説明

紙製包装容器

【課題】容易に内容物が取り出すことができない不都合を解消する包装容器をを提供する。
【解決手段】紙製包装容器14は、折り目線を有するウェブ状包装積層材料から、縦シール及び横シールによって、横シール帯域及び縦シール帯域を形成し、折り目線に沿って折り畳むことにより形成された横シール帯域を含むフラップ及びフィンを容器頂壁、容器側壁及び容器底面に接合し、最終矩形状の容器を得、容器内液状食品を固化・凝固して製品を得る食品充填容器であって、この容器の一端側を切断して形成される充填食品取出し用の開口部29を有し、この開口部29と反対側の他端22bに易破断部31を有して充填食品取出し時にこの易破断部31の破断により充填食品の取出しを容易にすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙製包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
豆腐やゼリーなどの半固形・凝固食品など粘性、半流動性、又は固化食品を充填した容器には、例えば、所定の折り目線を有するウェブ状包装積層材料をチューブ状に成形し、チューブの縦線方向に縦シールし、チューブ状包装材料内に液状食品を充填し、所定間隔毎に横断方向の横シールにより密封し、横シール帯域中間で切断して枕状予備成形体を得、折り目線に沿って折り畳むことにより形成された横シール帯域を含むフラップ及びフィンを容器頂壁、容器側壁及び容器底面に接合し、最終形状の容器を得、容器内液状食品を固化・凝固して製品を得る。
【0003】
図3は、包装充填装置の一例を示す概略斜視図である。ウェブ状の包装積層材料1は、リールの状態で包装充填装置に装填される。包装積層材料1は、紙基材、及び該紙基材の両面にポリエチレン樹脂が積層された可撓性の積層体から成り、必要に応じて紙基材とフィルムとの間にアルミニウム箔、ガスバリヤ性樹脂等から成るバリヤ層が形成され、包装容器14の表面に相当する部分にあらかじめ外装用の印刷が施される。
【0004】
繰り出された包装積層材料1は、搬送手段の送り装置によって連続的に搬送され、ベンディングローラ、ダンパローラ等を経て、ストリップ接合装置3に送られ、ストリップ接合装置によって包装積層材料1の一方の縁部に沿ってストリップ2が、次のストリップを継ぎ目で継ぎながら、連続的に接合される。
【0005】
包装積層材料1は、必要に応じて、プルタブ接合装置によってプルタブが接合されている。包装積層材料1は、殺菌槽4に送られ、殺菌槽4において過酸化水素等の殺菌液によって殺菌される。包装積層材料1は、エアナイフ5に送られ、エアナイフ5によって乾燥させられた後、チューブ状包装材料内に液体食品を無菌雰囲気で充填することを保証する無菌室40の室内に送られる。包装積層材料1は、成形リング6、その他の成形リングによって徐々に変形させられてチューブ状の形状にされる。
チューブ状包装積層材料1は、縦シール装置の予熱手段8からのホットエアーによって予熱されて、縦方向にシールされ、充填パイプ7の下端から流動性食品がチューブ状包装積層材料1内に充填される。
【0006】
次いで、縦シールエレメント8によりチューブの両縁部に縦シール部26を形成し、このチューブ1を包装容器1個分に相当する長さ分だけ下方に送りながら、横シール装置10により挟持し、横断方向に横シールして2本の横シール帯域23を形成し、同時に枕状予備成形体13に連続的に成形し、繋がった枕状予備成形体の横シール帯域の中間を、フィン部分を残して、ナイフなどにより切断して個々の枕状予備成形体13に切り離し、最終成形装置15において切り離された枕状予備成形体の上下のフラップを折り曲げて最終形態の包装充填容器14に成形する。
包装充填容器14は、ベルトコンベアなどの搬送手段によって、連続的に並進されて搬送され、ストローを容器壁に貼着するストローアプリケータ等を経て、一定数量ごとに梱包される。容器内液状食品は容器内で固化・凝固して製品を得る。
【0007】
枕状予備成形体13が、最終成形装置で折り畳まれる態様を図4に示す。枕状予備成形体13は、縦シール部分26及び上下2本の横シール帯域23で密封され、折り目線によって区分された側壁22を有する。(図4(A)参照)
図4(B)に示すように、折り目線に沿って、枕状予備成形体の本体部分が直方体形状に成形され、稜辺端部には、横シール帯域のフィン23とフラップ24とが器壁から直立するように形成される。横シール帯域のフィン23は、底面20と頂面21とから直立し、フラップ24は、稜辺25を介して容器壁に一体的に連通する。
次いで、図4(C)に示すように、横シール帯域のフィン23を底面20(図4においては容器として上下逆さに図示する)と頂面21とに折り畳んだ後、稜辺を中心にフラップを回転して、容器頂部側フラップ24は、側壁22に、容器底部側フラップ24は、底面20に、折り込まれる。
図2に、レンガ型液体食品充填紙製容器の外観斜視図を示す。その容器は、折り込まれた横シール帯域のフィン23、フラップ24、底面と頂壁及び容器側壁を有する。フィン23は縦シール部分26と反対側の容器頂壁面22a側に折込まれる。更に、フラップ24は稜辺を介して側壁に折り込まれる。
【0008】
豆腐やゼリーなどの半固形・凝固食品などを充填した紙製容器は、器壁の一端をハサミ等により切断し若しくは切り裂き、大きく開いた開口部から豆腐やゼリーをそのまま小さく崩さず取り出して、使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−307575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
紙製容器から豆腐やゼリーなどを取り出すに際して、容器の一端をハサミ等により切断して開口部を形成するが、豆腐やゼリーなどは流動性がないために、容器内面と内容物との間に開封後も空気が入らず、容易に内容物が取り出すことができない不都合がある。
本発明は、包装容器の問題点を解決して、上記不都合を解消する包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題を解決する本発明の紙製包装容器は、折り目線を有するウェブ状包装積層材料から、縦シール及び横シールによって、横シール帯域及び縦シール帯域を形成し、折り目線に沿って折り畳むことにより形成された横シール帯域を含むフラップ及びフィンを容器頂壁、容器側壁及び容器底面に接合し、最終矩形状の容器を得、容器内液状食品を固化・凝固して製品を得る食品充填容器であって、
この容器の一端側を切断して形成される充填食品取出し用の開口部を有し、この開口部と反対側の他端に易破断部を有して充填食品取出し時にこの易破断部の破断により充填食品の取出しを容易にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上の本発明によれば、以下の作用機能を発揮し、有利な効果が得られる。
この発明における紙製包装容器は、折り目線を有するウェブ状包装積層材料から、縦シール及び横シールによって、横シール帯域及び縦シール帯域を形成し、折り目線に沿って折り畳むことにより形成された横シール帯域を含むフラップ及びフィンを容器頂壁、容器側壁及び容器底面に接合し、最終矩形状の容器を得、容器内液状食品を固化・凝固して製品を得る食品充填容器であるので、充填食品取出し時にフラップ及びフィンを器壁から引き剥がし立ち上げて、フラップ及び/又はフィンを、その近傍をハサミ等で、容器の一端側に充填食品取出し用の開口部を切断によって形成することが容易にできる。
【0013】
この発明における紙製包装容器では、容器の一端側を切断して形成される充填食品取出し用の開口部を有し、この開口部と反対側の他端に易破断部を有しているので、充填食品取出し時にこの易破断部を破断するにより、この破断箇所から空気が入り、この空気が容器内面と内容物との間にも浸入する。豆腐やゼリーなどは流動性がないが、容器内面と内容物との間の空気のために、開封後に容易に内容物/充填食品が容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本発明による包装容器を使用して充填食品を取出する態様例を示す部分拡大断面図及び斜視図である。
【図2】図2は本発明に使用される包装容器の一例の外観斜視図である。
【図3】図3は本発明による包装容器を製造する充填機の一例を示す斜視図である。
【図4】図4は本発明に使用される包装容器を形成する様子を示す斜視図である。
【図5】図5は本発明に使用される包装容器の他例の外観斜視図である。。
【図6】図6は図5に示す包装容器例の易破断部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図2に示す紙製包装容器例は、レンガ型液体食品充填紙製容器である。この容器14は、折り込まれた横シール帯域のフィン23、フラップ24、底面22bと頂壁22a及び容器側壁22を有する。フィン23は縦シール部分26と反対側の容器頂壁面22a側に折込まれる。フラップ24は稜辺24aを介して側壁22に折り込まれる。
【0016】
図2に示す紙製包装容器例を製造する態様を例示する。図3に示す包装充填装置例では、ウェブ状の包装積層材料1は、リールの状態で包装充填装置に装填される。繰り出された包装積層材料1は、搬送手段の送り装置によって連続的に搬送され、ベンディングローラ、ダンパローラ等を経て、ストリップ接合装置3に送られ、包装積層材料1の一方の縁部に沿ってストリップ2が連続的に接合される。包装積層材料1は、必要に応じて、プルタブ接合装置によって、プルタブ及び、易破断部のタブストリップ及びインナーストリップを接合する。
【0017】
包装積層材料1は、殺菌槽4に送られ、殺菌槽4において過酸化水素等の殺菌液によって殺菌される。包装積層材料1は、エアナイフ5に送られ、エアナイフ5によって乾燥させられた後、チューブ状包装材料内に液体食品を無菌雰囲気で充填することを保証する無菌室40の室内に送られる。包装積層材料1は、成形リング6、その他の成形リングによって徐々に変形させられてチューブ状の形状にされる。
チューブ状包装積層材料1は、縦シール装置の予熱手段8からのホットエアーによって予熱されて、縦方向にシールされ、充填パイプ7の下端から流動性食品がチューブ状包装積層材料1内に充填される。
【0018】
縦シールエレメント8によりチューブの両縁部に縦シール部26を形成し、このチューブ1を下方に送りながら、横シール装置10により挟持し、横断方向に横シールして2本の横シール帯域23を形成し、同時に枕状予備成形体13に連続的に成形し、繋がった枕状予備成形体の横シール帯域の中間を、フィン部分を残して、ナイフなどにより切断して個々の枕状予備成形体13に切り離し、最終成形装置15において切り離された枕状予備成形体の上下のフラップを折り曲げて最終形態の包装充填容器14に成形する。
包装充填容器14は、ベルトコンベアなどの搬送手段によって、連続的に並進されて搬送され、ストローを容器壁に貼着するストローアプリケータ等を経て、一定数量ごとに梱包される。容器内液状食品は容器内で固化・凝固して製品を得る。
【実施例】
【0019】
図1に、本発明による包装容器を使用して充填食品を取出する第1実施例を示す。
第1の実施例の紙製包装容器14は、図2の容器14の上部端22a側を切断して充填食品30取出し用の開口部29を形成される。
紙製包装容器14は、開口部29と反対側の他端22bに易破断部31を有している。充填食品取出し時にこの易破断部31を破断するにより、この破断箇所31から空気が入り、この空気が容器14内面と内容物30との間にも浸入する。豆腐やゼリーなどは流動性がないが、容器14内面と内容物30との間の空気のために、開封後に容易に内容物/充填食品30が容易に取り出すことができる。
【0020】
第1実施例の紙製包装容器14の易破断部31の態様例を、図1(A)及び(B)に示す。図1(A)の易破断部の態様では、ストロー穴を形成すると同様の構造(穿孔とそのラミネート層など)及び、図1(B)の易破断部の態様では、穿孔とそれを覆うタブストリップ及びインナーストリップを備える。
【0021】
図5に、本発明による包装容器を使用して充填食品を取出する第2実施例を示す。
第2実施例の紙製包装容器14は、図5の容器14の上部端22a側を切断して充填食品取出し用の開口部29を形成される。
紙製包装容器14は、開口部29と反対側の他端22bに易破断部31を有している。充填食品取出し時にこの易破断部31を破断するにより、この破断箇所31から空気が入り、この空気が容器14内面と内容物との間にも浸入する。豆腐やゼリーなどは流動性がないが、容器14内面と内容物との間の空気のために、開封後に容易に内容物/充填食品が容易に取り出すことができる。
【0022】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0023】
この発明は、豆腐やゼリーなどの半固形・凝固食品など粘性、半流動性、又は固化食品を包装充填する包装容器の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0024】
14 ・・包装容器
22 ・・器壁
29 ・・開口部
30 ・・内容物
31 ・・易破断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り目線を有するウェブ状包装積層材料から、縦シール及び横シールによって、横シール帯域及び縦シール帯域を形成し、折り目線に沿って折り畳むことにより形成された横シール帯域を含むフラップ及びフィンを容器頂壁、容器側壁及び容器底面に接合し、最終矩形状の容器を得、容器内液状食品を固化・凝固して製品を得る食品充填容器であって、
該容器の一端側を切断して形成される充填食品取出し用の開口部を有し、該開口部と反対側の他端に易破断部を有して充填食品取出し時に該易破断部の破断により充填食品の取出しを容易にすることを特徴とする紙製包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−260607(P2010−260607A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112379(P2009−112379)
【出願日】平成21年5月2日(2009.5.2)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】