説明

紙葉類劣化検査装置および紙葉類劣化検査方法

【課題】表面の汚損を伴わない紙葉類の紙質の劣化を判定する。
【解決手段】紙葉類5が劣化しているか否かを判定する紙葉類劣化検査装置91に、第1および第2のクランプ71,72、引張り機73、変位測定器74、および、劣化判定処理器4を備える。第1および第2のクランプ71,72で紙葉類5を挟み、引張り機73で第1の引張り力を紙葉類5に加えた状態で、その紙葉類の引張方向の第1の長さを測定し、また、第1の引張り力よりも大きい第2の引張り力を紙葉類5に加えた状態で紙葉類5の引張方向の第2の長さを測定する。劣化判定処理器4は、第1の長さと第2の長さとの差に基づいて紙葉類5が劣化しているか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類が劣化しているか否かを判定する紙葉類劣化検査装置および紙葉類劣化検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙葉類の劣化検査の方法として、紙葉類の表面画像から汚れの多少を判断するもの、あるいは紙葉類の透過率の低下に基づいて汚れの多少を推測して判断するものなどがある。
【0003】
たとえば特許文献1に開示されている紙葉類の汚れ具合識別装置は、紙葉類の表面画像を撮像し、画素単位の濃度データにおける濃度分布状態あるいは濃度の変化量に基づいて印刷状態の劣化具合を判定する。
【特許文献1】特開2000−182115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、紙葉類の表面画像を撮像して印刷状態の劣化具合を判定する方法は、撮像装置を用いるため、高価で判定処理速度も遅くなるという問題点がある。また、この方法ではペンで落書きされたなどの汚損は判定できるものの、付着物が無く老朽化した紙葉類を判定することはできない、すなわち、表面の汚れを伴わない劣化を判定できないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、表面の汚損を伴わない紙葉類の紙質の劣化を判定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明は、第1の引張り力を紙葉類に加えた状態で、前記紙葉類の引張方向の第1の長さを測定し、前記引張方向に前記第1の引張り力よりも大きい第2の引張り力を前記紙葉類に加えた状態で前記紙葉類の前記引張方向の第2の長さを測定する測定手段と、前記第1の長さと第2の長さとの差に基づいて前記紙葉類が劣化しているか否かを判定する判定手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、第1の引張り力を紙葉類に加えた状態で、前記紙葉類の引張方向の第1の長さを測定する工程と、前記引張方向に前記第1の引張り力よりも大きい第2の引張り力を前記紙葉類に加えた状態で前記紙葉類の前記引張方向の第2の長さを測定する工程と、
前記第1の長さと第2の長さとの差に基づいて前記紙葉類が劣化しているか否かを判定する工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表面の汚損を伴わない紙葉類の紙質の劣化を判定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る紙葉類劣化検査装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る紙葉類劣化検査装置の第1の実施の形態における上面図である。
【0011】
本実施の形態の紙葉類劣化検査装置91は、第1および第2のクランプ71,72および引張り機73を有している。第1および第2のクランプ71,72によって、紙葉類5を挟めるようになっている。第1のクランプ71は固定されていて、第2のクランプ72は引張り方向75に移動可能に形成されている。
【0012】
また、紙葉類劣化検査装置91は、引張り機73、および変位測定器74を有している。引張り機73は、第2のクランプ72は引張り方向75に引っ張ることができるようになっている。変位測定器74は、第2のクランプ72の引張り方向75への変位量を測定する。
【0013】
さらに、紙葉類劣化検査装置91は、劣化判定処理器4を有している。劣化判定処理器4は、引張り機73および変位測定器74に接続されている。劣化判定処理器4には、引張り機73から引張り力を示す信号が伝達され、変位測定器74から第2のクランプ72の変位量を示す信号が伝達される。劣化判定処理器4は、引張り力および変位量の測定値に基づいて、紙葉類5の劣化を判定する。
【0014】
図2は、紙葉類に一定の引張り力を加えたときの伸張量の例を示すグラフである。
【0015】
この図からわかるように、劣化した紙葉類と新しい紙葉類の伸長量は、10倍程度の違いがあり、紙葉類が劣化しているか否かは、伸張量があるしきい値を超えるか否かによって判定することができる。一般に、劣化した紙葉類の一定の引張り力を加えたときの伸張量は、新しいものに比べて大きい。つまり、劣化が大きい紙葉類ほど弾性係数は小さくなる。それゆえ、紙葉類の弾性係数を基に、紙葉類の劣化具合を判定できる。
【0016】
本実施の形態の紙葉類劣化検査装置91を用いて紙葉類5の劣化を判定する場合には、まず、紙葉類5の両端部を第1および第2のクランプ71,72によって挟む。
【0017】
その後、引張り機73によって第2のクランプ72を引張り方向75に第1の引張り力F1で引っ張り、そのときの第2のクランプ72の変位量L1を変位測定器74によって測定する。次に、引張り機73によって第2のクランプ72を引張り方向75に第2の引張り力F2で引っ張り、そのときの第2のクランプ72の変位量L2を変位測定器74によって測定する。
【0018】
第2のクランプ72の変位量L1およびL2は、引張り力F1およびF2で紙葉類5を引っ張ったときの紙葉類5の伸張量とみなすことができるため、紙葉類5の弾性係数kは、次式により求めることができる。
【0019】
k=(F2−F1)/(L2−L1) (1)
劣化判定処理器4は、この弾性係数kが所定のしきい値よりも大きい場合には、紙葉類5が劣化していると判定し、しきい値以下である場合には、紙葉類5は劣化していないと判定する。劣化判定のためのしきい値は、予め劣化している紙葉類5および劣化していない紙葉類5の弾性係数を測定して求めることができる。なお、ここでは、劣化判定のためのしきい値を1つ用いて、紙葉類5が劣化しているか否かを判定しているが、複数のしきい値を用いて、劣化の程度を判定してもよい。
【0020】
このように、本実施の形態の紙葉類劣化検査装置91は、紙葉類5の弾性係数を求めることにより、表面の汚損を伴わない紙葉類の紙質の劣化を判定することができる。また、撮像装置などを用いず、引張り力と変位を測定するだけで紙葉類の紙質の劣化を判定できるため、安価な紙葉類劣化検査装置を提供できる。さらに、紙葉類の表面の汚れに基づいて劣化を判定するのではなく、紙葉類の機械的特性によって劣化を判定するため、より正確で本質的な判断が可能である。
【0021】
[第2の実施の形態]
図3は、本発明に係る紙葉類劣化検査装置の第2の実施の形態における側断面図である。図4は、本実施の形態の紙葉類劣化検査装置の上面図である。
【0022】
本実施の形態の紙葉類劣化検査装置92は、第1ないし第3の搬送機27,28,29を有している。第1ないし第3の搬送機27,28,29は、それぞれ一対の車軸35の周りにかけ渡された、向かい合う一対のベルト25を有している。この一対のベルト25は、紙葉類5を搬送方向7に移動させるようにそれぞれ移動する移動体であり、ベルト25の間が紙葉類5の搬送経路となっている。
【0023】
第1の搬送機27に設けられた一対のベルト25と、第2の搬送機28に設けられた一対のベルト25とは、移動速度が若干異なっている。従って、紙葉類5には、第1の搬送機27に設けられた一対のベルト25によって搬送される際に第1の引張り力、第2の搬送機28に設けられた一対のベルト25によって搬送される際に第2の引張り力を、それぞれ加えられるようになっている。また、同様に、移動速度に替えて、第1の搬送機27に設けられた一対のベルト25と、第2の搬送機28に設けられた一対のベルト25との、ベルト25の張力を若干異ならせることでも、第1の引張り力および第2の引張り力を、それぞれ加えられる。
【0024】
第1の搬送機27と第2の搬送機28との間、および、第2の搬送機28と第3の搬送機29との間では、搬送経路が曲げられており、紙葉類5が搬送経路に沿って搬送されるようにガイド26が設けられている。紙葉類5は、ベルト25によって搬送方向7に搬送される。
【0025】
また、紙葉類劣化検査装置92は、第1の搬送機27によって搬送される紙葉類5を挟むように第1の光源21と第1の受光部31を有している。さらに、紙葉類劣化検査装置92は、第2の搬送機28によって搬送される紙葉類5を挟むように第2の光源22と第2の受光部32を有している。
【0026】
さらに、紙葉類劣化検査装置92は、劣化判定処理器4、仕分機41、ならびに、第1および第2のトレイ42,43を有している。劣化判定処理器4は、第1および第2の受光部31,32および第1および第2の搬送機27,28に接続されている。また、仕分機41は劣化判定処理器4に接続されている。
【0027】
次に、本実施の形態における紙葉類5の劣化の判定の方法について説明する。
【0028】
第1の搬送機27に、搬送方向7に沿って紙葉類5が供給されると、紙葉類5は搬送経路に沿って搬送される。第1の搬送機27に設けられた一対のベルト25によって紙葉類5が搬送される間、紙葉類5には第1の引張り力F1が加えられる。第1の光源21から放射された光は、紙葉類5によって遮られる。
【0029】
また、第2の搬送機28に、搬送方向7に沿って紙葉類5が供給されると、紙葉類5は搬送経路に沿って搬送される。第2の搬送機28に設けられた一対のベルト25によって紙葉類5が搬送される間、紙葉類5には第2の引張り力F2が加えられる。第2の光源22から放射された光は、紙葉類5によって遮られる。
【0030】
図5は、本実施の形態において受光部が受光する光量の時間変化を示すグラフであって、(a)は第1の受光部31が受光する光量、(b)は第2の受光部32が受光する光量を示すグラフである。
【0031】
光源21,22から放出された光は、紙葉類5が光源21,22と受光部31,32の間を通過する際に遮られ、受光部31,32が受光する光量は著しく低下する。そこで、劣化判定処理器4は、第1および第2の受光部31,32が受光する光量を示す信号から第1の受光部31が受光した光量が所定のしきい値以下となる間の時間をΔt1、第2の受光部32が受光した光量が所定のしきい値以下となる間の時間をΔt2を求める。このΔt1およびΔt2は、紙葉類5が、それぞれ第1および第2の受光部31,32の通過時間である。
【0032】
第1の搬送機27による紙葉類5の搬送速度をv1、第2の搬送機28による紙葉類5の搬送速度をv2とすると、第1および第2の搬送機27,28によって搬送される間の紙葉類5の搬送方向に沿った長さL1およびL2は、それぞれ次式によって表される。
【0033】
L1=v1×Δt1 (2)
L2=v2×Δt2 (3)
このL1およびL2を用いて、紙葉類5の弾性係数kは、(1)式によって求めることができる。第1の実施の形態と同様に、劣化判定処理器4は、この弾性係数kが所定のしきい値よりも大きい場合には、紙葉類5が劣化していると判定し、しきい値以下である場合には、紙葉類5は劣化していないと判定する。このように、本実施の形態の紙葉類劣化検査装置91は、紙葉類5の弾性係数を求めることにより、表面の汚損を伴わない紙葉類の紙質の劣化を判定することができる。
【0034】
第1および第2の搬送機27,28によって紙葉類5に加えられる引張り力F1およびF2が、それぞれ一定とみなすことができる場合には、(F2−F1)は一定とみなすことができる。このため、劣化判定処理器4は、弾性係数kではなく、第1および第2の搬送機27,28によって搬送される間の紙葉類5の搬送方向に沿った長さの差(L2−L1)によって紙葉類5の劣化を判定することもできる。この場合、第1および第2の搬送機27,28は、劣化判定処理器4に接続されている必要はない。
【0035】
さらに、本実施の形態の紙葉類劣化検査装置92では、劣化判定処理器4による紙葉類5の劣化の判定結果は仕分機41に伝達される。仕分機41は、劣化している紙葉類5を第1のトレイ42に送り、劣化していない紙葉類5を第2のトレイ43に送る。このように紙葉類5の劣化の判定を搬送中に行うことができるため、紙葉類5の搬送を止める必要がなく、搬送後には劣化した紙葉類5の束と劣化していない紙葉類5の束とを分離することができる。
【0036】
[第3の実施の形態]
図6は、本発明に係る紙葉類劣化検査装置の第3の実施の形態における側断面図である。図7は、本実施の形態における紙葉類劣化検査装置の部分上面図である。
【0037】
本実施の形態の紙葉類劣化検査装置93は、第1および第2の搬送機27,28を有している。第1および第2の搬送機27,28は、それぞれ一対の車軸35の周りにかけ渡された、向かい合う一対のベルト25を有している。この一対のベルト25の間は、紙葉類5の搬送経路となっている。
【0038】
また、紙葉類劣化検査装置93は、第1の搬送機27によって搬送される紙葉類5を挟むように第1の光源21と第1の受光部31を有している。さらに、紙葉類劣化検査装置92は、第2の搬送機28によって搬送される紙葉類5を挟むように第2の光源22と第2の受光部32を有している。
【0039】
第1の搬送機27と第2の搬送機28のベルト25の移動速度は互いに異なっている。このため、紙葉類5が第1および第2の搬送機27,28にまたがって位置する場合には、この移動速度の差によって、第1の搬送機27による搬送中の引張り力F1よりも大きな引張り力F2が紙葉類5に加えられる。
【0040】
さらに、紙葉類5の搬送方向7に対して第1および第2の光源21,22とそれぞれ対称の位置に、第3および第4の光源23,24が設けられている。また、紙葉類5を挟んで第3および第4の光源23,24と向かい合うように、第3および第4の受光部33,34が設けられている。第1ないし第4の受光部33は、劣化判定処理器4に接続されている。
【0041】
なお、以下の説明では、第1の光源21と第2の光源22との間の距離をLa、第1の光源21と第3の光源との距離をLbとする。
【0042】
図8は、本実施の形態において受光部が受光する光量の時間変化を示すグラフであって、(a)は第1の受光部31が受光する光量、(b)は第3の受光部33が受光する光量、(c)は第2の受光部32が受光する光量を示すグラフである。
【0043】
図8に示すとおり、第1の受光部31を紙葉類5が通過する時間をΔt0とする。また、第1の受光部31を紙葉類5が通過し始めてから、第3の受光部33を紙葉類5が通過し始めるまでの時間をΔtskewとする。第2の受光部32を紙葉類5が通過し始めてから、第1の受光部31を紙葉類5が通過し終わるまでの時間をΔt1とする。
【0044】
まず、紙葉類5の向かい合う2辺が進行方向に平行、すなわち、Δtskew=0の場合について説明する。
【0045】
第1の受光部31を紙葉類5が通過する時間Δt0を用いて、紙葉類5に引張り力F1が加えられているときの通過長さL1は、紙葉類5の搬送速度をvとすると、次式により与えられる。
【0046】
L1=vΔt0 (4)
第2の受光部32を紙葉類5が通過し始めてから、第1の受光部31を紙葉類5が通過し終わるまでは、紙葉類5が第1および第2の搬送機27,28にまたがって位置している。このとき紙葉類5には、引張り力F2が加えられていて、第1の受光部31における紙葉類5の通過長さL2は、次式により与えられる。
【0047】
L2=vΔt1+La (5)
次に、紙葉類5の向かい合う2辺が進行方向に平行でない場合、すなわちΔtskewが0でない場合の補正(スキュー補正)について説明する。スキュー補正後の紙葉類5に引張り力F1が加えられているときの通過長さL1c、紙葉類5に引張り力F2が加えられているときの通過長さL2cは、第1および第3の受光部31,33の受光信号のタイミングのずれから、次式によって与えられる。
【0048】
L1c=vΔt0/{1+(Δtskew/Lb)1/2 (6)
L2c=(vΔt1+La)/{1+(Δtskew/Lb)1/2 (7)
通過長さL1cおよびL2c、ならびに、引張り力F1およびF2から紙葉類5の弾性係数kは、次式により与えられる。
【0049】
k=(F2−F1)/(L2c−L1c) (8)
劣化判定処理器4は、この弾性係数kが所定のしきい値よりも大きい場合には、紙葉類5が劣化していると判定し、しきい値以下である場合には、紙葉類5は劣化していないと判定する。
【0050】
このように、本実施の形態の紙葉類劣化検査装置91は、紙葉類5の弾性係数を求めることにより、表面の汚損を伴わない紙葉類の紙質の劣化を判定することができる。また、紙葉類5の搬送方向7に対して対称な位置における紙葉類5の通過時刻のずれを測定することにより、搬送方向7に対する紙葉類5の姿勢が変化した場合の補正ができる。このため、より正確な弾性係数の算出が可能で、紙葉類5の紙質の劣化の判定の精度が向上する。
【0051】
なお、本実施の形態では、第1の受光部31と第3の受光部33を紙葉類5が通過するタイミングのずれを用いてスキュー補正を行ったが、第2の受光部32と第4の受光部34を紙葉類5が通過するタイミングのずれを用いてスキュー補正を行ってもよい。さらに、それぞれのタイミングのずれによる補正を併せて行ってもよい。
【0052】
[第4の実施の形態]
図9は、本発明に係る紙葉類劣化検査装置の第4の実施の形態における側断面図である。
【0053】
本実施の形態の紙葉類劣化検査装置94は、第3の実施の形態の紙葉類劣化検査装置93の第1および第2の搬送機27,28の代わりに、第1および第2のローラー対36,37、ならびに、紙葉類ガイド38を有している。紙葉類ガイド38は、紙葉類5の搬送方向7に延びる搬送経路が形成された上下の平板であり、搬送経路の途中に第1および第2のローラー対36,37が直接、紙葉類5を挟み込むように窓部が設けられている。
【0054】
このような紙葉類劣化検査装置94であっても、第3の実施の形態の紙葉類劣化検査装置93と同様に、紙葉類5の弾性係数を求めることにより、表面の汚損を伴わない紙葉類の紙質の劣化を判定することができる。
【0055】
[他の実施の形態]
第1ないし第4の実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。たとえば、ほぼ長方形の紙葉類5について説明したが、他の形状の紙葉類5にも適用可能である。さらに、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る紙葉類劣化検査装置の第1の実施の形態における上面図である。
【図2】紙葉類に一定の引張り力を加えたときの伸張量の例を示すグラフである。
【図3】本発明に係る紙葉類劣化検査装置の第2の実施の形態における側断面図である。
【図4】本発明に係る紙葉類劣化検査装置の第2の実施の形態における上面図である。
【図5】本発明に係る紙葉類劣化検査装置の第2の実施の形態において受光部が受光する光量の時間変化を示すグラフであって、(a)は第1の受光部31が受光する光量、(b)は第2の受光部32が受光する光量を示すグラフである。
【図6】本発明に係る紙葉類劣化検査装置の第3の実施の形態における側断面図である。
【図7】本発明に係る紙葉類劣化検査装置の第3の実施の形態における部分上面図である。
【図8】本発明に係る紙葉類劣化検査装置の第3の実施の形態において受光部が受光する光量の時間変化を示すグラフであって、(a)は第1の受光部31が受光する光量、(b)は第3の受光部33が受光する光量、(c)は第2の受光部32が受光する光量を示すグラフである。
【図9】本発明に係る紙葉類劣化検査装置の第4の実施の形態における側断面図である。
【符号の説明】
【0057】
4…劣化判定処理器、5…紙葉類、7…搬送方向、21,22,23,24…光源、25…ベルト、27,28,29…搬送機、31,32,33,34…受光部、35…車軸、36,37…ローラー対、38…紙葉類ガイド、41…仕分機、42,43…トレイ、71,72…クランプ、73…引張り機、74…変位測定器、91,92,93,94…紙葉類劣化検査装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の引張り力を紙葉類に加えた状態で、前記紙葉類の引張方向の第1の長さを測定し、前記引張方向に前記第1の引張り力よりも大きい第2の引張り力を前記紙葉類に加えた状態で前記紙葉類の前記引張方向の第2の長さを測定する測定手段と、
前記第1の長さと第2の長さとの差に基づいて前記紙葉類が劣化しているか否かを判定する判定手段と、
を有することを特徴とする紙葉類劣化検査装置。
【請求項2】
前記紙葉類を搬送経路に沿って搬送する搬送手段を有し、前記測定手段は、前記紙葉類が前記搬送経路の所定の位置を通過することを検知する通過検知手段を備え、前記紙葉類が前記所定の位置を通過に要する時間および前記紙葉類の搬送速度に基づいて前記紙葉類の長さを測定することを特徴とする請求項1に記載の紙葉類劣化検査装置。
【請求項3】
前記通過検知手段は、前記搬送経路に略垂直な方向に並んで2つ設けられ、前記測定手段は、それらの通過検知手段による前記紙葉類の通過の検知の時間的なずれに基づいて、前記搬送経路に対する前記紙葉類の姿勢の変化による前記紙葉類の通過時間の変化を補正することを特徴とする請求項2に記載の紙葉類劣化検査装置。
【請求項4】
前記通過検知手段は、前記搬送経路に向かって光を照射する光源と、前記搬送経路を挟んで前記光源と向かいあうように設けられた受光部とを備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の紙葉類劣化検査装置。
【請求項5】
第1の引張り力を紙葉類に加えた状態で、前記紙葉類の引張方向の第1の長さを測定する工程と、
前記引張方向に前記第1の引張り力よりも大きい第2の引張り力を前記紙葉類に加えた状態で前記紙葉類の前記引張方向の第2の長さを測定する工程と、
前記第1の長さと第2の長さとの差に基づいて前記紙葉類が劣化しているか否かを判定する工程と、
を有することを特徴とする紙葉類劣化検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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