説明

紙葉類取出装置

【課題】立位状態で搬送される紙葉類取出装置において、紙葉類の高さが低い場合でも、安定して取出す紙葉類取出装置を提供する。
【解決手段】搬送方向と交差する方向に立位状態で載置された紙葉類を取出部まで搬送するメインフロアベルトと、このメインフロアベルトで搬送された紙葉類の最先端の紙葉類から順番に1枚ずつ取出す取出手段と、を備えた紙葉類取出装置において、当該メインフロアベルトによる搬送方向と逆方向に搬送する戻し搬送可能なサブフロアベルトと、前記取出手段によって取出される紙葉類の取出し直前の紙葉類の載置状態の粗密を検知する粗密検知手段と、取出し直前の紙葉類の載置状態の高さを検知する高さ検知手段と、を備え、高さが低い紙葉類の粗密量が閾値3以上(過剰供給状ベルトの逆転を中止し通常使用にする制御をサブフロア制御で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、紙葉類取出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、郵便物等配達物を区分する紙葉類読取区分機は、配達物に記載されている区分先の郵便番号及び住所をスキャナで読み取り、この読み取った画像データをOCR(認識部)で認識している。そして、この認識結果に基づいて区分先を区分する区分処理を行っている。このような紙葉類読取区分機には、紙葉類を取り出す紙葉類取出装置が備え付けられている。
【0003】
この紙葉類取出装置は、取り扱う紙葉類の搬送方向の大きさによってその取出し性能が大きく左右される。搬送方向の長さの短い紙葉類を取扱うときには、搬送ピッチが紙葉類に対して相対的に長くなり、その分だけ処理効率が悪くなるという課題があり、当該課題を解決するために、搬送方向の長さが揃っている場合に、搬送方向の紙葉類の長さを測定し、当該紙葉類の長さに応じて取出し速度を切り替え、紙葉類間のギャップを調整することにより紙葉類の処理効率を上げる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、取出部に紙葉類が密の状態で供給されると重送、取出しができないなどの不具合が発生するなどの課題がある。この課題を解決するために、従来は、取出状態が悪化した取出部から紙葉類を引き離して紙葉類が疎の状態になるように、当該紙葉類が載置されているフロアベルトを所定時間逆回転させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平6−71943号(第2頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の発明は、紙葉類の高さが異なる場合に取り出し不良が発生し処理効率が低下する場合があることに対しては改善効果が期待できないという課題がある。
【0007】
また、供給された紙葉類の高さが一定ではないためフロアベルトを所定時間逆回転すると、逆転量が一定であるため、紙葉類の高さが低い紙葉類が連続した場合には高さが低い紙葉類では倒れすぎてしまうという課題があった。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、取出部に供給された紙葉類の粗密量及び当該紙葉類の高さ情報に応じてサブフロアベルトの逆転量を制御することにより、高さの低い(背の低い)紙葉類の取出し不良により処理効率が低下する課題を改善した紙葉類取出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の紙葉類取出装置は、搬送方向と交差する方向に立位状態で載置された当該紙葉類を取出部まで搬送するメインフロアベルトと、このメインフロアベルトで搬送された紙葉類の最先端の紙葉類から順番に1枚ずつ取出す取出手段と、この取出手段によって取出された紙葉類を搬送する搬送手段と、を備えた紙葉類取出装置であって、前記メインフロアベルトの搬送面と同一平面上であって、かつ、当該メインフロアベルトの搬送方向先端の対向する位置に配置され、当該メインフロアベルトによる搬送方向と逆方向に搬送する戻し搬送可能なサブフロアベルトと、前記取出手段によって取出される紙葉類の取出し直前の紙葉類の載置状態の粗密を検知する粗密検知手段と、前記取出手段によって取出される紙葉類の取出し直前の紙葉類の載置状態の高さを検知する高さ検知手段と、前記粗密検知手段による検知結果及び前記高さ検知手段による紙葉類の高さにより、前記サブフロアベルトによる戻し搬送時間を設定するサブフロア制御手段と、を備えたことにより紙葉類の取出し不良を改善することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1に係る紙葉類取出装置の概略平面図
【図2】図1に示す紙葉類取出装置の高さ検知センサの位置を示す斜視図
【図3】図2に示す紙葉類取出装置の高さ検知センサの検知位置を示す平面図
【図4】本発明の実施例1の係るサブフロアベルトの戻し量と戻し速度との関係を示す図
【図5】粗密量を説明するグラフ
【図6】サブフロア駆動制御処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施例1に係る紙葉類取出装置は、ロータリバルブ、取出ベルト、取込ローラ、逆転ローラ、メインフロアベルト・サブフロアベルト、粗密検知センサ、高さ検知センサ及びこれらを制御する制御装置で構成される。上記粗密検知センサ及び高さ検知センサの情報に基づいて上記サブフロアベルトを逆転制御することにより上述した取出し不良を改善することができる。以下、図面を参照してこれらの構成及び動作を説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1に係る紙葉類取出装置100の概略平面図である。紙葉類取出装置100は、供給部10、取出部20及び搬送部30で構成される。
【0013】
供給部10は、メインフロアベルト11(11a、11bの総称)、このメインフロアベルト11の対向する位置に配置されたサブフロアベルト12(12a、12bの総称)、背面フロアベルト(図示しない)、粗密検知センサPF11、高さ検知センサ14(投光器14a、受光器14bの総称)などを有して構成される。また、上記メインフロアベルト11、サブフロアベルト12及び背面フロアベルトは駆動モータ(図示しない)及びそれを制御する制御部によって制御される。
【0014】
粗密検知センサPF11は、立位状態でメインフロアベルト11及びサブフロアベルト12上に載置されている紙葉類の載置状態が疎状態か密状態かを検知する。実施例1で用いた粗密検知センサPF11は、紙葉類の搬送方向(載置方向)に配置した反射光を受光するラインセンサで構成される。この粗密検知センサPF11の出力信号を積分することにより、紙葉類の粗密を判定する。すなわち積分値が小さな値の場合は、反射光量が少ないことから紙葉類が疎の状態(まばらな状態)であることを意味し、反対に反射光量が大きい場合には紙葉類が密(詰まっている状態)であることを意味する。
【0015】
本実施例では、上記粗密検知センサPF11の出力信号及び高さ検知センサ14の出力信号に応じて上記メインフロアベルト11、サブフロアベルト12負圧の動作が制御される。なお、この制御方法は後述する。
【0016】
取出部20は、負圧チャンバ21、取出ベルト22、サブチャンバ23及び補助チャンバ24などを有して構成される。
【0017】
搬送部30は、取込ローラ31、分離ローラ32及び複数の搬送ローラ33並びにこれら複数の搬送ローラ33に掛け回された搬送ベルト34で構成される。また、上記搬送ローラ33は、駆動モータ(図示しない)及びそれを制御する制御部によって制御される。
【0018】
以上の構成において、メインフロアベルト11上に立位状態で供給された紙葉類Pは、当該メインフロアベルト11及びサブフロアベルト12によって取出部20の取出位置まで搬送される。取出位置に到達した紙葉類Pは、取出位置に設けられている負圧チャンバ21によって吸引され、複数の貫通穴を有する取出ベルト22に吸着される。取出ベルト22は、図示矢印A方向に回転しており、この回転に連れられて、最先端の紙葉類が1枚取出されて下流に設けられた取込ローラ31によって搬送路に取り込まれ搬送される。
【0019】
分離ローラ32は、負圧チャンバ21によって複数枚の紙葉類が重なって取り込まれる重送が発生した際、先の紙葉類は搬送方向に搬送すると共に、後の紙葉類を分離するために逆回転する。この分離ローラ32の外周面には複数の穴が設けられており、上記負圧チャンバ同様に負圧に保持されており、当該負圧により重送している紙葉類を吸着して逆方向に搬送する。この分離ローラ32による重送防止方法は従来から行われておりその詳細な説明は省略する。
【0020】
図2は、図1に示す紙葉類取出装置100の高さ検知センサ14の位置を示す斜視図である。図3は、図2に示す紙葉類取出装置100の高さ検知センサ14の検知位置を示す平面図である。図2及び図3は、紙葉類Pの高さを検知する高さ検知センサ14(投光器14a、受光器14bの総称)の検知位置を示す。高さ検知センサ14は、メインフロアベルト11(メインフロアベルト11a、11bの総称)の位置から高さHが120mmの位置で、かつ、取出面(取込ローラ31のローラ表面)からの距離Dが35mmの位置に受光器14bが配置されて構成され、この35mm内の紙葉類Pの高さを検知するために高さ検知センサ光軸14cが設定される。このように配置された高さ検知センサ14によって、紙葉類Pが取出ベルト22によって取出され、取込ローラ31により搬送部30へ取込む際の紙葉類の高さが検知される。
【0021】
図4は、サブフロアベルト12(12a、12bの総称)の戻し量と戻し速度との関係を示す図で、紙葉類が倒れた場合の紙葉類高さH及び紙葉類倒れ角度θを示す。
【0022】
ここで、取出し不調時の場合について説明する。取出し不調時でも紙葉類はある程度取出される。取出されている紙葉類の枚数はセンサPF01(図1参照)で検出される。センサPF01で検出された紙葉類の単位時間当たりの通過枚数がF(枚/s)であり、取出される紙葉類の平均厚さをthとすると、取出部では、F・th(mm/s)の速度で紙葉類が減っていくことになる。また、紙葉類を取出部から遠ざける方向に戻す速度をV(mm/s)とすると、t秒後に取出位置にある紙葉類高さHは、下式(1)で示される紙葉類倒れ角度θだけ傾いていることになる。
【0023】
図示した例の場合、最後の紙葉類Paが取出し不良で残留する場合を考えると、取出位置での取出ベルト22の表面が取出面22aとなり、当該取出ベルト22によって取出面22aに近い先の紙葉類から順番に取出される。この際、最後の紙葉類Paは、先の紙葉類が取出されることにより、上部が図示したように取出面22a側に傾く。t秒後の距離は(F・th)・tとなる。また、このときにサブフロアベルト12の戻しが行われると、t秒後の戻し距離はV・tであるから、これらを加算した下式(1)で紙葉類倒れ角度θが算出される。
【0024】
sinθ=(F・th+V)・t/H・・・・・・・・・・(1)
紙葉類の取出し速度:F(枚/s)・・・センサPF01でリアルタイムに測定する
紙葉類の平均厚さ:th(mm)・・・・紙葉類の高さで切り替え可能
サブフロアベルト戻し速度:V(mm/s)・紙葉類の高さで切り替え可能
サブフロアベルト戻し時間:t(s)・・紙葉類の高さで切り替え可能
紙葉類高さ:H(mm)・・・・・・・・2つのモードで切り換える
紙葉類倒れ角度:θ・・・・・・・・・・紙葉類の高さで切り替え可能
紙葉類の取出し速度F(枚/s)は、図1に示す取込ローラ31の近傍に配置されたセンサPF01での紙葉類Pの取出し速度であり、リアルタイムに測定される。
【0025】
紙葉類の高さHは、紙葉類の高さ検知センサ14を遮っているか否かでHH、HLに分類し、例えばHH=140mm、HL=100mmのように設定する。従って、紙葉類の高さで切り替え可能である。thは紙葉類の平均厚さなので、例えば3mmとし、サブフロアベルトの戻し速度Vを所定の値に設定し、紙葉類の倒れ角度θを15°とすると、サブフロアベルト戻し時間tは下式(2)で算出される。
【0026】
t=(H・sinθ)/(F・th+V)・・・・・・・・(2)
一例を以下に示す。
【0027】
紙葉類高さ:H=100mm
紙葉類倒れ角度θ=15°
紙葉類の取出し速度F=10枚/s
紙葉類の厚さth=3mm
サブフロアベルト戻し速度V=30mm
とすると、
サブロアベルト戻し時間t=(100・sin15°)/(10×3mm+30mm)
=0.83s
すなわち、紙葉類の高さH(HH、HL)、センサPF01での取出し速度Fによってサブフロアベルトの戻し時間tを変更することにより、紙葉類が倒れることなしに取出すことができる。従って、紙葉類の高さで切り替え可能なのである。
【0028】
実施例では、紙葉類高さHを検知するセンサは1個であるが、複数個配置して紙葉類の高さの分類を増やし制御モードを増やすことも可能である。
【0029】
図5は、取出部100に載置された紙葉類の粗密量を説明するグラフである。この粗密量は粗密検知センサPF11によって検知される。粗密検知センサPF11は反射センサで構成されており、紙葉類が当該粗密検知センサPF11の検知範囲にあるとその反射光が検出される。この反射光量を積分した値を図示したものである。
【0030】
通常の取出状態(サブフロア通常状態・順回転/停止)で、粗密検知センサPF11の出力信号が積分される。そのの積分値(以下、粗密量と称する。)が、閾値3未満であれば、そのまま通常の取出し状態を継続する。粗密量の閾値が3を超えた場合(過剰供給状態)、サブフロアベルト12を逆転させる。高さ検知センサ14による高さチェックで紙葉類高さHが低い紙葉類と判定されている場合は、閾値2で逆転を中止する(逆転量が少ない)。また、高さ検知センサ14による高さチェックで紙葉類高さHが高い紙葉類は、粗密量閾値が1になるまで逆転させる(逆転量は多い)。図4で説明したサブフロアベル12による戻し量相当分戻し、粗密検知センサPF11による粗密量をチェックする。もしくは、サブフロアベル12を戻しながら粗密検知センサPF11による粗密量を常時監視するなどの制御方法がある。
【0031】
図6は、本発明の実施例1に係るサブフロア駆動制御処理のフローチャートの一例である。サブフロア駆動制御とは、サブフロアベルト12(12a、12bの総称)の制御のことで、以下、簡単のためサブフロア制御と称する。
【0032】
サブフロアの駆動を開始すると(S01)、通常取出状態になり、上述した粗密検知センサPF11の出力信号が積分される。その積分値(粗密量)が閾値3(第3の閾値)以上か確認する。この確認の結果、閾値が閾値3に満たない場合(S03のNo)、フラグ1(Flg1)がセットされているか確認する(S04)。
【0033】
この確認の結果、フラグ1がセットされていない場合は(S04のNo)、ステップS2に戻って通常の取出し状態を継続する(S02)。すなわち、上述したように粗密量が閾値3未満であれば、過剰供給状態ではないので、そのまま通常の取出し状態を継続するのである。この際、後述するフラグ1がセットされていればフラグ1をクリアし(S05)、フラグ1がセットされていなければそのまま(S04のNo)、サブフロアベルト12の通常処理を行う(S02)。
【0034】
ステップS03で粗密量が閾値3以上(過剰供給状態)が確認された場合(S03のYes)、フラグ1がセットされていれば(S06のNo)、ステップS02に戻って、この過剰供給状態が継続していることが確認されるまでの間、通常の取出し状態を継続する。
【0035】
一方、粗密量が閾値3以上(過剰供給状態)でフラグ1がセットされていなければ(S06のYes)、サブフロアベルト12を逆転駆動する(S07)。
【0036】
次に、高さ検知14で紙葉類の高さ(背の高さ)を検知した結果、高さの低い紙葉類の連続供給中で(S08のYes)、粗密量が閾値2(第2の閾値)未満であれば(S20のYes)、そのまま通常の取出し状態を継続する。
【0037】
一方、高さの低い紙葉類の連続供給中で(S08のYes)、粗密量が閾値2以上の場合は(S10のNo)、その状態で一定時間以上運転中であれば(S11のYes)、フラグ1をセットする(S12)。すなわち、高さの低い紙葉類の連続取出し中であり、その粗密量が閾値3以上になったので、所定の時間サブフロアベルト12を逆転駆動したにも関わらず、粗密量が閾値2未満にならず(S10のNo)、その状態が所定の時間継続した場合は(S11のYes)、フラグ(flg)1をセットし(S12)、通常状態の取出しに戻す(S02)。
【0038】
すなわち、このフラグ1は、粗密量が閾値3以上(過剰供給状態)であるため、サブフロアベルト12を逆転駆動したにも関わらず粗密量が閾値2未満に改善しない状態が一定時間継続している場合には、異常状態が発生している場合もあることからフラグ1をセットし(S12)、取出しを継続するのである。
【0039】
なお、上記逆転駆動中であっても、高さ検知14で紙葉類の高さを検知した結果、高さの低い紙葉類の連続供給中でなく(S08のNo)、かつ、粗密量が閾値1未満であれば(S09のYes)、粗密量が閾値1未満の疎の状態に改善したため、サブフロアベルト12の逆転を中止し、サブフロアベルト12を通常取出しに戻す。
【0040】
この状態では、状況が改善されたため、ステップS03において閾値が3以上ないことが確認されたとき(S03のNo)、フラグ1がセットされていれば、当該フラグ1はクリアされる(S05)。
【0041】
一方、粗密量が閾値2未満にならず(S10のNo)、その状態が所定時間に満たない場合は(S11のNo)、サブフロアベルト12の逆転状態を継続する(S11のNo)。
【0042】
また、ステップS08で高さの低い紙葉類の連続供給中ではなく(S08のNo)、かつ、粗密量が1未満でなければ(S09のNo)、サブフロアベルト12の逆転状態を継続する。
【0043】
一方、ステップS09において、粗密量が1未満の場合(S09のYes),高さの低い紙葉類による過剰供給状態を形成していないので、通常の取出しを継続ずる(S02)。
【0044】
以上説明したように、本実施例によれば、取出部に供給された紙葉類の粗密量及び当該紙葉類の高さ情報に応じてサブフロアベルトの逆転量を制御することにより、高さの低い紙葉類の取出し不良により処理効率が低下する課題を改善することができる。
【符号の説明】
【0045】
100 紙葉類取出装置
10 供給部
P 紙葉類
11(11a、11b) メインフロアベルト
12(12a、12b9 サブフロアベルト
PF01 センサ
PF11 粗密検知センサ
14 高さ検知センサ
20 取出部
22 取出ベルト
30 搬送部
31 取込ローラ
32 分離ローラ
33 搬送ローラ
34 搬送ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向と交差する方向に立位状態で載置された当該紙葉類を取出部まで搬送するメインフロアベルトと、このメインフロアベルトで搬送された紙葉類の最先端の紙葉類から順番に1枚ずつ取出す取出手段と、この取出手段によって取出された紙葉類を搬送する搬送手段と、を備えた紙葉類取出装置であって、
前記メインフロアベルトの搬送面と同一平面上であって、かつ、当該メインフロアベルトの搬送方向先端の対向する位置に配置され、当該メインフロアベルトによる搬送方向と逆方向に搬送する戻し搬送可能なサブフロアベルトと、
前記取出手段によって取出される紙葉類の取出し直前の紙葉類の載置状態の粗密を検知する粗密検知手段と、
前記取出手段によって取出される紙葉類の取出し直前の紙葉類の載置状態の高さを検知する高さ検知手段と、
前記粗密検知手段による検知結果及び前記高さ検知手段による紙葉類の高さにより、前記サブフロアベルトによる戻し搬送時間を設定するサブフロア制御手段と、
を備えたことにより紙葉類の取出し不良を改善することを特徴とする紙葉類取出装置。
【請求項2】
前記粗密検知手段は、
立位状態で載置された紙葉類の端部を検知する反射センサーと、
この反射センサーから出力された反射センサー出力を積分して粗密量を算出する粗密量算出手段と、を備え、
前記サブフロア制御手段は、
前記粗密量算出手段で算出された粗密量を比較する閾値を、その値が小さい値から順に大きい値になるように第1の閾値、第2の閾値及び第3の閾値を設定する閾値設定手段と、
前記粗密検知手段で算出された粗密量が第3の閾値以上ある過剰供給状態であり、サブフロアベルトを逆転して戻し状態にしたとき、前記高さ検知手段によって検知された紙葉類の高さが所定の高さ未満の紙葉類が連続供給中であり、かつ、当該紙葉類の粗密量が第2の閾値未満であれば、当該サブフロアベルトの逆転を中止し、サブフロアベルトを通常使用にすることを特徴とする請求項1記載の紙葉類取出装置。
【請求項3】
前記サブフロア制御手段はまた、
前記粗密検知手段で算出された粗密量が第3の閾値以上ある過剰供給状態であり、サブフロアベルトを逆転して戻し状態にしたとき、所定の高さ未満の紙葉類が連続供給中であって、かつ、当該紙葉類の粗密量が第2の閾値以上の状態が所定時間継続しているときには、サブフロアベルトの逆転を中止し、異常状態を示すフラグをセットすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の紙葉類取出装置。
【請求項4】
前記サブフロア制御手段はさらに、
前記粗密検知手段で算出された粗密量が第3の閾値以上ある過剰供給状態であり、サブフロアベルトを逆転して戻し状態にしたとき、紙葉類の高さが所定の高さ以上で、かつ、当該紙葉類の粗密量が第1の閾値未満であればサブフロアベルトの逆転を中止し、サブフロアベルトを通常使用にすることを特徴とする請求項1記載の紙葉類取出装置。
【請求項5】
前記サブフロア制御手段はさらにまた、
前記粗密検知手段で算出された粗密量が第3の閾値以上ある過剰供給状態であり、サブフロアベルトを逆転して戻し状態にしたとき、紙葉類の高さが所定の高さ以上で、かつ、当該紙葉類の粗密量が第1の閾値以上の場合、又は所定の高さ未満の紙葉類が連続供給中であって、かつ、当該紙葉類の粗密量が第2の閾値以上の状態が所定の時間に達していない場合は、サブフロアベルトの逆転状態を継続することを特徴とする請求項1記載の紙葉類取出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−188274(P2012−188274A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54760(P2011−54760)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】