説明

紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物および衣料

【課題】紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物および該編物を用いてなる衣料を提供する。
【解決手段】総繊度が20〜170dtexのマルチフィラメント(A)を編物の全重量に対して30重量%以上含む編物であって、前記のマルチフィラメント(A)が、有機系紫外線吸収剤を含有する繊維形成性熱可塑性ポリマーからなり、かつ編物において下記式で求められる係数Kが40×10以下である紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物および該編物を用いてなる衣料。
K=Co×We×(D/1.1)1/2
ただし、Coは編物の2.54cmあたりのコース数(本/2.54cm)、Weは編物の2.54cmあたりのウエール数(本/2.54cm)、Dは編物を構成する糸条の総繊度の平均(dtex)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物および該編物を用いてなる衣料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光に含まれる紫外線の人体への影響が懸念され、紫外線をカットする衣料が提案されている。例えば、特許文献1では、二酸化チタンなどの無機系の紫外線吸収・反射剤を繊維中に含ませることにより、紫外線をカットすることが提案されている。また、特許文献2では、繊維に関するものではないが、有機系の紫外線吸収剤が提案されている。
【0003】
他方、衣料用布帛において着用快適性を高めるためソフトな風合いが求められている。しかしながら、紫外線カット性を高めるために布帛の密度を高めるとソフトな風合いが損なわれ、逆に、ソフトな風合いを得るために布帛の密度を小さくすると紫外線カット性が損なわれる傾向にある。このように、紫外線カット性とソフトな風合いとは通常相反する性質である。
なお、本出願人は、特願2005−119536号および特願2006−160731号により紫外線カット性に優れた布帛を提案した。
【0004】
【特許文献1】特開平5−148734号公報
【特許文献2】特開昭62−11744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物および該編物を用いてなる衣料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、繊維形成性熱可塑性ポリマーからなるマルチフィラメントを用いて編物を構成する際、繊維形成性熱可塑性ポリマーに有機系紫外線吸収剤を含有させ、かつマルチフィラメントの総繊度と編物の密度を特定の範囲内とすることにより、紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
【0007】
かくして、本発明によれば「総繊度が20〜170dtexのマルチフィラメント(A)を編物の全重量に対して30重量%以上含む編物であって、前記のマルチフィラメント(A)が有機系紫外線吸収剤を含有する繊維形成性熱可塑性ポリマーからなり、かつ編物において下記式で求められる係数Kが40×10以下であることを特徴とする紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物。」が提供される。
K=Co×We×(D/1.1)1/2
ただし、Coは編物の2.54cmあたりのコース数(本/2.54cm)、Weは編物の2.54cmあたりのウエール数(本/2.54cm)、Dは編物を構成する糸条の総繊度の平均(dtex)である。
【0008】
その際、前記の有機系紫外線吸収剤がベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤であることが好ましい。また、前記の繊維形成性熱可塑性ポリマーが有機系紫外線吸収剤を繊維形成性熱可塑性ポリマーの重量あたり0.1〜5.0重量%含有することが好ましい。また、前記の繊維形成性熱可塑性ポリマーがポリエステル系ポリマーであることが好ましい。また、前記の繊維形成性熱可塑性ポリマーが艶消し剤を含有しないことが好ましい。また、前記のマルチフィラメント(A)の単繊維繊度が0.1〜5.0dtexの範囲内であることが好ましい。また、前記のマルチフィラメント(A)を構成するフィラメントの横断面形状が異型であることが好ましい。その際、前記のマルチフィラメント(A)を構成するフィラメントの横断面形状が、2箇所以上のくびれ部を有する断面扁平度2〜6の扁平断面であることが好ましい。また、前記のマルチフィラメント(A)が無撚であることが好ましい。
【0009】
本発明の紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物において、波長280〜400nmの紫外線の透過率が45%以下であることが好ましい。また、JIS L1096(バイレック法)に記載された吸水性が30mm以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の織物を用いてなる衣料が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物および該編物を用いてなる衣料料が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明において、繊維形成性熱可塑性ポリマーとしては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリプロピレンなどが例示される。なかでも、ポリエステル系ポリマーが好ましい。かかるポリエステルとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、炭素数2〜6のアルキレングリコール、すなわちエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールからなる群より選ばれた少なくとも1種のグリコール、特に好ましくはエチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルが例示される。
【0012】
かかるポリエステルには、必要に応じて少量(通常30モル%以下)の共重合成分を有していてもよい。その際、使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、P−オキシ安息香酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のごとき芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボン酸をあげることができる。また、上記グリコール以外のジオール化合物としては、例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSのごとき脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物およびポリオキシアルキレングリコール等をあげることができる。
【0013】
前記ポリエステルは任意の方法によって合成したものでよい。例えばポリエチレンテレフタレートの場合について説明すると、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルのごときテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるかまたはテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテレフタル酸のグリコールエステルおよび/またはその低重合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第2段階の反応によって製造されたものでよい。また、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。
【0014】
前記の繊維形成性熱可塑性ポリマーにおいて、ポリマー中に有機系紫外線吸収剤を含有することが肝要である。ポリマー中に含まれる有機系紫外線吸収剤の含有量としては、ポリマー重量に対し0.1〜5.0重量%(より好ましくは0.5〜3.0重量%)であることが好ましい。有機系紫外線吸収剤の含有量が0.1重量%よりも小さいと、十分な紫外線吸収性能が得られないおそれがある。逆に、有機系紫外線吸収剤の含有量が5.0重量%よりも大きいと、有機系紫外線吸収剤を含む繊維形成性熱可塑性ポリマーを紡糸して繊維を得る際、紡糸の工程安定性が損なわれたり、時間の経過とともに繊維が黄変するおそれがある。
【0015】
前記有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系有機紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系有機紫外線吸収剤、サリチル酸系有機紫外線吸収剤などが例示される。なかでも、紡糸の段階で分解しないという点からベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤が特に好ましい。
【0016】
かかるベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤としては、特開昭62−11744号公報に開示されたものが好適に例示される。すなわち、2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2,2’−エチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−テトラメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレンなどである。
【0017】
また、前記繊維形成性熱可塑性ポリマーには艶消し剤が含まれていないことが好ましい。繊維形成性熱可塑性ポリマーに艶消し剤を含有させないことにより、編物に光沢感が付加される。
【0018】
本発明において、マルチフィラメント(A)は、有機系紫外線吸収剤を含有する繊維形成性ポリマー(例えば、固有粘度が0.55〜0.80のポリエステルなど)を、常法により紡糸し、2000〜4300m/分の速度で未延伸糸(中間配向糸)として一旦巻き取り、延伸したものでもよいし、巻き取る前に延伸したものでもよい。また、中間配向糸を、180〜200℃に加熱されたヒーターを用いて、弛緩状態(オーバーフィード1.5〜10%)で熱処理することにより、加熱下で自己伸長性を有する未延伸糸(中間配向糸)であってもよい。
【0019】
かかるマルチフィラメント(A)の総繊度としては、20〜170dtex(好ましく40〜110dtex)の範囲内である必要がある。該総繊度が20dtexよりも小さいと編物の厚みが薄くなり充分な紫外線カット性が得られないおそれがある。逆に、該総繊度が170dtexよりも大きいとソフトな風合いが得られないおそれがある。また、マルチフィラメント(A)の単糸繊度、フィラメント数としては、紫外線カット性とソフト風合いを両立させる上で、単繊維繊度が0.1〜5.0dtex(好ましくは0.1〜3.0dtex)の範囲内であり、フィラメント数が10〜100本(好ましくは20〜90本)の範囲内であることが好ましい。
かかるマルチフィラメント(A)には撚糸が施されていてもよいが、紫外線カット性を高める上で無撚であることが好ましい。マルチフィラメント(A)に撚糸が施されていると、編物の空隙が大きくなり紫外線カット性が低下するおそれがある。
【0020】
また、単繊維の断面形状は特に限定されないが、編物の空隙を小さくし紫外線カット性を高める上で通常の丸断面以外の異型であることが好ましい。特に、特に、図1に模式的に示すような、2箇所以上のくびれ部を有する断面扁平度2〜6の扁平断面を採用すると、編物の紫外線カット性が高くソフトな風合いが得られ好ましい。さらには、毛細管現象により編物の吸水性も高まりこのまし。なお、断面扁平度とは、図1に示す、長辺の長さ(B)と短辺の長さ(C1)との比(B/C1)である。また、くびれ部とは図1に模式的に示すように、短辺の長さが短くなっている部分のことである。かかるくびれ部において、凹部の深さとしては、短辺の長さの最大値と最小値の比(C1/C2)で、1.05以上(好ましくは1.1以上)となる深さであることが好ましい。なお、図1は、くびれ部が3個所の場合を例示するものである。
【0021】
本発明の編物には、前記のマルチフィラメント(A)が編物全体重量に対して30重量%以上(より好ましくは50重量%以上、特に好ましくは100重量%)含まれることが肝要である。該含有量が30重量%未満では、充分な紫外線カット性が得られずこのましくない。なお、本発明の編物を、前記のマルチフィラメント(A)と他糸条とで構成する場合、該他糸条もマルチフィラメント(A)と同程度の総繊度、単繊度、フィラメント数を有するポリエステル糸条であることが好ましい。
【0022】
また、本発明の編物において、下記式で求められる係数Kが40×10以下(好ましくは15×10〜30×10)であることが肝要である。
K=Co×We×(D/1.1)1/2
ただし、Coは編物の2.54cmあたりのコース数(本/2.54cm)、Weは編物の2.54cmあたりのウエール数(本/2.54cm)、Dは編物を構成する糸条の総繊度の平均(dtex)である。
【0023】
該係数Kは編物のカバーファクターであり、該係数Kが40×10よりも大きいとソフトな風合いが得られず好ましくない。逆に、該係数Kが15×10よりも小さいと紫外線カット性が損なわれるおそれがある。
【0024】
本発明の編物において、編組織は特に限定されず、通常の方法で製編されたものでよい。例えば、編組織は特に限定されず、経編みや丸編みの公知の編み組織を使用することができ、ポンチローマ、ミラノリブ、タックリブ、裏鹿の子、シングルピケ、ダブルピケ等の丸編地や、ハーフ、サテン、バックハーフ、クインズコード、シャークスキン等のシングル経編地や、ダブルラッセル、ダブルトリコット等の2重経編地があげられる。
【0025】
本発明の編物は、前記のマルチフィラメント(A)を用いて常法の製編方法で製編することができる。また、アルカリ減量加工や常法の染色仕上げ加工が施されてもよい。さらには、常法の吸水加工、撥水加工、起毛加工、さらには、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
【0026】
かくして得られた編物には、有機系紫外線吸収剤を含有するマルチフィラメント(A)が含まれ、かつ所定の編物カバーファクター係数Kを有するので、紫外線カット性とソフトな風合いが両立する。また、マルチフィラメント(A)を構成する単繊維が前記のようなくびれ部を有する扁平断面扁形状であると優れた吸水性を呈する。その際、波長280〜400nmの紫外線の透過率が45%以下(より好ましくは20%以下)であることが好ましい。また、JIS L1096(バイレック法)に記載された吸水性が30mm以上であることが好ましい。
【0027】
次に、本発明の衣料は前記の編物を用いてなる衣料である。該衣料としては、紳士衣料、婦人衣料、スポーツ衣料などが例示される。該衣料は前記の編物を使用しているので、紫外線カット性とソフトな風合いに優れる。
【実施例】
【0028】
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<紫外線透過率>
島津製作所製分光光度計MPC−3100で透過率を測定し、280〜400nmの範囲の紫外線透過率を算出した。紫外線透過率が45%以下であると合格である。
<係数K>
K=Co×We×(D/1.1)1/2
ただし、Coは編物の2.54cmあたりのコース数(本/2.54cm)、Weは編物の2.54cmあたりのウエール数(本/2.54cm)、Dは編物を構成する糸条の総繊度の平均(dtex)である。なお、編物に糸条が2種以上含まれる場合は、これら総繊度の平均は加重平均を求めるものとする。
<吸汗性>JIS1096(バイレック法)により測定した。
<風合い>ハンドリングにてソフト性を評価し、ソフト、ややソフト、普通、やや硬い、硬いの5段階評価を行った。
<総合評価>非常に優れているものを◎、優れているものを○、やや劣るものを△、劣るものを×とした。
【0029】
[実施例1]
特開昭62−11744号公報に記載された方法で合成された2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)有機系紫外線吸収剤を1.0重量%含み、艶消し剤を含まないポリエチレンテレフタレートを4つ山扁平断面(くびれ部3個所)に穿孔された口金より、紡糸温度300℃で紡出し、4000m/minで引き取り未延伸糸とした。該未延伸糸を一旦巻き取ることなく引き続き1.3倍に延伸し、フィラメントの横断面形状が図1に示すような、くびれ部(短辺の長さCの最大/最小=1.2)を3個所有する扁平断面(断面扁平度3.2)のマルチフィラメント(A)84dtex/30filを得た。
【0030】
次いで、該マルチフィラメント(A)を無撚で100%使用し、常法の製編方法により28Gスムースを得た。そして、常法の染色加工を施すことにより、K値が20×10の編地を得た。該編地において、紫外線透過率15%、吸汗性75mm、風合ソフトで、総合評価◎であった。
【0031】
[実施例2]
実施例1において、コース数とウエール数だけを変更することによりK値を30×10の編地に変える以外は実施例1と同様にして編地を得た。該編地において、紫外線透過率10%、吸汗性70mm、風合いややソフトで、総合評価○であった。
【0032】
[比較例1]
実施例1において、有機性紫外線吸収剤を含ませないこと以外は実施例1と同様にして編地を得た。該編地において、紫外線透過率30%、吸汗性75mm、風合いソフトで、総合評価×であった。
【0033】
[実施例3]
実施例1において、フィラメントの横断面形状を、丸断面に変える以外は実施例1と同様にして編地を得た。該編地において、紫外線透過率20%、吸汗性37mm、風合い普通で、総合評価△であった。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明によれば、紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物および該編物を用いてなる衣料が提供され、その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明において、マルチフィラメント(A)の単繊維の断面形状として採用することのできる、くびれ部を有する扁平断面形状を模式的に例示したものである。
【符号の説明】
【0036】
1 くびれ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
総繊度が20〜170dtexのマルチフィラメント(A)を編物の全重量に対して30重量%以上含む編物であって、前記のマルチフィラメント(A)が有機系紫外線吸収剤を含有する繊維形成性熱可塑性ポリマーからなり、かつ編物において下記式で求められる係数Kが40×10以下であることを特徴とする紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物。
K=Co×We×(D/1.1)1/2
ただし、Coは編物の2.54cmあたりのコース数(本/2.54cm)、Weは編物の2.54cmあたりのウエール数(本/2.54cm)、Dは編物を構成する糸条の総繊度の平均(dtex)である。
【請求項2】
前記の有機系紫外線吸収剤がベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤である、請求項1に記載の紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物。
【請求項3】
前記の繊維形成性熱可塑性ポリマーが有機系紫外線吸収剤を繊維形成性熱可塑性ポリマーの重量あたり0.1〜5.0重量%含有する、請求項1または請求項2に記載の紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物。
【請求項4】
前記の繊維形成性熱可塑性ポリマーがポリエステル系ポリマーである、請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物。
【請求項5】
前記の繊維形成性熱可塑性ポリマーが艶消し剤を含有しない、請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物。
【請求項6】
前記のマルチフィラメント(A)の単繊維繊度が0.1〜5.0dtexの範囲内である、請求項1〜5のいずれかに記載の紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物。
【請求項7】
前記のマルチフィラメント(A)を構成するフィラメントの横断面形状が異型である、請求項1〜6のいずれかに記載の紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物。
【請求項8】
前記のマルチフィラメント(A)を構成するフィラメントの横断面形状が、2箇所以上のくびれ部を有する断面扁平度2〜6の扁平断面である、請求項7に記載の紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物。
【請求項9】
前記のマルチフィラメント(A)が無撚である、請求項1〜8のいずれかに記載の紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物。
【請求項10】
波長280〜400nmの紫外線の透過率が45%以下である、請求項1〜9のいずれかに記載の紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物。
【請求項11】
JIS L1096(バイレック法)に記載された吸水性が30mm以上である、請求項1〜10のいずれかに記載の紫外線カット性とソフトな風合いを有する編物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の織物を用いてなる衣料。

【図1】
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【公開番号】特開2008−45233(P2008−45233A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−220928(P2006−220928)
【出願日】平成18年8月14日(2006.8.14)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】