説明

紙箱

【課題】 組立・展開が容易で、内部を目視可能な状態で前面を開放でき箱としても堅牢で不測の破損を防ぐことのできる紙箱を提供すること。
【解決手段】底面板は方形に形成されると共にその底面板の各辺に前後面板及び左右面板が設けてある。前後面板及び左右面板は底面板に対し直角に折り曲げられて物品を収納する収納部5を形成する。左右側面板にはその左右側面板に連なり前面板に隣接する一対の折り片16,17が設けてある。上部は収納部5の上側を覆う。収納部5は、左右側面板を底面板に対し直角に折り曲げると共に一対の折り片16,17を左右側面板に対し直角に底面板側に折り曲げて、前面板12を底面板に対し直角に折り曲げることで一対の折り片16,17が前面板12を保持した状態で形成される。紙箱の収納部5側表面には文字D5又は絵柄D2,3,D1a,bが印刷してある。底面板の下辺には前面板12を切断可能とする簡易切断加工を施してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙箱に関する。さらに詳しくは、底面板と一対の前後面板と一対の左右側面板及び上部とが連なって設けられたブランクを折り曲げて内部に物品を収納する紙箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上述の如き紙箱として、例えば特許文献1,2に記載の如きものが知られている。特許文献1に記載の包装用箱は、上下に補強片を設けた側面壁を備え、この側面壁を外側に開くことで箱内部の絵や写真を鑑賞できるようにしてある。しかし、側面壁を外側に開くために構造が複雑となっていた。また、側壁面は開いた後で箱本体から切り取り可能に構成されていない。
【0003】
特許文献2には、背景や建物が印刷された箱が開示されている。この箱の前フラップの中央には切取線が設けてあり、切取線で切断することで前フラップを左右に開き、箱を玩具として使用可能にしてある。しかし、切取線を設けた前フラップの保持に対する配慮が不十分であり、箱を堅牢に形成することは困難であった。
【特許文献1】実用新案登録第3009519号公報
【特許文献2】特開2002−95417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、組立・展開が容易で、内部を目視可能な状態で前面を開放でき箱としても堅牢で不測の破損を防ぐことのできる紙箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る紙箱の特徴は、底面板と一対の前後面板と一対の左右側面板及び上部とが連なって設けられたブランクを折り曲げて内部に物品を収納する構成において、前記底面板は方形に形成されると共にその底面板の各辺に前記前後面板及び左右面板が設けてあり、前記前後面板及び左右面板は前記底面板に対し直角に折り曲げられて前記物品を収納する収納部を形成するものであり、前記左右側面板にはその左右側面板に連なり前記前面板に隣接する一対の折り片が設けてあり、前記上部は前記収納部の上側を覆うものであり、前記収納部は、前記左右側面板を前記底面板に対し直角に折り曲げると共に前記一対の折り片を前記左右側面板に対し直角に前記底面板側に折り曲げて、前記前面板を前記底面板に対し直角に折り曲げることで前記一対の折り片が前記前面板を保持した状態で形成され、紙箱の前記収納部側表面には文字又は絵柄が印刷してあり、前記底面板の下辺には前記前面板を切断可能とする簡易切断加工を施したことにある。
【0006】
上記特徴により、各面板を折り曲げることで容易に組み立てることができると共に展開も容易となる。また、前面板は簡易切断加工を施した底面板の下辺から切断可能であるので、前面板を切り取ることで箱前面を開放でき、内部に収納した物品と内面に印刷された文字又は絵柄を良好な状態で鑑賞することができる。しかも、簡易切断加工を施した底面板の下辺を介して設けた前面板は、開放前において一対の折り片により保持されるので、紙箱が堅牢に形成され不測の破損をも防止することができる。
【0007】
また、前記物品はケースに収納されて前記底面板の前記簡易切断加工近傍に載置してあり、前記一対の折り片が前記前面板を保持した状態で前記ケースと当接するとよい。これにより、前面板を保持する一対の折り片がケースにより保持されるので、より確実に紙箱の不測の破損を防止することができる。
【0008】
前記物品は透明ケース入りのプリザーブドフラワーであればよく、前記前面板には前記文字が印刷されており、前記簡易切断加工がミシン目であっても構わない。前面板は切断可能であるので、物品の文字部分を切り取ることで前面を開放した紙箱の意匠効果を高めることができる。これにより、例えば前面を開放した紙箱をインテリアとして飾ることができる。
【0009】
前記底面板に直交する前記後面板の両辺に一対の差込片を設け、前記左右側面板に前記差込片を差し込む差込孔を設けても構わない。差込片と差込孔との係合により収納部をより堅牢に形成することができる。
【0010】
また、上記特徴において、前記上部は一対の前後上面板及び一対の左右上面板よりなり、前記前後上面板は前記底面板の上下辺に対向する前記前後面板の上下辺に設けられると共にその上下辺に対向する辺に対をなす手提片を有し、前記左右上面板は前記底面板の左右辺に対向する前記左右側面板の左右辺に設けられると共にその左右辺に対向して前記手提片を係合させる係合部を有し、前記手提片を前記係合部に係合させた状態において前記前後上面板及び左右上面板が斜面を形成するようにしても構わない。対をなす手提片を左右上面板と係合させることで、紙箱に手提を設けると共に紙箱を堅牢にすることができる。
【0011】
係る場合、前記底面板、前記後面板及び一対の左右側面板の前記絵柄は屋内風景であり、前記後上面板及び左右上面板の前記収納部側表面には屋根の絵柄が印刷してあり、前記前上面板には前記文字が印刷してあり、前記後上面板の前記手提片の前記収納部側表面に他の絵柄が印刷してあるとよい。これにより、紙箱前面を開放した状態で紙箱を家として認識させることができる。
【0012】
また、前記上部は1の上面板よりなり、前記上面板は前記後面板の上辺に設けられると共に前記上辺に対向する辺に突片を有し、前記前面板の下辺に前記突片を挿入する挿入孔を設けてもよい。突片を挿入孔に挿入することで、一対の折り片が前面板を保持した状態で、その前面板と上面板とを連結でき、紙箱をより堅牢に形成することができる。
【0013】
係る場合、前記収納部側表面には前記絵柄としてキャラクターが印刷してあり、前記一対の折り片に指形の突起部を設けるとよい。前面を開放した状態において、印刷されたキャラクターと指形の突起部とが一体となって、キャラクターが両手を広げて物品を手渡しているように見せることができ、意匠効果をより高めることができる。また、前面の開放前において一対の折り片は前面板を保持するので、箱外面に露出されることはなく、指となる突起部を前面板より保護し不測の破損を防止できる。
【発明の効果】
【0014】
上記本発明に係る紙箱の特徴によれば、組立・展開が容易で、内部を目視可能な状態で前面を開放でき箱としても堅牢で不測の破損を防ぐことが可能となった。
【0015】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、図1〜5を参照しながら、本発明に係る紙箱の第一実施形態について、さらに詳しく説明する。
図1,3,4に示すように、本発明に係る紙箱1は、大略、厚紙等の1枚のブランク2及び物品4からなる。このブランク2には、図2に示すように、大略、底面板11、前面板12、後面板13、左面板14、右面板15、上部20及び手提30となる一対の手提片31,32が連続して設けられている。一対の前後面板12,13及び一対の左右面板14,15は、底面板11に対し直角に折り曲げられて物品4を収納する収納部5を形成する。また、図3,4に示すように、この収納部5を囲む各面板の収納部5側表面には、文字又は絵柄が印刷してある。
【0017】
図2に示すように、底面板11の下辺11aには、簡易切断加工としてミシン目pを施してあり、ミシン目pを介して前面板12が設けられている。このミシン目pは、ブランク2を貫通する略方形の貫通部分と非貫通の接続部分が直線状に交互に配列して形成されている。また、上辺11b及び左右辺11c,dには、同図において一点鎖線で示す折り目線を介して後面板13及び一対の左右面板14,15が設けられている。これら各面板11〜15は略方形に形成されている。前面板12は、ミシン目pにより底面板11から切断可能であり、前面板12を切断することで、紙箱1の前面を開放できる。また、後面板13の左右には、差込片13a,bが各々折り目線を介して設けられている。
【0018】
左側面板14の下辺14aには、略方形の折り片16が折り目線を介して設けられてあり、前面板12に隣接する。また、上辺14bには、連結片18と差込片13aが差し込まれる差込孔18aが設けられている。差込片13aと差込孔18aとの係合により、連結片18を介して後面板13と左側面板14とが連結固定される。なお、右側面板15は左側面板14と同様の構成であり、底面板11に対して左右対称に設けてある。符号17は折り片16に対応し、符号19は連結片18に対応し、符号19aは差込孔18aに対応する。
【0019】
上部20は、前上面板21、後上面板22、左上面板23及び右上面板24よりなり、折り曲げられて収納部5を覆う蓋部となる。前上面板21は台形を呈し、前面板12の下辺12aに折り目線を介して設けられている。後上面板22は前上面板21と同様の構成であり、底面板11に対して上下対称に設けてある。
【0020】
左上面板23は略三角形状を呈し、左側面板14の左辺14cに折り目線を介して設けてある。この左上面板23には、凸部23a及び後述の手提片31,32を係合させる切込23bが形成してあり、手提片31,32を係合させる係合部を構成する。なお、右上面板24は左上面板23と同様の構成であり、底面板11に対して左右対称に設けてある。符号24aは凸部23aに対応し、符号24bは切込23bに対応する。
【0021】
手提片31は、前上面板21の下辺21aに折り目線を介して設けてあり、その両端には突起31a,bが形成されている。また、下辺21a側の幅方向中央には、略方形の切込33を形成してある。なお、手提片32は手提片31と同様の構成であって、底面板11に対して上下対称に設けてある。符号32a,bは突起31a,bに対応し、符号34は切込33に対応する。
【0022】
物品4は、プリザーブドフラワー41を透明ケース42内部に収納してなる。図4に示すように、透明ケース42は折り片16,17とほぼ同一高さに形成してある。透明ケース42は、底面板11の下辺11aのミシン目p近傍に載置され、その幅方向略中央において底面板11に接着固定される。このプリザーブドフラワー41は、生花の如き美しさを保ちながら枯れずに1年程度鑑賞可能なものである。
【0023】
次に、ブランク2を折り曲げて紙箱1を組み立てる手順について説明する。
まず、後面板13及び左右側面板14,15を折り目線で底面板11に対し直角に折り曲げる。次に、後面板13の差込片13a,bを折り目線で折り曲げて差込孔18a,19aに差し込み、左連結片18,19を介して後面板13と左右側面板14,15とを連結固定する。そして、一対の折り片16,17を左右側面板14,15に対し直角に折り曲げて後面板13と対向させ、前面板12を後面板13と対向するように底面板11に対し直角に折り曲げて、収納部5を形成する。
【0024】
図5に示すように、この折り曲げた状態において、前面板12は一対の折り片16,17に当接し、この一対の折り片16,17により収納部5側方向に対して保持される。これにより、一対の折り片16,17が前面板12の収納部5側への変位を抑制して、ミシン目pが切断されることによる前面板12の不測の脱落を防止することができる。さらに、一対の折り片16,17とほぼ同一高さに形成された透明ケース42は、底面板11のミシン目pの幅方向の中央近傍に固定してあるので、一対の折り片16,17は透明ケース42に当接し、収納部5側方向に対する変位を抑制する。これにより、透明ケース42が前面板12を保持する一対の折り片16,17を保持して、ミシン目pの不測の切断をより確実に防止することができる。
【0025】
収納部5を形成した後、上部20の各面板21〜24を折り目線を介して折り曲げ、手提片31,32の突起31a,b,32a,bを切込23b,24bに差し込む。これにより、手提30が形成されると共に各上面板21〜24が傾斜して収納部5を覆って蓋部を形成し、紙箱1が組み立てられる。突起31a,b,32a,bと切込23b,24との係合により、手提30を有する堅牢な紙箱1となる。
【0026】
一方、紙箱1を開封する際は、手提片31の突起31a,bと切込23b,24bとの係合を解除し、ミシン目pにより前面板12を底面板11から切断して紙箱の前面を開放して収納部5を目視可能な状態とする。
【0027】
ここで、上述の各面板等に印刷される文字又は絵柄Dについて説明する。
図3,4に示すように、前面を開放した状態において収納部5を室内と見せるように、後面板13には、子供及び母親のイラストD1aや家具のイラストD1bが印刷してあり、左右側面板14,15には窓のイラストD1cが印刷してある。また、傾斜する後上面板22及び左右上面板23,24には、屋根の絵柄D2が印刷してある。収納部5を室内として認識させる一方、この絵柄D2により、紙箱1の内部でありながら、斜面となる後上面板22及び左右上面板23,24を室外を表す屋根として錯覚させるように認識させる。
【0028】
さらに、後上面板22に連続する手提片32の手提片31と対向する面には、小鳥のイラストD3が印刷してある。突起31a,bと切込23b,24bとの係合を解除することで、手提30内面から小鳥D3が現れるように見せ、意匠効果を高めることができる。そして、前面を開放した状態において、後上面板22の屋根D2に小鳥D3が留まっているように見せることができ、より意匠効果を高めることができる。図3,4に示す如く紙箱1の外観形状及び収納部5側に印刷された絵柄D1〜3により、紙箱1の前面を開放することで、紙箱1を家として認識させることができる。なお、後面板13と接触する連結片18,19及び左右側面板14,15に接触する差込片13a,bの収納部5側表面にも絵柄が印刷されている。
【0029】
また、図4に示す如き子供及び母親のイラストD1aは透明ケース42を挟むように印刷されている。この位置関係により、子供が母親にプリザーブドフラワー41を手渡している状況を演出する。加えて、折り片16にはメッセージD4が印刷されてある。このように、前面を開放した状態において、文字又は絵柄D1〜4とプリザーブドフラワー41とを関連づけて配置することで、プレゼントを手渡す状況を演出し、意匠効果を高めることができる。しかも、各面板の紙箱1の外面側には文字や絵柄は印刷がされておらず、前面を開放することで驚きを与えることができる。例えば母の日のプレゼントとして紙箱1を用いれば、子供には楽しみながら紙箱1を組み立てる喜びを与え、母親には紙箱1前面を開放することで驚きと感動を与えることができる。
【0030】
さらに、図4に示すように、前面板12及び前上面板21には物品4の説明として文字D5が印刷されている。前面板12はミシン目pを介して底面板11から切断可能であるので、前面板12と前面板12に連続する前上面板21をミシン目pで紙箱1から分離して、物品4の説明書として紙箱1とは別に保存することができる。しかも、物品の説明D5部分を切り取ることで紙箱1の意匠効果を高めることができ、図3に示す如く前面開放後の紙箱1をインテリアとして飾ることもできる。
【0031】
次に、図6〜9を参照しながら、本発明の第二実施形態について説明する。なお、以下の実施形態において、上記実施形態と同様の部材等には同様の符号を付してある。
図6に示すように、紙箱1’はブランク50を折り曲げて略直方体に形成してある。このブランク50は、図7に示すように、大略、底面板51、前面板52、後面板53、左面板54、右面板55及び上部60よりなる。底面板51の下辺51aにはミシン目pを介して切断可能に前面板52が設けられている。前面板52の下辺52aには突片62を挿入する挿入孔52bが設けられている。
【0032】
後面板53及び左右面板54,55は、折り目線を介して上辺51b及び左右辺51c,dに設けられている。この左右面板54,55の下部には、指の形に形成した突起部56a,57aを備えた折り片56,57を設けてある。また、本実施形態において、上部60は単一の上面板61により構成してある。この上面板61には、略三角形の突片62を設けてある。また、前面板52の下辺52a及び左右側面板54,55には開口片63〜65が設けられている。
【0033】
ここで、ブランク50を折り曲げて紙箱1’を組み立てる手順について説明する。
各面板52〜55を上記実施形態と同様に折り曲げて直方体状の収納部5’を形成する。この折り曲げた状態において、前面板52は一対の折り片56,57に当接し、一対の折り片56,57が透明ケースに当接する。これにより、前面板52が一対の折り片56,57及び透明ケースに保持されて、ミシン目pの不測のちぎれが防止される。しかも、一対の折り片56,57の突起部56a,57aは、前面板52により箱外部から露出されないので、前面板52を保持しながら突起部56a,57aの破損をも防止する。
【0034】
収納部5’を形成した後、折り目線を介して開口片63〜65を底面板51に対向するように折り曲げる。そして、その開口片63〜65上側へ上面板61を垂直に折り曲げ、突起62を前面板52の挿入孔52bに挿入する。これにより、上面板61が収納部5’を覆って蓋部を形成し、紙箱1’が組み立てられる。突起62と挿入孔52bとの係合により、前面板52と上面板61とが連結固定され、堅牢な紙箱1’となる。
【0035】
図8,9に示すように、後面板53及び左右側面板54,55にはサンタクロース及び背景のイラストD1a’が印刷されてある。また、突片62に帽子のイラストD1b’が印刷されている。さらに、一対の折り片56,57には、腕のイラストD1c’が印刷されている。図9に示すように、紙箱1’を開放した状態において、これら絵柄D1’及び一対の折り片56,57の形状により、サンタクロースが両手を広げて物品を手渡しているように演出でき、意匠効果を高めることができる。例えば、子供へのクリスマスプレゼントとして紙箱1’を用いれば、感動と驚きを子供に与えることができる。
【0036】
最後に、本発明のさらに他の実施形態の可能性について説明する。
上記各実施形態において、印刷は上記文字又は絵柄に限定されるものではなく、様々なシュチュエーションを想定し物語が成り立つような絵柄を印刷してあるとよい。また、物品として透明箱入りプリザーブドフラワーを用いたが、これに限定されるものでもない。
【0037】
また、上記各実施形態において、ブランクの組立を突片等の係合により箱を組み立てた。しかし、接着剤等を用いて接着させて箱を組み立てても構わない。
【0038】
上記各実施形態において、文字又は絵柄は収納部内側全面に印刷した。しかし、文字又は絵柄の印刷は、全面印刷に限られるものでなく、適宜印刷する面を選択してもよい。
【0039】
上記各実施形態において、簡易切断加工としてミシン目pを施した。しかし、簡易切断加工はミシン目に限られず、例えば開封ジッパーや弱め線等であっても構わない。また、上記ミシン目は略方形の貫通部分と非貫通の接続部分とにより形成した。しかし、ミシン目の形状は特に限定されるものでなく、例えば円形の貫通孔により貫通部分を形成してもよい。また、開封ジッパーの形状も同様に、ハの字形状や、くの字形状等を適宜選択可能である。さらに、上述のミシン目と弱め線との組み合わせによる簡易切断加工としても構わない。すなわち、簡易切断加工には、前面板を底面板から簡便に切断、分離可能な構造のものが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、例えばプレゼントを包装するプレゼント箱として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る紙箱の斜視図である。
【図2】ブランクを展開した状態の平面図である。
【図3】紙箱を開封した状態における斜視図である。
【図4】前面板を切り離す前の状態における正面図である。
【図5】収納部の前面板近傍における部分拡大断面図である。
【図6】他の実施形態に係る紙箱の斜視図である。
【図7】他の実施形態に係る紙箱のブランクの図2相当図である。
【図8】他の実施形態に係る紙箱の図3相当図である。
【図9】他の実施形態に係る紙箱の図4相当図である。
【符号の説明】
【0042】
1:紙箱、2:ブランク、4:物品、5:収納部、11:底面板、12:前面板、13:後面板、13a,b:差込片、14:左側面板、15:右側面板、16:左折り片、17:右折り片、18:左連結片、18a:差込孔、19:右連結片、19a:差込孔、20:上部、21:前上面板、22:後上面板、23:左上面板、23a:凸部、23b:切込、24:右上面板、24a:凸部、24b:切込、30:手提、31,32:手提片、31a,b,32a,b:突起、33,34:切込、41:プリザーブドフラワー、42:透明ケース、50:ブランク、51:底面板、52:前面板、52b:挿入孔、53:後面板、54:左側面板、55:右側面板、56:左折り片、57:右折り片、56a,57a:突起部(指)、58:左連結片、58a:差込孔、59:右連結片、59a:差込孔、61:上面板、62:突片、63:左開口片、64:右開口片、65:下開口片、D:文字又は絵柄、p:ミシン目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面板と一対の前後面板と一対の左右側面板及び上部とが連なって設けられたブランクを折り曲げて内部に物品を収納する紙箱であって、
前記底面板は方形に形成されると共にその底面板の各辺に前記前後面板及び左右面板が設けてあり、前記前後面板及び左右面板は前記底面板に対し直角に折り曲げられて前記物品を収納する収納部を形成するものであり、前記左右側面板にはその左右側面板に連なり前記前面板に隣接する一対の折り片が設けてあり、前記上部は前記収納部の上側を覆うものであり、前記収納部は、前記左右側面板を前記底面板に対し直角に折り曲げると共に前記一対の折り片を前記左右側面板に対し直角に前記底面板側に折り曲げて、前記前面板を前記底面板に対し直角に折り曲げることで前記一対の折り片が前記前面板を保持した状態で形成され、紙箱の前記収納部側表面には文字又は絵柄が印刷してあり、前記底面板の下辺には前記前面板を切断可能とする簡易切断加工を施してある紙箱。
【請求項2】
前記物品はケースに収納されて前記底面板の前記簡易切断加工近傍に載置してあり、前記一対の折り片が前記前面板を保持した状態で前記ケースと当接する請求項1記載の紙箱。
【請求項3】
前記物品は透明ケース入りのプリザーブドフラワーである請求項1又は2記載の紙箱。
【請求項4】
前記前面板には前記文字が印刷されており、前記簡易切断加工がミシン目である請求項1〜3のいずれかに記載の紙箱。
【請求項5】
前記底面板に直交する前記後面板の両辺に一対の差込片を設け、前記左右側面板に前記差込片を差し込む差込孔を設けてある請求項1〜4のいずれかに記載の紙箱。
【請求項6】
前記上部は一対の前後上面板及び一対の左右上面板よりなり、前記前後上面板は前記底面板の上下辺に対向する前記前後面板の上下辺に設けられると共にその上下辺に対向する辺に対をなす手提片を有し、前記左右上面板は前記底面板の左右辺に対向する前記左右側面板の左右辺に設けられると共にその左右辺に対向して前記手提片を係合させる係合部を有し、前記手提片を前記係合部に係合させた状態において前記前後上面板及び左右上面板が斜面を形成する請求項1〜5のいずれかに記載の紙箱。
【請求項7】
前記底面板、前記後面板及び一対の左右側面板の前記絵柄は屋内風景であり、前記後上面板及び左右上面板の前記収納部側表面には屋根の絵柄が印刷してあり、前記前上面板には前記文字が印刷してあり、前記後上面板の前記手提片の前記収納部側表面に他の絵柄が印刷してある請求項6記載の紙箱。
【請求項8】
前記上部は1の上面板よりなり、前記上面板は前記後面板の上辺に設けられると共に前記上辺に対向する辺に突片を有し、前記前面板の下辺に前記突片を挿入する挿入孔を設けた請求項1〜5のいずれかに記載の紙箱。
【請求項9】
前記収納部側表面にはキャラクターが前記絵柄として印刷してあり、前記一対の折り片に指形の突起部を設けた請求項8記載の紙箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−248972(P2009−248972A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95223(P2008−95223)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(391049219)ホリアキ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】