説明

紙製スプーン

【課題】例えば、熱いスープを食するに際して用いることが出来る紙製のスプーンを提供することである。
【解決手段】紙製のスプーンであって、前記紙製スプーンは、柄部と、前記柄部の先端側に繋がった容器部とを有し、前記柄部と容器部とを有する紙製スプーンは、表面側および裏面側に樹脂層が設けられた紙材で構成されたものであり、前記紙製スプーンの容器部は、所定形状にカットされた前記紙材が所定形状に折り畳まれ、折り畳まれて重なった箇所の前記樹脂層が溶着によって接合・一体化されて容器状に構成されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばラーメン、御粥、スープと言った比較的熱い食材(例えば、40℃以上100℃未満の温度の食材(食物:流動性の食物))を食するに際して用いられる紙製スプーンに関する。
【背景技術】
【0002】
紙製のスプーンが提案されている。
【0003】
例えば、洗剤を計量する為に、紙製のスプーンが、数多く、提案(例えば、特開2006−292556号公報、特開2004−77152号公報、特開2000−162016号公報、特開平9−159506号公報、実開平7−41427号公報、実開平6−86027号公報など)されている。
【0004】
ところで、食材を食する時に使用するスプーンと、洗剤の如きの口にしない素材をすくい取る為のスプーンとは、要求される要件が異なることが多い。従って、洗剤の如きの口にしない物をすくい取る為のスプーンの技術を、食材を食する時に使用するスプーンに、直ちに、転用することは出来ない。
【0005】
因みに、食材を食する時に使用するスプーンを紙で構成させようとする発想は、これまで、非常に少なかった。そして、食材用の紙製スプーンの特許文献を調査しても、それは、殆ど、無かった。
【0006】
さて、斯かる調査で発見された特許文献(特開2000−166734号公報、特開2005−40285号公報、特開2005−304843号公報)で提案された食材用の紙製スプーンは、食材をすくい取る部分(容器部)の深さが浅い。すなわち、前記提案の紙製スプーンが対象とした食材は、例えばカレーライス、オムライス、チャーハン、グラタン、かき氷、ヨーグルト、あんみつ、スパゲッティ、サラダと言った食材である。従って、容器部(すくい取る部分)の深さは浅い。所謂、深さが2〜3mm程度である。このような浅いものであるが故に、容器部(すくい取る部分)は、例えば絞り加工と言った技術で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−166734号公報
【特許文献2】特開2005−40285号公報
【特許文献3】特開2005−304843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、容器部(すくい取る部分)の深さが2〜3mm程度のスプーンを用いて、例えば熱いラーメンのスープを飲もう(食そう)とした場合、容器部の深さが浅い故に、スープを溢してしまうことは必然である。
【0009】
従って、容器部(すくい取る部分)の深さが深い(例えば、5mm以上)スプーンでなければならない。
【0010】
しかしながら、この種のスプーンは、絞り加工では得られない。特に、紙製のスプーンは得られない。
【0011】
従って、本発明が解決しようとする課題は、例えば熱いスープを食するに際して用いることが出来る紙製のスプーンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決する為の検討が、本発明者によって、鋭意、推し進められて行った。
【0013】
その結果、判明したことは、例えば5mm以上の深さの容器部を有するスプーンを紙で構成する場合には、やはり、容器部の底面から側面を立ち上げ、その側面同士を接合すると言った手法を採用せざるを得ないことが判って来た。
【0014】
しかしながら、対象物が食材(特に、熱い流動性食材)であるが故に、接着剤で接合することは許されない。なぜならば、例えば熱いスープにスプーンを浸した場合、前記接着剤の成分が溶出する恐れが無くても、懸る不安感を与えてしまうからである。
【0015】
従って、接着剤を用いないで、容器部(すくい取る部分)の深さが深いスプーンを構成しなければならない。
【0016】
更に、熱いスープにスプーンを浸けた際に、そのスープがスプーン素材中に含浸してしまうようでは、商品価値を著しく低下させてしまうことに気付いた。従って、スープ中に浸けた場合でも、スープの液がスプーン素材中に含浸し難いようにしておかねばならない。
【0017】
斯かる観点から更なる検討が推し進められて行った結果、両面(表面側と裏面側)に樹脂層が設けられた紙材を用いたならば、上記要望が満足されるスプーンを構成できるであろうとの啓示を得るに至った。
【0018】
尚、紙の端面も樹脂で覆われている方が好ましいであろうものの、紙は厚さが約1mm以下であろうことを鑑みると、1mm以下の厚さの端面からのスープ等の液の浸入(含浸)は難しいであろうことから、表裏両面に樹脂層が設けられておれば良いであろうと考えられた。
【0019】
尚、上記特許文献2には、十分な強度(剛性)を得るべく比較的厚い(例えば、1mm程度)紙製シート材(或いは、樹脂コーティングされた比較的厚い紙製シート材)でスプーンを構成することが認められる。しかしながら、この特許文献2においては、樹脂コーティンが紙の両面である旨の開示は無い。示唆する記載も認められない。そして、樹脂コーティングは強度(剛性)の観点から設けられたものである旨の記載がされている。そうであるとするならば、紙の両面に設けられたと考える必然は無い。更に、特許文献2のスプーンの容器部は絞り加工で構成されたものであるから、特許文献2における樹脂層を接合の目的に利用しようとする発想は無い。従って、この点からも、特許文献2の樹脂層が紙の両面に設けられていると考えることは出来ない。
【0020】
上記知見を基にして本発明が達成された。
【0021】
すなわち、前記の課題は、
紙製のスプーンであって、
前記紙製スプーンは、柄部と、前記柄部の先端側に繋がった容器部とを有し、
前記柄部と容器部とを有する紙製スプーンは、表面側および裏面側に樹脂層が設けられた紙材で構成されたものであり、
前記紙製スプーンの容器部は、所定形状にカットされた前記紙材が所定形状に折り畳まれ、折り畳まれて重なった箇所の前記樹脂層が溶着によって接合・一体化されて容器状に構成されてなる
ことを特徴とする紙製スプーンによって解決される。
【0022】
特に、40℃以上100℃以下の温度の食材を食するに際して用いられる紙製のスプーンであって、
前記紙製スプーンは、柄部と、前記柄部の先端側に繋がった容器部とを有し、
前記柄部と容器部とを有する紙製スプーンは、表面側および裏面側に樹脂層が設けられた紙材で構成されたものであり、
前記紙製スプーンの容器部は、所定形状にカットされた前記紙材が所定形状に折り畳まれ、折り畳まれて重なった箇所の前記樹脂層が溶着によって接合・一体化されて容器状に構成されてなる
ことを特徴とする紙製スプーンによって解決される。
【0023】
上記スプーンであって、好ましくは、前記容器部は、前記柄部が繋がっていない辺部において、折返片部を有してなり、前記折返片部は、前記容器部の側面に、前記樹脂層の溶着によって接合・一体化されてなることを特徴とする紙製スプーンによって解決される。
【0024】
上記スプーンであって、好ましくは、前記折返片部は前記容器部の外側の側面に接合・一体化されてなることを特徴とする紙製スプーンによって解決される。
【0025】
上記スプーンであって、好ましくは、前記容器部は、該容器部の或る側面部が接合片を有しており、該接合片は該容器部の内面側に配され、該内面側に配された接合片を介して側面同士が接合・一体化されてなることを特徴とする紙製スプーンによって解決される。
【0026】
上記スプーンであって、好ましくは、前記容器部は、その深さが5mm以上有ることを特徴とする紙製スプーンによって解決される。
【0027】
上記スプーンであって、好ましくは、前記柄部には、折目が、該柄部の長手方向に対して交差する方向に沿って設けられてなり、該折目に沿って該柄部が折り曲げられると、該柄部が前記容器部側に重なり、長手方向における長さが短くなるよう構成されてなることを特徴とする紙製スプーンによって解決される。
【0028】
上記スプーンであって、好ましくは、前記柄部には、該柄部を立体形状に案内する為の折目が、該柄部の長手方向において、設けられてなることを特徴とする紙製スプーンによって解決される。
【発明の効果】
【0029】
例えば、熱いスープを食するに際して好適な紙製のスプーンが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明になる紙製スプーンの紙材の展開状態での平面図
【図2】本発明になる紙製スプーンの製造工程中での斜視図
【図3】本発明になる紙製スプーンの製造工程中での斜視図
【図4】本発明になる紙製スプーンの柄部を折り曲げた状態での側面図
【図5】本発明になる紙製スプーンの使用状態時での斜視図
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は紙製のスプーンである。特に、40℃以上100℃未満の温度の食材(例えば、流動体を含む食材)を食するに際して用いられる紙製のスプーンである。食材は、例えばラーメンのスープである。勿論、スープはラーメンのスープに限られない。或いは、お粥である。尚、本スプーンは熱い食べ物に限られず、冷たい食べ物に使うことも出来る。前記紙製スプーンは、柄部と、前記柄部の先端側に繋がった容器部とを有する。前記柄部と容器部とを有する紙製スプーンは、表面側および裏面側に樹脂層が設けられた紙材で構成される。例えば、樹脂で両面がラミネートされた紙で構成される。樹脂は、好ましくは、熱可塑性樹脂である。例えば、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂である。前記紙製スプーンの容器部は、所定形状にカットされた前記紙材が所定形状に折り畳まれ、折り畳まれて重なった箇所の前記樹脂層が溶着によって接合・一体化されて容器状に構成されたものである。
【0032】
好ましくは、前記容器部は、前記柄部が繋がっていない辺部において、折返片部を有する。この折返片部は、前記容器部の側面に、前記樹脂層の溶着によって接合・一体化されてなる。特に好ましくは、前記折返片部は前記容器部の外側の側面に接合・一体化されてなる。好ましくは、前記容器部は、該容器部の或る側面部が接合片を有している。この接合片は該容器部の内面側に配され、該内面側に配された接合片を介して側面同士が接合・一体化されてなる。好ましくは、前記容器部は、その深さが5mm以上有る。例えば、7〜17mm程度の深さを持つ。例えば、絞り加工と言った手段では構成できない程度の深さを持つ。
【0033】
好ましくは、前記柄部には、折目が、該柄部の長手方向に対して交差する方向に沿って設けられている。そして、前記折目に沿って前記柄部が折り曲げられると、前記柄部が前記容器部側に重なり、長手方向における長さが短くなるよう構成されている。好ましくは、前記柄部には、前記柄部を立体形状に案内する為の折目が設けられている。この折目は、好ましくは、前記柄部の長手方向において、設けられている。
【0034】
以下、更に詳しく説明する。
【0035】
図1〜図5は本発明になる紙製スプーンの一実施形態になるもので、図1は紙製スプーンの紙材の展開状態での平面図、図2および図3は紙製スプーンの製造工程中での斜視図、図4は柄部を折り曲げた状態での側面図、図5は使用状態時での斜視図である。
【0036】
各図中、1は、紙製スプーンAを構成する紙材である。紙材1の厚さは、例えば0.2〜0.4mmである。秤量は、例えば190〜300g/mである。紙材1は図1(展開図)に示される形状に成形されている。すなわち、一枚の大きなシートから所定形状(図1に示される形状)に打ち抜かれたものである。尚、前記シートは、紙の表裏両面にポリエチレンフィルムがラミネートされたものである。従って、端面(カット面(切断端面))を除いて、紙材1の表裏両面にはポリエチレン層が設けられている。尚、前記打抜時において、所定の個所に、折目加工が施される。
【0037】
前記展開図(図1)において、2は、紙製スプーンAの容器部31の底面を構成するものとなる矩形(長方形)状部である。
【0038】
3は、容器部31の側面(前面)32を構成するものとなる逆台形状部である。4は、容器部31の側面(前面)32に折り返して溶着(熱溶着)・一体化される折返片部33を構成するものとなる台形状部である。この台形状部4は、図1からも判る通り、折り返された場合に、逆台形状部3の一部にのみ重なるに過ぎない。勿論、全面的に重なっていても良いが、そのようにした場合でも格別に大きなメリットは認められない。そればかりか、材料を多く要することになるから、一部にのみ重なる程度で良い。逆台形状部3と台形状部4との境界には、境界線に沿って、一直線状の折目5が形成されている。この折目5はミシン目であっても良い。勿論、ミシン目でなくても良い。
【0039】
6は、容器部31の右側面34を構成するものとなる逆台形状部である。7は、容器部31の右側面34に折り返して溶着(熱溶着)・一体化される折返片部35を構成するものとなる台形状部である。この台形状部7は、図1からも判る通り、折り返された場合に、逆台形状部6の一部にのみ重なるに過ぎない。勿論、全面的に重なっていても良いが、そのようにした場合でも格別に大きなメリットは認められない。そればかりか、材料を多く要することになるから、一部にのみ重なる程度で良い。逆台形状部6と台形状部7との境界には、境界線に沿って、一直線状の折目8が形成されている。この折目8はミシン目であっても良い。勿論、ミシン目でなくても良い。
【0040】
9は、容器部31の左側面36を構成するものとなる逆台形状部である。10は、容器部31の左側面36に折り返して溶着(熱溶着)・一体化される折返片部37を構成するものとなる台形状部である。この台形状部10は、図1からも判る通り、折り返された場合に、逆台形状部9の一部にのみ重なるに過ぎない。勿論、全面的に重なっていても良いが、そのようにした場合に格別に大きなメリットは認められない。そればかりか、材料を多く要することになるから、一部にのみ重なる程度で良い。逆台形状部9と台形状部10との境界には、境界線に沿って、一直線状の折目11が形成されている。この折目11はミシン目であっても良い。勿論、ミシン目でなくても良い。
【0041】
12は、容器部31の側面(後面)38を構成するものとなる逆台形状部である。
【0042】
13は、逆台形状部6の側辺(逆台形状部3に近い側の側辺)に連なって設けられた糊代片部である。14は、逆台形状部9の側辺(逆台形状部3に近い側の側辺)に連なって設けられた糊代片部である。糊代片部13,14は略三角形状であるが、この形状に限られ無い。糊代片部13と逆台形状部6との境界には、境界線に沿って、一直線状の折目15が形成されている。糊代片部14と逆台形状部9との境界には、境界線に沿って、一直線状の折目16が形成されている。
【0043】
17は、逆台形状部6の側辺(逆台形状部12に近い側の側辺)に連なって設けられた糊代片部である。18は、逆台形状部9の側辺(逆台形状部12に近い側の側辺)に連なって設けられた糊代片部である。糊代片部17,18は略三角形状であるが、この形状に限られ無い。糊代片部17と逆台形状部6との境界には、境界線に沿って、一直線状の折目19が形成されている。糊代片部18と逆台形状部9との境界には、境界線に沿って、一直線状の折目20が形成されている。
【0044】
21は、紙製スプーンAの柄部30を構成するものとなる略三角形状部である。略三角形状部21は、その底辺が、逆台形状部(容器部31の側面(後面)38を構成するものとなる逆台形状部)12に連なっている。略三角形状部21には所定のラインに沿って折目22,23,24が形成されている。折目22は、略三角形状部21と逆台形状部12との境界に沿って形成された折目である。折目23は、略三角形状部21の長手方向に沿って、その略中央位置に形成された折目である。折目24は、折目23の端部近傍から逆台形状部12に向かって略V形状に形成された折目である。
【0045】
尚、図1中、切断ラインは実線で描かれており、折目ラインは一点鎖線で描かれている。
【0046】
図1の形状に打抜成形された所定形状の紙材1に対して、先ず、図2に示される加工が施される。すなわち、台形状部4が、逆台形状部3の裏面側(図2中、背面側)に、180°折曲げられる。又、台形状部7が、逆台形状部6の裏面側(図2中、背面側)に、180°折曲げられる。又、台形状部10が、逆台形状部9の裏面側(図2中、背面側)に、180°折曲げられる。この後、加熱・圧着が行われる。これにより、台形状部4と逆台形状部3とは、又、台形状部7と逆台形状部6とは、又、台形状部10と逆台形状部9とは、ラミネートされているポリエチレンによって熱溶着・一体化が行われる。すなわち、折返片部33,35,37が、容器部31の側面32,34,36の外側面に対して、溶着・一体化される。これによって、容器部31の開口ライン(上端ライン)は、鋭利なカットラインとは異なる(折り返しラインであることから、鋭利さが失われている。)ものとなる。容器部31の開口ライン(上端ライン)が鋭利でないことから、容器部31を口にしても、例えば唇を間違って傷付けると言った事故が起こり難い。更には、容器部31の開口ライン(上端ライン)の機械的強度が向上する。しかも、折返片部33,35,37の一体化は樹脂による熱溶着で行われており、格別な接着剤(粘着剤)が用いられてないので、熱いスープの液に浸けられても、接着剤(粘着剤)の成分が熱いスープ中に滲出する恐れが無く、実に、安全性に富んでいる。折返片部33,35,37は、容器部31の内側に折り返されているのでは無く、容器部31の外側に折り返されている。ところで、容器部31がスープ等の液中に浸けられると、折返片部33,35,37の先端面は、カットによって出来たものであることから、樹脂が被覆されて無い。この為、返片部33,35,37の端面(先端面)から液が浸入し易い。しかしながら、折返片部33,35,37は容器部31の外側に折り返されていることから、容器部31の上側から容器部31内を眺めても、折返片部33,35,37の先端面から折返片部33,35,37内に含浸した液による変色を気付き難い。従って、使用者に不安感・嫌悪感を与え難い。
【0047】
この後、糊代片部13,14が折目15,16に沿って折り曲げられる。そして、糊代片部13,14の外面側が逆台形状部3の内面側に重ねられる。又、糊代片部17,18が折目15,16に沿って折り曲げられる。そして、糊代片部17,18の外面側が逆台形状部12の内面側に重ねられる。この後、糊代片部13,14,17,18と逆台形状部3,12との接合部に加熱状態で圧着力が加えられる。これにより、図3に示す如く、容器部31が構成される。糊代片部13,14,17,18と逆台形状部3,12との一体化は、樹脂による熱溶着で行われている。格別な接着剤(粘着剤)が用いられてない。従って、熱いスープ中に浸けられても、接着剤(粘着剤)が熱いスープ中に滲出する恐れが無く、実に、安全性に富んでいる。そして、折返片部33,35,37は容器部31の側面の外面側に配され、糊代片部13,14,17,18は容器部31の側面の内面側に配されているので、折返片部33,35,37と糊代片部13,14,17,18とが、直接、重なり合うことが無く、段差は出来ず、溶着・一体化が綺麗に行われる。
【0048】
図4は、上記のように構成された紙製スプーンAの柄部30が折目22に沿って折り曲げられた状態での側面図である。図4から判る通り、折目22で柄部30が折り曲げられているので、紙製スプーンAの全長が短くなった。従って、図4に示す状態のものにしておけば、食品が入った容器に紙製スプーンAを添付・収納するにも、大きな空間を要さない。
【0049】
図5は、上記のように構成された紙製スプーンAの柄部30が、折目23,24に沿って、断面略V形状に形成された状態での斜視図である。図5から判る通り、折目23,24に沿って柄部30が立体形状に折り曲げられていると、柄部30の機械的強度が向上し、柄部30が紙製であっても、使用に十分に耐えられる。
【符号の説明】
【0050】
1 表裏両面にポリエチレンフィルムがラミネートされた紙材
2 矩形(長方形)状部
3,6,9,12 逆台形状部
4,7,10 台形状部
5,8,11,15,16,19,20,22,23,24 折目
13,14,17,18 糊代片部(接合片)
21 略三角形状部
A 紙製スプーン
30 柄部
31 容器部
32,34,36,38 側面
33,35,37 折返片部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙製のスプーンであって、
前記紙製スプーンは、柄部と、前記柄部の先端側に繋がった容器部とを有し、
前記柄部と容器部とを有する紙製スプーンは、表面側および裏面側に樹脂層が設けられた紙材で構成されたものであり、
前記紙製スプーンの容器部は、所定形状にカットされた前記紙材が所定形状に折り畳まれ、折り畳まれて重なった箇所の前記樹脂層が溶着によって接合・一体化されて容器状に構成されてなる
ことを特徴とする紙製スプーン。
【請求項2】
前記容器部は、前記柄部が繋がっていない辺部において、折返片部を有してなり、
前記折返片部は、前記容器部の側面に、前記樹脂層の溶着によって接合・一体化されてなる
ことを特徴とする請求項1の紙製スプーン。
【請求項3】
前記折返片部は前記容器部の外側の側面に接合・一体化されてなる
ことを特徴とする請求項2の紙製スプーン。
【請求項4】
前記容器部は、該容器部の或る側面部が接合片を有しており、該接合片は該容器部の内面側に配され、該内面側に配された接合片を介して側面同士が接合・一体化されてなる
ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの紙製スプーン。
【請求項5】
容器部は、その深さが5mm以上有る
ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかの紙製スプーン。
【請求項6】
前記柄部には、折目が、該柄部の長手方向に対して交差する方向に沿って設けられてなり、
該折目に沿って該柄部が折り曲げられると、該柄部が前記容器部側に重なり、長手方向における長さが短くなるよう構成されてなる
ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかの紙製スプーン。
【請求項7】
前記柄部には、該柄部を立体形状に案内する為の折目が、該柄部の長手方向において、設けられてなる
ことを特徴とする請求項1〜請求項6いずれかの紙製スプーン。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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