細胞巨大分子合成の阻害が低減された組換えアルファウイルスベースのベクター

【課題】種々の適用(例えば、遺伝子治療および組換えタンパク質生成を含む)で使用される選択された所望の表現型を有する組換えベクターを提供し、そしてさらに他の関連の利点を提供することを、本発明の解決すべき課題とする。
【解決手段】単離された核酸分子であって、変更されたアルファウイルス非構造タンパク質遺伝子を含み、これは組換えアルファウイルス粒子中に作動可能に組み込まれた場合、哺乳動物細胞での発現の後に、宿主細胞支配の巨大分子合成の50%阻害に達するために必要な時間を野生型アルファウイルスに比べて増大させる、単離された核酸分子を提供することによって、上記課題は解決された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は同時係属中の米国特許出願第833,148号(1997年4月4日出願)の一部継続出願であり;これは米国特許出願第08/679,640号(1996年7月12日出願)の米国一部継続出願の一部継続出願であり;これは米国特許出願第08/668,953号(1996年6月24日出願)の一部継続出願であり、これは米国特許出願第08/628,594号(1996年4月5日出願)の一部継続出願であり、これらのすべては本明細書中にその全体が援用される。
【0002】
(政府の権利の言明)
本発明は政府の支持の下、国立衛生研究所(National Institutes
of Health)によって与えられた認可番号AI11377号の下で一部行われている。政府は本発明に対して一定の権利を有し得る。
【0003】
(発明の技術分野)
本発明は一般に組換えDNA技術に関する。そしてより詳細には1つ以上の異種遺伝子産物の発現を導くのに有用な組換えベクターの開発に関する。
【背景技術】
【0004】
(発明の背景)
アルファウイルスは、トガウイルス科のうちの遺伝的、構造的、および血清学的に関連した節足動物保有ウイルスの一組を含む。これらのウイルスは全世界に分布し、そして蚊から脊椎動物の一群を通じて天然に存続している。鳥類、げっ歯類、ウマ、霊長類、およびヒトがとりわけ明確なアルファウイルスの脊椎動物の保有者/宿主である。
【0005】
26種の既知のウイルスおよびウイルスサブタイプが、赤血球凝集阻害(HI)アッセイを利用してアルファウイルス属に分類されている。このアッセイは26種のアルファウイルスを3つの主要な群(complex)に分離する:ベネズエラウマ脳炎(VEE)群、セムリキ森林(SF)群、および西部ウマ脳炎(WEE)群である。加えて、他の4種のウイルス、すなわち東部ウマ脳炎(EEE)、バルマー(Barmah)森林、ミデルブルグ(Middelburg)、およびヌドゥム(Ndumu)が、HI血清学的アッセイに基づいて個別に分類されている。
【0006】
アルファウイルス属のメンバーはまた、ヒトにおけるその相対的な臨床的特徴に基づいて以下のように分類される:主として脳炎に関連するアルファウイルス、および主として発熱、発疹、および多発性関節炎に関連するアルファウイルス。前者にはVEEおよびWEE群、ならびにEEEが含まれる。一般に、このグループの感染は永続的な後遺症(行動の変化および学習障害が含まれる)をもたらし得、あるいは死に至らしめ得る。後者のグループに含まれるのはSF群であり、これは個々のアルファウイルス、すなわちセムリキ森林、シンドビス、ロス川、チクングニヤ、オニョンニョン、およびマヤロ(Mayaro)から構成される。このグループに関しては深刻な流行が報告されてはいるが、感染は一般に自己限定性であり、永続的な後遺症は生じない。
【0007】
シンドビスウイルスはトガウイルス科アルファウイルス属の原型的なメンバーである。その細胞への感染後の複製戦略(図1参照)は、ニワトリ胚線維芽細胞(CEF)および仔ハムスター腎臓(BHK)細胞において充分に特徴づけられている。ここでシンドビスウイルスは急速に、かつ高力価まで増殖し、他のアルファウイルスに関するモデルとして役立つ。簡単にいうと、シンドビスウイルス由来のゲノムは(他のアルファウイルスと同様に)約12kbの一本鎖ポジティブセンスRNA分子であり、これはキャップおよびポリアデニル化されており、そしてウイルスがコードするキャプシドタンパク質の殻の中に入っている。このヌクレオキャプシドはさらに宿主由来の脂質エンベロープで取り囲まれ、ここに2つのウイルス特異的糖タンパク質E1およびE2が挿入され、そしてヌクレオキャプシドに固定される。特定のアルファウイルス(例えばSF)はまた、さらなるタンパク質E3を維持し、これはE2前駆体タンパク質PE2の切断産物である。ウイルス粒子が標的細胞へ吸着し、浸透し、そしてヌクレオキャプシドを脱いで、ウイルスゲノムRNAを細胞質中に放出した後、ウイルスゲノムの5’側から3分の2の非構造タンパク質(nsP)の翻訳によって複製プロセスが開始される。4つのnsP(nsP1〜nsP4)が、2つのポリタンパク質(nsP123またはnsP1234)のうちの1つとしてゲノムRNAテンプレートから直接翻訳され、そして翻訳後、C末端ドメインnsP2において活性プロテアーゼによってプロセシングされて、モノマー単位になる。ほとんどのアルファウイルスのnsP3とnsP4との間に存在する漏出性オパール(UGA)コドンは、nsP1234ポリタンパク質がnsP123ポリタンパク質と比べて10から20%多い原因を説明する。これらの非構造ポリタンパク質およびそれら由来のモノマー単位の両方がRNA複製プロセスに関与し得、これは5’末端および3’末端に存在する保存ヌクレオチド配列エレメント(CSE)、ならびにゲノムの内部に位置する接合領域サブゲノムプロモーターに対する結合を伴う(さらに以下で論じる)。
【0008】
ポジティブ鎖ゲノムRNAは、nsPが触媒する全長の相補的ネガティブ鎖の合成のためのテンプレートとして役立つ。相補的なネガティブ鎖の合成は、nsP複合体がポジティブ鎖ゲノムRNAの3’末端CSEに結合した後に触媒される。次にこのネガティブ鎖はさらなるポジティブ鎖ゲノムRNAおよび豊富に発現される26SサブゲノムRNAの合成のためのテンプレートとして役立ち、これは接合領域プロモーターにおいて内部的に開始される。さらなるポジティブ鎖ゲノムRNAの合成は、nsP複合体が相補的なネガティブ鎖ゲノムRNAテンプレートの3’末端CSEに結合した後に起こる。ネガティブ鎖ゲノムRNAテンプレートからのサブゲノムmRNAの合成は、接合領域プロモーターから開始される。従って、ポジティブ鎖ゲノムRNAの5’末端および接合領域CSEは、これらがネガティブ鎖ゲノムRNA相補体に転写された後にのみ機能性である(すなわち、5’末端CSEはこれがゲノムネガティブ鎖相補体の3’末端である場合に機能性である)。構造タンパク質(sP)はサブゲノム26S RNAから翻訳され、これはゲノムの3’側の3分の1を表し、そしてnsPと同様に、翻訳後プロセシングされて個別のタンパク質となる。
【0009】
いくつかのグループが、アルファウイルス属の特定のメンバーを発現ベクターとして利用することを示唆しており、これには、例えば、シンドビスウイルス(非特許文献1〜3)、セムリキ森林ウイルス(Liljestrom,Bio/Technology 9:1356−1361,1991)、およびベネズエラウマ脳炎ウイルス(Davisら、J.Cell.Biochem.Suppl.19A:10,1995)が含まれる。さらに、1つのグループは、アルファウイルス由来のベクターを治療用遺伝子をインビボで送達するために用いることを示唆している。しかし上記のベクターを用いる1つの難しさは、宿主細胞支配の(host cell−directed)巨大分子合成(すなわち、タンパク質またはRNAの合成)の阻害が感染の数時間後に始まること、および細胞変性効果(CPE)が感染後12時間から16時間(hours post infection(hpi))のうちに生じることである。宿主細胞タンパク質合成の阻害および回避(shuntoff)は、組換えウイルス粒子で感染したBHK細胞では、構造タンパク質発現の存在または非存在下で2hpi以内で始まり、このことは、ウイルス感染後の初期事象(例えば、nsPおよびマイナス鎖RNAの合成)が宿主細胞タンパク質合成の阻害、ならびにそれに続くCPEの発達および細胞死に直接影響を与え得ることを示唆する。
【0010】
SIN−1は野生型シンドビス由来の改変体株であり、シンドビスウイルスで1ヶ月の期間にわたって永続的に感染したBHK細胞の培養物から単離された(Weissら、J.Virol.33:463−474,1980)。単一のプラークからの増殖によって得られた純粋なSIN−1ウイルスストックは、それが感染したBHK細胞を殺傷しない。重要なことには、ウイルスの収率(>103PFU/細胞)は野生型シンドビスウイル
スで感染したBHK細胞でも、改変体SIN−1ウイルスで感染したBHK細胞でも同じである。従って、感染したBHK細胞におけるSIN−1の原則的な表現型は、野生型レベルの感染ウイルスを、ウイルスに誘導される細胞死なしで生成することによって特徴づけられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Xiongら、Science 243:1188−1191、1989
【非特許文献2】Hahnら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:2679−2683、1992
【非特許文献3】Dubenskyら、J.Virol.70:508−519、1996
【発明の概要】
【0012】
本発明は、種々の適用(例えば、遺伝子治療および組換えタンパク質生成を含む)で使用される選択された所望の表現型を有する組換えベクターを提供し、そしてさらに他の関連の利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
簡単に述べると、本発明は、RNAベクターレプリコン、アルファウイルスベクター構築物、真核生物層状ベクター(layered vector)開始系、および組換えアルファウイルス粒子を提供し、これらは細胞巨大分子合成(例えば、タンパク質またはRNAの合成)の阻害の低減、遅延、または非阻害を示し、そのためこれらのベクターはタンパク質発現、遺伝子治療などに使用することが可能であり、CPEまたは細胞死の発生が低減、遅延され、または発生しない。このようなベクターは広範囲な種々のアルファウイルス(例えば、セムリキ森林ウイルス、ロス川ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、またはシンドビスウイルス)から構築され得、そして多数の異種配列(例えば、タンパク質に対応する配列、アンチセンスRNAに対応する配列、非コードセンスRNAに対応する配列、またはリボザイムに対応する配列)を発現するように設計され得る。
【0014】
本発明の1つの局面において、単離された核酸分子が提供され、これは変更されたアルファウイルス非構造タンパク質遺伝子を含み、これは組換えアルファウイルス中に作動可能に組み込まれた場合、哺乳動物細胞での発現の後、宿主細胞支配の巨大分子合成の50%阻害に達するために必要な時間を野生型アルファウイルスに比べて増大させる。本発明の文脈内で利用された場合、「変更されたアルファウイルス非構造タンパク質遺伝子」とは、アルファウイルスRNAベクターレプリコン、組換えアルファウイルス粒子、または真核生物層状ベクター開始系中に作動可能に組み込まれたときに、所望の表現型(例えば、細胞巨大分子合成の阻害の低減、遅延、または非阻害)を生ずる遺伝子をいう。このような変更されたアルファウイルス非構造タンパク質遺伝子は、1つ以上のヌクレオチド置換、欠失、または挿入を有し、これはヌクレオチド配列を野生型アルファウイルス遺伝子のものから変化させる。遺伝子は、人工的に誘導されてもよいし(例えば、指向性選択手順(directed selection procedure)から:以下の実施例2参照)、または天然に存在するウイルス改変体に由来してもよい(以下の実施例1参照)。加えて、本発明の単離された核酸分子がアルファウイルスRNAベクターレプリコン、組換えアルファウイルス粒子、または真核生物層状ベクター開始系の中に上記のように取り込まれたとき、これらは、特定の実施態様において、宿主細胞支配の巨大分子合成の50%阻害に達するために必要とされる時間を、宿主細胞支配の巨大分子合成の検出可能な阻害が(任意の期間にわたって)実質的になされない程度まで、そしてその程度を含めて、実質的に増大させ得ることが理解されるべきである。宿主細胞支配の巨大分子合成の阻害パーセントを検出するのに適したアッセイは、例えば、実施例1に記載のアッセイを含む。
【0015】
本発明の他の局面において、単離された核酸分子が提供され、これは変更されたアルファウイルス非構造タンパク質遺伝子を含み、これは、組換えアルファウイルス粒子、真核生物層状ベクター開始系、またはRNAベクターレプリコンに作動可能に取り込まれた場合、野生型に比べて低減されたレベル(例えば、2倍、5倍、10倍、50倍、または100倍を越える)のベクター特異的RNA合成をもたらし、そして野生型組換えアルファウイルス粒子、野生型真核生物層状ベクター開始系、または野生型RNAベクターレプリコンに比べて同じかまたはそれより高いレベルの、ウイルス接合領域プロモーターから転写されるRNAでコードされるタンパク質をもたらす。RNAレベルを定量するための代表的なアッセイは、実施例1に記載のような[3H]ウリジン取り込み、またはノーザン
ブロット分析で検出されるようなRNA蓄積(実施例4参照)を包含する。タンパク質レベルを定量するための代表的アッセイは、スキャニングデンシトメトリー(実施例4を参照)および種々の酵素的アッセイ(実施例3〜5を参照)を含む。
【0016】
上記の1つの実施態様において、単離された核酸分子は、非構造タンパク質2(nsP2)をコードする。さらなる実施態様では、単離された核酸分子はnsP2のLXPGGモチーフ中に変異を有する。
【0017】
本発明の別の局面において、発現ベクターが提供され、これは上記の核酸分子のうちの1つに作動可能に連結されたプロモーターを含む。1つの実施態様では、発現ベクターはさらに、核酸分子に対して3’側にポリアデニル化配列または転写終結配列を含む。
【0018】
本発明のさらに別の局面において、アルファウイルスベクター構築物が提供され、これは、インビトロでcDNAからのウイルスRNAの合成を開始する5’プロモーター、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子(上記のような単離された核酸分子を含む)、アルファウイルスのウイルス接合領域プロモーター、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクト(3’ polyadenylate
tract)を含む。
【0019】
関連の局面において、このような構築物はさらに、選択された異種配列を、ウイルス接合領域の下流に、かつそれに作動可能に連結されて含む。関連の局面において、アルファウイルスベクター構築物が提供され、これはインビトロでcDNAからのウイルスRNAの合成を開始する5’プロモーター、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子、アルファウイルスのウイルス接合領域プロモーター、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含み、ここで上記のインビトロで合成されるRNAは、アルファウイルス粒子中にパッケージングされ、そしてその粒子が哺乳動物宿主細胞に導入されると、哺乳動物細胞中で発現した後、宿主細胞支配の巨大分子合成の50%阻害に達するのに必要とされる時間を野生型アルファウイルス粒子に比べて増大させる。
【0020】
さらなる局面において、アルファウイルスベクター構築物が提供され、これはインビトロでcDNAからのウイルスRNAの合成を開始する5’プロモーター、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子、アルファウイルスのウイルス接合領域プロモーター、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含み、ここで上記のインビトロで合成されるRNAは、アルファウイルス粒子中にパッケージングされ、そしてその粒子が哺乳動物宿主細胞に導入されると、野生型アルファウイルス粒子に比べて低減されたレベルのベクター特異的RNA合成を有し、かつ野生型アルファウイルス粒子に比べて同じかまたはそれより高いレベルの、ウイルス接合領域プロモーターから転写されるRNAによってコードされるタンパク質を有する。
【0021】
本発明のさらに他の局面では、真核生物系において翻訳され得るRNAベクターレプリコンが提供され、これは、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子(上記の単離された核酸分子を含む)、アルファウイルスのウイルス接合領域、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含む。
【0022】
関連の局面では、真核生物系において翻訳され得るアルファウイルスRNAベクターレプリコンが提供され、これは、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子、アルファウイルスのウイルス接合領域プロモーター、アルファウイルスポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含み、ここで上記アルファウイルスRNAは、アルファウイルス粒子中にパッケージングされ、そしてその粒子が哺乳動物宿主細胞中に導入されると、哺乳動物細胞中で発現した後、宿主細胞支配の巨大分子合成の50%阻害に達するのに必要とされる時間を、野生型アルファウイルス粒子に比べて増大させる。
【0023】
他の局面において、真核生物系において翻訳され得るアルファウイルスRNAベクターレプリコンが提供され、これは、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子、アルファウイルスのウイルス接合領域プロモーター、アルファウイルスポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含み、ここで上記アルファウイルスRNAは、アルファウイルス粒子中にパッケージングされ、そしてその粒子が哺乳動物宿主細胞に導入されると、野生型アルファウイルス粒子に比べて低減したレベルのベクター特異的RNA合成を有し、かつ野生型アルファウイルス粒子に比べて同じかまたはそれより高いレベルの、ウイルス接合領域プロモーターから転写されるRNAによってコードされるタンパク質を有する。
【0024】
別の実施態様において、このようなRNAベクターレプリコンはさらに、選択された異種配列を、ウイルス接合領域の下流に、かつそれに作動可能に連結されて含む。本発明のさらなる局面において、宿主細胞が提供され、これは本明細書中に記載されるRNAベクターレプリコンのうちの1つを含む。本発明のさらなる局面において、薬学的組成物が提供され、これは上記のようなRNAベクターレプリコンおよび薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を含む。
【0025】
本発明の他の局面において、組換えアルファウイルス粒子が提供され、これは、1つ以上のアルファウイルス構造タンパク質、脂質エンベロープ、および本明細書中に記載のようなRNAベクターレプリコンを含む。1つの実施態様では、1つ以上のアルファウイルス構造タンパク質が、RNAベクターレプリコンが由来するアルファウイルスとは異なるアルファウイルスに由来する。他の実施態様では、アルファウイルス構造タンパク質および脂質エンベロープは異なる種に由来する。さらなる局面において、薬学的組成物が提供され、これは上記で開示されたような組換えアルファウイルス粒子、および薬学的に受容可能なキャリアおよび希釈剤を含む。さらに、このような組換えアルファウイルス粒子で感染した哺乳動物細胞もまた提供される。
【0026】
本発明の特定の実施態様において、上記ベクターまたは粒子はさらに耐性マーカーを含み得、これは異種配列にインフレームで融合している。このような耐性マーカーの代表例はハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼおよびネオマイシンホスホトランスフェラーゼを包含する。
【0027】
本発明の他の局面において、本明細書に記載の宿主細胞支配の巨大分子合成の阻害の低減、遅延、または非阻害の表現型を示すアルファウイルスまたは組換えアルファウイルスベクター改変体を選択するための方法が提供される。このような方法の代表例は選択可能な薬物または抗原性マーカーの使用を包含し、そして以下の実施例2でより詳細に提供される。
【0028】
本発明の他の局面では、トガウイルスキャプシド粒子が提供され、これは、ゲノム(すなわち野生型ウイルスゲノム)またはRNAベクターレプリコン核酸を実質的に含まない。トガウイルスの代表例は、例えば、アルファウイルスおよびルビウイルス(例えば、風疹ウイルス)を含む。特定の実施態様において、キャプシド粒子は、1つ以上のアルファウイルス糖タンパク質を含む脂質エンベロープをさらに含む。他の実施態様では、キャプシド粒子はさらにアルファウイルスエンベロープ(すなわち、脂質二重層および糖タンパク質補体)を含む。本発明の関連の局面では、薬学的組成物が提供され、これは上記のキャプシド粒子(脂質二重層(例えば、アルファウイルス糖タンパク質を含むウイルスエンベロープ)有りまたは無し)を薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤と共に含む。さらなる局面において、このようなキャプシド粒子(脂質二重層(例えば、アルファウイルス糖タンパク質を含むウイルスエンベロープ)有りまたは無し)または薬学的組成物は、所望のトガウイルスに対する免疫応答を誘導するためのワクチン剤として利用され得る。
【0029】
本発明のさらなる局面では、誘導性プロモーターが提供され、これはコアRNAポリメラーゼプロモーター配列、コアプロモーター配列からの転写を活性化するタンパク質のDNA結合を指向する作動可能に連結された核酸配列、およびコアプロモーター配列からの転写を抑制するタンパク質のDNA結合を指向する作動可能に連結された核酸配列を含む。このようなプロモーターは、本明細書に記載の遺伝子送達ビヒクル、ならびに当業者に公知の広範な種々の他のベクターにおいて利用され得る。
【0030】
他の局面では、アルファウイルス構造タンパク質発現カセットが提供され、これは、DNAからのウイルスRNAの合成を開始する5’プロモーター、1つ以上の機能性アルファウイルス構造タンパク質をコードする核酸分子、発現カセットの転写に作動可能に連結される選択マーカー、および必要に応じて転写終結を制御する3’配列を含む。1つの実施態様では、このような発現カセットはさらに、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、ウイルス接合領域プロモーター、およびアルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列を含む。別の実施態様では、発現カセットはさらに、触媒的リボザイムプロセシング配列、核からのRNAの搬出を容易にする翻訳後転写調節エレメント、および/または多シストロン性mRNAの翻訳を可能にするエレメント(内部リボソーム侵入部位エレメント、リボソーム読み通しを促進するエレメント、およびBiP配列からなる群から選択される)を含む。他の実施態様では、選択マーカーは、cDNAからのアルファウイルスRNAの合成を開始し得る5’プロモーターに作動可能に連結している。さらなる実施態様では、選択マーカーは、接合領域プロモーターから、およびアルファウイルス構造タンパク質をコードする核酸分子から下流に位置する。さらに他の実施態様では、5’プロモーターは本明細書に記載のような誘導性プロモーターである。別の実施態様では、アルファウイルス構造タンパク質発現カセットはさらに、アルファウイルスキャプシドタンパク質遺伝子、または他の配列(例えば、タバコエッチウイルス(tobacco etch virus)、すなわち「TEV」のリーダー)を含み、これはエンハンサー配列の3’側に位置する1つ以上の機能性アルファウイルス構造タンパク質遺伝子の翻訳を増強し得る。好ましくは、キャプシドタンパク質遺伝子配列は、アルファウイルス構造遺伝子をコードする配列が得られるアルファウイルスとは異なるアルファウイルス由来である。
【0031】
本発明のさらに他の局面では、アルファウイルスパッケージング細胞株が提供され、これは上記のようなアルファウイルス構造タンパク質発現カセットを含む細胞を含む。特定の実施態様においては、アルファウイルスパッケージング細胞株は本明細書で提供されるアルファウイルス構造タンパク質発現カセットで安定に形質転換されている。関連の局面では、アルファウイルスプロデューサー細胞株が提供され、これは、安定に形質転換されたアルファウイルス構造タンパク質発現カセット、ならびにRNAベクターレプリコン、アルファウイルスベクター構築物、および真核生物層状ベクター開始系からなる群から選択されるベクターを含む細胞を含む。
【0032】
本発明のさらに他の局面では、真核生物層状ベクター開始系が提供され、これは、インビボでcDNAからのRNAの5’合成を開始し得る5’プロモーター、この5’プロモーターの後にアルファウイルスRNAの転写を開始する配列;4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子(上記のような単離された核酸分子を含む)、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含む。
【0033】
また、真核生物層状ベクター開始系が提供され、これは、インビボでcDNAからのアルファウイルスRNAの5’合成を開始し得る5’プロモーター、5’プロモーターの後にアルファウイルスRNAの転写を開始する配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含み、ここで上記のインビボで合成されるRNAは、アルファウイルス粒子中にパッケージングされ、そしてその粒子が哺乳動物宿主細胞に導入されると、哺乳動物細胞中での発現の後、野生型アルファウイルス粒子に比べて、宿主細胞支配の巨大分子合成の50%阻害に達するために必要な時間を増大させる。
【0034】
関連の真核生物層状ベクター開始系もまた提供され、これは、インビボでcDNAからのアルファウイルスRNAの5’合成を開始し得る5’プロモーター、5’プロモーターの後にアルファウイルスRNAの転写を開始する配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含み、ここで上記のインビボで合成されるRNAは、アルファウイルス粒子中にパッケージングされ、そしてその粒子が哺乳動物宿主細胞中に導入されると、野生型アルファウイルス粒子に比べて低減したレベルのベクター特異的RNA合成を有し、かつ野生型アルファウイルス粒子に比べて同じかまたはそれより高いレベルの、ウイルス接合領域プロモーターから転写されるRNAによってコードされるタンパク質を有する。
【0035】
真核生物層状ベクター開始系に適した5’プロモーターの代表例は、RNAポリメラーゼIプロモーター、RNAポリメラーゼIIプロモーター、RNAポリメラーゼIIIプロモーター、HSV−TKプロモーター、RSVプロモーター、テトラサイクリン誘導性プロモーター、MoMLVプロモーター、SV40プロモーターおよびCMVプロモーターを包含する。好適な実施態様では、5’プロモーターは本明細書に記載のような誘導性プロモーターである。
【0036】
特定の実施態様では、真核生物層状ベクター開始系が提供され、これはさらに、ウイルス接合領域に作動可能に連結された異種配列、および/または核からのRNAの搬出を容易にする翻訳後調節エレメントを含む。さらなる実施態様では、本明細書で提供される真核生物層状ベクター開始系はさらに、転写終結シグナルを含み得る。
【0037】
関連の局面では、本発明はまた宿主細胞(例えば、脊椎動物または昆虫)を提供し、これは、上記のような安定に形質転換された真核生物層状ベクター開始系を含む。本発明のさらなる局面では、選択された異種配列を脊椎動物または昆虫に送達するための方法が提供され、これは、脊椎動物または昆虫に本明細書に記載のようなアルファウイルスベクター構築物、RNAベクターレプリコン、組換えアルファウイルス粒子、または真核生物層状ベクター開始系を投与する工程を包含する。特定の実施態様では、アルファウイルスベクター構築物、RNAベクターレプリコン、組換えアルファウイルス粒子、または真核生物層状ベクター開始系は脊椎動物の細胞にエクスビボで投与され、次にこのベクターまたは粒子を含む細胞が温血動物に投与される。
【0038】
他の局面では、薬学的組成物が提供され、これは、上記のような真核生物層状ベクター開始系、および薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を含む。特定の実施態様では、薬学的組成物はリポソーム処方物として提供される。
【0039】
さらなる局面では、組換えアルファウイルス粒子を作製する方法が提供され、これは、(a)上記のような真核生物層状ベクター開始系、RNAベクターレプリコン、またはアルファウイルスベクター粒子のようなベクターを、組換えアルファウイルス粒子の生成を可能にするに十分な条件下で、かつ十分な時間をかけてパッケージング細胞の集団中に導入する工程、および(b)組換えアルファウイルス粒子を採取する工程を包含する。関連の局面では、選択されたタンパク質を作製する方法が提供され、これは、(a)例えば、上記のような真核生物層状ベクター開始系、RNAベクターレプリコン、またはアルファウイルスベクター粒子のような選択された異種タンパク質をコードするベクターを、パッケージング細胞の集団または他の細胞中に、選択されたタンパク質の生成を可能にするに十分な条件下で、かつ十分な時間をかけて導入する工程、および(b)このベクター含有細胞によって生成されるタンパク質を採取する工程を包含する。さらに他の局面では、選択されたタンパク質を作製する方法が提供され、これは、選択された異種タンパク質を生成し得る真核生物層状ベクター開始系を、選択されたタンパク質の発現を可能にするに十分な条件下で、かつ十分な時間をかけて宿主細胞中に導入する工程を包含する。さらなる局面では、宿主細胞株が提供され、これは本明細書に記載のようなRNAベクターレプリコンを含む。
【0040】
本発明のさらに他の局面では、アルファウイルスワクチンが提供され、これは上記のアルファウイルスベクター構築物、RNAベクターレプリコン、真核生物ベクター開始系、または組換えアルファウイルス粒子のうちの1つを含み、これは本明細書で提供される異種配列の1つを発現してもよく、発現しなくてもよい(例えば、これらはアルファウイルス性疾患の処置または予防のために単独でワクチンとして利用され得る)。例えば、本発明の1つの実施態様では、組換えトガウイルス粒子が提供され、これは、核酸またはRNAベクターレプリコン核酸を実質的に有さない。さらなる実施態様では、組換えトガウイルス粒子が提供され、これは異種ウイルス核酸(すなわち、トガウイルス粒子とは異なるウイルス由来)を含む。さらに別の実施態様では、組換えトガウイルス粒子はT=3以上である。
【0041】
本発明のさらなる局面では、組換えキメラトガウイルス粒子(空か、または核酸を含むかのいずれか)が提供され、ここでウイルス粒子は異なるトガウイルス科から得られるか、またはそれに由来するウイルス構造成分を有する(例えば、キャプシドタンパク質および糖タンパク質が異なるアルファウイルス供給源から得られる)。
【0042】
本発明の他の局面では、脊椎動物における免疫応答を刺激するための方法が提供され、これは、脊椎動物に、アルファウイルスベクター構築物、一致したアルファウイルスRNAベクターレプリコン、組換えアルファウイルス粒子、または真核生物層状ベクター開始系を投与する工程を包含し、ここでアルファウイルスベクター構築物、RNAベクターレプリコン、粒子、または真核生物層状ベクター開始系は上記脊椎動物における免疫応答を刺激する抗原を発現する(例えば、適切な抗原について米国出願第08/404,796号を参照のこと)。関連の局面では、脊椎動物における病原性因子を阻害する方法が提供され、これは、脊椎動物に、アルファウイルスベクター構築物、アルファウイルスRNAベクターレプリコン、組換えアルファウイルス粒子、または一致した真核生物層状ベクター開始系を投与する工程を包含し、ここで上記アルファウイルスベクター構築物、RNAベクターレプリコン、粒子、または真核生物層状ベクター開始系は、病原性因子を阻害し得る緩和剤を発現する(例えば、適切な緩和剤について米国出願第08/404,796号を参照のこと)。
【0043】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1) 単離された核酸分子であって、変更されたアルファウイルス非構造タンパク質遺伝子を含み、これは組換えアルファウイルス粒子中に作動可能に組み込まれた場合、哺乳動物細胞での発現の後に、宿主細胞支配の巨大分子合成の50%阻害に達するために必要な時間を野生型アルファウイルスに比べて増大させる、単離された核酸分子。
(項目2) 単離された核酸分子であって、アルファウイルス非構造タンパク質遺伝子を含み、これは組換えアルファウイルス粒子中に作動可能に組み込まれた場合、野生型に比べて低減したレベルのベクター特異的RNA合成を有し、そして野生型組換えアルファウイルス粒子に比べて同じかまたはそれより高いレベルの、ウイルス接合領域プロモーターから転写されるRNAでコードされるタンパク質を有する、単離された核酸分子。
(項目3) アルファウイルスベクター構築物であって、インビトロでcDNAからのウイルスRNAの合成を開始する5’プロモーター、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子であって、項目1または2に記載の核酸分子を包含する核酸分子、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含む、アルファウイルスベクター構築物。
(項目4) アルファウイルスベクター構築物であって、インビトロでcDNAからのウイルスRNAの合成を開始する5’プロモーター、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子、アルファウイルスのウイルス接合領域プロモーター、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含み、ここで該インビトロで合成されるRNAは、アルファウイルス粒子にパッケージングされ、そして該粒子が哺乳動物宿主細胞中に導入されると、哺乳動物細胞中で発現した後、宿主細胞支配の巨大分子合成の50%阻害に達するのに必要とされる時間を野生型アルファウイルス粒子に比べて増大させる、アルファウイルスベクター構築物。
(項目5) アルファウイルスベクター構築物であって、インビトロでcDNAからのウイルスRNAの合成を開始する5’プロモーター、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子、アルファウイルスのウイルス接合領域プロモーター、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含み、ここで該インビトロで合成されるRNAは、アルファウイルス粒子にパッケージングされ、そして該粒子が哺乳動物宿主細胞中に導入されると、野生型アルファウイルス粒子に比べて低減したレベルのベクター特異的RNA合成を有し、そして野生型アルファウイルス粒子に比べて同じかまたはそれより高いレベルの、該ウイルス接合領域プロモーターから転写されるRNAでコードされるタンパク質を有する、アルファウイルスベクター構築物。
(項目6) 真核生物系において翻訳され得るアルファウイルスRNAベクターレプリコンであって、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子であって、項目1または2に記載の核酸分子を包含する、核酸分子、アルファウイルスのウイルス接合領域プロモーター、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含む、アルファウイルスRNAベクターレプリコン。
(項目7) 真核生物系において翻訳され得るアルファウイルスRNAベクターレプリコンであって、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子、アルファウイルスのウイルス接合領域プロモーター、アルファウイルスポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含み、ここで該アルファウイルスRNAは、アルファウイルス粒子にパッケージングされ、そして該粒子が哺乳動物宿主細胞中に導入されると、哺乳動物細胞中で発現した後、宿主細胞支配の巨大分子合成の50%阻害に達するのに必要とされる時間を野生型アルファウイルス粒子に比べて増大させる、アルファウイルスRNAベクターレプリコン。
(項目8) 真核生物系において翻訳され得るアルファウイルスRNAベクターレプリコンであって、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子、アルファウイルスのウイルス接合領域プロモーター、アルファウイルスポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含み、ここで該アルファウイルスRNAは、アルファウイルス粒子にパッケージングされ、そして該粒子が哺乳動物宿主細胞中に導入されると、野生型アルファウイルス粒子に比べて低減したレベルのベクター特異的RNA合成を有し、そして野生型アルファウイルス粒子に比べて同じかまたはそれより高いレベルの、該ウイルス接合領域プロモーターから転写されるRNAでコードされるタンパク質を有する、アルファウイルスRNAベクターレプリコン。
(項目9) 項目6、7または8のいずれか一項に記載のアルファウイルスRNAベクターレプリコン、および薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を含む、薬学的組成物。(項目10) 1つ以上のアルファウイルス構造タンパク質、脂質エンベロープ、および項目6、7または8のいずれか一項に記載のRNAベクターレプリコンを含む、組換えアルファウイルス粒子。
(項目11) 前記アルファウイルス構造タンパク質および脂質エンベロープが異なるアルファウイルス種由来である、項目10に記載の組換えアルファウイルス粒子。
(項目12) 項目10または11に記載の組換えアルファウイルス粒子、および薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を含む、薬学的組成物。
(項目13) 項目10または11に記載の組換えアルファウイルス粒子に感染した宿主細胞。
(項目14) ゲノムまたはRNAベクターレプリコン核酸を実質的に含まない、トガウイルスキャプシド粒子。
(項目15) 1つ以上のアルファウイルス糖タンパク質を含む脂質エンベロープをさらに含む、項目14に記載のキャプシド粒子。
(項目16) さらにアルファウイルスエンベロープを含む、項目14に記載のキャプシド粒子。
(項目17) 前記キャプシドが、アルファウイルス、ルビウイルス、フラビウイルス、およびペスチウイルスからなる群から選択されるトガウイルス由来である、項目14に記載のキャプシド粒子。
(項目18) 項目14から17のいずれか一項に記載のキャプシド粒子、および薬学的に受容可能なキャリアおよび希釈剤を含む、薬学的組成物。
(項目19) アルファウイルス構造タンパク質発現カセットであって、DNAからのRNAの合成を開始する5’プロモーター、1つ以上の機能的アルファウイルス構造タンパク質をコードする核酸分子、該発現カセットの転写に作動可能に連結される選択マーカー、および転写終結を制御する3’配列を含む、アルファウイルス構造タンパク質発現カセット。
(項目20) アルファウイルスパッケージング細胞株であって、項目19に記載のアルファウイルス構造タンパク質発現カセットを含む細胞を含む、アルファウイルスパッケージング細胞株。
(項目21) アルファウイルスプロデューサー細胞株であって、安定に形質転換されたアルファウイルス構造タンパク質発現カセット、ならびに、項目6から8のいずれか一項に記載のRNAベクターレプリコン、項目3から5のいずれか一項に記載のアルファウイルスベクター構築物、および項目22から24のいずれか一項に記載の真核生物層状ベクター開始系からなる群から選択されるベクターを含む細胞を含む、アルファウイルスプロデューサー細胞株。
(項目22) 真核生物層状ベクター開始系であって、インビボでcDNAからのアルファウイルスRNAの5’合成を開始し得る5’プロモーター、該5’プロモーターの後にアルファウイルスRNAの転写を開始する配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子であって、項目1または2に記載の核酸分子を含む、核酸分子、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含む、真核生物層状ベクター開始系。
(項目23) 真核生物層状ベクター開始系であって、インビボでcDNAからのアルファウイルスRNAの5’合成を開始し得る5’プロモーター、該5’プロモーターの後にアルファウイルスRNAの転写を開始する配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含み、ここで該インビボで合成されるRNAは、アルファウイルス粒子にパッケージングされ、そして該粒子が哺乳動物宿主細胞中に導入されると、哺乳動物細胞中で発現した後、宿主細胞支配の巨大分子合成の50%阻害に達するのに必要とされる時間を野生型アルファウイルス粒子に比べて増大させる、真核生物層状ベクター開始系。
(項目24) 真核生物層状ベクター開始系であって、インビボでcDNAからのアルファウイルスRNAの5’合成を開始し得る5’プロモーター、該5’プロモーターの後にアルファウイルスRNAの転写を開始する配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含み、ここで、該インビボで合成されるRNAは、アルファウイルス粒子にパッケージングされ、そして該粒子が哺乳動物宿主細胞中に導入されると、野生型アルファウイルス粒子に比べて低減したレベルのベクター特異的RNA合成を有し、そして野生型アルファウイルス粒子に比べて同じかまたはそれより高いレベルの、該ウイルス接合領域プロモーターから転写されるRNAでコードされるタンパク質を有する、真核生物層状ベクター開始系。
(項目25) 項目22から24のいずれか一項に記載の真核生物層状ベクター開始系を含む、宿主細胞。
(項目26) 項目22から24のいずれか一項に記載の真核生物層状ベクター開始系、および薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を含む、薬学的組成物。
(項目27) 選択された異種配列を脊椎動物または昆虫に送達する方法であって、脊椎動物または昆虫に、項目3から5のいずれか一項に記載のアルファウイルスベクター構築物、項目6から8のいずれか一項に記載のアルファウイルスRNAベクターレプリコン、項目10に記載の組換えアルファウイルス粒子、または項目22から24のいずれか一項に記載の真核生物層状ベクター開始系を投与する工程を包含する、方法。
(項目28) 脊椎動物における免疫応答を刺激する方法であって、脊椎動物に、項目3から5のいずれか一項に記載のアルファウイルスベクター構築物、項目6から8のいずれか一項に記載のアルファウイルスRNAベクターレプリコン、項目10に記載の組換えアルファウイルス粒子、または項目22から24のいずれか一項に記載の真核生物層状ベクター開始系を投与する工程を包含し、ここで該アルファウイルスベクター構築物、RNAベクターレプリコン、粒子、または真核生物層状ベクター開始系が該脊椎動物における免疫応答を刺激する抗原を発現する、方法。
(項目29) 脊椎動物における病原性因子を阻害する方法であって、脊椎動物に、項目3から5のいずれか一項に記載のアルファウイルスベクター構築物、項目6から8のいずれか一項に記載のアルファウイルスRNAベクターレプリコン、項目10に記載の組換えアルファウイルス粒子、または項目22から24のいずれか一項に記載の真核生物層状ベクター開始系を投与する工程を包含し、ここで該アルファウイルスベクター構築物、RNAベクターレプリコン、粒子、または真核生物層状ベクター開始系が、病原性因子を阻害し得る緩和剤を発現する、方法。
(項目30) 組換えアルファウイルス粒子を作製する方法であって:
(a)項目22から24のいずれか一項に記載の真核生物層状ベクター開始系、項目6から8のいずれか一項に記載のRNAベクターレプリコン、および項目10に記載の組換えアルファウイルスベクター粒子からなる群から選択されるベクターを、項目20に記載のパッケージング細胞の集団の中に、組換えアルファウイルス粒子の生成を可能とするに十分な条件下、かつ十分な時間にわたって導入する工程;および
(b)組換えアルファウイルス粒子を採取する工程
を包含する、方法。
(項目31) 選択されたタンパク質を作製する方法であって:
(a)選択された異種タンパク質をコードするベクターであって、かつ項目22から24のいずれか一項に記載の真核生物層状ベクター開始系、項目6から8のいずれか一項に記載のアルファウイルスRNAベクターレプリコン、および項目10に記載の組換えアルファウイルスベクター粒子からなる群から選択されるベクターを、項目20に記載のパッケージング細胞の集団の中に、該選択されたタンパク質の生成を可能とするに十分な条件下、かつ十分な時間にわたって導入する工程;および
(b)該パッケージング細胞によって生成されたタンパク質を採取する工程
を包含する、方法。
(項目32) 選択されたタンパク質を作製する方法であって、項目22から24のいずれか一項に記載の真核生物層状ベクター開始系を、宿主細胞中に、該選択されたタンパク質の発現を可能とするに十分な条件下、かつ十分な時間にわたって導入する工程を包含する、方法。
(項目33) 項目6から8のいずれか一項に記載のアルファウイルスRNAベクターレプリコンを含む、宿主細胞株。
本発明のこれらのおよび他の局面および実施態様は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照すると明らかとなる。加えて、種々の参考文献が本明細書中に述べられ、これはより詳細に特定の手順または組成(例えば、プラスミド、配列など)を説明し、従って、個別に援用が言及されているかのように、その全体が参考として援用される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、シンドビスウイルスおよび一般的なアルファウイルスのゲノム構成および複製戦略の模式図である。
【図2】図2は、MOIが10でSIN−1、SIN−1/nsP1−4、Toto1101、またはSin−1/nsP2ウイルスに感染したBHK細胞からのウイルスの放出のグラフである。細胞培養液を感染後3、6、9および12時間で採取した。ウイルス力価をプラークアッセイによって決定した。
【図3】図3は、Toto1101、SIN−1/nsP2、SIN−1/nsP1−4、またはSIN−1ウイルスで感染した後のBHK細胞におけるウイルスRNA合成を示すグラフである。細胞を10のMOIで感染させ、そして感染後1時間で、アクチノマイシンDおよび3Hウリジンを加えた。3、6、9、および12hpiで、3Hウリジン取り込みの量を決定した。
【図4】図4は、SIN−1/nsP1、SIN−1/nsP2、SIN−1/nsP3、SIN−1/nsP3−4、SIN−1/nsP4,SIN−1/nsP2−C、SIN−1/nsP2−N、Toto1101、SIN−1、またはSIN−1/nsP1−4に感染したBHK細胞におけるウイルスRNA合成を示すグラフである。3Hウリジン取り込みのレベルを野生型(Toto1101)感染に対して相対的に表す。
【図5】図5は、SIN−InsP1−4、SIN−1、SIN−1nsP2、またはToto1101ウイルスに感染したBHK細胞における宿主細胞タンパク質合成の遮断(shut−off)を示すグラフである。
【図6A】図6Aは、SIN−1ウイルスの8000塩基のcDNA配列である(配列番号101)。
【図6B】図6Bは、SIN−1ウイルスの8000塩基のcDNA配列である(配列番号101)。
【図6C】図6Cは、SIN−1ウイルスの8000塩基のcDNA配列である(配列番号101)。
【図6D】図6Dは、SIN−1ウイルスの8000塩基のcDNA配列である(配列番号101)。
【図7A】図7Aは、SINCGウイルスの8000塩基のcDNA配列である(配列番号102)。
【図7B】図7Bは、SINCGウイルスの8000塩基のcDNA配列である(配列番号102)。
【図7C】図7Cは、SINCGウイルスの8000塩基のcDNA配列である(配列番号102)。
【図7D】図7Dは、SINCGウイルスの8000塩基のcDNA配列である(配列番号102)。
【図8A】図8Aは、Toto1101ウイルスのcDNA配列である(配列番号103)。
【図8B】図8Bは、Toto1101ウイルスのcDNA配列である(配列番号103)。
【図8C】図8Cは、Toto1101ウイルスのcDNA配列である(配列番号103)。
【図8D】図8Dは、Toto1101ウイルスのcDNA配列である(配列番号103)。
【図8E】図8Eは、Toto1101ウイルスのcDNA配列である(配列番号103)。
【図8F】図8Fは、選択マーカーを用いての所望の表現型を発現するベクターの選択を示す模式図である。
【図8G】図8Gは、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼを発現する改変体シンドビスウイルスベクターまたはセムリキ森林ウイルスベクターで安定に形質転換されたG418耐性BHK−21細胞プールから単離されたRNAのノーザンブロット分析である。
【図8H】図8Hは、改変体シンドビスウイルスベクターにおける所望の表現型の原因となる遺伝的決定因子の模式図である。
【図9A】図9Aは、pBG/SIN−1 ELVS 1.5−SEAPまたはpBG/wt ELVS 1.5−SEAPプラスミドDNAでトランスフェクトされ、そして放射性標識されたウイルスRNAプローブとハイブリダイズしたBHK−21細胞から単離されたRNAのノーザンブロット分析である。
【図9B】図9Bは、pBG/SIN−1 ELVS 1.5−SEAPまたはpBG/wt ELVS 1.5−SEAPプラスミドDNAでトランスフェクトされたBHK細胞におけるアルカリホスファターゼ発現の7日間の時間経過を示すグラフである。
【図10】図10は、pBG/SIN−1 ELVS 1.5−lucまたはpBG/wt ELVS 1.5−lucプラスミドDNAでトランスフェクトされたBHK細胞におけるルシフェラーゼ発現の4日間の時間経過を示すグラフである。
【図11A】図11Aは、pBG/SIN−1 ELVS−1.5−β−galまたはpBG/wt ELVS 1.5−β−galプラスミドDNAでトランスフェクトされ、そして放射性標識されたウイルスRNAプローブでハイブリダイズされたBHK−21細胞から単離されたRNAのノーザンブロット分析である。
【図11B】図11Bは、pBG/SIN−1 ELVS−1.5−β−galまたはpBG/wt ELVS 1.5−β−galプラスミドDNAのいずれかでトランスフェクトされたBHK−21細胞中のβ−gal発現を検出するウェスタンブロット分析である。
【図11C】図11Cは、pBG/SIN−1 ELVS−1.5−β−galまたはpBG/wt ELVS 1.5−β−galプラスミドDNAでトランスフェクトされたBHK細胞におけるアルカリホスファターゼ発現の5日間の時間経過を示すグラフである。
【図12A】図12Aは、HBV PRE配列有りまたは無しのELVS β−galベクターでトランスフェクトされたHT1080およびBHK−21細胞における、RLU(相対光単位)で測定されたβ−gal発現を示すグラフである。
【図12B】図12Bは、HBV PRE配列有りまたは無しのELVS β−galベクターでトランスフェクトされたHT1080およびBHK−21細胞における、RLU(相対光単位)で測定されたβ−gal発現を示すグラフである。
【図13】図13は、RNA増幅、構造タンパク質発現、およびベクター誘導性アルファウイルスパッケージング細胞株によるベクターパッケージングの模式図である。
【図14】図14は、アルファウイルスパッケージング細胞株の生成で用いられるベクター誘導性構造タンパク質発現カセットの模式図である。
【図15】図15は、異なるアルファウイルスパッケージング細胞株によるルシフェラーゼベクターパッケージング(発現の移入)を示すグラフである。
【図16】図16は、アルファウイルスベクター(ELVS−βgal)によるトランスフェクトおよびそれに続く発現の後にアルファウイルスパッケージング細胞株により、構造タンパク質の発現が誘導されるが、従来のプラスミドDNA発現ベクター(pCMV−βgal)では誘導されないことを示すウェスタンブロット分析である。
【図17A】図17Aは、pDCMV−intSINrbz構造タンパク質発現カセットを含むC6/36蚊細胞によるルシフェラーゼベクターパッケージングを示すグラフである。
【図17B】図17Bは、プラスミドpBGSVCMVdlneoで安定に形質転換されたヒト293パッケージング細胞によるルシフェラーゼベクターパッケージングを示すグラフである。
【図18】図18は、異なるアルファウイルスパッケージング細胞株によるルシフェラーゼベクターパッケージングを示すグラフである。
【図19】図19は、アルファウイルスパッケージング細胞株から生成されたSINrep/LacZベクター粒子に感染したBHK細胞由来の3Hウリジン標識RNAを示すRNAゲルのオートラジオグラフである。
【図20】図20は、アルファウイルスパッケージング細胞株から生成されたSINrep/LacZベクター粒子に感染したBHK細胞由来の35Sメチオニン標識タンパク質を示すタンパク質ゲルのオートラジオグラフである。
【図21A】図21Aは、構造タンパク質によるアルファウイルスベクターのパッケージングを示す模式図であり、ここでキャプシドタンパク質および糖タンパク質は別個の、すなわち、「分断」発現カセットから発現される。
【図21B】図21Bは、構造タンパク質発現カセットを示す模式図であり、ここでキャプシドタンパク質および糖タンパク質は分離しており、安定な分断構造遺伝子パッケージング細胞株を誘導するために用いられる。
【図21C】図21Cは、トランスフェクトおよびそれに続くアルファウイルス発現ベクター(ELVS−1.5PE[1.5PE]、またはELVS−βgal[βgal])由来のアルファウイルス糖タンパク質またはβgalの合成後の、いくつかのクローン細胞株によるアルファウイルスキャプシドタンパク質合成の誘導を示すウェスタンブロット分析である。
【図21D】図21Dは、アルファウイルス発現ベクター(ELVS−βgal)によるトランスフェクトおよびそれに続く発現の後の、いくつかのクローン細胞株によるアルファウイルスキャプシドタンパク質合成の誘導を示すウェスタンブロット分析である。
【図22】図22は、野生型または欠失変異ロス川ウイルスキャプシドタンパク質遺伝子を含む構造タンパク質発現カセットの領域の模式図である。
【図23】図23は、野生型または欠失変異ロス川ウイルスキャプシドタンパク質遺伝子を含むベクター誘導性構造タンパク質発現カセットの模式図である。
【図24】図24は、ロス川ウイルスキャプシドタンパク質遺伝子配列をシンドビスウイルス糖タンパク質遺伝子の上流に含む「分断」構造タンパク質遺伝子発現カセットによるベクターパッケージングの模式図である。
【図25】図25は、1つのカセット上でロス川ウイルスキャプシドタンパク質遺伝子配列をシンドビスウイルス糖タンパク質遺伝子の上流に含み、そして別個のカセット中にシンドビスウイルスキャプシドタンパク質遺伝子を含む、「分断」構造タンパク質遺伝子発現カセットによるベクターパッケージングの模式図である。
【図26A】図26Aは、上記の「分断」構造タンパク質遺伝子発現カセットを用いるベクター粒子パッケージングの結果を示す表である。
【図26B】図26Bは、図21Bに示す分断構造タンパク質遺伝子発現カセットによる安定なトランスフェクトに由来する薬物耐性細胞プール由来の25個のクローン細胞株のパッケージング活性を、ゲノム構造タンパク質遺伝子PCL(987dlneo)に対して示す、2つのグラフである。
【図26C】図26Cは、アルファウイルスベクター(ELVS−βgal)によるトランスフェクトおよびそれに続く発現の後の3つの分断構造遺伝子アルファウイルスパッケージング細胞株によって構造タンパク質の発現が誘導されるが、従来のプラスミドDNA発現ベクター(pCI−βgal)によっては誘導されないことを示すウェスタンブロット分析である。
【図26D】図26Dは、いくつかの分断構造遺伝子アルファウイルスパッケージング細胞株(クローン9TD、クローン2TD、クローン24TD、クローン20SS)におけるβ−galタンパク質の増幅および生成を、ゲノム構造タンパク質遺伝子PCL(987ゲノムPCL)に対して経時的に示すグラフである。
【図27】図27は、パッケージされたベクター粒子調製物の増幅および組換えタンパク質の大規模生成のための、アルファウイルスパッケージング細胞株の使用の模式図である。
【図28】図28は、アルファウイルスパッケージング細胞株を用いるβ−galタンパク質の増幅および生成を経時的に示すグラフである。
【図29】図29は、インビボでのcDNAからのアルファウイルスベクターRNAの発現の制御のためのテトラサイクリン調節プロモーター系の使用の模式図である。
【図30】図30は、インビボでのcDNAからのアルファウイルスベクターRNAの発現を制御するための、連結された転写リプレッサーおよび転写インデューサー/アクチベーターで調節されるプロモーター系の使用の模式図である。
【図31】図31AおよびBは、変性グリオキサールゲル上で電気泳動された[3H]ウリジン標識RNAのオートラジオグラフであり、このRNAはSINrep/LacZレプリコンおよびDH構築物を含む種々のRRVキャプシド由来のDH RNAでエレクトロポレーションされたBHK細胞から、およびエレクトロポレーションの18時間後の培養液中に存在するベクター粒子から単離された。
【図32】図32AおよびBは、SINrep/LacZレプリコンおよびDH構築物を含む種々のRRVキャプシド由来のDH RNAでエレクトロポレーションされたBHK細胞由来、およびエレクトロポレーションの18時間後の培養液中に存在するベクター粒子由来の35Sメチオニン標識タンパク質のタンパク質ゲルオートラジオグラフである。
【図33A】図33Aは、野生型遺伝子(A)から発現された種々のロス川ウイルス(RRV)キャプシドタンパク質のKyte−Doolittle疎水性プロットである。
【図33B】図33Bは、欠失変異体CΔ1rrv(B)から発現された種々のロス川ウイルス(RRV)キャプシドタンパク質のKyte−Doolittle疎水性プロットである。
【図33C】図33Cは、欠失変異体CΔ2rrv(C)から発現された種々のロス川ウイルス(RRV)キャプシドタンパク質のKyte−Doolittle疎水性プロットである。
【図33D】図33Dは、欠失変異体CΔ3rrv(D)から発現された種々のロス川ウイルス(RRV)キャプシドタンパク質のKyte−Doolittle疎水性プロットである。
【図34】図34は、野生型遺伝子(配列番号114)、および3つの欠失変異体CΔ1rrv(配列番号115)、CΔ2rrv(配列番号116)、およびCΔ3rrv(配列番号117)から発現されるアミノ末端RRVキャプシドタンパク質を示す模式図である。RRVキャプシド遺伝子変異体中で欠失したリジン残基を示す。
【図35】図35は、高MOIでToto1101野生型ウイルスに感染したBHK細胞中のウイルス粒子に取り込まれた[35S]メチオニンおよび[3H]ウリジンの相対レベルを示すグラフである。
【図36】図36は、SINrep/lacZおよびDH−BB(5’tRNA)Crrv DH RNAでエレクトロポレーションされたBHK細胞中のウイルス粒子に取り込まれた[35S]メチオニンおよび[3H]ウリジンの相対レベルを示すグラフである。
【図37】図37は、SINrep/lacZおよびRRVキャプシド欠失変異体DH−BB(5’tRNA)CΔ3rrv DH RNAでエレクトロポレーションされたBHK細胞中のウイルス粒子に取り込まれた[35S]メチオニンおよび[3H]ウリジンの相対レベルを示すグラフである。
【図38】図38は、SINrep/lacZおよびDH RNAでエレクトロポレーションされた、またはToto1101野生型ウイルスに感染したBHK細胞中のウイルス粒子に取り込まれた[35S]メチオニンおよび[3H]ウリジンの相対レベルを示す、図35〜37に示す結果を集計したグラフである。
【図39】図39は、pBGSVCMVdlhygで安定に形質転換されたBHK細胞によるルシフェラーゼベクターパッケージングを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
(用語の定義)
以下の用語は明細書全体を通じて用いられる。特に指示のない限り、これらの用語は以下のように定義される:
「ゲノムRNA」は、標的細胞内でインビボでそれ自体の増幅または自己複製を支配するために必要な遺伝情報のすべてを含むRNAをいう。それ自体の複製を支配するために、RNA分子は:1)1つ以上のポリメラーゼ、レプリカーゼ、あるいはウイルスまたは宿主細胞由来のタンパク質、核酸、またはリボヌクレオタンパク質と相互作用してRNA増幅プロセスを触媒し得る他のタンパク質をコードし得る;そして2)複製に必要シスRNA配列を含み得、これは複製のプロセスの間、その自己コード化タンパク質、または非自己コード化細胞由来のタンパク質、核酸もしくはリボヌクレオタンパク質、またはこれらの成分のいずれかの間の複合体によって結合され得る。アルファウイルス由来のゲノムRNA分子は以下の順序づけられたエレメントを含むべきである:シスで複製に必要とされる5’ウイルスまたは干渉性欠損RNA配列、発現されると生物学的に活性なアルファウイルス非構造タンパク質(例えば、nsP1、nsP2、nsP3、nsP4)をコードする配列、シスで複製に必要とされる3’ウイルス配列、およびポリアデニル化トラクト。アルファウイルス由来のゲノムRNAベクターレプリコンはまた、ウイルスサブゲノム「接合領域」プロモーター(これは、特定の実施態様では、サブゲノムフラグメントのウイルス転写を妨害、増大、または低減するために改変され得る)、および発現されたときに生物学的活性アルファウイルス構造タンパク質(例えば、C、E3、E2、6K、E1)をコードする配列を含み得る。一般に、用語ゲノムRNAは正の極性の分子、または「メッセージ」センスのことをいい、そしてゲノムRNAは任意の既知の天然に存在するアルファウイルスの長さとは異なる長さであり得る。好適な実施態様では、ゲノムRNAは任意のアルファウイルス構造タンパク質をコードする配列を含まない。むしろこれらの配列は異種配列で置換される。ゲノムRNAが組換えアルファウイルス粒子中にパッケージングされる場合の例では、これは粒子の形成を導くアルファウイルス構造タンパク質との相互作用を開始するのに役立つ1つ以上の配列を含まなくてはならず、そして好ましくは、使用されるパッケージング系によって効率的にパッケージングされる長さである。
【0046】
「サブゲノムRNA」、または「26S」RNAは、それが由来するゲノムRNAよりも短い長さまたは小さいサイズのRNA分子をいう。サブゲノムRNAは内部プロモーターから転写されるべきであり、その配列はゲノムRNAまたはその相補体中に存する。サブゲノムRNAの転写は、ウイルスがコードするポリメラーゼ、宿主細胞がコードするポリメラーゼ、転写因子、リボヌクレオタンパク質、またはこれらの組み合わせによって媒介され得る。好適な実施態様においては、サブゲノムRNAは本発明によるベクターから産生され、そして目的の遺伝子または配列をコードまたは発現する。サブゲノムRNAは、沈降係数26を必ずしも有する必要はない。
【0047】
「アルファウイルスベクター構築物」は、目的の配列または遺伝子の発現を支配することができるアセンブリをいう。このようなベクター構築物は、アルファウイルスRNAの転写を開始し得る5’配列(背景において5’CSEとも称する)、ならびに発現したとき、生物学的に活性なアルファウイルス非構造タンパク質(例えば、nsP1、nsP2、nsP3、nsP4)をコードする配列、およびアルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列(背景において3’CSEとも称する)から構成される。加えて、ベクター構築物は、ウイルスサブゲノム「接合領域」プロモーター(これは特定の実施態様では、サブゲノムフラグメントのウイルス転写を妨害、増大、または低減するために、改変され得る)、そしてまたポリアデニル化トラクトを含むべきである。ベクターはまた、その1つ以上の構造タンパク質遺伝子またはその一部由来の配列、生存ウイルスの産生を可能とするに十分なサイズの外来核酸分子、インビトロでcDNAからのウイルスRNAの合成を開始し得る5’プロモーター、発現される異種配列、ならびに異種配列の挿入のための1つ以上の制限部位を含み得る。
【0048】
「アルファウイルスRNAベクターレプリコン」、「RNAベクターレプリコン」および「レプリコン」は、標的細胞内で、インビボでそれ自体の増幅または自己複製を支配し得るRNA分子をいう。それ自体の増幅を支配するために、RNA分子は:1)1つ以上のポリメラーゼ、レプリカーゼ、あるいはウイルスまたは宿主細胞由来のタンパク質、核酸、またはリボヌクレオタンパク質と相互作用して、RNA増幅を触媒し得る他のタンパク質をコードし得る;そして2)複製に必要なシスRNA配列を含み得、これはその自己コード化タンパク質、または非自己コード化細胞由来のタンパク質、核酸もしくはリボヌクレオ核酸、またはこれらの成分のいずれかの間の複合体によって結合され得る。特定の実施態様では、増幅はまたインビトロで起こり得る。アルファウイルス由来のRNAベクターレプリコン分子は以下の順序づけられたエレメントを含むべきである:シスで複製に必要とされる5’ウイルス配列(背景において5’CSEとも称される)、発現されると生物学的に活性なアルファウイルス非構造タンパク質(例えば、nsP1、nsP2、nsP3、nsP4)をコードする配列、シスで複製に必要とされる3’ウイルス配列(背景において3’CSEとも称される)、およびポリアデニル化トラクト。アルファウイルス由来のRNAベクターレプリコンはまた、ウイルスサブゲノム「接合領域」プロモーター(これは、特定の実施態様では、サブゲノムフラグメントのウイルス転写を妨害、増大、または低減するために改変され得る)、1つ以上の構造タンパク質遺伝子またはその一部由来の配列、生存ウイルスの産生を可能とするに十分なサイズの外来核酸分子、ならびに発現される異種配列を含み得る。細胞中のRNAベクターレプリコンの供給源は、ウイルスまたは組換えアルファウイルス粒子での感染由来であり得、あるいはプラスミドDNAはまたインビトロで転写されるRNAのトランスフェクション由来であり得る。
【0049】
「組換えアルファウイルス粒子」はアルファウイルスRNAベクターレプリコンを含むビリオン単位をいう。一般に、組換えアルファウイルス粒子は1つ以上のアルファウイルス構造タンパク質、脂質エンベロープ、およびRNAベクターレプリコンを含む。好ましくは、組換えアルファウイルス粒子はヌクレオキャプシド構造を含み、これは宿主細胞由来の脂質二重層、例えば原形質膜の中に入っており、ここにアルファウイルスがコードするエンベロープ糖タンパク質が包埋される。粒子はまた、アルファウイルスが由来する粒子の向性を支配する他の成分(例えば、ビオチンのような標的化エレメント、他のウイルス構造タンパク質、または他のレセプター結合リガンド)、あるいは他のRNA分子を含み得る。
【0050】
「構造タンパク質発現カセット」は、1つ以上のアルファウイルス構造タンパク質の合成を支配し得る核酸分子をいう。発現カセットは、インビボでcDNAからのRNAの合成を開始し得る5’プロモーター、ならびに発現されると1つ以上の生物学的に活性なアルファウイルス構造タンパク質(例えば、C、E3、E2、6K、E1)をコードする配列、および転写終止を制御する3’配列を含むべきである。発現カセットはまた、アルファウイルスRNAの転写を開始し得る5’配列(背景において5’CSEとも称する)、ウイルスサブゲノム「接合領域」プロモーター、およびアルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列(背景において3’CSEとも称する)を含み得る。特定の実施態様において、発現カセットはまた、スプライス認識配列、触媒的リボザイムプロセシング配列、選択マーカーをコードする配列、核外搬出シグナル、ならびにポリアデニル化配列を含み得る。加えて、アルファウイルス構造タンパク質の発現は、特定の実施態様において、誘導性プロモーターの使用によって調節され得る。
【0051】
「安定な形質転換」は、核酸分子を生存細胞に導入し、そしてこの核酸分子を生殖細胞中で細胞分割の連続的なサイクルを通じて長期間または永続的に維持することを意味する。核酸分子は、任意の細胞コンパートメント(核、ミトコンドリア、または細胞質を包含するがこれらに限定されない)中で維持され得る。好適な実施態様においては、核酸分子は核の中に維持され得る。維持はエピソーム事象のように、染色体内(組み込み)あるいは染色体外であり得る。
【0052】
「アルファウイルスパッケージング細胞株」は、アルファウイルス構造タンパク質発現カセットを含み、かつアルファウイルスベクター構築物、RNAベクターレプリコン、真核生物層状ベクター開始系、または組換えアルファウイルス粒子を導入した後、組換えアルファウイルス粒子を産生する細胞をいう。親細胞は哺乳動物または非哺乳動物起源であり得る。好適な実施態様では、パッケージング細胞株は構造タンパク質発現カセットで安定に形質転換される。
【0053】
「アルファウイルスプロデューサー細胞株」は、組換えアルファウイルス粒子を産生し得る細胞株を意味し、アルファウイルスパッケージング細胞株を含み、これはまたアルファウイルスベクター構築物、RNAベクターレプリコン、真核生物層状ベクター開始系、または組換えアルファウイルス粒子を含む。好ましくは、アルファウイルスベクター構築物は真核生物層状ベクター開始系であり、そしてプロデューサー細胞株はベクター構築物で安定に形質転換される。好適な実施態様では、アルファウイルスベクター構築物の転写およびそれに続く組換えアルファウイルス粒子の産生は、アルファウイルスプロデューサー細胞株の1つ以上の因子、または分化状態への応答においてのみ生じる。
【0054】
「欠損ヘルパー構築物」は、RNA増幅または複製、ならびにトランスで供給される生物学的に活性なアルファウイルス非構造タンパク質に応答して1つ以上のアルファウイルス構造タンパク質の発現が可能であるアセンブリをいう。欠損ヘルパー構築物は以下の順序づけられたエレメントを含むべきである:シスで複製に必要とされる5’ウイルスまたは干渉性欠損RNA配列、ウイルスサブゲノム接合領域プロモーター、発現されると1つ以上の生物学的に活性なアルファウイルス構造タンパク質(例えば、C、E3、E2、6K、E1)をコードする配列、シスで複製のために必要とされる3’ウイルス配列、およびポリアデニル化トラクト。欠損ヘルパー構築物はまた、cDNAからのウイルスRNAの合成を開始し得る5’プロモーター、転写終止を制御する3’配列、スプライス認識配列、触媒的リボザイムプロセシング配列、選択マーカーをコードする配列、および核外搬出シグナルを含み得る。
【0055】
「真核生物層状ベクター開始系」は、目的の配列または遺伝子の発現を支配し得るアセンブリをいう。真核生物層状ベクター開始系は、インビボ(すなわち細胞内)でcDNAからのRNAの合成を開始し得る5’プロモーター、および真核生物細胞中でそれ自体の複製を支配し得、かつまた異種配列を発現し得る核酸ベクター配列を含むべきである。それ自体の増幅を支配し得る核酸配列はウイルスまたは非ウイルス起源であり得る。特定の実施態様では、核酸ベクター配列はアルファウイルス由来の配列であり、そしてアルファウイルスRNAの転写を開始し得る5’配列(背景において5’CSEとも称される)、ならびに発現されると生物学的に活性なアルファウイルス非構造タンパク質(例えば、nsP1、nsP2、nsP3、nsP4)をコードする配列、およびアルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列(背景において3’CSEとも称される)から構成される。加えて、ベクター配列はウイルスサブゲノム「接合領域」プロモーター(これは特定の実施態様では、サブゲノムフラグメントのウイルス転写を妨害、増強、または低減するために改変され得る)、1つ以上の構造タンパク質遺伝子またはその一部由来の配列、至適な増幅を可能とするに十分なサイズの外来核酸分子、発現される異種配列、異種配列の挿入のための1つ以上の認識部位、ならびにポリアデニル化配列を含み得る。真核生物層状ベクター開始系はまた、スプライス認識配列、触媒的リボザイムプロセシング配列、核外搬出シグナル、および転写終止配列を含み得る。特定の実施態様では、cDNAからのベクター核酸配列のインビボ合成は、誘導性プロモーターの使用によって調節され得る。
【0056】
「アルファウイルスcDNAベクター構築物」は、目的の配列または遺伝子の発現を支配し得るアセンブリをいう。このベクター構築物は、アルファウイルスRNAの転写を開始し得る5’配列(5’CSEとも称される)、ならびに発現されると、生物学的に活性なアルファウイルス非構造タンパク質(例えば、nsP1、nsP2、nsP3、nsP4)をコードする配列、およびアルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列(背景において3’CSEと称される)から構成される。加えて、ベクター構築物は、インビボでcDNAからのウイルスRNAの合成を開始し得る5’プロモーター、および転写終止を制御する3’配列を含むべきである。特定の実施態様では、ベクター構築物はさらに、ウイルスサブゲノム「接合領域」プロモーターを含み得、これは、特定の実施態様では、サブゲノムフラグメントのウイルス転写の妨害、増強、または低減のために改変され得る。ベクターはまた、1つ以上の構造タンパク質遺伝子またはその一部由来の配列、外来核酸分子(これは生存ウイルスの生産を可能にするに十分なサイズである)、発現される異種配列、異種配列の挿入のための1つ以上の制限部位、スプライス認識配列、触媒的リボザイムプロセシング配列、核酸エクスポートシグナル、ならびにポリアデニル化配列を含み得る。特定の実施態様では、cDNAからのウイルスRNAのインビボ合成は誘導性プロモーターの使用によって調節され得る。
【0057】
「遺伝子送達ビヒクル」は、遺伝子または目的の配列を送達するために使用され得る構築物をいう。代表例は、アルファウイルスRNAベクターレプリコン、アルファウイルスベクター構築物、真核生物層状ベクター開始系、および組換えアルファウイルス粒子を包含する。
【0058】
本発明の多数の局面および利点は、本発明の実施を明らかにする以下の詳細な説明を考慮すれば当業者には明らかである。
【0059】
(発明の詳細な説明)
上記のように、本発明は新規な遺伝子送達ビヒクルを提供し、これには例えば、RNAベクターレプリコン、アルファウイルスベクター構築物、真核生物層状ベクター開始系、および組換えアルファウイルス粒子が含まれる。簡単に述べると、本発明のプラスミドDNA−、インビトロ転写されたRNA−、または粒子ベースのベクターを細胞に導入すると、野生型由来のアルファウイルスベクターの発現レベルと比べて、等価な、あるいは高いレベルの異種遺伝子発現がもたらされる。しかし予期し得ぬことに、合成されるベクター特異的RNAのレベルは本発明の遺伝子送達ビヒクルを含む培養細胞において、野生型由来のベクターと比べて少なくとも約5倍から10倍低い。さらに、このような遺伝子送達ビヒクルは、宿主細胞に導入した後、野生型由来のベクターと比べて、宿主細胞支配の巨大分子合成の阻害の低減、遅延、または非阻害を示す。
【0060】
以下より詳細に論じるように、本発明は:(A)本発明の遺伝子送達ビヒクルを構築するのに適した野生型アルファウイルスの供給源;(B)所望の表現型を有するアルファウイルスの選択方法;(C)アルファウイルスベクター構築物およびアルファウイルスRNAベクターレプリコンの構築;(D)真核生物層状ベクター開始系の構築;(E)組換えアルファウイルスの構築;(F)本発明の遺伝子送達ビヒクルで発現され得る異種配列;(G)アルファウイルスパッケージングまたはプロデューサー細胞株の構築;(H)薬学的組成物;および(I)アルファウイルスベースのベクターを利用する方法、を提供する。
【0061】
(A.野生型アルファウイルスの供給源)
上記のように、本発明は多様なアルファウイルスベースのベクター(例えば、RNAベクターレプリコン、アルファウイルスベクター構築物、真核生物層状ベクター開始系、および組換えアルファウイルス粒子)、ならびにこのようなベクター構築物および粒子を利用する方法を提供する。簡単に述べると、上記のベクターの調製において使用するのに適した野生型アルファウイルスをコードする配列は、本明細書中で提供される開示があれば、天然に存在する供給源から、あるいは寄託(例えば、American Type Culture Collection,Rockville,Maryland)から容易に得られ得る。加えて、野生型アルファウイルスは、野生型アルファウイルスに感染した細胞における宿主細胞支配の巨大分子合成のレベルを、本発明の遺伝子送達ビヒクルを含む細胞における宿主細胞支配の巨大分子合成のレベルと比較するために使用され得る。
【0062】
適切なアルファウイルスの代表例は、アウラウイルス(ATCC VR−368)、Bebaruウイルス(ATCC VR−600、ATCC VR−1240)、Cabassouウイルス(ATCC VR−922)、チクングンヤウイルス(ATCC VR−64、ATCC VR−1241)、東部ウマ脳脊髄炎ウイルス(ATCC VRN−65、ATCC VR−1242)、Fort Morganウイルス(ATCC VR−924)、ゲタウイルス(ATCC VR−369、ATCC VR−1243)、Kyzylagachウイルス(ATCC VR−927)、Mayaroウイルス(ATCC VR−66、ATCC VR−1277)、ミデルブルグウイルス(ATCC VR−370)、Mucamboウイルス(ATCC VR−580、ATCC VR−1244)、Ndumuウイルス(ATCC VR−371)、Pixunaウイルス(ATCC VR−372、ATCC VR−1245)、ロス川ウイルス(ATCC VR−373、ATCC VR−1246)、セムリキ森林ウイルス(ATCC VR−67、ATCC VR−1247)、シンドビスウイルス(ATCC VR−68、ATCC
VR−1248;CMCC#4640、後述もまた参照のこと)、Tonateウイルス(ATCC VR−925)、Trinitiウイルス(ATCC VR−469)、Unaウイルス(ATCC
VR−374)、ベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス(ATCC VR−69、ATCC
VR−923、ATCC VR−1250 ATCC VR−1249、ATCC VR−532)、西部ウマ脳脊髄炎ウイルス(ATCC VR−70、ATCC VR−1251、ATCC VR−622、ATCC VR1252)、Whataroaウイルス(ATCC VR−926)、およびY−62−33ウイルス(ATCC VR−375)を包含する。
【0063】
細胞巨大分子合成のレベルを比較する目的で、以下のプラスミドもまた野生型アルファウイルスストックの標準源として使用され得る。これらのプラスミドは以下が含まれる:セムリキ森林ウイルスには、pSP6−SFV4(Liljestromら、J.Viol.65:4107−4113,1991);ベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルスには、pV2000(Davisら、Vir.183:20−31,1991);ロス川ウイルスには、pRR64(Kuhnら、Vir.182:430−441,1991)。簡単に述べると、これらのプラスミドについては、ウイルスはプラスミド由来のインビトロで転写されたゲノムRNAでトランスフェクトされたBHK細胞から得られ得る。シンドビスウイルスについては、感染性ウイルスはpVGEL VIS(ATCC番号75891)プラスミドDNAでトランスフェクトされたBHK細胞から直接単離され得、あるいは野生型ウイルスストックとして得られ得る(ATCC番号VR−2526に関して以下提供される寄託情報参照のこと)。
【0064】
(B.所望の表現型を有するアルファウイルスの選択)
アルファウイルスベースのベクターからのインビボでの異種遺伝子発現の持続は、宿主細胞支配の巨大分子合成の阻害を含むいくつかの機構によって影響を受ける。しかし、本発明以前には、非細胞変性表現型をもたらすコーディングまたは非コーディングベクターウイルス特異的配列変化を選択あるいは同定するための明らかな方法は無かった。従って、本発明の1つの局面では、宿主細胞支配の巨大分子合成の阻害が低減された、または非阻害のアルファウイルス由来の遺伝子送達ビヒクルを単離および/または構築するための方法が提供される。
【0065】
(1.ウイルス改変体の生物学的選択)
(a.DI粒子を含むウイルスストックからの選択)
非細胞変性性アルファウイルス改変体を単離するための1つのアプローチは、野生型ウイルス調製物中の干渉性欠損(DI)粒子の存在を利用する。簡単に述べると、特定のRNAウイルス、例えばラブドウイルス(例えば、水疱性口内炎ウイルス)およびアルファウイルス(例えば、シンドビスウイルスおよびセムリキ森林ウイルス)は高度に細胞変性性であるが、それにもかかわらずこれらはDI粒子の存在下で培養細胞中で長期間の永続的感染を確立し得る。DI粒子は定義上、野生型ウイルス由来であり、そして野生型ゲノムと比べて1つ以上の変異(例えば、欠失、再配列、ヌクレオチド置換など)を含み、これはDIによる自律的複製を妨げる。一般に、DI粒子のゲノムは野生型ウイルスに比べてより小さく、かつ複雑性が低く、そしてタンパク質コード領域が欠失しているが、シスで複製に必要とされる領域は維持されている。このようなシス配列はしばしば重複および/または再配列される。特定のアルファウイルス(例えばシンドビスウイルス)の場合、DI RNAゲノムの配列および構成は分析されており、野生型ウイルスゲノムの先端3’末端から最小で50ntを含み、そしてその5’末端に、野生型配列または細胞tRNA(例えば、tRNAAsp)配列のいずれかを、ウイルス配列に加えて含むことが見いだ
されている。すべての場合において、変異したDIゲノムの増殖および維持には感染細胞中に親ヘルパーウイルスが共に存在することが必要とされる。しかし、これらの遺伝子構造の結果として、DIゲノム複製は、その野生型対応物に比べて非常に優勢であり、かつ比較的豊富である。この特徴は、野生型ゲノム複製の妨害、感染性ウイルスの非存在または低レベルの産生、および長期の永続的な細胞の感染の樹立をもたらす。
【0066】
従って、以下実施例1および2に記載されるように、許容細胞(例えば、ヒト起源の細胞を含む哺乳類細胞)における長期の永続的感染をDI粒子の集団を含む混合アルファウイルスストックによる感染によって樹立する能力は、長期にわたって、DI粒子の非存在下でさえ永続的な感染を樹立し得る完全にインタクトなウイルス改変体を単離する機構を提供する。このような感染性ウイルス改変体は長期の永続的に感染した培養から、複数回のプラーク精製によって単離され得、そして宿主細胞において多産性、永続的、かつ非細胞変性性の感染を開始させることが見いだされている。さらに、このような多産性、永続的、かつ非細胞変性性感染から生産される変異ウイルスのレベルは、野生型ウイルス感染由来のものと区別できない。この観察は、DI粒子の混合物を含むウイルスストックによる永続的な感染の樹立のための、今までの必要条件とは明らかに対照的である。
【0067】
(b.DI粒子を含まないウイルスストックからの選択)
干渉性欠損粒子を含むウイルスストックからの選択に加えて、本発明での使用に適したウイルス改変体は精製されたウイルスストック(DI粒子無し)から得れられ得、これは感受性の培養細胞の感染の前にランダムに変異誘発に供されているか、あるいは培養細胞によるRNA複製の間に非特異的な変異を発生させられているかのいずれかである。簡単に述べると、初期のウイルスストックは、天然単離体またはそれに由来する生物学的改変体として得られ得、あるいはゲノムcDNAクローンまたはインビトロで転写されたRNAを含む感染性核酸分子によってトランスフェクトした培養細胞によって生成され得る。所望であれば、ウイルスストックは次に物理的または化学的変異誘発に供され得る(好適ではあるが、このような変異誘発は必ずしも必要ではない)。化学的変異誘発の場合、好適な実施態様は容易に入手可能な変異誘発性物質、例えば、亜硝酸、5−アザシチジン、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、またはエチルメタンスルホン酸(Sigma,St.Louis,MO)をウイルス感染の前に使用する。ランダム変異誘発の後、実施例2でより詳細に後述するように、特異的選択手順を適用して所望の表現型をプロセシングするウイルス改変体を単離する。
【0068】
(2.ウイルス改変体の遺伝子選択)
関連のアプローチにおいて、変異誘発はウイルスストックを用いず、むしろクローン化されたウイルスのゲノムcDNAを用いて得ることができ、これを用いて次に感染性ウイルスRNAをインビトロ(例えば、シンドビスウイルス(Riceら、J.Virol.61:3809−3819,1987;Dubenskyら、J.Virol.70:508−519,l996)、SFV(Liljestromら、J.Virol.65:4107−4113,1991,VEE(Davisら,Virology 183:20−31,1991),ロス川ウイルス(Kuhnら,Virology 182:430−441,l991),ポリオウイルス(Van Der Werfら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:2330−2334,1986))またはインビボ(シンドビスウイルス(Dubenskyら,同箇所)、ポリオウイルス(RacanielloおよびBaltimore,Science 214:916−919,198l))で転写し得る。簡単に述べると、感染性核酸を感受性培養細胞(例えば、ヒト起源の細胞を含む哺乳類細胞)に直接、または上記の方法のうちの1つを用いて行う変異誘発の後のに、いずれかで導入する。あるいは、ベクター核酸を最初に粒子中にパッケージングし、そしてこの粒子を用いてベクターを選択のための標的細胞集団に送達し得る。次に所望の表現型をプロセシングするウイルス改変体の単離のための特異的選択手順を適用し、そしてこれは以下に記載する。
【0069】
特定の実施態様では、ランダム変異誘発は、最初にウイルスcDNAをE.coliのXL1−Red株(Stratagene,San Diego,CA)中に含むプラスミドを増殖することによって行われ得、これはmutS、mutD、およびmutT変異の結果、3つの一次DNA修復経路に欠損がある。しかし、他の変異誘発手順には、リンカー−スキャニング変異誘発(Haltinerら、Nucleic Acids Res.13:1015,1985;Barany,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:4202,1985)、ランダムオリゴヌクレオチド支配の変異誘発(Kunkelら、Methods Enzymol.155:166,1987;ZollerおよびSmith,Methods Enzymol.154:329,1987;Hillら、Methods Enzymol.155:558,1987;Hermesら、Gene 84:143,1989)およびPCR変異誘発(HerlitzeおよびKoenen,Gene 91:143,1990)が含まれるがこれらに限定されず、これらは公開されたプロトコルを使用して容易に置き換えられ得る。得られる変異したcDNAクローンの混合集団を感受性培養細胞に直接、あるいはインビトロでの転写の後に導入する。所望の表現型の変異ウイルスを含むトランスフェクト細胞の富化は、以下記載するように、野生型ウイルス感染細胞以上に増大された生存時間に基づいて達成される。
【0070】
(3.ウイルス由来のベクターを用いた改変体の遺伝子選択)
他のアプローチにおいて、変異はウイルス由来の発現ベクター中の任意の領域(調節、非翻訳領域、またはタンパク質コード遺伝子領域を含む)で生成され得る。例えば、本方法の1つの局面では、宿主細胞支配の巨大分子合成の阻害の低減または非阻害を示すウイルス改変体を選択するための方法が提供され、この方法は:(a)細胞中に、免疫原性細胞表面タンパク質(ベクター含有細胞の検出に適する)あるいは選択マーカー(薬物または非薬物マーカーのいずれかであって、ここで非ベクター含有細胞は、例えばネオマイシン、ハイグロマイシン、フレオマイシン(phleomycin)、gpt、ピューロマイシン、またはヒスチジノールのような薬物を添加すると死滅する)の発現を支配する、真核生物層状ベクター開始系、RNAベクターレプリコン、または組換えアルファウイルス粒子を導入する工程;(b)細胞を所望の表現型を示すベクター含有細胞を選択するに十分な条件下、および十分な時間、インキュベートまたは培養する工程;次に、(c)所望の表現型のベクターを含む細胞を単離する工程、および(d)ベクターを原因の変異について分析する工程を包含する。
【0071】
上記のように、本発明のウイルスベクターは広範な種々のウイルス由来であり得る(例えば、シンドビスウイルス(Xiongら、Scinece 243:1188−1191、1989;Hahnら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:2679−2683、1992;Schlesinger,Trends Biotechnol.11:18−22,1993;Dubenskyら、同箇所)、セムリキ森林ウイルス(LiljestromおよびGaroff,Bio/Technology 9:1356−1361,1991)、ベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス(Davisら、J.Cell.Biochem.Suppl.19A:310,1995)、ポリオウイルス(Choiら、J.Virol.65:2875−2883,1991;Ansardiら、Cancer Res.54:6359−6364,1994;およびAndinoら,Science 265:1448−1451,1994)。上記方法の代表例は以下の実施例2でより詳細に論述される。
【0072】
(4.ウイルス改変体の使用)
本明細書でより詳細に論じられるように、本明細書で提供される方法を使用して選択または生成されたウイルス改変体は、所望の表現型を示す広範囲の組換え遺伝子送達ビヒクルを構築するために使用され得る。特定の実施態様では、遺伝子送達ビヒクルはnsP2遺伝子のLeu−Xaa−Pro−Gly−Gly(「LXPGG」)モチーフ内に変異を含む。簡単に述べると、nsP2遺伝子の公開された配列が入手可能なアルファウイルスでは、高度に保存されたアミノ酸モチーフ−Leu−Xaa−Pro−Gly−Gly−(「LXPGG」)が観察される。標準的なタンパク質モデル化アルゴリズム(ChouおよびFasman,Adv.Enzym.47:45−148,1978)で予測されるように、このモチーフの残基はおそらく構造中にβターンを含む。シンドビスウイルスのnsP2のプロリン726がこのモチーフの中心残基である。他のアルファウイルスにおける対応のモチーフを以下の表に示す。
【0073】
【表1】

それゆえ、本発明の種々の実施態様において遺伝子送達ビヒクルが提供され、この遺伝子送達ビヒクルはLXPGGモチーフ中に変異を有するnsP2遺伝子を含む。他の実施態様において、Leuコドンが、Ala、Arg、Asn、Asp、Asx、Cys、Gln、Glu、Glx、Gly、His、Ile、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、Valまたは他の希少なあるいは非タンパク質アミノ酸からなる群から選択される別のアミノ酸に変異される(例えば、Lehninger,Biochemistry,Worth Publishers,Inc.,N.Y.N.Y.,1975参照のこと)。他の実施態様では、ProコドンがAla、Arg、Asn、Asp、Asx、Cys、Gln、Glu、Glx、Gly、His、lle、Leu、Lys、Met、Phe、Ser、Thr、Trp、Tyr、Val、または他の希少な、あるいは非タンパク質アミノ酸からなる群から選択される別のアミノ酸に変異される。他の実施態様では、Glyコドンのいずれかまたは両方が、Ala、Arg、Asn、Asp、Asx、Cys、Gln、Glu、Glx、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、Val、または他の希少な、または非タンパク質アミノ酸からなる群から選択される別のアミノ酸に変異され得る。さらに他の実施態様では、Xaaアミノ酸、またはLXPGGモチーフの1から3残基上流または下流のアミノ酸が、得られる遺伝子送達ビヒクルの表現型に影響を及ぼすために野生型アミノ酸から変異され得る。本発明の特定の実施態様では、LXPGGモチーフは1つより多いのコドンの変更、あるいは1つ以上のコドンの挿入または欠失を含むように変異され得る。
【0074】
(C.アルファウイルスベクター構築物およびアルファウイルスRNAベクターレプリコン)
上記のように、本発明は、DNAおよびRNA構築物を提供し、これらはアルファウイルス由来である。簡単に述べると、本発明の1つの局面では、アルファウイルスベクター構築物が提供され、これは、インビトロでcDNAからのウイルスRNAの合成を開始する5’プロモーター、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子(上記のような単離された核酸分子を含む)、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含む。他の局面では、RNAベクターレプリコンが提供され、これは、アルファウイルスRNAの転写を開始する5’配列、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸分子(上記の単離された核酸分子を含む)、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および3’ポリアデニル化トラクトを含む。上記の好適な実施態様では、上記の構築物はさらにウイルス接合領域を含む。これらの局面の各々は以下、より詳細に論じる。
【0075】
(1.ウイルスRNAの合成を開始する5’プロモーター)
上記のように、本発明の特定の実施態様では、アルファウイルスベクター構築物が提供され、これは、インビトロ転写のプロセスによるcDNAからのウイルスRNAの合成を開始する5’プロモーター(例えば、DNA依存性RNAポリメラーゼプロモーター)を含む。好適な実施態様では、このようなプロモーターは、例えば、バクテリオファージT7、T3、およびSP6 RNAポリメラーゼプロモーターが含まれる。同様に、真核生物層状ベクター開始系が提供され(例えば、DNA依存性RNAポリメラーゼプロモーター)、これはインビボ(すなわち細胞内)でcDNAからのウイルスRNAの合成を開始する5’プロモーターを含む。特定の実施態様では、このようなRNAポリメラーゼプロモーターは(アルファウイルスベクター構築物または真核生物層状ベクター開始系のいずれかについて)原核および真核生物生物由来の両方であり得、そして例えば、細菌β−ガラクトシドおよびtrpEプロモーター、および真核生物ウイルスサルウイルス40(SV40)(例えば、初期または後期)、サイトメガロウイルス(CMV)(例えば、即時初期)、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)またはラウス肉腫ウイルス(RSV)LTR、および単純ヘルペスウイルス(HSV)(チミジンキナーゼ)プロモーターを含む。
【0076】
(2.転写を開始する配列)
上記のように、好適な実施態様では、本発明のアルファウイルスベクター構築物およびRNAベクターレプリコンは、アルファウイルスRNAの転写を開始し得る5’配列(5’−末端CSE、または5’シス複製配列とも称する)を含む。このような配列の代表例は、ヌクレオチド1−60を含み、そしてもっと少ない程度で、野生型シンドビスウイルスの塩基150−210にわたるヌクレオチド、tRNAASPに対するヌクレオチド10
−75(アスパラギン酸、Schlesingerら、米国特許第5,091,309号)、および転写を開始する他のアルファウイルス由来の5’配列を含む。これはこれらの配列の相補体であり、これはマイナス鎖ゲノムコピーの3’末端(これはnsPレプリカーゼ複合体によって結合される)、およびおそらく、さらなる宿主細胞因子に対応し、ここからポジティブ鎖ゲノムRNAの転写が開始される。
【0077】
(3.アルファウイルス非構造タンパク質)
本明細書で提供されるアルファウイルスベクター構築物およびRNAベクターレプリコンはまた、4つすべてのアルファウイルス非構造タンパク質をコードする配列を必要とし、これは上記の所望の表現型を提供する配列を含む。簡単に述べると、アルファウイルス非構造タンパク質をコードする多様な配列が、本明細書で明示的に提供されている配列に加えて、本発明で使用され得、従って、句「アルファウイルス非構造タンパク質」の範囲に入るものと考えられる。例えば、遺伝子コードの縮重のせいで、1つより多くのコドンが所定のアミノ酸をコードし得る。従って、アルファウイルス非構造タンパク質をコードする多様な核酸配列が生成され得る。さらに、任意の多数の位置でアミノ酸が置換、付加、または欠失してもなお、機能的または生物学的に活性な非構造タンパク質が提供され得る。本発明の文脈内で、アルファウイルス非構造タンパク質は、ベクター構築物の自己複製(すなわち、ウイルス核酸の複製であり、感染性ウイルスの産生を必ずしも必要としない)を促進するならば生物学的に活性であると考えられ、そして時間の経過にわたって行われる代謝標識またはRNase保護アッセイによって容易に決定され得る。このような誘導体の作製方法は、本明細書で提供される開示があれば、当業者によって容易に達成される。
【0078】
アルファウイルスは、nsp1、nsp2、nsp3、およびnsp4と名付けられる4つの非構造タンパク質を発現する。アルファウイルス由来の本発明のベクターは4つの非構造タンパク質をコードする配列を含むべきである。野生型シンドビスウイルスでは、非構造タンパク質1−3はヌクレオチド60から5747によってコードされ、他方、nsP4はヌクレオチド5769から7598によってコードされる(図1を参照のこと)。非構造タンパク質は、ゲノムポジティブ鎖RNAから2つの大きなポリプロテイン(各々P123またはP1234として知られる)のうちの1つとして、(i)コーディング領域nsP3とnsP4の間にオパール終止コドンが存在するかどうか、あるいは(ii)そのようなオパール終止コドンが存在する場合、発生期のポリペプチドの翻訳がこの点で終止するか、あるいはリードスルーされ、それゆえP1234が産生するかどうかに応じて、翻訳される。オパール終止コドンは、アルファウイルスSIN(AR339株、および本明細書に記載されるSIN−1株)、AURA、WEE、EEE、VEE、およびRRのnsP3/nsP4接合に存在し、そのためP123およびP1234種はこれらのウイルスで感染した細胞で発現される。対照的に、アルファウイルスSIN(AR86、SF、およびONN株)のnsP3/nsP4接合には終止コドンは存在せず、そのためこれらのウイルスで感染した細胞ではP1234種が発現される。ポリプロテインおよびプロセスされたモノマー形態の非構造タンパク質の両方が、アルファウイルスRNAゲノムの複製において機能する。アルファウイルス非構造タンパク質切断改変体の増殖特性を検査する実験は、ポリプロテインがゲノムネガティブ鎖RNAの合成に関与し、他方、個々のモノマータンパク質がゲノムおよびサブゲノムポジティブ鎖RNA種の合成を触媒することを示唆している(ShirakoおよびStrauss,J.Virol.68:1874−1885,1994)。翻訳のリードスルーは通常、オパール終止コドンをnsP3/nsP4接合に含む野生型シンドビスウイルスで感染した細胞において、約10%〜20%の機会で生じる。P123およびP1234のプロセシングは、非構造タンパク質の1つによってコードされるプロテイナーゼ活性により、以下さらに論じられる。プロセシングの順序は、シスでもトランスでも、感染の段階を含む種々の因子に依存する。例えば、シンドビスウイルスおよびSFVは感染の初期にはP123とnsP4を産生し、そして感染の後期にはP12とP34を産生する。次にさらなるプロセシングにより個別の非構造タンパク質が遊離する。各非構造タンパク質はいくつかの機能を有し、そのいくつかを以下記載する。
【0079】
(a.nsP1)
非構造タンパク質1はマイナス鎖RNA合成の開始(または持続)のために必要とされる。これはまた、転写の際のゲノムおよびサブゲノムアルファウイルスRNAの5’末端のキャッピングにおいて役割を果たす。なぜならnsP1は、メチルトランスフェラーゼ(MiおよびStollar,Vir.184:423−427,1991)およびグアニルトランスフェラーゼ活性(StraussおよびStrauss,Microbiol.Rev.58(3):491−562,1994)の両方を有するからである。nsP1はまたnsP2のプロテイナーゼ活性を調節する。なぜなら、nsP1を含むポリプロテインはnsP2とnsP3の間の開裂の効率が悪いからである(de Grootら、EMBO J.9:2631−2638,1990)。
【0080】
(b.nsP2)
非構造タンパク質2は多機能タンパク質であり、ウイルスRNAの複製および非構造ポリプロテインのプロセシングに関与する。タンパク質のN−末端ドメイン(最初の約460アミノ酸にわたる)はヘリカーゼであると考えられており、これはRNA複製および転写の際の二重鎖の巻き戻しにおいて活性である。26SサブゲノムmRNAは本発明によるベクター中で目的の遺伝子をコードし、その合成は機能性nsP2を必要とする。nsP2のC−末端ドメインはシンドビスウイルスのアミノ酸残基460−807の間であり、これはトランスおよびシスで非構造ポリプロテインをnsP1/nsP2、nsP2/nsP3、およびnsP3/nsP4接合の間でタンパク質加水分解で切断する。アルファウイルスnsP2のC末端ドメインの一次配列の整列は、nsP2がパパイン様プロテイナーゼであることを示唆する(HardyおよびStrauss,J.Virol. 63:4653−4664,1988)。
【0081】
nsP2の観察される他の特徴はまだ、アルファウイルスの増殖に直接関連する機能に帰属されていない。例えば、nsP2はSFV感染細胞中のリボソームに密接に会合し、そしてUV照射によってrRNAに架橋し得ることが示されている(Rankiら、FE
BS Lett.108:299−302,1979)。さらに、nsP2の50%は核マトリックス中、特にSFV感染BHK細胞核小体の領域に位置する(Peranenら、J.Viol.64:1888−1896,1990)。nsP2の核への局在化はおそらく活性な輸送によって進行する。なぜなら、サイズが小さいタンパク質および代謝物(約20−60kD)が多いからである。これらは核のコア複合体を通しての拡散によって核中に侵入し得る(Paineら、Nature 254:109−114,1975)。推定NLS配列はアルファウイルスSFV、SIN、RR、ONN、OCK、およびVEE中で同定されている(Rikkonenら、Vir.189:462−473,1992)。
【0082】
(c.nsP3)
非構造タンパク質nsP3は2つの区別されるドメインを含むが、ウイルス複製におけるこれらの正確な役割は詳しく理解されていない。N末端ドメインは異なるアルファウイルスにおいて322から329残基の長さにわたる範囲であり、2つのアルファウイルス間で最小で51%のアミノ酸配列同一性を示す。しかし、C末端ドメインは既知のアルファウイルス間で、長さまたは配列が保存されておらず、複数の変化が許容される(Liら、Virology,179:416−427)。このタンパク質は多量にホスホリル化された状態で複製複合体と会合することが見いだされる。nsP3/nsP4接合の間にオパール終止コドンを含むゲノムのアルファウイルスにおいては、2つの異なるタンパク質が、オパール終止シグナルのリードスルーが存在するか否かに応じて産生される。リードスルーの結果、ポリプロテインの切断の後に7つの追加カルボキシ末端アミノ酸を含むnsP3タンパク質が得られる。nsP3はウイルスRNA合成のいくつかの能力に必要とされることが明白である。なぜならこのタンパク質の特定の改変体はRNAネガティブであり、そしてP123ポリプロテインがマイナス鎖RNA合成に必要とされるからである。
【0083】
(d.nsP4)
nsP4はウイルスがコードするRNAポリメラーゼであり、そしてこのような酵素に特徴的なGDDモチーフを含む(KamerおよびArgos,Nucleic Aci
ds Res.12:7269−7282,1984)。それゆえ、nsP4はアルファウイルスRNA複製に不可欠である。nsP4の濃度は感染細胞中で厳密に調節される。大部分のアルファウイルスにおいて、nsP4の翻訳はnsP3およびnsP4コーディング領域の間のオパールコドンのリードスルーを必要とし、その結果、他の非構造タンパク質と比べてより低い細胞内レベルとなる。さらに、大量のnsP4は、N末端ルール(rule)経路による分解を通じて、代謝的に不安定である(Gondaら、J.Biol.Chem.264:16700−16712,1989)。しかし、nsP4のいくつかは、分解シグナルを隠蔽する複製複合体との会合によって安定である。従って、アミノ末端残基の改変による酵素の安定化は、本明細書に記載のベクターによってコードされるタンパク質のさらに長期の発現を促進するのに有用であることが証明され得る。アミノ末端残基の安定化は、メチオニン、アラニン、およびチロシンを含む。
【0084】
(4.ウイルス接合領域)
アルファウイルス接合領域は通常、サブゲノムmRNAの転写の開始を制御する。従って、このエレメントはまたサブゲノムmRNAプロモーターとも称される。シンドビスウイルスの場合、通常のウイルス接合領域は典型的にはおよそヌクレオチド番号7579から始まり、そして少なくともヌクレオチド番号7612を通って(そして可能であればその先まで)続く。最小でも、ヌクレオチド7579から7602(5’−ATC TCT
ACG GTG GTC CTA
AAT AGT−配列番号1)はサブゲノムフラグメントの転写に必要であると考えられている。この領域(ヌクレオチド7579から7602)を以下「最小接合領域コア」とよぶ。
【0085】
本発明の特定の局面では、ウイルス接合領域はサブゲノムフラグメントの合成を妨げるために失活される。本明細書の文脈で使用される場合、「失活」はサブゲノムmRNAに対応する種が、(FrolovおよびSchlesinger,J.Virol.68:1721−1727,1994)記載のように、これらのベクターを含む細胞から精製され、そして1μg/mlのダクチノマイシンで処理され、そして[3H]−ウリジンで標
識された、電気泳動されたRNAの変性ゲルからのオートラジオグラムで観察されないことを意味する。
【0086】
本発明の1つの実施態様では、遺伝子送達ビヒクルは、リボソームリードスルーまたは内部リボソームエントリーのいずれかを促進するシグナルを、失活した接合領域プロモーターのすぐ下流に置くことによて構築され得る。このベクター配置では、サブゲノムメッセージの合成は起こり得ない。しかし、異種タンパク質はゲノム長のmRNAから、リボソームのリードスルー(スキャニング)または内部リボソームエントリーのいずれかによって発現される。
【0087】
本明細書に記載の遺伝子送達ビヒクルの特定の用途では、1つより多い異種遺伝子の発現が所望される。例えば、ゴーシェ病のような代謝障害を処置するためには、遺伝子送達ビヒクルまたは粒子の複数回投与が必要とされ得る。なぜなら治療的緩和剤の持続期間は限定され得るからである。従って、本発明の特定の実施態様において、標的細胞中でアデノウイルス2E3遺伝子をグルコセレブロシダーゼ遺伝子のような治療的緩和剤と共に発現することが所望され得る。野生型ウイルスでは、構造タンパク質(sP)ポリシストロンメッセージは単一のポリプロテインに翻訳され、これが次にsPキャプシドプロテイナーゼによってプロセスされて、一部分が個別のタンパク質になる。従って、ポリシストロンメッセージからの複数の異種遺伝子の発現は、野生型ウイルスとは異なる機構を必要とする。なぜなら、キャプシドsPのプロテアーゼ活性、または切断のために認識されるペプチドは、アルファウイルスベクターの置換領域に存在しないからである。従って、本発明のさらなる実施態様では、複数の独立した異種配列(リボソームリードスルー、キャップ非依存性翻訳、内部リボソームエントリー、または最小接合領域コア配列を含む)の翻訳を可能とする機能性エレメントが使用され得る。
【0088】
(5.アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、およびポリ(A)トラクト)
上記のように、本発明のアルファウイルスベクター構築物またはRNAベクターレプリコンはまた、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列(「アルファウイルスレプリカーゼ認識配列」、「3’終止CSE」、または「3’シス複製配列」ともよばれる)を含むべきである。簡単に述べると、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列はポジティブ鎖ゲノムRNAの3’末端領域に位置し、これはウイルスがネガティブ鎖の合成によって複製を始める認識部位を提供する。多様な配列がアルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列として使用され得る。例えば、1つの実施態様では、その中のポリメラーゼ認識が切断されてより小さい領域になり、これがなお認識配列(例えば、ヌクレオチド11,684から11,703)として機能するような、シンドビスウイルスベクター構築物が使用され得る。本発明の他の実施態様では、非翻訳領域全体がE1sP遺伝子の下流からポリメラーゼ認識部位を含むウイルスゲノムの3’末端までである(例えば、ヌクレオチド11,382から11,703)、シンドビスウイルスベクター構築物が使用され得る。
【0089】
本発明の好適な実施態様では、アルファウイルスベクター構築物またはRNAベクターレプリコンはさらにポリ(A)トラクトを含み得、これはアルファウイルス由来のベクターに感染した細胞における異種遺伝子発現の観察レベルを劇的に上昇させる(例えば、Dubenskyら、前出を参照のこと)。簡単に述べると、ポリ(A)トラクトは細胞質中での安定性を促進するに十分な任意のサイズであり得、それによりウイルスのライフサイクルの開始の効率を増大させる。本発明の種々の実施態様において、ポリ(A)配列は少なくとも10のアデノシンヌクレオチドを含み、そして最も好ましくは、少なくとも25のアデノシンヌクレオチドを含む。1つの実施態様では、ポリ(A)配列はシンドビスウイルスヌクレオチド11,703に直接結合する。
【0090】
(D.真核生物層状(layered)ベクター開始系)
完全長ゲノムであるアルファウイルスcDNAクローンのサイズのために、完全長キャップRNA分子のインビトロ転写はかなり非効率である。これは、トランスフェクトされるインビトロ転写RNAの量と比較したウイルス感染中心(infectious center)(プラーク形成により測定される)の点からみると、トランスフェクション効率のより低い低下をもたらす。このような非効率はまた、アルファウイルス発現ベクターのインビトロ転写に関連する。従って、候補cDNAクローンおよび他のアルファウイルスcDNA発現ベクターの、感染周期を開始するか、または異種配列発現を指向するそれらの能力についての試験は、cDNAクローンがDNA分子として感受性細胞にトランスフェクトされ、次いで、これがウイルスRNA合成をインビボで指向する場合に、非常に容易にされ得る。
【0091】
従って、本発明の1つの局面において、ウイルスRNA(ゲノムまたはベクター)の合成をインビボで指向し得る、DNAに基づくベクター(「真核生物層状ベクター開始系」と呼ばれる)が提供される。一般的に、真核生物層状ベクター開始系は、cDNAからRNAへの5’合成をインビボで(すなわち、細胞内で)開始し得る5’プロモーター、細胞においてそれ自身の複製を指向し得る構築物(この構築物はまた、異種核酸配列を発現し得る)、および転写終結を制御する3’配列(例えば、ポリアデニル化領域)を含む。このような真核生物層状ベクター開始系は、異種ヌクレオチド配列の発現を制御する、2段階機構または「層状」機構を提供する。簡単には、第1層は、第2層の転写を開始し、そしてcDNAからRNAへの5’→3’合成をインビボで開始し得るプロモーター(例えば、5’真核生物プロモーター)を含み、そして所望であれば、3’転写終結/ポリアデニル化部位、1つ以上のスプライス部位、ならびに他のRNA核輸送エレメント(例えば、B型肝炎ウイルス転写後調節エレメント(PRE)(Huangら、Mol.Cell.Biol.13:7476,1993;Huaungら、J.Virol.68:3193,1994;Huangら、Mol.Cell.Biol.15:3864−3869,1995)、メイソン−パイツアーサルウイルス構成輸送エレメント(CTE)(Brayら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:1256−1260,1994)、HIV Rev応答エレメント(Malimら、Nature 338:254−257,1989;Cullenら、Trends Biochem.Sci.16:346,1991、および他の類似のエレメントを含む)を所望ならば含む、他のエレメントをさらに含み得る。本発明での使用に適した代表的なプロモーターは、真核生物プロモーター(例えば、polI、II、またはIII)および原核生物プロモーターの両方、ならびに誘導性または非誘導性(すなわち、構成性)プロモーター(例えば、モロニーマウス白血病ウイルスプロモーター、メタロチオネインプロモーター、グルココルチコイドプロモーター、Drosophilaのアクチン5C遠方(distal)プロモーター、SV40プロモーター、熱ショックタンパク質65プロモーター、熱ショックタンパク質70プロモーター、免疫グロブリンプロモーター、マウスポリオーマウイルスプロモーター(Py)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)プロモーター、BKウイルスおよびJCウイルスプロモーター、マウス乳ガンウイルス(MMTV)プロモーター、アルファウイルス接合領域(junction region)、CMVプロモーター、アデノウイルスE1プロモーターまたはVA1RNAプロモーター、rRNAプロモーター、tRNAメチオニンプロモーター、CaMV 35Sプロモーター、ノパリンシンターゼプロモーター、テトラサイクリン応答プロモーター、ならびにlacプロモーター)を含む。
【0092】
本発明のなお他の実施態様において、誘導性プロモーターが利用され得る。例えば、1つの実施態様において、コアRNAポリメラーゼプロモーター配列、および転写アクチベータータンパク質のDNA結合を指向する作動可能に連結された核酸配列、および転写リプレッサータンパク質のDNA結合を指向する作動可能に連結された核酸配列を含む、DNAからRNAへの合成を開始する誘導性プロモーターが提供される。さらなる実施態様において、転写アクチベータータンパク質のDNA結合を指向する核酸配列は、テトラサイクリンリプレッサー/VP16転写アクチベーター融合タンパク質を結合する配列である。なお別の実施態様において、転写リプレッサータンパク質のDNA結合を指向する核酸配列は、ラクトースリプレッサー/クルッペルドメイン融合タンパク質を結合する配列である。
【0093】
第2層は、1つ以上の異種ヌクレオチド配列を発現し得、そして、自律的に、または1つ以上の因子に応答して(すなわち、誘導性である)のいずれかで、細胞においてそれ自身の複製を指向し得る、自己触媒ベクター構築物を含む。第2層は、ウイルス起源または非ウイルス起源であり得る。本発明の1つの実施態様において、第2層構築物は、上記のアルファウイルスベクター構築物であり得る。
【0094】
例えば、DNAウイルス(例えば、ポックスウイルス科に分類されるDNAウイルス(例えば、カナリア痘ウイルスまたはワクシニアウイルスを含む)から開発されたウイルスベクター構築物(例えば、Fisher−Hochら、PNAS 86:317−321,1989;Flexnerら、Ann.N.Y.Acad.Sci.569:86−103,1989;Flexnerら、Vaccine 8:17−21,1990;米国特許第4,603,112号、同第4,769,330号、および同第5,017,487号;WO 89/01973);パポバウイルス科(Papoviridae)に分類されるウイルス(例えば、BKV、JCV、またはSV40)から開発されたウイルスベクター構築物(例えば、Mulliganら、Nature 277:108−114,1979);アデノウイルス科(例えば、アデノウイルス)から開発されたウイルスベクター構築物(例えば、Berkner,Biotechniques 6:616−627,1988;Rosenfeldら、Science 252:431−434,1991);パルボウイルス科(例えば、アデノ随伴ウイルス)から開発されたウイルスベクター構築物(例えば、Samulskiら、J.Vir.63:3822−3828,1989;Mendelsonら、Virol.166:154−165,1988:PA
7/222,684);ヘルペスウイルス科(例えば、単純ヘルペスウイルス)から開発されたウイルスベクター構築物(例えば、Kit,Adv.Exp.Med.Biol.215:219−236,1989);ならびにヘパドナウイルス科(例えば、HBV)から開発されたウイルスベクター構築物、ならびにDNA中間体を通して複製するある種のRNAウイルス(例えば、レトロウイルス科)から開発されたウイルスベクター構築物(例えば、米国特許第4,777,127号、GB 2,200,651、EP 0,345,242、およびWO91/02805)を含む、広範な種々のベクター系が、真核生物層状ベクター開始系の第1層として利用され得る;レトロウイルス科は、白血病ウイルス(例えば、MoMLV)および免疫不全ウイルス(例えば、HIV)(例えば、Poznansky,J.Virol.65:532−536,1991)を含む。
【0095】
同様に、例えば、以下の科のウイルスに由来するベクター系を含む、広範な種々のベクター系が、真核生物層状ベクター開始系の第2層として利用され得る:ピコルナウイルス科(例えば、ポリオウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス)、カルシウイルス科、トガウイルス科(例えば、アルファウイルス、風疹)、フラビウイルス科(例えば、黄熱、HCV)、コロナウイルス科(例えば、HCV、TGEV、IBV、MHV、BCV)、ブンヤウイルス科、アレナウイルス科、レトロウイルス科(例えば、RSV、MoMLV、HIV、HTLV)、デルタ型肝炎ウイルス、およびアストロウイルス。さらに、非哺乳動物RNAウイルス(ならびに、それらに由来する成分)(例えば、細菌レプリカーゼおよびバクテリオファージレプリカーゼ、ならびに植物ウイルス(例えば、ポテックスウイルス(例えば、PVX)、カルラウイルス(例えば、PVM)、トブラウイルス(例えば、TRV、PEBV、PRV)、トバモウイルス(例えば、TMV、ToMV、PPMV)、ルテオウイルス(例えば、PLRV)、ポチウイルス(例えば、TEV、PPV、PVY)、トンブスウイルス(例えば、CyRSV)、ネポウイルス(例えば、GFLV)、ブロモウイルス(例えば、BMV)、およびトパモウイルス)に由来する成分を含む)もまた利用され得る。
【0096】
真核生物ベクター開始系の第2層に含まれる、自己触媒ベクター構築物の複製能は、当業者に公知の種々のアッセイ(例えば、細胞RNA合成インヒビター(例えば、ダクチノマイシン)の存在下でトランスフェクト細胞における+センスおよび−センスの両方の増加を経時的に測定するリボヌクレアーゼ保護アッセイ、およびトランスフェクト細胞におけるサブゲノムRNA合成または異種レポーター遺伝子発現を測定するアッセイもまた含む)により測定され得る。
【0097】
本発明の特に好ましい実施態様において、cDNAからアルファウイルスRNAへの合成をインビボで開始し得る5’プロモーター(すなわち、RNA合成DNAプロモーター)、引き続いて、アルファウイルスRNAの転写を開始し得る5’配列、4つ全てのアルファウイルス非構造タンパク質を作動可能にコードする核酸配列(組換えアルファウイルス粒子に作動可能に取り込まれた場合、所望の表現型をもたらす上記の核酸分子を含む)、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、および転写終結/ポリアデニル化を制御する3’配列を含む、真核生物層状ベクター開始系が提供される。さらに、発現される異種配列に作動可能に連結されるウイルス接合領域が含まれ得る。種々の実施態様において、ウイルス接合領域は、サブゲノムフラグメントのウイルス転写が増大、低減、または不活化されるように改変され得る。第2の実施態様において、別のウイルス接合領域は、第1の不活化ウイルス接合領域の後に挿入され得、第2のウイルス接合領域は、活性であるか、またはサブゲノムフラグメントのウイルス転写が増大もしくは低減されるように改変されているかのいずれかである。
【0098】
真核生物層状ベクター開始系のインビボ転写後に得られるアルファウイルスRNAベクターレプリコン分子は、アルファウイルスRNA転写を開始し得る5’配列、生物学的に活性なアルファウイルス非構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列、ウイルス接合領域、異種ヌクレオチド配列、アルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列、およびポリアデニル化配列からなる。
【0099】
アルファウイルス転写を開始し得る5’配列、アルファウイルス非構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列、ウイルス接合領域(サブゲノムフラグメントのウイルス転写が妨げられるように不活化された接合領域を含む)、およびアルファウイルスRNAポリメラーゼ認識配列を含む、アルファウイルスcDNAベクター構築物の種々の局面は上記で議論された。さらに、改変接合領域およびタンデム接合領域もまた上記で議論された。
【0100】
本発明の別の実施態様において、真核生物層状ベクター開始系は、特定の真核生物種(特に、哺乳動物種(例えば、ヒト))に由来する1つ以上の細胞株において複製するように適合されたアルファウイルスベクター(例えば、シンドビスベクター構築物)に由来する。例えば、発現される組換えタンパク質をコードする遺伝子がヒト起源であり、そしてこのタンパク質がヒト治療用途に意図される場合、適切なヒト細胞株における生成は、このタンパク質が、ヒトにおいて生じるのが求められるように翻訳後修飾されるために好ましくあり得る。このアプローチは、(以下でより詳細に議論されるように)組換えタンパク質生成をさらに増強させることにおいて有用であり得る。ウイルスレプリカーゼの不正確性のためにアルファウイルスゲノムの全適応性があれば、選択された真核生物細胞(例えば、ヒト、マウス、イヌ、ネコなど)において高力価である増殖性感染を確立する能力を増強した変異株が選択され得る。さらに、真核生物細胞において高力価な持続性感染を確立する能力を増強した変異アルファウイルス株もまた、このアプローチを用いて単離され得る。次いで、アルファウイルス発現ベクターは、本明細書中に提供される手順に従って、これらの変異株のcDNAクローンから構築され得る。
【0101】
本発明の別の実施態様において、真核生物層状ベクター開始系は、分化細胞型でしか転写活性でない、初期アルファウイルスベクター転写プロモーターを含む。簡単には、培養哺乳動物細胞(例えば、ハムスターに由来する細胞(例えば、乳児ハムスター腎臓細胞)またはニワトリ由来の細胞(例えば、ニワトリ胚線維芽細胞))のアルファウイルス感染が代表的に細胞傷害性をもたらすことは、十分に確証されている。従って、安定に形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞株を作製するために、初期ベクター増幅を可能にするプロモーターが転写不活性であるが誘導性のプロモーターである、真核生物層状ベクター開始系を宿主細胞に導入し得る。特に好ましい実施態様において、このようなプロモーターは分化状態依存性である。この構成において、プロモーター活性化およびその後のアルファウイルスDNAベクターの活性化は、細胞分化の誘導と同時に起こる。ある細胞数のこのような安定に形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞株への増殖の際に、適切な分化の刺激が提供され、それによりベクター構築物の転写および所望の遺伝子およびコードされたポリペプチドの増幅発現を開始する。特定の刺激の適用により分化するように誘導され得る細胞株と同様に、多くのこのような分化状態依存性プロモーターが当業者に公知である。代表的な例は、細胞株F9およびP19、HL60、ならびにFreund赤白血病細胞株、ならびにHELを含み、これらは、レチノイン酸、ウマ血清、およびDMSOによりそれぞれ活性化される。
【0102】
好ましい実施態様において、このようなプロモーターは、2つの別々の成分により調節され得る。例えば、実施例7に記載のように、転写アクチベーターおよび転写リプレッサー両方の結合部位は、作動可能依存性の様式で、「コア」プロモーターに隣接して配置される。この構成において、非誘導状態は、転写アクチベーターがその認識部位を見出す能力をブロックする一方、転写リプレッサーが構成的に発現され、そしてその認識部位に結合することを可能にすることにより維持される。誘導は、転写リプレッサーをブロックし、そして転写アクチベーターブロックを解除することにより可能とされる。例えば、テトラサイクリン応答プロモーター系(GossenおよびBujard、Proc.Natl.Acad.Sci.89:5547−5551,1992)は、アルファウイルスベクターRNAの誘導転写のために利用され得る。この系において、「融合」タンパク質(rTA)としての、テトラサイクリンリプレッサーおよびHSV−VP16転写アクチベータードメインの発現は、最小「コア」プロモーター(例えば、CMV)のきわめて隣接して位置するテトラサイクリンオペレーター配列(tetO)に特異的に結合することにより、アルファウイルスベクターRNAのインビボ転写を刺激する。結合およびトランス活性化事象は、テトラサイクリンの存在により可逆的にブロックされ、そしてテトラサイクリンを培養培地から除去することにより「活性化(turn on)」され得る。転写の非誘導基底レベルは異なる細胞型間で異なることから、他の異なる最小コアプロモーター(例えば、HSV−tk)は、アルファウイルスベクターヌクレオチド1での処置またはそれにきわめて近接した並置を可能にするために転写開始部位が既知であれば、テトラサイクリンオペレーター配列に連結され得る。
【0103】
rTAトランスアクチベーターは、さらなる発現カセット(これもまた同じ細胞株に安定に形質転換されている)により提供され得;そして特定の実施態様において、rTA発現カセット自身は自己調節性であり得る。自己調節性rTA発現カセットの使用は、発現と、rTA自身が結合する同じtetO連結プロモーターによる転写制御とを組み合せることにより、rTAの構成性高レベル発現と関連する潜在的な毒性問題を回避する。この型の系は、テトラサイクリン存在下においてrTAは全く生成されないが、テトラサイクリンが除去された場合に高度に活性になることを確実にする、負のフィードバックサイクルを作り出す。このような自己調節性rTA発現カセットは、プラスミドpTet−tTAkにおいて提供される(Shoskettら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:6522−6526,1995)。
【0104】
転写抑制のために、特定のジンクフィンガータンパク質のKRAB抑制ドメインもまた利用され得る。簡単には、KRAB(クルッペル結合ボックス)ドメインは、全てのクルッペルクラスであるCys2His2ジンクフィンガータンパク質のうちの1/3を超えるタンパク質のアミノ末端領域に存在する、高度に保存された配列である。このドメインは、2つの推定される両親媒性α−ヘリックスを含み、そしてDNA結合依存性RNAポリメラーゼII転写リプレッサーとして機能することが示された(例えば、Lichtら、Nature 346:76−79,1990)。他の転写因子と同様に、活性抑制ドメインおよびDNA結合ドメインは、別個であり、分離している。従って、抑制ドメインは、融合タンパク質として、標的化のための任意の配列特異的DNA結合タンパク質に連結され得る。従って、DNA結合タンパク質成分は、調節可能な様式での結合を可逆的に妨げられ、それにより転写サイレンシングを「止め」得る。例えば、ヒトKox1に由来するKRABドメイン(Thiesen,New Biol.2:363−374,1990)は、DNA結合ラクトース(lac)リプレッサータンパク質に融合され、tet応答プロモーターにきわめて隣接して操作されたlacオペレーター配列への可逆的で配列特異的な結合を有する、ハイブリッド転写サイレンサーを形成する。この構成において、lacリプレッサー/KRABドメイン融合物(rKR)の構成性発現は、lacオペレーター配列への結合、および非誘導性tet応答プロモーターからのいずれについての「漏れやすい」基底転写の排除をももたらす。ベクター発現が所望され、そしてテトラサイクリンがこの系から除去された場合、IPTGが、rKR媒介性転写サイレンシングを妨げるために添加される。
【0105】
さらに、他のジンクフィンガータンパク質(例えば、ZNF133(Tommerupら、Hum.Mol.Genet.2:1571−1575,1993)、ZNF91(Bellefroidら、EMBO J.12:1363−1374,1993)、ZNF2(Rosatiら、Nucleic Acids
Res.19:5661−5667,1991))に由来するKRABドメイン、ならびに他の転移可能なリプレッサードメイン(例えば、Drosophila enまたはeve遺伝子(JaynesおよびO’Farrell,EMBO J.10:1427−1433,1991;HanおよびManley,Genes Dev.7:491−503,1993)、ヒトジンクフィンガータンパク質YY1(Shiら、Cell 67:377−388,1991)、ウィルムス腫瘍サプレッサータンパク質WT1(Maddenら、Science 253:1550−1553,1991)、甲状腺ホルモンレセプター(Baniahmadら、EMBO J.11:1015−1023,1992)、レチノイン酸レセプター(Baniahmadら、同書)、Kid−1(Witzgallら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:4514−4518,1994))は、同様に、本明細書中に提供される遺伝子送達ビヒクルとして容易に使用され得る。さらに、この系のlacリプレッサー/lacオペレーター成分は、他の供給源に由来する他の任意の数の調節可能な系(例えば、トリプトファンおよびマルトースオペロンまたはGAL4)で代用され得る。
【0106】
(E.組換えアルファウイルス粒子、ならびに「空の」トガウイルス粒子または非相同ウイルスRNAを含むトガウイルス粒子の作製および使用)
本発明の別の局面において、真核生物標的細胞の感染が可能な、RNAアルファウイルスベクターを含む組換えアルファウイルス粒子の作製が記載される。簡単には、このような組換えアルファウイルス粒子は、一般的に、1つ以上のアルファウイルス構造タンパク質、脂質エンベロープ、および本明細書中に記載のRNAベクターレプリコンを含む。
【0107】
組換えアルファウイルスベクター粒子を作製するための方法は、例えば、インビトロ転写RNAに由来する相補ベクターおよび欠損ヘルパー(DH)分子、またはプラスミドDNAの同時トランスフェクションにより、あるいはウイルスの同時感染により容易に達成され得る(Xiongら、Science 243:1188−1191,1989、Bredenbeekら、J.Viol.67:6439−6446,1993、Dubenskyら、J.Virol 70:508−519,1996、およびDubenskyら、W/O 95/07994を参照のこと)。
【0108】
他の局面において、組換えアルファウイルスベクター粒子を、アルファウイルスに由来するパッケージング細胞株またはプロデューサー細胞株から作製するための方法が提供される。簡単には、このようなPCLおよびそれらの安定に形質転換される構造タンパク質発現カセットは、W/O 95/07994に記載の方法を用いるか、または本発明に記載の新規の方法を用いて得られ得る。例えば、組換えアルファウイルスベクター粒子のPCLによる生成は、所望の特性を有するアルファウイルスに基づくベクター分子のPCLへの導入後に達成され得(実施例6を参照のこと)、このベクターは、インビトロ転写RNA、プラスミドDNA、または以前に得られた組換えアルファウイルス粒子に由来する。なおさらなる例において、アルファウイルスベクタープロデューサー細胞株からの組換え粒子の生成が記載される(実施例7を参照のこと)。
【0109】
他の実施態様において、いずれのゲノムRNAも含まず(すなわち、実質的にウイルスRNAを含まない)、またはRNAベクターレプリコンをも含まない、高力価安定トガウイルスキャプシド粒子を生成するための方法が提供される。本発明において利用される、「実質的ではない」ゲノムまたはRNAベクターのレプリコン核酸は、(野生型と比較して)10:1を超え、そして好ましくは15:1を超える、ウイルス粒子への35Sメチオニン対3Hウリジン取り込み比をいうことが理解されるべきである(例えば、実施例8お
よび図38を参照のこと)。例えば、1つの実施態様において、空のキャプシド粒子(好ましくは、脂質2重層およびリコタンパク質(lycoprotein)相補物を有する)は、トガウイルス科に由来する選択された病原性ウイルス(例えば、アルファウイルスまたはルビウイルス)から構築され、そして野生型トガウイルス感染に対する防御免疫を確立するための免疫原として使用される。空のウイルス粒子は、それらが複製し得ず、そしてウイルスを生成し得ないが、細胞性または体液性両方の免疫応答を生じ得るので、望ましい免疫原代替である。従って、実施例8により詳細に記載される方法を利用して、トガウイルス由来の空のキャプシド粒子(脂質2重層および糖タンパク質相補物を有するかまたは有さない)は、広範な種々のトガウイルス(アルファウイルス(例えば、シンドビスウイルス(例えば、SIN−1または野生型シンドビスウイルス))、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ロス川ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、およびルビウイルス(例えば、風疹)を含むが、それらに限定されない)から作製され得る。
【0110】
第二の実施態様において、ゲノムウイルスRNAに結合するペプチドをコードする異種ウイルスに由来する配列は、アルファウイルスキャプシド遺伝子のアミノ末端領域において欠損ヘルパー(DH)発現カセットに挿入され得る。このカセットは、相同アルファウイルスゲノムRNAに結合するタンパク質領域をコードする配列が欠失されている。例えば、BHK細胞は、アルファウイルスレプリコンRNA、異種ウイルスゲノムRNA結合ペプチドをコードする配列を含むDH RNA、および同じ異種ウイルスに由来するレプリコンと共にエレクトロポレーションされ得る。従って、生成されたアルファウイルス粒子は、異種ウイルスに由来するゲノムRNAを含み、そしてアルファウイルスの宿主範囲親和性を有する。1つの可能な例として、レトロウイルスRNA結合に必要とされるタンパク質をコードするgag配列は、DH配列カセット構築物に含まれる。この構成において、得られるアルファウイルス粒子は、レトロウイルスベクターRNAを含む。
【0111】
(F.異種配列)
上記のように、広範な種々のヌクレオチド配列が、本発明の遺伝子送達ビヒクルにより運ばれ、そして発現され得る。好ましくは、ヌクレオチド配列は、生存可能なウイルスの生成を可能にするのに十分なサイズのヌクレオチド配列であるべきである。本発明の状況において、組換えアルファウイルス粒子による任意の測定可能な力価の生成、またはRNAもしくはDNAベクターによる検出可能なレベルの異種遺伝子産物の発現(例えば、感染ウイルスの、適切な感受性単層上でのプラークアッセイ、ルシフェラーゼアッセイ、もしくはβ−ガラクトシダーゼアッセイによる)は、「生存可能なウイルスの生成」とみなされる。これは、最小の、いずれの付加異種配列も含まないアルファウイルスベクター構築物であり得る。しかし、他の実施態様において、ベクター構築物は、付加異種配列または外来配列を含み得る。好ましい実施態様において、異種配列は、少なくとも約100塩基、2kb、3.5kb、5kb、7kbの異種配列、または少なくとも約8kbの異種配列でさえも含み得る。
【0112】
本明細書中に提供される開示があれば当業者に明らかであるように、組換えアルファウイルス粒子パッケージングの効率、従ってウイルス力価は、パッケージングされる配列のサイズにある程度依存する。従って、パッケージング効率および生存可能なウイルスの生成を増大させるために、さらなる非コード配列がベクター構築物に付加され得る。さらに、本発明の特定の実施態様において、ウイルス力価を増大または減少させることが望ましくあり得る。この増大または減少は、異種配列のサイズ、従ってパッケージング効率を増大または減少させることにより達成され得る。
【0113】
上記で簡単に言及されたように、広範な種々の異種配列(例えば、緩和剤(palliative)(例えば、リンホカインまたはサイトカイン)、毒素、プロドラック変換酵素、免疫応答を刺激する抗原、リボザイム、治療適用のためのタンパク質(例えば、増殖因子または調節因子)、および免疫応答を介助または阻害するタンパク質、ならびにアンチセンス配列(または「アンチセンス適用」のためのセンス配列)をコードする配列を含む)は、本明細書中に記載の遺伝子送達ビヒクル内に含まれ得る。さらに、上記で議論されたように、本明細書中に提供される遺伝子送達ビヒクルは、2つ以上の異種配列を含み得る(そして特定の実施態様において発現し得る)。
【0114】
(1.リンホカイン)
本発明の1つの実施態様において、異種配列はリンホカインをコードする。簡単には、リンホカインは、免疫エフェクター細胞を増殖するか、活性化するか、または分化するように作用する。リンホカインの代表例は、γインターフェロン、腫瘍壊死因子、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、GM−CSF、CSF−1、およびG−CSFを含む。
【0115】
本発明の関連する実施態様において、異種配列は、免疫調節補因子(immunomodulatory cofactor)をコードする。簡単には、本発明の状況において利用する「免疫調節補因子」は、免疫応答に関与する1つ以上の細胞により作られた場合または細胞に外因的に添加された場合に、補因子の非存在下で生じた免疫応答とは質または効力が異なる免疫応答を引き起こす、因子をいう。応答の質または効力は、当業者に公知の種々のアッセイ(例えば、細胞増殖(例えば、3Hチミジン取り込み)を測定するイ
ンビトロアッセイ、および(例えば、51Cr放出を測定する)インビトロ細胞傷害アッセイを含む)により測定され得る(Warnerら、AIDS Res.and Human Retroviruses 7:645−655,1991を参照のこと)。
【0116】
免疫調節補因子の代表例は、α−インターフェロン(Finterら、Drugs 42(5):749−765,1991;米国特許第4,892,743号;米国特許第4,966,843号;WO 85/02862;Nagataら、Nature 284:316−320,1980;Famillettiら、Methods in Enz.78:387−394,1981;Twuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2046−2050,1989;Faktorら、Oncogene 5:867−872,1990)、βインターフェロン(Seifら、J.Virol.65:664−671,1991)、γインターフェロン(Radfordら、American
Society of Hepatology:2008−2015,1991;Watanabeら、PNAS 86:9456−9460,1989;Gansbacherら、Cancer Research 50:7820−7825,1990;Maioら、Can.Immunol.Immunother.30:34−42、1989;米国特許第4,762,791号および同第4,727,138号)、G−CSF(米国特許第4,999,291号および同第4,810,643号)、GM−CSF(WO 85/04188)、TNF(Jayaramanら、J.Immunology 144:942−951,1990)、インターロイキン−2(IL−2)(Karupiahら、J.Immunology 144:290−298,1990;Weberら、J.Exp.Med.166:1716−1733,1987;Gansbacherら、J.Exp.Med.172:1217−1224,1990;米国特許第4,738,927号)、IL−4(Tepperら、Cell 57:503−512,1989;Golumbekら、Science 254:713−716,1991;米国特許第5,017,691号)、IL−6(Brakenhofら、J.Immunol.139:4116−4121,1987;WO 90/06370)、IL−12、IL−15(Grabsteinら、Science 264:965−968,1994;Genbank EMBL登録番号V03099)、ICAM−1(Altmanら、Nature
338:512−514,1989)、ICAM−2、LFA−1、LFA−3、MHCクラスI分子、MHCクラスII分子、2−ミクログロブリン、シャペロン、CD3、
B7/BB1、MHC関連トランスポータータンパク質、またはそのアナログを含む。
【0117】
アルファウイルスベクター構築物内に含有する、これらの免疫調節補因子の選択は、補因子の既知の治療効果に基づくか、または経験的に決定され得る。例えば、慢性B型肝炎感染において、αインターフェロンは、患者の免疫欠損を補うことに効力があり、それにより疾患からの回復を助けることが見出されている。あるいは、適切な免疫調節補因子は経験的に決定され得る。簡単には、最初に、血液サンプルが肝臓疾患を有する患者から採取される。末梢血リンパ球(PBL)を、自己細胞またはHLA適合細胞(例えば、EBV形質転換細胞)を用いてインビトロで再刺激し、そして肝炎抗原の免疫原部分および免疫調節補因子の発現を指向するアルファウイルスベクター構築物で形質導入する。標的としてHLA適合形質導入細胞を用いるCTLアッセイにおいて、刺激PBLをエフェクターとして使用する。HLA適合刺激因子および抗原単独をコードするベクターで形質導入された標的細胞を用いて行われた同じアッセイにおいて見られるものを超える、CTL応答の増大は、有用な免疫調節補因子を示す。本発明の1つの実施態様において、免疫調節補因子であるγインターフェロンが特に好ましい。
【0118】
免疫調節補因子の別の例は、B7/BB1補助刺激因子である。簡単には、T細胞の完全な機能活性の活性化には、2つのシグナルを必要とする。1つのシグナルは、抗原特異的T細胞レセプターと主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に結合したペプチドとの相互作用により提供され、そして補助刺激と呼ばれる第2のシグナルは、抗原提示細胞によりT細胞に送達される。第2のシグナルは、T細胞によるインターロイキン−2(IL−2)生成に必要とされ、そして抗原提示細胞上でのB7/BB1と、Tリンパ球上のCD28およびCTLA−4レセプターとの相互作用を必要とすると思われる(Linsleyら、J.Exp.Med.173:721−730,1991a、およびJ.Exp.Med.174:561−570,1991)。本発明の1つの実施態様において、CD8+T細胞が拡大し、そして完全活性化されるのに十分なIL−2を生成するように、
CD8+T細胞の補助刺激を引き起こすために、B7/BB1は腫瘍細胞に導入され得る
。これらのCD8+T細胞は、さらなるCTL機能のために補助刺激をもはや必要としな
いので、B7を発現していない腫瘍細胞を殺傷し得る。補助刺激B7/BB1因子、および例えば、免疫原性HBVコアタンパク質の両方を発現するベクターは、本明細書中に記載の方法を利用して作られ得る。これらのベクターで形質導入された細胞は、より効果的な抗原提示細胞になる。HBVコア特異的CTL応答は、補助刺激リガンドB7/BB1を介して完全活性化CD8+T細胞から増大される。
【0119】
(2.毒素)
本発明の別の実施態様において、異種配列は毒素をコードする。簡単には、毒素は、細胞増殖を直接阻害するように作用する。毒素の代表例は、リシン(Lambら、Eur.J.Biochem.148:265−270,1985)、アブリン(Woodら、Eur.J.Biochem.198:723−732,1991;Evensenら、J.of Biol.Chem.266:6848−6852,1991;Collinsら、J.of Biol.Chem.265:8665−8669,1990;Chenら、Fed.of Eur.Biochem Soc.309:115−118,1992)、ジフテリア毒素(Twetenら、J.Biol.Chem.260:10392−10394,1985)、コレラ毒素(Mekalanosら、Nature 306:551−557,1983;SanchezおよびHolmgren,PNAS 86:481−485,1989)、ゲロニン(gelonin)(Stirpeら、J.Biol.Chem.255:6947−6953,1980)、ヤマゴボウ(Irvin,Pharmac.Ther.21:371−387,1983)、抗ウイルスタンパク質(Barbieriら、Biochem.J.203:55−59,1982;Irvinら、Arch.Biochem.&Biophys.200:418−425,1980;Irvin,Arch.Biochem.&Biophys.169:522−528,1975)、トリチン(tritin)、赤痢菌毒素(Calderwoodら、PNAS
84:4364−4368,1987;Jacksonら、Microb.Path.2:147−153、1987)、シュードモナス外毒素A(CarrollおよびCollier,J.Biol.Chem.262:8707−8711,1987)、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSVTK)(Fieldら、J.Gen.Virol.49:115−124,1980)、およびE.coliのグアニンホスホリボシルトランスフェラーゼを含む。
【0120】
(3.プロドラック変換酵素)
本発明の他の実施態様において、異種配列は、プロドラック変換酵素をコードする。簡単には、本発明の状況において利用されるプロドラック変換酵素は、ほとんどまたは全く細胞傷害性を有さない化合物(プロドラック)を毒性産物に活性化する遺伝子産物をいう。このような遺伝子産物の代表例は、HSVTKおよびVZVTK(ならびにそのアナログおよび誘導体)を含み、これらは、特定のプリンアラビノシドおよび置換ピリミジン化合物を選択的に1リン酸化して、それらを細胞傷害性または細胞増殖抑制性の代謝産物に変換する。より詳細には、ガンシクロビル、アシクロビル、または任意のそれらのアナログの薬物(例えば、FIAU、FIAC、DHPG)のHSVTKへの暴露は、この薬物を、その対応する活性ヌクレオチド3リン酸形態にリン酸化する。
【0121】
本発明の状況においてまた使用され得る、他のプロドラック変換酵素の代表例は、以下を含む:チオキサンチンを毒性チオキサンチン一リン酸に変換する、E.coliグアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Besnardら、Mol.Cell.Biol.7:4139−4141,1987);不活性リン酸化化合物(例えば、マイトマイシンホスフェートおよびドキソルビシンホスフェート)を毒性脱リン酸化化合物に変換する、アルカリホスファターゼ;5−フルオロシトシンを毒性化合物である5−フルオロウラシルに変換する、真菌(例えば、Fusarium oxysporum)または細菌シトシンデアミナーゼ(Mullen,PNAS 89:33,1992);パラ−N−ビス(2−クロロエチル)アミノベンゾイルグルタミン酸からグルタミン酸を切断し、それにより毒性安息香酸マスタードを作り出す、カルボキシペプチダーゼG2;ならびにドキソルビシンおよびメルファランのフェノキシアセタバイド(phenoxyacetabide)誘導体を毒性化合物に変換する、ペニシリン−Vアミダーゼ(一般的に、Vrudhulaら、J.of Med.Chem.36(7):919−923,1993;Kernら、Canc.Immun.Immunother.31(4):202−206,1990を参照のこと)。
【0122】
(4.アンチセンス配列)
本発明の別の実施態様において、異種配列はアンチセンス配列である。簡単には、アンチセンス配列は、RNA転写物に結合し、それにより特定のタンパク質細胞合成を妨げるか、または細胞によるそのRNA配列の使用を妨げるように設計されている。このような配列の代表例は、アンチセンスチミジンキナーゼ、アンチセンスジヒドロ葉酸レダクターゼ(MaherおよびDolnick,Arch.Biochem.&Biophys.253:214−220,1987;Bzikら、PNAS 84:8360−8364,1987)、アンチセンスHER2(Coussensら、Science 230:1132−1139,1985)、アンチセンスABL(Fainsteinら、Oncogene 4:1477−1481,1989)、アンチセンスMyc(Stantonら、Nature 310:423−425,1984)、およびアンチセンスras、ならびにヌクレオチド生合成経路酵素をブロックする任意の細胞周期シグナル成分(例えば、サイクリン、サイクリン依存性キナーゼ、サイクリン依存性キナーゼインヒビター)またはアンチセンス配列を含む。さらに、本発明の他の実施態様において、インターフェロンおよび2ミクログロブリンに対するアンチセンス配列が、免疫応答を減少するために利用され得る。
【0123】
さらに、本発明のさらなる実施態様において、アンチセンスRNAは、強力なクラスI制限応答を誘導するために抗腫瘍剤として利用され得る。簡単には、高レベルの特異的アンチセンス配列は、RNAを結合させ、それにより特定のmRNAの翻訳を妨げることに加えて、多量の2本鎖RNAの形成によりインターフェロン(γ−インターフェロンを含む)発現の増大を誘導するために送達される。次いで、このγインターフェロン発現の増大は、MHCクラスI抗原の発現を高める。この点についての使用に好ましいアンチセンス配列は、アクチンRNA、ミオシンRNA、およびヒストンRNAを含む。アクチンRNAとミスマッチを形成するアンチセンスRNAが特に好ましい。
【0124】
(5.リボザイム)
本発明の他の局面において、宿主細胞感染の際にリボザイムを生成する遺伝子送達ビヒクルが提供される。簡単には、リボザイムは、特異的RNAを切断するために使用され、そして1つの特異的RNA配列にのみに影響を及ぼし得るように設計される。一般的に、リボザイムの基質結合配列は、10〜20ヌクレオチド長である。この配列の長さは、標的RNAとのハイブリダイゼーション、および切断RNAからのリボザイムの解離を可能にするのに十分である。
【0125】
本発明の状況において、広範な種々のリボザイム(例えば、グループI型イントロンリボザイム(Cechら、米国特許第4,987,071号);ヘアピン型リボザイム(Hampelら、Nucl.Acids.Res.18:299−304,1990、米国特許第5,254,678号、および欧州特許公報第0 360 257号);ハンマーヘッド型リボザイム(Rossi,J.J.ら、Pharmac.Ther.50:245−254,1991;ForsterおよびSymons,Cell 48:211−220,1987;HaseloffおよびGerlach,Nature 328:596−600,1988;WalbotおよびBruening,Nature 334:196,1988;HaseloffおよびGerlach,Nature 334:585,1998),デルタ型肝炎ウイルスリボザイム(PerrottaおよびBeen,Biochem.31:16,1992);RNアーゼPリボザイム(Takadaら、Cell 35:849,1983);ならびに他の型のリボザイム(例えば、WO
95/29241およびWO 95/31551を参照のこと)を含む)が利用され得る。リボザイムのさらなる例は、米国特許第5,116,742号、同第5,225,337号、および同第5,246,921号に記載されるリボザイムを含む。
【0126】
(6.タンパク質および他の細胞構成物)
本発明の他の局面において、広範な種々のタンパク質または他の細胞構成物が、本明細書中に提供される遺伝子送達ビヒクルにより運ばれ、そして/または発現され得る。このようなタンパク質の代表例は、ネイティブな細胞成分または変化(altered)細胞成分、ならびに例えば、ウイルス、細菌、寄生体、または真菌に見出される外来タンパク質または細胞構成物を含む。
【0127】
(a.変化細胞成分)
1つの実施態様において、免疫原性で非腫瘍形成性の変化細胞成分(例えば、WO 93/10814を参照のこと)の発現を指向する、遺伝子送達ビヒクルが提供される。本明細書中で適用される用語「免疫原性の」は、適切な条件下で免疫応答を引き起こし得る変化細胞成分をいう。この応答は、細胞媒介応答でなければならず、そしてまた体液性応答を含み得る。用語「非腫瘍形成性の」は、細胞形質転換を引き起こさず、ヌードマウスにおいて腫瘍形成を誘導もしない、変化細胞成分をいう。句「変化細胞成分」は、細胞を腫瘍形成性することに関連するか、または一般的に腫瘍形成性細胞と関連するが、細胞を腫瘍形成性にすることに必要とされないか、もしくは必須ではないかのいずれかである、タンパク質および他の細胞構成物をいう。
【0128】
簡単には、変化前に、細胞成分は、正常な細胞増殖および調節に必須であり、そして例えば、細胞内タンパク質分解、転写調節、細胞周期制御、および細胞−細胞相互作用を調節するタンパク質を含み得る。変化後に、細胞成分は、それらの調節機能をもはや行わず、従って、この細胞は無制御な増殖を経験し得る。変化細胞成分の代表例は、ras*
p53*、Rb*、ウィルムス腫瘍遺伝子によりコードされる変化タンパク質、ユビキチン*、ムチン*、DCC、APC、およびMCC遺伝子によりコードされるタンパク質、乳ガン遺伝子BRCA1*、ならびにレセプターまたはレセプター様構造(例えば、neu、
甲状腺ホルモンレセプター、血小板由来増殖因子(PDGF)レセプター、インスリンレセプター、上皮増殖因子(EGF)レセプター、およびコロニー刺激因子(CSF)レセプター)を含む。
【0129】
一旦、変化細胞成分をコードする配列が得られたら、この配列が非腫瘍形成性タンパク質をコードすることを確実にする必要がある。特定の細胞成分の腫瘍形成性を評価する種々のアッセイが公知であり、そして容易に実施され得る。代表的なアッセイは、ラット線維芽細胞アッセイ、ヌードマウスまたはラットにおける腫瘍形成、軟寒天におけるコロニー形成、およびトランスジェニック動物(例えば、トランスジェニックマウス)の調製を含む。
【0130】
ヌードマウスまたはラットにおける腫瘍形成は、特定の細胞成分の腫瘍形成性を決定するための、特に重要かつ感度の高い方法である。ヌードマウスは、機能的な細胞免疫系を欠き(すなわち、CTLを有さず)、従って、細胞の腫瘍形成能を試験するための有用なインビボモデルを提供する。正常な非腫瘍形成性細胞は、ヌードマウスに感染した場合、無制御な増殖特性を示さない。しかし、形質転換細胞はヌードマウスにおいて急速に増殖し、そして腫瘍を生成する。簡単には、1つの実施態様において、アルファウイルスベクター構築物は同系マウス細胞に投与され、続いてヌードマウスに注射される。マウスは、腫瘍増殖を測定するために、注射後の2〜8週間で視覚によって調べられる。マウスはまた屠殺され、そして腫瘍が存在するかどうか決定するために解剖され得る。(Giovanellaら、J.Natl.Cancer Inst.48:1531−1533,1972;Fureszら、Abnormal Cells.New Products and Risk,HoppsおよびPetricciani(編)、Tissue Culture Association,1985;ならびにLevenbookら、J.Biol.Std.13:135−141,1985)。
【0131】
腫瘍形成性はまた、軟寒天におけるコロニー形成を視覚化することにより評価され得る(MacphersonおよびMontagnier,Virol.23:291−294,1964)。簡単には、正常な非腫瘍形成性細胞の1つの特性は、「接触阻害」である(すなわち、細胞が隣接細胞に接触した場合に、増殖を停止する)。細胞が半固形寒天支持培地にプレートされた場合、正常細胞は急速に接触阻止性になり、そして増殖を停止するが、腫瘍形成性細胞は増殖し続け、そして軟寒天においてコロニーを形成する。
【0132】
変化細胞成分が、細胞を腫瘍形成性にすることに関連するのであれば、その時は変化細胞成分を非腫瘍形成性にすることが必要である。例えば、1つの実施態様において、変化細胞成分をコードする目的の配列または遺伝子は、遺伝子産物を非腫瘍形成性にするために短縮される。変化細胞成分をコードする遺伝子は、種々のサイズに短縮され得るが、変化細胞成分をできるだけ保持することが好ましい。さらに、いずれの短縮も、変化細胞成分の少なくともいくつかの免疫原配列をインタクトなままにしておくことが必要である。あるいは、複数の翻訳終結コドンが、免疫原領域の下流に導入され得る。終結コドンの挿入は、タンパク質発現を尚早に終結させ、それによりタンパク質の形質転換部分の発現を妨げる。
【0133】
上記のように、適切な免疫応答を生じさせるために、変化細胞成分もまた免疫原性でなければならない。特定の配列の免疫原性はしばしば予測しにくいが、T細胞エピトープは、しばしば、免疫原性の両親媒性α−ヘリックス成分を有する。しかし、一般的に、アッセイにおいて免疫原性を決定することが好ましい。代表的なアッセイは、新たに導入されたベクターに対する抗体の存在を検出するELISA、ならびにTヘルパー細胞について試験するアッセイ(例えば、γ−インターフェロンアッセイ、IL−2生成アッセイ、および増殖アッセイ)を含む。
【0134】
上記のように、本発明の別の局面において、いくつかの異なる変化細胞成分が、一般的な抗ガン治療を形成するために同時発現され得る。一般的に、種々の組み合せがなされ得ることが、当業者に明らかである。好ましい実施態様において、この治療は、特定の型のガンに標的化され得る。例えば、ほとんど全ての結腸ガンは、ras、p53、DCC、APC、またはMCC遺伝子において変異を有する。多数のこれらの変化細胞成分を同時発現するアルファウイルスベクター構築物が、全ての可能な変異を処置するために結腸ガン患者に投与され得る。この方法論はまた、他のガンを処置するために利用され得る。従って、ムチン*、ras*、neu、BRCA1*、およびp53*を同時発現するアルファウイルスベクター構築物が、乳ガンを処置するために利用され得る。
【0135】
(b.外来生物または他の病原体に由来する抗原)
本発明の他の局面において、外来生物または他の病原体に由来する抗原の免疫原部分の発現を指向するベクターが提供される。このような抗原の代表例は、細菌抗原(例えば、E.coli、連鎖球菌、ブドウ状球菌、マイコバクテリウムなど)、真菌抗原、寄生体抗原、およびウイルス抗原(例えば、インフルエンザウイルス、ネコ白血病ウイルス(FeLV)、免疫不全ウイルス(例えば、ネコ免疫不全ウイルス(「FIV」)またはヒト免疫不全ウイルス(「HIV」))、A型、B型、およびC型肝炎ウイルス(それぞれ、「HAV」、「HBV」、および「HCV」)、RSウイルス、ヒトパピローマウイルス(「HPV」)、エプスタイン−バーウイルス(「EBV」)、単純ヘルペスウイルス(「HSV」)、ハンタウイルス、HTLV I、HTLV II、ならびにサイトメガロウイルス(「CMV」))を含む。本発明の状況において利用する「免疫原部分」は、適切な条件下で免疫応答(すなわち、細胞媒介性または体液性)を引き起こし得る、それぞれの抗原の部分をいう。「部分」は、可逆的なサイズであり得るが、好ましくは、少なくとも9アミノ酸長であり、そして全抗原を含み得る。細胞性免疫応答は、主要組織適合遺伝子複合体(「MHC」)クラスI提示、MHCクラスII提示、またはその両方により媒介され得る。
【0136】
本発明の1つの局面において、B型肝炎抗原の免疫原部分の発現を指向するアルファウイルスベクター構築物が提供される(例えば、WO 93/15207を参照のこと)。B型肝炎ウイルスは、いくつかの異なる抗原(特に、3つのHB「S」抗原(HBsAgs)、HBc抗原(HBcAg)、HBe抗原(HBeAg)、およびHBx抗原(HBxAg)を含む)を示す(Blumら、TIG 5(5):154−158,1989を参照のこと)。簡単には、HBeAgは、P22プレコア中間体のタンパク質分解切断から生じ、そして細胞から分泌される。HBeAgは、17kDタンパク質として血清中に見出される。HBcAgは183アミノ酸のタンパク質であり、そしてHBxAgは、145〜154アミノ酸のサブタイプに依存するタンパク質である。
【0137】
HBsAgs(「大」、「中」、および「小」と呼ばれる)は、B型肝炎ゲノムの3つの領域:S、プレS2、およびプレS1によりコードされる。389〜440アミノ酸で変化する長さを有する大タンパク質は、プレS1、プレS2、およびS領域によりコードされ、そしてグリコシル化形態および非グリコシル化形態で見出される。中タンパク質は281アミノ酸長であり、そしてプレS2およびS領域によりコードされる。小タンパク質は226アミノ酸長であり、そしてS領域によりコードされる。これは、グリコシル化(GP27S)および非グリコシル化(P24S)の2つの形態で存在する。これらの領域の各々が別々に発現される場合、プレS1領域は、約119アミノ酸のタンパク質をコードし、プレS2領域は、約55アミノ酸のタンパク質をコードし、そしてS領域は、約226アミノ酸のタンパク質をコードする。
【0138】
当業者に明らかなように、本明細書中に記載のアルファウイルスベクター構築物の1つにより投与された場合に免疫応答を誘導するために、上記のS抗原の種々の免疫原部分が組み合わされ得る。さらに、異なる地域においてHBVのSオープンリーディングフレームについて見出される大きな免疫学的変化性のために、抗原の特定の組み合わせは、特定の地域における投与に好ましくあり得る。
【0139】
pol(「HBV pol」)、ORF5、およびORF6抗原もまた、HBVにより示される。簡単には、HBVのポリメラーゼオープンリーディングフレームは、感染肝臓中のビリオンおよびコア様粒子において見出される逆転写酵素活性をコードする。このポリメラーゼタンパク質は、少なくとも2つのドメイン:逆転写をプライムするタンパク質をコードするアミノ末端ドメイン、および逆転写酵素およびRNアーゼH活性をコードするカルボキシル末端ドメインからなる。HBV polの免疫原部分は、本明細書中に記載の方法を利用し、以下に記載のアルファウイルスベクター構築物を利用して決定され得、そして温血動物内での免疫応答を生じさせるために投与され得る。同様に、他のHBV抗原(例えば。ORF5およびORF6(Millerら、Hepatology 9:322−327,1989))は、本明細書中に記載のアルファウイルスベクター構築物を利用して発現され得る。
【0140】
上記のように、外来生物に由来する抗原の少なくとも1つの免疫原部分は、遺伝子送達ビヒクルに取り込まれる。遺伝子送達ビヒクルに取り込まれる免疫原部分は、種々の長さの変化であり得るが、一般的に、この部分は、少なくとも9アミノ酸長であり、そして全抗原を含み得ることが好ましい。特定の配列の免疫原性は、しばしば予測しにくいが、T細胞エピトープは、潜在的なTヘルパー部位およびCTL部位のコード領域をスキャンするコンピューターアルゴリズム(例えば、TSITES(MedImmune,Maryland))を利用して予測され得る。この解析から、ペプチドが合成され、そしてインビトロ細胞傷害アッセイにおける標的として使用される。しかし、他のアッセイ(例えば、新たに導入されたベクターに対する抗体の存在を検出するELISA、ならびにTヘルパー細胞について試験するアッセイ(例えば、γ−インターフェロンアッセイ、IL−2生成アッセイ、および増殖アッセイ)を含む)もまた利用され得る。
【0141】
免疫原部分はまた、他の方法により選択され得る。例えば、HLA A2.1トランスジェニックマウスは、ウイルス抗原のヒトT細胞認識のモデルとして有用であることが示されてきた。簡単には、インフルエンザウイルスおよびB型肝炎ウイルス系において、マウスT細胞レセプターのレパートリーは、ヒトT細胞により認識される同じ抗原決定基を認識する。両方の系において、HLA A2.1トランスジェニックマウスにおいて生じるCTL応答は、HLA A2.1ハプロタイプのヒトCTLにより認識されるエピトープと実質的に同じエピトープに指向される(Vitielloら、J.Exp.Med.173:1007−1015,1991;Vitielloら、Abstract of
Molecular Biology of Hepatitis B Virus Symposia,1992)。
【0142】
上記のように、1を超える免疫原部分は、遺伝子送達ビヒクルに取り込まれ得る。例えば、遺伝子送達ビヒクルは、HBcAg、HBeAg、HBsAgs、HBxAgの全てまたは免疫原部分、ならびにHCV抗原C、E1、E2、NS3、NS4、またはNS5の免疫原部分を(別々にまたは1構築物としてのいずれかで)発現し得る。
【0143】
(7.異種配列の供給源)
上記のタンパク質をコードする配列は、種々の供給源(例えば、American Type Culture Collection(ATCC,Rockville,MD)のような寄託機関を含む)から、または商業的供給源(例えば、British Bio−Technology Limited(Cowley,Oxford,England))から容易に得られ得る。代表例は、BBG12(127アミノ酸の成熟タンパク質をコードするGM−CSF遺伝子を含む);BBG6(γインターフェロンをコードする配列を含む)、ATCC番号39656(TNFをコードする配列を含む)、ATCC番号20663(αインターフェロンをコードする配列を含む)、ATCC番号31902、31902および39517(βインターフェロンをコードする配列を含む)、ATCC番号67024(インターロイキン−1bをコードする配列を含む);ATCC番号39405、39452、39516、39626、および39673(インターロイキン−2をコードする配列を含む);ATCC番号59399、59398、および67326(インターロイキン−3をコードする配列を含む);ATCC番号57592(インターロイキン−4をコードする配列を含む)、ATCC番号59394および59395(インターロイキン−5をコードする配列を含む)、ならびにATCC番号67153(インターロイキン−6をコードする配列を含む)を含む。
【0144】
上記の変化細胞成分をコードする配列は、種々の供給源から容易に得られ得る。例えば、変化細胞産物をコードする配列を含むプラスミドは、American Type Culture Collection(ATCC,Rockville,MD)のような寄託機関、またはAdvanced Biotechnologies(Columbia,Maryland)のような商業的供給源から得られ得る。上記の配列のいくつかを含むプラスミドの代表例は、ATCC番号41000(rasの12番目のコドンにおけるGからTへの変異を含む)およびATCC番号41049(12番目のコドンにおけるGからAへの変異を含む)を含む。
【0145】
あるいは、正常細胞成分をコードするプラスミドもまた、ATCCのような寄託機関から得られ(例えば、正常なrasタンパク質をコードする配列を含む、ATCC番号41001;ab1をコードする、ATCC番号57103;およびbcr遺伝子座をコードする、ATCC番号59120または59121を参照のこと)、そして変化細胞成分を形成するために変異され得る。特定の部位で変異誘発するための方法は、当該分野で公知の方法を用いて容易に達成され得る(Sambrookら、前出、15.3および以下を参照のこと)。特に、正常細胞成分(例えば、ras)の点変異は、特定のコドン(例えば、コドン12、13、または61)の部位特異的変異誘発により容易に達成され得る。
【0146】
上記のウイルス抗原をコードする配列は、種々の供給源から同様に得られ得る。例えば、ウイルスの分子クローニングされた遺伝子は、American Type Culture Collection(ATCC,Rockville,MD)のような寄託機関から得られ得る。例えば、ATCC番号45020は、(精製デーン粒子から抽出された)B型肝炎の総ゲノムDNA(Blumら、TIG 5(5):154−158,1989の図3を参照のこと)を、pBR322(Moriartyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:2606−2610,1981)のBamHI部位に含む。
【0147】
あるいは、上記の異種配列をコードするcDNA配列は、この配列を発現するか、または含む細胞から得られ得る。簡単には、1つの実施態様において、目的の遺伝子を発現する細胞に由来するmRNAは、オリゴヌクレオチドdTまたはランダムプライマーを用いて逆転写酵素を用いて逆転写される。次いで、1本鎖cDNAは、所望の配列の両側の配列に相補的なオリゴヌクレオチドプライマーを利用して、PCR(米国特許第4,683,202号;同第4,683,195号、および同第4,800,159号を参照のこと。PCR Technology:Principles and Applications for DNA Amplification,Erlich(編),Stockton
Press,1989もまた参照のこと)により増幅され得る。特に、2本鎖DNAは、耐熱性Taqポリメラーゼ、配列特異的DNAプライマー、dATP、dCTP、dGTP、およびdTTPの存在下で加熱することにより変成される。2本鎖DNAは、合成が完了した時に生成される。このサイクルは、しばしば多くの回数で繰り返され、所望のDNAの階乗増幅をもたらし得る。
【0148】
上記のタンパク質をコードする配列はまた、例えば、Applied Biosystems Inc.DNA合成機(例えば、APB DNA合成機モデル392(Foster City,CA))において合成され得る。
【0149】
(G.アルファウイルスパッケージング/プロデューサー細胞株)
本発明のさらなる局面において、アルファウイルスパッケージング細胞株およびプロデューサー細胞株が提供される。特に、本発明の1つの局面において、アルファウイルスパッケージング細胞株が提供され、ここでウイルス構造タンパク質は、1つ以上の安定形質転換発現ベクターからトランスに供給され、そしてトランスフェクトされたか、形質導入されたか、または細胞内で生成されたベクターRNA転写物を細胞質においてキャプシドに包み、そして細胞膜を通して感染パッケージングベクター粒子を放出し得る。好ましい実施態様において、パッケージングに必要な構造タンパク質は、RNAベクターレプリコン自身または他のいくつかの提供される刺激物による誘導の後でしか高レベルで合成されず、そしてこれらの構造タンパク質をコードする転写物は、天然ウイルス感染の発現レベルを模倣するのに十分な発現レベルを可能にするように、細胞質増幅が可能である。さらに、他の実施態様において、選択マーカーの発現は、構造タンパク質発現カセットと作動可能に連結される。このような連結選択マーカーは、機能的な安定形質転換PCLの効率的な作製を可能にする。
【0150】
例えば、パッケージングされる所望の表現型のアルファウイルスRNAベクターレプリコン分子(これ自体は、細胞の細胞質において自己触媒複製が可能である)は、インビトロ転写RNA、組換えアルファウイルス粒子、またはアルファウイルスcDNAベクター構築物としてパッケージング細胞に導入され得る。次いで、RNAベクター転写物は高レベルに複製し、構造タンパク質遺伝子転写物(単数または複数)増幅およびその後のタンパク質発現を刺激し、続いて、ウイルス構造タンパク質によりパッケージングされ、感染ベクター粒子を生じる。アルファウイルスタンパク質および/またはベクターRNAのあるレベル以上の細胞内発現は、パッケージング細胞株またはプロデューサー細胞株において細胞傷害効果をもたらし得る。従って、本発明の特定の実施態様において、これらの要素は、それらの発現構造タンパク質の細胞傷害性の低減、宿主巨大分子合成の阻害の低減、および/または持続感染を確立する能力について選択されたウイルス変異体に由来することが望ましくあり得る。
【0151】
ベクターパッケージング細胞株性能および最終ベクター力価を最適化するために、遺伝子移入およびベクターパッケージングの連続サイクルが行われ得る。例えば、パッケージング細胞株のベクタートランスフェクション由来の感染パッケージングベクター粒子を含む上清を使用して、アルファウイルスパッケージング細胞の新鮮な単層または懸濁培養物を感染または「形質導入」し得る。パッケージングベクター粒子および新鮮なパッケージング細胞を用いた連続形質導入は、細胞へのそのより高いRNA導入効率、細胞におけるベクターの最適な生物学的位置、およびますます多数のパッケージング細胞からベクター生成プロセスを「拡大」する能力のために、核酸トランスフェクション以上に行われ得る。これは、パッケージング感染組換えアルファウイルスベクターのより高い発現およびより高い力価を導く。
【0152】
本発明の他の局面において、安定に組込まれる、またはエピソームにより維持されるDNA発現ベクターを使用して、アルファウイルスベクターRNA分子を細胞内で生成し得る。簡単には、このようなDNA発現ベクターは、好ましい実施態様において、誘導性であるように(アルファウイルスベクターRNA転写は、細胞が所望の密度まで増殖された場合でしか起こらず、その後に誘導されるように)構成され得る。一旦転写されたら、アルファウイルスベクターは、自己触媒的に自己複製する能力を維持し、そしてパッケージングベクター粒子生成となる事象カスケードを誘発する。このアプローチは、長期の培養にわたって連続したベクター発現を可能にする。なぜなら、組込まれたDNAベクター発現系は薬物または他の選択マーカーにより維持され、そしてDNA系は一旦誘導されれば、欠損RNAコピーにより希釈され得ない非変化RNAベクターレプリコンを構成的に発現するからである。大規模な高力価パッケージングアルファウイルスベクターの生成は、このアルファウイルス「プロデューサー細胞株」構成において可能であり、DNAに基づくアルファウイルスベクターが最初にトランスフェクションによりパッケージング細胞に導入される。なぜなら、形質導入のためのウイルスベクター粒子への発現ベクターのパッケージングは、サイズ制限により妨げられ得るからである。
【0153】
(H.薬学的組成物)
上記のように、本発明はまた、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、またはレシピエントと組み合せた本明細書中の遺伝子送達ビヒクルを含む薬学的組成物を提供する。例えば、1つの実施態様において、本発明のRNAまたはDNAベクター構築物は、長期貯蔵および輸送のために凍結乾燥され得、そして種々の物質を用いて投与前に再構成され得るが、好ましくは、水を用いて再構成される。ある場合において、最終処方物を等張にする希釈塩溶液もまた使用され得る。さらに、活性を増強するか、または再構成核酸調製物を物理的に保護する成分を含む水溶液を使用することが有利であり得る。このような成分は、サイトカイン(例えば、IL−2、ポリカチオン(例えば、プロタミン硫酸)、脂質処方物、または他の成分)を含む。凍結乾燥または脱水された組換えベクターは、凍結乾燥または脱水されたサンプルの実質的な、好ましくは全ての可溶化を可能にする、任意の便利な容量の水または上記の再構成剤を用いて再構成され得る。
【0154】
組換えアルファウイルス粒子または感染組換えウイルス(両方とも以下でウイルスと呼ばれる)は、粗形態または精製形態のいずれかで保存され得る。粗形態のウイルスを生成するために、生成細胞は、最初に、バイオリアクターまたはフラットストック(flat
stock)培養において培養され得、ここでウイルス粒子は、細胞から培養培地に放出される。次いで、ウイルスは、最初に十分な量の処方緩衝液を組換えウイルス含有培養培地に添加して、水性懸濁物を形成することにより粗形態で保存され得る。特定の好ましい実施態様において、処方緩衝液は、水中に糖類、高分子量構造添加剤、および緩衝化成分を含む、水溶液である。この水溶液はまた、1つ以上のアミノ酸を含み得る。
【0155】
組換えウイルスはまた、精製形態で保存され得る。より詳細には、処方緩衝液の添加前に、上記の粗組換えウイルスは、それをフィルターに通すことにより清澄化され、次いで、例えば、クロスフロー(cross flow)濃縮システム(Filtron Technology Corp.,Nortborough,MA)により濃縮され得る。1つの実施態様において、DNアーゼは、外因性DNAを消化するために濃縮物に添加される。次いで、消化物は、余分な培地成分を除去し、そしてより望ましい緩衝化溶液中に組換えウイルスを確立するためにダイアフィルトレーションされる。次いで、ダイアフィルトレートは、Sephadex S−500ゲルカラムに通され、そして精製組換えウイルスは溶出される。次いで、十分な量の処方緩衝液は、構成物の所望の最終濃度に達し、そして組換えウイルスを最小に希釈するために、この溶出物に添加される。次いで、水性懸濁物は、好ましくは−70℃で貯蔵されるか、または直ぐに乾燥され得る。上記のように、処方緩衝液は、水中に糖類、高分子量構造添加剤、および緩衝化成分を含む水溶液であり得る。この水溶液はまた、1つ以上のアミノ酸を含み得る。
【0156】
粗組換えウイルスはまた、イオン交換カラムクロマトグラフィーにより精製され得る。簡単には、粗組換えウイルスは、最初にそれをフィルターに通し、続いて濾過物を、高スルホン化セルロースマトリクス含有カラムにロードすることにより清澄化され得る。次いで、組換えウイルスは、高塩緩衝液を使用することにより精製形態でカラムから溶出され、そして高塩緩衝液は、溶出物を分子排除カラムに通すことにより、より望ましい緩衝液に交換され得る。次いで、十分な量の処方緩衝液は、上記で議論されるように、精製組換えウイルスに添加され、そして水性懸濁物は、直ぐに乾燥されるか、または好ましくは−70℃で貯蔵されるかのいずれかである。
【0157】
粗形態または精製形態の水性懸濁物は、凍結乾燥または室温での蒸発により乾燥され得る。簡単には、凍結乾燥は、水性懸濁物を、水性懸濁物の気体転移温度以下または共融点温度以下に冷却し、そして昇華により冷却懸濁物から水を除去して、凍結乾燥ウイルスを形成する工程を含む。1つの実施態様において、処方された組換えウイルスのアリコートは、凍結乾燥機(Supermodulyo
12K)に取り付けられたEdwards冷凍室(3棚RC3Sユニット)に入れられる。Phillipsら(Cryobiology 18:414,1981)により記載の多工程凍結乾燥手順を使用して、処方された組換えウイルスを、好ましくは−40℃〜−45℃の温度で凍結乾燥する。得られた組成物は、10重量%未満の水の凍結乾燥ウイルスを含む。一旦凍結乾燥されたら、組換えウイルスは安定であり、そして以下により詳細に議論されるように−20℃〜25℃で貯蔵され得る。
【0158】
蒸発方法において、水は、蒸発により室温で水性懸濁物から除去される。1つの実施態様において、水は、スプレードライ(spray−drying)(EP 520,748)により除去される。スプレードライプロセスにおいて、水性懸濁物は予め熱せられた気体(通常、空気)の流れに送達され、その結果、水は、懸濁物小滴から急速に蒸発する。スプレードライ装置は、多数の製造業者(例えば、Drytec,Ltd.,Tonbridge,England;Lab−Plant,Ltd,.Huddersfield,England)から入手可能である。一旦脱水されると、組換えウイルスは安定であり、そして−20℃〜25℃で貯蔵され得る。本明細書中に記載の方法において、乾燥または凍結乾燥ウイルスの得られた水分含有量は、Karl−Fischer装置(EM
Science Aquastar1 V1B容量滴定機(volumetric t
itrator),Cherry Hill,NJ)の使用により、または重量測定法により決定され得る。
【0159】
上記のように、処方に使用される水溶液は、好ましくは、糖類、高分子量構造添加剤、緩衝化成分、および水からなる。この溶液はまた、1つ以上のアミノ酸を含み得る。これらの成分の組み合わせは、凍結および凍結乾燥または蒸発による乾燥の際に組換えウイルス活性を保存するように作用する。利用され得る1つの糖類はラクトースであるが、同様に、他の糖類(例えば、スクロース、マンニトール、グルコース、トレハロース、イノシトール、フルクトース、マルトース、またはガラクトースを含む)が利用され得る。さらに、糖類の組み合わせ(例えば、ラクトースおよびマンニトール、またはスクロースおよびマンニトール)が使用され得る。ラクトースの特に好ましい濃度は、3重量%〜4重量%である。好ましくは、糖類の濃度は、1重量%〜12重量%の範囲である。
【0160】
高分子量構造添加剤は、凍結間のウイルス凝集の防止を助け、そして凍結乾燥状態または乾燥状態における構造的支持を提供する。本発明の状況において、構造添加剤は、それらが5000分子量より大きい場合、「高分子量」であるとみなされる。好ましい高分子量構造添加剤は、ヒト血清アルブミンである。しかし、他の物質(例えば、ヒドロキシエチル−セルロース、ヒドロキシメチル−セルロース、デキストラン、セルロース、ゼラチン、またはポビドン)もまた使用され得る。ヒト血清アルブミンの特に好ましい濃度は、0.1重量%である。好ましくは、高分子量構造添加剤の濃度は、0.1重量%〜10重量%の範囲である。
【0161】
アミノ酸は、存在する場合、水性懸濁物の冷却および解凍の際にウイルス感染性をさらに保存するように機能する。さらに、アミノ酸は、冷却水性懸濁物の昇華の間および凍結乾燥状態中、ウイルス感染性をさらに保存するように機能する。好ましいアミノ酸はアルギニンであるが、他のアミノ酸(例えば、リジン、オルニチン、セリン、グリシン、グルタミン、アスパラギン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸)もまた使用され得る。特に好ましいアルギニンの濃度は、0.1重量%である。好ましくは、アミノ酸濃度は、0.1重量%〜10重量%の範囲である。
【0162】
緩衝化成分は、比較的一定したpHを維持することにより、溶液を緩衝化するために作用する。所望のpH範囲(好ましくは、7.0〜7.8)に依存して、種々の緩衝液が使用され得る。適切な緩衝液は、リン酸緩衝液およびクエン酸緩衝液を含む。組換えウイルス処方物の特に好ましいpHは7.4であり、そして好ましい緩衝液はトロメタミンである。
【0163】
さらに、水溶液は、最終処方組換えアルファウイルスを適切な等浸透圧塩濃度に合わせるために使用される中性塩を含むことが好ましい。適切な中性塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、または塩化マグネシウムを含む。好ましい塩は、塩化ナトリウムである。
【0164】
上記所望の濃度の成分を含む水溶液は、濃縮ストック溶液として調製され得る。
【0165】
本明細書中に提供される開示があれば、凍結乾燥ウイルスが室温での貯蔵に意図される場合、水溶液中に特定の糖類を利用することが好ましくあり得ることは当業者に明らかである。より詳細には、特に、室温での貯蔵のために2糖(例えば、ラクトースまたはトレハロース)を利用することが好ましい。
【0166】
本発明の凍結乾燥または脱水ウイルスは、種々の物質を用いて再構成され得るが、好ましくは水を用いて再構成される。特定の場合においては、最終処方物を等張にする希釈塩溶液もまた使用され得る。さらに、再構成ウイルスの活性を増強することが知られている成分を含む水溶液を使用することは有利であり得る。このような成分は、サイトカイン(例えば、IL−2)、ポリカチオン(例えば、硫酸プロタミン)、または再構成ウイルスの形質導入効率を増強する他の成分を含む。凍結乾燥または脱水された組換えウイルスは、凍結乾燥または脱水されたサンプルの実質的な、そして好ましくは全ての可溶化を可能にする、任意の便利な容量の水または上記の再構成剤を用いて再構成され得る。
【0167】
(I.遺伝子送達ビヒクルを利用するための方法)
上記のように、本発明はまた、選択された異種配列を、脊椎動物(例えば、哺乳動物(例えば、ヒトまたは他の温血動物(例えば、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ラットもしくはマウス)))あるいは昆虫に送達するための方法を提供し、この方法は、選択された異種配列を発現し得る本明細書中に記載の遺伝子送達ビヒクルを脊椎動物または昆虫に投与する工程を含む。このような遺伝子送達ビヒクルは、直接(例えば、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、経口、直腸、眼球内、鼻腔内に)、または種々の物理的方法(例えば、リポフェクション(Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7417,1989)、直接DNA注入(Fungら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:353−357,1983;Seegerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5849−5852;Acsadiら、Nature 352:815−818,1991);マイクロプロジェクタイルボンバードメント(Williamsら、PNAS
88:2726−2730,1991);いくつかの型のリポソーム(例えば、Wangら、PNAS 84:7851−7855,1987を参照のこと);CaPO4(D
ubenskyら、PNAS 81:7529−7533,1984);DNAリガンド(Wuら、J.Biol.Chem.264:16985−16987,1989);核酸単独投与(WO 90/11092);または殺傷アデノウイルスに連結されたDNAの投与(Curielら、Hum.Gene.Ther.3:147−154,1992);ポリカチオン化合物(例えば、ポリリジン)を介してレセプター特異的リガンドの利用;ならびにプソラレン不活化ウイルス(例えば、センダイウイルスもしくはアデノウイルス)を使用する)によるかのいずれかで投与され得る。さらに、遺伝子送達ビヒクルは、直接(すなわち、インビボで)投与され得るか、または取り出された細胞に(すなわち、エクスビボで)投与され、その後に戻される。
【0168】
以下でより詳細に議論されるように、遺伝子送達ビヒクルは、広範な種々の治療目的および/または他の生成目的物のために(例えば、特異的免疫応答を刺激する目的のために;薬剤と宿主細胞レセプターとの相互作用を阻害する目的のために;毒性緩和剤(例えば、条件的毒性緩和剤を含む)を発現するために;免疫系を免疫学的に調節するために;細胞分裂を妨げるために、置換遺伝子治療のためのマーカーを発現するために、創傷治癒を促進するために、および/または組換えタンパク質を生成するために、を含む)脊椎動物または昆虫に投与され得る。これらおよび他の使用は、以下でより詳細に議論される。
【0169】
(1.免疫刺激)
本発明の1つの局面において、感染症、ガン疾患、自己免疫疾患、または免疫疾患を予防、阻害、安定化、または逆転し得る遺伝子送達ビヒクルを投与するための組成物および方法が提供される。このような疾患の代表例は、ウイルス感染(例えば、HIV、HBV、HCV、HTLV I、HTLV II、CMV、EBV、およびHPV)、黒色腫、糖尿病、対宿主性移植片病、アルツハイマー病ならびに心臓疾患を含む。より詳細には、本発明の1つの局面において、病原因子(pathogenic agent)が殺傷または阻害のいずれかがなされるように、病原因子に対する免疫応答(体液性または細胞媒介性のいずれか)を刺激するための組成物および方法が提供される。病原因子の代表例は、細菌、真菌、寄生体、ウイルス、およびガン細胞を含む。
【0170】
本発明の1つの実施態様において、病原因子はウイルスであり、そして(1)ウイルス抗原に対する免疫応答を開始し得るか、または(2)ウイルス相互作用に必要とされる細胞レセプターをふさぐことによりウイルス蔓延を予防し得るかのいずれかである感受性標的細胞に、抗原またはその改変形態の発現に関する遺伝子送達ビヒクルを用いることにより、特異的免疫応答を刺激し、そしてウイルス蔓延を阻害するための方法が提供される。ベクター核酸によりコードされるタンパク質の発現は、一過性であり得るか、または経時的に安定であり得る。病原因子に対する免疫応答が刺激される場合、遺伝子送達ビヒクルは、好ましくは、免疫応答を刺激し、そしてネイティブな抗原と比較して病原性を低減した、改変形態の抗原を発現するように設計される。この免疫応答は、細胞が正しい様式で(すなわち、アクセサリー分子(例えば、CD3、ICAM−1、ICAM−2、LFA−1、またはそのアナログ(例えば、Altmanら、Nature 338:512,1989))を伴うMHCクラスIおよび/またはII分子の状況において)抗原を提示する場合に達成される。遺伝子送達ビヒクルに感染した細胞は、これを効率的に行うことが予測される。なぜなら、遺伝子送達ビヒクルは、本物のウイルス感染を厳密に模倣し、そして(a)非複製細胞を感染し得、(b)宿主細胞ゲノムに組込まず、(c)いずれの生命を脅かす疾患とも関連せず、そして(d)高レベルの異種タンパク質を発現するからである。これらの違いのために、遺伝子送達ビヒクルは、ワクチン使用について健常な健康個体において使用され得る安全なウイルスベクターと容易にみなされ得る。
【0171】
本発明のこの局面は、提示(presenter)細胞が完全に生存能力があり、そして健康であり、そして異種遺伝子と比較して低レベルのウイルス抗原が発現される点で、同様に機能すると予測され得る他の系以上にさらなる利点を有する。これは、発現される抗原エピトープが、抗原遺伝子サブフラグメントの組換えアルファウイルスへの選択的クローニングにより変えられ、免疫優性(immunodominant)エピトープにより他の状態で保護され得る免疫原エピトープに対する応答を導き得るので、別個の利点を示す。このようなアプローチは、複数のエピトープ(エピトープの1つ以上は異なるタンパク質に由来する)を有するペプチドの発現に拡大され得る。さらに、本発明のこの局面は、細胞内合成およびこれらのペプチドフラグメントとMHCクラスI分子との結合により、抗原エピトープおよび遺伝子サブフラグメントによりコードされる抗原ペプチドフラグメントに対して指向される細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の効率的な刺激を可能にする。このアプローチは、CTL誘導のための主要な免疫優性エピトープを位置付けるために利用され得る。
【0172】
免疫応答はまた、目的の抗原を認識する特異的T細胞レセプター(必要であれば、適切なMHC分子の状況における)、目的の抗原を認識する免疫グロブリン、またはMHC状況の非存在下でCTL応答を提供する2つのハイブリッドの遺伝子を、適切な免疫細胞(例えば、Tリンパ球)に移すことにより達成され得る。従って、遺伝子送達ビヒクル細胞は、免疫刺激剤、免疫調節剤、またはワクチンとして使用され得る。
【0173】
本発明の別の実施態様において、阻害緩和剤を生成するための方法が提供され、ここで遺伝子送達ビヒクルは、ウイルス組み立てを阻害する欠陥干渉性ウイルス構造タンパク質を送達および発現する。このような遺伝子送達ビヒクルは、欠陥gag、pol、env、または他のウイルス粒子タンパク質もしくはペプチドをコードし得、そしてこれらは、優勢にウイルス粒子の組み立てを阻害する。これらは、ウイルス粒子の正常サブユニットの相互作用が、欠陥サブユニットとの相互作用により妨げられるために起こる。
【0174】
本発明の別の実施態様において、ウイルスプロテアーゼに特異的な阻害ペプチドまたはタンパク質の発現のための方法が提供される。簡単には、ウイルスプロテアーゼは、ウイルスgagおよびgag/polタンパク質を多数のより小さなペプチドに切断する。全ての場合でのこの切断の失敗は、感染性レトロウイルス粒子生成の完全な阻害を導く。例として、HIVプロテアーゼは、アスパラギン酸プロテアーゼであることが知られ、そしてこれらは、タンパク質またはアナログに由来するアミノ酸から作られたペプチドにより阻害されることが知られている。HIVを阻害する遺伝子送達ビヒクルは、このようなペプチドインヒビターの1つまたは複数の融合コピーを発現する。
【0175】
別の実施態様は、欠失されたか、変異されたか、または細胞型において発現されなかった場合に、その細胞型において腫瘍形成を導く、サプレッサー遺伝子の送達を含む。遺伝子送達ビヒクルによる欠失遺伝子の再導入は、これらの細胞における腫瘍表現型の後退を導く。このようなガンの例は、網膜芽腫およびウィルムス腫瘍である。悪性腫瘍は、細胞増殖と比較して細胞終末分化の阻害であると考えられるので、腫瘍分化を導く遺伝子産物のアルファウイルスベクター送達および発現もまた、一般的に、後退を導くはずである。
【0176】
なお別の実施態様において、遺伝子送達ビヒクルは、病原機能に対応するRNA分子を切断し、従って不活化する、リボザイム(RNA酵素)(HaseloffおよびGerlach,Nature 334:585,1989)を転写することにより治療効果を提供する。リボザイムは、標的RNAにおける特異的配列を認識することにより機能し、そしてこの配列は通常12〜17bpであるので、これは、特定のRNA種(例えば、RNAまたはレトロウイルスゲノム)の特異的認識を可能にする。いくつかの場合において、さらなる特異性は、これを条件毒性緩和剤(以下を参照のこと)にすることにより達成され得る。
【0177】
阻害緩和剤の有効性を増大させる1つの方法は、問題のウイルスによる耐性細胞感染の可能性を増大させる遺伝子の発現と共に、ウイルス阻害遺伝子を発現することである。この結果は、増殖性感染事象のために完了する、非増殖性「行き止まり(dead−end)」事象である。HIVの特定の場合において、HIV複製を(上記のように、アンチセンスtatなどを発現することにより)阻害し、そしてまた感染に必要とされるタンパク質(例えば、CD4)を過剰発現する、遺伝子送達ビヒクルが送達され得る。この方法において、比較的少数のベクター感染HIV耐性細胞は、遊離ウイルスまたはウイルス感染細胞による複数の非増殖性融合事象の「吸い込み装置(sink)」または「引き付けるもの(magnet)」として作用する。
【0178】
(2.ブロッキング剤)
多くの感染症、ガン、自己免疫疾患、および他の疾患は、ウイルス粒子と細胞との、細胞と細胞との、または細胞とそれら自身もしくは他の細胞により生成される因子との相互作用を必要とする。ウイルス感染において、ウイルスは、一般的に、感受性細胞表面上のレセプターを介して細胞に侵入する。ガンまたは他の増殖状態(例えば、再狭窄)において、細胞は、他の細胞からのシグナルもしくは因子と不適切に応答するか、もしくは全く応答しないかもしれないか、または特定の因子は、変異、過剰発現、もしくは過小発現されて、適切な細胞周期制御の喪失をもたらしているかもしれない。自己免疫疾患において、「自己」マーカーの不適切な認識がある。本発明において、このような相互作用は、相互作用におけるパートナーのいずれかに対するアナログをインビボで生成することによりブロックされ得る。あるいは、細胞周期制御は、存在しないか、または過小発現されているブロッキング因子を使用して、1つの期から別の期への(例えば、G1期からS期への)移行を妨げることにより回復され得る。このブロッキング作用は、細胞内で、細胞膜上で、または細胞外で起こり得、そしてブロッキング剤遺伝子を有するアルファウイルスベクターの作用は、感受性細胞内部から、または1バージョンのブロッキングタンパク質を分泌して病原相互作用を局所的にブロックすることによるかのいずれかで媒介され得る。
【0179】
HIVの場合、相互作用の2つの因子は、gp120/gp41エンベロープタンパク質およびCD4レセプター分子である。従って、適切なブロッカーは、病原効果を引き起こすことなくHIV侵入をブロックするHIV envアナログ、またはCD4レセプターアナログのいずれかを発現する遺伝子送達ビヒクルである。CD4アナログは分泌され、そして隣接細胞を保護するように機能するが、一方、gp120/gp41は、ベクター含有細胞だけを守るように細胞内でのみ分泌または生成される。安定性または補体溶解を増強するために、CD4に対するヒト免疫グロブリン重鎖または他の成分を添加することは有用であり得る。このようなハイブリッド可溶性CD4をコードする遺伝子送達ビヒクルの宿主への投与は、安定なハイブリッド分子の連続供給をもたらす。処置効力は、疾患進行の有用な指標(抗体レベル、ウイルス抗原生成、感染HIVレベル、または非特異的感染レベルを含む)を測定することによりアッセイされ得る。
【0180】
無制御な増殖状態(例えば、ガンまたは再狭窄)の場合、細胞周期進行は、サイクリンまたはサイクリン依存性キナーゼ(CDK)によるシグナリングに影響を及ぼす、多数の異なる因子の発現により休止され得る。例えば、サイクリン依存性キナーゼインヒビターp16、p21、およびp27は各々、サイクリン:CDKにより媒介される細胞周期シグナリングを調節する。遺伝子送達ビヒクルによる細胞内でのこれらの因子の過剰発現は、細胞増殖の細胞増殖抑制性の抑制をもたらす。細胞増殖を妨げるためのブロッキング剤または標的として、治療上使用され得る他の因子は、例えば、野生型または変異体Rb、p53、Myc、Fos、Jun、PCNA、GAX、レンチウイルスvpr、およびp15を含む。関連する実施態様において、心臓血管疾患(例えば、再狭窄またはアテローム性動脈硬化症)は、再内皮化(re−endothelialization)または血管再造形を促進する産物(例えば、VEGF、TFPI、SOD)を発現するベクターを用いて処置または予防され得る。
【0181】
(3.緩和剤の発現)
上記のものと同様の技術を使用して、病原因子または遺伝子の機能を阻害し得る薬剤(または「緩和剤」)の発現に関する、遺伝子送達ビヒクルを生成し得る。本発明において、「機能を阻害し得る」は、緩和剤が直接的に機能を阻害することか、または間接的に(例えば、細胞に存在する薬剤を、病原因子機能を通常阻害しない薬剤から阻害する薬剤に変換することにより)阻害すること、いずれかを意味する。ウイルス疾患についての、このような機能の例は、吸着、複製、遺伝子発現、組み立て、および感染細胞からウイルスが出ることを含む。ガン細胞、ガン促進増殖因子、または無制御な増殖状態(例えば、再狭窄)についての、このような機能の例は、生存能力、細胞複製、外部シグナル(例えば、接触阻止)に対する変化した感受性、および抗ガン遺伝子タンパク質生成の欠如またはその変異形態の生成を含む。
【0182】
(a.インヒビター緩和剤)
本発明の1つの局面において、遺伝子送達ビヒクルは、例えば、ウイルス疾患または悪性疾患において、病原因子の機能を妨げ得る遺伝子の発現に関する。このような発現は、本質的に、連続的であるか、または病原状態もしくは特定の細胞型のいずれかと関連する別の因子(「同定因子(identifying agent)」)の細胞における存在に応答するかのいずれかであり得る。さらに、ベクター送達は、ベクター侵入を、上記で議論されたように所望の細胞型(例えば、ウイルス感染細胞または悪性細胞)に特異的に標的化することにより制御され得る。
【0183】
投与の1つの方法は、白血球伝達(leukophoresis)であり、ここで個体のPBLの約20%はどの時点においても取り出され、そしてインビトロで操作される。従って、約2×109個の細胞が処理され得、そして取り替えられ得る。反復処理もまた
行われ得る。あるいは、骨髄が上記のように処置され、そしてその効果を増幅させられ得る。さらに、ベクターを生成するパッケージング細胞株は被験体に直接注射され、組換えビリオンの連続生成を可能にし得る。
【0184】
1つの実施態様において、重要な病原遺伝子転写物(例えば、ウイルス遺伝子産物または活性化細胞ガン遺伝子)に相補的なRNAを発現する遺伝子送達ビヒクルを使用して、その転写物のタンパク質への翻訳を阻害し得る(例えば、HIV tatタンパク質の翻訳阻害)。このタンパク質の発現はウイルス複製に必須であるので、この遺伝子送達ビヒクルを含む細胞はHIV複製耐性である。
【0185】
第2の実施態様において、病原因子がパッケージングシグナルを有する1本鎖ウイルスである場合、ウイルスパッケージングシグナル(例えば、緩和剤がHIVに対して指向される場合、HIVパッケージングシグナル)に相補的なRNAが発現され、その結果、これらの分子とウイルスパッケージングシグナルとの結合は、レトロウイルスの場合、アルファウイルスRNAゲノムの正しいキャプシド包膜(encapsidation)または複製に必要とされる、ステムループ形成またはtRNAプライマー結合を阻害する。
【0186】
第3の実施態様において、病原遺伝子の発現を選択的に阻害し得る緩和剤、または病原因子により生成されるタンパク質の活性を阻害し得る緩和剤を発現する、遺伝子送達ビヒクルが導入され得る。HIVの場合、1つの例は、HIV LTRからの発現をトランス活性化する能力を欠き、そしてtatタンパク質の正常機能を(トランス優性(transdominant)の様式で)妨げる、変異体tatタンパク質である。このような変異体は、HTLV II tatタンパク質について同定された(「XII Leu5
変異体;Wachsmanら、Science 235:674,1987を参照のこと)。変異体トランスリプレッサーtatは、HSV−1の類似変異体リプレッサーについて示された(Friedmannら、Nature 335:452,1988)のと同じくらい複製を阻害するはずである。
【0187】
このような転写リプレッサータンパク質は、その発現が(上記のような)ウイルス特異的トランス活性化タンパク質により刺激される、任意のウイルス特異的転写プロモーターを用いて組織培養において選択され得る。HIVの特定の場合において、HIV tatタンパク質、およびHIVプロモーターにより駆動されるHSVTK遺伝子を発現する細胞株は、ACVの存在下で死ぬ。しかし、一連の変異tat遺伝子がこの系に導入された場合、適切な特性を有する(すなわち、野生型tat存在下でHIVプロモーターからの転写を抑制する)変異体は増殖し、そして選択される。次いで、変異体遺伝子は、これらの細胞から再単離され得る。条件致死ベクター/tat系の複数コピーを含む細胞株は、細胞クローンの生存が、これらの遺伝子における内因性変異により引き起こされないことを確実にするために使用され得る。次いで、一連のランダム変異誘発されたtat遺伝子は、「レスキュー可能な」アルファウイルスベクター(すなわち、変異体tatタンパク質を発現し、そして細菌における増殖および選択のために細菌複製起点および薬物耐性マーカーを含む、ベクター)を用いて、これらの細胞に導入される。これは、多数のランダム変異が評価されることを可能にし、そして所望の変異体細胞株の容易なそれに続く分子クローニングを可能にする。この手順を使用して、潜在的な抗ウイルス治療のための、種々のウイルス転写アクチベーター/ウイルスプロモーター系における変異を同定および利用し得る。
【0188】
(b.条件毒性緩和剤)
病原因子を阻害するための別のアプローチは、病原状態を示す細胞に対して毒性の緩和剤を発現することである。この場合、遺伝子送達ビヒクルからの緩和剤の発現は、非病原細胞の破壊を避けるために、病原因子に関連する物(例えば、病原状態を同定する特異的ウイルスRNA配列)の存在により制限されるべきである。
【0189】
この方法の1つの実施態様において、遺伝子送達ビヒクルは、(上記で議論されたような)毒性遺伝子を細胞特異的応答ベクターから発現するために利用され得る。このように、細胞特異的応答ベクターを活性化し得るRNA配列を含む、急速に複製する細胞は、遺伝子送達ビヒクルにより生成される細胞傷害剤により優先的に破壊される。
【0190】
前述の実施態様と同様に、この遺伝子送達ビヒクルは、プリンまたはピリミジンに基づく薬物のリン酸化、ホスホリボシル化、リボシル化、または他の代謝についての遺伝子を有し得る。この遺伝子は、哺乳動物細胞において等価物を有さないかもしれず、そしてウイルス、細菌、真菌、または原生動物のような生物から生じ得る。この例は、チオキサンチンの存在下で致死性である、E.coliグアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子産物である(Besnardら、Mol.Cell.Biol.7:4139−4141,1987を参照のこと)。この型の条件致死遺伝子産物(上記の「プロドラック変換酵素」とも呼ばれる)は、効果的な細胞傷害剤になるために細胞内リボシル化またはリン酸化をしばしば必要とする、多くの現在公知のプリンまたはピリミジンに基づく抗ガン薬物に対する適用を有する。条件致死遺伝子産物はまた、プリンまたはピリミジンアナログでない非毒性薬物を、細胞傷害形態に代謝し得る(Searleら、Brit.J.Cancer 53:377−384,1986を参照のこと)。
【0191】
一般的に、哺乳動物ウイルスは、他のウイルスプロモーターエレメントからの後の転写活性化に必要な、「前初期」遺伝子を有する傾向がある。この性質のRNA配列は、ウイルス感染のアルファウイルスベクター細胞内シグナル(または「同定因子」)を活性化するための優れた候補である。従って、これらのウイルス「即時初期」遺伝子産物に応答するアルファウイルス細胞特異的ベクターから発現される条件致死遺伝子は、任意の特定のウイルスに感染した細胞を特異的に殺傷し得る。さらに、ヒトおよびインターフェロンプロモーターエレメントは、広範な種々の非関連ウイルスによる感染に応答して転写活性化されるので、例えば、インターフェロン生成に応答してHSVTKのような条件致死遺伝子産物を発現するベクターの導入は、種々の異なるウイルスに感染した細胞の破壊をもたらし得る。
【0192】
本発明の別の局面において、他の点で不活性な前駆体を、病原因子の活性なインヒビターに活性化し得る遺伝子産物の発現に関する、遺伝子送達ビヒクルが提供される。例えば、HSVTK遺伝子産物を使用して、潜在的に抗ウイルス性のヌクレオシドアナログ(例えば、AZTまたはddC)を、より効果的に代謝し得る。HSVTK遺伝子は、細胞特異的応答ベクターの制御下で発現され得、そしてこれらの細胞型に導入され得る。AZT(および他のヌクレオシド抗ウイルス薬)は、レトロウイルス逆転写酵素、従ってHIV複製を特異的に阻害するために、細胞機構によりヌクレオチド3リン酸形態に代謝されなければならない(Furmamら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:8333−8337,1986)。HSVTK(非常に広い基質特異性を有する、ヌクレオシドおよびヌクレオシドキナーゼ)の構成性発現は、これらの薬物の、それらの生物学的に活性なヌクレオチド3リン酸形態へのより効果的な代謝をもたらす。それによりAZTまたはddC治療は、より効果的であり、より少ない用量、より少ない全身毒性、および増殖性感染に対するより高い効力を可能にする。そのヌクレオチド3リン酸形態がレトロウイルス逆転写酵素に対して感受性を示すが、細胞のヌクレオシドおよびヌクレオチドキナーゼの基質特異性の結果としてリン酸化されない、さらなるヌクレオシドアナログは、より効力があるようにされる。
【0193】
これらの遺伝子送達ビヒクルのヒトT細胞およびマクロファージ/単球細胞株への投与は、レトロウイルスベクター処理のない同じ細胞と比較して、AZTおよびddC存在下でのそれらのHIV耐性を増大させ得る。AZTでの処置は、毒性副作用を避けるために標準レベルより低いが、HIV蔓延をさらに効率的に阻害する。処置経過は、ブロッカーについて記載された通りである。
【0194】
1つの実施態様において、遺伝子送達ビヒクルは、本来毒性ではないが、ウイルスまたは他の病原体に特異的なタンパク質(例えば、プロテアーゼ)によりプロセシングまたは改変された場合に、毒性形態に変換される産物を特定する遺伝子を有する。例えば、遺伝子送達ビヒクルは、リシンA鎖のプロタンパク質をコードする遺伝子を有し得、これは、HIVプロテアーゼによるプロセシングの際に毒性になる。より詳細には、毒性リシンまたはジフテリアA鎖の合成不活性プロタンパク質形態は、HIVウイルスによりコードされるプロテアーゼが適切な「プロ」エレメントを認識および切断するように準備することにより、活性形態に切断され得る。
【0195】
別の実施態様において、遺伝子送達ビヒクルは、細胞における同定因子の存在(例えば、ウイルス遺伝子の発現)に応答して、標的細胞表面上に「レポーティング産物」を発現し得る。この表面タンパク質は、細胞傷害剤(例えば、レポーティングタンパク質の抗体)により、または細胞傷害性T細胞により認識され得る。同様に、このような系は、同定タンパク質を発現する特定の遺伝子を有するこれらの細胞を簡単に同定するための検出系(以下を参照のこと)として使用され得る。
【0196】
同様に、別の実施態様において、それ自体が治療上有益な表面タンパク質が発現され得る。HIVの特定の場合において、特にHIV感染細胞におけるヒトCD4タンパク質の発現は、以下の2つの点で有益であり得る:
1.細胞内のCD4のHIV envへの結合は、可溶性CD4が遊離ウイルスに対して阻害することが示されたのと同じくらいであるが、系統的なクリアランスおよび可能な免疫原性の問題なく、生存能力のあるウイルス粒子の形成を阻害し得る。なぜならこのタンパク質は膜に結合したままであり、そして(患者が免疫学的に寛容であるはずの)内因性CD4と構造的に同一であるからである。
【0197】
2.CD4/HIV env複合体は細胞死の原因として関与してきたので、(HIV感染細胞に存在する過剰なHIV−envの存在下での)CD4のさらなる発現はより迅速な細胞死を導き、従って、ウイルス播種を阻害する。これは、特に、HIV誘導細胞傷害性に対するそれらの相対的な抵抗性(refractility)(これは、順に、明らかに、それらの細胞表面上の相対的なCD4欠如のためである)の結果として、ウイルス生成のための貯蔵庫(reservoir)として作用する単球およびマクロファージに適用可能であり得る。
【0198】
別の実施態様において、遺伝子送達ビヒクルは、ベクター感染細胞の生存能力に必須のRNA分子を切断および不活化するリボザイムを提供し得る。リボザイム生成を、病原状態と対応する特異的RNA配列(例えば、HIV tat)依存性にすることにより、毒性は病原状態に特異的である。
【0199】
(4.マーカー発現)
特異的RNA配列に応答して細胞において緩和剤を発現する上記の技術はまた、同定タンパク質を発現する細胞における特定の遺伝子(例えば、特定のウイルスにより有される遺伝子)の検出を可能にし、従って、そのウイルスを有する細胞の検出を可能にするように改変され得る。さらに、この技術は、ウイルスと関連する同定タンパク質を有する細胞の臨床サンプル中のウイルス(例えば、HIV)の検出を可能にする。
【0200】
この改変は、産物をコードするゲノムを提供することにより達成され得、この存在は、感染細胞における同定タンパク質の存在に応答する遺伝子送達ビヒクルにおいて容易に同定され得る(「マーカー産物」)。例えば、HIVが適切な細胞を感染すると、tatおよびrevを作る。従って、指標細胞は、tatおよび/またはrev RNA転写物による活性化の際に組換えアルファウイルスにより発現されるマーカー遺伝子(例えば、アルカリホスファターゼ遺伝子、β−ガラクトシダーゼ遺伝子、またはルシフェラーゼ遺伝子)をコードするゲノムを用いて(例えば、適切な組換えアルファウイルス感染により)提供され得る。β−ガラクトシダーゼまたはアルカリホスファターゼの場合、細胞の基質アナログへの暴露は、サンプルがHIV陽性であれば、色または蛍光変化をもたらす。ルシフェラーゼの場合、サンプルのルシフェリンへの暴露は、サンプルがHIV陽性であれば、ルミネセンスをもたらす。細胞内酵素(例えば、β−ガラクトシダーゼ)については、ウイルス力価は、着色細胞または蛍光細胞を数えることによるか、細胞抽出物を作り、そして適切なアッセイを行うことにより、直接測定され得る。膜結合形態のアルカリホスファターゼについては、ウイルス力価はまた、蛍光基質を用いて細胞表面上で酵素アッセイを行うことにより測定され得る。分泌酵素(例えば、操作された形態のアルカリホスファターゼ)については、培養上清の少量サンプルが活性についてアッセイされ、これは、経時的に単一培養物を連続モニタリングすることを可能にする。従って、このマーカー系の異なる形態は、異なる目的のために使用され得る。これらは、活性ウイルスを数えることか、または培養物中のウイルス蔓延および種々の薬物によるこの蔓延の阻害を、感度よくおよび簡単に測定することを含む。
【0201】
ウイルスの存在を、そのウイルスに対する中和抗体の存在下または非存在下のいずれかで試験することにより、さらなる特異性が前述の系に組込まれ得る。例えば、試験される臨床サンプルの一部において、HIVに対する中和抗体は存在し得るが;別の部分において中和抗体はない。この試験が、抗体がある系において陰性であり、そして抗体がない系において陽性であれば、これは、HIVの存在を確かめるのを助けるだろう。
【0202】
インビトロアッセイのための類似する系において、特定の遺伝子(例えば、ウイルス遺伝子)の存在は、細胞サンプル中で決定され得る。この場合、サンプルの細胞を、適切なウイルスRNA転写物の存在下でのみ発現されるレポーター遺伝子を有する適切な遺伝子送達ビヒクルに感染させる。サンプル細胞への侵入後、レポーター遺伝子は、宿主細胞が適切なウイルスタンパク質を発現する場合にのみ、そのレポーティング産物(例えば、β−ガラクトシダーゼまたはルシフェラーゼ)を発現する。
【0203】
これらのアッセイは、より迅速でかつ感度が高い。なぜなら、レポーター遺伝子は、存在する同定因子より多量のレポーティング産物を発現し得、増幅効果をもたらすからである。
【0204】
(5.免疫ダウンレギュレーション)
上記のように、本発明はまた、アルファウイルスに感染した標的細胞において免疫系の1つ以上の要素を抑制し得る遺伝子送達ビヒクルを提供する。簡単には、慢性肝炎または異種組織(例えば、骨髄)移植片におけるような不適切なまたは所望でない免疫応答の特異的ダウンレギュレーションは、移植(MHC)抗原の表面発現を抑制する免疫抑制ウイルス遺伝子産物を用いて操作され得る。C群アデノウイルスAd2およびAd5は、ウイルスのE3領域にコードされる19kd糖タンパク質(gp19)を有する。このgp19分子は、細胞の小胞体においてクラスI MHC分子に結合し、そしてクラスI MHCの末端グリコシル化およびその細胞表面への移動を妨げる。例えば、骨髄移植の前に、ドナー骨髄細胞を、gp19発現の際にMHC クラスI移植抗原の表面発現を阻害する、gp19コード遺伝子送達ビヒクルに感染させ得る。これらのドナー細胞は、低い危険性の移植片拒絶を伴って移植され得、そして移植患者のために最小の免疫抑制レジメを必要とし得る。これは、合併症がより少なく、受容可能なドナー−レシピエントキメラ状態が存在することを可能にし得る。同様の処置を使用して、いわゆる自己免疫疾患(ループス エリテマトーデス(erythromiatis)、多発性硬化症、慢性関節リウマチ、または慢性B型肝炎感染を含む)の範囲を処置し得る。
【0205】
代替方法は、事実上自己反応性の、T細胞クローンに特異的なアンチセンスメッセージ、リボザイム、または他の特異的遺伝子発現インヒビターの使用を含む。これらは、自己免疫応答を担う特定の所望でないクローンのT細胞レセプター発現をブロックする。アンチセンス、リボザイム、または他の遺伝子は、ウイルスベクター送達系を用いて導入され得る。
【0206】
(6.置換または増加遺伝子治療)
本発明の1つのさらなる局面は、脊椎動物または昆虫の細胞を、治療タンパク質を発現し得る遺伝子配列を供給する遺伝子送達ビヒクルで形質転換することに関する。本発明の1つの実施態様において、遺伝子送達ビヒクルは、代謝、免疫調節、ホルモン調節、酵素機能、または膜関連構造機能における遺伝性または非遺伝性の遺伝子欠陥を予防、阻害、安定化、または逆転し得る治療タンパク質を発現するように設計される。この実施態様はまた、個々の細胞を形質導入し得る遺伝子送達ビヒクルを説明し、それにより治療タンパク質は、全身的に、または特定の細胞もしくは組織から局所的に発現され得、それにより治療タンパク質は、(a)欠失した、もしくは欠陥のある細胞タンパク質もしくは酵素の置換、または(b)欠陥のある、もしくは低発現細胞タンパク質もしくは酵素の補充生成、が可能である。このような疾患は、嚢胞性線維症、パーキンソン病、高コレステロール血症、アデノシンデアミナーゼ欠損症、β−グロブリン病、血友病AおよびB、ゴシェ病、糖尿病、および白血病を含み得る。
【0207】
本発明の例として、遺伝子送達ビヒクルを構築および利用して、ゴシェ病を処置し得る。簡単には、ゴシェ病は、グルコセレブロシダーゼ酵素欠損により特徴付けられる遺伝病である。この型の治療は、機能的細胞酵素を提供することによる、単一遺伝子置換治療の例である。この酵素欠損は、身体内全細胞のリソソーム中にグルコセレブロシド蓄積を導く。しかし、疾患表現型は、この疾患の非常に稀な神経障害形態を除いて、マクロファージにおいてのみ顕著である。この疾患は、通常、肝臓および脾臓の腫脹ならびに骨損傷を導く(概説については、Science 256:794,1992およびThe Metabolic Basis of Inherited Disease,第6版,Scriverら、第2巻,1677頁を参照のこと)。
【0208】
同様に、遺伝子送達ビヒクルを利用して、広範な種々の治療タンパク質を送達し、疾患または疾患プロセスを処置、治癒、予防し得る。このような遺伝子の代表例は、インシュリン(U.S.4,431,740およびBE 8851596Aを参照のこと)、ヘモグロビン(Lawnら、Cell 21:647−51,1980)、エリスロポエチン(EPO;U.S.4,703,008を参照のこと)、巨核球増殖および分化因子(MGDF)、幹細胞因子(SCF)、G−CSF(Nagataら、Nature 319:415−418,1986)、GM−CSF、M−CSF(WO 8706954を参照のこと)、flt3リガンド(Lymanら(1993),Cell 75:1157−1167)、EGF、酸性および塩基性FGF、PDGF、インターロイキンまたはインターフェロンファミリーのメンバー(前述)、神経栄養因子(例えば、BDNF;Rosenthalら、Endocrinology 129:1289−1294,1991、NT−3;WO 9103569を参照のこと、CNTF;WO 9104316を参照のこと、NGF;WO 9310150を参照のこと)、凝固因子(例えば、第VIII因子および第IX因子)、血栓崩壊因子(thrombolytic factor)(例えば、t−PA(EP 292009、AU 8653302、およびEP 174835を参照のこと)およびストレプトキナーゼ(EP 407942を参照のこと))、ヒト成長ホルモン(JP 94030582およびU.S.4,745,069を参照のこと)および他の動物ソマトトロピン、インテグリンおよび他の細胞接着分子(例えば、ICAM−1およびELAM)(上記で議論された、他の「異種配列」もまた参照のこと)、ならびに他の増殖因子(例えば、IGF−1およびIGF−II、TGF−β、骨形成タンパク質−1(Ozkaynakら、EMBO J.9:2085−2093,1990、ならびに他の骨形態発生タンパク質(例えば、BMP−4,Nakaseら、J.Bone Miner.Res.9:651−659,1994))を含むが、それらに限定されない。
【0209】
(7.リンホカインおよびリンホカインレセプター)
上記のように、本発明はまた、数ある機能の中で、1つ以上のサイトカインまたはサイトカインレセプターの発現を指向し得る遺伝子送達ビヒクルを提供する。簡単には、サイトカインは、ガン治療剤としてのそれらの役割に加えて、ある病理状態をもたらす負の効果を有し得る。例えば、たいていの休止T細胞、B細胞、大型顆粒リンパ球、および単球は、IL−2R(レセプター)を発現しない。正常休止細胞におけるIL−2R発現の欠如とは対照に、IL−2Rは、ある白血病(ATL、ヘアリーセル、ホジキン、急性および慢性顆粒球性)、自己免疫疾患を有する患者の異常細胞により発現され、そして同種移植拒絶と関連する。興味深いことに、これらの患者の大部分において、可溶性形態のIL−2Rの血清濃度は上昇している。従って、本発明の特定の実施態様において、可溶性形態のサイトカインレセプターの血清濃度を増大させることにより、治療がもたらされ得る。例えば、IL−2Rの場合、遺伝子送達ビヒクルは、可溶性IL−2RおよびIL−2Rの両方を生成して、高親和性可溶性レセプターを作り出すように操作され得る。この構成において、血清IL−2レベルは減少し、パラクリンループを阻害する。この同じストラテジーはまた、自己免疫疾患に対して効果的であり得る。特に、いくつかの自己免疫疾患(例えば、慢性関節リウマチ、SLE)もまたIL−2の異常発現と関連するので、レセプターの血清レベルを増大させることによるIL−2作用のブロックはまた、このような自己免疫疾患を処置するために利用され得る。
【0210】
他の場合、IL−1レベルの阻害が有益であり得る。簡単には、IL−1は、2つのポリペプチドIL−1およびIL−1からなり、これらの各々は、多面的効果(plieotropic effect)を有する。IL−1は、主に、細菌生成物または炎症による刺激に応答して単核食細胞により合成される。IL−1レセプターアンタゴニスト(「IL−1Ra」)と呼ばれる、IL−1Rの天然に生じるアンタゴニストがある。このIL−1Rアンタゴニストは、成熟IL−1と同じ分子サイズを有し、そして構造的にそれと関連する。しかし、IL−1RaのIL−1Rへの結合は、いずれのレセプターシグナリングも開始しない。従って、この分子は、可溶性レセプターと異なる作用機構を有し、これは、サイトカインと複合体化し、従って、レセプターとの相互作用を妨げる。IL−1は、正常なホメオスタシスにおいて重要な役割を果たさないらしい。動物において、IL−1レセプターに対する抗体は、内毒素および他の炎症誘導因子による炎症および食欲不振を低減する。
【0211】
敗血症性ショックの場合、IL−1は、強力な血管拡張薬である2次化合物を誘導する。動物において、外部から供給されたIL−1は平均動脈圧を減少させ、そして白血球減少を誘導する。IL−1に対する中和抗体は、動物において内毒素により誘導される熱を低減した。3日間一定注入のIL−1Rで処置された敗血症性ショック患者の研究において、28日死亡率は、偽薬注入を受けた患者の44%と比較して16%であった。自己免疫疾患の場合、IL−1活性の低減は炎症を低減する。同様に、IL−1活性の組換えレセプターでのブロックは、さらに、恐らく炎症を減少させることにより、動物における同種移植片生存の増大をもたらし得る。
【0212】
これらの疾患は、遺伝子送達ビヒクルが可溶性レセプターまたはより詳細にはIL−1Ra分子を生成するように操作され得る、さらなる例を提供する。例えば、敗血症性ショックにかかっている患者において、IL−1Ra生成ベクター粒子の単一注射は、組換えIL−1Rの一定注入を必要とする現在のアプローチに取って代わり得る。
【0213】
サイトカイン応答、またはより詳細には間違ったサイトカイン応答はまた、感染症を管理または消散することの失敗に関与し得る。恐らく、最もよく研究された例は、強力であるが逆効果のTH2優位応答を有する、マウスおよびヒトリーシュマニア症の非治癒形態
である。同様に、らい腫らい病は、優位であるが、不適切なTH2応答と関連する。これ
らの条件において、固形腫瘍治療のために提案された位置指定アプローチとは反対に、遺伝子送達ビヒクルは、IFNγの循環レベルを増大させるのに有用であり得る。IFNγはTH−1 T細胞により生成され、そしてTH−2サブタイプ増殖の負のレギュレーターとして機能する。IFNγはまた、B細胞に対するIL−4媒介効果(IgEへのアイソタイプスイッチを含む)の多くに拮抗する。
【0214】
IgE、マスト細胞、および好酸球は、アレルギー反応の媒介に関与する。IL−4は、TH−2発達を刺激するように、分化しているT細胞に作用するが、一方、TH−1応答を阻害する。従って、アルファウイルスに基づく遺伝子治療はまた、従来のアレルギー治療と共に達成され得る。1つの可能性は、少量のオフェンディングアレルゲン(offending allergen)(すなわち、伝統的なアレルギーショット)と共に、IL4Rを生成する遺伝子送達ビヒクルを送達することである。可溶性IL−4RはIL−4活性を妨げ、従って、強力なTH−2応答の誘導を妨げ得る。
【0215】
(8.自殺ベクター)
本発明の1つのさらなる局面は、パッケージング/プロデューサー細胞株における野生型アルファウイルス蔓延を制限するための、遺伝子送達ビヒクル自殺ベクターの使用に関する。簡単には、1つの実施態様において、遺伝子送達ビヒクルは、ベクター接合領域の3’配列とパッケージング細胞株発現ベクターの5’アルファウイルス構造配列との間のRNA組換え事象から作製される野生型アルファウイルス配列に特異的な、アンチセンスまたはリボザイム配列からなる。アンチセンスまたはリボザイム分子は、特異的組換え配列の存在下でのみ耐熱性であり、そしてアルファウイルスパッケージング/プロデューサー細胞株にいずれの他の影響も及ぼさない。あるいは、毒性分子(例えば、本明細書中に開示される毒性分子)もまた、野生型アルファウイルスの存在下でしか発現しないベクターの状況において発現され得る。
【0216】
(9.転移性腫瘍の蔓延を予防するための遺伝子送達ビヒクル)
本発明の1つのさらなる局面は、悪性新生物の侵襲性を阻害または低減するための遺伝子送達ビヒクルの使用に関する。簡単には、悪性度は、代表的に、腫瘍の血管化に関連する。腫瘍血管化の1つの原因は、いくつかの腫瘍により発現される、可溶性腫瘍血管新生因子(TAF)(Paweletzら、Crit.Rev.Oncol.Hematol.9:197,1989)の生成である。本発明の1つの局面において、腫瘍血管化は、TAFに特異的なアンチセンスまたはリボザイムRNA分子を発現する遺伝子送達ビヒクルを利用して、遅らされ得る。あるいは、腫瘍血管化を遅くするか、または阻害するために、抗血管新生因子(Mosesら、Sience 248:1408,1990;Shapiroら、PNAS 84:2238,1987)は、単独で、または上記のリボザイムもしくはアンチセンス配列と組み合せてのいずれかで発現され得る。あるいは、遺伝子送達ビヒクルはまた、周囲組織におけるTAFレセプターに特異的な抗体を発現するために使用され得る。
【0217】
(10.遺伝子送達ビヒクルの投与)
本発明の1つの局面において、遺伝子送達ビヒクルを脊椎動物または昆虫に投与するための方法が提供される。簡単には、遺伝子送達ビヒクル投与の最終的な態様は、通常、特定の治療適用、ベクター効力を増大させる最良の態様、および最も便利な投与経路による。一般的に、この実施態様は、例えば、(1)血流への直接注射;(2)特定の組織または腫瘍への直接注射;(3)経口投与;(4)鼻吸入;(5)粘膜組織への直接適用;または(6)形質導入自己細胞の脊椎動物または昆虫へのエクスビボ投与により送達されるように設計され得る、遺伝子送達ビヒクルを含む。本発明の特定の実施態様において、エクスビボ適用のために、細胞は、最初に宿主から取り出され、少なくとも部分的に精製された細胞(例えば、CD34+幹細胞、T細胞など)の集団を得るために正および/また
は負に選択され、本発明の遺伝子送達ビヒクルで形質導入されるか、トランスフェクトされるか、またはそれに感染させられ、そして同じ宿主または別の個体のいずれかに再導入され得る。
【0218】
従って、治療遺伝子送達ビヒクルは、ベクターが、(a)正常健康細胞を形質導入し、そしてこの細胞を、全身的または局所的に分泌される治療タンパク質または薬剤のプロデューサーに形質転換し得る、(b)異常または欠陥のある細胞を形質転換して、この細胞を正常機能表現型に形質転換し得る、(c)異常細胞を形質転換して、それを破壊し得る、そして/または(d)細胞を形質導入して、免疫応答を操作し得るように、投与され得る。
【0219】
(11.転写因子活性の調節)
さらに別の実施態様において、遺伝子送達ビヒクルは、感染細胞における転写因子の増殖制御活性を調節するために利用され得る。簡単には、転写因子は、配列特異的トランス活性化または抑制により遺伝子発現パターンに直接影響を及ぼす(Karin,New Biologist 21:126−131,1990)。従って、変異転写因子が、ガン遺伝子ファミリーを示すことは驚くべきことではない。遺伝子送達ビヒクルは、例えば、腫瘍細胞に制御を戻すために使用され得、この腫瘍細胞の無秩序な増殖は、腫瘍形成転写因子ならびにホモ2量体およびヘテロ2量体のトランス活性化または抑制転写因子複合体の形成における共同結合を促進または阻害するタンパク質により活性化される。
【0220】
細胞増殖を逆転するための1つの方法は、c−myc/Maxヘテロ2量体転写因子複合体のトランス活性化能力を阻害することである。簡単には、核ガン遺伝子c−mycは増殖細胞により発現され、そしていくつかの別個の機構(レトロウイルス挿入、増幅、および染色体転座を含む)により活性化され得る。Maxタンパク質は静止細胞において発現され、そしてc−mycとは独立して、単独または未同定因子と共にのいずれかで、myc/Maxヘテロ2量体により活性化される同じ遺伝子の発現を抑制するように機能する(Cole,Cell 65:715−716,1991)。
【0221】
腫瘍細胞のc−mycまたはc−myc/Max増殖阻害は、遺伝子送達ビヒクルにより制御される、標的細胞におけるMax過剰発現により達成され得る。Maxタンパク質は、(480ヌクレオチドRNA長に対応する)160アミノ酸しかなく、そして独立して、あるいは他の遺伝子および/または細胞の増殖制御を開放する因子に標的化されたアンチセンス/リボザイム部分と組み合せて、遺伝子送達ビヒクルに容易に取り込まれる。
【0222】
ホモ/ヘテロ複合体会合の調節は、転写因子により活性化される遺伝子発現を制御するための別のアプローチである。例えば、細胞質から核へのトランス活性化転写因子NF−Bの輸送は、インヒビタータンパク質IBによりヘテロ2量体複合体の間に妨げられる。種々の薬剤(特定のサイトカインを含む)による誘導の際に、IBはリン酸化され、そしてNF−Bは放出され、そして核に輸送され、ここでNF−Bは、その配列特異的トランス活性化機能を発揮し得る(BaeuerleおよびBaltimore,Science 242:540−546,1988)。NF−B/IB複合体の解離は、IBのリン酸化部位を抗体でマスクすることにより妨げられ得る。このアプローチは、NF−IB転写因子のトランス活性化活性を、その核への輸送を妨げることにより効果的に阻害する。標的細胞におけるIBリン酸化部位特異的抗体またはタンパク質の発現は、アルファウイルス遺伝子導入ベクターを用いて達成され得る。ここに記載したものと同様のアプローチを使用して、junとfosタンパク質との間の会合を阻害することにより、トランス活性化転写ヘテロ2量体因子AP−1(TurnerおよびTijan,Science 243:1689−1694,1989)の形成を妨げ得る。
【0223】
(12.組換えタンパク質の生成)
本発明の別の局面において、トガウイルス(アルファウイルスを含む)遺伝子送達ビヒクルは、真核生物細胞(エクスビボ、インビボ、または樹立細胞株)において1つ以上の組換えタンパク質の発現を指向するために利用され得る。本明細書中で使用する「組換えタンパク質」は、タンパク質、ポリペプチド、酵素、またはそのフラグメントをいう。このアプローチを使用して、治療適用または他の商業的適用を有するタンパク質は、より費用効果的に生成され得る。さらに、真核生物細胞において生成されるタンパク質は、原核生物細胞において生成されたタンパク質と比較して、より忠実に翻訳後修飾(例えば、グリコシル化、硫酸化、アセチル化など)され得る。さらに、このような系は、種々の化学化合物(例えば、精製化学製品または特別化学製品)のインビボ生成において使用され得る。
【0224】
この局面において、(所望の化学製品の生成に必要とされ得るような)所望のタンパク質、酵素、または酵素経路をコードする遺伝子送達ビヒクルは、適切な真核生物細胞に形質転換されるか、トランスフェクトされるか、形質導入されるか、または別の方法で導入される。このような系を用いて生成され得るタンパク質の代表例は、インシュリン(米国特許第4,431,740号およびBE 885196Aを参照のこと)、ヘモグロビン(Lawnら、Cell 21:647−51,1980)、エリスロポエチン(EPO;米国特許第4,703,008号を参照のこと)、巨核球増殖および分化因子(MGDF)、幹細胞因子(SCF)、G−CSF(Nagataら、Nature 319:415−418,1986)、GM−CSF、M−CSF(WO 8706954を参照のこと)、flt3リガンド(Lymanら(1993),Cell 75:1157−1167)、EGF、酸性および塩基性FGF、PDGF、インターロイキンまたはインターフェロンファミリーのメンバー(前述)、神経親和性因子(例えば、BDNF;Rosenthalら、Endocrinology 129:1289−1294,1991、NT−3;WO 9103569を参照のこと、CNTF;WO 9104316を参照のこと、NGF;WO 9310150を参照のこと)、凝固因子(例えば、第VIII因子および第IX因子)、血栓崩壊因子(例えば、t−PA(EP 292009、AU 8653302、およびEP 174835を参照のこと)およびストレプトキナーゼ(EP
407942を参照のこと))、ヒト成長ホルモン(JP 94030582およびU.S.4,745,069を参照のこと)および他の動物ソマトトロピン、インテグリンおよび他の細胞接着分子(例えば、ICAM−1およびELAM)(上記で議論された、他の「異種配列」もまた参照のこと)、ならびに他の増殖因子(例えば、VEGF、IGF−1およびIGF−II、TGF−β、骨形成タンパク質−1(Ozkaynakら、EMBO J.9:2085−2093,1990)、ならびに他の骨または軟骨形態形成タンパク質(例えば、BMP−4,Nakaseら、J.Bone Miner.Res.9:651−659,1994)を含むが、それらに限定されない。当業者が認識するように、任意の遺伝子は、一旦特徴付けされたら、本発明に従って遺伝子送達ビヒクルに容易にクローニングされ、次いで適切な宿主細胞に導入し、そして所望の遺伝子を発現し得る。さらに、このようなベクターは、所望の治療効果(例えば、創傷治癒適用)を促進するために、局所的または全身的のいずれかで、インビボで直接送達され得る。
【0225】
本明細書中に記載のベクターおよびアルファウイルスパッケージング細胞株を用いて組換えタンパク質を生成するための方法が提供される(実施例6および7を参照のこと)。簡単には、組換えタンパク質をコードするインビトロ転写RNA、プラスミドDNA、または組換えベクター粒子の形態の遺伝子送達ビヒクルは、培養細胞の少量の画分(≦1%)しかベクター分子を含まないように、アルファウイルスパッケージング細胞株(PCL)に(トランスフェクションまたは感染を介して)導入され得る。ベクターレプリコンは、シンドビスウイルス複製ストラテジーに従って進行するベクターRNA増幅後に、PCLによりトランスで供給されるsPsによりパッケージングされる。次いで、生成された組換えベクター粒子は、培養物の残存細胞を感染する。従って、組換えベクター粒子が生成され、続いて、PCL培養中の全細胞を感染するにつれて、組換えタンパク質発現の最盛期(bloom)が経時的に生じる。同様に、PCLによるベクター粒子の増幅を使用して、他の適用のための多量の高力価粒子ストックを作成し得る。本発明のさらに別の局面において、プロデューサー細胞株からの組換えタンパク質発現が記載される(実施例7を参照のこと)。簡単には、遺伝子要素(ベクターレプリコンおよび欠損ヘルパー発現カセットを含む)の全てを含む細胞株が得られ、これからベクター粒子の産生は、培養物への細胞外刺激物の添加を介して誘導され得る。従って、ベクターによりコードされる組換えタンパク質の発現は、アルファウイルスベクター粒子プロデューサー細胞株の誘導の結果として生じる。本発明のなおいっそうさらなる局面において、真核生物層状ベクター開始系で安定に形質転換された細胞株からの組換えタンパク質発現が記載される(実施例7を参照のこと)。簡単には、目的の組換えタンパク質をコードする誘導性真核生物層状ベクター開始系カセットで安定に形質転換された細胞株が得られる。従って、ベクターにコードされる組換えタンパク質の発現は、真核生物層状ベクター開始系カセットの誘導の結果として生じる。
【0226】
本明細書中で提供される所定の開示が容易に理解されるべき場合、RNAベクターレプリコン、真核生物層状ベクター開始系、または組換えベクター粒子を利用するタンパク質産生はまた、パッケージングまたはプロデューサー細胞株への導入以外の方法により達成され得る。例えば、このようなベクターは、所望のタンパク質を産生するために、広範な種々の他の真核生物宿主細胞株(例えば、COS、BHK,CHO、293、またはHeLa細胞)、ならびに直接投与インビボまたはエクスビボ細胞に導入され得る。
【0227】
(J.寄託情報)
以下の材料は、American Type Culture Collectionに寄託されている:
【0228】
【表2】

上記の材料は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に従って、American Type Culture Collection(ATCC),12301 Parklawn Drive,Rockville,Marylandに、Chiron Corporationにより寄託された。寄託番号は、ATCCから電話番号(301)881−2600で入手可能である。
【0229】
これらの寄託物は、当業者の都合の良いように提供され、そして寄託が米国特許法第112条により要件とされる承認ではない。これらの寄託物の核酸配列、ならびにそれによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、本明細書中に参考として援用され、そして本明細書中に記載の配列に誤りがある場合には参照されるべきである。寄託材料を製造、使用、または販売するためにライセンスが必要とされ得、そしてこれによって、このようなライセンスは許可されない。
【0230】
以下の実施例は、本発明をより完全に例示するために含まれる。さらに、これらの実施例は本発明の好ましい実施態様を提供し、そしてその範囲を限定することを意味されない。以下の実施例に記載された手順の多くのための標準的な方法、または適切な代替手順は、分子生物学の広く認められたマニュアル(例えば、「Molecular Cloning」,第2版(Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory Press,1987)および「Current Protocols
in Molecular Biology」(Ausubelら編、Greene Associates/Wiley Interscience,NY,1990))において提供される。
【実施例】
【0231】
(実施例1:SIN1の単離および特徴付け)
以下、同じウイルスの溶解性の細胞病原性野生型株と比較して、宿主巨大分子合成阻害の低減を示し、そして脊椎動物細胞において持続感染を確立し得る、+鎖RNAウイルスの同定および分子特徴付けを記載する。例えば、シンドビスウイルスを、アルファウイルス属を代表する原型として使用する。
【0232】
(A.野生型シンドビスウイルスストックからのSIN−1の単離、プラーク精製、および特徴付け)
シンドビスウイルス変異体株の単離、分子クローニング、および特徴付けを記載する。この株は、細胞変性なく増殖性持続感染を確立するが、野生型ウイルスレベルと等価なウイルスレベルを生じ得る。
【0233】
高力価(>108PFU/ml)野生型ストックを、低MOI(≦0.1)でのBHK
細胞(ATCC番号CCL−10)のシンドビスウイルス(CMCC#4639)感染により得た。感染を容易にするために、ウイルス接種物は、細胞に添加した場合に、単層を覆うのにちょうど十分な容量で含まれた。BHK細胞を維持し、そして全てのウイルス希釈を、10%胎児ウシ血清を補充したイーグル最小必須培地中で行った。細胞を、5%CO2空気中、37℃で培養した。「球状化(rounding up)」、接着喪失、お
よび単層内の個々の細胞の光屈折増大、さらに単層の全細胞密度の減少により証明されるような大規模なCPEを、感染後48時間(hpi)以内に観察した。細胞培養液を収集し、細胞残査を、低速遠心分離(4,000rpm、室温、10分)により除去し、そしてウイルスストックをアリコートに分け、そして−70℃で貯蔵した。シンドビスウイルスストック力価を、以前に記載されたように(Straussら、Virology 74:154−168,1976)、プラークアッセイにより決定した。簡単には、ニワトリ胚線維芽細胞(CEF)単層を種々の希釈のウイルスストックに感染させ、そして単層を、0.75%アガロースを補充した培地で重層した。24〜48hpiで、細胞溶解のためにプラークは目に見えるようになり、そしてアガロース重層を除去した後に、直接あるいはクリスタルバイオレット染色によるかのいずれかで定量した。ウイルス力価を、プラークを正確に定量したウイルス希釈物感染サンプルから決定した。
【0234】
DI粒子を富化したシンドビスウイルスストックを、BHK細胞における反復高MOI継代(≧5)により得た。最初に、BHK単層を、MOI=5で、シンドビスウイルスウイルスシードストックに感染させた。感染培養物の完全細胞溶解を観察した後に(通常、24hpi)、培養培地を収集し、そして低速遠心分離により清澄化した。次いで、感染培養物から収集した清澄化培地を使用して、新鮮なBHK単層を感染させた。例えば、2mlのウイルス接種物を、10cmペトリ皿中の新鮮なBHK単層に添加した。1hpiで8mlの新鮮な培地を、ウイルス感染培養物に添加した。上記のように、培養物の完全細胞溶解の観察後に、培養培地を収集し、そして清澄化した。BHK単層における細胞変性が感染後に発生する速度を少なくとも4日まで遅らせるまで、このプロセスを繰り返した。感染後の細胞変性開始の遅延は、ウイルス調製物における高レベルのDI粒子の存在を示す。
【0235】
感染細胞培地の多連続非希釈継代から得たウイルス調製物における高レベルのDI粒子の存在を、干渉アッセイまたはBHK感染細胞のRNA分析により決定した。最初の方法において、相同体干渉アッセイを、DI粒子の存在の測定法として行った。簡単には、BHK細胞を、MOI=10で、上記のように調製した高力価(>108PFU/ml)野
生型ストックのみに感染させた。16hpiで、ウイルス収量を、上記のようにプラークアッセイにより決定した。この実験からのウイルス収量は、代表的に、1×109〜1×
1010PFU/mlであった。別の実験群において、BHK細胞を、野生型ストック(MOI=10)および感染細胞培地の多連続非希釈継代から調製したウイルスストック(MOI=5)に同時に同時感染させた。前述のように、16hpiで、ウイルス収量をプラークアッセイにより決定した。2番目の実験群からのウイルスストックが高レベルのDI粒子を含む場合、ウイルス収量は、最初の実験より少なくとも2〜3桁少ない(例えば、≦1×107PFU/ml)。
【0236】
ウイルス調製物におけるDI粒子の存在を証明するためのより決定的な方法として、16hpiでのBHK感染細胞中のウイルス特異的RNAを分析した。簡単には、BHK細胞を、高力価(>108PFU/ml)野生型ストックまたはDI粒子を含むウイルスス
トックに感染させた(MOI=10)。モック(mock)感染コントロールおよび感染細胞をダクチノマイシン(1mg/ml)で処理し、そして1〜16hpiで[3H]ウリジン(20mCi/ml)を標識した。RNAを、製造者(Tel−Test,Inc.,Friendswood,Texas)により記載されたようにRNAzol Bを用いることにより、感染細胞およびコントロール細胞から単離した。あるいは、RNAを、Tri−Reagent(Molecular Research Center,Inc.,Cincinnati,Ohio)を用いるか、またはWeissら(J.Virol.14:1189−1198,1974)に記載のように、0.5% Tritonおよび0.5%再結晶化ナフタレンジスルホン酸を含む緩衝液(0.05M Tris、0.1M NaCl、0.001M EDTA、pH7.5)中に溶解した細胞のフェノール抽出を用いる従来の方法により単離した。RNAをグリオキサールで変性し、そして0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)中に調製した1.1%水平アガロースゲルに通して5V/cmで電気泳動した(McMasterおよびCarmichael、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:4835−4838,1977)。あるいは、RNAを、ホルムアルデヒドゲルに通して電気泳動し得る。電気泳動後、全水分を、ゲルドライヤーを用いて減圧下でゲルから除去し、そして乾燥ゲルを蛍光間接撮影のために処理し、そしてフィルムに暴露した。ゲノムおよびサブゲノム種に対応する2つのRNA(それぞれ、42Sおよび26S)が、野生型ウイルスストックに感染したBHK細胞に由来するサンプルにおいて観察された。対照に、標準的な42Sおよび26S RNAとは異なる多数のRNA種が、DI粒子を含むウイルスストックに感染したBHK細胞に由来するサンプルにおいて観察された。DI RNAに対応する複数のRNAは、野生型ウイルスに由来する26S RNA種より小さな分子量で主に移動した。DI粒子を含むウイルスストックに感染したBHK細胞において観察された42Sおよび26S種に加えて、複数のRNAの例は、Weissら(J.Virol.33:463−474,1980)の図3、レーン3に示され得る。
【0237】
細胞変性を減少した、増殖性持続感染を確立し得るシンドビスウイルス変異体株を単離し、そしてDI粒子を富化したウイルスストックから分子クローニングした。BHK細胞を、高多重度(MOI=5)で、DI粒子を富化したシンドビスウイルスストックに感染させた。細胞変性は、BHK細胞の野生型ウイルス感染と比較してゆっくり発生したが;たいていの細胞は最後には溶解され、そしてプレートから剥がされた。細胞残査および非接着細胞を、2日毎に培地交換により除去した。最初の感染後2週間以内に、分離したおよび別個のコロニーが観察された。これらのコロニーは増殖性であり、そして非感染BHK細胞コントロールと比較してCPEの形態的証拠を示さなかった。3〜4週間以内で、細胞コロニーは大きく、そして裸眼で識別できた。コロニーをクローニングリング(cloning ring)を用いて単離し、そして細胞を、3mM EDTAまたはトリプシンのいずれかを用いて分散させた。各コロニーからの分散細胞を、希釈なしで再プレートした。その後、コンフルエンシーに達した際に(一般的に、4日以内)、細胞を1:10希釈で継代培養した。BHK(SIN−1)と呼ぶ細胞アリコートを、液体窒素中での長期貯蔵のために、5回目の継代後にクリオチューブ(cryotube)中に調製した。BHK(SIN−1)細胞は、増殖速度または形態に関して、最初の非感染BHK細胞と区別がつかなかった。
【0238】
(B.SIN−1の分子クローニング)
SIN−1の実質に低減した細胞病原性の発生と相関する、シンドビスウイルスゲノム中の変異(単数または複数)を特徴付けるために、以下により完全に記載されるように、SIN−1ビリオンに由来するゲノムRNAを単離し、逆転写し、そして得られた非構造タンパク質遺伝子含有cDNAを配列決定した。
【0239】
簡単には、SIN−1ウイルスを、RNA単離のために使用したストックの調製前に、3回プラーク精製した。BHK(SIN−1)細胞を上記のように増殖させ、培養液を収集し、そして種々の希釈物を使用して、初代ニワトリ胚線維芽細胞単層(CEF、3%胎児ウシ血清を補充した最小必須培地において増殖させた)を感染させた。感染後、0.5%不活性(noble)寒天を含む培地を単層に添加した。さらに、SIN−1プラークサイズを増大させるために、DEAE−デキストラン(100μg/mL)を寒天重層培地に含有させ得る。個々の目立たないプラークは、適切に希釈したBHK(SIN−1)培養液接種物に感染したプレートにおいて、3日間の30℃でのインキュベーション後に観察された。3回目の精製後に、クローニングされたSIN−1ウイルスを、MOI=1で感染したCEF細胞において30℃で1回継代した。プラーク精製されたSIN−1ウイルス調製物は、上記のような干渉アッセイおよびBHK感染細胞におけるRNA分析により、DI粒子がないことが決定された。
【0240】
BHK細胞をプラーク精製SIN−1ストックに感染させて(MOI=10)、この野生型シンドビスウイルス変異体株が持続性を確立する能力を決定した。上記のように、BHK細胞における野生型シンドビスウイルス持続感染の確立は、ウイルス調製物中のDI粒子の存在、およびそれらのほんの少しの生存細胞が増殖し得るためのかなりの時間を必要とする。対照的に、SIN−1変異体に37℃で感染したBHK細胞において、持続感染は、DI粒子がウイルス接種物中に存在してもしなくても容易に確立された。SIN−1感染の6日後に、BHK細胞は、野生型シンドビスウイルス重感染に完全に耐性であり、これは、持続感染の確立を実証する。しかし、これらの細胞は、異種ウイルス、VSVによる感染に感受性であり、これは、インターフェロンが、SIN−1持続感染の確立に関与しないことを証明する。
【0241】
CEF細胞をプラーク精製SIN−1ストックに感染させ(MOI=10)、RNA単離のための高力価ウイルスストックを生成した。90mlの培養液(2×1010PFU/ml)を、Sorvall GSAローター中での2,500rpmで5分間の遠心分離により清澄化した。SIN−1ウイルスを、SW27.1ローター中での、24,000rpmで4℃、2時間の遠心分離により清澄化培養液からペレット化した。次いで、ウイルスペレットを3mlの培養培地に再懸濁し、反復ピペッティングによりホモジナイズし、そして25〜40%(w/w)スクロース勾配の上に重層した。この後に、SW27.1ローター中で、24,000rpm、4℃で4時間遠心分離した。ウイルスバンドを白熱光照明で視覚化し、そして22ゲージ針/注射器で収集した。RNAを、プロテイナーゼK(Boehringer Mannheim,Indianapolis,Indiana)消化(56℃、1時間)、次いで等容量のH2O飽和フェノール:クロロホルム
(1:1、pH7.0)での抽出、次いで2容量のエタノールおよび0.3M酢酸ナトリウム(pH5.2)での沈殿によりさらに精製した。
【0242】
あるいは、SIN−1ウイルスを、感染BHK細胞培地のポリエチレングリコール沈殿(Straussら、Virology 133:154−168,1976)により、あるいはスクロースクッション(cushion)によるペレット化(Poloら、J.Virol.62:2124−2133,1988)によりさらに精製し得る。
【0243】
2回の第1鎖cDNA合成を、製造者の推奨条件に従ってモロニーマウス白血病ウイルスまたはSuperScript II逆転写酵素(Gibco−BRL,Gaithersburg,Maryland)を使用して、精製ウイルスRNAを用いて行った。6つの別々の反応を、以下に示す、+鎖に相補的なシンドビスウイルス特異的プライマー(Rで印を付けた)を用いて行った。クローニングを容易にするために第1鎖合成反応前に、Rで印を付けた全プライマーを、それらの5’末端でポリヌクレオチドキナーゼ(New England Biolabs)を用いてリン酸化した。
【0244】
【表3】

上記のcDNA鋳型からの第2鎖合成を、6つの別々の反応において、製造者の推奨条件に従ってDNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント(New England Biolabs,Beverly,MA)を用いて達成した。−鎖に相補的なシンドビスウイルス特異的プライマー(上記で示すFで印を付けたプライマー)を使用した。2本鎖DNA産物を、完全長シンドビスウイルスゲノム(Riceら、J.Virol,61:3809−3819,1987)を含むプラスミドToto1101の対応領域の代わりに段階的に置換した。例えば、T7/1F−1465R産物を、SacIおよびEco47IIIで消化し、そしてSacI/Eco47IIIで消化し、CIAP処理したToto1101プラスミドに挿入し、これを、1%アガロースゲル/TAE(50X/リットル:242g Trisベース/57.1ml氷酢酸/100ml 0.5M EDTA(pH8.0))電気泳動およびGENECLEAN IIにより、SacI/Eco47III小フラグメント(SP6プロモーター、シンドビスウイルスnts.1〜1407)から除いて精製した。次いで、この構築物を、Eco47IIIおよびAvrII(それぞれ、シンドビスウイルスnt番号1407および4281)で消化し、CIAPで処理し、その後に、Eco47IIIおよびAvrIIで消化した、1003F−4303R産物から単離した3300bpフラグメントの挿入を行った。完全に組み立てられたクローンはpRSIN−1gと呼ばれ(完全長ゲノムクローンとの参照として、g)、そして全11,703bpのウイルスゲノムを含んだ。上記の表に列挙されたプライマーのサブセットは、SIN−1ゲノム内で、重複2本鎖DNA反応産物を生じる。例えば、4051F/8115R産物の配列は、1680F/8115R産物内にある。これらの重複産物は、SIN−1ゲノムクローンの構築代替物として提供され;すなわち、一般的に、cDNAクローニング効率は、所望のフラグメントの長さと反比例する。
【0245】
上記の方法により得られないウイルスゲノムの部分をクローニングするために、SIN−1 RNAウイルスゲノムを、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)によりクローニングした。第1鎖合成を、上記のように達成した。上記で示されたプライマー対によるシンドビスcDNAのPCR増幅を、Klentaq1酵素およびBarnes(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:2216−2220,1994)に記載のような反応条件を用いた別々の反応として行った。あるいは、Thermalase耐熱性DNAポリメラーゼ(Amresco Inc.,Solon,OH)を、供給者により提供される1.5mM MgCl2含有緩衝液を用いて、Klentaq1酵
素の代わりに用いた。あるいは、VentR耐熱性DNAポリメラーゼ(New England Biolabs,Beverly,MA)を、増幅反応において使用した。さらに、反応物は、5%DMSOおよび「HOT START WAX」ビーズ(Perkin−Elmer)を含んだ。使用したPCR増幅プロトコルを以下に示す(72℃伸長インキュベーション期間を、鋳型DNA 1kbあたり1分に調節した):
【0246】
【表4】

あるいは、以前に記載された方法(Dubenskyら、J.Virol.70:508−519,1996)と同様に完全長SIN−1 RNAゲノムのクローニングを行い得る。簡単には、第1鎖cDNA合成を、ランダムヘキサマープライマー(50ng/ml反応濃度)(Invitrogen,San Diego,California)およびプライマー4B(この配列を以下の表に示す)の混合物を用いて達成する。次いで、ゲノム長シンドビスウイルスSIN−1変異体cDNAをPCRにより増幅する。6対の重複プライマーを用いた6つの別個のセグメントは、全ゲノムをクローニングするのに十分である。ウイルス相補配列に加えて、SIN−1 5’末端正方向プライマーは、細菌SP6 RNAポリメラーゼプロモーターおよびその5’末端に連結したApaI制限エンドヌクレアーゼ認識配列に対応する19ヌクレオチド配列を含む。細菌SP6
RNAポリメラーゼは、インビトロでの転写が、本物のシンドビスウイルス5’末端に対応するAリボヌクレオチドに連結した単一非ウイルスGリボヌクレオチドだけの含有をもたらすように準備されている。ApaI認識配列の含有は、プラスミドベクターpKSII+(Stratagene,La Jolla,California)ポリリンカ
ー配列へのPCRアンプリコンの挿入を容易にする。5ヌクレオチドの「緩衝配列」伸長もまた、効率的な酵素消化を容易にするために、ApaI認識配列の上流に連結される。全SIN−1ゲノムを増幅するのに必要な、SP6−5’SIN−1正方向プライマーおよび全プライマー対の配列を、以下の表に示す。(下文で利用する「nt」および「nts」は、それぞれ、「ヌクレオチド(単数)」および「ヌクレオチド(複数)」をいうことに留意のこと)。参照配列(GenBank寄託番号J02363、遺伝子座:SINCG)は、Straussら、Virology 133:92−110,1984に由来する。
【0247】
【表5】

上記で示すプライマー対を用いたシンドビスcDNAのPCR増幅を、ThermalaseまたはVentR DNAポリメラーゼ(上記)、上記のような反応条件、および
PCR増幅条件を用いて別々の反応として行う。
【0248】
増幅産物間の配列重複領域は、PCRアンプリコン内の独特の酵素認識部位に対応する。PCR産物を精製し(QIAquick PCR精製キット、Qiagen,Chatsworth,California)、そしてpKS II+ベクターに、ApaI部
位とXbaI部位との間に段階的に挿入する。完全に組み立てられたクローンはpKSRSIN−1g(完全長ゲノムクローンに対する参照として、g)と呼ばれ、そして全11,703bpのウイルスゲノムを含む。
【0249】
(C.SIN−1表現型の配列)
pRSIN−1gクローンのSIN−1特異的ヌクレオチド配列を、ジデオキシチェインターミネーション法により決定した。8,000bpのウイルス配列の配列比較は、本明細書中に記載のSIN−1クローンと、GenBankにおいて提供されるシンドビスウイルス(HRsp株)配列(GenBank寄託番号J02363、遺伝子座:SINCG)との間に複数の差異を明らかにした。SIN−1(図6)、SINCG(図7)、およびToto1101(図8)間の配列の差異を以下に示す。
【0250】
【表6】

*この変異は、1個のcDNAクローンにおいて見出された。これは、Sin−1ウイル
スRNAを配列決定した場合に検出されなかった。これは、RNA集団における微量種を示すようである。
【0251】
配列変化が、本明細書中に記載のクローンに独特である(そしてクローニング人工産物の結果ではない)という確認を、上記のようにSIN−1ビリオンRNAをRT−PCRにより増幅し、問題のヌクレオチドを含む配列をRT−PCRアンプリコン産物の直接配列決定により確認し、そしてこの配列と対応するSIN−1配列とを比較することにより決定した。
【0252】
(D.分子クローンを用いたSIN−1表現型の特徴付けおよび遺伝子マッピング)
持続性確立のための表現型の位置をマッピングするために、SIN−1ゲノムの種々の領域を、Toto1101プラスミド(Riceら、J.Virol.61:3809−3819,1987)において対応する野生型シンドビスウイルス領域と置換した。種々のSIN−1 nsP遺伝子を、以下の表に例示されるようにpRSIN−1gから精製した制限酵素フラグメントを用いて、Toto 1101野生型シンドビスウイルスバックグラウンドに置換した。
【0253】
【表7】

非構造遺伝子をコード領域の位置を、以下の表に提供する:
【0254】
【表8】

種々のSIN−1、Toto、およびキメラSIN−Totoクローンである、pRSIN−1g、Toto、pRSIN−1nsP1、pRSIN−1nsP2、pRSIN−1nsP2−N、pRSIN−1nsP2−C、pRSIN−1nsP3、pRSIN−1nsP4、およびpRSIN−1nsP1−4を、XhoIでの消化により線状化した。XhoIは、シンドビスウイルス3’末端(ウイルスnt.11703)後の21ヌクレオチドポリdA:dT領域のすぐ隣接およびその下流に、cDNAクローンの単一切断を作る。線状化クローンを、GENECLEAN II(BIO 101,La Jolla,California)で精製し、そして0.5μg/μlの濃度に調節した。線状化クローンの転写を、以下の反応条件に従って、40℃で90分間インビトロで行った:2μl DNA/4.25μl H2O;10μl 2.5mM NTP(UTP、
ATP、GTP、CTP);1.25μl 20mM Me7G(5’)ppp(5’)Gキャップアナログ;1.25μl 100mM DTT;5μl 5×転写緩衝液(Promega,Madison Wisconsin);0.5μl RNasin(Promega);0.25μl 10μg/μlウシ血清アルブミン;および0.5μl T7 RNAポリメラーゼ(Promega)。インビトロ転写反応産物を、DNaseI(Promega)で消化し、連続フェノール:CHCl3およびエーテル抽出によ
り精製し、次いでエタノール沈殿を行った。あるいは、インビトロ転写反応産物を、トランスフェクションのために直接使用し得る。インビトロ転写反応産物または精製RNAを、市販のカチオン脂質化合物(LIPOFECTIN,GIBCO−BRL,Gaithersburg,MD)と複合体化し、そして75%コンフルエンシーで60mmペトリ皿に維持したベビーハムスター腎臓−21(BHK−21)細胞に適用した。あるいは、BHK細胞を、以前に記載されたように(Liljestrom,Bio/Technology 9:1356−1361,1991)正確に、インビトロ転写反応産物または精製RNAでエレクトロポレーションした。トランスフェクト細胞を、37℃でインキュベートした。トランスフェクションの48時間後に、培養培地を収集し、そして各ウイルス力価を、上記のようにプラークアッセイにより決定した。これらのインビトロ転写反応物に由来する力価測定したウイルスストックを、以下の表に示すように命名した。
【0255】
【表9】

SIN−1持続表現型をマッピングするために、8×105個のBHK細胞を、上で調
製したウイルスストックの各々に感染させた(MOI=5)。感染の3日後に、培養物生存能力を、トリパンブルー色素排除により決定した。この実験結果(以下に示す)は、持続性非細胞破壊性感染を確立するSIN−1表現型が非構造遺伝子に、そして、特にnsP2遺伝子に位置することを実証する。モック感染培養物における細胞数は、これらの細胞が定常期に達するまで、その増殖が続いたことを示す。3dpiで、SIN−1nsP1、SIN−1nsP3、SIN−1−nsP3−4、およびSIN−1nsP4に感染した細胞は全て死んだ。SIN−1nsP2およびSIN−1nsP1−4感染から生き残った細胞は増殖し続け、そしてシンドビスウイルスに特異的な抗体を用いた染色に基づいて、持続的に感染する。
【0256】
【表10】

上記に示すように、非細胞破壊性持続感染を確立する観察されたSIN−1表現型は、sPsとは対照的に、ウイルスnsPsに位置する。この結論は、TotoまたはSIN−1nsP1−4ウイルスストックに感染した培養物間の細胞生存レベルの比較により明らかに証明された。TotoおよびSIN−1nsP1−4ウイルスの両方は、野生型sPsを含む;しかし、細胞生存は、SIN−1クローンに由来するnsPsを含むウイルス(SIN−1nsP1−4)に感染した培養物にしか観察されなかった。これらの実験において、細胞生存は、シンドビスウイルスsPsの供給源に依存性ではなかった。重要なことに、SIN−1表現型をさらにnsP2にマッピングした。細胞生存レベルは、SIN−1nsP1−4またはSIN−1nsP2ウイルスに感染した培養物間で同等であった。さらに、SIN−1 nsP2遺伝子のヌクレオチド3855でのC→T転移は、SIN−1ウイルスに感染した細胞における持続感染確立の特徴的な表現型の原因である。キメラウイルスSIN−1nsP2−Cに感染した細胞において産生されるnsP2タンパク質の単一のプロリンからセリンへの変化は、野生型シンドビスウイルス(Toto
1101)を感染細胞全てを殺傷するウイルスから感染細胞の多くが生存し、そしてウイルスを産生し続けるウイルスに変換するために必要とされる全てであった。SIN−1
nsP1、nsP3、またはnsP4遺伝子のTotoバックグラウンドへの挿入に由来するキメラウイルスの表現型は野生型と区別できず、そして完全溶解物がこれらのウイルスに感染した培養物において観察された。
【0257】
BHK細胞における増殖性感染レベルに対する、SIN−1 nsPsのアミノ酸変化の可能な効果を、種々のSIN−1、野生型(Toto)、またはSIN−1/Totoキメラ株を接種したBHK細胞において、時間経過にわたってウイルス収量を比較することにより決定した。簡単には、BHK細胞を、SIN−1(上記のプラーク精製ストック)、Toto、SIN−1nsP1−4、またはSIN−1nsP2ウイルスに感染させ(MOI=20)、そして培養液を、感染の3、6、9、および12時間後に収集した。次いで、培養液におけるウイルス力価を、上記のようにプラークアッセイにより決定した。図2に示すこの研究の結果は、等価なレベルのウイルスが、野生型またはSIN−1株に感染したBHK細胞において生成されたことを実証する。12hpi時点での実際のウイルス力価を以下の表に示す。野生型株と等価なウイルス生成レベルと組み合わせて、半分を超えるBHK細胞が、SIN−1ウイルス(およびSIN−1nsPs1−4またはSIN−1nsP2を含むキメラウイルス)での感染から生き残った。
【0258】
【表11】

ウイルス特異的RNA合成レベルに対する、SIN−1nsPsアミノ酸変化の可能な効果を、種々のSIN−1、野生型(Toto)、またはSIN−1/Totoキメラ株を接種したBHK細胞において、時間経過にわたって[3H]ウリジン取り込みレベル比
較することにより決定した。BHK細胞(3×105個細胞/35mmディッシュ)を、
本明細書中に記載の条件に従って、37℃で増殖させた。この細胞を、SIN−1、Toto1101、SIN−1nsP1−4、またはSIN−1nsP2ウイルスに感染させた(MOI=20)。感染後30分で、培養培地を、1μg/mlアクチノマイシンDに調整した。さらに30分のインキュベーション後、培養培地を、10μCi/ml[3
]ウリジンに調整した。3、6、9、および12hpiで、処理細胞をPBSで洗浄し、そして200μlのTTE緩衝液(0.2%Triton X−100、10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM EDTA)の添加により溶解した。RNAを、200μlの25%トリクロロ酢酸(TCA)溶液の添加により4℃で沈殿させた。RNAを、14,000rpmで5分間の微量遠心分離によりペレット化し、5%TCAで1回リンスし、そして55℃で、50mM NaOH/0.1%SDSからなる溶液に溶解した。溶解RNAを含む溶液をシンチレーションバイアルに移し、そして取り込まれた[3
H]ウリジンのレベルを、EcoLume(ICN,Irvine,CA)シンチレーション液を用いて決定した。図3に示すこの研究の結果は、SIN−1に感染したBHK細胞におけるウイルス特異的RNAレベルが、野生型ウイルスと比較して劇的に低いことを実証する。この低レベルのウイルス特異的RNA合成の表現型は、野生型と比較して、SIN−1またはSIN−1nsP1−4株に感染したBHK細胞において生成される等しく低レベルのRNAにより示されるように、nsPsに位置する。
【0259】
【表12】

感染BHK細胞におけるウイルス特異的RNA合成をまた、SIN−1、Toto、およびSIN−1/Totoキメラ株の全てを用いて決定した。9hpiでの野生型感染(Toto)に関する[3H]ウリジン取り込みのレベルを図4に示し、そして以下の表に示す。
【0260】
【表13】

従って、BHK細胞は、SIN−1ウイルス(およびSIN−1 nsPs1−4またはSIN−1 nsP2を含むキメラウイルス)感染から生き残り、野生型株と等価なSIN−1ウイルスレベルがBHK細胞において産生され、そして合成ウイルス特異的RNAレベルは、野生型ウイルスと比較して10倍低い。
【0261】
宿主細胞タンパク質合成阻害レベルに対する、SIN−1 nsPsのアミノ酸変化の可能な効果を、種々のSIN−1、野生型(Toto)、またはSIN−1/Totoキメラ株を接種したBHK細胞において、時間経過にわたって非感染細胞に関するタンパク質合成レベルを比較することにより決定した。簡単には、2×105個BHK細胞を接種
した35mmディッシュを、PBS/1%胎児ウシ血清からなる緩衝液中の0.5mlウイルス接種物における種々のシンドビスウイルス株に感染させた(MOI=20)。プレートを、連続して穏やかに振盪しながら、4℃で1時間インキュベートした。この接種物を、10%ウシ胎児血清を含む、以前に記載した2mlの培地と交換し、そしてこのディッシュを、37℃のCO2インキュベーターに置いた。5、8、および11時間後に、こ
の培地を、メチオニンを欠き(Met−)、2%ウシ胎児血清を含む2mlのMEMと交換し、そして30分間インキュベートした。次いで、培地を、2%ウシ胎児血清および10μCi/mlの[35S]メチオニンを含む1mlのMEM(Met−)と交換した。37℃で30分のインキュベーション期間の後、10%ウシ胎児血清を含む1mlの培地を各ウェルに添加し、そしてこのディッシュを、37℃でさらに30分間インキュベートした。この希釈は、放射性標識のタンパク質へのさらなる取り込みを阻害するのに十分であり、そしてポリアクリルアミドゲル中で検出される遊離[35S]メチオニンのバックグラウンドを有意に減少させる。次いで、培地をこのウェルから除去した。細胞をPBSで3回洗浄し、ディッシュからPBSにこそぎ落とし、遠心分離によりペレット化し、そして25μlのローディング緩衝液(0.06M Tris−HCl(pH6.7)、2% SDS、5% β−メルカプトエタノール、5% グリセロール、0.05% ブロモフェノールブルー)に溶解した。このサンプルの1/5をゲル上で分析した。電気泳動後、ゲルを、クマシーブリリアントブルーRで染色し、乾燥し、そしてオートラジオグラフした。宿主細胞タンパク質合成の阻害率を、宿主タンパク質のみを含むゲル切片の放射能量を定量することにより比較した。この研究の結果を図5に示し、そしてこれは、宿主細胞タンパク質合成の阻害レベルが、野生型ウイルス感染細胞と比較して、SIN−1ウイルス感染細胞において、特に感染後、初期の6および9時間の時点で有意に低いことを実証する。
【0262】
要約すると、BHK細胞はSIN−1感染から生き残り、野生型株と等価なウイルスレベルがBHK細胞において生成され、合成されたウイルス特異的RNAレベルは野生型ウイルスより10倍少なく、そしてSIN−1ウイルス感染細胞における宿主細胞タンパク質合成の阻害レベルは、野生型ウイルス感染細胞と比較して有意に低い。本明細書中に記載されたSIN−1ウイルスの表現型は、ウイルスnsP遺伝子に位置する。
【0263】
(実施例2:宿主巨大分子合成の減少した阻害を示すプラス鎖RNAウイルスの単離および特徴づけ)
宿主細胞巨大分子合成の減少した阻害、遅延した阻害、または無阻害の所望の表現型を示すウイルス改変体の誘導は、野生型ウイルスのものとは異なる配列の生成、特徴づけ、および単離に依存する。しかし、実施例1の他に、巨大分子合成のこのウイルスに基づく阻害の変化、または溶解性よりもむしろ持続性の感染を導くウイルスの生成を生じる、コードまたは非コードウイルス配列の変化の選択または同定するための、明らかなまたは既に開示された方法はない。本発明は、これらの障害を克服することを可能にする、一例としてアルファウイルスを使用する、特定の方法を提供する。
【0264】
(A.ウイルス改変体の生物学的選択)
宿主巨大分子合成の減少した阻害、遅延した阻害、または無阻害を生じる、あるいは持続性感染を確立する、ウイルス改変体の生物学的誘導は、細胞内の天然の自発的変異を可能にすること、あるいは最初に所望のウイルスストックに物理的、化学的、または他の人工的変異誘発を受けさせること、次いで感染しやすい細胞の感染、および変異したウイルスがいる細胞集団についての連続的富化によって、行われ得る。変異誘発の前に、必要とされないが、適切な変異の生成を容易にすることが可能である。選択は、所望の改変体に感染した細胞が野生型ウイルスに感染した細胞よりも著しく長い期間生存する能力に基づく。以下の実施例は、一例としてシンドビスウイルスを使用して、代表的方法を詳細に提供する;しかし、他のウイルスは、詳細な説明に記載のように、容易に置換される。
【0265】
詳細には、化学的変異誘発の場合、109pfu/ml以上または等しい力価を有する
シンドビスウイルスストック懸濁液を、100ug/mlの最終濃度でニトロソグアニジンで処理する。室温にて15分後、ニトロソグアニジンを、4℃での透析によって除去し、そして変異誘発したストックを、続いて、感染のために使用する。フラットストック培養物で増殖した、所望のタイプ(例えば、BHK−21)の約5×106細胞に、約5の
感染多重度(M.O.I.)で変異誘発したウイルスを感染させて、あらゆる細胞が感染することを確実にする。感染後12、24、36、および48時間目に、細胞単層を、新鮮培地で2回洗浄して死亡細胞を除去し、そして50%新鮮培地および50%馴化培地の混合物からなる培地に置換する。感染後の所望の時間(例えば、72時間)後、残りの細胞を、穏やかにトリプシン処理して培養ディッシュから細胞を脱離させ、そして何らかの細胞結合した細胞外ウイルスをストリッピングし、次いで、分別遠心分離によって細胞から分離する。次いで、残りの細胞を、あらゆる103非感染細胞について1感染細胞の比
で、半コンフルエント非感染細胞単層を含む組織培養ディッシュに直接的に再播種する。選択の追加のラウンドを、増幅のための非感染細胞上に播種すること、次いで上記の洗浄および採取工程によって行う。あるいは、初回感染を、低M.O.I.で野生型ウイルスストックを使用して行い、細胞内での複製中の自発的変異を可能にし得る。このアプローチを使用して、変異体ウイルスの異種集団を、感染した細胞によって産生する。トリプシン処理後に回収した感染した細胞の集団が、著しく多くの非生存またはひどく損傷を受けた細胞を含む場合には、17mM Tris(HClでpH 7.65)中の0.75%
NH4Clでの簡単な処理(室温にて5分)、またはPercollTMによる遠心分離
を、非感染細胞単層上に再播種する前に、残りの死亡または損傷を受けた細胞を除去するために含む。選択の最小の2つの連続ラウンドの後、所望の表現型を提示するウイルス改変体を、限界希釈またはプラーク精製によって単離し、そして実施例1に記載のようにcDNAクローニングにかける。改変体表現型の原因である特定の配列の単離および特徴づけを、ゲノムクローンまたは発現ベクターへのcDNAの所定の領域の置換、および実施例に概説するように、併行表現型変化についてテストすることによって達成する。
【0266】
(B.ウイルス改変体の遺伝学的選択)
関連のアプローチでは、天然の変異またはランダム変異誘発を、ウイルスストックではなく、インビトロまたはインビボで感染性ウイルスRNAに転写され得るウイルスのクローニングしたゲノムcDNAを使用して行う。例えば、前の変異誘発の場合には、バクテリオファージSP6プロモーター(Dubenskyら,J.Virol.70:508−519,1996)に機能的に連結した全長ゲノムシンドビcDNAを含むプラスミドpRSINgを、コンピテントE.coli XL1−Redミューテーター細胞に形質転換し、そしてアンピシリンプレート上にプレーティングしてコロニーを得る。少なくとも200コロニーをランダムに選択し、プールし、そしてアンピシリンを含む10mlブロス培養物中での一晩増殖のために接種する。プラスミドDNAを、培養物から調製して、種々の変異のあるpRSINgの異種集団を得る。DNAを、Xba Iで線状化し、そして既述(Riceら,J.Virol.61:3809−3819,1987)のように、SP6ポリメラーゼを使用してインビトロで転写する。続いて、RNA転写物を、シンドビスウイルス感染サイクルの開始のために、エレクトロポレーション(LiljestromおよびGaroff,Bio/Technology 9:1356−1361,1991)によって所望の細胞タイプ(例えば、BHK細胞)に転写する。あるいは、非変異誘発テンプレートからのインビトロ転写したRNAも、トランスフェクトされ得る。持続性感染を確立するかまたは宿主巨大分子合成の減少した阻害、遅延した阻害、または無阻害を示す、ウイルス変異体の選択を、上記のように行う。所望の表現型を有する選択したウイルス改変体を、限界希釈またはプラーク精製によって単離し、cDNAクローニングにかけ、そして改変体表現型の原因である配列を、既述のように単離および特徴づけする。
【0267】
(C.ウイルス由来ベクターを使用する改変体の遺伝学的選択)
(1.免疫原性タンパク質を発現するベクター)
もう1つのアプローチでは、自発的細胞内変異、またはランダム変異誘発を、ウイルスベースのベクターのウイルス由来配列で行う。これらの配列には、非コードおよび調節領域、ならびに非構造タンパク質コード領域が挙げられる。ある場合には、構造タンパク質コード配列も含まれ得る。このようなランダム変異誘発または自発的細胞内変異を、インビトロまたはインビボでRNAに転写され得るウイルス由来ベクターのクローニングしたcDNAとともに、本発明に記載される技法のいずれかを使用して、行い得る。例えば、複製コンピテントシンドビスウイルス発現ベクターを使用して、感染した細胞に付加された特異的抗体によって結合され得る免疫原性細胞表面タンパク質または他のペプチドを発現し得る。機能的ベクターを含む細胞を、ベクターがコードした異種抗原の発現およびコードした抗原に特異的な抗原によって結合する能力によって同定する。長期間(上を参照のこと)生存する細胞に対する選択プロセスを限定することによって、所望の表現型を提示するベクター改変体のある細胞のみを富化する。
【0268】
詳細には、ランダム変異誘発の場合には、異種遺伝子の発現のための二重になったサブゲノムプロモーターを含む全長ゲノムシンドビスウイルスcDNAに作動可能に連結したSP6プロモーターを含む、プラスミドpTE3’2J(Hahnら,J.Virol.89:2679−2683,1992)を、上記のように変異誘発する。このプロセスは、ランダム変異を含む異種プラスミドの集団の単離を生じる。同時に、所望の異種細胞表面タンパク質またはマーカーペプチド遺伝子を、変異誘発したpTE3’2Jベクターへの挿入のためのシャトルベクターにクローニングする。マーカーとしての使用のために好ましい細胞表面タンパク質には、ヒトB7.1(Freemanら,J.Immunol.143:2714−2722,1989)およびマウスH−2KbクラスI分子(So
ngら,J.Biol.Chem.269:7024−7029,1994)が挙げられるが、これらに限定されない。ヒトB7.1遺伝子を、フランキングXba IおよびBam HI部位を含むように設計される以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、全長cDNA配列(Freemanら,同書)を含むpCDM8ベクターから、1.5分伸長で標準的3サイクルのPCRによって増幅する。
正方向プライマー:hB7.1FX(5’−制限部位/B7.1配列)(配列番号24)5’−ATATATCTAGA/GCCATGGGCCACACACGGAGGCAG−3’
逆方向プライマー:hB7.1 RB(5’−制限部位/B7.1配列)(配列番号25)
5’−ATATAGGATCC/CTGTTATACAGGGCGTACACTTTC−3’。
【0269】
増幅後、約875bp DNAフラグメントを、QIAquick−spin
PCR精製キット(Qiagen,Chatsworth,CA)を使用して精製し、Xba IおよびBam HIで切断し、そしてXba IおよびBam HIで切断されそしてウシ小腸アルカリホスファターゼでも処理されているシンドビシャトルベクターpH3’2J1(Hahnら,同書)に連結して、構築物pH3’B7.1を生成する。
【0270】
上記のように、pTE3’2J二重サブゲノムベクターのランダム変異誘発の後、プラスミドpH3’B7.1、およびプラスミドpTE3’2Jの変異した集団を、Apa IおよびXho Iで切断し、GENECLEAN II IITM(Bio101,Vista,CA)を使用して0.7%アガロースゲルから精製し、そして連結してB7.1発現ベクターの異種集団を形成し、pTE3’B7.1と命名する。E.coliを形質転換することおよび個々のクローンを単離することなく、連結したベクターの集団全体を、Xho Iで線状化し、そして上記のように、インビトロでSP6転写反応のためのテンプレートとして使用する。次いで、ランダムに変異誘発したB7.1ベクター転写物の異種集団を、シンドビスウイルス複製サイクルの開始のための所望の細胞タイプ(例えば、BHK細胞)にエレクトロポレートする。持続性感染を確立するかまたは宿主巨大分子合成の減少した阻害、遅延した阻害、または無阻害を示す、ウイルス変異体の選択を、B7.1(Pharmingen,San Diego,CA)に特異的なモノクローナル抗体、および磁性または蛍光のいずれかの活性化した細胞ソーティングプロトコルを使用して行う。好ましい二次抗体タグには、磁性細胞ソーティング(miniMACS Magnetic Separation System,Miltenyi Biotec,Auburn,CA;Miltenyiら,Cytometry 11:231−238,1990)のための磁性マイクロビーズに結合したラット抗マウスIgG、および蛍光活性化した細胞ソーティングのためのFITC結合したラットマウスIgG(Pharmingen,San Diego,CA)が挙げられる。このようなアプローチを使用しそして長期間後に細胞を採取して(上を参照のこと)、所望の表現型を提示する、機能的ウイルス由来ベクター(B7.1発現によって示されるような)を含む生存細胞のみが富化される。
【0271】
詳細には、ランダムに変異誘発したB7.1ベクター転写物の異種集団を、LiljestromおよびGaroff(1991,同書)の手順に従って、1×107細胞にエレクトロポレートし、そしてフラットストック培養物としてプレーティングする。感染後12、24、36、および48時間目に、細胞単層を新鮮培地で2回洗浄して、死亡細胞を除去し、そして50%新鮮培地および50%馴化培地の混合物からなる培地で置換する。感染後の所望の時点(例えば、72時間)に、残りの細胞を穏やかにトリプシン処理して、培養ディッシュから細胞を脱離させ、そして1000rpm、4℃での遠心分離によってペレットにする。細胞を、2mlのブロッキング溶液(PBS+10%ウシ胎児血清+1%BSA)に再懸濁し、氷上で10分間インキュベートし、そして再度ペレットにする。次に、細胞を、200ulの一次抗B7.1抗体溶液(PBS+0.5%BSAに希釈される)中に再懸濁し、そして氷上で30分間インキュベートする。細胞を、PBS+0.5%BSAで2回洗浄し、ペレットにし、そして200ulの磁性ビーズ溶液(PBS+0.5%BSA+5mM EDTA中の200ulの洗浄した磁性ラット抗マウスコーティングしたビーズ)に再懸濁する。4℃にて30分間のインキュベーション後、ビーズに結合した細胞を、PBS+0.5%BSA+5mM EDTAで2回洗浄し、そして1mlの同じ緩衝液に再懸濁する。次いで、ビーズに結合した細胞を、製造業者の指示に従って、MiniMacs磁石カラムを使用して精製する。次いで、溶出した陽性細胞を、あらゆる104非感染細胞に対して1感染細胞の比で、半コンフルエント非感染細胞単
層を含む組織培養ディッシュに直接的に再播種する。選択の追加のラウンドを、増幅/富化について上記のように行う。所望の表現型を有する選択されたベクター改変体を、限界希釈またはプラーク精製によって単離し、cDNAクローニングにかけ、そして改変体表現型の原因となる配列を、既述のように単離および特徴づけする。
【0272】
あるいは、B7.1発現ベクター、pTE3’B7.1は、前の変異誘発なしにインビトロ転写のために直接的に使用され得る。これらのRNA転写物のトランスフェクション後、所望の表現型の変異体についての選択を、上記のように行う。
【0273】
(2.選択マーカーを発現するベクター)
あるいは、抗生物質耐性マーカーを、所望の表現型を提示するウイルスベクター改変体の選択のために使用し得る(図8F)。例えば、シンドビベクターpRSIN−βgal(Dubenskyら,同書)を、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ選択マーカーとのβガラクトシダーゼレポーター遺伝子の置換によって改変し、そして変異誘発前に改変するかまたは直接的に使用したかのいずれかであった。ネオマイシン(G418)耐性をコードする遺伝子を、フランキングXho IおよびNot I制限部位を含むように設計された以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、プラスミドpcDNA3(Invitrogen,San Diego, CA)から、1.5分の伸長で、標準的3サイクルPCR増幅によって単離した:
正方向プライマー:NeoFX(5’−制限部位/neo配列)(配列番号26)
5’−ATATACTCGAG/ACCATGATTGAACAAGATGGATTG−3’
逆方向プライマー:NeoRN(5’−制限部位/neo配列)(配列番号27)
5’−TATATAGCGGCCGC/TCAGAAGAACTCGTCAAGAAG−3’。
【0274】
増幅後、DNAフラグメントを、QIAquick−spinで精製し、Xho IおよびNot Iで切断し、そしてXho IおよびNot Iでもまた切断され、ウシ小腸アルカリホスファターゼで処理されているpRSN−βgalベクターに連結し、そしてGENECLEAN IIを使用して、そのこれまでのβガラクトシダーゼインサートから、0.7%アガロースゲルから精製した。ネオマイシン耐性マーカーを含む新しく構築したシンドビ発現ベクターを、pSin−Neoと命名した。プラスミドpSin−Neoを、直接的にあるいはE.coli株XL−1 Redによる継代によって前の変異誘発の1、2、または3ラウンドでのいずれかで、Pme Iで線状化した。線状DNAを、インビトロSP6転写反応のためのテンプレートとして使用し、次いでベクター転写物を、シンドビ複製サイクルおよび異種遺伝子発現の開始のための所望の細胞タイプ(例えば、BHK細胞)にトランスフェクトした。トランスフェクション後約24時間目に、BHK細胞をトリプシン処理し、そして0.5mg/ml G418を含む培地に置換した。その後、培地を、約24時間間隔で交換して、死亡細胞を除去し、そして50%新鮮培地および50%馴化培地の混合物からなるG418含有培地に置換した。大多数の死亡細胞を洗い流した後、培地交換を減少し、そして細胞中心(cell foci)を形成し始めた。この時、レポーター遺伝子のみを発現するシンドビベクターRNAでトランスフェクトしたコントロールプレート中のすべての細胞を、薬物によって殺傷した。この選択を使用して、所望の表現型(ネオマイシン耐性によって示されるように)を提示する、機能的シンドビスウイルス由来ベクターを含む生存細胞のみを、富化した。安定に形質転換したネオマイシン耐性プールを、変異誘発したおよび変異誘発していない両方のテンプレートについてのこのアプローチを使用して得、その後プールを特徴づけた。類似の選択アプローチを、より高レベルのインターフェロンを発現する細胞、例えば、L929細胞で作用することを証明した。
【0275】
所望の表現型を提示する変異体ベクター改変体を、RNAzol B(Tel−TestFriendswood,TX)を使用して安定に形質転換した細胞から直接的にRNAを採取すること、次いでポリA選択によって単離した。RNAを、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子プローブを使用して、ノーザンブロットによって分析して、ゲノムおよびサブゲノムの両方のウイルスベクターRNA種の存在を証明した(図8G)。レーンS1、S2、およびS3は、3つの独立して誘導したG418耐性プールからのRNAを表す。BHKレーンは、トランスフェクトしていない細胞性RNAを表すが、Sin−Neoレーンは、もともとのインビトロ転写したRNAベクターを表す。明らかに、ゲノム対サブゲノムRNAの比の著しい差を、プール間で観察し、これは、異なる原因の変異を含むベクターからの誘導を示唆する。単離したRNAをまた、ネオマイシン耐性表現型を天然のままの細胞にトランスファーするために使用した。詳細には、BHK−21細胞を、上記の単離したRNAまたはコントロールテンプレートRNAでトランスフェクトし、そしてG418薬物で処理した。単離したRNAでトランスフェクトした細胞は、薬物に対して直ちに耐性であり、そしてコントロールトランスフェクションとは異なって、数日以内にコンフルエントまで増殖した。最終的に、相補性アッセイを、ヌクレオチド422と7054との間の非構造遺伝子配列が欠失する、欠損シンドビスウイルスβ−ガラクトシダーゼベクター(Sin−dl−βgalと命名される)を使用して行った。このような欠損ベクターからのβ−ガラクトシダーゼレポーターの発現は、欠損した非構造タンパク質がトランスで提供される後のみ生じ得る。上記のG418耐性プールへのSin−dl−βgal RNAのトランスフェクションは、同様にトランスフェクトしたコントロールBHK細胞で見られないβ−ガラクトシダーゼの発現レベルを生じた。
【0276】
減少した細胞病原性の原因となるシンドビベクターの遺伝子座をマッピングするために、PCRプライマー対を合成し、3つの異なる切片:ヌクレオチド1−2288、ヌクレオチド2289−4845、およびヌクレオチド4846−7644(図8H)におけるベクター配列(3’−末端UTRを除く)の分裂および遺伝子置換を可能にする。これらのプライマー対を使用して、G418耐性細胞から単離したベクター改変体RNAから直接的にcDNAを増幅し得る。例えば、S2プール(図8Gを参照のこと)からのRNAは、cDNAクローニングおよび野生型pSin−Neoベクターへの置換を受けた。インビトロ転写後、野生型およびS2変異体ベクターRNAを、BHK細胞にトランスフェクトし、そしてG418薬物選択を適用した。S2変異体ベクターRNAのみが、数日以内に迅速な薬物耐性およびコンフルエント細胞増殖を生じ、これは、原因となる変異が遺伝子置換のこの領域内にあることを示唆した。この領域内の野生型とS2変異体ベクターとの間の配列分析は、高度に保存されたアルファウイルスLeu−Xaa−Pro−Gly−Glyモチーフ内のnsP2アミノ酸726でプロリン→トレオニン置換を表した。さらに、プールS1に由来するcDNAとの同じ領域の遺伝子置換(図8Gを参照のこと)は、ベクターを産生する類似のG418耐性細胞を生じず(図8H)、また置換された配列は、保存されたLeu−Xaa−Pro−Gly−Glyモチーフ内に変異を含まなかった。これらのデータは、置換の領域外の代替変異が、観察された表現型に必要とされることを示す。
【0277】
【表14】

もう1つの例では、セムリキ森林ウイルス由来ベクター、pSFV−1(GIBCO/BRL)を、抗生物質耐性マーカーの挿入および所望の表現型のその後の選択のために使用した。ネオマイシン(G418)耐性をコードする遺伝子を、フランキングBamHI制限部位を含むように設計された以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、プラスミドpcDNA3(Invitrogen,San Diego,CA)から、1.5分の伸長で、標準的3サイクルPCR増幅によって、単離した:
正方向プライマー:5’BAMHI−Neo(配列番号118)
5’−ATATAGGATCCTTCGCATGATTGAACAAGATGGATTGC−3’
逆方向プライマー:3’BAMHI−Neo(配列番号57)
5’−ATATAGGATCCTCAGAAGAACTCGTCAAGAAGGCGA−3’。
【0278】
増幅後、DNAフラグメントを、QIAquick−spinで精製し、BamHIで切断し、そしてまたBamHIで切断され、ウシ小腸アルカリホスファターゼで処理されたpSFV−1ベクターに連結し、そしてGENECLEAN
IIを使用して、0.7%アガロースゲルから精製した。ネオマイシン耐性マーカーを含む得られるSFVベクター構築物を、SFV−Neoと命名した。変異誘発した、または変異誘発していないSFV−Neo DNAテンプレートからのRNAベクターのインビトロ転写を行い、そしてトランスフェクション、その後の所望の表現型の変異体についての選択を、シンドビスウイルスベクターについて本質的に上記のように行った。いくつかの独立して由来する安定に形質転換したG418耐性プールを得て特徴づけした。2つのこのようなプール、SF1およびSF2についてのノーザンブロット分析を、元のコントロールRNAベクター転写物(SFV−Neo)とともに、図8Gに示す。これらのデータは、本発明に記載の選択方法が、複数のRNAウイルスベクター系についての有用性を有することを証明する。
【0279】
(実施例3:SIN−1ベースのRNAベクターレプリコンの調製)
(A.SIN−1基本ベクターの構築)
SIN−1由来ベクター骨格を構築し、そしてバクテリオファージRNAポリメラーゼプロモーターを含むプラスミドDNAに挿入し、そのため転写はインビトロで、感受性細胞への導入の際に自己複製分子(レプリコン)として作用するRNA分子を産生した。基本SIN−1RNAベクターレプリコンを、以下の順のエレメントから構成した:SIN−1 nsPs遺伝子、サブゲノムRNAプロモーター領域、異種配列挿入を含み得るポリリンカー配列、SIN−1 3’非翻訳領域(NTR)、およびポリアデニレート配列。さらに、実施例2のような方法を使用して誘導した、所望の表現型のnsPs遺伝子もまた置換し得る。感受性細胞へのトランスフェクション後、RNAベクターレプリコンの自律複製は、ウイルスについて生じ、そして異種配列を、非常に豊富なサブゲノムmRNA分子として合成し、これは、次に、異種遺伝子産物についての翻訳テンプレートとして用いる。
【0280】
SIN−1 nsPs遺伝子およびサブゲノムプロモーターから構成される、ベクターの5’領域は、キャプシド遺伝子翻訳開始点の2つのヌクレオチド内まで広がる。この領域を、最初に、Apa IおよびXho I部位との間のpKSII+プラスミド(Stratagene)に挿入した。ベクターの5’領域を、2つの重複フラグメントにおけるpRSIN−1gプラスミドからPCRによって増幅した。第1のフラグメントを、以下のプライマー対とのPCR反応で生成した:
正方向プライマー:SP6−1F(Apa I部位/SP6プロモーター/SINヌクレオチド1〜18):(配列番号12)
5’−TATATGGGCCCGATTTAGGTGACACTATAGATTGACGGCGTAGTACAC
逆方向プライマー:SIN5160R(SINヌクレオチド5160〜5140):(配列番号28)
5’−CTGTAGATGGTGACGGTGTCG。
第2のフラグメントを、以下のプライマー対とのPCR反応で生成した:
正方向プライマー:5079F(SINヌクレオチド5079〜5100):(配列番号29)
5’−GAAGTGCCAGAACAGCCTACCG
逆方向プライマー:SIN7643R(緩衝配列/Xho I部位/SINヌクレオチド7643〜7621):(配列番号30)
5’−TATATCTCGAGGGTGGTGTTGTAGTATTAGTCAG。
【0281】
2つのPCR反応を、Thermalase(Amresco,Solon,OH)、Vent(New England Biolabs,Beverly,MA)、またはKlen Taq熱安定性DNAポリメラーゼを使用して、上で示すプライマー対と用いて行った。さらに、反応は、5%DMSOおよび「HOT START WAX」ビーズ(Perkin−Elmer,Foster
City,CA)を含んだ。以下に示すPCR増幅プロトコルを使用した。伸長期間は、SP6−1F/SIN5160Rまたは5079F/SIN7643Rプライマー対を用いる反応について、それぞれ5分または2.5分であった。
【0282】
【表15】

PCR後、5142bp(SP6−1F/SIN5160Rプライマー対)および2532bp(5079F/SIN7643Rプライマー対)の2つの増幅した産物を精製し(PCR精製キット,Qiagen,Chatsworth,CA)、そしてApa IおよびSfi I(5142bpアンプリコン産物)またはSfi IおよびXho I(2532bpアンプリコン産物)で切断した。切断した産物を、GENECLEAN II(Bio 101,Vista,CA)で精製し、そしてApa IおよびXho Iでの切断によって調製しそしてCIAPでホスファターゼ処理したpKS+プラスミド(Stratagene,La Jolla,CA)とともに連結した。この構築は、pKSSIN−1−BV5’として公知である。
【0283】
ウイルス3’末端、ポリアデニレートトラクト、および独特の制限認識配列から構成される、ベクターの3’領域を、プラスミドpKSSIN−1−BV5’のNot IとSac I部位との間に挿入した。ベクターの3’領域を、以下のプライマー対を含む反応物においてpRSIN−1gプラスミドからPCRによって増幅した:
正方向プライマー:SIN11386F(緩衝配列/Not I部位/SINヌクレオチド11386〜11407):(配列番号31)
5’−TATATATATATGCGGCCGCCGCTACGCCCCAATGATCCGAC
逆方向プライマー:SIN11703R(緩衝配列/Sac IおよびPme I部位/T40/SINヌクレオチド11703〜11698):(配列番号32)
5’−CTATAGAGCT CGTTTAAACT TTTTTTTTTT TTTTTTTTTT TTTTTTTTTT TTTTTTTTTG AAATG。
【0284】
上で示すプライマー対に加えて、PCR反応物は、Thermalase、Vent、またはKlen Taq熱安定性DNAポリメラーゼ、5%DMSO、および「Hot Start Wax」ビーズ(Perkin−Elmer)を含んだ。増幅プロトコルを、上で示したが、30秒の72℃伸長期間であった。
【0285】
3’ベクター末端に対応する377bp増幅した産物を精製し、Not IおよびSac Iで切断し、精製し、そしてNot IおよびSac Iでの切断およびCIAPでの処理によって調製したpKSSIN−1−BV5’に連結した。このプラスミドは、pKSSIN−1−BVとして公知である。
【0286】
上記の技法を使用して、β−ガラクトシダーゼレポータータンパク質をコードするlacZ遺伝子を、Bam HIおよびHind IIIでプラスミドpSV−β−ガラクトシダーゼ(Promega Corp.,Madison,WI)から遊離し、そして対応する酵素認識部位でpKS+に挿入した。lacZ遺伝子を、このプラスミドpKS−β−galから、Xho IおよびNot Iで切断し、そしてXho IとNot I部位との間でpKSSIN−1−BVに挿入した。このプラスミドは、SINrep/SIN−1 nsP1−4/lacZとして公知である。
【0287】
あるいは、ルシフェラーゼレポータータンパク質をコードするホタルルシフェラーゼ遺伝子を、Hind IIIでの切断によってプラスミドpT3/T7−LUC(Clontech,Palo Alto,CA)から遊離し、そして複数のクローニング配列に含まれる対応する酵素認識部位でpKS+(Stratagene,La Jolla,CA)に挿入して、pKS−lucを生成した。ルシフェラーゼ遺伝子を、Xho IおよびNot Iでの切断によってpKS−lucから遊離し、そしてXho I/Not I切断したpKSSIN−1−BVに挿入した。このプラスミドは、SINrep/SIN−1 nsP1−4/lucとして公知である。
【0288】
さらに、アルカリホスファターゼの分泌された形態(SEAP)をコードする遺伝子を、pKSSIN−1−BVに挿入した。簡単にいえば、SEAP遺伝子を、Hind IIIおよびXba Iでの切断によってプラスミドpCMV/SEAP(Tropix,Bedford,MA)から遊離し、そして複数のクローニング配列に含まれる対応する認識部位でpSK+(Stratagene,La Jolla,CA)に挿入して、pSK−SEAPを生成した。次いで、SEAP遺伝子を、Xho IおよびNot Iでの切断によってpSK−SEAPから遊離し、そしてpKSSIN−1−BVの対応する酵素認識部位に挿入した。このプラスミドは、SINrep/SIN−1 nsP1−4/SEAPとして公知である。
【0289】
個々のSIN−1 nsP遺伝子を、SIN−1および野生型発現ベクターの発現特性を比較するために、既述(Bredenbeekら,J.Virol.67:6439−6446,1993)のシンドビスウイルスベースのlac Zレプリコンの対応する野生型ウイルス領域に置換した。SIN−1 nsP遺伝子のToto1101由来lac
Zレプリコンへの置換を、実施例1に記載のように行った。これらのベクターを、以下の表に示すように命名した。
【0290】
【表16】

SP6転写物を、実施例1に記載のように、Xho Iでの線状化の後、上の表に示すレプリコンから調製した。RNA転写物は、シンドビスウイルスの転写を開始し得る5’配列、シンドビスウイルス非構造タンパク質遺伝子1−4、パッケージングに必要とされるRNA配列、シンドビスウイルス連結領域、lacZ遺伝子、およびマイナス鎖RNAの合成に必要とされるシンドビスウイルス3’末端近位配列を含んだ。
【0291】
インビトロ転写反応産物または精製されたRNAを、既述(LiljestromおよびGaroff,Bio/Technology 9:1356−1361,1991)のようにベビーハムスター腎臓−21(BHK−21)細胞にエレクトロポレートした。あるいは、BHK−21細胞を、実施例1に記載のように市販のカチオン性脂質化合物と複合体化し、そして75%コンフルエンシーで維持したBHK−21細胞に塗布した。トランスフェクトした細胞を、35mmディッシュに繁殖し、そして37℃にてインキュベートした。
【0292】
9時間後のBHK−21細胞のSINrep/lac Z RNAでのトランスフェクションの効率を、2つの代替方法によって決定した。第1の方法では、β−ガラクトシダーゼを発現するトランスフェクトした細胞を、既述(MacGregorら,Cell Mol.Genet.13:253−265,1987)のように、2%冷メタノールで細胞を最初に固定した後、X−gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−b−D−ガラクトピラノシド)での直接染色によって決定した。第2の方法では、β−ガラクトシダーゼの発現を、ウサギ抗β−ガラクトシダーゼ抗体を使用して、免疫蛍光によって決定した。上記のいずれかの方法によってトランスフェクトした細胞の一部を、35mmディッシュに含まれた、円形ガラスカバースリップ上で繁殖した。トランスフェクションの9時間後(hpt)、培地をアスピレーションによって除去し、そして細胞をPBSで2回リンスし、そして−20℃で一晩のインキュベーションによってメタノールで固定した。メタノールをアスピレーションによって除去し、細胞をPBSで3回リンスし、次いで、室温にて30分間2%BSA(フラクションV,Sigma,St.Louis,MO)とともにインキュベートした。非特異的抗体結合を抑制するためにBSAとのインキュベーション後、細胞を、室温にて1時間一次抗β−ガラクトシダーゼ抗体(0.1%BSA/PBS中1:800希釈した)とともにインキュベートした。次いで、過剰の一次抗体をアスピレーション、およびPBS中0.1%BSAで3回リンスすることによって除去した。PBS中2%BSAでの1:100希釈後、100mlのヤギ抗ウサギFITC結合体二次抗体(Sigma,St.Louis,MO)を、カバースリップに添加し、そして室温にて45分間暗中でインキュベートした。過剰の二次抗体を、カバースリップをPBS中0.1%BSAで2回、およびPBSで1回リンスすることによって除去した。次いで、カバースリップを、顕微鏡スライド上に置いた、Cytoseal 60マウント培地(Stephens Scientific,Riverdale,NJ)の1滴を細胞の下側にマウントした。蛍光顕微鏡を使用して、トランスフェクション効率を決定するために、β−ガラクトシダーゼを発現する細胞の頻度を決定した。
【0293】
全体のトランスフェクトした細胞ライセートにおけるβ−ガラクトシダーゼのレベルを、2つの代替方法によって、9hptで決定した。第1の方法では、トランスフェクトした細胞を、培地のアスピレーション後にPBSでリンスし、そして106細胞当たり25
0μlのレポーター溶解緩衝液(Promega,Madison,WI)を各ディッシュに添加した。β−ガラクトシダーゼ発現レベルを、市販の基質検出システム(Lumi−gal,Clontech,Palo Alto,CA)、次いでルミノメトリー(Analytical Luminescence Laboratory,San Diego,CA)で、室温で1分間14,000r.p.m.でのマイクロ遠心分離によってプロセシングした、細胞ライセートからの上清画分を混合することによって決定した。第2の方法では、β−ガラクトシダーゼの活性を、SambrookおよびManiatis(1989,第2版 Cold Spring Harbor Laboratory Press,NY)によって既述のように決定した。簡単にいえば、トランスフェクトした細胞を、培地のアスピレーション後PBSでリンスし、そして106細胞当たり2
00μlのTTE溶解緩衝液(10mM Tris−HCl pH8.0/1mM EDTA/0.2% Triton X−100)を各ディッシュに添加した。室温にて1分間14,000r.p.m.でマイクロ遠心分離によって細胞ライセートからの細胞細片をペレットにした後、50μlの上清を、0.5mlのZ緩衝液 pH7.0(60mM
Na2HPO4/40mM NaH2PO4/10mM KCl/10mM MgSO4
50mM 2−メルカプトエタノール)に添加し、そして37℃にて5分間インキュベートした。次いで、試料におけるβ−ガラクトシダーゼ活性を、Z緩衝液中、4mg/mlの色素原性基質o−ニトロフェニル−b−D−ガラクトピラノシド(ONPG;SIGMA,St.Louis,MO)を含む溶液の0.2mlの添加後に、分光光度計(420nm)によって決定した。試料を、黄色が発色するまで(約5分)37℃にてインキュベートし、そして反応を、0.5mlの0.5M Na2CO3の添加によって停止した。
【0294】
トランスフェクトしたBHK−21細胞におけるβ−ガラクトシダーゼ発現のレベルを、上記の方法に従って決定し、そして以下に示す表に例示する。示したデータは、上記のように、変化するトランスフェクション効率について標準化される。
【0295】
【表17】

結果は、SIN−1改変体株に由来するレプリコンベクターが実際に機能的であることを示す。BHK−21細胞にトランスフェクトした場合、発現したレポータータンパク質のレベルは、野生型ウイルス由来ベクターでトランスフェクトした細胞で観察されるよりも高い。さらに、生産的持続性感染の確立についての表現型でのように、SIN−1由来レプリコンベクターでトランスフェクトしたBHK−21細胞におけるβ−ガラクトシダーゼ発現のより高いレベルは、主としてnsP 2遺伝子にマッピングした。
【0296】
(実施例4:SIN1ベースのDNAベクターの調製)
(A.プラスミドDNA SIN−1由来発現ベクターの構築)
シンドビスウイルス感染サイクルの効率的開始は、RNAポリメラーゼII発現カセット(Dubenskyら,J.Virol 70:508−519,1996)内に含まれるゲノムcDNAクローンからインビボで生じ得る。DNA形式から機能的アルファウイルス遺伝子を発現する能力は、開発されるべき2つの新しいアルファウイルスベースの遺伝子発現系を可能にしている:(1)遺伝学的免疫投与のための適用に関するプラスミドDNAベースのベクター、および(2)ベクターレプリコンおよびDHプラスミドDNAで同時トランスフェクトした細胞におけるパッケージしたアルファウイルスの産生。これまでに、感染性シンドビスウイルスRNAおよびそれに由来する相補的ベクターを産生するための分子アプローチを、主としてバクテリオファージRNAポリメラーゼプロモーターからのcDNAクローンのインビトロ転写、次いで許容細胞へのトランスフェクションに制限した。
【0297】
プラスミドDNAベースのアルファウイルス由来発現ベクターは、ELVSTM(Eukaryotic Layered Vector System)として公知である。ELVSTMプラスミドDNAベクターは、層になったDNAベースの発現系への自己複製するベクターRNA(レプリコン)の変換を含む。ある実施態様内では、第1の層は、RNAベクターレプリコンに対応する、第2の層の転写を開始する真核生物(例えば、RNAポリメラーゼII)発現カセットを有する。核から細胞質への第1層から発現したレプリコンの輸送後、ベクターの自己触媒増幅は、ウイルス(例えば、アルファウイルス)複製サイクルに従って進行し、異種遺伝子の発現を生じる。
【0298】
SIN−1ウイルスまたは実施例2で教示されたように選択した改変体に由来するプラスミドDNA発現ベクターの構築を、既述(Dubenskyら,J.Virol 70:508−519,1996)方法の改変で行った。発現ベクターを、pUC9(Sprattら,Gene 41:337−342,1986)のカナマイシン耐性アナログであるプラスミドベクターpBG131(ATCC No.37443)でアセンブリした。pBGS131およびそれに由来するプラスミドを、20μg/mlカナマイシンを含むLB培地中で繁殖した。
【0299】
発現ベクターへの異種配列の挿入を容易にするために、pBG131におけるカナマイシン遺伝子の翻訳リーディングフレーム内に位置するXho I認識配列を、Xho I付着末端を含む部分的に相補的な12マーオリゴヌクレオチド対を挿入することによって除去した。Xho I認識部位を、以下に示すように、挿入の結果として欠失した:
オリゴヌクレオチド1:(配列番号33)
5’−TCGATCCTAGGA
【0300】
【表18】

(Xho I部位:CTCGAG)(配列番号33〜36および104)。
【0301】
オリゴヌクレオチドを、10mM MgCl2の存在下で等モル濃度中でゲルアニール
し、100℃にて5分間加熱し、ゆっくり室温まで冷却し、そしてポリヌクレオチドキナーゼでリン酸化する。オリゴヌクレオチドを、Xho I切断およびCIAP処理によって調製したpBGS131に対するインサート:プラスミドベクターの200:1比で連結した。得られるプラスミドを、pBGS131 dlXho Iと呼ぶ。20μg/mlカナマイシンを含むLB培地中のpBGS131またはpBGS131 dlXho Iプラスミドで形質転換したXL1−Blue(Stratagene)の増殖比は、1.5と8時間との間の時間経過にわたって区別不可能であった。
【0302】
ウシ成長ホルモン(BGH)転写終結/ポリアデニル化シグナルを、pBGS131 dlXho IのSac IとEco RI部位との間に挿入した。BGH転写終結配列を、テンプレートとして以下に示すプライマー対およびpCDNA3プラスミド(Invtrogen,San Diego,CA)を使用して、PCR増幅によって単離した。正方向プライマーBGHTTF(緩衝配列/Sac I部位/pCDNA3ヌクレオチド1132〜1161):(配列番号37)
5’−TATATATGAGCTCTAATAAAATGAGGAAATTGCATCGCATTGTC
逆方向プライマーBGHTTR(緩衝配列/Eco RI部位/pCDNA3ヌクレオチド1180〜1154):(配列番号38)
5’−TATATGAATTCATAGAATGACACCTACTCAGACAATGCGATGC。
【0303】
上で示すプライマーを、30秒伸長期間を使用して、3温度サイクルプログラムでのPCR反応で使用した。58bp増幅した産物を、PCR精製キット(Qiagen Chatsworth,CA)で精製し、Sac IおよびEco
RIで切断し、GENECLEAN IIで精製し、そしてSac I/Eco RI切断しCIAP処理したpBGS131に連結した。プラスミドは、pBGS131 dlXho I−BGHTTとして公知である。
【0304】
次いで、シンドビスウイルス由来プラスミドDNA発現ベクターの3’末端を、pBGS131 dlXho I−BGHTT構築物に挿入した。ベクターのこの領域は、以下の順のエレメントを含む:シンドビスウイルス3’末端非翻訳領域(3’NTR);40マーポリ(A)配列;D型肝炎ウイルス(HDV)抗原性リボザイム;およびSac I認識配列。これらの順のエレメントの構築を、テンプレートとして以下に示すプライマーおよびpKSSIN−1−BVプラスミド(実施例4)を使用して、ネスティッドPCR(nested PCR)によって行った。
正方向プライマー:SIN11386F(緩衝配列/Not I部位/SINヌクレオチド11386〜11407):(配列番号31)
5’−TATATATATATGCGGCCGCCGCTACGCCCCAATGATCCGAC
ネスティッドプライマー:pAHDV1F(ポリ(A)/HDV RBZヌクレオチド1〜46):(配列番号39)
5’−AAAAAAAAAA GGGTCGGCAT GGCATCTCCA CCTCCTCGCG GTCCGACCTG GGCATC
逆方向プライマー:SacHDV77R(緩衝配列/Sac I部位/HDV RBZヌクレオチド77〜27):(配列番号40)
5’−TATATGAGCTCCTCCCTTAGCCATCCGAGTGGACGTGCGTCCTCCTT CGGATGCCCAGGTCGGACCGCG。
【0305】
上で示すプライマーを、実施例4に記載の反応条件および3温度サイクリングプログラムに従って、30秒の伸長時間で、PCR増幅で使用した。422bp増幅した産物を、PCR精製キット(Qiagen Chatsworth,CA)で精製し、Not IおよびSac Iで切断し、GENECLEAN IIで精製し、そしてNot I/Sac I切断したCIAP処理したpKSSIN−1−BVに連結した。この構築物は、pKSSIN−1BV/HDVRBZとして公知であり、そしてシンドビヌクレオチド2289でのBgl II部位から、HDVリボザイム配列を含むベクターの3’末端まで広がる、シンドビスウイルス由来プラスミドDNA発現ベクター配列を含む。
【0306】
次いで、プラスミドpKSSIN−1BV/HDVRBZをBgl IIおよびSac
Iで切断し、5815bpフラグメントを、1%アガロース/TBEゲル電気泳動によって単離し、GENECLEAN IIで精製し、そしてBgl II/Sac I切断したCIAP処理pBGS131 dlXho I−BGHTTに挿入して、pBG/SIN−1BglLFとして公知のプラスミド構築物を生成した。この構築物は、pBGS131 dlXho Iプラスミド上のBGH転写終結配列に融合した3’末端を有する、上記のプラスミドpKSSIN−1BV/HDVRBZからのシンドビスウイルス発現ベクターの領域を含む。
【0307】
シンドビスウイルスプラスミドDNAベクターのアセンブリを、pBG/SIN−1BglLFプラスミドへの、シンドビスウイルスゲノムの最初の2289ヌクレオチド(5’ウイルス末端およびnsPs遺伝子の一部を含む)と並列のCMVプロモーターの挿入によって完了した。重複PCRアプローチを使用して、CMVプロモーターを、転写開始が、シンドビスウイルスベクターレプリコンRNAの5’末端での単一非ウイルスヌクレオチドの付加を生じるように、5’ウイルス末端に配置した。CMVプロモーターを、以下のプライマー対を使用して、pCDNA3(Invitrogen,SanDiego,CA)から第1のPCR反応で増幅した:
正方向プライマー:pCBgl233F(緩衝配列/Bgl II認識配列/CMVプロモーターヌクレオチド1〜22):(配列番号41)
5’−TATATATAGATCTTTGACATTGATTATTGACTAG
逆方向プライマー:SNCMV1142R(SINヌクレオチド8〜1/CMVプロモーターヌクレオチド1142〜1108):(配列番号42)
5’−CCGTCAATACGGTTCACTAAACGAGCTCTGCTTATATAGACC。
【0308】
上で示すプライマーを、実施例4に記載の反応条件および3温度サイクリングプログラムに従って、1分の伸長時間で、PCR反応で使用した。
【0309】
SIN−1 5’末端を、以下のプライマー対を使用して、pKSRSIN−1gクローン(実施例1)からの第2のPCR反応で増幅した:
正方向プライマー:CMVSIN1F(CMVプロモーターヌクレオチド1124〜1142/SINヌクレオチド1〜20):(配列番号43)
5’−GCTCGTTTAGTGAACCGTATTGACGGCGTAGTACACAC
逆方向プライマー:SIN3182R(SINヌクレオチド3182〜3160):(配列番号44)
5’−CTGGCAACCGGTAAGTACGATAC。
【0310】
上で示すプライマーを、3分の伸長時間を使用して、3温度サイクリングプログラムでのPCR反応で使用した。
【0311】
930bpおよび3200bpの増幅した産物を、PCR精製キット(Qiagen)で精製し、そして以下のプライマー対を用いるPCR反応で一緒に使用した:
正方向プライマー:pCBgl233F:(配列番号41)
5’−TATATATAGATCTTTGACATTGATTATTGACTAG
逆方向プライマー:(SINヌクレオチド2300〜2278):(配列番号45)
5’−GGTAACAAGATCTCGTGCCGTG。
【0312】
上で示すプライマーを、3.5分の伸長時間を使用して、3温度サイクリングプログラムでのPCR反応で使用した。
【0313】
第1のPCR増幅産物の26の3’末端塩基は、第2のPCR増幅産物の26の5’末端塩基と重複する;得られる3200bp重複二次PCR増幅産物を、1%アガロース/TBE電気泳動によって精製し、Bgl IIで切断し、そしてBgl II切断したCIAP処理pBG/SIN−1BglLFに連結した。この構築物を、pBG/SIN−1 ELVS 1.5と呼ぶ。
【0314】
実施例1で議論したように、野生型シンドビスウイルスのnsPs遺伝子配列における比較的少数のヌクレオチド点変化は、SIN−1に特徴的な表現型を生じる。野生型およびSIN−1遺伝子型に由来するクローンを容易に区別することを促進するこれらのヌクレオチド変化の結果として、新しい制限酵素認識部位は生じない。したがって、PCRベースの診断アッセイを、SIN−1由来クローンの同定のための迅速な方法として考案した。簡単にいえば、SIN−1と野生型との間の特定の塩基変化を、プライマーの3’末端塩基に配置するように、正方向プライマーを設計した。1つのプライマーは、SIN−1ヌクレオチドを含むが、もう1つは野生型ヌクレオチドを含んだ。両方の遺伝子型間で保存された下流の領域における逆方向プライマーを、各正方向プライマーと組み合わせて使用した。正確なアニーリング温度で、SIN−1テンプレートを、SIN−1正方向プライマーを含む反応物中でのみ増幅した。野生型およびSIN−1遺伝子型を区別するために使用したプライマー配列を、以下に示す。反応条件は、本明細書に含まれる実施例全体を通して記載されるとおりであった。
【0315】
【表19】

【0316】
【表20】

【0317】
【表21】

レポータータンパク質発現ベクターを、lacZ、SEAP、またはルシフェラーゼレポーター遺伝子をpBG/SIN−1 ELVS 1.5ベクター骨格に挿入することによって構築した。別々の反応で、pKS−β−gal、pSK−SEAP、およびpKS−lucプラスミド(実施例4)を、Xho IおよびNot Iで切断した。lacZ、SEAP、またはルシフェラーゼ遺伝子を含むフラグメントを、1%アガロース/TBEゲル電気泳動によって単離し、そしてその後GENECLEAN IIで精製した。次いで、これらのレポーター遺伝子を、別々の反応で、Xho I/Not I切断したCIAP処理pBG/SIN−1 ELVS 1.5プラスミドと連結した。これらの構築物は、pBG/SIN−1 ELVS 1.5−β−gal、pBG/SIN−1 ELVS 1.5−SEAP、およびpBG/SIN−1 ELVS 1.5−lucとして公知である。
【0318】
(B.pBG/SIN−1 ELVS 1.5−SEAP、pBG/SIN−1 ELVS 1.5−luc、またはpBG/SIN−1 ELVS 1.5−β−gal発現ベクターでトランスフェクトした細胞における異種タンパク質の発現)
pBG/SIN−1 ELVS 1.5またはpBG/wt ELVS 1.5ベクターでトランスフェクトしたBHK細胞における分泌型アルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼ、およびβ−ガラクトシダーゼレポーター遺伝子発現のパターンを比較した。pBG/wt ELVS 1.5プラスミドは、SIN−1改変体よりもむしろ、野生型シンドビスウイルスに由来する配列を含む。pBG/wt ELVS 1.5発現ベクターの構築は、野生型シンドビスウイルスに由来する全長ゲノムcDNA(Dubenskyら,WO 95/07994)を、ベクター構築のためのテンプレートとして使用したことを除いては、正確に、pBG/SIN−1 ELVS 1.5発現ベクターについて本明細書に記載のとおりであった。pBG/wt ELVS 1.5発現ベクターの構築は、既に記載されており(Dubensky,前出);したがって、株、およびそれゆえ配列は異なるが、pBG/wt ELVS 1.5およびpBG/SIN−1 ELVS 1.5発現ベクターに含まれるシンドビスウイルス特異的領域は同じである。
【0319】
12mmディッシュ中に75%コンフルエンシーで維持されるベビーハムスター腎臓−21(BHK−21)細胞を、4.0μlの市販の脂質(Lipofectamine,GIBCO−BRL)と複合体化した1.0μgのpBG/SIN−1 ELVS 1.5またはpBG/wt ELVS 1.5発現ベクタープラスミドDNAでトランスフェクトした。他の点では、トランスフェクション条件は、この脂質製造業者によって示唆されたとおりであった。5%ウシ胎仔血清を補充したイーグル最小必須培地を、他に指示がなければ、トランスフェクションの4時間後(hpt)に細胞に添加した。トランスフェクトした細胞を、37℃にてインキュベートした。トランスフェクション後の種々の時間に、以下に示すように、いくつかのアッセイを行って、pBG/SIN−1 ELVS 1.5またはpBG/wt ELVS 1.5プラスミドDNAでトランスフェクトした細胞における分泌したアルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼ、またはβ−ガラクトシダーゼレポーター遺伝子のベクター特異的RNA合成と発現を比較した。
【0320】
pBG/SIN−1 ELVS−1 1.5−SEAPまたはpBG/wt ELVS
1.5−SEAPプラスミドDNAでトランスフェクトしたBHK細胞の培養培地に分泌されたアルカリホスファターゼのレベルを比較した。細胞培養培地を、製造業者(Tropix,Inc.,BedFord,MA)の指示に従って、Phospha−LightTM化学発光レポーター遺伝子アッセイでのアルカリホスファターゼの存在についてアッセイした。簡単にいえば、10μlの細胞培養上清を、30μlの希釈緩衝液と混合し、そして65℃にて30分間インキュベートした。この試料を、40μlのアッセイ緩衝液と混合する前に、室温まで冷却した。この試料を、室温で5分間インキュベートし、次いで40μlの反応緩衝液を添加した。試料を、室温にて20分間インキュベートした。発光の合計を、サイクルモードでML3000マイクロタイタープレートルミノメーター(Dynatech,Inc.,Chantilly,VA)上で測定し、そしてpBG/SIN−1 ELVS−1 1.5−SEAPまたはpBG/wt ELVS 1.5−SEAPプラスミドDNAでトランスフェクトしたBHK細胞の培養培地中のアルカリホスファターゼ(AP)を、48hptに決定し、そして結果を、以下の表に示す。
【0321】
【表22】

さらに、pBG/SIN−1 ELVS−1 1.5−SEAPまたはpBG/wt ELVS 1.5−SEAPプラスミドDNAでトランスフェクトしたBHK細胞で合成したベクター特異的RNAのレベルを、トランスフェクション後48時間に、正確に既述(Dubensky,前出)のように、ノーザンブロット分析によって決定した。この実験の結果を、図9Aに示す。総細胞性RNAを、製造業者に記載のようにTri−Reagent(Molecular Research Center,Inc.,Cincinnati,OH)でトランスフェクトしたBHK細胞から単離した。トランスフェクトしたBHK細胞からの試料に存在する総細胞性RNA濃度を、分光学的に決定した。さらに、トランスフェクトした細胞から単離した物質を、10μl/mlのエチジウムブロミド染色した0.7%アガロース/TBEミニゲルによる0.5μgの総細胞性RNAの電気泳動によってインタクトであることを決定した。ノーザンブロット分析を、SambrookおよびManiatis(1989,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.)に従って行った。すべてのトランスフェクトした試料からのRNAを、単一のノーザンブロット分析からのオートラジオグラムで可視化し得るために、pBG/wt ELVS 1.5−SEAPおよびpBG/SIN−1 ELVS 1.5−SEAPトランスフェクトした細胞からの1レーン当たり、それぞれ、2.5μgおよび30μgのRNAをロードした。テストした両方のプラスミドでの個々のトランスフェクションからの、RNAの4つの試料を、48hptおよび72hptの両方にて、0.7%ホルムアルデヒドアガロースゲルによって電気泳動し、そしてZeta−プローブメンブラン(Bio−Rad,Richmond,CA)にトランスファーした。このブロットを、アルカリホスファターゼ遺伝子に対応するランダムプライムしたプローブとハイブリダイズした。トランスフェクトしたBHK細胞におけるベクター特異的RNA合成およびAP発現のレベルを48hptに比較したこの実験の結果は、pBG/SIN−1 ELVS 1.5−SEAP DNAでトランスフェクトした細胞中で合成されるベクター特異的RNAのレベルが、pBG/wt ELVS 1.5−SEAPトランスフェクトした細胞におけるよりも少なくとも100倍低かったが、APのレベルが、pBG/wt ELVS 1.5−SEAP DNAと比較して、pBG/SIN−1 ELVS 1.5−SEAP
DNAでトランスフェクトした細胞で5倍のみ低かったことを証明する。
【0322】
pBG/SIN−1 ELVS−1 1.5−SEAPまたはpBG/wt ELVS
1.5−SEAPプラスミドDNAでトランスフェクトしたBHK細胞の培養培地に分泌されたアルカリホスファターゼのレベルもまた、7日の時間経過にわたって比較した。図9Bに示したこの研究の結果は、初期の時点での培養培地に存在するAPのレベルが、pBG/wt ELVS 1.5−SEAPプラスミドと比較して、pBG/SIN−1
ELVS−1 1.5−SEAPプラスミドでトランスフェクトした細胞ではるかに低かったことを証明する。しかし、SIN−1シンドビスウイルス改変体株由来ベクターでトランスフェクトした細胞で発現したAPのレベルは、迅速に増加し、そして96hptの時点まで野生型ウイルス由来ベクターでトランスフェクトした細胞においてより高かった。
【0323】
pBG/SIN−1 ELVS−1 1.5−lucまたはpBG/wt ELVS 1.5−lucプラスミドDNAでトランスフェクトしたBHK細胞に存在するルシフェラーゼレベルを、24、48、および72hptで比較した。ルシフェラーゼ発現レベルを、106トランスフェクトした細胞当たり250μlのレポーター溶解緩衝液(Pro
mega,Madison WI)を添加すること、14,000rpmにて1分間溶解物を遠心分離すること、次いで市販の基質検出システム(Promega,Madison WI)と細胞溶解物からの上清画分を混合すること、次いでルミノメトリー(Analytical Luminescence Laboratory,San Diego,CA)によって定量した。この実験からの結果(以下の表に示す)、および図10にグラフで示す結果は、アルカリホスファターゼ発現ベクターで観察した結果に類似する。トランスフェクション後の早い時間では、ルシフェラーゼ発現レベルは、pBG/wt ELVS 1.5−lucプラスミドと比較して、pBG/SIN−1 ELVS 1.5−lucプラスミドでトランスフェクトしたBHK細胞でより低かった。しかし、48hptおよび72hptの時点で、ルシフェラーゼレベルは、シンドビスウイルスSIN−1改変体株由来および野生型由来発現ベクターでトランスフェクトしたBHK細胞で類似した。
【0324】
【表23】

β−ガラクトシダーゼを発現する細胞の数を直接測定するために、48hptでのBHK細胞におけるpBG/SIN−1 ELVS 1.5−β−galおよびpBG/wt
ELVS 1.5−β−galプラスミドのトランスフェクションの効率を、細胞単層の直接X−gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−b−D−ガラクトピラノシド)染色(MacGregor,Cell
Mol.Genet.13:253−265,1987)によって決定した。トランスフェクション効率は等価であり、そして以下の表に示す。
【0325】
【表24】

pBG/SIN−1 ELVS 1.5−β−galまたはpBG/wt ELVS 1.5−β−galプラスミドでトランスフェクトしたBHK−21細胞で合成したベクター特異的RNAのレベルを、トランスフェクション後48時間および72時間に、正確に既述(Dubensky,前出)のように、ノーザンブロット分析によって決定した。総細胞性RNAを、製造業者(Molecular Research Center,Inc.,Cincinnati,OH)によって記載のように、Tri−ReagentでトランスフェクトしたBHK細胞から単離した。pBG/SIN−1 ELVS 1.5−β−galまたはpBG/wt ELVS 1.5−β−galプラスミドでトランスフェクトしたBHK細胞からの試料に存在するトータル細胞性RNA濃度を、分光学的に決定した。さらに、トランスフェクトした細胞から単離した物質を、10ul/mlのエチジウムブロミド染色した、0.7%アガロース/TBEミニゲルによって0.5μgの総細胞性RNAの電気泳動によって未処理であることを決定した。ノーザンブロット分析を、SambrookおよびManiatis(1989,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.)に従って行った。すべてのトランスフェクトした試料からのRNAを、単一のノーザンブロット分析からのオートラジオグラムで可視化し得るために、pBG/wt ELVS 1.5−β−galおよびpBG/SIN−1 ELVS 1.5−β−galトランスフェクトした細胞からの1レーン当たり、それぞれ、2.5μgおよび5μgのRNAをロードした。テストした両方のプラスミドでの個々のトランスフェクションからの、RNAの2つの試料を、0.7%ホルムアルデヒドアガロースゲルによって電気泳動し、そしてZeta−プローブメンブラン(Bio−Rad,Richmond,CA)にトランスファーした。このブロットを、β−ガラクトシダーゼ遺伝子に対応するランダムプライムしたプローブとハイブリダイズした。図11Aに示すこの実験の結果は、トランスフェクション後48時間および72時間でのpBG/SIN−1 ELVS 1.5−β−gal DNAでトランスフェクトした細胞で合成したベクター特異的RNAのレベルが、pBG/wt ELVS 1.5−β−galトランスフェクトした細胞において検出されるRNAのレベルよりも少なくとも100倍低かったことを証明する。
【0326】
さらに、β−ガラクトシダーゼ発現レベルを、106トランスフェクトした細胞当たり
250μlのレポーター溶解緩衝液(Promega,Madison
WI)を添加すること、14,000rpmにて1分間溶解物を遠心分離すること、次いで市販の基質検出システム(Clontech,Palo Alto,CA)と細胞溶解物からの上清画分を混合すること、次いでルミノメトリー(Analytical Luminescence Laboratory,San Diego,CA)によって定量した。この実験からの結果(以下の表に、および図9Cにグラフで示す)は、トランスフェクション後の早い時間に、βガラクトシダーゼ発現レベルが、pBG/wt ELVS 1.5−β−galプラスミドと比較して、pBG/SIN−1 ELVS 1.5−β−galでトランスフェクトしたBHK細胞で有意に低かったことを証明する。しかし、β−ガラクトシダーゼレベルが、最終の120時間時点で野生型ウイルスでトランスフェクトした細胞におけるよりも高いので、レポーター発現は、pBG/SIN−1 ELVS 1.5−β−galトランスフェクトした細胞にける時間経過よりも迅速に増加した。
【0327】
【表25】

pBG/SIN−1 ELVS 1.5−β−galまたはpBG/wt ELVS 1.5−β−galプラスミドDNAでトランスフェクトした細胞におけるβ−ガラクトシダーゼの発現もまた、最終の120hpt時点で、レポータータンパク質(Boehringer Mannheim)に特異的なモノクローナル抗体を使用してウエスタンブロット分析によって直接測定した。120hptで決定したレポータータンパク質活性と同様に、β−ガラクトシダーゼタンパク質のレベルは、pBG/wt ELVS 1.5−β−galと比較して、PBG/SIN−1 ELVS−1 1.5−β−galトランスフェクトしたBHK細胞において、同じレベルかまたはそれを超えており、そして図11Cで証明する。
【0328】
ひとまとめにして考えると、本明細書に記載の結果は、合成したベクター特異的RNAのレベルが、pBG/wt ELVSトランスフェクトした細胞と比較して、pBG/SIN−1 ELVSトランスフェクトした細胞において少なくとも100倍少ないことを証明する。しかし、重要なことには、48〜72時間遅延後、レポーター遺伝子発現のレベルは、pBG/wt ELVSトランスフェクトした細胞と比較して、pBG/SIN−1 ELVSトランスフェクトした細胞において、等価であるかまたはより高い。トランスフェクトした細胞における低いベクター特異的RNA合成と組み合わせた高い発現レベルによって特徴づけられる、pBG/SIN−1 ELVSの表現型は、宿主細胞タンパク質合成の減少、または不在、阻害のためであるようである。したがって、pBG/SIN−1 ELVSのこの特性は、pBG/wt ELVSと比較して、トランスフェクトした細胞においてサブゲノムmRNA翻訳テンプレート当たり非常に高レベルの発現したレポータータンパク質を生じる。要約すると、SIN−1改変体株に由来するプラスミドDNA発現ベクターの表現型は、野生型ウイルス由来ベクターと比較して、比較的低レベルのRNA合成と組み合わせて、等価の発現レベルの点で、親ウイルスに倣う。ベクターは、シンドビスウイルス構造タンパク質のいずれも含まないので、この表現型は、SIN−1ウイルス改変体の非構造遺伝子にマッピングされなければならない。
【0329】
(実施例5:プラスミドDNA SIN−1由来発現ベクターの改変)
アルファウイルスベースのベクターからの標的細胞における異種遺伝子の発現レベルは、宿主属およびベクター立体配置を含む、いくつかの因子によって影響を受ける。例えば、β−ガラクトシダーゼ発現レベルは、pBG/ELVSベクターでトランスフェクトした、HT1080のような、いくつかのヒト細胞と比較して、BHK細胞で10〜100倍高い。目的のインビボ標的属に由来する細胞タイプにおけるベクター特異的発現の相対レベルを確立するために、pBG/wt ELVS 1.5−βgalプラスミドDNA(実施例4を参照のこと)でトランスフェクトしたBHKおよびいくつかのヒト細胞株におけるレポーター遺伝子発現のレベルを比較した。pBG/wt ELVS 1.5−βgalプラスミドで、または従来のプラスミド発現ベクターでトランスフェクトした、BHK細胞、およびヒト線維肉腫株であるHT1080(ATCC CCL 121)細胞における、β−ガラクトシダーゼ発現のレベルを決定した。従来のプラスミドベクターを、CMVプロモーター駆動pUC由来発現プラスミド複数クローニング部位(Invitrogen,San Diego,CA)へのlacZ遺伝子(Promega,Madison,WI)の挿入によって構築し、そしてpCMV−β−galとして公知である。図12Aに示す、この研究の結果は、β−ガラクトシダーゼ発現のレベルが、BHK細胞と比較して、pBG/wt ELVS 1.5−βgalプラスミドDNAでトランスフェクトしたHT1080細胞においてほぼ100倍低かったことを証明する。細胞はまた、シンドビスウイルスベクターレプリコン発現からRNAポリメラーゼII発現を分離するために、pCMV−β−galでトランスフェクトした。この実験では、発現は、BHK細胞と比較して、pCMV−β−galプラスミドでトランスフェクトしたHT1080細胞で5〜10倍減少したが、発現は、pBG/wt ELVS 1.5−βgalプラスミドDNAでトランスフェクトしたHT1080細胞でほぼ100倍減少した。したがって、結果は、pBG/wt ELVS
1.5−βgalプラスミドDNAでトランスフェクトしたHT1080細胞におけるレポーター遺伝子発現の劇的な減少が、一部は、これらのヒト細胞におけるシンドビスウイルスベクターレプリコンの減少した活性に起因することを示す。
【0330】
RNAアルファウイルスゲノムの全体の可形成およびBHK細胞におけるウイルスの増殖があれば、異種遺伝子の発現レベルが、ベクターが由来した宿主細胞株で最高であることは、驚くべきことではない。したがって、宿主細胞タンパク質合成の遅延したまたは不在の阻害と組み合わせて、かなり低いウイルスRNAレベルおよび等価のウイルス産生レベルによって特徴づけられる、SIN−1表現型を有するアルファウイルスの選択(実施例1および2に記載のように)を、何らかのヒト初代、または二倍体、もしくは多倍数体ヒト細胞で行い得る。
【0331】
インビボで標的細胞に最も密接に類似する細胞(例えば、ヒト)において所望の表現型を有するアルファウイルスを選択することの他に、表現型プラスミドDNA発現カセット成分のいくつかの代替改変も行い得る。例えば、より強いCMV前初期(IE)プロモーターとのMoMLV RNAポリメラーゼIIプロモーターの置換は、トランスフェクトした細胞における異種遺伝子発現のレベルを著しく増強する(Dubenskyら,J.
Virol.70:508−519,1996、およびDubenskyら,W/O 95/07994)。さらに、異種遺伝子の上流または下流のいずれかの、イントロン、例えば、SV40スモールt抗原またはCMVイントロンA、の並置は、いくつかのトランスフェクトした細胞タイプにおける異種遺伝子発現のレベルを増加し得る(Dubenskyら,前出)。
【0332】
原型プラスミドDNA発現カセット成分のいくつかのさらなる代替改変はまた、インビトロまたはインビボでトランスフェクトした細胞において全体の発現を増強するために利用され得る。1つの改変では、B型肝炎ウイルス(HBV)翻訳後調節エレメント(PRE)を、pBG/wt ELVS 1.5−βgalプラスミドDNAに挿入した。PRE配列は、核から細胞質へのシスでのHBV
S転写の輸送を活性化する。PRE配列は、スプライスドナーおよびアクセプター部位とは独立して機能するようであり、そしてイントロンを含まないβ−グロビン転写物の細胞質発現を活性化することが示されている。PREが、スプライシング経路と効率的に相互作用しない核転写物の輸出を可能にするためにシスで機能し、したがって核から十分に輸送されないことが提案されている(Huangら,Molecular and Cellular Biology 15:3864−3869,1995)。
【0333】
PRE配列を、ADWウイルス株、pAM6(ATCC No.39630)の全長ゲノムクローンからHBVのPCR生成した564bpフラグメントを最初に単離することによって、pBG/SIN−1 ELVS 1.5−βgalにクローニングした。増幅したフラグメントは、HBVゲノムの塩基1238〜1802に広がる。プライマー配列を以下に示す。
正方向プライマー:NTPRE1238F(配列番号46)
5’−CCTATGCGGCCGCGTGGAACCTTTGTGGCTCCTC
逆方向プライマー:EAPRE1802R(配列番号47)
5’−CCTATTGGCCAGCAGACCAATTTATGCCTAC。
【0334】
プライマーは、フラグメントの5’末端のNot I認識部位および3’末端のEae
I認識部位を導入する。Not IおよびEae Iは、適合可能な付着末端を有する。Eae I認識部位は、Not I部位の内部にあり、そのためEae Iは両方の部位を消化する。
【0335】
PCRフラグメントを、Eae Iで消化し、そしてNot I消化/CIAP処理pBG/wt ELVS 1.5−βgalにクローニングした。正確なクローンは、PREの5’末端にNot I部位を保持し、そしてpBG/wt
ELVS/PRE 1.5−βgalと呼ぶ。
【0336】
トランスフェクトした細胞での異種遺伝子発現におけるELVSプラスミドに含まれるPRE配列の潜在的効果を決定した。簡単にいえば、BHKおよびHT1080細胞を、75%コンフルエンシーまで12mmディッシュ中で培養し、そしてLipofectamine(GIBCO−BRL,Gaithersburg,MD)と複合体化した500ngのpCMV−β−gal、pBG/wt ELVS 1.5−βgal、またはpBG/wt ELVS/PRE 1.5−βgalプラスミドDNAでトランスフェクトし、そしてβ−ガラクトシダーゼ発現のレベルを、48時間後に決定した。トランスフェクション効率を、実施例4に記載のように、トランスフェクトした単層の直接的Xgal染色によって決定し、そして以下の表に示す。
【0337】
【表26】

結果は、β−ガラクトシダーゼを発現するELVSプラスミドでトランスフェクトしたBHKまたはHT1080細胞の数が、ベクターにおけるRNA輸送PRE配列の包含によって劇的に増加したことを明らかに証明する。さらに、これらの結果は、ELVSプラスミドDNAでトランスフェクトした、BHK細胞と比較して、HT1080細胞において減少した異種遺伝子発現レベルについての1つの原因が、核からの一次転写物の非能率的輸送であることを示す。
【0338】
PRE配列を含むELVSプラスミドでトランスフェクトしたレポータータンパク質を発現するHT1080細胞のより高い頻度に並行して、β−ガラクトシダーゼのレベルは、PRE配列を含むELVSベクターでトランスフェクトしたHT1080細胞からの溶解物中で劇的により高かった。これらの結果を、図12Bに示し、そして上の表に示す結果とともにひとまとめにすると、機能的ベクターレプリコンを、ELVSプラスミドでトランスフェクトしたヒト細胞において核から非効率的に輸送することを証明する。さらに、ELVSプラスミド構築物におけるPRE配列の包含は、テストしたすべての細胞において異種遺伝子発現のレベルを増加させ、これは、細胞質ベクターレプリコン輸送の効率と全体の異種遺伝子発現レベルとの間の明らかな関係を証明する。
【0339】
スプライスされていないRNAを輸送するためにシスで操作するいくつかの他のウイルス配列エレメントも同定されている。例えば、Mason−Pfizerサルウイルス(MPMV)ゲノムの3’末端の近くのヌクレオチド8022と8240との間に位置する、219bp配列は、Rev非依存性のヒト免疫欠損ウイルス1型(HIV−1)複製を可能にすることが示されている(Brayら,PNAS 91:1256−1260,1994)。構成性輸送エレメント(CTE)として公知の、MPMV RNA輸送エレメントを、全長ゲノムクローンテンプレートからのMPSVのPCR生成した219bpフラグメント(Sonigoら,Cell 45:375−385,1986)、またはMPSVサブゲノムクローンpGEM7FZ(−)MPSV 8007−8240(D.Rekosh,Ham−Rek Laboratories,SUNY at Buffalo,304 Foster Hall,Buffalo,New York)を最初に単離することによって、pBG/SIN−1 ELVS 1.5−βgalプラスミドに挿入する。増幅したフラグメントは、MPSVゲノムの塩基8022〜8240に広がる。プライマー配列を以下に示す。
正方向プライマー:NMPVM8021F(配列番号48)
5’−CCTATGCGGCCGCTAGACTGGACAGCCAATGACG
逆方向プライマー:EMPMV8241R(配列番号49)
5’−CCTATTGGCCAGCCAAGACATCATCCGGGCAG。
【0340】
プライマーは、フラグメントの5’末端にNot I認識部位および3’末端にEae
I認識部位を導入する。Not IおよびEae Iは、適合可能な付着末端を有する。Eae I認識部位は、Not I部位の内部にあり、そのためEae Iは両方の部位を消化する。
【0341】
PCRフラグメントを、Eae Iで消化し、そしてNot I消化/CIAP処理pBG/wt ELVS 1.5−βgalにクローニングする。正確なクローンは、PREの5’末端にNot I部位を保持し、そしてpBG/wt
ELVS/CTE 1.5−βgalと呼ぶ。
【0342】
HBV PREおよびMPSV CTE配列の他に、他のウイルスまたは細胞性ソースからのいくつかのRNA輸送エレメントが、上記のように、ELVSプラスミド構築物に挿入され得る。例えば、これらのエレメントのいくつかには、HIV Rev応答性エレメント(Malimら,Nature,338:254−257,1989)、HTLV
1 Rexエレメント(Ahmedら,Genes Dev.,4:1014−1022,1990)、およびシミアンレトロウイルス1型からのもう1つのシス作用配列(Zolotukhinら,J.Virol.,68:7944−7952,1994)が挙げられる。さらに、上記のRNA輸送エレメントのそれぞれもまた、構造タンパク質発現カセット、パッケージング細胞株、または実施例6および7に記載のプロデューサー細胞株に組込まれ得る。
【0343】
原型ELVSベクターのさらにもう1つの改変では、アルファウイルスレプリコンの発現は、RNAポリメラーゼIプロモーターによって駆動され得る。簡単にいえば、RNAポリメラーゼプロモーターは組織特異的ではなくそして体中の本質的にすべてのヒト細胞で発現されるので、このプロモーターは、トランスフェクトした細胞におけるプラスミドDNA特異的アルファウイルスレプリコン発現に魅力的な代替物を提供する。例えば、ヒトrDNAプロモーター(プラスミドprHU3、LearnedおよびTjian,J.Mol.Appl.Gen.,1:575−584,1982)は、異種遺伝子発現のためのベクターを構築するために使用されている(Palmerら,Nuc.Acids
Res.21:3451−3457,1993)。
【0344】
したがって、本発明の1つの実施態様内では、RNAポリメラーゼIプロモーターは、トランスフェクトした細胞で転写した第1のヌクレオチドが、真正のアルファウイルス5’末端に対応するように、レプリコンcDNAの5’末端と並置され得る。転写開始が生じるRNAポリメラーゼIプロモーター(例えば、プラスミドprHU3)ヌクレオチドの同定を、既述(Dubenskyら,W/O 95/07994)のように決定する。
【0345】
本明細書に記載のすべての改変を、シンドビスウイルス野生型またはSIN−1 nsP、あるいは任意のアルファウイルスからのnsP遺伝子を含むELVS構築物を用いて行い得る。例えば、実施例5で提供される構築のすべてはまた、その構築が実施例4に記載される、プラスミドpBG/SIN−1 ELVS
1.5−βgalで行い得る。
【0346】
(実施例6:アルファウイルスパッケージング細胞株の構築)
本発明では、アルファウイルスパッケージング細胞株(PCL)が提供され、それによってRNAパッケージングおよび組換えアルファウイルスベクター粒子の形成に必要なウイルス由来構造タンパク質が、1つ以上の安定に形質転換した構造タンパク質発現カセットによってコードされる。これらのタンパク質の合成は、好ましくは、誘導性の様式で、および特に好ましい実施態様では、ネイティブな「連結領域」プロモーターからのサブゲノムmRNAの転写によって生じる。誘導性サブゲノム転写を、投入アルファウイルスベクターRNA自体によって媒介する(図13)。構造タンパク質発現カセットからの一次転写後、RNA転写物の細胞質増幅を、ベクターがコードした非構造タンパク質によって開始し、そして最終的に、連結領域プロモーターからの転写および高レベルの構造タンパク質発現を導く。構造タンパク質発現カセットは、RNA輸送エレメント(例えば、HBV PREおよびMPMV CTE)およびスプライシング配列を含む、本発明の既述のエレメントのいずれかを含み得る。このようなPCLおよびその安定に形質転換した構造タンパク質発現カセットは、PCT出願WO 95/07994内に記載の方法を使用して、または本発明内に記載の新規アプローチを使用して、誘導され得る。PCLは、哺乳動物および非哺乳動物の両方の細胞を含む、ほとんどの任意の現存する親細胞タイプに由来し得る。PCLの誘導に好ましい実施態様は、ヒト起源の細胞株である。
【0347】
(A.ベクター誘導性アルファウイルスPCLの構築)
例えば、CMV前初期プロモーターからの一次転写が、ベクターRNAからの非構造レプリカーゼタンパク質の翻訳後にのみ効率的な細胞質増幅および構造タンパク質発現を可能にするRNA分子を産生する、アルファウイルス構造タンパク質発現カセットを、構築した。詳細には、プラスミドpDCMV−dlnsPSIN(Dubenskyら,J.Virol.70:508−519,1996)はDNAベースのシンドビス欠損ヘルパー(DH)ベクターであり、これを、3’末端RNAプロセシングのためのD型肝炎ウイルス(HDV)抗ゲノムリボザイム配列(PerottaおよびBeen,Nature
350:434−436,1991)および非構造タンパク質遺伝子欠損の領域内に挿入されたSV40スモールt抗原イントロンの両方を含むように改変した。HDVリボザイム配列の挿入に関連する制限部位複製のため、Dubenskyら(同上)からさらなるプラスミドであるpDLTRSINgHDVを、開始物質として使用して、改変したCMVベースのDH構築物を再構築した。HDVリボザイムを含むLTRベースのシンドビスゲノムクローンであるプラスミドpDLTRSINgHDVを、Bgl IIで切断して、現存するLTRプロモーターおよびシンドビスヌクレオチド1〜2289(Straussら,Virology 133:92−110,1984に従った番号付け)を取り出し、ウシ小腸アルカリホスファターゼで処理し、そしてGENECLEAN IITM(Bio101,San Diego,CA)を使用して0.7%アガロースゲルから精製した。CMVプロモーターを有する、対応する5’末端フラグメントを、シンドビスゲノムクローンpDCMVSINg(Dubenskyら,同上)のBgl II切断およびGENECLEAN IIを使用する1%アガロースゲルからの精製によって得、次いでBgl II欠損したpDLTRSINgHDVベクターに連結して、構築物pDCMVSINgHDVを生成した。HDVリボザイムを有するこのCMVベースのゲノムプラスミドは、BHK細胞へのトランスフェクション後24時間以内に感染性シンドビスウイルスおよび細胞変性効果を生じることが示された。次いで、HDVリボザイムを含む、欠損ヘルパープラスミドpDCMVdlnsPSINgHDVを、希釈条件下でBspEI切断および再連結(relegation)によって構築して、ヌクレオチド422と7054との間の非構造遺伝子配列を取り出した。その後、SV40イントロンを、PCRによって合成し、そして非構造タンパク質遺伝子欠損の領域に挿入した。SV40イントロン配列の増幅を、テンプレートとしてプラスミドpBR322/SV40(株776、ATCC#45019)およびフランキングBspE IまたはBam HI部位を含むように設計した以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、30秒伸長時間で標準的3サイクルPCRによって行った。
正方向プライマー:BspSVSDF(5’制限部位/SV40イントロン配列)(配列番号50)
5’−TATATATCCGGA/AAGCTCTAAGGTAAATATAAAATTTTT−3’
逆方向プライマー:BamSVSAR(5’制限部位/SV40イントロン配列)(配列番号51)
5’−TATATAGGATCC/TAGGTTAGGTTGGAATCTAAAATACACAAAC−3’。
【0348】
増幅後、DNAフラグメントを、QIAquick−spin PCR精製キット(Qiagen,Chatsworth,CA)を使用して精製し、BspE IおよびBam HIで消化し、MermaidTM(Bio101,San
Diego,CA)を使用して1.2%アガロースゲルから精製し、そして欠損ヘルパープラスミドpDCMV−dlnsPSINに連結し、これをまた、BspE IおよびBam HIで消化し、ウシ小腸アルカリホスファターゼで処理し、そしてGENECLEAN IIを使用して0.7%アガロースゲルから精製して、構築物pDCMV−intSINrbzを生成した(図14)。プラスミドpDCMV−intSINrbzはまた、プラスミドのもう1つの部分にSV40プロモーター誘導ネオマイシン耐性選択マーカーを含み、これを、製造業者によって記載のように、LipofectamineTM(Gibco/BRL,Gaithersburg,MD)を使用してBHK細胞にトランスフェクトした。トランスフェクション後約24時間に、細胞を、トリプシン処理し、そして600μg/ml G418(ネオマイシン)を含む培地中に再プレーティングした。この培地を、新鮮なG418含有培地と定期的に交換し、そして耐性細胞の増殖巣を増殖させた。細胞をトリプシン処理し、そして96ウェル培養ディッシュにおいて限界希釈によってクローニングし、そして個々の細胞クローンを増殖しそしてスクリーニングのために広げた。
【0349】
個々のクローンについてのポジティブのパッケージング活性を、ルシフェラーゼレポーター遺伝子(Dubenskyら,同上に記載される)を発現するシンドビスベクターRNAでのLipofectinTM(Gibco/BRL,Gaithersburg,MD)トランスフェクション、トランスフェクション後約24時間に培養上清を採取すること、およびパッケージングしたシンドビスウイルス−ルシフェラーゼベクター粒子の存在についてアッセイすることによって同定した。さらに、開始トランスフェクションレベルを、レポーター溶解緩衝液(Promega,Madison,WI)を使用してトランスフェクトした細胞溶解物を採取すること、および製造業者によって記載のようにルシフェリン基質(Promega)を使用することによってルシフェラーゼ活性の存在についてテストすることによって決定した。培養上清中のパッケージングされたベクター粒子についてアッセイするために、1mlの未希釈の澄明にした上清を使用して、約18時間新鮮なBHK細胞単層に感染させた。その後、細胞を、上記のように溶解し、そしてルシフェラーゼ活性を決定した。感染したBHK細胞におけるルシフェラーゼ活性の存在は、トランスフェクトした細胞上清におけるパッケージしたベクター粒子の確認であった。pDCMV−intSINrbz構造タンパク質発現カセットの組込まれたコピーを有し、そしてPCLとして機能する、いくつかのポジティブ細胞クローンを、同定した。群の代表であった、個々のPCLクローン(#10s−19および#10s−22)のうちの2つについてのパッケージングデータを、図15に示す。さらに、産生されるパッケージしたベクター粒子の力価を、個々のPCLクローン(#10s−22)をSIN−β−galベクターRNA(Dubenskyら,同上に記載される)でトランスフェクトすることによって決定した。培養上清を、トランスフェクション後48時間で回収し、0.45mmフィルターを通すことによって澄明にし、そして新鮮なBHK単層を、上清の10倍希釈に感染した。感染後約14時間に、細胞をPBSで洗浄し、2%ホルムアルデヒドで固定し、PBSで再度洗浄し、そしてX−galで染色した。次いで、ベクター粒子単位を、個々の青色に染色した細胞をカウントすることによって決定した。このPCLクローンからのパッケージングされたβ−galベクター力価は、約106感染ユニット/mlの
上清であった。シンドビス構造タンパク質発現のベクター制御した誘導性を、構造タンパク質に特異的なポリクローナルウサギ抗血清を使用して、ウエスタンブロット分析によって証明した。ポジティブ10s−22 PCLおよびネガティブコントロールBHK細胞溶解物を、SIN−β−galベクターRNAでのトランスフェクションの前(U;非誘導)または後(I;誘導)のいずれかに、Lameli試料緩衝液中で行った。図16に示すように、シンドビス構造タンパク質の発現を示した唯一の細胞溶解物は、ベクターRNAでのトランスフェクション後の10s−22 PCLクローンであった。キャプシドタンパク質とエンベロープ糖タンパク質との間の発現の見かけのレベルの差は、作成されるタンパク質の実際の量を反映するどころか、逆に、この特定の実験に使用された細胞溶解手順中のエンベロープ糖タンパク質のより低い安定性を反映した。
【0350】
CMVベースのDH構築物のパッケージング活性はまた、非哺乳動物細胞、例えば、C6/36蚊細胞で非常に効率的であった。PCLの誘導のためのこのような非哺乳動物親細胞タイプの使用を、ベクタープロデューサー細胞株の生成のための開始物質としてのその後の使用について意図する。この細胞タイプの利点は、宿主巨大分子合成および得られる細胞変性効果(CPE)の阻害の哺乳動物細胞関連表現型を含まない、アルファウイルスが持続性感染を確立する天然の能力である。したがって、適切な選択マーカーを有する、DNAベースのアルファウイルスベクター(実施例4および5)を、蚊または他の非哺乳動物細胞由来PCLに安定に形質転換し得る。図17Aは、CMVプロモーターの制御下で、DNAベースのルシフェラーゼレポーターベクターおよびシンドビス構造タンパク質を発現するDHヘルパーベクターの両方が、ルシフェラーゼベクターパッケージングによって証明されるように、C6/36細胞で十分に機能的であったことを示す。
【0351】
(B.作動可能に連結した選択マーカーを有するPCLの構築)
本発明の他の実施態様では、選択可能マーカーを、アルファウイルス構造タンパク質発現カセットの転写に作動可能に連結する。好ましい実施態様では、この作動可能な連結を、残りのnsP1アミノ酸との融合物として、非構造タンパク質遺伝子欠損の領域へのマーカーの挿入によって、あるいは、内部リボソーム侵入部位(IRES)配列の翻訳制御下で、構造タンパク質遺伝子の下流への挿入によってのいずれかで行う。また、一次構造タンパク質遺伝子mRNA転写物の増幅および構造タンパク質発現の誘導を、投入ベクターRNA分子およびその合成した非構造タンパク質によって制御する。
【0352】
詳細には、構造タンパク質発現カセットの構築について、プラスミドpBGS131(Sprattら,Gene 41:337−342,1986;ATCC #37443)を改変して、外来配列を除去し、そしてカナマイシン耐性遺伝子内の現存するXho I部位を非機能的にした。プラスミドpBGS131を、Xho Iで切断し、そしてXho I適合可能な末端を有する合成二本鎖オリゴヌクレオチドリンカーを、この部位に連結した。以下に示した合成12マーオリゴヌクレオチドを、連結のためにXho I付着末端を生成し、そして4つのインフレームアミノ酸を挿入することによってカナマイシン耐性遺伝子オープンリーディングフレームを維持してそれ自体にアニールする、部分パリンドロームとして設計した。
dlXhoリンカー(配列番号52)
5’−TCGATCCTAGGA。
【0353】
このオリゴヌクレオチドの挿入は、Xho I部位欠失プラスミドを生じ、pBGS131dlXhoIと命名した。次に、このプラスミドを、BspH Iで切断し、そしてColE1レプリコンとカナマイシン耐性マーカーとの間の外来配列の829bpを除去するための希釈条件下で、それ自体に再連結し、プラスミドpBGS131dlBを生じた。次に、BspH I部位を、BspH IでpBGS131dlBを消化し、クレノウ酵素およびdNTPでその末端を平滑にし、そして過剰のPac Iリンカーと連結することによって、Pac I部位に変更した。
Pac Iリンカー(配列番号53)
5’−GCTCTTAATTAAGAGC。
【0354】
pBGS131dlB−Pと命名したこの構築物を、Fsp IおよびPvu IIで切断して複数クローニング部位(MCS)を含む追加の472bpを除去し、そしてGENECLEAN IIを使用して1%アガロースゲルから残りのベクターを精製することによって、さらに改変した。置換MCSを、2つの相補的オリゴヌクレオチドPME.MCSIおよびPME.MCSIIをアニールし、そして直線プラスミドと連結することによって、改変したベクターに挿入した。
PME.MCSI(配列番号54)
5’−CTGTTTAAACAGATCTTATCTCGAGTATGCGGCCGCTATGAATTCGTTTAAACGA−3’
PME.MCSII(配列番号55)
5’−TCGTTTAAACGAATTCATAGCGGCCGCATACTCGAGATAAGATCTGTTTAAACAG−3’。
【0355】
新しい約2475bpのクローニングベクターを、pBGSVGと命名し、そしてこのベクターは以下の複数クローニング部位を含んだ:<Pme I−Bgl II−Xho
I−Not I−Eco RI−Pme I>。作動可能に連結した選択マーカーを含む構造タンパク質発現カセットの挿入は、以下のように段階的に行った。シンドビスウイルスの3’末端、合成A40トラクト、抗ゲノムHDVリボザイム、およびBGH転写終結シグナルを含むDNAフラグメントを、Not IおよびEcoR Iでの消化、ならびにGENECLEAN IIを使用する1%アガロースゲルからの精製によって、プラスミドpBG/SIN−1 ELVS 1.5(実施例5)を除去した。プラスミドpBGSVGもまた、Not IおよびEcoR Iで消化し、GENECLEAN IIを使用して1%アガロースゲルから精製し、精製した3’末端/A40/HDV/BGHフラグメントと連結して、構築物pBGSV3’を生成した。次に、構造タンパク質遺伝子および非構造タンパク質をコードする領域の多くを含む、約9250bpシンドビスcDNAフラグメントを、Bgl IIおよびFsp Iでの消化によってプラスミドpDLTRSINg(Dubenskyら,同上)から取り出し、そしてGENECLEAN IIを使用して0.7%アガロースゲルから精製した。次いで、シンドビスcDNAフラグメントを、プラスミドpBGSV3’に連結し、これもまた、Bgl IIおよびFsp
I位で消化し、アルカリホスファターゼで処理し、そしてGENECLEAN IIを使用して0.7%アガロースゲルから精製した。新しい構築物を、pBGSV3’BFと命名した。その後、この構築物を、Bgl IIで消化し、アルカリホスファターゼで処理し、そしてCMV IEプロモーターとともに、残りの5’末端および非構造遺伝子配列の挿入のためにGENECLEAN IIで精製した。残りの配列を、Bgl IIでのプラスミドpDCMVSINg(Dubenskyra,同上)の消化、GENENCLEAN IIを使用する1%アガロースゲルからのフラグメントの精製、および直線pBGSV3’BFベクターとの連絡によって得て、CMV駆動シンドビスゲノム構築物、pBGSVCMgenを生成した。シンドビスウイルス複製サイクルの開始についてのこの構築物の機能性を、BHK細胞へのpBGSVCMVgenのLipofectamine媒介トランスフェクション、およびトランスフェクション後24時間以内のCPEの観察によって決定した。
【0356】
その後、プラスミドpBGSVCMVgenを使用して、非構造タンパク質遺伝子配列のほとんどを欠失すること、およびnsP1オープンリーディングフレームの残りのコドンとのインフレーム融合物としてネオマイシン耐性遺伝子を挿入することによって、DH構造タンパク質発現カセットを構築した。簡単にいえば、ネオマイシン耐性遺伝子を、隣接するBspE IおよびBamH I部位を含むように設計した以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、pcDNA3ベクター(Invitrogen,San Diego,CA)から標準的3サイクルPCRによって増幅した。
正方向プライマー:NEO5’FUSE(5’制限部位/neo遺伝子)(配列番号56)5’−ATATATCCGGA/GTCCGGCCGCTTGGGTGGAGAGGCTA
逆方向プライマー:NEO3’BAM(5’制限部位/neo遺伝子)(配列番号57)5’−ATATAGGATCC/TCAGAAGAACTCGTCAAGAAGGCGA。
【0357】
増幅後、DNAフラグメントを、QIAquick−spinで精製し、BspE IおよびBamH Iで消化した。そして、これを、またBspE IおよびBamH Iで消化し、アルカリホスファターゼで処理し、そしてGENECLEAN IIを使用して0.7%アガロースゲルから精製されているプラスミドpBGSVCMVgenに連結した。得られた構築物を、pBGSVMVdlneoと命名し、そして図14に概略的に示す。pBGSVCMVdlneoの配置は、構造タンパク質発現カセットの一部として、同じプロモーターによって制御され、nsP1の開始メチオニンおよびアミノ末端121アミノ酸、ならびにそのメチオニン開始コドンおよび次の10アミノ酸を欠くネオマイシン耐性遺伝子を含む融合タンパク質を含む。
【0358】
プラスミドpBGSVCMVdlneoを、製造業者によって記載されるように、Lipofectamineを使用してBHK細胞にトランスフェクトした。トランスフェクション後約24時間に、この細胞をトリプシン処理し、そして600μg/mlの薬物G418(ネオマイシン)を含む培地中に再プレーティングした。培地を、新鮮なG418含有培地と定期的に交換し、そして耐性細胞の増殖巣を増殖させた。細胞をトリプシン処理し、そして96ウェル培養ディッシュにおいて限界希釈によってクローニングし、そして個々の細胞クローンを増殖しそしてスクリーニングのために広げた。個々のクローンについてのポジティブのパッケージング活性を、先の節で記載のように、シンドビスルシフェラーゼベクターRNAでトランスフェクトし、そしてパッケージングしたシンドビスルシフェラーゼベクター粒子の存在についてアッセイすることによって同定した。pBGSVCMVdlneo構造タンパク質遺伝子発現カセットの組込まれたコピーを有し、そしてPCLとして機能する、いくつかのポジティブ細胞クローンを同定した。その群の代表である個々のクローン(F11、F13、F15)、ならびに既述の10s−22 PCL株についてのSNBSTM−ルシフェラーゼベクターパッケージングデータを、図18に示す。
【0359】
シンドビスルシフェラーゼベクターとの機能的パッケージング活性を証明することの他に、同じPCLを使用して行われるさらなる実験もまた、他のアルファウイルス由来のベクターもまたパッケージングされ得ることを示した。例えば、β−ガラクトシダーゼを発現するシンドビ(Dubenskyら,同上)およびセムリキ森林(pSFV3−lacZ;GIBCO BRL,Gaithersburg,MD)の両方のベクターRNAを、F15パッケージング細胞株にトランスフェクトした。トランスフェクション後の約48時間に、培養上清を採取し、澄明にし、連続希釈し、そしてベクター粒子力価の決定のために新鮮なBHK細胞単層に感染させるために使用した。感染後18時間に、BHK細胞を固定し、X−galで染色し、そして青色に染色する細胞を、既述のようにカウントした。シンドビスβ−galについて得たベクター力価は、約5×106IU/mlであ
ったが、SFV β−galについての力価は、約4×106IU/mlであった。これ
らのデータは、2つの異なるアルファウイルスおよびその対応するベクターが、類似のパッケージングシグナルを有し、そして本明細書に記載のシンドビス系に由来するPCLが、他のアルファウイルスとともに使用される場合に十分に機能的であることを証明する。
【0360】
pBGSVCMVdlneo構築物のパッケージング活性もまた、ヒト起源の細胞、例えば、293細胞において非常に効率的であった。PCLの誘導のためのこのようなヒト親細胞タイプの使用は、相補的耐性組換えアルファウイルス粒子の生成に特に有利であり得る。図17Bは、RNAおよびDNAの両方のベースのルシフェラーゼレポーターベクターを、BHK細胞へのルシフェラーゼ発現の上清トランスファーによって証明されるように、G418耐性のpBGSVCMVdlneo形質転換した293PCLへのトランスフェクション後に効率的にパッケージングしたことを示す。
【0361】
別の薬物耐性選択マーカーもまた、そのN末端での残りのnsP1アミノ酸との融合タンパク質として、類似のPCL立体配置で機能することを示した。簡単にいえば、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子(ハイグロマイシン耐性マーカー、hygror)を、現存するネオマイシン耐性マーカーの代わりに、プラスミドpBGSVCMV
dlneoに置換した。hygror遺伝子を、隣接するEcoRVおよびBamHI部
位を含むように設計した以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、プラスミドp3’SS(Stratagene,La Jolla,CA)からの標準的3サイクルPCRによって増幅した。
正方向プライマー:5’HYGROEV(5’制限部位/hygro遺伝子)(配列番号112)
5’−TATATGATATC/AAAAAGCCTGAACTCACCGCGACG
逆方向プライマー:3’HYGROBA(5’制限部位/hygro遺伝子)(配列番号113)
5’−ATATAGGATCC/TCAGTTAGCCTCCCCCATCTCCCG。
【0362】
増幅後、DNAフラグメントを、QIAquick−spinで精製し、EcoRVおよびBamHIで消化し、GENECLEANを使用して精製し、そしてプラスミドpBGSVCMVdlneoに連結した。このプラスミドは、BspEIで消化し、クレノウで平滑末端にし、BamHIでさらに消化し、アルカリホスファターゼで処理し、そしてGenecleanを使用して0.7%ゲルから精製された。得られる構築物を、pBGSVCMVdlhygと命名した。
【0363】
プラスミドpBGSVCMVdlhygを、製造業者によって記載のように、Lipofectamineを使用してBHK細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの約24時間後に細胞をトリプシン処理し、そして1.2mg/mlの薬物ハイグロマイシン(Boehringer Mannheim)を含む培地中に再プレーティングした。培地を新鮮なハイグロマイシン含有培地で定期的に交換し、そして耐性細胞の増殖巣を、プールに増殖させた。選択したパッケージング細胞の機能性を、シンドビスルシフェラーゼベクターRNAでトランスフェクトし、そして上の節に記載のようにパッケージングされたシンドビスルシフェラーゼベクター粒子の存在についてアッセイすることによって証明した。これらのパッケージング実験からのポジティブ結果を、図39に示す。
【0364】
代わりのパッケージング細胞株構造タンパク質発現カセットでは、選択マーカー(この場合はネオマイシン耐性)を、シンドビス構造タンパク質遺伝子の下流に、および内部リボソーム侵入部位(IRES)の翻訳制御下で挿入した。したがって、ネオマイシン耐性をコードするmRNAの転写は、ゲノムレベル(RSVプロモーターから)でおよびまたサブゲノム連結領域プロモーターからの両方で生じる。この構築物に独特なさらなる特徴は、一次転写のためのラウス肉腫ウイルス(RSV)LTRプロモーターおよびシンドビス欠損妨害RNAクローンDI25(MonroeおよびSchlesinger,Proc.Natl.Acad.Sci USA 80:3279−3283,1983)由来のtRNAAsp5’末端配列を含む。この特定のPCL発現カセット立体配置を、98
7DHBBNeoと命名し、そして図14に概略的に示す。詳細には、プラスミド987DHBBNeoを、開始物質として改変したプラスミドベクターpBGS131dlB−P(上記)を使用して、段階的に構築し得る。連結領域プロモーター、構造タンパク質遺伝子配列、および3’非翻訳領域+ポリAを含むcDNAフラグメントを、全長シンドビスcDNAクローンpRSINg(Dubenskyら,同上)のBamH IおよびXba Iでの消化、およびGENECLEAN IIを使用する0.7%アガロースゲルからの精製によって得る。シンドビスcDNA DNAフラグメントを、これもまたBamH IおよびXba Iで消化し、アルカリホスファターゼで処理し、そしてGENECLEAN IIを使用して0.7%アガロースゲルから精製されたプラスミドベクターpBGS131dlB−Pと連結して、構築物pBGSINspを生成した。
【0365】
次に、SV40初期領域からの転写終結シグナルを、シンドビス配列のすぐ下流の、pBGSINspのSac IとEco RI部位との間に挿入する。初期領域転写終結配列を含む、SV40ウイルスヌクレオチド2643〜2563を、テンプレートとして以下に示すプライマー対およびpBR322/SV40プラスミド(ATCC #45019)を使用してPCR増幅によって単離する。
正方向プライマー:FSVTT2643(5’制限部位/SV40ヌクレオチド2643〜2613)(配列番号58)
5’−TATATATGAGCTCTTACAAATAAAGCAATAGCATCACAAATTTC
逆方向プライマー:RSVTT2563(制限部位/SV40ヌクレオチド2563〜2588)(配列番号59)
5’−TATATGAATTCGTTTGGACAAACCACAACTAGAATG。
【0366】
プライマーを、30秒の伸長期間での標準的3サイクルPCR反応で使用する。増幅産物を、QIAquick−spinで精製し、Sac IおよびEco
RIで消化し、Mermaidキットで再度精製し、そして90bpフラグメントを、これもまたSac IおよびEco RIで消化し、アルカリホスファターゼで処理し、そしてGENECLEAN IIを使用して0.7%アガロースから精製されたプラスミドpBGSINspに連結する。この構築は、pBGSINspSVとして公知である。
【0367】
次に、RSVプロモーターおよびDI tRNAAsp構造を含むシンドビス5’末端配
列を、重複PCRによって構築し、そして全体のフラグメントを、構造タンパク質遺伝子ベクターpBGSINspSVに挿入する。PCR反応#1では、RSVプロモーターフラグメントを、一方のプライマーにおける隣接するBgl II部位および他方におけるtRNA 5’末端を重複する配列も含むように設計される以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、RSVプロモーター含有テンプレートプラスミド(例えば、pRc/RSV,Invitrogen, San Diego,CA)から、1分の伸長で、標準的3サイクルPCRによって増幅する。シンドビスtRNA 5’末端を、RSVプロモーター転写開始部位にすぐに隣接して配置する。
正方向プライマー:5’RSVpro(5’制限部位/RSV配列)(配列番号60)
5’−TATATAGATCT/AGTCTTATGCAATACTCTTGTAGT
逆方向プライマー:3’RSVtR(5’シンドビスtRNA配列/RSV配列)(配列番号61)
5’−GGGATACTCACCACTATATCTCGACGGTATCGAGGTAGGGCACT。
【0368】
PCR反応#2では、シンドビス5’末端+tRNAを、一方のプライマーにおける隣接するBamH I部位および他方における3’RSVtRプライマーを重複する配列も含むように設計される以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、テンプレートプラスミドTotol 101(5’tRNAAsp)(Bredenbeekら,J.Vi
rol.67:6439−6446,1993)から、1分の伸長で、標準的3サイクルPCRによって増幅する。
正方向プライマー:5’tRNASin(5’−シンドビス+tRNA配列のみ)(配列番号62)
5’−GATATAGTGGTGAGTATCCCCG
逆方向プライマー:3’SinBam(3’制限部位/シンドビス配列)(配列番号63)
5’−TATATGGATCC/AGTACGGTCCGGAGATCCTTAATCTTCTCATG。
【0369】
増幅後、DNAフラグメントを、QIAquick−spinで精製し、そしてさらなる5’RSVproおよび3’SinBamプライマーを使用して、2分伸長を有するその後の3サイクルPCR反応においてテンプレートとして一緒に使用する。得られる重複PCRアンプリコンを、GENECLEAN IIを使用して精製し、Bgl IIおよびBamH Iで消化し、これもまたBgl
IIおよびBamH Iで消化し、アルカリホスファターゼで処理し、そしてGENECLEAN IIを使用して0.7%アガロースゲルから精製されたプラスミドpBGSINspSVに連結する。欠損ヘルパーを発現する得られる構造タンパク質を、987DHBBと命名する。
【0370】
次に、脳心筋炎ウイルス(EMCV)からのIRES配列を、重複PCRによって、選択マーカーとして、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子のすぐ上流に配置し、そして全体のアンプリコンを、987DHBBのNsi I部位に挿入する。Nsi I部位での挿入は、構造タンパク質ORFのすぐ下流に選択マーカーを配置する。PCR反応#1では、EMCV IRESフラグメント(ヌクレオチド260〜827)を、一方のプライマーにおける隣接するNsi I部位および他方におけるneo遺伝子を重複する配列も含むように設計される以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、テンプレートプラスミドpBS−ECAT(Jangら,J.Virol.63:1651,1989)から、30秒の伸長で、標準的3サイクルPCRによって増幅する。
正方向プライマー:5’EMCVIRES(5’制限部位/EMCV配列)(配列番号64)
5’−TATATATGCAT/CCCCCCCCCCCCCAACG
逆方向プライマー:3’EMCVIRES(5’pcDNA+neo配列/EMCV配列)(配列番号65)
5’−CATGCGAAACGATCCTCATC/CTTACAATCGTGGTTTTCAAAGG。
【0371】
PCR反応#2では、neo耐性マーカーを、一方のプライマーにおける隣接するNsi I部位および他方における3’EMCVIRESプライマーを重複する配列も含むように設計される以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、テンプレートプラスミドpcDNA3(Invitrogen,San Diego,CA)から、1.5分の伸長で、標準的3サイクルPCRによって増幅する。
正方向プライマー:5’Neo/pcDNA(5’−pcDNA+neo配列のみ)(配列番号66)
5’−GATGAGGATCGTTTCGCATGATTGA
逆方向プライマー:3’Neo/pcDNA(3’制限部位/neo配列)(配列番号67)
5’−TATATATGCAT/TCAGAAGAACTCGTCAAGAAGGCGA。
【0372】
増幅後、DNAフラグメントを、QIAquick−Spinで精製し、そしてさらなる5’EMCVIRESおよび3’Neo/pcDNAプライマーを使用して、2分の伸長で、その後の3サイクルPCR反応でテンプレートとして一緒に使用する。得られる重複PCRアンプリコンを、GENECLEAN IIを使用して精製し、Nsi Iで消化し、これもまたNsi Iで消化し、アルカリホスファターゼで処理し、そしてGENECLEAN IIを使用して0.7%アガロースゲルから精製されたプラスミド987DHBBに連結する。シンドビス3’−非翻訳領域におけるIRES/neoインサートを有する得られる構造タンパク質発現構築物を、987DHBBNeoと命名する。
【0373】
安定なパッケージング細胞株を生成するために、BHK細胞を、標準的リン酸カルシウム沈降プロトコルを使用して、10ugのプラスミド987DHBBNeoでトランスフェクトした。トランスフェクション約24時間後に、培地を、1mg/mlの薬物G418を含む新鮮な培地と置換した。さらに1日後、細胞を、トリプシン処理し、そして500ug/ml G418を含む培地中に1/10密度で再プレーティングした。数継代以上後、細胞を、希釈クローニングに供し、そして個々のクローンを広げた。個々のクローンがパッケージング細胞株として機能する能力を、β−galを発現するシンドビスDNAベクターであるプラスミドRSV/Sinrep/LacZのリン酸カルシウムトランスフェクション、および48時間後に上清におけるパッケージングされたベクター粒子の存在についてアッセイすることによって決定した。パッケージングされたベクターレプリコンを、FrolovおよびSchlesinger(J.Virol.68:1721−1727,1994)に記載のCPEアッセイによって滴定し、そして987DH−BBNeoと命名したパッケージングされた粒子の高力価を与えるものを、さらなる特徴づけのために使用した。パッケージングされたベクターの力価を、いくつかの異なるトランスフェクション技法を使用して、β−galを発現するRNAまたはDNAのいずれかに基づくシンドビスベクターのトランスフェクションの48時間後に決定した。結果は以下の通りであった:
【0374】
【表27】

さらに、その後、987DH−BB細胞株を使用してパッケージングされたSINrep/LacZ粒子を使用して、新鮮なBHK細胞単層に感染させ、そしてRNAおよびタンパク質の両方の発現パターンを調べた。図19は、BHK細胞が、細胞当たり150感染ユニットのMOIでのSINrep/LacZ粒子の2つの異なる調製物(レーン1および2)、またはコントロールとして野生型シンドビスウイルス(レーン3)で感染させた後のRNAパターンを示す。感染7時間後、ダクチノマイシン(1ug/ml)および[3H]ウリジン(20uCi/ml)を添加し、次いで、Bredenbeekら(J
.Virol.67:6439−6446,1993)に従って、4時間後にRNAの採取および分析を行った。可能性のある組換え体を検出するために、高いMOIを使用した。ゲルレーンの右に対して水平線は、目的のシンドビスおよびβ−gal RNAを示す。最高の分子量バンドは、レプリコンまたはウイルスのゲノムRNAを示す(レーン1および2、SINrep/LacZ;レーン3 シンドビスウイルス)。示した次の2つのRNAは、987DH−BBNeo PCL発現カセットのゲノムRNAおよび同じ987DH−BBNeo PCLカセットからの誘導性サブゲノム構造タンパク質mRNAである。後者の2つのバンドの存在は、パッケージング細胞株に由来するヘルパーゲノムRNAも同時パッケージングされることを証明する。最も多く豊富に存在する、次のRNAバンドは、SINrep/LacZ(レーン1および2)またはシンドビスウイルスゲノム(レーン3)のいずれかに由来するサブゲノムRNAである。
【0375】
タンパク質分析を、20感染ユニット/細胞のMOIでパッケージングされたSINrep/LacZレプリコンでのBHK21細胞の感染後に行った。感染15時間後に、細胞を、[35S]メチオニンで30分間標識し、溶解物を作成し、そしてタンパク質をSDS−PAGEによって分析した。図20(レーン2および3)に示すように、β−ガラクトシダーゼおよびシンドビスウイルスキャプシドタンパク質の両方とも、ベクター粒子感染した細胞では標識されるが、非感染細胞(レーン1)では標識されない。キャプシドの存在は、いくつかのパッケージングされた粒子もまた、PCLからの構造タンパク質遺伝子RNA転写物を含むことを示す。
【0376】
(C.「分断構造遺伝子」PCL立体配置の構築)
本発明の他の実施態様では、PCLが提供され、ここで、アルファウイルス構造タンパク質は、そのネイティブな翻訳後プロセシングを有する単一のmRNAからのポリタンパク質としてではなく、むしろ、複数のカセットによって転写される独立したmRNAからの別々のタンパク質として発現される。このアプローチを、図21Aに概略的に図示する。このような立体配置は、レプリコンコンピテントまたは感染性ウイルスの形成を導く組換えまたは同時パッケージング事象の可能性を、非常に最小化する。好ましい実施態様では、キャプシドタンパク質を、1つの安定に形質転換したカセットから発現し、そしてエンベロープ糖タンパク質を、第2の安定に形質転換したカセットから一緒に発現し、そしてそれぞれを、連結領域プロモーター(上記)からベクター誘導性様式で発現する。
【0377】
例えば、シンドビスウイルスキャプシドタンパク質遺伝子を、隣接するXho
I部位およびキャプシドタンパク質遺伝子開始コドンまたは隣接するNot I部位および翻訳停止コドンを含むように設計された以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、1.5分間伸長での標準的3サイクルPCRによって、プラスミドpDLTRSINg(Dubenskyら,同上)から増幅した。
正方向プライマー:SIN5’CXho(5’制限部位/キャプシド配列)(配列番号68)
5’−ATATACTCGAG/ACCACCACCATGAATAGAGGATTC
逆方向プライマー:SIN3’CNot(5’制限部位/停止コドン/キャプシド配列)(配列番号69)
5’−TATATGCGGCCGC/TATTA/CCACTCTTCTGTCCCTTCCGGGGT。
【0378】
増幅後、キャプシドDNAフラグメントを、QIAquick−Spinで精製し、Xho IおよびNot Iで消化し、GENECLEAN IIを使用して精製し、そしてまたXho IおよびNot Iで消化してそのルシフェラーゼレポーター遺伝子インサートを除去し、アルカリホスファターゼで処理し、そしてGENECLEAN IIを使用して0.7%アガロースゲルから精製された、DNAに基づくシンドビス発現ベクターpDCMVSIN−luc(Dubenskyら、同上)に連結した。得られるキャプシドタンパク質発現構築物を、pDCMVSIN−Cと命名した。プラスミドpDCMVSIN−Cを、その後、BspE Iで消化してほとんどの非構造タンパク質遺伝子配列を除去し、そして希釈条件下でそれ自体に再連結して、DHベクター構築物pDCMVSINdl−Cを作製した。
【0379】
あるいは、ベクター骨格を、987DHBBについて既述のRSVプロモーターおよび/または5’末端tRNA配列を含むように、最初に改変し得る。詳細には、これを、開始物質としてプラスミドpBGSV3’(上記を参照のこと)を使用して段階的置換によって行った。連結領域プロモーター+Xho IおよびNot Iクローニング部位を、pDCMVSIN−luc(上記を参照のこと)からのルシフェラーゼレポーター含有フラグメントとして得た。プラスミドpDCMVSIN−lucを、Bam HIおよびFsp Iで消化し、そしてルシフェラーゼレポーター含有フラグメントを、GENECLEAN IIを使用して0.7%アガロースゲルから精製した。フラグメントを、これもまたBam HIおよびFsp Iで消化し、そしてアルカリホスファターゼで処理されたプラスミドpBGSV3’に連結して、pBGSV3’BaFLucと命名したプラスミドを生成した。次いで、RSVプロモーター/5’末端tRNA配列を、Bgl IIおよびBam HIでの消化ならびにGENECLEAN IIを使用する1%アガロースゲルからの精製によって987DHBBから得た。このフラグメントを、同様にBgl
IIおよびBam HIで消化したpBGSV3’BaFLucに連結して、構築物pBRSV987dl−Lucを生成し、これは、キャプシドまたはエンベロープ糖タンパク質のいずれかの発現構築物のための開始物質として使用され得る。
【0380】
RSVプロモーターおよびtRNA 5’末端配列を有するキャプシド遺伝子発現構築物を生成するために、現存するルシフェラーゼレポーター遺伝子インサートを、Xho IおよびNot Iでの消化によって除去し、そしてこれもまたXho IおよびNot
Iで消化されたPCR増幅されたキャプシドタンパク質遺伝子(上記を参照のこと)と置換した。得られる構築物を、pBRSV987dl−Cと命名した。非構造タンパク質遺伝子欠失の領域へのネオマイシンホスホトランスフェラーゼ選択マーカーの挿入を、BspE IおよびBam HIでの消化、ならびに、これもまたBspE IおよびBam HIで消化し、そして1%アガロースゲルから精製されPCR増幅されたneor
伝子(上記を参照のこと)との置換によって達成した。得られる構築物を、pBRSV987dlneo−Cと命名し、そして図21Bに概略的に示す。
【0381】
ネオマイシン耐性選択マーカーを含む、プラスミドpDCMVSINdl−CおよびpBRSV987dlneo−Cを、製造業者によって記載のように、Lipofectamineを使用してBHK−21細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの約24時間後に、細胞をトリプシン処理し、そして600ug/mlの薬物G418(ネオマイシン)を含む培地に再プレーティングした。培地を、新鮮なG418含有培地と定期的に交換し、そして耐性細胞の増殖巣を増殖させた。細胞をトリプシン処理し、そして96ウェル組織培養ディッシュ中で限界希釈によってクローニングし、そして個々の細胞クローンを増殖し、そしてスクリーニングのために広げた。投入ベクターに応じてキャプシドタンパク質を誘導的に発現した細胞を、シンドビスルシフェラーゼベクターRNAまたはシンドビスβ−ガラクトシダーゼDNAベクターでトランスフェクトし、トランスフェクションの約24または48時間後に細胞溶解物を作成し、そしてウサギ抗シンドビスポリクローナル抗体を用いるウエスタンブロット分析を行うことによって同定した。キャプシドタンパク質遺伝子発現カセットの組込まれたコピーを有しそしてタンパク質を誘導的に発現するいくつかのポジティブ細胞クローンを同定し、そして図21Dに示す。
【0382】
「分断構造遺伝子」カセットの状況において発現したキャプシドの誘導性および機能性の両方を証明するために、シンドビスウイルスエンベロープ糖タンパク質を発現したさらなる構築物を、pDCMVSIN−lucから生成した。簡単にいえば、シンドビスエンベロープ糖タンパク質遺伝子を、2.5分間伸長の標準的3サイクルPCRによって、ならびに良好なKozakの状況で隣接するXho I部位および翻訳開始コドン、または隣接するNot I部位および翻訳停止コドンを含むように設計される以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、プラスミドpDLTRSINgから増幅した。
正方向プライマー:5’GLYCO−X(5’制限部位/開始コドン/糖タンパク質配列)(配列番号70)
5’−ATATACTCGAG/AGCAATG/TCCGCAGCACCACTGGTCACGGCA
逆方向プライマー:3’GLYCO−N(5’制限部位/糖タンパク質配列)(配列番号71)
5’−ATATAGGCGGCCGC/TCATCTTCGTGTGCTAGTCAGCATC。
【0383】
増幅後、糖タンパク質遺伝子DNAフラグメントを、QIAquick−spinで精製し、Xho IおよびNot Iで消化し、GENECLEAN IIを使用して精製し、そしてこれもまたXho IおよびNot Iで消化してそのルシフェラーゼレポーター遺伝子インサートを除去し、アルカリホスファターゼで処理し、そしてGENECLEAN IIを使用して0.7%アガロースゲルから精製されたDNAに基づくシンドビス発現ベクターpDCMVSIN−lucに連結した。得られる糖タンパク質発現構築物を、pDCMVSIN1.5PEと命名した。
【0384】
図21Cは、2つの異なるクローンのキャプシド株(9−3および9−9)細胞株のベクター制御した誘導性を証明するウエスタンブロットであり、これを、Lipofectamineを使用して、エンベロープ糖タンパク質(1.5PEレーン)またはβ−ガラクトシダーゼレポーターのpDCMVSIN−β−gal(Dubenskyら,同上;1.5β−galレーン)、またはトランスフェクトした「模擬(mock)」(Mレーン)を発現するシンドビスDNAベクターでトランスフェクトした。細胞溶解物を、トランスフェクション48時間後に作製し、SDS−PAGEによって分離し、そしてメンブランにトランスファーし、ここで、細胞溶解物を、シンドビス構造タンパク質およびβ−ガラクトシダーゼに特異的な抗体の組み合わせを用いてプローブした。ブロットは、いずれかのベクターによって供給される非構造タンパク質に応じてキャプシドタンパク質の誘導性、ならびにβ−ガラクトシダーゼおよびエンベロープ糖タンパク質の発現を明らかに示す。相補性およびベクター粒子パッケージングによる、「分断構造遺伝子」キャプシド細胞株の機能性を、Lipofectamineを使用してキャプシド細胞株にβ−ガラクトシダーゼおよびエンベロープ糖タンパク質ベクターを同時トランスフェクトし、そして培養上清においてパッケージした粒子についてアッセイすることによって証明した。トランスフェクションの約48時間後に、上清を採取し、そしてパッケージングアッセイおよびベクター力価決定のために澄明にした。さらに、細胞を、Lameli試料緩衝液を使用して溶解し、そしてポリクローナル抗シンドビス抗体を用いるウエスタンブロット分析によって試験し、これは、キャプシドタンパク質およびエンベロープ糖タンパク質を供給したベクターの両方の発現を証明した。次いで、上清を、約18時間未処置のBHK細胞を感染させ、そしてこの実施例に既述のように、β−galレポーター遺伝子発現について染色することによって、パッケージングされたベクター粒子の存在について試験した。相補性およびパッケージングについての細胞株の機能性を、青色染色したβ−gal発現細胞の観察によって証明した。
【0385】
キャプシドタンパク質およびエンベロープ糖タンパク質の両方について別々のベクター誘導性発現カセットを有する安定な「分断構造遺伝子」PCLを生成するために、上記のキャプシド細胞株のいずれかを、異なる選択マーカー(例えば、ハイグロマイシンB耐性)を含むさらなるエンベロープ糖タンパク質発現構築物とともに、使用し得る。1つの例では、pBRSV987dl−Lucを、開始物質として使用して、RSVプロモーターおよびtRNA 5’末端配列を有する糖タンパク質遺伝子発現構築物を生成した。pBRSV987dl−Lucの現存するルシフェラーゼレポーター遺伝子インサートを、Xho IおよびNot Iでの消化によって除去し、そしてこれもまたXho IおよびNot Iで消化し、そして0.7%アガロースゲルから精製されたPCR増幅した糖タンパク質遺伝子(pE2/E1)産物(上記を参照のこと)と置換した。得られる構築物を、pBRSV987dl−Glycoと命名した。非構造タンパク質遺伝子欠損の領域へのハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ選択マーカーの挿入を、BspE IによるプラスミドpBRSV987dl−Glycoの消化、クレノウによる平滑末端化、およびBam HIによるさらなる消化することによって行った。ハイグロマイシンr
ンサートを、EcoR VおよびBamH Iで消化し、そして調製したpBRSV987dl−Glycoベクターに連結したPCR増幅した産物(上記を参照のこと)として得た。この構築物を、RNA放出エレメントを含むようにさらに改変した。PRE配列を、実施例5に記載のように、ADWウイルス株の全長ゲノムクローンpAM6(ATCC番号39630)からHBVのPCR生成した564bpフラグメントを最初に単離することによって挿入した。増幅および精製後、精製したHBV PREフラグメントを、pCR−Blunt(INVITROGEN,San Diego,CA)プラスミドベクターにクローニングして、構築物pHBV−PREを得た。次いで、HBV PREエレメントを、Not Iでの消化および2%アガロースゲル電気泳動によってpHBV−PREから単離し、そしてこれもまたNot Iで消化しそしてCIAPで処理されたpBRSV987dl−Glycoに由来するハイグロマイシン耐性マーカー含有構築物に連結して、最終構築物、pBRSV987dlhyg−Glycoを得た。
【0386】
ある実施態様では、同種または異種アルファウイルスのキャプシド遺伝子配列に由来し得る翻訳増強エレメントも含むことが所望であり得る。ロス川ウイルス翻訳エンハンサーの含有のために、適切な配列は、実施例8に記載のDH−BB
CΔ3rrv構築物から得られ得る。詳細には、DH−BB CΔ3rrvを、Bam
HIおよびBsi WIで消化し、そして連結領域プロモーター、ロス川ウイルス翻訳エンハンサー、およびpE2遺伝子のアミノ末端配列を含むフラグメントを、1.2%アガロースゲルおよびGENECLEAN IIを使用して単離した。このフラグメントを、Bam HIおよびBsi WIで同様に消化したプラスミドpBRSV987dlhyg−Glycoに連結して、pBRSV987dlhyg−rrv−Glycoと命名した発現カセットを産生し、そして図21Bに概略的に示した。
【0387】
あるいは、プラスミドpBG/SIN−1 ELVS 1.5−β−gal(実施例5)を、BamH IおよびFsp Iでの消化によって、開始物質として使用して、連結領域プロモーター、β−galレポーター遺伝子、およびいくつかの3’末端配列を含む配列を単離し得る。所望のフラグメントを、GENECLEAN IIを使用して1%アガロースゲルから精製し、そしてこれもまたBam HIおよびFsp Iで消化してすべての構造タンパク質遺伝子配列を除去し、アルカリホスファターゼで処理し、そしてGENECLEAN IIを使用して0.7%アガロースゲルから精製されたプラスミドpBGSVCMVdlneo(上記を参照のこと)に連結する。得られる構築物を、pBGSVCMVdlsP−lucと命名する。プラスミドpBGSVCMVdlsP−lucを、次に、Xho IおよびNot Iで消化して、ルシフェラーゼレポーター遺伝子を除去し、アルカリホスファターゼで処理し、そしてGENECLEAN
IIを使用して0.7%アガロースゲルから精製し、そして上記のものからのXho IおよびNot I消化したエンベロープ糖タンパク質PCRアンプリコンを、その後、消化したpBGSVCMVdlsP−lucベクターに連結して、エンベロープ糖タンパク質を発現するDH構築物、pBGSVCMVdl−Gを生成する。このプラスミドへの、ハイグロマイシン耐性マーカーカセット、ならびに隣接するHSV TKプロモーターおよびポリアデニル化配列の挿入を、2.5分間伸長を用いる標準的3サイクルプロトコル、テンプレートとしてのプラスミドpDR2(Clontech,Palo Alto,CA)、および隣接するPac I部位を含むように設計される以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、PCR増幅によって達成する。
正方向プライマー:5’HYGRO/Pro−P(5’制限部位/pDR2配列)(配列番号72)
5’−ACACATTAATTAA/CGATGCCGCCGGAAGCGAGAA
逆方向プライマー:3’HYGRO/pA−P(5’制限部位/pDR2配列)(配列番号73)
5’−ACACATTAATTAA/GTATTGGCCCCAATGGGGTCT。
【0388】
増幅後、DNAフラグメントを、QIAquick−spinで精製し、Pac Iで消化し、GENECLEAN IIを使用して精製し、そしてこれもまたPac Iで消化し、アルカリホスファターゼで処理し、そしてGENECLEAN IIを使用して精製されたプラスミドpBGSVCMVdl−Gに連結する。得られる構築物を、pBGSVhygro−Gと命名する。
【0389】
ハイグロマイシン選択マーカーを含む、プラスミドpBRSV987dlhyg−rrv−Glycoを、製造業者によって記載のように、Lipofectamineを使用してクローンキャプシド細胞株にトランスフェクトした。トランスフェクションの約24時間後に、細胞をトリプシン処理し、そして500ug/mlのハイグロマイシン(Calbiochem,La Jolla,CA)を含む培地に再プレーティングした。培地を、新鮮なハイグロマイシン含有培地で定期的に交換し、そして耐性細胞の増殖巣を増殖させた。細胞をトリプシン処理し、そして96ウェル組織培養ディッシュにおいて限定希釈によってクローニングし、そして個々の細胞クローンを増殖させそしてスクリーニングのために広げた。この方法で誘導した分断構造遺伝子PCLを、C/GLYCO PCLと命名した。投入ベクターに応じて生物学的に活性なキャプシドタンパク質およびエンベロープ糖タンパク質を誘導的に発現するポジティブ細胞を、2つの方法で同定した。最初に、発現実験のトランスファーを行って、トランスフェクトされたベクター分子が、構造タンパク質発現を誘導し得、次に未処置の細胞を感染させるために使用され得るベクター粒子のパッケージングおよび分泌を生じることを、証明した。β−ガラクトシダーゼを発現するシンドビスウイルスプラスミドDNAベクターを、2つの独立して選択されたプール(図26B、プールCおよびE)に由来する潜在的C/GLYCO PCLクローンのパネルにトランスフェクトした。トランスフェクション48時間後に、上清を採取し、そしてさらに18時間、未処置のBHK−21細胞に感染させるために使用した。感染した細胞溶解物を採取し、そして酵素的β−ガラクトシダーゼ活性を決定した。図に示すように、いくつかのクローンは、ベクターをパッケージし得、未処置の細胞へのベクターの高レベルのトランスファーを生じた。第2の実験では、トランスフェクトされたPCLを溶解し、そして既述のようにウエスタンブロット分析に供した。図26Cに示すように、キャプシドおよびエンベロープ糖タンパク質の両方の誘導は、PCLへのベクターの導入後に生じる。
【0390】
(D.「ハイブリッド」構造タンパク質を有するPCLの構築)
DHとベクターRNAとの間の同時パッケージングまたは組換えのレベルを減少させるために、糖タンパク質遺伝子の翻訳を増強させるために、あるいはパッケージングされた組換えアルファウイルスベクター粒子の細胞または組織特異性を変化させるために、利用され得るさらなるアプローチは、他のアルファウイルスまたはトガウイルスに由来する構造タンパク質遺伝子を使用する。より詳細には、シンドビスウイルスまたは異なるアルファウイルスベクターとの使用のためのアルファウイルスまたはトガウイルス構造タンパク質遺伝子の多くの組み合わせを想定し得る。例えば、Ross Riverウイルス(RRV)のキャプシドタンパク質遺伝子を、(同じまたは異なる構築物から発現される)シンドビスウイルスのエンベロープ糖タンパク質遺伝子とともに使用して、実施例3、4、または5に記載のシンドビスウイルス由来ベクターをパッケージングし得る。さらに、RRVキャプシドタンパク質遺伝子の欠失した形態を、シンドビス糖タンパク質遺伝子配列のすぐ上流に配置して、翻訳エンハンサーエレメントとして機能し得る。別の実施例として、シンドビスウイルスの構造タンパク質を使用して、セムリキ森林ウイルスRNAベクターをパッケージングし得る。
【0391】
詳細には、欠損ヘルパー(DH)構造タンパク質構築物は、以下の未処理または欠失した形態を含む。
【0392】
【表28】

PCR反応を、30秒間伸長およびVentポリメラーゼでの標準的3サイクルプロトコルで、以下に示すプライマー対を使用して行って、これも以下に示す対応するDNAフラグメントを産生した。
PCRフラグメント:プライマー対、プラスミドテンプレート
フラグメント1:pr1+pr2,RRV6415プラスミド
フラグメント2:pr3+pr4,RRV6415プラスミド
フラグメント3:pr5+pr6,RRV6415プラスミド
フラグメント4:pr3+pr7,RRV6415プラスミド
フラグメント5:pr4+pr8,RRV6415プラスミド
フラグメント6:pr9+pr10,Toto1101プラスミド
フラグメント7:pr11+pr12,Toto1101プラスミド
増幅後、PCR産物を所定の酵素で消化し、そしてpUC18プラスミドアナログpRS2(これは、さらなるポリリンカー部位を含み、そしてまた同じ酵素組み合わせで消化されている)に連結した。:フラグメント1をEcoR I+Hind IIIで切断し;フラグメント2をBamH I+Hind IIIで切断し;フラグメント3をBamH
I+Hind IIIで切断し;フラグメント4をBamH I+Afl IIで切断し;フラグメント5をHind III+Afl IIで切断し;フラグメント6をBamH I+Hind IIIで切断し;そしてフラグメント7をBamH I+Bsu 36Iで切断した。すべての挿入物を配列決定して、人工物がPCR中に獲得されていないことを確認した。
【0393】
その後、フラグメントを、以下に示す酵素を使用してpRS2プラスミドから放出し、そして構築物の次のセットを生成するために示すように正確に連結した。FR8を生成するために、フラグメント6(Bam HIおよびAva IIによって切断した)を、フラグメント1(Ava IIおよびNci Iによって切断した)、フラグメント2(Nci IおよびHind IIIによって切断した)、およびプラスミドpRS2(Bam HIおよびHind IIIによって切断した)と連結した。FR9を生成するために、フラグメント6(BamH IおよびAva IIによって切断した)を、フラグメント1(Ava IIおよびNci Iによって切断した)、フラグメント4(Nci IおよびAfl IIによって切断した)、およびプラスミドpRS2(BamH IおよびAfl IIによって切断した)と連結した。FR10を生成するために、フラグメント5(Afl IIおよびApaL Iによって切断した)を、フラグメント3(ApaL IおよびHind IIIによって切断した)、およびプラスミドpRS2(Afl IIおよびHind IIIによって切断した)と連結した。E.coliの形質転換後、制限分析によって分析し、そしてその挿入物を、再び消化によって単離し、そしてクローニングの次の工程のために使用した。
【0394】
FR8インサート(BamH IおよびApaL Iによって切断した)を、フラグメント3(ApaL IおよびBspM IIによって切断した)、フラグメント7(BspM IIおよびBsu36 Iによって切断した)、およびプラスミドDH−BB(BamH IおよびBsu36 Iによって切断した)と連結した。同じフラグメントをまた使用して、プラスミドDH−BB(5’SIN)のBamH I−Bsu36 Iフラグメントを置換した。得られるプラスミドを、それぞれ、DH−BB CrrvおよびDH−BB(5’SIN)Crrvと命名した(図23を参照のこと)。FR9インサート(BamH IおよびAfl IIによって切断した)を、FR10インサート(Afl
IIおよびBspM IIによって切断した)、フラグメント7(BspM IIおよびBsu36 Iによって切断した)、およびプラスミドDH−BB(BamH
IおよびBsu36 Iによって切断した)と連結した。同じフラグメントをまた使用して、プラスミドDH−BB(5’SIN)のBamH I−Bsu36 Iフラグメントを置換した。得られるプラスミドを、DH−BB CΔrrvおよびDH−BB(5’SIN) CΔrrvと命名した(図23を参照のこと)。
【0395】
キメラ構造タンパク質遺伝子を含むDH構築物についての複数使用は可能であり、そして2つのこのようなアプローチを、図24および25に示す。図24では、インタクトなロス川キャプシドタンパク質遺伝子を、欠損ヘルパー構築物の一部として、シンドビス糖タンパク質遺伝子配列(DH−BB CrrvまたはDH−BB(5’SIN) Crrv)と連結し、そしてシンドビスレポーターRNAベクターレプリコンと同時トランスフェクトして、組換えアルファウイルス粒子へのパッケージングを証明する(図26)。図25では、ロス川キャプシドタンパク質遺伝子の欠失形態を、翻訳エンハンサー、およびDH構築物の一部として、シンドビスウイルス糖タンパク質遺伝子配列(DH−BB CΔrrvおよびDH−BB(5’SIN) CΔrrv)と連結するが、シンドビスキャプシドタンパク質遺伝子を、第2のDH構築物から発現する。DH構築物の両方を、シンドビスレポーターRNAベクターレプリコンと同時トランスフェクトして、組換えアルファウイルス粒子へのパッケージングを証明する(図26)。さらに、ロス川キャプシドタンパク質遺伝子を、1つのDH構築物から単独で発現し得るが、シンドビス糖タンパク質を、パッケージングにおける使用のために、別のものから発現させる。この知見および構造タンパク質遺伝子配列を誘導するためのいくつかの他のアルファウイルスの利用可能性を使用して、多数の異なるタンパク質の組み合わせを、類似のアプローチで生成し得る。
【0396】
あるいは、1つのアルファウイルス、またはトガウイルス科の他のメンバー(例えば、風疹ウイルス)からの構造タンパク質遺伝子の全体の相補物を使用して、SFVベクターおよびシンドビス構造タンパク質について上記に示すように、別のものに由来するRNAベクターをパッケージし得る。代替的な実施態様では、ベネズエラウマ脳炎(VEE)ウイルスからの構造タンパク質遺伝子を使用して、シンドビスウイルス由来ベクター(野生型あるいは実施例4または5に記載の表現型を提示する)をパッケージングし得る。このような方法は、宿主巨大分子合成の遅延した阻害、減少した阻害、または無阻害のような、本発明の所望の特性を提示するベクターRNAを含む組換えアルファウイルス粒子、および組換え粒子の向性を向け直す構造タンパク質を提供する。ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEE)は、そのシンドビスウイルス対応物とは異なり、リンパ系起源の細胞についての向性を示すアルファウイルスである。したがって、VEE構造タンパク質を発現する細胞株によってパッケージングされるシンドビス由来ベクター構築物は、パッケージング細胞構造タンパク質遺伝子カセットを得た親のVEEウイルスと同じリンパ親和性特性を提示する。
【0397】
詳細には、VEEウイルスのトリニダードロバ株(ATCC #VR−69)を、BHK−21細胞で増殖させ、そしてビリオンRNAを、実施例1に記載の手順と類似の手順を使用して抽出する。全体の構造タンパク質コード領域を、5’末端が、それぞれ、周囲のコザックコンセンサス配列を含むオーセンティックなAUG翻訳開始部位、およびUGA翻訳停止部位に位置するプライマー対とのPCRによって増幅する。正方向プライマーは、VEEヌクレオチド7553〜7579に相補的であり、そして逆方向プライマーは、VEEヌクレオチド11206〜11186に相補的である(Kinneyら,Virology 170:19−30,1989からの配列)。構造タンパク質遺伝子に対応するVEE cDNAのPCR増幅を、上記のような逆転写酵素−PCRプロトコル、テンプレートとしてのVEEゲノムRNA、および隣接するXho IおよびNot I部位を含む以下のオリゴヌクレオチド対を使用して達成する:
正方向プライマー:VEE 7553F(5’制限部位/VEEキャプシド配列)(配列番号86)
5’−TATATATATCTCGAGACCGCCAAGATGTTCCCGTTCCAGCCA−3’
逆方向プライマー:VEE 11206R(5’制限部位/VEE E1糖タンパク質配列)(配列番号87)
5’−TATATATATGCGGCCGCTCAATTATGTTTCTGGTTGGT−3’。
【0398】
PCR増幅後、約3800bpフラグメントを、GENECLEAN IIを使用して0.7%アガロースゲルから精製し、そしてXho IおよびNot Iで消化する。得られるフラグメントを、次いで、これもまた、Xho IおよびNot Iで消化してそのルシフェラーゼレポーター遺伝子インサートを除去し、アルカリホスファターゼで処理し、そしてGENECLEAN IIを使用して0.7%アガロースゲルから精製された、DNAベースのシンドビス発現ベクターpDCMVSIN−luc(上記を参照のこと)に連結する。得られるVEE構造タンパク質発現構築物を、pDCMV−VEEspと命名する。その後、プラスミドpDCMV−VEEspを、限定部分消化条件下で、BspE Iで消化して、大部分の非構造タンパク質遺伝子配列を除去し、そして構造タンパク質発現DHベクター構築物、pDCMV−VEEdlを作製するために再連結する。
【0399】
ネオマイシン耐性マーカーも含むプラスミドpDCMV−VEEdlを、製造業者によって記載のように、Lipofectamineを使用してBHK細胞にトランスフェクトする。トランスフェクションの約24時間後に、細胞をトリプシン処理し、そして600μg/mlの薬物G418を含む培地中に再プレーティングする。培地を、新鮮なG418含有培地と定期的に交換し、そして耐性細胞の増殖巣を増殖させる。細胞をトリプシン処理し、そして96ウェル組織培養ディッシュ中で限界希釈によってクローニングし、そして個々の細胞クローンを増殖させ、そしてスクリーニングのために広げた。投入ベクターに応じてVEE構造タンパク質を誘導的に発現する細胞を、シンドビスルシフェラーゼベクターRNAでトランスフェクトし、そして既述のように、細胞溶解物中のVEE構造タンパク質発現または上清中のパッケージされたルシフェラーゼベクターについてアッセイすることによって同定する。VEEの改変体、または他のアルファウイルスおよび組織向性が異なるその改変体から得た構造タンパク質遺伝子も、このアプローチに従う場合、有用である。さらに、分断構造遺伝子PCLを含む、この実施例に記載の種々の構造タンパク質遺伝子発現カセット立体配置のそれぞれが使用され得る。
【0400】
(E.PCLからのパッケージングされたアルファウイルスベクターの産生)
この実施例全体を通して記載されるアルファウイルス由来PCLは、組換えアルファウイルス粒子ストックを産生するための多くの種々の方法で使用され得、そしてRNAまたはDNA分子のいずれかのトランスフェクションによるベクターの導入、これまでに産生されたパッケージングされたベクター含有粒子による感染、または安定に形質転換した発現カセットからベクターの細胞内産生を含む。ベクター粒子の産生についてのアルファウイルスPCLの有用性を、最初に、レポーターベクター構築物で証明し、そして後で、所望の異種配列を発現する任意の他のベクター構築物に適用し得る。例えば、パッケージングされたシンドビスβ−galベクター粒子のストックを、(LiljestromおよびGaroff,Bio/Technology 9:1356−1361,1991)に記載の手順を使用して、5〜10ug pKSSIN−1−BV−β−galまたは−ルシフェラーゼRNA(実施例4)あるいはpBG/SIN−1 ELVS 1.5−β−galまたは−ルシフェラーゼDNA(実施例5)を用いる、約107アルファウイル
スC/GLYCOまたは他のPCL細胞(上記を、および例えば、図15、17、18を参照のこと)のエレクトロポレーションによって得る。トランスフェクトしたPCLを、所望の温度(例えば、37℃)で、およびトランスフェクション約48時間後にインキュベートし、上清を採取し、そして0.45ミクロンフィルターを通過させることによって澄明にする。さらなる処方を、本発明の詳細な説明に例示するパラメータを使用して行い得る。
【0401】
あるいは、パッケージングされた組換えアルファウイルス粒子のストック(上記のようなPCLを使用して、またはベクターおよびDH構築物の同時トランスフェクションによって得たもの)を使用して、さらなる増幅のために、PCLの未処置の培養物に感染させる。例えば、5×107のアルファウイルスC/GLYCOまたは他のPCL細胞に、約
1感染ユニット/細胞の感染多重度(MOI)でのパッケージングされたpKSSIN−1−BV−β−galベクターのストックに感染させる。細胞質に達する際に、RNAベクターを送達した粒子を、自己触媒的に増幅し、そしてさらなる子孫粒子にパッケージングする。所望の温度(例えば、37℃)での約48時間のインキュベーション後、培養上清を採取し、0.45ミクロンフィルターを通過させることによって澄明にし、そして所望のように処方する。
【0402】
パッケージングされた組換えアルファウイルスベクター粒子をさらに増幅するPCLの能力を利用するなお別の方法では、パッケージングされた粒子のストックを使用して、ベクター含有PCL(ベクター産生細胞、図27)の作業細胞バンクを作製するためにPCLの未処置の培養物に感染させ、これを、その後PCLの別の未処置の培養物を播種するために使用し得る。例えば、このような作業細胞バンクを、アルファウイルスC/GLYCOまたはM.O.I.=5でのパッケージングされたベクターストックを有する他のPCL細胞の感染によって得る。感染約2〜3時間後に、ベクター含有PCLを穏やかに脱着し、そして細胞数を測定する。ベクター含有PCLを、この時点で直接使用し得るか、またはアリコートにしそしてベクター産生細胞バンクとして液体N2中で貯蔵する。所望
の場合、細胞を、大量の高力価のパッケージングされたベクター粒子の産生のために、1000の新鮮なPCL当たり約1のベクター産生細胞の比で、未処置のアルファウイルスC/GLYCOまたは他のPCLの先に増殖中の培養物に直接播種する。培養上清のアリコートを、最大組換えアルファウイルス粒子産生の時間を決定するために同時培養後の種々の時間で採取し、そしてその時間を、上記のように、さらなる採取、精製、および処方について選択する。ベクター産生細胞を使用する同じ逐次的な増幅方法論は、任意の所望の組換えタンパク質の大規模産生のために有用である(図27)。組換えタンパク質の産生のために、上清または細胞溶解物を、組換えタンパク質の性質に依存して、採取し得る。
【0403】
パッケージングされた組換えアルファウイルス粒子の高力価または大規模ストックを産生するためのなお別の方法では、所望の発現ベクターを、本明細書に記載のように、普通に受容された試薬または方法(例えば、それぞれ、LipofectinまたはLipofectamine、あるいは低MOI[≦0.1]でのベクターウイルスによる感染)を使用するインビトロ転写したRNAまたはプラスミドDNAベクターのトランスフェクションによって、1〜5%の未処置のアルファウイルスPCL培養物中に導入する。ベクターを導入した最初の細胞によって産生される組換えベクター粒子は、その後、培養物中で他の未処置のパッケージング細胞に感染し、これは次に、さらに多くのパッケージングされた粒子を産生する。一時的増幅のこのプロセスは、パッケージングされた組換えアルファウイルス粒子を、PCL培養物のすべての細胞中で産生するまで持続する。
【0404】
増幅プロセスを、図26Dおよび28で証明する。ELVS 1.5−β−galプラスミドDNAを、987DHBBNeoパッケージング細胞にまたはBHK−21細胞にトランスフェクトし、そして細胞溶解物に存在するβ−ガラクトシダーゼのレベルを、トランスフェクション後の所定の時間に、既述のように測定した。BHK−21細胞では、β−ガラクトシダーゼ発現のレベルは、感染後約48時間までに最大に達し、そしてプラトーになった。対照的に、β−ガラクトシダーゼ発現のレベルは、ELVS 1.5−β−galトランスフェクトされた987DHBBNeo PCL培養物においてより長い時間にわたり増加し続け、これは、組換えベクター粒子増幅プロセス、および培養物の細胞のすべてにおけるβ−ガラクトシダーゼの最終的発現を反映した。さらに、シンドビスベクター粒子を用いる分断構造遺伝子PCLの感染(図26D)はまた、粒子増幅を生じた。すべての場合では、組換えアルファウイルスベクター粒子のストックを、本明細書に記載の方法のいずれかを使用して、薬学的に受容可能であるように処方し得る。
【0405】
(実施例7:アルファウイルス産生細胞株の構築)
上記で述べたように、宿主細胞の高分子合成の阻害が低減するか、遅延するか、または高分子合成を阻害しないDNAを基礎にしたアルファウイルスベクターの構築と組み合わせたアルファウイルスPCLの生成は(実施例1、2、4、および5)、アルファウイルスベクター産生細胞株を得るための比較的簡単な機構を提供する。本発明のある実施態様においては、ベクター産生細胞株は、1つ以上の安定に形質転換された構造タンパク質遺伝子発現カセット、およびトランスフェクトされたか、形質導入されたか、または細胞内に産生された、上記の表現型を持つアルファウイルスRNA発現ベクター分子も含み、パッケージングされたベクター粒子を産生する。好ましい実施態様では、RNAベクターレプリコンは、組み込まれた形態またはエピソームDNAのいずれかとして存在する、安定に形質転換されたDNA分子(真核生物層状(layered)ベクター開始システム)から、所望の時間に与えられる1つ以上の刺激によって誘導的に制御されるベクターRNAの転写によって、細胞内で産生される。この型のアルファウイルス産生細胞株の構成は、本質的に、次のような事象のカスケードを引き起こす。すなわち、ベクターRNAの誘導による産生およびその結果としての自己触媒的なRNAの細胞質増幅、ベクターが供給する非構造タンパク質による高レベルの構造タンパク質発現の誘導、発現した構造タンパク質によるベクターRNAのパッケージング、およびパッケージングされたベクター粒子の放出を引き起こす。一旦産生細胞集団が所望の数に達したなら、DNA分子からの誘導によるベクターRNAの発現は緊密に調節されることが好ましい。それは、ベクター複製の低レベルの細胞毒性可能性のため、または、非構造タンパク質の合成を制御する必要があるためである。なぜなら、それは+鎖対−鎖ベクターRNAの比の調節に関連するからである。
【0406】
(A.単一レベルの調節を持つアルファウイルスDNAベクター)
本発明のある実施態様においては、DNAを基礎にしたアルファウイルスベクターを提供する。そこでは、所望の時間に刺激を与えることにより調節可能なプロモーターから、自己触媒的増幅能を持つアルファウイルスベクターRNA分子のインビボにおける転写が起こる。そのようなDNAを基礎にしたアルファウイルスベクターを次に、アルファウイルスパッケージング細胞株(PCL)中に安定に形質転換して、誘導可能なアルファウイルス産生細胞株を作成し得る。従って、本明細書中で述べた産生細胞株の構成は「フィードフォワード」システムである。そこでは、1)刺激を細胞に与え、効率的なアルファウイルスベクターRNAの転写を起こす;2)ベクターRNAは自己触媒的に複製し、そして非構造タンパク質を産生する;3)非構造タンパク質が、構造タンパク質発現カセットmRNAの増幅および高レベルの構造タンパク質の発現を刺激する;および4)構造タンパク質が、ベクターRNAと相互作用し、そして次に組換えアルファウイルス粒子のパッケージングが起こり、それが培養培地中に放出される。1つ以上の誘導アルファウイルス構造タンパク質発現カセットで安定に形質転換された、先に記載の任意のアルファウイルスPCLが、産生細胞株を得るための親株になり得る。
【0407】
例えば、図29に示したように、テトラサイクリン応答性プロモーターシステム(GossenおよびBujard、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547−5551、1992)を、アルファウイルスベクターRNAの誘導による転写のために利用し得る。このシステムにおいて、テトラサイクリンリプレッサーおよびHSV−VP16トランスアクチベータードメインの発現は、「融合」タンパク質(rTA)として、最小「コア」プロモーター(例えばCMV)のすぐ隣に位置するテトラサイクリンオペレーター配列(tetO)に特異的に結合することにより、アルファウイルスベクターRNAのインビボにおける転写を刺激する。結合およびトランスアクチベーション事象はテトラサイクリンの存在によって可逆的に阻害され、そして培養培地からテトラサイクリンを除去することによって「スイッチオン」し得る。誘導されていない転写の基礎レベルは異なる細胞型によって違うので、もし転写開始部位が既知であるなら、他の異なった最小コアプロモーター(例えばHSV−tk)をテトラサイクリンオペレーター配列に連結して、アルファウイルスベクターヌクレオチド1のすぐ近傍またはその中に並列で配置し得る。
【0408】
rTAトランスアクチベーターは、同じ細胞株中に安定に形質転換された追加の発現カセットにより提供し;そして、ある実施態様においては、rTA発現カセットはそれ自身自己調節的であり得る。自己調節rTA発現カセットの使用は、発現を、rTA自身が結合している同じtetO連結プロモーターによる転写制御に連結することにより、構成的なrTAの高レベル発現に関連した毒性の問題の可能性を回避する。この型のシステムは、テトラサイクリン存在下でrTAがほとんど産生されないことを保証するが、テトラサイクリンを除去すると高度に活性化されるネガティブフィードバックサイクルを作成する(図29)。そのような自己調節rTA発現カセットは、プラスミドpTet−tTAk中に提供される(Shockettら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
92:6522−6526、1995)。
【0409】
このようなテトラサイクリンで調節されるDNAを基礎にしたアルファウイルスベクターの機能性は、テトラサイクリンオペレーター/CMV最小プロモーターによって駆動される、改変されたSIN−1由来ルシフェラーゼプラスミドベクターを構築することによって証明される。プラスミドpBG/SIN−1 ELVS1.5−luc(実施例4)およびpBGSV3’(実施例6)を出発材料として用い、SIN−1非構造タンパク質をコードする領域の大部分、結合領域部位プロモーターおよびルシフェラーゼレポーター遺伝子、および3’−UTRの一部分を含む約7200bpの断片を、pBG/SIN−1 ELVS1.5−lucをBglIIおよびFspIで消化し、そしてGENECLEANIIを用いて0.7%アガロースゲルから精製することによって単離する。この7200bpの断片を次に、BglIIおよびFspIで消化してアルカリホスファターゼ処理し、GENECLEANIIを用いて0.7%アガロースゲルから精製したプラスミドpBGSV3’に連結する。その結果できた構築物をpBGSVd1B/SIN1−lucと呼ぶ。Sindbisヌクレオチド1−2289に連結した7量体テトラサイクリンオペレーターおよび最小CMVプロモーター(tetO/CMV)を含む残りの配列の挿入を、重複PCRによって、転写がSindbisヌクレオチド1の5’方向の、1つの追加の非ウイルス性ヌクレオチドから始まるように達成する。PCR反応#1では、その配列の約370bpのtetO/CMV部分を、伸長時間30秒の標準的な3サイクルPCRで、鋳型プラスミドpUHC13−3(GossenおよびBujard、前出)から、次のオリゴヌクレオチドプライマー類を用いて増幅する。これらのプライマーは、1つのプライマー上に、隣接するBglIIおよびAscI部位をまた含み、他方に5’−Sindbisヌクレオチドに重複する配列も含むようにプライマーを設計されている。
【0410】
正方向プライマー:5’BAtetOF(5’−制限部位/tetOヌクレオチド)(配列番号88)
5’−TATATAGATCTGGCGCGCC/TTTACCACTCCCTATCAGTGATAG−3’
逆方向プライマー:3’CMVpro/SINR(5’−Sindbisヌクレオチド/CMVヌクレオチド)(配列番号89)
5’−TACGCCGTCAAT/ACGGTTCACTAAACGAGCTCTGC−3’
PCR反応#2では、その配列の2289bpのSindbis 5’末端部分を、伸長時間3分の標準的な3サイクルPCRで、鋳型プラスミドpKSRSIN−1(実施例1)から、次のオリゴヌクレオチドプライマー類を用いて増幅する。これらのプライマー類は、1つのプライマー上に、CMVプロモーターヌクレオチドに重複する配列をまた含むように設計されている。
【0411】
正方向プライマー:CMVSIN5’末端F(5’−CMVヌクレオチド/Sindbisヌクレオチド)(配列番号90)
5’−TAGTGAACCGT/ATTGACGGCGTAGTACACACTATT
逆方向プライマー:SIN2400R(全てのSindbisヌクレオチド)(配列番号91)
5’−CGTTGAGCATAACCGAATCTAC。
【0412】
増幅の次に、DNA断片をQIAquick−spinで精製し、次に伸長時間3.5分の3サイクルPCR反応で、さらなる5’BAtetOFおよびSIN2400Rプライマーを用いて、鋳型として共に使用する。その結果できた約2660bpの重複PCRアンプリコンを、GENECLEAN IIを用いて精製し、BglIIで消化する。そして、これを、同じくBglIIで消化してアルカリホスファターゼ処理し、そして0.7%アガロースゲルからGENECLEAN IIを用いて精製したプラスミドpBGSVd1B/SIN1−lucに連結する。その結果できた構築物をptetSIN1−lucと呼ぶ。目的の他の異種配列を含むベクター構築物を、同様のアプローチを用いて、またはXhoIおよび/またはNotI部位に直接クローニングすることによって生成する。次に、選択可能なE.coli gpt遺伝子(キサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ)発現カセットを生成し、そしてプラスミドptetSIN1−lucの唯一のPacI部位に挿入して、さらなる選択マーカーを提供する。まず、gpt遺伝子オープンリーディングフレームに連結したSV40プロモーターを含む断片を、プラスミドpMAM(Clontech、Palo Alto、CA)から、伸長時間2分の標準的な3サイクルPCRによって、次のオリゴヌクレオチドプライマー類を用いて増幅する。これらのプライマー類は、上流に隣接するSacIおよびPacI部位を、および下流にSacI部位を含むように設計されている。
【0413】
正方向プライマー:SV40proSPF(5’−制限部位/SV40プロモーター配列)(配列番号92)
5’−ATATAGAGCTCTTAATTAA/TCTTTGTGAAGGAACCTTACTTC
逆方向プライマー:3’ECgptR(5’−制限部位/gpt遺伝子配列)(配列番号93)
5’−ATATAGAGCTC/AGGCGTTGAAAAGATTAGCGACCG。
【0414】
増幅の次に、SV40プロモーター/gpt遺伝子DNA断片をQIAquick−spinで精製し、SacIで消化し、GENECLEAN IIを用いて精製する。そして、これを、同じくSacIで消化してアルカリホスファターゼ処理し、そしてGENECLEAN IIを用いて0.7%アガロースゲルから精製したプラスミドpBGS131 dlXhoI−BGHTT(実施例5)に連結する。正しい向きの挿入片を有するクローンを制限分析によって同定する。この構成では、プロモーターおよびgpt遺伝子はウシ成長ホルモン転写終止シグナルのすぐとなりに位置する。その結果できたgpt発現構築物をpBGS131 dlXhoI−gptと呼ぶ。次に、全発現カセットを、プラスミドpBGS131 dlXhoI−gptから、伸長時間2分の標準的な3サイクルPCRによって、次のオリゴヌクレオチドプライマー類を用いて増幅する。これらのプライマー類は、隣接するPacI部位を含むようを設計されている。
【0415】
正方向プライマー:SV40proSPF、上記に示した(配列番号92)
逆方向プライマー:BGHTTpacR(5’−制限部位/BGH配列)(配列番号94)
5’−TATATATTAATTAA/ATAGAATGACACCTACTCAGACAATGCGATGC。
【0416】
増幅の次に、gpt遺伝子発現カセット断片をQIAquick−spinで精製し、PacIで消化し、GENECLEAN IIを用いて精製する。そして、同じくPacIで消化してアルカリホスファターゼ処理し、GENECLEAN IIを用いて0.7%アガロースゲルから精製した、tet誘導性アルファウイルスベクター構築物であるptetSIN1−lucに連結する。その結果できた構築物をptetSIN1gpt−lucと呼ぶ。
【0417】
最初のテトラサイクリン誘導性アルファウイルスベクター産生細胞株を構築するために、ptetSIN1gpt−luc構築物およびテトラサイクリンリプレッサー/VP16トランスアクチベーター(rTA)発現カセットを、所望のアルファウイルスPCL中に安定に形質転換する。例えば、アルファウイルスC/GLYCO PCL細胞(上記より)を、選択マーカーをコードするもう1つのプラスミドと同時にトランスフェクトすることにより、プラスミドpTet−tTAk(上記参照)で安定に形質転換する。プラスミドpTet−tTAkおよびヒスチジノールデヒドロゲナーゼマーカーをコードするpSV2−His(Schatzら、1989、Cell 59:1035−1048)を、C/GLYCO PCL細胞(または他のPCL)中に、それぞれ40:1のモル比で、Lipofectamineを用いて製造会社が述べているように、同時にトランスフェクトする。トランスフェクトして約24時間後、細胞をトリプシン処理して、ヒスチジノールおよび0.5μg/mlのテトラサイクリンを含む培地中で再びプレート培養する。培地を定期的に、新鮮な、薬剤を含む培地と交換し、そして耐性細胞の細胞増殖巣が成育させる。細胞をトリプシン処理し、96ウェル組織培養皿に制限希釈することによってクローン化し、そして成育した個々の細胞クローンをスクリーニングのために増殖させる。、pTet−tTAkを含むパッケージングする陽性細胞クローンを、C/GLYCO/TAk細胞と呼び、tetO/プロモーターの制御下に、テトラサイクリンの存在下または非存在下で、ルシフェラーゼレポータープラスミドpUHC13−3(GossenおよびBujard、前出)をトランスフェクトすることによって同定する。テトラサイクリン非存在下で、陽性C/GLYCO/TAk PCL細胞は、tetO/プロモーターからの誘導および誘導による高レベルのルシフェラーゼを提供する。
【0418】
次に、DNAを基礎にしたアルファウイルスベクター構築物であるptetSIN1gpt−lucを、Lipofectamineを用いて、製造会社が述べているように、C/GLYCO/TAk細胞中に安定にトランスフェクトする。トランスフェクトしてから約24時間後、細胞をトリプシン処理して、特定の細胞型に最適化した(DMEM+10%透析ウシ胎児血清、250μg/mlのキサンチン、15μg/mlのヒポキサンチン、10μg/mlのチミジン、2μg/mlのアミノプテリン、25μg/mlのミコフェノール酸)、および0.5μg/mlのテトラサイクリンを含む選択培地中で再びプ
レート培養する。培地を、定期的に、新鮮な選択培地と交換し、耐性細胞の細胞増殖巣を成長させる。細胞をトリプシン処理し、96ウェル組織培養皿に制限希釈することによってクローン化し、そして成育した個々の細胞クローンをスクリーニングのために増殖させる。ptetSIN1gpt−lucで安定に形質転換された陽性産生細胞株を、テトラサイクリンを培地から少なくとも24時間除去し、そして細胞溶解物中のルシフェラーゼを試験することにより、そしてまた前に述べたように培養上清中のパッケージングされたルシフェラーゼベクターを試験することにより、同定する。
【0419】
(B.2レベルの調節を持つアルファウイルスDNAベクター)
好ましい実施態様において、DNAを基礎にしたアルファウイルスベクター(野生型または宿主の高分子合成の阻害が減少するか、遅延するか、または高分子合成を阻害しない所望の表現型)を構築することが所望され得る。そこでは、自己触媒的に増幅し得るRNAベクター分子の転写が、基礎レベルの転写をすべて排除するために、2レベルの調節によって極めて緊密に制御されるプロモーターから起こる。そのようなアプローチは、1つの誘導可能な成分(例えば、上記からのtetシステム)を可逆的な転写サイレンシング成分と組み合せ得る。例えば、特定のジンクフィンガータンパク質のKRAB抑制領域を使用し得る。
【0420】
簡単に述べれば、KRAB(Kruppel associated box)ドメインは、全KruppelクラスのCys2His2ジンクフィンガータンパク質の3分の1を超えるアミノ末端領域に存在する高度に保存された配列である。この領域は2つの予測された両親媒性αへリックスを含み、DNA結合依存性RNAポリメラーゼII転写リプレッサーとして機能することが示されている(例えば、Lichtら、Nature 346:76−79、1990)。他の転写因子のように、活性な抑制ドメインとDNA結合領域は別個で、かつ分離可能である。従って、リプレッションドメインは、標的するために、融合タンパク質として、あらゆる配列特異的DNA結合タンパク質に連結され得る。理想的には、DNA結合タンパク質成分は、調節可能な様式で、可逆的に結合を阻害し、したがって、転写のサイレンシングをスイッチ「オフ」し得る。例えば、1つの実施態様においては、ヒトKox1由来のKRABドメイン(Thiesen、New Biol.2:363−374、1990)を、DNA結合ラクトース(lac)リプレッサータンパク質に融合し、tet応答性プロモーターのすぐ隣に配置されたlacオペレーター配列に、可逆的な配列特異的結合とともに、ハイブリッド転写サイレンサーを形成する(図30)。この構成においては、lacリプレッサー/KRABドメイン融合(rKR)の構成的発現は、lacオペレーター配列への結合を生じ、そして誘導されないtet応答性プロモーターからの任意の「漏出性」基礎転写が排除される。ベクター発現が所望され、そしてテトラサイクリンがこの系から除去される場合、IPTGを添加してrKRで仲介される転写サイレンシングを防ぐ。
【0421】
それに加えて、他のジンクフィンガータンパク質、例えばZNF133(Tommerupら、Hum.Mol.Genet.2:1571−1575、1993)、ZNF91(Bellefroidら、EMBO J.12:1363−1374、1993)、ZNF2(Rosatiら、Nucleic Acids Res.19:5661−5667、1991)および他のタンパク質由来のKRABドメイン、ならびに他の移入可能なリプレッサードメイン、例えばDrosophilaのenまたはeve遺伝子(JaynesおよびO’Farrell、EMBO J.10:1427−1433、1991;HanおよびManley、Genes Dev.7:491−503、1993)、ヒトジンクフィンガータンパク質YY1(Shiら、Cell 67:377−388、1991)、ウィルムス腫瘍サプレッサータンパク質WT1(Maddenら、Science 253:1550−1553、1991)、甲状腺ホルモン受容体(Baniahmadら、EMBO J.11:1015−1023、1992)、レチノイン酸受容体(Baniahmadら、前出)、Kid−1(Witzgallら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:4514−4518、1994)がこのような系で即座に用いられる。さらに、この系のlacリプレッサー/lacオペレーター成分は、他の供給源、例えばトリプトファンおよびマルトースオペロン、GAL4などに由来する、任意の数の他の制御可能な系で代替し得る。
【0422】
より詳細には,ヒトKox1のKRABドメインと融合したlacリプレッサー(lacI)タンパク質を、タンパク質が核へ戻るのをより効果的に指示するために連結された核局在化配列(NLS:Pro−Lys−Lys−Lys−Arg−Lys(配列番号100);Kalderonら、Cell 39:499−509、1984)とともに含む発現カセットを、重複PCRで構築する。PCR反応#1では、約1100bpのlacI配列を、伸長時間1.5分の標準的な3サイクルPCRで、鋳型プラスミドp3’SS(Stratagene、La Jolla、CA)から、次のオリゴヌクレオチドプライマー類を用いて増幅する。これらのプライマー類は、上流のプライマー上に、隣接するXhoI部位および良好な転写開始関係にあるAUG開始コドンを含み、他方にSV40 largeT抗原核局在化配列も含むように設計されている。
【0423】
正方向プライマー:LacI5’F(5’−制限部位/AUG+lacI配列)(配列番号95)
5’−ATATACTCGAGTAGCA/ATGGTGAAACCAGTAACGTTATAC
逆方向プライマー:LacI3’NLSR(5’−NLS/lacI配列)(配列番号96)
5’−GCCCTTTCTCTTCTTTTTTGG/CTGCCCGCTTTCCAGTCGGGAAAC。
【0424】
PCR反応#2では、ヒトKox1のKRABドメインのアミノ末端121残基を含む約400bpのアンプリコンを、伸長時間1分の標準的な3サイクルPCRで、鋳型プラスミドpKox1(Thiesen、New Biol.2:363−374、1990)から、次のオリゴヌクレオチドプライマー類を用いて増幅する。これらのプライマー類もまた、1つのプライマー上に、配列が重複するNLSおよびlacIを含み、そして他方にSacI制限部位および終止コドンを含むように設計されている。
【0425】
正方向プライマー:KRAB5’F(5’−NLS+lacI重複配列/KRAB配列)(配列番号97)
5’−CCAAAAAAGAAGAGAAAG/GGCGGTGGTGCTTTGTCTCCT
逆方向プライマー:KRAB3’R(5’−制限部位+終止コドン/KRAB配列)(配列番号98)
5’−ATATAGAGCTCTTA/AACTGATGATTTGATTTCAAATGC。
【0426】
増幅の次に、このDNA断片を、QIAquick−spinで精製し、次に伸長時間2.5分の3サイクルPCR反応において、さらなるLacI5’FおよびKRAB3’Rプライマーを用いて、鋳型として共に使用する。その結果できた約1500bpの重複PCRアンプリコンを、GENECLEAN IIを用いて精製し、XhoIおよびSacIで消化する。そして、これを、同じくXhoIおよびSacIで消化してアルカリホスファターゼ処理し、GENECLEAN IIを用いて0.7%アガロースゲルから精製した真核生物発現ベクタープラスミドpEUK−C1(Clontech、Palo Alto、CA)に連結する。その結果できたlacI/KRAB発現構築物をpEUK−rKRと呼ぶ。
【0427】
lacI/KRAB発現カセットを含む安定なPCL形質転換体を生成するために、すでにrTA tet/トランスアクチベーター融合タンパク質カセットでの形質転換について既に選択されたアルファウイルスPCLを、出発材料として使用する。例えば、アルファウイルスC/GLYCO/TAk PCL細胞(上記より)を、選択マーカーをコードするもう1つのプラスミドと同時にトランスフェクトすることによって、プラスミドpEUK−rKRで安定に形質転換する。プラスミドpEUK−rKRおよびピューロマイシンアセチルトランスフェラーゼ選択マーカー(Clontech)をコードするpPURを、C/GLYCO/TAk PCL細胞(または他のPCL)中に、それぞれ40:1のモル比で、Lipofectamineを用いて、製造会社が述べているように、同時にトランスフェクトする。トランスフェクトして約24時間後、細胞をトリプシン処理して、5μg/mlのピューロマイシンおよび0.5μg/mlのテトラサイクリンを含む培地中で再びプレート培養する。培地を、定期的に、新鮮な、薬剤含有培地と交換し、耐性細胞の細胞増殖巣を成育させる。細胞をトリプシン処理し、そして96ウェル組織培養皿に制限希釈してクローン化し、そして成育した個々の細胞クローンをスクリーニングするために増殖させる。pEUK−rKRを含むパッケージングする陽性細胞クローンをC/G/TAk/rKR細胞と呼び、lacIに特異的なポリクローナル抗血清(Stratagene、La Jolla、CA)を用いる免疫染色によって同定する。
【0428】
次に、特異的なlacオペレーター(lacO)配列を、望ましいptetベースのアルファウイルスベクター(上記参照)に挿入しなければならない。例えば、ベクター構築物ptetSIN1gpt−lucを、合成オリゴヌクレオチドリンカーを用いて、lacOの複数のコピーを含むように改変する。LacOオリゴヌクレオチドを、全長22bpのパリンドロームオペレーター配列(Simonsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:1624−1628、1984;Sadlerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:6785−6789、1983)を含み、そして2本鎖分子に自己アニーリングした場合、AscI部位に隣接する、左右対称のlacO配列を含むように設計する。
LacOsymA(配列番号99)
5’−CGCGCCGAATTGTGAGCGCTCACAATTCGG。
【0429】
LacOsymAオリゴは自己アニーリングしてAscI「付着末端」を持つDNA断片を形成し、次にAscIで消化してアルカリホスファターゼ処理し、GENECLEAN IIを用いて、0.7%ゲルから精製したプラスミドptetSIN1gpt−lucにライゲーションする。1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のlacO配列のタンデムなコピーを含むクローンを配列分析によって同定し、pOItetSIN1gpt−luc、pOIItetSIN1gpt−luc、pOIIItetSIN1gpt−luc等と呼ぶ。次に、異なった数のlacOのコピーを持つ個々のクローンを下記に詳述するようにトランスフェクトし、最も厳しいレベルの転写制御について試験する。
【0430】
アルファウイルスベクター産生細胞株を生成するために、DNAベースのpOtetSIN1gpt−lucベクター構築物を、Lipofectamineを用いて、製造業者が記載するように、C/G/TAk/rKR細胞に安定にトランスフェクトする。トランスフェクトしてから約24時間後、細胞をトリプシン処理して、特定の型の細胞に最適化された、0.5μg/mlのテトラサイクリンを含む選択培地(DMEM+10%透析ウシ胎児血清;250μg/mlのキサンチン;15μg/mlのヒポキサンチン;10μg/mlのチミジン;2μg/mlのアミノプテリン;25μg/mlのミコフェノール酸)に、再びプレートする。培養液を定期的に新しい選択培地と交換し、耐性細胞の細胞増殖巣を増殖させる。細胞をトリプシン処理して、96穴組織培養皿に限界希釈することによりクローニングし、増殖した個々の細胞クローンをスクリーニングのために拡大する。pOtetSIN1gpt−luc構築物で安定に形質転換された陽性産生細胞株を、テトラサイクリンを培養液から除去して、そして誘導のために20mMのIPTGを加えてから少なくとも24時間後に、ルシフェラーゼの発現によって同定する(前述)。ルシフェラーゼ活性を、産生細胞溶解物において、および培養上清を用いる移入物の発現実験(transfer−of−expression experiment)の後の両方において決定する。
【0431】
さらなるレベルの制御は、アルファウイルスベクター分子の転写を担うプロモーターに対する、3番目、4番目までもの調節レベルを加えることによって組み込まれ得る。そのようなさらなる調節レベルは、最小(minimal)プロモーターに組み込まれ得、他の誘導システムおよび/または細胞分化の制御に関与し得る。上記のそれぞれの場合、宿主細胞染色体へ組み込まれたものとして、または染色体外のエピソームとして、例えばEBVエピソームベースのベクタープロモーターを用いて(組み込まれない場合)、安定な形質転換を達成し得る。
【0432】
(実施例8:アルファウイルス由来の空またはキメラウイルス粒子の生成方法)
実施例6で示したように、個々の欠損ヘルパー(DH)発現カセットを、複数のアルファウイルスまたはその変異体由来のエレメントを含むように構築し得る。従って、実施例6で記載したように、ウイルス糖タンパク質を発現するための分断構造遺伝子DHカセットを、異なったアルファウイルスの種由来のキャプシドおよび糖タンパク質遺伝子を含むように構築し得る。例えば、そのような異種のアルファウイルス糖タンパク質DHカセットは、ロス川ウイルス(RRV)由来のキャプシド遺伝子およびシンドビスウイルス由来の糖タンパク質遺伝子を含み得る。この構成においては、RRVキャプシド遺伝子は糖タンパク質遺伝子の翻訳レベルを高めるように働く。
【0433】
異種のアルファウイルス糖タンパク質DHカセットについて本明細書中で記載した構成を、ベクターレプリコンのアルファウイルス粒子へのパッケージングを改良し、その上組換えの可能性を減らすように設計し、これによって複製コンピテントアルファウイルスの形成を生じる。異種のアルファウイルス糖タンパク質DH発現カセットは、実施例6(「ゲノム」構造タンパク質遺伝子PCL)において記載したDH発現カセット中のシンドビスウイルスキャプシド遺伝子を、異種のアルファウイルスキャプシド遺伝子(例えばRRV)で代替したものである。分断構造遺伝子PCL中の2番目のDH発現カセットは、例えばシンドビスウイルスキャプシド遺伝子を含む。従って、シンドビスウイルス構造タンパク質を持つ組換えアルファウイルスベクター粒子生成のための分断構造遺伝子PCLは、例えば個々のDH発現カセット上のシンドビスウイルス糖タンパク質遺伝子およびキャプシド遺伝子に由来し得る。
【0434】
シンドビスウイルス由来のキャプシド遺伝子以外は全てのRRVの遺伝子を含むキメラウイルス、または相互キメラウイルスは、感染性ウイルス粒子に組み立てられないことが以前に示された(Lopezら、J.Virol.68:1316−1323、1994)。著者らはこの報告の中で、ウイルスの組み立てにおける糖タンパク質E2のカルボキシル末端とキャプシドタンパク質との間の相互作用が、異種のアルファウイルスの構造タンパク質間では起こり得ないと結論を下した。従って、シンドビスウイルス非構造タンパク質遺伝子(ベクターレプリコン由来)、RRVキャプシド遺伝子、およびシンドビスウイルス糖タンパク質遺伝子からなる、実施例6において記載した分断構造遺伝子アルファウイルスPCLで発生する組換えゲノムは、複製コンピテントでなく、ウイルスの増殖を引き起こさない(複製コンピテントシンドビスウイルス、RCSV)。異種のアルファウイルス種間のパッケージングの制限は、1つのアルファウイルス由来の翻訳増強エレメントを含むキャプシド遺伝子、および異なったアルファウイルス由来の糖タンパク質遺伝子からなるDHカセットの構築を可能にする。
【0435】
しかし、図31に示したように、異種のアルファウイルスの構造タンパク質間では組み立ては起こり得ないというLopezら(前出)の観察は誤りである。実際、RRVキャプシド遺伝子、およびシンドビスウイルス糖タンパク質遺伝子からなるDHカセットは、感染性ウイルス粒子を産生する。簡単には、BHK細胞を、SINrep/Lac Zレプリコン(Bredenbeekら、J.Virol.67:6439−6446、1993)、およびDH−BB(5’tRNA/SIN)Crrv(実施例6および図24、RRVキャプシド/シンドビスウイルス糖タンパク質)のインビトロで転写したRNAで同時にエレクトロポレーションした。エレクトロポレーションおよびインビトロでの転写は実施例1で記載したように行った。エレクトロポレーションの次に、実施例1で記載したのと全く同じように、BHK細胞をダクチノマイシンで処理し、[3H]ウリジンで標識
した。エレクトロポレーションから18時間後、培養培地を回収し、6,000rpmで10分間遠心分離することにより澄明にした。上清に残っているベクター粒子を、最初にスクロースクッション(sucrose cushion)上に重層した後、超遠心でペレット化した。エレクトロポレーションから18時間後、実施例1で記載したのと全く同じように、BHK細胞、およびウイルスペレットからRNAを単離し、変性グリオキサールアガロースゲル上で電気泳動し、オートラジオグラフィーで目に見えるようにした。SINrep/LacZおよびDH−BB Crrv RNAでエレクトロポレーションしたBHK細胞、およびウイルス粒子に存在するウイルスRNAを図31に示す(レーン1、パネルA、およびレーン1、パネルB)。SINrep/LacZおよびDH−BB Crrv RNAに対するゲノムおよびサブゲノム複製種に対応するRNAが、エレクトロポレーションしたBHK細胞、および産生されたウイルス粒子の両方に存在した。この結果は、Lopezら(前出)と対照的に、RRVキャプシドタンパク質およびシンドビスウイルス糖タンパク質からなるキメラアルファウイルス粒子の形成を証明している。さらに、キメラアルファウイルス粒子における、ゲノムおよびサブゲノムSINrep/LacZおよびDH−BB Crrv RNAの無差別なパッケージングは、ロス川ウイルスのキャプシドタンパク質が、SINrep/LacZベクターレプリコンのnsP1遺伝子に存在するシンドビスウイルスパッケージング配列を特異的に認識できないことを示している。
【0436】
エレクトロポレーションから18時間後に、SINrep/LacZおよびDH−BB
Crrv RNAでエレクトロポレーションしたBHK細胞、および産生されたウイルス粒子に存在するウイルスタンパク質を図32に示す(レーン1、パネルA、およびレーン1、パネルB)。エレクトロポレーションした細胞および産生されたキメラアルファウイルス粒子中の、ウイルス特異的構造タンパク質は区別がつかなかった。すなわち、図32はSINrep/LacZおよびDH−BB Crrv RNAでエレクトロポレーションしたBHK細胞から産生されたウイルス粒子は、RRVのキャプシドおよびシンドビスウイルスの糖タンパク質E1およびE2を含んでいたことを、明白に証明している。この結果はLopezら(前出)とは対照的に、異種のアルファウイルスのキャプシドと糖タンパク質との間での組み立てに、キメラウイルス粒子の形成を妨げるような制限は無いという明白な証拠を提供する。
【0437】
従って、Lopezらの結果および考察とは明らかに対照的に、RRVキャプシドタンパク質のアミノ末端は異種のシンドビスウイルスゲノムと結合し得、感染性キメラアルファウイルス粒子を形成し得る。重要なことに、異種のアルファウイルスキャプシドタンパク質と糖タンパク質との間でのウイルスの組み立てに制限が存在するという以前の結論は誤りである。次いで、本明細書中で記載したようなキメラアルファウイルス粒子の生成はまた、上記で記載した分断構造遺伝子PCL中でのRCSVの形成を生じる。なぜなら、シンドビスウイルス非構造タンパク質遺伝子(ベクターレプリコン由来)、RRVキャプシド遺伝子、およびシンドビスウイルス糖タンパク質遺伝子からなる組換えゲノムは、感染性ウイルスを生成するからである。あるいは、別のアルファウイルス構造タンパク質とベクターレプリコンとの間のパッケージングに制限が無いことは、ベクター粒子の属性を改変することを可能にする。リンパ指向性の組換えベクター粒子を生成するために、例えば、シンドビスウイルスレプリコンをベネズエラウマ脳炎ウイルス構造遺伝子でパッケージングし得る。
【0438】
前に行われた、2つの別の研究において記載された結果は、インビトロで、三角分割数(T)=3を有する2つの二十面体ウイルス、カブ縮葉病ウイルス(turnip crinkle virus)(TCV)、およびサザンビーン(southern bean)モザイクウイルス(SBMV)のキャプシドタンパク質とポジティブRNA鎖ゲノムとの間の相互作用を無くすと、ウイルス粒子の解離、および核酸を持たないT=1粒子の形成が起こることを示した(Sorgerら、J.Mol.Biol.191:639−656、1986、およびEricksonおよびRossmann、Virology
116:128−136、1982)。核酸非存在下では、野生型ウイルスと類似するT=3粒子は、インビトロで形成されなかった。OwenおよびKuhn(J.Virol.70:2757−2763、1996)は、インビボでのキャプシド形成反応の特異性を決めるのに必要なキャプシドタンパク質の領域を同定するために、キャプシドに欠失を含むシンドビスウイルスゲノムのパッケージングの性質を調査した。キャプシドの97−106残基に相当する欠失を含む1つの変異ウイルス[CD(97−106)]は、ゲノムおよびサブゲノムRNAをどちらもキャプシド化した。これは、キャプシドタンパク質のドメインがゲノムRNAパッケージングシグナルの特異的な認識に必要であることを示している。さらに、他の報告では、アウラアルファウイルスのパッケージングの性質が調査された(Rumenapfら、J.Virol.69:1741−1746、1995)。この研究において、キャプシドタンパク質−キャプシド形成配列相互作用の開始複合体に関与するアルファウイルスパッケージング機構が提案された。この提案された機構は、著者らおよび他の研究者(OwenおよびKuhn、前出を含む)の、26Sおよび49SアルファウイルスRNAはT=1、T=3、T=4、およびT=7ウイルス粒子にパッケージングされるという観察に基づき、そして空のキャプシドがアルファウイルス感染中に発生するということは報告されていない。
【0439】
上記に提示された文献およびその中に含まれる考察に基づいて、キャプシド形成反応の特異性を決めるのに必要なキャプシドタンパク質ドメインに対応し、さらに、静電気的にウイルスRNAと結合する塩基性残基を取り囲む領域を欠失したRRVキャプシド遺伝子は、ウイルスRNAを含む安定なキャプシド粒子を形成できないはずである。従って、この欠失したRRVキャプシド遺伝子およびシンドビスウイルス糖タンパク質遺伝子からなる、異種のアルファウイルスDHカセットから発現されたアルファウイルス構造タンパク質は、安定なキメラアルファウイルス粒子に組み立てられないはずである。従って、上記および実施例6で議論した分断構造遺伝子PCLにおいて、シンドビスウイルス非構造タンパク質遺伝子、RRVキャプシド遺伝子(パッケージング特異性に対応する領域および周囲の塩基性残基を欠失)、およびシンドビスウイルス糖タンパク質遺伝子からなる組換えゲノムは、感染性ウイルスを生成し得ない。実施例6で記載したように、シンドビスウイルスキャプシドタンパク質は別のDH発現カセットから発現される;従って、3つのシンドビスウイルス構造タンパク質がまとめて発現され、組換えベクター粒子の産生が起こる。
【0440】
シンドビスウイルスパッケージング配列に結合すると予測される、発現タンパク質の領域に対応するRRVキャプシド遺伝子のヌクレオチド(静電気的にウイルスRNAに結合する塩基性残基を含む)(Weissら、Nuc.Acids.Res.22:780−786、1994およびLopezら、前出)を、異種のアルファウイルスキャプシド−糖タンパク質DHを構築するために、欠失させた。このことは、翻訳の増強、および翻訳後切断によってプロセシングされている、正しいpE2−6K−E1ポリタンパク質を提供したが、安定なキメラRRV/シンドビスウイルス粒子を組み立てられなかった。図33は、RRVキャプシドタンパク質、およびウイルスパッケージング配列RNAと相互作用するリシンを豊富に含むタンパク質をコードする様々な量のキャプシド遺伝子が欠失した、3つの別のRRVキャプシド遺伝子変異体(CΔ1rrv、CΔ2rrv、CΔ3rrv)から発現されたキャプシドタンパク質の疎水性プロファイル(Kyte−Dolittle)を示す。RRVキャプシドタンパク質の、リシンを豊富に含む塩基性領域を図33に示す。さらに、疎水性プロファイルは、このリシンを豊富に含む塩基性領域が、3つの別のRRVキャプシド遺伝子変異体、CΔ1rrv、CΔ2rrv、およびCΔ3rrvで徐々に除去されていることを示している。図34は、変異体CΔ1rrv、CΔ2rrv、およびCΔ3rrvでの欠失の結果として、発現したRRVキャプシドタンパク質中のリシン残基が除去されたことを示している。下記に示す表は、構築物CΔ1rrv、CΔ2rrv、およびCΔ3rrvのRRVゲノムで欠失させたヌクレオチドを示す。
【0441】
【表29】

RRVキャプシド遺伝子の欠失は、図23に示し、実施例6で記載したDH−BB CrrvプラスミドDNA上に構築した。示されたRRVキャプシド遺伝子配列を、PCRによって、プライマーおよび実施例6で示した他のクローニング工程を用いて欠失させた。
【0442】
上記で議論した図31および32は、SINrep/LacZおよびDH−BB CΔ1rrv、CΔ2rrv、またはCΔ3rrv RNAをエレクトロポレーションしたBHK細胞で合成され、これらの細胞培養液中に含まれるウイルス粒子に存在するウイルス特異的RNA(図31)およびタンパク質(図32)を示す。ゲノムおよびサブゲノム分子を、エレクトロポレーションした細胞中の、SINrep/LacZレプリコンおよび3つすべてのDH−BB CΔ1rrv、CΔ2rrv、またはCΔ3rrv DH RNAの両方で検出した(図31、パネルA)。しかし、ウイルス粒子にレプリコンゲノムRNAが存在しないことで示されたように(図31、パネルB)、RRVキャプシド遺伝子に欠失を含むDH RNAでエレクトロポレーションした細胞では、SINrep/lacZレプリコンはベクター粒子にパッケージングされなかった。さらに、細胞をRRVキャプシドのより大きな欠失を含むDH分子(CΔ2rrvまたはCΔ3rrv)でエレクトロポレーションした場合、ヘルパーゲノムおよびサブゲノムRNAのパッケージングは非常に効率が悪く、変性ゲルでのオートラジオグラフでほとんど見えなかった(図31、パネルB、レーン3および4)。対照的に、SINrep/LacZゲノムRNA(およびCΔ2rrvまたはCΔ3rrvでエレクトロポレーションした時のDH RNA)は、RRVキャプシド遺伝子に欠失を含むDHでエレクトロポレーションしたBHK細胞からのウイルス粒子中に検出されなかったが、RRVキャプシド遺伝子が欠失を含むか否かに関わらず、全てのDH RNAでエレクトロポレーションした細胞からのウイルス粒子中では、同量のRRVキャプシドタンパク質およびシンドビスウイルス糖タンパク質が観察された(図32、パネルAおよびB)。この結果は、ベクターレプリコンまたは他のウイルス特異的RNAを含まない安定なキメラウイルス粒子が、SINrep/lacZゲノムRNAおよびDH RNAでエレクトロポレーションしたBHK細胞中に形成され、そこからゲノムRNAに結合できないキャプシドタンパク質が発現されたことを証明している。安定な空の異種のアルファウイルス粒子の形成は、以前の研究の結果および考察に基づいて、予期されず、かつ想到されない(Lopezら、J.Virol.68:1316−1323、1994、Sorgerら、J.Mol.Biol.191:639−656、1986、EricksonおよびRossmann、Virology 116:128−136、1982、およびRumenapfら、J.Virol.69:1741−1746、1995)。
【0443】
産生されたウイルス粒子の構成を決定するために、BHK細胞を、本明細書中で記載したように、SINrep LacZおよび様々なRRVキャプシド遺伝子構成を含むDH
RNAでエレクトロポレーションし、次に、実施例1で記載したように、ダクチノマイシンで処理し、[35S]メチオニンおよび[3H]ウリジンで標識した。澄明にした細胞培養
液を、20%−40%(w/w)ショ糖勾配上で、SW−41ローターを用いて、35,000rpmで2時間超遠心することにより、産生されたウイルス粒子の構成を決定した。この研究の結果を図35−37に示す。これらは、再び安定な空の異種のアルファウイルス粒子の形成を証明している。図35は、野生型ウイルスであるToto1101を高いMOI(5)で感染させたBHK細胞で合成された粒子に取り込まれた[35S]メチオニンおよび[3H]ウリジンの相対的な量を示す。図36は、SINrep/LacZおよび
DH−BB(5’tRNA)Crrv(図23)RNAでエレクトロポレーションしたBHK細胞で合成された粒子に取り込まれた[35S]メチオニンおよび[3H]ウリジンの相対
的な量が、野生型ウイルスを感染させた細胞と同程度であることを示している。対照的に、図37は、SINrep/LacZおよびDH−BB(5’tRNA)CΔ3rrvでエレクトロポレーションしたBHK細胞で産生された粒子が、極めて低レベルの[3H]ウ
リジンしか取り込まないことを示す。図38は図35−37を編集したものであり、粒子に取り込まれた[35S]メチオニンおよび[3H]ウリジンの相対的な量は、野生型アルファ
ウイルスキャプシド遺伝子を含むRNAを感染させたまたはエレクトロポレーションしたBHK細胞においては同程度であるが、RRVキャプシド遺伝子のヌクレオチド7760−7891の欠失を含むDH RNAでエレクトロポレーションしたBHK細胞は、SINrep/LacZ RNAを欠いた安定な空のキメラアルファウイルス粒子を形成することを明確に示す。SINrep/LacZ RNAおよびDH−BB CD3rrvのインビトロで転写されたRNAでエレクトロポレーションした細胞株で産生され、[35S]メチオニンで標識した空のアルファウイルス粒子の力価を、Toto1101野生型ウイルスを感染させて、[35S]メチオニンで標識したBHK細胞と比較して決定した。Toto1101を感染させた細胞からのウイルスを含むショ糖勾配画分中に存在する放射活性レベルを定量化し、実施例1で記載した方法に従って、プラークアッセイによって決定した、これらの同じ画分に存在するウイルスの力価と関連付けた。空のアルファウイルス粒子の力価を決定するために、SINrep/LacZ RNAおよびDH−BB CD3rrvのインビトロで転写されたRNAでエレクトロポレーションしたBHK細胞からのウイルス粒子を含むショ糖勾配画分に存在する放射活性レベルを定量化し、Toto1101を感染させた細胞からの[35S]メチオニン/ウイルス力価と関連付けた。欠失したロス川ウイルスキャプシドおよびシンドビスウイルス糖タンパク質を含み、SINrep/LacZ RNAおよびDH−BB CD3rrvのインビトロで転写されたRNAでエレクトロポレーションした細胞で産生された、空のキメラウイルス粒子の力価は1×109粒子/mlであった。
【0444】
本発明は、一般的に、および好ましい実施態様の両方に関して、上記で記載されたが、前出の説明に鑑みて、変更および改変が当業者に想到されることが理解される。従って、添付の請求の範囲は、本願発明の範囲内に入るそのようなすべての変更を含むことを意味する。
【0445】
さらに、本発明の背景を明らかにするために、および特に、詳細な説明および実施例で記載したような、その実施に関係するさらなる詳細を提供するために引用された刊行物および他の資料は、本明細書中にその全体が参考として援用される。
【0446】
(配列表)
SEQUENCE LISTING


(1) GENERAL INFORMATION:

(i) APPLICANTS: NOVARTIS VACCINES AND DIAGNOSTICS, INC.
Washington University

(ii) TITLE OF INVENTION: RECOMBINANT ALPHAVIRUS-BASED VECTORS
WITH REDUCED INHIBITION OF CELLULAR MACROMOLECULAR
SYNTHESIS

(iii) NUMBER OF SEQUENCES: 118

(iv) CORRESPONDENCE ADDRESS:
(A) ADDRESSEE: SEED and BERRY LLP
(B) STREET: 6300 Columbia Center, 701 Fifth Avenue
(C) CITY: Seattle
(D) STATE: Washington
(E) COUNTRY: USA
(F) ZIP: 98104-7092

(v) COMPUTER READABLE FORM:
(A) MEDIUM TYPE: Floppy disk
(B) COMPUTER: IBM PC compatible
(C) OPERATING SYSTEM: PC-DOS/MS-DOS
(D) SOFTWARE: PatentIn Release #1.0, Version #1.30

(vi) CURRENT APPLICATION DATA:
(A) APPLICATION NUMBER: PCT/US98/21062
(B) FILING DATE: 06-OCT-1998
(C) CLASSIFICATION:

(viii) ATTORNEY/AGENT INFORMATION:
(A) NAME: McMasters, David D.
(B) REGISTRATION NUMBER: 33,963
(C) REFERENCE/DOCKET NUMBER: 930049.45701PC

(ix) TELECOMMUNICATION INFORMATION:
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(B) TELEFAX: (206) 682-6031


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(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:35:

CTCGATCCTA GGATCGAGGC 20

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:36:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 20 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:36:

GAGCTAGGAT CCTAGCTCCG 20

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:37:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 44 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:37:

TATATATGAG CTCTAATAAA ATGAGGAAAT TGCATCGCAT TGTC 44

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:38:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 43 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:38:

TATATGAATT CATAGAATGA CACCTACTCA GACAATGCGA TGC 43

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:39:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 56 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:39:

AAAAAAAAAA GGGTCGGCAT GGCATCTCCA CCTCCTCGCG GTCCGACCTG GGCATC 56

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:40:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 69 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:40:

TATATGAGCT CCTCCCTTAG CCATCCGAGT GGACGTGCGT CCTCCTTCGG ATGCCCAGGT 60

CGGACCGCG 69

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:41:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 34 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:41:

TATATATAGA TCTTTGACAT TGATTATTGA CTAG 34

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:42:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 42 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:42:

CCGTCAATAC GGTTCACTAA ACGAGCTCTG CTTATATAGA CC 42

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:43:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 38 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:43:

GCTCGTTTAG TGAACCGTAT TGACGGCGTA GTACACAC 38

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:44:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 23 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:44:

CTGGCAACCG GTAAGTACGA TAC 23

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:45:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 22 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:45:

GGTAACAAGA TCTCGTGCCG TG 22

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:46:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 34 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:46:

CCTATGCGGC CGCGTGGAAC CTTTGTGGCT CCTC 34

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:47:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 31 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:47:

CCTATTGGCC AGCAGACCAA TTTATGCCTA C 31

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:48:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 34 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:48:

CCTATGCGGC CGCTAGACTG GACAGCCAAT GACG 34

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:49:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 32 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:49:

CCTATTGGCC AGCCAAGACA TCATCCGGGC AG 32

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:50:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 39 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:50:

TATATATCCG GAAAGCTCTA AGGTAAATAT AAAATTTTT 39

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:51:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 43 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:51:

TATATAGGAT CCTAGGTTAG GTTGGAATCT AAAATACACA AAC 43

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:52:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 12 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:52:

TCGATCCTAG GA 12

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:53:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 16 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:53:

GCTCTTAATT AAGAGC 16

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:54:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 55 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:54:

CTGTTTAAAC AGATCTTATC TCGAGTATGC GGCCGCTATG AATTCGTTTA AACGA 55

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:55:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 55 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:55:

TCGTTTAAAC GAATTCATAG CGGCCGCATA CTCGAGATAA GATCTGTTTA AACAG 55

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:56:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 37 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:56:

ATATATCCGG AGTCCGGCCG CTTGGGTGGA GAGGCTA 37

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:57:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 36 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:57:

ATATAGGATC CTCAGAAGAA CTCGTCAAGA AGGCGA 36

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:58:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 44 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:58:

TATATATGAG CTCTTACAAA TAAAGCAATA GCATCACAAA TTTC 44

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:59:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 36 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:59:

TATATGAATT CGTTTGGACA AACCACAACT AGAATG 36

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:60:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 35 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:60:

TATATAGATC TAGTCTTATG CAATACTCTT GTAGT 35

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:61:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 44 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:61:

GGGATACTCA CCACTATATC TCGACGGTAT CGAGGTAGGG CACT 44

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:62:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 22 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:62:

GATATAGTGG TGAGTATCCC CG 22

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:63:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 34 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:63:

TATATGGATC CCGGAGATCC TTAATCTTCT CATG 34

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:64:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 28 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:64:

TATATATGCA TCCCCCCCCC CCCCAACG 28

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:65:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 43 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:65:

CATGCGAAAC GATCCTCATC CTTACAATCG TGGTTTTCAA AGG 43

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:66:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 25 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:66:

GATGAGGATC GTTTCGCATG ATTGA 25

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:67:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 36 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:67:

TATATATGCA TTCAGAAGAA CTCGTCAAGA AGGCGA 36

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:68:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 35 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:68:

ATATACTCGA GACCACCACC ATGAATAGAG GATTC 35

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:69:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 42 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:69:

TATATGCGGC CGCTATTACC ACTCTTCTGT CCCTTCCGGG GT 42

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:70:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 42 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:70:

ATATACTCGA GAGCAATGTC CGCAGCACCA CTGGTCACGG CA 42

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:71:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 39 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:71:

ATATAGGCGG CCGCTCATCT TCGTGTGCTA GTCAGCATC 39

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:72:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 34 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:72:

ACACATTAAT TAACGATGCC GCCGGAAGCG AGAA 34

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:73:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 34 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:73:

ACACATTAAT TAAGTATTGG CCCCAATGGG GTCT 34

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:74:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 26 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:74:

CCACGAATTC GGTCCTAAAT AGATGC 26

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:75:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 25 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:75:

CCACAAGCTT CCGGGCGAGG CCGCC 25

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:76:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 23 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:76:

CCACGGATCC CGGCGTTCCG TCC 23

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:77:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 25 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:77:

CCACAAGCTT GTGCACTGGG ATCTG 25

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:78:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 25 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:78:

CCACGGATCC GTGCACATGA AGTCC 25

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:79:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 30 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:79:

CCACAAGCTT CCGGAGTTAC CCGAGTGACC 30

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:80:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 26 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:80:

CCACCTTAAG CGTCGGCTTT TTCTTC 26

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:81:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 25 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:81:

CCACCTTAAG AGAAGAGAAA GAATG 25

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:82:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 24 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:82:

CCACAAGCTT GGACCACCGT AGAG 24

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:83:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 19 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:83:

CCGCGTGGCG GATCCCCTG 19

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:84:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 24 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:84:

CCACGGATCC GGAAGGGACA GAAG 24

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:85:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 16 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:85:

CACGGTCCTG AGGTGC 16

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:86:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 42 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:86:

TATATATATC TCGAGACCGC CAAGATGTTC CCGTTCCAGC CA 42

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:87:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 38 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:87:

TATATATATG CGGCCGCTCA ATTATGTTTC TGGTTGGT 38

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:88:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 42 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:88:

TATATAGATC TGGCGCGCCT TTACCACTCC TATCAGTGAT AG 42

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:89:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 35 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:89:

TACGCCGTCA ATACGGTTCA CTAAACGAGC TCTGC 35

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:90:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 35 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:90:

TAGTGAACCG TATTGACGGC GTAGTACACA CTATT 35

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:91:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 22 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:91:

CGTTGAGCAT AACCGAATCT AC 22

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:92:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 42 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:92:

ATATAGAGCT CTTAATTAAT CTTTGTGAAG GAACCTTACT TC 42

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:93:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 35 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:93:

ATATAGAGCT CAGGCGTTGA AAAGATTAGC GACCG 35

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:94:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 46 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:94:

TATATATTAA TTAAATAGAA TGACACCTAC TCAGACAATG CGATGC 46

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:95:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 40 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:95:

ATATACTCGA GTAGCAATGG TGAAACCAGT AACGTTATAC 40

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:96:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 45 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:96:

GCCCTTTCTC TTCTTTTTTG GCTGCCCGCT TTCCAGTCGG GAAAC 45

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:97:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 39 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:97:

CCAAAAAAGA AGAGAAAGGG CGGTGGTGCT TTGTCTCCT 39

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:98:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 38 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:98:

ATATAGAGCT CTTAAACTGA TGATTTGATT TCAAATGC 38

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:99:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 30 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:99:

CGCGCCGAAT TGTGAGCGCT CACAATTCGG 30

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:100:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 7 amino acids
(B) TYPE: amino acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:100:

Pro Lys Lys Lys Lys Arg Lys
1 5

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:101:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 8000 base pairs
(B) TYPE: nucleic acid
(C) STRANDEDNESS: single
(D) TOPOLOGY: linear





(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:101:

ATTGACGGCG TAGTACACAC TATTGAATCA AACAGCCGAC CAATCGCACT ACCATCACAA 60

TGGAGAAGCC AGTAGTAAAC GTAGACGTAG ACCCCCAGAG TCCGTTTGTC GTGCAACTGA 120

AAAAAAGCTT CCCGCAATTT GAGGTAGTAG CACAGCAGGT CACTCCAAAT GACCATGCTA 180

ATGCCAGAGC ATTTTCGCAT CTGGCCAGTA AACTAATCGA GCTGGAGGTT CCTACCACAG 240

CGACGATCTT GGACATAGGC AGCGCACCGG CTCGTAGAAT GTTTTCCGAG CACCAGTATC 300

ATTGTGTCTG CCCCATGCGT AGTCCAGAAG ACCCGGACCG CATGATGAAA TACGCCAGTA 360

AACTGGCGGA AAAAGCGTGC AAGATTACAA ACAAGAACTT GCATGAGAAG ATTAAGGATC 420

TCCGGACCGT ACTTGATACG CCGGATGCTG AAACACCATC GCTCTGCTTT CACAACGATG 480

TTACCTGCAA CATGCGTGCC GAATATTCCG TCATGCAGGA CGTGTATATC AACGCTCCCG 540

GAACTATCTA TCATCAGGCT ATGAAAGGCG TGCGGACCCT GTACTGGATT GGCTTCGACA 600

CCACCCAGTT CATGTTCTCG GCTATGGCAG GTTCGTACCC TGCGTACAAC ACCAACTGGG 660

CCGACGAGAA AGTCCTTGAA GCGCGTAACA TCGGACTTTG CAGCACAAAG CTGAGTGAAG 720

GTAGGACAGG AAAATTGTCG ATAATGAGGA AGAAGGAGTT GAAGCCCGGG TCGCGGGTTT 780

ATTTCTCCGT AGGATCGACA CTTTATCCAG AACACAGAGC CAGCTTGCAG AGCTGGCATC 840

TTCCATCGGT GTTCCACTTG AATGGAAAGC AGTCGTACAC TTGCCGCTGT GATACAGTGG 900

TGAGTTGCGA AGGCTACGTA GTGAAGAAAA TCACCATCAG TCCCGGGATC ACGGGAGAAA 960

CCGTGGGATA CGCGGTTACA CACAATAGCG AGGGCTTCTT GCTATGCAAA GTTACTGACA 1020

CAGTAAAAGG AGAACGGGTA TCGTTCCCTG TGTGCACGTA CATCCCGGCC ACCATATGCG 1080

ATCAGATGAC TGGTATAATG GCCACGGATA TATCACCTGA CGATGCACAA AAACTTCTGG 1140

TTGGGCTCAA CCAGCGAATT GTCATTAACG GTAGGACTAA CAGGAACACC AACACCATGC 1200

AAAATTACCT TCTGCCGATC ATAGCACAAG GGTTCAGCAA ATGGGCTAAG GAGCGCAAGG 1260

ATGATCTTGA TAACGAGAAA ATGCTGGGTA CTAGAGAACG CAAGCTTACG TATGGCTGCT 1320

TGTGGGCGTT TCGCACTAAG AAAGTACATT CGTTTTATCG CCCACCTGGA ACGCAGACCT 1380

GCGTAAAAGT CCCAGCCTCT TTTAGCGCTT TTCCCATGTC GTCCGTATGG ACGACCTCTT 1440

TGCCCATGTC GCTGAGGCAG AAATTGAAAC TGGCATTGCA ACCAAAGAAG GAGGAAAAAC 1500

TGCTGCAGGT CTCGGAGGAA TTAGTCATGG AGGCCAAGGC TGCTTTTGAG GATGCTCAGG 1560

AGGAAGCCAG AGCGGAGAAG CTCCGAGAAG CACTTCCACC ATTAGTGGCA GACAAAGGCA 1620

TCGAGGCAGC CGCAGAAGTT GTCTGCGAAG TGGAGGGGCT CCAGGCGGAC ATCGGAGCAG 1680

CATTAGTTGA AACCCCGCGC GGTCACGTAA GGATAATACC TCAAGCAAAT GACCGTATGA 1740

TCGGACAGTA TATCGTTGTC TCGCCAAACT CTGTACTGAA GAATGCCAAA CTCGCACCAG 1800

CGCACCCGCT AGCAGATCAG GTTAAGATCA TAACACACTC CGGAAGATCA GGAAGGTACG 1860

CGGTCGAACC ATACGACGCT AAAGTACTGA TGCCAGCAGG AGGTGCCGTA CCATGGCCAG 1920

AATTCCTAGC ACTGAGTGAG AGCGCCACGT TAGTGTACAA CGAAAGAGAG CTTGTGAACC 1980

GCAAACTATA CCACATTGCC ATGCATGGCC CCGCCAAGAA TACAGAAGAG GAGCAGTACA 2040

AGGTTACAAA GGCAGAGCTT GCAGAAACAG AGTACGTGTT TGACGTGGAC AAGAAGCGTT 2100

GCGTTAAGAA GGAAGAAGCC TCAGGTCTGG TCCTCTCGGG AGAACTGACC AACCCTCCCT 2160

ATCATGAGCT AGCTCTGGAG GGACTGAAGA CCCGACCTGC GGTCCCGTAC AAGGTCGAAA 2220

CAATAGGAGT GATAGGCACA CCGGGGTCGG GCAAGTCAGC TATTATCAAG TCAACTGTCA 2280

CGGCACGAGA TCTTGTTACC AGCGGAAAGA AAGAAAATTG TCGCGAAATT GAGGCCGACG 2340

TGCTAAGACT GAGGGGTATG CAGATTACGT CGAAGACAGT AGATTCGGTT ATGCTCAACG 2400

GATGCCACAA AGCCGTAGAA GTGCTGTACG TTGACGAAGC GTTCGCGTGC CACGCAGGAG 2460

CACTACTTGC CTTGATTGCT ATCGTCAGGC CCCGCAAGAA GGTAGTACTA TGCGGAGACC 2520

CCATGCAATG CGGATTCTTC AACATGATGC AACTAAAGGT ACATTTCAAT CACCCTGAAA 2580

AAGACATATG CACCAAGACA TTCTACAAGT ATATCTCCCG GCGTTGCACA CAGCCAGTTA 2640

CAGCTATTGT ATCGACACTG CATTACGATG GAAAGATGAA AACCACGAAC CCGTGCAAGA 2700

AGAACATTGA AATCGATATT ACAGGGGCCA CAAAGCCGAA GCCAGGGGAT ATCATCCTGA 2760

CATGTTTCCG CGGGTGGGTT AAGCAATTGC AAATCGACTA TCCCGGACAT GAAGTAATGA 2820

CAGCCGCGGC CTCACAAGGG CTAACCAGAA AAGGAGTGTA TGCCGTCCGG CAAAAAGTCA 2880

ATGAAAACCC ACTGTACGCG ATCACATCAG AGCATGTGAA CGTGTTGCTC ACCCGCACTG 2940

AGGACAGGCT AGTGTGGAAA ACCTTGCAGG GCGACCCATG GATTAAGCAG CTCACTAACA 3000

TACCTAAAGG AAACTTTCAG GCTACTATAG AGGACTGGGA AGCTGAACAC AAGGGAATAA 3060

TTGCTGCAAT AAACAGCCCC ACTCCCCGTG CCAATCCGTT CAGCTGCAAG ACCAACGTTT 3120

GCTGGGCGAA AGCATTGGAA CCGATACTAG CCACGGCCGG TATCGTACTT ACCGGTTGCC 3180

AGTGGAGCGA ACTGTTCCCA CAGTTTGCGG ATGACAAACC ACATTCGGCC ATTTACGCCT 3240

TAGACGTAAT TTGCATTAAG TTTTTCGGCA TGGACTTGAC AAGCGGACTG TTTTCTAAAC 3300

AGAGCATCCC ACTAACGTAC CATCCCGCCG ATTCAGCGAG GCCGGTAGCT CATTGGGACA 3360

ACAGCCCAGG AACCCGCAAG TATGGGTACG ATCACGCCAT TGCCGCCGAA CTCTCCCGTA 3420

GATTTCCGGT GTTCCAGCTA GCTGGGAAGG GCACACAACT TGATTTGCAG ACGGGGAGAA 3480

CCAGAGTTAT CTCTGCACAG CATAACCTGG TCCCGGTGAA CCGCAATCTT CCTCACGCCT 3540

TAGTCCCCGA GTACAAGGAG AAGCAACCCG GCCCGGTCGA AAAATTCTTG AACCAGTTCA 3600

AACACCACTC AGTACTTGTG GTATCAGAGG AAAAAATTGA AGCTCCCCGT AAGAGAATCG 3660

AATGGATCGC CCCGATTGGC ATAGCCGGTG CAGATAAGAA CTACAACCTG GCTTTCGGGT 3720

TTCCGCCGCA GGCACGGTAC GACCTGGTGT TCATCAACAT TGGAACTAAA TACAGAAACC 3780

ACCACTTTCA GCAGTGCGAA GACCATGCGG CGACCTTAAA AACCCTTTCG CGTTCGGCCC 3840

TGAATTGCCT TAACTCAGGA GGCACTCTCG TGGTGAAGTC CTATGGCTAC GCCGACCGCA 3900

ACAGTGAGGA CGTAGTCACC GCTCTTGCCA GAAAGTTTGT CAGGGTGTCT GCAGCGAGAC 3960

CAGATTGTGT CTCAAGCAAT ACAGAAATGT ACCTGATTTT CCGACAACTA GACAACAGCC 4020

GTACACGGCA ATTCACCCCG CACCATCTGA ATTGCGTGAT TTCGTCCGTG TATGAGGGTA 4080

CAAGAGATGG AGTTGGAGCC GCGCCGTCAT ACCGCACCAA AAGGGAGAAT ATTGCTGACT 4140

GTCAAGAGGA AGCAGTTGTC AACGCAGCCA ATCCGCTGGG TAGACCAGGC GAAGGAGTCT 4200

GCCGTGCCAT CTATAAACGT TGGCCGACCA GTTTTACCGA TTCAGCCACG GAGACAGGCA 4260

CCGCAAGAAT GACTGTGTGC CTAGGAAAGA AAGTGATCCA CGCGGTCGGC CCTGATTTCC 4320

GGAAGCACCC AGAAGCAGTA GCCTTGAAAT TGCTACAAAA CGCCTACCAT GCAGTGGCAG 4380

ACTTAGTAAA TGAACATAAC ATCAAGTCTG TCGCCATTCC ACTGCTATCT ACAGGCATTT 4440

ACGCAGCCGG AAAAGACCGC CTTGAAGTAT CACTTAACTG CTTGACAACC GCGCTAGACA 4500

GAACTGACGC GGACGTAACC ATCTATTGCC TGGATAAGAA GTGGAAGGAA AGAATCGACG 4560

CGGCACTCCA ACTTAAGGAG TCTGTAACAG AGCTGAAGGA TGAAGATATG GAGATCGACG 4620

ATGAGTTAGT ATGGATCCAT CCAGACAGTT GCTTGAAGGG AAGAAAGGGA TTCAGTACTA 4680

CAAAAGGAAA ATTGTATTCG TACTTCGAAG GCACCAAATT CCATCAAGCA GCAAAAGACA 4740

TGGCGGAGAT AAAGGTCCTG TTCCCTAATG ACCAGGAAAG TAATGAACAA CTGTGTGCCT 4800

ACATATTGGG TGAGACCATG GAAGCAATCC GCGAAAAGTG CCCGGTCGAC CATAACCCGT 4860

CGTTTAGCCC GCCCAAAACG TTGCCGTGCC TTTGCATGTA TGCCATGACG CCAGAAAGGG 4920

TCCACAGACT TAGAAGCAAT AACGTCAAAG AAGTTACAGT ATGCTCCTCC ACCCCCCTTC 4980

CTAAGCACAA AATTAAGAAT GTTCAGAAGG TTCAGTGCAC GAAAGTAGTC CTGTTTAATC 5040

CGCACACTCC CGCATTCGTT CCCGCCCGTA AGTACATAGA AGTGCCAGAA CAGCCTACCG 5100

CTCCTCCTGC ACAGGCCGAG GAGGCCCCCG AAGTTGTAGC GACACCGTCA CCATCTACAG 5160

CTGATAACAC CTCGCTTGAT GTCACAGACA TCTCACTGGA TATGGATGAC AGTAGCGAAG 5220

GCTCACTTTT TTCGAGCTTT AGCGGATCGG ACAACTCTAT TACTAGTATG GACAGTTGGT 5280

CGTCAGGACC TAGTTCACTA GAGATAGTAG ACCGAAGGCA GGTGGTGGTG GCTGACGTTC 5340

ATGCCGTCCA AGAGCCTGCC CCTATTCCAC CGCCAAGGCT AAAGAAGATG GCCCGCCTGG 5400

CAGCGGCAAG AAAAGAGCCC ACTCCACCGG CAAGCAATAG CTCTGAGTCC CTCCACCTCT 5460

CTTTTGGTGG GGTATCCATG TCCCTCGGAT CAATTTTCGA CGGAGAGACG GCCCGCCAGG 5520

CAGCGGTACA ACCCCTGGCA ACAGGCCCCA CGGATGTGCC TATGTCTTTC GGATCGTTTT 5580

CCGACGGAGA GATTGATGAG CTGAGCCGCA GAGTAACTGA GTCCGAACCC GTCCTGTTTG 5640

GATCATTTGA ACCGGGCGAA GTGAACTCAA TTATATCGTC CCGATCAGCC GTATCTTTTC 5700

CTCTACGCAA GCAGAGACGT AGACGCAGGA GCAGGAGGAC TGAATACTGA CTAACCGGGG 5760

TAGGTGGGTA CATATTTTCG ACGGACACAG GCCCTGGGCA CTTGCAAAAG AAGTCCGTTC 5820

TGCAGAACCA GCTTACAGAA CCGACCTTGG AGCACAATGT CCTGGAAAGA ATTCATGCCC 5880

CGGTGCTCGA CACGTCGAAA GAGGAACAAC TCAAACTCAG GTACCAGATG ATGCCCACCG 5940

AAGCCAACAA AAGTAGGTAC CAGTCTCGTA AAGTAGAAAA TCAGAAAGCC ATAACCACTG 6000

AGCGACTACT GTCAGGACTA CGACTGTATA ACTCTGCCAC AGATCAGCCA GAATGCTATA 6060

AGATCACCTA TCCGAAACCA TTGTACTCCA GTAGCGTACC GGCGAACTAC TCCGATCCAC 6120

AGTTCGCTGT AGCTGTCTGT AACAACTATC TGCATGAGAA CTATCCGACA GTAGCATCTT 6180

ATCAGATTAC TGACGAGTAC GATGCTTACT TGGATATGGT AGACGGGACA GTCGCCTGCC 6240

TGGATACTGC AACCTTCTGC CCCGCTAAGC TTAGAAGTTA CCCGAAAAAA CATGAGTATA 6300

GAGCCCCGAA TATCCGCAGT GCGGTTCCAT CAGCGATGCA GAACACGCTA CAAAATGTGC 6360

TCATTGCCGC AACTAAAAGA AATTGCAACG TCACGCAGAT GCGTGAACTG CCAACACTGG 6420

ACTCAGCGAC ATTCAATGTC GAATGCTTTC GAAAATATGC ATGTAATGAC GAGTATTGGG 6480

AGGAGTTCGC TCGGAAGCCA ATTAGGATTA CCACTGAGTT TGTCACCGCA TATGTAGCTA 6540

GACTGAAAGG CCCTAAGGCC GCCGCACTAT TTGCAAAGAC GTATAATTTG GTCCCATTGC 6600

AAGAAGTGCC TATGGATAGA TTCGTCATGG ACATGAAAAG AGACGTGAAA GTTACACCAG 6660

GCACGAAACA CACAGAAGAA AGACCGAAAG TACAAGTGAT ACAAGCCGCA GAACCCCTGG 6720

CGACTGCTTA CTTATGCGGG ATTCACCGGG AATTAGTGCG TAGGCTTACG GCCGTCTTGC 6780

TTCCAAACAT TCACACGCTT TTTGACATGT CGGCGGAGGA TTTTGATGCA ATCATAGCAG 6840

AACACTTCAA GCAAGGCGAC CCGGTACTGG AGACGGATAT CGCATCATTC GACAAAAGCC 6900

AAGACGACGC TATGGCGTTA ACCGGTCTGA TGATCTTGGA GGACCTGGGT GTGGATCAAC 6960

CACTACTCGA CTTGATCGAG TGCGCCTTTG GAGAAATATC ATCCACCCAT CTACCTACGG 7020

GTACTCGTTT TAAATTCGGG GCGATGATGA AATCCGGAAT GTTCCTCACA CTTTTTGTCA 7080

ACACAGTTTT GAATGTCGTT ATCGCCAGCA GAGTACTAGA AGAGCGGCTT AAAACGTCCA 7140

GATGTGCAGC GTTCATTGGC GACGACAACA TCATACATGG AGTAGTATCT GACAAAGAAA 7200

TGGCTGAGAG GTGCGCCACC TGGCTCAACA TGGAGGTTAA GATCATCGAC GCAGTCATCG 7260

GTGAGAGACC ACCTTACTTC TGCGGCGGAT TTATCTTGCA AGATTCGGTT ACTTCCACAG 7320

CGTGCCGCGT GGCGGATCCC CTGAAAAGGC TGTTTAAGTT GGGTAAACCG CTCCCAGCCG 7380

ACGACGAGCA AGACGAAGAC AGAAGACGCG CTCTGCTAGA TGAAACAAAG GCGTGGTTTA 7440

GAGTAGGTAT AACAGGCACT TTAGCAGTGG CCGTGACGAC CCGGTATGAG GTAGACAATA 7500

TTACACCTGT CCTACTGGCA TTGAGAACTT TTGCCCAGAG CAAAAGAGCA TTCCAAGCCA 7560

TCAGAGGGGA AATAAAGCAT CTCTACGGTG GTCCTAAATA GTCAGCATAG TTCATTTCAT 7620

CTGACTAATA CTACAACACC ACCACCATGA ATAGAGGATT CTTTAACATG CTCGGCCGCC 7680

GCCCCTTCCC GGCCCCCACT GCCATGTGGA GGCCGCGGAG AAGGAGGCAG GCGGCCCCGA 7740

TGCCTGCCCG CAACGGGCTG GCTTCTCAAA TCCAGCAACT GACCACAGCC GTCAGTGCCC 7800

TAGTCATTGG ACAGGCAACT AGACCTCAAC CCCCATGTCC ACGCCCGCCA CCGCGCCAGA 7860

AGAAGCAGGC GCCCAAGCAA CCACCGAAGC CGAAGAAACC AAAAACGCAG GAGAAGAAGA 7920

AGAAGCAACC TGCAAAACCC AAACCCGGAA AGAGACAGCG CATGGCACTT AAGTTGGAGG 7980

CCGACAGATT GTTCGACGTC 8000

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:102:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
(A) LENGTH: 8000 base pairs
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(xi) SEQUENCE DESCRIPTION: SEQ ID NO:102:

ATTGACGGCG TAGTACACAC TATTGAATCA AACAGCCGAC CAATTGCACT ACCATCACAA 60

TGGAGAAGCC AGTAGTAAAC GTAGACGTAG ACCCCCAGAG TCCGTTTGTC GTGCAACTGC 120

AAAAAAGCTT CCCGCAATTT GAGGTAGTAG CACAGCAGGT CACTCCAAAT GACCATGCTA 180

ATGCCAGAGC ATTTTCGCAT CTGGCCAGTA AACTAATCGA GCTGGAGGTT CCTACCACAG 240

CGACGATCTT GGACATAGGC AGCGCACCGG CTCGTAGAAT GTTTTCCGAG CACCAGTATC 300

ATTGTGTCTG CCCCATGCGT AGTCCAGAAG ACCCGGACCG CATGATGAAA TACGCCAGTA 360

AACTGGCGGA AAAAGCGTGC AAGATTACAA ACAAGAACTT GCATGAGAAG ATTAAGGATC 420

TCCGGACCGT ACTTGATACG CCGGATGCTG AAACACCATC GCTCTGCTTT CACAACGATG 480

TTACCTGCAA CATGCGTGCC GAATATTCCG TCATGCAGGA CGTGTATATC AACGCTCCCG 540

GAACTATCTA TCATCAGGCT ATGAAAGGCG TGCGGACCCT GTACTGGATT GGCTTCGACA 600

CCACCCAGTT CATGTTCTCG GCTATGGCAG GTTCGTACCC TGCGTACAAC ACCAACTGGG 660

CCGACGAGAA AGTCCTTGAA GCGCGTAACA TCGGACTTTG CAGCACAAAG CTGAGTGAAG 720

GTAGGACAGG AAAATTGTCG ATAATGAGGA AGAAGGAGTT GAAGCCCGGG TCGCGGGTTT 780

ATTTCTCCGT AGGATCGACA CTTTATCCAG AACACAGAGC CAGCTTGCAG AGCTGGCATC 840

TTCCATCGGT GTTCCACTTG AATGGAAAGC AGTCGTACAC TTGCCGCTGT GATACAGTGG 900

TGAGTTGCGA AGGCTACGTA GTGAAGAAAA TCACCATCAG TCCCGGGATC ACGGGAGAAA 960

CCGTGGGATA CGCGGTTACA CACAATAGCG AGGGCTTCTT GCTATGCAAA GTTACTGACA 1020

CAGTAAAAGG AGAACGGGTA TCGTTCCCTG TGTGCACGTA CATCCCGGCC ACCATATGCG 1080

ATCAGATGAC TGGTATAATG GCCACGGATA TATCACCTGA CGATGCACAA AAACTTCTGG 1140

TTGGGCTCAA CCAGCGAATT GTCATTAACG GTAGGACTAA CAGGAACACC AACACCATGC 1200

AAAATTACCT TCTGCCGATC ATAGCACAAG GGTTCAGCAA ATGGGCTAAG GAGCGCAAGG 1260

ATGATCTTGA TAACGAGAAA ATGCTGGGTA CTAGAGAACG CAAGCTTACG TATGGCTGCT 1320

TGTGGGCGTT TCGCACTAAG AAAGTACATT CGTTTTATCG CCCACCTGGA ACGCAGACCT 1380

GCGTAAAAGT CCCAGCCTCT TTTAGCGCTT TTCCCATGTC GTCCGTATGG ACGACCTCTT 1440

TGCCCATGTC GCTGAGGCAG AAATTGAAAC TGGCATTGCA ACCAAAGAAG GAGGAAAAAC 1500

TGCTGCAGGT CTCGGAGGAA TTAGTCATGG AGGCCAAGGC TGCTTTTGAG GATGCTCAGG 1560

AGGAAGCCAG AGCGGAGAAG CTCCGAGAAG CACTTCCACC ATTAGTGGCA GACAAAGGCA 1620

TCGAGGCAGC CGCAGAAGTT GTCTGCGAAG TGGAGGGGCT CCAGGCGGAC ATCGGAGCAG 1680

CATTAGTTGA AACCCCGCGC GGTCACGTAA GGATAATACC TCAAGCAAAT GACCGTATGA 1740

TCGGACAGTA TATCGTTGTC TCGCCAAACT CTGTGCTGAA GAATGCCAAA CTCGCACCAG 1800

CGCACCCGCT AGCAGATCAG GTTAAGATCA TAACACACTC CGGAAGATCA GGAAGGTACG 1860

CGGTCGAACC ATACGACGCT AAAGTACTGA TGCCAGCAGG AGGTGCCGTA CCATGGCCAG 1920

AATTCCTAGC ACTGAGTGAG AGCGCCACGT TAGTGTACAA CGAAAGAGAG TTTGTGAACC 1980

GCAAACTATA CCACATTGCC ATGCATGGCC CCGCCAAGAA TACAGAAGAG GAGCAGTACA 2040

AGGTTACAAA GGCAGAGCTT GCAGAAACAG AGTACGTGTT TGACGTGGAC AAGAAGCGTT 2100

GCGTTAAGAA GGAAGAAGCC TCAGGTCTGG TCCTCTCGGG AGAACTGACC AACCCTCCCT 2160

ATCATGAGCT AGCTCTGGAG GGACTGAAGA CCCGACCTGC GGTCCCGTAC AAGGTCGAAA 2220

CAATAGGAGT GATAGGCACA CCGGGGTCGG GCAAGTCAGC TATTATCAAG TCAACTGTCA 2280

CGGCACGAGA TCTTGTTACC AGCGGAAAGA AAGAAAATTG TCGCGAAATT GAGGCCGACG 2340

TGCTAAGACT GAGGGGTATG CAGATTACGT CGAAGACAGT AGATTCGGTT ATGCTCAACG 2400

GATGCCACAA AGCCGTAGAA GTGCTGTACG TTGACGAAGC GTTCGCGTGC CACGCAGGAG 2460

CACTACTTGC CTTGATTGCT ATCGTCAGGC CCCGCAAGAA GGTAGTACTA TGCGGAGACC 2520

CCATGCAATG CGGATTCTTC AACATGATGC AACTAAAGGT ACATTTCAAT CACCCTGAAA 2580

AAGACATATG CACCAAGACA TTCTACAAGT ATATCTCCCG GCGTTGCACA CAGCCAGTTA 2640

CAGCTATTGT ATCGACACTG CATTACGATG GAAAGATGAA AACCACGAAC CCGTGCAAGA 2700

AGAACATTGA AATCGATATT ACAGGGGCCA CAAAGCCGAA GCCAGGGGAT ATCATCCTGA 2760

CATGTTTCCG CGGGTGGGTT AAGCAATTGC AAATCGACTA TCCCGGACAT GAAGTAATGA 2820

CAGCCGCGGC CTCACAAGGG CTAACCAGAA AAGGAGTGTA TGCCGTCCGG CAAAAAGTCA 2880

ATGAAAACCC ACTGTACGCG ATCACATCAG AGCATGTGAA CGTGTTGCTC ACCCGCACTG 2940

AGGACAGGCT AGTGTGGAAA ACCTTGCAGG GCGACCCATG GATTAAGCAG CCCACTAACA 3000

TACCTAAAGG AAACTTTCAG GCTACTATAG AGGACTGGGA AGCTGAACAC AAGGGAATAA 3060

TTGCTGCAAT AAACAGCCCC ACTCCCCGTG CCAATCCGTT CAGCTGCAAG ACCAACGTTT 3120

GCTGGGCGAA AGCATTGGAA CCGATACTAG CCACGGCCGG TATCGTACTT ACCGGTTGCC 3180

AGTGGAGCGA ACTGTTCCCA CAGTTTGCGG ATGACAAACC ACATTCGGCC ATTTACGCCT 3240

TAGACGTAAT TTGCATTAAG TTTTTCGGCA TGGACTTGAC AAGCGGACTG TTTTCTAAAC 3300

AGAGCATCCC ACTAACGTAC CATCCCGCCG ATTCAGCGAG GCCGGTAGCT CATTGGGACA 3360

ACAGCCCAGG AACCCGCAAG TATGGGTACG ATCACGCCAT TGCCGCCGAA CTCTCCCGTA 3420

GATTTCCGGT GTTCCAGCTA GCTGGGAAGG GCACACAACT TGATTTGCAG ACGGGGAGAA 3480

CCAGAGTTAT CTCTGCACAG CATAACCTGG TCCCGGTGAA CCGCAATCTT CCTCACGCCT 3540

TAGTCCCCGA GTACAAGGAG AAGCAACCCG GCCCGGTCAA AAAATTCTTG AACCAGTTCA 3600

AACACCACTC AGTACTTGTG GTATCAGAGG AAAAAATTGA AGCTCCCCGT AAGAGAATCG 3660

AATGGATCGC CCCGATTGGC ATAGCCGGTG CAGATAAGAA CTACAACCTG GCTTTCGGGT 3720

TTCCGCCGCA GGCACGGTAC GACCTGGTGT TCATCAACAT TGGAACTAAA TACAGAAACC 3780

ACCACTTTCA GCAGTGCGAA GACCATGCGG CGACCTTAAA AACCCTTTCG CGTTCGGCCC 3840

TGAATTGCCT TAACCCAGGA GGCACCCTCG TGGTGAAGTC CTATGGCTAC GCCGACCGCA 3900

ACAGTGAGGA CGTAGTCACC GCTCTTGCCA GAAAGTTTGT CAGGGTGTCT GCAGCGAGAC 3960

CAGATTGTGT CTCAAGCAAT ACAGAAATGT ACCTGATTTT CCGACAACTA GACAACAGCC 4020

GTACACGGCA ATTCACCCCG CACCATCTGA ATTGCGTGAT TTCGTCCGTG TATGAGGGTA 4080

CAAGAGATGG AGTTGGAGCC GCGCCGTCAT ACCGCACCAA AAGGGAGAAT ATTGCTGACT 4140

GTCAAGAGGA AGCAGTTGTC AACGCAGCCA ATCCGCTGGG TAGACCAGGC GAAGGAGTCT 4200

GCCGTGCCAT CTATAAACGT TGGCCGACCA GTTTTACCGA TTCAGCCACG GAGACAGGCA 4260

CCGCAAGAAT GACTGTGTGC CTAGGAAAGA AAGTGATCCA CGCGGTCGGC CCTGATTTCC 4320

GGAAGCACCC AGAAGCAGAA GCCTTGAAAT TGCTACAAAA CGCCTACCAT GCAGTGGCAG 4380

ACTTAGTAAA TGAACATAAC ATCAAGTCTG TCGCCATTCC ACTGCTATCT ACAGGCATTT 4440

ACGCAGCCGG AAAAGACCGC CTTGAAGTAT CACTTAACTG CTTGACAACC GCGCTAGACA 4500

GAACTGACGC GGACGTAACC ATCTATTGCC TGGATAAGAA GTGGAAGGAA AGAATCGACG 4560

CGGCACTCCA ACTTAAGGAG TCTGTAACAG AGCTGAAGGA TGAAGATATG GAGATCGACG 4620

ATGAGTTAGT ATGGATCCAT CCAGACAGTT GCTTGAAGGG AAGAAAGGGA TTCAGTACTA 4680

CAAAAGGAAA ATTGTATTCG TACTTCGAAG GCACCAAATT CCATCAAGCA GCAAAAGACA 4740

TGGCGGAGAT AAAGGTCCTG TTCCCTAATG ACCAGGAAAG TAATGAACAA CTGTGTGCCT 4800

ACATATTGGG TGAGACCATG GAAGCAATCC GCGAAAAGTG CCCGGTCGAC CATAACCCGT 4860

CGTCTAGCCC GCCCAAAACG TTGCCGTGCC TTTGCATGTA TGCCATGACG CCAGAAAGGG 4920

TCCACAGACT TAGAAGCAAT AACGTCAAAG AAGTTACAGT ATGCTCCTCC ACCCCCCTTC 4980

CTAAGCACAA AATTAAGAAT GTTCAGAAGG TTCAGTGCAC GAAAGTAGTC CTGTTTAATC 5040

CGCACACTCC CGCATTCGTT CCCGCCCGTA AGTACATAGA AGTGCCAGAA CAGCCTACCG 5100

CTCCTCCTGC ACAGGCCGAG GAGGCCCCCG AAGTTGTAGC GACACCGTCA CCATCTACAG 5160

CTGATAACAC CTCGCTTGAT GTCACAGACA TCTCACTGGA TATGGATGAC AGTAGCGAAG 5220

GCTCACTTTT TTCGAGCTTT AGCGGATCGG ACAACTCTAT TACTAGTATG GACAGTTGGT 5280

CGTCAGGACC TAGTTCACTA GAGATAGTAG ACCGAAGGCA GGTGGTGGTG GCTGACGTTC 5340

ATGCCGTCCA AGAGCCTGCC CCTATTCCAC CGCCAAGGCT AAAGAAGATG GCCCGCCTGG 5400

CAGCGGCAAG AAAAGAGCCC ACTCCACCGG CAAGCAATAG CTCTGAGTCC CTCCACCTCT 5460

CTTTTGGTGG GGTATCCATG TCCCTCGGAT CAATTTTCGA CGGAGAGACG GCCCGCCAGG 5520

CAGCGGTACA ACCCCTGGCA ACAGGCCCCA CGGATGTGCC TATGTCTTTC GGATCGTTTT 5580

CCGACGGAGA GATTGATGAG CTGAGCCGCA GAGTAACTGA GTCCGAACCC GTCCTGTTTG 5640

GATCATTTGA ACCGGGCGAA GTGAACTCAA TTATATCGTC CCGATCAGCC GTATCTTTTC 5700

CACTACGCAA GCAGAGACGT AGACGCAGGA GCAGGAGGAC TGAATACTGA CTAACCGGGG 5760

TAGGTGGGTA CATATTTTCG ACGGACACAG GCCCTGGGCA CTTGCAAAAG AAGTCCGTTC 5820

TGCAGAACCA GCTTACAGAA CCGACCTTGG AGCGCAATGT CCTGGAAAGA ATTCATGCCC 5880

CGGTGCTCGA CACGTCGAAA GAGGAACAAC TCAAACTCAG GTACCAGATG ATGCCCACCG 5940

AAGCCAACAA AAGTAGGTAC CAGTCTCGTA AAGTAGAAAA TCAGAAAGCC ATAACCACTG 6000

AGCGACTACT GTCAGGACTA CGACTGTATA ACTCTGCCAC AGATCAGCCA GAATGCTATA 6060

AGATCACCTA TCCGAAACCA TTGTACTCCA GTAGCGTACC GGCGAACTAC TCCGATCCAC 6120

AGTTCGCTGT AGCTGTCTGT AACAACTATC TGCATGAGAA CTATCCGACA GTAGCATCTT 6180

ATCAGATTAC TGACGAGTAC GATGCTTACT TGGATATGGT AGACGGGACA GTCGCCTGCC 6240

TGGATACTGC AACCTTCTGC CCCGCTAAGC TTAGAAGTTA CCCGAAAAAA CATGAGTATA 6300

GAGCCCCGAA TATCCGCAGT GCGGTTCCAT CAGCGATGCA GAACACGCTA CAAAATGTGC 6360

TCATTGCCGC AACTAAAAGA AATTGCAACG TCACGCAGAT GCGTGAACTG CCAACACTGG 6420

ACTCAGCGAC ATTCAATGTC GAATGCTTTC GAAAATATGC ATGTAATGAC GAGTATTGGG 6480

AGGAGTTCGC TCGGAAGCCA ATTAGGATTA CCACTGAGTT TGTCACCGCA TATGTAGCTA 6540

GACTGAAAGG CCCTAAGGCC GCCGCACTAT TTGCAAAGAC GTATAATTTG GTCCCATTGC 6600

AAGAAGTGCC TATGGATAGA TTCGTCATGG ACATGAAAAG AGACGTGAAA GTTACACCAG 6660

GCACGAAACA CACAGAAGAA AGACCGAAAG TACAAGTGAT ACAAGCCGCA GAACCCCTGG 6720

CGACTGCTTA CTTATGCGGG ATTCACCGGG AATTAGTGCG TAGGCTTACG GCCGTCTTGC 6780

TTCCAAACAT TCACACGCTT TTTGACATGT CGGCGGAGGA TTTTGATGCA ATCATAGCAG 6840

AACACTTCAA GCAAGGCGAC CCGGTACTGG AGACGGATAT CGCATCATTC GACAAAAGCC 6900

AAGACGACGC TATGGCGTTA ACCGGTCTGA TGATCTTGGA GGACCTGGGT GTGGATCAAC 6960

CACTACTCGA CTTGATCGAG TGCGCCTTTG GAGAAATATC ATCCACCCAT CTACCTACGG 7020

GTACTCGTTT TAAATTCGGG GCGATGATGA AATCCGGAAT GTTCCTCACA CTTTTTGTCA 7080

ACACAGTTTT GAATGTCGTT ATCGCCAGCA GAGTACTAGA AGAGCGGCTT AAAACGTCCA 7140

GATGTGCAGC GTTCATTGGC GACGACAACA TCATACATGG AGTAGTATCT GACAAAGAAA 7200

TGGCTGAGAG GTGCGCCACC TGGCTCAACA TGGAGGTTAA GATCATCGAC GCAGTCATCG 7260

GTGAGAGACC ACCTTACTTC TGCGGCGGAT TTATCTTGCA AGATTCGGTT ACTTCCACAG 7320

CGTGCCGCGT GGCGGATCCC CTGAAAAGGC TGTTTAAGTT GGGTAAACCG CTCCCAGCCG 7380

ACGACGAGCA AGACGAAGAC AGAAGACGCG CTCTGCTAGA TGAAACAAAG GCGTGGTTTA 7440

GAGTAGGTAT AACAGGCACT TTAGCAGTGG CCGTGACGAC CCGGTATGAG GTAGACAATA 7500

TTACACCTGT CCTACTGGCA TTGAGAACTT TTGCCCAGAG CAAAAGAGCA TTCCAAGCCA 7560

TCAGAGGGGA AATAAAGCAT CTCTACGGTG GTCCTAAATA GTCAGCATAG TACATTTCAT 7620

CTGACTAATA CTACAACACC ACCACCATGA ATAGAGGATT CTTTAACATG CTCGGCCGCC 7680

GCCCCTTCCC GGCCCCCACT GCCATGTGGA GGCCGCGGAG AAGGAGGCAG GCGGCCCCGA 7740

TGCCTGCCCG CAACGGGCTG GCTTCTCAAA TCCAGCAACT GACCACAGCC GTCAGTGCCC 7800

TAGTCATTGG ACAGGCAACT AGACCTCAAC CCCCACGTCC ACGCCCGCCA CCGCGCCAGA 7860

AGAAGCAGGC GCCCAAGCAA CCACCGAAGC CGAAGAAACC AAAAACGCAG GAGAAGAAGA 7920

AGAAGCAACC TGCAAAACCC AAACCCGGAA AGAGACAGCG CATGGCACTT AAGTTGGAGG 7980

CCGACAGATT GTTCGACGTC 8000

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:103:

(i) SEQUENCE CHARACTERISTICS:
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ATTGACGGCG TAGTACACAC TATTGAATCA AACAGCCGAC CAATTGCACT ACCATCACAA 60

TGGAGAAGCC AGTAGTAAAC GTAGACGTAG ACCCCCAGAG TCCGTTTGTC GTGCAACTGC 120

AAAAAAGCTT CCCGCAATTT GAGGTAGTAG CACAGCAGGT CACTCCAAAT GACCATGCTA 180

ATGCCAGAGC ATTTTCGCAT CTGGCCAGTA AACTAATCGA GCTGGAGGTT CCTACCACAG 240

CGACGATCTT GGACATAGGC AGCGCACCGG CTCGTAGAAT GTTTTCCGAG CACCAGTATC 300

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AACTGGCGGA AAAAGCGTGC AAGATTACAA ACAAGAACTT GCATGAGAAG ATTAAGGATC 420

TCCGGACCGT ACTTGATACG CCGGATGCTG AAACACCATC GCTCTGCTTT CACAACGATG 480

TTACCTGCAA CATGCGTGCC GAATATTCCG TCATGCAGGA CGTGTATATC AACGCTCCCG 540

GAACTATCTA TCATCAGGCT ATGAAAGGCG TGCGGACCCT GTACTGGATT GGCTTCGACA 600

CCACCCAGTT CATGTTCTCG GCTATGGCAG GTTCGTACCC TGCGTACAAC ACCAACTGGG 660

CCGACGAGAA AGTCCTTGAA GCGCGTAACA TCGGACTTTG CAGCACAAAG CTGAGTGAAG 720

GTAGGACAGG AAAATTGTCG ATAATGAGGA AGAAGGAGTT GAAGCCCGGG TCGCGGGTTT 780

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TTCCATCGGT GTTCCACTTG AATGGAAAGC AGTCGTACAC TTGCCGCTGT GATACAGTGG 900

TGAGTTGCGA AGGCTACGTA GTGAAGAAAA TCACCATCAG TCCCGGGATC ACGGGAGAAA 960

CCGTGGGATA CGCGGTTACA CACAATAGCG AGGGCTTCTT GCTATGCAAA GTTACTGACA 1020

CAGTAAAAGG AGAACGGGTA TCGTTCCCTG TGTGCACGTA CATCCCGGCC ACCATATGCG 1080

ATCAGATGAC TGGTATAATG GCCACGGATA TATCACCTGA CGATGCACAA AAACTTCTGG 1140

TTGGGCTCAA CCAGCGAATT GTCATTAACG GTAGGACTAA CAGGAACACC AACACCATGC 1200

AAAATTACCT TCTGCCGATC ATAGCACAAG GGTTCAGCAA ATGGGCTAAG GAGCGCAAGG 1260

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GCGTAAAAGT CCCAGCCTCT TTTAGCGCTT TTCCCATGTC GTCCGTATGG ACGACCTCTT 1440

TGCCCATGTC GCTGAGGCAG AAATTGAAAC TGGCATTGCA ACCAAAGAAG GAGGAAAAAC 1500

TGCTGCAGGT CTCGGAGGAA TTAGTCATGG AGGCCAAGGC TGCTTTTGAG GATGCTCAGG 1560

AGGAAGCCAG AGCGGAGAAG CTCCGAGAAG CACTTCCACC ATTAGTGGCA GACAAAGGCA 1620

TCGAGGCAGC CGCAGAAGTT GTCTGCGAAG TGGAGGGGCT CCAGGCGGAC ATCGGAGCAG 1680

CATTAGTTGA AACCCCGCGC GGTCACGTAA GGATAATACC TCAAGCAAAT GACCGTATGA 1740

TCGGACAGTA TATCGTTGTC TCGCCAAACT CTGTGCTGAA GAATGCCAAA CTCGCACCAG 1800

CGCACCCGCT AGCAGATCAG GTTAAGATCA TAACACACTC CGGAAGATCA GGAAGGTACG 1860

CGGTCGAACC ATACGACGCT AAAGTACTGA TGCCAGCAGG AGGTGCCGTA CCATGGCCAG 1920

AATTCCTAGC ACTGAGTGAG AGCGCCACGT TAGTGTACAA CGAAAGAGAG TTTGTGAACC 1980

GCAAACTATA CCACATTGCC ATGCATGGCC CCGCCAAGAA TACAGAAGAG GAGCAGTACA 2040

AGGTTACAAA GGCAGAGCTT GCAGAAACAG AGTACGTGTT TGACGTGGAC AAGAAGCGTT 2100

GCGTTAAGAA GGAAGAAGCC TCAGGTCTGG TCCTCTCGGG AGAACTGACC AACCCTCCCT 2160

ATCATGAGCT AGCTCTGGAG GGACTGAAGA CCCGACCTGC GGTCCCGTAC AAGGTCGAAA 2220

CAATAGGAGT GATAGGCACA CCGGGGTCGG GCAAGTCAGC TATTATCAAG TCAACTGTCA 2280

CGGCACGAGA TCTTGTTACC AGCGGAAAGA AAGAAAATTG TCGCGAAATT GAGGCCGACG 2340

TGCTAAGACT GAGGGGTATG CAGATTACGT CGAAGACAGT AGATTCGGTT ATGCTCAACG 2400

GATGCCACAA AGCCGTAGAA GTGCTGTACG TTGACGAAGC GTTCGCGTGC CACGCAGGAG 2460

CACTACTTGC CTTGATTGCT ATCGTCAGGC CCCGCAAGAA GGTAGTACTA TGCGGAGACC 2520

CCATGCAATG CGGATTCTTC AACATGATGC AACTAAAGGT ACATTTCAAT CACCCTGAAA 2580

AAGACATATG CACCAAGACA TTCTACAAGT ATATCTCCCG GCGTTGCACA CAGCCAGTTA 2640

CAGCTATTGT ATCGACACTG CATTACGATG GAAAGATGAA AACCACGAAC CCGTGCAAGA 2700

AGAACATTGA AATCGATATT ACAGGGGCCA CAAAGCCGAA GCCAGGGGAT ATCATCCTGA 2760

CATGTTTCCG CGGGTGGGTT AAGCAATTGC AAATCGACTA TCCCGGACAT GAAGTAATGA 2820

CAGCCGCGGC CTCACAAGGG CTAACCAGAA AAGGAGTGTA TGCCGTCCGG CAAAAAGTCA 2880

ATGAAAACCC ACTGTACGCG ATCACATCAG AGCATGTGAA CGTGTTGCTC ACCCGCACTG 2940

AGGACAGGCT AGTGTGGAAA ACCTTGCAGG GCGACCCATG GATTAAGCAG CCCACTAACA 3000

TACCTAAAGG AAACTTTCAG GCTACTATAG AGGACTGGGA AGCTGAACAC AAGGGAATAA 3060

TTGCTGCAAT AAACAGCCCC ACTCCCCGTG CCAATCCGTT CAGCTGCAAG ACCAACGTTT 3120

GCTGGGCGAA AGCATTGGAA CCGATACTAG CCACGGCCGG TATCGTACTT ACCGGTTGCC 3180

AGTGGAGCGA ACTGTTCCCA CAGTTTGCGG ATGACAAACC ACATTCGGCC ATTTACGCCT 3240

TAGACGTAAT TTGCATTAAG TTTTTCGGCA TGGACTTGAC AAGCGGACTG TTTTCTAAAC 3300

AGAGCATCCC ACTAACGTAC CATCCCGCCG ATTCAGCGAG GCCGGTAGCT CATTGGGACA 3360

ACAGCCCAGG AACCCGCAAG TATGGGTACG ATCACGCCAT TGCCGCCGAA CTCTCCCGTA 3420

GATTTCCGGT GTTCCAGCTA GCTGGGAAGG GCACACAACT TGATTTGCAG ACGGGGAGAA 3480

CCAGAGTTAT CTCTGCACAG CATAACCTGG TCCCGGTGAA CCGCAATCTT CCTCACGCCT 3540

TAGTCCCCGA GTACAAGGAG AAGCAACCCG GCCCGGTCAA AAAATTCTTG AACCAGTTCA 3600

AACACCACTC AGTACTTGTG GTATCAGAGG AAAAAATTGA AGCTCCCCGT AAGAGAATCG 3660

AATGGATCGC CCCGATTGGC ATAGCCGGTG CAGATAAGAA CTACAACCTG GCTTTCGGGT 3720

TTCCGCCGCA GGCACGGTAC GACCTGGTGT TCATCAACAT TGGAACTAAA TACAGAAACC 3780

ACCACTTTCA GCAGTGCGAA GACCATGCGG CGACCTTAAA AACCCTTTCG CGTTCGGCCC 3840

TGAATTGCCT TAACCCAGGA GGCACCCTCG TGGTGAAGTC CTATGGCTAC GCCGACCGCA 3900

ACAGTGAGGA CGTAGTCACC GCTCTTGCCA GAAAGTTTGT CAGGGTGTCT GCAGCGAGAC 3960

CAGATTGTGT CTCAAGCAAT ACAGAAATGT ACCTGATTTT CCGACAACTA GACAACAGCC 4020

GTACACGGCA ATTCACCCCG CACCATCTGA ATTGCGTGAT TTCGTCCGTG TATGAGGGTA 4080

CAAGAGATGG AGTTGGAGCC GCGCCGTCAT ACCGCACCAA AAGGGAGAAT ATTGCTGACT 4140

GTCAAGAGGA AGCAGTTGTC AACGCAGCCA ATCCGCTGGG TAGACCAGGC GAAGGAGTCT 4200

GCCGTGCCAT CTATAAACGT TGGCCGACCA GTTTTACCGA TTCAGCCACG GAGACAGGCA 4260

CCGCAAGAAT GACTGTGTGC CTAGGAAAGA AAGTGATCCA CGCGGTCGGC CCTGATTTCC 4320

GGAAGCACCC AGAAGCAGAA GCCTTGAAAT TGCTACAAAA CGCCTACCAT GCAGTGGCAG 4380

ACTTAGTAAA TGAACATAAC ATCAAGTCTG TCGCCATTCC ACTGCTATCT ACAGGCATTT 4440

ACGCAGCCGG AAAAGACCGC CTTGAAGTAT CACTTAACTG CTTGACAACC GCGCTAGACA 4500

GAACTGACGC GGACGTAACC ATCTATTGCC TGGATAAGAA GTGGAAGGAA AGAATCGACG 4560

CGGCACTCCA ACTTAAGGAG TCTGTAACAG AGCTGAAGGA TGAAGATATG GAGATCGACG 4620

ATGAGTTAGT ATGGATCCAT CCAGACAGTT GCTTGAAGGG AAGAAAGGGA TTCAGTACTA 4680

CAAAAGGAAA ATTGTATTCG TACTTCGAAG GCACCAAATT CCATCAAGCA GCAAAAGACA 4740

TGGCGGAGAT AAAGGTCCTG TTCCCTAATG ACCAGGAAAG TAATGAACAA CTGTGTGCCT 4800

ACATATTGGG TGAGACCATG GAAGCAATCC GCGAAAAGTG CCCGGTCGAC CATAACCCGT 4860

CGTCTAGCCC GCCCAAAACG TTGCCGTGCC TTTGCATGTA TGCCATGACG CCAGAAAGGG 4920

TCCACAGACT TAGAAGCAAT AACGTCAAAG AAGTTACAGT ATGCTCCTCC ACCCCCCTTC 4980

CTAAGCACAA AATTAAGAAT GTTCAGAAGG TTCAGTGCAC GAAAGTAGTC CTGTTTAATC 5040

CGCACACTCC CGCATTCGTT CCCGCCCGTA AGTACATAGA AGTGCCAGAA CAGCCTACCG 5100

CTCCTCCTGC ACAGGCCGAG GAGGCCCCCG AAGTTGTAGC GACACCGTCA CCATCTACAG 5160

CTGATAACAC CTCGCTTGAT GTCACAGACA TCTCACTGGA TATGGATGAC AGTAGCGAAG 5220

GCTCACTTTT TTCGAGCTTT AGCGGATCGG ACAACTCTAT TACTAGTATG GACAGTTGGT 5280

CGTCAGGACC TAGTTCACTA GAGATAGTAG ACCGAAGGCA GGTGGTGGTG GCTGACGTTC 5340

ATGCCGTCCA AGAGCCTGCC CCTATTCCAC CGCCAAGGCT AAAGAAGATG GCCCGCCTGG 5400

CAGCGGCAAG AAAAGAGCCC ACTCCACCGG CAAGCAATAG CTCTGAGTCC CTCCACCTCT 5460

CTTTTGGTGG GGTATCCATG TCCCTCGGAT CAATTTTCGA CGGAGAGACG GCCCGCCAGG 5520

CAGCGGTACA ACCCCTGGCA ACAGGCCCCA CGGATGTGCC TATGTCTTTC GGATCGTTTT 5580

CCGACGGAGA GATTGATGAG CTGAGCCGCA GAGTAACTGA GTCCGAACCC GTCCTGTTTG 5640

GATCATTTGA ACCGGGCGAA GTGAACTCAA TTATATCGTC CCGATCAGCC GTATCTTTTC 5700

CACTACGCAA GCAGAGACGT AGACGCAGGA GCAGGAGGAC TGAATACTGA CTAACCGGGG 5760

TAGGTGGGTA CATATTTTCG ACGGACACAG GCCCTGGGCA CTTGCAAAAG AAGTCCGTTC 5820

TGCAGAACCA GCTTACAGAA CCGACCTTGG AGCGCAATGT CCTGGAAAGA ATTCATGCCC 5880

CGGTGCTCGA CACGTCGAAA GAGGAACAAC TCAAACTCAG GTACCAGATG ATGCCCACCG 5940

AAGCCAACAA AAGTAGGTAC CAGTCTCGTA AAGTAGAAAA TCAGAAAGCC ATAACCACTG 6000

AGCGACTACT GTCAGGACTA CGACTGTATA ACTCTGCCAC AGATCAGCCA GAATGCTATA 6060

AGATCACCTA TCCGAAACCA TTGTACTCCA GTAGCGTACC GGCGAACTAC TCCGATCCAC 6120

AGTTCGCTGT AGCTGTCTGT AACAACTATC TGCATGAGAA CTATCCGACA GTAGCATCTT 6180

ATCAGATTAC TGACGAGTAC GATGCTTACT TGGATATGGT AGACGGGACA GTCGCCTGCC 6240

TGGATACTGC AACCTTCTGC CCCGCTAAGC TTAGAAGTTA CCCGAAAAAA CATGAGTATA 6300

GAGCCCCGAA TATCCGCAGT GCGGTTCCAT CAGCGATGCA GAACACGCTA CAAAATGTGC 6360

TCATTGCCGC AACTAAAAGA AATTGCAACG TCACGCAGAT GCGTGAACTG CCAACACTGG 6420

ACTCAGCGAC ATTCAATGTC GAATGCTTTC GAAAATATGC ATGTAATGAC GAGTATTGGG 6480

AGGAGTTCGC TCGGAAGCCA ATTAGGATTA CCACTGAGTT TGTCACCGCA TATGTAGCTA 6540

GACTGAAAGG CCCTAAGGCC GCCGCACTAT TTGCAAAGAC GTATAATTTG GTCCCATTGC 6600

AAGAAGTGCC TATGGATAGA TTCGTCATGG ACATGAAAAG AGACGTGAAA GTTACACCAG 6660

GCACGAAACA CACAGAAGAA AGACCGAAAG TACAAGTGAT ACAAGCCGCA GAACCCCTGG 6720

CGACTGCTTA CTTATGCGGG ATTCACCGGG AATTAGTGCG TAGGCTTACG GCCGTCTTGC 6780

TTCCAAACAT TCACACGCTT TTTGACATGT CGGCGGAGGA TTTTGATGCA ATCATAGCAG 6840

AACACTTCAA GCAAGGCGAC CCGGTACTGG AGACGGATAT CGCATCATTC GACAAAAGCC 6900

AAGACGACGC TATGGCGTTA ACCGGTCTGA TGATCTTGGA GGACCTGGGT GTGGATCAAC 6960

CACTACTCGA CTTGATCGAG TGCGCCTTTG GAGAAATATC ATCCACCCAT CTACCTACGG 7020

GTACTCGTTT TAAATTCGGG GCGATGATGA AATCCGGAAT GTTCCTCACA CTTTTTGTCA 7080

ACACAGTTTT GAATGTCGTT ATCGCCAGCA GAGTACTAGA AGAGCGGCTT AAAACGTCCA 7140

GATGTGCAGC GTTCATTGGC GACGACAACA TCATACATGG AGTAGTATCT GACAAAGAAA 7200

TGGCTGAGAG GTGCGCCACC TGGCTCAACA TGGAGGTTAA GATCATCGAC GCAGTCATCG 7260

GTGAGAGACC ACCTTACTTC TGCGGCGGAT TTATCTTGCA AGATTCGGTT ACTTCCACAG 7320

CGTGCCGCGT GGCGGATCCC CTGAAAAGGC TGTTTAAGTT GGGTAAACCG CTCCCAGCCG 7380

ACGACGAGCA AGACGAAGAC AGAAGACGCG CTCTGCTAGA TGAAACAAAG GCGTGGTTTA 7440

GAGTAGGTAT AACAGGCACT TTAGCAGTGG CCGTGACGAC CCGGTATGAG GTAGACAATA 7500

TTACACCTGT CCTACTGGCA TTGAGAACTT TTGCCCAGAG CAAAAGAGCA TTCCAAGCCA 7560

TCAGAGGGGA AATAAAGCAT CTCTACGGTG GTCCTAAATA GTCAGCATAG TACATTTCAT 7620

CTGACTAATA CTACAACACC ACCACCATGA ATAGAGGATT CTTTAACATG CTCGGCCGCC 7680

GCCCCTTCCC GGCCCCCACT GCCATGTGGA GGCCGCGGAG AAGGAGGCAG GCGGCCCCGA 7740

TGCCTGCCCG CAACGGGCTG GCTTCTCAAA TCCAGCAACT GACCACAGCC GTCAGTGCCC 7800

TAGTCATTGG ACAGGCAACT AGACCTCAAC CCCCACGTCC ACGCCCGCCA CCGCGCCAGA 7860

AGAAGCAGGC GCCCAAGCAA CCACCGAAGC CGAAGAAACC AAAAACGCAG GAGAAGAAGA 7920

AGAAGCAACC TGCAAAACCC AAACCCGGAA AGAGACAGCG CATGGCACTT AAGTTGGAGG 7980

CCGACAGATT GTTCGACGTC AAGAACGAGG ACGGAGATGT CATCGGGCAC GCACTGGCCA 8040

TGGAAGGAAA GGTAATGAAA CCTCTGCACG TGAAAGGAAC CATCGACCAC CCTGTGCTAT 8100

CAAAGCTCAA ATTTACCAAG TCGTCAGCAT ACGACATGGA GTTCGCACAG TTGCCAGTCA 8160

ACATGAGAAG TGAGGCATTC ACCTACACCA GTGAACACCC CGAAGGATTC TATAACTGGC 8220

ACCACGGAGC GGTGCAGTAT AGTGGAGGTA GATTTACCAT CCCTCGCGGA GTAGGAGGCA 8280

GAGGAGACAG CGGTCGTCCG ATCATGGATA ACTCCGGTCG GGTTGTCGCG ATAGTCCTCG 8340

GTGGCGCTGA TGAAGGAACA CGAACTGCCC TTTCGGTCGT CACCTGGAAT AGTAAAGGGA 8400

AGACAATTAA GACGACCCCG GAAGGGACAG AAGAGTGGTC CGCAGCACCA CTGGTCACGG 8460

CAATGTGTTT GCTCGGAAAT GTGAGCTTCC CATGCGACCG CCCGCCCACA TGCTATACCC 8520

GCGAACCTTC CAGAGCCCTC GACATCCTTG AAGAGAACGT GAACCATGAG GCCTACGATA 8580

CCCTGCTCAA TGCCATATTG CGGTGCGGAT CGTCTGGCAG AAGCAAAAGA AGCGTCATTG 8640

ACGACTTTAC CCTGACCAGC CCCTACTTGG GCACATGCTC GTACTGCCAC CATACTGTAC 8700

CGTGCTTCAG CCCTGTTAAG ATCGAGCAGG TCTGGGACGA AGCGGACGAT AACACCATAC 8760

GCATACAGAC TTCCGCCCAG TTTGGATACG ACCAAAGCGG AGCAGCAAGC GCAAACAAGT 8820

ACCGCTACAT GTCGCTTAAG CAGGATCACA CCGTTAAAGA AGGCACCATG GATGACATCA 8880

AGATTAGCAC CTCAGGACCG TGTAGAAGGC TTAGCTACAA AGGATACTTT CTCCTCGCAA 8940

AATGCCCTCC AGGGGACAGC GTAACGGTTA GCATAGTGAG TAGCAACTCA GCAACGTCAT 9000

GTACACTGGC CCGCAAGATA AAACCAAAAT TCGTGGGACG GGAAAAATAT GATCTACCTC 9060

CCGTTCACGG TAAAAAAATT CCTTGCACAG TGTACGACCG TCTGAAAGAA ACAACTGCAG 9120

GCTACATCAC TATGCACAGG CCGAGACCGC ACGCTTATAC ATCCTACCTG GAAGAATCAT 9180

CAGGGAAAGT TTACGCAAAG CCGCCATCTG GGAAGAACAT TACGTATGAG TGCAAGTGCG 9240

GCGACTACAA GACCGGAACC GTTTCGACCC GCACCGAAAT CACTGGTTGC ACCGCCATCA 9300

AGCAGTGCGT CGCCTATAAG AGCGACCAAA CGAAGTGGGT CTTCAACTCA CCGGACTTGA 9360

TCAGACATGA CGACCACACG GCCCAAGGGA AATTGCATTT GCCTTTCAAG TTGATCCCGA 9420

GTACCTGCAT GGTCCCTGTT GCCCACGCGC CGAATGTAAT ACATGGCTTT AAACACATCA 9480

GCCTCCAATT AGATACAGAC CACTTGACAT TGCTCACCAC CAGGAGACTA GGGGCAAACC 9540

CGGAACCAAC CACTGAATGG ATCGTCGGAA AGACGGTCAG AAACTTCACC GTCGACCGAG 9600

ATGGCCTGGA ATACATATGG GGAAATCATG AGCCAGTGAG GGTCTATGCC CAAGAGTCAG 9660

CACCAGGAGA CCCTCACGGA TGGCCACACG AAATAGTACA GCATTACTAC CATCGCCATC 9720

CTGTGTACAC CATCTTAGCC GTCGCATCAG CTACCGTGGC GATGATGATT GGCGTAACTG 9780

TTGCAGTGTT ATGTGCCTGT AAAGCGCGCC GTGAGTGCCT GACGCCATAC GCCCTGGCCC 9840

CAAACGCCGT AATCCCAACT TCGCTGGCAC TCTTGTGCTG CGTTAGGTCG GCCAATGCTG 9900

AAACGTTCAC CGAGACCATG AGTTACTTGT GGTCGAACAG TCAGCCGTTC TTCTGGGTCC 9960

AGTTGTGCAT ACCTTTGGCC GCTTTCATCG TTCTAATGCG CTGCTGCTCC TGCTGCCTGC 10020

CTTTTTTAGT GGTTGCCGGC GCCTACCTGG CGAAGGTAGA CGCCTACGAA CATGCGACCA 10080

CTGTTCCAAA TGTGCCACAG ATACCGTATA AGGCACTTGT TGAAAGGGCA GGGTATGCCC 10140

CGCTCAATTT GGAGATCACT GTCATGTCCT CGGAGGTTTT GCCTTCCACC AACCAAGAGT 10200

ACATTACCTG CAAATTCACC ACTGTGGTCC CCTCCCCAAA AATCAAATGC TGCGGCTCCT 10260

TGGAATGTCA GCCGGCCGCT CATGCAGACT ATACCTGCAA GGTCTTCGGA GGGGTCTACC 10320

CCTTTATGTG GGGAGGAGCG CAATGTTTTT GCGACAGTGA GAACAGCCAG ATGAGTGAGG 10380

CGTACGTCGA ATTGTCAGCA GATTGCGCGT CTGACCACGC GCAGGCGATT AAGGTGCACA 10440

CTGCCGCGAT GAAAGTAGGA CTGCGTATTG TGTACGGGAA CACTACCAGT TTCCTAGATG 10500

TGTACGTGAA CGGAGTCACA CCAGGAACGT CTAAAGACTT GAAAGTCATA GCTGGACCAA 10560

TTTCAGCATC GTTTACGCCA TTCGATCATA AGGTCGTTAT CCATCGCGGC CTGGTGTACA 10620

ACTATGACTT CCCGGAATAT GGAGCGATGA AACCAGGAGC GTTTGGAGAC ATTCAAGCTA 10680

CCTCCTTGAC TAGCAAGGAT CTCATCGCCA GCACAGACAT TAGGCTACTC AAGCCTTCCG 10740

CCAAGAACGT GCATGTCCCG TACACGCAGG CCTCATCAGG ATTTGAGATG TGGAAAAACA 10800

ACTCAGGCCG CCCACTGCAG GAAACCGCAC CTTTCGGGTG TAAGATTGCA GTAAATCCGC 10860

TCCGAGCGGT GGACTGTTCA TACGGGAACA TTCCCATTTC TATTGACATC CCGAACGCTG 10920

CCTTTATCAG GACATCAGAT GCACCACTGG TCTCAACAGT CAAATGTGAA GTCAGTGAGT 10980

GCACTTATTC AGCAGACTTC GGCGGGATGG CCACCCTGCA GTATGTATCC GACCGCGAAG 11040

GTCAATGCCC CGTACATTCG CATTCGAGCA CAGCAACTCT CCAAGAGTCG ACAGTACATG 11100

TCCTGGAGAA AGGAGCGGTG ACAGTACACT TTAGCACCGC GAGTCCACAG GCGAACTTTA 11160

TCGTATCGCT GTGTGGGAAG AAGACAACAT GCAATGCAGA ATGTAAACCA CCAGCTGACC 11220

ATATCGTGAG CACCCCGCAC AAAAATGACC AAGAATTTCA AGCCGCCATC TCAAAAACAT 11280

CATGGAGTTG GCTGTTTGCC CTTTTCGGCG GCGCCTCGTC GCTATTAATT ATAGGACTTA 11340

TGATTTTTGC TTGCAGCATG ATGCTGACTA GCACACGAAG ATGACCGCTA CGCCCCAATG 11400

ATCCGACCAG CAAAACTCGA TGTACTTCCG AGGAACTGAT GTGCATAATG CATCAGGCTG 11460

GTACATTAGA TCCCCGCTTA CCGCGGGCAA TATAGCAACA CTAAAAACTC GATGTACTTC 11520

CGAGGAAGCG CAGTGCATAA TGCTGCGCAG TGTTGCCACA TAACCACTAT ATTAACCATT 11580

TATCTAGCGG ACGCCAAAAA CTCAATGTAT TTCTGAGGAA GCGTGGTGCA TAATGCCACG 11640

CAGCGTCTGC ATAACTTTTA TTATTTCTTT TATTAATCAA CAAAATTTTG TTTTTAACAT 11700

TTCAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 11740

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Ser Ile Leu Gly Ser Arg
1 5

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GTCCGTTTGT CGTGCAACTG C 21

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GTCCGTTTGT CGTGCAACTG A 21

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CAATCTTCCT CACGCCTTAG C 21

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CAATCTTCCT CACGCCTTAG T 21

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TCCTAAATAG TCAGCATAGT A 21

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TCCTAAATAG TCAGCATAGT T 21
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TATATCTCGA GGGTGGTGTT GTAGTATTAG TCAG 34

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TATATGATAT CAAAAAGCCT GAACTCACCG CGACG 35

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ATATAGGATC CTCAGTTAGC CTCCCCCATC TCCCG 35

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Met Asn Tyr Ile Pro Thr Gln Thr Phe Tyr Gly Arg Arg Trp Arg Pro
1 5 10 15

Arg Pro Ala Phe Arg Pro Trp Gln Val Ser Met Gln Pro Thr Pro Thr
20 25 30

Met Val Thr Pro Met Leu Gln Ala Pro Asp Leu Gln Ala Gln Gln Met
35 40 45

Gln Gln Leu Ile Ser Ala Val Ser Ala Leu Thr Thr Lys Gln Asn Val
50 55 60

Lys Ala Pro Lys Gly Gln Arg Gln Lys Lys Gln Gln Lys Pro Lys Glu
65 70 75 80

Lys Lys Glu Asn Gln Lys Lys Lys Pro Thr Gln Lys Lys Lys Gln Gln
85 90 95

Gln Lys Pro Lys Pro Gln Ala Lys Lys Lys Lys Pro Gly Arg Arg Glu
100 105 110

Arg Met Cys Met Lys Ile Glu Asn
115 120

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Met Asn Tyr Ile Pro Thr Gln Thr Phe Tyr Gly Arg Arg Trp Arg Pro
1 5 10 15

Arg Pro Ala Phe Arg Pro Trp Gln Val Ser Met Gln Pro Thr Pro Thr
20 25 30

Met Val Thr Pro Met Leu Gln Ala Pro Asp Leu Gln Ala Gln Gln Met
35 40 45

Gln Gln Leu Ile Ser Ala Val Ser Ala Leu Thr Thr Lys Gln Asn Val
50 55 60

Lys Ala Pro Lys Gly Gln Arg Gln Lys Lys Gln Gln Lys Pro Lys Glu
65 70 75 80

Lys Lys Glu Asn Gln Lys Lys Lys Pro Thr Leu Lys Arg Arg Glu Arg
85 90 95

Met Cys Met Lys Ile Glu Asn
100

(2) INFORMATION FOR SEQ ID NO:116:

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Met Asn Tyr Ile Pro Thr Gln Thr Phe Tyr Gly Arg Arg Trp Arg Pro
1 5 10 15

Arg Pro Ala Phe Arg Pro Trp Gln Val Ser Met Gln Pro Thr Pro Thr
20 25 30

Met Val Thr Pro Met Leu Gln Ala Pro Asp Leu Gln Ala Gln Gln Met
35 40 45

Gln Gln Leu Ile Ser Ala Val Ser Ala Leu Thr Thr Lys Gln Asn Val
50 55 60

Lys Ala Pro Lys Gly Gln Arg Gln Lys Lys Gln Leu Lys Arg Arg Glu
65 70 75 80

Arg Met Cys Met Lys Ile Glu Asn
85

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Met Asn Tyr Ile Pro Thr Gln Thr Phe Tyr Gly Arg Arg Trp Arg Pro
1 5 10 15

Arg Pro Ala Phe Arg Pro Trp Gln Val Ser Met Gln Pro Thr Pro Thr
20 25 30

Met Val Thr Pro Met Leu Gln Ala Pro Asp Leu Gln Ala Gln Gln Met
35 40 45

Gln Gln Leu Ile Ser Ala Val Ser Ala Leu Thr Thr Lys Gln Asn Leu
50 55 60

Lys Arg Arg Glu Arg Met Cys Met Lys Ile Glu Asn
65 70 75

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ATATAGGATC CTTCGCATGA TTGAACAAGA TGGATTGC 38







【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図22】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図26D】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33A】
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【図33B】
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【図33C】
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【図33D】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図19】
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【図20】
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【図23】
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【図34】
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【公開番号】特開2013−90630(P2013−90630A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−262618(P2012−262618)
【出願日】平成24年11月30日(2012.11.30)
【分割の表示】特願2009−1186(P2009−1186)の分割
【原出願日】平成10年10月6日(1998.10.6)
【出願人】(591076811)ノバルティス バクシンズ アンド ダイアグノスティックス,インコーポレーテッド (265)
【出願人】(592105745)ワシントン ユニバーシティ (4)
【氏名又は名称原語表記】WASHINGTON UNIVERSITY
【Fターム(参考)】