説明

紙折機の給紙機構

【課題】折り機と前処理機の連結を迅速かつ簡単に行うことができ、折り機と前処理機の連結のための手間や労力を低減できるようにすること。
【解決手段】折り曲げる用紙の搬入位置に昇降する給紙台6を備えた紙折機であって、最下降した給紙台6と横並びする上面にガイドレール9aを取付けたコンベア収納台9を設け、そのガイドレール9aに載せてコンベア8を待機させるとともに、紙折機に前処理機を連結するとき、給紙台6上にガイドレールを取付け、コンベア収納台9に待機させたコンベア8をガイドレールに沿って移動して、給紙台6上に設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙折機の給紙機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
搬送した用紙の先端を折バックル内に挿入し、折バックルからはみ出す部分から折り曲げ、その折り曲げた部分を先端にして対からなる折ローラ間に挟み込んで折り曲げる紙折機はよく知られている。図5はこのような折バックルによる紙折機の一例を示すもので、この図5において、1は折バックル(図示例では6個)、2は搬入ローラ、3は折ローラ(図示例では7個)、4は用紙搬送ベルト、5は給紙ローラ、6は給紙台、7は給紙台昇降チェーン、Pは用紙である。
【0003】
給紙台6上に集積載置された用紙の最上部の一枚の用紙Pを給紙ローラ5により用紙搬送ベルト4上に送り出す。用紙搬送ベルト4上に送り出された用紙は搬入ローラ2と搬入ローラ2と対向する折ローラ3とに挟まれて折バックル1内に挿入される。折バックル1には図示しない折位置を決めるためのストッパが所定の位置に設定されており、挿入された用紙の先端はそのストッパに当接して停止する。用紙搬送ベルト4および搬入ローラ2は駆動が継続されており、折バックル1からはみ出る部分は折り曲げ、その折り曲げ部分を先端にして対からなる折ローラ3に挟まれて折り曲げ、その折り曲げ部分を先端にして次の折バックル1に挿入される。順次これを繰り返して所定数の折が形成される。給紙台7は集積載置された用紙が減少する度、最上部の一枚の用紙が用紙搬送ベルト4上に送り出すことのできる位置まで上昇する。なお、1aは折り機構部のカバーである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平4−35330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、印刷機などの前処理機で処理した用紙をそのまま紙折機に送ってその用紙を折り曲げる場合がある。この場合、前記のような折り機では、用紙の搬入位置に給紙台があるため、この給紙台を外すなど折り機と前処理機の連結に多くの手間や労力がかかるという課題がある。
【0006】
発明が解決しようとする課題は、折り機と前処理機の連結を迅速かつ簡単に行うことができ、折り機と前処理機の連結のための手間や労力を低減できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、用紙の搬入位置に昇降する給紙台を備えた紙折機において、前記給紙台にガイドレール固定手段を設けるとともに、下降した前記給紙台に並設して上面に収納するコンベアを載置するガイドレールを設けたコンベア収納台を設け、前記紙折機に前処理機を連結するとき、前記給紙台のガイドレール固定手段にガイドレールを固定して前記コンベア収納台上のガイドレールと連接し、前記コンベア収納台上のガイドレール上に収納したコンベアを前記給紙台のガイドレールに沿って移動させて前記給紙台上に設置し、コンベアを設置した給紙台を所定量上昇して、給紙台上のコンベアを前記折機の用紙の搬入位置に設置してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、紙折機に前処理機を連結するときには、給紙台上にガイドレールを固定し、コンベア収納台上に収納したコンベアをガイドレールに沿って移動させて給紙台上に載せ、給紙台を上昇させてコンベアを折機の用紙の搬入位置に設置するので、給紙台を外すような手間を必要とすることなく、紙折機に前処理機を連結することができ、また、コンベアをガイドレールに沿って移動させるので給紙台上に簡単に設置できる。すなわち、折り機と前処理機の連結を迅速かつ労無く簡単に行うことができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1に係る紙折機単独使用状態の構成を示す平面図(a)と側面図(b)である。
【図2】図1に示す紙折機と前処理機の連結使用状態を示す平面図(a)と側面図(b)である。
【図3】本発明の実施例1に係る紙折機と前処理機の連結機構の説明図である。
【図4】本発明の実施例1に係る紙折機と前処理機の連結機構の説明図である。
【図5】従来の紙折機の構成を示す側面図である。
【実施例1】
【0010】
本発明の実施例1に係る紙折機について、図1〜図4を参照して説明する。なお、図5に示す従来の紙折機と同一または対応する部分には同一の符号を付し、折動作についての説明は省略する。図1において、6は給紙台、7はモータM(図3参照)により駆動される駆動スプロケット7aと従動スプロケット7bに掛け渡されたチェーン、8はコンベアベルト8a(図示例は4本)を有するコンベア、9はコンベア収納台、10は給紙台用断面凹状のガイドレール(図3(b)参照)、11は印刷機などの前処理機である。コンベアの下面にはキャスター8bが取付けられ、また、コンベア収納台の上面には二本の断面凹状のガイドレール9aとコンベアの有無を検出するセンサ9bが取付けられている。
【0011】
収納台9は、最下降位置の給紙台6と横並びするように設置されており、その上面に取付けたガイドレール9aの凹内にキャスター8bをはめ込んだ状態でコンベア8を載置させている。紙折機を単独で使用する場合には、コンベア8をコンベア収納台9に載置させておき、この状態で給紙台6上に折り曲げる用紙を集積載置し、最上部の一枚の用紙Pを給紙ローラ5により用紙搬送ベルト4上に送り出して、その用紙を折バックルと折ローラとにより折り曲げる。この場合は、図5に示す従来の紙折機の使用と同様である。
【0012】
給紙台6には、図3(a)(b)に示すようにほぼ四隅に嵌合孔6aが形成されており、また、給紙台用凹状のガイドレール10の下面には、図3(b)に示すように給紙台6の嵌合孔6aに嵌め込む嵌合突起10aが形成されている。紙折機に前処理機を連結し、前処理機から搬出される一枚ごとの用紙を紙折機で折り曲げる場合には、図3(a)に示すように、モータMを駆動し給紙台6を固定した側のチェーン7を下方に移動し、給紙台6をコンベア収納台9と並べた位置に置く。実際にはコンベア収納台9の高さは給紙台6を最降下したときに給紙台6と段差なく並べられる高さとされ、給紙台6は最下降位置に置く。
【0013】
そして、適宜箇所に収納した下面に嵌合突起10aを形成したガイドレール10を用意し、図3(b)に示すように、給紙台6の嵌合孔6aに嵌合突起10aを挿入してガイドレール10を給紙台6の上面に設置する。このとき給紙台6上のガイドレール10とコンベア収納台9上のガイドレール9aとは段差なく直線状に連接する。その後、図3(c)および図4(a)に示すように、コンベア収納台9上のコンベア8をガイドレール10に沿って移動させてコンベア8を給紙台6の上に設置する。具体的には、コンベア8の機体に取付けた把手8cを掴んで引き入れる。このときコンベア8のキャスタ8bはガイドレール9aおよび10の凹内を転がるので、その引き入れは容易に行うことができる。
【0014】
その後、図4(b)に示すように、給紙台6を上昇させ、図2(b)に示すように給紙台6上のコンベア8を紙折機の用紙の搬入位置、つまりコンベア8のコンベアベルト8aと紙折機の用紙搬送ベルト4とが連接する位置に設置する。この設置により、前処理機11から搬出された用紙は、ベルトコンベア装置8のコンベアベルト8a上に搬出され、コンベアベルト8a上に搬出された用紙は紙折機の用紙搬送ベルト4上に送り出される。紙折機の用紙搬送ベルト4上に送り出された用紙は折バックル1と折ローラ3とにより折り曲げられる。
【0015】
前処理機11から搬出された用紙の折り曲げが終了し、紙折機を単独で使用するときには、給紙台6を下降しコンベア収納台9と並べた位置で停止させる。そして、給紙台6上のコンベア8をコンベア収納台9上のガイドレール9aに沿って移動させてコンベア収納台9上にコンベア8を載せる。その後、給紙台6上のガイドレール10を取り除き、折り曲げる用紙を給紙台6上に集積載置し、図1(b)に示すように、給紙台6上に集積した最上部の一枚の用紙Pが給紙ローラ5により紙折機の用紙搬送ベルト4上に送り出せる位置まで給紙台6を上昇させる。
【符号の説明】
【0016】
1 折バックル
2 搬入ローラ
3 折ローラ
4 用紙搬送ベルト
5 給紙ローラ
6 給紙台
6a 嵌合孔
7 給紙台昇降チェーン
8 コンベア
8a コンベアベルト
8b キャスター
9 コンベア収納台
9a ガイドレール
10 ガイドレール
10a 嵌合突起
11 前処理機
P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の搬入位置に昇降する給紙台を備えた紙折機において、前記給紙台にガイドレール固定手段を設けるとともに、下降した前記給紙台に並設して上面に収納するコンベアを載置するガイドレールを設けたコンベア収納台を設け、前記紙折機に前処理機を連結するとき、前記給紙台のガイドレール固定手段にガイドレールを固定して前記コンベア収納台上のガイドレールと連接し、前記コンベア収納台上のガイドレール上に収納したコンベアを前記給紙台のガイドレールに沿って移動させて前記給紙台上に設置し、コンベアを設置した給紙台を所定量上昇して、給紙台上のコンベアを前記折機の用紙の搬入位置に設置してなることを特徴とする紙折機の給紙機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−184767(P2010−184767A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29557(P2009−29557)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(000113403)ホリゾン・インターナショナル株式会社 (71)
【Fターム(参考)】