細胞電気生理センサおよびこれを用いた細胞電気生理現象の測定方法
【課題】種々の細胞に対応して、高精度に電気生理現象を測定することができる細胞電気生理センサおよびこれを用いた細胞電気生理現象の測定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】第一の貫通孔3を設けた薄板2と、第二の貫通孔5を設けた保持プレート4と、インナーウエル8を有したウエル6からなり、薄板2を第二の貫通孔5の内部に保持し、この第二の貫通孔5の上部にウエル6を配置して保持プレート4に当接し、ウエル6に内包するようにインナーウエル8を設けるとともに、壁面部には第三の貫通孔7を設け、この第三の貫通孔7の一方の開口部は保持プレート4の第二の貫通孔5に向いて開口するように構成する。
【解決手段】第一の貫通孔3を設けた薄板2と、第二の貫通孔5を設けた保持プレート4と、インナーウエル8を有したウエル6からなり、薄板2を第二の貫通孔5の内部に保持し、この第二の貫通孔5の上部にウエル6を配置して保持プレート4に当接し、ウエル6に内包するようにインナーウエル8を設けるとともに、壁面部には第三の貫通孔7を設け、この第三の貫通孔7の一方の開口部は保持プレート4の第二の貫通孔5に向いて開口するように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞の薬剤に対する反応を測定するために用いられる細胞電気生理センサおよびこれを用いた細胞電気生理現象の測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気生理学におけるパッチクランプ法は、微細な先端を持つガラスマイクロピペットを用いて細胞膜に存在するイオンチャンネルを測定する方法として知られており、このパッチクランプ法によってイオンチャンネルの様々な機能が解明されてきた。そして、イオンチャンネルの働きは細胞学において重要な関心ごとであり、これは薬剤の開発にも応用されている。
【0003】
しかし、一方でパッチクランプ法は測定技術に微細なガラスマイクロピペットを1個の細胞に高い精度で挿入するという極めて高い能力を必要としているため、熟練作業者が必要であり、高いスループットで測定を必要とする場合には適切な方法でない。
【0004】
このため、微細加工技術を利用した平板型プローブの開発がなされており、これらは個々の細胞についてマイクロピペットの挿入を必要としない自動化システムに適している。例えば、2つの領域を分離するキャリアに穴を有し、このキャリアの上下に設置した電極によって電界を発生させることで細胞の穴を効率よく保持し、上下の電極間で電気的測定を行うことで細胞状態量測定の一つである電気生理的測定を可能にする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、細胞と接触しうる細胞作用剤を含有する溶液を連続的または間欠的に流すのに適した微小流体室と、この微小流体室中に保持された生細胞と、この生細胞に生じる細胞媒介細胞外効果を測定する手段を用意することで、前記微小流体室中に流した細胞作用剤の効果を測定する技術について開示している(例えば、特許文献2参照)。特に、この技術を用いると細胞の極周辺に細胞作用剤を供給、または排出をすることができ、細胞周辺の溶液環境の切り替えを迅速に行いたいときに有効である。
【特許文献1】特表2002−508516号公報
【特許文献2】特許第2993982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、細胞周辺の溶液環境を迅速に交換するために、流体室は閉空間である必要があり、それぞれの細胞に合わせて、溶液の流動性、拡散係数、濃度等の種々の条件の溶液による細胞が発する電気生理的変化を高精度に測定したい場合、前記のような固定された閉空間では流体室の大きさを細胞の大きさによって変えることが困難である。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、種々の細胞に対しても高精度に効率よく電気生理現象を測定することができる細胞電気生理センサおよびこれを用いた細胞電気生理現象の測定方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明は、第一の貫通孔を設けた薄板と、第二の貫通孔を設けた保持プレートと、インナーウエルを内包したウエルからなり、薄板を第二の貫通孔の内部に保持し、この第二の貫通孔の上部にウエルを配置して保持プレートに当接し、ウエルの内部に内包するように溶液または細胞を含んだ溶液を蓄積できるインナーウエルを設け、このインナーウエルには上部からインナーウエルの外壁面に通じる第三の貫通孔を設けるとともに、この第三の貫通孔に繋がる少なくとも一つの溝をインナーウエルの外壁面に設け、この溝の一方の開口部は保持プレートの第二の貫通孔に向かって開口するように構成するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の細胞電気生理センサおよびこれを用いた細胞電気生理現象の測定方法は、形状、寸法精度、材質など所望のインナーウエルの上部に開放空間を持ちながら、薄板の第一の貫通孔へ保持させた種々の細胞に対しても細胞の近傍へ確実に薬剤供給を行うことができる構成を実現することによって、より高精度で効率的な測定を実現することができる細胞電気生理センサおよびこれを用いた細胞電気生理現象の測定方法を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサおよびこれを用いた細胞電気生理現象の測定方法について図面を用いて説明する。
【0011】
図1は本発明の細胞電気生理センサの斜視図であり、図2は図1のA−A部における断面図である。
【0012】
図1および図2において、1は細胞電気生理センサであり、シリコンからなる薄板2と、樹脂などの絶縁性材料からなる保持プレート4と、樹脂などの成型性に優れた材料からなるウエル6と、このウエル6に内包するように配置したインナーウエル8から構成しており、前記薄板2には少なくとも一つの第一の貫通孔3を1〜3μmの直径で設けている。そして、この薄板2を保持プレート4の第二の貫通孔5の内部へ固定している。
【0013】
さらに、ウエル6は保持プレート4の上部へ当接しているが、ウエル6または保持プレート4のいずれかが特定波長領域の光透過性を有し、どちらか一方を不透明体としておくことが好ましい。これによって、ウエル6と保持プレート4は特定波長領域の光透過性である面から特定波長領域のレーザ光線を照射し、不透明体がレーザ光を吸収して発熱することによって、その接合面を溶着させることができる。このような溶着方法によって、シール性に優れた強固な接着面を形成することが容易に可能となる。
【0014】
また、ウエル6に開口部を設け、その開口部の内壁面に沿うようにインナーウエル8を挿入している。このインナーウエル8をウエル6の開口部へ保持する方法は圧入、接着剤、溶融接合などの接合方法によって保持することができる。また、このインナーウエル8をウエル6から取り外しができるようにすることも可能である。
【0015】
また、このインナーウエル8には第三の貫通孔7をインナーウエル8の外壁面部に通じるように設けており、さらにこの第三の貫通孔7は前記インナーウエル8の下部に設けた溝10に接続させている。このような構成とすることによって、特に小型のインナーウエル8の先端部を細くしなければならないとき、あるいは第三の貫通孔7を形成することが困難なときにおいて、溝10を介することによって外部から溶液あるいは細胞などを容易に第一の貫通孔3近傍へ移動させることができる細胞電気生理センサを実現することができる。
【0016】
ここで、第三の貫通孔7を設けずに溝10のみによってインナーウエル8の上面まで形成することも可能であるが、ウエル6の内壁面とインナーウエル8の外壁面部におけるシール性が低下するという問題が発生する。これに対して、図2に示したようなインナーウエル8の構成とすることによってシール性に優れた細胞電気生理センサを実現することができるとともに、生産性の高い細胞電気生理センサを実現することができる。
【0017】
また、前記インナーウエル8はウエル6へ密着接合されることで、第三の貫通孔7は一方の開口部が溝10を介して第一の貫通孔3へ向かって開口することになるので、インナーウエル8の内部の溶液の交換を速やかに行うことができる。
【0018】
そして、インナーウエル8は特定波長領域の光透過性樹脂とし、ウエル6は不透過性樹脂とし、保持プレート4は特定波長領域の光透過性樹脂とすることが好ましい。この構成によって、インナーウエル8、ウエル6および保持プレート4を組み合わせた後、インナーウエル8、保持プレート4側から特定波長領域のレーザ光線を照射する手段によって、溶融接合することによって強固に接合することができる。
【0019】
このように、インナーウエル8を内包したウエル6を保持プレート4へ密着させることによって、インナーウエル8に形成した溝10は一方の開口部が、保持プレート4の第二の貫通孔5もしくは第一の貫通孔3へ向かって開口している形状としている。
【0020】
以上のような構成によって、本実施の形態1における細胞電気生理センサ1は、後に述べるようにインナーウエル8から細胞23を含む溶液を投入しやすくなる。さらに、第三の貫通孔7から別の溶液を投入することもできることから、インナーウエル8の内部の溶液を効率よく他の溶液に交換することができる。
【0021】
また、インナーウエル8の形状は微小な形状であり、設計が容易になるとともに高寸法精度に成型しておく必要があることからインナーウエル8のみを個別に寸法成型性に優れた樹脂材料を用いて高精度に成型し、その他の成型体(例えばウエル6など)は通常の精度で成型することも可能であり、これによって生産性を高めることができる。
【0022】
次に、本実施の形態1の細胞電気生理センサを用いて細胞の電気生理現象の測定を行う方法について述べる。
【0023】
図3〜図7は本実施の形態1における細胞の電気生理現象の測定を行う手順について説明するための断面図である。また図8〜図10は別の例の細胞電気生理センサを説明するための断面図であり、図11〜図13はさらに他の例の細胞電気生理センサを説明するための断面図である。
【0024】
まず初めに、図3に示すようにウエル6に内包したインナーウエル8の上部から第一の溶液24を投入すると、図4に示すように第一の貫通孔3および保持プレート4の下部領域に第一の溶液24が浸透し、それぞれの領域において第一の溶液24は上部電極27および下部電極28と接触する。そして、この第一の溶液24はNaClを含む電解液とした場合、上部電極27と下部電極28の間には通常1〜10MΩ程度の導通抵抗が発生する。
【0025】
なお、保持プレート4の下部領域には第一の溶液24とは別の溶液(例えばKclを含む電解液として第三の溶液26)をあらかじめ入れておいても良い。
【0026】
一方、インナーウエル8から投入された第一の溶液24はインナーウエル8の内部に設けられた第三の貫通孔7側にも少し進入するが、特に問題はない。
【0027】
しかしながら、第一の貫通孔3の近傍に気泡が残っていると、先に述べた導通抵抗が確保できないことがあり、特に第三の貫通孔7の内部に空気が残っていると、後で第三の貫通孔7から別の溶液(例えば、第二の溶液25)を投入すると第一の貫通孔3の近傍に気泡が発生してしまう。このようなことがないようにするためには、図7に示したように第一の溶液24をインナーウエル8から投入する際、第三の貫通孔7から吸引することによって、気泡が第一の貫通孔3の付近に残ることが無くなるとともに、第一の溶液24は十分な量で溝10と第三の貫通孔7の内部を満たすことから、後で第三の貫通孔7に別の溶液を投入しても気泡の発生を防ぐことができる。
【0028】
次に、図5に示すように細胞23を含む第一の溶液24をインナーウエル8の内部へ投入し、その後、図6に示すように保持プレート4の下部を減圧すると、第一の溶液24および細胞23が第一の貫通孔3へ引き込まれる。ここで、第一の溶液24は第一の貫通孔3を通過するが、細胞23は第一の貫通孔3を通り抜けることができず、第一の貫通孔3の開口部付近で保持される。そして、この細胞23が適度な密着度で第一の貫通孔3を塞ぐように保持されると、第一の溶液24は電気的に保持プレート4の上下で分断され、上部電極27と下部電極28の間では十分に高い抵抗値、例えば100MΩ、好ましくは500MΩ以上となる。
【0029】
次に、上部電極27と下部電極28の間に、例えば10mV程度の固定電圧を印加すると細胞23の膜にかかる電位(膜電位)が固定され、この時の電流値を測定することで、細胞23の内部に存在するイオンチャンネルを流れる電流を測定することができる。
【0030】
なお、このイオンチャンネルを流れる電流を測定する詳細な手順については、従来の方法であるパッチクランプ法などで詳しく公開しているので、ここではその説明は省略する。
【0031】
また、別の例の細胞電気生理センサの構成として、図8に示したように細胞を含む溶液を投入する箇所として第三の貫通孔7から投入することもできる。これによって、細胞23は第一の貫通孔3の近傍へ確実に導入することができる。その後、図9に示すように保持プレート4の下部を減圧すると、第一の溶液24および細胞23が第一の貫通孔3へ引き込まれ、細胞23は第一の貫通孔3を通り抜けることができず、第一の貫通孔3の開口部付近で保持される。この構成によって、少量の細胞23であっても、確実に第一の貫通孔3を塞ぐように細胞23を配置し、保持することができる。
【0032】
さらに、別の例として、図10に示すように第三の貫通孔7から第二の溶液25を投入する。ここで、第三の貫通孔7の一方の開口部は第一の貫通孔3に向かって開口しているので、第一の貫通孔3付近の第一の溶液24は速やかに第二の溶液25へ交換することができる。
【0033】
なお、このとき第三の貫通孔7を複数形成しておくことがより好ましい。これによって、一つの第三の貫通孔7aから第二の溶液25を投入し(矢印の方向)、他の第三の貫通孔7bから吸引(矢印の方向)を行うことによって、第一の溶液24から第二の溶液25への迅速な溶液交換が可能となる。このような構成とすることによって、イオンチャンネルを流れる電流を測定しながら保持プレート4の上部領域において溶液の交換を速やかに行うと、第一の溶液24には含まれないが第二の溶液25の中に含まれる薬剤成分(例えば特定のイオンチャンネルに対するチャンネル阻害剤)によるイオンチャンネル電流の変化を測定することで薬理効果判定が迅速に正確に行えるようになる。
【0034】
さらに、本実施の形態1における細胞電気生理センサの他の例として、図11に示すようにインナーウエル8の下方の開口部13の形状を薄板2の外径より小さくすることによって、第三の貫通孔7から投入された液体(例えば第二の溶液25)は、より確実に薄板2の第一の貫通孔3の近傍の第一の溶液24を速やかに交換することができる。
【0035】
また、さらに他の例として、図12に示すように薄板2を保持プレート4の第二の貫通孔5の下方に保持した場合、インナーウエル8の下方の開口部13に第二の貫通孔5の内下方へ突出する突出部11を設けておくことによって、より確実に第一の貫通孔3の近傍の溶液を速やかに交換することができる。
【0036】
また、さらに他の例として、図13に示すように薄板2の外周部に枠体12を接合し、この枠体12を第二の貫通孔5の内部に設置するとともに、インナーウエル8の下方の開口部13に枠体12の内下方へ突出する突出部11を設けておくことによって、より確実に第一の貫通孔3の近傍の溶液を速やかに交換することができる。
【0037】
なお、本実施の形態1のようにインナーウエル8をウエル6の内部に内包させる場合、第三の貫通孔7の形成は、より多様な構成に簡単に換えることができる。すなわち、図10〜図13で示した例はすべてウエル6の形状は同じであり、インナーウエル8のみを変更して設置すればよい。
【0038】
また、図14はこの一例のインナーウエル8の斜視図であるが、このインナーウエル8をウエル6の内部へ設置することで、図15はウエルプレートの斜視図であり、図15に示したように異なった形状を有するインナーウエル8を比較的簡単に揃えることができる。
【0039】
また、複数のウエル6に対して別形状のインナーウエル8を設置すれば複数の形状を持つウエルアレイを容易に作製することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上のように、本発明にかかる細胞電気生理センサおよびこれを用いた細胞電気生理現象の測定方法は、高精度に効率良く細胞の電気生理現象の変化を測定できることから、例えば高速で薬理判定を行う、薬品スクリーニング等の測定器として用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの斜視図
【図2】同図1のA−A部における断面図
【図3】同センサを用いて細胞の電気生理現象の測定方法を説明するための断面図
【図4】同断面図
【図5】同断面図
【図6】同断面図
【図7】同断面図
【図8】同別の例の細胞電気生理センサの断面図
【図9】同断面図
【図10】同断面図
【図11】同別の例の細胞電気生理センサの断面図
【図12】同別の例の細胞電気生理センサの断面図
【図13】同別の例の細胞電気生理センサの断面図
【図14】同インナーウエルの斜視図
【図15】同ウエルプレートの斜視図
【符号の説明】
【0042】
1 細胞電気生理センサ
2 薄板
3 第一の貫通孔
4 保持プレート
5 第二の貫通孔
6 ウエル
7、7a、7b 第三の貫通孔
8 インナーウエル
10 溝
11 突出部
12 枠体
13 開口部
23 細胞
24 第一の溶液
25 第二の溶液
26 第三の溶液
27 上部電極
28 下部電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞の薬剤に対する反応を測定するために用いられる細胞電気生理センサおよびこれを用いた細胞電気生理現象の測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気生理学におけるパッチクランプ法は、微細な先端を持つガラスマイクロピペットを用いて細胞膜に存在するイオンチャンネルを測定する方法として知られており、このパッチクランプ法によってイオンチャンネルの様々な機能が解明されてきた。そして、イオンチャンネルの働きは細胞学において重要な関心ごとであり、これは薬剤の開発にも応用されている。
【0003】
しかし、一方でパッチクランプ法は測定技術に微細なガラスマイクロピペットを1個の細胞に高い精度で挿入するという極めて高い能力を必要としているため、熟練作業者が必要であり、高いスループットで測定を必要とする場合には適切な方法でない。
【0004】
このため、微細加工技術を利用した平板型プローブの開発がなされており、これらは個々の細胞についてマイクロピペットの挿入を必要としない自動化システムに適している。例えば、2つの領域を分離するキャリアに穴を有し、このキャリアの上下に設置した電極によって電界を発生させることで細胞の穴を効率よく保持し、上下の電極間で電気的測定を行うことで細胞状態量測定の一つである電気生理的測定を可能にする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、細胞と接触しうる細胞作用剤を含有する溶液を連続的または間欠的に流すのに適した微小流体室と、この微小流体室中に保持された生細胞と、この生細胞に生じる細胞媒介細胞外効果を測定する手段を用意することで、前記微小流体室中に流した細胞作用剤の効果を測定する技術について開示している(例えば、特許文献2参照)。特に、この技術を用いると細胞の極周辺に細胞作用剤を供給、または排出をすることができ、細胞周辺の溶液環境の切り替えを迅速に行いたいときに有効である。
【特許文献1】特表2002−508516号公報
【特許文献2】特許第2993982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、細胞周辺の溶液環境を迅速に交換するために、流体室は閉空間である必要があり、それぞれの細胞に合わせて、溶液の流動性、拡散係数、濃度等の種々の条件の溶液による細胞が発する電気生理的変化を高精度に測定したい場合、前記のような固定された閉空間では流体室の大きさを細胞の大きさによって変えることが困難である。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、種々の細胞に対しても高精度に効率よく電気生理現象を測定することができる細胞電気生理センサおよびこれを用いた細胞電気生理現象の測定方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明は、第一の貫通孔を設けた薄板と、第二の貫通孔を設けた保持プレートと、インナーウエルを内包したウエルからなり、薄板を第二の貫通孔の内部に保持し、この第二の貫通孔の上部にウエルを配置して保持プレートに当接し、ウエルの内部に内包するように溶液または細胞を含んだ溶液を蓄積できるインナーウエルを設け、このインナーウエルには上部からインナーウエルの外壁面に通じる第三の貫通孔を設けるとともに、この第三の貫通孔に繋がる少なくとも一つの溝をインナーウエルの外壁面に設け、この溝の一方の開口部は保持プレートの第二の貫通孔に向かって開口するように構成するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の細胞電気生理センサおよびこれを用いた細胞電気生理現象の測定方法は、形状、寸法精度、材質など所望のインナーウエルの上部に開放空間を持ちながら、薄板の第一の貫通孔へ保持させた種々の細胞に対しても細胞の近傍へ確実に薬剤供給を行うことができる構成を実現することによって、より高精度で効率的な測定を実現することができる細胞電気生理センサおよびこれを用いた細胞電気生理現象の測定方法を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサおよびこれを用いた細胞電気生理現象の測定方法について図面を用いて説明する。
【0011】
図1は本発明の細胞電気生理センサの斜視図であり、図2は図1のA−A部における断面図である。
【0012】
図1および図2において、1は細胞電気生理センサであり、シリコンからなる薄板2と、樹脂などの絶縁性材料からなる保持プレート4と、樹脂などの成型性に優れた材料からなるウエル6と、このウエル6に内包するように配置したインナーウエル8から構成しており、前記薄板2には少なくとも一つの第一の貫通孔3を1〜3μmの直径で設けている。そして、この薄板2を保持プレート4の第二の貫通孔5の内部へ固定している。
【0013】
さらに、ウエル6は保持プレート4の上部へ当接しているが、ウエル6または保持プレート4のいずれかが特定波長領域の光透過性を有し、どちらか一方を不透明体としておくことが好ましい。これによって、ウエル6と保持プレート4は特定波長領域の光透過性である面から特定波長領域のレーザ光線を照射し、不透明体がレーザ光を吸収して発熱することによって、その接合面を溶着させることができる。このような溶着方法によって、シール性に優れた強固な接着面を形成することが容易に可能となる。
【0014】
また、ウエル6に開口部を設け、その開口部の内壁面に沿うようにインナーウエル8を挿入している。このインナーウエル8をウエル6の開口部へ保持する方法は圧入、接着剤、溶融接合などの接合方法によって保持することができる。また、このインナーウエル8をウエル6から取り外しができるようにすることも可能である。
【0015】
また、このインナーウエル8には第三の貫通孔7をインナーウエル8の外壁面部に通じるように設けており、さらにこの第三の貫通孔7は前記インナーウエル8の下部に設けた溝10に接続させている。このような構成とすることによって、特に小型のインナーウエル8の先端部を細くしなければならないとき、あるいは第三の貫通孔7を形成することが困難なときにおいて、溝10を介することによって外部から溶液あるいは細胞などを容易に第一の貫通孔3近傍へ移動させることができる細胞電気生理センサを実現することができる。
【0016】
ここで、第三の貫通孔7を設けずに溝10のみによってインナーウエル8の上面まで形成することも可能であるが、ウエル6の内壁面とインナーウエル8の外壁面部におけるシール性が低下するという問題が発生する。これに対して、図2に示したようなインナーウエル8の構成とすることによってシール性に優れた細胞電気生理センサを実現することができるとともに、生産性の高い細胞電気生理センサを実現することができる。
【0017】
また、前記インナーウエル8はウエル6へ密着接合されることで、第三の貫通孔7は一方の開口部が溝10を介して第一の貫通孔3へ向かって開口することになるので、インナーウエル8の内部の溶液の交換を速やかに行うことができる。
【0018】
そして、インナーウエル8は特定波長領域の光透過性樹脂とし、ウエル6は不透過性樹脂とし、保持プレート4は特定波長領域の光透過性樹脂とすることが好ましい。この構成によって、インナーウエル8、ウエル6および保持プレート4を組み合わせた後、インナーウエル8、保持プレート4側から特定波長領域のレーザ光線を照射する手段によって、溶融接合することによって強固に接合することができる。
【0019】
このように、インナーウエル8を内包したウエル6を保持プレート4へ密着させることによって、インナーウエル8に形成した溝10は一方の開口部が、保持プレート4の第二の貫通孔5もしくは第一の貫通孔3へ向かって開口している形状としている。
【0020】
以上のような構成によって、本実施の形態1における細胞電気生理センサ1は、後に述べるようにインナーウエル8から細胞23を含む溶液を投入しやすくなる。さらに、第三の貫通孔7から別の溶液を投入することもできることから、インナーウエル8の内部の溶液を効率よく他の溶液に交換することができる。
【0021】
また、インナーウエル8の形状は微小な形状であり、設計が容易になるとともに高寸法精度に成型しておく必要があることからインナーウエル8のみを個別に寸法成型性に優れた樹脂材料を用いて高精度に成型し、その他の成型体(例えばウエル6など)は通常の精度で成型することも可能であり、これによって生産性を高めることができる。
【0022】
次に、本実施の形態1の細胞電気生理センサを用いて細胞の電気生理現象の測定を行う方法について述べる。
【0023】
図3〜図7は本実施の形態1における細胞の電気生理現象の測定を行う手順について説明するための断面図である。また図8〜図10は別の例の細胞電気生理センサを説明するための断面図であり、図11〜図13はさらに他の例の細胞電気生理センサを説明するための断面図である。
【0024】
まず初めに、図3に示すようにウエル6に内包したインナーウエル8の上部から第一の溶液24を投入すると、図4に示すように第一の貫通孔3および保持プレート4の下部領域に第一の溶液24が浸透し、それぞれの領域において第一の溶液24は上部電極27および下部電極28と接触する。そして、この第一の溶液24はNaClを含む電解液とした場合、上部電極27と下部電極28の間には通常1〜10MΩ程度の導通抵抗が発生する。
【0025】
なお、保持プレート4の下部領域には第一の溶液24とは別の溶液(例えばKclを含む電解液として第三の溶液26)をあらかじめ入れておいても良い。
【0026】
一方、インナーウエル8から投入された第一の溶液24はインナーウエル8の内部に設けられた第三の貫通孔7側にも少し進入するが、特に問題はない。
【0027】
しかしながら、第一の貫通孔3の近傍に気泡が残っていると、先に述べた導通抵抗が確保できないことがあり、特に第三の貫通孔7の内部に空気が残っていると、後で第三の貫通孔7から別の溶液(例えば、第二の溶液25)を投入すると第一の貫通孔3の近傍に気泡が発生してしまう。このようなことがないようにするためには、図7に示したように第一の溶液24をインナーウエル8から投入する際、第三の貫通孔7から吸引することによって、気泡が第一の貫通孔3の付近に残ることが無くなるとともに、第一の溶液24は十分な量で溝10と第三の貫通孔7の内部を満たすことから、後で第三の貫通孔7に別の溶液を投入しても気泡の発生を防ぐことができる。
【0028】
次に、図5に示すように細胞23を含む第一の溶液24をインナーウエル8の内部へ投入し、その後、図6に示すように保持プレート4の下部を減圧すると、第一の溶液24および細胞23が第一の貫通孔3へ引き込まれる。ここで、第一の溶液24は第一の貫通孔3を通過するが、細胞23は第一の貫通孔3を通り抜けることができず、第一の貫通孔3の開口部付近で保持される。そして、この細胞23が適度な密着度で第一の貫通孔3を塞ぐように保持されると、第一の溶液24は電気的に保持プレート4の上下で分断され、上部電極27と下部電極28の間では十分に高い抵抗値、例えば100MΩ、好ましくは500MΩ以上となる。
【0029】
次に、上部電極27と下部電極28の間に、例えば10mV程度の固定電圧を印加すると細胞23の膜にかかる電位(膜電位)が固定され、この時の電流値を測定することで、細胞23の内部に存在するイオンチャンネルを流れる電流を測定することができる。
【0030】
なお、このイオンチャンネルを流れる電流を測定する詳細な手順については、従来の方法であるパッチクランプ法などで詳しく公開しているので、ここではその説明は省略する。
【0031】
また、別の例の細胞電気生理センサの構成として、図8に示したように細胞を含む溶液を投入する箇所として第三の貫通孔7から投入することもできる。これによって、細胞23は第一の貫通孔3の近傍へ確実に導入することができる。その後、図9に示すように保持プレート4の下部を減圧すると、第一の溶液24および細胞23が第一の貫通孔3へ引き込まれ、細胞23は第一の貫通孔3を通り抜けることができず、第一の貫通孔3の開口部付近で保持される。この構成によって、少量の細胞23であっても、確実に第一の貫通孔3を塞ぐように細胞23を配置し、保持することができる。
【0032】
さらに、別の例として、図10に示すように第三の貫通孔7から第二の溶液25を投入する。ここで、第三の貫通孔7の一方の開口部は第一の貫通孔3に向かって開口しているので、第一の貫通孔3付近の第一の溶液24は速やかに第二の溶液25へ交換することができる。
【0033】
なお、このとき第三の貫通孔7を複数形成しておくことがより好ましい。これによって、一つの第三の貫通孔7aから第二の溶液25を投入し(矢印の方向)、他の第三の貫通孔7bから吸引(矢印の方向)を行うことによって、第一の溶液24から第二の溶液25への迅速な溶液交換が可能となる。このような構成とすることによって、イオンチャンネルを流れる電流を測定しながら保持プレート4の上部領域において溶液の交換を速やかに行うと、第一の溶液24には含まれないが第二の溶液25の中に含まれる薬剤成分(例えば特定のイオンチャンネルに対するチャンネル阻害剤)によるイオンチャンネル電流の変化を測定することで薬理効果判定が迅速に正確に行えるようになる。
【0034】
さらに、本実施の形態1における細胞電気生理センサの他の例として、図11に示すようにインナーウエル8の下方の開口部13の形状を薄板2の外径より小さくすることによって、第三の貫通孔7から投入された液体(例えば第二の溶液25)は、より確実に薄板2の第一の貫通孔3の近傍の第一の溶液24を速やかに交換することができる。
【0035】
また、さらに他の例として、図12に示すように薄板2を保持プレート4の第二の貫通孔5の下方に保持した場合、インナーウエル8の下方の開口部13に第二の貫通孔5の内下方へ突出する突出部11を設けておくことによって、より確実に第一の貫通孔3の近傍の溶液を速やかに交換することができる。
【0036】
また、さらに他の例として、図13に示すように薄板2の外周部に枠体12を接合し、この枠体12を第二の貫通孔5の内部に設置するとともに、インナーウエル8の下方の開口部13に枠体12の内下方へ突出する突出部11を設けておくことによって、より確実に第一の貫通孔3の近傍の溶液を速やかに交換することができる。
【0037】
なお、本実施の形態1のようにインナーウエル8をウエル6の内部に内包させる場合、第三の貫通孔7の形成は、より多様な構成に簡単に換えることができる。すなわち、図10〜図13で示した例はすべてウエル6の形状は同じであり、インナーウエル8のみを変更して設置すればよい。
【0038】
また、図14はこの一例のインナーウエル8の斜視図であるが、このインナーウエル8をウエル6の内部へ設置することで、図15はウエルプレートの斜視図であり、図15に示したように異なった形状を有するインナーウエル8を比較的簡単に揃えることができる。
【0039】
また、複数のウエル6に対して別形状のインナーウエル8を設置すれば複数の形状を持つウエルアレイを容易に作製することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上のように、本発明にかかる細胞電気生理センサおよびこれを用いた細胞電気生理現象の測定方法は、高精度に効率良く細胞の電気生理現象の変化を測定できることから、例えば高速で薬理判定を行う、薬品スクリーニング等の測定器として用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの斜視図
【図2】同図1のA−A部における断面図
【図3】同センサを用いて細胞の電気生理現象の測定方法を説明するための断面図
【図4】同断面図
【図5】同断面図
【図6】同断面図
【図7】同断面図
【図8】同別の例の細胞電気生理センサの断面図
【図9】同断面図
【図10】同断面図
【図11】同別の例の細胞電気生理センサの断面図
【図12】同別の例の細胞電気生理センサの断面図
【図13】同別の例の細胞電気生理センサの断面図
【図14】同インナーウエルの斜視図
【図15】同ウエルプレートの斜視図
【符号の説明】
【0042】
1 細胞電気生理センサ
2 薄板
3 第一の貫通孔
4 保持プレート
5 第二の貫通孔
6 ウエル
7、7a、7b 第三の貫通孔
8 インナーウエル
10 溝
11 突出部
12 枠体
13 開口部
23 細胞
24 第一の溶液
25 第二の溶液
26 第三の溶液
27 上部電極
28 下部電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの第一の貫通孔を設けた薄板と、第二の貫通孔を設けた保持プレートと、インナーウエルを内包したウエルからなる細胞電気生理センサであって、前記薄板を第二の貫通孔の内部に保持し、この第二の貫通孔の上部にウエルを配置して保持プレートに当接し、前記ウエルの内部に内包するように溶液または細胞を含んだ溶液を蓄積できるインナーウエルを設け、このインナーウエルには上部からインナーウエルの外壁面に通じる第三の貫通孔を設けるとともに、この第三の貫通孔に繋がる少なくとも一つの溝をインナーウエルの外壁面に設け、この溝の一方の開口部は前記保持プレートの第二の貫通孔に向かって開口している細胞電気生理センサ。
【請求項2】
インナーウエルの壁面部の保持プレート側の開口部の形状を薄板の外径よりも小さくした請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
【請求項3】
インナーウエルの壁面部の保持プレート側の開口部に第二の貫通孔の内部へ突出した突出部を設けた請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
【請求項4】
薄板の外周部に枠体部を設け、この枠体部を保持プレートの第二の開口部に前記枠体部をインナーウエル側となるよう保持し、このインナーウエルの突出部を前記枠体部によって構成したキャビティの内部へ挿入した請求項3に記載の細胞電気生理センサ。
【請求項5】
少なくとも一つの第一の貫通孔を設けた薄板と、第二の貫通孔を設けた保持プレートと、インナーウエルを内包したウエルからなり、前記薄板を第二の貫通孔の内部に保持し、この第二の貫通孔の上部にウエルを配置して保持プレートに当接し、前記ウエルの内部に内包するように溶液または細胞を含んだ溶液を蓄積できるインナーウエルを設け、このインナーウエルには第三の貫通孔を設けるとともに、この第三の貫通孔の一方の開口部は前記保持プレートの第二の貫通孔に向かって開口している細胞電気生理センサを準備する工程と、前記インナーウエルの内部に第一の溶液を蓄積する工程と、第三の貫通孔の内部へ第二の溶液を投入する工程を少なくとも含む細胞電気生理現象の測定方法。
【請求項6】
インナーウエルの内部の第一の溶液を第二の溶液へ交換する請求項5に記載の細胞電気生理現象の測定方法。
【請求項7】
第二の溶液に細胞を含ませる請求項6に記載の細胞電気生理現象の測定方法。
【請求項1】
少なくとも一つの第一の貫通孔を設けた薄板と、第二の貫通孔を設けた保持プレートと、インナーウエルを内包したウエルからなる細胞電気生理センサであって、前記薄板を第二の貫通孔の内部に保持し、この第二の貫通孔の上部にウエルを配置して保持プレートに当接し、前記ウエルの内部に内包するように溶液または細胞を含んだ溶液を蓄積できるインナーウエルを設け、このインナーウエルには上部からインナーウエルの外壁面に通じる第三の貫通孔を設けるとともに、この第三の貫通孔に繋がる少なくとも一つの溝をインナーウエルの外壁面に設け、この溝の一方の開口部は前記保持プレートの第二の貫通孔に向かって開口している細胞電気生理センサ。
【請求項2】
インナーウエルの壁面部の保持プレート側の開口部の形状を薄板の外径よりも小さくした請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
【請求項3】
インナーウエルの壁面部の保持プレート側の開口部に第二の貫通孔の内部へ突出した突出部を設けた請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
【請求項4】
薄板の外周部に枠体部を設け、この枠体部を保持プレートの第二の開口部に前記枠体部をインナーウエル側となるよう保持し、このインナーウエルの突出部を前記枠体部によって構成したキャビティの内部へ挿入した請求項3に記載の細胞電気生理センサ。
【請求項5】
少なくとも一つの第一の貫通孔を設けた薄板と、第二の貫通孔を設けた保持プレートと、インナーウエルを内包したウエルからなり、前記薄板を第二の貫通孔の内部に保持し、この第二の貫通孔の上部にウエルを配置して保持プレートに当接し、前記ウエルの内部に内包するように溶液または細胞を含んだ溶液を蓄積できるインナーウエルを設け、このインナーウエルには第三の貫通孔を設けるとともに、この第三の貫通孔の一方の開口部は前記保持プレートの第二の貫通孔に向かって開口している細胞電気生理センサを準備する工程と、前記インナーウエルの内部に第一の溶液を蓄積する工程と、第三の貫通孔の内部へ第二の溶液を投入する工程を少なくとも含む細胞電気生理現象の測定方法。
【請求項6】
インナーウエルの内部の第一の溶液を第二の溶液へ交換する請求項5に記載の細胞電気生理現象の測定方法。
【請求項7】
第二の溶液に細胞を含ませる請求項6に記載の細胞電気生理現象の測定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−278961(P2007−278961A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108435(P2006−108435)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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