説明

終端抵抗調整方法、及び終端抵抗調整回路

【課題】通信中であっても、ボード上の配線やコネクタやケーブル等も含めて、伝送経路のインピーダンス調整ができるようにする。
【解決手段】スケルチ検出ステップにおいて、入力された差動信号の電圧差が所定の検出閾値以上か否かを検出して、検出結果に応じたスケルチ出力信号を出力する。バースト検出ステップにおいて、スケルチ出力信号のバースト長を検出する。そして、抵抗値制御ステップにおいて、バースト長が最小となる終端抵抗器の抵抗値を求めて、求めた抵抗値に前記終端抵抗器を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速デジタルデータ通信系において、終端抵抗(インピーダンス)を調整する終端抵抗調整回路、及び終端抵抗調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
Serial ATA、USBなどの高速シリアルインターフェースでは、データの転送レートの高速化に伴って、通信信号の周波数の高速化が進んでいる。例えば、Serial ATAにおいては、Gen1iでは通信速度が1.5Gbps(通信信号最大周波数:1.5GHz)、Gen2iでは3Gbps(通信信号最大周波数:1.5GHz)の信号伝送を行う。
【0003】
これらの高速シリアルインターフェースにおいては、信号の反射を抑える必要があり、そのためには、伝送経路のインピーダンス整合が重要である。そこで、これらの高速シリアルインターフェースでは、規格よって終端抵抗の値が規定されている。例えば、Serial ATAにおいては、終端抵抗を50Ω(差動信号の場合は、100Ω)にして、インピーダンス整合をとる必要がある。
【0004】
しかし、終端抵抗は、周辺温度などの環境の変化によってその抵抗値が変化するので、インピーダンスの不整合が生じる。そこで、従来のインターフェース回路には、終端抵抗を補正する手段が設けられていた。
【0005】
例えば、USB2.0向けに考案された終端抵抗を調整する回路の例として、データ送受信が停止していることを確認し、その間に、内部あるいは周辺の温度変化による終端抵抗値の変化を補正する補正回路がある(例えば、特許文献1を参照)。この回路は、長時間の連続動作における終端抵抗を調整する回路の一例である。
【0006】
また、受信データの誤りを受信データに組込まれたBCC等の誤り検出用データにより検出し、データ誤りが最小になるように終端抵抗の抵抗値を手動又は自動的に調整する回路もある(例えば特許文献2を参照)。
【特許文献1】特開2003−122465号公報
【特許文献2】特開2000−78209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の補正回路は、温度変化による終端抵抗値の変化を補正できるものの、ボード上の配線やコネクタ、ケーブルなどが原因で、インピーダンスの不整合が発生した場合にはインピーダンス整合をとることができない。
【0008】
一方、特許文献2の回路のように、BCCエラー等のエラーの発生を利用して、インピーダンスを調整するということは、インピーダンス調整中は、データ通信がNGになるということである。すなわち、この方式は、データ通信中の調整が不可能である。また、Serial ATAのSYNC(IDLE状態を示すプリミティブデータ)のような冗長成分を含まない信号を受信している最中のインピーダンス調整もできず、Serial ATAのように信号通信中に信号を停止することができないインターフェースに本方式を用いるのは困難である。
【0009】
本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、通信中であっても、ボード上の配線やコネクタやケーブル等も含めて、伝送経路のインピーダンス調整ができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するため、本発明の一態様は、
抵抗値を可変でき、差動信号を伝送する1対の伝送路のそれぞれに接続された終端抵抗器を有する通信インターフェース回路の前記終端抵抗器の抵抗値を調整する終端抵抗調整方法であって、
前記差動信号の電圧差が所定の検出閾値以上か否かを検出して、検出結果に応じたスケルチ出力信号を出力するスケルチ検出ステップと、
前記スケルチ出力信号のバースト長を検出するバースト検出ステップと、
前記バースト長が最小となる前記終端抵抗器の抵抗値を求めて、求めた抵抗値に前記終端抵抗器を調整する抵抗値制御ステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、通信中の信号振幅に応じ、終端抵抗値を調整するので、通信中であっても、ボード上の配線やコネクタやケーブル等も含めて、伝送経路のインピーダンス調整が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、一度説明した構成要素と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0013】
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係るデジタルデータ通信システム1の構成を示すブロック図である。デジタルデータ通信システム1は、信号ケーブルを介して接続された一次側の通信インターフェース回路と二次側の通信インターフェース回路とが、データのやり取りを行なうシステムである。
【0014】
なお、以下の各実施形態では、各通信インターフェース回路は、Serial ATA規格に基づいて、データのやり取りを行なうように構成されているものとして説明する。Serial ATA規格の一次側の通信インターフェース回路の一例としては、PC(Personal Computer)等に組み込まれた通信インターフェース回路があり、また、二次側の通信インターフェース回路の一例としては、DVDやHDD等のドライブがある。
【0015】
[デジタルデータ通信システム1の全体構成]
デジタルデータ通信システム1は、図1に示すように、通信インターフェース回路10(一次側回路)と通信インターフェース回路20(二次側回路)とを備え、通信インターフェース回路10と通信インターフェース回路20とを接続する配線340〜350をボード上に備え、さらに、コネクタ310〜320、及び信号ケーブル330を備えている。
【0016】
(通信インターフェース回路10の構成)
通信インターフェース回路10は、送信ドライバ110、受信ドライバ120、終端抵抗器130〜140(受信端終端抵抗器)、及び終端抵抗調整回路150を備えている。
【0017】
送信ドライバ110は、通信インターフェース回路20に対して、データを送信するドライバであり、送信信号(送信信号DTX1とNDTX1)を差動出力するようになっている。
【0018】
受信ドライバ120は、通信インターフェース回路20から送信されたデータを受信するドライバであり、差動信号(受信信号DRX1、NDRX1)を受信するようになっている。
【0019】
終端抵抗器130〜140は、受信ドライバ120の2つの入力側端子にそれぞれ接続された抵抗器であり、終端抵抗調整回路150の制御に応じて、抵抗値が変わるようになっている。
【0020】
なお、図示はしていないが、送信ドライバ110(送信側)にも終端抵抗器を接続してある。本実施形態では、送信側の終端抵抗器の終端抵抗値も、受信側の調整結果をもって調整する。
【0021】
(終端抵抗調整回路150の構成)
終端抵抗調整回路150は、スケルチ検出回路151、バースト検出回路152、及び抵抗値制御回路153を備えている。
【0022】
スケルチ検出回路151は、受信ドライバ120に入力された差動信号を受けて、入力された差動信号の電圧差を検出する。そして、検出した電圧差が、ある特定値以上のか否かを検出するとともに、検出結果に応じた信号(スケルチ出力信号SQOUT)を出力する。
【0023】
図2は、スケルチ検出回路151の構成を示すブロック図である。図2の構成は、Serial ATA規格書にも記載されている代表的なスケルチ検出回路の例である。
【0024】
図2に示すスケルチ検出回路151は、具体的には、比較部1510と、出力部1511とを備えている。
【0025】
比較部1510は、入力された差動信号の電圧差を検出し、検出した電圧差がある特定値以上か否かを検出するようになっている。具体的には、比較部1510は、バッファ1510a、インバータ1510b、アンドゲート1510c、及びダイオード1510dを備えている。
【0026】
バッファ1510aは、受信信号DRX1、NDRX1が入力され、受信信号DRX1とNDRX1との差の絶対値(絶対値信号)を求め、求めた絶対値信号と、検出レベル調整信号1Aで設定した基準検出レベルSQ_DEFとの信号レベル差を検出し、検出結果に応じた信号(比較結果信号1B)を出力するようになっている。インバータ1510bは、バッファ1510aの出力を受けるインバータである。アンドゲート1510cは、バッファ1510aの出力と、インバータ1510bの出力とが入力されている。ダイオード1510dは、アンドゲート1510cと直列接続されている。
【0027】
出力部1511は、抵抗R1とキャパシタC1と出力バッファ1511aとを備え、ダイオード1510dの出力(入力信号1C)が入力されている。抵抗R1とキャパシタC1とは、入力信号1Cが一定レベルに維持されるか否かを感知するようになっている。また、出力バッファ1511aの出力は、スケルチ出力信号SQOUTとして出力されている。
【0028】
図3は、入力された受信信号DRX1、NDRX1(何れもバースト信号)に対するスケルチ検出回路151の理想出力を示すタイミングチャートの一例である。
【0029】
バッファ1510aは、受信信号DRX1、NDRX1が入力されると、検出レベル調整信号1Aで設定した基準検出レベルSQ_DEFと、受信信号DRX1とNDRX1とから求めた絶対値信号との信号レベル差を検出する。絶対値信号のレベルが、基準検出レベルSQ_DEFのレベルを超えた場合には、スケルチ出力信号SQOUTがハイ(HIGH)出力となり、絶対値信号のレベルが、基準検出レベルSQ_DEFのレベル以下になった場合には、スケルチ出力信号SQOUTがロー(LOW)出力となる。図3は、基準検出レベルSQ_DEFを0Vに設定した場合の例である。受信信号DRX1、NDRX1が入力されると、スケルチ出力信号SQOUTがハイ(HIGH)出力となり、受信信号DRX1、NDRX1が無信号状態となった場合には、スケルチ出力信号SQOUTがロー(LOW)出力となる。
【0030】
バースト検出回路152は、スケルチ検出回路151の出力のバースト長を検出し、検出したバースト長を示す信号を出力するようになっている。バースト検出回路152は、具体的には、カウンタや、RCによる遅延回路などで構成することが考えられる。
【0031】
抵抗値制御回路153は、バースト検出回路152の出力を基に、最適抵抗値を算出するとともに、終端抵抗器130〜140を最適抵抗値に調整するようになっている。具体的には、抵抗値制御回路153は、例えば、終端抵抗器130〜140の抵抗値をスイープさせて、その際にバースト検出回路152が検出したバースト長の変化から、バースト長が最小となる抵抗値を、最適抵抗値として採用するように構成することが考えられる。
【0032】
(通信インターフェース回路20の構成)
通信インターフェース回路20は受信ドライバ210と送信ドライバ220を備えている。受信ドライバ210は、通信インターフェース回路10から送信されたデータを受信するドライバであり、差動信号を受信するようになっている。送信ドライバ220は、通信インターフェース回路10に対して、データを送信するドライバであり、信号を差動出力するようになっている。
【0033】
[終端抵抗の調整動作]
通信インターフェース回路10における終端抵抗の調整動作を説明する。なお、基準検出レベルSQ_DEFは、Serial ATA規格に対応して、500mVppに設定されているものとする。
【0034】
例えば、Serial ATA規格においては、アイドル(IDLE)中に、通信インターフェース回路20からSYNCプリミティブが送付されてくる。スケルチ検出回路151は、例えば、その連続信号を受信中に、電圧差を検出する。
【0035】
受信信号DRX1、NDRX1として、反射のない理想的な信号が入力された場合、つまりSerial ATA規格では、図4に示すように、|DRX1−NDRX1|が500mVppである場合は、スケルチ出力信号SQOUTは、LOW出力となる。バースト検出回路152は、スケルチ検出回路151の出力を受けて、バースト長を示す信号を抵抗値制御回路153に出力する。それにより、抵抗値制御回路153は、バースト長が最小となる終端抵抗器130〜140の抵抗値を求める。この例では、バースト長が0なので、抵抗値制御回路153は、終端抵抗器130〜140の抵抗値をそのままの値にしておく。
【0036】
また、例えば、インピーダンスの不整合が起こり、入力信号が多重反射を起こして波形が歪んで振幅が大きくなった場合は、図5に示すように、|DRX1−NDRX1|が500mVppを超える部分ができる。この場合、スケルチ出力信号SQOUTは、|DRX1−NDRX1|が500mVppを超えた部分に関してのみ、HIGH出力となる。スケルチ検出回路151の出力を受けて、バースト検出回路152は、スケルチ出力信号SQOUTのバースト長を示す信号を抵抗値制御回路153に出力する。図5の例では、|DRX1−NDRX1|が500mVppを超える部分があるので、その部分のバースト長を示す信号が出力される。それにより、抵抗値制御回路153は、バースト長が最小になる終端抵抗器130〜140の抵抗値を求めて、その値に終端抵抗器130〜140の抵抗値を制御する。
【0037】
例えば、図5の例よりも、不整合が大きくなると、図6に示すように、スケルチ出力信号SQOUTのバースト長が長くなる。この場合も、バースト検出回路152は、スケルチ出力信号SQOUTのバースト長を示す信号を抵抗値制御回路153に出力する。そして、抵抗値制御回路153は、バースト長が最小になる終端抵抗器130〜140の抵抗値を求めて、その値に終端抵抗器130〜140の抵抗値を制御する。
【0038】
上記のように、本実施形態によれば、通信中の信号振幅に応じ、終端抵抗値を調整するので、ボード上の配線やコネクタやケーブル等も含めて、伝送経路のインピーダンス調整ができる。
【0039】
しかも、BCCエラー等を用いたインピーダンス調整のように、エラーの発生を前提としないので、通信中であっても、インピーダンス調整が可能である。
【0040】
また、エラーが発生するまで終端抵抗を変化させなくても、スケルチ検出回路で振幅の変動量を検出することによって、最適な調整抵抗値を算出することができるので、調整精度を高めることができる。
【0041】
また、CRCエラー検出量を検出するためなどの長時間パターンの送付を必要としないので、調整時間の短縮化を図ることも可能である。また、Serial ATAのSYNC(IDLE状態を示すプリミティブデータ)のような冗長成分を含まない信号を受信している最中のインピーダンス調整も可能である。
【0042】
《発明の実施形態2》
図7は、本発明の実施形態2に係るデジタルデータ通信システム2の構成を示すブロック図である。デジタルデータ通信システム2では、一次側の通信インターフェース回路から二次側の通信インターフェース回路に所定のテストパターンを送信し、その結果、二次側の通信インターフェース回路からループバックされたテストパターンに基づいてインピーダンス調整を行なう。
【0043】
(デジタルデータ通信システム2の構成)
デジタルデータ通信システム2は、図7に示すように、デジタルデータ通信システム1の通信インターフェース回路10を通信インターフェース回路40(一次側回路)に置き換え、さらに、通信インターフェース回路20を通信インターフェース回路50(二次側回路)に置き換えて構成したものである。
【0044】
通信インターフェース回路40は、通信インターフェース回路10に特定パターン発生回路410が追加されたものであり、また、通信インターフェース回路50は、通信インターフェース回路20に特定パターン検出回路510が追加されたものである。
【0045】
特定パターン発生回路410は、所定のテストパターンのデータを生成して出力するようになっている。テストパターンとしては、例えば、Serial ATA規格のデジタルデータ通信システムでは、HFTP(High Frequency Test Pattern)、MFTP(Middle Frequency Test Pattern)、LFTP(Low Frequency Test Pattern)、LBP(Low Bit Pattern)など規格で規定されたパターンを生成する。
【0046】
特定パターン検出回路510は、受信ドライバ210が特定パターン(以下、モード設定パターンと呼ぶ)の信号を受信した場合に、受信ドライバ210が受信した信号を、送信ドライバ220を介して、通信インターフェース回路40にループバックするようになっている。例えば、Serial ATA規格のデジタルデータ通信システムでは、通信インターフェース回路40からBIST(Built In Self Test)、ACTIVATE、FISと呼ばれる信号が、モード設定パターンとして送信されて、通信インターフェース回路50がLモード(ループバックモード)にセットされた場合に、特定パターン検出回路510が、受信ドライバ210及び送信ドライバ220と接続されるように構成する。
【0047】
上記のデジタルデータ通信システム2でインピーダンス調整を行なう場合には、モード設定パターンの信号を、通信インターフェース回路40から通信インターフェース回路50に送信して、特定パターン検出回路510を受信ドライバ210及び送信ドライバ220に接続させる。さらに、特定パターン発生回路410からテストパターンを通信インターフェース回路50に送信する。そして、通信インターフェース回路50から通信インターフェース回路40にループバックされた信号(データ)を用いて、実施形態1の装置と同様にして、終端抵抗調整を行なう。したがって、本実施形態によれば、反射の起こりやすいパターンなどを使用した終端抵抗調整が可能となる。
【0048】
《発明の実施形態3》
図8は、本発明の実施形態3に係るデジタルデータ通信システム3の構成を示すブロック図である。デジタルデータ通信システム3は、図8に示すように、実施形態1の通信インターフェース回路10を通信インターフェース回路60(一次側回路)に置き換えて構成したものである。通信インターフェース回路60は、通信インターフェース回路10に特定パターン検出回路610を追加し、さらに終端抵抗調整回路150を終端抵抗調整回路620に置き換えて構成したものである。
【0049】
特定パターン検出回路610は、受信ドライバ120の出力を受けて、信号通信可能状態(READY状態)になったことを検出し、検出結果を出力するようになっている。例えば、Serial ATA規格では、信号通信可能状態では、PHY_READYと呼ばれるパターンの信号が、通信インターフェース回路20から出力される。特定パターン検出回路610は、PHY_READYを検出すると、READY状態になったことを示す信号を出力する。
【0050】
終端抵抗調整回路620は、終端抵抗調整回路150のスケルチ検出回路151をスケルチ検出回路621に置き換えたものである。
【0051】
スケルチ検出回路621は、Serial ATAシステムのイニシャライズに使用するOOB(Out of Band)信号用のスケルチ検出回路と共用されている。Serial ATA規格においては、イニシャライズ中にOOB信号を、スケルチ検出回路を使用して受信する必要があるためこのような共用が可能である。
【0052】
スケルチ検出回路621は、特定パターン検出回路610の出力に応じて、基準検出レベルSQ_DEFを変更するようになっている。具体的には、READY状態になったことを示す信号を、特定パターン検出回路610が出力すると、終端抵抗調整ができるレベルに、基準検出レベルSQ_DEFを変更する。この例では、基準検出レベルSQ_DEFを500mVppにする。また、イニシャライズ中は、OOB信号受信にあわせて、基準検出レベルSQ_DEFを変更する。
【0053】
上記のデジタルデータ通信システム3では、イニシャライズ中は、スケルチ検出回路621は、OOB信号用に使用される。特定パターン検出回路610が、PHY_READYを検出すると、スケルチ検出回路621は、基準検出レベルSQ_DEFを変更し、以後は、インピーダンス調整の目的に使用される。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、スケルチ検出回路がOOB検出用のものと共用できるので、回路面積を通信インターフェース回路10と比べ、削減できる。
【0055】
なお、上記の実施形態では、信号振幅が多重反射で大きくなる場合について説明したが、減衰による振幅変動も、基準検出レベルSQ_DEFの値を変更することで対応可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係る終端抵抗調整方法、及び終端抵抗調整回路は、通信中の信号振幅に応じ、終端抵抗値を調整するので、通信中であっても、ボード上の配線やコネクタやケーブル等も含めて、伝送経路のインピーダンス調整が可能になるという効果を有し、高速デジタルデータ通信系において、終端抵抗(インピーダンス)を調整する終端抵抗調整回路等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態1に係るデジタルデータ通信システム1の構成を示すブロック図である。
【図2】スケルチ検出回路151の構成を示すブロック図である。
【図3】入力された受信信号DRX1、NDRX1(バースト信号)に対するスケルチ検出回路151の理想出力を示すタイミングチャートの一例である。
【図4】多重反射が起こっていない場合のスケルチ検出回路の動作例を示す図である。
【図5】多重反射が起こった場合のスケルチ検出回路の動作例を示す図である。
【図6】多重反射が大きくなった場合のスケルチ検出回路の動作例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態2に係るデジタルデータ通信システム2の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施形態3に係るデジタルデータ通信システム3の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0058】
1 デジタルデータ通信システム
2 デジタルデータ通信システム
3 デジタルデータ通信システム
10 通信インターフェース回路
20 通信インターフェース回路
40 通信インターフェース回路
50 通信インターフェース回路
60 通信インターフェース回路
110 送信ドライバ
120 受信ドライバ
130〜140 終端抵抗器
150 終端抵抗調整回路
151 スケルチ検出回路
152 バースト検出回路
153 抵抗値制御回路
210 受信ドライバ
220 送信ドライバ
310〜320 コネクタ
330 信号ケーブル
340〜350 配線
410 特定パターン発生回路
510 特定パターン検出回路
610 特定パターン検出回路
620 終端抵抗調整回路
621 スケルチ検出回路
1510 比較部
1510a バッファ
1510b インバータ
1510c アンドゲート
1510d ダイオード
1511 出力部
1511a 出力バッファ
C1 キャパシタ
R1 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗値を可変でき、差動信号を伝送する1対の伝送路のそれぞれに接続された終端抵抗器を有する通信インターフェース回路の前記終端抵抗器の抵抗値を調整する終端抵抗調整方法であって、
前記差動信号の電圧差が所定の検出閾値以上か否かを検出して、検出結果に応じたスケルチ出力信号を出力するスケルチ検出ステップと、
前記スケルチ出力信号のバースト長を検出するバースト検出ステップと、
前記バースト長が最小となる前記終端抵抗器の抵抗値を求めて、求めた抵抗値に前記終端抵抗器を調整する抵抗値制御ステップと、
を有することを特徴とする終端抵抗調整方法。
【請求項2】
請求項1の終端抵抗調整方法であって、
所定のテストデータを生成する特定パターン発生ステップをさらに有し、
前記抵抗値制御ステップは、通信相手からループバックされた前記テストデータに基づいて、前記終端抵抗器の抵抗値を求めることを特徴とする終端抵抗調整方法。
【請求項3】
請求項1の終端抵抗調整方法であって、
通信が可能な状態になったことを検出する特定パターン検出ステップをさらに有し、
前記スケルチ検出ステップは、前記特定パターン検出ステップの検出結果に応じ、前記検出閾値を変更することを特徴とする終端抵抗調整方法。
【請求項4】
抵抗値を可変でき、差動信号を伝送する1対の伝送路のそれぞれに接続された終端抵抗器を有する通信インターフェース回路の前記終端抵抗器の抵抗値を調整する終端抵抗調整回路であって、
前記差動信号の電圧差が所定の検出閾値以上か否かを検出して、検出結果に応じたスケルチ出力信号を出力するスケルチ検出回路と、
前記スケルチ検出回路の出力のバースト長を検出するバースト検出回路と、
前記バースト長が最小となる前記終端抵抗器の抵抗値を求めて、求めた抵抗値に前記終端抵抗器を調整する抵抗値制御回路と、
を備えたことを特徴とする終端抵抗調整回路。
【請求項5】
請求項4の終端抵抗調整回路であって、
所定のテストデータを生成する特定パターン発生回路をさらに備え、
前記抵抗値制御回路は、通信相手からループバックされた前記テストデータに基づいて、前記終端抵抗器の抵抗値を求めることを特徴とする終端抵抗調整回路。
【請求項6】
請求項4の終端抵抗調整回路であって、
通信が可能な状態になったことを検出する特定パターン検出回路をさらに備え、
前記スケルチ検出回路は、前記特定パターン検出回路の検出結果に応じ、前記検出閾値を変更することを特徴とする終端抵抗調整回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−60768(P2008−60768A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−233257(P2006−233257)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】