紙幣処理装置
【課題】一時保留部に一時保留された紙幣の全てを収納部に収納するための処理時間を短縮させる紙幣処理装置を提供する。
【解決手段】一時保留機構と、一時保留された紙幣を繰り出すための繰出機構とを有する一時保留部17、識別された紙幣を一括収納するための複数のカセットを有する収納部13と、一時保留部の在高を含む一時保留データおよび収納部の在高を含む収納データを記憶するための記憶部101とを有する紙幣処理装置において、受入部11から受け入れられ識別部12で識別された紙幣が一時保留された後、操作部より入金確定指示が受け付けられたときに一時保留された紙幣が前記複数のカセットの何れにも一括して収納できない場合には、一時保留部から繰り出された紙幣が識別部によって識別した後に、前記複数のカセットに分割して収納し、識別部の識別結果に基づいて収納データを更新する制御部102を備える。
【解決手段】一時保留機構と、一時保留された紙幣を繰り出すための繰出機構とを有する一時保留部17、識別された紙幣を一括収納するための複数のカセットを有する収納部13と、一時保留部の在高を含む一時保留データおよび収納部の在高を含む収納データを記憶するための記憶部101とを有する紙幣処理装置において、受入部11から受け入れられ識別部12で識別された紙幣が一時保留された後、操作部より入金確定指示が受け付けられたときに一時保留された紙幣が前記複数のカセットの何れにも一括して収納できない場合には、一時保留部から繰り出された紙幣が識別部によって識別した後に、前記複数のカセットに分割して収納し、識別部の識別結果に基づいて収納データを更新する制御部102を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣処理装置に関し、特に、入金処理に利用される紙幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の入金処理に利用される紙幣処理装置では、識別部によって投入された紙幣に対して1回目の識別が行われ、識別に成功した紙幣のみが一時保留部に一時保留される。その後、入金確定指示が受け付けられたときに、一時保留部に一時保留された紙幣が繰り出され、識別部経由で収納部に収納される。このとき、識別部によって一時保留部から繰り出された紙幣に対して2回目の識別が行われ、識別に成功した紙幣のみが収納部に収納される。1回目または2回目の識別において識別に失敗した紙幣は、リジェクト紙幣として取り扱われ、リジェクト部に集積される。このような紙幣処理装置として、たとえば特許文献1に開示された紙幣処理装置がある。
【0003】
しかしながら、この紙幣処理装置では、1回目の識別において識別に成功した紙幣であっても、2回目の識別において識別に失敗した紙幣はリジェクト紙幣として取り扱われる。また、この紙幣処理装置では、識別部によって2回目の識別において識別に失敗した紙幣に対して3回目の識別が行われる。この3回目の識別は、2回目の識別において識別に失敗した全ての紙幣が識別に成功するまで繰り返し行われる。したがって、リジェクト紙幣として取り扱われる紙幣の数が増加し、リジェクト紙幣に対して行われる処理の頻度も増加する。その結果、一時保留部に一時保留された紙幣の全てを収納部に収納するための処理時間が長くなるという問題がある。
【特許文献1】特開平7−282316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、一時保留部に一時保留された紙幣の全てを収納部に収納するための処理時間を短縮させる紙幣処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
紙幣を受け入れるための受入部と、
前記受入部によって受け入れられた紙幣を識別するための識別部と、
前記識別部によって識別された紙幣を一時保留するための一時保留機構と、前記一時保留された紙幣を繰り出すための繰出機構と、を有する一時保留部と、
前記一時保留部に一時保留された紙幣の入金確定指示を受け付けるための操作部と、
前記識別部によって識別された紙幣を収納するための複数のカセットを有する収納部と、
前記一時保留部の在高を含む一時保留データおよび前記収納部の在高を含む収納データを記憶するための記憶部と、
前記操作部によって入金確定指示が受け付けられたときに、前記一時保留部に一時保留された紙幣を前記カセットに収納し、前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新する制御部と、を備えることを特徴とする紙幣処理装置が提供される。
【0006】
本発明において、
前記制御部は、前記一時保留部に一時保留された紙幣が前記複数のカセットの何れにも一括して収納できない場合に、前記一時保留部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記紙幣を前記複数のカセットに分割して収納し、前記一時保留部から繰り出された紙幣に対して行われた前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新することが好ましい。
【0007】
本発明において、
前記制御部は、前記一時保留部に一時保留された紙幣が前記複数のカセットの何れかに一括して収納できる場合に、前記一時保留部から繰り出された紙幣を前記複数のカセットの何れかに一括して収納し、前記一時保留データに基づいて前記収納データを更新することが好ましい。
【0008】
本発明において、
前記収納データは、前記収納部の複数のカセット毎の在高を含むことが好ましい。
【0009】
本発明において、
前記制御部は、前記収納データに基づいて前記複数のカセット毎の空き容量を算出し、前記空き容量に基づいて前記一時保留部から繰り出された紙幣を前記複数のカセットに分割して収納することが好ましい。
【0010】
本発明において、
前記一時保留部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によってリジェクト要因が識別されたリジェクト紙幣を一時保留するための一時保留機構を有する機内リジェクト部をさらに備え、
前記制御部は、前記識別部によってリジェクト要因が識別されたリジェクト紙幣を前記機内リジェクト部に一時保留することが好ましい。
【0011】
本発明において、
前記機内リジェクト部は、前記受入部と一体に構成されていることが好ましい。
【0012】
本発明において、
前記制御部は、前記一時保留データおよび前記識別部の識別結果に基づいて前記機内リジェクト部の在高を算出することが好ましい。
【0013】
本発明において、
前記機内リジェクト部は、前記リジェクト紙幣を繰り出すための繰出機構をさらに有し、
前記収納部は、所定のリジェクト紙幣を収納する退避カセットをさらに有し、
前記制御部は、前記機内リジェクト部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によってリジェクト要因が識別されたリジェクト紙幣を前記退避カセットに収納することが好ましい。
【0014】
本発明において、
前記制御部は、前記機内リジェクト部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によって金種が識別された正常紙幣を前記複数のカセットに分割して収納し、前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新することが好ましい。
【0015】
本発明において、
前記機内リジェクト部は、前記リジェクト紙幣を繰り出すための繰出機構をさらに有し、
前記制御部は、前記機内リジェクト部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によって金種が識別された正常紙幣を前記複数のカセットに分割して収納し、前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、一時保留部に一時保留された紙幣の全てを収納部に収納するための処理時間を短縮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の実施例は、本発明の実施の一形態であって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0018】
はじめに、本発明の実施例1について説明する。本発明の実施例1は、一時保留部に一時保留された紙幣を1つのカセットに一括して収納できる場合には、識別部の識別工程を省略し、一時保留部の在高に基づいて収納部の在高を更新する例である。
【0019】
まず、本発明の実施例1に係る紙幣処理装置の構成について図1乃至図5を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施例1に係る紙幣処理装置10の内部構成を示す平面図であり、図2は、本発明の実施例1に係る紙幣処理装置10の制御ブロックを示すブロック図である。
【0021】
図1に示されるように、この紙幣処理装置10は、受入部11、識別部12、収納部13、機外リジェクト部14、I/O基板15、搬送部16、一時保留部17、および機内リジェクト部18を備えている。また、図2に示されるように、この紙幣処理装置10は、記憶部101、制御部102、および収納検知部103をさらに備えている。
【0022】
記憶部101は、制御部102のための制御プログラム101A、識別部12の識別結果を含む識別データ101B、一時保留部17の在高を含む一時保留データ101C、収納部13のカセット131乃至133毎の在高を含む収納データ101D、ならびに後述の行き先データ101Eおよび機内リジェクトデータ101Fを記憶するようになっている。また、記憶部101は、制御部102のワーキングメモリとしても機能するようになっている。
【0023】
識別データ101Bは、図3に示されるように、識別部12によって識別された順番に、その識別結果(金種またはリジェクト要因)を含む。一時保留データ101Cは、図4に示されるように、一時保留部17に一時保留された金種毎の枚数を含む。収納データ101Dは、図5に示されるように、カセット131乃至133毎の金種別の紙幣の枚数を含む。
【0024】
制御部102は、受入部11、識別部12、収納部13、機外リジェクト部14、I/O基板15、搬送部16、一時保留部17、機内リジェクト部18、記憶部101、および収納検知部103に接続されている。制御部102は、記憶部101に記憶された制御プログラム101Aを起動することによって、受入部11、識別部12、収納部13、機外リジェクト部14、I/O基板15、搬送部16、一時保留部17、機内リジェクト部18、および収納検知部103を制御するようになっている。
【0025】
受入部11は、オペレータによって投入された紙幣を1枚ずつ繰り出すための繰出ローラを備えている。この繰出ローラは、投入された紙幣を繰り出し、紙幣処理装置10の内部に受け入れるようになっている。たとえば、受入部11に1度に投入できる紙幣の枚数(以下、「投入可能枚数」という)は、500枚である。
【0026】
識別部12は、受入部11によって受け入れられた紙幣の金種を識別するための様々なセンサ(たとえば、ラインセンサ)を備えている。また、識別部12は、紙幣の金種が識別された場合には、その金種を識別結果として制御部102に送り、搬送異常(斜行、連鎖、または重送)、媒体異常(偽券または損券)、またはその他の識別エラーなどのリジェクト要因が識別された場合には、そのリジェクト要因を識別結果として制御部102に送るようになっている。このとき、制御部102は、金種が識別された紙幣を「正常紙幣」と判定し、リジェクト要因が識別された紙幣を「リジェクト紙幣」と判定する。
【0027】
収納部13は、カセット131乃至133および退避カセット134から構成されている。カセット131乃至133は、それぞれ、制御部102によって「正常紙幣」と判定された紙幣を収納するための収納機構と、収納された紙幣を1枚ずつ繰り出すための繰出ローラと、を備えている。また、カセット131乃至133は、外部から引出可能に構成されている。退避カセット134は、後述の機内リジェクト戻し処理において、制御部102によって「リジェクト紙幣」と判定された紙幣を収納するようになっている。カセット131乃至133および退避カセット134の最大収納容量は、それぞれ等しい容量であって、たとえば、3000枚である。なお、カセット131乃至133および退避カセット134の最大収納容量は、受入部11の投入可能枚数より多ければ何枚でも良い。
【0028】
機外リジェクト部14は、制御部102によってリジェクト紙幣と判定された紙幣を集積するようになっている。機外リジェクト部14は、集積された紙幣を外部から取出可能に構成されている。
【0029】
I/O基板15には、操作部151および表示部152が接続されている。操作部151は、オペレータの指示を受け付けるための様々なキーを備えている。表示部152は、オペレータに様々な情報を表示するための液晶ディスプレイを備えている。
【0030】
搬送部16は、受入部11、識別部12、収納部13、機外リジェクト部14、および一時保留部17の間で紙幣を搬送するための搬送ベルト、搬送路ロ―ラ、および分岐爪、ならびにそれらを駆動するためのモータなどから構成されている。
【0031】
一時保留部17は、制御部102によって「正常紙幣」と判定された紙幣を一時保留するための一時保留機構と、一時保留された紙幣を1枚ずつ繰り出すための繰出ローラと、を備えている。一時保留部17の最大収納容量は、収納部13のカセット131乃至133と等しい容量であって、たとえば、3000枚である。なお、一時保留部17の最大収納容量は、受入部11の投入可能枚数より多ければ何枚でも良い。
【0032】
機内リジェクト部18は、リジェクト紙幣を一時保留するための一時保留機構と、一時保留された紙幣を1枚ずつ繰り出すための繰出ローラと、を備えている。機内リジェクト部18は、受入部11と一体に構成されている。
【0033】
収納検知部103は、収納部13(カセット131乃至133)および一時保留部17の紙幣の枚数を検知するためのセンサおよびカウンタを備えている。また、収納検知部103は、検知結果を制御部102に送る。
【0034】
次に、本発明の実施例1に係る紙幣処理装置10の動作について図1を参照して説明する。
【0035】
図1に示されるように、この紙幣処理装置10では、受入部11に投入された紙幣が、受入部11の繰出ローラによって搬送部16へ繰り出される。この繰出ローラによって繰り出された紙幣は、識別部12によって識別される。この識別部12によって金種が識別された紙幣は一時保留部17に一時保留され、この識別部12によってリジェクト要因が識別された紙幣は機外リジェクト部14に集積される。一時保留部17に一時保留された紙幣は、操作部151によって入金確定指示が受け付けられた後に、一時保留部17の繰出ローラによって搬送部16へ繰り出される。この繰出ローラによって繰り出された紙幣は、搬送部16によって、カセット131乃至133の何れかに搬送される。このカセット131乃至133には、金種混合で収納される。なお、本発明の実施例1では、金種混合でカセット131乃至133に収納する代わりに、金種別に収納されても良い。
【0036】
次に、本発明の実施例1に係る紙幣処理装置10の処理内容について図6乃至図12を参照して説明する。
【0037】
図6は、本発明の実施例1に係る入金処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0038】
図6に示されるように、はじめに、受入工程(S601)が行われる。受入工程(S601)では、受入部11が、投入された紙幣を紙幣処理装置10の内部に受け入れる。
【0039】
次に、識別工程(S602)が行われる。識別工程(S602)では、識別部12が、受入工程(S601)において受入部11によって受け入れられた紙幣を識別し、識別結果を制御部102に送る。このとき、制御部102は、この識別結果に基づいてこの紙幣を「正常紙幣」または「リジェクト紙幣」と判定する。また、制御部102は、「正常紙幣」と判定された紙幣の金種別の枚数または「リジェクト紙幣」と判定された紙幣のリジェクト要因を識別データ101Bとして記憶部101に書き込む。
【0040】
制御部102によって「正常紙幣」と判定された場合には(S603−YES)、一時保留工程(S604)が行われる。一時保留工程(S604)では、制御部102が、「正常紙幣」と判定された紙幣を一時保留部17に一時保留する。このとき、制御部102は、識別データ101Bに基づいて一時保留部17の在高を含む一時保留データ101Cを記憶部101に書き込む。
【0041】
一方、制御部102によって「リジェクト紙幣」と判定された場合には(S603−NO)、リジェクト工程(S605)が行われる。リジェクト工程(S605)では、制御部102が、「リジェクト紙幣」と判定された紙幣を機外リジェクト部14に集積する。
【0042】
S601乃至S605は、受入部11に投入された紙幣が0枚になるまで繰り返される(S606−NO)。
【0043】
受入部11に投入された紙幣が0枚になった場合には(S606−YES)、入金確認画面表示工程(S607)が行われる。入金確認画面表示工程(S607)では、制御部102が、一時保留部17に一時保留された紙幣の枚数および入金処理内容を確定するための入金確定指示を促すメッセージを含む入金確認画面を表示部104に表示させる。
【0044】
操作部151によって入金確定指示が受け付けられた場合には(S608−YES)、収納処理(S609)が行われる。
【0045】
図7は、本発明の実施例1に係る収納処理(図6のS609)の処理手順を示すフローチャートである。
【0046】
図7に示されるように、はじめに、収納検知工程(S701)が行われる。収納検知工程(S701)では、収納検知部103が、カセット131乃至133のそれぞれに収納された紙幣の枚数を検知し、検知結果を制御部102に送る。このとき、制御部102は、収納検知部103から送られた検知結果に基づいて、カセット131乃至133の空き容量を算出する。
【0047】
収納検知工程(S701)において算出されたカセット131乃至133の空き容量のうち最小の値が一時保留データ101Cの値以上である(すなわち、カセット131乃至133の何れかへの一括収納が可能である)場合には(S702−YES)、第1収納工程(S703)が行われる。第1収納工程(S703)では、制御部102が、一時保留部17から繰り出された紙幣をカセット131乃至133の何れかに収納する。第1収納行程(S703)は、一時保留部17に一時保留された紙幣が0枚になるまで繰り返される(S704−NO)。
【0048】
一時保留部17に一時保留された紙幣が0枚になった場合には(S704−YES)、第1収納データ更新工程(S705)が行われる。第1収納データ更新工程(S705)では、制御部102が、第1収納工程(S703)において紙幣が収納されたカセット131乃至133の何れかに対応する収納データ101Dの値に一時保留データ101Cの値を加算して、更新する。この後、制御部102は、一時保留データ101Cをクリアする。
【0049】
一方、収納検知工程(S701)において算出されたカセット131乃至133の空き容量のうち最小の値が一時保留データ101Cの値より小さい(すなわち、カセット131乃至133の何れかへの一括収納が不可能である)場合には(S702−NO)、第2収納処理(S706)が行われる。
【0050】
なお、本発明の実施例1では、第1収納工程(S703)の搬送経路は、識別部12を経由する搬送経路と経由しない搬送経路の何れであっても良い。識別部12を経由する搬送経路においては、識別部12による識別が行われても良いし、省略されても良い。このとき、識別部12による識別が行われたとしても、第1収納データ更新工程(S705)において、その識別結果は無視される。
【0051】
図8は、本発明の実施例1に係る第2収納処理(図7のS706)の処理手順を示すフローチャートである。
【0052】
図8に示されるように、はじめに、識別工程(S801)が行われる。識別工程(S801)では、識別部12が、一時保留部17から繰り出された紙幣を識別し、識別結果を制御部102に送る。このとき、制御部102は、この識別結果に基づいてこの紙幣を「正常紙幣」または「リジェクト紙幣」と判定する。また、制御部102は、「正常紙幣」と判定された紙幣の金種別の枚数または「リジェクト紙幣」と判定された紙幣のリジェクト要因を識別データ101Bとして記憶部101に書き込む。
【0053】
制御部102によって「正常紙幣」と判定された場合には(S802−YES)、行き先決定処理(S803)が行われる。
【0054】
図9は、本発明の実施例1に係る行き先決定処理(図8のS803)の処理手順を示すフローチャートである。
【0055】
図9に示されるように、収納部13のカセット13n(nは正の自然数、1≦n≦カセットの数、nの初期値は1)に空き容量がある場合には(S901−YES)、制御部102は、カセット13nを行き先として決定する(S902)。
【0056】
次に、行き先データ更新工程(S903)が行われる。行き先データ更新工程(S903)では、制御部102が、識別工程(図8のS801)の識別部12の識別結果に基づいて、S902において行き先として決定されたカセット13nに収納される紙幣の金種毎の枚数を含む行き先データ101E(図10参照)を更新する。
【0057】
一方、収納部13のカセット13nに空き容量がない場合には(S901−NO)、「n=n+1」を演算し(S904)、S901へ戻る。
【0058】
本発明の実施例1に係る行き先決定処理(図8のS803)は、S903の後に終了する。
【0059】
図8に示されるように、行き先決定処理(S803)の後に、第2収納工程(S804)が行われる。第2収納工程(S804)では、制御部102が、一時保留部17に一時保留された紙幣を繰り出し、その紙幣を図9のS902において行き先として決定されたカセット131乃至133の何れかに収納する。
【0060】
一方、制御部102によって「リジェクト紙幣」と判定された場合には(S802−NO)、機内リジェクト工程(S805)が行われる。機内リジェクト工程(S805)では、制御部102が、「リジェクト紙幣」と判定された紙幣を機内リジェクト部18に一時保留する。
【0061】
識別工程(S801)乃至機内リジェクト工程(S805)は、一時保留部17に一時保留された紙幣が0枚になるまで繰り返される(S806−NO)。
【0062】
一時保留部17に一時保留された紙幣が0枚になった場合には(S806−YES)、第2収納データ更新工程(S807)が行われる。第2収納データ更新工程(S807)では、制御部102が、カセット131乃至133の収納データ101Dの値に行き先データ更新工程(図9のS903)において更新された行き先データ101Eの値をそれぞれ加算して、更新する。また、制御部102は、一時保留データ101Cの値から行き先データ101Eの値を減算し、その減算結果を機内リジェクト部18に一時保留された紙幣の在高を含む機内リジェクトデータ101F(図11参照)として記憶部101に書き込む。この後、制御部102は、一時保留データ101Cおよび行き先データ101Eをクリアする。
【0063】
次に、機内リジェクト戻し処理(S808)が行われる。
【0064】
図12は、本発明の実施例1に係る機内リジェクト戻し処理(図8のS808)の処理手順を示すフローチャートである。機内リジェクト戻し処理(図8のS808)は、操作部151が、所定の設定回数の指示をオペレータから受け付け、制御部102が、その指示に基づいて設定回数を記憶部101に書き込んだ後に行われる。
【0065】
図12に示されるように、機内リジェクト戻し処理回数が設定回数以下である場合には(S1201−YES)、機内リジェクト戻し工程(S1202)が行われる。機内リジェクト戻し工程(S1202)では、制御部102が、機内リジェクト工程(図8のS805)において機内リジェクト部18に一時保留された全ての紙幣を紙幣処理装置10の内部に繰り出し、一時保留部17に一時保留する。このとき、制御部102は、識別データ101Bに基づいて一時保留部17に一時保留された紙幣の在高を含む一時保留データ101Cを記憶部101に書き込む。また、一時保留部17は、一時保留された紙幣を繰り出す。
【0066】
次に、識別工程(S1203)が行われる。識別工程(S1203)では、識別部12が、機内リジェクト戻し工程(S1202)において一時保留部17から繰り出された紙幣を識別し、識別結果を制御部102に送る。このとき、制御部102は、この識別結果に基づいてこの紙幣を「正常紙幣」または「リジェクト紙幣」と判定する。また、制御部102は、「正常紙幣」と判定された紙幣の金種別の枚数または「リジェクト紙幣」と判定された紙幣のリジェクト要因を識別データ101Bとして記憶部101に書き込む。
【0067】
制御部102によって「正常紙幣」と判定された場合には(S1204−YES)、行き先決定処理(S1205)が行われる。行き先決定処理(S1205)は、図9に示された処理手順に従って行われる。
【0068】
次に、第2収納工程(S1206)が行われる。第2収納工程(S1206)では、制御部102が、「正常紙幣」と判定された紙幣を図9のS902において行き先として決定されたカセット131乃至133の何れかに収納する。
【0069】
一方、制御部102によって「リジェクト紙幣」と判定された場合には(S1204−NO)、機内リジェクト工程(S1207)が行われる。機内リジェクト工程(S1207)では、制御部102が、「リジェクト紙幣」と判定された紙幣を機内リジェクト部18に一時保留する。
【0070】
S1203乃至S1207は、一時保留部17に一時保留された紙幣が0枚になるまで繰り返される(S1208−NO)。
【0071】
一時保留部17に一時保留された紙幣が0枚になった場合には(S1208−YES)、第2収納データ更新工程(S1209)が行われる。第2収納データ更新工程(S1208)は、第2収納データ更新工程(図8のS807)と同様に行われる。
【0072】
S1201乃至S1209は、機内リジェクト部18に一時保留された紙幣が0枚になるまで繰り返される(S1210−NO)。
【0073】
一方、機内リジェクト戻し処理回数が設定回数より多い場合には(S1201−NO)、退避工程(S1211)が行われる。退避工程(S1211)では、制御部102が、機内リジェクト部18に一時保留された紙幣を退避カセット134に一括して収納する。
【0074】
本発明の実施例1に係る機内リジェクト戻し処理(図8のS808)は、機内リジェクト部18に一時保留された紙幣が0枚になった場合(S1210−YES)または退避工程(S1211)の後に終了する。
【0075】
図8に示されるように、本発明の実施例1に係る第2収納処理(図7のS706)は、機内リジェクト戻し処理(S808)の後に終了する。
【0076】
一方、図6に示されるように、操作部151によって返却指示が受け付けられた場合には(S608−NO)、返却工程(S610)が行われる。返却工程(S610)では、制御部102が、一時保留部17から繰り出された紙幣を受入部11に集積し、一時保留データ101Cをクリアする。
【0077】
本発明の実施例1に係る入金処理(図6)は、収納処理(S609)または返却工程(S611)の後に終了する。
【0078】
なお、本発明の実施例1では、カセット131乃至133の数が3つである例について説明したが、これに限られるものではない。
【0079】
また、本発明の実施例1では、カセット131乃至133毎の在高(空き容量)を紙幣の枚数に基づいて算出する例について説明したが、カセット131乃至133毎に集積された紙幣の高さを測定し、その測定結果に基づいて在高(空き容量)を算出しても良い。
【0080】
また、本発明の実施例1では、第1収納工程(S703)において、制御部102は、識別部12を経由して一時保留部17に一時保留された紙幣を収納部13に搬送しても良いし、識別部12を経由しないでその紙幣を収納部13に搬送しても良い。
【0081】
本発明の実施例1によれば、一時保留部17に一時保留された紙幣をカセット131乃至133の何れかに一括して収納できる場合には、識別部12の識別工程を省略し、一時保留データ101Cに基づいて収納データ101Dを更新するので、リジェクト要因の発生頻度を低減することができ、ひいては、一時保留部17に一時保留された紙幣の全てを収納部13に収納するための処理時間を短縮させることができる。
【0082】
また、本発明の実施例1によれば、記憶部101が、カセット131乃至133毎の収納データ101Dを記憶するので、カセット131乃至133毎の在高を管理することができる。
【0083】
また、本発明の実施例1によれば、機内リジェクト部18が受入部11と一体に構成されているので、紙幣処理装置10を小型化することができる。
【0084】
また、本発明の実施例1によれば、記憶部101が、一時保留データ101Cおよび行き先データ101Eを記憶するので、機内リジェクト部18の在高を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施例1に係る紙幣処理装置10の内部構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る紙幣処理装置10の制御ブロックを示すブロック図である。
【図3】識別データ101Bのデータ構造を示す概略図である。
【図4】一時保留データ101Cのデータ構造を示す概略図である。
【図5】収納データ101Dのデータ構造を示す概略図である。
【図6】本発明の実施例1に係る入金処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例1に係る収納処理(図6のS609)の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例1に係る第2収納処理(図7のS706)の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例1に係る行き先決定処理(図8のS803)の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】行き先データ101Eのデータ構造を示す概略図である。
【図11】機内リジェクトデータ101Fのデータ構造を示す概略図である。
【図12】本発明の実施例1に係る機内リジェクト戻し処理(図8のS808)の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
10 紙幣処理装置
101 記憶部
102 制御部
103 収納検知部
11 受入部
12 識別部
13 収納部
131〜133 カセット
134 退避カセット
14 機内リジェクト部
15 I/O基板
151 操作部
152 表示部
16 搬送部
17 一時保留部
18 機外リジェクト部
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣処理装置に関し、特に、入金処理に利用される紙幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の入金処理に利用される紙幣処理装置では、識別部によって投入された紙幣に対して1回目の識別が行われ、識別に成功した紙幣のみが一時保留部に一時保留される。その後、入金確定指示が受け付けられたときに、一時保留部に一時保留された紙幣が繰り出され、識別部経由で収納部に収納される。このとき、識別部によって一時保留部から繰り出された紙幣に対して2回目の識別が行われ、識別に成功した紙幣のみが収納部に収納される。1回目または2回目の識別において識別に失敗した紙幣は、リジェクト紙幣として取り扱われ、リジェクト部に集積される。このような紙幣処理装置として、たとえば特許文献1に開示された紙幣処理装置がある。
【0003】
しかしながら、この紙幣処理装置では、1回目の識別において識別に成功した紙幣であっても、2回目の識別において識別に失敗した紙幣はリジェクト紙幣として取り扱われる。また、この紙幣処理装置では、識別部によって2回目の識別において識別に失敗した紙幣に対して3回目の識別が行われる。この3回目の識別は、2回目の識別において識別に失敗した全ての紙幣が識別に成功するまで繰り返し行われる。したがって、リジェクト紙幣として取り扱われる紙幣の数が増加し、リジェクト紙幣に対して行われる処理の頻度も増加する。その結果、一時保留部に一時保留された紙幣の全てを収納部に収納するための処理時間が長くなるという問題がある。
【特許文献1】特開平7−282316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、一時保留部に一時保留された紙幣の全てを収納部に収納するための処理時間を短縮させる紙幣処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
紙幣を受け入れるための受入部と、
前記受入部によって受け入れられた紙幣を識別するための識別部と、
前記識別部によって識別された紙幣を一時保留するための一時保留機構と、前記一時保留された紙幣を繰り出すための繰出機構と、を有する一時保留部と、
前記一時保留部に一時保留された紙幣の入金確定指示を受け付けるための操作部と、
前記識別部によって識別された紙幣を収納するための複数のカセットを有する収納部と、
前記一時保留部の在高を含む一時保留データおよび前記収納部の在高を含む収納データを記憶するための記憶部と、
前記操作部によって入金確定指示が受け付けられたときに、前記一時保留部に一時保留された紙幣を前記カセットに収納し、前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新する制御部と、を備えることを特徴とする紙幣処理装置が提供される。
【0006】
本発明において、
前記制御部は、前記一時保留部に一時保留された紙幣が前記複数のカセットの何れにも一括して収納できない場合に、前記一時保留部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記紙幣を前記複数のカセットに分割して収納し、前記一時保留部から繰り出された紙幣に対して行われた前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新することが好ましい。
【0007】
本発明において、
前記制御部は、前記一時保留部に一時保留された紙幣が前記複数のカセットの何れかに一括して収納できる場合に、前記一時保留部から繰り出された紙幣を前記複数のカセットの何れかに一括して収納し、前記一時保留データに基づいて前記収納データを更新することが好ましい。
【0008】
本発明において、
前記収納データは、前記収納部の複数のカセット毎の在高を含むことが好ましい。
【0009】
本発明において、
前記制御部は、前記収納データに基づいて前記複数のカセット毎の空き容量を算出し、前記空き容量に基づいて前記一時保留部から繰り出された紙幣を前記複数のカセットに分割して収納することが好ましい。
【0010】
本発明において、
前記一時保留部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によってリジェクト要因が識別されたリジェクト紙幣を一時保留するための一時保留機構を有する機内リジェクト部をさらに備え、
前記制御部は、前記識別部によってリジェクト要因が識別されたリジェクト紙幣を前記機内リジェクト部に一時保留することが好ましい。
【0011】
本発明において、
前記機内リジェクト部は、前記受入部と一体に構成されていることが好ましい。
【0012】
本発明において、
前記制御部は、前記一時保留データおよび前記識別部の識別結果に基づいて前記機内リジェクト部の在高を算出することが好ましい。
【0013】
本発明において、
前記機内リジェクト部は、前記リジェクト紙幣を繰り出すための繰出機構をさらに有し、
前記収納部は、所定のリジェクト紙幣を収納する退避カセットをさらに有し、
前記制御部は、前記機内リジェクト部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によってリジェクト要因が識別されたリジェクト紙幣を前記退避カセットに収納することが好ましい。
【0014】
本発明において、
前記制御部は、前記機内リジェクト部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によって金種が識別された正常紙幣を前記複数のカセットに分割して収納し、前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新することが好ましい。
【0015】
本発明において、
前記機内リジェクト部は、前記リジェクト紙幣を繰り出すための繰出機構をさらに有し、
前記制御部は、前記機内リジェクト部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によって金種が識別された正常紙幣を前記複数のカセットに分割して収納し、前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、一時保留部に一時保留された紙幣の全てを収納部に収納するための処理時間を短縮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の実施例は、本発明の実施の一形態であって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0018】
はじめに、本発明の実施例1について説明する。本発明の実施例1は、一時保留部に一時保留された紙幣を1つのカセットに一括して収納できる場合には、識別部の識別工程を省略し、一時保留部の在高に基づいて収納部の在高を更新する例である。
【0019】
まず、本発明の実施例1に係る紙幣処理装置の構成について図1乃至図5を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施例1に係る紙幣処理装置10の内部構成を示す平面図であり、図2は、本発明の実施例1に係る紙幣処理装置10の制御ブロックを示すブロック図である。
【0021】
図1に示されるように、この紙幣処理装置10は、受入部11、識別部12、収納部13、機外リジェクト部14、I/O基板15、搬送部16、一時保留部17、および機内リジェクト部18を備えている。また、図2に示されるように、この紙幣処理装置10は、記憶部101、制御部102、および収納検知部103をさらに備えている。
【0022】
記憶部101は、制御部102のための制御プログラム101A、識別部12の識別結果を含む識別データ101B、一時保留部17の在高を含む一時保留データ101C、収納部13のカセット131乃至133毎の在高を含む収納データ101D、ならびに後述の行き先データ101Eおよび機内リジェクトデータ101Fを記憶するようになっている。また、記憶部101は、制御部102のワーキングメモリとしても機能するようになっている。
【0023】
識別データ101Bは、図3に示されるように、識別部12によって識別された順番に、その識別結果(金種またはリジェクト要因)を含む。一時保留データ101Cは、図4に示されるように、一時保留部17に一時保留された金種毎の枚数を含む。収納データ101Dは、図5に示されるように、カセット131乃至133毎の金種別の紙幣の枚数を含む。
【0024】
制御部102は、受入部11、識別部12、収納部13、機外リジェクト部14、I/O基板15、搬送部16、一時保留部17、機内リジェクト部18、記憶部101、および収納検知部103に接続されている。制御部102は、記憶部101に記憶された制御プログラム101Aを起動することによって、受入部11、識別部12、収納部13、機外リジェクト部14、I/O基板15、搬送部16、一時保留部17、機内リジェクト部18、および収納検知部103を制御するようになっている。
【0025】
受入部11は、オペレータによって投入された紙幣を1枚ずつ繰り出すための繰出ローラを備えている。この繰出ローラは、投入された紙幣を繰り出し、紙幣処理装置10の内部に受け入れるようになっている。たとえば、受入部11に1度に投入できる紙幣の枚数(以下、「投入可能枚数」という)は、500枚である。
【0026】
識別部12は、受入部11によって受け入れられた紙幣の金種を識別するための様々なセンサ(たとえば、ラインセンサ)を備えている。また、識別部12は、紙幣の金種が識別された場合には、その金種を識別結果として制御部102に送り、搬送異常(斜行、連鎖、または重送)、媒体異常(偽券または損券)、またはその他の識別エラーなどのリジェクト要因が識別された場合には、そのリジェクト要因を識別結果として制御部102に送るようになっている。このとき、制御部102は、金種が識別された紙幣を「正常紙幣」と判定し、リジェクト要因が識別された紙幣を「リジェクト紙幣」と判定する。
【0027】
収納部13は、カセット131乃至133および退避カセット134から構成されている。カセット131乃至133は、それぞれ、制御部102によって「正常紙幣」と判定された紙幣を収納するための収納機構と、収納された紙幣を1枚ずつ繰り出すための繰出ローラと、を備えている。また、カセット131乃至133は、外部から引出可能に構成されている。退避カセット134は、後述の機内リジェクト戻し処理において、制御部102によって「リジェクト紙幣」と判定された紙幣を収納するようになっている。カセット131乃至133および退避カセット134の最大収納容量は、それぞれ等しい容量であって、たとえば、3000枚である。なお、カセット131乃至133および退避カセット134の最大収納容量は、受入部11の投入可能枚数より多ければ何枚でも良い。
【0028】
機外リジェクト部14は、制御部102によってリジェクト紙幣と判定された紙幣を集積するようになっている。機外リジェクト部14は、集積された紙幣を外部から取出可能に構成されている。
【0029】
I/O基板15には、操作部151および表示部152が接続されている。操作部151は、オペレータの指示を受け付けるための様々なキーを備えている。表示部152は、オペレータに様々な情報を表示するための液晶ディスプレイを備えている。
【0030】
搬送部16は、受入部11、識別部12、収納部13、機外リジェクト部14、および一時保留部17の間で紙幣を搬送するための搬送ベルト、搬送路ロ―ラ、および分岐爪、ならびにそれらを駆動するためのモータなどから構成されている。
【0031】
一時保留部17は、制御部102によって「正常紙幣」と判定された紙幣を一時保留するための一時保留機構と、一時保留された紙幣を1枚ずつ繰り出すための繰出ローラと、を備えている。一時保留部17の最大収納容量は、収納部13のカセット131乃至133と等しい容量であって、たとえば、3000枚である。なお、一時保留部17の最大収納容量は、受入部11の投入可能枚数より多ければ何枚でも良い。
【0032】
機内リジェクト部18は、リジェクト紙幣を一時保留するための一時保留機構と、一時保留された紙幣を1枚ずつ繰り出すための繰出ローラと、を備えている。機内リジェクト部18は、受入部11と一体に構成されている。
【0033】
収納検知部103は、収納部13(カセット131乃至133)および一時保留部17の紙幣の枚数を検知するためのセンサおよびカウンタを備えている。また、収納検知部103は、検知結果を制御部102に送る。
【0034】
次に、本発明の実施例1に係る紙幣処理装置10の動作について図1を参照して説明する。
【0035】
図1に示されるように、この紙幣処理装置10では、受入部11に投入された紙幣が、受入部11の繰出ローラによって搬送部16へ繰り出される。この繰出ローラによって繰り出された紙幣は、識別部12によって識別される。この識別部12によって金種が識別された紙幣は一時保留部17に一時保留され、この識別部12によってリジェクト要因が識別された紙幣は機外リジェクト部14に集積される。一時保留部17に一時保留された紙幣は、操作部151によって入金確定指示が受け付けられた後に、一時保留部17の繰出ローラによって搬送部16へ繰り出される。この繰出ローラによって繰り出された紙幣は、搬送部16によって、カセット131乃至133の何れかに搬送される。このカセット131乃至133には、金種混合で収納される。なお、本発明の実施例1では、金種混合でカセット131乃至133に収納する代わりに、金種別に収納されても良い。
【0036】
次に、本発明の実施例1に係る紙幣処理装置10の処理内容について図6乃至図12を参照して説明する。
【0037】
図6は、本発明の実施例1に係る入金処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0038】
図6に示されるように、はじめに、受入工程(S601)が行われる。受入工程(S601)では、受入部11が、投入された紙幣を紙幣処理装置10の内部に受け入れる。
【0039】
次に、識別工程(S602)が行われる。識別工程(S602)では、識別部12が、受入工程(S601)において受入部11によって受け入れられた紙幣を識別し、識別結果を制御部102に送る。このとき、制御部102は、この識別結果に基づいてこの紙幣を「正常紙幣」または「リジェクト紙幣」と判定する。また、制御部102は、「正常紙幣」と判定された紙幣の金種別の枚数または「リジェクト紙幣」と判定された紙幣のリジェクト要因を識別データ101Bとして記憶部101に書き込む。
【0040】
制御部102によって「正常紙幣」と判定された場合には(S603−YES)、一時保留工程(S604)が行われる。一時保留工程(S604)では、制御部102が、「正常紙幣」と判定された紙幣を一時保留部17に一時保留する。このとき、制御部102は、識別データ101Bに基づいて一時保留部17の在高を含む一時保留データ101Cを記憶部101に書き込む。
【0041】
一方、制御部102によって「リジェクト紙幣」と判定された場合には(S603−NO)、リジェクト工程(S605)が行われる。リジェクト工程(S605)では、制御部102が、「リジェクト紙幣」と判定された紙幣を機外リジェクト部14に集積する。
【0042】
S601乃至S605は、受入部11に投入された紙幣が0枚になるまで繰り返される(S606−NO)。
【0043】
受入部11に投入された紙幣が0枚になった場合には(S606−YES)、入金確認画面表示工程(S607)が行われる。入金確認画面表示工程(S607)では、制御部102が、一時保留部17に一時保留された紙幣の枚数および入金処理内容を確定するための入金確定指示を促すメッセージを含む入金確認画面を表示部104に表示させる。
【0044】
操作部151によって入金確定指示が受け付けられた場合には(S608−YES)、収納処理(S609)が行われる。
【0045】
図7は、本発明の実施例1に係る収納処理(図6のS609)の処理手順を示すフローチャートである。
【0046】
図7に示されるように、はじめに、収納検知工程(S701)が行われる。収納検知工程(S701)では、収納検知部103が、カセット131乃至133のそれぞれに収納された紙幣の枚数を検知し、検知結果を制御部102に送る。このとき、制御部102は、収納検知部103から送られた検知結果に基づいて、カセット131乃至133の空き容量を算出する。
【0047】
収納検知工程(S701)において算出されたカセット131乃至133の空き容量のうち最小の値が一時保留データ101Cの値以上である(すなわち、カセット131乃至133の何れかへの一括収納が可能である)場合には(S702−YES)、第1収納工程(S703)が行われる。第1収納工程(S703)では、制御部102が、一時保留部17から繰り出された紙幣をカセット131乃至133の何れかに収納する。第1収納行程(S703)は、一時保留部17に一時保留された紙幣が0枚になるまで繰り返される(S704−NO)。
【0048】
一時保留部17に一時保留された紙幣が0枚になった場合には(S704−YES)、第1収納データ更新工程(S705)が行われる。第1収納データ更新工程(S705)では、制御部102が、第1収納工程(S703)において紙幣が収納されたカセット131乃至133の何れかに対応する収納データ101Dの値に一時保留データ101Cの値を加算して、更新する。この後、制御部102は、一時保留データ101Cをクリアする。
【0049】
一方、収納検知工程(S701)において算出されたカセット131乃至133の空き容量のうち最小の値が一時保留データ101Cの値より小さい(すなわち、カセット131乃至133の何れかへの一括収納が不可能である)場合には(S702−NO)、第2収納処理(S706)が行われる。
【0050】
なお、本発明の実施例1では、第1収納工程(S703)の搬送経路は、識別部12を経由する搬送経路と経由しない搬送経路の何れであっても良い。識別部12を経由する搬送経路においては、識別部12による識別が行われても良いし、省略されても良い。このとき、識別部12による識別が行われたとしても、第1収納データ更新工程(S705)において、その識別結果は無視される。
【0051】
図8は、本発明の実施例1に係る第2収納処理(図7のS706)の処理手順を示すフローチャートである。
【0052】
図8に示されるように、はじめに、識別工程(S801)が行われる。識別工程(S801)では、識別部12が、一時保留部17から繰り出された紙幣を識別し、識別結果を制御部102に送る。このとき、制御部102は、この識別結果に基づいてこの紙幣を「正常紙幣」または「リジェクト紙幣」と判定する。また、制御部102は、「正常紙幣」と判定された紙幣の金種別の枚数または「リジェクト紙幣」と判定された紙幣のリジェクト要因を識別データ101Bとして記憶部101に書き込む。
【0053】
制御部102によって「正常紙幣」と判定された場合には(S802−YES)、行き先決定処理(S803)が行われる。
【0054】
図9は、本発明の実施例1に係る行き先決定処理(図8のS803)の処理手順を示すフローチャートである。
【0055】
図9に示されるように、収納部13のカセット13n(nは正の自然数、1≦n≦カセットの数、nの初期値は1)に空き容量がある場合には(S901−YES)、制御部102は、カセット13nを行き先として決定する(S902)。
【0056】
次に、行き先データ更新工程(S903)が行われる。行き先データ更新工程(S903)では、制御部102が、識別工程(図8のS801)の識別部12の識別結果に基づいて、S902において行き先として決定されたカセット13nに収納される紙幣の金種毎の枚数を含む行き先データ101E(図10参照)を更新する。
【0057】
一方、収納部13のカセット13nに空き容量がない場合には(S901−NO)、「n=n+1」を演算し(S904)、S901へ戻る。
【0058】
本発明の実施例1に係る行き先決定処理(図8のS803)は、S903の後に終了する。
【0059】
図8に示されるように、行き先決定処理(S803)の後に、第2収納工程(S804)が行われる。第2収納工程(S804)では、制御部102が、一時保留部17に一時保留された紙幣を繰り出し、その紙幣を図9のS902において行き先として決定されたカセット131乃至133の何れかに収納する。
【0060】
一方、制御部102によって「リジェクト紙幣」と判定された場合には(S802−NO)、機内リジェクト工程(S805)が行われる。機内リジェクト工程(S805)では、制御部102が、「リジェクト紙幣」と判定された紙幣を機内リジェクト部18に一時保留する。
【0061】
識別工程(S801)乃至機内リジェクト工程(S805)は、一時保留部17に一時保留された紙幣が0枚になるまで繰り返される(S806−NO)。
【0062】
一時保留部17に一時保留された紙幣が0枚になった場合には(S806−YES)、第2収納データ更新工程(S807)が行われる。第2収納データ更新工程(S807)では、制御部102が、カセット131乃至133の収納データ101Dの値に行き先データ更新工程(図9のS903)において更新された行き先データ101Eの値をそれぞれ加算して、更新する。また、制御部102は、一時保留データ101Cの値から行き先データ101Eの値を減算し、その減算結果を機内リジェクト部18に一時保留された紙幣の在高を含む機内リジェクトデータ101F(図11参照)として記憶部101に書き込む。この後、制御部102は、一時保留データ101Cおよび行き先データ101Eをクリアする。
【0063】
次に、機内リジェクト戻し処理(S808)が行われる。
【0064】
図12は、本発明の実施例1に係る機内リジェクト戻し処理(図8のS808)の処理手順を示すフローチャートである。機内リジェクト戻し処理(図8のS808)は、操作部151が、所定の設定回数の指示をオペレータから受け付け、制御部102が、その指示に基づいて設定回数を記憶部101に書き込んだ後に行われる。
【0065】
図12に示されるように、機内リジェクト戻し処理回数が設定回数以下である場合には(S1201−YES)、機内リジェクト戻し工程(S1202)が行われる。機内リジェクト戻し工程(S1202)では、制御部102が、機内リジェクト工程(図8のS805)において機内リジェクト部18に一時保留された全ての紙幣を紙幣処理装置10の内部に繰り出し、一時保留部17に一時保留する。このとき、制御部102は、識別データ101Bに基づいて一時保留部17に一時保留された紙幣の在高を含む一時保留データ101Cを記憶部101に書き込む。また、一時保留部17は、一時保留された紙幣を繰り出す。
【0066】
次に、識別工程(S1203)が行われる。識別工程(S1203)では、識別部12が、機内リジェクト戻し工程(S1202)において一時保留部17から繰り出された紙幣を識別し、識別結果を制御部102に送る。このとき、制御部102は、この識別結果に基づいてこの紙幣を「正常紙幣」または「リジェクト紙幣」と判定する。また、制御部102は、「正常紙幣」と判定された紙幣の金種別の枚数または「リジェクト紙幣」と判定された紙幣のリジェクト要因を識別データ101Bとして記憶部101に書き込む。
【0067】
制御部102によって「正常紙幣」と判定された場合には(S1204−YES)、行き先決定処理(S1205)が行われる。行き先決定処理(S1205)は、図9に示された処理手順に従って行われる。
【0068】
次に、第2収納工程(S1206)が行われる。第2収納工程(S1206)では、制御部102が、「正常紙幣」と判定された紙幣を図9のS902において行き先として決定されたカセット131乃至133の何れかに収納する。
【0069】
一方、制御部102によって「リジェクト紙幣」と判定された場合には(S1204−NO)、機内リジェクト工程(S1207)が行われる。機内リジェクト工程(S1207)では、制御部102が、「リジェクト紙幣」と判定された紙幣を機内リジェクト部18に一時保留する。
【0070】
S1203乃至S1207は、一時保留部17に一時保留された紙幣が0枚になるまで繰り返される(S1208−NO)。
【0071】
一時保留部17に一時保留された紙幣が0枚になった場合には(S1208−YES)、第2収納データ更新工程(S1209)が行われる。第2収納データ更新工程(S1208)は、第2収納データ更新工程(図8のS807)と同様に行われる。
【0072】
S1201乃至S1209は、機内リジェクト部18に一時保留された紙幣が0枚になるまで繰り返される(S1210−NO)。
【0073】
一方、機内リジェクト戻し処理回数が設定回数より多い場合には(S1201−NO)、退避工程(S1211)が行われる。退避工程(S1211)では、制御部102が、機内リジェクト部18に一時保留された紙幣を退避カセット134に一括して収納する。
【0074】
本発明の実施例1に係る機内リジェクト戻し処理(図8のS808)は、機内リジェクト部18に一時保留された紙幣が0枚になった場合(S1210−YES)または退避工程(S1211)の後に終了する。
【0075】
図8に示されるように、本発明の実施例1に係る第2収納処理(図7のS706)は、機内リジェクト戻し処理(S808)の後に終了する。
【0076】
一方、図6に示されるように、操作部151によって返却指示が受け付けられた場合には(S608−NO)、返却工程(S610)が行われる。返却工程(S610)では、制御部102が、一時保留部17から繰り出された紙幣を受入部11に集積し、一時保留データ101Cをクリアする。
【0077】
本発明の実施例1に係る入金処理(図6)は、収納処理(S609)または返却工程(S611)の後に終了する。
【0078】
なお、本発明の実施例1では、カセット131乃至133の数が3つである例について説明したが、これに限られるものではない。
【0079】
また、本発明の実施例1では、カセット131乃至133毎の在高(空き容量)を紙幣の枚数に基づいて算出する例について説明したが、カセット131乃至133毎に集積された紙幣の高さを測定し、その測定結果に基づいて在高(空き容量)を算出しても良い。
【0080】
また、本発明の実施例1では、第1収納工程(S703)において、制御部102は、識別部12を経由して一時保留部17に一時保留された紙幣を収納部13に搬送しても良いし、識別部12を経由しないでその紙幣を収納部13に搬送しても良い。
【0081】
本発明の実施例1によれば、一時保留部17に一時保留された紙幣をカセット131乃至133の何れかに一括して収納できる場合には、識別部12の識別工程を省略し、一時保留データ101Cに基づいて収納データ101Dを更新するので、リジェクト要因の発生頻度を低減することができ、ひいては、一時保留部17に一時保留された紙幣の全てを収納部13に収納するための処理時間を短縮させることができる。
【0082】
また、本発明の実施例1によれば、記憶部101が、カセット131乃至133毎の収納データ101Dを記憶するので、カセット131乃至133毎の在高を管理することができる。
【0083】
また、本発明の実施例1によれば、機内リジェクト部18が受入部11と一体に構成されているので、紙幣処理装置10を小型化することができる。
【0084】
また、本発明の実施例1によれば、記憶部101が、一時保留データ101Cおよび行き先データ101Eを記憶するので、機内リジェクト部18の在高を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施例1に係る紙幣処理装置10の内部構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る紙幣処理装置10の制御ブロックを示すブロック図である。
【図3】識別データ101Bのデータ構造を示す概略図である。
【図4】一時保留データ101Cのデータ構造を示す概略図である。
【図5】収納データ101Dのデータ構造を示す概略図である。
【図6】本発明の実施例1に係る入金処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例1に係る収納処理(図6のS609)の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例1に係る第2収納処理(図7のS706)の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例1に係る行き先決定処理(図8のS803)の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】行き先データ101Eのデータ構造を示す概略図である。
【図11】機内リジェクトデータ101Fのデータ構造を示す概略図である。
【図12】本発明の実施例1に係る機内リジェクト戻し処理(図8のS808)の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
10 紙幣処理装置
101 記憶部
102 制御部
103 収納検知部
11 受入部
12 識別部
13 収納部
131〜133 カセット
134 退避カセット
14 機内リジェクト部
15 I/O基板
151 操作部
152 表示部
16 搬送部
17 一時保留部
18 機外リジェクト部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣を受け入れるための受入部と、
前記受入部によって受け入れられた紙幣を識別するための識別部と、
前記識別部によって識別された紙幣を一時保留するための一時保留機構と、前記一時保留された紙幣を繰り出すための繰出機構と、を有する一時保留部と、
前記一時保留部に一時保留された紙幣の入金確定指示を受け付けるための操作部と、
前記識別部によって識別された紙幣を収納するための複数のカセットを有する収納部と、
前記一時保留部の在高を含む一時保留データおよび前記収納部の在高を含む収納データを記憶するための記憶部と、
前記操作部によって入金確定指示が受け付けられたときに、前記一時保留部に一時保留された紙幣を前記カセットに収納し、前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新する制御部と、を備えることを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記一時保留部に一時保留された紙幣が前記複数のカセットの何れにも一括して収納できない場合に、前記一時保留部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記紙幣を前記複数のカセットに分割して収納し、前記一時保留部から繰り出された紙幣に対して行われた前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新する請求項1に記載の紙幣処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記一時保留部に一時保留された紙幣が前記複数のカセットの何れかに一括して収納できる場合に、前記一時保留部から繰り出された紙幣を前記複数のカセットの何れかに一括して収納し、前記一時保留データに基づいて前記収納データを更新する請求項1または2に記載の紙幣処理装置。
【請求項4】
前記収納データは、前記収納部の複数のカセット毎の在高を含む請求項1乃至3の何れか1項に記載の紙幣処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記収納データに基づいて前記複数のカセット毎の空き容量を算出し、前記空き容量に基づいて前記一時保留部から繰り出された紙幣を前記複数のカセットに分割して収納する請求項4に記載の紙幣処理装置。
【請求項6】
前記一時保留部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によってリジェクト要因が識別されたリジェクト紙幣を一時保留するための一時保留機構を有する機内リジェクト部をさらに備え、
前記制御部は、前記識別部によってリジェクト要因が識別されたリジェクト紙幣を前記機内リジェクト部に一時保留する請求項5に記載の紙幣処理装置。
【請求項7】
前記機内リジェクト部は、前記受入部と一体に構成されている請求項6に記載の紙幣処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記一時保留データおよび前記識別部の識別結果に基づいて前記機内リジェクト部の在高を算出する請求項6または7に記載の紙幣処理装置。
【請求項9】
前記機内リジェクト部は、前記リジェクト紙幣を繰り出すための繰出機構をさらに有し、
前記収納部は、所定のリジェクト紙幣を収納する退避カセットをさらに有し、
前記制御部は、前記機内リジェクト部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によってリジェクト要因が識別されたリジェクト紙幣を前記退避カセットに収納する請求項6乃至8の何れか1項に記載の紙幣処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記機内リジェクト部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によって金種が識別された正常紙幣を前記複数のカセットに分割して収納し、前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新する請求項9に記載の紙幣処理装置。
【請求項11】
前記機内リジェクト部は、前記リジェクト紙幣を繰り出すための繰出機構をさらに有し、
前記制御部は、前記機内リジェクト部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によって金種が識別された正常紙幣を前記複数のカセットに分割して収納し、前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新する請求項6乃至8の何れか1項に記載の紙幣処理装置。
【請求項1】
紙幣を受け入れるための受入部と、
前記受入部によって受け入れられた紙幣を識別するための識別部と、
前記識別部によって識別された紙幣を一時保留するための一時保留機構と、前記一時保留された紙幣を繰り出すための繰出機構と、を有する一時保留部と、
前記一時保留部に一時保留された紙幣の入金確定指示を受け付けるための操作部と、
前記識別部によって識別された紙幣を収納するための複数のカセットを有する収納部と、
前記一時保留部の在高を含む一時保留データおよび前記収納部の在高を含む収納データを記憶するための記憶部と、
前記操作部によって入金確定指示が受け付けられたときに、前記一時保留部に一時保留された紙幣を前記カセットに収納し、前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新する制御部と、を備えることを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記一時保留部に一時保留された紙幣が前記複数のカセットの何れにも一括して収納できない場合に、前記一時保留部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記紙幣を前記複数のカセットに分割して収納し、前記一時保留部から繰り出された紙幣に対して行われた前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新する請求項1に記載の紙幣処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記一時保留部に一時保留された紙幣が前記複数のカセットの何れかに一括して収納できる場合に、前記一時保留部から繰り出された紙幣を前記複数のカセットの何れかに一括して収納し、前記一時保留データに基づいて前記収納データを更新する請求項1または2に記載の紙幣処理装置。
【請求項4】
前記収納データは、前記収納部の複数のカセット毎の在高を含む請求項1乃至3の何れか1項に記載の紙幣処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記収納データに基づいて前記複数のカセット毎の空き容量を算出し、前記空き容量に基づいて前記一時保留部から繰り出された紙幣を前記複数のカセットに分割して収納する請求項4に記載の紙幣処理装置。
【請求項6】
前記一時保留部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によってリジェクト要因が識別されたリジェクト紙幣を一時保留するための一時保留機構を有する機内リジェクト部をさらに備え、
前記制御部は、前記識別部によってリジェクト要因が識別されたリジェクト紙幣を前記機内リジェクト部に一時保留する請求項5に記載の紙幣処理装置。
【請求項7】
前記機内リジェクト部は、前記受入部と一体に構成されている請求項6に記載の紙幣処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記一時保留データおよび前記識別部の識別結果に基づいて前記機内リジェクト部の在高を算出する請求項6または7に記載の紙幣処理装置。
【請求項9】
前記機内リジェクト部は、前記リジェクト紙幣を繰り出すための繰出機構をさらに有し、
前記収納部は、所定のリジェクト紙幣を収納する退避カセットをさらに有し、
前記制御部は、前記機内リジェクト部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によってリジェクト要因が識別されたリジェクト紙幣を前記退避カセットに収納する請求項6乃至8の何れか1項に記載の紙幣処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記機内リジェクト部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によって金種が識別された正常紙幣を前記複数のカセットに分割して収納し、前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新する請求項9に記載の紙幣処理装置。
【請求項11】
前記機内リジェクト部は、前記リジェクト紙幣を繰り出すための繰出機構をさらに有し、
前記制御部は、前記機内リジェクト部から繰り出された紙幣が前記識別部によって識別された後に、前記識別部によって金種が識別された正常紙幣を前記複数のカセットに分割して収納し、前記識別部の識別結果に基づいて前記収納データを更新する請求項6乃至8の何れか1項に記載の紙幣処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−33218(P2010−33218A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−193141(P2008−193141)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]