外辺から谷折りされた縁片13と第二縁片15とが位置して、縁片13の舌片131の上面に第二縁片15が位置して上述のように接着されることで前記縁片13と第二縁片15とが連続してなるフランジ16が形成されている。
【0012】
第二舌片151から突出する形状とした上記小突起152が設けられた目的は以下の理由によるものである。即ち、このブランクからなる紙容器において、第一集合点Aに舌片131の切り込み下端が達していて、紙容器形態での第一集合点Aで微細な透孔が生じ易い構造となっている。そして、ブランクの組み起こしに際して、前記第一集合点Aの部分に第二集合点Bの部分が適切な当接状態で重なるようになれば、第一集合点Aの部分での微細な透孔は確実に潰れて液体の通りが不能となるが、この小突起152を、縁片13と側面板12との間の谷折り線の端部に跨るようにして、収容物を充填して蓋板を取り付けた後に第一集合点Aでの微細な透孔から収容物が外部に漏れ出るのをより一層抑止することであった。
【0013】
なお、ブランクに使用する材料は、一般的に紙箱用として使用されるコートボール、コートマニラ、アイボリーなどの板紙で良いが、収容物が冷凍食品等の水分を多く含むものの場合には、板紙の少なくとも内面にポリエチレン樹脂を溶融押出し法により塗布したポリエチレン加工紙が好ましく使用できる。トレーに組み立てた時、ポリエチレンが接合に有利であることを考慮すると、ブランクの両面にポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂が塗布されている加工紙を使用することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第3687396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、製函機でフランジ付き紙容器が組み立てられる際、底面板11の周辺の側面板12と第二側面板14との折り起こしと、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との重ね合わせと、前記折り込み接合板121と第二折り込み接合板141の第二側面板14の外面側への折り曲げが行なわれる過程で、図10で示すように側面板12の側辺の山折りする折り部18の内面側に、罫線17の凸部が山折りによって更に嵩高となって盛り上がり17aを生じさせながら折り曲げられる。
【0016】
しかしながら、盛り上がり17aの部分は押罫が当たっていたことで変形し易くなっている個所ではあるものの、その盛り上がり17aの頂部には溝状の折り筋が入らないことから、盛り上がり17a自体が180度の折り曲げに際して障害となって、図15(イ)(ロ)に示すように組み上げる紙容器ごとに、盛り上がり17aの位置が、折り部18の内面側で僅かながらもずれるようになり、山折りの位置が明確には定まらない状態で折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とが重ね合わされる場合がある。
【0017】
そして、ブランクが組み起こされる過程で、第二側面板14の側辺の谷折りしてなる折り部18は、側面板12の側辺の山折りしてなる折り部18の内面側に向けて入り込むように移動するが、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間の上記折り部18の折り曲げ位置が適正位置からずれて、側面板12の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分と、第二側面板14の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分とが離れた状態で製函されることがある(図12、図13)。
【0018】
このように側面板12の側辺の折り部18の容器本体上面位置側の部分(即ち、第一集合点Aの部分)に対して、第二側面板14の側辺の位置で谷折りしてなる折り部18の容器本体上面位置側の部分(第二集合点Bの部分)の当接が適正に行なわれないと、第一集合点Aの部分で微細な透孔の発生を抑えることが確実とはならない。加えて、上記小突起152が第一集合点Aの部分から浮いて離れた状態となってしまい、この小突起152がその役割を何ら果たさなくなるという不都合が発生していた。
【0019】
そこで本発明は上記事情に鑑み、側面板の側辺の折り部の容器本体上面位置の部分と第二側面板の側辺の折り部の容器本体上面位置の部分とを対応させるに際して、ブランクでの折り込み接合板と第二折り込み接合板との間で適切に折り曲げが行なわれることを課題とし、上記第一集合点で微細な透孔が生じるのを防ぎ、その透孔から融けた内容物が容器外に漏れ出ないようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
(請求項1)
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、方形の底面板の四方の側辺それぞれに側面板が連接され、前記底面板の周方向で隣り合う側面板の間それぞれに逆三角形状にした二枚の折り込み接合板が並び設けられていて、隣り合う前記二枚の折り込み接合板が連接されているとともに、隣り合う側面板と折り込み接合板とが連接され、
前記底面板の側辺を折り位置にした山折りにより前記側面板を折り起こし、隣り合う折り込み接合板の間を折り位置にした山折りにより前記隣り合う折り込み接合板同士を重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の折り込み接合板を、前記隣り合う側面板の内の一方の側面板の容器外面側となる片面に折り曲げて重ね合わせ、折り起こされた前記側面板により四方が囲まれて容器本体上面が開放されてなる紙容器が形成されるように設けられている紙容器用ブランクにおいて、
前記二枚の折り込み接合板の間で山折りする折り位置に、ブランクの容器内面側となる片面で凸としてなる片罫線が設けられていることを特徴とする紙容器用ブランクを提供して、上記課題を解消するものである。
【0021】
(請求項2)
また、もう一つの発明は、方形の底面板の四方の側辺それぞれに側面板が連接され、前記底面板の周方向で隣り合う側面板の間それぞれに逆三角形状にした二枚の折り込み接合板が並び設けられていて、隣り合う前記二枚の折り込み接合板が連接されているとともに、隣り合う側面板と折り込み接合板とが連接された紙容器用ブランクからなり、
前記ブランクの前記底面板の側辺を折り位置にした山折りにより前記側面板を折り起こし、隣り合う折り込み接合板の間を折り位置にした山折りにより前記隣り合う折り込み接合板同士を重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の折り込み接合板を、前記隣り合う側面板の内の一方の側面板の容器外面側となる片面に折り曲げて重ね合わせ、折り起こされた前記側面板により四方が囲まれて容器本体上面が開放されてなる紙容器において、
前記ブランクにおける二枚の折り込み接合板の間で山折りする折り位置に、ブランクの容器内面側となる片面で凸としてなる片罫線が設けられていて、前記二枚の折り込み接合板の間の山折りしてなる折り部は、前記片罫線が折曲されてなるものであることを特徴とする紙容器であり、この紙容器を提供して上記課題を解消するものである。
【0022】
(請求項3)
また、もう一つの発明は、上記紙容器における開放されている容器本体上面を蓋板で覆ったことを特徴とする紙容器であり、この紙容器を提供して上記課題を解消するものである。
【発明の効果】
【0023】
(請求項1の発明の効果)
請求項1の発明によれば、ブランクの折り込み接合板と第二折り込み接合板との間で山折りする個所に片罫線が入れられているので、このブランクを組み起こして前記折り込み接合板と第二折り込み接合板とを重ね合わせる際に片罫線の位置で適正に折り曲げられるようになる。そのため、側面板の側辺の山折りしてなる折り部の内面側に第二側面板の側辺の谷折りしてなる折り部が適正に当接して、側面板の側辺の前記折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺の前記折り部の容器本体上面位置側の部分とが離れずに接した状態の紙容器が得られる。よって、上記第一集合点Aの部分に仮に微細な透孔が生じていたとしても第二集合点Bの部分の重ね合わせでその透孔を塞いだり透孔を潰すなどして、透孔から容器外に液体の漏れ出しが防止できる紙容器が得られる。
【0024】
ここで、罫線と片罫線の違いを説明する。図14は罫線の作成を示していて、原反からブランクを抜く抜き型aにはそのブランクに対して罫線を入れる位置となる部分に押罫bが設けられており、また雌型cには前記押罫bに対応する位置に溝dが形成されている。そして、抜き型aと雌型cとの間に原反を配して抜き形成されるブランクeにはその抜きと同時に押罫bがブランクeを溝dに向けて押し込む。これによって断面略円弧状の罫線fが形成される。図において符号gはムラ取り鉄板、符号hは合板、符号iはカウンタープレート、符号jはプレスボードを示す。
【0025】
また、図15は片罫線の作成を示していて、抜き型aには罫線を入れる位置となる部分に押罫bが設けられており、一方、雌型cにおいては、押罫bが降りる位置の両側にプレスボードjを位置させずに、片側のみにプレスボードjを位置させている。そして、抜き型aと雌型cとの間に原反を配して抜き形成されるブランクeに前記押罫bを押し込み、これによって断面が段付きとなる片罫線kが形成される。
【0026】
そして、罫線fと片罫線kとで折り曲がりが生じる個所はそれぞれ押罫先端と雌型とで挟み込んだ部分lであり、片罫線kの方が山折りする際に前記部分lで溝状の折り筋が生じてその部分lから正確に折り曲げができる特質がある。
【0027】
(請求項2の発明の効果)
請求項2の発明によれば、折り込み接合板と第二折り込み接合板との間を山折りしてなる折り部が片罫線を折り曲げてなるものであるため、折り曲げ位置が正確である。そのため、紙容器において、側面板の側辺の山折りした折り部の内面側に第二側面板の側辺の谷折りした折り部が適正に当接した状態となっており、側面板の側辺の前記折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺の前記折り部の容器本体上面位置側の部分とが離れずに接した紙容器となっている。よって、上記第一集合点Aの部分に仮に微細な透孔が生じていたとしても第二集合点Bの部分の重ね合わせでその透孔を塞いだり透孔を潰すなどして、透孔から容器外に液体の漏れ出しが防止できる紙容器が得られる。
【0028】
(請求項3の発明の効果)
請求項3の発明によれば、同じく折り込み接合板と第二折り込み接合板との間を山折りしてなる折り部が片罫線を折り曲げてなるものであるため、折り曲げ位置が正確である。そのため、紙容器において、側面板の側辺の山折りした折り部の内面側に第二側面板の側辺の谷折りした折り部が適正に当接した状態となっており、側面板の側辺の前記折り部の容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺の前記折り部の容器本体上面位置側の部分とが離れずに接した紙容器となっている。よって、上記第一集合点Aの部分に仮に微細な透孔が生じていたとしても第二集合点Bの部分の重ね合わせでその透孔を塞いだり透孔を潰すなどして、透孔から容器外に液体の漏れ出しが防止できる紙容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る紙容器用ブランクの実施の形態を示す説明図である。
【図2】紙容器用ブランクの実施の形態の要部を拡大して示す説明図である。
【図3】ブランクから紙容器を組み起こす状態を示す説明図である。
【図4】ブランクから紙容器を組み起こす状態での折り込み接合板と第二折り込み接合板との山折りを示す説明図である。
【図5】紙容器の実施の形態を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図6】従来の形態をブランクで示す説明図である。
【図7】従来の形態における折り込み接合板と第二折り込み接合板とを拡大して示す説明図である。
【図8】従来の紙容器を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図9】従来の紙容器を斜め下方から見た状態で示す説明図である。
【図10】従来のブランクにおける折り込み接合板と第二折り込み接合板との重ね合わせを示す説明図である。
【図11】従来のブランクにおける折り込み接合板と第二折り込み接合板との間の折り部を断面で示す説明図である。
【図12】従来の紙容器における側面板側辺の折り部と第二側面板側辺の折り部との離れを示す説明図である。
【図13】同じく従来の紙容器における側面板側辺の折り部と第二側面板側辺の折り部との離れを断面で示す説明図である。
【図14】罫線の形成を示す説明図である。
【図15】片罫線の形成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
つぎに本発明を図1から図5に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。なお、図6から図13に示す従来の技術を構成が重複する部分は同符号を付してその説明を省略する。
【0031】
(紙容器用ブランク)
本発明のフランジ付きの紙容器1を得るブランクにおいては、隣り合って連接されている折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間の折り位置周りにおける構成が従来の技術と異なっている。上述したように折り込み接合板121の側面板12とは反対側の側辺と第二折り込み接合板141の第二側面板14とは反対側の側辺とが連続していて、この折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とで共通する前記側辺の位置に片罫線19が設けられていて、この片罫線19から山折りすることで折り込み接合板121と第二接合板141とを重ね合わせることができるように設けられている。
【0032】
上記片罫線19は、他の部位の罫線17と同様にブランクの抜きに際して押罫をブランクの容器外方側となる面から押し当ててそのブランクの容器内方側に向けて凸となるようにしたものであり、前記罫線17が断面略円弧状の断面としているのに対して片罫線19にあっては、上述したように押罫の降り位置の近傍における片側にのみブレスボードを配置して、断面が段付き形状となるようにしたものである。また、このブランクへの罫線入れに際し、雌型での第二折り込み接合板141に対応する部分にブレスボードを配置しないようにしており、図示されているように第二側面板14の谷折りする側辺についても片罫線19が設けられている。
【0033】
なお、本実施の形態であるブランクを表現している図1と図2において、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間の山折りする折り位置と、第二側面板14の側辺の谷折りする折り位置とが一点鎖線で示されている。そして、手持ちサイズ容器のためのブランクに入れる実際の片罫線は細幅であるが、片罫線自体を明確にする表現にて図1と図2に図示されており、上記プレスボードjのエッヂで生じる縁を実線とし、片罫線19の折れが生じる位置を前記折り位置として示した。
【0034】
このようにブランクにおいて折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間に片罫線19が設けられているので、ブランクから紙容器を製函する際の前記折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間を山折りするときに片罫線19の位置で適正に折り曲げられるようになる。そして、側面板12の側辺の山折りした折り部18の内面側に第二側面板14の側辺の谷折りした折り部18が対応して接触し合うようになり、側面板12の側辺の折り部18での容器本体上面位置側の部分と第二側面板14の側辺の折り部18での容器本体上面位置側の部分とが離れないようになる。そのため、上記第一集合点Aの部分に第二集合点Bの部分が適正に重なっていて、前記第一集合点Aにおいて仮に微細な透孔が生じていたとしても第二集合点Bの部分が重なることで、その透孔が塞がれるようになる。また、第二舌片151の端部にある上記小突起152も第一集合点Aの直近の位置で側面板12の外辺側の罫線端部に跨る形で重なることができ、前記透孔からの液体の漏れ出しを抑止する上で効果があるものとなる。
【0035】
(紙容器)
ブランクからフランジ付き紙容器1を得るための組立ては先に従来例のものと同じであってつぎのようにして製函機にて行う。側面板12、第二側面板14を折り曲げてトレー状に組み立てながら、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141の内面同士を接合するように重ね合わせる(図3、図4参照)。折り込み接合板121と第二折り込み接合板141とは重ね合わせを進めると同時に第二側面板14側に折り曲げられる。
【0036】
これと共に縁片13、第二縁片15、接合縁片122がそれぞれ谷折りされ、折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との前記第二側面板14へ折り曲げた重ね合わせにより接合縁片122の上面とこの上に重なっている第二縁片15の下面とが相対し、この相対する接合縁片122と第二縁片15とをヒートシールするとともに、側面板12と第二側面板14との折り曲げにより前記舌片131の上面と第二舌片151の下面とが相対していて、この舌片131と第二舌片151とをヒートシールして、前記縁片13と第二縁片15とが連続してなるフランジ16が形成されて、フランジ付きの形態となる紙容器1が組み上がる(図5参照)。
【0037】
上述のようにして製函されて本体上面が開放されている紙容器1において、重ね合わせた折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間の折り部18は、上述したように片罫線19の位置で山折りしてなるものであるため、罫線17で山折りした場合に比べて折り位置がより正確になり、側面板12の側辺の山折りした折り部18の内面側に第二側面板14の側辺の谷折りした折り部18が入り込んで、側面板12の側辺の折り部18での容器本体上面位置側の部分と第二側面板の側辺の折り部18での容器本体上面位置側の部分とが離れない紙容器1となっている。
【0038】
そのため、上述したように第一集合点Aの部分に第二集合点Bの部分が適正に重なっていて、第一集合点Aにおいて仮に微細な透孔が生じていたとしても第二集合点Bの部分が重なることでその透孔が塞がれるようになる。また、第二舌片151の端部にある上記小突起152も第一集合点Aの直近の位置で側面板12の外辺側の罫線端部に跨る形で重なることができ、前記透孔からの液体の漏れ出しを抑止する上で効果があるものとなる。
【0039】
上述の構成の紙容器1に対してアイスクリームなどの氷菓材料を充填し、紙板材からなる蓋板20を被せ付けて蓋板20の周辺と上記フランジ16とをヒートシールにより接着することで、収容部を蓋板で封止した紙容器となる。この紙容器を用いた氷菓の商品は冷凍して流通段階を経て販売されるものとなる。
【0040】
そして、一般消費者がこの商品を購入して運ぶ際に収容物の一部が融けて、さらに紙容器が上下逆さまになっても、重ね合わされた折り込み接合板121と第二折り込み接合板141との間の折り部18について上述の構成となっていることから、融けた液体の漏れ出しを防止できる。
【符号の説明】
【0041】
1…フランジ付き紙容器
11…底面板
12…側面板 121…折り込み接合板
14…第二側面板 141…第二折り込み接合板
152…小突起
16…フランジ
17…罫線
18…折り部
19…片罫線
20…蓋板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方形の底面板の四方の側辺それぞれに側面板が連接され、前記底面板の周方向で隣り合う側面板の間それぞれに逆三角形状にした二枚の折り込み接合板が並び設けられていて、隣り合う前記二枚の折り込み接合板が連接されているとともに、隣り合う側面板と折り込み接合板とが連接され、
前記底面板の側辺を折り位置にした山折りにより前記側面板を折り起こし、隣り合う折り込み接合板の間を折り位置にした山折りにより前記隣り合う折り込み接合板同士を重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の折り込み接合板を、前記隣り合う側面板の内の一方の側面板の容器外面側となる片面に折り曲げて重ね合わせ、折り起こされた前記側面板により四方が囲まれて容器本体上面が開放されてなる紙容器が形成されるように設けられている紙容器用ブランクにおいて、
前記二枚の折り込み接合板の間で山折りする折り位置に、ブランクの容器内面側となる片面で凸としてなる片罫線が設けられていることを特徴とする紙容器用ブランク。
【請求項2】
方形の底面板の四方の側辺それぞれに側面板が連接され、前記底面板の周方向で隣り合う側面板の間それぞれに逆三角形状にした二枚の折り込み接合板が並び設けられていて、隣り合う前記二枚の折り込み接合板が連接されているとともに、隣り合う側面板と折り込み接合板とが連接された紙容器用ブランクからなり、
前記ブランクの前記底面板の側辺を折り位置にした山折りにより前記側面板を折り起こし、隣り合う折り込み接合板の間を折り位置にした山折りにより前記隣り合う折り込み接合板同士を重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の折り込み接合板を、前記隣り合う側面板の内の一方の側面板の容器外面側となる片面に折り曲げて重ね合わせ、折り起こされた前記側面板により四方が囲まれて容器本体上面が開放されてなる紙容器において、
前記ブランクにおける二枚の折り込み接合板の間で山折りする折り位置に、ブランクの容器内面側となる片面で凸としてなる片罫線が設けられていて、前記二枚の折り込み接合板の間の山折りしてなる折り部は、前記片罫線が折曲されてなるものであることを特徴とする紙容器。
【請求項3】
請求項2に記載の紙容器における開放されている容器本体上面を蓋板で覆ったことを特徴とする紙容器。
【請求項1】
方形の底面板の四方の側辺それぞれに側面板が連接され、前記底面板の周方向で隣り合う側面板の間それぞれに逆三角形状にした二枚の折り込み接合板が並び設けられていて、隣り合う前記二枚の折り込み接合板が連接されているとともに、隣り合う側面板と折り込み接合板とが連接され、
前記底面板の側辺を折り位置にした山折りにより前記側面板を折り起こし、隣り合う折り込み接合板の間を折り位置にした山折りにより前記隣り合う折り込み接合板同士を重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の折り込み接合板を、前記隣り合う側面板の内の一方の側面板の容器外面側となる片面に折り曲げて重ね合わせ、折り起こされた前記側面板により四方が囲まれて容器本体上面が開放されてなる紙容器が形成されるように設けられている紙容器用ブランクにおいて、
前記二枚の折り込み接合板の間で山折りする折り位置に、ブランクの容器内面側となる片面で凸としてなる片罫線が設けられていることを特徴とする紙容器用ブランク。
【請求項2】
方形の底面板の四方の側辺それぞれに側面板が連接され、前記底面板の周方向で隣り合う側面板の間それぞれに逆三角形状にした二枚の折り込み接合板が並び設けられていて、隣り合う前記二枚の折り込み接合板が連接されているとともに、隣り合う側面板と折り込み接合板とが連接された紙容器用ブランクからなり、
前記ブランクの前記底面板の側辺を折り位置にした山折りにより前記側面板を折り起こし、隣り合う折り込み接合板の間を折り位置にした山折りにより前記隣り合う折り込み接合板同士を重ね合わせ、この重ね合わせた二枚の折り込み接合板を、前記隣り合う側面板の内の一方の側面板の容器外面側となる片面に折り曲げて重ね合わせ、折り起こされた前記側面板により四方が囲まれて容器本体上面が開放されてなる紙容器において、
前記ブランクにおける二枚の折り込み接合板の間で山折りする折り位置に、ブランクの容器内面側となる片面で凸としてなる片罫線が設けられていて、前記二枚の折り込み接合板の間の山折りしてなる折り部は、前記片罫線が折曲されてなるものであることを特徴とする紙容器。
【請求項3】
請求項2に記載の紙容器における開放されている容器本体上面を蓋板で覆ったことを特徴とする紙容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−28347(P2013−28347A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163545(P2011−163545)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]