説明

細胞株同定方法

本発明は、次の工程を1またはそれ以上含む細胞株同定方法を開示する:(a)カルモジュリン遺伝子の分析;(b)Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子の分析;(c)アタシン(attacin)遺伝子の分析;またはそれらの組合せ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞株同定の分野に関する。より詳細には、分子技術による分析を使用した細胞株同定に関し、イントロンの変異の同定または特定の遺伝子が存在するかどうかの決定に関する。本方法は、医薬品生産のために使用される細胞株の品質管理に特に役立つ。
【背景技術】
【0002】
品質管理(QC)で実施されている現在の方法は、アイソエンザイム技術を使用する。この方法は、生物種間で異なるアイソエンザイムの電気泳動移動度の分析に基づく。移動度プロフィールは、例えばグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、乳酸脱水素酵素(LDH)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(MD)といった酵素の移動距離の複合分析を使用して、生物種毎に確立できる。この方法は、細胞株が由来する生物種を決定する手段と、異なる生物種由来の他細胞株からの細胞によって交差汚染された細胞を検出する手段を提供する(Stacey and Hockley, 2006)。しかしながら、このテストには多大な労働力と時間がかかる。
【発明の概要】
【0003】
本発明者らは、現在の同定方法よりも確実で容易な方法を使用して細胞株を同定できることを証明した。本発明の同定方法は、生物種間で異なるイントロン配列のサイズを分析することに基づく。本方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってイントロン配列を増幅することを含む。本発明者らは、増幅用PCRプライマーとのアニーリングを可能とするのに十分なほどエクソン配列中に保存されており、しかも長さの多型に基づく差別化を可能とする十分な差異がイントロン配列に存在する遺伝子を同定した。したがって、これらの変異の差別化は、これらのゲノム領域を分析することで決定できる。
【0004】
本方法は、脊椎動物に由来する数多くの細胞株タイプ(例えばMRC-5、Vero、CHO、FRHL-2、MDCK、ニワトリ胚線維芽細胞[CEF])の同定を可能にするものであり、2つの遺伝子であるカルモジュリンとAxl受容体型チロシンキナーゼ内にみられる有用な多型イントロンに基づく。さらに、昆虫細胞の細胞株に特有の遺伝子を使用して、昆虫遺伝子の存在または不在を決定する分析は、例えばHi-5といった昆虫由来細胞株の同定を支援できる。
【0005】
したがって、本発明は、次の工程を一またはそれ以上含む細胞株同定方法を提供する:(a)カルモジュリン遺伝子の分析;(b)Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子の分析;(c)アタシン(attacin)遺伝子の分析;またはそれらの組合せ。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】CALM3/4のPCR生成物の分析を示す図である。
【図2】AXL18/19のPCR生成物の分析を示す図である。
【図3】PPATTAのPCR生成物の分析を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書では、あらゆる例において、「含む」および「含んでいる」という用語はそれぞれ「からなる」および「からなっている」という用語で任意に代替可能であるものと発明者は意図する。
【0008】
本発明者らは、カルモジュリンとAxl受容体型チロシンキナーゼをコードする遺伝子の、保存領域と可変領域の両方を同定した。遺伝子での変異は、異なる細胞株間での差別化を可能とする。これらの変異は、核酸分析を可能とするいずれかの方法を使用して検出され得る。さらに、保存領域は、多くの生物種に由来する細胞株を分析するのに使用できるPCR増幅反応またはシークエンシング反応のための相補的プライマーをデザインするのに使用され得る。昆虫に由来する細胞株は、昆虫特有の(特異的)ヌクレオチド配列を検出することによって同定され得る。
【0009】
したがって、本発明は、次の工程を一またはそれ以上含む細胞株同定方法を提供する:(a)カルモジュリン遺伝子の分析;(b)Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子の分析;(c)アタシン遺伝子の分析;またはそれらの組合せ。
【0010】
本発明は、多くの細胞株タイプを同定するのに使用され得る。本明細書で使用する「細胞株」という用語は、in vitroで成長する確立された細胞培養物を意味する。細胞株は、哺乳類や鳥や昆虫といったあらゆる動物種に由来し得る。特定の実施形態では、本発明の同定方法は、製薬産業で用いられる細胞株に関して使用される。特定の実施形態では、本発明の方法は、ワクチンとして使用され得るウイルスの生産において用いられる細胞株を同定するのに使用される。「細胞株」という用語は、無期限にin vitroで増殖できる形態学的に均一な細胞の細胞培養物である連続的細胞培養物を含む。したがって、一実施形態では、本発明の方法は、MRC-5、Vero、Hi-5、CHO、FRHL2、およびMDCKからなる群から選択される細胞株の同定および/または差別化に使用され得る。また、「細胞株」という用語は、初代細胞株、すなわち被験体から直接単離された細胞も含む。したがって、一実施形態では、本発明の方法は、例えばCEF(ニワトリ胚線維芽細胞)といったニワトリ由来細胞を同定するのに使用される。
【0011】
本発明者は、保存エクソンと可変イントロンの両方を含むカルモジュリン遺伝子およびAxl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子を同定した。したがって、本発明の一実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:カルモジュリン遺伝子の分析。本発明のさらなる実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子の分析。
【0012】
また、昆虫特有の遺伝子(昆虫特異的遺伝子)が同定され、その結果、昆虫由来細胞と、例えば哺乳類細胞や鳥細胞といった他の生物由来の細胞との間の差別化が可能となった。したがって、本発明のさらなる実施例では、アタシン遺伝子の分析の工程を含む細胞株同定方法を提供する。
【0013】
「分析」という用語は、当業者が異なる細胞株の核酸配列を識別/差別化するのを可能にするあらゆる分析技術を意味する。この目的に適した多数の技術が当業者に知られており、それらの技術にはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、シークエンシング、ハイブリダイゼーション、および制限酵素断片長多型(RFLP)が含まれるがこれらに限定されない。本発明の一実施形態では、分析方法がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、シークエンシング、ハイブリダイゼーション、および制限酵素断片長多型(RFLP)からなる群から選択される、本発明の細胞株同定方法を提供する。
【0014】
「カルモジュリン遺伝子」という用語は、当業者によく知られており、カルシウムと結合する能力を有するEFハンドモチーフを少なくとも一つ含むポリペプチドをコードする遺伝子を意味することを本明細書では意図する。カルモジュリンは、細胞内Ca2+シグナルを多種多様なエフェクター系に伝達する際に、主要な役割を果たす(Rhyner et al., (1994) Euro J Biochem 225: 71-81)。哺乳類では、3つの遺伝子(CALM1、CALM2、およびCALM3)が、単一の非常に保存されたカルモジュリン(CaM)タンパク質をコードする(Berchtold et al., (1993) Genomics 16: 461-465)。本発明の特定の実施形態では、カルモジュリン遺伝子という用語は、配列番号7のポリペプチドをコードする核酸配列、あるいは配列番号7と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列を意味する。
【0015】
本明細書で使用する「アタシン遺伝子」という用語は、塩基性アタシンと酸性アタシンを含むアタシンおよびアタシン様タンパク質として知られる昆虫抗菌性ペプチドをコードする核酸配列を意味する(参照例としてBoman et al., (1991) Eur J. Biochem 201: 21-31)。この用語は、アタシン、プロアタシン(proattacins)、およびプレプロアタシン(pre-proattacins)をコードするゲノム配列を含む。これらの用語は、当業者にはよく知られている。アタシンは、昆虫特有のポリペプチドであり、したがって哺乳類または鳥にはみられない。本発明の特定の実施形態では、アタシン遺伝子という用語は、配列番号9のポリペプチドをコードする核酸配列、あるいは配列番号9と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列を意味する。
【0016】
「Axl受容体型チロシンキナーゼ」という用語は、当業者によく知られており、本明細書ではチロシンキナーゼ領域の活性化とそれに続く様々な基質のリン酸化によって誘発され、Axlファミリーのチロシンキナーゼ受容体の機能でもある細胞内シグナル伝達に関与する膜貫通タンパク質を意味する。Axl受容体型チロシンキナーゼは、非形質転換細胞や、上皮細胞、間葉細胞、造血細胞などに由来する数多くの細胞株において普遍的に発現する(Hafizi & Dahlhbaeck, 2006 [Cytokine & Growth Factor Reviews 17: 295-304])。
【0017】
Axl受容体型チロシンキナーゼの形質転換活性は、受容体が細胞増殖を引き起こせることを証明する。非形質転換細胞および非形質転換組織でのAxl受容体型チロシンキナーゼの機能は不明であったが、Varnumら(1995, Nature, 373: 623-626)は、適切なシグナル、すなわち受容体を活性化するリガンドへの応答において、それが細胞増殖の刺激に関与し得ることを推測した。Varnumら(1995)は、Axl受容体型チロシンキナーゼ刺激因子を精製し、それを成長停止特異的遺伝子-6(GAS6)からの生成物であると同定した。Axlチロシンキナーゼ遺伝子は、細胞成長および細胞分化を制御するチロシンキナーゼ受容体をコードする(O'Bryan et al., (1991) Mol Cell Biol 11: 5016-31)。ヒトAxlチロシンキナーゼ遺伝子座のゲノム構成は、Schulzら(1993 Oncogene 8: 509-13)によって記述された。ヒトAxlチロシンキナーゼ遺伝子は、44kb領域にかけて分布する20個のエクソンを含む。
【0018】
本発明の特定の実施形態では、Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子という用語は、配列番号8のポリペプチドをコードする核酸配列、あるいは配列番号8と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列を意味する。
【0019】
さらなる実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法が提供される:(a)カルモジュリン遺伝子の分析;および(b)Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子の分析。
【0020】
さらなる実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法が提供される:(a)カルモジュリン遺伝子の分析;および(b)アタシン遺伝子の分析。
【0021】
一実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法が提供される:(a)アタシン遺伝子の分析;および(b)Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子の分析。
【0022】
本発明のさらなる実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法が提供される:(a)カルモジュリン遺伝子の分析;(b)Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子の分析;および(c)アタシン遺伝子の分析。
【0023】
一またはそれ以上の細胞株を同定するために様々な分子技術を使用したいと当業者は考え得ることが想定される。例えば、本発明の特定の実施形態では、当業者は、次の技術を一またはそれ以上あるいはそれらのあらゆる組合せを使用し得る:PCR、シークエンシング、ハイブリダイゼーション、およびRFLP。したがって、本発明の方法は、PCR、シークエンシング、ハイブリダイゼーション、およびRFLPを含むリスト、またはこれらのあらゆる組合せから選択される一またはそれ以上の分子技術を使用して行われ得る。
【0024】
本発明の特定の実施形態では、次の工程を一またはそれ以上含む工程を含む細胞株同定方法を提供する:(a)カルモジュリン遺伝子またはその断片のPCR増幅;(b)Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子またはその断片のPCR増幅;または(c)アタシン遺伝子またはその断片のPCR増幅;またはそれらのあらゆる組合せ。
【0025】
本明細書で述べる「断片」という用語は、遺伝子配列全体を意味するのではなく、少なくとも50個、60個、70個、80個、90個、100個、110個、120個、130個、140個、150個、160個、170個、180個、190個、200個、400個、600個、800個、1000個、1200個、1400個、1600個、またはそれ以上のヌクレオチドを含む遺伝子のあらゆる核酸配列を意味する。
【0026】
本発明のさらなる態様では、次の工程を一またはそれ以上含む細胞株同定方法を提供する:(a)カルモジュリン遺伝子またはその断片へのプローブのハイブリダイゼーション;(b)Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子またはその断片へのプローブのハイブリダイゼーション;または(c)アタシン遺伝子またはその断片へのプローブのハイブリダイゼーション;またはそれらのあらゆる組合せ。
【0027】
本発明の一態様では、次の工程を一またはそれ以上含む細胞株同定方法を提供する:(a)カルモジュリン遺伝子またはその断片のシークエンシング;(b)Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子またはその断片のシークエンシング;または(c)アタシン遺伝子またはその断片のシークエンシング;またはそれらのあらゆる組合せ。
【0028】
カルモジュリンをコードする遺伝子は、異なる細胞株間でサイズが変化するイントロンを含む。したがって、実施形態では、細胞株はアンプリコン(PCR後に生じる増幅生成物)のサイズ(ヌクレオチド数)によって同定される。本発明者らは、カルモジュリン遺伝子とAxl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子にあるイントロンは、異なる生物種および/または系統間においてサイズが変化することを確認した。したがって、本発明の特定の実施形態では、2つのエクソン間の特定のイントロンのサイズにより、細胞株は差別化および/または決定され得る。本発明の特定の実施形態では、カルモジュリン遺伝子および/またはAxl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子のいずれかに由来するアンプリコンのサイズにより細胞株は決定される。
【0029】
一実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:カルモジュリン遺伝子またはその断片のPCR増幅。
【0030】
カルモジュリン遺伝子断片のPCR増幅は、異なる細胞株からの同一遺伝子がイントロンの長さにおいて異なるため、細胞株の同定および/または差別化を可能とする。したがって、カルモジュリン遺伝子内にみられる一またはそれ以上のイントロンを増幅するようデザインされたプライマーセットは、細胞株を同定するおよび/または差別化するのに使用され得る。したがって、本発明の一実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:一またはそれ以上のカルモジュリン・イントロンまたはその断片のPCR増幅。さらなる実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:カルモジュリン遺伝子のエクソン3とエクソン4との間にあるイントロンのPCR増幅。
【0031】
本発明の一実施形態では、カルモジュリン遺伝子断片がPCRによって増幅される方法を提供し、本発明のさらなる実施形態では、増幅断片がカルモジュリン遺伝子のエクソン3とエクソン4との間にある配列を含む方法を提供する。
【0032】
本発明のさらなる実施形態では、カルモジュリン遺伝子断片が、配列番号1および配列番号2から選択されるすくなくとも一つのプライマーまたはそれらの機能的誘導体を使用して増幅される方法を提供する。
【0033】
Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子は、保存エクソンと異なる細胞株間で変化するイントロンとを有する。したがって、一実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子またはその断片のPCR増幅。
【0034】
Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子断片のPCR増幅は、異なる細胞株においてイントロンの長さが異なるため、細胞株間での差別化を可能とする。したがって、Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子内にみられる一またはそれ以上のイントロンを増幅するようデザインされたプライマーセットは、異なる細胞株間での差別化に使用され得る。したがって、異なる細胞株間で長さが異なるイントロンを増幅することは、本発明の範囲内に含まれる。したがって、本発明の一実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:一またはそれ以上のAxl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子のイントロンまたはその断片のPCR増幅。さらなる実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子のエクソン18とエクソン19との間にあるイントロンのPCR増幅。
【0035】
本発明の一実施形態では、Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子断片がPCRによって増幅される方法を提供する。本発明のさらなる実施形態では、増幅断片がAxl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子のエクソン18とエクソン19との間の配列を含む方法を提供する。好適には、Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子断片が増幅される方法は、配列番号3および配列番号4から選択されるすくなくとも一つのプライマーまたはそれらの機能的誘導体を使用する。
【0036】
細胞タイプは遺伝子の存在または不在によって決定され得る。すなわち特定の細胞株は特定の遺伝子またはその断片が存在するか存在しないかによって他の細胞株から差別化され得る。
【0037】
遺伝子が「存在する」ことは、特定の遺伝子の全部または一部が、当業者によく知られている方法によって検出できることを意味する。
【0038】
例えば、昆虫細胞株は、昆虫細胞にのみ存在する遺伝子を検出することによって、哺乳類細胞株から差別化され得る。
【0039】
したがって、本発明の一実施形態では、アタシン遺伝子またはその断片の存在および/または不在によって細胞株タイプを決定する工程を含む細胞株同定方法を提供する。
【0040】
したがって、本発明の一実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法が提供される:プレプロアタシン(PPATT)遺伝子またはその断片のPCR増幅。本発明のさらなる実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:プレプロアタシンA(PPATTA)遺伝子またはその断片のPCR増幅。
【0041】
本発明の一実施形態では、アタシン遺伝子断片がPCRによって増幅される方法を提供する。したがって、PPATT遺伝子断片が、配列番号5および配列番号6から選択される配列を含むすくなくとも一つのプライマーまたはそれらの機能的誘導体を使用して増幅される方法。
【0042】
しかしながら、遺伝子またはその一部のPCR増幅を含む数多くの技術によって、遺伝子の存在および/または不在を決定できることは、当業者にとって明らかである。遺伝子の存在を測定し得る他の技術には、in situ DNAハイブリダイゼーションを含むDNAハイブリダイゼーションが含まれるがこれに限定されない。本明細書で使われる「ハイブリダイゼーション」または「特異的ハイブリダイゼーション」は、使用する実験条件下においてプライマーまたはプローブは標的の一部または標的の全領域と二本鎖(二本鎖ヌクレオチド配列)を形成すること、かつそのような条件下においてプライマーまたはプローブは分析サンプルに存在するヌクレオチド配列の他の領域と二本鎖を形成しないことを意味する。本発明のプライマーまたはプローブは、特定の遺伝子への特定のハイブリダイゼーションに関してデザインされており、したがって、すべてが該領域内に含まれるかほとんどが該領域と重なる(すなわち、該領域外ヌクレオチドとも該領域内ヌクレオチドとも二本鎖を形成する)ことは理解されるべきである。したがって、本明細書で述べるプライマーがPCR反応またはDNAハイブリダイゼーションで使用され得る方法が提供される。
【0043】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅は、細胞培養物から単離および/または精製されたゲノム核酸で行われ得る。本発明に含まれるのは、当業者によく知られているゲノムDNA調製技術を使用して、細胞懸濁液、粗ゲノム調製物、単離ゲノム調製物、または精製ゲノム調製物にPCR反応を行なうことである。本発明に含まれるゲノム調製物は、単離または実質的に精製され得る。「単離」または「実質的に精製」とは、自然な状態の核酸に関連して通常みられる成分が実質的にまたは基本的に核酸分子に存在しないことを意図する。そのような成分には、例えば他の細胞素材や培地が含まれる。
【0044】
PCRプライマーをデザインする方法は、通常、本分野で知られており、Sambrook and Russel, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Cold Harbour Laboratory Press)に開示されている。PCRの方法で知られているものには、プライマー対、ネステッドプライマー、単一特異的プライマー(single specific primers)、縮重プライマー、遺伝子特異的プライマー、ベクター特異的プライマー、部分的に不一致なプライマー(partially mismatched primers)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
PCRでは、いくつかの異なる方法(例えば、標識プローブを使用したハイブリダイゼーション;ビオチン化プライマーを組み込んだ後にアビジン-酵素複合体を検出する方法; dCTPやdATPといったデオキシヌクレオチド三リン酸を32P標識したものを増幅断片に組み込む方法;臭化エチジウムまたは他の市販化合物といった蛍光色素を組み込む方法などがあるが、これらに限定されない)により検出可能なレベルまで、特定の標的配列の単一コピーを増幅することが可能である。ゲノムDNAに加えて、いかなるヌクレオチド配列もプライマー分子の適切なセットを使用して増幅され得る。特に、PCRプロセス自体により作製される増幅断片は、それ自身がその後のPCR増幅のための効率的な鋳型である。
【0046】
PCRでの増幅には「PCR試薬」または「PCR材料」を必要とするが、これは、本明細書では、ポリメラーゼ、プライマー、および鋳型を除く増幅を行うのに必要なすべての試薬類であると定義する。PCR試薬は、通常、核酸前駆体(dCTP、dTTPなど)とバッファーを含む。
【0047】
本明細書で使用する「プライマー」という用語は、例えばPCR技術といったものにおいて、プライマーとして使用できるあらゆる一本鎖オリゴヌクレオチド配列を意味する。したがって、本発明によると「プライマー」は、コピーされる核酸鎖と相補的であるプライマー伸長生成物を合成するための開始点として機能可能な一本鎖オリゴヌクレオチド配列を意味する。プライマーのデザイン(長さと特定の配列)は、DNAおよび/またはRNA標的の性質並びにプライマーが使用される条件(温度やイオン強度など)に依存する。
【0048】
プライマーは、配列番号1〜6に示すヌクレオチド配列からなるか、あるいは配列番号1〜6の配列を含むまたは配列番号1〜6の配列内に含まれる1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、75個または100個以上の塩基であり、厳密な(ストリンジェントな)条件下において標的位置のDNAに特異的に結合するのに適していることを条件とする。必要に応じてば、与えられた条件下において必要とされる特異性と感受性を維持するために、プライマーまたはプローブの長さまたは配列はわずかに修正され得る。したがって、そのような条件下において1個、2個、3個、4個、5個、6個、またはそれ以上のヌクレオチドは置換され得る。本明細書にリストアップされているプローブおよび/またはプライマーは、例えば1個、2個、3個、4個、または5個のヌクレオチドによって、どちらの方向にも伸長し得る。
【0049】

【0050】
本明細書で使われる「機能的誘導体」という用語は、プライマー長さに関して、本明細書で定義するプライマーと少なくとも95%同一である配列を含むプライマーを意味し、好適には、その長さに関して例えば96%、97%、98%、99%といった95%を超えて同一であり、100%同一が最も好ましい。機能的誘導体では、5'末端または3’末端、あるいは両末端で、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個の塩基が欠失され得る。
【0051】
本明細書で使われる「厳密な(ストリンジェントな)条件」という用語は、プライマーが特定のヌクレオチド配列に結合するのを可能にし、細胞ゲノムの他の遺伝子座に結合しない、あらゆるハイブリダイゼーション条件を意味する。そのような厳密な条件は、当業者に知られており、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1-6.3.6に記載されている。厳密なハイブリダイゼーション条件の非限定例には、約45℃で6X塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)でのハイブリダイゼーションの後に約68℃において組成が0.1XSSCと0.2%SDSの溶液で一回またはそれ以上洗浄する方法がある。厳密なハイブリダイゼーション条件の他の例には、約45℃で6XSSCでのハイブリダイゼーションの後に50〜60℃において組成が0.2XSSCと0.1%SDSの溶液で一回またはそれ以上洗浄する方法がある(すなわち50℃、55℃、60℃、または65℃で一回またはそれ以上洗浄する)。
【0052】
本発明の方法は、差別化または決定を必要とする細胞株応じて調整される。例えば、いくつかの細胞株は、カルモジュリンのイントロンのPCR増幅だけで差別化され得る。しかしながら、いくつかの細胞株は、別の細胞株と同じサイズのアンプリコンを生成する場合があり、したがって、細胞株同定にはさらなる工程が必要となる。
【0053】
したがって、一実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:カルモジュリン遺伝子またはその断片のPCR増幅。
【0054】
本発明のさらなる実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:アタシン遺伝子またはその断片のPCR増幅。
【0055】
本発明のさらなる実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子またはその断片のPCR増幅。
【0056】
さらなる実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:(a)カルモジュリン遺伝子またはその断片のPCR増幅;および(b)アタシン遺伝子またはその断片のPCR増幅。
【0057】
さらなる実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:(a)カルモジュリン遺伝子またはその断片のPCR増幅;および(b) Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子またはその断片のPCR増幅。
【0058】
さらなる実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:(a)アタシン遺伝子またはその断片のPCR増幅;および(b)Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子またはその断片のPCR増幅。
【0059】
一実施形態では、次の工程を含む細胞株同定方法を提供する:(a)カルモジュリン遺伝子またはその断片のPCR増幅;(b)アタシン遺伝子またはその断片のPCR増幅;および(c) Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子またはその断片のPCR増幅。
【0060】
本発明の特定の実施形態では、PCR反応は、単一のPCR反応で行われ得る。したがって、本発明の一実施形態では、PCR増幅反応が多重である方法を提供する。本明細書で使われる「多重」という用語は、単一の反応チューブにおいてあらゆる回数のPCR反応が行われること、すなわち単一の反応チューブの内容物が1セットより多いプライマーを含むことを意味する。本発明のプライマーは、細胞株同定方法に使用される各遺伝子またはそれらの断片(カルモジュリン、Axl受容体型チロシンキナーゼ、およびアタシン)の増幅を他の遺伝子の増幅に損害を与えることなく可能にする特定の反応条件を使用して、単一のPCR反応が行なえるようにデザインされる。多重によって、本明細書で述べる細胞株の迅速で容易な分子同定方法が可能となる。
【0061】
本発明の方法は、カルモジュリン、Axl受容体型チロシンキナーゼ、またはアタシン遺伝子を含む様々な細胞株の同定に適している。本発明の一実施形態では、製薬産業、特にワクチン生産で使用される細胞株の同定方法が提供される。本発明の一実施形態では、細胞株であるMRC-5、Vero、Hi-5、CHO、FRHL2、CEF、およびMDCKの同定方法が提供される。これらの細胞株は当業者にはよく知られているが、要約すると以下の通りである。
【0062】

【0063】
さらなる実施形態では、次に示すいずれか一つと相補的なプライマーを含む細胞株同定キットを提供する:カルモジュリン遺伝子;Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子;またはアタシン遺伝子;あるいはそれらのあらゆる組合せ。さらなる実施形態では、キットは、次に示す配列またはそれらの機能的誘導体を含む、又はそれらからなる少なくとも一つのプライマーを含む:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、または配列番号6、あるいはそれらの機能的誘導体。
【0064】
本発明の一実施形態では、細胞株同定におけるカルモジュリン遺伝子、チロシンキナーゼ遺伝子、および/またはアタシン遺伝子、あるいはそれらのあらゆる組合せの使用が提供される。
【実施例】
【0065】
1.1 ゲノムDNAの抽出とPCR増幅
ハイピュアPCRテンプレートプレパレーションキット(High Pure PCR template Preparation Kit;ロッシュ)を使用して、ゲノムDNAを、CHO、MRC-5、MDCK、VERO、FRHL2、Hi-5、およびGallus(CFO)細胞から抽出した。プライマーであるCalm ex 3F(配列番号1)、Calm ex 4R(配列番号2)、Axl ex 18F(配列番号3)、Axl 19R(配列番号4)、ppatta F(配列番号5)、およびppatta R(配列番号6)を使用して、PCRを次に示す反応条件下で行った。
【0066】

【0067】
2.1 キャピラリー電気泳動によるPCR生成物のサイズ決定
以下の実施例は、カルモジュリンのエクソン3とエクソン4の間およびAxlのエクソン18とエクソン19の間のイントロンのサイズの違いによって、ゲノムDNAを抽出した7つの異なる細胞株(1.1参照)が明確に同定できることを証明する。
【0068】
キャピラリー電気泳動後DNA生成物の検出を可能にするために、PCR増幅の間に使用する逆方向プライマーを特異的な蛍光色素で標識した。PPTTAのための逆方向プライマーはNEDで標識し、カルモジュリンのための逆方向プライマーはHexで標識し、Axl用逆方向プライマーは6-FAMで標識した。反応の結果生じた標識DNA断片は、サイズマーカーと並行して展開させたので、500-bp未満の断片に関して約1-bpのサイズ解能力でPCR生成物が分析できた。
【0069】
ゲノムDNAは蛍光逆方向プライマーを使用して増幅し、ハイブリダイゼーション温度は(上述のPCR条件によると)60℃であった。キャピラリー電気泳動は、50cmのキャピラリー(ROX-1200 ladder, ABI)を使用して、Genetic Analyzer instrument (ABI3730)で行った。
【0070】
増幅生成物のサイズを予測サイズと比較した結果を表1に示す。キャピラリー電気泳動プロフィールを図1〜図3に示す。
【表1】

【0071】
CALM3/4(エクソン3とエクソン4との間のカルモジュリン遺伝子の増幅)PCR生成物
MRC-5、FRHL-2、MDCK、およびニワトリ細胞から増幅されたPCR生成物のサイズは、予測されたサイズと非常に近かった。MDCK細胞には2つのピーク(277-bpと279-bp)が観察された。
【0072】
274bp断片は、CHO細胞とFHRL-2細胞から増幅され、VERO細胞から増幅された273-bp断片と近かった。他の断片は少なくとも3つの塩基対が異なっていた。VERO断片とCHO断片のサイズは、実験を行う前には不明であった。
【0073】
AXL18/19(エクソン18とエクソン19との間のAxl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子の増幅)PCR生成物
AXL 18/19 PCRは、6種すべての脊椎動物のDNAを差別化することを可能にした。VERO細胞(1027-bpと1031bp)とCHO細胞(654-bp)から増幅された生成物のサイズは、明らかに異なった。
【0074】
PPATTA(アタシン)PCR生成物
PPATTAプライマーを使用してT. niのDNAから増幅されたDNA断片のサイズは、244-bpと評価された。このサイズは、予測された235-bpと一致していた。
【0075】
結論
CALM3/4のPCR生成物とAXL18/19のPCR生成物との複合分析は、6つの脊椎動物の細胞株の明確な同定を可能とするサイズ・パターンを提供する。
【0076】
3.1 マイナーな生物種、すなわち、汚染を検出する能力
以下の実施例の目的は、2つの異なる細胞タイプを含む混合物、つまり主な生物種が混合物の90%を占め、マイナーな生物種が10%を占める混合物について、上述のPCRアッセイの検出能力を評価することであった。
【0077】
異なる細胞タイプを含む90/10%混合物は、ゲノムのコピー数を考慮してゲノムDNAレベルで行った(表2参照)。
【0078】
ゲノムのコピー数は、(Threshold systemで測定される)DNA量とゲノムのサイズ(http://www.genomesize.com)から計算した。
【表2】

【0079】
主な生物種の約27,000コピーとマイナーな生物種の約3,000コピーは混合され、上述のPCR条件下で増幅された(1.1参照)。
【0080】
結果
異なる混合物の検出結果の要約を表3に示す。
【表3】

【0081】
いくつかの混合物に関して、単一のPCR増幅ではマイナーな生物種を検出できなかった:
・生成物が同一のサイズまたは類似したサイズを示したので、CALM3/4 PCRを使用してCHO/VERO/FRHL2混合物を検出することはできなかった;
・FRHL-2に10%を占めるMDCKは、CALM3/4アッセイで検出できなかった;
・FRHL-2およびVEROに10%を占めるMRC5は、AXL18/19アッセイで検出できなかった。
【0082】
したがって、CALM3/4、AXL18/19、およびPPATTAのPCR生成物の複合分析は、7つの異なるすべての細胞株間において10%のDNA汚染の検出を可能とし、またいくつかの例では、汚染を検出するのに1つまたは2つの遺伝子分析で十分であることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞株同定方法であって、次の工程:(a)カルモジュリン遺伝子の分析;(b)Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子の分析;(c)アタシン(attacin)遺伝子の分析;またはそれらの組合せを1またはそれ以上含む、前記方法。
【請求項2】
カルモジュリン遺伝子は、配列番号7のポリペプチドをコードする核酸配列、あるいは配列番号7と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子は、配列番号8のポリペプチドをコードする核酸配列、あるいは配列番号8と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
アタシン遺伝子は、配列番号9のポリペプチドをコードする核酸配列、あるいは配列番号9と70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
分析方法が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、シークエンシング、ハイブリダイゼーションまたは制限酵素断片長多型(RFLP)あるいはそれらのいずれかの組合せからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
細胞株は、1またはそれ以上の遺伝子内のイントロンのサイズ(ヌクレオチド数)によって同定される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
カルモジュリン遺伝子またはその断片が、PCRによって増幅される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
増幅断片が、カルモジュリン遺伝子のエクソン3とエクソン4との間の配列またはその一部を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子またはその断片が、PCRによって増幅される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
増幅断片が、Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子のエクソン18とエクソン19との間の配列を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
細胞株が、遺伝子の存在および/または不在によって決定される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
アタシン遺伝子またはその断片が、PCRによって増幅される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
アタシン遺伝子が、PPATTである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
PCR増幅が、多重である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
同定される細胞株が、MRC-5、Vero、Hi-5、CHO、FRHL2、CEFおよびMDCKを含む群から選択される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
カルモジュリン遺伝子、Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子またはアタシン遺伝子のいずれか1つ、あるいはそれらのいずれかの組合せと相補的なオリゴヌクレオチド、プライマー、および/またはプローブを含む、細胞株分類のためのキット。
【請求項17】
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、または配列番号6、あるいはそれらの機能的誘導体のいずれか1つを含むプライマーを含むキット。
【請求項18】
細胞株同定における、カルモジュリン遺伝子、Axl受容体型チロシンキナーゼ遺伝子、および/またはアタシン遺伝子、あるいはそれらのいずれかの組合せの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−518395(P2012−518395A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550577(P2011−550577)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052117
【国際公開番号】WO2010/094763
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(305060279)グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム (169)
【Fターム(参考)】