説明

紫外線照射装置

【課題】ワーク幅に合わせて放電管長を調節する必要が無く、省電力化が可能であり、紫外線ランプの本数でワークの幅寸法に対応可能であり、一部の紫外線ランプの交換作業を簡単化できるとともに、外部配線を簡略化する。
【解決手段】直管状の紫外線ランプ5を複数有する紫外線照射装置100であって、各紫外線ランプ5の長手方向が互いに平行であり、各紫外線ランプ5の長手方向がワーク搬送方向と平行に配置され又はワーク搬送方向に対して所定角度で傾斜して配置されており、複数の紫外線ランプ5がユニット化された紫外線照射ユニット10を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の紫外線照射装置は、特許文献1に示すように、複数の紫外線ランプをその長手方向がワークの搬送方向と直交するように配置している。このように従来の紫外線照射装置は、紫外線ランプの長手方向をワークの搬送方向に直交して配置することにより、ワークにおける搬送方向に直交する幅方向での紫外線の照射分布が均一になるように構成している。
【0003】
しかしながら、ワークの巨大化に伴いワークの幅方向も大きくなり、紫外線ランプの放電管長を長くする必要がある。そうすると、放電管の撓みが無視できなくなり、照射ムラを招くだけでなく、放電管とワークとの接触が生じてしまい、これらを防止するための工夫が必要となる。
【0004】
また、上記構成の紫外線照射装置では、ワークに合わせて光量を増加させるためには、放電管の断面積を大きくして紫外線の照射幅を増加させる方法が考えられるが、そうすると、電源装置を大型化する必要が生じてしまい装置コスト及び設置スペースの観点から好ましくない。
【0005】
なお、特許文献2に示すように、紫外線ランプの長手方向をワークの搬送方向に平行となるように配置した紫外線照射装置が考えられている。
【0006】
しかしながら、この紫外線照射装置では、複数の紫外線ランプの長手方向をワークの搬送方向に平行となるように配置しただけであり、各紫外線ランプへ給電を行うための配線が複雑になり、故障した放電管を取り換える作業が煩雑になるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−44176号公報
【特許文献2】特開平7−275775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決すべくなされたものであって、ワークの幅寸法に合わせて紫外線ランプの放電管長を調節する必要が無く、省電力化が可能であり、紫外線ランプの本数によりワークの幅寸法に対応可能とすることを課題とするものである。また、一部の紫外線ランプの交換作業を簡単化できるとともに、外部配線を簡略化することを本発明の別の課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明に係る紫外線照射装置は、直管状の紫外線ランプを複数有する紫外線照射装置であって、各紫外線ランプの長手方向がワーク搬送方向と平行に配置され又はワーク搬送方向に対して所定角度で傾斜して配置されており、複数の紫外線ランプがユニット化された紫外線照射ユニットを有することを特徴とする。
【0010】
このような紫外線照射装置であれば、複数の紫外線ランプをワーク搬送方向に対して平行に配置又は所定角度で傾斜して配置しているので、ワークの幅寸法が大型化しても紫外線ランプの放電管長を長くすることなく、紫外線ランプの本数で対応することができる。したがって紫外線ランプの放電管の撓みに起因する種々の問題点を解決することができる。また、複数の紫外線ランプを並列配置しているので、各紫外線ランプの照射幅を大きくする必要が無く、紫外線照射分布を均一化することができ、電源装置を大型化する必要もなく、省電力化が可能である。さらに、複数の紫外線ランプをワーク搬送方向に対して所定角度で傾斜して配置した場合は、平行に配置した場合に比べてより一層紫外線の照射分布を均一化することができる。その上、ユニット化していることから、一部の紫外線ランプを故障等により取り換える必要がある場合には、その故障した紫外線ランプを含むユニットのみを装置から取り外し、装置から取り外した後のユニットから故障した紫外線ランプを交換すればよいので、作業性を向上させることができる。加えて、ユニット化していることにより、ユニットの数、種類又は大きさを変更することで、ワークの幅寸法への柔軟かつ素早い対応が可能となる。
【0011】
ここで、装置構成を簡単化するためには、各紫外線ランプの長手方向がワーク搬送方向と平行であり、複数の紫外線ランプをワーク搬送方向と直交する方向に並列配置されることが最も好ましい。また、ワーク搬送方向に対して所定角度で傾斜して配置する場合には、0度〜45度の角度で傾斜して配置することが望ましい。
【0012】
前記紫外線照射ユニットを複数有する紫外線照射装置が望ましい。これならば、紫外線照射ユニットのユニット数、種類又は大きさを変更することで、ワークの幅寸法への柔軟かつ素早い対応が可能となる。
【0013】
前記紫外線照射ユニットが、前記複数の紫外線ランプに給電する給電部材によりユニット化されているものが望ましい。これならば、給電部材とは別にユニット化するための部材を使わなくてもよいので、部品点数を可及的に減少させることができる。
【0014】
紫外線ランプの撓みを可及的に小さくし、ユニットの機械的強度を大きくするとともに、ユニットの取り扱いを容易にするためには、前記給電部材が、前記複数の紫外線ランプの一端及び他端それぞれを支持してユニット化するものであることが望ましい。
【0015】
前記紫外線ランプが、直管状の放電管と、当該放電管の外面にその長手方向に沿って対向して設けられた一対の外部電極とを有し、前記給電部材が、前記紫外線ランプの一端が挿入される給電ソケットが固定されて当該給電ソケットに高電圧を印加するための第1の給電部材と、前記紫外線ランプの他端が挿入される給電ソケットが固定されて当該給電ソケットをアース側に接続するための第2の給電部材とを有することが望ましい。このように給電部材を高電圧印加用の第1の給電部材とアース接続用の第2の給電部材に分けることで、外部配線をより簡略化することができる。
【0016】
前記第1の給電部材及び前記第2の給電部材の各自由端部は離間しており、絶縁部材を介して互いに接続されているものが望ましい。これならば、高電圧印加用の第1の給電部材とアース接続用の第2の給電部材との絶縁を確実なものとすることができる。
【0017】
前記第1の給電部材及び前記第2の給電部材が、平面視において概略コの字状をなすものが望ましい。これならば、ユニットの機械的強度を大きくするとともに、ユニットの取扱いを容易にすることができる。
【0018】
前記給電部材が、平面視概略矩形枠状をなすものであることが望ましい。これならば、ユニットの機械的強度を大きくするとともに、ユニットの取扱いを容易にすることができる。
【0019】
前記紫外線ランプが、直管状の放電管と当該放電管の外面に設けられた一対の電極とを有し、少なくとも互いに隣接する2つの紫外線ランプが、前記一対の電極のうち少なくとも一方の電極を共有していることが望ましい。このように一方の電極を共有させることによって、隣接する紫外線ランプの距離を可及的に小さくすることができ、紫外線の照射分布をより均一化させることができる。
【0020】
前記紫外線ランプは、誘電体放電ランプが適している。
【発明の効果】
【0021】
このように構成した本発明によれば、ワークの幅寸法に合わせて放電管長を調節する必要が無く、省電力化が可能であり、放電管の本数によりワークの幅寸法に対応可能であり、一部の放電管の交換作業を簡単化できるとともに、外部配線を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態の紫外線照射装置を示す平面図。
【図2】同実施形態の紫外線照射ユニットを示す平面図及び正面図。
【図3】同実施形態の隣接する誘電体バリア放電ランプユニットの断面図。
【図4】同実施形態のランプ装着時の挿入方向から見た給電ソケットを示す図。
【図5】同実施形態のランプ装着時の給電ソケットを前後方向に沿って切断した断面図。
【図6】変形実施形態の紫外線照射装置を示す平面図。
【図7】変形実施形態の紫外線照射装置を示す平面図。
【図8】変形実施形態の紫外線ランプの構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る紫外線照射装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0024】
本実施形態に係る紫外線照射装置100は、半導体基板又はガラス基板等の被処理物W(以下、ワークWという。)に紫外線を照射することにより当該ワークWの表面に付着した有機物を分解してこれを除去することで、ワークWを洗浄するものである。この紫外線照射装置100は、図1に示すように、前記ワークWを所定方向に搬送する搬送機構200を有しており、当該搬送機構200により搬送されるワークWに対して紫外線を照射するものである。
【0025】
そしてこの紫外線照射装置100は、図1に示すように、直管状の紫外線ランプ5を複数本有するものであり、各紫外線ランプ5の長手方向がワーク搬送方向と平行に配置されるとともに、複数の紫外線ランプ5を給電部材3によりユニット化して、当該給電部材3により複数の紫外線ランプ5に給電するものである。
【0026】
具体的にこの紫外線照射装置100は、複数本(例えば10本)の紫外線ランプ5を、それらが等間隔となるように給電部材3によりユニット化した紫外線照射ユニット10を複数個有する(図1参照)。これら複数の紫外線照射ユニット10は、各紫外線ユニット10を構成する紫外線ランプ5の長手方向が互いに平行となるように、ワーク搬送方向と直交する幅方向に隣接して設けられている。
【0027】
各紫外線照射ユニット10は、図2に示すように、複数の紫外線ランプユニット2と、この複数の紫外線ランプユニット2をユニット化して給電を行う給電部材3とを備えている。この紫外線照射ユニット10は、例えば、各紫外線ランプ5の放電管直径が20mmの場合に、隣接する紫外線ランプ5のピッチが45mm以下となるように複数の紫外線ランプ5を支持している。これにより各紫外線ランプ5から射出される紫外線の照射分布が重なり合うことでワーク表面上での紫外線の照射分布が平均化されて、紫外線照射ユニット10から射出される紫外線の照射分布が均一化される。
【0028】
なお、給電部材3は、複数の紫外線ランプユニット2をワーク搬送方向に直交する幅方向に並列して一体化するものであり、平面視において概略コの字状をなす第1の給電部材3A及び第2の給電部材3Bとを有する。これら第1の給電部材3A及び第2の給電部材3Bは、アルミ合金、ステンレス等の導電性材料から形成されており、各自由端部が絶縁部材4を介して互いに接続されることにより平面視概略矩形枠状となる。
【0029】
第1の給電部材3Aは、交流電圧を印加する電源装置の高電圧端子側に電気的に接続されるとともに、紫外線ランプユニット2の一方の給電ソケット6Aがねじ固定により電気的に接続される。一方、第2の給電部材3Bは、電源装置のアース端子側に電気的に接続されるとともに、紫外線ランプユニット2の他方の給電ソケット6Bがねじ固定により電気的に接続される。このように第1の給電部材3A及び第2の給電部材3Bにより、複数の紫外線ランプ5の一端及び他端それぞれを支持してユニット化する構成として、紫外線ランプ5の撓みを可及的に小さくし、紫外線照射ユニット10の機械的強度を大きくするとともに、紫外線照射ユニット10の取り扱いを容易にしている。
【0030】
紫外線ランプユニット2は、図3及び図4に示すように、直管状の放電管51及びこの放電管51の長手方向に沿って対向して設けられた一対の外部電極52A、52Bを有する紫外線ランプである誘電体バリア放電ランプ5と、誘電体バリア放電ランプ5の両端部が挿入される一対の給電ソケット6A、6Bとを有する。
【0031】
放電管51は、合成石英ガラス製の円筒の両端を閉じた断面円形状の丸管である。また、放電管51の内部に形成された放電空間には誘電体バリア放電用ガスが充填されている。なお、誘電体バリア放電用ガスとしては、キセノン(Xe)、アルゴン(Ar)又はクリプトン(Kr)等の希ガス、或いは、フッ素(F)又は塩素(Cl)等のハロゲンガス等を用いることができる。誘電体バリア放電ランプ5は、ガスの種類に応じて異なる波長(172nm、222nm、308nm等)のエキシマ光を発光する。例えば有機化合物を分解するためには、放電用ガスとしてキセノン(Xe)を用いて、172nmを中心波長とするエキシマ光を発光する誘電体バリア放電ランプ5とする。
【0032】
一対の外部電極52A、52Bは、放電管21と略同等の長さを有する膜状をなすものであり、放電管21を前後方向から挟んだ位置に設けられている。この外部電極52A、52Bは、アルミニウム、アルミ合金、ステンレス等の導電性材料から形成されており、例えばメッキ、溶射、蒸着又はスパッタにより放電管の側周面上に形成した薄膜電極である。なお、放電管51の側周壁において一対の外部電極52A、52Bの間からエキシマ光が射出される。
【0033】
そして、図3に示すように、一対の外部電極52A、52Bのうち一方の外部電極52Aが、誘電体バリア放電ランプ5の一端部に装着される給電ソケット6Aにより、電源装置の高電圧端子側に電気的に接続されて高電圧印加側電極となり、一対の外部電極52A、52Bのうち他方の外部電極52Bが、誘電体バリア放電ランプ5の他端部に装着される給電ソケット6Bにより電源装置のアース端子側に電気的に接続されてアース側電極となる。なお、隣接する誘電体バリア放電ランプ間の放電を防止するため、隣接する誘電体バリア放電ランプ5の高電圧印加側電極52A同士又はアース側電極52B同士を向かい合うように配置している。
【0034】
一対の給電ソケット6A、6Bは、誘電体バリア放電ランプ5を保持するものであり、図3〜図5に示すように、誘電体バリア放電ランプ5の端部が挿入されるソケット部61と、このソケット部61内に設けられて、一対の外部電極52A、52Bに接触する一対の接触端子62A、62Bを有する。
【0035】
ソケット部61は、例えばセラミックス等の絶縁性材料から形成された概略直方体形状をなすものであり、誘電体バリア放電ランプ5に対向する前面に誘電体バリア放電ランプ5の端部を収容するランプ収容部611を有する。このランプ収容部611は、誘電体バリア放電ランプ5の外形形状に対応した断面略円形状をなす凹部である。そして、このランプ収容部611の内側周面において前記一対の接触端子62A、62Bそれぞれを固定するための2つの端子固定部612が、互いに対向して形成されている。この端子固定部612は、ランプ収容部611の内側周面を正面視において概略コの字状に切り欠くことにより形成された凹部である。
【0036】
一対の接触端子62A、62Bは、ソケット部61に挿入された誘電体バリア放電ランプ5の端部にある一対の外部電極52A、52Bに接触して給電するものである。各接触端子62A、62Bは、同一形状をなすものであり、例えばステンレス等の弾性を有する導電性薄板を略U字形状に折り曲げることにより形成されている。また、各接触端子62A、62Bは、前記2つの端子固定部612に固定されて一対の外部電極52A、52Bに対応するように対向配置される。各接触端子62A、62Bは、スプリングワッシャ7を介してねじ8によりソケット部61に固定される。
【0037】
なお、ねじ8は、図5に示すように、一方の接触端子62Aを固定するものと、他方の接触端子62Bを固定するものとで異なっている。例えば、接触端子62A、62Bが給電ソケット6Aのものの場合には、一方の接触端子62Aが高電圧印加側であり、当該接触端子62Aは、給電部材3Aにねじ固定するための雌ねじ孔が形成されたねじ8Aによって固定される。他方の接触端子62Bはアース側であり、当該接触端子62Bは給電部材3Bに電気的に接続されないので通常のねじ8Bによって固定される。
【0038】
このように構成した紫外線照射装置100では、搬送機構200により搬送するワークWの幅方向寸法に合わせて誘電体バリア放電ランプ5の本数を決める。本実施形態では、紫外線照射ユニット10の誘電体バリア放電ランプ5の本数が決まっているため、ワークWの幅方向寸法に合わせて紫外線照射ユニット10のユニット数を決める。また、紫外線照射ユニット10へ電力を供給する電源装置(不図示)は、紫外線照射ユニット10毎に設けても良いし、複数の紫外線照射ユニット10に1つの電源装置から電力を供給するようにしても良い。また、1つの紫外線照射ユニット10に対して複数の電源装置を設けても良い。
【0039】
このように構成した本実施形態に係る紫外線照射装置100によれば、複数の誘電体バリア放電ランプ5をワーク搬送方向に対して平行に配置しているので、ワークWの幅寸法が大型化しても誘電体バリア放電ランプ5の放電管長を長くすることなく、誘電体バリア放電ランプ5の本数で対応することができる。したがって誘電体バリア放電ランプ5の放電管51の撓みに起因する種々の問題点を解決することができる。また、複数の誘電体バリア放電ランプ5を並列配置しているので、各誘電体バリア放電ランプ5の照射幅を大きくする必要が無く、電源装置を大型化する必要もなく、省電力化が可能である。さらに、給電部材3A、3Bにより複数の誘電体バリア放電ランプ5をユニット化し、当該給電部材3A、3Bにより複数の誘電体バリア放電ランプ5に給電を行っているので、給電部材3A、3Bを給電ハブとして機能させることができ、外部配線を簡略化することができる。その上、ユニット化していることから、一部の誘電体バリア放電ランプ5を故障等により取り換える必要がある場合には、その故障した誘電体バリア放電ランプ5を含む紫外線照射ユニット10のみを紫外線照射装置100から取り外し、取り外した後の紫外線照射ユニット10から故障した誘電体バリア放電ランプ5を交換すればよいので、作業性を向上させることができる。加えて、ユニット化していることにより、ユニット10の数、種類又は大きさを変更することで、ワークWの幅寸法への柔軟かつ素早い対応が可能となる。
【0040】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0041】
例えば、前記実施形態では、紫外線ランプの長手方向をワーク搬送方向と平行となるように配置しているが、その他、図6に示すように、ワーク搬送方向に対して鋭角をなす角度で傾斜して配置しても良い。これならば、複数の誘電体バリア放電ランプ5から照射される紫外線の照射分布をより一層均一化することができる。
【0042】
また、前記実施形態のように1列構成とする他、紫外線照射ユニット10をワーク搬送方向に沿って複数列構成としても良い。このように、紫外線照射ユニット10を複数列構成とするのみで、ワークWに照射する紫外線の積算強度を簡単に増やすことができる。複数列構成とする場合には、図7に示すように、前列と後列とで紫外線ランプの位置をずらして配置することが照射分布を均一化する観点から好ましい。具体的には、前列の紫外線ランプの間に後列の紫外線ランプが位置するようにずらすことが考えられる。つまり前列の紫外線ランプと後列の紫外線ランプのずれ幅は、紫外線ランプのピッチ幅の半分である。
【0043】
さらに、図8(A)及び(B)に示すように、紫外線照射ユニット10内において、少なくとも互いに隣接する2つの誘電体バリア放電ランプ5を、一対の電極52A、52Bのうち少なくとも一方の電極を共有するように構成しても良い。なお、図8(A)は、互いに隣接する放電管51の外部電極52A、52Bを共有する構成であり、図8(B)は、複数の放電管51を一対の平板状をなす外部電極52A、52Bで挟むように設けることで共有する構成である。図8(B)において放電管51の下側に位置する外部電極52Aは、紫外線をワークに照射できるようにするため、メッシュ状をなすものである。このように隣接する誘電体バリア放電ランプ5で外部電極52A、52Bを共有とすることで、隣接する放電管51の間隔を小さくすることができ、照射分布をより一層均一化させることができる。
【0044】
紫外線ランプは誘電体バリア放電ランプの他、波長185nm、254nm等の低圧水銀ランプであっても良い。また、ランプ形状は、断面円形状の丸管の他、断面矩形状をなす角管であっても良いし、二重管構造ものであっても良い。
【0045】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0046】
100・・・紫外線照射装置
W ・・・ワーク
10 ・・・紫外線照射ユニット
3A ・・・第1の給電部材
3B ・・・第2の給電部材
4 ・・・絶縁部材
5 ・・・誘電体バリア放電ランプ(紫外線ランプ)
51 ・・・放電管
52A・・・外部電極
52B・・・外部電極
6A ・・・給電ソケット
6B ・・・給電ソケット
61 ・・・ソケット部
62A・・・接触端子
62B・・・接触端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管状の紫外線ランプを複数有する紫外線照射装置であって、
各紫外線ランプの長手方向がワーク搬送方向と平行に配置され又はワーク搬送方向に対して所定角度で傾斜して配置されており、
複数の紫外線ランプがユニット化された紫外線照射ユニットを有する紫外線照射装置。
【請求項2】
前記紫外線照射ユニットを複数有する請求項1記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記紫外線照射ユニットが、前記複数の紫外線ランプに給電する給電部材によりユニット化されている請求項1又は2記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記給電部材が、前記複数の紫外線ランプの一端及び他端それぞれを支持してユニット化するものである請求項3記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
前記紫外線ランプが、直管状の放電管と、当該放電管の外面にその長手方向に沿って対向して設けられた一対の外部電極とを有し、
前記給電部材が、前記紫外線ランプの一端が挿入される給電ソケットが固定されて当該給電ソケットに高電圧を印加するための第1の給電部材と、前記紫外線ランプの他端が挿入される給電ソケットが固定されて当該給電ソケットをアース側に接続するための第2の給電部材とを有する請求項3又は4記載の紫外線照射装置。
【請求項6】
前記第1の給電部材及び前記第2の給電部材の各自由端部が離間しており、それら給電部材の各自由端部が絶縁部材を介して互いに接続されている請求項5記載の紫外線照射装置。
【請求項7】
前記第1の給電部材及び前記第2の給電部材が、平面視において概略コの字状をなすものである請求項5又は6記載の紫外線照射装置。
【請求項8】
前記紫外線照射ユニットが、平面視概略矩形枠状をなすものである請求項1乃至7の何れかに記載の紫外線照射装置。
【請求項9】
前記紫外線ランプが、直管状の放電管と当該放電管の外面に設けられた一対の電極とを有し、
少なくとも互いに隣接する2つの紫外線ランプが、前記一対の電極のうち少なくとも一方の電極を共有している請求項1乃至8の何れかに記載の紫外線照射装置。
【請求項10】
前記紫外線ランプが、誘電体バリア放電ランプである請求項1乃至9記載の紫外線照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−34989(P2013−34989A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−157993(P2012−157993)
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【出願人】(507151526)株式会社GSユアサ (375)
【Fターム(参考)】