紫外線検出装置
【課題】紫外線検出装置における減光フィルタの変更を、簡単な作業により実現可能とする。
【解決手段】筐体11内に紫外線を受光する受光素子31の前面に、受光する紫外線の強度を減衰させる減光フィルタ14を配置し、受光素子13が紫外線を受光することによって発生する電流を、ヘッド部12で増幅または電圧変換を行う。減光フィルタ14は、使用状態にある第1の減光部141および非使用時には紫外線の影響を受けない場所に配置させる第2の減光部142を一体形成した。第1の減光部141と第2の減光部142は入れ換え、紫外線が照射される位置を変更可能とした。
【解決手段】筐体11内に紫外線を受光する受光素子31の前面に、受光する紫外線の強度を減衰させる減光フィルタ14を配置し、受光素子13が紫外線を受光することによって発生する電流を、ヘッド部12で増幅または電圧変換を行う。減光フィルタ14は、使用状態にある第1の減光部141および非使用時には紫外線の影響を受けない場所に配置させる第2の減光部142を一体形成した。第1の減光部141と第2の減光部142は入れ換え、紫外線が照射される位置を変更可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、所望の波長の紫外線に対応した紫外線量を検出可能な紫外線検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の紫外線検出装置は、紫外線の各波長領域に応じた複数の減光フィルタを用いることで、入射紫外線を予め減光し、1個のメータで紫外線の表示を可能とさせている。(例えば、特許文献1)
このような減光フィルタとしては、パンチング加工が施された金属板を用いることで実現できる。すなわち、パンチング加工における孔径とピッチ間隔を変更し開口率を可変することで複数の減光率を実現し、各波長領域に応じ、受光素子に入光される紫外線の強度を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−29426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1の技術では、紫外線の各波長領域に応じた複数の減光フィルタを用いており、外光遮断部材(筐体)内に、一体化された複数の減光フィルタを収納した構成が示されている(特許文献1の図1を参照方)。しかしながら、入射窓部分に対応していない減光フィルタであっても、外来からの紫外線や、入射窓から筐体内に侵入した紫外線の影響を受ける位置にある可能性があり、長時間使用によって劣化が生じ易い構成になっている。
【0005】
この発明の目的は、不使用部分に直接的に紫外線を当てない構成とすることで、減光フィルタの劣化防止を図り、さらに、減光フィルタの変更を簡単な作業により可能とする紫外線検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、この発明の紫外線検出装置は、筐体内に配置し、外部からの紫外線を受光する受光素子と、前記受光素子の前面に配置し、受光する紫外線の波長が選択される減光フィルタと、前記受光素子が紫外線を受光することによって発生する電流を増幅または電圧変換する機能を備えたヘッド部と、を具備し、前記減光フィルタは、第1の開口率の入光口を有する第1の減光部および第2の開口率の入光口を有する第2の減光部を一体的に形成し、前記第1(または第2)の減光部が使用状態にある場合は、前記第2(または第1)の減光部は前記外部からの紫外線、および筐体内に侵入した紫外線の影響をともに受けない場所に非使用状態で配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、不使用部分に直接的に紫外線を当てないことで、減光フィルタの劣化防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の紫外線検出装置に関する第1の実施形態について説明するための概略的な構成図である。
【図2】図1の要部の(a)は正面図、(b)は(a)の断面図である。
【図3】図1の概略的な回路構成図である。
【図4】この発明の紫外線検出装置に関する第2の実施形態について説明するための概略的な構成図である。
【図5】図4の要部の(a)は正面図、(b)は(a)の断面図である。
【図6】図4の要部の方向を入れ換えて取り付けた場合の構成図である。
【図7】この発明の紫外線検出装置に関する第3の実施形態について説明するための概略的な構成図である。
【図8】図7の左側面図である。
【図9】図7の第1の減光部の取り付けについて説明するための説明図である。
【図10】図7の第2の減光部の取り付けについて説明するための説明図である。
【図11】この発明の紫外線検出装置に関する第4の実施形態について説明するための概略的な構成図である。
【図12】図10の要部斜視図である。
【図13】この発明の紫外線検出装置に関する第5の実施形態について説明するための概略的な構成図である。
【図14】図13の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1〜図3は、この発明の紫外線検出装置に関する第1の実施形態について説明するための、図1は概略的な構成図、図2は図1要部の(a)は正面図、(b)は(a)の断面図、図3は図1の概略的な回路構成図である。
図1〜図3において、11は筐体であり、この筐体11内には、ヘッド部12が収納されている。ヘッド部12は、図3に示すように受光素子31、電流/電圧変換部32、増幅部33から構成される。受光素子31としては、ダイヤモンド光電素子、シリコンフォトダイオード、光電管などが考えられる。
【0011】
受光素子31と対向する筐体11には、開口部13が形成され、この開口部13を介して紫外線が受光素子31に受光可能に配置される。開口部13には、アルミ二ウムやステンレス鋼など金属で形成される減光フィルタ14が配置される。
【0012】
図2にも示すように減光フィルタ14は、長方形の紫外線非透過の材料で形成された平板に、一定の開口率にてパンチング加工された入光孔21をほぼ一面に施し、図中a−a’線の左半分を第1の減光部141とし、右半分を第2の減光部142としている。減光フィルタ14は、第1の減光部141のみが入光孔21に位置する状態で、筐体11の内側に取り付けられる。
【0013】
このとき、第2の減光部142は、入光孔21から外れた筐体11内に収納された状態で配置される。第2の減光部142は、筐体11内で紫外線照射に影響を受けない状態で保持される。
【0014】
ここで、図3で示すように第1の減光部141を介して入力された紫外線は、受光素子31で受光し、受光素子31から信号が出力される。受光素子31の出力電流は電流/電圧変換部32で電圧信号に変換され、増幅部33で増幅されてヘッド部12の出力として図示しないケーブルを介して検出装置本体34の比較部341に入力される。比較部341では、予め設定されたしきい値と比較して、一定以上の紫外線が検出されたか否かの信号が出力部342より出力される。
【0015】
ところで、第1の減光部141が紫外線の照射により劣化した場合は、紫外線の照射を受けない第2の減光部142と第1の減光部141を切り換えて入光孔21に配置することにより、劣化の第1の減光部141に変えて新たな減光フィルタ14を取り換えることなく対応することができる。
【0016】
この実施形態では、共通の減光フィルタを用いて、紫外線の当たる第1の減光部と当たらない第2の減光部を設けたことで、一方の減光部が劣化したとしても、他方減光部とを交換することで引き続き初期の減光率で使用でき、共通の減光フィルタを長期間にわたって使用が可能となる。
【0017】
図4〜図6は、この発明の紫外線検出装置に関する第2の実施形態について説明するための、図4は概略的な構成図、図5は図4要部の(a)は正面図、(b)は(a)の断面図、図6は図4の要部の方向を入れ換えて取り付けた場合の構成図である。この実施形態において、上記した実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付し、その説明は省略し、以降の各実施形態でも同様とする。
【0018】
この実施形態は、減光フィルタ14の第1の減光部141の入光孔21に対して、第2の減光部143の入光孔41の開口率を小さくしたものである。この場合も、第1の減光部141が開口部13に位置しているときの第2の減光部143は、紫外線が照射されない位置に配置される。つまり、筐体11の内側の開口部13に位置しない場所に配置させる。
【0019】
図6は、第1の減光部141と第2の減光部143を開口部13に対して入れ換えた状態を示している。このように、第2の減光部143のもつ減光率が必要な場合には、第1の減光部141に入れ換えて開口部13に配置されるように取り付けることで実現できる。
【0020】
この実施形態では、異なる開口率として二つの減光率を持たせた共通の減光フィルタ14を備えたことで、用途に応じ減光率を変えることが可能となるとともに、使用しない減光率の減光部には、紫外線が照射されることがないことから、不使用の減光部での劣化防止が可能となる。
【0021】
図7〜図10は、この発明の紫外線検出装置に関する第3の実施形態について説明するための、図7は概略的な構成図、図8は図7の左側面図、図9は第1の減光部の取り付けについて説明するための説明図、図10は第2の減光部の取り付けについて説明するための説明図である。
【0022】
この実施形態は、筐体11の上面部に減光フィルタ14を出し入れできる取り付けを可能としたものである。
【0023】
すなわち、使用しない状態の第2の減光部143を紫外線が照射されないようにする、カバー部71と開口部13を介して受光素子31に紫外線を照射させるため、カバー部71が施されない開放部72を形成したものである。開放部72は、開口部13に紫外線が取り込めるようにしている。
【0024】
カバー部71に向う開放部72の両側には、ガイド731,732がカバー部71と一体的に形成される。ガイド731,732の対向位置には、ガイド溝741,742がそれぞれ形成される。ガイド溝741,742は、減光フィルタ14をたんすの抽斗のように摺動させながら、減光フィルタ14を取り付ける。減光フィルタ14の取り付ける方向により、第1の減光部141あるいは第2の減光部143を受光素子31と対向させる位置関係に保持させる。
【0025】
図9は、第1の減光部141を受光素子31と対向させる位置への取り付けについて示している。
【0026】
まず、図9(a)の状態で、第2の減光部143側からガイド731,732に減光フィルタ14を係合させ、図中の白抜きの矢印方向に移動させる。移動後は、図9(b)のように、第1の減光部141を介して受光素子31に紫外線を照射させることが可能となる。
【0027】
図10は、第2の減光部143を受光素子31と対向させる位置への取り付けについて示している。まず、図10(a)の状態で、第1の減光部141側からガイド731,732に減光フィルタ14を係合させ、図中の白抜きの矢印方向に移動させる。移動後は、図10(b)のように、第2の減光部143を介して受光素子31に紫外線を照射させることが可能となる。
【0028】
この実施形態では、受光素子に対向させる減光フィルタの第1と第2の減光部の切り換えを簡単に行うことが可能となる。また、使用されない減光部は、紫外線が照射されないようなカバー部で、紫外線よる減光フィルタの劣化を防止させることができる。
【0029】
図11、図12は、この発明の紫外線検出装置に関する第4の実施形態について説明するための、図11は概略的な構成図、図12は図10の要部斜視図である。
【0030】
この実施形態は、減光フィルタ14の第1の減光部141と第2の減光部143を、これら境界で図12に示すようにL字状に形成したものである。
【0031】
そして、L字状の減光フィルタ14は、図11に示すように筐体11内で第1の減光部141で開口部13を塞ぐように取り付けられる。同様に第2の減光部143も開口部13を塞ぐように取り付けることで異なる開口率の入光孔21,41を目的に応じて切り換えることが可能となる。
【0032】
この実施形態は、上記実施形態と同様に第1と第2の減光部の切り換えを容易とするとともに、使用していない減光部が紫外線で劣化することがない。これに加えこの場合、第1および第2の減光部の境で折り曲げたL字状の減光フィルタとしたことで、筐体の小型化を図ることが可能となる。
【0033】
図13、図14は、この発明の紫外線検出装置に関する第5の実施形態について説明するための、図13は概略的な構成図、図14は図13の左側面図である。
【0034】
この実施形態でも、第1の減光部141と第2の減光部143を、これら境界で図12に示すようにL字状に形成した減光フィルタ14を用いている。この場合は、筐体11の側面に使用しない減光部が収納できるポケット131を形成したものである。
【0035】
すなわち、図13のように第2の減光部143がポケット131に収納された状態では、第1の減光部141が開口部13を塞ぐように配置される。これにより、紫外線は第1の減光部141の入光孔21を介して受光素子31に紫外線を照射させることが可能となる。
【0036】
この状態から、第2の減光部143で開口部13を塞いで入光孔41から受光素子31に照射させるには、まず減光フィルタ14の第2の減光部143をポケット131から上方に抜き取る。次いで第1の減光部141をポケット131に収納し、第2の減光部143が開口部13に当接させる。これにより、紫外線は第2の減光部143の入光孔41を介して受光素子31に紫外線を照射させることが可能となる。
【0037】
この実施形態は、上記各実施形態と同様に第1と第2の減光部141,142の切り換えを容易とするとともに、使用していない減光部が紫外線で劣化することがない。また、第1および第2の減光部141,142の境で折り曲げたL字状の減光フィルタ14としてことで、筐体の小型化を図ることが可能となる。
【0038】
さらに、筐体11の側面にポケット131を設け、このポケット131に減光フィルタ14の使用しない側の減光部を収納することだけで所望の開口率を有する減光フィルタを得ることができる。
【0039】
なお、ポケット131は、筐体11の側面に形成したが、筐体11の上面部に形成し、図7〜図10で説明した第3の実施形態のように、筐体11の側面から出し入れしても構わない。このとき、非使用状態の減光部は、筐体11の側面で紫外線の影響を受けないカバーを施せばよい。
【0040】
この発明は、上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、第3〜第5の実施形態での減光フィルタ14は、第1の減光部141と第2の減光部142の開口率が異なるものを想定したが、第1の実施形態で説明したように、同じ開口率の入光孔とし、一方の減光部の機能が低下した場合に他方の減光部に切り換える減光フィルタであっても構わない。
【0041】
なお、この発明では2つの減光率を有する減光フィルタを示したが、3つ以上の減光率を有する減光フィルタを使用してもよい。
【符号の説明】
【0042】
11 筐体
12 ヘッド部
13 開口部
14 減光フィルタ
141 第1の減光部
142,143 第2の減光部
21,41 入光孔
31 受光素子
32 電流/電圧変換部
33 増幅部
71 カバー部
72 開放部
731,732 ガイド
741,742 ガイド溝
131 ポケット
【技術分野】
【0001】
この発明は、所望の波長の紫外線に対応した紫外線量を検出可能な紫外線検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の紫外線検出装置は、紫外線の各波長領域に応じた複数の減光フィルタを用いることで、入射紫外線を予め減光し、1個のメータで紫外線の表示を可能とさせている。(例えば、特許文献1)
このような減光フィルタとしては、パンチング加工が施された金属板を用いることで実現できる。すなわち、パンチング加工における孔径とピッチ間隔を変更し開口率を可変することで複数の減光率を実現し、各波長領域に応じ、受光素子に入光される紫外線の強度を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−29426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1の技術では、紫外線の各波長領域に応じた複数の減光フィルタを用いており、外光遮断部材(筐体)内に、一体化された複数の減光フィルタを収納した構成が示されている(特許文献1の図1を参照方)。しかしながら、入射窓部分に対応していない減光フィルタであっても、外来からの紫外線や、入射窓から筐体内に侵入した紫外線の影響を受ける位置にある可能性があり、長時間使用によって劣化が生じ易い構成になっている。
【0005】
この発明の目的は、不使用部分に直接的に紫外線を当てない構成とすることで、減光フィルタの劣化防止を図り、さらに、減光フィルタの変更を簡単な作業により可能とする紫外線検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、この発明の紫外線検出装置は、筐体内に配置し、外部からの紫外線を受光する受光素子と、前記受光素子の前面に配置し、受光する紫外線の波長が選択される減光フィルタと、前記受光素子が紫外線を受光することによって発生する電流を増幅または電圧変換する機能を備えたヘッド部と、を具備し、前記減光フィルタは、第1の開口率の入光口を有する第1の減光部および第2の開口率の入光口を有する第2の減光部を一体的に形成し、前記第1(または第2)の減光部が使用状態にある場合は、前記第2(または第1)の減光部は前記外部からの紫外線、および筐体内に侵入した紫外線の影響をともに受けない場所に非使用状態で配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、不使用部分に直接的に紫外線を当てないことで、減光フィルタの劣化防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の紫外線検出装置に関する第1の実施形態について説明するための概略的な構成図である。
【図2】図1の要部の(a)は正面図、(b)は(a)の断面図である。
【図3】図1の概略的な回路構成図である。
【図4】この発明の紫外線検出装置に関する第2の実施形態について説明するための概略的な構成図である。
【図5】図4の要部の(a)は正面図、(b)は(a)の断面図である。
【図6】図4の要部の方向を入れ換えて取り付けた場合の構成図である。
【図7】この発明の紫外線検出装置に関する第3の実施形態について説明するための概略的な構成図である。
【図8】図7の左側面図である。
【図9】図7の第1の減光部の取り付けについて説明するための説明図である。
【図10】図7の第2の減光部の取り付けについて説明するための説明図である。
【図11】この発明の紫外線検出装置に関する第4の実施形態について説明するための概略的な構成図である。
【図12】図10の要部斜視図である。
【図13】この発明の紫外線検出装置に関する第5の実施形態について説明するための概略的な構成図である。
【図14】図13の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1〜図3は、この発明の紫外線検出装置に関する第1の実施形態について説明するための、図1は概略的な構成図、図2は図1要部の(a)は正面図、(b)は(a)の断面図、図3は図1の概略的な回路構成図である。
図1〜図3において、11は筐体であり、この筐体11内には、ヘッド部12が収納されている。ヘッド部12は、図3に示すように受光素子31、電流/電圧変換部32、増幅部33から構成される。受光素子31としては、ダイヤモンド光電素子、シリコンフォトダイオード、光電管などが考えられる。
【0011】
受光素子31と対向する筐体11には、開口部13が形成され、この開口部13を介して紫外線が受光素子31に受光可能に配置される。開口部13には、アルミ二ウムやステンレス鋼など金属で形成される減光フィルタ14が配置される。
【0012】
図2にも示すように減光フィルタ14は、長方形の紫外線非透過の材料で形成された平板に、一定の開口率にてパンチング加工された入光孔21をほぼ一面に施し、図中a−a’線の左半分を第1の減光部141とし、右半分を第2の減光部142としている。減光フィルタ14は、第1の減光部141のみが入光孔21に位置する状態で、筐体11の内側に取り付けられる。
【0013】
このとき、第2の減光部142は、入光孔21から外れた筐体11内に収納された状態で配置される。第2の減光部142は、筐体11内で紫外線照射に影響を受けない状態で保持される。
【0014】
ここで、図3で示すように第1の減光部141を介して入力された紫外線は、受光素子31で受光し、受光素子31から信号が出力される。受光素子31の出力電流は電流/電圧変換部32で電圧信号に変換され、増幅部33で増幅されてヘッド部12の出力として図示しないケーブルを介して検出装置本体34の比較部341に入力される。比較部341では、予め設定されたしきい値と比較して、一定以上の紫外線が検出されたか否かの信号が出力部342より出力される。
【0015】
ところで、第1の減光部141が紫外線の照射により劣化した場合は、紫外線の照射を受けない第2の減光部142と第1の減光部141を切り換えて入光孔21に配置することにより、劣化の第1の減光部141に変えて新たな減光フィルタ14を取り換えることなく対応することができる。
【0016】
この実施形態では、共通の減光フィルタを用いて、紫外線の当たる第1の減光部と当たらない第2の減光部を設けたことで、一方の減光部が劣化したとしても、他方減光部とを交換することで引き続き初期の減光率で使用でき、共通の減光フィルタを長期間にわたって使用が可能となる。
【0017】
図4〜図6は、この発明の紫外線検出装置に関する第2の実施形態について説明するための、図4は概略的な構成図、図5は図4要部の(a)は正面図、(b)は(a)の断面図、図6は図4の要部の方向を入れ換えて取り付けた場合の構成図である。この実施形態において、上記した実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付し、その説明は省略し、以降の各実施形態でも同様とする。
【0018】
この実施形態は、減光フィルタ14の第1の減光部141の入光孔21に対して、第2の減光部143の入光孔41の開口率を小さくしたものである。この場合も、第1の減光部141が開口部13に位置しているときの第2の減光部143は、紫外線が照射されない位置に配置される。つまり、筐体11の内側の開口部13に位置しない場所に配置させる。
【0019】
図6は、第1の減光部141と第2の減光部143を開口部13に対して入れ換えた状態を示している。このように、第2の減光部143のもつ減光率が必要な場合には、第1の減光部141に入れ換えて開口部13に配置されるように取り付けることで実現できる。
【0020】
この実施形態では、異なる開口率として二つの減光率を持たせた共通の減光フィルタ14を備えたことで、用途に応じ減光率を変えることが可能となるとともに、使用しない減光率の減光部には、紫外線が照射されることがないことから、不使用の減光部での劣化防止が可能となる。
【0021】
図7〜図10は、この発明の紫外線検出装置に関する第3の実施形態について説明するための、図7は概略的な構成図、図8は図7の左側面図、図9は第1の減光部の取り付けについて説明するための説明図、図10は第2の減光部の取り付けについて説明するための説明図である。
【0022】
この実施形態は、筐体11の上面部に減光フィルタ14を出し入れできる取り付けを可能としたものである。
【0023】
すなわち、使用しない状態の第2の減光部143を紫外線が照射されないようにする、カバー部71と開口部13を介して受光素子31に紫外線を照射させるため、カバー部71が施されない開放部72を形成したものである。開放部72は、開口部13に紫外線が取り込めるようにしている。
【0024】
カバー部71に向う開放部72の両側には、ガイド731,732がカバー部71と一体的に形成される。ガイド731,732の対向位置には、ガイド溝741,742がそれぞれ形成される。ガイド溝741,742は、減光フィルタ14をたんすの抽斗のように摺動させながら、減光フィルタ14を取り付ける。減光フィルタ14の取り付ける方向により、第1の減光部141あるいは第2の減光部143を受光素子31と対向させる位置関係に保持させる。
【0025】
図9は、第1の減光部141を受光素子31と対向させる位置への取り付けについて示している。
【0026】
まず、図9(a)の状態で、第2の減光部143側からガイド731,732に減光フィルタ14を係合させ、図中の白抜きの矢印方向に移動させる。移動後は、図9(b)のように、第1の減光部141を介して受光素子31に紫外線を照射させることが可能となる。
【0027】
図10は、第2の減光部143を受光素子31と対向させる位置への取り付けについて示している。まず、図10(a)の状態で、第1の減光部141側からガイド731,732に減光フィルタ14を係合させ、図中の白抜きの矢印方向に移動させる。移動後は、図10(b)のように、第2の減光部143を介して受光素子31に紫外線を照射させることが可能となる。
【0028】
この実施形態では、受光素子に対向させる減光フィルタの第1と第2の減光部の切り換えを簡単に行うことが可能となる。また、使用されない減光部は、紫外線が照射されないようなカバー部で、紫外線よる減光フィルタの劣化を防止させることができる。
【0029】
図11、図12は、この発明の紫外線検出装置に関する第4の実施形態について説明するための、図11は概略的な構成図、図12は図10の要部斜視図である。
【0030】
この実施形態は、減光フィルタ14の第1の減光部141と第2の減光部143を、これら境界で図12に示すようにL字状に形成したものである。
【0031】
そして、L字状の減光フィルタ14は、図11に示すように筐体11内で第1の減光部141で開口部13を塞ぐように取り付けられる。同様に第2の減光部143も開口部13を塞ぐように取り付けることで異なる開口率の入光孔21,41を目的に応じて切り換えることが可能となる。
【0032】
この実施形態は、上記実施形態と同様に第1と第2の減光部の切り換えを容易とするとともに、使用していない減光部が紫外線で劣化することがない。これに加えこの場合、第1および第2の減光部の境で折り曲げたL字状の減光フィルタとしたことで、筐体の小型化を図ることが可能となる。
【0033】
図13、図14は、この発明の紫外線検出装置に関する第5の実施形態について説明するための、図13は概略的な構成図、図14は図13の左側面図である。
【0034】
この実施形態でも、第1の減光部141と第2の減光部143を、これら境界で図12に示すようにL字状に形成した減光フィルタ14を用いている。この場合は、筐体11の側面に使用しない減光部が収納できるポケット131を形成したものである。
【0035】
すなわち、図13のように第2の減光部143がポケット131に収納された状態では、第1の減光部141が開口部13を塞ぐように配置される。これにより、紫外線は第1の減光部141の入光孔21を介して受光素子31に紫外線を照射させることが可能となる。
【0036】
この状態から、第2の減光部143で開口部13を塞いで入光孔41から受光素子31に照射させるには、まず減光フィルタ14の第2の減光部143をポケット131から上方に抜き取る。次いで第1の減光部141をポケット131に収納し、第2の減光部143が開口部13に当接させる。これにより、紫外線は第2の減光部143の入光孔41を介して受光素子31に紫外線を照射させることが可能となる。
【0037】
この実施形態は、上記各実施形態と同様に第1と第2の減光部141,142の切り換えを容易とするとともに、使用していない減光部が紫外線で劣化することがない。また、第1および第2の減光部141,142の境で折り曲げたL字状の減光フィルタ14としてことで、筐体の小型化を図ることが可能となる。
【0038】
さらに、筐体11の側面にポケット131を設け、このポケット131に減光フィルタ14の使用しない側の減光部を収納することだけで所望の開口率を有する減光フィルタを得ることができる。
【0039】
なお、ポケット131は、筐体11の側面に形成したが、筐体11の上面部に形成し、図7〜図10で説明した第3の実施形態のように、筐体11の側面から出し入れしても構わない。このとき、非使用状態の減光部は、筐体11の側面で紫外線の影響を受けないカバーを施せばよい。
【0040】
この発明は、上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、第3〜第5の実施形態での減光フィルタ14は、第1の減光部141と第2の減光部142の開口率が異なるものを想定したが、第1の実施形態で説明したように、同じ開口率の入光孔とし、一方の減光部の機能が低下した場合に他方の減光部に切り換える減光フィルタであっても構わない。
【0041】
なお、この発明では2つの減光率を有する減光フィルタを示したが、3つ以上の減光率を有する減光フィルタを使用してもよい。
【符号の説明】
【0042】
11 筐体
12 ヘッド部
13 開口部
14 減光フィルタ
141 第1の減光部
142,143 第2の減光部
21,41 入光孔
31 受光素子
32 電流/電圧変換部
33 増幅部
71 カバー部
72 開放部
731,732 ガイド
741,742 ガイド溝
131 ポケット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に配置し、外部からの紫外線を受光する受光素子と、
前記受光素子の前面に配置し、受光する紫外線の波長が選択される減光フィルタと、
前記受光素子が紫外線を受光することによって発生する電流を増幅または電圧変換する機能を備えたヘッド部と、を具備し、
前記減光フィルタは、第1の開口率の入光口を有する第1の減光部および第2の開口率の入光口を有する第2の減光部を一体的に形成し、
前記第1(または第2)の減光部が使用状態にある場合は、前記第2(または第1)の減光部は前記外部からの紫外線、および筐体内に侵入した紫外線の影響を受けない場所に非使用状態で配置したことを特徴とする紫外線検出装置。
【請求項2】
前記第1の開口率と前記第2の開口率は、同一としたことを特徴とする請求項1記載の紫外線検出装置。
【請求項3】
前記第1の開口率と前記第2の開口率は、異なるものであるとしたことを特徴とする請求項1記載の紫外線検出装置。
【請求項4】
前記減光フィルタは、平板で形成し、前記筐体の側面から、異なる方向に出し入れ可能とし、紫外線が照射される前記第1または第2の減光部の位置を変更可能としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
前記減光フィルタは、L字形状の平板で形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線検出装置。
【請求項6】
前記減光フィルタは、前記筐体の側面から、異なる方向に出し入れ可能とし、紫外線が照射される前記第1または第2の減光部の位置を変更可能としたことを特徴とする請求項5記載の紫外線照射装置。
【請求項1】
筐体内に配置し、外部からの紫外線を受光する受光素子と、
前記受光素子の前面に配置し、受光する紫外線の波長が選択される減光フィルタと、
前記受光素子が紫外線を受光することによって発生する電流を増幅または電圧変換する機能を備えたヘッド部と、を具備し、
前記減光フィルタは、第1の開口率の入光口を有する第1の減光部および第2の開口率の入光口を有する第2の減光部を一体的に形成し、
前記第1(または第2)の減光部が使用状態にある場合は、前記第2(または第1)の減光部は前記外部からの紫外線、および筐体内に侵入した紫外線の影響を受けない場所に非使用状態で配置したことを特徴とする紫外線検出装置。
【請求項2】
前記第1の開口率と前記第2の開口率は、同一としたことを特徴とする請求項1記載の紫外線検出装置。
【請求項3】
前記第1の開口率と前記第2の開口率は、異なるものであるとしたことを特徴とする請求項1記載の紫外線検出装置。
【請求項4】
前記減光フィルタは、平板で形成し、前記筐体の側面から、異なる方向に出し入れ可能とし、紫外線が照射される前記第1または第2の減光部の位置を変更可能としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
前記減光フィルタは、L字形状の平板で形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線検出装置。
【請求項6】
前記減光フィルタは、前記筐体の側面から、異なる方向に出し入れ可能とし、紫外線が照射される前記第1または第2の減光部の位置を変更可能としたことを特徴とする請求項5記載の紫外線照射装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−47719(P2011−47719A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194816(P2009−194816)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
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