説明

紙葉類繰込繰出装置

【課題】搬送通路に繰り出された紙葉類をより確実に搬送する。
【解決手段】搬送通路56から一時保留部25への紙葉類の繰り込み、および一時保留部から搬送通路への紙葉類の繰り出しを共通の繰込繰出手段551,552で行う紙葉類繰込繰出装置において、軸部材553aの周面に羽根553bを有し該羽根が軸部材の軸心を中心に移動する態様で軸部材を回転可能に設けた羽根車553を備え、搬送通路から繰込繰出手段を通過した紙葉類の後端部に対し軸部材を回転させた際の羽根が当接する繰込位置、および一時保留部から繰込繰出手段を通過した紙葉類の少なくとも先端部に対し軸部材を回転させた際の羽根が当接する繰出位置に軸部材を移動させ、紙葉類を繰り込む場合に軸部材を繰込位置に配置するとともに軸部材を紙葉類の繰込方向に回転させる一方、紙葉類を繰り出す場合に軸部材を繰出位置に配置するとともに軸部材を紙葉類の繰出方向に回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送通路から集積部への紙葉類の繰り込み、および集積部から搬送通路への紙葉類の繰り出しを共通の繰込繰出手段によって行う紙葉類繰込繰出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙葉類繰込繰出装置としては、例えば特許文献1に示されるものがある。この紙葉類繰込繰出装置は、集積部に設けた搬送通路の入出口に、繰込繰出手段と共に羽根車が配設されている。羽根車は、その周面に複数の羽根を備えたもので、羽根を集積部内の紙葉類の通過域に進入するように設けられている。この羽根車は、搬送通路から集積部に紙葉類を繰り込む場合に回転し、繰込繰出手段を通過した紙葉類の繰込方向の後端部に羽根を当接させることで紙葉類を集積部の内部に掻き落とすように作用する。また、羽根車は、集積部から搬送通路に紙葉類を繰り出す場合、紙葉類の通過域から羽根を退避させるように構成されている。
【0003】
【特許文献1】特開平6−109490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1のものにあっては、集積部から搬送通路に紙葉類を繰り出す場合、繰出繰込手段を通過した紙葉類は、搬送通路中に設けた搬送ローラに至る。搬送通路は、折り癖や皺などが生じた紙葉類の通過を考慮して紙葉類の厚みに対して十分な余裕を設けることが好ましい。しかしながら、搬送通路に余裕を設けると、繰込繰出手段を通過して搬送通路に繰り出された紙葉類は、搬送通路の余裕によって搬送通路内での通過位置が不安定となり易く、繰出方向の先端が搬送ローラの外周部に衝突して傷付きや搬送不良を生じる虞がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、繰込繰出手段を通過して集積部から搬送通路に繰り出された紙葉類をより確実に搬送することのできる紙葉類繰出繰込装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係る紙葉類繰込繰出装置は、搬送通路から集積部への紙葉類の繰り込み、および集積部から搬送通路への紙葉類の繰り出しを共通の繰込繰出手段によって行う紙葉類繰込繰出装置において、軸部材の周面に羽根を有し該羽根が軸部材の軸心を中心に移動する態様で前記軸部材を回転可能に設けた羽根車と、前記搬送通路から前記繰込繰出手段を通過した紙葉類の後端部に対し、前記軸部材を回転させた際の羽根が当接する繰込位置、および前記集積部から前記繰込繰出手段を通過した紙葉類の少なくとも先端部に対し、前記軸部材を回転させた際の羽根が当接する繰出位置に軸部材を移動させる羽根車移動手段と、前記羽根車の軸部材を軸心を中心に回転させる羽根車駆動手段と、前記羽根車移動手段および前記羽根車駆動手段を制御し、紙葉類を繰り込む場合に軸部材を繰込位置に配置するとともに該軸部材を紙葉類の繰込方向に回転させる一方、紙葉類を繰り出す場合に軸部材を繰出位置に配置するとともに該軸部材を紙葉類の繰出方向に回転させる制御部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る紙葉類繰込繰出装置は、上記請求項1において、前記繰込繰出手段は、紙葉類を繰り込む場合に繰込方向に回転する一方で紙葉類を繰り出す場合に繰出方向に回転するフィードローラと、前記フィードローラと協働して紙葉類の繰り込みおよび繰り出しを行うゲートローラを有し、前記搬送通路には、前記フィードローラの外周部に沿って延在した湾曲部が形成され、前記繰出位置において、前記フィードローラの外周部に紙葉類を押し付ける態様で羽根を紙葉類に当接させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3に係る紙葉類繰込繰出装置は、上記請求項1において、前記繰込繰出手段は、紙葉類を繰り込む場合に繰込方向に回転する一方で紙葉類を繰り出す場合に繰出方向に回転するフィードローラと、前記フィードローラと協働して紙葉類の繰り込みおよび繰り出しを行うゲートローラを有し、前記搬送通路には、前記フィードローラの外周部に沿って延在した湾曲部が形成され、前記湾曲部には、繰出位置に配置した羽根車および前記ゲートローラの繰出方向の下流側にて前記フィードローラとの間で紙葉類を搬送する搬送ローラが配設され、前記繰出位置において、前記フィードローラの外周部に紙葉類を押し付けつつ紙葉類の先端を前記搬送ローラとフィードローラとの間に案内する態様で羽根を紙葉類に当接させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4に係る紙葉類繰込繰出装置は、上記請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記搬送通路を通過する紙葉類を検出する紙葉類検出手段をさらに備え、前記制御部は、所定の通過時間を継続して紙葉類が検出された場合、前記軸部材を繰出位置に配置させて該軸部材を回転させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る紙葉類繰込繰出装置は、集積部に紙葉類を繰り込む場合に繰込位置に配置される羽根車を、搬送通路に紙葉類を繰り出す場合に繰出位置に配置し、繰込繰出手段を通過した紙葉類の少なくとも先端部に羽根を当接させることにより、搬送通路に繰り出された紙葉類の通過位置を案内できるので、紙葉類の厚みに対して十分な余裕を搬送通路に設けても紙葉類をより確実に搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明に係る紙葉類繰込繰出装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、紙葉類繰込繰出装置を紙幣処理装置に適用した例を挙げて説明する。図1は本発明に係る紙葉類繰込繰出装置が適用される紙幣処理装置を示す概略図である。紙幣処理装置1は、主として銀行、郵便局などの金融機関に設置され、紙葉類としての紙幣の入金処理および出金処理が可能であって、入金紙幣を出金紙幣に循環使用するものである。
【0012】
図1に示すように紙幣処理装置1は、上部ユニット2と下部ユニット3とで構成してある。上部ユニット2の筐体20の前側(F)には、取引口21が設けてある。取引口21は、筐体20の内外に通じて開口し、利用者との間で紙幣の受け渡しを行うためのものである。この取引口21はシャッタ(図示せず)によって開閉可能に構成してある。また、上部ユニット2の筐体20の内部には、搬送路22が設けてある。搬送路22は、取引口21に向けた一端から後側(R)に向かい、さらに後側にて上側に向かい、さらに上側から取引口21に向けた他端に戻るように、ループ状に延設した搬送域を画成し、当該搬送域の延設方向に沿って紙幣を搬送するものである。この搬送路22は、ループ状の湾曲した内側に、左右方向に開口する保守空間221を有している。また、搬送路22には、その一部に識別部23が構成してある。識別部23は、搬送路22の搬送域の一部を画成し、当該搬送域を通過する紙幣の識別を行うためのものである。また、搬送路22には、ループ状の外周側に紙幣を入出させるための入出口が複数形成してある。この入出口には、搬送路22の外周側に配設された繰込部24、一時保留部25、第一回収部26、第二回収部27および一時集積部28が接続してある。そして、ループ状に形成された搬送路22において、一端に繰込部24が配設され、次いで他端に向かって一時保留部25、第一回収部26、第二回収部27の順に配設され、他端に一時集積部28が配設されている。なお、識別部23は、繰込部24と一時保留部25との間の搬送路22の一部を構成している。繰込部24は、紙幣を搬送路22に対して一枚ずつ繰り込むためのものである。一時保留部25は、搬送路22に搬送される紙幣を必要に応じて繰り込んで保留する一方で、保留した紙幣を必要に応じて搬送路22に一枚ずつ繰り出すためのものである。第一回収部26および第二回収部27は、搬送路22に搬送される紙幣を必要に応じて繰り込んで回収するためのものである。一時集積部28は、取引口21から出金する紙幣を集積するためのものである。また、取引口21と繰込部24および一時集積部28との間には、取引口21を介して受け取った紙幣を繰込部24から搬送路22に繰り込むため、または一時集積部28に集積した紙幣を取引口21から出金するための入出機構29が設けてある。
【0013】
下部ユニット3の筐体30の内部には、紙幣を搬送するための搬送路31が設けてある。搬送路31は、上部ユニット2における搬送路22の繰込部24と識別部23との間の部位に接続された1つの端部から、筐体30の内部で下側に向けて枝分かれした複数の端部を有するように延設した搬送域を画成し、当該搬送域の延設方向に沿って紙幣を搬送するものである。搬送路31の枝分かれしたそれぞれの端部には、紙幣収納庫32や、紙幣保管庫33が接続してある。紙幣収納庫32は、出金用の出金紙幣や入金された入金紙幣を複数収納するためのものである。この紙幣収納庫32は、同じ金種の紙幣を収納するもので、金種に応じて筐体30の内部に複数(本実施の形態では3つ)設けてある。紙幣保管庫33は、出金紙幣として利用しない各種の紙幣(例えば汚損紙幣、偽紙幣、取り忘れ紙幣)を保管するように筐体30の内部に設けてある。
【0014】
このような紙幣処理装置1における入金時の紙幣の流れを図1を参照して説明する。入金時、利用者から取引口21を介して受け取った紙幣は、入出機構29および繰込部24によって搬送路22に繰り込まれる。搬送路22に繰り込まれた紙幣は、識別部23を通過する過程で金種や真偽が識別される。そして、識別部23で真紙幣と識別された紙幣は、搬送路22を経て一時保留部25に保留される。また、識別部23で金種や真偽が識別不能な紙幣は、搬送路22を経て一時集積部28に集積される。一時集積部28に集積された紙幣は、入出機構29を介して取引口21から利用者に返金される。なお、識別部23で偽紙幣と識別された紙幣については、搬送路22を経て第二回収部27に回収される。
【0015】
利用者から受け取って真紙幣と識別された紙幣は、全て一時保留部25に保留される。そして、一時保留部25に保留された紙幣の入金額が利用者によって承認された場合、一時保留部25に保留された紙幣は、搬送路22に一枚ずつ繰り出されて先とは逆に搬送されて識別部23を通過し、金種が再び識別される。そして、識別部23で金種が識別された紙幣は、下部ユニット3に搬送されて搬送路31を経て金種に応じた紙幣収納庫32に収納される。また、識別部23で金種が識別不能な紙幣は、下部ユニット3に搬送されて搬送路31を経て紙幣保管庫33に収納される。
【0016】
一方、利用者によって承認されず、利用者から受け取った紙幣の返金要求があった場合、一時保留部25に保留された紙幣は、一枚ずつ繰り出されて搬送路22を経て一時集積部28に集積される。そして、一時集積部28に集積された紙幣は、入出機構29を介して取引口21から利用者に返金される。
【0017】
次に、紙幣処理装置1における出金時の紙幣の流れを図1を参照して説明する。利用者によって所望金額の出金要求があった場合、下部ユニット3の紙幣収納庫32に収納されている紙幣は、要求金額に応じて一枚ずつ搬送路31に繰り出される。搬送路31に繰り出された紙幣は、上部ユニット2側に搬送されて搬送路22を経て識別部23を通過して金種が識別される。そして、識別部23で金種が識別された紙幣は、搬送路22を経て一時集積部28に集積される。また、識別部23で識別不能な紙幣は、搬送路22を経て一時保留部25に保留される。一時集積部28には、要求金額に至るまで紙幣が集積される。そして、一時集積部28に集積された要求金額分の紙幣は、入出機構29を介して取引口21から利用者に出金される。
【0018】
利用者への要求金額の紙幣の出金が完了すると、一時保留部25に保留された紙幣は、搬送路22に一枚ずつ繰り出されて先とは逆に搬送されて識別部23を通過し、金種が再び識別される。そして、識別部23で金種が識別された紙幣は、下部ユニット3に搬送されて搬送路31を経て金種に応じた紙幣収納庫32に収納される。また、識別部23で識別不能な紙幣は、下部ユニット3に搬送されて搬送路31を経て紙幣保管庫33に収納される。
【0019】
なお、上記出金時において出金紙幣を利用者が取引口21から取り忘れた場合、あるいは上記入金時において返金紙幣を利用者が取引口21から取り忘れた場合、当該紙幣は、入出機構29および繰込部24を介して搬送路22に繰り込まれ、識別部23で金種や真偽などを再び識別されて第一回収部26に回収される。
【0020】
このような紙幣処理装置1において、本発明に係る紙葉類繰込繰出装置は、集積部としての一時保留部25や紙幣収納庫32に適用されている。以下、一時保留部25を例に紙葉類繰込繰出装置の詳細について図を参照して説明する。図2は紙葉類繰込繰出装置を示す概略側断面図であり、図3は図2における紙葉類繰込繰出装置を一端側から視た図であり、図4は図2における紙葉類繰込繰出装置の動作図である。
【0021】
図2および図3に示すように一時保留部25は、揃え板51、係止板52、集積台53、および両側板54を有している。揃え板51および係止板52は、板体から成り、立設した状態で互いに対向して配設してある。揃え板51は、一時保留部25の一端側に設けてあり、係止板52に向けた平坦な揃え面511を有している。係止板52は、一時保留部25の他端側に設けてあり、揃え板51に向けた平坦な係止面521を有している。集積台53は、平坦な上面531を有して、揃え板51と係止板52との間に配設してある。側板54は、板体から成り、揃え板51、係止板52および集積台53の両側部において立設した状態で対向して配設してある。これら、揃え板51、係止板52、集積台53、および両側板54によって、紙幣を集積するための集積域50が画成されている。この集積域50には、揃え板51と係止板52との間を紙幣の短手方向とし、両側板54間を紙幣の長手方向として、集積台53の上面531に紙幣が集積される。なお、集積台53は、集積台駆動モータ532の駆動によって上下方向に移動可能に構成してある。集積台53が移動した位置は、集積台センサ(図示せず)によって検出される。また、集積台53の上面531、もしくは上面531に集積された紙幣の最上位置は、上面センサ(図示せず)によって検出される。
【0022】
また、一時保留部25には、繰込繰出部55が設けてある。繰込繰出部55は、一時保留部25の入出口251に設けた搬送通路56から集積域50内に紙幣を繰り込む一方、集積域50に集積された紙幣を搬送通路56に繰り出すためのものである。繰込繰出部55は、一時保留部25の上部に配設してあって、繰込繰出手段としてのフィードローラ551およびゲートローラ552と、羽根車553と、キッカーローラ554と、搬送ローラ555とを有している。
【0023】
フィードローラ551は、一時保留部25の入出口251であって、揃え板51の上方に配設してあり、両側板54に対して軸心を中心に回転可能に支持された回転軸5511に固定してある。このフィードローラ551は、側板54の間で回転軸5511の軸心方向に沿って複数設けてある。また、図3に示すように、フィードローラ551が固定された回転軸5511には、フィードローラギア5512が固定してある。
【0024】
フィードローラ551は、搬送通路56を画成している。搬送通路56は、紙幣を通過させるためのもので、揃え板51から上方に延在したガイド部材512とフィードローラ551の外周部との隙間によって形成されている。搬送通路56は、ガイド部材512がフィードローラ551の外周部の一部に沿って延在して形成された湾曲部561を有している。湾曲部561は、ガイド部材512とフィードローラ551の外周部との間で紙幣を通過させる隙間を成し、この隙間が一時保留部25の入出口251を介して集積域50に連通してある。また、搬送通路56において、後述するゲートローラ552と搬送ローラ555との間には、搬送通路56を通過する紙幣を検出するためのフォトインタラプタなどの紙葉類検出手段562が設けてある。
【0025】
ゲートローラ552は、一時保留部25の入出口251であって、フィードローラ551の下方に配設してある。ゲートローラ552は、フィードローラ551の回転軸5511に平行となるように設けられた回転軸5521に対して取り付けてある。このゲートローラ552は、その外周部を各フィードローラ551の外周部に対向してそれぞれ配設され、相互の間で紙幣を挟むように設けてある。また、図3に示すように、ゲートローラ552は、ワンウェイクラッチ5522を介して回転軸5521に取り付けてある。このワンウェイクラッチ5522は、図2および図4において、回転軸5521が軸心を中心に時計回りに回転した場合にゲートローラ552に回転を伝達する一方で、回転軸5521が軸心を中心に反時計回りに回転した場合には、ゲートローラ552に回転を伝達しないように設けてある。また、図3に示すように、ゲートローラ552が取り付けられた回転軸5521には、ゲートローラギア5523が固定してある。このゲートローラギア5523は、フィードローラギア5512に噛合している。また、図3において符号5524は、各ゲートローラ552の回転軸5521を軸心を中心に回転可能に支持する支持部材であり、この支持部材5524は、側板54に取り付けられた固定部材5525に固定してある。
【0026】
羽根車553は、フィードローラ551およびゲートローラ552と共に一時保留部25の入出口251に配設してあり、上記回転軸5511,5521に平行となるように設けられた回転軸5531に固定してある。羽根車553は、回転軸5531に固定された軸部材553aの周面に複数の羽根553bが設けてある。羽根553bは、回転軸5531の放射方向に同じ長さで延在し、かつ周方向に等間隔となるように設けてある。この羽根553bは、例えばウレタン樹脂で形成されて摩擦係数が比較的高く可撓性を有している。このような羽根車553は、フィードローラ551およびゲートローラ552に対して羽根553bが接触しないように側板54の間で複数設けてある。また、図3に示すように、羽根車553が固定された回転軸5531には、羽根車ギア5532が固定してある。この羽根車ギア5532は、羽根車駆動ギア5533に噛合している。羽根車駆動ギア5533は、両側板54に対して軸心を中心に回転可能に支持された羽根車駆動軸5534に固定してある。また、図3において符号5535は、各羽根車553の回転軸5531を軸心を中心にして回転可能に支持するリンク部材であり、このリンク部材5535は、一端部に回転軸5531が支持され、他端部が回転軸5531に平行な羽根車駆動軸5534の軸心を中心に回転可能に取り付けてある。また、リンク部材5535の他端には、リンク駆動部材5536の一端が軸を介して支承してある。このリンク駆動部材5536の他端は、両側板54に対して軸心を中心に回転可能に支持されたリンク駆動軸5537に固定してある。
【0027】
キッカーローラ554は、集積域50の上方に配設してあり、フィードローラ551の回転軸5511と平行に配設した回転軸5541に固定してある。回転軸5541は、フィードローラ551の回転軸5511に支承された支持部材に対して軸心を中心に回転可能に配設してある。このキッカーローラ554は、側板54の間で回転軸5541の軸心方向に沿って複数設けてある。また、図には明示しないが、キッカーローラ554は、その回転軸5541が、フィードローラ551の回転軸5511に対して、プーリおよびベルトなどを用いた駆動伝達機構によって連係され、当該駆動伝達機構を介してフィードローラ551に連動してフィードローラ551と同一方向に回転駆動されるように構成してある。
【0028】
搬送ローラ555は、羽根車553およびゲートローラ552に対し、紙幣の繰出方向の下流側にて、搬送通路56における湾曲部561の位置で搬送通路56の内部に進入し、各フィードローラ551に対向してそれぞれ配設され、相互の間で紙幣を挟むように設けてある。また、図には明示しないが、搬送ローラ555は、フィードローラ551の回転軸5511に対して、ギアなどを用いた駆動伝達機構によって連係され、当該駆動伝達機構を介してフィードローラ551に連動してフィードローラ551と反対方向に回転駆動されるように構成してある。
【0029】
上記繰込繰出部55において、フィードローラ551は、回転軸5511に接続されたフィードローラ駆動モータ5513(図3参照)が駆動されることで回転軸5511の軸心を中心に回転する。フィードローラ551は、紙幣の繰込時には図2における反時計回りに回転し、紙幣の繰出時には図4における時計回りに回転する。
【0030】
ゲートローラ552は、ゲートローラギア5523とフィードローラギア5512との噛合により、フィードローラ駆動モータ5513が駆動されることで回転軸5521の軸心を中心に回転する。ゲートローラ552は、ワンウェイクラッチ5522の作用により、紙幣の繰込時には図2における時計回りに回転するが、紙幣の繰出時には回転軸5521の回転力が伝達されず回転しない。
【0031】
キッカーローラ554は、駆動伝達機構(図示せず)を介し、フィードローラ駆動モータ5513が駆動されることで回転軸5541の軸心を中心に回転する。すなわち、キッカーローラ554は、紙幣の繰込時には図2における反時計回りに回転し、紙幣の繰出時には図4における時計回りに回転する。なお、キッカーローラ554は、紙幣の繰込時には何等機能することがない。従って、キッカーローラ554は、紙幣の繰込時に回転軸5541の回転力が伝達されず紙幣の繰出時にのみ回転するように、ワンウェイクラッチ(図示せず)を介して回転軸5541に取り付けてあってもよい。
【0032】
搬送ローラ555は、駆動伝達機構(図示せず)を介し、フィードローラ駆動モータ5513が駆動されることで自身の軸心を中心に回転する。すなわち、搬送ローラ555は、紙幣の繰込時には図2における時計回りに回転し、紙幣の繰出時には図4における反時計回りに回転する。
【0033】
羽根車553は、羽根車駆動手段として、羽根車駆動軸5534に接続された羽根車駆動モータ5538、および羽根車ギア5532と羽根車駆動ギア5533との噛合により、羽根車駆動モータ5538が駆動されることで回転軸5531の軸心を中心に軸部材553aが回転する。羽根車553は、紙幣の繰込時には図2における時計回りに回転し、紙幣の繰出時には図4における反時計回りに回転する。
【0034】
さらに、羽根車553は、羽根車移動手段として、リンク駆動軸5537に接続されたリンク駆動モータ5539、およびリンク部材5535とリンク駆動部材5536との連係により、リンク駆動モータ5539が駆動されることで羽根車駆動軸5534の軸心を中心にして軸部材553aが移動する。軸部材553aが移動する位置には、図2に示す繰込位置と、図4に示す繰出位置とがある。繰込位置は、搬送通路56からフィードローラ551およびゲートローラ552を通過した紙幣の後端部に対し、軸部材553aを回転させた際の羽根553bが当接する位置である。この繰込位置は、図2に示すように軸部材553aが繰込位置に配置された場合にリンク部材5535の他端を検出するフォトインタラプタなどの繰込位置検出手段556aによって検出される。また、繰出位置は、集積域50からフィードローラ551およびゲートローラ552を通過した紙幣の少なくとも先端部に対し、軸部材553aを回転させた際の羽根553bが当接する位置である。この繰出位置は、図4に示すように軸部材553aが繰出位置に配置された場合にリンク部材5535の他端を検出するフォトインタラプタなどの繰出位置検出手段556bによって検出される。なお、図には明示しないが、軸部材553aの移動は、リンク駆動モータ5539に限らずリンク駆動軸5537を回転させてリンク駆動部材5536を移動させるソレノイドを用いてもよい。
【0035】
以下に、紙葉類繰込繰出装置の制御について説明する。図5は紙葉類繰込繰出装置の制御系を示すブロック図である。図5に示すように紙葉類繰込繰出装置は、制御部100を有している。制御部100には、繰込位置検出手段556a、繰出位置検出手段556b、紙葉類検出手段562、集積台駆動モータ532、フィードローラ駆動モータ5513、羽根車駆動モータ5538およびリンク駆動モータ5539が接続してある。制御部100は、RAM、ROMなどの記憶部101に予め格納したプログラムやデータに従って、さらには繰込位置検出手段556a、繰出位置検出手段556bおよび紙葉類検出手段562からの入力信号に従って、集積台駆動モータ532、フィードローラ駆動モータ5513、羽根車駆動モータ5538およびリンク駆動モータ5539を統括的に制御する。
【0036】
そして、一時保留部25に紙幣を繰り込む場合、制御部100は、集積台駆動モータ532を駆動し、図2に示すように集積台53を下方に移動させて、集積台53の上面531、もしくは集積台53の上面531に集積されている紙幣の上方に、紙幣を受け入れるための空間を画成する。
【0037】
上記制御とともに制御部100は、リンク駆動モータ5539を駆動し、繰込位置検出手段556aからの検出信号が入力される繰込位置まで軸部材553aを移動させる。なお、繰込位置検出手段556aからの検出信号がすでに入力されており、軸部材553aが繰込位置に配置されている場合、制御部100は、リンク駆動モータ5539の駆動を行わない。
【0038】
次に、制御部100は、フィードローラ駆動モータ5513を駆動し、フィードローラ551を繰込方向(図2における反時計回り方向)に回転させる。このフィードローラ駆動モータ5513の駆動に伴い、搬送ローラ555が繰込方向(図2における時計回り方向)に回転し、かつゲートローラ552が繰込方向(図2における時計回り方向)に回転する。同時に、制御部100は、羽根車駆動モータ5538を駆動し、羽根車553の軸部材553aを繰込方向(図2における時計回り方向)に回転させる。
【0039】
これにより、搬送通路56にある紙幣は、フィードローラ551とゲートローラ552との間を通過して集積域50に繰り込まれる。
【0040】
このとき、羽根車553の羽根553bが、紙幣の繰込方向の後端部に当接し、該紙幣を上から下に向けて叩くことで、集積台53の上面531に向けて紙幣を掻き落として集積させる。この結果、先に一時保留部25に繰り込まれた紙幣の繰込方向の後端と、続けて一時保留部25に繰り込まれた紙幣の繰込方向の先端とが干渉する事態を防ぐ。
【0041】
なお、紙幣の繰り込みに伴って、集積台53の上面531に集積された紙幣の最上位置が上方に変位して、紙幣を集積域50に受け入れられなくなるが、この場合に制御部100は、集積台駆動モータ532を駆動して、集積台53の位置を下方に移動させる。
【0042】
ところで、一時保留部25に紙幣を繰り込む場合、制御部100は、紙葉類検出手段562によって検出される紙幣の通過時間を計測している。そして、紙幣の検出が予め設定された通過時間を超えた場合、制御部100は、搬送通路56に紙幣が詰まっていると判断する。すると、制御部100は、フィードローラ駆動モータ5513および羽根車駆動モータ5538の駆動を停止して、不図示の報知手段(例えば、表示やブザー)によって紙幣の詰まりを報知する。続いて、制御部100は、リンク駆動モータ5539を駆動し、繰出位置検出手段556bからの検出信号が入力される繰出位置まで軸部材553aを移動させる。続いて、制御部100は、フィードローラ駆動モータ5513および羽根車駆動モータ5538を駆動して、フィードローラ551を繰込方向(図4における反時計回り方向)に回転させるとともに、羽根車553の軸部材553aを繰込方向(図4における時計回り方向)に回転させる。これにより、羽根車553の羽根553bを詰まっている紙幣に当接させることで、紙幣詰まりの回復、もしくは紙幣を除去し易い状態にする。なお、制御部100は、リンク駆動モータ5539を駆動し、繰出位置検出手段556bからの検出信号が入力される繰出位置まで軸部材553aを移動させた後、フィードローラ駆動モータ5513および羽根車駆動モータ5538を駆動して、フィードローラ551を繰出方向(図4における時計回り方向)に回転させるとともに、羽根車553の軸部材553aを繰出方向(図4における反時計回り方向)に回転させてもよい。
【0043】
一方、一時保留部25から紙幣を繰り出す場合、制御部100は、集積台駆動モータ532を駆動し、図4に示すように集積台53を上方に移動させて、集積台53の上面531に集積されている最上位置の紙幣をキッカーローラ554に接触させる。
【0044】
上記制御とともに制御部100は、リンク駆動モータ5539を駆動し、繰出位置検出手段556bからの検出信号が入力される繰出位置まで軸部材553aを移動させる。なお、繰出位置検出手段556bからの検出信号がすでに入力されており、軸部材553aが繰出位置に配置されている場合、制御部100は、リンク駆動モータ5539の駆動を行わない。
【0045】
次に、制御部100は、フィードローラ駆動モータ5513を駆動し、フィードローラ551を繰出方向(図4における時計回り方向)に回転させる。このフィードローラ駆動モータ5513の駆動に伴い、キッカーローラ554が繰出方向(図4における時計回り方向)に回転し、かつ、搬送ローラ555が繰出方向(図4における反時計回り方向)に回転する。ここでは、ゲートローラ552には回転力が伝達されないのでゲートローラ552は停止している。同時に、制御部100は、羽根車駆動モータ5538を駆動し、羽根車553の軸部材553aを繰出方向(図4における反時計回り方向)に回転させる。
【0046】
これにより、一時保留部25に集積されている最上位置の紙幣は、キッカーローラ554によってフィードローラ551とゲートローラ552との間に送られ、繰出方向に回転するフィードローラ551と停止しているゲートローラ552との間で一枚に分けられつつ通過して搬送通路56に繰り出される。
【0047】
このとき、羽根車553の羽根553bが、紙幣の繰出方向の少なくとも先端部に当接し、該紙幣を下から上に向けて叩くことで、搬送通路56の上側であるフィードローラ551の外周部に紙幣を押し付ける。
【0048】
なお、紙幣の繰り出しに伴って、集積台53の上面531に集積された紙幣の最上位置が下方に変位して、最上位置の紙幣とキッカーローラ554との接触力が低下することになるが、この場合に制御部100は、集積台駆動モータ532を駆動して、集積台53の位置を上方に移動させる。
【0049】
ところで、一時保留部25から紙幣を繰り出す場合、制御部100は、紙葉類検出手段562によって検出される紙幣の通過時間を計測している。そして、紙幣の検出が予め設定された通過時間を超えた場合、制御部100は、搬送通路56に紙幣が詰まっていると判断する。すると、制御部100は、フィードローラ駆動モータ5513および羽根車駆動モータ5538の駆動を停止して、不図示の報知手段(例えば、表示やブザー)によって紙幣の詰まりを報知する。続いて、制御部100は、集積台駆動モータ532を駆動し、図2に示すように集積台53を下方に移動させて、集積台53の上面531に集積されている紙幣の上方に、紙幣を受け入れるための空間を画成する。続いて、制御部100は、繰出位置検出手段556bからの検出信号がすでに入力されており、軸部材553aが繰出位置に配置されているため、リンク駆動モータ5539の駆動を行わず、フィードローラ駆動モータ5513および羽根車駆動モータ5538を駆動して、フィードローラ551を繰込方向(図4における反時計回り方向)に回転させるとともに、羽根車553の軸部材553aを繰込方向(図4における時計回り方向)に回転させる。これにより、羽根車553の羽根553bを詰まっている紙幣に当接させることで、紙幣詰まりの回復、もしくは紙幣を除去し易い状態にする。
【0050】
このように、上述した紙葉類繰込繰出装置では、紙幣を繰り込む場合に軸部材553aを繰込位置(図2参照)に配置するとともに該軸部材553aを紙幣の繰込方向に回転させる一方、紙幣を繰り出す場合に軸部材553aを繰出位置(図4参照)に配置するとともに該軸部材553aを紙幣の繰出方向に回転させる。これにより、一時保留部25に紙幣を繰り込む場合に繰込位置に配置される羽根車を、搬送通路56に紙幣を繰り出す場合に繰出位置に配置し、フィードローラ551およびゲートローラ552を通過した紙幣の少なくとも先端部に羽根553bを当接させる。この結果、搬送通路56に繰り出された紙幣の通過位置を案内することができるので、折り癖や皺などが生じた紙幣の通過を考慮して該紙幣の厚みに対して十分な余裕を搬送通路56に設けても、該紙幣をより確実に搬送することが可能になる。しかも、従前では紙幣を搬送通路56に繰り出す場合に退避させていた羽根車553を紙幣の繰出時に効率よく利用することが可能になる。なお、上述した実施の形態の搬送通路56は、フィードローラ551の外周部に沿って湾曲部561を延在して設けた構成であるが、例えば直線状に形成された搬送通路56であっても繰出位置に配置した羽根車553によって搬送通路56に繰り出された紙幣の通過位置を案内することが可能である。
【0051】
また、上述した紙葉類繰込繰出装置では、紙幣を繰り出す場合、繰出位置に軸部材553aを配置してフィードローラ551の外周部に紙幣を押し付ける態様で羽根553bを当接させる。このため、搬送通路56にフィードローラの外周部に沿って延在した湾曲部561において、搬送通路56に繰り出された紙幣の通過位置を案内し、かつ湾曲部651でのガイド部材512への接触抵抗を低減させるとともにフィードローラ551の搬送力を紙幣に確実に伝達させて紙葉類の搬送を補助することができる。
【0052】
しかも、紙幣を繰り出す場合に、繰出位置に軸部材553aを配置してフィードローラ551の外周部に紙幣を押し付ける態様で羽根553bを当接させることにより、湾曲部561において、紙幣の先端がフィードローラ551と搬送ローラ555との間に案内されるので、搬送ローラ555の外周部への紙幣の先端の衝突を抑え、紙幣の傷付きや搬送不良が発生する事態を低減することができる。
【0053】
また、上述した紙葉類繰込繰出装置では、紙葉類検出手段562によって紙幣が所定時間を継続して検出された場合、軸部材553aを繰出位置に配置して軸部材553aを回転させる。このため、羽根車553の羽根553bを詰まっている紙幣に当接させて紙幣詰まりの回復、もしくは紙幣を除去し易い状態にすることができ、紙幣詰まりの除去作業を行う前に予め対処しておくことができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明に係る紙葉類繰込繰出装置は、搬送通路から集積部への紙葉類の繰り込み、および集積部から搬送通路への紙葉類の繰り出しを共通の繰込繰出手段によって行うようにした場合に有用であり、特に、繰込繰出手段を通過して搬送通路に繰り出された紙葉類をより確実に搬送することに適している。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る紙葉類繰込繰出装置が適用される紙幣処理装置を示す概略図である。
【図2】本発明に係る紙葉類繰込繰出装置を示す概略側断面図である。
【図3】図2における紙葉類繰込繰出装置を一端側から視た図である。
【図4】図2における紙葉類繰込繰出装置の動作図である。
【図5】紙葉類繰込繰出装置の制御系を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0056】
25 一時保留部(集積部)
251 入出口
50 集積域
51 揃え板
511 揃え面
512 ガイド部材
52 係止板
521 係止面
53 集積台
531 上面
532 集積台駆動モータ
54 側板
55 繰込繰出部
551 フィードローラ(繰込繰出手段)
5511 回転軸
5512 フィードローラギア
5513 フィードローラ駆動モータ
552 ゲートローラ(繰込繰出手段)
5521 回転軸
5522 ワンウェイクラッチ
5523 ゲートローラギア
5524 支持部材
5525 固定部材
553 羽根車
553a 軸部材
553b 羽根
5531 回転軸
5532 羽根車ギア
5533 羽根車駆動ギア
5534 羽根車駆動軸
5535 リンク部材
5536 リンク駆動部材
5537 リンク駆動軸
5538 羽根車駆動モータ
5539 リンク駆動モータ
554 キッカーローラ
5541 回転軸
555 搬送ローラ
556a 繰込位置検出手段
556b 繰出位置検出手段
56 搬送通路
561 湾曲部
562 紙葉類検出手段
100 制御部
101 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送通路から集積部への紙葉類の繰り込み、および集積部から搬送通路への紙葉類の繰り出しを共通の繰込繰出手段によって行う紙葉類繰込繰出装置において、
軸部材の周面に羽根を有し該羽根が軸部材の軸心を中心に移動する態様で前記軸部材を回転可能に設けた羽根車と、
前記搬送通路から前記繰込繰出手段を通過した紙葉類の後端部に対し、前記軸部材を回転させた際の羽根が当接する繰込位置、および前記集積部から前記繰込繰出手段を通過した紙葉類の少なくとも先端部に対し、前記軸部材を回転させた際の羽根が当接する繰出位置に軸部材を移動させる羽根車移動手段と、
前記羽根車の軸部材を軸心を中心に回転させる羽根車駆動手段と、
前記羽根車移動手段および前記羽根車駆動手段を制御し、紙葉類を繰り込む場合に軸部材を繰込位置に配置するとともに該軸部材を紙葉類の繰込方向に回転させる一方、紙葉類を繰り出す場合に軸部材を繰出位置に配置するとともに該軸部材を紙葉類の繰出方向に回転させる制御部と
を備えたことを特徴とする紙葉類繰込繰出装置。
【請求項2】
前記繰込繰出手段は、紙葉類を繰り込む場合に繰込方向に回転する一方で紙葉類を繰り出す場合に繰出方向に回転するフィードローラと、前記フィードローラと協働して紙葉類の繰り込みおよび繰り出しを行うゲートローラを有し、
前記搬送通路には、前記フィードローラの外周部に沿って延在した湾曲部が形成され、
前記繰出位置において、前記フィードローラの外周部に紙葉類を押し付ける態様で羽根を紙葉類に当接させることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類繰込繰出装置。
【請求項3】
前記繰込繰出手段は、紙葉類を繰り込む場合に繰込方向に回転する一方で紙葉類を繰り出す場合に繰出方向に回転するフィードローラと、前記フィードローラと協働して紙葉類の繰り込みおよび繰り出しを行うゲートローラを有し、
前記搬送通路には、前記フィードローラの外周部に沿って延在した湾曲部が形成され、
前記湾曲部には、繰出位置に配置した羽根車および前記ゲートローラの繰出方向の下流側にて前記フィードローラとの間で紙葉類を搬送する搬送ローラが配設され、
前記繰出位置において、前記フィードローラの外周部に紙葉類を押し付けつつ紙葉類の先端を前記搬送ローラとフィードローラとの間に案内する態様で羽根を紙葉類に当接させることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類繰込繰出装置。
【請求項4】
前記搬送通路を通過する紙葉類を検出する紙葉類検出手段をさらに備え、
前記制御部は、所定の通過時間を継続して紙葉類が検出された場合、前記軸部材を繰出位置に配置させて該軸部材を回転させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の紙葉類繰込繰出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−7113(P2009−7113A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169619(P2007−169619)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】