説明

紙葉類取扱装置

【課題】装置を大型化することなく、また製造コストを上昇させることなく、大きさの異なる紙葉類を円滑にひとつの収納部に集積させる。
【解決手段】放出ローラ(2a、2b)に対向する収納部3の側壁を形成する集積エリアガイド4に放出ローラ(2a、2b)側に付勢されるとともに回動可能に軸支され、放出ローラ(2a、2b)側に回動したとき、放出ローラ(2a、2b)の外周面までの距離が収納部3に集積させる最も短い紙葉類Pの長さより長く、放出ローラ(2a、2b)の反対側に回動したとき、放出ローラ(2a、2b)の外周面までの距離が収納部3に集積させる最も長い紙葉類の長さより長くなるビルストッパ6を設け、放出ローラ(2a、2b)により放出される紙葉類Pの先端を、ビルストッパ6が受け止めるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大きさの異なる紙葉類、例えば紙幣、金券、切符、宝くじ等を取扱う紙葉類取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の紙葉類取扱装置の構成を図6の従来の紙葉類集積部を示す要部構成図に基づいて説明する。
図6において、41a、41bは放出ローラであり、図示しない動力伝達機構により回転可能に構成されたものである。この放出ローラ41aおよび放出ローラ41bは、その外周面が互いに当接されるように配置され、紙葉類Pを挟持して搬送するものである。
【0003】
42は舌片(羽根車)であり、弾性を有する天然樹脂や合成樹脂等の弾性部材で放射状に複数設けられたものである。この舌片42は図示しない動力伝達機構により回転可能に構成され、その回転軸は放出ローラ41bの回転軸と略同軸の位置になるように構成されている。
44は集積エリアガイドであり、紙葉類を収納する収納部43の壁面を形成するものである。
【0004】
45はステージであり、収納部43の底面を形成するものである。このステージ45は図示しない昇降機構により、昇降自在に構成され、放出ローラ41aおよび放出ローラ41bにより搬送された紙葉類Pを集積するものである。
46はビルストッパであり、ステージ45を挟んで放出ローラ41a、41bに対向して配置されたものである。このビルストッパ46は図示しないスプリング等が取り付けられ放出ローラ41a、41b側に付勢され、放出ローラ41a、41bにより搬送された紙葉類Pの先端が衝突するとその紙葉類Pが持つ運動エネルギーを吸収できるようになっている。
【0005】
このように構成された紙葉類取扱装置は、放出ローラ41aが図中反時計方向、放出ローラ41bが図中時計方向に回転することにより挟持された紙葉類Pを収納部43へ放出し、放出された紙葉類Pの先端をビルストッパ46に衝突させるとともにその後端を図中時計方向に回転する舌片42により叩き落としその紙葉類Pをステージ45上に集積するようにしている。
【0006】
しかし、このような紙葉類取扱装置は、大きさが異なる紙葉類Pを収納部43に放出して集積させる場合、図7に示すように放出ローラ41a、41bからビルストッパ46の方向の長さが短い紙葉類P1が放出されるとその紙葉類P1の先端がビルストッパ46に衝突したとき後端が舌片42の回転軌跡から外れてしまうため、ステージ上に叩き落すことができず、後続の紙葉類P2が放出されるとその紙葉類P2が紙葉類P1に衝突してしまい集積不良を発生させてしまうという問題があった。
【0007】
このような問題に鑑み、紙葉類の外形寸法に応じて集積ガイドする集積ガイド部材の位置を変化させて紙葉類の集積位置を揃えるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−257805号公報(段落「0028」〜段落「0032」、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の技術においては、放出される紙葉類の大きさを判別し、集積ガイド部材をその紙葉類の大きさに合わせて逐次動作させる動力伝達機構が必要であるため、装置が大型化し、また製造コストが上昇してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのため、本発明は、放出ローラにより放出された紙葉類を収納部の底面を形成するステージの上に集積する紙葉類取扱装置において、放出ローラと対向する収納部の側壁を形成する集積エリアガイドに該放出ローラ側に付勢され、該放出ローラ側に回動したとき、該放出ローラの外周面までの距離が収納部に集積させる最も短い紙葉類の長さより長く、該放出ローラの反対側に回動したとき、該放出ローラの外周面までの距離が収納部に集積させる最も長い紙葉類の長さより長くなるように回動可能に軸支されたビルストッパを設け、前記放出ローラにより放出される紙葉類の先端を、前記ビルストッパが受け止めるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このようにした本発明は、装置を大型化することなく、また製造コストを上昇させることなく、大きさの異なる紙葉類をひとつの収納部に集積することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明による紙葉類取扱装置の実施例を説明する。
【実施例】
【0012】
図1は実施例における紙葉類集積部を示す要部構成図(側面図)、図2は実施例における紙葉類集積部を示す要部構成図(A−A矢視図)である。
図1および図2において、1は紙葉類集積部であり、紙幣、金券、切符、宝くじ等の紙葉類を水平に集積するものである。なお、本実施例では、長方形の紙幣等を紙葉類Pとして説明する。
【0013】
2a、2bは放出ローラであり、図示しない動力伝達機構により回転可能に構成されたものである。この放出ローラ2aおよび放出ローラ2bは、その外周面が互いに当接するように上下方向(放出ローラ2aが上方、放出ローラ2bが下方)に配置され、紙葉類Pを挟持して搬送するものである。なお、本実施例では、紙葉類Pの短手方向に搬送するものとする。
【0014】
2cは舌片(羽根車)であり、弾性を有する天然樹脂や合成樹脂等の弾性部材で放射状に複数設けられたものである。この舌片2cは、図示しない動力伝達機構により回転可能に構成され、またその回転軸は放出ローラ2bの回転軸と略同軸の位置になるように構成されており、放出ローラ2bの側方に複数配置されている。
なお、舌片2cの回転軸は放出ローラ2bの回転軸としてもよい。
【0015】
3は収納部であり、放出ローラ2aおよび放出ローラ2bの下流に形成され、放出ローラ2aが図中反時計方向に、放出ローラ2bが図中時計方向に回転することにより搬送され、放出された紙葉類Pを集積して収納する空間である。
4は集積エリアガイドであり、収納部3の側壁を形成する部材である。放出ローラ2b側の側面を形成する集積エリアガイド4は、放出ローラ2bの外周面に沿って湾曲し、放出ローラ2bの下方に入り込むように形成されている。一方、後述するビルストッパが配置された側面を形成する集積エリアガイド4は、放出ローラ2aおよび放出ローラ2bから離れる方向に、すなわち紙葉類Pが搬送される下流方向に、下方から上方に向け拡がるように形成されている。
【0016】
5はステージであり、放出ローラ2aおよび放出ローラ2bにより搬送された紙葉類Pを集積する収納部3の底面を形成するものである。このステージ5は、図示しない昇降機構により昇降自在に構成され、集積された紙葉類Pの枚数に応じてその位置を変化させて放出ローラ2aおよび放出ローラ2bにより搬送された紙葉類Pを集積する空間を確保し、少なくとも最上位の紙葉類Pの放出ローラ(2a、2b)側の端部が舌片2cの回転軌跡内に入り込むように移動するものである。
【0017】
6はビルストッパであり、ステージ5を挟んで放出ローラ(2a、2b)に対向して集積エリアガイド4の上方に配置されたものである。このビルストッパ6は、下方の一端が集積エリアガイド4に回動可能に軸支され、また、上方の自由端が図示しないスプリング等の弾性部材で放出ローラ(2a、2b)側に付勢され、放出ローラ(2a、2b)により搬送された紙葉類Pの先端が衝突するとその紙葉類Pが持つ運動エネルギーを吸収して停止させることができるようになっている。
【0018】
ここで、放出ローラ2bのビルストッパ6側の外周面から放出ローラ(2a、2b)側に付勢されて傾斜したビルストッパ6までの距離L1は収納部3に集積させる最も短い紙葉類Pの短手方向の長さよりも僅かに長いものとし、放出ローラ2bのビルストッパ6側の外周面から紙葉類Pの先端が衝突して放出ローラ(2a、2b)と反対側に傾斜したビルストッパ6までの距離L2は収納部3に集積させる最も大きな紙葉類Pの短手方向の長さよりも僅かに長いものとなるようにしている。
【0019】
また、集積エリアガイド4の放出ローラ2bの下方に入り込む距離、すなわち放出ローラ2bの外周面に沿って湾曲し、放出ローラ2bの下方に入り込むように形成されている集積エリアガイド4と放出ローラ2bのビルストッパ6側の外周面との距離はL2−L1となるように形成されている。
さらに、図2に示すように収納部3の放出ローラ2bの近傍の集積エリアガイド4の両端部は、紙葉類Pの搬送路の中心線7(収納部の中心)を挟んで対称に配置された放出ローラ2bおよび舌片2cの外側に行くにつれ、放出ローラ2bの回転軸と集積エリアガイド4のビルストッパ6側への突出部先端との距離Mが小さくなるように集積エリアガイド端部4aおよび集積エリアガイド端部4bが形成されている。すなわち搬送路の中心線7から離れるにしたがって、収納部3の空間が広くなるように形成している。
【0020】
なお、放出ローラ(2a、2b)、舌片2c、ビルストッパ6、集積エリアガイド端部(4a、4b)は紙葉類Pの搬送路の中心線7を挟んで対称に配置されているものとする。
このように形成された紙葉類集積部1は、図3に示すように紙葉類Pが斜行して収納部3へ放出されても収納部3に突出する距離を少なくした集積エリアガイド端部(4a、4b)が形成されていることにより、集積エリアガイド4に当接することなくスムーズにステージ5上に集積される。
【0021】

上述した構成の作用について説明する。
図4は実施例における短い紙葉類の集積動作を示す説明図であり、図5は実施例における長い紙葉類の集積動作を示す説明図である。
まず、短い紙葉類Pを集積する動作を図4に基づいて説明する。
【0022】
図4(a)において、放出ローラ2aが図中反時計方向、放出ローラ2bが図中時計方向に回転し、その放出ローラ2aおよび放出ローラ2bに挟持されて搬送された紙葉類Pが収納部3へ放出されるとその紙葉類Pの後端は舌片2cにより押し出されるとともにその先端はビルストッパ6に衝突(当接)する。紙葉類Pの先端が衝突したビルストッパ6は押し出されるとともに紙葉類Pが有する運動エネルギーを吸収して放出された紙葉類Pは停止する。このようにして、ビルストッパ6は放出された紙葉類Pを受け止める。
【0023】
なお、紙葉類Pが放出ローラ(2a、2b)から放出された直後は、その紙葉類Pの後端は回転する舌片2cにより押し出されるため、ビルストッパ6が押し出される長さは紙葉類Pの短手方向の長さにより変化する。
先端がビルストッパ6に衝突するとその紙葉類Pの後端部は図中時計方向に回転する舌片2cにより図中矢印Cが示す方向に叩き落とされる。
【0024】
ここで、放出ローラ2bのビルストッパ6側の外周面から放出ローラ2b側に付勢されて傾斜したビルストッパ6までの距離L1を収納部3に集積させる最も短い紙葉類Pの短手方向の長さよりも僅かに長いものとしたため、紙葉類Pの先端がビルストッパ6に衝突したとき、紙葉類Pの後端は舌片2cの回転軌跡から外れることがなく、確実に紙葉類Pの後端を舌片2cで叩き落すことができる。
【0025】
また、このとき搬送路の中心線7から離れるにつれて放出ローラ2bの回転軸と集積エリアガイド4のビルストッパ6側への突出部先端との距離Mが小さくなるように集積エリアガイド端部(4a、4b)が形成されているため、斜行して放出された紙葉類Pであっても、その後端が集積エリアガイド4に当接することなく、スムーズにステージ5上に集積される。
【0026】
紙葉類Pの後端部を叩き落すと図4(b)に示すように叩き落された紙葉類Pは回転する舌片2cにより図中矢印Dで示す方向に引き寄せられる。
ここで、ステージ5は、集積された最上位の紙葉類Pの放出ローラ2b側の端部が舌片2cの回転軌跡内に入り込むように図示しない昇降機構により予め移動させておく。
また、舌片2cの直径は、紙葉類Pの先端がビルストッパ6に衝突してからその後端がステージ5上に移動するまでの間、紙葉類Pの後端部が舌片2cの回転軌跡から外れない長さにしている。このようにすることにより、紙葉類Pの後端部は放出ローラ(2a、2b)により放出されてから常に舌片2cから力を受け、確実に放出ローラ(2a、2b)側の集積エリアガイド4に引き寄せられる。
【0027】
叩き落された紙葉類Pが放出ローラ2b側に引き寄せられると図4(c)に示すようにビルストッパ6に当接した紙葉類Pの端部はビルストッパ6から離れ、ステージ5上(紙葉類Pが集積されている場合はその紙葉類Pの上)に落下して集積される。

次に、長い紙葉類Pを集積する動作を図5に基づいて説明する。
【0028】
図5(a)において、放出ローラ2aが図中反時計方向、放出ローラ2bが図中時計方向に回転し、その放出ローラ2aおよび放出ローラ2bに挟持されて搬送された紙葉類Pが収納部3へ放出されるとその紙葉類Pの後端は舌片2cにより押し出されるとともにその先端はビルストッパ6に衝突する。紙葉類Pの先端が衝突したビルストッパ6は押し出されるとともに紙葉類Pが有する運動エネルギーを吸収して放出された紙葉類Pは停止する。このようにして、ビルストッパ6は放出された紙葉類Pを受け止める。
【0029】
なお、紙葉類Pが放出ローラ(2a、2b)から放出された直後は、その紙葉類Pの後端は回転する舌片2cにより押し出されるため、ビルストッパ6が押し出される長さは紙葉類Pの短手方向の長さにより変化する。
先端がビルストッパ6に衝突するとその紙葉類Pの後端部は図中時計方向に回転する舌片2cにより図中矢印Eが示す方向に叩き落とされる。
【0030】
ここで、放出ローラ2bのビルストッパ6側の外周面から紙葉類Pの先端が衝突して放出ローラ2bと反対側に傾斜したビルストッパ6までの距離L2を収納部3に集積させる最も大きな紙葉類Pの長さよりも僅かに長いものとしたため、紙葉類Pの後端が舌片2cにより押し出され、その先端がビルストッパ6に衝突しても紙葉類Pは屈曲することがなく、また、舌片2cにより叩き落とすとき紙葉類Pの後端が放出ローラ(2a、2b)側の集積エリアガイド4に当接することもなく、後続する紙葉類Pと衝突することがない。
【0031】
さらに、ビルストッパ6が配置された側面を形成する集積エリアガイド4は、放出ローラ2aおよび放出ローラ2bから離れる方向に拡がるように形成されているため、長い紙葉類Pが放出された場合であっても、その先端はビルストッパ6だけに衝突し、紙葉類Pは屈曲することがない。
このようにビルストッパ6に衝突した停止した紙葉類Pの後端部は放出ローラ2bとともに図中時計方向に回転する舌片2cの回転軌跡から外れることがなく、確実に舌片2cで叩き落すことができる。
【0032】
また、このとき搬送路の中心線7から離れるにつれて放出ローラ2bの回転軸と集積エリアガイド4のビルストッパ6側への突出部先端との距離Mが小さくなるように集積エリアガイド端部(4a、4b)が形成されているため、斜行して放出された紙葉類Pであっても、その後端が集積エリアガイド4に当接することなく、スムーズにステージ5上に集積されるのは短い紙葉類Pの場合と同様である。
【0033】
紙葉類Pの後端部を叩き落すと図5(b)に示すように叩き落された紙葉類Pは回転する舌片2cにより図中矢印Fで示す方向に引き寄せられる。
このとき、集積エリアガイド4の放出ローラ2bの下方に入り込む距離、すなわち放出ローラ2bの外周面に沿って湾曲し、放出ローラ2bの下方に入り込むように形成されている集積エリアガイド4と放出ローラ2bのビルストッパ6側の外周面との距離をL2−L1となるようにしたため、放出ローラ2b側の集積エリアガイド4と放出ローラ2b側に付勢されたビルストッパ6との距離は収納部3に集積させる最も長い紙葉類Pの短手方向の長さよりも長くなり、紙葉類Pがビルストッパ6に当接したままにならず、紙葉類Pをステージ5上に広げて集積することができる。
【0034】
叩き落された紙葉類Pが放出ローラ2b側に引き寄せられると図5(c)に示すようにビルストッパ6に当接した紙葉類Pの端部はビルストッパ6から離れ、ステージ5上(紙葉類Pが集積されている場合はその紙葉類Pの上)に落下して集積される。
以上説明したように、本実施例では、装置を大型化することなく、また製造コストを上昇させることなく、大きさの異なる紙葉類を収納部に集積することができるという効果が得られる。
【0035】
また、放出ローラ2bのビルストッパ6側の外周面から放出ローラ2b側に付勢されて傾斜したビルストッパ6までの距離L1を収納部3に集積させる最も短い紙葉類Pの短手方向の長さよりも僅かに長いものとしたため、紙葉類Pの先端がビルストッパ6に衝突したとき、紙葉類Pの後端は舌片2cの回転軌跡から外れることがなく、確実に紙葉類Pの後端を舌片2cで叩き落すことができるという効果が得られる。
【0036】
さらに、放出ローラ2bのビルストッパ6側の外周面から紙葉類Pの先端が衝突して放出ローラ2bと反対側に傾斜したビルストッパ6までの距離L2を収納部3に集積させる最も大きな紙葉類Pの長さよりも僅かに長いものとしたため、紙葉類Pの後端が舌片2cにより押し出され、その先端がビルストッパ6に衝突しても紙葉類Pは屈曲することがなく、また、舌片2cにより叩き落とすとき紙葉類Pの後端が放出ローラ(2a、2b)側の集積エリアガイド4に当接することもなく、後続する紙葉類Pと衝突することがないという効果が得られる。
【0037】
また、ビルストッパ6が配置された側面を形成する集積エリアガイド4は、放出ローラ2aおよび放出ローラ2bから離れる方向に拡がるように形成されているため、長い紙葉類Pが放出された場合であっても、その先端はビルストッパ6だけに衝突し、紙葉類Pは屈曲することがないという効果が得られる。
またさらに、搬送路の中心線7から離れるにつれて放出ローラ2bの回転軸と集積エリアガイド4のビルストッパ6側への突出部先端との距離Mが小さくなるように集積エリアガイド端部(4a、4b)が形成されているため、斜行して放出された紙葉類Pであっても、その後端が集積エリアガイド4に当接することなく、スムーズにステージ5上に集積することができるという効果が得られる。
【0038】
また、舌片2cの直径を、紙葉類Pの先端がビルストッパ6に衝突してからその後端がステージ5上に移動するまでの間、紙葉類Pの後端部が舌片2cの回転軌跡から外れない長さにすることにより、紙葉類Pの後端部は放出ローラ(2a、2b)により放出されてから常に舌片2cから力を受け、確実に放出ローラ(2a、2b)側の集積エリアガイド4に引き寄せることができるという効果が得られる。
【0039】
またさらに、集積エリアガイド4の放出ローラ2bの下方に入り込む距離をL2−L1となるようにしたため、放出ローラ2b側の集積エリアガイド4と放出ローラ2b側に付勢されたビルストッパ6との距離は収納部3に集積させる最も長い紙葉類Pの短手方向の長さよりも長くなり、紙葉類Pがビルストッパ6に当接したままにならず、紙葉類Pをステージ5上に広げて集積することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施例における紙葉類集積部を示す要部構成図(側面図)
【図2】実施例における紙葉類集積部を示す要部構成図(A−A矢視図)
【図3】実施例における紙葉類斜行状態を示す説明図
【図4】実施例における短い紙葉類の集積動作を示す説明図
【図5】実施例における長い紙葉類の集積動作を示す説明図
【図6】従来の紙葉類集積部を示す要部構成図
【図7】従来の紙葉類の集積動作を示す説明図
【符号の説明】
【0041】
1 紙葉類取扱装置
2a、2b、41a、41b 放出ローラ
2c、42 舌片(羽根車)
3、43 収納部
4、44 集積エリアガイド
5、45 ステージ
6、46 ビルストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放出ローラにより放出された紙葉類を収納部の底面を形成するステージの上に集積する紙葉類取扱装置において、
放出ローラと対向する収納部の側壁を形成する集積エリアガイドに該放出ローラ側に付勢され、該放出ローラ側に回動したとき、該放出ローラの外周面までの距離が収納部に集積させる最も短い紙葉類の長さより長く、該放出ローラの反対側に回動したとき、該放出ローラの外周面までの距離が収納部に集積させる最も長い紙葉類の長さより長くなるように回動可能に軸支されたビルストッパを設け、
前記放出ローラにより放出される紙葉類の先端を、前記ビルストッパが受け止めるようにしたことを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項2】
請求項1の紙葉類取扱装置において、
放出ローラの近傍に放出ローラの回転軸と略同軸で回転する舌片を設け、
前記舌片が、前記放出ローラにより放出される紙葉類の後端を押し出して前記ビルストッパに当接させるとともに叩き落し、該紙葉類をステージの上に集積するようにしたことを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項3】
請求項2の紙葉類取扱装置において、
前記ステージを昇降させるステージ昇降機構を設け、
前記ステージ昇降機構が、前記舌片の回転軌跡内に前記ステージの上に集積される紙葉類が入るように予めステージを移動させておくようにしたことを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項4】
請求項1、請求項2または請求項3の紙葉類取扱装置において、
前記放出ローラと対向する収納部の側壁を形成する集積エリアガイドが、前記放出ローラから離れる方向に拡がる形状に形成されたことを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3または請求項4の紙葉類取扱装置において、
前記収納部の放出ローラ側の側壁を形成する集積エリアガイドが、前記放出ローラの下方に入り込む形状に形成されたことを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項6】
請求項1から請求項4または請求項5の紙葉類取扱装置において、
前記収納部の放出ローラの近傍の側壁を形成する集積エリアガイドの両端部が、該収納部の中心から離れるにしたがって該収納部の空間が広くなるように形成されたことを特徴とする紙葉類取扱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−63089(P2008−63089A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243156(P2006−243156)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】