細胞の産生に対する新規方法および試薬
本発明は、幹細胞を、幹細胞の末端グリカン構造を認識する結合剤と接触させることにより、幹細胞を調節し、および増殖させるための方法および材料を提供する。調節は形態学的変化、分化状態の変化、生物学的状態または接着であってよい。本発明において提供される材料はこのような結合物質および結合剤をスクリーニングするためにも有用である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
非造血幹細胞の調節または培養のための方法であって:(i)少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を提供すること;ならびに(ii)前記の少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を、非還元末端の末端および還元末端の末端グリカン構造から選択される末端グリカン構造を結合する1または複数種の結合剤と接触させること;を含む方法。
【請求項2】
さらに(iii)前記細胞を、所望の刺激、状態変化または増殖を達成するに十分な期間インキュベートすること、またはiii)幹細胞の増殖が実質的に分化を伴わずに起こる場合に幹細胞を培養すること、を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記結合剤がタンパク質またはポリペプチド結合剤であり、末端単糖エピトープGalβ、GalNAcβ、GlcNAcβ、ManαまたはFucαまたはシアル酸α、好ましくはNeu5AcαまたはNeu5Gcαの群から選択される1または複数種の末端グリカン構造を認識する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記の1または複数種の結合剤が1または数種の末端β−結合Hex(NAc)nを認識し、式中、nは0または1であり、HexはGalまたはGlcであり、ただしHexがGlcである場合、nは1であり:末端Galβ、GalNAcβ、またはGlcNAcβを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記の1または複数種の結合剤が1または数種の末端非還元末端α−結合ピラノシド残基Manα Fucα、またはシアル酸α、好ましくはNeu5AcまたはNeu5Gcを認識する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記の1または複数種の結合剤が幹細胞または幹細胞群上の末端グリカン構造を認識する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記の1または複数種の結合剤が表面に付着する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
幹細胞がヒト胚幹細胞であり、本質的にフィーダー細胞を含まず、または幹細胞はヒト間葉系幹細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
ヒト胚幹細胞が、好ましくはECA、ガレクチン、DSAおよびUEA−1の群から選択される、(Fucα2)nGalβ4GlcNAc[式中、nは0または1である]を認識するレクチンとの接触の下で培養される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記細胞が未分化状態で20回の継代の間維持される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
幹細胞がヒト間葉系幹細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項12】
幹細胞の状態の変化の調節が、接着、形態、増殖速度または分化を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項13】
前記結合剤が、抗体、レクチン、グリコシダーゼ、糖転移酵素およびそれらの断片からなる群より選択されるポリペプチドである、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記結合剤がレクチン、好ましくは植物レクチンである、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記グリカン構造が式CC0
[SA]pHex(NAc)nβ4[FucαX]mGlcNAcβR
[式中、n、m、およびpは独立に0または1であり
Xは3または6のいずれかの結合位置であり、
HexはGalまたはGlcであり
SAは伸長する単一またはオリゴ糖構造、
好ましくはシアル酸であり、これは好ましくはSAα3、もしくはSAα6であって、好ましいシアル酸型はNeu5AcまたはNeu5Gcであり、または、N−グリカンコア構造Manα3[Manα6]Manβ4であって、ここでManα残基はさらに1つまたはいくつかのGlcNAcβ2またはLacNAcβ2等の複合型末端構造により伸長されていてよく、Rは任意の伸長単糖残基構造であって、好ましくはN−アセチルラクトサミンの/ラクトシル−セラミド等の糖脂質の/O−グリカンの/3/6Gal(NAc)、またはN−グリカンの2Man、または、Hex(NAc)がGlcNAcである場合の潜在的な結合コアタンパク質/ペプチドを表すAsn−(ペプチド)0または1であり、ただしmが1であり、Xが6である場合、nは1であり、およびHexはGlcであり、およびSAはN−グリカンコア構造Manα3[Manα6]Manβまたはその伸長バリアントであり、nが1であり、HexがGalである場合、pは0である]
によるものである、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記末端構造がGalβ4GlcNAc、GalNAcβ4GlcNAc、Neu5Acα3Galβ4GlcNAc、Neu5Acα6Galβ4GlcNAc、Fucα2Galβ4GlcNAc、Galβ4(Fucα3)GlcNAc、およびGlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcからなる群より選択される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記結合剤がECA、PWA、WFA、MAA、SNA、UEA、LTAおよびPSAからなる植物レクチン群から選択される、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記幹細胞がヒト間葉系幹細胞である、請求項15〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記間葉系幹細胞が本質的に未分化の形態で維持される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記結合剤が短縮された末端エピトープGlcNAcβまたはManα、好ましくはGSAIIまたはNPAを認識する植物レクチン群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記グリカン構造が式CC1:
[SA]pHex(NAc)nβ4[Fucα6]mGlcNAcβR
[式中、n、m、およびpは独立に0または1であり、HexはGalまたはGlcであり、
SAは伸長する単−またはオリゴ糖構造、
好ましくはシアル酸であり、これは好ましくはSAα3であって、好ましいシアル酸型はNeu5AcまたはNeu5GcまたはN−グリカンコア構造Manα3[Manα6]Manβ4であって、ここで前記Manα残基はさらに1つまたはいくつかのGlcNAcβ2またはLacNAcβ2等の複合型末端構造により伸長されていてよく、Rは任意の伸長単糖残基構造であって、好ましくはN−アセチルラクトサミンの/ラクトシル−セラミド等の糖脂質の/O−グリカンの/3/6Gal(NAc)、または、N−グリカンの2Man、またはHex(NAc)がGlcNAcである場合の潜在的な結合コアタンパク質/ペプチドを表すAsn−(ペプチド)0または1であり、
ただし、mが1である場合、nは1であり、およびHexはGlcであり、およびSAはN−グリカンコア構造Manα3[Manα6]Manβまたはその伸長バリアントであり、
nが1であり、HexがGalである場合、pは0である]
によるものである、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記構造がGalβ4GlcNAc、Neu5Acα3Galβ4GlcNAc、GalNAcβ4GlcNAc、およびGlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcからなる群より選択される、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記結合剤がECA、PSA、PWA、MAA、およびWFAからなる植物レクチン群より選択される、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記グリカン構造が式CC2:
[SA]pGal(NAc)nβ4GlcNAcβR、
[式中、残っており
pおよびnは独立に0または1であり
SAはシアル酸SAα3であり、好ましいシアル酸型はNeu5AcまたはNeu5Gc、より好ましくはNeu5Acであり、nが1であり、HexがGalである場合、pは0である]
によるものである、請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記構造がGalβ4GlcNAc、Neu5Acα3Galβ4GlcNAc、およびGalNAcβ4GlcNAcからなる群より選択される、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記グリカン構造が式CC3
Manα3[Manα6]Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβR
[式中、Manα残基はさらに1つまたはいくつかのGlcNAcβ2、またはLacNAcβ2、またはLacNAcの末端シアル化バリアント、好ましくはGalβ4GlcNAc、等の複合型末端構造により伸長されてよく、Rは任意にAsn−(ペプチド)0または1であり、潜在的な結合コアタンパク質/ペプチドを示す]
によるものである、請求項1記載の方法。
【請求項27】
前記構造が、
GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAc、GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβ
GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβAsn、Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAc、Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβR、
Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβAsn、
Manα3[Manα6]Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβ、
Manα3[GlcNAcβ2Manα6]Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβ、
GlcNAcβ2Manα3[Manα6]Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβ、および
GlcNAcβ2Manα3[GlcNAcβ2Manα6]Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβ
からなる群より選択される、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記結合物質がレクチンGS IIまたはLTAと同一のエピトープに結合する、請求項1記載の方法。
【請求項29】
前記レクチンがECA、PSA、PWA、MAA、WFA、GS IIおよびLTAからなる群より選択される、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記の少なくとも1個の幹細胞が:身体の全ての組織型の細胞へと分化することができる、全能性;身体の多数の細胞へと分化することができるが全てではない、多能性;の群より選択される特徴を有するか、またはそれは限られた組織型へと分化することができる前駆細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項31】
前記幹細胞が;全能性幹細胞は胚幹細胞、非胚幹細胞(extraembryonic stem cell)、クローン化された幹細胞、および単為生殖由来細胞からなる群より選択される;多能性幹細胞は造血幹細胞、脂肪幹細胞、間葉系幹細胞、臍帯血幹細胞、および胎盤幹細胞からなる群より選択される;前駆幹細胞は神経、肝臓、腎形成、脂質生成、骨芽、破骨、肺胞、心臓、腸、および内皮前駆細胞からなる群より選択される;群より選択される、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記胚幹細胞が、ステージ特異的胚抗原(SSEA)3、SSEA4、Tra−1−60およびTra−1−81、Oct−3/4、Cripto、ガストリン放出ペプチド(GRP)受容体、ポドカリキシン様タンパク質(PODXL)、ならびにヒトテロメラーゼ逆転写酵素からなる群より選択される少なくとも1種のマーカーを発現する、請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記細胞が請求項9または10に従って増殖させられる、請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記間葉系幹細胞がSTRO−1、CD105、CD54、CD106、HLA−Iマーカー、ビメンチン、ASMA、コラーゲン−1、およびフィブロネクチンからなるがHLA−DR、CD117、および造血細胞ではないマーカーの群より選択される少なくとも1種のマーカーを発現するか、またはRUNX orの少ない発現量を有する、請求項30記載の方法。
【請求項35】
前記細胞が請求項18または19に従って増殖させられる、請求項34記載の方法。
【請求項36】
さらに細胞培養培地、少なくとも1種の増殖因子を添加した細胞培養培地、または馴化培地を含む、請求項1記載の方法。
【請求項37】
前記の少なくとも1種の増殖因子が、WNTシグナル伝達アゴニスト、TGF−b、bFGF、IL−6、SCF、BMP−2、トロンボポエチン、EPO、IGF−1、IL−11、IL−5、Flt−3/Flk−2リガンド、フィブロネクチン、LIF、HGF、NFG、アンギオポイエチン様2および3、G−CSF、GM−CSF、Tpo、Shh、Wnt−3a、Kirre、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記馴化培地が、マウスフィーダー細胞馴化培地およびヒトフィーダー細胞馴化培地からなる群より選択される、請求項36記載の方法。
【請求項39】
前記培地が、Roswell Park Memorial Institute (RPMI−1640)、ダルベッコ修飾必須培地(DMEM)、イーグル修飾必須培地(EMEM)、Optimem、およびIscove培地からなる群より選択される、請求項36記載の方法。
【請求項40】
前記表面が、プレート、ディッシュ、バッグ、ロッド、ペレット、ファイバー、粒子およびメッシュからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項41】
前記粒子が、ビーズ、ミクロスフィア、ナノ粒子、およびコロイド粒子からなる群より選択される、請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記表面が、ガラス、シリカ、シリコン、コラーゲン、ヒドロキシアパタイト、ヒドロゲル、PTFE、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、デキストラン、およびポリアクリルアミドからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項43】
前記表面が生体適合性、天然、合成であるか、またはポリマーを含む、請求項1記載の方法。
【請求項44】
前記ポリマーが、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアンヒドリド(polyanhydrides)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリ酢酸ビニル、ブロック共重合体、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリウレタンからなる群より選択される、請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記生体適合性表面が、コラーゲン、金属、ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、アルミン酸塩、バイオセラミック材料、ヒアルロン酸ポリマー、アルギン酸塩、アクリル酸エステルポリマー、乳酸ポリマー、グリコール酸ポリマー、乳酸/グリコール酸ポリマー、精製タンパク質、精製ペプチド、および細胞外マトリクス組成物からなる群より選択される、請求項43記載の方法。
【請求項46】
前記結合剤が前記表面に共有結合的に、非共有結合的に、静電的に、または疎水的に付着する、請求項1記載の方法。
【請求項47】
少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団が、培養において、20、40、または100回の継代後に実質的に未分化のままである、請求項2記載の方法。
【請求項48】
結合剤と接触させられる前記の少なくとも1個の幹細胞が、薬剤を用いて分化するように誘導される、請求項47記載の方法。
【請求項49】
少なくとも1個の幹細胞の拡張を誘導することができる前記薬剤が、TPO、SCF、IL−1、IL−3、IL−7、flt−3L、G−CSF、GM−CSF、Epo、FGF−1、FGF−2、FGF−4、FGF−20、VEGF、アクチビン−A、IGF、EGF、NGF、LIF、PDGF、および骨形成タンパク質ファミリーのメンバーからなる群より選択される、請求項48記載の方法。
【請求項50】
多分化能または多能性ヒト胚幹細胞の精製された調製物であって、前記細胞が:(i)内胚葉、中胚葉、および外胚葉組織の派生物に分化する能力、(ii)正常な核型、(iii)少なくとも約10回の継代の間、in vitro培養において増殖する能力を有し、ならびに(iv)請求項1記載の方法から得られる、調製物。
【請求項51】
前記細胞が、結合剤と接触した際、本質的に分化を阻害される、請求項50記載の調製物。
【請求項52】
前記結合剤が、抗体、抗体断片、レクチン、およびグリコシダーゼからなる群より選択される、請求項50記載の調製物。
【請求項53】
前記結合剤がレクチンである、請求項22記載の調製物。
【請求項54】
前記レクチンがECA、PSA、PWA、MAA、WFA、GS IIおよびLTAからなる群より選択される、請求項53記載の調製物。
【請求項55】
前記調製物が、培養において、20、40、または100回の継代後に実質的に未分化のままである、請求項50記載の調製物。
【請求項56】
前記調製物が動物で生成された抗体または血清に曝露されていない、請求項50記載の調製物。
【請求項57】
前記細胞がSSEA−3およびSSEA−4マーカーに対して陽性である、請求項50記載の調製物。
【請求項58】
前記細胞がTRA−1−60およびTRA−1−81マーカーに対して陽性である、請求項50記載の調製物。
【請求項59】
前記細胞が、懸濁培養にかけられたか、または免疫無防備状態の動物に移植された際に、胚様体を形成することができる、請求項50記載の調製物。
【請求項60】
請求項1に従って得ることができる、幹細胞の集団または少なくとも1個の幹細胞。
【請求項61】
前記細胞または細胞群が幹細胞マーカーを少なくとも20回の継代の間維持する、請求項50記載の幹細胞の集団または少なくとも1個の幹細胞。
【請求項62】
式T1
[式中、Xは結合位置であり R1、R2、およびR6はOHもしくはグリコシド結合した単糖残基シアル酸、好ましくはNeu5Acα2もしくはNeu5Gc α2、最も好ましくはNeu5Acα2であり、またはR3、はOHまたはグリコシド結合した単糖残基Fucα1(L−フコース)またはN−アセチル(N−アセトアミド、NCOCH3)であり;R4、はH、OHまたはグリコシド結合した単糖残基Fucα1(L−フコース)であり、R4がHである場合、R5はOHであり、R4がHではない場合、R5はHであり;R7はN−アセチルまたはOHであり、Xは前記細胞からの天然オリゴ糖主鎖構造、好ましくはN−グリカン、O−グリカンもしくは糖脂質構造であり;またはnが0である場合、Xは無であり、Yはリンカー基、好ましくはO−グリカンおよびO−結合末端オリゴ糖および糖脂質のための酸素、ならびにN−グリカンのためのN、またはnが0である場合、無であり;Zは担体構造、好ましくは細胞により産生された天然担体であり、例えばタンパク質または脂質であって、好ましくは担体上のセラミドもしくは分岐グリカンコア構造、またはHであり;アーチはガラクトピラノシルからの結合が左側の残基の3位または4位いずれかに対するものであること、およびR4構造が他の4または3位にあることを表し;nは0または1の整数であり、mは1〜1000、好ましくは1〜100、および最も好ましくは1〜10の整数(担体上のグリカンの数)であり、ただしR2およびR3のうち1つはOHまたはR3はN−アセチルであり、左側の第1の残基が右側の残基の4位に結合する場合、R6はOHであり:XはGalα4Galβ4Glcではなく、(SSEA−3または4のコア構造)またはR3はフコシルである]
の幹細胞上のグリカン構造を認識することができる結合剤の群より選択される結合剤を選択する工程を含む方法。
【請求項63】
前記グリカン構造が式T2
[式中、R1〜R6を含む変数は式T1に対して記載されるものと同様である]
によるものである、請求項62記載の方法。
【請求項64】
前記グリカン構造が式T3
[式中、R1〜R7を含む変数は式T1に対して記載されるものと同様である]
によるものである、請求項62記載の方法。
【請求項65】
前記グリカン構造が式T4:
Galβ1−xHex(NAc)p、 (T4)
[xは結合位置3または4であり、
および、HexはGalまたはGlcであり
ただしpは0または1であり、xが結合位置3である場合、pは1であり、HexNAcはGlcNAcまたはGalNAcであり、および、xが結合位置4である場合、HexはGlcである。コアGalβ1−3/4エピトープは、1または2個の構造SAαまたはFucαにより、任意に水酸基に置換され、ここでSAはシアル酸である]
のグリカン構造である、請求項62記載の方法。
【請求項66】
前記細胞調製物が胚性幹細胞または非造血成体幹細胞調製物である、請求項62記載の方法。
【請求項67】
(i)少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を提供すること;および(ii)前記の少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を、グリカン構造を結合する1または複数種の結合剤と接触させること、を含み、前記結合剤はManα結合レクチンFRIL群レクチンもしくは同様な特異性を有するレクチンまたは造血幹細胞の培養のために用いられる他のレクチンではなく、または前記結合剤は共有結合的に表面に付着する、造血幹細胞の調節または培養のための方法。
【請求項68】
前記結合剤が上記請求項のうちいずれかに記載される特異性を有する、請求項64記載の方法。
【請求項69】
前記調節が前記細胞の分化を伴う、請求項67および68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
前記結合物質がGF287、GF279、GF288、GF284、GF283、GF286、GF290、GF289、GF275、GF276、GF277、GF278、GF297、GF298、GF302、GF303、GF305、GF307、GF353、およびGF354からなる群より選択される抗体と同一のエピトープに結合する、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
前記結合物質がGF287、GF279、GF288、GF284、GF283、GF286、GF290、およびGF289、GF275、GF276、GF277、GF278、GF297、GF298、GF302、GF303、GF305、GF307、GF353、およびGF354からなる群より選択される、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項72】
前記タンパク質が、少なくとも部分的に2つの単糖構造および前記単糖残基間の結合構造を認識する高特異性結合剤である、請求項13記載の方法。
【請求項73】
保存された増殖する能力を有するが、本発明の幹細胞を本発明の結合剤との接触の下で培養することを含む、分化状態における阻害を有し、ここで任意に前記結合剤は表面に付着する、幹細胞。
【請求項74】
前記細胞が全能性幹細胞、多能性幹細胞、および前駆幹細胞からなる群より選択される、請求項73記載の方法。
【請求項75】
最初にある期間結合剤との接触の下で培養され、次いで第2の/異なる結合剤を含んだ第2の培養液中およびサイトカインまたは増殖因子の同一のまたは各種の混合物中で培養される、請求項73記載の細胞。
【請求項76】
任意に少なくとも1種の、幹細胞を支持するまたはその分化を誘導することが知られる、WNTシグナル伝達アゴニスト、TGF−b、bFGF、IL−6、SCF、BMP−2、トロンボポエチン、EPO、IGF−1、IL−11、IL−5、Flt−3/Flk−2リガンド、フィブロネクチン、LIF、HGF、NFG、アンギオポイエチン様2および3、G−CSF、GM−CSF、Tpo、Shh、Wnt−3a、Kirre、およびそれらの混合物からなる群より選択される増殖因子を添加した細胞培養液または増殖培地中で前記細胞が維持される、請求項73記載の細胞。
【請求項77】
IL−3(約20ng/ml)、IL−6(約250ng/ml)、SCF(約10ng/ml)、TPO(約250ng/ml)、flt−3L(約100ng/ml)からなる群より選択される増殖因子を添加した、請求項76記載の培地。
【請求項78】
前記細胞が、GSK−3の阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素活性の阻害剤、およびDNAメチル基転移酵素活性の阻害剤、のうちの1または複数種から選択される薬剤の存在下で維持される、請求項73または76に記載の細胞。
【請求項79】
前記結合剤がレクチン、抗体またはグリコシダーゼである、請求項73〜76のうちいずれか1項に記載の細胞。
【請求項80】
前記表面が、金属、ガラス、プラスチック、共重合体、コロイド、脂質、細胞表面等からなる群より選択される、上記請求項のうちいずれかに記載される方法または細胞。
【請求項81】
前記結合剤がグリカン結合タンパク質の複合体であって、好ましくは前記結合剤タンパク質のグリカンから結合する、好ましくはポリバレントな複合体である、請求項1記載の方法。
【請求項82】
前記結合剤が固定化される、請求項1または81記載の方法。
【請求項83】
固定化が非共有結合的な相互作用または共有結合的な固定化を含む、請求項82記載の方法。
【請求項84】
(i)少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を提供すること;ならびに(ii)前記の少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を、1または複数種の、グリカン構造を結合する結合剤または幹細胞の培養に用いられる他のレクチンと接触させ、または前記結合剤は特異的にもしくは共有結合的に表面に付着し、および任意に、ここで前記結合剤は図のいずれかに記載の結合剤を含むこと;を含む、幹細胞の調節または培養のための結合剤を選択するための方法。
【請求項85】
幹細胞上の前記グリカン構造が請求項または明細書内の上記グリカン構造の式のうちいずれかを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項86】
(i)少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を提供すること;および(ii)前記の少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を、1または複数種の結合剤に接触させること;を含み、ここで、任意に、前記結合剤は上記請求項のうちいずれかに記載のグリカン構造に結合し、およびここで幹細胞の増殖の速度が増加し、前記幹細胞の未分化状態が維持される、結合剤の選択または最適化のための方法。
【請求項87】
(i)少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を提供すること;および(ii)前記の少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を、1または複数種の結合剤に接触させること;を含み、ここで、任意に、前記結合剤は上記請求項のうちいずれかに記載のグリカン構造に結合し、およびここで幹細胞の増殖の速度が減少し、前記幹細胞の未分化状態が維持される、結合剤の選択のための方法。
【請求項88】
(i)少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を提供すること;および(ii)前記の少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を、1または複数種の結合剤に接触させること;を含み、ここで、任意に、前記結合剤は上記請求項のうちいずれかに記載のグリカン構造に結合し、およびここで幹細胞の増殖の速度が減少し、前記幹細胞の未分化状態が維持される、結合剤の選択のための方法。
【請求項89】
(i)少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を提供すること;および(ii)前記の少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を、1または複数種の結合剤に接触させること;を含み、ここで、任意に、前記結合剤は上記請求項のうちいずれかに記載のグリカン構造に結合し、ならびにここで幹細胞の接着状態、形態、増殖速度および/または分化状態が変化する、結合剤の選択のための方法。
【請求項90】
グリカン構造がα3−フコシル化構造を含む、上記請求項のうちいずれかに記載の方法または細胞。
【請求項91】
前記構造がLewis xおよびシアリルLewis xからなる群より選択される、請求項90記載の方法または細胞。
【請求項92】
前記結合剤が、α3−フコシル化構造、α2−フコシル化構造、非フコシル化シアリルラクトサミン、Galβ3GalNAc構造、GalNAcα構造、ポリ−N−アセチルラクトサミン構造、および特異的マンノース構造からなる群より選択される構造を認識する、上記請求項のうちいずれかに記載の方法。
【請求項93】
前記表面が、プレート、ディッシュ、バッグ、ロッド、ペレット、ファイバー、粒子およびメッシュからなる群より選択される、請求項73または80に記載の方法。
【請求項94】
前記粒子が、ビーズ、ミクロスフィア、ナノ粒子、およびコロイド粒子からなる群より選択される、請求項93記載の方法。
【請求項95】
前記表面が、ガラス、シリカ、シリコン、コラーゲン、ヒドロキシアパタイト、ヒドロゲル、PTFE、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、デキストラン、およびポリアクリルアミドからなる群より選択される、請求項93記載の方法。
【請求項96】
前記表面が生体適合性、天然、合成であるか、またはポリマーを含む、請求項93記載の方法。
【請求項97】
前記ポリマーが、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアンヒドリド(polyanhydrides)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリ酢酸ビニル、ブロック共重合体、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリウレタンからなる群より選択される、請求項96記載の方法。
【請求項98】
前記生体適合性表面が、コラーゲン、金属、ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、アルミン酸塩、バイオセラミック材料、ヒアルロン酸ポリマー、アルギン酸塩、アクリル酸エステルポリマー、乳酸ポリマー、グリコール酸ポリマー、乳酸/グリコール酸ポリマー、精製タンパク質、精製ペプチド、および細胞外マトリクス組成物からなる群より選択される、請求項96記載の方法。
【請求項99】
前記結合剤が前記表面に共有結合的に、非共有結合的に、静電的に、疎水的に付着し、または前記結合剤はグリカン結合タンパク質の複合体であって、好ましくは前記結合剤タンパク質のグリカンから結合する、好ましくはポリバレントな複合体である、請求項72〜98のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団が、培養において、20、40、または100回の継代後に実質的に未分化のままである、請求項72〜99のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項101】
結合剤と接触させられる前記の少なくとも1個の幹細胞が、前記結合剤を用いて分化するように誘導される、請求項72〜99のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
前記構造がGalβ4GlcNAc、Fucα2Galβ4GlcNAc、およびGalβ4(Fucα3)GlcNAcからなる群より選択される、請求項1〜101に記載の方法。
【請求項103】
前記結合剤がECA、DPA、ガレクチン−1、およびUEAからなる植物レクチン群から選択される、請求項1〜102のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
前記タンパク質のN グリコシル化部位が変異している、組み替え非グリコシル化(aglycosylated)ECAタンパク質。
【請求項105】
表面に結合した、請求項104記載の組み替え非グリコシル化ECAタンパク質。
【請求項106】
請求項104記載の組み替え非グリコシル化ECAタンパク質またはその機能断片をコードするアミノ酸配列。
【請求項107】
請求項104記載の非グリコシル化ECAタンパク質またはその機能断片をコードする核酸配列。
【請求項108】
請求項107記載の核酸を含む宿主細胞。’
【請求項109】
式CONJ
B−(G−)mR1−R2−(S1−)nT−
[式中、Bは前記結合剤であり、Gはグリカン(前記結合剤がグリカンを結合する場合)であり、
R1およびR2は化学選択的連結基であり、Tはタグ、好ましくはビオチンであり、Lはタグに特異的に結合するリガンドであり;S1は任意のスペーサー基、好ましくは炭素数1〜10のアルキルであり、
mおよびnは独立に0または1のいずれかの整数である]
の結合剤複合体構造。
【請求項110】
前記結合剤が、好ましくは酸化グリカンを介してグリカンと複合化する、請求項109記載の結合剤複合体。
【請求項111】
式COMP
B−(G−)mR1−R2−(S1−)n(T−)p(L−)r−(S2)s−SOL
[式中、Bは結合剤であり、SOLは固相またはマトリクスまたは表面であり、Gはグリカン(前記結合剤がグリカンを結合する場合)であり、R1およびR2は化学選択的連結基であり、Tはタグ、好ましくはビオチンであり、Lはタグに特異的に結合するリガンドであり、S1およびS2は任意のスペーサー基、好ましくは炭素数1〜10のアルキルであり、m、n、p、rおよびsは独立に0または1のいずれかの整数である]
の構造を含む複合体。
【請求項112】
請求項111に記載の複合化結合剤。
【請求項113】
前記結合剤が、好ましくはSOLへの酸化グリカンを介してグリカンと複合化する、請求項111記載の結合剤結合複合体。
【請求項1】
非造血幹細胞の調節または培養のための方法であって:(i)少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を提供すること;ならびに(ii)前記の少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を、非還元末端の末端および還元末端の末端グリカン構造から選択される末端グリカン構造を結合する1または複数種の結合剤と接触させること;を含む方法。
【請求項2】
さらに(iii)前記細胞を、所望の刺激、状態変化または増殖を達成するに十分な期間インキュベートすること、またはiii)幹細胞の増殖が実質的に分化を伴わずに起こる場合に幹細胞を培養すること、を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記結合剤がタンパク質またはポリペプチド結合剤であり、末端単糖エピトープGalβ、GalNAcβ、GlcNAcβ、ManαまたはFucαまたはシアル酸α、好ましくはNeu5AcαまたはNeu5Gcαの群から選択される1または複数種の末端グリカン構造を認識する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記の1または複数種の結合剤が1または数種の末端β−結合Hex(NAc)nを認識し、式中、nは0または1であり、HexはGalまたはGlcであり、ただしHexがGlcである場合、nは1であり:末端Galβ、GalNAcβ、またはGlcNAcβを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記の1または複数種の結合剤が1または数種の末端非還元末端α−結合ピラノシド残基Manα Fucα、またはシアル酸α、好ましくはNeu5AcまたはNeu5Gcを認識する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記の1または複数種の結合剤が幹細胞または幹細胞群上の末端グリカン構造を認識する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記の1または複数種の結合剤が表面に付着する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
幹細胞がヒト胚幹細胞であり、本質的にフィーダー細胞を含まず、または幹細胞はヒト間葉系幹細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
ヒト胚幹細胞が、好ましくはECA、ガレクチン、DSAおよびUEA−1の群から選択される、(Fucα2)nGalβ4GlcNAc[式中、nは0または1である]を認識するレクチンとの接触の下で培養される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記細胞が未分化状態で20回の継代の間維持される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
幹細胞がヒト間葉系幹細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項12】
幹細胞の状態の変化の調節が、接着、形態、増殖速度または分化を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項13】
前記結合剤が、抗体、レクチン、グリコシダーゼ、糖転移酵素およびそれらの断片からなる群より選択されるポリペプチドである、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記結合剤がレクチン、好ましくは植物レクチンである、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記グリカン構造が式CC0
[SA]pHex(NAc)nβ4[FucαX]mGlcNAcβR
[式中、n、m、およびpは独立に0または1であり
Xは3または6のいずれかの結合位置であり、
HexはGalまたはGlcであり
SAは伸長する単一またはオリゴ糖構造、
好ましくはシアル酸であり、これは好ましくはSAα3、もしくはSAα6であって、好ましいシアル酸型はNeu5AcまたはNeu5Gcであり、または、N−グリカンコア構造Manα3[Manα6]Manβ4であって、ここでManα残基はさらに1つまたはいくつかのGlcNAcβ2またはLacNAcβ2等の複合型末端構造により伸長されていてよく、Rは任意の伸長単糖残基構造であって、好ましくはN−アセチルラクトサミンの/ラクトシル−セラミド等の糖脂質の/O−グリカンの/3/6Gal(NAc)、またはN−グリカンの2Man、または、Hex(NAc)がGlcNAcである場合の潜在的な結合コアタンパク質/ペプチドを表すAsn−(ペプチド)0または1であり、ただしmが1であり、Xが6である場合、nは1であり、およびHexはGlcであり、およびSAはN−グリカンコア構造Manα3[Manα6]Manβまたはその伸長バリアントであり、nが1であり、HexがGalである場合、pは0である]
によるものである、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記末端構造がGalβ4GlcNAc、GalNAcβ4GlcNAc、Neu5Acα3Galβ4GlcNAc、Neu5Acα6Galβ4GlcNAc、Fucα2Galβ4GlcNAc、Galβ4(Fucα3)GlcNAc、およびGlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcからなる群より選択される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記結合剤がECA、PWA、WFA、MAA、SNA、UEA、LTAおよびPSAからなる植物レクチン群から選択される、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記幹細胞がヒト間葉系幹細胞である、請求項15〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記間葉系幹細胞が本質的に未分化の形態で維持される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記結合剤が短縮された末端エピトープGlcNAcβまたはManα、好ましくはGSAIIまたはNPAを認識する植物レクチン群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記グリカン構造が式CC1:
[SA]pHex(NAc)nβ4[Fucα6]mGlcNAcβR
[式中、n、m、およびpは独立に0または1であり、HexはGalまたはGlcであり、
SAは伸長する単−またはオリゴ糖構造、
好ましくはシアル酸であり、これは好ましくはSAα3であって、好ましいシアル酸型はNeu5AcまたはNeu5GcまたはN−グリカンコア構造Manα3[Manα6]Manβ4であって、ここで前記Manα残基はさらに1つまたはいくつかのGlcNAcβ2またはLacNAcβ2等の複合型末端構造により伸長されていてよく、Rは任意の伸長単糖残基構造であって、好ましくはN−アセチルラクトサミンの/ラクトシル−セラミド等の糖脂質の/O−グリカンの/3/6Gal(NAc)、または、N−グリカンの2Man、またはHex(NAc)がGlcNAcである場合の潜在的な結合コアタンパク質/ペプチドを表すAsn−(ペプチド)0または1であり、
ただし、mが1である場合、nは1であり、およびHexはGlcであり、およびSAはN−グリカンコア構造Manα3[Manα6]Manβまたはその伸長バリアントであり、
nが1であり、HexがGalである場合、pは0である]
によるものである、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記構造がGalβ4GlcNAc、Neu5Acα3Galβ4GlcNAc、GalNAcβ4GlcNAc、およびGlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcからなる群より選択される、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記結合剤がECA、PSA、PWA、MAA、およびWFAからなる植物レクチン群より選択される、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記グリカン構造が式CC2:
[SA]pGal(NAc)nβ4GlcNAcβR、
[式中、残っており
pおよびnは独立に0または1であり
SAはシアル酸SAα3であり、好ましいシアル酸型はNeu5AcまたはNeu5Gc、より好ましくはNeu5Acであり、nが1であり、HexがGalである場合、pは0である]
によるものである、請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記構造がGalβ4GlcNAc、Neu5Acα3Galβ4GlcNAc、およびGalNAcβ4GlcNAcからなる群より選択される、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記グリカン構造が式CC3
Manα3[Manα6]Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβR
[式中、Manα残基はさらに1つまたはいくつかのGlcNAcβ2、またはLacNAcβ2、またはLacNAcの末端シアル化バリアント、好ましくはGalβ4GlcNAc、等の複合型末端構造により伸長されてよく、Rは任意にAsn−(ペプチド)0または1であり、潜在的な結合コアタンパク質/ペプチドを示す]
によるものである、請求項1記載の方法。
【請求項27】
前記構造が、
GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAc、GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβ
GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβAsn、Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAc、Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβR、
Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβAsn、
Manα3[Manα6]Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβ、
Manα3[GlcNAcβ2Manα6]Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβ、
GlcNAcβ2Manα3[Manα6]Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβ、および
GlcNAcβ2Manα3[GlcNAcβ2Manα6]Manβ4GlcNAcβ4(Fucα6)GlcNAcβ
からなる群より選択される、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記結合物質がレクチンGS IIまたはLTAと同一のエピトープに結合する、請求項1記載の方法。
【請求項29】
前記レクチンがECA、PSA、PWA、MAA、WFA、GS IIおよびLTAからなる群より選択される、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記の少なくとも1個の幹細胞が:身体の全ての組織型の細胞へと分化することができる、全能性;身体の多数の細胞へと分化することができるが全てではない、多能性;の群より選択される特徴を有するか、またはそれは限られた組織型へと分化することができる前駆細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項31】
前記幹細胞が;全能性幹細胞は胚幹細胞、非胚幹細胞(extraembryonic stem cell)、クローン化された幹細胞、および単為生殖由来細胞からなる群より選択される;多能性幹細胞は造血幹細胞、脂肪幹細胞、間葉系幹細胞、臍帯血幹細胞、および胎盤幹細胞からなる群より選択される;前駆幹細胞は神経、肝臓、腎形成、脂質生成、骨芽、破骨、肺胞、心臓、腸、および内皮前駆細胞からなる群より選択される;群より選択される、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記胚幹細胞が、ステージ特異的胚抗原(SSEA)3、SSEA4、Tra−1−60およびTra−1−81、Oct−3/4、Cripto、ガストリン放出ペプチド(GRP)受容体、ポドカリキシン様タンパク質(PODXL)、ならびにヒトテロメラーゼ逆転写酵素からなる群より選択される少なくとも1種のマーカーを発現する、請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記細胞が請求項9または10に従って増殖させられる、請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記間葉系幹細胞がSTRO−1、CD105、CD54、CD106、HLA−Iマーカー、ビメンチン、ASMA、コラーゲン−1、およびフィブロネクチンからなるがHLA−DR、CD117、および造血細胞ではないマーカーの群より選択される少なくとも1種のマーカーを発現するか、またはRUNX orの少ない発現量を有する、請求項30記載の方法。
【請求項35】
前記細胞が請求項18または19に従って増殖させられる、請求項34記載の方法。
【請求項36】
さらに細胞培養培地、少なくとも1種の増殖因子を添加した細胞培養培地、または馴化培地を含む、請求項1記載の方法。
【請求項37】
前記の少なくとも1種の増殖因子が、WNTシグナル伝達アゴニスト、TGF−b、bFGF、IL−6、SCF、BMP−2、トロンボポエチン、EPO、IGF−1、IL−11、IL−5、Flt−3/Flk−2リガンド、フィブロネクチン、LIF、HGF、NFG、アンギオポイエチン様2および3、G−CSF、GM−CSF、Tpo、Shh、Wnt−3a、Kirre、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記馴化培地が、マウスフィーダー細胞馴化培地およびヒトフィーダー細胞馴化培地からなる群より選択される、請求項36記載の方法。
【請求項39】
前記培地が、Roswell Park Memorial Institute (RPMI−1640)、ダルベッコ修飾必須培地(DMEM)、イーグル修飾必須培地(EMEM)、Optimem、およびIscove培地からなる群より選択される、請求項36記載の方法。
【請求項40】
前記表面が、プレート、ディッシュ、バッグ、ロッド、ペレット、ファイバー、粒子およびメッシュからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項41】
前記粒子が、ビーズ、ミクロスフィア、ナノ粒子、およびコロイド粒子からなる群より選択される、請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記表面が、ガラス、シリカ、シリコン、コラーゲン、ヒドロキシアパタイト、ヒドロゲル、PTFE、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、デキストラン、およびポリアクリルアミドからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項43】
前記表面が生体適合性、天然、合成であるか、またはポリマーを含む、請求項1記載の方法。
【請求項44】
前記ポリマーが、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアンヒドリド(polyanhydrides)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリ酢酸ビニル、ブロック共重合体、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリウレタンからなる群より選択される、請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記生体適合性表面が、コラーゲン、金属、ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、アルミン酸塩、バイオセラミック材料、ヒアルロン酸ポリマー、アルギン酸塩、アクリル酸エステルポリマー、乳酸ポリマー、グリコール酸ポリマー、乳酸/グリコール酸ポリマー、精製タンパク質、精製ペプチド、および細胞外マトリクス組成物からなる群より選択される、請求項43記載の方法。
【請求項46】
前記結合剤が前記表面に共有結合的に、非共有結合的に、静電的に、または疎水的に付着する、請求項1記載の方法。
【請求項47】
少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団が、培養において、20、40、または100回の継代後に実質的に未分化のままである、請求項2記載の方法。
【請求項48】
結合剤と接触させられる前記の少なくとも1個の幹細胞が、薬剤を用いて分化するように誘導される、請求項47記載の方法。
【請求項49】
少なくとも1個の幹細胞の拡張を誘導することができる前記薬剤が、TPO、SCF、IL−1、IL−3、IL−7、flt−3L、G−CSF、GM−CSF、Epo、FGF−1、FGF−2、FGF−4、FGF−20、VEGF、アクチビン−A、IGF、EGF、NGF、LIF、PDGF、および骨形成タンパク質ファミリーのメンバーからなる群より選択される、請求項48記載の方法。
【請求項50】
多分化能または多能性ヒト胚幹細胞の精製された調製物であって、前記細胞が:(i)内胚葉、中胚葉、および外胚葉組織の派生物に分化する能力、(ii)正常な核型、(iii)少なくとも約10回の継代の間、in vitro培養において増殖する能力を有し、ならびに(iv)請求項1記載の方法から得られる、調製物。
【請求項51】
前記細胞が、結合剤と接触した際、本質的に分化を阻害される、請求項50記載の調製物。
【請求項52】
前記結合剤が、抗体、抗体断片、レクチン、およびグリコシダーゼからなる群より選択される、請求項50記載の調製物。
【請求項53】
前記結合剤がレクチンである、請求項22記載の調製物。
【請求項54】
前記レクチンがECA、PSA、PWA、MAA、WFA、GS IIおよびLTAからなる群より選択される、請求項53記載の調製物。
【請求項55】
前記調製物が、培養において、20、40、または100回の継代後に実質的に未分化のままである、請求項50記載の調製物。
【請求項56】
前記調製物が動物で生成された抗体または血清に曝露されていない、請求項50記載の調製物。
【請求項57】
前記細胞がSSEA−3およびSSEA−4マーカーに対して陽性である、請求項50記載の調製物。
【請求項58】
前記細胞がTRA−1−60およびTRA−1−81マーカーに対して陽性である、請求項50記載の調製物。
【請求項59】
前記細胞が、懸濁培養にかけられたか、または免疫無防備状態の動物に移植された際に、胚様体を形成することができる、請求項50記載の調製物。
【請求項60】
請求項1に従って得ることができる、幹細胞の集団または少なくとも1個の幹細胞。
【請求項61】
前記細胞または細胞群が幹細胞マーカーを少なくとも20回の継代の間維持する、請求項50記載の幹細胞の集団または少なくとも1個の幹細胞。
【請求項62】
式T1
[式中、Xは結合位置であり R1、R2、およびR6はOHもしくはグリコシド結合した単糖残基シアル酸、好ましくはNeu5Acα2もしくはNeu5Gc α2、最も好ましくはNeu5Acα2であり、またはR3、はOHまたはグリコシド結合した単糖残基Fucα1(L−フコース)またはN−アセチル(N−アセトアミド、NCOCH3)であり;R4、はH、OHまたはグリコシド結合した単糖残基Fucα1(L−フコース)であり、R4がHである場合、R5はOHであり、R4がHではない場合、R5はHであり;R7はN−アセチルまたはOHであり、Xは前記細胞からの天然オリゴ糖主鎖構造、好ましくはN−グリカン、O−グリカンもしくは糖脂質構造であり;またはnが0である場合、Xは無であり、Yはリンカー基、好ましくはO−グリカンおよびO−結合末端オリゴ糖および糖脂質のための酸素、ならびにN−グリカンのためのN、またはnが0である場合、無であり;Zは担体構造、好ましくは細胞により産生された天然担体であり、例えばタンパク質または脂質であって、好ましくは担体上のセラミドもしくは分岐グリカンコア構造、またはHであり;アーチはガラクトピラノシルからの結合が左側の残基の3位または4位いずれかに対するものであること、およびR4構造が他の4または3位にあることを表し;nは0または1の整数であり、mは1〜1000、好ましくは1〜100、および最も好ましくは1〜10の整数(担体上のグリカンの数)であり、ただしR2およびR3のうち1つはOHまたはR3はN−アセチルであり、左側の第1の残基が右側の残基の4位に結合する場合、R6はOHであり:XはGalα4Galβ4Glcではなく、(SSEA−3または4のコア構造)またはR3はフコシルである]
の幹細胞上のグリカン構造を認識することができる結合剤の群より選択される結合剤を選択する工程を含む方法。
【請求項63】
前記グリカン構造が式T2
[式中、R1〜R6を含む変数は式T1に対して記載されるものと同様である]
によるものである、請求項62記載の方法。
【請求項64】
前記グリカン構造が式T3
[式中、R1〜R7を含む変数は式T1に対して記載されるものと同様である]
によるものである、請求項62記載の方法。
【請求項65】
前記グリカン構造が式T4:
Galβ1−xHex(NAc)p、 (T4)
[xは結合位置3または4であり、
および、HexはGalまたはGlcであり
ただしpは0または1であり、xが結合位置3である場合、pは1であり、HexNAcはGlcNAcまたはGalNAcであり、および、xが結合位置4である場合、HexはGlcである。コアGalβ1−3/4エピトープは、1または2個の構造SAαまたはFucαにより、任意に水酸基に置換され、ここでSAはシアル酸である]
のグリカン構造である、請求項62記載の方法。
【請求項66】
前記細胞調製物が胚性幹細胞または非造血成体幹細胞調製物である、請求項62記載の方法。
【請求項67】
(i)少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を提供すること;および(ii)前記の少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を、グリカン構造を結合する1または複数種の結合剤と接触させること、を含み、前記結合剤はManα結合レクチンFRIL群レクチンもしくは同様な特異性を有するレクチンまたは造血幹細胞の培養のために用いられる他のレクチンではなく、または前記結合剤は共有結合的に表面に付着する、造血幹細胞の調節または培養のための方法。
【請求項68】
前記結合剤が上記請求項のうちいずれかに記載される特異性を有する、請求項64記載の方法。
【請求項69】
前記調節が前記細胞の分化を伴う、請求項67および68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
前記結合物質がGF287、GF279、GF288、GF284、GF283、GF286、GF290、GF289、GF275、GF276、GF277、GF278、GF297、GF298、GF302、GF303、GF305、GF307、GF353、およびGF354からなる群より選択される抗体と同一のエピトープに結合する、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
前記結合物質がGF287、GF279、GF288、GF284、GF283、GF286、GF290、およびGF289、GF275、GF276、GF277、GF278、GF297、GF298、GF302、GF303、GF305、GF307、GF353、およびGF354からなる群より選択される、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項72】
前記タンパク質が、少なくとも部分的に2つの単糖構造および前記単糖残基間の結合構造を認識する高特異性結合剤である、請求項13記載の方法。
【請求項73】
保存された増殖する能力を有するが、本発明の幹細胞を本発明の結合剤との接触の下で培養することを含む、分化状態における阻害を有し、ここで任意に前記結合剤は表面に付着する、幹細胞。
【請求項74】
前記細胞が全能性幹細胞、多能性幹細胞、および前駆幹細胞からなる群より選択される、請求項73記載の方法。
【請求項75】
最初にある期間結合剤との接触の下で培養され、次いで第2の/異なる結合剤を含んだ第2の培養液中およびサイトカインまたは増殖因子の同一のまたは各種の混合物中で培養される、請求項73記載の細胞。
【請求項76】
任意に少なくとも1種の、幹細胞を支持するまたはその分化を誘導することが知られる、WNTシグナル伝達アゴニスト、TGF−b、bFGF、IL−6、SCF、BMP−2、トロンボポエチン、EPO、IGF−1、IL−11、IL−5、Flt−3/Flk−2リガンド、フィブロネクチン、LIF、HGF、NFG、アンギオポイエチン様2および3、G−CSF、GM−CSF、Tpo、Shh、Wnt−3a、Kirre、およびそれらの混合物からなる群より選択される増殖因子を添加した細胞培養液または増殖培地中で前記細胞が維持される、請求項73記載の細胞。
【請求項77】
IL−3(約20ng/ml)、IL−6(約250ng/ml)、SCF(約10ng/ml)、TPO(約250ng/ml)、flt−3L(約100ng/ml)からなる群より選択される増殖因子を添加した、請求項76記載の培地。
【請求項78】
前記細胞が、GSK−3の阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素活性の阻害剤、およびDNAメチル基転移酵素活性の阻害剤、のうちの1または複数種から選択される薬剤の存在下で維持される、請求項73または76に記載の細胞。
【請求項79】
前記結合剤がレクチン、抗体またはグリコシダーゼである、請求項73〜76のうちいずれか1項に記載の細胞。
【請求項80】
前記表面が、金属、ガラス、プラスチック、共重合体、コロイド、脂質、細胞表面等からなる群より選択される、上記請求項のうちいずれかに記載される方法または細胞。
【請求項81】
前記結合剤がグリカン結合タンパク質の複合体であって、好ましくは前記結合剤タンパク質のグリカンから結合する、好ましくはポリバレントな複合体である、請求項1記載の方法。
【請求項82】
前記結合剤が固定化される、請求項1または81記載の方法。
【請求項83】
固定化が非共有結合的な相互作用または共有結合的な固定化を含む、請求項82記載の方法。
【請求項84】
(i)少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を提供すること;ならびに(ii)前記の少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を、1または複数種の、グリカン構造を結合する結合剤または幹細胞の培養に用いられる他のレクチンと接触させ、または前記結合剤は特異的にもしくは共有結合的に表面に付着し、および任意に、ここで前記結合剤は図のいずれかに記載の結合剤を含むこと;を含む、幹細胞の調節または培養のための結合剤を選択するための方法。
【請求項85】
幹細胞上の前記グリカン構造が請求項または明細書内の上記グリカン構造の式のうちいずれかを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項86】
(i)少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を提供すること;および(ii)前記の少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を、1または複数種の結合剤に接触させること;を含み、ここで、任意に、前記結合剤は上記請求項のうちいずれかに記載のグリカン構造に結合し、およびここで幹細胞の増殖の速度が増加し、前記幹細胞の未分化状態が維持される、結合剤の選択または最適化のための方法。
【請求項87】
(i)少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を提供すること;および(ii)前記の少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を、1または複数種の結合剤に接触させること;を含み、ここで、任意に、前記結合剤は上記請求項のうちいずれかに記載のグリカン構造に結合し、およびここで幹細胞の増殖の速度が減少し、前記幹細胞の未分化状態が維持される、結合剤の選択のための方法。
【請求項88】
(i)少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を提供すること;および(ii)前記の少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を、1または複数種の結合剤に接触させること;を含み、ここで、任意に、前記結合剤は上記請求項のうちいずれかに記載のグリカン構造に結合し、およびここで幹細胞の増殖の速度が減少し、前記幹細胞の未分化状態が維持される、結合剤の選択のための方法。
【請求項89】
(i)少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を提供すること;および(ii)前記の少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団を、1または複数種の結合剤に接触させること;を含み、ここで、任意に、前記結合剤は上記請求項のうちいずれかに記載のグリカン構造に結合し、ならびにここで幹細胞の接着状態、形態、増殖速度および/または分化状態が変化する、結合剤の選択のための方法。
【請求項90】
グリカン構造がα3−フコシル化構造を含む、上記請求項のうちいずれかに記載の方法または細胞。
【請求項91】
前記構造がLewis xおよびシアリルLewis xからなる群より選択される、請求項90記載の方法または細胞。
【請求項92】
前記結合剤が、α3−フコシル化構造、α2−フコシル化構造、非フコシル化シアリルラクトサミン、Galβ3GalNAc構造、GalNAcα構造、ポリ−N−アセチルラクトサミン構造、および特異的マンノース構造からなる群より選択される構造を認識する、上記請求項のうちいずれかに記載の方法。
【請求項93】
前記表面が、プレート、ディッシュ、バッグ、ロッド、ペレット、ファイバー、粒子およびメッシュからなる群より選択される、請求項73または80に記載の方法。
【請求項94】
前記粒子が、ビーズ、ミクロスフィア、ナノ粒子、およびコロイド粒子からなる群より選択される、請求項93記載の方法。
【請求項95】
前記表面が、ガラス、シリカ、シリコン、コラーゲン、ヒドロキシアパタイト、ヒドロゲル、PTFE、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、デキストラン、およびポリアクリルアミドからなる群より選択される、請求項93記載の方法。
【請求項96】
前記表面が生体適合性、天然、合成であるか、またはポリマーを含む、請求項93記載の方法。
【請求項97】
前記ポリマーが、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアンヒドリド(polyanhydrides)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリ酢酸ビニル、ブロック共重合体、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリウレタンからなる群より選択される、請求項96記載の方法。
【請求項98】
前記生体適合性表面が、コラーゲン、金属、ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、アルミン酸塩、バイオセラミック材料、ヒアルロン酸ポリマー、アルギン酸塩、アクリル酸エステルポリマー、乳酸ポリマー、グリコール酸ポリマー、乳酸/グリコール酸ポリマー、精製タンパク質、精製ペプチド、および細胞外マトリクス組成物からなる群より選択される、請求項96記載の方法。
【請求項99】
前記結合剤が前記表面に共有結合的に、非共有結合的に、静電的に、疎水的に付着し、または前記結合剤はグリカン結合タンパク質の複合体であって、好ましくは前記結合剤タンパク質のグリカンから結合する、好ましくはポリバレントな複合体である、請求項72〜98のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
少なくとも1個の幹細胞または幹細胞集団が、培養において、20、40、または100回の継代後に実質的に未分化のままである、請求項72〜99のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項101】
結合剤と接触させられる前記の少なくとも1個の幹細胞が、前記結合剤を用いて分化するように誘導される、請求項72〜99のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
前記構造がGalβ4GlcNAc、Fucα2Galβ4GlcNAc、およびGalβ4(Fucα3)GlcNAcからなる群より選択される、請求項1〜101に記載の方法。
【請求項103】
前記結合剤がECA、DPA、ガレクチン−1、およびUEAからなる植物レクチン群から選択される、請求項1〜102のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
前記タンパク質のN グリコシル化部位が変異している、組み替え非グリコシル化(aglycosylated)ECAタンパク質。
【請求項105】
表面に結合した、請求項104記載の組み替え非グリコシル化ECAタンパク質。
【請求項106】
請求項104記載の組み替え非グリコシル化ECAタンパク質またはその機能断片をコードするアミノ酸配列。
【請求項107】
請求項104記載の非グリコシル化ECAタンパク質またはその機能断片をコードする核酸配列。
【請求項108】
請求項107記載の核酸を含む宿主細胞。’
【請求項109】
式CONJ
B−(G−)mR1−R2−(S1−)nT−
[式中、Bは前記結合剤であり、Gはグリカン(前記結合剤がグリカンを結合する場合)であり、
R1およびR2は化学選択的連結基であり、Tはタグ、好ましくはビオチンであり、Lはタグに特異的に結合するリガンドであり;S1は任意のスペーサー基、好ましくは炭素数1〜10のアルキルであり、
mおよびnは独立に0または1のいずれかの整数である]
の結合剤複合体構造。
【請求項110】
前記結合剤が、好ましくは酸化グリカンを介してグリカンと複合化する、請求項109記載の結合剤複合体。
【請求項111】
式COMP
B−(G−)mR1−R2−(S1−)n(T−)p(L−)r−(S2)s−SOL
[式中、Bは結合剤であり、SOLは固相またはマトリクスまたは表面であり、Gはグリカン(前記結合剤がグリカンを結合する場合)であり、R1およびR2は化学選択的連結基であり、Tはタグ、好ましくはビオチンであり、Lはタグに特異的に結合するリガンドであり、S1およびS2は任意のスペーサー基、好ましくは炭素数1〜10のアルキルであり、m、n、p、rおよびsは独立に0または1のいずれかの整数である]
の構造を含む複合体。
【請求項112】
請求項111に記載の複合化結合剤。
【請求項113】
前記結合剤が、好ましくはSOLへの酸化グリカンを介してグリカンと複合化する、請求項111記載の結合剤結合複合体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32−1】
【図32−2】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38−1】
【図38−2】
【図39−1】
【図39−2】
【図40】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32−1】
【図32−2】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38−1】
【図38−2】
【図39−1】
【図39−2】
【図40】
【公表番号】特表2010−516239(P2010−516239A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545965(P2009−545965)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【国際出願番号】PCT/FI2008/050016
【国際公開番号】WO2008/087257
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(509205250)
【出願人】(509205261)グリコス フィンランド リミテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【国際出願番号】PCT/FI2008/050016
【国際公開番号】WO2008/087257
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(509205250)
【出願人】(509205261)グリコス フィンランド リミテッド (5)
【Fターム(参考)】
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