説明

紙葉類処理システム

【課題】紙葉類処理装置に連結された包装装置を有する紙葉類処理システムにおいて、紙葉類処理装置から業務終了が通知された包装装置内に残留する紙葉束を回収することができる紙葉類処理システムを提供すること。
【解決手段】紙葉類処理装置1から業務終了が通知されると、包装装置2は、紙葉類処理装置から排出される紙葉束SBを当該紙葉束のカテゴリ情報に基づいて処理する。この処理完了後に回収指示があると、集積部130a、130bに残留している紙葉束をカテゴリごとに回収位置まで搬送して回収する。この処理中に際、下段集積部110以外の箇所で障害が発生した場合、当該障害を回復後初期化処理を行うことにより、下段集積部に残留している紙葉束を上記回収位置まで搬送して回収できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価証券などの紙葉類を処理する紙葉類処理システムなどで、業務終了時に機体内に残留する紙葉類を処理しやすい位置に移動する機能を有する紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有価証券などの紙葉類を処理する紙葉類処理システムには、前処理としての紙葉類処理装置と、後処理装置として、上記紙葉類処理装置で区分処理されて結束された紙葉束を包装する包装装置を有して構成されるものがある。
【0003】
紙葉類処理装置は、供給された紙葉類を搬送し、紙葉類判別装置で当該紙葉類を正券(正券で流通可能な紙葉類)、損券(真券で再流通不可能な紙葉類)及び排除券(正券又は損券以外の紙葉類)に判別し、その判別結果に基づいて区分して集積し、所定枚数(例えば、100枚)に達するごとに熱接着性の紙帯で結束(施封)して100枚束を形成して排出する。排出された100枚束をコンベア等で搬送して後処理工程に受け渡す装置である。
【0004】
後処理装置としては、コンベア等で搬送される100枚束を受取り、正券又は損券などのようカテゴリごと区分し、更に10個集積して1000枚紙葉類を形成し、この1000枚紙葉類をさらに結束して1000枚束を形成後シュリンクパックして排出する包装装置が知られている。
【0005】
しかしながら、この種の紙葉類処理システムでは、業務終了時に集積された紙葉類が装置内に残留する場合がある。例えば、紙葉類処理装置に1000枚の紙葉類を供給した場合、当該紙葉類処理装置で正券、損券または排除券に区分して集積し、正券及び損券は、100枚に到達するごとに100枚束を形成するため、業務終了時に100枚束に満たない端数の紙葉類が正券集積庫又は損券集積庫に発生する。
【0006】
一方、包装装置では、紙葉類処理装置から排出された正券及び損券の100枚束を受入れて、正損、損券ごとに区分し、10個に到達するごとにさらに結束帯で結束して1000枚束を形成している。従って、この場合であっても、正券の100枚束と損券の100枚束が区切りよく区分されるとは限らないため、1000枚束に満たない複数個の100枚束の端数が発生する。
【0007】
従来、このようにして発生した端数を、当該端数が発生した集積庫の外装カバーを開け、取り除いた後、初期化処理を行って装置を初期状態に復帰していた。なお、紙幣整理結束装置において、端数紙幣のみを端数紙幣収納部に収納する装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2891613号公報(第4−5頁、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、紙葉類処理装置の場合には、紙葉類処理装置の正券集積部又は損券集積部に100枚未満の紙葉類が残留するだけであるが、後処理装置としての包装装置には、カテゴリごとに設けられた集積部に、1000枚束に達しなかった100枚束が複数残留することになる。
【0010】
本実施例に係る包装装置のように、下段部に100枚束を集積する集積部があり、この集積部に集積された100枚束が10個集積された1000枚紙葉類になった場合には、当該1000枚紙葉類を上段部に持上げた後、結束部に搬送して結束し、1000枚束を形成する。このようにして持上げるのは、1000枚束の形状が大きくその結束をするためには、周囲に十分大きな空間が必要となることによる。従って、その空間を確保するために、結束前に下段部から上段部に持上げている。
【0011】
紙葉類処理装置で業務終了しても、その後処理装置としての包装装置は、その後、紙葉類処理装置から排出された100枚紙葉束に関して上述した集積部への集積、上段への持上げ、結束などの処理を行う。この結果、業務終了時に100枚束が10個に満たない100枚束(残留紙葉束)はカテゴリごとに設けられた集積部に集積された状態で終了することになり、操作員は、これらの100枚束が残留した箇所である下段部の外装カバーを明けて装置内部である集積部に残留している残留紙葉束を取り除いた後に初期化処理を行わなければならないという課題があった。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、残留紙葉束が複数のカテゴリごとに設けられた集積部に集積された場合であっても、カテゴリごとに残留紙葉束を所定の回収箇所に搬送して初期化後、他のカテゴリの残留紙葉束も同様に回収箇所に搬送することにより、操作性のよい包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の紙葉類処理システムは、供給された紙葉類を1枚ごとに取出して判別し、その判別結果に基づいてカテゴリごとに区分して集積し、所定枚数に達するごとに結束して紙葉束を形成して排出する紙葉類処理装置と、この紙葉類処理装置から排出された紙葉束を複数個集積してさらに結束する包装装置を有する紙葉類処理システムであって、前記紙葉類処理装置は、前記包装装置に対して排出する紙葉束の前記カテゴリ情報及び業務終了を通知するための通信手段を備え、前記包装装置は、前記紙葉類処理装置から排出される紙葉束を前記カテゴリごとに集積部に集積する集積手段と、前記集積部に残留している紙葉束をカテゴリ毎に回収位置まで搬送する回収手段と、前記紙葉類処理装置から前記業務終了の通知を受信したとき、当該紙葉類処理装置から排出される紙葉束を当該紙葉束のカテゴリ情報に基づいて処理し、その処理完了後に前記回収手段を起動して回収する制御手段と、を備えたことを特徴とする紙葉類処理システム。
【発明の効果】
【0014】
紙葉類処理システムの業務終了時の操作性が改善されるだけでなく。装置内部にアクセスする必要がないため、安全性を改善することができる包装装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例に係る包装装置を有する紙葉類処理システムの外観図
【図2】図1に示す包装装置のスタッカ部の外観を示す斜視図
【図3】図2に示すスタッカ部の下段受入部、カテゴリ選択部及び集積部の動作を説明する斜視図
【図4】図2に示すスタッカ部のリフト部及び上段搬送部の動作を説明する斜視図
【図5】図2に示すスタッカ部の下段集積部での紙葉束の処理の流れを説明する図
【図6】図2に示すスタッカ部の上段搬送部での紙葉束の処理の流れを説明する図
【図7】紙葉類処理装置から業務終了の通知を受けた包装装置の動作を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の紙葉類処理システムは、前処理装置としての紙葉類処理装置と後処理装置としての包装装置を有して構成した場合に付いて、以下図面を参照して説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の実施例に係る包装装置2を有する紙葉類処理システムの外観図である。図2は、図1に示す包装装置2のスタッカ部100の外観を示す斜視図である。
【0018】
本実施例に係る紙葉類処理システムは、前処理装置としての紙葉類処理装置1と後処理装置としての包装装置2を有して構成した場合の一例である。
【0019】
紙葉類処理装置1は、一括して供給された紙葉類(券)を処理する装置である。供給部12に供給された紙葉類束SAは、その最上面の紙葉類Pから取出装置12aにより順番に取り出されて搬送路13に供給される。搬送路13に供給された紙葉類Pは搬送され、1枚ごとに紙葉類判別装置23によって紙葉類Pの真偽(本物の券か偽物の券か)、正損(再流通可能な正券か再流通不可能な損券か)が判別される。
【0020】
この判別結果に基づき、例えば正券は集積・施封装置35に搬送され、損券は集積・施封装置36に搬送される。集積・施封装置35又は36は、集積装置及びその下部に配置された施封装置を有して構成される。
【0021】
集積装置は、搬送路13の終端に配置され、この搬送路13の終端から放出された紙葉類Pを、この紙葉類Pに同期して回転する羽根車の羽根間に取込んで集積する羽根車集積装置で集積する。集積された紙葉類Pの枚数が100枚(100枚紙葉類と称する。)に達するごとに施封装置(結束装置ともいう)に渡される。
【0022】
施封装置は、当該100枚紙葉類を熱接着性の紙帯(結束材)K1で結束して100枚束Hを形成する。
【0023】
このようにして形成された100枚束Hは、当該集積・施封装置35、36の下部に配置されたコンベア10によって図示矢印A方向に搬送され、コンベア10の終端に配置されたリフト装置50に引き渡される。
【0024】
リフト装置50は、コンベア10から受けた100枚束Hを受けとり、リフタ51に載置して持上げる。所定の位置に達した100枚束Hは、プッシャ(図示しない)に押し出されて排出され、スタッカ部100の下段受入部115に渡される。
【0025】
包装装置2は、スタッカ部100、結束部200及びシュリンクパック部300を有して構成され、前処理装置としての紙葉類処理装置1の後処理装置として用いられる。
【0026】
図3は、図2に示すスタッカ部100の下段集積部110の斜視図である。図4は、スタッカ部100の上段搬送部160の斜視図である。図5は、図2に示すスタッカ部100の下段集積部での紙葉束の処理の流れを説明する図である。図6は、図2に示すスタッカ部100の上段搬送部160での紙葉束の処理の流れを説明する図である。
【0027】
スタッカ部100は、下段受入部115、下段集積部110、上段搬送部160、上段受入部170及び上段集積部171を有して構成される。
【0028】
下段受入部115は、通常動作時に紙葉類処理装置1から排出される100枚束Hを立位状態で受入れる部分である。
【0029】
下段集積部110は、カテゴリ選択部120、集積部130(集積部130a及び集積部130bの総称)、リフト部150などを有して構成される。
【0030】
カテゴリ選択部120は、コンベア121及びこのコンベア121を駆動する駆動手段を有して構成され、下段受入部115で受入れた100枚束Hのカテゴリ情報に基づいて100枚束Hを振分ける。例えば、カテゴリ情報に基づいて、正券を集積部130aで集積し、損券を集積部130bで集積する場合、100枚束Hが正券の場合は集積部130aに集積するのでコンベア121を駆動する必要がないが、損券の場合には集積部130bで集積するためにコンベア121を駆動する必要がある。
【0031】
このようにして、カテゴリ選択部120でカテゴリ情報に基づいてカテゴリごとに選択された100枚束Hは、押込みバー123(押込みバー123a、123bの総称)で集積部130に押し込まれる(図5(2A)参照)。
【0032】
集積部130は、集積トレー131(131a、131bの総称)、転倒防止ガイド132(転倒防止ガイド132a、132bの総称)、転倒防止プッシャ133(転倒防止プッシャ133a、133bの総称)及び集積される100枚束Hを計数するセンサ(図示しない)などで構成される。
【0033】
押込みバー123により集積部130に押込まれた100枚束Hは、集積トレー131(集積トレー131a、131bの総称)上で転倒防止ガイド132及び転倒防止プッシャ133の間に立位状態で保持される。なお、転倒防止プッシャ133は、集積される紙葉束を集積方向とは逆方向に付勢されており、この付勢力により当該集積された紙葉束が立位状態で保持される(図5(3A)参照)。
【0034】
この集積の際、100枚束Hが計数センサによって計数され、所定個数(例えば、10個)に到達するまで集積される。
【0035】
集積トレー131に集積された100枚束Hが10個に達するごとに、当該10個の100枚束Hからなる紙葉束SBは、集積トレー131に集積された状態で方向変換部140(方向変換部140a、140bの総称)まで搬送される(図5(4A)参照)。
【0036】
方向変換部140で集積トレー131に集積された紙葉束SBは、プッシャ132(プッシャ132a、132bの総称)によってリフト部150のリフタ151に押し出されて引き渡される。
【0037】
リフト部150は、リフタ151に載置された紙葉束SBを図示矢印I方向に持上げ上段搬送部160に引き渡す。この結果、下段集積部110に取り込まれた100枚束Hは、10個集積されるごとに上段搬送部160に持上げられて引き渡される。
【0038】
上段搬送部160に持上げられ、所定の位置に到達すると、プッシャ165によって搬送テーブル163上に押し出される。搬送テーブル163上に押し出された紙葉束Bは、固定ガイド161及び可動ガイド162によって整位される(図6(1)参照)。
【0039】
上段搬送部160は、搬送上流に位置する下段集積部110に連続する搬送下流に位置し、下段集積部110で受入れた100枚束Hが10個に達した紙葉束SBをさらに結束するために結束装置200に移送する部分である。
【0040】
上述したリフタ151を用いて下段集積部110にある紙葉束SBを上段搬送部160に持上げるのは、この持上げられた紙葉束SBをさらに結束するためには、載置された紙葉束SBの外周に沿って結束材を回す必要があり、紙葉束SBの上下左右に大きな空間が必要になる。この空間を作るために、紙葉束SBを所定の位置に持上げるのである。
【0041】
結束部200は、紙葉束SBを所定量プッシャ211で送り結束帯K2で結束後、更に所定量送って結束帯K3を用いて結束する(図6(2))。
【0042】
このようにして、紙葉束SBは結束されて1000枚束SCが形成されて(図6(3)、コンベア(図示しない)によって搬送されてシュリンクパック部300に引き渡される。
【0043】
上段受入部170は、スタッカ部100に障害が発生し、上記下段受入部115で100枚束Hを受入れ、その後の所定の処理ができない場合、紙葉類処理装置1から送り出される100枚束Hを上段受入部170で受入、受入れた100枚束を上段集積部171に収納する。この上段集積部171があることによりスタッカ部100に障害が発生した場合であっても紙葉類処理装置1の処理を中断することなく行うことができる。この機能は、本願発明の趣旨とするところでないため、詳細の説明を省略する。
【0044】
次に、このような動作を行う包装装置2において、紙葉類処理装置1の業務が終了し、紙葉類処理装置1から業務終了通知が包装装置2に通知された場合の処理を図7に示す。なお、この処理は包装装置2の制御部190によって行われる。
【0045】
図7は、紙葉類処理装置1から業務終了通知を受けた包装装置2の動作を説明するフローチャートである。
【0046】
紙葉類処理装置1の供給部12に供給された紙葉類束SAがなくなり、又は継続して処理する紙葉類束がない場合、操作員が業務終了指示を行うと、紙葉類処理装置1は、装置内に取り込んだ紙葉類Pを通常通り処理し、100枚束Hを形成してコンベア10上に排出する。排出された100枚束Hは、当該コンベア10によって搬送されてリフト装置50により持上げられてスタッカ部100の下段受入部115に送り出される。この送り出しの際、当該100枚束Hごとにそのカテゴリ情報を通信・制御部(通信手段)40によって包装装置2に送信する。
【0047】
包装装置2の制御部190は、紙葉類処理装置1の通信・制御部40から業務終了通知を受信した後であっても、紙葉類処理装置1から排出された100枚束Hは、タッカ部100の下段受入部115で受入られ、通常通り処理する。
【0048】
この一連の処理が終わった後に、集積トレー130b(カテゴリ1(集積L)側)に残留している紙葉束SBがある場合(S2のYes)、操作部210の表示部210aにカテゴリ1側に紙葉束が残留しているとを示す残留表示がされる。
【0049】
制御部190は、集積トレー130bに残留している紙葉束SBが集積されている集積トレー130bを方向変換部140bまで搬送した後リフト部150のリフタ151に当該紙葉束SBを載置して所定の回収箇所である上段搬送部160の搬送テーブル163に排出する(S3)。
【0050】
操作員は、上段搬送部扉160aの取手160bを図示矢印K方向に開くことにより、搬送テーブル163上にある当該回収した紙葉束SBを回収することができる。
【0051】
その後、操作部210に設けられた初期化スイッチを押下してカテゴリ1側の回収を終了する(S4)。
【0052】
続けて、集積トレー130a(カテゴリ2(集積R)側)に紙葉束SBが残留している場合(S5のYes)、操作部210の表示部210aにカテゴリ2側に紙葉束SBが残留していることを示す残留表示がされる。
【0053】
制御部190は、集積トレー130aに残留している端数の100枚紙葉束Hが集積されている集積トレー130aを方向変換部140aまで搬送した後リフト部150のリフタ151に当該紙葉束SBを載置して所定の改修箇所である上段搬送部160の搬送テーブル163に排出する(S6)。
【0054】
操作員は、当該紙葉束SBを回収後、操作部210に設けられた初期化スイッチを押下してカテゴリ2側の回収を終了する(S7)。
【0055】
従来は、紙葉類処理装置1から終了通知があると、カテゴリ1側の集積トレー131bに集積された紙葉束SBは、下段集積部110の下段集積部側面扉111a若しくは正面扉112aを開けて当該集積トレー131bに集積されている紙葉束SBを回収する必要があった。
【0056】
なお、ステップS2又はステップS5において、残留紙葉束がない場合には、上述した残留表示が行われず、当該残留表示が行われないカテゴリ側の回収動作及び初期化スイッチによる初期化処理を行うことはできない。
【0057】
次に、紙葉類処理装置1から包装装置2に対して終了通知が送信され、包装装置2が上述した回収手段による回収処理中、下段集積部110以外の箇所で障害が発生した場合について説明する。
【0058】
上述した障害が発生すると、包装装置2(スタッカ部100、結束部200及びシュリンクパック部300を含む)は動作継続可能な障害を除いてその動作を停止し、障害箇所又は紙葉束SBが残留している箇所が操作部210に表示される。
【0059】
次に、操作員が、表示された障害箇所に残留している紙葉束を取り除き、初期化スイッチ(初期化手段)SW3を押下して初期化処理を行う。この際、下段集積部110の集積部130に残留している紙葉束SBは取り除く必要がない。
【0060】
次に、包装装置2をオンラインで動作することを設定するオンラインスイッチSW1又はオフラインで動作することを設定するオフラインスイッチSW2からなる起動スイッチの何れか一方のスイッチを選択することにより、下段集積部110に集積された紙葉束SBの回収処理を行うことができる。
【0061】
上記、オンラインスイッチSW1は、紙葉類処理装置1と包装装置2をオンラインモードで処理する際に設定する設定スイッチである。上述した通常処理は、このオンラインモード状態での使用であり、紙葉類処理装置1から100枚束Hを排出する際、当該100枚束Hのカテゴリ情報も同時に包装装置2に送信される。
【0062】
一方、オフラインスイッチSW2は、包装装置2を単独で使用するときのオフラインモード設定スイッチである。この場合には、上述した100枚束Hのカテゴリ情報を送信してこないので、上述した上段集積部171に集積された紙葉束SBを包装処理する場合に用いられる。
【0063】
本実施例では、包装装置2が紙葉類処理装置1から業務終了の通知を受信した後の回収処理中に発生した障害を想定しているので、この場合には、オンラインモードでもオフラインモードでも何れのモードでも残留した紙葉束をカテゴリごとに回収することが可能である。その動作は上述した図7のフローチャートに従った動作と同じである。
【0064】
以上説明したように、本発明の紙葉類処理システムでは、紙葉類処理装置から業務終了が通知された場合、包装装置は通常処理終了後、オンライモード又はオフラインモードにすることにより、カテゴリごとに集積部に残留した紙葉束を包装装置の回収位置に回収することができる。
【符号の説明】
【0065】
P 紙葉類
H 100枚束
K1、K2、K3 結束帯
SA 紙葉類束
SB 紙葉類束
SC 1000枚束
1 紙葉類処理装置
2 包装装置
23 紙葉類判別装置
50 リフト装置
100 スタッカ部
110 下段集積部
115 下段受入部
120 カテゴリ選択部
130a、130b 集積部
140a、140b 方向変換部
150 リフト部
151 リフタ
160 上段搬送部
160a 上段搬送部扉
160b 取手
163 搬送テーブル
190 制御部
200 結束部
210 操作部
300 シュリンクパック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された紙葉類を1枚ごとに取出して判別し、その判別結果に基づいてカテゴリごとに区分して集積し、所定枚数に達するごとに結束して紙葉束を形成して排出する紙葉類処理装置と、この紙葉類処理装置から排出された紙葉束を複数個集積してさらに結束する包装装置を有する紙葉類処理システムであって、
前記紙葉類処理装置は、
前記包装装置に対して排出する紙葉束の前記カテゴリ情報及び業務終了を通知するための通信手段を備え、
前記包装装置は、
前記紙葉類処理装置から排出される紙葉束を前記カテゴリごとに集積部に集積する集積手段と、
前記集積部に残留している紙葉束をカテゴリ毎に回収位置まで搬送する回収手段と、
前記紙葉類処理装置から前記業務終了の通知を受信したとき、当該紙葉類処理装置から排出される紙葉束を当該紙葉束のカテゴリ情報に基づいて処理し、その処理完了後に前記回収手段を起動して回収する制御手段と、
を備えたことを特徴とする紙葉類処理システム。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記カテゴリごとに複数の前記集積部が設けられているとき、一方の集積部に集積された紙葉束の端数が集積部の残留を検知する検知センサによって検知されたとき、当該一方の集積部の回収処理動作を行い、その回収処理動作完了後に他方の集積部に集積された紙葉束の端数の回収処理を行うことを特徴とする請求項1記載の紙葉類処理システム。
【請求項3】
前記包装装置は、
前記カテゴリごとに集積する複数の集積部を設けた下段集積部と、
前記紙葉束を回収する上段搬送部と、
前記下段集積部から前記上段搬送部に紙葉束を持上げるリフト手段と、
前記集積部に残留している紙葉束を前記カテゴリごとに回収するために前記回収手段を起動する起動手段と、
当該包装装置を初期化する初期化手段と、
を備え、
前記制御手段はさらに、
前記紙葉類処理装置から前記業務終了の通知を受信後、前記回収手段による回収動作中、前記下段集積部以外の箇所で障害が発生した場合、操作員が当該下段集積部以外の箇所の紙葉束回収後の前記初期化手段による初期化後、前記起動手段により、前記回収手段を起動し、前記下段集積部に残留している紙葉束を前記カテゴリごとに回収することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の紙葉類処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−198151(P2011−198151A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65229(P2010−65229)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】