説明

紙葉類取り出し装置

【課題】この発明は、集積状態の紙葉類を1枚ずつ所望するタイミングで高速に取り出すことができる紙葉類取り出し装置を提供することを課題とする。
【解決手段】集積した複数枚の紙葉類Pを搬送路9上に取り出す取り出し装置1は、取り出し位置Sに沿って走行する取り出しベルト4、および取り出しベルト4を挟んで取り出し位置Sに対向して配置された負圧チャンバ5を有する。取り出し位置Sの紙葉類Pが取り出されて搬送ベルト8a、8b間にニップ8cに到達すると、負圧チャンバ5内に空気が送り込まれて負圧が解消される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、集積状態の複数枚の紙葉類を1枚ずつ取り出す紙葉類取り出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙葉類取り出し装置として、郵便物に沿って孔開きベルトを走行させ、ベルトの裏側に配置した吸引ノズルによってベルトに郵便物を吸着させ、郵便物を1通ずつ取り出す装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。吸引ノズルとバキュームタンクの間には、負圧をON/OFFするためのソレノイドバルブが取り付けられている。
【0003】
しかして、郵便物を取り出す際には、ベルトを走行させてソレノイドバルブを開いて吸引ノズルで郵便物をベルトに吸着せしめて郵便物を取り出す。また、郵便物を連続して取り出す際には、ソレノイドバルブを各郵便物の取り出しタイミングに合せて定期的に閉じ、先行する郵便物と次に取り出す郵便物との間にギャップを形成するようにしている。
【0004】
しかし、ソレノイドバルブを閉じて吸引ノズルによる吸引をやめても、郵便物がベルトに吸着している状態では、郵便物に作用している負圧を素早く消失させることができない。このため、郵便物を高速で取り出すべくソレノイドバルブの開閉周期を短くしても、実際に郵便物に作用している負圧を瞬時に消失させることができないので、郵便物を高速に取り出すことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,391,051号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、集積状態の紙葉類を1枚ずつ所望するタイミングで高速に取り出すことができる紙葉類取り出し装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の紙葉類取り出し装置は、集積方向一端の取り出し位置にある紙葉類に沿って取り出し方向に走行する、吸着孔を有する取り出し部材と、この取り出し部材を挟んで上記取り出し位置に対向する開口を有し、上記吸着孔を介して上記取り出し位置の紙葉類に負圧を作用させて当該紙葉類を上記取り出し部材に吸着せしめる負圧チャンバと、この負圧チャンバに連通した吸気管を介して該負圧チャンバを真空引きする吸引手段と、上記負圧チャンバ内に空気を送り込むため、上記吸気管とは別に上記負圧チャンバに連通した送気管、およびこの送気管の途中に設けた第1の開閉弁を有する圧力調整装置と、上記取り出し部材に吸着されて上記取り出し位置から取り出された紙葉類を受け取って搬送する搬送部と、上記取り出し部材に吸着されて上記取り出し位置から取り出された紙葉類が上記搬送部へ受け渡されたことを検知する検知部と、この検知部で当該紙葉類が上記搬送部へ受け渡されたことを検知した後、上記第1の開閉弁を開くように上記圧力調整装置を制御する制御部と、を有する。
【0008】
上記発明によると、取り出し部材で吸着して取り出し位置から取り出した紙葉類が搬送部へ受け渡された後、負圧チャンバに空気を送り込んで負圧を積極的に解消するようにしたため、取り出された1枚目の紙葉類に重なった2枚目以降の紙葉類に負圧を作用せしめることがなく、集積状態の紙葉類を1枚ずつ所望するタイミングで高速に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0009】
この発明の紙葉類取り出し装置は、上記のような構成および作用を有しているので、集積状態の紙葉類を1枚ずつ所望するタイミングで高速に取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1には、この発明の実施の形態に係る紙葉類取り出し装置1(以下、単に、取り出し装置1と称する)を上方から見た概略平面図を示してある。また、図2には、取り出し装置1の動作を制御する制御系のブロック図を示してある。
【0011】
取り出し装置1は、投入部2、供給機構3、取り出しベルト4(取り出し部材)、負圧チャンバ5、吸引チャンバ6、分離ローラ7、搬送ベルト8a、8b、複数のセンサS1〜S6、および装置全体の動作を制御する制御部10などを有する。搬送ベルト8a、8b、および後述するモータ17は、この発明の搬送部として機能し、センサS5は、この発明の検知部として機能し、分離ローラ7に接続した後述するポンプ16は、この発明の送気装置としても機能する。
【0012】
制御部10には、複数のセンサS1〜S6、供給機構3の図示しないフロアベルトやバックアッププレートを動作させるモータ11、取り出しベルト4を矢印T方向に走行させるモータ12、負圧チャンバ5を真空引きするポンプ13(吸引手段)、吸引チャンバ6を吸引するブロア14、分離ローラ7に分離トルクを付与するモータ15、分離ローラ7の周面に負圧を発生させるためのポンプ16、および搬送ベルト8、9を走行させるモータ17が接続されている。
【0013】
投入部2には、複数枚の紙葉類Pが集積状態で且つ立位で投入される。投入部2へ投入された紙葉類Pは、供給機構3によってその集積方向一端側(図1中左側)へ移動されて集積方向一端(左端)の紙葉類Pが取り出し位置Sへ供給される。供給機構3は、取り出し位置Sへ供給した紙葉類Pが取り出される度に動作して、常に集積方向一端にある紙葉類Pを取り出し位置Sへ供給する。
【0014】
取り出しベルト4は、複数のプーリ18に巻回されて無端状に張設されている。取り出しベルト4の一部は、取り出し位置Sに供給された紙葉類Pに接触して、当該紙葉類Pの面方向、すなわち取り出し方向T(図1中上方)に一定速度で走行する。負圧チャンバ5は、この取り出しベルト4の内側で、取り出しベルト4を挟んで取り出し位置Sに対向する位置に配置されている。
【0015】
取り出しベルト4には、図3に示すように、複数の吸着孔4aが形成されている。一方、負圧チャンバ5は、取り出しベルト4の裏面に対向する開口5aを有する。しかして、取り出しベルト4を走行させて負圧チャンバ5を真空引きすると、負圧チャンバ5の開口5aおよび取り出しベルト4の吸着孔4aを介して取り出し位置Sの紙葉類Pに負圧が作用し、当該紙葉類Pが取り出しベルト4の表面に吸着される。取り出しベルト4に吸着された紙葉類Pは、ベルト4の走行によって取り出し位置Sから取り出される。
【0016】
取り出し位置Sから取り出された紙葉類Pは、搬送路9を介して図1で上方に搬送され、搬送部8へ受け渡される。搬送路9に沿って設けられた複数のセンサS1〜S6は、透過型(片側図示せず)の光センサであり、センサの光路を紙葉類Pが遮ることを検出(センサ出力;暗)するとともに、光路上に紙葉類Pが存在しないことを検出(センサ出力;明)する。つまり、これら各センサS1〜S6は、それぞれ、紙葉類Pの搬送方向先端および後端通過を検知する。
【0017】
吸引チャンバ6は、紙葉類Pの取り出し方向に沿って取り出しベルト4の上流側(図中下側)で、取り出し位置Sに開口6aを対向せしめて配置されている。しかして、ブロア14が動作されると、吸引チャンバ6の開口6aから空気が吸引され、取り出し位置Sに空気流が発生する。この空気流は、投入部2に投入された集積方向一端の紙葉類Pを取り出し位置Sへ素早く吸引するよう機能する。
【0018】
分離ローラ7は、取り出し位置Sの取り出し方向下流側で、搬送路9を挟んで取り出しベルト4とは反対側に配置されている。分離ローラ7は、内部にチャンバ7aを有する略円筒形のコア7b、このコア7bの外周に回転可能に設けられた略円筒形のスリーブ7cを有する。コア7bは、開口7dを搬送路9に向けて固定的に取り付けられている。スリーブ7cは、複数の吸着孔7eを有する。しかして、ポンプ16を動作させてコア7bのチャンバ7aを真空引きすると、コア7bの外周を回転するスリーブ7cの複数の吸着孔7eを介して分離ローラ7の周面に負圧が発生する。
【0019】
つまり、モータ15によってスリーブ7cに取り出し方向と逆方向の分離トルクを付与し、ポンプ16によってスリーブ7cの外周面に負圧を発生させることで、取り出し位置Sから取り出された紙葉類Pに連れ出された2枚目以降の紙葉類Pを分離することができる。
【0020】
また、搬送路9を挟んで分離ローラ7に対向する側(図中左側)には、無端状の搬送ベルト8aが張設されている。一方、搬送路9を挟んで搬送ベルト8aに対向する位置には、搬送ベルト8bが張設されている。すなわち、2本の搬送ベルト8a、8bの間で、分離ローラ7の下流側の搬送路9が規定されている。しかして、取り出しベルト4によって取り出し位置Sから取り出された紙葉類Pの取り出し方向先端が搬送ベルト8a、8bのニップ8cで挟持され、搬送ベルト8a、8b(搬送部)に受け渡されて下流側へと搬送される。
【0021】
ここで、投入部2を介して投入された複数枚の紙葉類Pを搬送路9上に1枚ずつ取り出す動作について説明する。
複数枚の紙葉類Pが投入部2を介して取り出し装置1に投入されると、供給機構3によって紙葉類Pが取り出し位置Sへ順次供給され、取り出しベルト4に吸着されて搬送路9上へ取り出される。搬送路9を介して搬送される紙葉類Pは、複数のセンサS1〜S6によって、その搬送位置および搬送状態が監視される。
【0022】
紙葉類Pの取り出し時には、ポンプ13によって負圧チャンバ5が真空引きされ、取り出しベルト4の表面に負圧が発生される。また、投入部2に投入された紙葉類Pのうち集積方向一端の紙葉類Pには、吸引チャンバ6によって常に取り出し位置Sに向かう空気流が作用される。つまり、吸引チャンバ6によって集積方向一端の紙葉類Pが素早く取り出し位置に配置され、取り出しベルト4に吸着されて取り出される。
【0023】
取り出し位置Sから取り出された紙葉類Pは、搬送ベルト8a、8bのニップ8cに突入し、取り出し方向先端がニップ8cで挟持されて、さらに下流へと搬送される。取り出された紙葉類Pがニップ8cに到達したことは、センサS5の出力が明から暗になったことをもって検知される。このとき、搬送ベルト8a、8bの走行速度は、取り出しベルト4の走行速度より僅かに速い速度に設定されており、当該紙葉類Pは、搬送ベルト8a、8bによって引き抜かれて搬送されることになる。
【0024】
取り出し位置Sから取り出された紙葉類Pに重なった状態で2枚目以降の紙葉類Pが連れ出された場合、2枚目以降の紙葉類Pが分離ローラ7によって分離される。このとき、分離ローラ7の周面には負圧が発生されており、スリーブ7cには取り出し方向と逆方向の分離トルクが付与されている。1枚の紙葉類Pが正常に取り出された際には、分離ローラ7のスリーブ7cが取り出し方向に沿って連れ回り、2枚重なった状態で取り出された場合には、スリーブ7cが逆転する。これにより、2枚目以降の紙葉類Pが逆方向に戻されて1枚目の紙葉類Pと分離される。
【0025】
ところで、上述したように、複数枚重なった状態の紙葉類Pを1枚ずつに分離して搬送路9上に取り出す場合、負圧チャンバ5の負圧をON/OFF制御するか、或いは取り出しベルト4を間歇的に走行させることにより、紙葉類P同士の間にギャップを形成する。このギャップは、取り出し装置1の下流の搬送路9に接続された処理装置(ここでは図示および説明を省略する)における紙葉類Pの処理速度に応じて決まる。
【0026】
つまり、下流側の処理装置における処理効率を高めるとともに、十分な処理時間を与えるためには、紙葉類P間のギャップを所望する長さに安定してコントロールすることが望まれる。しかし、取り出しベルト4を間歇的に動作させてギャップを形成する方法では、ベルトの加速および減速に必要とされる時間を高い精度でコントロールすることが難しく、加減速時にベルトと紙葉類Pとの間に滑りを生じる可能性がある。
【0027】
一方、負圧チャンバ5の負圧をON/OFF制御するため、ポンプ13と負圧チャンバ5をつなぐ配管の途中に電磁バルブを設けて、この電磁バルブを開閉制御することで、紙葉類間のギャップをコントロールする方法が考えられるが、この方法では、電磁バルブを閉じてポンプ13による吸引をやめても、紙葉類Pがベルトに吸着している状態では、負圧チャンバ5内の負圧が暫く残り、大気圧に戻るまでに時間を要する。このため、いずれの方法でも、紙葉類P間のギャップを所望する長さにコントロールすることは難しい。
【0028】
これに対し、本発明者等は、負圧チャンバ5に圧力調整装置を取り付けることで、負圧チャンバ5内の負圧を積極的に大気圧に近づけて、紙葉類P間のギャップを所望する長さに高精度にコントロールする方法を見出した。以下、本発明のいくつかの実施の形態に係る圧力調整装置について説明する。
【0029】
図4には、この発明の第1の実施の形態に係る圧力調整装置20を備えた取り出し装置1の要部の構造を概略的に示してある。この圧力調整装置20は、負圧チャンバ5に空気を送り込むための吸気管22、およびこの吸気管22の途中に設けた電磁バルブ24(第1の開閉弁)を有する。この電磁バルブ24は、制御部10によって開閉制御される。
【0030】
つまり、本実施の形態では、ポンプ13を常に作動させて負圧チャンバ5を常に真空引きすることを前提として、取り出しベルト4に紙葉類Pを吸着させないタイミングでは、電磁バルブ24を開くようにした。この際、電磁バルブ24を開いたときに、ポンプ13によって真空引きした状態の負圧チャンバ5内に吸気管22を介して流入する空気の量が、ポンプ13で吸引している空気の量より大幅に多くなるよう、吸気管22が大径にされている。
【0031】
具体的には、取り出しベルト4に吸着されて搬送路9上に取り出された紙葉類Pの搬送方向先端がセンサS5に到達した時点で、制御部10は、当該紙葉類Pが搬送ベルト8a、8bのニップ8cに受け渡されたことを判断し、電磁バルブ24を開く。以下の説明では、このタイミングを第1のタイミングと称する。これにより、1枚目の当該紙葉類Pを搬送ベルト8a、8bのニップ8cで挟持拘束して下流側へと確実に搬送できるとともに、2枚目以降の紙葉類Pを取り出しベルト4に吸着してしまう不具合を防止でき、紙葉類Pの2枚取りを防止できる。
【0032】
そして、1枚目の紙葉類Pと2枚目の紙葉類Pとの間のギャップを検出したことをトリガーとして、制御部10は、電磁バルブ24を閉じて2枚目の紙葉類Pを取り出しベルト4に吸着し、2枚目の紙葉類Pの取り出しを開始する。以下の説明では、このタイミングを第2のタイミングと称する。このとき、電磁バルブ24を閉じるタイミングを調整することで、ギャップをコントロールできる。なお、1枚目の紙葉類Pと2枚目の紙葉類Pとの間のギャップは、センサS1〜S4のうちいずれか1つのセンサの出力が明となったことをもって検出する。
【0033】
以上のように、本実施の形態によると、紙葉類Pを吸着しない第1のタイミングで電磁バルブ24を開くことで、吸気管22を介して、負圧チャンバ5内に空気を積極的に送り込むようにしたため、所望するタイミングで負圧チャンバ5の負圧を急速に消失させることができ、紙葉類P間のギャップを所望する長さに高精度にコントロールできる。また、これにより、紙葉類Pの取り出し周期を速めることができ、紙葉類Pの高速取り出しが可能となる。
【0034】
図5には、上述した第1の実施の形態の圧力調整装置20を用いた場合における負圧チャンバ5内の気圧変化を、電磁バルブ24の開閉タイミングと合せて図示したグラフを示してある。これによると、第2のタイミングで電磁バルブ24を閉じた直後に負圧チャンバ5内の気圧が急激に低下しているのが分かる。これは、負圧チャンバ5をポンプ13で常に真空引きしているためである。なお、ポンプ13は、負圧チャンバ5内の気圧が一定値より下がらないようにリリーフバルブ13a(圧力弁)を有するため、ポンプ13を常時動作させても負圧チャンバ5内の気圧が下がり続けることはない。
【0035】
一方、第1のタイミングで電磁バルブ24を開いた直後のチャンバ5内の気圧変化を見ると、やや緩やかに大気圧に近付いているのが分かる。つまり、電磁バルブ24を開いて負圧チャンバ5内に空気を流入させても、一方でポンプ13によって負圧チャンバ5を真空引きし続けるため、チャンバ内の気圧が比較的緩やかに大気圧に近付くことになる。
【0036】
しかし、本実施の形態によると、従来のようにポンプの吸気管の途中に開閉弁を設けた場合と比較して、負圧チャンバ5内を素早く大気圧に近付けることができる。つまり、本実施の形態の圧力調整装置20を用いた場合、負圧チャンバ5の開口5aを紙葉類Pが塞いだ状態であっても、負圧チャンバ5内の気圧を大気圧に瞬時に近付けることができ、紙葉類Pの高速取り出しが可能となる。
【0037】
図6には、この発明の第2の実施の形態に係る圧力調整装置30を備えた取り出し装置1の要部の構造を概略的に示してある。本実施の形態の圧力調整装置30を備えた取り出し装置1も、上述した第1の実施の形態の圧力調整装置20を備えた取り出し装置1と基本構造は同じであり、且つ基本動作も同じであるため、同じ部分についての説明は省略する。
【0038】
圧力調整装置30は、負圧チャンバ5を真空引きするポンプ13の排気口と負圧チャンバ5を接続した排気管32、およびこの排気管32の途中に取り付けた電磁バルブ34(第1の開閉弁)を有する。本実施の形態の圧力調整装置30は、ポンプ13の排気を負圧チャンバ5内に積極的に送り込む点で、第1の実施の形態の圧力調整装置20と異なる。
【0039】
本実施の形態では、制御部10は、電磁バルブ34を第1の実施の形態の電磁バルブ24と同じタイミングで開閉制御するが、第1のタイミングで電磁バルブ34を開いた際に、負圧チャンバ5内に空気がより積極的に送り込まれるため、第1の実施の形態と比較して、より素早く負圧チャンバ5内の気圧を大気圧に近付けることができる。
【0040】
図7には、この圧力調整装置30を用いた場合における負圧チャンバ5内の気圧変化を、電磁バルブ34の開閉タイミングと合せて図示したグラフを示してある。電磁バルブ34を開いた直後のチャンバ5内の気圧変化を見ると、図5のグラフと比較して、より短い時間で大気圧に近付いているのが分かる。つまり、本実施の形態によると、電磁バルブ34を開いた瞬間にポンプ13の排気が負圧チャンバ5内に急激に流れ込み、負圧チャンバ5の気圧が瞬時に大気圧に近付くことになる。
【0041】
図8には、上述した第2の実施の形態の変形例に係る圧力調製装置30’を備えた取り出し装置1の要部の構造を示してある。つまり、この変形例では、ポンプ13の吸気口と負圧チャンバ5を接続した吸気管36の途中に新たな電磁バルブ38(第2の開閉弁)を追加した。吸気管36に電磁バルブ38を取り付けた以外、上述した第2の実施の形態と同じであるため、同じ部分についての説明は省略する。
【0042】
制御部10は、紙葉類Pの取り出し時において、排気管32の電磁バルブ34を閉じるとともに吸気管36の電磁バルブ38を開いて負圧チャンバ5を真空引きし、取り出しベルト4に紙葉類Pを吸着させて搬送路9上に取り出す。
【0043】
そして、制御部10は、取り出した紙葉類Pの搬送方向先端が搬送部8bのニップ8cに到達した第1のタイミングで排気管32の電磁バルブ34を開くとともに吸気管36の電磁バルブ38を閉じる。これにより、上述した第2の実施の形態と比較して、より短い時間で真空チャンバ5内の気圧を大気圧に戻すことができる。
【0044】
また、後続の紙葉類Pとの間にギャップを検出した第2のタイミングで、制御部10は、排気管32の電磁バルブ34を閉じるとともに吸気管36の電磁バルブ38を開く。これにより、負圧チャンバ5を瞬時に真空引きでき、2枚目の紙葉類Pの取り出しタイミングを高速にできる。すなわち、この変形例では、常に2つの電磁バルブ34、38を逆に動作させることになる。
【0045】
図9には、図8の圧力調整装置30’を用いた場合における負圧チャンバ5内の気圧変化を、電磁バルブ34、38の開閉タイミングと合せて図示したグラフを示してある。電磁バルブ34、38の開閉動作は互いに逆になっている。第1のタイミングで電磁バルブ34を開いて電磁バルブ38を閉じた直後のチャンバ5内の気圧変化を見ると、図7のグラフと比較して、より短い時間で大気圧に近付いているのが分かる。つまり、この圧力調整装置30’を用いた場合、電磁バルブ34を開いた瞬間にポンプ13の排気が負圧チャンバ5内に急激に流れ込み、且つ電磁バルブ38を閉じることで負圧チャンバ5の真空引きをやめるため、負圧チャンバ5内の気圧がより高速で大気圧に近付くことになる。
【0046】
図10には、この発明の第3の実施の形態に係る圧力調整装置40を備えた取り出し装置1の要部の構造を概略的に示してある。この圧力調整装置40は、上述した第1のタイミングで、ポンプ13の排気を負圧チャンバ5内へ送り込む代りに、別のポンプ16の排気を負圧チャンバ5内へ送り込むようにしたことを特徴としており、この点で上述した第2の実施の形態の圧力調整装置30(図6)と異なる。
【0047】
特に、本実施の形態では、分離ローラ7のコア7bのチャンバ7aを真空引きするためのポンプ16の排気を利用したが、これに限らず、例えば、吸引チャンバ6を吸引するブロア14の排気を利用しても良く、或いは専用の送気装置を負圧チャンバ5に接続しても良い。
【0048】
紙葉類Pの取り出し時において、取り出し装置1の制御部10は、ポンプ16の排気管42(送気管)の途中に設けた電磁バルブ44(第3の開閉弁)を閉じて、ポンプ13によって負圧チャンバ5を真空引きする。このとき、分離ローラ7の外周面に負圧を発生させるためのポンプ16は、吸引動作を続けるが、リリーフバルブ16aによって吸引した空気が逃がされる。
【0049】
そして、制御部10は、上述した第1のタイミングで、電磁バルブ44を開いて、ポンプ16の排気を負圧チャンバ5内に送り込む。これにより、上述した第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。つまり、第1のタイミングで、図7に示す程度に素早く負圧チャンバ5内の気圧を大気圧に戻すことができる。
【0050】
図11には、この発明の第4の実施の形態に係る圧力調整装置50を備えた取り出し装置1の要部の構造を概略的に示してある。この圧力調整装置50は、上述した第2の実施の形態に係る圧力調整装置30と上述した第3の実施の形態に係る圧力調整装置40を組み合わせた構造を有する。
【0051】
つまり、負圧チャンバ5を真空引きするポンプ13の排気管32を負圧チャンバ5に接続して、その排気管32の途中に電磁バルブ34を取り付け、且つ、分離ローラ7のポンプ16の排気管42を負圧チャンバ5に接続して、その排気管42の途中に電磁バルブ44を取り付けた。本実施の形態においても、送気装置として、ポンプ16の代りに別の装置を負圧チャンバ5に接続しても良いことは言うまでもない。
【0052】
本実施の形態において、紙葉類Pを取り出す際には、制御部10は、2つの電磁バルブ34、44を閉じて負圧チャンバ5をポンプ13で真空引きし、取り出しベルト4を走行させて紙葉類Pを取り出す。そして、制御部は、上述した第1のタイミングで、2つの電磁バルブ34、44を開いて、負圧チャンバ5内の負圧を瞬時に解消し、2枚目以降の後続の紙葉類Pが取り出しベルト4に吸着される不具合を防止する。
【0053】
本実施の形態では、上述した第1のタイミングで2つの電磁バルブ34、44を同時に開いて大量の空気を一斉に負圧チャンバ5内に送り込むことができ、負圧チャンバ5内の気圧を素早く大気圧に戻すことができる。
【0054】
また、本実施の形態の圧力調整装置50において、上述した第1のタイミングで、2つの電磁バルブ34、44を順番に開くようにしても良い。つまり、2つの電磁バルブ34、44を開くタイミングに時間差を与えても良い。この場合、例えば、図12に示すように第1のタイミングで負圧チャンバ5内の気圧を段階的に大気圧に近付けることもできる。
【0055】
図13には、この発明の第5の実施の形態に係る圧力調整装置60を備えた取り出し装置1の要部の構造を概略的に示してある。この圧力調整装置60は、上述した第4の実施の形態の圧力調整装置50に図8で説明した圧力調整装置30’の構造をさらに追加した構造を有する。
【0056】
この圧力調整装置60を用いると、第1のタイミングで、負圧チャンバ5内の気圧を瞬時に大気圧に戻すことができ、取り出し装置1の処理効率を最も高くできる。つまり、第1のタイミングで、2つの電磁バルブ34、44を開くとともに、ポンプ13の吸気管36の電磁バルブ38を閉じることで、負圧チャンバ5の真空引きをやめると同時に大量の空気をチャンバ5内に送り込むことができ、負圧チャンバ5内の気圧を瞬時に大気圧に戻すことができる。
【0057】
図14には、この圧力調整装置60を用いた場合における負圧チャンバ5内の気圧の変化をグラフにして示してある。つまり、本実施の形態においても、上述した第4の実施の形態と同様に、第1のタイミングで2つの電磁バルブ34、44を順に開くこともでき、装置1の運用の自由度が高い。さらに、図12のグラフと比較すると、第1のタイミングで2つの電磁バルブ34、44を段階的に開いたとき、本実施の形態の方がより短時間で負圧チャンバ5を大気圧に戻すことができているのが分かる。つまり、本実施の形態では、2つの電磁バルブ34、44を開くとともに吸気側の電磁バルブ38を閉じているため、より素早く負圧チャンバ5を大気圧に戻すことができる。
【0058】
以上のように、本発明によると、取り出しベルト4の表面に生じせしめる負圧を消失させて紙葉類Pの吸着をやめるときに、負圧チャンバ5内に空気を積極的に送り込んで負圧を瞬時に無くすようにしたため、負圧が残って次の紙葉類Pを不所望にベルトに吸着してしまう不具合を防止できる。このため、所望するタイミングで紙葉類Pを取り出しベルト4に吸着させることができ、紙葉類Pの取り出し周期を高速化できるとともに、紙葉類P間のギャップを安定させることができる。
【0059】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【0060】
例えば、上述した第4および第5の実施の形態では、第1のタイミングで、負圧チャンバ5を真空引きするポンプ13の排気をチャンバ5に戻すとともに他の送気装置(例えばポンプ16)をチャンバ5につないで空気を送り込む場合について説明したが、これに限らず、さらに別の送気装置を追加して負圧チャンバ5内により多くの空気を送り込むようにしても良い。
【0061】
また、上述した実施の形態では、取り出し位置Sへ供給された紙葉類Pを取り出す取り出し部材として無端状の取り出しベルト4について説明したが、これに限らず、取り出し方向に回転するロータに複数の吸着孔を形成した取り出し部材を使用しても良い。
【0062】
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0063】
[1]
集積方向一端の取り出し位置にある紙葉類に沿って取り出し方向に走行する、吸着孔を有する取り出し部材と、
この取り出し部材を挟んで上記取り出し位置に対向する開口を有し、上記吸着孔を介して上記取り出し位置の紙葉類に負圧を作用させて当該紙葉類を上記取り出し部材に吸着せしめる負圧チャンバと、
この負圧チャンバを真空引きする吸引手段と、
この吸引手段で真空引きされた上記負圧チャンバ内に空気を送り込んで負圧チャンバ内の圧力を大気圧に近付ける圧力調整装置と、
上記取り出し部材に吸着されて上記取り出し位置から取り出された紙葉類を受け取って搬送する搬送部と、
上記取り出し部材に吸着されて上記取り出し位置から取り出された紙葉類が上記搬送部へ受け渡されたことを検知する検知部と、
この検知部で当該紙葉類が上記搬送部へ受け渡されたことを検知した後、上記負圧チャンバ内の圧力を大気圧に近付けるよう上記圧力調整装置を動作させる制御部と、
を有することを特徴とする紙葉類取り出し装置。
【0064】
[2]
上記圧力調整装置は、上記負圧チャンバに空気を送り込む送気装置を有することを特徴とする[1]に記載の紙葉類取り出し装置。
【0065】
[3]
上記制御部は、上記送気装置と負圧チャンバを接続した送気管の途中に取り付けた開閉弁を開閉制御することを特徴とする[2]に記載の紙葉類取り出し装置。
【0066】
[4]
上記圧力調整装置は、上記吸引手段の排気口と上記負圧チャンバを接続した排気管、およびこの排気管の途中に設けられた開閉弁を有し、上記制御部は、上記開閉弁を開閉制御することを特徴とする[3]に記載の紙葉類取り出し装置。
【0067】
[5]
上記圧力調整装置は、上記吸引手段の吸気口と上記負圧チャンバを接続した吸気管の途中に開閉弁を有し、上記制御部は、上記排気管の開閉弁および上記吸気管の開閉弁を開閉制御することを特徴とする[4]に記載の紙葉類取り出し装置。
【0068】
[6]
上記制御部は、上記排気管の開閉弁を閉じた状態で上記吸気管の開閉弁を開き、上記排気管の開閉弁を開いた状態で上記吸気管の開閉弁を閉じるように、上記2つの開閉弁を開閉制御することを特徴とする[5]に記載の紙葉類取り出し装置。
【0069】
[7]
上記取り出し部材に吸着されて上記取り出し位置から取り出された紙葉類に重なった状態で連れ出された2枚目以降の紙葉類に負圧を作用させて分離する分離装置をさらに有し、
上記送気装置は、上記分離装置を介して負圧を発生させるための吸引手段の排気を利用したものであることを特徴とする[2]に記載の紙葉類取り出し装置。
【0070】
[8]
上記圧力調整装置は、上記吸引手段の排気口と上記負圧チャンバを接続した排気管、およびこの排気管の途中に設けられた開閉弁をさらに有し、
上記制御部は、上記送気管の途中に取り付けた開閉弁、および上記排気管の途中に取り付けた開閉弁を開閉制御することを特徴とする[7]に記載の紙葉類取り出し装置。
【0071】
[9]
上記取り出し部材に吸着されて上記取り出し位置から取り出された紙葉類に重なった状態で連れ出された2枚目以降の紙葉類に負圧を作用させて分離する分離装置をさらに有し、
上記送気装置は、上記分離装置を介して負圧を発生させるための吸引手段の排気を利用したものであることを特徴とする[8]に記載の紙葉類取り出し装置。
【0072】
[10]
上記圧力調整装置は、上記吸引手段の吸気口と上記負圧チャンバを接続した吸気管の途中に開閉弁をさらに有し、
上記制御部は、上記送気管の途中に取り付けた開閉弁、上記排気管の途中に取り付けた開閉弁、および上記吸気管の途中に取り付けた開閉弁を開閉制御することを特徴とする[8]に記載の紙葉類取り出し装置。
【0073】
[11]
上記取り出し部材に吸着されて上記取り出し位置から取り出された紙葉類に重なった状態で連れ出された2枚目以降の紙葉類に負圧を作用させて分離する分離装置をさらに有し、
上記送気装置は、上記分離装置を介して負圧を発生させるための吸引手段の排気を利用したものであることを特徴とする[10]に記載の紙葉類取り出し装置。
【0074】
[12]
上記圧力調整装置は、上記負圧チャンバを大気に開放する開閉弁を有することを特徴とする[1]に記載の紙葉類取り出し装置。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】この発明の実施の形態に係る紙葉類取り出し装置を示す概略図。
【図2】図1の取り出し装置の動作を制御する制御系のブロック図。
【図3】図1の取り出し装置に組み込まれた取り出しベルトの一部を拡大して示す部分拡大図。
【図4】この発明の第1の実施の形態に係る圧力調整装置を取り付けた取り出し装置の要部の構造を示す概略図。
【図5】図4の圧力調整装置を用いた場合における負圧チャンバ内の気圧変化を示すグラフ。
【図6】この発明の第2の実施の形態に係る圧力調整装置を取り付けた取り出し装置の要部の構造を示す概略図。
【図7】図6の圧力調整装置を用いた場合における負圧チャンバ内の気圧変化を示すグラフ。
【図8】図6の圧力調整装置の変形例を示す概略図。
【図9】図8の圧力調整装置を用いた場合における負圧チャンバ内の気圧変化を示すグラフ。
【図10】この発明の第3の実施の形態に係る圧力調整装置を取り付けた取り出し装置の要部の構造を示す概略図。
【図11】この発明の第4の実施の形態に係る圧力調整装置を取り付けた取り出し装置の要部の構造を示す概略図。
【図12】図11の圧力調整装置を用いた場合における負圧チャンバ内の気圧変化を示すグラフ。
【図13】この発明の第5の実施の形態に係る圧力調整装置を取り付けた取り出し装置の要部の構造を示す概略図。
【図14】図13の圧力調整装置を用いた場合における負圧チャンバ内の気圧変化を示すグラフ。
【符号の説明】
【0076】
1…紙葉類取り出し装置、2…投入部、3…供給機構、4…取り出しベルト、5…負圧チャンバ、6…吸引チャンバ、7…分離ローラ、8a、8b…搬送ベルト、9…搬送路、10…制御部、13…ポンプ、16…ポンプ、20、30、30’、40、50、60…圧力調整装置、22、36…吸気管、24、34、38、44…電磁バルブ、32…排気管、42…送気管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積方向一端の取り出し位置にある紙葉類に沿って取り出し方向に走行する、吸着孔を有する取り出し部材と、
この取り出し部材を挟んで上記取り出し位置に対向する開口を有し、上記吸着孔を介して上記取り出し位置の紙葉類に負圧を作用させて当該紙葉類を上記取り出し部材に吸着せしめる負圧チャンバと、
この負圧チャンバに連通した吸気管を介して該負圧チャンバを真空引きする吸引手段と、
上記負圧チャンバ内に空気を送り込むため、上記吸気管とは別に上記負圧チャンバに連通した送気管、およびこの送気管の途中に設けた第1の開閉弁を有する圧力調整装置と、
上記取り出し部材に吸着されて上記取り出し位置から取り出された紙葉類を受け取って搬送する搬送部と、
上記取り出し部材に吸着されて上記取り出し位置から取り出された紙葉類が上記搬送部へ受け渡されたことを検知する検知部と、
この検知部で当該紙葉類が上記搬送部へ受け渡されたことを検知した後、上記第1の開閉弁を開くように上記圧力調整装置を制御する制御部と、
を有する紙葉類取り出し装置。
【請求項2】
上記圧力調整装置は、上記送気管を介して上記負圧チャンバ内に空気を送り込むための第1の送気装置を有する請求項1に記載の紙葉類取り出し装置。
【請求項3】
上記吸引手段は真空ポンプであり、上記第1の送気装置は上記真空ポンプの排気を利用したものである請求項2記載の紙葉類取り出し装置。
【請求項4】
上記圧力調整装置は、上記吸気管の途中に設けた第2の開閉弁を有し、
上記制御部は、上記検知部で当該紙葉類が上記搬送部へ受け渡されたことを検知した後、上記第1の開閉弁を開くとともに上記第2の開閉弁を閉じるように上記圧力調整装置を制御する請求項2または請求項3に記載の紙葉類取り出し装置。
【請求項5】
上記圧力調整装置は、第2の送気装置と、この第2の送気装置と上記負圧チャンバとを接続した排気管、およびこの排気管の途中に設けられた第3の開閉弁を有し、
上記制御部は、上記検知部で当該紙葉類が上記搬送部へ受け渡されたことを検知した後、上記第1の開閉弁および上記第3の開閉弁を開くように上記圧力調整装置を制御する請求項2または請求項3に記載の紙葉類取り出し装置。
【請求項6】
上記制御部は、上記検知部で当該紙葉類が上記搬送部へ受け渡されたことを検知した後、上記第1の開閉弁および上記第3の開閉弁を開くとともに上記第2の開閉弁を閉じるように上記圧力調整装置を制御する請求項5に記載の紙葉類取り出し装置。
【請求項7】
上記取り出し部材に吸着されて上記取り出し位置から取り出された紙葉類に重なった状態で連れ出された2枚目以降の紙葉類に負圧を作用させて分離する分離装置をさらに有し、
上記圧力調整装置は、上記分離装置を介して負圧を発生させるための吸引手段の排気を上記送気管を介して上記負圧チャンバ内に送り込むものである請求項1に記載の紙葉類取り出し装置。
【請求項8】
上記圧力調整装置は、上記吸気管の途中に設けた第2の開閉弁を有し、
上記制御部は、上記検知部で当該紙葉類が上記搬送部へ受け渡されたことを検知した後、上記第1の開閉弁を開くとともに上記第2の開閉弁を閉じるように上記圧力調整装置を制御する請求項7に記載の紙葉類取り出し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−63859(P2013−63859A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−4683(P2013−4683)
【出願日】平成25年1月15日(2013.1.15)
【分割の表示】特願2008−153037(P2008−153037)の分割
【原出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】